2: 名無しで叶える物語 2018/01/21(日) 06:32:38.60 ID:Ad41GWxt.net
【スイートポテト】

部室

千歌「わー!スイートポテトがたっくさんある!」

梨子「美味しそう…!曜ちゃん、こんなに沢山どうしたの?」

曜「花丸ちゃんの焼き芋を使って、私と鞠莉ちゃんで作ったんだー」

曜「たくさん持って来たから、どんどん食べてね!」

ルビィ「すごーい!ありがとう、曜ちゃん、鞠莉ちゃん、花丸ちゃん!」

花丸「マルはお芋を焼いただけだから。曜ちゃんと鞠莉ちゃんに感謝ずらっ」

善子「さすが我が精鋭のリトルデーモンたちね…くっくっく」

花丸「素直に嬉しいって言えば良いずらー」



善子「…で、マリーはなんで黙ってモジモジしてるの?」

鞠莉「あぅ…」モジモジ

3: 名無しで叶える物語 2018/01/21(日) 06:33:31.38 ID:Ad41GWxt.net
千歌「本当だ。いつもの鞠莉ちゃんっぽくないね」

梨子「曜ちゃん、鞠莉ちゃんと一緒に作ったんでしょ。何かあったの?」

曜「いや…何も?」メソラシ

ちかりこ「んー?」

ルビィ「お姉ちゃんは、何か知ってる?」

ダイヤ「いえ…何も?」ホクロポリポリ

ルビまる「んー?」

果南「まぁまぁ。ほら美味しそうだよ、早速食べよう。ね、鞠莉」

鞠莉「うん…」モジモジ

ちかりこよしルビまる「んー??」

4: 名無しで叶える物語 2018/01/21(日) 06:34:24.60 ID:Ad41GWxt.net
鞠莉『曜もあついんだぁ。ならさ』

鞠莉『一緒に、ぬご?』

曜『ダメだよ!何言ってるの、こんなところで!』

鞠莉『あー、もしかして脱げないの?』

鞠莉『脱げないんだぁ、曜はお子ちゃまねー』アハハ

鞠莉『もう、しょうがないなぁ』スッ

鞠莉『マリーお姉ちゃんが手伝ってあげるね…』グイッ

曜『わっ、ちょお!?』

鞠莉『動いちゃダーメ、いい子にしてて…』シュル

曜『あ、ああ、あああっ…』



鞠莉(うう、酔っていたとはいえ、曜にあんなことしちゃうなんて…)

鞠莉(それもこれも、ダイヤが甘酒なんて持ってくるからよ…)カァァ

5: 名無しで叶える物語 2018/01/21(日) 06:35:39.79 ID:Ad41GWxt.net
…………………

千歌「美味しかったぁ!季節の味覚スイートポテト、さいこーだね!」

梨子「沢山あるから、美味しすぎてつい食べすぎちゃった」

善子「くっくっく…感じます。力が体内を駆け巡り、満たされていく…!」ギラン

ダイヤ「さ、ご馳走になったところで、練習を始めますわよ」

曜「後片付けは私と果南ちゃんでしておくから、みんなは先に行ってて。鞠莉ちゃんも」

鞠莉「うん…」モジモジ

曜(むぅ、なかなか切り替わらないなあ)

6: 名無しで叶える物語 2018/01/21(日) 06:36:38.93 ID:Ad41GWxt.net
梨子「ご馳走さま。先に行って、身体動かしてるね!」

ダイヤ「ライブも近いですから、ビシバシ行きますわよ!」

千歌「げっ、何卒お手柔らかに…」

ルビィ「沢山食べたし、練習、頑張ルビィだね!」

花丸「ずら!お腹周りが気になる、どこぞの堕天使様は特にね」ニマニマ

善子「だから、それを言うなーっ!」

ガヤガヤ

7: 名無しで叶える物語 2018/01/21(日) 06:37:55.23 ID:Ad41GWxt.net
曜「…ふう、ありがとう果南ちゃん。サポートしてくれて」

