2: 名無しで叶える物語 2018/01/08(月) 07:50:20.49 ID:xx/Ax/B1.net
【焼き芋】

パチパチ…

曜「わあ…!」

花丸「よしっ。もう少し火が落ち着いたら、お芋を入れていくからね」ガサ

鞠莉「慣れたものね」ワクワク

曜「ごめんね、いきなりお願いしちゃって」

曜「鞠莉ちゃんが、どうしても花丸ちゃんの焼き芋が食べたいって言うから」ニシシ

鞠莉「ちょ、それは内緒の約束でしょ!」

3: 名無しで叶える物語 2018/01/08(月) 07:51:57.16 ID:xx/Ax/B1.net
花丸「えっ、それ本当?」

曜「本当だよ。ね、鞠莉ちゃん」

鞠莉「まあ、うん…」

花丸「わあっ!マル、鞠莉ちゃんに食べたいって言ってもらえて嬉しいずら!」

鞠莉「えっ?」

花丸「マル、ずっと思ってたんだ。鞠莉ちゃん、いつもみんなのために頑張ってくれてるから、何かお礼がしたいなって」

鞠莉「花丸…」

花丸「いつも助けてもらってばかりなのに、マルにはこんなことくらいしかできないけど…」

花丸「待ってて、とびっきり美味しい焼き芋をご馳走するずら!」

鞠莉「…!」

曜「ふふっ。だってさ、鞠莉ちゃん」

鞠莉「もう…お世話になります、焼き芋マイスター」

4: 名無しで叶える物語 2018/01/08(月) 07:52:50.16 ID:xx/Ax/B1.net
パチ…パチ…

花丸「うん、火加減はこんなものかな。それじゃあ、お芋を入れていこうね」

曜「へへっ、待ってました!」

鞠莉「お芋は、焚き火の中に押し込んだほうがいい?」

花丸「無理に入れなくて大丈夫だよ、調整はマルがやるから」

鞠莉「マイスターにお任せってわけね。頼もしいわ」

5: 名無しで叶える物語 2018/01/08(月) 07:53:59.71 ID:xx/Ax/B1.net
花丸「ほいっと」ガサ

鞠莉「えいっ」ガサ

曜「それっ。美味しくなるんだぞー」ガサ

鞠莉「なんだか夢を詰め込んでる気分ね」ワクワク

花丸「ふふ、素敵な言い方。今度から使わせてもらうね」

鞠莉「その時には呼んでね。曜と食べに来るから」

曜「へへ、だね!」

6: 名無しで叶える物語 2018/01/08(月) 07:59:15.62 ID:xx/Ax/B1.net
花丸「さてさて、具合はどうかな」ガサガサ

花丸「ん…」ジー

曜「どんな感じ?」

鞠莉(プロの判定待ち…不思議な緊張感があるわ)ワクワク

花丸「…うん!もう少ししたら食べごろだよ」

曜「待ちに待った時が近づいてきたね」

鞠莉「ええ、胸がときめくわ」

7: 名無しで叶える物語 2018/01/08(月) 08:00:48.13 ID:xx/Ax/B1.net
花丸「よし、完成ずら!」

ようまり「おおー!」パチパチ

花丸「じゃあ、一つ割ってみるね」ヒョイ

曜「火傷に気をつけてね!」

花丸「ふふ、手袋してるし、準備は万端ずら…ほっ!」

パカッ

ようまり「わぁ…!」

8: 名無しで叶える物語 2018/01/08(月) 08:04:26.26 ID:xx/Ax/B1.net
花丸「うん、よく焼けてる!」

鞠莉「立ち昇る湯気、きらめくお芋、美味しそうな匂い…!」

曜「美少女と焼き芋…本日のハイライトはこれに決まりだね!」

花丸「ふふっ、なにそれ」クスクス

鞠莉(花丸にこんな一面があったなんて、知らなかったな)ニコ

花丸「さ、食べよう!」

曜「うん!せーの」

ようまりまる「いただきまーす!」

9: 名無しで叶える物語 2018/01/08(月) 08:05:37.08 ID:xx/Ax/B1.net
鞠莉(ああ、夢にまで見たお芋…きらめく湯気を纏い、金色に輝いて…)ウットリ

鞠莉(それがついに、ついに…!)モグッ

花丸「あ、持てるようになっても中はアツアツだから注意――」

鞠莉「ん゛ん゛っ!?」

花丸「遅かった!?」

曜「はい、水筒!」

鞠莉「んむーっ!」ゴクゴク

11: 名無しで叶える物語 2018/01/08(月) 08:06:48.85 ID:xx/Ax/B1.net
鞠莉「ふぁ…ありがとう、危うく口を火傷するところだったわ…」

