俺「そうですか、200円足りませんか」

女店員「はい」

俺「ところであそこにベンツが見えますね？」

女店員「はい、見えます」

俺「一度の食事の度に200円浮かせば、五年であのベンツが買えるのですよ？」

女店員「そうですか」

俺「……足りないのいくらでしたっけ？」

女店員「200円です」

俺「200円？」

女店員「200円」

俺「磁石円？」

女店員「じひゃ……200円です」

俺「噛んだね？今噛んだね？」

女店員「……噛んでません」

俺「うっそだーwww噛んだってーwww絶対じひゃくえんって言ったってーwww」

女店員「……噛んでません。200円です」

俺「え？何？じひゃくえん？www」

女店員「……」受話器ｱｹﾞｰ

俺「わかった、悪かった、待とう。通報はちょっと待とう」

女店員「……200円です、払って下さい」

俺「そっかー、じひゃ……200円かー」

女店員「……」受話器ｱｹﾞｰ

俺「ごめんなさいもうからかいません噛んでません噛んでません待って待って待って」

俺「えーっと、こんなタイミングで言いづらいんですけど……」

女店員「はい」

俺「ずっと前から好きでした」

女店員「はい」

俺「えっ」

女店員「……えっ？」

俺「あの……好きです、割と本気で」

女店員「はい」

俺「……」

女店員「……ありがとうございます」

俺「……？」

女店員「あなたの好意は素直に嬉しいです。いつも美味しそうにご飯食べてくれるの見て、私も元気もらってます」

俺「！それじゃあ……！」

女店員「200円です」

俺「……？？」

女店員「それはそれ、これはこれ。お会計200円足りません」

俺「いや、そこはホラ、空気的にさ……」

女店員「200円です」

俺「あー、財布家に忘れちゃったから取ってk」

女店員「これは私の独り言ですが」

俺「はい」

女店員「前々からちょっと気になってたお客さんと少し話できたーって内心喜んでたら、堂々と無銭飲食する様な人だったとかないわーマジ凹むわー」

俺「いや、マジで財布取ってくるから……」

女店員「あーあ、終わっちゃうのかなーこの恋。もーいっかなー、最近何か生きてても良い事ないなー」

俺「こら、そういうこと言わない」

女店員「……すみません」

俺「わかればよろしい」

女店員「はい。200円です」

俺「……すみません本当に持ち合わせ無いんです必ず戻りますからどうにか」

女店員「……ﾊｧｰ……仕方ないですね」

俺「！！」

女店員「私が私的に貸してあげます」

俺「ほんとに！？ありがt」

女店員「100円」

俺「！？」

女店員「100円だけなら貸してあげます」

俺「え？足りない額は？」

女店員「200円です」

俺「貸してくれるのは？」

女店員「100円です」

俺「……足りなくない？」

女店員「はい」

俺「いや、200円貸してくれないと意味が……」

女店員「はい？」

俺「100円じゃ足りないから」

女店員「あれ？いいんですか？そんな態度で？貸しませんよ、100円」

俺「……え？」

女店員「あー、どーしよっかなー貸す気無くなってきちゃったなー」

俺「え、何？ごめん、うそ、貸して？100円で良いから貸して？」

女店員「はい？貸して？」

俺「うん、100円貸して？」

女店員「『貸してください』じゃないんですか？」

俺「……貸してください」

女店員「お願いしますは？」

俺「貸してくださいお願いします」

女店員「しょうがないですねー、じゃあ貸してあげます、100円」

俺「ありがとう、今度返すね」

女店員「それじゃあ不足200円です」

俺「あああああぁぁ！！チックショー！！わかってたけどチックショオオオォォォ！！」

女店員「優しい私が貸してあげた100円を足して、100円足りません」

俺「んああああああ！！……あ」

女店員「あ？」

俺「あった、100円。ポッケ入ってた」

女店員「……ﾁｯ」

俺「え？舌打ちした？今舌打ちしたよね？」

女店員「してません」

俺「したよねぇ？まあいいや、お会計よろしく」

女店員「不足200円です」

俺「さりげなく額を増やさない」

女店員「……ﾁｯ」

俺「またした！また舌打ちしたこのコ！」

女店員「はいお会計ちょうどお預かりしまー……あ……」

俺「あ？」

女店員「このクーポン、有効期限昨日までです」

俺「はぁ！？……うわ、ほんとだ」

女店員「お会計変わりましてご不足……」ﾆﾔｱ

女店員「200円です」

fin.