1:以下、名無しが深夜にお送りします:2022/07/04(月) 21:26:24 ID:eNooiqaU
アスカ「ファ、ファースト?あんた、今なんて…」
レイ「碇君と、ぽかぽかしたい、と言った」
アスカ(ぽかぽか…つまりこいつ…シンジの奴を殴りたいってこと?)
アスカ「ちょっとファースト、あんた本気で言ってないわよね?冗談でしょ?ね?」
2:以下、名無しが深夜にお送りします:2022/07/04(月) 21:33:03 ID:eNooiqaU
レイ「冗談なんかじゃ、ない。…私は本気よ」
アスカ(流石のあたしでもそこまで思わないわよ…人形女だと思ってたけど、本性は暴力女だったなんてね…)
アスカ「何であんたはシンジを″ぽかぽか″したい訳ぇ?なんか理由があんでしょ?教えなさいよ」
レイ「…から」
アスカ「へ?」
レイ「…碇君と、もっと仲良くなれるから。碇君との絆、深めたい。だから私は碇君と、ぽかぽかしたい」
アスカ「あんた、バカァ?そんなんで仲良くなれる訳、ないじゃない!」
アスカ(殴りあいをして絆が深まるとか、どんなバトル漫画の世界線よ)
3:以下、名無しが深夜にお送りします:2022/07/04(月) 21:41:28 ID:eNooiqaU
レイ「…どうしてそんなに頑なに止めるの、セカンド」
アスカ「はぁ?」
レイ「分からないわ。どうしてぽかぽかしたいと思うのがいけないことなの?」
アスカ「どうして、ってンなの当たり前じゃない!普通の精神の人間なら、誰でも止めるわよ!」
レイ「…」
レイ「もしかして、貴方も碇君とぽかぽかしたいの?だから、止めるの?」
アスカ「バッカじゃないの!そんな訳ないじゃない!あたしだってそこまで思わないわよッ!暴力女、あんたなんかとあたしを一緒にしないでよね!」
レイ「そう」
アスカ「そうよ!!」
4:以下、名無しが深夜にお送りします:2022/07/04(月) 21:48:02 ID:eNooiqaU
シンジ「アスカ、綾波!こんなとこにいたんだ。…珍しいね、二人で話してるの」
レイ「碇君…」
アスカ(噂をすればなんとやら、ね…この暴力女がシンジを殴らないよう、あたしがしっかりしないと)
アスカ(…べ、別にシンジの為じゃないから!こんなのでもエヴァのパイロットだし、いないと困るから、ただそれだけよ!)
シンジ「アスカ?ボーッとして大丈夫?」
アスカ「大丈夫よ!…え、えーと、それよりシンジ?」
シンジ「何?アスカ」
アスカ「このあたしの買い物に付き合いなさい!言っとくけど、これは命令よ!あんたに拒否権はないんだからね!」
シンジ「そんなぁ!アスカはいつも強引過ぎるよ…」
アスカ「あによ?このアスカ様の買い物に付き合えないってぇの?」
5:以下、名無しが深夜にお送りします:2022/07/04(月) 21:52:51 ID:eNooiqaU
シンジ「別に、そんなこと言ってないじゃないか!分かったよ、付き合うよ!付き合えばいいんでしょ」
アスカ「ふん!最初から素直にそう言やぁ良いのよ」
アスカ(これでシンジとファーストを引き離すことが出来るわ!フフン、あたしったらやっぱり天才ねッ!)
レイ「碇君、私も買い物行きたい。私も、良い?」
シンジ「え、あ、綾波…?」
レイ「…駄目なの碇君」
シンジ「……え、えーと」
アスカ「駄目駄目駄目駄目駄目ッッ!!!!」
シンジ「!?」
6:以下、名無しが深夜にお送りします:2022/07/07(木) 20:18:17 ID:5.lM2hq6
レイ「…どうして、駄目なの」
アスカ「どっ、どうしてって…それは、アレよアレ!シンジはあたしの荷物係なんだから!」
レイ「荷物係だなんて、そんなの碇君が可哀想よ」
アスカ(荷物係が可哀想?じゃあぽかぽか殴るのはどうなのよ?可哀想じゃないってぇの?)
