穂乃果「結構遠いねー」

ことり「もう少しだから頑張ろう！」

花陽「……」

凛「ん？かよちん、どうしたの？」

花陽「う、ううん、なんでもないよ？」

穂乃果「……？」

絵里「それにしても本当に雪山ね、天気が荒れたら大変なことになりそう」

希「そうやね、しばらく帰れないかも」

海未「何を言ってるのですか？すぐに道が……」

にこ「そこは乗ってあげなさいよ」

海未「え、私だけ何も聞かされてないんですか？」

真姫「見えたわよ、あれが今日から泊まるところ」

ことり「うわー、すごいねー！」

穂乃果「……」

真姫「えっと……、そう、通称、露西亜山荘よ」

穂乃果「私たちはこの時何も気づいてなかった」

穂乃果「この山荘で起きる悲惨な事件の幕開けを」

海未「え？」

穂乃果「ｽﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾝ！」

穂乃果「タンタン、タンタカタンタン」

穂乃果「タンタララン」

穂乃果「タンタン、タンタカタンタン」

穂乃果「タンタララン」

ことり「チリンチリン♪」

穂乃果「タンタン、タンタカタンタン」

穂乃果「タンタララン」

穂乃果「タラララタララララン」

穂乃果＆ことり「ｽﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾝ！」

穂乃果「わー、中は広いねー」

真姫「すこし古いけどね」

絵里「十分よ」

凛「早速遊ぶにゃー！」

花陽「あんまり遊びすぎないようにね？」

にこ「そうよ、遊びすぎて去年の夏の時みたいなことになったら」

凛「！」

花陽「！」

絵里「！？」

真姫「！」

希「ちょ、ちょっとにこっち、それは」

にこ「なによ、いいでしょ、別に」

穂乃果「ん？」

海未「あの、練習はしないんですか？」

穂乃果「夕飯美味しかったねー」

希「よし、それじゃあタロット占いでもしてみようか」

凛「はいはーい！凛占ってほしいにゃ！」

にこ「先に私よ！」

絵里「私は先にお風呂に入るわ」

花陽「……」

真姫「花陽、どうしたの？ずっと顔色悪いわよ？」

花陽「う、ううん、なんでもないよ」

ことり「ねえねえ、すごいよ、タロットカードっていろんな種類があって」

海未「希がいつも見せてくれてるじゃないですか、今更……」

海未「皆さん、まだ起きてるのですか……？」

ことり「うーん、もう少しだけ」

海未「私はさすがにもう寝ます……」

凛「凛も先に寝るにゃー」

にこ「ん？そういえば絵里は？」

希「そういや、お風呂行ってから見てないね、ちょっと見てこよ」

にこ「私見てくるわ」

真姫「私もちょっと出てくる」

花陽「……わ、私もお手洗いに」

ｷｬｱｱｱｱｱ！

穂乃果「！？」

ことり「今の声なに！？」

穂乃果「寝室のほうだよ、行ってみよう！」

ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

花陽「あ……あ……」

穂乃果「花陽ちゃん！どうしたの！？」

花陽「り、凛ちゃんが……」

穂乃果「！？」

穂乃果「部屋の中で見たのは気絶している凛ちゃんとスヤスヤ寝てる海未ちゃんの姿だった」

穂乃果「凛ちゃんは強い衝撃を受けたように横たわっていた」

にこ「どうしたのいったい！」

希「何の騒ぎ！？」

真姫「ちょっと、どうしたの、いったい」

絵里「びっくりしたわ」ｶﾞﾗｯ

穂乃果（ん？絵里ちゃんが寝室のクローゼットの中から……）

花陽「わ、私が寝室に入ったら凛ちゃんが……」