果南「誤魔化すの大変だったね。結局鞠莉は大人しいままだったし」クスクス

曜「原因はわかってるから心配はしてないけど、なんか調子狂っちゃうね」

果南「原因、ねー」ニマニマ

曜「あ、意地悪な顔してる」

果南「そんなことないよ、私は元からこんな顔でーす」

曜「すぐからかう…ずっと気にしてるみたいなんだ。あ、あの時のこと」カァァ

8: 名無しで叶える物語 2018/01/21(日) 06:40:18.98 ID:Ad41GWxt.net
果南「鞠莉って意外と純情なんだよね。多分、恥ずかしいことしちゃったって思ってるんだよ」

曜「甘酒で酔うとは思わないしね。鞠莉ちゃんもだろうけど、私もびっくりしちゃったよ」

果南「ふふ。その後、ダイヤに見つかって止められたんでしょ」

曜「あはは。止められたと言うか、ものすごーく怒られました」

果南「よく許してもらえたね」

曜「んー、ダイヤさんもご多分に漏れなかったってことかな」

果南「ご多聞って?」

曜「私のセオリーだよ。お芋が嫌いな女子はいないっていう、ね」

果南「ああ!だからスイートポテトなんだね」

9: 名無しで叶える物語 2018/01/21(日) 06:41:15.66 ID:Ad41GWxt.net
【即席ラーメン】

渡辺家

曜「えーっと、確かストックがこの辺に…」ゴソゴソ

鞠莉「夜も更けて、後はもう寝るだけだっていうのに。キッチンでなに始めたの?」

曜「なんだか小腹空いたなーって思ってね。今日は夕御飯早かったし」

鞠莉「今から食べるつもり?寝る前の食事って身体に悪いんじゃ」

曜「まあまあ、細かいこと言わずに…お、あった!」

鞠莉「お目当、見つけたの?」

曜「うんっ。夜食といえば、これ!」バーン

鞠莉「それは…即席ラーメン?」

曜「へへ、食べる?」

10: 名無しで叶える物語 2018/01/21(日) 06:42:07.26 ID:Ad41GWxt.net
コポコポ…

曜「ふたを開けて、お湯を注ぐだけで美味しいラーメンの出来上がり」

曜「いやあ、人類が誇る大発明だよねー」

鞠莉「相変わらず、オーバーな表現ね」

曜「いやいや。これに関しては、あながちオーバーとは言えないと思うよ」フタヲシテ

鞠莉「まぁ、凄いことなのは間違いないわね」

11: 名無しで叶える物語 2018/01/21(日) 06:43:44.99 ID:Ad41GWxt.net
曜「鞠莉ちゃんはカップラーメンって食べたことあるの?」タイマーセット

鞠莉「前にね。果南のところでご馳走になったことがあるわ」

曜「ふむふむ。最近は?」

鞠莉「無いわ。留学してたこともあって、ずっとご無沙汰って感じね」

曜「ほう。となると、2年ぶぅりですかー」クスクス

鞠莉「イエス!2年ぶぅりデスネー」クスクス

12: 名無しで叶える物語 2018/01/21(日) 06:44:12.05 ID:Ad41GWxt.net
鞠莉「…」ワクワク

曜「この3分が待ち遠しいよねー」

鞠莉「ウルトラマンで言えば、地球を救って宇宙に帰ってるところね」

曜「おっと、すごい例えが出てきたぞ」

鞠莉「短いようで長い時間だってことよ」

曜「ふふ、そうだね。あ、お箸とか用意しとかなきゃ」

鞠莉「私はお茶淹れるね。ちょうどお湯はあるし」

曜「おねがーい」

13: 名無しで叶える物語 2018/01/21(日) 06:45:11.27 ID:Ad41GWxt.net
鞠莉「えっと、ティーカップはこの中だったよね。茶葉は確か…」ゴソゴソ

