1: 名無しさん@おーぷん 2016/01/05(火)22:06:28 ID:c5n
陽子「あいついつも私の周り飛び回ってる…いい加減うざい…切れそう…」

電子「ブ―――――――ン」

陽子「チッ!!」

中性子(我はただここに有るのみ…)

陽子「もう嫌だこんな生活…」

3: 名無しさん@おーぷん 2016/01/05(火)22:10:56 ID:c5n
陽子「お隣さんは陰気で無口で無反応…」

陽子「ふと見渡せば飛び回るバカども…」

電子「そんなこと言うなよ、傷つくだろー」

陽子「!!話しかけてきやがった!」

電子「そうじゃけんに扱うなよ、俺だって同じ原子を構成する仲間として
   お前らは仲良くしたいんだぜ?」

陽子「じゃあ飛び回るのをやめて!いい加減切れそう!」

電子「それは無理、法則的に」

陽子「そもそもお前飛び回りすぎてどこにいるかあいまいなのよ!」

電子「それが電子です」

6: 名無しさん@おーぷん 2016/01/05(火)22:14:04 ID:c5n
陽子「年がら年中飛び回ってばっかのあんたなんて大っきらいよ!」

電子「俺は堂々ととどまり続けるお前が好きなんだけどな!」

陽子「! …何言ってんのよバカ!」

電子「おう…これは脈ありそうな反応だぜイエ――――イ!!」

10: 名無しさん@おーぷん 2016/01/05(火)22:16:03 ID:c5n
電子「陽子ちゃん陽子ちゃん!中性子との仲はどうなの?」

陽子「そもそも会話が成り立つのか?」

電子「知らん」

陽子「話振っておいて…」はぁ

11: 名無しさん@おーぷん 2016/01/05(火)22:16:22 ID:c5n
>>7
違う 農家

12: 名無しさん@おーぷん 2016/01/05(火)22:20:03 ID:c5n
電子「中性子よーおまえこんな別嬪さんがそばにいるのに話しかけもしないのはどうかと思うよー?」

陽子「ちょ!!…何言ってんのよ!べっ…別嬪さんなんてそんな…」顔真っ赤

中性子(我はただここに有るのみ…それのみで十分…)

電子「おい!てめえ!聞いてんのか!いつまで寡黙気取ってんだごらぁ!!」

陽子「え…何で突然切れてるの?やっぱ馬鹿だから?」

13: 名無しさん@おーぷん 2016/01/05(火)22:24:28 ID:c5n
中性子「電子よ…我は沈黙を愛する故…話しかけないで頂けるだろうか…」

陽子「しゃべった!!」

電子「ちょっと陽子ちゃん黙って聞いててくれよww]

電子{陽子ちゃんは気付いてないようだけどお前は違うだろ?中性子よ}こそこそ

中性子{何のことかね?分からんな}ぼそぼそ

陽子(あれ?私蚊帳の外?さっきまで話題の中心だったはず…)



15: 名無しさん@おーぷん 2016/01/05(火)22:27:30 ID:c5n
電子{この酸化鉄分子(セカイ)が我々の想像もつかないような存在の手によって変質させられる事だ}

中性子{フン…そんなことか。アレはただの下らん噂にすぎ

電子「分かってんだろ!!!!」喝!!

陽子「ぎゃあ!」

17: 名無しさん@おーぷん 2016/01/05(火)22:31:36 ID:c5n
電子{こうなってはどうなるか予想もつかない、俺たちの世界は全く別の何かになるだろう}

陽子「なに?なんで電子君ヒートアップしてんの?ねえ?」

中性子「陽子よ…わしはコイツと話をつけねばならんようじゃ…
    結構過激な内容なので耳をふさいでいただけるとありがたい」

陽子「わ…わかった…」(いままで黙ってたせいか、凄味があるなぁ)

中性子「お前がこのわしに何を言うというのじゃ」

18: 名無しさん@おーぷん 2016/01/05(火)22:34:15 ID:c5n
電子「なぜ、陽子と話してやらねえ?」

中性子「決まっておるだろう…その資格がないからじゃ…」

電子「あいつのことを気にしているのか?」

中性子「!!」

中性子「貴様…」

電子「おっと!お前のこぶしは絶対に俺には届かんよ」(法則的に)

電子「おまえ…何のために今そこにいるんだ?」

19: 名無しさん@おーぷん 2016/01/05(火)22:38:05 ID:c5n
中性子「わしは…ここにいるだけで十分だった…これ以上を望むのは…」

電子「陽子はどうなる?お前みたいな無口なやつといっしょになって…さみしそうじゃねえか!」

中性子「わしは…」

電子「お前がやったことは別に悪でもなんでもない!」

中性子「しかしわしは兄弟とでも言うべき存在を見捨てたのじゃぞ?」

20: 名無しさん@おーぷん 2016/01/05(火)22:42:56 ID:c5n
以下回想

中性子「以前の記憶が定かではない…そうか、前の世界は終わったか…
    次の世界は大きくなりそうだな」核融合反応の最中

陽子「中世子君!世界が終っても私たちずーっと一緒だよね!」
中性子その2「もちろんさ!僕たちは世界の中で最も距離の近いベストカップルなんだ!離れるはずがないさ!」

中性子「いいなあいつら…わしはかつてのパートナーの記憶さえない…
    反応の激しさでばらばらになったんじゃろうな…」


暴走する中性子その3「無限の!エネルギーが!俺をかそくするぅ!」

中性子「なんだあいつは!正気を失っている」

21: 名無しさん@おーぷん 2016/01/05(火)22:47:03 ID:c5n
暴走する中性子その3「どげどげえぇぇぇぇじゃばだあぁぁあぁああぁ!!」

中性子「!危ない」

中性子の反応が遅れた、危険を知らせたところで所詮は陽子と中性子
よけられるはずもなかったが、この反応の遅れにパートナーがいることに対する嫉妬が無かったとは言い切れない

