入間「おい、ダ最原！お前探偵だろ！こんな事件すぐに解いてみろよ！」

最原「……。ごめんね、入間さん。実は僕は『超高校級の探偵」じゃなくて、『超高校級のなごみ探偵』だったんだ」

入間「な、なんだそりゃ！わけのわからないこと言ってんじゃねーよ！」

春川「こんな時にふざけるなんて……」

東条「『超高校級のなごみ探偵』……以前警視庁の幹部に仕えていたころに聞いたことがあるわ」

夢野「むぅ……おぬしは知っておるのか？」

東条「ええ……これまで三桁に近い事件を解決してきた、謎を解かずにただ現場をなごませる名探偵……その名は『なごみの最原』！」

真宮寺「謎を解かないのに探偵とは言い難い気もするがネ……」

獄原「ゴン太バカだけど、それだけで事件が解決しないことくらいわかるよ！」

東条「私も見たことはないけれど……」

最原「東条さんが言ってくれた通り、僕は『なごみの最原』だよ。この事件、必ず解決して見せるよ。だって……真実はいつもひとつ！」

東条「最原くん、それは違う探偵の決め台詞よ」

最原「あ、そうだった」

茶柱「クスッ」

夢野「？転子、どうしたのじゃ？」

茶柱「いや、なんかあの二人を見てたら……なごんできちゃいまして」

東条「フフフ」

最原「ハハハ」

最原・東条・茶柱「あははは！」

百田「おい終一、みんな、いきなりどうしちまったんだよ！」

星「人が死んだってのに……悪趣味な連中だぜ」

キーボ「もう放っておいて、捜査を始めましょう」

王馬「ああ、そのことだけど」

赤松「どうしたの、王馬くん？」

王馬「実は、天海ちゃんを殺したのは僕なんだよ！」

夢野「なんじゃと！？」

入間「てめぇ、チビショタのくせにヤりやがったな！」

王馬「ま、嘘だけどねっ！」

最原「こんな時にそんな嘘をつくなんて……王馬くんったら」ﾌﾟﾌﾟｯ

最原・東条・茶柱・王馬「あはははは！」

アンジー「ありゃまー、みんな神っちゃってるねー」

真宮寺「もういいから捜査をしようヨ」

キーボ「あれ、このカメラは何ですか？」

赤松「ああ、それは……」

茶柱「ていっ」ﾊﾞｷｯ

キーボ「ああっ！！茶柱さん、なんてことをするんですか！」

茶柱「男死が手掛かりに触れないでください！これは封印です！」ﾎﾟｰｲｯ

アンジー「あららー、棚の上に行っちゃったよー」

真宮寺「ボクは背が高い方だから取ってくるヨ……アレ？本でレーンのようなものが作られてるヨ？」

東条「えいっ」ﾄﾞｻﾄﾞｻ

春川「うわっ、東条なんで本落としたの！？」

東条「なんで図書室なんかに来たのかが思い出せなくてモヤモヤして……」

キーボ「まったく君たちは……」ﾌﾌｯ

春川「しょうがない奴らだね」ｸｽﾘ

最原・東条・茶柱・王馬・キーボ・春川「あはははははは！」

真宮寺「ハァ……天海クンはこの鉄球で頭を打ったのかナ？」

夢野「うむ、それが奴の死因じゃろう……くっ！」

王馬「夢野ちゃんの貧相な体じゃ持ち上げられないんじゃないの？そういうのはゴン太に任せなよ」

夢野「いくらなんでも言いすぎじゃわい！じゃが、確かにゴン太なら楽々持ち上げられるじゃろうな」

ゴン太「任せてよ！」ﾋｮｲｯ

王馬「ゴン太、目を閉じて！」

ゴン太「えっ？」

最原「――ゴン太くん、キミは『超高校級の砲丸投げ選手』なんだ」

王馬「これは全国大会の決勝、今からの一投に高校３年間の全てが詰まってる」

東条「獄原くん、体の芯を意識して！思い切り体をひねるのよ！」

茶柱「転子も武闘家ですからね、男死であっても応援しますよ！」

ゴン太「みんな……ゴン太、がんばるよ！」ﾎﾟｰｲｯｸﾞｼｬ

赤松「ああっ！地球儀が壊れちゃったよ」

夢野「……ゴン太、ウチは感動したぞ！」

ゴン太「ありがとう、夢野さん！ゴン太も清々しい気分だよ！」

白銀「ええ……」

最原・東条・茶柱・王馬・キーボ・春川・夢野・ゴン太「あはははははははは！」

最原「あーあ、正直捜査とかやる気しないなぁ」

百田「終一、どうしちまったんだよ！」

東条「そうよね、正直みんながなごんでさえいればどうでもいいわ」

アンジー「アンジーもなんだか神った気分になってきちゃったよー」

入間「せっかくこの大天才・入間美兎様がカメラ付きドロポンを作って来てやったっていうのに、これじゃ役に立たなそうじゃねーか！」