曜「…ふふっ」

鞠莉「ん、どうかした?」

曜「いーえ、なんでも」クスクス

鞠莉「気になるじゃない、そういうのはナシよ」

曜「なんでもないって。こういうの、なんか良いなって思っただけで」

鞠莉「なんでもなくないじゃない。大事なことは、ちゃんと伝えなさい」チョップ

曜「あてっ。はーい」

14: 名無しで叶える物語 2018/01/21(日) 06:45:47.94 ID:Ad41GWxt.net
曜「…」

鞠莉「…」

ピピピッ

鞠莉「!」

曜「鳴った!」ペリペリ

鞠莉「どれどれ…」ペリペリ

ふわっ

鞠莉「わお…!」

曜「よく混ぜて、っと。よし、食べよう!」

15: 名無しで叶える物語 2018/01/21(日) 06:47:28.08 ID:Ad41GWxt.net
鞠莉「んっ、懐かしい味」

曜「うーん、美味しい!やっぱりカレー味は最高ですなぁ」ツルツル

鞠莉「知らないよ、夜にこんなに食べちゃって」ツルツル

曜「夜に食べる背徳感。これもまた、即席ラーメンの美味しさを際立たせるのであります」

鞠莉「あらら、絶好調ね」

曜「空腹は人を詩人にさせるんだよー」

鞠莉「ふふ、その意見には賛成かな」

鞠莉(確かに美味しい…でも…)チラ

16: 名無しで叶える物語 2018/01/21(日) 06:48:55.41 ID:Ad41GWxt.net
鞠莉「…」ジー

曜「あれ、箸が進まないね。お腹減ってなかった?」

鞠莉「あ、そういう訳じゃ…」

曜「もしかして、口に合わないとか?」

鞠莉「いえ、美味しいよ?美味しいんだけど…」

曜「けど?」

鞠莉「その、凄く良い匂いがするから…曜のカレー味」

17: 名無しで叶える物語 2018/01/21(日) 06:50:15.66 ID:Ad41GWxt.net
曜「ああ、そういうこと!」

鞠莉「そういうこと」

曜「言ってくれればいいのに。ならさ、交換しよう」

鞠莉「いいの?」

曜「もちろん!美味しさを分かち合いたいからね」

鞠莉「ありがと。でも、やっぱり曜って食べることとなると大げさだね?」

曜「へへ、幸せな証拠かな?」

鞠莉「わかる気がする。わあ、美味しい…!」

曜「美味しすぎて、油断するとすぐ食べ切っちゃうから気をつけてね」

鞠莉「前科があるからね。心配せずとも、ちゃんと曜の分は残しておくよ」

曜「ふふ…明日の朝ごはん、軽めのものにしないとね」

18: 名無しで叶える物語 2018/01/21(日) 06:51:33.81 ID:Ad41GWxt.net
【キャラメル】

理事長室

鞠莉「もぐもぐ…んー…」

コンコン

鞠莉「ん…ふぁーい」モゴモゴ

「私です、曜です」

鞠莉「ふぁいってー」

ガチャ

曜「失礼しまーす」

鞠莉「どうぞ、すわって」

19: 名無しで叶える物語 2018/01/21(日) 06:52:46.24 ID:Ad41GWxt.net
曜「うん…鞠莉ちゃん?」

鞠莉「ん?」

曜「どうかしたの?なんか喋りが変だよ」

鞠莉「ごめんね、実はいま歯が…」

曜「虫歯?」

鞠莉「じゃなくて、コレよ」スッ

曜「それは?」

鞠莉「キャラメル。テーマパークのお土産で頂いてね。食べる?」ヒョイ

曜「あ、うん。ありがと」

20: 名無しで叶える物語 2018/01/21(日) 06:53:13.12 ID:Ad41GWxt.net
曜「でも、何でキャラメルで歯が?」

鞠莉「食べればわかるわ」

曜「?」パクッ

曜「あ、美味しい…おっ」

鞠莉「わかった?」

曜「歯にくっついた」モゴモゴ

鞠莉「正解」

