1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:07:58.64 ID:7FYcCPl60
生徒 ザワザワ…

千歌 ドキドキドキ…

先生「はーい、みんな静かにー!高海さんが挨拶できないでしょー」

先生「じゃあ、高海さん、簡単に自己紹介だけして貰っていいかしら?」

千歌「はい…!」ドキドキドキ…

千歌「え…えっと……静岡の浦の星女学院っていう所から来ました…!高海千歌です…!み…みなさん…よろしくお願いします……!」

千歌(よし…!練習通りできた…!)

生徒 パチパチパチパチ…!

千歌「え…えへへ……///」

千歌(おー!好感触だねー!!東京の子達は冷たいって言うから不安だったけど、みんな良い子そうで良かったよ~!)

千歌(この感じなら私の第二の高校生活も希望が持て…)

ヤンキー ニヤニヤ… ジロジロ…

千歌「あ゛?」ギロリッ…


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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:08:56.26 ID:7FYcCPl60
先生「……え…?」

千歌「あ……」

千歌(や…やば……声に出てた……)

生徒 ザワザワ…

千歌(うぅ…もう…!あのアホ共が、ジロジロ見るからぁ…!)

千歌(私が誰だか分かってんのか!?喧嘩無敵の高海千歌さんだぞ!?あん?)

千歌(後でぶん殴ってやる…)

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:09:34.65 ID:7FYcCPl60
千歌(………)

千歌(って…ダメダメ……そういうのは卒業するって決めたんだから……)

先生「え…えーっと……それじゃあ、みなさん…!高海さんと仲良くしてあげてくださいね…!」

千歌(お…!さっきのはお咎め無し?)

千歌(ちゃんと真面目っぽい見た目にしてきたからかな……)

先生「それじゃあ、高海さんは桜内さんの隣の席でいいかしら?」

梨子「え…!」ビクッ…

梨子「は…はい……」

千歌(ふーん…桜内さんね……なんかオドオドしてる子だなぁ……)

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:10:05.26 ID:7FYcCPl60
先生「じゃあ、転校生の紹介も終わった事ですし、ホームルームを始めましょうか」

千歌 スッ…

千歌(廊下側の一番後ろの席……これは良い席だね……)

千歌(寝ててもバレにくい…)

千歌(………)

千歌(って…また、すぐそういう事考えて……バカか私は……)

千歌(これからは真面目に善良な高校生として生きるんだって決めたじゃん…!)

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:10:50.80 ID:7FYcCPl60
千歌(よーし…!そうと決まったら、まずは先生の話をキチンと聞いて……)

梨子「………」ドキドキ…

梨子「あ…あの……」コソッ…

千歌「え…?」

千歌(さ…桜内さん…!?)

千歌(話しかけてきたよ!?この子!!なんで!?)

梨子「え…えっと……」ドキドキドキ…

千歌(ま…まさかさっきの私の睨みを見て、元ヤンである事を見抜かれたんじゃ……)

梨子「よ…よろしくね…」ニコッ…

千歌「…!」ドキッ…

千歌(お…おぉ……///)

千歌(よろしく…か……)

千歌「う…うん……こちらこそ…よろしくね…、えっと…桜内さん…!」

梨子「うん…!」ニコッ!

千歌「…!」ドキッ…

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:11:16.23 ID:7FYcCPl60
千歌(おぉ……いい笑顔だ……///)

千歌(なんか優しい感じするね……) ホカホカ…

千歌(こんな優しい気持ちになったの、いつぶりだろ……) ホカホカ…

千歌(よし…決めた……私の第二の高校生活はこの子に捧げよう……) ホカホカ…

梨子「……」ドキドキドキ…


ヤンキー達「………」



--------------------


7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:11:58.68 ID:7FYcCPl60


キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…


千歌(お昼休みか……)

千歌(………)

千歌(お弁当……)

生徒 ワイワイガヤガヤ

千歌(うっ……もうグループができてる……)

千歌(そりゃそうだよね……もう9月だし……)

千歌(しょーがない……一人で…)

梨子「………」モグモグ…

千歌「え……?」

梨子「………」

千歌「桜内さん……」

梨子「え…!?な…なに……?」

千歌「もしかして……一人……?」

梨子「…!?」ギクッ…

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:12:35.02 ID:7FYcCPl60
梨子「そそそそそそんな事ないわよ…!?きょ…今日はたまたま仲良い子が休んでて…!!」

千歌「いや…今日、休みの人いないじゃん……」

梨子「あっ……」

千歌「なんで、そんなすぐバレる嘘つくのさ…」

梨子「うぅ……ごめんなさい……実は私…友達作るのとか苦手で……」

千歌「ふーん…そうなんだ……でも、私にとっては好都合だね!」

梨子「え…?好都合……?」

千歌「うん…!だって、私が桜内さんの一番の友達になれるから!」

梨子「…!」

お弁当 ドンッ!

千歌「お弁当!一緒に食べよ!」ニカッ!

梨子「た…高海さん……」

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:13:14.38 ID:7FYcCPl60
千歌「わー!桜内さんのお弁当美味しそうだね!貰っていい?」

梨子「う…うん……どうぞ…」

千歌「わーい!」ヒョイ! パクッ!

千歌「美味しい!!」

梨子「あ…ありがとう……」

梨子(す…)

千歌「これも美味しいー!!」パクッ!

梨子(すごいグイグイくるわね……)

千歌「これも貰っていい??」

梨子「ど…どうぞ~…」

梨子(私のお弁当無くなるんだけど……)

千歌「う~ん!うまい!!」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:13:54.64 ID:7FYcCPl60
梨子(こんな時期に転校してくるから、前の学校で、いじめでもあったのかと思ったけど…)

梨子(絶対そういう子じゃないわよね……)

梨子(なんで転校してきたんだろ……)

梨子(………)

梨子(はぁ……私と同じタイプかと思ったんだけどなぁ……)

梨子(ちゃんと仲良くできるかなぁ……私……)

千歌「ねー!ねー!桜内さん!」

梨子「え…?なに……?」

千歌「名前で呼んでいい?」

梨子「えぇ…!?な…名前で…!??」

千歌「うん…!私のことも名前で呼んでいいからさ!」

梨子「そ…そんな……名前でなんて……」

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:14:25.60 ID:7FYcCPl60
千歌「ダメ…?」

梨子「うっ……」

梨子「ダ…ダメじゃないけど……」

千歌「じゃあ、いいって事だね!!梨子ちゃん!」

梨子「…!」

千歌「次、梨子ちゃんの番だよ!名前で呼んで?」

梨子「えぇ……そ…そんな急に……」

千歌「急じゃないよ!もう私たち友達でしょ?」

梨子「…!」

梨子「と…友達……」

千歌「そう!友達!だから名前で呼ぶのは普通だよ!」

梨子「う…うん……」

梨子「えっと……」

梨子「ち……千歌…ちゃん……///」

千歌「お…おぉ……///」

千歌「そんな照れて言われると、こっちまで恥ずかしくなるね……///」

梨子「ご…ごめんなさい……慣れてなくて……///」

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:15:21.88 ID:7FYcCPl60
千歌(ち…千歌ちゃん…か……)

千歌(前の学校じゃ、曜ちゃん以外の人からは「千歌さん」だったから、なんか変な感じだなぁ……) ホカホカ…

梨子「あ…あのさ…!千歌ちゃん……!」

千歌「ん?なぁに?」

梨子「えっと……気になってたんだけど……千歌ちゃんって、どうして転校してきたの…?」

千歌「…!」

千歌「うーん……」

梨子「?」

千歌「ごめん……それはちょっと言えない……」

梨子「言えない…の……?」

千歌「うん……」

千歌「………」

梨子「そ…そう……じゃあ、深くは聞かないわ……」

梨子(い…言えないって……)

梨子(それに、この落ち込み様……)

梨子(やっぱり、いじめを受けたんだわ……辛かったわね……)

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:16:07.01 ID:7FYcCPl60
梨子(さっきまで、よく喋ってたのに急に黙っちゃった……相当傷が深いのね……) ホロリ…

梨子(でも、もう大丈夫よ……今度は私が守ってあげるからね……千歌ちゃん……) ニコッ…

千歌(な…なんだろ……)

千歌(すごい優しい笑顔を向けられている……)

千歌(ていうか、とりあえず、今は話題変えなきゃ……)

千歌(これ以上、前の学校の話題が続くと、うっかり喧嘩自慢でもしそう……)

千歌「え…えっとさ…!梨子ちゃん…!」

梨子「なに?なんでも言って?」

千歌「私の前の学校の話なんかしても、つまんないからさー、梨子ちゃんの話聞かせてよ!」

梨子「わ…私の……?」

千歌「うん…!趣味とか!」

梨子「趣味………」

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:16:41.83 ID:7FYcCPl60
梨子「い…一応……あるけど……」モジモジ…

千歌「ほんと!?なになに??」

梨子「え…えっと……笑わないでね……?」モジモジ…

千歌「笑わないよー!」

梨子「じゃ…じゃあ……」ゴソゴソ…

千歌 ワクワク…!

梨子「うぅ……人に見せるの初めてなんだからね……これ……」スッ

千歌「ん…?ノート……?」

梨子「うん……」

千歌「開けていい…?」

梨子「どうぞ……」

15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:17:11.36 ID:7FYcCPl60
千歌「…!?」

千歌「が…楽譜…!?」

梨子「うん………その……私……作曲…やってて……」

千歌「さ…作曲……!?」

千歌「す…すごい……私には読めないけど……」

梨子「そ…そう…?」テレテレ

千歌「じゃ…じゃあさ!梨子ちゃんって、なんか楽器弾けるの…!?」

梨子「うん…ピアノを……」

千歌「ピアノ!?すごい!かっこいいね!!」

梨子「え…えへへ……」テレテレ

16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:17:41.52 ID:7FYcCPl60
千歌「じゃあさ!じゃあさ!この曲今度聞かせてよ!!」

梨子「あっ…それはまだ作ってる途中で……」

千歌「そうなの?じゃあ、できたら聞かせてね!」

梨子「…!」

梨子「う…うん…!」


ヤンキー達「………」



--------------------


17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:18:23.02 ID:7FYcCPl60

帰り道-


梨子「………」トコトコ…

梨子(高海…千歌ちゃん……か…)

梨子(………)

梨子(…ふふっ……)

梨子(友達……か……) ホカホカ…

梨子(………)

梨子(この曲今度聞かせて……か……) ホカホカ…

梨子(………)

梨子(しばらくやってなかったけど、また作曲頑張らなきゃね……) ホカホカ…

梨子(よーし…!そうと決まったら、早く帰って…) タッ…!

ヤンキーA「はーい!ストップ!!ここは通行止めでーす!」バッ!

梨子「え…」

18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:18:57.08 ID:7FYcCPl60
梨子(こ…この人……同じクラスの……)

ヤンキーB「ハロー、桜内さん」

ヤンキーC「あはは、大丈夫大丈夫、そんな怯えないで?」

梨子(さ…3人も……)

梨子(うぅ……からまれないように静かに生きてたのに……なんで……)

梨子「と…通してください……!」ササッ

ヤンキーA「おおっと…!」ドッ!

梨子「きゃっ…!」ドサッ!

鞄 ズサアァァァ…!

梨子「あぁ…!」

ヤンキーA「あはは、ごめんごめん!まさか、当たっただけで倒れるとは」

19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:19:33.53 ID:7FYcCPl60
ヤンキーB「ふふっ…拾うの手伝ってあげるわよ」

梨子「だ…大丈夫です…!自分で……」

ヤンキーC「ん~…?なにこれ、ノート?楽譜?」

梨子「あっ…!そ…それは……!」

ヤンキーC「え?なに?大切な物?」

梨子「そ…そうです……返して……」

ヤンキーC「あはは、じゃあ、返してあげる」スッ…

梨子 ホッ…

ヤンキーC「ただし……高海千歌と、つるむの止めたらね?」ヒョイッ

梨子「え…!?」

梨子「な…なんで…千歌ちゃんが……」

ヤンキーA「あれ?見てなかった?あいつ、自己紹介の時、私達の方にガン飛ばしてきたんだよね~」

梨子「そんな…!ち…千歌ちゃんは、そんな子じゃ……」

ヤンキーB「どういう子かは問題じゃないの、私らにガンくれた時点で、あの子は終わり……苦しんで貰わないと…ね?」

梨子「そ…そんな……」

20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:20:13.57 ID:7FYcCPl60
ヤンキーC「で?どうすんの??高海千歌と関わるの止める?それとも、この大事な大事なノート…川にでも捨てる?」

梨子「か…川に…!?」

梨子「そんな…!止めてください…!!」

ヤンキーC「じゃあ、明日、高海千歌に「私に関わらないで」って言う事だね」

梨子「…!」

ヤンキーC「そしたら、返してあげるよ」スタスタスタ…

梨子「あっ…!ま…待って……!」

梨子「いたっ……」ズキッ…

梨子「あ…足が……」

梨子「うぅ……そんな……」

梨子「なんで……なんでこんな事に……」



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21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:20:51.58 ID:7FYcCPl60

次の日 朝-


千歌(……) チラッ

時計「7:50」

千歌「おぉ……」

千歌(すごい……この私が登校時間の25分前に学校に着いた……)

千歌(真面目だ……偉いぞ…私……) ジーン…

千歌(すっごい眠いけど……)

千歌(午前中の授業は寝てよう……) トコトコ

千歌(あっ…そしたら梨子ちゃんに怒られそうだなぁ……) トコトコ

千歌(まあ、怒られたら謝って、後でノート見せてもらおっと……) トコトコ

千歌(………)

千歌(ふふっ……) ニヤニヤ…

千歌(我ながら、なんか青春って感じだねぇ~!)

千歌(喧嘩ばっかりしてた昔とは大違いだよ!!)

千歌(さーて……今日も真面目に元気に頑張るかな!)


千歌 ガララ…!

梨子「…!」

22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:22:00.65 ID:7FYcCPl60
梨子(ち…千歌ちゃん……)

千歌「あっ!梨子ちゃん!おっはよー!」

梨子「…!」

梨子「お……おはよ……」

千歌「あれ?どうしたの?梨子ちゃん元気ない?」

梨子「えっ…!?い…いや……」


ヤンキー ニヤニヤ…


梨子「うぅ…」

千歌「?」

23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:22:40.21 ID:7FYcCPl60
千歌「いや~……それにしても良い朝だね~!早起きすると気持ち良いよ!」

梨子「そ…そうね……」

梨子(い…言わなきゃ……)

千歌「でも、ちょっと眠いかも、あはは」

梨子「う…うん……」

梨子(あのノートは……)

梨子(私の夢なんだもん……)

千歌「?」

千歌(…なんだろ……今日の梨子ちゃん、なんか変だな……)

梨子(子供の頃から作ってきた……)

梨子(大切な…大切なノートなんだもん……)

梨子(言わなきゃ……)

梨子(大丈夫……どうせ千歌ちゃんだって、すぐに私から離れていく……)

梨子(私みたいな地味な子に、友達なんてできるわけない……)

梨子(だから……)

24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:23:19.77 ID:7FYcCPl60
梨子(ごめん…!千歌ちゃん…!)

梨子「あ…あの…!」

千歌「あっ!そうだ!梨子ちゃん、昨日のノートもう一回見せてよ!私、昨日少し楽譜勉強したんだー!」

梨子「え……?」

梨子(楽譜の勉強……?)

千歌「ほら!梨子ちゃん、誰にも見せた事無いって言ってたでしょ?」

梨子「う…うん……」

千歌「そんな大切な物見せて貰ったのに、何も分からないじゃ梨子ちゃんに失礼かな~って思って!」

梨子「…!」

梨子「千歌…ちゃん……」

千歌「まあ、そうは言っても、まだ全然分かんないけどね~、あはは」

梨子(あぁ……)

梨子(バカだ……私……)

千歌「?」

千歌(また黙っちゃった……なんかまずい事でも言ったかな……)

25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:24:02.68 ID:7FYcCPl60
梨子(曲なんて…また作ればいいじゃない……)

千歌「……り…梨子ちゃん…?あの~……楽譜を見せて貰いたいんですが……」

梨子「ノートは………」

千歌「?」

梨子「その……無くしちゃったの……また作るから、そしたら見せるね?」ニコッ

千歌「え…?無くしちゃったの……??」

梨子「うん……でも、いいのよ…私にはもっと大切な物が見つかったから……」

千歌「んん?何の話?」

梨子「ふふっ…千歌ちゃんには絶対教えてあげない」ニコッ

千歌「えぇ!?教えてよー!」

ワイワイ! ワイワイ!



ヤンキーA「…!?」

ヤンキーC「えぇ…!?」

26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:24:47.05 ID:7FYcCPl60
ヤンキーB「ちょ…ちょっと…!どうするのよ…!桜内の奴、ノートが大切なんじゃないの!?」

ヤンキーC「そ…そのはずなんだけど……」

ヤンキーA「くっそ…!こうなったら、私が直接、高海に文句言ってやる…!」

ヤンキーB「だ…大丈夫なの……?私達、まともに喧嘩とかした事ないけど……」

ヤンキーA「じゃあ、どうすんのよ!あいつは、私達にガン飛ばしてきたのよ!?不良ってのはね!ナメられたら終わりの生き物なんだよ!!」

ヤンキーC「お…おぉ……かっこいい……」

ヤンキーA「へっ……だろ…?」

ヤンキーB「それで…いつやるの?」

ヤンキーA「そうだな……昼休みにでも、校舎裏に呼び出して、3人で袋にしてやろう……」

ヤンキーB「えっ……3人でやるの……?」

ヤンキーA「そ…そうだよ……なんか文句あるかい!?」

ヤンキーB「いや……卑怯じゃ……」

ヤンキーA「うるさいなぁ!しょーがないでしょ!喧嘩なんて怖いんだから!!」

ギャーギャーワーワー



梨子(な…なんか騒いでる……)

27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:25:26.04 ID:7FYcCPl60
梨子(私が、言う通りにしないから怒ってるのかしら……)

梨子(ど…どうしよ……)

千歌「あれ?梨子ちゃん…足怪我してる……」

梨子「あっ……こ…これは……」

千歌「どうしたの?」

梨子「えっと……こ…転んで……」

千歌「転んだの!?高校生にもなって!?」

梨子「う…うん……」

千歌(うわぁ……梨子ちゃん、運動神経無いんだろうなぁ……)

梨子(うぐ……なんか、私が運動神経無いみたいに思われてそう……)

梨子(まあ……実際、運動神経無いけど……)


キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…


先生「はい、じゃあ、みんな席着いてー、出席とるわよー」ガララ…



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28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:26:11.59 ID:7FYcCPl60

昼休み-


キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…


千歌「zzz………んがっ…!」パチッ

梨子「………」

千歌「あれ……ここは……?」

梨子「学校です……」

千歌「あっ……あぁ……」

梨子「もう……一限から四限まで、ずっと寝てるって、どう言う事よ……」

千歌「あ…あははー……って事は、もうお昼?」

梨子「そうよ……お弁当食べましょ」

千歌「うん…!私もお腹空いちゃったよ~」

ヤンキーA「お…おい……!」

千歌「?」

梨子「…!」

29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:26:53.98 ID:7FYcCPl60
ヤンキーA「高海…千歌っつったか…?その……あれだ……ツラ貸せや……」

千歌「…!?」

千歌(んん?? もしかして…私……)

千歌(喧嘩売られてる…!?)

千歌(おぉ……私が喧嘩売られるなんて、いつぶりだろ……)

梨子「ち…千歌ちゃん…!行っちゃダメよ…!」

ヤンキーA「う…うるせぃ!お前は黙ってろ…!!」バチィィンッ!!

梨子「きゃっ…!」

千歌「…!!」

ヤンキーA(や…やばい……結構強く叩いちゃったけど……大丈夫かな……)

千歌「………」

30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:27:41.88 ID:7FYcCPl60
ヤンキーA「と…とにかく…!!高海千歌!!お前は許さねえぞ…!!校舎裏に来い…!!」

千歌「ふふっ……」

ヤンキーA「な…なに笑ってやがんだ!?お前は!!」

千歌「ただじゃ済まさないからな……?」

ヤンキーABC「…!?」ゾワッ…!

ヤンキーA(な…なんだ……こいつ…寒気が……)

千歌「いいよ…行こうよ……どこ…?」

梨子「千歌ちゃん…!」

ヤンキーA「へっ……物分かりが良くて助かるぜ……ついてきな…!」ザッ…

千歌 ザッ…

梨子「あぁ…!千歌ちゃん…!!」

梨子「い…」

梨子「行っちゃった……」

梨子(そ…そんな………)

31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:28:35.20 ID:7FYcCPl60
梨子(このままじゃ、また千歌ちゃんが、いじめられちゃう……)

梨子(なんとか……)

梨子(私がなんとかしなきゃ……)

梨子(………)

梨子(うぅ……ダメ……怖い……)

梨子(私じゃ何もできない……)

梨子(………)

梨子(ごめん……)

梨子(ごめんなさい……千歌ちゃん……)

梨子(せめて…せめて……無事に帰ってきて……)



--------------------


32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:29:24.59 ID:7FYcCPl60

校舎裏-


ヤンキーA「へっへっへっ……のこのこ着いてきやがって……バカだぜ…あんた……」

千歌「………」

ヤンキーC「な…何黙ってやがんだ!!お前!」

千歌「………」

ヤンキーB「ちっ……!あんたは、今から私達に袋にされるんだよ…!?ちったあ、怖がんなよ!」

千歌「………」

千歌(………)

千歌(はぁ……)

千歌(弱いな……こいつら……)

33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:29:58.85 ID:7FYcCPl60
千歌「………」

千歌「御託はいいからさ……」

千歌「きなよ……?」ニヤッ…

ヤンキーC「…!」

ヤンキーC「く…くそっ…!後で泣いても知らないからな…!!」ダッ!

ヤンキーB「いけ!やっちまえ!」

ヤンキーC「くらえや!」ガバッ!!

千歌「…」 スッ…

ヤンキーC(え…?避け……


ドカッ!!!


ヤンキーC「あ…あがっ……」

ヤンキーC ドサッ…!

ヤンキーB「え…!?ちょ…ちょっと!!なにしてんの!?」

34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:30:30.23 ID:7FYcCPl60
千歌「ひとつ……」

ヤンキーB「え…?」

千歌「ろくに喧嘩もした事がないのに、喧嘩をふっかけた事……」

千歌 サッ…!

ヤンキーB「…!?」


バキッ!!!


ヤンキーB「う…うぐっ……」

ヤンキーB ドサッ…!

ヤンキーA「ちょ…ちょっと…!?二人とも!?」

35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:31:02.73 ID:7FYcCPl60
千歌「ふたつ……」

千歌「私の大切な友達を傷つけた事……」

ヤンキーA「さ…さっきから……」

ヤンキーA「何言ってやがんだ!!お前はああああ!!」ガバッ!!

ヤンキーA「おらぁ!」ブンッ!!

千歌 スッ…

ヤンキーA(な…!き…消え……


ゴンッ!!!


ヤンキーA「うぐ……」

ヤンキーA 「つ…強えぇ……」フラッ…

36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:31:49.03 ID:7FYcCPl60
千歌「みっつ……」

千歌「「喧嘩のカリスマ」と呼ばれた私に喧嘩を売った事……」

ヤンキーB「…!?」

ヤンキーB(け…喧嘩のカリスマ…!?)

千歌「よっつ……」

ヤンキーA「え…!?ま…まだあ…

千歌「梨子ちゃんを叩いた事…!!」

ヤンキーA「それ、さっき言っ…


ゴシャッ!!!


ヤンキーA「あがっ…」クラッ…

ヤンキーA ドサッ…!

千歌「…よって!死刑!!!」

ヤンキーA「ひっ……ゆ…許して……」

37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:32:22.58 ID:7FYcCPl60
ヤンキーB「ま…待って…!い…今……あんた…け…喧嘩のカリスマって言った……?」

千歌「言ったけど……なに…?」

ヤンキーB「…!?」

ヤンキーA「ど…どうしたんだい…?」

ヤンキーB「し…知らないの!?け…喧嘩のカリスマって言ったら、不良界じゃ知らない者がいないほどのビックネームだよ!?」

千歌「ふーん…東京にも私の噂届いてたんだ……」

ヤンキーB「む…無敗どころか、まともに攻撃を食らった事すらない、最強のヤンキー…!全ての攻撃を避け、狙いすました必殺のカウンターで相手を一撃でしとめる!その芸術的とまで言える喧嘩スタイルから「喧嘩のカリスマ」と呼ばれるようになった、静岡は浦の星女学院の最強番長…!高海千歌……!!!」

ヤンキーAC「…!?」

千歌「おー!ご丁寧にどうも」

38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:33:09.50 ID:7FYcCPl60
ヤンキーA「そ…そんなすごい人が、なんでこの学校に……」

千歌「まあ、それは、いろいろあってね~……」

千歌「浦の星退学になっちゃったんだよ…それで、東京のお母さんの所で叱られてこい!って家も追い出されて……」

千歌「それで、今は、もうヤンキーも辞めて真面目に過ごしてるんだ」

ヤンキーA「い…いや……暴力振るってるじゃないですか……」

千歌「え…?………あっ…!」

千歌「あー!!!もう、こういう事しないって決めてたのにーー!!」

39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:33:47.36 ID:7FYcCPl60
ヤンキーA「あ…あはは……」

千歌「なに笑ってんだ!」ガンッ!

ヤンキーA「いてっ!」

ヤンキーA「そ…そんな…理不尽ですよ……千歌さん……」

千歌「さん付けで呼ぶな!」ガンッ!

ヤンキーA「いてぇっ…!!」

千歌「そんな風に呼ばれてたら、不良の親玉みたいじゃん!!私、この学校じゃ、普通の人として過ごしたいの!分かる!?」

ヤンキーA「は…はい……すみませんでした……」

千歌「だから、敬語使うなって!」

ヤンキーA「あっ…え…えっと……す…すまん……」

千歌「…」ムカッ…

千歌「なんかムカつく!」ガンッ!

ヤンキーA「いたぁっ…!」

ヤンキーA「そ…そんな……ひどい……」

40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:34:22.74 ID:7FYcCPl60
千歌「とにかく!私は、これから真面目に生きるの!だから、私が元ヤンだって事は絶対に誰にも言っちゃダメだからね!」

ヤンキーA「わ…分かりました……」

ヤンキーC「じゃ…じゃあ、桜内の奴にもノート返してやりますか…?」

千歌「ん…?」

ヤンキーA「そうだな……普通に可哀想だしな……」

ヤンキーB「ちょ…ちょっと…!!それは言っちゃ……」

ヤンキーAC「あっ……!」

千歌「………」ゴゴゴゴゴゴゴ…

ヤンキーABC「ひっ…ひいぃ…!!」

41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:34:50.35 ID:7FYcCPl60
千歌「……なんで…梨子ちゃんが無くしたノートを、あんた達が知ってるのかな…??」ゴゴゴゴゴゴゴ…

ヤンキーA「あっ…い…いやっ…!その…違うんです…!あ…あれは……」ダラダラダラダラ…

千歌「もしかして…梨子ちゃんが足怪我してたのも、あんた達の仕業…??」ゴゴゴゴゴゴゴ…

ヤンキーB「あっ…そ…それは……」ダラダラダラダラ…

千歌「お仕置きが足りなかったみたいだね……」ゴゴゴゴゴゴゴ…

ヤンキーABC「ひっ…ひぃぃぃ…!!!」


ドカッ!!バキッ!!ゴンッ!!!