真姫「ん？なにこれ」

『まずは一人目、私はまだ満足しない。露西亜の踊り子』

穂乃果「露西亜の踊り子？」

花陽「あ、あ……私たち露西亜の踊り子に皆やられちゃうんだ！！あの時の復讐で！」

穂乃果「あの時の……復讐？」

希「凛ちゃんはこの露西亜の踊り子にやられたってことやね」

絵里「ひどいわね」

にこ「ま、待ちなさいよ、踊り子だか、なんだか知らないけどやった犯人は決まってるでしょ」

花陽「え？」

海未「う、ううん、何の騒ぎですか……」

にこ「一緒に部屋にいた人物が一番怪しい、あんたが犯人よ！」

海未「……何のことですか……、ん？凛はどうしたのですか？」

穂乃果「決めつけるのはまだ早いぜ」

ことり「はじめちゃん！」

海未「はい？」

穂乃果「海、……剣持のおっさんは犯人じゃない」

にこ「なんでよ」

海未「……え？私のことですか！？」

穂乃果「剣持のおっさんは、一度寝たらなかなか起きないんだよ」

にこ「で、でも」

穂乃果「だからこの騒ぎにだって今起きたばかりだよ」

海未「あの」

穂乃果「おそらく犯人は罪をなすりつけるために寝ている時を狙ったんだね」

花陽「で、でも」

希「どうしたの？」

花陽「この部屋、鍵がかかってて……」

絵里「じゃあこれって密室殺人ってこと？」

穂乃果「……」

海未「殺人！？え！？」

穂乃果「とりあえずまずは剣持のおっさんに現場検証をしてもらおう」

ことり「そ、そうだね、こう見えて剣持さんは警視庁の警部なんだから！」

絵里「え！？」

海未「あ、私ですか？」

にこ「そ、それはいいけど、あんたはなんで出しゃばるのよ」

ことり「は、はじめちゃんはこう見えて数々の事件を解決した名探偵なんだよ！」

希「おぉ……」

（くっ、しまったわね、まさか刑事と探偵がいるなんて）

穂乃果「それじゃあ現場検証頼んだよ」

海未「あの、私ほとんど何も聞かされてないんですけど、剣持って誰ですか……」

ことり「ま、まあまあ」

海未「……」

穂乃果「どう？」

海未「どうと言われても……」

海未「凛はこの枕を思いっきりぶつけられて気絶したってところですか」

穂乃果「犯行時刻は？」

海未「知りませんよ、私は寝てたんですから……」

穂乃果「……」

海未「り、凛と一緒に寝室にきたので２３時から事件のあった２４時の間ではないでしょうか」

にこ「それじゃあその間のアリバイを聞けばいいってことね」

穂乃果「そんなに単純かな……」

ことり「私とはじめちゃんは一緒にいたよね」

穂乃果「うん、美雪と一緒だったよ」

海未「穂乃果がはじめちゃんで、ことりは美雪なんですね」

にこ「私は途中まで希と一緒だったわよ」

希「お風呂を見に行ってその後は一人やったね」

花陽「私も一人で……」

真姫「私もうろうろしてたけど誰かに会ってはないわ」

絵里「私もよ」

海未「なんで全員個人行動してたんですか……」

穂乃果「やっぱりこの時間のアリバイは全員ないよね」

ことり「そうなると全員犯行が可能？」

穂乃果「でも現場は密室だった……」

花陽「や、やっぱり露西亜の踊り子だよ……」

にこ「ちょっと、またそれ？」

花陽「……」

真姫「あなた、ここに来てからずっと気にしてるでしょ？」

花陽「……で、でも」

穂乃果「去年の夏」

花陽「！？」

穂乃果「何か心当たりがあるんじゃないのかな、去年の夏に」

花陽「そ、それは……」

にこ「花陽！」

希「ここで言う話やないね」

絵里「そうよ、関係ないことよ」

穂乃果「……」

にこ「とにかく考えても仕方ないし、もう寝ましょう」

希「せやね、明日も朝は早いし」