曜「もう、飲み物も用意しないで慌てて食べるからだよ?」

鞠莉「だってぇ…」

花丸「ふふっ。待ちきれないほど楽しみにしてくれたんだね」

曜「そうみたいだね。ま、私もだけど」ニシシ

鞠莉「うー…」

花丸「お芋は逃げないから。ゆっくり食べよう、ね?」

鞠莉「はぁい…」

曜(かわいい)

花丸(かわいい)

12: 名無しで叶える物語 2018/01/08(月) 08:12:20.11 ID:xx/Ax/B1.net
曜「それじゃ、気を取り直して…はむっ」

鞠莉「ふー、ふー…はむっ…」

ようまり「!」

曜「美味しい!なにこれ、焼き芋ってこんなに美味しくなるの!?」

鞠莉「極上のスイーツを味わってるみたい!こんなお芋、今まで食べたことないよ!」

花丸「よかった!」

曜「すごい。すごいよ花丸ちゃん!」ハフハフ

鞠莉「読書に焼き芋。秋は花丸の季節と言っても良いくらいね」ハフハフ

花丸「えへへ、それは褒めすぎずら♪」ハフハフ

13: 名無しで叶える物語 2018/01/08(月) 08:18:14.36 ID:xx/Ax/B1.net
花丸「沢山あるから、どんどん食べてね」

曜「ありがと!でも、本当に沢山焼いちゃったよね、3人じゃ食べきれないかも」

鞠莉「焼いちゃったら保存がきかないよね、どうしよう」

花丸「ふっふっふ。こんなこともあろうかと。はい、これ」ガサ

鞠莉「これは、紙袋?」

曜「もしかして、お持ち帰り用ってこと?」

花丸「うん!おうちに帰ってからも楽しんでもらおうと思って、用意しておいたんだ」

曜「完璧な気配りと段取り…!」

鞠莉「マイスターは伊達じゃないわ…!」

花丸「お芋はね、温めなおしてもいいし、スイートポテトとかにするのもオススメなの!」

曜「わぁ、それいい!」

鞠莉「ファンタスティック!さすが焼き芋マイスター!」

曜「なら、貰ったお芋はスイートポテトにして、明日練習に持っていくね!みんなで食べよう!」

14: 名無しで叶える物語 2018/01/08(月) 08:25:41.32 ID:xx/Ax/B1.net
【コーヒー】

鞠莉「結構歩いたし、ここのカフェで一休みしない?」

曜「賛成!」

イラッシャイマセー

鞠莉「んー、いい香りが満ちてる」

曜「少し待ちそうだね」

鞠莉「待つのもコーヒーの楽しみよ」

曜「流石コーヒー通!コメントに深みがあるね、なんちゃって」

鞠莉「ほう?」

曜「…そういえば気になってたんだけどさ」

鞠莉(あ、話題変えた)

曜「こういうチェーンのお店って、コーヒー好きの人から見てどうなの?」

鞠莉「そうねぇ。評価は人それぞれだろうけど、私は好きだな」

鞠莉「大衆的だけど、本格的なカフェの雰囲気と味が堪能できる。お店の数も多いからアクセスしやすいしね」

曜「ふむふむ、なるほどねー」

15: 名無しで叶える物語 2018/01/08(月) 08:26:59.37 ID:xx/Ax/B1.net
鞠莉「私はブレンドコーヒーにするわ。あ、クッキーも頼もうかな」

曜「じゃあ、私もブレンドにする!」

鞠莉「無理して合わせなくていいのよ。紅茶系やココアだってあるんだし」

曜「鞠莉ちゃんと同じものがいいの」

鞠莉「でも、それじゃ交換できないよ?」

曜「む…」

鞠莉(悩んでる)クスッ

曜「やっぱり、私はほうじ茶ラテにしようかな!」

鞠莉「ふふ、そういうことにしましょう」

16: 名無しで叶える物語 2018/01/08(月) 08:28:27.37 ID:xx/Ax/B1.net
曜(さてさて。交換することを見込んだものの…)