星「そりゃなんだ？」

入間「おう、簡単に言うとラジコンみたいなもんだな！俺様が改良したから、空中から事件現場を見えちゃいけないところまでばっちり撮影できるんだぜ！」

星「ほう、そりゃドローンって名前が正しいんだろうが……ともあれ役に立ちそうだな」

王馬「じゃあ、そのカメラで入間ちゃんの恥ずかしい姿を撮影しちゃおう！」

赤松「ちょ、ちょっと王馬くん！」

茶柱「男死はこれだから……ここはみんなで集合写真を撮りましょう！」

アンジー「いいねー、蘭太郎も一緒に写してあげようよー！」

キーボ「こういうのの操作は僕に任せてください！機械だから得意なんです！」

王馬「へぇー、ロボにもロボが操作できるんだね！ロボなのに！」

キーボ「もう、ロボット差別は止めてください！行きますよ、はいチーズ！」ﾊﾟｼｬ

入間「ふぇえ……俺様の発明が弄ばれちゃってるぅ……」ﾋﾞｸﾝﾋﾞｸﾝ

星「……お前らの悪ふざけにゃ、この俺もなごまされちまうぜ」ﾌｯ

最原・東条・茶柱・王馬・キーボ・春川・夢野・ゴン太・アンジー・入間・星「あははははははははははは！」

百田「もうまともなのは俺と真宮寺、赤松、白銀だけになっちまった」

真宮寺「手掛かりと思しきものも壊されてしまったしネ」

赤松「ほんとに、みんなどうしちゃったんだろう……」

白銀「もう、ちゃんと捜査しようよ！」

最原「ええー、面倒だよ」

百田「ふざけるなよ、終一！クロがわからなきゃ俺たち全員死ぬんだぞ！？」

最原「……百田クン、僕はもうクロが誰だかわかってるんだ」

百田「ほ、本当か終一！」

真宮寺「ホウ、是非教えてもらいたいネ」

最原「天海クンを殺した犯人は……」

百田「……」ｺﾞｸﾘ

真宮寺「……」ｺﾞｸﾘ

赤松「……」ｺﾞｸﾘ

白銀「……」ｺﾞｸﾘ

東条「……」ｺﾞｸﾘ

茶柱「……」ｺﾞｸﾘ

王馬「……」ｺﾞｸﾘ

キーボ「……」ｺﾞｸﾘ

春川「……」ｺﾞｸﾘ

夢野「……」ｺﾞｸﾘ

ゴン太「……」ｺﾞｸﾘ

アンジー「……」ｺﾞｸﾘ

入間「……」ｺﾞｸﾘ

星「……」ｺﾞｸﾘ













最原「……その前にいったんCMです！」

百田「溜めすぎだろっ！それにこれはテレビじゃねぇ！」ｺﾞﾝｯ

最原「いたっ」

最原・東条・茶柱・王馬・キーボ・春川・夢野・ゴン太・アンジー・入間・星・百田「あはははははははははははは！」

百田「いやー、いったんなごんじまうと気持ちがいいもんだな！」

赤松「実は天海くんを殺した犯人はわたしなの」

ゴン太「赤松さんだったんだね」

キーボ「いきなり自首するなんてびっくりしました」

赤松「なごんでるから言っても良いかなって思っちゃって」

春川「その通りだね、なごんでるから仕方ないよ。実は私も『超高校級の保育士』じゃなくて『超高校級の暗殺者』なんだ」

東条「道理で、身のこなしが素晴らしいと思っていたわ」

真宮寺「僕も姉さんに友達を増やしてあげるために何十人もの人を殺してきたヨ」

王馬「へぇ、人は見かけによるもんだね！」ﾆｼｼ

白銀「天海くんを殺したのは赤松さんじゃなくて私だよ。後ろからゴーンって」

夢野「白銀には砲丸は重かったのではないか？よく持てたの」

白銀「大変だったよー。あ、このコロシアイ学園生活の首謀者も私なんだ！君たちの記憶も性格も全部フィクションなの」

アンジー「あらまー、神様もびっくりだよー」

茶柱「なごんでなかったらきっとパニックになってましたね！」

入間「ふえぇ……なごんでてよかったよう……」

天海「うーん……みんな、何してるっすか？」

赤松「あれ、天海くん！？さっきまで倒れてたはずじゃ！？」

天海「いやぁ、みんながあまりになごんでたからこっちまでなごんじゃって、生き返りたくなったっす」

最原「やっぱりなごむっていいね！」

東条「これが『超高校級のなごみ探偵』の力かしら？」

最原「いや、みんながなごみたくなっちゃっただけさ」

最原・東条・茶柱・王馬・キーボ・春川・夢野・ゴン太・アンジー・入間・星・百田・赤松・真宮寺・白銀・天海「あはははははははははははははははは！」

最原（こうして、僕たちの学園生活は幕を閉じた……）

最原（みんなと才囚学園で過ごした時間はほんの一瞬だったけど……だけど、この胸のなごみは本物なんだ！）







おしまい