ことり「はじめちゃん……」

穂乃果「何か隠してる、きっと何かあるんだよ、去年の夏に」

ことり「ん？これなんだろ？」

穂乃果「どうしたの？」

ことり「枕の近くにこれが」

穂乃果「金色の髪の毛……？」

海未「絵里じゃないですか？」

翌朝

穂乃果「ふわあああ、よく寝た」

ことり「もう起きるの遅いよー？」

穂乃果「ううーん、考え事しててまだ眠いよー」ﾑｷﾞｭ

ことり「きゃああ！はじめちゃんの　　　！」

穂乃果「もう美雪はうるさいなー」

海未「なんのやりとりですか、これ……」


ｷｬｱｱｱｱｱ

穂乃果「今の声！？」

ことり「リビングからだよ！」

穂乃果「何があったの！？」

花陽「あ……あ……！」

穂乃果「……にこちゃん」

穂乃果「リビングのソファにいたのは白目をむいて気絶しているにこちゃんだった」

穂乃果「見せつけるかのように枕はテーブルの上に置かれていて、そしてまたあの書き置きが」

『これで二人目。露西亜の踊り子』

花陽「ダメだ、私たち露西亜の踊り子に皆やられちゃうんだ！！」

穂乃果「……・」

海未「……え、えーっと」

穂乃果「……」

海未「ね、寝てから発見させるまでの間に犯行があったと思いますが……」

希「アリバイ、聞くだけ無駄やね」

絵里「そんな時間のアリバイがあるほうがおかしいわよ」

穂乃果「……誰でも犯行は可能、か」

花陽「やっぱりあの時の復讐なんだ……」

穂乃果「……」

穂乃果「ねえ、花陽ちゃん」

花陽「は、はいっ」

穂乃果「去年の夏のこと話してくれないかな」

花陽「え、えっと」

真姫「話す必要ないわよ」

穂乃果「今回の事件、きっと関係があると思うんだよ」

花陽「……わかりました」

真姫「花陽！」

花陽「去年の夏、やっぱり合宿行ったんです」

花陽「その時皆で枕投げをして……」

花陽「で、でもその時参加できなかった人がいるんです……」

穂乃果「それはなんで？」

花陽「先に寝ちゃって」

花陽「参加できなかった子は翌朝すごい怒ってて、そ、それで……」

ことり「もういいよ、無理しないで」

穂乃果「真姫ちゃん、その時のこと話して」

真姫「えっ」

穂乃果「……」

真姫「え、えーっと、そうね、翌朝私たちに言ったのよ」

真姫「は、ハラショー！この借りはいつか返すわよ！って……っ、くっ……」

穂乃果「っ、くっ、……・じゃ、じゃあそれで露西亜の踊り子なんだね」

花陽「は、はい……」

穂乃果「間違いないね、今回の事件はその夏の事件がきっかけだよ」

ことり「その復讐に皆やられちゃうってことかな……」

穂乃果「そんなことはさせないよ」

穂乃果「露西亜の踊り子、必ず私が見つけ出す」

穂乃果「名探偵と言われたジッチャンの」ｶﾝｯ

穂乃果「名に」ｶﾝｯ

穂乃果「かけて」ｶﾝｯ


海未「あなたのおじいさまは和菓子屋では？」


後編へ続く

穂乃果「テテテテンテン、テンテンテンテン」

ことり「合宿で訪れた通称露西亜山荘」

ことり「そこで起きた枕による気絶事件」

穂乃果「テテテテンテン、テンテンテンテン」

ことり「残されていたのは露西亜の踊り子と名乗る人物からの犯行声明」

花陽『私たち皆露西亜の踊り子に皆やられちゃうんだ！』

真姫『ハラショー！この借りはいつか返すわよ！って』

穂乃果『露西亜の踊り子、必ず私が見つけ出す』

穂乃果『ジッチャンの名にかけて』

海未『あなたのおじいさまは和菓子屋では？』

穂乃果「デデン」 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)