ヤンキーABC「ぎゃああああ……!!」






42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:35:22.95 ID:7FYcCPl60

物陰-


花陽「は…はわわわわ………」

花陽「た…大変な事に……!!」

花陽 ゴクリッ…

花陽「り……」

花陽「…凛ちゃんに報告しなきゃ……!!!」


46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:04:52.56 ID:1EXSRTGQ0
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--------------

一年生教室-


花陽「はぁ…はぁ…!」タッタッタッタッ…!

花陽 「り…凛ちゃん…!」ガララ…!

凛「ん?どうしたにゃ?」

花陽「はぁ…はぁ……た…大変なの…!」

凛「た…大変…!? なにが…!?」

花陽「け…喧嘩の……」

凛「喧嘩の……?」

花陽「喧嘩のカリスマが、この学校に転校してきたの…!!!」

凛「け…喧嘩のカリスマぁ…!?」

花陽「う…うん……」

47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:05:18.40 ID:1EXSRTGQ0
凛「だ……」

凛「誰にゃ……そいつ……」

花陽「ええええええええええええ!!??し…知らないの!!??」

凛「凛はかよちんみたいに、不良界の事は詳しくないにゃ」

花陽「喧嘩のカリスマって言ったら、無敗どころか、まともに攻撃を食らった事すらない、最強のヤンキー…!全ての攻撃を避け、狙いすました必殺のカウンターで相手を一撃でしとめる!その芸術的とまで言える喧嘩スタイルから「喧嘩のカリスマ」と呼ばれるようになった、静岡は浦の星女学院の最強番長…!高海千歌さんの事だよ…!?本当に知らないの!?」

凛「う~ん……前にかよちんから聞いたような…聞いてないような……」

48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:05:50.52 ID:1EXSRTGQ0
花陽「と…とにかく…!!そんなすごい人が、この学校に転校してきちゃったって事なんだよ…!」

凛「ふふっ……大丈夫にゃ!そんなの凛が、すぐにぶっ倒してやるにゃ!」

花陽「い…いや……今回ばかりは、さすがの凛ちゃんでも……」

凛「そ…そんなに強いの?」

花陽「うん……噂で聞いた限りだと、もしかしたら……うちの番長の絵里先輩より強いかも……」

凛「絵里先輩よりも…!?」

花陽「うん……あくまで予想だけどね…?」

凛「そ…そんな……じゃあ…」ワナワナ

花陽「うん……番長交代があるかもしれない……」

49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:06:19.49 ID:1EXSRTGQ0
凛「なっ…! え…絵里先輩は、凛が倒す予定なのに……」ワナワナ

凛 バンッ…!!

花陽「凛ちゃん…!?」

凛「こうしちゃいられないにゃ…!!今すぐでも行って、どんな奴なのか偵察に……」


キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…


凛「あっ……」

花陽「昼休み終わっちゃったね……」

凛「にゃ……」

花陽「後で行こっか…」

凛「そうするにゃ…」



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50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:06:48.18 ID:1EXSRTGQ0

放課後-

二年生教室-


梨子「えっ……?か…返してくれるの……?」

ヤンキーA「へへっ……いやぁ…その……はは…」

千歌「あっ……!それ、梨子ちゃんの落としたノート!?もしかして、拾ってくれたの!?」

ヤンキーA「えっ…」

千歌「わー!良かったね!梨子ちゃん!!」

梨子「え…?えぇ……そ…そうね…」

千歌「それにしても、君達、実はいい子なんだね!!いやぁ~!良かった!良かった!」

ヤンキーA「あ…あはは……」

梨子「あはは……」



51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:07:18.51 ID:1EXSRTGQ0

教室前廊下-


凛「あ…あれが高海千歌先輩……」コソコソ

花陽「す…すごい……もう二年の鮫島先輩達を舎弟にしてる……」コソコソ

凛「あんなのは、ただの口だけヤンキーにゃ。それよりも…千歌先輩の隣にいる人の方が気になるにゃ……」

花陽「誰だろう……私も分かんないや……」

凛「かよちんが分かんないなら、ヤンキーじゃないんじゃ……」

花陽「でも、見た感じだと千歌先輩と対等っぽいよ?ただ者じゃないかも……」

凛「たしかに……」

52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:07:59.04 ID:1EXSRTGQ0


ガタッ…


凛「あっ…!出てくるにゃ…!!」

花陽「う…うん…!!」


千歌「それでね~、マフラーを変えると全然音が違ってね~…」

梨子「へぇ~、千歌ちゃんバイク詳しいのね~」

凛「……」ジーーー……

千歌「まぁね~!乗ってたから!」

梨子「えぇ…!?そうなの…!?」

花陽「……」ジーーー……

千歌「う…うん…!前の学校ではね!」

梨子「えぇ…!?バイクで行って良かったの!?」

凛「……」ジーーー……

千歌「あっ…そ…それは……」

花陽「……」ジーーー……

千歌「………」

凛「……」ジーーー……

梨子「………」

花陽「……」ジーーー……

凛「……」ジーーー……

千歌「え…!?なに…!!??」

凛「…!」ビクッ!

53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:08:45.54 ID:1EXSRTGQ0
千歌「なんでずっと見てるの!?何か用!!??」

梨子「ち…千歌ちゃん……落ち着いて……」

花陽「あわわ……」

梨子「ほら…怖がっちゃってるじゃない……全く……」

千歌「あ…あはは……ごめんごめん……つい…」

梨子「あなた達…一年生?何か用があったんでしょ?どうしたの?」ニコッ

花陽「あわわ……」
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花陽視点-

梨子「てめぇら一年か!?何の用じゃコラァ!!」

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花陽「あわわわ……」

凛「か…かよちん…!!しっかりして…!」

花陽「り…凛ちゃん……」

千歌「いや、梨子ちゃんも怖がられてるじゃん……」

梨子「あ…あれ……?おかしいな……」

54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:09:30.54 ID:1EXSRTGQ0
花陽「わ…私の事はいいから……凛ちゃんだけでも逃げて……」

凛「そんな…!かよちんを置いて逃げるなんてできないにゃ!!」

千歌「……」

梨子「……」

花陽「でも…このままじゃ二人とも……」

凛「大丈夫にゃ…!凛がなんとかするから!!」

梨子「あー…あの~……」

凛「…!」

凛「かよちんに手は出させないにゃ!凛が相手にゃ!!」

花陽「り…凛ちゃん…!」

梨子「え…えぇ……?」

55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:10:13.08 ID:1EXSRTGQ0
凛「喧嘩のカリスマだかなんだか知らないけど、凛の方が強いにゃ!!」

千歌「…!」

凛「にゃああああ!!」バッ!!

梨子(え…!?速…


パシッ!!


凛「え…?」

花陽(り…凛ちゃんが止められた…!?)

千歌「もぅ……危ないなぁ……」

梨子「千歌ちゃん…!」

凛「そ…そんな……凛のスピードが……」

千歌「えー…っと……その…凛…ちゃん…?いきなり人を殴ろうとしちゃダメだよ…?」

凛「…!」

花陽「凛ちゃん……」

千歌「じゃあ、帰ろ?梨子ちゃん」

梨子「そ…そうね……」

梨子「じゃ…じゃあね…!えっと…凛ちゃんと…か…かよちゃん…!」

凛「………」

花陽「あっ…は…はい…!さようなら……」

56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:10:49.30 ID:1EXSRTGQ0
凛「………」

花陽「………」

凛「かよちん……」

花陽「…!」

凛「今まで凛のスピードについてきた人っていたっけ……?」

花陽「え…えっと……絵里先輩…くらいじゃ……」

凛「だよね…」

花陽「凛ちゃん……」

凛「ふっふっふっ……」

花陽「え…?」

凛「さすが喧嘩のカリスマさん……面白くなってきたにゃ……」

花陽「り…凛ちゃん……」

凛「決めた…!凛、絵里先輩の前に千歌先輩を倒す!!」

花陽「えぇ…!?た…倒すの…!?」

凛「うん…!!絶対……」

凛「絶対やってやるにゃ!!」

花陽「…!」

花陽「うん…!!」



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57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:11:21.64 ID:1EXSRTGQ0

帰り道-


梨子「はぁ……怖かった……急に殴りかかってくるんだもん……」トコトコ

千歌「そ…そうだね~……」トコトコ

千歌(うぅ……喧嘩のカリスマって言ってたし、あれ絶対、私狙ってるよなぁ……)

千歌(はぁ…私は、普通に暮らしたいだけなのに……)

梨子「あの子達、ヤンキーよね…?」

千歌「え…?あ…あぁ……だろうね」

58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:11:56.38 ID:1EXSRTGQ0
梨子「はぁ……しつこく絡まれたりしないわね…?私…ああいう人達苦手で……」

千歌「えっ…」

梨子「だって、ほら…話が通じないし…気に入らないと暴力振るうし……」

千歌「う…うん……」

梨子「はぁ…何もないように静かに暮らしてたのに……なんで、またこうなるのかしら……」

千歌「ま…また…?」

梨子「うん……その…昔にも、ヤンキーの人達にしつこくされた事があって……」

千歌「………」

梨子「だから…絶対そういう人達には関わらないように!って思ってたの……」

千歌「そ…そっか……」

千歌(うっ…)

千歌(こ…これは……)

千歌(絶対、私が元ヤンだってバレちゃいけないやつだ…)

59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:12:33.37 ID:1EXSRTGQ0
梨子「あっ…じゃあ、私の家ここのマンションだから」

千歌「え…!?」

梨子「じゃあね、千歌ちゃん」ニコッ

千歌「え……」

千歌「えええええええええええええええ!!??」

梨子「えぇ…!?な…なに…!?」

千歌「わ……」

梨子「?」

千歌「私の家も……ここ……」

梨子「え……」

梨子「ええええええええええええええ!!??」



60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:13:21.96 ID:1EXSRTGQ0
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--------------

マンション-


千歌「え……?」

梨子「うそ……」

千歌「そ…そこ梨子ちゃん家……?」

梨子「う…うん……」

千歌「え……じゃ…じゃあ……」

梨子「うん……お隣……」

千歌「ええええええええええええええ!!??」

千歌「そういえば、隣の人、桜内だった!!」

梨子「私も、そういえば、高海さんが挨拶に来たってお母さんから聞いた…!!」

千歌「こ…こんな事って……」

梨子「あるのね……」

61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:13:53.96 ID:1EXSRTGQ0
千歌ママ「あっ、千歌おかえり~」

千歌「お母さん!」

梨子「お母さん!?」

梨子(若っ!?)

千歌「仕事、今終わり?今日早いね」

千歌ママ「愛する娘の面倒見なきゃいけないからね、早めに抜けさせてもらったの」

千歌「おー!ありがとう!お母さん!」

千歌ママ「それより…千歌…?あなた、今日は喧…

千歌「わー!!!わー!!!」

千歌ママ「えぇ…?どうしたの……?」

千歌「な…なんでもないよ……」ダラダラダラ…

千歌(危なかった……お母さん…急に喧嘩とか言うんだもん……梨子ちゃんにバレるじゃん……)

62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:14:30.69 ID:1EXSRTGQ0
梨子「あ…あの……」

千歌ママ「あっ…あら!桜内さんのとこの娘さんね!たしか…梨子ちゃんって言ったかしら!美人さんね~」

梨子「え…!?///」

千歌ママ「なに?千歌、この子と友達になったの?いい子見つけたじゃない!」

千歌「えへへ……まあね…」

千歌ママ「乱暴者だけど、根は優しい子だから…よろしくね?梨子ちゃん」

千歌「あっ…」

千歌(ら…乱暴者って……!)

梨子(乱暴者…?)

梨子「は…はい…!こちらこそ、よろしくお願いします…!」

千歌「ふ…ふぅ……」

千歌(なんとかバレはしなかったか……)

63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:15:17.66 ID:1EXSRTGQ0
千歌ママ「それじゃあ、家入りましょう?またね、梨子ちゃん」

梨子「あっ…!は…はい…!失礼します!」

千歌「じゃーねー、梨子ちゃん」フリフリ

梨子「うん、じゃあね、千歌ちゃん」フリフリ


ガチャ…


梨子(………)

梨子(それにしても……)

梨子(千歌ちゃんのお母さん、若いわね……)

梨子(………)

梨子(千歌ちゃんも年取ったら、ああいう感じなのかしら……)

梨子(………)

梨子(まあ、いいや……私も家入ろ……)


ガチャ…



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64: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:15:54.08 ID:1EXSRTGQ0

高海家-


鍋 グツグツ…


千歌ママ「どう?学校には慣れた?」

千歌「まあまあ……」

千歌ママ「東京はすごいでしょ?人もたくさんいて、みんな忙しそうにしてて」

千歌「ん…そうだね」

千歌ママ「………」

千歌「………」

千歌ママ「本当にあなた、喧嘩してない?」

千歌「…!」

千歌「し…してない……」

千歌ママ「………」トントントン…

千歌「………」

千歌ママ「まあ…千歌がそう言うな、信じるけどね、もう喧嘩はしちゃダメよ?」ジャーー……

千歌「わ…分かってる……」

千歌「ぼ…暴力は暴力しか生まない……でしょ?」

千歌ママ「そう……分かってるじゃない」

千歌「………」



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65: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:16:34.51 ID:1EXSRTGQ0

次の日 朝-


千歌「ふぁ~あ……眠い……」

千歌「行ってきま~す……」ガチャ…

凛「あー!!出てきたにゃー!!」

千歌「………」

千歌「……はい…?」

凛「降りてくるにゃー!!勝負にゃー!!」

千歌「こ…これは……」

梨子「さっきからずっとこの調子で……」

千歌「梨子ちゃん!?」

梨子「おはよう…千歌ちゃん…」

千歌「お…おはよう……」

66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:17:05.53 ID:1EXSRTGQ0
梨子「なんか、喧嘩のカリスマだの…浦の星の番長だの……よく分からない事を言ってて……」

千歌「うっ……」

千歌(わ…私の事だ……)

凛「降りてくるにゃー!!」

千歌「うぅ……」

梨子「はぁ……なんだか分かんないけど登っては来ないみたい……まあ、このままじゃ学校に行く事もできないけど……」

千歌(………)

千歌(狭い所で戦ったら自慢のスピードが生かせないからだろうなぁ……)

千歌(うぅ…めんどくさい……)

千歌(ぶん殴って黙らせるわけにもいかないし……かといってこのままじゃ学校に行けないし……)

67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:17:45.76 ID:1EXSRTGQ0
千歌「………」

千歌「しょーがない……」

梨子「千歌ちゃん…?」

千歌「走ろう」

梨子「え…!」

千歌「走って逃げよう」

梨子「む…無理!!」

千歌「大丈夫だよ!私達の方が一個上だし、普通に走っても…」

梨子「無理よ!私すっごい足遅いもん!!」

千歌「………」

梨子「絶対追いつかれるわ」

千歌「………」

千歌「そんな自信満々に言われても……」

68: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:18:23.96 ID:1EXSRTGQ0
梨子「でも、事実よ」

千歌「………」

千歌「はぁ……分かったよ……」

梨子「?」

千歌「じゃあ、私が囮になるから、梨子ちゃん先逃げてて」

梨子「えっ…!」

梨子「ダ…ダメよ…!!そんなの…!千歌ちゃんを置いて私だけ逃げるなんて…!」

千歌「大丈夫……」

千歌「私…梨子ちゃんと違って足早いから!」ニカッ!

梨子「なっ…」

千歌「じゃ!そういう事で!たぶん私、遅刻するから、適当に誤魔化しといてー!」タッタッタッ!

梨子「えぇ…!?ちょっと!千歌ちゃん!?」

69: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:18:55.40 ID:1EXSRTGQ0
凛「ん?」

凛「あっ!降りてきたにゃー!!」

千歌「こっちだよー!!」タッタッタッ!!

凛「待つにゃー!!」ダッ!

千歌「よしっ…!こっち来た…!」タッタッタッ!!

凛「逃げても無駄にゃー!!」タッタッタッ!!


タッタッタッタッタッ……


梨子「…す…すごい……」

梨子「二人とも速い……もう見えなくなっちゃった……」

梨子「………」

梨子「ああいう人達は、きっと運動会とかも楽しかったんだろうなぁ……」

梨子「私、トラウマしかない……」

70: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:19:38.63 ID:1EXSRTGQ0
梨子「はぁ……学校行こ…私も遅刻しちゃう……」

梨子「………」タッタッタッ…

梨子「………」トコトコトコ…

花陽「あ…あの……」

梨子「…!?」ビクッ!!

梨子「か…かよちゃん…!?」

花陽「は…はなよです……おはようございます…」

梨子「あ…そ…そう……はなよ…ちゃん……おはよう……」

梨子「え……?」

梨子「も…もしかして……ずっと居たの…?」

花陽「はい……凛ちゃんと一緒に……」

梨子「見えなかったけど……」

花陽「隠れてました……」

梨子「なぜ……」

花陽「恥ずかしくて……」

梨子「………」

梨子(え…?なんで…!?)

71: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:20:14.63 ID:1EXSRTGQ0
花陽「そ…その……梨子先輩……」

梨子「え…?な…なに……?」

花陽「ご…ごめんなさい……!」

梨子「えっ…?」



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72: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:20:51.42 ID:1EXSRTGQ0

万世橋-


千歌「はぁ…はぁ……」タッタッタッ!!

凛「待つにゃー!!」タッタッタッ!!

千歌(ぐぅ…ま…まだ喋る余裕があるのか……) タッタッタッ!!

凛「にゃあああ!!」タッタッタッ!!

千歌(めちゃくちゃ走るの得意だな…この子……私だって地元じゃ一番二番を争うくらいに速かったのに……) タッタッタッ!!

凛「捕まえたにゃ!」ガバッ!

千歌「わあっ…!」スルリッ…!

凛「あー!避けられたにゃ!!」

千歌「ひぃ…!」タッタッタッ!!

凛「待つにゃー!!なんで勝負しないにゃー!!」タッタッタッ!!

千歌(喧嘩しちゃダメだからだよ…!!) タッタッタッ!!

千歌(あーもー!上手いことまいて、学校行こうと思ってたのにー!!) タッタッタッ!!

凛「往生際が悪いにゃー!!」タッタッタッ!!

千歌「は…速……」タッタッタッ!!

千歌(うぅ…ごめん…梨子ちゃん……今日、私、遅刻じゃなくて欠席かも……) タッタッタッ!!



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73: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:21:18.74 ID:1EXSRTGQ0

通学路-


梨子「そ…そんな……花陽ちゃんが謝る事じゃ……」

花陽「いや……私のせいなんです……」

梨子「え…?」

花陽「実は……凛ちゃんが、喧嘩ばかりするのは私のせいで……」

梨子「そ…そうなの……?」

74: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:21:49.67 ID:1EXSRTGQ0
花陽「はい……その…えっと……あんまり言いたくない事なんですけど……私…昔いじめられてて……」

梨子「…!」

花陽「ほら…私……こんな性格だし…鈍臭いから……それで、クラスの子にバカにされて……」

梨子「そ…そう……」

花陽「そういう時はいつも決まって凛ちゃんが助けてくれて……」

梨子「凛ちゃんが…?いい子じゃないの……」

花陽「そうなんです……凛ちゃんは本当はすごく優しくて…人を殴るなんて……よっぽどの事でもない限りしたくないはずなんです……」

梨子「じゃあ、なんで……」

花陽「凛ちゃんは、私を守るためだって言ってくれてます……」

梨子「花陽ちゃんを……?」

75: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:23:10.35 ID:1EXSRTGQ0
花陽「はい……凛ちゃんは私がいじめられないように強くなるんだ!って言ってて……」

梨子「そう……」

花陽「そうやって誰彼構わず喧嘩ばかりしてたら、中学の時に「アキバの暴れ猫」なんて異名まで付いちゃって……」

梨子「アキバの暴れ猫……」

花陽「それで、私……どうしたらいいか分かんなくて……凛ちゃんは私のためにやってくれてる事だから……私も少しでも凛ちゃんの力になろうって思って……」

梨子「それで、不良に詳しいのね……花陽ちゃんは……」

花陽「はい……」

76: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:23:52.06 ID:1EXSRTGQ0
梨子「………」

梨子「花陽ちゃん……」

花陽「は…はい…なんですか…?」

梨子「厳しいことを言うようだけど……それは間違ってるわよ」

花陽「…!」

梨子「花陽ちゃんか本当に凛ちゃんの事思ってるなら、止めてあげなきゃ…!」

花陽「と…止める……」

梨子「そう……このままじゃ凛ちゃんは、いつか大怪我をするかもしれない……それに凛ちゃんだけじゃない……凛ちゃんに傷つけられた人も沢山でる……」

花陽「…!」

77: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:24:20.24 ID:1EXSRTGQ0
梨子「それは、すごく良くない事……分かるでしょ?」

花陽「は…はい……」ウルウル…

梨子「えぇ…!?ちょ…ちょっと…!なんで泣くの!?私、キツく言い過ぎた!?」

花陽「ち…違います……ただ…今までそんな風に言ってくれた人いなかったから……」ウルウル…

梨子「…!」

梨子「そう……辛かったわね……」

花陽「でも、今の言葉で決心がつきました…!私……今日、凛ちゃんに言ってみます…!!」

梨子「えらい!きっと凛ちゃんも分かってくれるわ」

花陽「はい…!ありがとうございます…!」

梨子「あとは……」

花陽「………」

梨子「あの二人が、学校に来るかどうかが問題ね……」

花陽「そ…そうですね……」



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78: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:25:01.28 ID:1EXSRTGQ0

秋葉原UDX-


凛「はぁ…はぁ……」

千歌「はぁ…はぁ……」

千歌(やっと止まった……)

千歌(私も、もう走れないけど……)

凛「はぁ…はぁ……」

凛(凛が追いつけないなんて……)

凛「はぁ…はぁ……」

千歌「はぁ…はぁ……」

凛「……ぐっ…」

千歌「…?」

凛「にゃああっ!!」ガバッ!!

千歌「おわっ!」スルリッ…!

凛「ぐぬぬ……また避ける……」

79: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:25:30.08 ID:1EXSRTGQ0
千歌「はぁ…はぁ……」

凛「なんで逃げてばっかりにゃ!強いんだから、正々堂々勝負するにゃ!!」

千歌「ぐっ…」

凛「食らうにゃ!!」サッ…!

千歌「…!」

凛「にゃ!」ブンッ!

千歌「おっと…」スッ…

凛「にゃ!」ブンッ!

千歌「ほっ!」スッ!

凛「にゃ!!」ブンッ!

千歌「わっ…と!」スッ!

凛「なっ…」

凛「凛のパンチが当たらない……」

80: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:26:45.03 ID:1EXSRTGQ0
千歌「………」

千歌「たしかに…凛ちゃんのパンチは速い……」

凛「…!」

千歌「普通の相手なら、これで十分通用するだろうね……」

凛「な…何が言いたいにゃ…!」

千歌「速さだけじゃ、私には通用しないって事!」

凛「…!」

凛「速さ…だけ……」

千歌「やるだけ無駄だよ……?もう完全に遅刻だけど、学校行こうよ」

凛「…!」ムカッ

凛「無駄じゃないにゃ!!第一、千歌先輩は一回も反撃もできてないにゃ!これは凛のスピードについてこれてな…

千歌「…」サッ!

凛「…!」

凛「にゃ…」

凛(す…寸止め……)

千歌「はい…終わり……今のを振り抜いてたら凛ちゃん立てないよ?」

81: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:27:21.63 ID:1EXSRTGQ0
凛「た…立てたにゃ!!だいたい、なんで振り抜かないにゃ!!凛は情けなんて…

千歌「あー!もー!うるさいなー!!喧嘩はやめるって決めたんだよ!!」

凛「え…?」

凛「な…なんでやめるにゃ!!そんなに強いのに!」

千歌「………」

千歌「強くないよ…」

凛「え…?でも……」

千歌「凛ちゃんは強さを分かってない……喧嘩に強いは強さじゃない……」

凛「…?」

凛「ど…どういう事にゃ……?」

千歌「喧嘩が強くても何も守れないって事」

凛「…!」

82: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:27:57.77 ID:1EXSRTGQ0
凛「そ…そんな事ないにゃ…!!凛は今まで喧嘩に強くなる事で、かよちんを守ってきたにゃ…!」

千歌「かよちゃんを…?」

千歌「そう……じゃあ、それは間違ってる」

凛「…!?」

凛「なんで、そんな事言うにゃ…!凛はかよちんの事を思って……」

千歌「凛ちゃんが本当にかよちゃんの事を思ってるなら、喧嘩は辞めるべきだよ」

凛「で…でも…!凛は…」

千歌「………」

凛「凛は……かよちんのために……」

千歌「………」

千歌「はぁ……じゃあ、少し昔話してあげるよ」

凛「昔話…?」

千歌「あんまり話したくない事なんだけどね……凛ちゃんは私と似てるから……」

凛「?」

83: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:28:43.15 ID:1EXSRTGQ0
凛「ど…どういう事にゃ…?」

千歌「このままだと凛ちゃんは、いつか必ず後悔する……私と同じように……」

千歌「そうなって欲しくはないから……」

凛「千歌先輩と同じように……?」

千歌「そう……あれは私が、まだ浦の星にいた頃の話……」

凛「……」ゴクリッ…



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84: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:29:15.34 ID:1EXSRTGQ0

同じ頃 二年生教室-


先生「えー…で、あるからして……」

梨子「………」

梨子(千歌ちゃん遅い……もう一限始まっちゃったじゃない……)

梨子(もう……なにやってるのかしら……)

先生「あー…じゃあ、桜内さん、この問題解けるかしら?」

梨子(まさか今頃、凛ちゃんに捕まって、いじめられてるんじゃ……)

先生「………」

梨子(そんな…私を庇ったばっかりに……)

先生「あー……桜内さん…?」

梨子(どうしよう……今からでも助けに……)

先生「………」

生徒「おーい…」ツンッ

梨子「え…!?なに……?」ビクッ!