21: 名無しで叶える物語 2018/01/21(日) 06:54:53.86 ID:Ad41GWxt.net
曜「これは…対処が難しいね」

鞠莉「口の中から無くなるのを待つしかないしね。あ、やっと取れた」

曜「んん…もどかしい」

鞠莉「取ってあげようか?」

曜「やめとく、もったいないし」

鞠莉「だよねぇ。となると、しばらくキャラメルとお付き合いだよ」クスクス

曜「んー…」モゴモゴ

鞠莉(見てる分には、楽しいけどね)ニコ

22: 名無しで叶える物語 2018/01/21(日) 06:56:01.34 ID:Ad41GWxt.net
【朝メニュー】

鞠莉「朝ごはん、どこで食べよっか」

曜「私の希望でいいなら、ハンバーガーが食べたいな」

鞠莉「まだ朝よ?本当に好きねぇ」

曜「美味しいものは、食べる時間を選ばないんだよ。さ、行こう!」

鞠莉「はいはいっ」

23: 名無しで叶える物語 2018/01/21(日) 06:56:38.63 ID:Ad41GWxt.net
…………………

オマタセシマシター

鞠莉「はーい、ありがとうございまーす」

曜「むー…」

鞠莉「まだ唸ってるの?料理来たわよ、食べましょう」

曜「…なんでハンバーガー屋さんに来たのに、ハンバーガーが注文できないのさ」ムスー

鞠莉「さっきも見たでしょ。この時間はマフィンだけの朝メニューだって」

曜「私はハンバーガーが食べたかったんだよー」

24: 名無しで叶える物語 2018/01/21(日) 06:57:38.16 ID:Ad41GWxt.net
鞠莉「マフィンも美味しいと思うけど」

曜「美味しいのは知ってるけど、それじゃ私のハンバーガー欲は満たされないんだもん」

鞠莉「なるほど、面倒なパターンね」

曜「ひどい!」

鞠莉「だって面倒じゃない。美味しく食べれば、一日ハッピーな気分になれるのに」

鞠莉「マフィンはイヤだ、ハンバーガーが良いって駄々をこねてさ」

曜「う…」

鞠莉「それも、これから楽しくデートしようって矢先にだよ。面倒なこと、この上ないデース」モグモグ

25: 名無しで叶える物語 2018/01/21(日) 06:58:57.97 ID:Ad41GWxt.net
曜「ごめん…」

鞠莉「わかればいいよ。アテが外れたガッカリは私もわかるし」

鞠莉「でも、気分を変えないといけないから…」キョロキョロ

曜「ん、鞠莉ちゃん?」

鞠莉「よし、今ね」スッ

チュッ

曜「…」

曜「…!?」

鞠莉「今はこれで我慢して。ね?」

26: 名無しで叶える物語 2018/01/21(日) 07:03:19.61 ID:Ad41GWxt.net
曜「あ、わあっ、ああっ…!」

鞠莉「こらこら、お店の中だよ。お静かに」

曜「お店の中だからだよ!なんで、いきなり…!」

鞠莉「楽しい一日にするためには、切り替えが必要かなって。スタートが悪いと、後に響くわ」

曜「だからって…」

鞠莉「誰も見てなかったのはちゃんと確認したから。大丈夫」

曜「…大胆になったね、私たち」カァァ

鞠莉「まぁ…この前、もっと大胆なことしちゃったし」カァァ

曜「鞠莉ちゃん…」

27: 名無しで叶える物語 2018/01/21(日) 07:03:59.20 ID:Ad41GWxt.net
鞠莉「こほん…さ、食べて気持ちをスイッチしよう。楽しい2人の時間なんだから」

曜「そうだね、いただきまーす!」モグ

曜「あ、美味しい!」

鞠莉「ふふっ、でしょ?」

曜「うん!へへっ。あの時はびっくりしちゃったけど、悪いことばかりじゃないなー」

鞠莉「だから、思い出すのは無しデース!」カァァ



終わり

引用元: 曜「空腹は人を詩人にさせる」鞠莉「絶好調ね」