ダイヤ(一体何が悪かったのでしょうか)
ダイヤ「はあ……」
ダイヤ(努力が足りなかったのでしょうか?それともわたくしたちに魅力がなかったのでしょうか?
いえ、みなさんは素晴らしい才能を持っていますし、全力を尽くしましたわ。それなのに……)モンモン
ダイヤ「はあ……」
ダイヤ(でもどうしようもないのですわ。もう決まったこと。でも……、でも……、)モンモン
ダイヤ「ああああああああああああああああああああああああああ!」
ルビィ「おねえちゃあ、どうしたの!?」ガラッ
叫び声と大きな音を聞いて、部屋に駆け付けたルビィが見たのは――
ダイヤ「ふざけるな!ふざけるな!」ドゴォ!ドゴォ!
琴を壁に叩きつける姉の姿だった。
ダイヤ「止めないでくださいまし!こんなもの!」ドゴォ!ドゴォ!
ルビィ「やめて!どうしてこんなことするの!?」
ダイヤ「どうしてですって!?いらないものを壊しているだけですわよ!」ドゴォ!ドゴォ!
ルビィ「なんで!?おねえちゃあ、あんなにお琴のお稽古してたのに!」
ダイヤ「そんなの関係ありません!わたくしがやりたいのは……」ドゴォ!
""
ダイヤ「ロックですわああああああああああああああああ!」
ドゴォオオオ!
鞠莉「♪~♪~」シャカシャカ
鞠莉(やっぱりハードロックはエクセレントね!)
ガラッ
鞠莉「ん?」
ダイヤ「こんばんは。突然ですが、ロックバンドを組みませんか?」
鞠莉「ワット!?」
ルビィ「結局、おねえちゃあは家を出てったきりで……」
善子「ええ!?それ大丈夫なの!?」
花丸「心配ずら……ってあれ!ダイヤさん!校門のとこ!」ユビサシ
ルビィ「えっ?」
バンバンバンバンバン(ドラムの音)
善子「なにやってるの……こんな人目につくとこで……」
ルビィ「おねえちゃあ……」
花丸(ルビィちゃんもショック受けてるずら)
ルビィ「かっこいい!」
よしまる「そっち!?」
ルビィ「おねえちゃあ!わたしベースやりたい!」
ダイヤ「大歓迎ですわあ!」ジャカジャカ
善子「ちょ、ちょっとルビィ!ていうかダイヤはなにしてるのよ!」
ダイヤ「善子さんはボーカルがやりたいんですのね!?わかりましたわ!」ジャカジャカ
善子「言ってない!」
花丸「とうとうダイヤさんがおかしくなっちゃったずら」
ダイヤ「ロックですが?」キョトン
鞠莉「?」
先生「いやそういうこと言ってるんじゃないし……あの、迷惑になるからやめてもらえる?」
ダイヤ「いやですわ」キッパリ
先生「やめなさい。だいたい黒澤さんは生徒の模範たる生徒会長なのに……」
ダイヤ「だからなんなんですの!」
先生「!?」ビクッ
先生「……」
ダイヤ「ああ、もう本当に……くだらない」ポロポロ
鞠莉「ダイヤいくわよ!ネクストミュージックは……」
先生「やめなさい!」
花丸「そうずら!ヤケになっちゃダメずら!」
善子「ヨハネたちにだってまだできることはあるはずよ!」
ダイヤ「わかってますわ!そんなこと!」
ルビィ「じゃあなんでこんなこと……」
こうするしかありませんの!ギターを弾かずにはいられませんの!ああ、本当に気が狂いそうですわ!
もうなにもかもぶっ壊してやりたいんですの!」ポロポロ
花丸「ダイヤさん……」
ダイヤ「ううう……」ポロポロ
善子「……歌ってあげるわ」スッ
ダイヤ「えっ?」ポロポロ
善子「ボーカル、やってあげる」
花丸「マルは……タンバリンかな?楽器なんてできないけど、協力したいずら」
ダイヤ「みなさん……!」ポロポロ
善子「だから、もう泣かないで」ナデナデ
ダイヤ「ありがとう……」
先生「……今日は見逃してあげます。練習は部室でするように」
ダイ鞠よしまるビィ「はい!」
ダイヤ(わたくしたちのロックバンド『Z ULA(ツェット・ウーラ)』は、全校生徒の前で最初で最後のライブを開きました)
ダイヤ「最後の曲、聞いてください」
ワーワーワーワーダイヤサマー
ダイヤ(ああ、なんて甘美な痛みなんですの――)
おわり
転載元:ダイヤ「ロックですわ!」
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