生徒「指されてるよ…?」

梨子「え…?」

先生「………」ゴゴゴゴゴゴゴ…

梨子「あ……」

梨子「す…すみませんでした……」

先生「次からは気をつけるように…!」

梨子「はい……」

梨子(うぅ……このままじゃ全然集中できない……)

梨子(千歌ちゃん……無事に帰ってきて……)



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85: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:30:16.72 ID:1EXSRTGQ0

秋葉原UDX-


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千歌「…それで私は浦の星を退学になって、今は、お母さんを頼って、こうして秋葉原にいるの……」

凛「じゃ…じゃあ、千歌先輩が喧嘩しない理由って……」

千歌「うん……あんな事があったからだよ……」

千歌「暴力は暴力しか生まない……」

凛「…!」

凛「で…でも…!千歌先輩は友達のために…!」

千歌「理由はどうであれ、暴力は暴力……」

千歌「そんな方法でしか訴えられなかった私がバカだった……それだけだよ……」

凛「…!」

86: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:30:47.71 ID:1EXSRTGQ0
凛「………」

凛(す…すごい……凛と一つしか変わらないのに……こんな事まで考えてるなんて……)

千歌「だから、凛ちゃんには私のようにはなって欲しくない……」

凛(ダメだ……凛……とても、この人には敵わない……)

千歌「かよちゃんなら、喧嘩以外で守る事ができる……それに、きっとその方が、かよちゃんも嬉しいはずだから……」

凛「わ…分かったにゃ……」

凛「いや……分かりましたにゃ…!!」

千歌「う…うん……」

千歌(急に敬語……)

87: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:31:17.48 ID:1EXSRTGQ0
凛「凛、感動しました…!!千歌先輩、すごいです!凛も千歌先輩みたいな、立派な人間になりたいです!」

千歌「そ…そう…?えへへ……そこまで言われると照れるね…///」

千歌「じゃあ…まあ、頑張ってね!凛ちゃん!私も応援してるよ!」

凛「はい!!ありがとうございます!!凛は、一生千歌先輩についていきますにゃ…!!!」

千歌「え…?」

凛「よろしくお願いします…!!」ペコリッ!

千歌「んん…??」

千歌(あれ…?なんか話がおかしな方向にいってるような……)

88: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:32:02.98 ID:1EXSRTGQ0
凛「鞄お持ちしますにゃ」スッ…

千歌「え……あ…ありがとう……」

凛「んん…!?すごく軽いにゃ!!」

千歌「あぁ…お弁当ぐらいしか入ってないから…」

凛「お弁当だけ!?す…すごいにゃ…!!教材が無くても授業が分かるなんて…!!」

千歌「え……いや…そうは言ってな…

凛「喧嘩だけじゃなくて勉強もすごいなんて……さすが千歌先輩だにゃ…!!」

千歌「あ…あはは……」

千歌(ど…どうしよ……この状況……)

凛「それじゃあ、学校行くにゃー!!」ダッ!!

千歌「えぇ…!?ちょっと!?また走るの!?」

凛「当たり前にゃ!!早くかよちんに話がしたいにゃ!!」

千歌「えぇ……私、もう疲れたよ~…」

凛「いいから、早く走るにゃー!」

千歌「うぅ……もうタメ口に戻ってる……」

89: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:32:36.02 ID:1EXSRTGQ0
凛「あっ!それから、千歌先輩!かよちんの本名は「はなよ」だにゃ!かよちゃんじゃ誰か分からないにゃ!」

千歌「えぇ…!?そうなの…!?じゃあ、なんで、かよちんに…?」

凛「昔の事すぎて覚えてないにゃ!」

千歌「えぇ……気になる……」

凛「って、そんな事はどうでもいいにゃ!!早く学校行くにゃ!!さあ、走るにゃ!!」ダッ!!

千歌「あっ…!ちょ……」

凛 タタタッー!!

千歌「あ……」

凛 タタタッー!

千歌「………」

凛 タタタッー…

千歌「うぐぐ……」

千歌「もう…!!分かったよ!!走りゃあいいんでしょ!走れば!!」ダッ!!

千歌「うおおおおおお!!!凛ちゃん待てぇぇいっ!!!」タタタッー!!!



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90: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 14:34:18.49 ID:1EXSRTGQ0

同じ頃 三年生教室-


先生「えー…で、あるからして……」

絵里「………」

ヤンキー「絵里さん…」

絵里「…」

ヤンキー「少しお耳に入れたい事が…」

絵里「………」

絵里「なに…?」

ヤンキー「二年の事なんですが…」

絵里「…」

ヤンキー「~~~~」コソコソ…

絵里「…!」

絵里「………」

絵里「へぇ……」

絵里「………」

絵里「喧嘩のカリスマ……ねぇ……」

絵里「………」





92: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 22:14:47.87 ID:1EXSRTGQ0

翌日 昼休み 二年生教室-

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ワイワイガヤガヤ


梨子「時制が間違ってるわ、やり直しよ」

千歌「えぇっー!?どこが!?合ってるよ!!」

梨子「ここよ、これはメアリーが昔から今までずっと住んでいるわけだから現在完了形よ」

千歌「げ…現在完了形……!?」

梨子「そうよ」

千歌「…って、なに……?」

梨子「知らないの!?千歌ちゃん、前の学校で何してたのよ!」

千歌「あ…あははー……えっと…友達とじゃれあってた……かな…?」

梨子「はぁ!?どういう事よ……」

千歌「あはは……」

梨子「あはは、じゃないわよ……このままじゃ千歌ちゃん赤点になるわよ…?」

千歌「そ…そうですね……」

93: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 22:15:23.35 ID:1EXSRTGQ0
凛「えぇっー!?千歌先輩、赤点なんですか!?」ガララッ!!

千歌「わっ…!り…凛ちゃん…!!」

凛「頭良かったんじゃなかったんですか!?」

千歌「いやぁ~……あれは凛ちゃんが勝手に勘違いしただけで……」

凛「なっ…!み…見損なったにゃー!!」

千歌「…!?」

千歌「そ…そんな事言ったって、しょーがないじゃん!!私、頭悪いもん!!!」

凛「あー!!開き直ったにゃー!!情けないにゃ!!」

千歌「な…情けなくないもん!!だいたい、私のが先輩なんだから敬語…

梨子「はいはい……もう千歌ちゃん落ち着いて……」

千歌「むぅ……わ…分かったよ……」

94: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 22:16:03.44 ID:1EXSRTGQ0
梨子「凛ちゃんも何か用があって来たんじゃないの?」

凛「あっ、用があるのは凛じゃなくて、かよちんで……」

梨子「その花陽ちゃんが見当たらないけど……」

凛「それは……」

花陽「はぁ…はぁ……凛ちゃん足速い……」

凛「あっ!かよちん、やっと来たにゃー!」

梨子「走ってきたのね……」

千歌「そんな急用なの…?」

花陽「は…はい…!!大変なんです…!!」

千歌「何が…?」

花陽「ち…千歌先輩が…です…!」

千歌「え…?」






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95: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 22:16:49.71 ID:1EXSRTGQ0

数分後-


千歌「えぇ…!?私が三年生からマークされてる!?」

花陽「は…はい……目立った事をしてなくても、やはり千歌先輩ほどのビックネームとなると……」

千歌「そ…そんな……」

梨子「?」

凛「あっ…」

梨子「ビックネーム…?千歌ちゃんが?」

千歌「あ…!」

梨子「なにかスポーツでもしてたの…?」

花陽「え…?いや……その…だって、千歌先輩は…もがっ!」

凛「か…かよちん…!!ちょっとこっちに来るにゃ…!!」

花陽「むがっ…!もがもがっ…!?」ガララッ…!ピシャンッ!!

96: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 22:17:37.82 ID:1EXSRTGQ0
梨子「え…?な…なに……?」

千歌「わー!!水筒こぼしちゃったっー!!!」

梨子「えぇ…!?ちょっと…なにやってるの!?」

千歌「あはは…ごめんごめん……拭くの手伝って……」

梨子「はぁ……もう、しょうがないわね……」

千歌「ありがとー…!」

千歌(………)

千歌(い…今のは危なかった……) フキフキ

千歌(てっきり、花陽ちゃんにも凛ちゃんが伝えてくれたのかと……) フキフキ

千歌(り…凛ちゃんめ……さては、私が不良辞める話しかしてなかったな……) フキフキ

千歌(これは、お仕置きが必要だね……) フキフキ

千歌(うん…これは暴力じゃない……罰だよ…罰……)

千歌「ふふふっ…」

梨子「え……なに……?」

97: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 22:18:19.91 ID:1EXSRTGQ0
花陽「す…すみませんでしたっー!!」ガララッ!!

千歌「あはは……いいよいいよ、知らなかったんだから、しょーがないって」

千歌「だから、悪いのは……」

千歌 ギロリッ…

凛「ひっ…!」ビクッ!

千歌「あとでね…?」

凛「そ…そんな……」

梨子「?」

98: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 22:18:59.90 ID:1EXSRTGQ0
梨子「えっと……なんだか、よく分からないんだけど……その…千歌ちゃんが三年生にマークされてるのは、なんで…?」

花陽「あっ…!そ…それは……えっと……」

凛「ち…千歌先輩が、転校してきたのに、ウチの番長に挨拶にも行かないからだにゃ…!!」

花陽「…!」

千歌(凛ちゃんナイスフォロー!)

梨子「挨拶……?そんなの私もしてないけど……」

花陽「あっ…そ…それは……」

凛「えっと……し…知らないんですか!?ウチの生徒はみんな、番長に挨拶に行ってますよ…!?」

花陽「え…」

凛「ね…!?かよちん!」

花陽「う…うん…!」

千歌(なんじゃそれ……無理があるでしょ……)

梨子「そ…そうなの…!?ど…どうしよう……私も挨拶に行かないと……」

千歌「…!?」

99: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 22:20:02.37 ID:1EXSRTGQ0
凛「………」

凛「梨子先輩って…詐欺とかあいそうですね…」

梨子「えぇ…!?なんで急に、そんな事言うの!?」

凛「なんでもないです…」

千歌「じゃ…じゃあ!私と梨子ちゃんで挨拶に行ってこようか…!!」

花陽「えぇ…!?ほ…本当に行くんですか…!?」

梨子「え…?行かなきゃいけないんじゃないの…?」

凛「そうです…!そうです…!行きましょう!今すぐにでも!」

花陽「り…凛ちゃん!?」

凛「大丈夫にゃ……三年生も、そうすぐには仕掛けてこないはずにゃ……」コソコソ…

花陽「で…でも……いきなり敵地の真っ只中に行くなんて……」コソコソ…

100: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 22:20:49.82 ID:1EXSRTGQ0
梨子「なんの話?」

凛「な…なんでもないです…!!さっ!行きましょう!行きましょう!」

凛「何かあった時のための護衛として、凛もついて行くにゃ……かよちんは先に教室に戻ってて……」コソコソ…

花陽「う…うん……気をつけてね…」コソコソ

千歌「よーし…!じゃあ、三年生のフロアに向けてしゅっぱーつ…!!」

凛「お…おーーっ!!」

梨子「?」

梨子「おー! ……?」



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103: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 13:05:53.47 ID:CcrIMi8F0

三年生フロア-


ヤンキー ジロジロ…

ヤンキー ジロジロ…

千歌(や…やばい……)

ヤンキー「おらぁ!!テメェら殺すぞ!!」

凛「ひぃっ…!す…すみません……」

ヤンキー「落ち着けよ……絵里さんがやってくれるって……」

ヤンキー「ちっ…」

凛「……」ホッ…

104: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 13:06:20.76 ID:CcrIMi8F0
ヤンキー ジロジロ…

ヤンキー ジロジロ…

千歌「うっ…」

千歌「り…凛ちゃん……」コソコソ…

凛「…なんにゃ……」コソコソ…

千歌「今からでも遅くない……梨子ちゃんは適当に誤魔化して、帰ろう……」コソコソ…

凛「こ…ここまで来て…!?」コソコソ…

千歌「う…うん……だって、三年生めちゃくちゃ気が立ってるし……梨子ちゃん、さっきから恐怖で、意味分かんない事ばっかり言ってるし……」コソコソ…

梨子「………」フラフラ…

梨子「私はかかし…私はかかし……」フラフラ…

105: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 13:06:49.16 ID:CcrIMi8F0
凛「で…でも……どうやって……」コソコソ…

千歌「幸い、私達はまだ絵里先輩とやらに会ってない……だから、梨子ちゃんには絵里先輩は今日休みだとか言って…」コソコソ…

ヤンキー「コラァ!!なに喋ってんのじゃ!!おのれは!!」

千歌「むっ…」

千歌(も…もう……うるさいなぁ……)

106: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 13:07:57.35 ID:CcrIMi8F0
凛「…!」

凛(あ…あそこにいるのって……)

千歌(一人ぐらいぶん殴って黙らせるか……)

ヤンキー「何か言わんかい!!コラァ!!」

ヤンキー「ビビッとんのか!?ワレ!!」

ヤンキー「このアホ毛が!」

千歌「…」ムカッ…

千歌(こ…こんの野郎~っ……黙って聞いてりゃ好き勝手言いやがって……)

絵里「どきなさい……私の客でしょ?」

ヤンキー「あっ、絵里さん……」

千歌(よしっ…ぶん殴ろう……これは暴力じゃなくて、制裁……)

凛「あ…あぁ……」

梨子「私は…かかし……私は…」フラフラ…

千歌(決めた……次に私に絡んできた奴にしよう……見せしめになるように全力で……)

絵里「こんにちわ…あなたが高海…

千歌(てめぇか…!!)

千歌 キュッ…!!

絵里「え…?」

千歌「ふんっ…!!!」ブンッ!!


ゴシャッ!!!!


凛「…!?」

ヤンキー「…!?」

107: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 13:08:36.72 ID:CcrIMi8F0
絵里「あがっ…」フラリ…

梨子「私はかかし……私はかかし……」フラフラ…

千歌「パーフェクト…!」

絵里「うっ…」ドサッ…!!!

凛「あ…あぁ……」

ヤンキー「あ……」

絵里「………」

千歌「ふふっ…完璧に入ったね……これは、もう立てないよ……」

ヤンキー「え…絵里さあああああんっ!!!!」

千歌「え…?」

千歌「絵里……さん……?」

108: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 13:09:09.60 ID:CcrIMi8F0
ヤンキー「絵里さん!大丈夫ですか!?」

ヤンキー「しっかり!!絵里さん、しっかり!!」

千歌「あー…あれ……?」

凛「な…」

凛「なにしてるにゃああああああ!!!!」

千歌「わーっ!ちょ…大声出さないでよ!」

凛「うるさいにゃ!!バカ!!」

千歌「バ…バカァ…!?」

ヤンキー「許さない……絵里さんの仇……」

ヤンキー「二年の分際で、絵里さんに手をあげるなんて……」

ヤンキー「喧嘩のカリスマだかなんだか、知らねぇけど、ここまでされちゃあ黙っていられねぇ……」

凛「や…やばいにゃ……」

109: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 13:16:12.75 ID:CcrIMi8F0
千歌「あ…あはは……まずは話し合いを……」

凛「そんな事言ってる場合じゃないにゃ!!」

ヤンキー「殺せえええええええええええ!!!」

凛「逃げるにゃああああああああ!!!!!」ダッ!!

千歌「ひ…ひぃっっ!!」ダッ!!

梨子「私は…かかし……私は…」フラフラ…

千歌「梨子ちゃん!!」ガシッ!!

梨子「わっ…」フワリッ…!

千歌「行くよ!!凛ちゃん!!!」タタタッー!!

凛「分かったにゃー!!」タタタッー!!

梨子「えぇ…!?ちょっと!千歌ちゃん!?なにこれ!?なんでお姫様抱っこ!?」

千歌「梨子ちゃん足遅いからだよ!!!」タタタッー!!

ヤンキー「待てコラァアア!!!」ドドドドドドドッ!!

ヤンキー「ただじゃ済まさせねぇぞ!!」ドドドドドドドッ!!

梨子「えぇ…!?な…なんで!!??」

凛「捕まったら、殺されるにゃあああ!!」タタタッー!!

梨子「こ…殺される…!?」

千歌「後で説明するから!!!今はとにかく逃げる!!」タタタッー!!

ヤンキー「オラァアアア!!!」ドドドドドドドッ!!

111: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 13:52:03.83 ID:CcrIMi8F0
先生「ん…?」

先生「なんの声……」

ヤンキー「死ねぇえええええ!!!!」ドドドドドドドッ!!

先生「…!?」

先生「コ…コラァ…!!!なにをしとるか!!お前ら!!!」

ヤンキー「げっ…!」

凛「今のうちにゃ!!!」タッ!!

千歌「うん…!!」タッ!!

ヤンキー「あ…コラ!!待て…」

先生「待つのはお前らだろが!!!全員、生徒指導室に来い!!!」

ヤンキー「なっ…」


千歌「急げ!急げっー!!」タタタッー!!

凛「今のうちにゃーー!!」タタタッー!!

梨子「えぇ……な…なんなの……?」




112: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 13:52:38.17 ID:CcrIMi8F0
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校舎裏-


凛「はぁ…はぁ……」

千歌「はぁ…はぁ……」

梨子「だ…大丈夫……?二人とも……」

梨子「あと、5限もう始まってるんだけど……」

千歌「はぁ…はぁ…分かってるよ……ちょっと休んだら行く……」

凛「凛は5限パスで……」

梨子「えぇ…!?ダメよ!?授業はちゃんと出ないと……」

花陽「あっ…!凛ちゃん!みなさん!!」タッタッ…

凛「あ…かよちん……」

梨子「花陽ちゃん!?授業は!?」

花陽「あ…お腹痛いって言って抜けてきちゃいました……凛ちゃんが帰ってこなかったので……」

梨子「えぇ…!?」

梨子(わ…私の感覚がおかしいだけで、授業をサボるのは割と普通なのかしら……)

113: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 13:53:15.48 ID:CcrIMi8F0
花陽「さっき、職員室で聞いたんですけど……」

花陽「三年生複数人が一週間の停学、絵里先輩が保健室で休んでるって、どういう事ですか!?」

千歌「て…停学か……」

花陽「はい……なんか、生徒指導の先生を殴ったみたいで…」

凛「はぁ……良かった…一週間は死なずに済むにゃ……」

114: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 13:53:45.01 ID:CcrIMi8F0
梨子「ご…ごめん……私、あんまり覚えてないんだけど…何かあったの……??」

千歌「そ…それは……」

凛「千歌先輩が絵里先輩を殴ったにゃ……」

千歌「あっー!!凛ちゃん、それ言っちゃ…!」

凛「うるさいにゃ」

千歌「…!?」

梨子「な…殴った!?なんで!?」

千歌「あ…えっと……その…ムカついて……」

凛「…」ピクッ…

凛「なんにゃ!その理由は!!!暴力は暴力しか生まないとか言ってた千歌先輩はどこ行ったにゃ!!」

千歌「あー!もー!うるさいなぁ!!ムカついたもんはムカついたの!!」

梨子「そ…そんな理由で……」

千歌「あっ…」

千歌「ち…違うんだよ!!梨子ちゃん!!」

千歌「その…えっと……三年生の人に梨子ちゃんをバカにされて……それで…つい……」

梨子「…!」

115: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 13:54:16.24 ID:CcrIMi8F0
凛「?」

凛(そんな事言われたかな…?)

千歌(嘘だけど……)

梨子「そう……そうだったのね……ありがとう千歌ちゃん……でも、理由がなんであれ、暴力は暴力だよ」

千歌「…!」

凛(千歌先輩も、同じこと言ってたにゃ……)

千歌「はい……反省します……」

梨子「もうやっちゃダメだからね?」

千歌「はい……」

花陽「そ…それで、その……どうするんですか!?この後……」

凛「う~ん…………全面戦争…?」

千歌「凛ちゃん喧嘩辞めるんじゃなかったの!?」

凛「ムカついたから殴るような人に言われたくないにゃー!!」

116: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 13:54:48.87 ID:CcrIMi8F0
梨子「はいはい……とにかく喧嘩はダメだからね……?」

千歌「わ…分かってるよ……私、喧嘩とか怖くてできないし……?」

凛「なんにゃ…それ……」

花陽「じゃあ、やっぱり謝って許してもらうしか……」

梨子「そうね……ちゃんと心を込めて謝れば、きっと分かってくれるでしょう……」

千歌「………」

凛「………」

千歌(絶対無理だ……)

凛(かよちんも梨子先輩も、不良という人種を分かってないにゃ……)

117: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 13:55:17.69 ID:CcrIMi8F0
梨子「停学中の三年生は、一週間後の停学明けに謝るとして……絵里先輩は……」

花陽「今は保健室で寝てるみたいですから、明日でいいんじゃないですかね…?」

梨子「そうね!そうしましょう!」

千歌「………」

梨子「千歌ちゃんもそれでいい?」

千歌「……あぁ…うん…」

千歌(無理だろうけど……)

118: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 13:55:43.66 ID:CcrIMi8F0
梨子「よし!じゃあ、授業に戻りましょう!今なら、まだ始まったばかりよ!」

凛「じゃあ、凛はここにいるんで、梨子先輩だけ行ってきてください」

梨子「…!?」

千歌「ダメでしょ!凛ちゃん!!授業はちゃんと出なきゃ!!」

凛「どの口が言うにゃ……」

梨子「さすが千歌ちゃん!凛ちゃんみたいな悪い子とは違うわね!えらい!!」

千歌「えへへ…///」

凛(一番悪い人なんだけどなぁ……)

花陽「花陽も授業に戻りますね、凛ちゃんも元気になったら来てね」

凛「えー!かよちんも行っちゃうの!?じゃあ、凛も行くにゃ」

千歌「おー!凛ちゃん偉い!」

凛「別に寝る場所が変わるだけにゃ」

凛「さっ、教室に行くにゃ、かよちん」

花陽「うん…!それじゃあ、梨子先輩!千歌先輩!失礼します…!」

梨子「うん、じゃあね~」

千歌「さて、じゃあ、私達も帰りますか……」

梨子「そうね、行きましょう」



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119: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 13:56:29.76 ID:CcrIMi8F0

次の日 朝-


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二年生教室-


ザワザワ…


??「……」ドキドキドキ…

梨子「また転校生か~、どんな子だろうね?千歌ちゃん」

千歌「あ…あぁ……」

梨子「ん?千歌ちゃん…?」

先生「はーい、みんな静かにー!渡辺さんが挨拶できないでしょー」

千歌「う…嘘でしょ……?」

120: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 13:56:57.57 ID:CcrIMi8F0
先生「じゃあ、渡辺さん、簡単に自己紹介だけして貰っていいかしら?」

曜「はい…!」ドキドキドキ…

曜「静岡の浦の星女学院っていう所から来ました!渡辺曜です!趣味は空手!!特技は空手です!!みなさん、よろしくお願いします!」

生徒 パチパチパチパチ…!

梨子「へ~、千歌ちゃんと同じ静岡じゃない、もしかして…知り合いだったりして…」

千歌「よ…よよ……」

梨子「って、そんな偶然あるわけないわよね~」

曜「………」キョロキョロ…

曜「あっ…!」

千歌「よ…曜ちゃん…!!!」ガタッ!!

曜「千歌ちゃん…!!!」

梨子「………」

梨子「はい…?」

121: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 13:57:34.41 ID:CcrIMi8F0
千歌「曜ちゃん!曜ちゃん!!曜ちゃん!!!久しぶりだね!!え!?ていうか、なんでこっちに!?いつから!?なんで言ってくれないの!?どういう事!?曜ちゃん!!!」

曜「あ…あはは……そんないっぺんに言われても……」

梨子「え……?し…知り合い……なの……??」

千歌「し…知り合いっていうか……」

曜「千歌ちゃんの右腕です!ヨーソロー!」ビシッ!

梨子「み…右腕ぇ……!?」

千歌「あはは……」

梨子「ど…どういう事……?」





125: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 20:45:57.21 ID:CcrIMi8F0
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昼休み 屋上-


千歌「…」モグモグ…

曜「……」ドキドキドキ…

千歌「…」ゴックン…

曜「ど…どう……?」

千歌「………」

千歌「曜ちゃん……」

曜「……」ゴクリッ…

千歌「やっぱり、曜ちゃんの手料理は最高に美味しいよ!!!120点!!!」

曜「やったっ~!!!5日ぶりに千歌ちゃんに褒められた~!!嬉しい!!!」

梨子「なんで、そんな細かく覚えてるのよ……」

曜「それは、千歌ちゃんの右腕ですから!」

126: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 20:46:28.61 ID:CcrIMi8F0
千歌「それにしても、私を追って東京に引っ越してくるなんて、さすが曜ちゃんだね!」

曜「えへへ…千歌ちゃん、すごく落ち込んでたから……私が側にいてあげたくて……」

梨子「…?前の学校で何かあったの?」

曜「え…?」

千歌「よ…曜ちゃん…!ちょっと…」

曜「なに…?」

梨子「?」

千歌「ごめん、梨子ちゃん、ちょっとここで待ってて…?」

梨子「え…えぇ……分かったわ…」

千歌「行こ、曜ちゃん」

曜「う…うん……」


ガチャ…バタンッ……


梨子「………」ポツーン…


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127: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 20:47:06.72 ID:CcrIMi8F0
校舎内-


曜「えぇ…!?まだ話してなかったの!?」

千歌「まだっていうか……多分これからも話さない……」

曜「そ…そっか……たしかに、それがいいのかもね……」

千歌「うん……だから、梨子ちゃんには内緒にして欲しくて……」

曜「分かったよ!それにしても、あんなに真面目そうで、可愛い子と友達になってるなんて、不良辞めるってのは上手くいってるんだね!さすが千歌ちゃん!!」

千歌「あっ…あはは……それは…」

凛「あっ!千歌先輩だにゃ!」

花陽「こ…こんにちは…!」

千歌「あっ…」

曜「ん…?」


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128: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 20:47:41.01 ID:CcrIMi8F0
屋上-


曜「えぇ…!?この学校の番長を三年生全員が見てる前で殴ったぁ!?」

千歌「は…はい……」

凛「いや、その前に誰にゃ!!こいつ!!!」

曜「こいつって……」

梨子「渡辺曜ちゃんよ、今日ウチのクラスに転校してきたの……先輩なんだから、こいつなんて言っちゃダメよ?」

凛「ふんっ、凛は自分の尊敬する人にしか敬語は使わないにゃ」

千歌「え!?じゃあ、私は!?」

凛「尊敬してないにゃ」

千歌「…!?」

129: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 20:48:15.52 ID:CcrIMi8F0
曜「凛ちゃん…だっけ……?それは聞き捨てならないなぁ……」

凛「いや、なんで曜先輩が怒るにゃ……」

曜「私が千歌ちゃんの右腕だからだよ」

花陽「ち…千歌先輩の右腕…!?」

花陽「って事は……まさか……あの…」

曜「あれ?もしかして、私の名前、東京まで届いてる?」

花陽「は…はい……さ…最強のNo.2…渡辺曜さんですよね…?」

曜「そう!いやぁ~!私も有名になったねぇ~!」

梨子「最強のNo.2?」

千歌「な…なんでもないよ~…気にしないで…?」アセアセ…

梨子「?」

130: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 20:48:49.24 ID:CcrIMi8F0
凛「じゃあ、強いのかにゃ?」

曜「もちろん!千歌ちゃんには及ばないけどね」

千歌「ちょ…ちょっと…!!」

梨子「強い…?なにが…?」

千歌「あっ…そ…それは…

花陽「り…梨子先輩…!!ちょっと来てください…!」

梨子「えぇ…?なんで?どうしたの?花陽ちゃん……」

千歌「…!」

千歌(ナイス!!花陽ちゃん!!ありがとう…!!)