鞠莉「んー、やっぱりコーヒーは素敵ね」

曜(コーヒーまだ慣れないし…にがい!ってならずに飲めるかな…)ジー

鞠莉「あ、そろそろ交換かな。砂糖とミルクは入れてあるけど、行けそう?」

曜「ありがと、試してみるね…」

鞠莉(おやおや、恐る恐るじゃない)クスッ

18: 名無しで叶える物語 2018/01/08(月) 08:29:28.88 ID:xx/Ax/B1.net
曜「んっ…うん、美味しいね…」

鞠莉「果たしてそうかしら。我慢が顔に出てるよ?」

曜「う…ごめんね。せっかくだから美味しく飲みたかったのに…」シュン

鞠莉「なーんてね。はい、忘れ物」

曜「あ…クッキー!」

鞠莉「クッキーと一緒に飲むことを考慮して、少しお砂糖控えめにしたの。意地悪してごめんね?」

曜「そういう大事なことは先に言ってよぉ」モグモグ

鞠莉「ごめんって」クスクス

19: 名無しで叶える物語 2018/01/08(月) 08:30:57.95 ID:xx/Ax/B1.net
鞠莉「まあそんなわけで、そっちも一口ちょうだい」

曜「あ、ごめんね気付かなくって。はい」

鞠莉「ありがとう。ん、美味しい」

曜「すっかり定着してるけどさ、ほうじ茶をおしゃれなラテにしちゃうって、凄いアイデアだよね」

鞠莉「これもまた、和と洋のハイブリッドってわけね」

曜「なるほどね。なら、次来た時は抹茶ラテにしようかなー」モグモグ

鞠莉「ちょ、クッキー食べ過ぎよ!?」

20: 名無しで叶える物語 2018/01/08(月) 08:32:20.56 ID:xx/Ax/B1.net
【冬のアイス】

アリガトウゴザイマシター

曜「ふふ、買っちゃった♪クッキーにサンドされたアイス、前から気になってたんだー!」

鞠莉「この寒いのにアイスだなんて。曜も物好きねぇ」

曜「見かけたら、どうにも食べたくなっちゃってねー」

曜「鞠莉ちゃんにもあるでしょ、冬場のアイスが恋しくなること」

鞠莉「ないではないけど…」

曜「絶対あるよ!」

曜「あるでしょ、寒い時に冷たいものが、暑い時に熱いものが食べたくなることって!」ズイッ

鞠莉「わ、わかったから、少しクールダウンしよう?」

21: 名無しで叶える物語 2018/01/08(月) 08:33:40.28 ID:xx/Ax/B1.net
曜「さてさて、いただきますか!」モグ

曜「ん、期待通りの美味しさ!」

鞠莉「それは結構だけど、曜って寒がりでしょ。体冷やしても知らないよ?」

曜「その時は、鞠莉ちゃんに温めてもらうから大丈夫!」

鞠莉「まあ!このマリーをカイロがわりに使おうだなんて、大胆なことを思い付くわね」

曜「だって、あっためてくれるでしょ?」

鞠莉「ま、風邪をひかれたら困るからね」

曜「えへへ…あ、一口食べる?」

鞠莉「もちろんデース!」

22: 名無しで叶える物語 2018/01/08(月) 08:34:58.97 ID:xx/Ax/B1.net
【甘酒】

理事長室

鞠莉「はい、どうぞ」コト

曜「ありがと!甘酒なんて珍しいね」

鞠莉「さっきね、ダイヤが振舞ってくれたの」

鞠莉「頂き物だけど、家だと飲みきれないからどうぞって」

曜「へー。ダイヤさんからってことは、結構いいやつだったり?」

鞠莉「みたいね。詳しくは聞いてないけど、そんな気がする」

曜「期待大だね!」

23: 名無しで叶える物語 2018/01/08(月) 08:36:59.23 ID:xx/Ax/B1.net
曜「それじゃ、いただきまーす」

鞠莉「いただきまーす」

曜「おおっ!」

鞠莉「ん…!」

曜「おいしー!なんか甘酒を飲むと、冬が来たって感じがするね!」

鞠莉「これは体が温まりそうね」

曜「うんっ!」

曜(でも、なんだろう、美味しいんだけど、飲んだことない感じ…何が違うんだろう)ウーム

鞠莉「ふふ、なんだかぽかぽかしてきた」

曜「えへへ、早速あったまってきたんじゃない?」

鞠莉「そうなのかなぁ…おいしい…」ポー

24: 名無しで叶える物語 2018/01/08(月) 08:38:08.13 ID:xx/Ax/B1.net
曜「ふぅ、ごちそうさま!」

鞠莉「美味しかったね…」ポー

曜「ね!」

曜(違和感の正体は分からずじまいだったけど…きっと、高級だからだよね)