陽子「中性子く―――ン!!」 中性子その2「陽子ちゃ――――ン!!」

中性子「お嬢ちゃん!危ない!」

24: 名無しさん@おーぷん 2016/01/05(火)22:50:33 ID:c5n
陽子「ここは…?」

中性子(なんて言ったら良いのじゃ…かける言葉も思いつかん…)

陽子「中性子君は?どこ行っちゃったの?コイツ私の中性子君じゃない!!!!どうして」

陽子「いやあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

中性子「済まない…済まない…」

25: 名無しさん@おーぷん 2016/01/05(火)22:53:51 ID:c5n
電子「そして目覚めたときには、陽子ちゃんは以前の記憶をさっぱり失っていたというわけだ…」

中性子「わしは…あの子と話す資格なんてない」

電子「そうやって過去の罪から逃げてるつもりか?」

中性子「お前に何が分かる!!すべて終わった後、冷えて固まるころになってやってきたお前なんぞに…」

電子「そうやって。何かあったらすぐに飛んで言っちまう俺には出来ない重役を放棄するのか?」

中性子「!?」

27: 名無しさん@おーぷん 2016/01/05(火)22:59:31 ID:c5n
電子「考えても見ろよ…俺はお前らの間をぐるぐる回っているにすぎない」

電子「ちょっと温度が上がったりしただけでも!ちょっと液体に世界が混じったりしただけでも!!」

電子「なさけねえ根なし草の俺はすぐどっか飛んで行っちまうんだ!!」

電子「好きなやつを…そばで守ってやることなんてできないんだ…」

中性子「電子…お前…」

電子「正直言って、成り行きで陽子とくっついただけのお前に頼むのは業腹だ…」

電子「だけど、お前以外に頼む奴が居ねえんだ」

電子「あいつを…陽子を退屈させないでやってくれ…」

電子「世界が変わった後も…孤独を感じないように…そばで支えてやってくれ」

中性子「…」

電子「何よりも…以前のような悲劇を繰り返さないでくれ…」

28: 名無しさん@おーぷん 2016/01/05(火)23:03:43 ID:c5n
電子「陽子は…この世界で退屈ばっかりしてた」

電子「すぐ飛んで行っちまう俺は、深い関係を築くのが怖かった」

中性子「そしてわしは…過去の罪に向き合えず黙り込んでしまった…な」

電子「俺は多分どこか行っちまう」

中性子「そうだろうな…次の世界でも一緒なんて奇跡だ…」

電子「でもお前らは違う!今回は核融合みたいな激しい変化ではない!
   お前らは2人でやり直せるはずだ…」

電子「頼んだぞ!…中性子!!」

中性子「ああ…任された…あいつの分も…お前の分も…がんばってみるよ」

30: 名無しさん@おーぷん 2016/01/05(火)23:06:08 ID:c5n
外なる世界にて

作業員「おーい、鉄鉱石の搬入は完了したかーーーー?」

下っ端「OKでーす」

作業員「班長!こっちはオッケーで――す!!」

班長「じゃあみんな!くれぐれも溶鉱炉に落ちたりとかしないように!!」

総員「了解!!」

32: 名無しさん@おーぷん 2016/01/05(火)23:10:32 ID:c5n
電子「始まったな…」

中性子「そのようだな…」

陽子「何?何が始まったの?なんか変だよ?電子君…動きやばくない?」

電子「思ったより温度が激しく上がるな…ここまでのようだ」

陽子「電子君どうしたの?」

電子「なに…一寸旅に出てくるだけだ…中性子…頼んだぞ」

中性子「ああ…」

陽子「どうなっちゃうの?世界がおかしくなってるよ…」

中性子「安心するのじゃ!わしがそばにいる。」

陽子「はい!!」(何だろう…しゃべり始めたばかりなのに懐かしい感じがする…)

33: 名無しさん@おーぷん 2016/01/05(火)23:16:38 ID:c5n
酸化鉄は溶鉱炉で炭素とともに加熱され、還元されて純化される

電子「こりゃいいや!還元反応とは神様もしゃれがきいてるね!!」

jy電子「新しい世界(鉄)は俺を拘束できない!複数の世界を飛び回れるってわけだ!!」

じy電子「俺をしばりつけるものは何もない…何もかもが消えたんだ…」

自由電子「そう…何もかも………」

自由電子「………………」

自由電子「ウェwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwイ」

34: 名無しさん@おーぷん 2016/01/05(火)23:22:00 ID:c5n
中性子「行ってしまったようじゃの…」

陽子「さみしくなるね…いつ帰ってくるんだろう?


中性子「………さあな、いくつもの世界をめぐって飽きたら帰ってくるじゃろう」

中性子「それまでは…わしが話し相手になってやろう…」

陽子「話し相手か…へへっ!中性子とお話が出来るなんて夢にも思わなかったよ!」

陽子「一度に2人も話し相手が出来た!一人は旅に行っちゃったけど。やったね!」

中性子(いつか…奇跡の再開を果たすまで…中性子…電子…わしはわしに出来ることをやって見せるとも!)

35: 名無しさん@おーぷん 2016/01/05(火)23:23:50 ID:c5n
これにてこの話は完結

見切り発車にもほどがあったため見苦しい点が多々あったと思いますが
見てくださった方!感謝しかない。

引用元: 陽子「…」 電子「ウェーイwwwww」