花陽「いいから、早くこちらに…!」

梨子「え…?ちょ…ちょっと…!?」


ガチャ…バタンッ……


131: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 20:49:43.10 ID:CcrIMi8F0
千歌「ふぅ……これで一安心……」

凛「強いって言っても、学校のトップになれない時点で、たかが知れてるにゃ」

曜「トップは千歌ちゃんだからね、私は千歌ちゃんを支えるのが一番あってる」

千歌「ちょ…凛ちゃん……やめなよ…?曜ちゃん、空手やってて普通に強いからね?」

凛「空手…!?」

凛「ふっ、空手なんて喧嘩じゃ役に立たないにゃ」

曜「…」

千歌「いやいや……」

凛「顔を狙わない、狙われない空手なんて、喧嘩になれば…

曜 フッ!!


ピタッ!


凛「にゃ…!」

132: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 20:50:22.16 ID:CcrIMi8F0
凛(が…顔面に……)

曜「………」

曜「…」ニヤッ…

曜「私がやってるのは、普通の空手とは違う…」

凛「え…?」

千歌「そーだよー?凛ちゃん。曜ちゃんがやってるのは、顔面も目つきもある、なんでもありの超実戦空手なんだから」

凛「ちょ…超実戦空手…?」

曜「まあ、そんな事教えてる道場なんて浦の星にしかないけどね」

凛「で…でも…!だからと言って凛より強いとは…!」

千歌「無理だよ、凛ちゃんじゃ」

凛「…!」

凛「ぐっ……」

133: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 20:50:48.89 ID:CcrIMi8F0
凛「………」

千歌(………)

千歌(ちょっと、キツく言いすぎたかな…?)

千歌(まあ、凛ちゃん、ヤンキー辞めるって言ってたし……別に大丈夫かな…?)

花陽「し…失礼します……」ガチャ…

梨子「はぁ…はぁ……」

千歌「あ!花陽ちゃん!梨子ちゃん!おかえり!なにしてたの?」

花陽「え…えっと……」

梨子「走ってたわ……」

千歌「えぇ…!?なんで!?」

花陽「あ…あはは……えっと…体力作りをしようと思って……」

千歌「あ…そ…そう……」

千歌(何も思いつかなかったんだね……花陽ちゃん……)

134: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 20:51:23.58 ID:CcrIMi8F0
凛「………」

花陽「?」

花陽(凛ちゃん……?)

梨子「それで…?そっちは、何話してたの?」

千歌「え…!?あ…え…えっと……」

凛「絵里先輩に謝る方法を考えてたにゃ」

千歌「…!」

千歌「そ…そう…!それそれ…!」

梨子「そう…それで、どうなったの?」

千歌「あー……えっと…心を込めて…謝る……てきな…」

梨子「普通じゃないの…」

花陽「でも、それしかないですよね…」

135: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 20:52:04.92 ID:CcrIMi8F0
曜「え…?もしかして、謝って許して貰うつもりなの……??」

千歌「う…うん……」

曜「無理なんじゃ……」

千歌「あ…あはは……」

千歌(そんな事分かってるよ!!)

梨子「大丈夫よ!きっと心は通じるわ!!」

曜「う…う~ん……不良って、そういう人種じゃないような……」

梨子「そ…そうなの……?」

曜「うん……不良ってのは、なによりも自分のプライドのために生きてるって感じで……」

凛「………」

曜「その番長さんって、全員の前で倒されたんじょ?だったら、プライドはズタズタにされてるはず……」

梨子「え……そ…それって……」

曜「うん……聞く耳を持たないだろうし……会えば、殴りかかってくるまであると思う……」

梨子「そ…そんな……」

136: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 20:52:42.09 ID:CcrIMi8F0
千歌「あはは……まずいね……」

梨子「まずいじゃないわよ!!千歌ちゃん、殴られちゃうかもしれないのよ!?」

曜「いや、まだそうと決まったわけじゃないよ?」

梨子「え…?」

曜「その番長さんが、どういうタイプの番長かに寄るけど……まだ希望はある……」

梨子「タイプ…?」

137: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 20:53:10.10 ID:CcrIMi8F0
曜「うん……番長ってのはさ、たとえ不良であっても、大勢の上に立つ以上、何か人を惹きつける魅力がないと務まらないものなんだよ」

千歌(ふふっ…それは確かに……)

曜「それで、大事になってくるのが、まずはもちろん「強さ」」

曜「これは、不良のトップである以上、絶対必要……」

梨子「まあ…そうよね……」

138: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 20:53:55.56 ID:CcrIMi8F0
曜「ここからはタイプが分かれる。一つは仲間に制裁を加えたりして恐怖政治をひくタイプ」

梨子「きょ…恐怖政治……」

花陽「たしかに……そういうタイプの番長は多いですよね……」

千歌(私は、違うよね……?)

曜「二つ目は、強さと人望で引っ張っていくタイプ」

千歌「…!」

千歌(私、たぶん、これだ…!)

千歌(いや、これであって欲しい…!!)

梨子「そっちは、良い人そうね……」

曜「他にも、頭が良かったり、リーダーシップがあったり、ほっとけないタイプだったり、いろんなタイプの番長がいる」

梨子「なるほど……じゃあ、絵里先輩が、その…良い方の番長だったら可能性はあるって事ね?」

曜「うん……できれば、人望があって頭がいいようなタイプだと良いんだけど……」

139: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 20:54:29.56 ID:CcrIMi8F0
千歌「そこんとこ、どうなの?花陽ちゃん」

花陽「う…う~ん……絵里先輩は、あまり口を開かないタイプなので、詳しい性格までは分からないんですが……」

花陽「「氷の女王」……そう呼ばれています……」

梨子「こ…」

千歌「こおりの…」

曜「女王…」

梨子「絶対、恐怖政治のタイプじゃない……」

花陽「そ…そうですね……」

花陽「即殴られてしまうかもしれません……」

千歌「えぇ……そんな……」

140: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 20:55:20.83 ID:CcrIMi8F0
梨子「だ…大丈夫よ…!!だって、ほら!千歌ちゃんのパンチ一発で倒れちゃったんでしょ?それって、あんまり強くないんじゃない!?」

千歌「…!」

曜(いやいや……その人のパンチ、普通じゃないから……)

梨子「殴られても軽傷で済むかも…!!」

千歌「そ…そうだね…!!私みたいな普通の女の子のパンチ一発で倒れるぐらいだもんね…!!あはは…!!」

凛「………」

凛「…」チラッ…

凛「あ……」

凛「絵里先輩が歩いてるにゃ」

千歌「え!?どこどこ!?」

141: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 20:55:47.18 ID:CcrIMi8F0
凛「下の木のところ」

千歌「……」キョロキョロ…

千歌「あっ…!」

千歌「は…鼻の所に包帯巻いてる……」

曜「折れたのかな……」

千歌「そんな…!」

花陽「これは怒ってそうですね……」

梨子「報復に千歌ちゃんも鼻を折られるかも……」

千歌「ちょ…ちょっと!?なんで、そんな怖い事言うの!?」

142: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 20:56:30.30 ID:CcrIMi8F0
凛「謝るなら今がいいんじゃないかにゃ?」

千歌「え…えぇ……今…?」

凛「だって、三年生のフロアだと、周りがうるさいし……」

千歌「あ…あぁ……そっか…」

花陽「行くんですか!?」

千歌「う…うん……行くしかないよね……」

梨子「頑張ってね!千歌ちゃん!きっと分かり合えるわ!」

千歌「だといいね……」

千歌「じゃあ、行ってくる……」トボトボ…

曜「あっ!私もついてくよ!」タッ!

梨子「えぇ…!?なんで曜ちゃんも!?」

曜「右腕だから♪」

梨子「は…はぁ……」

143: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 20:57:17.17 ID:CcrIMi8F0
花陽「行っちゃいましたね……」

梨子「無事に帰ってきてくれるといいけど…」

凛「………」

花陽「………」

花陽(ど…どうしたんだろ……凛ちゃん……)

花陽(私達がいない間に何が……)

凛「………」

花陽「り…凛ちゃん…!」

凛「なに?かよちん」

花陽「元気……ないみたいだけど……何かあったの…?」

凛「………」

凛「なんでもないよ…」

花陽「…!」

144: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 20:58:15.95 ID:CcrIMi8F0
花陽「で…でも…!」

凛「大丈夫……凛の問題だから……」

花陽「……」

凛「………」

凛「じゃあ、凛、先に教室戻るね」クルッ…

花陽「あっ、凛ちゃん…!」


ガチャ…バタンッ……


花陽「凛ちゃん……」

145: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 20:58:58.01 ID:CcrIMi8F0
梨子「………」

梨子「凛ちゃん、どうかしたの?」

花陽「わ…分かりません……」

花陽「私達と、凛ちゃん達とは、人種が違うので……」

梨子「?」

花陽「でも、私は分かってあげたいです……凛ちゃんのために……」

梨子「そ…そう……」

梨子(人種が違うって……どういう事かしら……)



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146: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 20:59:26.72 ID:CcrIMi8F0

校庭-


絵里「………」

絵里(………)

絵里(歩くと鼻が痛いわね……)

絵里(こう…なるべく振動が伝わらない歩き方を……)カチコチ…

千歌「え…絵里先輩…!!」

絵里「え…?」クルッ…

絵里「あら……あなた……」

147: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 22:03:22.30 ID:CcrIMi8F0
曜(ん…?怒ってない……?)

千歌「え…」

絵里「どうしたの?何か用があるんじゃないの…?」

千歌「お…怒ってないんですか……?」

絵里「怒ってるわよ」

千歌「や…やっぱり……」

148: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 22:04:08.81 ID:CcrIMi8F0
曜「し…仕返しはしないんですか!?」

絵里「するわよ、でも、わざわざ話しかけてきたって事は、何かあるんでしょう?それを聞いてから決めても遅くないはずよ?それに、私、動くと鼻痛いし」

曜「…!」

絵里「まあ、今すぐ喧嘩しようってんなら、買うけどね?」

曜(こ…この人……)

曜(こういうタイプか……)

絵里「で?なんなの?」

曜(まずいな……)

149: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 22:04:47.19 ID:CcrIMi8F0
千歌「あっ、その……えっと…謝りたくて……」

絵里「謝る…?私に?」

千歌「はい……」

絵里「いきなり殴っておいて?」

千歌「そ…それは…その……事故というか……」

絵里「?」

千歌「う…うーん……実は私は、その…もう不良は卒業してて……えっと…」

絵里「? 話が見えないわよ?」

千歌「あ…えっと……話すと、ちょっと長くなりそうなんで……とりあえず、そこのベンチにでも……」

絵里「そうね、私も鼻痛いし」


150: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 22:05:16.96 ID:CcrIMi8F0
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数分後-


絵里「なるほどね……」

千歌「分かってもらえたでしょうか……」

絵里「だいたいね………そう……暴力は暴力しか生まない…か……」

絵里「たしかに、あなたの言う通りなのかもしれない……」

千歌「は…はい……そ…それで…その…」

絵里「まだ、許すとは言ってないわよ?」

千歌「え……」

151: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 22:05:48.45 ID:CcrIMi8F0
絵里「ひとつ聞きたいんだけど、あなたムカつくからって私の事殴ったじゃない?あれは、なぜ?」

曜「………」

千歌「え…そ…それは……ムカついたからで……」

絵里「なぜムカついたの…?」

千歌「え…なぜ……ムカついたか……」

千歌「………」

千歌「さ…三年生が私の事バカにしたから……」

曜「ちょ…ちょっと、千歌ちゃん…!」

千歌「あっ…!す…すみません…!!別に三年生に喧嘩を売ってるわけじゃ……」

絵里「ふふっ、いいのよ、分かってる。そう……自分をバカにされたから殴った……」

152: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 22:06:16.88 ID:CcrIMi8F0
絵里「くだらないわね……」

千歌「うっ……おっしゃる通りです……」

絵里「そのくだらない事のために、自分の中の暴力を振らないっていうルールを破った……」

千歌「は…はい……」

絵里「あなた……バカね」

千歌「なっ…!」

絵里「でも、そういうバカは嫌いじゃないわ」スクッ…

千歌「え…?」

153: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 22:06:44.19 ID:CcrIMi8F0
絵里「あなたは、さっき暴力は絶対悪のように言ったわね」

千歌「はい……」

絵里「私はそうは思わない……」

千歌「…!」

絵里「暴力は悪いからとか良いからとか……そういう事のためだけにあるものじゃない……」

絵里「もっと、くだらない……他人が聞いたら呆れちゃうような……そんな大切なものを守るために、暴力は必要だったりする……」

千歌「くだらない…大切な…もの……」

絵里「そう……あなたはどう…?」

絵里「あなたの大切なものはなに…?」

千歌「…!」

154: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 22:07:15.92 ID:CcrIMi8F0
千歌「わ…わたしは……」

絵里「ふふっ、今、答えを出さなくてもいいわよ?じっくり考えなさい」

絵里「それじゃあ、私は行くわね、また会いましょう、高海千歌さん、渡辺曜さん」

千歌「え!?行っちゃうんですか!?」

曜「そ…その……!これは、許してもらえたって事でいいんですか?」

絵里「ふふっ…最初からあなた達とモメる気はないわ、今は学校内でモメてる場合じゃないしね……」

曜「え……」

千歌「あ…ありがとうございます…!!!」ペコリッ!

絵里「いいのよ、これからよろしくね」

千歌「はい…!!」

155: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 22:07:47.02 ID:CcrIMi8F0
曜「………」

千歌「曜ちゃん!!絵里先輩、すごいいい人だったね!!私、感激しちゃったよ!!」

曜「そ…そうだね……すごく…いい人だった……」

曜(自分を殴った相手を、戒めるんじゃなく、手懐けた……)

曜(すごいカリスマ性のある人だ……)

曜(本当にまずいな……)

曜(こういう人がやられると……下の人達は……)

千歌「曜ちゃん?」

曜「え…?」

千歌「どうかした?考え事?」

曜「い…いや…!なんでもないよ…!」

千歌「そ…そう…?ならいいけど……」

曜(千歌ちゃんは私が守らないと……)



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159: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 08:17:08.47 ID:t/ZsgZcX0

二年生教室-


千歌「ただいまー!」ガララ…

梨子「あ!千歌ちゃん!!大丈夫だった!?何もされなかった!?」

千歌「うん!絵里先輩、すごいいい人でね!怒ってもいなかったよ!」

梨子「そうなの…!?良かったわね!」

曜「………」

梨子「?」

梨子「どうしたの?曜ちゃん、浮かない顔して…」

曜「え…!?あ……な…なんでもないよ…!」

梨子「そう…?なんか、さっき凛ちゃんも浮かない顔してたから気になって……」

千歌「…!」

160: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 08:17:35.81 ID:t/ZsgZcX0
曜「え…?凛ちゃん?ってあの、一年生の?」

梨子「そうそう、花陽ちゃんも心配してて……」

千歌「そっか…凛ちゃんが……」

千歌「………」

梨子「千歌ちゃん…?」

千歌「ごめん…!私、5限サボる!!先生には適当に言っておいて!!」

梨子「えぇ…!?またサボるの!?」

曜「どうしたの?私も行こうか?」

千歌「大丈夫!!私だけでなんとかするから!それじゃあ!!」ガララ…!

梨子「え…ちょ…ちょっと…!?」

161: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 08:18:16.06 ID:t/ZsgZcX0
梨子「行っちゃった……」

曜「まあ、6限には戻ってくるよ」

梨子「え……」

梨子「………」

曜「ん?どしたの?梨子ちゃん」

梨子「そ…その……曜ちゃん達の学校では、授業サボるのって普通だったの…??」

曜「えっ…」

曜「ん~……」

曜(普通じゃないけど……そう言ったら、千歌ちゃんが素行が悪いみたいになるし……)

曜「まあ…普通だったかな……?」

梨子「そ…そうなの……」

梨子「すごい学校ね……先生が可哀想……」

曜「あはは…たしかに……」



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162: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 08:18:54.28 ID:t/ZsgZcX0

屋上-


凛「………」

凛「はぁ……」

凛「………」

163: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 08:19:22.45 ID:t/ZsgZcX0

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千歌「…」サッ!

凛「…!」

凛「にゃ…」

凛(す…寸止め……)

千歌「はい…終わり……今のを振り抜いてたら凛ちゃん立てないよ?」

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164: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 08:20:09.21 ID:t/ZsgZcX0

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曜 フッ!!


ピタッ!


凛「にゃ…!」

凛(が…顔面に……)

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165: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 08:20:37.05 ID:t/ZsgZcX0
凛(………)

凛(強い……)

凛(凛よりも……)

凛(それも二人とも……)

凛(………)

凛(絵里先輩が卒業したら、凛が一番だと思ってたのに……)

凛(いや…いつか絵里先輩も倒すつもりだった……)

166: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 08:21:19.34 ID:t/ZsgZcX0
凛(………)

凛(って…)

凛(なに考えてるにゃ……凛は…)

凛(凛はかよちんを守るために喧嘩してただけ……)

凛(かよちんを守れるなら、喧嘩じゃなくてもいい……)

凛(もう喧嘩はしない……自分が、どれだけ強いかなんて関係ない……)

凛(喧嘩で一番になりたいなんて思わない……)

凛(………)

凛(そのはず……なんだ……)

凛(………)

千歌「あ!やっぱりここに居た…!」

凛「…!?」

167: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 08:21:53.89 ID:t/ZsgZcX0
凛「ち…千歌先輩……授業は…」

千歌「それは凛ちゃんもでしょ?いいの?花陽ちゃんが心配するよ?」

凛「………」

千歌「はぁ……だんまりか……」

凛「………」

凛「なんで来たにゃ……」

千歌「ん?ちょっと、私も悩んでてね……」

凛「悩み…?なんにゃ……?」

千歌「………」

千歌「本当に不良でいる事は悪い事なのか……」

凛「…!」

168: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 08:22:44.05 ID:t/ZsgZcX0
千歌「さっき、絵里先輩と話した時にね、絵里先輩がこう言ったの…」

千歌「暴力は、くだらなくて他人が聞いたら呆れちゃうような、そんな大切なものを守るためにあるんだって……」

凛「くだらなくて……大切な…もの……」

千歌「うん……」

千歌「なんの事か分かる…?」

凛「う…うん……たぶん……」

千歌「だよね……だから、私達って不良やってるんだと思う……」

凛「でも、凛はもう辞めたにゃ」

千歌「ふふっ……」

千歌「本当に辞めれるの…?」

凛「なっ…!」

凛「や…やめれるにゃ…!!だいたい、凛はかよちんのために喧嘩してただけで、本当は喧嘩なんて…」

千歌「私と曜ちゃんに、凛ちゃんのそのくだらないプライドをへし折られても…?」

凛「…!」

千歌「折られたんでしょ?だから拗ねてる……」

凛「ち…違っ…」

169: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 08:23:38.94 ID:t/ZsgZcX0
千歌「思うにさ、私達は不器用なんだよ……」

凛「…な…なにを言ってるにゃ……」

千歌「普通の人なら、妥協するような所で妥協できないし……本当は大した存在でもないのに、それを認めたくない……」

凛「………」

千歌「だから、自分の力を認めてもらおうとする……誰より強いとか、誰より弱いとか……そういうくだらない事をすごく気にする……」

凛「り…凛は……」

千歌「悔しいんでしょ?自分が弱い事が……」

凛「…!」

凛「よ…弱くないにゃ!!凛は誰にも負けない…!!凛がこの学校の一番になるんだにゃ…!!」

千歌「!」

凛「あっ…」

千歌「ふふっ…やっと本音を言ってくれたね!」ニカッ!

凛「ち…違うにゃ…!!今のは忘れるにゃ…!!」

170: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 08:24:19.42 ID:t/ZsgZcX0
凛「ていうか、千歌先輩も喧嘩やめるんじゃなかったのかにゃ!?凛にそんな事言って、どういうつもりにゃ!!」

千歌「あはは…だよね……」

千歌「私もよく分かんないや……」

凛「な…なんにゃそれ……」

千歌「ん~…なんだろ……なんていうか……」

千歌「私は、浦の星の時の事で、一度は本当に暴力を辞めるべきだと思った……でも、絵里先輩に言われた事はすごく分かる……」

千歌「私はやっぱり舐められるのは嫌だし、でも、梨子ちゃんと普通の女子高生みたいな生活をするのも好き……」

千歌「私には、守りたい大切なものが多すぎて、何をすればいいのか分からない……」

千歌「だから、探すの……」

凛「探す……?」

千歌「うん……答えを……」

凛「答え……」

千歌「凛ちゃんも見つかってないんでしょ?自分の大切なもの……」

凛「そ…それは……」

千歌「だから、一緒に探そう?私達の本当に大切なもの……」

凛「…!」

171: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 08:24:55.35 ID:t/ZsgZcX0
凛「千歌先輩……」

千歌「へへっ、ちょっとクサ過ぎたかな…?」ニカッ!

凛「ほんとにゃ……クサ過ぎだにゃ……」

千歌「え…!?や…やっぱり…?」

凛「クサ過ぎて、ほとんど何も聞いてなかったにゃ……」

千歌「えぇー!?けっこう頑張って喋ったのにー!!」

凛「なんか最後の方で大切なものが、どうとか言ってたのは聞こえたけど、そんなの悩むまでもないにゃ」

千歌「え…!?そ…そうなの…!?」

凛「もちろんにゃ…!凛にとって一番大切なのは、かよちん!!それだけだにゃ!」

千歌「…!」

千歌「凛ちゃん……」

172: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 08:25:27.79 ID:t/ZsgZcX0
凛「それじゃあ、愛しのかよちんが心配してそうだから、凛は授業に戻るにゃ」

千歌「うん…!それでこそ、凛ちゃんだよ!!」

千歌「じゃあ、一緒に教室戻ろっか!」

凛「あ、そ…それから……千歌先輩……」

千歌「ん?なに…?」

凛「えっと……あ…ありがとうございました…にゃ……///」

千歌「…!」

千歌「け…敬語……」

凛「…///」

千歌「凛ちゃん、遂に私の事を尊敬して…!」

凛「あー!もー!やっぱり辞めだにゃ!!凛の性に合わないにゃ!!!///」

千歌「えぇー!?そんなー!!!敬語にしてよ!!!」

凛「嫌だにゃ!!千歌先輩なんか尊敬できないにゃ!!」

千歌「いや、なんで!?さっき、一瞬敬語になったじゃん!!」

ワイワイ!ワイワイ!



173: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 08:26:04.23 ID:t/ZsgZcX0
物陰-


花陽「心配で来てみたけど……」ウルウル…

花陽「まさか、千歌先輩が来てくれてるなんて……」ウルウル…

花陽「うぅ…良かったね…!凛ちゃん…!」ウルウル…

ワイワイ!ワイワイ!

花陽「あっ…!こ…こっち来る…!」

花陽「私も教室戻らなきゃ…!」タタッ!




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174: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 08:26:47.65 ID:t/ZsgZcX0
放課後-


千歌「やっと学校終わったー!!もー!めちゃくちゃ疲れたー!!」

梨子「いや、千歌ちゃん、休み時間以外ほとんど寝てたじゃないの……」

千歌「なっ……そ…そんな事ないよ…!一応授業は聞いてたよ!伏せながら…!」

梨子「それじゃダメでしょ……」

曜「おーい!千歌ちゃん、梨子ちゃん、一緒に帰ろー!」タッタッ!

千歌「あ、曜ちゃん!そうだね!帰ろっか!」

梨子「曜ちゃん家、どこなの?方向一緒かしら」

曜「あ、それは問題無いよ!」

千歌「そうなの?」

曜「だって、私、千歌ちゃん家の隣だから…!」キランッ!

千歌「…!?」

梨子「…!?」

千歌、梨子「えええええええええええ!!??」

175: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 08:27:13.38 ID:t/ZsgZcX0
曜「お…おぉ……思ったより、いいリアクションするね……」

梨子「い…いや……だって……」

千歌「梨子ちゃんも私の家の隣だから……」

曜「え……?」

曜「ええええええええええええええ!!??」


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176: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 08:27:45.23 ID:t/ZsgZcX0
駐輪場-


曜「それにしても…すごい偶然だね……私のは偶然じゃないけど……」

梨子「そうね……びっくりだわ…」

千歌「でも、楽しいね!!三人でお隣同士だなんて!」

梨子「そうね、ベランダ出れば会話もできるしね」

千歌「おー!それ楽しそう!!今日の夜やろうよ……って…」

曜「よっと…」ガチャン…

千歌「曜ちゃん…!?」

曜「ん?なに?」

千歌「そ…それ……」

梨子「バ…バイク…!?バイクで学校来たの…!?」

曜「いや、バイクじゃなくてスクーター…」

177: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 08:28:22.44 ID:t/ZsgZcX0
梨子「いやいや!そういう問題じゃないわよ!!そんなので学校来るなんて、先生が…

千歌「ず…ずるいよ、曜ちゃん!!!」

梨子「え……」

曜「え…?千歌ちゃん、スクーターじゃないの?」

千歌「静岡に置いて来ちゃったよー!!!私も持ってくれば良かったーー!!」

曜「え!?そうなの!?もったいない!千歌ちゃんのすごい良いやつなのに…!」

梨子「いやいや……だから、その前に、学校にスクーターで来ちゃダメだからね…?」

千歌「って…あれ……?曜ちゃんの以外にも原付あるじゃん」

曜「ホンダのジョルノだね、誰のだろ……?」

千歌「綺麗な水色……大事にしてそうだね」

絵里「私のよ」ザッ…

千歌「…!」

178: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 08:29:09.62 ID:t/ZsgZcX0
千歌「絵里先輩…!!」

絵里「ふふっ…また会ったわね、そちらは、話に出てきた桜内さん…?」

梨子「え…!?は…はい…!桜内梨子です…!」

絵里「そう…私は絢瀬絵里よ、よろしくね」

梨子「ちょっと!千歌ちゃん、私の事話したの…!?」コソコソ…

千歌「あ……う…うん…話の流れでね……?」

曜「絵里先輩、ジョルノなんてオシャレですね!」

絵里「ふふっ、ありがと。祖母から貰った大切なものなの…」

曜「へぇ~…おばあさんから……いいおばあさんですね…」

絵里「えぇ……私にとって、すごく大事な人だわ。そんな人から貰ったものだからね……当然、大事に扱うわ」

絵里「渡辺さんのは……リトルカブかしら?素敵ね」

曜「えへへ…///名前を「千歌ちゃん号」といいます」

絵里「ん…?」

梨子「え……?なんて…?」

179: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 08:29:48.33 ID:t/ZsgZcX0
曜「いや、だから「千歌ちゃん号」と」

千歌「あはは……やっぱり、まだその名前なんだ……」

梨子「曜ちゃん……あなた……」

曜「?」

絵里「い…いい名前ね……」

曜「そうですよね!あと、カッティングも入れてあるんですよ!!見てください!」

絵里「え…?どこ…?」

曜「ここです!」


千歌ちゃん 命


曜「えへへ……///」

180: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 08:30:20.79 ID:t/ZsgZcX0
絵里「こ…これは……」

梨子「曜ちゃん……」

千歌「あはは……」

絵里「い…いいカッティングね……」

曜「ありがとうございます!!」

梨子(絵里先輩……優しいんですね……) ホロリ…

絵里「でも、カッティングは本当にいいわよね、私のダイヤモンドプリンセス号にも入れようかしら……」

梨子「は…?」

曜「え…?今、なんて…?」

181: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 08:30:58.05 ID:t/ZsgZcX0
絵里「いや…だから、私のダイヤモンドプリンセス号にもカッティングを入れようかと……」

千歌「ダ…ダイヤモンドプリンセス号……」

絵里「ふふっ、驚いた?いい名前でしょ?」

曜「そ…そうですね……はは…」

梨子(いや…ダイヤモンドプリンセス号て……)

梨子(私…絵里先輩が分からなくなりそうだわ……)

絵里「じゃあ、私は失礼するわね、これから病院なの」

千歌「あ…もしかして……鼻…」

絵里「いいのよ、気にしないで?あれは事故だったんでしょ?」

千歌「…!」

絵里「それじゃあ、また明日ね!」ブウゥゥゥンッ…!!