鞠莉「うふふ…」フラフラ

曜「あれ、鞠莉ちゃん。どうかしたの?」

鞠莉「なんだか、あついね…」

曜「え、そう?」

鞠莉「体が火照っちゃった…」

曜「確かに少しぽかぽかするけど、そこまでは…」

27: 名無しで叶える物語 2018/01/08(月) 08:43:01.20 ID:xx/Ax/B1.net
鞠莉「曜…はぐぅ~!」ハグッ

曜「わあっ!?」

鞠莉「ふふ、曜はかわいいなぁ」ムギュー

曜「ま、鞠莉ちゃん!?」

鞠莉「なんかすっごくかわいいよ。なんでー?」

曜「な、なんでって言われても」アセアセ

鞠莉「あーわかった、今日はかわいい日なんだぁ」ナデナデ

曜「かわいいの日!?」

鞠莉「いつもキュートだけど、今日は飛びっきりなんだもん」ムギュ

曜「え、えええっ!?」

鞠莉「んふふ」ニコニコ

28: >>27修正します 2018/01/08(月) 08:44:40.74 ID:xx/Ax/B1.net
鞠莉「曜…はぐぅ~!」ハグッ

曜「わあっ!?」

鞠莉「ふふ、曜はかわいいなぁ」ムギュー

曜「ま、鞠莉ちゃん!?」

鞠莉「なんかすっごくかわいいよ。なんでー?」

曜「な、なんでって言われても」アセアセ

鞠莉「あーわかった、今日はかわいいの日なんだぁ」ナデナデ

曜「かわいいの日!?」

鞠莉「いつもキュートだけど、今日は飛びっきりなんだもん」ムギュ

曜「え、えええっ!?」

鞠莉「んふふ」ニコニコ

29: 名無しで叶える物語 2018/01/08(月) 08:46:57.57 ID:xx/Ax/B1.net
ピロン ブッブー

曜「ま、鞠莉ちゃん!スマホ鳴ったよ!?」

鞠莉「もー、なによぉ…」モゾモゾ

曜(ど、どうしたんだろう。なんだか様子がおかしいぞ…)

鞠莉「うー、なんか読めない…曜やってー」スッ

曜「え、それって大丈夫なの?」

鞠莉「はやくやってー、読んでー」ズイッ

曜「わ、わかったよ…ライン、ダイヤさんから?」

30: 名無しで叶える物語 2018/01/08(月) 08:49:42.93 ID:xx/Ax/B1.net
ダイヤ『言い忘れましたが、先ほどの甘酒は酒粕で作られていますので、微量のアルコールを含んでいます』

ダイヤ『微量ですから大丈夫だと思いますが、念のためお知らせします』

曜「アルコール…ま、まさか」

鞠莉「ようー」ハグッ

曜「ひゃあ!?」ポフッ

曜(ソファに押し倒された!?)

鞠莉「からだがあついよぉ…なんで…?」

曜「酔ってるー!?」

31: 名無しで叶える物語 2018/01/08(月) 08:51:27.52 ID:xx/Ax/B1.net
曜「嘘でしょ、いくらなんでも弱すぎだよ!」

鞠莉「よう、あついー…」ムギュー

曜「そ、それは鞠莉ちゃんがくっついてくるからじゃないかなあ!?」

鞠莉「あ、そっかぁ」ヌギヌギ

曜「って、なんで脱いでるの!?」

鞠莉「だって、あついんだもぉん…」パサ

曜「待って!ノー、ストップ!」

鞠莉「あ、顔が赤くなってるー」クスクス

曜「へっ!?」

鞠莉「曜もあついんだぁ。ならさ」

鞠莉「一緒に、ぬご?」

33: 名無しで叶える物語 2018/01/08(月) 08:58:29.23 ID:xx/Ax/B1.net
曜「ダメだよ!何言ってるの、こんなところで!」

鞠莉「あー、もしかして脱げないの?」クスクス

曜「脱げるよ!?違った、そうじゃなくて!」

鞠莉「脱げないんだぁ、曜はお子ちゃまねー」アハハ

曜「だから、そういうことじゃなくてー!」

鞠莉「もう、しょうがないなぁ」スッ

曜「へっ?」

鞠莉「マリーお姉ちゃんが手伝ってあげるね…」グイッ

曜「わっ、ちょお!?」

曜(近い近い近い!色々と近い!)

鞠莉「動いちゃダーメ、いい子にしてて…」シュル

曜「あ、ああ、あああっ…」



ダイヤ「失礼します、お代わりはいかが――」ガチャ

曜「あ」脱がされてる

鞠莉「うふふっ♡」脱がしてる

34: 名無しで叶える物語 2018/01/08(月) 08:59:31.16 ID:xx/Ax/B1.net
ダイヤ「こ、これはどういうことですの…!?」

曜「ダイヤさん!た、助かっ――」

ダイヤ「あ、あなたたちは…!」ワナワナ

曜「――ってない!いや、違うんですこれは!」

鞠莉「あ、ダイヤだぁ。はぁ~い♪」フリフリ

ダイヤ「神聖な学び舎を、なんと心得ているんですかあああああああ!」



終わり

引用元: 鞠莉「焚き火に夢を詰め込んで」