シンジ「大丈夫だよ、綾波。僕、慣れてるし平気だから」
アスカ「そうよ、そうよ!あんたはもう帰んなさいよ!いても邪魔なだけよ!」
シンジ「ア、アスカそこまで言っちゃ綾波が可哀想だよ…」
アスカ「何?あんた、この女の肩を持つ訳?」
シンジ「そんなんじゃないよ!ただ…買い物くらい、皆で行けば…良いんじゃないかなぁって」
7:以下、名無しが深夜にお送りします:2022/07/07(木) 20:25:42 ID:5.lM2hq6
レイ「碇君…」
アスカ「良いわ。じゃあフィフスも呼びましょう」
シンジ「カヲル君?だ、だけどアスカ、カヲル君のこと普段あんなに嫌ってるじゃないか!なのになんで…」
アスカ「勘違いしないでよね!男女比を均等にする為よ。荷物係も多い方が都合良いし」
シンジ「分かった。カヲル君にメールしてみるよ」ピポパポ
アスカ「そうね…でもそれだとコネメガネも呼んだ方が良いかも。あいつだけ仲間外れしたりしたら、後で煩いし」
15分後
カヲル「やぁ、待たせたね。シンジ君、それにファースト、そして…セカンド」
アスカ「…あによ」
カヲル「君が僕を指名してくれたんだって?光栄だよ」ニコッ
8:以下、名無しが深夜にお送りします:2022/07/07(木) 20:33:18 ID:5.lM2hq6
アスカ「ふんっ!な~にが指名よ!ホストじゃあるまいし!あんたはあたしの荷物係なんだからね!」
カヲル「仰せのままに」
シンジ「それより、マリさん遅いね…大丈夫かな?」
マリ「ごっみ~ん!遅れちった!」
アスカ「コネメガネの分際であたしを待たせるたぁ、上等じゃないの!」
マリ「いやぁ~、道が混んでてね~」
マリ「そ・れ・よ・り!お呼びっすか、ヒメ」
アスカ「買い物行くからあたしの荷物係になんなさいよ」
マリ「わお!ヒメったら積極的!それってデートのお誘いっすよね♡」
アスカ「んな訳ないでしょ!女同士なのよ?」
マリ「ヒメ、分かってないな~愛は性別を越えるんすよ?」
9:以下、名無しが深夜にお送りします:2022/07/07(木) 20:43:41 ID:5.lM2hq6
アスカ「おふざけも大概にしなさいよ!」
マリ「ヒメったら照れちゃってぇ~」
カヲル「君たちは仲良しなんだね」
レイ「…」
シンジ「…あ、ごめんね綾波。煩くて」
レイ「別に。…皆で買い物、賑やかで良いと思う」
アスカ(ちょっと煩いとは思うけど…こんだけの人数がいたら、シンジのこと殴る暇なんかないでしょ!)
アスカ(大勢の前でそんなことしてみなさい、あんたはたちまちネルフをクビよ、クビ!)
アスカ(とは言うものの…不本意だけど、あたしだけじゃちょっと不安ね…誰か味方が欲しいわね。シンジのこと大好きなフィフス辺りが良いかしら)
10:以下、名無しが深夜にお送りします:2022/07/07(木) 20:48:38 ID:5.lM2hq6
アスカ「ちょっとフィフス、こっち来て」
カヲル「どうしたんだい?なにか用かい?」
アスカ「良いから早く来なさいよ!」
カヲル「もしかして…僕に愛の告白でもする気かい!?」
アスカ「…あんた、もしかしなくてもコネメガネに影響受けてるでしょ」
カヲル「そうなのかい?自分では中々分からないな」
アスカ「まぁ、ンなこたぁどうでも良いわ。本題、入るわよ」
11:以下、名無しが深夜にお送りします:2022/07/07(木) 20:54:44 ID:5.lM2hq6
アスカ「聞いて。ファーストはシンジのことを殴りたいって思ってるわ。しかも、殴りあえば絆が深まるとか訳分かんない考えの持ち主よ」
カヲル「信じられないな…あの寡黙なファーストが…」
アスカ「信じられなくても、真実よ。あたしは直接、この耳で聞いたんだから!」
カヲル「そうか…人は見かけによらないとは正にこのことだね」
アスカ「だから、あんたに協力して欲しいの!あたしはあいつを見張るからあんたはシンジを守って!得意でしょ、そーゆーの!」
カヲル「君に言われなくても、そうするつもりさ」
12:以下、名無しが深夜にお送りします:2022/07/10(日) 16:08:59 ID:kF1WIkao
アスカ「よし!交渉成立ね!二人であの暴力女を見張るわよ!」
カヲル「おー!」
アスカ「…あんたってそんなキャラだっけ?」
カヲル「おや?こういう時の掛け声は
13:以下、名無しが深夜にお送りします:2022/07/10(日) 16:11:09 ID:kF1WIkao
アスカ「よし!交渉成立ね!二人であの暴力女を見張るわよ!」
カヲル「おー!」
アスカ「…あんたってそんなキャラだっけ?」
カヲル「おや?こういう時の掛け声はそういう物だと聞いたのだけどな…すまない、間違いだったかい?」
アスカ「いや、まぁ良いわ…」
14:以下、名無しが深夜にお送りします:2022/07/10(日) 16:20:47 ID:kF1WIkao
***
マリ「ほらほら、見て見て!これなんかめっちゃ似合うんじゃないかにゃ~!」
レイ「…別に、私は良い。服ならこれがあるもの…」
マリ「そんなカッタイこと言わないでさ~!可愛いんだから、制服ばっか着てたら勿体ないっすよ?」
レイ「そう」
マリ「次はこっちのお店!れっつらごー!」
シンジ「あの二人、なんだかんだで楽しそうだね」
アスカ「そうねぇ」
アスカ(コネメガネ、ナイスよ!これであいつはシンジに手出し出来ないわ!)