182: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 08:31:59.98 ID:t/ZsgZcX0
千歌「お…おぉ……」

梨子「たしかに、千歌ちゃんの言う通りいい人ね……絵里先輩…」

千歌「でしょ!私、あんなできた人、見た事ないよ!」

千歌「ああいう人が番長だったら、ついていきたくもなるよね~!」

梨子「いやいや……ダメよ?不良なんかになっちゃ」

千歌「あはは、分かってるよ~!さっ、私達も帰ろ?」

梨子「そうね、曜ちゃんはどうする?一緒に歩く?」

曜「ん~……そうしたいけど…今日はちょっと寄るところあるから…」

梨子「そうなの…?残念……」

千歌「どうかしたの?」

曜「あっ、気にしないで?全然大した事じゃないから…」

曜「それじゃあね!また明日!」ブウゥゥゥンッ…!!

千歌「あ…行っちゃった……」

梨子「何の用だったのかしらね……」

千歌「ん~…分かんない…!まあ、曜ちゃんが気にしないでって言った事だし、気にしてもしょうがないよ!帰ろ!」

梨子「そうね、帰りましょうか」







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186: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:44:02.91 ID:t/ZsgZcX0

秋葉原 路地-


花陽「千歌先輩、絵里先輩に許してもらえたんだって!良かったね!」トコトコ

凛「ふんっ、千歌先輩なんか一発殴られれば良かったんだにゃ」トコトコ

花陽「ふふっ…素直じゃないね~凛ちゃん」トコトコ

凛「にゃ…!?/// な…なに言ってるにゃ!かよちん!!これが本心にゃ!!」トコトコ

花陽「はいはい…分かったよ~」トコトコ

凛「なっ…!し…信じてないにゃー!!」

187: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:44:41.63 ID:t/ZsgZcX0
ヤンキー「おおおおお!!!」

凛「え……?」

花陽「…!」

凛「あ…あれ?…あの人達って……」

花陽「うん……停学中の三年生……」

凛「だよね………なんでこんな所に……」

ヤンキー「行くぞ!!お前ら!!!」

ヤンキー「おおおおお!!!!」

凛「行く…?どこに……」

花陽「あっ…!」

花陽「まさか……」

ヤンキー「絵里さんを傷つけた高海を許すな!!」

ヤンキー「おおおお!!!」

凛「…!」

花陽「やっぱり……!」

188: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:45:24.28 ID:t/ZsgZcX0
凛「そ…そんな…!!千歌先輩が…!!」

花陽「千歌先輩に知らせなきゃ…!!」

凛「そ…そうだね…!!それで逃げてもらえば…」

花陽「えー…っと……千歌先輩のLINEは…」

花陽「あっ!私、千歌先輩のLINE貰ってない!」

凛「えぇ!?じゃ…じゃあ、凛が…」

ヤンキー「ん?」

ヤンキー「なんだ?お前ら……ウチの制服着てるな……」

凛、花陽「…!」

凛「や…やば……」

花陽(見つかった…!)

189: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:46:11.18 ID:t/ZsgZcX0
ヤンキー「あれ…?お前……どこかで……」

凛「うっ…」

花陽(ま…まずい……凛ちゃんは顔を見られてる……)

ヤンキー「どうしたー?なにかあったのか?」

ヤンキー「なんだ?なんだ?」

花陽(集まってきちゃった……)

花陽「り…凛ちゃん……」

凛「かよちん……」

花陽、凛「………」コクリッ…

花陽、凛 ダッ!!

ヤンキー「あっ!ちょ…おい!」

凛「全力で逃げるにゃ!!かよちん!!!」タタタッー!

花陽「うん…!!」タタタッー!

ヤンキー「おい…」ガシッ!

凛「にゃ…!」グイッ!

花陽「わっ…!」グイッ!

190: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:46:51.88 ID:t/ZsgZcX0
ヤンキー「私は忘れてねぇぞ……お前…高海と一緒にいた奴だな……」

凛「なっ…」

凛(うっ…この人……力強い…!片手で……!)

花陽「は…はなして……」

ヤンキー「離すわけねえだろ…!!」グイッ!

花陽「う……いたっ…」

凛「…!」

凛「か…かよちん…!!」

ヤンキー「ん?なんだ?仲間がやられて辛いか?」

凛「…お…お前……!許さないにゃ……!」ギロッ…

191: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:47:24.56 ID:t/ZsgZcX0
ヤンキー「あー?なんだ、その反抗的な目…

凛 グルンッ…!

ヤンキー「…!?」

凛「にゃ!」ブゥンッ!!


メキョッ!!!


ヤンキー「あ…あがっ……」

ヤンキー「な…なんだこいつ…!」

ヤンキー「か…回転して肘入れやがった…!!」

ヤンキー「っ…い…いってぇ……」

花陽「凛ちゃん…!」

凛「下がってて……かよちん……」

花陽「…!」

凛「それから、ごめん……凛…やっぱり喧嘩辞めれないにゃ……」

花陽「凛ちゃん……」

凛「かよちんが傷つけられたのに、黙ってたら……」

凛「凛は凛じゃなくなっちゃうから…!」ニッ…!

花陽「凛ちゃん……!」

192: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:48:06.55 ID:t/ZsgZcX0
ヤンキー「なに訳の分からない事言ってやがんだ、テメェは!!」

ヤンキー「この人数相手に喧嘩売っといて、無事で済むと思うなよ!?」

凛「………」

ヤンキー「おいコラ!!なんとか言え!!コラ!!」

凛「はぁ…」

凛「……御託はいいから、かかってくるにゃ」チョイチョイ

ヤンキー「…!」ブチッ…!!

193: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:48:39.09 ID:t/ZsgZcX0
ヤンキー「くたばれや、オラアアアア!!!」ドドドドドッ!!!

凛 サッ…!!

ヤンキー「…!?」

ヤンキー「ど…どこに…


バキッ!!!


ヤンキー「う…うぐぁ……っ」

ヤンキー「…!?」

ヤンキー「なんだ…!?」

凛「全員…遅すぎにゃ…!」

ヤンキー「…!」


ドカッ!!バキッ!!ガツッ!!!


ヤンキー「ぐあっ…!」

ヤンキー「あぅっ…」

ヤンキー「あぐはっ…!」

ヤンキー「お…おい…!!お前ら…!!」

194: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:49:11.16 ID:t/ZsgZcX0
花陽「す…すごい…!!凛ちゃん、この人数相手に負けてない…!!」

ヤンキー「だ…誰かこいつを止めろ!!!」

凛「無理だよ…!」


ドカッ!!!


ヤンキー「あ…あがっ…!」

ヤンキー「やろうっ!!」ガシッ!!

凛「あっ…!」

ヤンキー「へへっ…捕まえてやったぜ……」

凛「うっ…」

花陽「そんな…!!凛ちゃん…!!!」

ヤンキー「よっしゃあ……離すなよ……?」

凛「ぐっ…ぐうっ…!」ジタバタ…!!

ヤンキー「おうおう…そんな弱い力じゃ、ふり払えねえぞ…?」

凛「くっ…」

凛(凛に、もっとパワーがあれば……!)

195: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:49:42.39 ID:t/ZsgZcX0
ヤンキー「おっしゃあ!くたばれ!!」ガバッ!!

凛「うっ…」ギュッ…!


ブウゥゥゥゥゥンッッッ!!!!


ヤンキー「わっ…!な…なんだこいつ…!」

ヤンキー「危ね…!」

ヤンキー「…?なんだ……?」

凛「え…?」

花陽「あ…あれは……」


ブウゥゥゥゥゥンッッッ!!!!


凛「え…?ちょ……こ…こっち来るにゃ……」

ヤンキー「え…ええ……?え…!?」

ブウゥゥゥゥゥンッッッ!!!!

ヤンキー「え!?」

曜「…」ニヤリッ…

196: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:50:19.54 ID:t/ZsgZcX0
曜「とおっ!」バッ!!

ヤンキー「飛んだ…!?」

曜 フワリ…

ヤンキー「あっ…!」

ヤンキー(ガード…!) バッ!

曜「遅い!!」


曜「てやぁっ!!!!」メキィッ!!!!


ヤンキー「ぶっ…」

凛「…!?」

花陽「と…飛び蹴り……!!!」

ヤンキー「あがっ…」ドサッ…

曜「よっと…」シュタッ…!

凛「あ…ああ……あなたは……」

曜「遅れてゴメンね!凛ちゃん!」

凛「よ…曜先輩…!!!」

197: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:50:56.15 ID:t/ZsgZcX0
花陽「なんでここに!?」

曜「停学中の三年生が暴れてる頃だと思ってね…」

花陽「え!?な…なんで分かったんですか!?」

曜「絵里先輩に会って確信したよ……ああいう番長がやられるとね……下の人達は…」

ヤンキー「…!」

曜「復讐……するんでしょ?千歌ちゃんに…」

ヤンキー「なっ…!」

ヤンキー「テ…テメェに、何が分かるってんだ!!!ウチ達の絵里さんをやられた私達の気持ちが!!」

曜「う~ん……分かんないや」

曜「私のボスは、やられた事ないから♪」

ヤンキー「テ…テメェ…!!殺す!!!」

曜「上等…!!かかってきなよ!!」

198: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:51:51.57 ID:t/ZsgZcX0
ヤンキー「な…なんだ、あいつ……」

凛「…!」

凛(油断してる…!)

凛(いける…!) グルンッ…!

ヤンキー「え…?」


凛「離すにゃ!!」バキッ!!!


ヤンキー「がっ…!」

凛 スルリッ!!

凛「よしっ…!」

曜「おー!すごい回転肘打ち…!もしかして……凛ちゃん喧嘩強い…?」

凛「当たり前にゃ…!!凛はいつか、アキバの一番になるんだにゃ…!!!」

凛「こんな所で…こんな奴らに負けてるわけにはいかないんだにゃ…!!!」

花陽「凛ちゃん…!」

曜「いいね!!それ!最高にかっこいいよ!!」

199: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:52:33.26 ID:t/ZsgZcX0
ヤンキー「仲良く喋ってんじゃねえぞ!!コラアアアア!!!」ドドドドドッ!!!

凛「来たにゃ…!」

曜「うん…!行くよ!凛ちゃん!!」

凛「言われなくても……」サッ…

ヤンキー「…!」

凛「勝手に行くにゃ!!!」ガツンッ!!!

ヤンキー「ぶはっ…!」

花陽「アッパー!!綺麗に決まった!!」

曜「おー……速……」

ヤンキー「なに、呑気に観戦してんだ!テメェは!!」ガバッ!!!

曜「ん?来たか…」スッ…

花陽「…!」

花陽(あの構え…!)

ヤンキー「くたばれ…!」ブンッ!

曜「セイッ!!!」ドンッ!!!!

花陽(せ…正拳突き…!!)

ヤンキー「うぅ…」ドサッ…

花陽(なんて完成された突き……!これだけで、曜先輩がすごく強いのが分かる……!!)

凛(……一撃で……)

200: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:53:02.53 ID:t/ZsgZcX0
ヤンキー「よそ見してんじゃねえぞ!!」ガバッ!!!

凛「む…」

凛「にゃ!!」ドカッ!!!

ヤンキー「ぶはっ…!」

曜「てやぁっ!!」ガツンッ!!!

ヤンキー「あがっ…」

凛「おりゃあ!」バキッ!!!

曜「はっ…!!」ドカッ!!!

ヤンキー「ぐあっ…!」

ヤンキー「う…うぅ……」

ヤンキー「く…くそっ…!!なんなんだ!こいつら…!!!」

花陽「す…すごい……たった二人で……」

曜「ふふっ、なかなかやるね……凛ちゃん…」

凛「曜先輩こそ…!」

ヤンキー「め…めちゃくちゃ強えぇ…!!!」

201: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:53:29.24 ID:t/ZsgZcX0
ヤンキー「ひ…ひぃ…!!」ダッ!!

ヤンキー「あ…!おい!!逃げるな!!」

ヤンキー「わ…私も…!!」ダッ!!

ヤンキー「あんたが逃げるなら、私も…!」ダッ!!

ヤンキー「ちょ…ちょっと……!」

ヤンキー「に…逃げろーーっ!!」ダッ!!

ヤンキー「おい…!」

ヤンキー ダダダダダダッッ!!!!

ヤンキー「あっ……」

凛「に…逃げた……」

202: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:54:03.16 ID:t/ZsgZcX0
ヤンキー「くっ……」

曜「どうする?もうあんた一人だけだけど……やる?」

ヤンキー「…!」

ヤンキー「ちっ…!お…覚えてろよ!!お前ら!!後で絵里さんが黙ってないからな!!!」

曜「絵里先輩…?」

曜「それなら、今日話したよ」

ヤンキー「は…話した……??怒ってなかったのか……??」

曜「うん、なんか今は学校内でモメてる場合じゃはいって」

ヤンキー「なっ…」

ヤンキー「そ…そんな……!」

203: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:54:37.80 ID:t/ZsgZcX0
曜「で?どうすんの?あんたも逃げた方がいいんじゃない?」

ヤンキー「ちっ…!」

ヤンキー「な…なんとしても、お前らは潰すからな!!覚えてろ!!!」ダッ!!

曜「はいはい、じゃあね~」

凛「は…はは……勝った……」ストンッ…

花陽「凛ちゃん…!?大丈夫…!?」タッ!

凛「だ…大丈夫にゃ……ちょっと腰が抜けただけ……」

花陽「そ…そっか…良かった……」

凛「さすがに、これだけの人数相手にやるのは、初めてだったから……」

曜「そりゃあね…よく一人で立ち向かったよ…凛ちゃんは……」

凛「はは…かよちんが傷つけられたから……ついカッとなって……」

花陽「凛ちゃん……」

204: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:55:15.16 ID:t/ZsgZcX0
曜「そっか……大切な友達なんだね……」

曜「でも、あんな無謀な喧嘩は、もうしちゃダメだよ?私が来てなかったら、本当に危なかったんだから!」

凛「たしかに……凛、捕まっちゃったし……」

曜「あれだけの人数の中に入っていけばね……当然後ろを取られちゃうから」

凛「後ろを……」

曜「うん、喧嘩において後ろを取られるのは絶対やっちゃいけない事だから……もし、大人数とやらなきゃいけないんだとしても、狭い路地に逃げ込んで、一人一人倒していくのが定石だよ」

凛「な…なるほど……勉強になるにゃ……」

曜「あはは…こんなの喧嘩でしか役に立たないけどね……」

凛「いや…喧嘩で役に立てば十分にゃ…」

205: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:55:45.16 ID:t/ZsgZcX0
曜「………」

曜「あのさ……気になったんだけど、凛ちゃんって喧嘩辞めたんじゃなかったの?いいの?こんな事しちゃって……」

凛「そ…それは……」

花陽「………」

凛「わ…分からないにゃ……」

曜「そっか……」

凛「さっきはアキバで一番になるとか言ったけど……本心では、どうなのか分からない……凛は結局、何がしたいのか……何を守りたいのか……」

曜「何を守りたいのか……か…」

凛「千歌先輩も、それが分からないって言ってたにゃ……」

曜「そっか…千歌ちゃんも……」

206: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:56:16.64 ID:t/ZsgZcX0
凛「あ…あの……曜先輩は、なんで喧嘩するんですか…?」

曜「あれ…?急に敬語…?」

凛「あっ…/// や…やっぱ無しで……」

曜「え~!残念……」

凛「い…いいから、答えて欲しいにゃ!」

曜「えっと…何で喧嘩するか…だっけ…?私の場合は……まあ、完全に千歌ちゃんのためかな……」

凛「…!」

曜「私は、別に、自分のプライドとか誇りとかみたいなものは、そんなに大事じゃなくて……なによりも千歌ちゃんを支えたい……そんな感じかな…」

凛「そ…そうですか……」

曜「まあ、そんなに悩まなくてもいいんじゃない?好きにやれば……それが不良ってもんでしょ!」

凛「…!」

207: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:56:52.13 ID:t/ZsgZcX0
花陽「私もそう思う……」

凛「かよちん…!」

花陽「凛ちゃんは、いつも私のためって言ってくれるけど、私は凛ちゃんの好きなようにやってくれるのが一番……」

花陽「さっき喧嘩の時に、凛ちゃんが凛ちゃんじゃなくなるから…って言ってよね…?」

凛「あっ……う…うん……そういえば……」

花陽「あれなんじゃないかな…?凛ちゃんが大切にしたいもの……」

凛「…!」

凛「凛が……凛であるため……?」

凛「………」

凛「う…うーん……難しいにゃ……」

曜「あはは……なんか哲学的だもんね…」

凛「り…凛のやりたいようにやればいいって事なのかな……?」

曜「ん~…そうなんじゃない?分かんないけど……」

花陽「わ…私は、それがいいと思うよ…!」

凛「かよちん……」

208: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:57:21.44 ID:t/ZsgZcX0
花陽「うん…!凛ちゃんがやりたいようにやる……それが一番凛ちゃんらしくいれる方法だと思う…!」

凛「…!」

凛「そ…そっか……凛のやりたいように……」

凛「………」

凛「うん…!なんかスッキリしたにゃ…!!やっぱり、凛はこんな難しい事考えずに、やりたいようにやるのが合ってるにゃ!!」

花陽「凛ちゃん…!」パアァッ!!

凛「よーし!なんか、そう思ったら、すごく気が楽になったにゃ!!元気出てきたにゃ!!」

曜「あはは…単純だなぁ~」

凛「ん~……!!なんか走りたい気分だにゃ!!かよちん、一緒に走るにゃー!!!」ダッ!!

花陽「えぇ…!?ちょっと、凛ちゃん…!?」

凛「早く来るにゃー!!」ダダダッ!!

花陽「あ…ああ…!もう、あんなに遠くに…」

曜「すご……あんな喧嘩した後なのに、よく走れるな……」アハハ…

花陽「はい……えっと、じゃあ、私も行きますね…。ありがとうございました…!曜先輩!」

曜「うん、じゃーねー」

花陽「さようなら…!失礼します…!!」

花陽「凛ちゃん、待って~!!」ダッ!

209: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:58:07.50 ID:t/ZsgZcX0
曜「………」

曜「ふぅ……」

曜「………」

曜「ん……」ノビィー…

曜「あ…いたたたた……」

曜(ちょっと、食らっちゃったかな……)

曜(う~ん……それにしても、今回は、さすがにヤバかった……)

曜(人数も多いし、さすがに三年生だけあって、一人一人が強い……)

曜(逃げてくれて助かったよ……)

曜「………」

曜(まぁ、なにはともあれ……)

拳 グッ…

曜(千歌ちゃんを守れた…)

曜(それだけで十分……)

210: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:58:34.40 ID:t/ZsgZcX0
曜(………)

曜(あとは……)

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ヤンキー「な…なんとしても、お前らは潰すからな!!覚えてろ!!!」ダッ!!

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曜(あの言葉……)

曜(一応、まだ終わってないって思った方がいいのかも………)







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211: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:59:13.06 ID:t/ZsgZcX0
次の日 昼休み 屋上-


凛「こうかにゃ?」ブンッ!ブンッ!

曜「うんうん、いい感じいい感じ」

花陽 ガチャ…

曜「あ、花陽ちゃん来た」

花陽「こんにちわ、あれ?曜先輩と凛ちゃんだけですか?」

曜「うん、千歌ちゃんは梨子ちゃんに捕まって勉強してるよ、今度のテストやばいみたいで…」

花陽「あはは……」

212: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:59:51.41 ID:t/ZsgZcX0
凛「曜先輩!これは!?」ブンッ!

曜「あはは、それはダメ」

凛「えぇ~!?かっこいいのに!!」

花陽「何してるの?」

凛「曜先輩に、蹴り技教えて貰ってるにゃ!」

曜「なんか、相手を一撃で倒せる大技が欲しいんだって」

花陽「なるほど…それで蹴りですか……」

曜「本当は、蹴りなんて難しいものじゃなくて、顔掴んで、ヘッドバッドからの膝蹴り食らわすとかが一番、楽で強いんだけどね」

花陽「うわ……エグいですね…それ……」

曜「うん、確実に鼻が折れるし、戦意喪失するか、痛みで気を失うからね」

凛「でも、そんなのスマートじゃないにゃ!!凛はスマートに勝ちたいにゃ!!」

曜「はいはい……分かったって……でも、蹴り技ってのは本当に難しいし、そうそう決まるもんでもないんだよ?」

凛「そうなのかにゃ?」

213: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 20:00:50.59 ID:t/ZsgZcX0
曜「ちゃんと体重かけて蹴るのは高等技術だし、それに、なによりも一本足になるってのは、すごくリスキーな事だからね。だからこそ、相手に隙が無いと打てない…」

凛「な…なるほど……」

花陽「じゃあ、相手に隙を作る技術も必要になるんですね……」

曜「そうそう、まあ、その点、凛ちゃんはスピードがあるから、相手をフラッシュさせるのは簡単だけどね」

凛「フラッシュ?」

曜「ひるませる事だよ、ダメージを与えるんじゃなくて、ひるませる……だから……」

曜「こう…!」ヒュッ!!

凛「速…!」

曜「拳を握ってないからね、脱力して、ただただ速く腕を振る……これでも、顔あたりに当てられたら、相手はひるむよ」

凛「なるほど…!」ヒュッ!!ヒュッ!!

曜「そうそう、そんな感じそんな感じ」

214: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 20:01:31.64 ID:t/ZsgZcX0
花陽「ふふっ、凛ちゃん楽しそうだね」

凛「うん…!強くなるのは楽しいにゃ!!」ヒュッ!!ヒュッ!!


ザワザワ…


曜「ん?なんか下が騒がしいな…」ヒョイッ!

曜「あ…!」

花陽「曜先輩どうかしたんですか?」

曜「し…下……」

花陽「え…?下…?」ヒョイッ…

花陽「…!!」

花陽「あ…あれって……!」

曜「うん……」

花陽「き…昨日の…三年生…!!!」

曜「それに絵里先輩も……」

凛「えぇ…!?絵里先輩と三年生が…!?」

215: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 20:02:20.03 ID:t/ZsgZcX0
花陽「な…何してるんだろう……」

曜「三年生の人達……全員、包帯巻いてる……」

花陽「松葉杖ついてる人も……」

凛「えぇ!?凛達、そこまでやったっけ!?」

曜「やってない………全員逃げたわけだから、立てない程のダメージは無かったはず……」

花陽「ぎ…偽装……」

曜「うん……」

凛「な…何のために…!?」

曜「………」

曜「分からない……」

曜「ただ……私達にとって良いものだとは、考えにくいね……」

凛「そ…そんな……」

曜「………」

216: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 20:03:07.74 ID:t/ZsgZcX0

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校門前-


絵里「え…?渡辺さんと星空さんと高海さんに……?」

ヤンキー「はい……私達は、ただ散歩してただけなんですが……突然その三人に襲われて……」

絵里「そう……それはヒドイわね……じゃあ、私の方から、三人に話を…」

ヤンキー「…!」

ヤンキー「は…話じゃなくて、けじめとってくださいよ!!あんた、ウチらの番長でしょ!!」

絵里「それはそうだけど、渡辺さんと星空さんと高海さんも、この学校の愛すべき生徒よ。争う気はないわ」

ヤンキー「くっ……」

絵里「あなた達の言ってる事は信じるわ……でも、私はあの三人が、理由もなくそんなヒドイ事をする人じゃないって事も信じてる」

絵里「それに、今は学校内でモメてる場合じゃない……あなた達もわかってるでしょ…?」

ヤンキー「そ…それはそうですけど…!!」

217: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 20:03:36.42 ID:t/ZsgZcX0
ヤンキー「落ち着いて…」スッ…

ヤンキー「なっ…!こ…これが落ち着いてられるか!!」

ヤンキー「いいから……」

絵里「?」

ヤンキー「絵里さん、分かりました。それじゃあ、絵里さんから、三人に話聞いてきてください………でも……忘れないでくださいよ?私達が、ここまでの怪我を負わされた事……」

絵里「……」

絵里「そうね……それに関しては、どんな理由であれ許せない事だわ。ちゃんと叱っておく」

ヤンキー「お願いします……」ニヤッ…

ヤンキー「?」

218: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 20:04:04.98 ID:t/ZsgZcX0
絵里「それじゃあ、私は戻るわね。みんな、ちゃんと安静にしてるのよ」

ヤンキー「はい…!部屋で大人しくしてます!」

絵里「ふふっ、本当に?あなた達、すぐ暴れるから不安だわ…?」

ヤンキー「なっ!だ…大丈夫ですよ!!絵里さん!全く……」

絵里「まあ、とにかくお大事にね?停学明けを楽しみにしてるわ」

ヤンキー「はい…!それじゃあ、失礼します!」

絵里「じゃあね、また1週間後に」

ヤンキー「はい…!さようなら!」

絵里 トコトコ…

219: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 20:04:43.11 ID:t/ZsgZcX0
ヤンキー「………」

ヤンキー「お…おい…!!どういう事だよ!!この怪我で、絵里さんに報復してもらうんじゃなかったのかよ!!」

ヤンキー「最初は、そのつもりだったけどね……やっぱり、あの人はその程度じゃ動かない……」

ヤンキー「じゃ…じゃあ!諦めたのか!?」

ヤンキー「まさか…!ちゃんと、次の手は考えてもあるわよ……ふふふっ……」

ヤンキー「つ…次の手……?」

ヤンキー「えぇ……やるのは、人目につきにくい授業中……みんな、バットは持ってきたわね?」

ヤンキー「あぁ…それなら、私が持ってきたわよ、でも、これ何に使う気なの……?」

ヤンキー「ふふっ……それはね……」


220: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 20:05:17.06 ID:t/ZsgZcX0

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屋上-


凛「絵里先輩、普通に帰っていったにゃ……」

花陽「なんだったんだろう……」

曜「三年生にも動きはない……」

曜(これは、絵里先輩に、報復を頼んだけど断られたって考えていいのかな……普通に考えれば、そうだろうけど……)

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ヤンキー「な…なんとしても、お前らは潰すからな!!覚えてろ!!!」ダッ!!