ことり「犯人は誰なんだろう」

穂乃果「うーん、まだなんとも、第一の事件の密室トリックも解けてないからなー」

海未「え、密室？」

ことり「このままだと犯人は剣持さんになっちゃうんだよね」

海未「え、いや、部屋にもう一人いたのでは……」

穂乃果「うーん、わからないなー」

絵里「だいぶ煮詰まってるみたいね、名探偵さん」

穂乃果「絵里ちゃん……」

ことり「そうだ、絵里ちゃんは露西亜の踊り子について何か知ってる？」

絵里「さあ、何のことかさっぱりよ」

穂乃果「え？他の皆は心当たりがあるみたいだったけど？」

絵里「え！？」

穂乃果「え？」

絵里「ま、まあとりあえず私は関係ないわよ」

穂乃果「んー、そっか」

海未「え、いいんですか、それで」

希「皆、大変！」

ことり「どうしたの？」

希「真姫ちゃんが犯人がわかったって！」

穂乃果「え！？」

穂乃果「犯人がわかったって？」

真姫「そうよ、犯人は花陽、あなたよ」

花陽「わ、私！？」

真姫「そう、昨日の夜、あなたは第一発見者だったけど、犯人でもあった」

真姫「まず寝室に入り、凛を殺害、そしてその後鍵をかけて、第一発見者を装ったのよ」

凛「凛は死んでないにゃ」

真姫「露西亜の踊り子についてやたら騒いでたのも皆を怯えさせるため、どう？」

花陽「ち、違うよ！」

穂乃果「うん、それは違うと思うよ」

真姫「な、なんでよ」

穂乃果「まず花陽ちゃんが席を立ってから悲鳴があがるまでの時間があまりに短いよ」

穂乃果「あの短時間で犯行を行ったとは思えないし、それに今回の枕は一撃」

穂乃果「一撃で花陽ちゃんが凛ちゃんをやれるとは思えない」

真姫「っ、確かにそうね」

海未「え、納得しちゃうんですか？」

穂乃果「それに動機も花陽ちゃんにはないよ」

花陽「よ、よかった……」

穂乃果「今回の密室トリックはこんな単純じゃないと思うな」

絵里「本当にトリックなのかしら」

穂乃果「どういうこと？」

絵里「単純に部屋の中から鍵をかえて窓から外に逃げたとか」

穂乃果「こんな狭い窓を？ありえないよ」

海未「外は雪ですしねー」

希「じゃあ案外ただ隠れてただけとかね」

穂乃果「！？」

穂乃果「そうか……！」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

ことり「はじめちゃん！？」

ことり「ど、どうしたのはじめちゃん、急に寝室に走って」

穂乃果「これだ……」

海未「そこはクローゼットですね」

穂乃果「……わかったよ、密室トリックが」

ことり「それじゃあはじめちゃん！」

穂乃果「うん」

穂乃果「謎は」ｶﾝｯ

穂乃果「すべて解けた」

海未「あの、どこを見てるのですか？」

希「また全員を集めて、今度は何？」

絵里「犯人当てはもうこりごりなんだけど」

穂乃果「まあまあ、今回はちょっとしたゲームをしてもらおうかなって」

花陽「ゲーム？」

穂乃果「うん、そこにタロットカードがあるよね」

ことり「ホントだ」

海未「いつの間に、こんなものを全員分……」

穂乃果「そこから周りに見えないように始まり、スタートの意味があるカードを裏向きに置いて欲しいんだ」

絵里「そんなことに何の意味が」

穂乃果「いいから、やってみてよ」

真姫「仕方ないわね、えーっと……」

穂乃果「出来たかな」

ことり「うん、皆置いたみたいだよ」

希「ねえ、いい加減、どういう意味があるのか教えてほしいんやけど？」

穂乃果「今のゲームで、犯人を見つけることが出来るんだよ」

真姫「！？」

花陽「は、犯人！？」

絵里「……！」

穂乃果「そう、今回の事件の犯人、露西亜の踊り子は」

穂乃果「この中にいる！」ｶﾝｯ

穂乃果「露西亜の踊り子はこの中にいる！」

海未「……なぜ二回言ったのですか」

花陽「そ、そんな」

絵里「さっきの誰かさんみたいにならないといいけど」

真姫「ちょっと！どういう意味よ！」

穂乃果「いい？カードを触らないでね、皆」

希「これで本当にわかるの？」

穂乃果「うん、犯人だけがきっと間違えたカードを置いてるからね」

穂乃果「すべては去年の夏、枕投げが出来なかったっていう事件が発端だよ」

真姫「やっぱりその復讐」

穂乃果「そう、犯人はその時、枕投げに参加してたメンバーへの復讐を誓ったんだよ」

海未「よっぽどやりたかったんですね、枕投げ」

穂乃果「このゲーム、正解は、魔術師のカードだよ」