シンジ「じゃあ、綾波とマリさんはそっとしておいて…僕らは僕らで買い物に行こうか!」
アスカ「…へ?」
シンジ「アスカ、僕に買い物付き合って欲しいんだよね?あの二人はあの二人で楽しんでるしさ、別行動しても大丈夫かなって…」
アスカ(…そういやそんな設定だったわね…)
シンジ「あ、カヲル君も行く?何か見たいものがなければの話だけど…」
カヲル「僕はどこまでもシンジ君に付き合うつもりだよ」ニコッ
15:以下、名無しが深夜にお送りします:2022/07/10(日) 16:31:08 ID:kF1WIkao
シンジ「そう?…あ、アスカ…カヲル君も一緒で良いかな?」
アスカ「…家具!家具よ、あたしが見たいのは家具!」
シンジ「え。か、家具?服とかじゃなくて、家具?」
アスカ「あによ?なんか文句でもある訳ぇ?」
シンジ「いや、ないけどさ…なんか、意外だなぁって」
アスカ「あれよ、あれ!ミサトがさ、家具新調したいんだって。だから、あたしが見てあげることにしたの」
カヲル「セカンド、嘘だね?」コソッ
アスカ「は?悪い?」ギロ
シンジ「そうなんだ。アスカって優しいんだね!」
アスカ「な、なによいきなり…気持ち悪いわね」
シンジ「買い物付き合って欲しいって言ったの、ミサトさんの為だったんだね!僕に付き合って欲しいって頼んだのも、僕も住人だからでしょ?だから、優しいんだなぁって思ったんだ」
カヲル「知らない方が良い真実もこの世にはあるのさ」
16:以下、名無しが深夜にお送りします:2022/07/11(月) 20:39:53 ID:h63kVgLI
カヲル「おっと、今のは失言だったかな?」
シンジ「?二人とも、いくよ?」
アスカ「あっコラ!待ちなさいよもう!!シンジの癖にぃ!」
家具屋
アスカ「シンジ、ほらこれ!これにしましょ!」
シンジ「え…こ、これ?これはちょっと…」
アスカ「なんでよ!花柄で可愛いじゃないの!」
シンジ「アスカの部屋の家具じゃないんだから…ミサトさんにこれは派手過ぎると思うよ?」
アスカ「良いじゃない!あたしの家でもあるんだから!」
シンジ「そ、それはそうだけどさ…」
カヲル「シンジ君、このソファーなんてどうだい?座り心地が良さそうだよ」
シンジ「でもこれ二人がけだよ?カヲル君、一人暮らしなんだよね?二人がけのソファーなんていらないんじゃ…」
カヲル「何を言ってるんだい?僕と君、二人の愛の巣に置く家具の話さ」
シンジ「えっ?愛の巣?」
アスカ「あんたはどさくさ紛れになに言ってんのよ!!このナルシスホモが!」
17:以下、名無しが深夜にお送りします:2022/07/11(月) 20:43:11 ID:h63kVgLI
カヲル「セカンド、店内では静かにしないと皆の迷惑になってしまうよ」ニコッ
アスカ「うぎー!!!!」
シンジ(アスカとカヲル君、ずいぶん仲良いんだなぁ…)
カヲル「さ、シンジ君。君と僕の愛の巣に置く家具を見に行こうか…」グイ
シンジ「え、ちょっとカヲル君?」
アスカ「シンジ!!なにしてんのよ!こっち来なさい!」グイ
18:以下、名無しが深夜にお送りします:2022/07/11(月) 20:50:56 ID:h63kVgLI
シンジ(いっ、一体僕はどうすれば…カヲル君はよく分からないこと言ってるし、アスカに付いてくべきだよね?)