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曜(………)

曜(いや……考えすぎか………)

221: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 20:05:51.15 ID:t/ZsgZcX0
曜(………)


キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…


凛「あ、昼休み終わっちゃったにゃ」

花陽「はっ!り…凛ちゃん、次体育だよ!!着替えなきゃ!!」

凛「あー!忘れてたにゃー!!急いで教室行くにゃ!!」ダッ!!

花陽「あぁ…!待って凛ちゃん!!」ダッ!!

曜「………」

凛「曜先輩、何やってるにゃ!!授業遅れるにゃ!!」

曜「あっ…あぁ……ごめんごめん…ちょっと考え事してて……今行くよ」スクッ…

曜「………」

曜(大丈夫……)

曜(うん……大丈夫…だよね……?)









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224: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 08:55:47.11 ID:JK5PcfD80

授業中-


ヤンキー ザッ…

ヤンキー「周り……誰もいないわよね」

ヤンキー「うん…でも、不安だから見張りはつけておいたよ」

ヤンキー「そう……じゃあ……」

ダイヤモンドプリンセス号「………」

225: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 08:56:42.65 ID:JK5PcfD80
ヤンキー「こ…これよね……絵里さんのスクーター……」

ヤンキー「えぇ……たしか、祖母に貰ったものとか言って、すごく大切にしてたわ……」

ヤンキー「そうね……つまり、これが壊されれば……さすがの絵里さんも……」

ヤンキー「………」ゴクリッ…

ヤンキー「や…やるわよ……!」

ヤンキー「えぇ…!」

ヤンキー「ちょっと気が引けるけど……」

ヤンキー「高海を潰すためだから…!」ザッ…

ヤンキー「オラァ!!」ブンッ!!


バキィッ!!!




226: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 08:57:32.32 ID:JK5PcfD80
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ダイヤモンドプリンセス号 ボロボロ…

ヤンキー「はぁ…はぁ……」

ヤンキー「こ…このくらいで十分よね……」

ヤンキー「えぇ……これだけやれば、さすがの絵里さんもキレるでしょ……」

ヤンキー「自分が殴られたのと、私達がやられたのもあるしね……」

ヤンキー「三度目の正直ってやつね……」

ヤンキー「え……意味違くない…?」

ヤンキー「仏の顔も三度までってやつよ……」

ヤンキー「あ…そっちか……」

ヤンキー「いや、二度ある事は三度あ…

ヤンキー「ちょっと!頭悪い会話してないで、さっさと最後の仕事終わらすわよ」

ヤンキー「え…?まだ、何かやるの…?」

227: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 08:58:18.50 ID:JK5PcfD80
ヤンキー「一番大事な事をやってないでしょ!ほら!ちょっと釘貸して!」

ヤンキー「え…?う…うん……どうぞ」

ヤンキー「はい、どうも」

ヤンキー「な…何するの?」

ヤンキー「まあ、見てなさいって」

ヤンキー「これを使って……」

ガリガリガリ…

ヤンキー「よし……」

ヤンキー「あっ…!」

228: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 08:58:55.45 ID:JK5PcfD80


宣戦布告 高海千歌


ヤンキー「な…なるほど……これで、高海のやつがやった事にするのね……」

ヤンキー「えぇ……ふふっ…楽しみだわ……高海のやつが絵里さんにやられるの……」

ヤンキー「きっと病院送りにされるわね……あの人……やるとなると容赦しないから……」

ヤンキー「で…でも…!あの、高海ってやつは強いんだろ!?もし、絵里先輩が敵わなかったら……」

ヤンキー「100%ありえないわね。絵里さんは、あのアキバ四天王の一人なのよ…?勝てる人なんていないわ」

ヤンキー「さっ、やる事はやったし、私達も帰りましょう?停学中に学校来てると怒られるしね」

ヤンキー「そうね……じゃあ、また1週間に会いましょう」










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230: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:03:44.49 ID:JK5PcfD80

放課後-


千歌「曜ちゃーん!」タッタッタッ…

曜「あ、千歌ちゃん!」

千歌「ごめん……待った?」

曜「全然!それより、梨子ちゃんは大丈夫なの?」

千歌「うん……鬼の形相で追いかけてられたけどね……びっくりするほど足が遅かったから、簡単にまけたよ」トコトコ…

曜「あはは…そっか……」トコトコ…

231: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:04:19.17 ID:JK5PcfD80
千歌「全く……放課後まで勉強させようとするなんて……梨子ちゃん、ひどいよ…!」トコトコ…

曜「まあまあ、梨子ちゃんは千歌ちゃんのためを思ってやってくれてるわけだし……それに、本当にテストやばいんでしょ?」トコトコ…

千歌「大丈夫だよ!いざとなったら、隣の梨子ちゃんの回答用紙を~……」トコトコ…

曜「いやいや…ダメでしょ…それは……」トコトコ…

絵里「………」

千歌「あれ?絵里先輩だ!おーい!絵里せんぱーい!」タッタッタッ

絵里「………」

千歌「ん?絵里先輩…?」

232: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:04:45.75 ID:JK5PcfD80
絵里 ギロッ!

千歌「…!」

絵里 ヒュッ!!!

千歌「わっ…!?」スカッ!

曜「ちょ…ちょっと、絵里先輩!?」

千歌「あ…危ないじゃないですか!!なんで急に…」

絵里「許さない……」

千歌「え……?」

絵里「あなた達……何が狙いなの……?」

曜「な…何を言って……」

233: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:05:36.21 ID:JK5PcfD80
絵里「高海さん……あなた、不良辞めるって言ってたわよね……?それなのに、なんでこんな事するの……?」

千歌「え…ええ??な…なにがなんだか……」

絵里「とぼけるつもり……?私の大切な仲間とダイヤモンドプリンセス号を傷つけて……」

曜「…!?」

千歌「え…?絵里先輩の仲間とダイヤモンドプリンセス号を……???」

曜「まさか……」

曜 バッ!

曜「あっ…!」

ダイヤモンドプリンセス号 ボロボロ…

曜「こ…これって……」

曜「ん?何か文字が……」


宣戦布告 高海千歌


曜「…!!」

234: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:06:21.91 ID:JK5PcfD80
絵里「言ったわよね……それは、祖母から貰った大切なものだって……」

絵里「さすがの私も、我慢の限界よ……」

絵里「私を殴って……私の仲間を傷つけて……私の大切な物まで傷つけて………そこまでして、私を怒らせたかったわけ……?」

千歌「え…ええ…??」

曜「ち…違うんです!絵里先輩!!これは、私達じゃなくて…

絵里 ザッ!!!

曜「え…


ガツンッ!!!


千歌「…!」

絵里「もう言い訳は聞き飽きたわ」

曜「あ…あぅ……」

曜(お…重い……なんてパンチ……)

235: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:06:51.16 ID:JK5PcfD80
千歌「よ…曜ちゃん…!!」タッ…!

曜「うぅ……」

千歌「だ…大丈夫!?曜ちゃん!曜ちゃん!!」

絵里「……」

千歌「ちょ…なんで、こんな事するんですか!!絵里先輩!!!」

絵里「先にやったのは、あなた達でしょう……?」

千歌「だ…だから……なんの事か……」

千歌「…!」

絵里 ブンッ!!!

千歌「危なっ…!」スカッ!

絵里「……」

絵里(また避けた……)

236: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:07:26.92 ID:JK5PcfD80
凛「あれ?絵里先輩と千歌先輩達だにゃ!おーい!」

花陽「ん?なにか様子が……」

千歌「凛ちゃん!花陽ちゃん!」

絵里「星空さん……」

曜「うぅ……」

凛「え……??なに…この状況……」

花陽「曜先輩……?」

曜「は…はめられた……逃げて……」

凛「え…?はめられた…?」

絵里 バッ!!

凛「え…

花陽「凛ちゃん!危ない!!」


ガッッッ!!!


絵里「………」

千歌「い…いたた……」

凛「千歌先輩…!!」

237: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:08:11.20 ID:JK5PcfD80
千歌「だ…大丈夫?凛ちゃん」

凛「は…はい……でも、千歌先輩が…」

千歌「大丈夫…ガードしたから」

千歌(いったぁ~っ!!腕折れるかと思った!!)

絵里「……」

絵里「ふっ…どうやら、喧嘩のカリスマってのは嘘じゃないようね……私の攻撃を、ここまで耐えたのは、あなたが始めてよ」

千歌「そ…そりゃどーも…!!ていうか、とりあえず、攻撃すんの辞めてもらえませんか!?」

238: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:08:42.12 ID:JK5PcfD80
曜「そ…そうです…!!絵里先輩は誤解してます!!」

絵里「……」

絵里 サッ!

千歌「あっ…!」

曜「…!」


ガツンッッッ!!!!


曜「あがっ…!」

花陽(か…顔を蹴り上げた……ひどい…!)

凛「曜先輩…!!」タッ…!

曜「あっ…ぶはっ……あぁ…うっ…」ボタボタ…

絵里「その血の量……鼻、折れたかしら……?私と同じね…ふふっ……」

千歌「………!」

239: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:09:34.92 ID:JK5PcfD80
花陽「曜先輩…!曜先輩!!」

曜「だ…大丈夫……大丈夫だから……」

千歌「曜…ちゃん……」

曜「ち…千歌ちゃん………ダメだよ…?喧嘩しちゃ……そしたら…あいつらの思惑通りに…」

千歌「…!」

千歌「……っ」

千歌「わ…分かってる……」

千歌「なんだか知らないけど……はめられたんでしょ……?私達……」

千歌「大丈夫……堪えるから……」

拳 グググ……!

曜「千歌ちゃん……」

千歌「凛ちゃんも曜ちゃんも、そこを離れないで……目の届く位置にいないと守れないから……」

曜「うん……」

凛「わ…分かったにゃ……」

240: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:10:10.61 ID:JK5PcfD80
絵里「あら…?なに?その目は……」

千歌「………」ゴゴゴゴゴゴ…

曜「ダ…ダメだよ……千歌ちゃん……」

絵里「ふふっ…無抵抗な相手を殴るのは、私の趣味じゃないからね……」

絵里「やる気になってくれたみたいで、嬉しいわ…!!」ダッ!!!


スカッ!


千歌「…」

絵里「まだよ…!」ブンッ!!!


スカッ!


千歌「…」

絵里「…!?」

花陽「避けた…!!」

241: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:10:48.95 ID:JK5PcfD80
千歌「………」

絵里「あなた……」

凛「まさか…千歌先輩……攻撃しないで、全部避ける気じゃ……」

花陽「え…絵里先輩相手に…!?そ…そんなの……」

曜「できる…」

花陽「…!?」

曜「千歌ちゃんは、カウンターの名手だから……相手の攻撃を見切るのは誰よりも上手い……」

絵里「ふんっ…ナメた事してくれるわね……」

千歌「わ…私は攻撃する理由がないので……」

絵里「あら?さっき、私、あなたの友達の鼻を折ったのよ?それでも怒らないの?」

千歌「その曜ちゃんが、ダメだって言ってますから……」

曜「…!」

242: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:11:23.01 ID:JK5PcfD80
曜「ち…千歌ちゃん……」

曜(すごい……昔は、すぐに手が出てたのに……)

曜(本当にすごいよ……ちゃんと変われたんだね……千歌ちゃん……)

千歌「お…お願いです……話を…聞いてください……」

絵里「声……震えてるわよ…?本当は私を殴りたいんじゃなくて?」

千歌「そんな事…ないです……それより、話を…」

千歌「誤解…なんです……」

絵里「再三やっておいて、今更なに!? 往生際が悪いわよ!!」

千歌「お願いです……話を……」


絵里「黙りなさい…!!」ヒュッ!!

千歌「くっ…」スカッ…!

絵里「ふんっ…!」ブンッ!!!

千歌 スカッ…!

絵里「ちっ…」

243: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:11:56.17 ID:JK5PcfD80
凛「す…すごい……本当に全部避けてる…」

曜「当然だよ……千歌ちゃんは、浦の星の時は一度も攻撃を食らった事が無かったんだから……」

凛「い…一度も…!?」

曜「うん……何人が相手でも……大人が相手でも……絶対に攻撃を食らわなかった……」

曜「だからこそ、喧嘩のカリスマと呼ばれた……誰一人、千歌ちゃんに触る事もできない……」

凛「す…すごいにゃ……だったら絵里先輩も…」

花陽「どうだろう……」

凛「え…?」

花陽「絵里先輩は強いよ……」

曜「……花陽ちゃん………」

244: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:12:32.74 ID:JK5PcfD80
絵里「このっ…!」ゴオッ!!

千歌「うっ…」スカッ…!

千歌(は…早い……それでいて強い……)

千歌(顔の横を通る風切り音が教えてくれる……)

千歌(この人は強い……!)

絵里「ふんっ…!」バッ!!

千歌「くっ…」カスッ…!


曜「絵里先輩の攻撃が……!」

凛「かすった…!」

245: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:13:09.11 ID:JK5PcfD80
千歌(まずい……このままじゃ……)

絵里「ちっ…ちょこまかと……!」

千歌(一度、捕まえるかなんかして、動きを止めないと……!)

絵里「はっ!」ヒュッ!!!

千歌(ここだ…!)

千歌(まず、避けて…) スカッ…!

千歌(捕まえる…!!) バッ!!!

絵里「…!」

スカッ…!!

千歌(な…!の…仰け反って……

絵里 ゴオッ!!!

千歌「え…


ガツンッ!!!


千歌「ぶっ…!?」

246: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:13:44.88 ID:JK5PcfD80
千歌(なっ……ど…どこから攻撃が……)

絵里「………」


凛「…あ…あそこから蹴りを…!?」

曜「あんなに仰け反ってるのに、回転して片足で、威力ある蹴りを撃てるなんて……」

花陽「あれです……」

曜「え…?」

花陽「あれが、絵里先輩の強さなんです……バレエで鍛えられたバランス感覚で、どんな体勢からでも攻撃してくる……」

凛「バ…バレエ…!?」

花陽「うん……絵里先輩は子供の頃からバレエをやっていたらしくて……当然、バランス感覚も抜群で……」

凛「バランス感覚……」

曜「うん……つまり、体幹が強いって事だね……」

曜(なるほど……だから、あれだけ重いパンチが打てたのか……)

247: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:14:21.05 ID:JK5PcfD80
千歌(くっ…私が攻撃を…

絵里 ザッ…!!

千歌「…!!」


メキィッ!!!


千歌「あっ…あがっ…!」

絵里「………」


曜「か…顔に蹴り……」

凛「ひどいにゃ……」

花陽「でも、あれも絵里先輩の強さのひとつ……」

花陽「さっき、曜先輩の顔を蹴り上げたように、相手を壊す事に一切の躊躇がない……」

花陽「故に、氷の女王……いままで絵里先輩と戦って無事で済んだ人はいません……」

凛「そ…そんな……」

248: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:15:07.99 ID:JK5PcfD80
千歌「………」ポタポタ…

曜「…!」

曜「ま…まずい…!!」

曜「千歌ちゃんが…!!!」

凛「え…?」


千歌「………」ゴゴゴゴゴゴ…

絵里「?」

凛「ち…千歌先輩の雰囲気が……」

曜「や…やばい……あれは……」

千歌「ふっー…ふっー……」ゴゴゴゴゴゴ…

絵里「鼻息なんか荒くして、どうしたの?蹴られてキレた?」

曜「絵里先輩…!!逃げて…!!」

絵里「え…?」

千歌「こっの……」

千歌「金髪アホ野郎があああああああああっっっっ!!!!」ザッ!!!

絵里「な…!」

絵里(き…金髪アホ野郎…!?)

249: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:15:48.63 ID:JK5PcfD80
千歌 ヒュンッ…!!

絵里「…!」


バキィッ!!!!


絵里「…!? ぶっ…ぶはっ…!!」

凛「お…折れてる鼻を……!」

曜「やばい……」

千歌「まだまだぁ!!」ガシッ!!

絵里「あぐっ…」

絵里(あ…頭を……)

千歌「ふんっ…!!!」メキョッ!!!

凛「へ…ヘッドバット……」

絵里「あぐぁ…」ブシュッ…!

花陽「血が……」

千歌「もいっちょ!!!」グイッ!!

凛「あ…!まさか……」


グチャ…


絵里「あ…あぁ……」ボタボタ…

凛「ひ…膝……」

凛「これ……曜先輩が言ってた……」

曜「う…うん……顔を掴んでから、ヘッドバット、膝蹴りの二連撃……」

花陽「ひっ…ひどい……」

250: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:16:22.72 ID:JK5PcfD80
千歌「ふふっ…!」グイッ…

絵里「あ…あぁ……」

千歌「あははっ!!!」バッ…!!

花陽「嘘…!まだやる気なの…!?」

絵里「くっ…」

千歌「オラァッ!!」ブンッ!!!

絵里「くあっ…!」スカッ…!!

絵里「ぐっ…」ヨロヨロ…

凛「避けた……」

花陽「でも、もうフラフラ……」

251: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:17:00.40 ID:JK5PcfD80
千歌「待てコラァ!!」ダッ!!

絵里「くっ…」

絵里「っああ…!!!」ザッ…!!


メキッ!!!


千歌「うぐっ…」

凛「絵里先輩の蹴りが入った…!」

絵里(今の音……確実に折れた…!)

絵里(これで少しはおとなしく…


バキィッ!!!


絵里「あぐっ…ぶはっ…!」

千歌「ははっ…!」

絵里(そ…そんな……アバラが折れたのに……)

252: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:17:44.43 ID:JK5PcfD80
凛「…!?」

凛「け…蹴りが効いてないの…!?」

曜「違う……あれは……」

花陽「か…感じてない……」

凛「…!?」

曜「そう……あれは、蹴りが効いてないんじゃない……痛みを感じてない……」

凛「な…なんにゃ…!!それ…!!危険だにゃ!!」

曜「うん……たしかに危ない……今までは、千歌ちゃんに攻撃を入れられる人なんていなかったから良かったけど、絵里先輩はそれができる……」

凛「じゃ…じゃあ…!どうすればいいにゃ!!このままじゃ二人とも死んじゃうにゃ…!」

曜「どうしようもない……ああなった千歌ちゃんは、相手が潰れるまで止まらない……」

凛「ああなったって……」

曜「仲間が傷つけられると、周りが見えなくなる……昔からそうなんだ……」

花陽「あっ…じゃ…じゃあ……曜先輩が傷つけられたから……」

曜「うん……今回は、それでも、我慢してくれてたんだけどね……自分が攻撃を食らった事で、吹き出しちゃったみたい……」

曜「千歌ちゃんにとっては、初めて喧嘩でもらったダメージだから……」

凛「は…初めて……レベルが違いすぎるにゃ……」

253: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:18:31.21 ID:JK5PcfD80
絵里「くっ……」

絵里(顔の血が止まらない……)

絵里(頭がフラフラする……)

絵里(血が出すぎた……)

千歌「ははっ…!」ダッ!!

絵里(き…来た…!)

絵里(くっ…血なんか気にしてられない…!!この化け物を倒さないと、私が殺される…!!)

絵里(やるしかない……!)

絵里「………」スッ…

千歌「終わりだ…!!!」ガバッ!!

絵里「……」


フワリッ…


千歌「…!?」

曜(かわされた…!?)

曜「いや……流された…!!??)

254: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:19:06.76 ID:JK5PcfD80
絵里「…」


ガンッ!!!


千歌「あがっ…!」

絵里「……」

千歌「くっ…」ザッ…

千歌「…!!!」

曜(な…なんだ今の動き……流れるように反撃された……合気道……?? いや…合気道とも違う……もっと攻撃的な……なにか……)

絵里「はぁ…はぁ……」

絵里(ダメ……呼吸が…乱れる……)

絵里(整えなきゃ……呼吸を……!)

千歌「………」

絵里「…?」

絵里(な…なに……?急に大人しくなった……)

255: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:19:47.80 ID:JK5PcfD80
千歌「………」

曜(千歌…ちゃん……?)

絵里「ど…どうしたの……?」

絵里「今更、怖くなった?先に言っとくけど、あなたが喧嘩を辞めたくても、私は辞める気は無いわよ…?」

絵里「あなたには……返さなきゃいけない借りがあるからね……」

千歌「………」

凛「な…なんにゃ…!?千歌先輩が急に大人しくなっちゃったにゃ!!」

花陽「ど…どうしたんだろ……」

千歌「あ……あぁ……」

絵里(ん…?私を見てない…!?後ろ…?何を見て……

絵里「…!!」

梨子「ち…千歌……ちゃん……?」

曜「あっ…!!」

凛「り…」

花陽「梨子先輩…!!!」

256: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:20:27.76 ID:JK5PcfD80
千歌「梨子……ちゃん………」

絵里(あの子……たしか、高海さんが不良である事を隠してるとか言ってた……)

梨子「ど…どうしたの……そんなに血を流して……絵里先輩も……」

千歌「………」

曜「り…梨子ちゃん…!!これは…!!」

千歌「曜ちゃん……いいから……」

曜「…!」

絵里「………」

凛「ど…どうなるにゃ……これ……」

花陽「わ…分かんない……でも……」

梨子「な…なにしてたの……?千歌ちゃん……勉強は……」

千歌「………」

梨子「なんで黙ってるの……?千歌ちゃん…?なにか……なにか答えてよ………」

千歌「………」

梨子「ち…違うよね……?これ……喧嘩じゃないよね……?そうだよね…?千歌…ちゃん……」

千歌「………」

千歌「喧嘩だよ……」

梨子「…!」

257: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:21:06.58 ID:JK5PcfD80
千歌「喧嘩……私と絵里先輩の……」

絵里「………」

梨子「ど…どうしてそんな事…!!」

千歌「知らないよ……理由なんて忘れた」

梨子「…!」

千歌「ただ……なんか自分の中で大切にしたいものがあって……それが傷つけられたような気がしたから……」

梨子「な…なによ……それ……分かんないわよ……」

千歌「だよね………梨子ちゃんと私は違うから……」

梨子「違う……?なに言って……」

千歌「私は不良だから」

梨子「…!!」

258: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:21:37.95 ID:JK5PcfD80
曜「千歌ちゃん……」

絵里「………」

梨子「うそ……分かんない……分かんないよ……私……どうしたらいいの……」

千歌「今まで嘘ついててごめん……それから、ありがとう……私は楽しかった……」

梨子「なんで……なんでそんな事言うの……」

千歌「もう一緒にいれないかもしれないから………私は不良で…梨子ちゃんはそうじゃない……悪いのは騙してた私で……梨子ちゃんは悪くない……」

千歌「もう…私に梨子ちゃんと友達でいたいなんて言える権利はない……」

梨子「そ…そんな……私は……」

千歌「絵里先輩……続き…やりますか……?」

梨子「…!!」

絵里「あなた……」

259: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:22:06.78 ID:JK5PcfD80
千歌「………」

絵里「遠慮しとくわ……あなたのせいで気分最悪よ…」

千歌「………」

絵里「最低ね……あなた……もう二度と私の前に顔を見せないでちょうだい」クルッ…

花陽「あぁ…!絵里先輩…!!」

凛「い…行っちゃったにゃ……」

千歌「ごふっ…」ポタポタポタ…

曜「ち…千歌ちゃん…!?」ダッ!

260: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:22:51.73 ID:JK5PcfD80
曜「大丈夫…!?血が……」

千歌「いいから……」スッ…

曜「でも…!病院行かなきゃ…!」

千歌「………」ヨロヨロ…

梨子「あ…」

千歌「………」ヨロヨロ…

凛「千歌先輩……梨子先輩の方に……」

梨子「ち…千歌ちゃ…

千歌「………」スッ…

梨子「え…」

花陽「な…何も言わずに通り過ぎた……」

261: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:23:23.33 ID:JK5PcfD80
千歌「………」ヨロヨロ…

梨子「そんな……うぅ…千歌ちゃん……」ポロポロ…

曜「り…梨子ちゃん…!」ダッ!

梨子「曜ちゃん……うぅ…千歌ちゃんが……千歌ちゃんが……」ポロポロ…

曜「……梨子ちゃん………」

千歌「………」ヨロヨロ…

凛「ち…千歌先輩が行っちゃうにゃ…!!」

曜「ごめん、凛ちゃん…!千歌ちゃん頼める…?」

凛「…!」

凛「わ…分かったにゃ…!!ち…千歌先輩!待つにゃー!!」ダッ!

花陽「わ…私は……」オロオロ…

花陽「あっ…!そうだ!私、絵里先輩の誤解を解いてきます…!!」

曜「ごめん……花陽ちゃん…ありがとう……あと、絵里先輩にも病院行くように言っておいて……」

花陽「はい…!じゃあ、失礼します…!」ダッ!

262: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:23:59.37 ID:JK5PcfD80
梨子「うぅ……曜ちゃん……私…どうしたら……」ポロポロ…

曜「…!」

曜「………」

梨子「うぅ……もう…なにも分かんないよ……私……」ポロポロ…

曜「り…梨子ちゃん……」

梨子「どうしたらいいの……私は……」ポロポロ…

曜「ど…どうしたら……か……」

263: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:24:30.21 ID:JK5PcfD80
曜「………」

曜「り…梨子ちゃんは……その…千歌ちゃんの側にいてあげればいいと思うよ……?…それが一番、千歌ちゃんのためになるから……」

梨子「え…!?で…でも……」

曜「大丈夫……千歌ちゃんは、きっと梨子ちゃんを待ってる……」

梨子「ま…待ってる……?」

曜「うん……えっと…詳しい事は後で、また話すけど……千歌ちゃんね、浦の星の時は、すごい不良で……喧嘩のカリスマだなんて呼ばれるぐらい喧嘩ばっかりしてて……」

梨子「そ…そうだったんだ……全然分からなかった……」

曜「でもね…?ちょっといろいろあって……不良は辞めるって決めて、退学になった浦の星から、この学校に来たの……」

梨子「不良を……辞める………」

曜「うん……だから、隠してた……特に梨子ちゃんにはバレたくなかったみたい……」

梨子「え…?私に…?」

264: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:25:03.83 ID:JK5PcfD80
曜「そう……梨子ちゃんなの……千歌ちゃんが変われたのは梨子ちゃんのおかげなんだよ……?」

梨子「どういう事……?」

曜「今までとは全然違う生き方をするって決めるのは簡単じゃないと思う……千歌ちゃんは、きっと、すごく不安だったんだと思う……」

梨子「……」

曜「そんな時に、最初に話しかけてくれたのが梨子ちゃんだった……」

曜「だから、千歌ちゃんにとって梨子ちゃんは、梨子ちゃんが思ってるよりも、ずっとずっと大切で、絶対無くしたくないものだったんだと思う……」

梨子「そんな……そんなの……」

曜「だから…その……

梨子「私だって千歌ちゃんが大切よ……」

曜「え…?」

265: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:25:40.97 ID:JK5PcfD80
梨子「高校入って初めてできた友達が、千歌ちゃんだったんだから……」

曜「梨子ちゃん……」

梨子「ありがとう……曜ちゃん……私…分かったよ……もう迷わない……」

梨子「私……千歌ちゃんに会いに行く……会って、ちゃんと話す………そうすれば、きっと分かる……私がどうしたらいいか……どうしたいのか……」

曜「梨子ちゃん…!」

曜「うん…!うん…!それがいいよ…!!行こう!千歌ちゃんの所に…!!」

梨子「えぇ……でも、その前に曜ちゃんも病院ね?曜ちゃんも、ひどい怪我なんだから……」

曜「え…!?あ…あはは……私のことは別に…

梨子「ダーメ!曜ちゃんだって、千歌ちゃんと同じくらい大切な友達なんだから…!!」

曜「…!」

曜「そ…そっか……/// 友達か……///」

曜「あはは、ごめんごめん…!じゃあ、病院行こっか…!絵里先輩と千歌ちゃんもいるかもしれないし…!!」

梨子「そうね……行きましょうか……」

266: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:26:16.67 ID:JK5PcfD80
梨子「……」フラッ…

梨子「きゃっ…」

曜「おっと…!大丈夫…?梨子ちゃん……」

梨子「あ…ありがとう曜ちゃん……まだ少し頭が混乱してて……」

曜「そっか……」

曜(頭混乱してて、つまづくかな……? もしかして、梨子ちゃん、運動神経悪いんじゃ……)

梨子「そ…その……ちょっと聞きたいんだけど……曜ちゃんも…その……喧嘩とかするの…?」トコトコ

曜「そ…そりゃあね……た…多少は……」トコトコ

梨子「そっか………」トコトコ

梨子「………」トコトコ

曜「………」トコトコ

梨子「また嘘つくのね……」トコトコ

曜「うぐっ…」ギクッ!