穂乃果「希ちゃんはタロット占いをするくらいだから、もちろん正解」

穂乃果「美雪、剣持のおっさんも昨日の占いを見てたから正解」

穂乃果「……花陽ちゃんももちろん、正解」

穂乃果「そして、真姫ちゃん」

真姫「……」

穂乃果「……正解」

海未「……なんの溜めですか」

穂乃果「……昨日希ちゃんのタロット占いを見てなかった、人物、それが犯人だよ」

穂乃果「……」ﾍﾟﾗ

穂乃果「これは愚者のカード」

穂乃果「絢瀬絵里、あんたが露西亜の踊り子だよ」

絵里「……！！」

絵里「な、何言ってるのよ」

穂乃果「カードが教えてくれたよ」

ことり「そういえば、一人だけあの時占いの場にいなかった……」

絵里「こ、こんなカードを間違えたくらいで犯人扱いなんて！」

絵里「そんなの根拠がないわよ！」

海未「……確かに」

絵里「それに最初の事件の密室！あれはどうなってるのよ！」

穂乃果「その謎ならもう解けてるよ」

絵里「！？」

穂乃果「あの時、寝室にはもう一人いたんだよ」

真姫「もう一人……」

穂乃果「そう、クローゼットの中に、犯人がいたんだ！」

希「っ、ぷっ……、ま、まさか、そんなところにっ！」

穂乃果「クローゼットの中で待ち構えてた犯人は剣持のおっさんが寝たのを確認し」

凛『あれー、海未ちゃん寝るの早いよー！』

絵里『……』

凛『あれ、絵里ちゃんどこから』

絵里『……！」

凛『！？』

穂乃果「凛ちゃんに枕を投げた」

花陽「り、凛ちゃんっ……」

穂乃果「その後犯行を終えると、部屋の鍵をかけてクローゼットの中に入り」

穂乃果「皆が集まるのを待ってどさくさに紛れて合流したんだよ」

穂乃果「叫び声を聞いて全員が集まった時」

穂乃果「あの時、絵里ちゃんは確か、クローゼットの中から出てきたよね」

絵里「！？」

絵里「そ、そうだったかしら……？」

穂乃果「どうしてあんなところにいたの？」

絵里「そ、それは、あれよ、ちょっと狭い所が好きで」

希「……っ、くっ……」

海未「希、さっきからちょいちょい笑ってません？」

絵里「クローゼットの中から出てきたくらいで犯人扱い！？」

絵里「証拠がないわよ！」

穂乃果「証拠ならあるよ」

絵里「……え」

穂乃果「凶器の枕の近くに、この金色の髪の毛がね」

絵里「っ……！」

穂乃果「どうして凶器の近くの絵里ちゃんの髪の毛があったのか、説明してもらおうか！」

絵里「……ここまでのようね」

花陽「で、でもどうして絵里ちゃんが」

穂乃果「去年の夏、枕投げに参加できなかったからだよね」

絵里「そうよ！私だけ！私だけ寝てて参加できなかった！」

絵里「話を聞いたらすごい楽しそうで！！」

穂乃果「……真姫ちゃんが教えてくれた言葉で絵里ちゃんが犯人じゃないかって疑ったんだよ」

穂乃果「ね、真姫ちゃん」

真姫「えっ」

穂乃果「……」

真姫「そ、そうね、あの時の……は、ハラショー！って言葉ね……っ……」

絵里「動機まで暴かれたら仕方ないわ、私の負けよ」

絵里「さあ、私を捕まえっ」ﾎﾞﾌﾞｯ

花陽「よ、よくも凛ちゃんを！」

穂乃果「花陽ちゃん！？」

ことり「きゃあああ！」

海未「ことり、落ち着いてください、枕をぶつけただけです」

絵里「ま、まさかこんな終わり方とはね……」

穂乃果「しっかり！」

絵里「……私にはお似合いの最後……ね」ｶﾞｸｯ

穂乃果「……くっ」

海未「花陽、ダメですよ、話してる最中に枕を投げては」

花陽「は、はい……」


穂乃果「こうして事件は後味の悪い最期を迎えた」

ことり「なんだか落ち着かない合宿になっちゃったね」

穂乃果「……うん」

ことり「はじめちゃん？」

穂乃果「枕投げであんなふうに人を変えるなんて、恐ろしいなって」

ことり「そ、そうだね」

穂乃果「剣持のおっさん、花陽ちゃんは」

海未「ちゃんと注意しときました」

穂乃果「……そっか」

穂乃果「さてと、それじゃあ帰ろう……あ」

ことり「どうしたの？」

穂乃果「タロットカード、借り物なのに忘れてきちゃった……」

海未「何してるのですか！？早く取りに戻りなさい！」

穂乃果「うわああああん！」


穂乃果「恋はミステリー♪」

にこ「ねえ、なんで私連続で被害者なのよ」

穂乃果「え、だってー」

希「あと、タロットカード何の関係もない気が」

穂乃果「だって格好良かったんだもん！」

海未「次はちゃんと私にも説明してください」


おわり