シンジ「アスカ、行こうか」
アスカ「最初からそうすりゃあ良いってんのよ!」
カヲル「これは君の望む幸せではなかった…」
19:以下、名無しが深夜にお送りします:2022/07/16(土) 16:21:56 ID:PlW.MjcA
**
シンジ「良かったね、ちゃんと買えて…」
アスカ「当たり前でしょ!このエリートアスカ様が一緒なんだから!」
シンジ「そ、そだね…ハハ…」
アスカ「そういやあ、コネメガネとファーストはどうなったかしら?」
カヲル「真希波さん無事だと良いね?」
アスカ「縁起でもないこと言わないでよ!」
シンジ「…確か、待ち合わせ場所はこの辺だよね?」
マリ「おまた~!」
アスカ「コネメガネ…!あんた、おでこの傷…」
20:以下、名無しが深夜にお送りします:2022/07/16(土) 16:30:20 ID:zQIImCj2
レイ「弐号機の人、ごめんなさい。私…」
マリ「あー、良いの良いの!こんくらいへーきだって!」
アスカ「ちょっとファースト!!あんたがコネメガネに怪我させたの?」
レイ「…ごめんなさい」
アスカ「謝って済むと思ってんの!?あんた、最低よ!ほんっとに最低!!信じらんないわ!」
カヲル「…人に暴力を振るうのは良くないことだよ。まして、真希波さんは女性だ。傷が残っては彼女の結婚に問題が…」
アスカ「ちょフィフス、あんたいつの時代の貴族よ?」
カヲル「だけど、傷が残ると可哀想なのは確かだろう?」
マリ「心配してくれんのは嬉しいんだけどさ、そ~んな大袈裟なもんでもないのよん?あたしが一階の広場のジャズに聞き惚れちゃって、急に止まったのが悪いんだからさ」
レイ「でも私、貴方にぶつかってしまった」
21:以下、名無しが深夜にお送りします:2022/07/17(日) 10:36:57 ID:MZNvvfNk
マリ「ダイジョブだって!こんな傷!」
レイ「…でも、痛そう」
マリ「こんなの妊娠に比べたらかすり傷みたいなもんよ!ま、元々かすり傷だけどねん」
レイ「そう…」
アスカ「…じゃ、じゃあ殴られた訳じゃないの?」
マリ「レイちんが?あたしを殴る?まっさか~!このコはそんなタマじゃないって!やだな、ヒメったら」
アスカ「嘘でしょ?だって、さっきファーストが…」
マリ「レイちんがどうかしたのかにゃ?」
アスカ「シンジを殴りたいって…」
シンジ「え?」
22:以下、名無しが深夜にお送りします:2022/07/17(日) 10:39:54 ID:MZNvvfNk
シンジ「綾波…嘘だよね?ぼ、僕を殴りたいなんて…」
レイ「わ、私…そんなこと言ってない…」
アスカ「だ、だってあんたぽかぽかしたいって言ってたじゃない!それって殴りたいって意味でしょ?」
マリ「おおっと~?」
レイ「違う。違うの。それは…殴りたいって意味じゃなくて…その…」
23:以下、名無しが深夜にお送りします:2022/07/17(日) 10:47:28 ID:MZNvvfNk
カヲル「ファースト、君はシンジ君のことが好きなんだね?」
レイ「…///」コクン
アスカ「そうならそうと、ハッキリ言いなさいよ!もう!いらない心配した自分が馬鹿みたいだわ!」
シンジ「…アスカ、僕を心配してくれてたの?」
アスカ「あんたみたいなネクラでも、一応エヴァのパイロットだからね!いないと面倒だから、ただそれだけよ!」
シンジ「それでも嬉しいよ。心配してくれて」
アスカ「あたしより、あんたが気にしなきゃいけないのはファーストでしょ!好きって言ってんのよ!?あんたに!」
レイ「碇君…」
シンジ「綾波…ありがとう。こんな僕なんかを好きって言ってくれて。凄く嬉しい」
レイ「碇君」
シンジ「綾波」
マリ「あっちゃ~完全に二人だけの世界ねん」
カヲル「…シンジ君が幸せなら僕はそれで良いのさ」
アスカ「アホらしい!ばっかみたい!あたし帰る!」
24:以下、名無しが深夜にお送りします:2022/07/17(日) 10:50:44 ID:MZNvvfNk
カヲル「それってヤキモチ、かい?」
アスカ「あんたバカァ?そんな訳ないでしょ!気持ち悪いこと言わないでよ!」
マリ「ヒメ、待ってよ!一緒に帰ろ!」
アスカ「…ラーメン!」
マリ「へ?」
アスカ「…ラーメンおごってくれんなら良いわよ。一緒に帰ってやるわ」
マリ「モチのロン!」
アスカ「フィフス、なにボケっとしてんのよ!あんたも行くのよ!」
カヲル「仰せのままに」
完
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