267: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:26:55.61 ID:JK5PcfD80
曜「す…すみません……多少じゃないです……」トコトコ

梨子「じゃあさ、聞くけど、なんで喧嘩なんてするの?」トコトコ

曜「う…うーん……千歌ちゃんのため……みたいな……」トコトコ

梨子「それって喧嘩じゃなきゃダメなの…?謝ってどうにかなったりするものなんじゃないの…?」

曜「あ…謝るのは……その…プライドが許さないというか……なんというか……」トコトコ

梨子「………」トコトコ

曜「………」トコトコ

梨子「はぁ……全く理解できないわね……なによ、プライドって……くだらない……」トコトコ

曜「仰る通りです……」トコトコ

梨子「でも……」トコトコ

曜「…?」トコトコ

268: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:27:42.03 ID:JK5PcfD80
梨子「ちょっとだけ、かっこいいわね……そういうの……」トコトコ

曜「…!」トコトコ

曜「梨子ちゃん……!」トコトコ

梨子「あっ、不良がいいって言ってるわけじゃないからね?私は、不良には断固反対よ」トコトコ

曜「うぅ……やっぱりそうか……」トコトコ

梨子「だから、曜ちゃんにも喧嘩は辞めてもらいます」トコトコ

曜「えぇ…!?」トコトコ

梨子「えぇ…!?じゃないわよ!曜ちゃんが怪我するのなんて、私見たくないんだから!」トコトコ

曜「うぅ…で…でも……必要になるというか……」トコトコ

梨子「ダーメ!次、喧嘩したら友達辞めるわよ」トコトコ

曜「えぇ…!?」トコトコ

曜「じゃ…じゃあ……喧嘩辞めます……」トコトコ

梨子「よろしい」トコトコ

曜「はい……」トコトコ…

269: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 15:28:11.62 ID:JK5PcfD80
梨子「後は、千歌ちゃんね……」トコトコ

曜「え…?でも、千歌ちゃんは、もう喧嘩しないって決めて…

梨子「してるじゃない」トコトコ

曜「あ…」トコトコ

梨子「甘いのよ、決意が。ビシッと言ってあげなきゃ…!!あと、勉強も!」トコトコ

曜「あはは……梨子ちゃん厳しい……」トコトコ

梨子「曜ちゃんが散々甘やかしたみたいだからね、私が厳しくしないと…!」トコトコ

梨子「待ってなさい!千歌ちゃん!!」








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271: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 16:49:35.21 ID:JK5PcfD80

病院 入院棟-


絵里「………」

千歌「………」

ピピピピピピピ…

看護師「はーい、お熱計れましたね~」

看護師「わっ…!二人とも、すごい高熱……骨も折れてるし……しばらく安静にしてる必要があるわね~」

絵里「………」

千歌「………」

看護師「たしか、二人とも同じ高校なんだっけ?良かったわね~!友達が隣で!」

絵里「………」

千歌「………」

看護師「じゃあ、私は行くわね!大人しくしてるのよ~」ガララ……バタンッ…

絵里「………」

千歌「………」

272: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 16:50:13.24 ID:JK5PcfD80
絵里「………」

千歌「………」

絵里「いや、なんで隣なのよ……」

千歌「こっちのセリフですよ」

絵里「………」

千歌「………」

絵里「その…体…大丈夫?結構強く蹴っちゃったけど……」

千歌「大丈夫です」

絵里「………」

千歌「………」

絵里「あ…あと……その……ごめんなさいね…?事情は、小泉さんから聞いたわ……」

千歌「………」

絵里「停学明けたら、あの子達には、私からキツく言っておくわ」

千歌「………」

絵里「………」

273: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 16:50:48.26 ID:JK5PcfD80
千歌「………」

絵里「あれ…?無視?聞こえなかった?」

千歌「………」

絵里「お…怒ってる…?」

千歌「怒ってません」

絵里「え…えぇ~……怒ってるじゃない……」

千歌「………」

絵里「なんで?あの桜内さんとかいう子に見られたから…?」

千歌「………」

絵里「でも、あなたも悪いのよ?あんな突き放すような言い方して……」

千歌「………」

絵里「桜内さん、すっごい悲しそうな顔してたわよ?」

千歌「………」

絵里「………」

274: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 16:51:14.09 ID:JK5PcfD80
千歌「………」

絵里「………」

絵里(何も喋らない……)

絵里(………)

絵里(部屋替えてもらえないかしら……)



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275: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 16:54:10.18 ID:JK5PcfD80
一階 ロビー -


花陽「まさか、絵里先輩と千歌先輩が同部屋になるとは……」

凛「それも隣……」

花陽「大丈夫かな……喧嘩とかしてたり……」

凛「それはないにゃ……おそらく二人で黙り込んでるに違いないにゃ」

花陽「あはは…それ辛いね……」

梨子「あ!花陽ちゃん!凛ちゃん!」タッタッ!

花陽「あ!梨子先輩…!も…もう大丈夫なんですか…?」

梨子「まあね……吹っ切れたわ」

276: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 16:55:15.11 ID:JK5PcfD80
凛「あれ?曜先輩は?」

梨子「あ、曜ちゃんなら今、治療中よ。ひどい怪我だったからね……」

花陽「そうですか……」

梨子「それで……その…千歌ちゃんに会いたいんだけど……部屋分かる?」

凛「え…!?会うんですか!?」

梨子「えぇ……会って話さなきゃいけないと思ったから……」

凛「………」

梨子「どうしたの?凛ちゃん……」

凛「えっと……その…今、千歌先輩に会っても、たぶん……」

梨子「……ふふっ…いいのよ……そんなの分かってる……話してくれるようになるまで、粘るしかないわ……何日でもね…!」

凛「梨子先輩……」

277: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 16:56:29.61 ID:JK5PcfD80
看護師「あの~…あなた達、高海さんのお友達の方?」

梨子「え…?は…はい……そうですけど……どうかしました?」

看護師「今、高海さんから言われたんだけどね……面会拒否だって……」

梨子「え…」

看護師「ごめんなさいね……そういうのは一応、患者側に権利があるから……」

梨子「そう…ですか……」

看護師「高海さん……なにかすごく悩んでるみたいだけど……なにかあったの…?」

梨子「………」

梨子「いえ…大丈夫です…!」ニコッ…

梨子「わざわざ伝えてくださって、ありがとうございました…!」ペコリ…!

花陽「梨子先輩……」

看護師「そう…?じゃあ、私は戻るわね。高海さんにも、よろしく伝えておくわ」クルッ

梨子「はい…!お願いします…!」

278: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 16:57:15.74 ID:JK5PcfD80
梨子「………」

凛「そんな……面会拒否だなんて……」

梨子「あはは…断られちゃった……」

花陽「…!」

花陽「だ…大丈夫ですよ…!きっと今日だけで、明日には……」

梨子「うん…そうだね……!明日、また来よう!」

花陽「はい…!きっと千歌先輩も会いたがってますよ!」

梨子「そうね……うん…きっと……そう……」

梨子「………」

凛「梨子先輩……」

梨子「さっ!こんな所でしょげてても、しょうがないわ!曜ちゃんのお見舞いに行きましょう!」

花陽「あっ…は…はい…!そうですね!曜先輩も、大変ですからね!」

凛「うん……」

凛「………」

凛(千歌先輩……)

凛(一体どうしちゃったにゃ……)



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279: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 16:58:04.92 ID:JK5PcfD80

病室-


絵里「本当に良かったの?面会拒否だなんて」

千歌「………」

絵里「はぁ……また無視?」

千歌「………」

絵里「何か言ったらどうなの?ここなら私以外誰も聞いてないわよ」

千歌「………」

千歌「……じ…自分の中で答えも見つかってないのに……会えない…です……」

絵里「バカね、それを一緒に探してくれるのが友達でしょ?見つかってないなら、なおさら会うべきよ」

千歌「…!」

280: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 17:00:35.42 ID:JK5PcfD80
千歌「………」

絵里「………」

絵里「まあ、あなたの問題だから、私には関係ないけどね」

千歌「はい……」

ヤンキー「絵里さん…!」ガララ…!

絵里「あら、あなた達……」

ヤンキー「た…高海にやられたって本当ですか!?嘘ですよね!!??」

絵里「むっ…」


ゴチンッ!!!


ヤンキー「いっ…いったぁ!な…なにするんですか!?」

絵里「言う事が違うでしょ!!私は、もう全部知ってるのよ!!」

ヤンキー「えっ……」

281: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 17:02:58.58 ID:JK5PcfD80
ヤンキー「ぜ…全部って……全部ですか…?」

絵里「えぇ、小泉さんに聞いたわ」

ヤンキー「す…すみませんでしたあああ!!!」

絵里「謝らなきゃいけないのは、私じゃないでしょ、ほら…」

ヤンキー「えっ……うぅ……」

絵里「ほら!早く!」

ヤンキー「は…はい……」

千歌「…」

ヤンキー「わ…わりぃ……」

絵里「…!」


ゴチンッ!!!


ヤンキー「いったぁ!?な…なんですか!!謝ったじゃないですか!!」

282: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 17:04:27.64 ID:JK5PcfD80
絵里「あれのどこが謝ってるのよ!!ちゃんと謝りなさい!!!」

ヤンキー「え…えぇ~……でも後輩に…」

千歌「別にいいです」

ヤンキー「え…?」

千歌「私……怒ってませんから」

ヤンキー「えっ…えぇ~……絶対怒ってるじゃん……」

千歌「怒ってません。私の事は気にしないでください」

絵里「………」

ヤンキー「え…絵里さん……高海のやつはこう言ってる事だし……とりあえずは……」

絵里「はぁ……まあ、そうね……いいわ……」

絵里「今のこの子には、何を言っても通じないだろうしね……」

283: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 17:05:36.83 ID:JK5PcfD80
絵里「それで、どうしたの?ただ見舞いに来たわけじゃなさそうだけど……」

ヤンキー「そ…そうなんです!!大変なんです!!遂に、焔ヶ丘高校(ほむらがおか)の奴らが動き出したんすよ!!」

千歌(焔ヶ丘……?)

絵里「そう……焔ヶ丘が……」

ヤンキー「多分、絵里さんが入院したのを知って、一気に来る気なんです!!どうすればいいですか!?」

絵里「決まってるわ、焔ヶ丘の奴らは全員ぶっ飛ばす……あの一件以来、ずっと、そう決めてたでしょ?」

ヤンキー「で…でも……絵里さん抜きじゃ……」

絵里「大丈夫よ、すぐに退院するわ。それまでは耐えてて」

ヤンキー「っはい…!!分かりました!!よっしゃ!行くぞ!お前ら!!」

ヤンキー「それじゃあ、失礼します!絵里さん、お大事に!!」ガララ……バタンッ…!

284: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 17:06:16.27 ID:JK5PcfD80
絵里「………」

千歌「………」

絵里「はぁ…全く……慌ただしい人たちね……ごめんね?騒がしかった?」

千歌「いえ…別に……」

絵里「………」

千歌「………」

千歌「あの……」

絵里「ん?なに?」

千歌「なんですか?焔ヶ丘って……」

絵里「あら?興味あるの?不良の話よ?」

千歌「………」

285: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 17:08:04.53 ID:JK5PcfD80
千歌「別に…ちょっと気になっただけです……」

絵里「ふふっ…じゃあ、ちょっとだけ教えてあげるわ……」

絵里「今のアキバが、なんて呼ばれてるか知ってる?」

千歌「アキバが…?」

千歌「………」

千歌「オタクの街……」

絵里「違うわ……」

千歌「じゃあ、なんですか…?」

絵里「………」

絵里「不良戦国時代よ……」

千歌「不良…戦国時代……」

286: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 17:08:40.65 ID:JK5PcfD80
絵里「そう……今、この秋葉原は、3つの高校が覇権を争う戦国時代に突入してるのよ」

千歌「3つ……」

絵里「えぇ……まず、私達の通う西の水見色高校(みずみいろ)、それから、さっき話した東の焔ヶ丘高校、そして、北の緑王学園(りょくおう)……この3つよ」

千歌「水見色…焔ヶ丘…緑王……」

287: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 17:10:09.48 ID:JK5PcfD80
絵里「えぇ……中でも、私たちと焔ヶ丘は、ずっと対立してるの。一年前のある事件をきっかけにね……」

千歌「事件……?」

絵里「………」

絵里「はめられたのよ……焔ヶ丘の今の二年生番長……高さ…

看護師「はーい!それじゃあ、高海さんと絢瀬さん、お熱測りましょうね~!」ガララ…!

絵里「あっ、はい…!お願いします」

千歌「ちょ…ちょっと…!話の続きは…」

絵里「ん~…よく考えたら、あなたにここまで話す必要なかったわ。まあ、喧嘩に加わってくれるなら話は別だけどね?」

千歌「なっ…」

看護師「はいはーい!お友達同士、お話するのが楽しいのは分かるけど、検診はちゃんとしなきゃダメよ~!はい!体温計!」

千歌「は…はい……」












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290: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:06:16.24 ID:1QK2lyY60

三日後 病院-


千歌「………」ゴソゴソ…

絵里「………」

絵里「なんで、あなたの方が先に退院するのよ……」

千歌「普通に私の方が軽傷だったからじゃないですか?」

絵里「なんか負けたみたいで腹立つわね……言っとくけど、あの時、私はまだ本気出してな…

千歌「あーはいはい…もう何回も聞きましたよ、それ……分かりましたって」ゴソゴソ

291: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:06:49.31 ID:1QK2lyY60
絵里「………」

千歌「………」ゴソゴソ…

絵里「………」

千歌「よしっ…と……」

絵里「もう行くの?」

千歌「はい、お母さんも心配してますし」

絵里「そう…」

千歌「………」

千歌「…なんですか?私がいなくなって寂しいんですか?」

絵里「…!?」

絵里「そそそそそそそそそそんなわけないでしょ!?だ…だいたい、あなたずっと落ち込んでるし、部屋が暗くなるのよ!!いない方がいいわ…!!」

千歌「そうですか……」

絵里「うっ…」

292: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:07:33.82 ID:1QK2lyY60
絵里「ま…またそうやって落ち込んで……いつまでそうしてるつもりよ…」

千歌「………」

絵里「また、答えが見つかるまで、とか言う気?そんなに悩んで、あなたは何を見つけたいの?」

千歌「………」

絵里「何かは知らないけど、きっとそれは一人で見つけられる程、簡単な答えじゃないわよ?」

千歌「………」

千歌「失礼します……」スッ…

絵里「…!」

絵里「そう……それじゃあね、また学校で」

千歌「はい…ありがとうございました」ガララ…

絵里「っ…」

絵里「わ…私でよければ、いつでも相談に乗るからね…!!」

千歌「……」バタンッ…

絵里「あ………」

絵里「………」

絵里「はぁ……」

絵里「全く……困った後輩ができたものね……」

絵里「………」



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293: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:08:09.67 ID:1QK2lyY60
病院 ロビー -


千歌「…!」

梨子「千歌ちゃん…!!」

千歌「り…梨子ちゃん……なんでここに……」

梨子「千歌ちゃんのお母さんに聞いたのよ!今日、退院するって……それで……」

千歌「そ…そう……」

梨子「うん……」

千歌「………」

千歌「そ…それじゃあ……」スッ…

梨子「…!」

294: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:08:39.74 ID:1QK2lyY60
梨子「なんで…!?なんで、突き放そうとするの!?」

千歌「…!」ピタッ…

千歌「うっ……」

梨子「私は……私は別に、千歌ちゃんが不良だろうが何だろうが関係ない…!!そんな事で嫌いになったりなんてできない…!!」

千歌「………」

梨子「千歌ちゃんが言ってくれたんじゃない……私達、友達だって……」

千歌「そ…それは……」

梨子「………」

295: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:09:16.22 ID:1QK2lyY60
千歌「………」

梨子「今日……」

千歌「え…?」

梨子「今日の12時……駅前に来て……」

千歌「駅前に……?なんで…

梨子「いいから来るの!!来なかったら嫌いになるわよ…!!」

千歌「えぇ…!?」

梨子「それじゃあね…!待ってるから!!」タッ…!

千歌「あっ…」

千歌「………」









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296: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:10:07.12 ID:1QK2lyY60

12時 駅前-


ザワザワザワザワ


千歌「………」

千歌(き…来てみたはいいけど……駅前って、電気街口の方で良かったのかな……)

千歌(私達の家からすると、こっちのが近いけど……)

梨子「…!」

梨子「あっ!千歌ちゃーん!」タッタッタッ!

千歌「梨子ちゃん…!」

梨子「ごめんごめん……呼び出しといて、遅くなっちゃった……」

千歌「う…うん……別にいいよ…私も今来たところだし……」

梨子「そう?それじゃあ、行きましょうか…!」

千歌「え?どこに…?」

梨子「穂むらよ!」

千歌「ほ…穂むら…!?」

梨子「そう、穂むらよ」

千歌「えぇ…?ほ…穂むらって……」

千歌「………」

千歌「……なに…?」


297: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:25:27.60 ID:1QK2lyY60
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穂むら前-


梨子「ここよ」

千歌「え…?わ…和菓子屋さん……??」

梨子「えぇ、私の行きつけよ」

千歌「へ…へぇ~…そうなんだ…」

梨子「さっ、入りましょう!」ガララ…!

千歌「う…うん……」

穂乃果「いらっしゃいませー!!…って、梨子ちゃん!!来てくれたんだ!!」

千歌「え…?」

298: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:25:53.18 ID:1QK2lyY60
梨子「久しぶりね、穂乃果ちゃん」ニコッ

千歌「し…知り合い……?」

梨子「えぇ、焔ヶ丘高校の二年生、高坂穂乃果ちゃんよ」

穂乃果「高坂穂乃果です!よろしくね!あなたは?」

千歌「あっ…えっと……高海…千歌………です…」

穂乃果「へぇ~!じゃあ、千歌ちゃんだね!よろしく!!」

千歌「う…うん……よろしく……」

千歌(すごいグイグイくる……)

299: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:26:26.02 ID:1QK2lyY60
梨子「ごめん、穂乃果ちゃん……仕事中だったわね……ちょっと話したい事があったんだけど……」

千歌(話…?)

穂乃果「話!?なになに?」

梨子「うん…できれば、部屋で落ち着いて話したい事なんだけど……」

穂乃果「そうなの?じゃあ、お母さんに店番変わってもらうよ!お母さーん!!!」ダッダッダッ!

梨子「えぇ!?ちょ…ちょっと!?穂乃果ちゃん!?悪い…よ……って…」

千歌「行っちゃったね……」

梨子「はぁ…全く……ああいう所は昔から、なんにも変わってないんだから……」

千歌「え…?昔から?」

梨子「まあ、ちょっとね……学校は一回も一緒になった事ないんだけど、昔からこの和菓子屋にはよく来てたのよ。それで、同学年って事もあって穂乃果ちゃんとはよく遊んだの」

千歌「へぇ~…梨子ちゃん、ちゃんと友達いたんだね……」

梨子「ん?なんかバカにしてる?」

千歌「してないしてない」

300: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:27:21.30 ID:1QK2lyY60
穂乃果「うぅ…」トボトボ…

梨子「あれ…?ダメだったの…?」

千歌(うわぁ…分かりやすい……)

穂乃果「うん……普通に怒られた……よく分かったね……梨子ちゃんエスパー…?」シュン…

梨子「いや…エスパーではないけど……」

穂乃果「でも、頑張って頼んだら、あと10分だけでいいって言ってくれたよ!!」パアッ…!

梨子「そうなの…?じゃあ、少し待たせて貰ってもいい?」

穂乃果「うん…!じゃあ、私の部屋使っていいよ!さっ!上がって上がって~!千歌ちゃんも~」

梨子「えぇ!?悪いわよ…ここで待たせてもら…

穂乃果「いいから!いいからー!ほらほらー!」グイグイ

梨子「わわっ!ちょ…押さないでよ!分かったわよ!部屋で待たせて貰うから!」

穂乃果「ほんと!?じゃあ、後でお茶とほむまん持ってくね!!」

千歌「あはは……」

千歌(ほんと、すごいグイグイくる子だな……)

梨子「じゃあ、千歌ちゃん行きましょう。穂乃果ちゃんの部屋、二階だから」

千歌「あっ、うん!じゃあ、使わせてもらうね、穂乃果ちゃん…!」

穂乃果「ごゆっくり~」フリフリ



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301: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:28:10.61 ID:1QK2lyY60

穂乃果部屋-


千歌「わっ、漫画いっぱい…」

梨子「あぁ、昔からそうなのよね。まあ、全然巻数揃ってなくて読むの大変だけど……」

千歌「あはは…本当だ……」

千歌「………」

梨子「………」

千歌「え…えっと……」

梨子「なに?どうしたの?」

千歌「う…えっと……」

千歌「………」

302: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:28:40.65 ID:1QK2lyY60
梨子「………」

千歌「その……」

梨子「………」

千歌「………」

千歌「お…怒ってないの……?」

梨子「怒ってるわよ」

千歌「えっ…」

梨子「当たり前じゃないの、騙された上に、千歌ちゃんが不良だったなんて」

千歌「あぅ……そ…そうだよね……」

梨子「だから謝って!」

千歌「……え…?」

303: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:29:11.47 ID:1QK2lyY60
梨子「まだ、私、千歌ちゃんに謝ってもらってないわよ?だから、謝って」

千歌「え……で…でも……謝るって、どうこうなる問題じゃ……」

梨子「どうこうなるわよ!謝ってくれたら、許すわ」

千歌「ゆ…許すって……そんな簡単な問題じゃ……ないよ……」

梨子「そう?」

千歌「だ…だって……私…不良なんだよ……?」

梨子「………」

梨子「…そうね……」

千歌「梨子ちゃんが、前に苦手だって言ってた不良なんだよ……?」

梨子「言ったわね……」

千歌「それに、私……今は本当にどうしたらいいのか分かんなくなっちゃって……不良である事だって辞めるかどうか……」

梨子「………」

304: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:29:54.21 ID:1QK2lyY60
梨子「千歌ちゃんが、どう考えてるのか、はっきりとは分からないけど……」

千歌「………」

梨子「私は、やっぱり不良は辞めた方がいいと思うわよ?」

千歌「えっ……」

千歌「じゃ…じゃあ……」

梨子「? どうしたの?」

千歌「うぅ………その……もし…」

千歌「もし、私が不良を辞めないって言ったら……その…どうなるの……?」

梨子「辞めて!って言うわね」

千歌「え…?」

梨子「えぇ……」

千歌「で…でも……」

梨子「………」

千歌「あぅ……」

梨子「………」

梨子「千歌ちゃん…何か勘違いしてない?」

千歌「か…勘違い……?」

305: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:30:29.89 ID:1QK2lyY60
梨子「うん。言っておくけどね、私は、なにがあっても千歌ちゃんと友達である事を辞めるつもりはないわよ?」

千歌「…!!」

梨子「例え、千歌ちゃんが不良でも、ましてや、タバコを吸ってたり、犯罪を犯したりしたとしても……関係ない」

梨子「私は、いつだって千歌ちゃんの味方だし、千歌ちゃんが私が思う良い方向に進んでくれるなら、応援するし、逆に、私が思う悪い方向に進んでるなら、叱ってあげる」

千歌「梨子ちゃん……」

梨子「でも、最終的に決めるのは千歌ちゃん本人………たとえ、それが私の願う方向と違ってたとしても、私は理解するわ」

梨子「一緒に本気になって悩んであげて、最後は理解してあげる……」

千歌「………」

梨子「友達ってそういうもんでしょ?違う?」ニコッ

千歌「…!」

千歌「友達……」

306: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:31:01.47 ID:1QK2lyY60
梨子「えへへ、ちょっとクサすぎたかな…?///」テレテレ…

千歌「ううん……」

千歌「そんな事ないよ……」

梨子「え?そ…そう…?」

千歌「その通りだよ……ごめん……私……何も分からなくなってた……」

千歌「絵里先輩にも言われたのに……」

梨子「え?絵里先輩?」

千歌「うん…!病室でね、隣だったから」

梨子「隣…!?だ…大丈夫だったの…?」

千歌「大丈夫だよ!誤解は解けてたし」

梨子「そ…そう……」

千歌「でも、まさか梨子ちゃんに友達論を諭されるなんて……」

梨子「ん?バカにしてない?」

千歌「してないしてない」

307: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:31:50.58 ID:1QK2lyY60
梨子「してるじゃない……なによ、私だった友達いるのよ?」

千歌「穂乃果ちゃんだけでしょ?最近は会ってないみたいだけど……」

梨子「うっ…た…たしかに、最近は会ってないけど……」

梨子「で…でも…!友達が穂乃果ちゃんだけって事はないわよ!?海未ちゃんだって、ことりちゃんだっているし!」

千歌「海未ちゃん?ことりちゃん?」

梨子「穂乃果ちゃんと仲が良かった子達よ、学校こそ違ったけど、良く遊んだの」

千歌「ふーん…」ゴロンッ…

梨子「あ!千歌ちゃん、人の家で横になって…」

千歌「いいのいいの、もう穂乃果ちゃんとは友達だしね」

梨子「それはそうだけど……」

308: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:32:26.94 ID:1QK2lyY60
千歌「あと、私は疲れたんだよ、少しくらい横になっても………って、ん?なんか落ちてる……」

千歌「なんだろ…?」

梨子「あんまりいじらないのよ?穂乃果ちゃんの物なんだから」

千歌「分かってる分かってる~」

千歌「よっと…!」スッ!

千歌「…!?」

梨子「あぁ…もう……そんな勝手にいろいろ触ったら、穂乃果ちゃん怒るわよ…?」

千歌「………」

梨子「? どうしたの?千歌ちゃん…」

千歌「り…梨子ちゃん……」

梨子「なに?」

千歌「これ…」スッ…

梨子「…!?」

梨子「こ…これは……」

309: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:33:14.19 ID:1QK2lyY60
穂乃果「おまたせー!!いやぁ~!やっと店番終わったよ!!」ガララッ!!

千歌「あ…」

梨子「あ…」

穂乃果「え?」


熊のパンツ ゴゴゴゴゴゴゴ…


穂乃果「あああっーー!!!それ、穂乃果の無くしてたパンツ!!!」

千歌「え…」

梨子「え…」

穂乃果「あ…」


310: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:33:45.19 ID:1QK2lyY60

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穂乃果「うぅ…ぐすん……」

梨子「………」

千歌「ほ…穂乃果ちゃん……」

穂乃果「もうヤダ……お嫁に行けない……」

梨子「いや、そんな事ないわよ…?」

穂乃果「そんな事あるよ…!だって……」

穂乃果「高校生にもなって、あんなパンツ履いてるのがバレたんだよ!?もう死ぬ!!」

千歌「あはは…」

311: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:34:25.01 ID:1QK2lyY60
梨子「いいじゃないの、可愛いわよ?熊さん」

穂乃果「あっー!!梨子ちゃん、またバカにしてるでしょ!!私だって好きであんなの履いてるわけじゃないんだからね!!」

梨子「そうなの?」

穂乃果「そうだよ!!好きで履くわけないじゃん!!お母さんが勝手に買ってくるんだよ!!」

穂乃果「私だって、本当は、もっと大人なパンツがが欲しいよ!!でも、お母さんにそう言うのは恥ずかしいし、言うタイミングも分かんなくて、いつの間にか高校生になっちゃってたんだよ!!」

梨子「あはは…」

千歌「き…気にする事ないよ……私も…お母さんに買ってきてもらってるし……」

穂乃果「え…?」

梨子「ち…千歌ちゃんも…?」

千歌「あ…」

穂乃果「…てことは……」

穂乃果「…」ピラッ…

千歌「あああっー!!!」バッ!!!

穂乃果「あ……」

千歌「み…見た……?///」

穂乃果「う…うん……」

穂乃果「………」

穂乃果「み…みかんがいっぱい……」

千歌「…!!!」


312: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:42:29.37 ID:1QK2lyY60
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千歌「うぅ…ぐすん……」

穂乃果「ご…ごめんって……」

千歌「もうヤダ……お嫁に行けない……」

梨子「そんな事無いわよ、可愛いわよ?みかん」

千歌「…!」

千歌「ま…また、そうやってバカにして……!」

梨子「あはは、してないしてない」

千歌「してるじゃん!!」

梨子「本当にしてないわよ?二人とも、可愛くて良いと思うわ!」

千歌、穂乃果「…!!」

313: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:43:07.12 ID:1QK2lyY60
穂乃果「千歌ちゃん……」ゴゴゴゴゴ…

千歌「うん……穂乃果ちゃん……」ゴゴゴゴゴ…

梨子「あれ?どうしたの?二人とも……目が怖いわよ…?」

穂乃果「梨子ちゃんのパンツも見せろーー!!」ガバッ!!!

梨子「えぇ…!?ちょ…」

千歌「捕まえた!」ガシッ!!

梨子「ぐえ…!ちょ…やめ…」

千歌「今だよ!!穂乃果ちゃん!!!」

穂乃果「うん…!」

梨子「嘘!?ちょ…やめて!?きょ…今日は…

穂乃果「ご開帳!!!」バッ!!!

穂乃果「…!!??」

千歌「…!!??」


314: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:46:23.46 ID:1QK2lyY60
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穂乃果「お…大人だった……」

千歌「大人だったね……」

梨子「な…なによ!!そのリアクションは!!大人じゃないわよ…!!///」

穂乃果「いや…でも……」

千歌「さすが、桜内さんって感じというか……」

梨子「さん付けで呼ばないで!?普通よ!!高校生なんだから!!」

穂乃果「普通と言われても、私達子供には分からない話で……」

梨子「じゃあ、もういいわよ!!それよりも…」ゴソゴソ…

千歌「ん?どうかしたの?」

梨子「完成したの…」

千歌「?」

315: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:47:04.54 ID:1QK2lyY60
梨子「はい…!これ!」スッ

千歌「あっ…!」

穂乃果「え?なに?ノート?」

千歌「そっか……完成したんだ……!」

梨子「えぇ…あれから、結構頑張ってね、昨日やっと満足のいくものができたの…!」

穂乃果「え?なになに?穂乃果、分かんないよ?」

千歌「曲だよ!曲!!梨子ちゃんが作った!」

穂乃果「えぇ!?きょ…曲!?梨子ちゃんが作ったの!?」

梨子「う…うん……えへへ…///」

穂乃果「す…すごい……たしかに昔からピアノは上手かったけど……」

千歌「見ていい…?」

梨子「うん…」

千歌「じゃ…じゃあ…」ピラッ…

穂乃果「…!」

316: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:48:38.66 ID:1QK2lyY60
穂乃果「おー!すごい!!楽譜だ!!」

千歌「………」ジーー…

穂乃果「え?千歌ちゃん……もしかして…」

千歌「………」ジーー…

穂乃果「分かるの…?楽譜……」

千歌「いや…」

千歌「全然分からない……」

穂乃果「えぇ!?そ…そうなの!?じゃあ、なんでそんな真剣に……」

千歌「いけるかと思って……私、ちょっとは勉強したから……」

梨子「ふふっ、そうね……最初に楽譜を見せた時に、千歌ちゃん勉強してきてくれたもんね……」

千歌「でも、やっぱり全然分からなかった……ごめん……」

梨子「いいのよ、楽譜は難しいし、見ただけで、どんな曲か分かるには時間も必要だわ。だから……」ゴソゴソ…

穂乃果「?」

317: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:49:14.95 ID:1QK2lyY60
梨子「これ!さっき、家出る前に録音してきたの…!」スッ

穂乃果「おー!ウォークマン!!それなら、穂乃果でも分かるよ!!」

千歌「すごい…!これ、梨子ちゃんが弾いたの?」

梨子「もちろんそうよ?私以外、誰が弾くのよ」

千歌「あはは…いや……なんか、すごすぎて……」

梨子「そうは言っても、上手く弾けるまで時間かかったのよ?そのせいで、千歌ちゃんとの集合時間にも遅れたんだから」

千歌「あ…、あー…それで遅れたんだ……」

穂乃果「ねー!ねー!早く聴こうよ!私、もう待ち切れないよ!」

梨子「ふふっ、分かったわ。じゃあ、流すわよ……」

318: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:49:56.59 ID:1QK2lyY60
千歌「………」ゴクリッ…

穂乃果「………」ワクワク…

梨子「…」ポチッ


♪~


千歌「わぁ……」

穂乃果「綺麗……」


♪~


千歌「なんか…優しい感じ……」

穂乃果「でも、力強くて明るい……」


♪~


千歌「………」

穂乃果「………」

梨子「………」

319: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:50:25.50 ID:1QK2lyY60


♪~………ポチッ


梨子「…と、まぁ、こんな感じなんだけど……ど…どうかな……?///」

千歌「すごいよ……」

梨子「え…?」

千歌「うん…すごい……」

穂乃果「すごい……」

穂乃果「すごい!すごい…!!」

千歌「すごい!すごいよ!!梨子ちゃん!!!」

梨子「え…そ…そう……?///」テレテレ…

梨子(この子達、すごいしかボキャブラリーないのかしら……)

320: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:50:56.16 ID:1QK2lyY60
穂乃果「私、感動しちゃったよ!!曲聴いて、こんな感動した事なんて初めてだよ!!」

千歌「私も!!歌詞の無い曲で、こんなに聴き入っちゃったの初めてだよ!!本当にすごいよ!梨子ちゃん!!」

梨子「えへへ…そんなに言われると、照れるわね……///」テレテレ…

穂乃果「急に梨子ちゃんが訪ねてきたから、何かと思ったら、こんないい曲聴かせてもらえるなんて…!!」

梨子「ふふっ、でも、今日は曲を聴いてもらいに来ただけじゃないのよ?」

穂乃果「え…?まだ、何かあるの?」

梨子「うん……むしろ、本題はこっち……」

千歌「…?」

梨子「千歌ちゃん…!穂乃果ちゃん…!」

穂乃果、千歌「は…はい……」ゴクリッ…

梨子「作詞……やってみない……?」

穂乃果「え…?」

千歌「さ…」

穂乃果、千歌「作詞…!!??私達が!?」

321: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:53:11.41 ID:1QK2lyY60
梨子「うん、作詞……この曲に歌詞を書いて欲しいの……二人に…」

千歌「こ…この曲に……」

穂乃果「で…でも……私、作詞なんてやった事ないよ…?なにしていいか……」

千歌「私も……。こんないい曲に付ける歌詞なんて考える自信ないよ……?」

梨子「いいのよ?別にチグハグでも……」

梨子「二人が作ってくれる事が大事なの」

千歌「え…?わ…私達が…?」

梨子「うん……この曲のコンセプトは、「友達」なの」

穂乃果「友達……」

梨子「昔からの大切な友達の穂乃果ちゃんと、高校でできた大切な友達の千歌ちゃん……二人の事を思って書いた曲なの……」

千歌「そ…そうだったんだ……」

穂乃果「えへへ…なんか照れるね……///」

322: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:55:14.92 ID:1QK2lyY60
梨子「だから、この曲は3人で完成させたいの……例え、それが、どんなに稚拙でも……」

千歌「梨子ちゃん……」

穂乃果「そっか……うん…分かったよ…!梨子ちゃん!やるよ!!やってみる!!千歌ちゃんも、いいよね?」

千歌「うん!もちろんだよ!!私も、作りたい!この3人で1つの曲!!」

梨子「二人とも…!」パアァッ…!

千歌「よーし!そうと決まったら、さっそく作詞に取り掛かるぞー!!!」

穂乃果「おー!!!」




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323: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:56:24.01 ID:1QK2lyY60
3時間後-


穂乃果「私の美学……私の美貌……」

千歌「手が届かない高嶺のフラワー……」

穂乃果「ドンウォーリー…ドンウォーリー…」

千歌「冷たいヤケドを教えてあげる……」

穂乃果「………」

千歌「………」

梨子「………」

梨子「どういう歌よ……それ……」

324: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:57:08.13 ID:1QK2lyY60
穂乃果「だって、なんにも思いつかなくて……」

千歌「作詞、難しすぎ……」グタッ…

スマホ ピロリンッ♪

千歌「んあ?凛ちゃんからLINEだ…」

穂乃果「凛ちゃん? もしかして、それって星空凛ちゃんの事?」

千歌「え!?知ってるの?」

穂乃果「うん、中学一緒だったから。凛ちゃん、すごい不良で有名だったし……」

千歌「あー…なるほどね……」

穂乃果「そっか、凛ちゃん、水見色行ったんだ…ふーん……」

梨子「それで?凛ちゃん、どうかしたの?」

千歌「あぁ、いや……なんでもないよ」

千歌「うん……」

梨子「?」

325: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:57:34.62 ID:1QK2lyY60
千歌「……」


凛 : 退院おめでとうございます!なんだか元気が無いみたいですが、そんなの千歌先輩らしくないですよ?細かい事は気にせずに、また一緒に遊びましょう!


千歌「ふふっ……」

千歌(これ、励ましてくれてるのかな……)

千歌「………」スッスッスッ…


千歌 : 心配かけてごめんね?でも、もう大丈夫!明日からは学校行けるから、また遊ぼうね!


千歌「よしっ…と……」

326: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:58:22.16 ID:1QK2lyY60
穂乃果「ちょっとー!千歌ちゃん、スマホいじってないで、ちゃんと考えてよ!!」

千歌「あぁ、ごめんごめん」

千歌「何か進んだ?」

穂乃果「………」

穂乃果「………なにも……」

千歌「ですよね……」

梨子「まあ、別に今日決めないといけないわけじゃないから、大丈夫よ。そんな簡単にできるものじゃないしね」スクッ…

穂乃果「あれ?梨子ちゃん、帰るの?」

梨子「えぇ、外も暗くなってきたし、今日は帰らせてもらうわ。また今度ね」

千歌「じゃあ、私も帰ろっかな」スクッ…

穂乃果「あ、梨子ちゃん、ノートとウォークマン忘れてるよ!」

梨子「それは貸しとくわ、作詞に必要でしょ?」

穂乃果「いいの!?やったー!」

327: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:59:17.08 ID:1QK2lyY60
梨子「千歌ちゃんにも、また作って渡すね」

千歌「助かるよ~、ありがとう梨子ちゃん」

穂乃果「じゃあ、なんかいい歌詞浮かんだら、連絡するね!千歌ちゃん!」

千歌「うん!私もそうするよ!」

梨子「進んだら、私にも見せてよ?二人だけに任せておくと大変な事になりそうだから……」

千歌「あー、はいはい…大変な事にはならないけど、ちゃんと見せるよ」

スマホ ピロリンッ♪

千歌「ん?お母さんからだ…」


母 : 美渡が、邪魔だって言って、千歌のスクーター届けにきたわよ。はやく帰ってきなさい


千歌「…!?」

梨子「どうかしたの?」

千歌「オレンジみかん号が……」

梨子「は?」

穂乃果「オレンジみかん号…?」

千歌「オレンジみかん号が戻ってきた……!」

千歌「オレンジみかん号が、戻ってきたんだよ…!!!」

梨子「いや、何言ってるのか、全然分かんないんだけど……」

328: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:59:57.85 ID:1QK2lyY60
千歌「スクーターだよ!スクーター!!ほら、この前、静岡に置いてきちゃったって言ったじゃん!」

梨子「あー…そういえば、言ってたわね」

穂乃果「へぇ~!千歌ちゃんも乗るんだ!」

千歌「穂乃果ちゃんも?」

穂乃果「うん!私のは超クールだよ!今度、見せてあげるよ!」

千歌「わぁ~!ほんと!?楽しみだよ~!」

梨子「千歌ちゃんのも、なんか良いやつなんでしょ?曜ちゃんが言ったけど」

千歌「うん!私のも超クール!!まあ、梨子ちゃんには、すぐに見せてあげるよ!」

梨子「はぁ…まあ、少し楽しみね」

329: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 19:01:18.81 ID:1QK2lyY60
千歌「よーし!そうと決まったら、早く帰ろ!梨子ちゃん!」

梨子「えぇ…じゃあ、またね、穂乃果ちゃん」ニコッ

穂乃果「うん!またね~!」フリフリ

穂乃果「千歌ちゃんも、またね~!」フリフリ

千歌「うん…!また今度、スクーター見せてね!」

千歌「よし!じゃあ、行こう!梨子ちゃん!」

梨子「はいはい、分かったわよ…」

穂乃果「じゃあね~」フリフリ


ガララ…パタンッ…


穂乃果「………」

330: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 19:02:10.78 ID:1QK2lyY60
穂乃果(………)

穂乃果「あっ…!ほむまん出すの忘れた!!」

穂乃果「うぅ…千歌ちゃんに食べてもらいたかった……」

スマホ プルルルルル…♪

穂乃果「ん?海未ちゃんから電話だ」

穂乃果「はい!もしもし!穂乃果だよ!!」

穂乃果「………」

穂乃果「あはは…ごめんごめん……」

穂乃果「それで、どうしたの?急に」

穂乃果「………」

穂乃果「え……?」

穂乃果「………」

穂乃果「そっか……ツバサさんが……」

穂乃果「分かった……時間は?」

穂乃果「………」

穂乃果「明日の夜ね……うん…空けとく……」

穂乃果「………」

穂乃果「ふふっ…心配しなくても大丈夫だよ、ツバサさんは悪い人じゃない……うん……」

穂乃果「………」

穂乃果「うん…じゃあね…また明日……」

穂乃果「………」ポチッ…

穂乃果「………」







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331: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 19:06:54.45 ID:1QK2lyY60

秋葉原 路地-


千歌「楽しみだなぁ~!早く会いたいなぁ~!オレンジみかん号!!」トコトコ

梨子「また、すごいネーミングセンスね……千歌ちゃんも…」トコトコ

千歌「えぇ…!?オレンジみかん号は、アリでしょ!!」トコトコ

梨子「ん~…まあ、「千歌ちゃん号」とか「ダイヤモンドプリンセス号」に比べたらマシだけど……」トコトコ

千歌「当たり前だよ!あれと並べられちゃあ、心外ってもんだよ!」トコトコ

梨子「まあ、レベルが違うからね……曜ちゃんのは、ネーミングセンス以前の問題だし、絵里先輩のは、純粋にダサいし……」トコトコ

千歌「あはは、たしかに!なんで、ダイヤモンドプリンセス号なんて付けたんだろ?かっこいいと思ったのかな?」トコトコ


ドカッ! バキッ!


千歌「ん?なんの音……?」

332: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 19:08:04.93 ID:1QK2lyY60
梨子「こっちの方から聞こえるわね…」スッ…

梨子「…!?」


ヤンキー「オラァ!水見色の奴らは皆殺しだ!!」ドカッ!

生徒「あ…あぅ…や…やめて……」

ヤンキー「やめるわけねぇだろ!!オラァ!」バキッ!


梨子「あ…あの子…!ウチのクラスの…!」

千歌「やばい…と…止めなきゃ…!!やりすぎてる…!!」ダッ!!

梨子「あぁ…!千歌ちゃん…!!」

333: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 19:08:33.11 ID:1QK2lyY60
千歌「ちょ…ちょっと…!」ザッ…!

ヤンキー「あ?誰だ…?お前」

生徒「あ……ち…千歌ちゃん……それに、桜内さんも……」

ヤンキー「なんだ?お前ら、知り合いか?」

梨子「ち…千歌ちゃん…!!ダメよ…?」

千歌「分かってる……」

千歌「ふー……」

千歌「……」

334: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 19:09:15.90 ID:1QK2lyY60
ヤンキー「なんだよ、何か言えよ、コラ」

千歌「うん……」

千歌「えっと……その子、ウチのクラスの友達なんだ…離して欲しいんだけど……いいかな…?」

生徒「千歌ちゃん……」

ヤンキー「あぁ!?ダメに決まってんだろうが!!水見色は全員潰すんだよ!!」

千歌「っ…」

ヤンキー「お前ら、こいつのクラスメイトって事は、水見色か?だったら、そこで待ってろよ。こいつが終わったら、すぐ殺してやるから」

千歌「っ…!」

千歌(ぶ…ぶん殴りたい……)

千歌(100%私の方が強いのに……)

ヤンキー「なんだ?威勢良く助けにきたくせに、もうだんまりか?はっはっはっ!とんだ腰抜け野郎だな!!」

千歌「……」ムカッ…

千歌(こ…こらえろ……私…)

千歌(穏便に……穏便に済ませるんだ……)

千歌「え…えっと……もう一度言うけど…離してもらっていいかな……?」ニコォ~…

梨子(お…おぉ……千歌ちゃん頑張ってる……)

335: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 19:10:26.58 ID:1QK2lyY60
ヤンキー「あぁ?なんだ、その引きつった笑顔は!!気持ち悪りぃんだよ!!アホ毛が!!」

千歌「…」プツンッ…

千歌「よし…!お前ら、死刑!」ニコッ!

梨子「千歌ちゃん…!!??」

ヤンキー「は?なに言って…

千歌 ザッ…!

ヤンキー「…!」


バキィッッッ!!!!


ヤンキー「ぶはっ…!!」フワリッ…!

ヤンキー「…!?」

ヤンキー「あがっ…ぐ…くはっ…!」ゴロゴロゴロ…!

ヤンキー「うっ…あっ…」ズザアァァァァッッッ!!

ヤンキー「あぐぁっ…」ドカッ!

ヤンキー「あぅ…」ズルリ……

生徒「…!?」

梨子「はぁ…もう……全く……」

ヤンキー「え…?と…飛んだ……!?人が……パンチ一発で……」

千歌「次、お前」

ヤンキー「…!?」

336: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 19:12:19.84 ID:1QK2lyY60
ヤンキー「ひっ…!す…すみませんでした!!ごめんなさい!!もう帰ります!!!」

ヤンキー「お…おい…!!退くぞ!!」ユサユサ…!

ヤンキー「………」

ヤンキー「ダ…ダメだ……完全にのびてる……」

ヤンキー「ちっ…!しょうがない…」ガシッ!

ヤンキー「重っ…」

ヤンキー「引きずってくしかないか…!」

ヤンキー「………」ズルズル…


千歌「あれ?行っちゃった……」

337: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 19:13:05.49 ID:1QK2lyY60

トスッ!

千歌「あいたっ…!」

梨子「あれ?じゃないわよ!!全く!!暴力はダメって言ったでしょ!?」

千歌「あ…あはは……でも、まあ…助けられたわけだし……」

梨子「まあ…それはそうだけど……」

生徒「ありがとう、二人とも……二人がいなかったら、私……」

千歌「あ!だ…大丈夫?ずいぶん、ひどくやられたみたいだけど……」

梨子「そうだ…!救急車呼ぶわね…!!」

生徒「うん…お願い……ありがとう…桜内さん……」

338: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 19:14:27.65 ID:1QK2lyY60
千歌「なにがあったの?あいつら誰…?」

生徒「なにもないよ……ただ、普通に部活から帰ってきてただけで……」

生徒「そしたら、急にあの人達が、私のジャージを見て、「水見色は潰す」って言ってきて……」

千歌「そんな……なんで……」

生徒「たぶん…あの人達……焔ヶ丘の人だよ……今、水見色潰ししてるって噂の……」

千歌「…!」

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絵里「えぇ……中でも、私たちと焔ヶ丘は、ずっと対立してるの。一年前のある事件をきっかけにね……」

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千歌「そういえば…絵里先輩が……」

339: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 19:14:56.88 ID:1QK2lyY60
生徒「それにしても、すごいね……千歌ちゃん……なにか格闘技やってたの…?」

千歌「あっ…い…いや……格闘技とかはやってないけど……」

生徒「けど…?」

千歌「え…えっと……自己流というか……」

生徒「?」


ピーポーピーポーピーポー!


梨子「あ!救急車来たわよ!」

340: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 19:15:34.05 ID:1QK2lyY60
千歌「ほんとだ!立てる…?」

生徒「う…うん……なんとか……」フラリッ…

千歌「付き添った方がいい?」

生徒「いや、大丈夫だよ…ありがとう……」

生徒「桜内さんも、ありがとうね、また学校で…」

梨子「う…うん…!お大事にね…!」

ピーポーピーポーピーポー!

救急隊員「大丈夫ですか!?」ガチャ!

生徒「は…はい……なんとか……」

救急隊員「…!ひどい怪我だ……すぐに病院に連絡を…!!」

バタバタ…!バタバタ…!


千歌「………」

千歌(本当にひどい怪我だった……)

千歌(そこまでやれるって……)

千歌(………)

千歌(焔ヶ丘と水見色……)

千歌(一体、なにがあったんだろ……)












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343: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 11:51:20.54 ID:GV5A8+va0

次の日 朝-


千歌「フンフンフーン」ブロロロ…

千歌「やっぱり、最高だな~!オレンジみかん号は」ブロロロ…

千歌「歩きより早いから、家を遅くに出ても間に合うし…♪」ブロロロ…

梨子「はぁ…はぁ…」タッタッタッ…

千歌「ん…?」ブロロロ…

千歌「前にいるの梨子ちゃんかな?」ブロロロ…

梨子「はぁ…はぁ…」タッタッタッ…

千歌「あっ、さては遅刻しそうだから走ってるんだな?徒歩登校は大変ですなぁ」ブロロロ…

344: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 11:51:52.08 ID:GV5A8+va0
梨子「はぁ…はぁ…」タッタッタッ…

千歌「………」ブロロロ…

梨子「はぁ…はぁ…」タッタッタッ…

千歌「………」ブロロロ…

梨子「はぁ…はぁ…」タッタッタッ…

千歌「あの~…梨子ちゃん……?」ブロロロ…

梨子「あっ…!ち…千歌ちゃん…!お…おはよう……」タッタッタッ…

梨子「スクーター……さっそく乗ってきたのね……」タッタッタッ…

千歌「おはよう……えっと…その……乗せてあげようか…?」ブロロロ…

梨子「えぇ…!?ダメよ…!二人乗りなんて……!それに、千歌ちゃんヘルメットもしてないし……」タッタッタッ…

千歌「えぇ……でも……」ブロロロ…

梨子「はぁ…はぁ…なに……?」タッタッタッ…

千歌「そのペースだと遅刻するよ…?」ブロロロ…

梨子「なっ…!」タッタッタッ…

345: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 11:52:24.43 ID:GV5A8+va0
梨子「しょ…しょうがないでしょ!!私、足遅いんだから!!」タッタッタッ…

千歌「遅すぎるよ……」ブロロロ…

千歌「ていうか、それ走ってるの……?」ブロロロ…

梨子「走ってるの…!!全力なの…!!もう!失礼なんだから!!」タッタッタッ…

千歌「そう……」ブロロロ…

梨子「先行ってていいわよ…!」タッタッタッ…

千歌「………」

千歌「…」スッ…

梨子「千歌ちゃん…!?」タッタッタッ…

千歌「私も走る!」

梨子「えぇ…!?でも、スクーター引いて走るなんて…」タッタッタッ…

千歌「おりゃあああ!!!」タッタッタッ!

梨子「えぇ…!?ちょっと…!!」

千歌「おりゃああああ!!!」タッタッタッ!

梨子「もー!なんで、私より速いのよー!!」



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346: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 11:52:57.00 ID:GV5A8+va0

二年生 教室-


曜「え!?オレンジみかん号、戻ってきたの!?」

千歌「うん…!!昨日ね!美渡姉が運んできてくれたの!」

曜「わぁ~!良かったね!!千歌ちゃん!」

梨子「前に、千歌ちゃんのスクーターすごいって言ってたけど、どこがすごいの?たしかに、オシャレではあったけど……」

千歌「ふふんっ!教えてあげよう!私のはね、なんとイタリアのベスパって奴なのさ!!」

梨子「ベスパ…?知らないけど……」

千歌「まあ、梨子ちゃんは知らないだろうね。でも、本当にすごい奴なんだよ?値段も高いし、歴史もあって、スクーター乗りの中じゃベスパは憧れだよ」

曜「映画とかでも、使われたからね!ローマの休日とか!」

梨子「へぇ~、そんなすごいの、よく買えたわね」

千歌「親戚の人がくれたんだよ!さすがに、買えないって…!高すぎて」

347: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 11:53:31.48 ID:GV5A8+va0
生徒「ねぇねぇ、高海さん!桜内さん!ちょっといい?」

千歌「え?うん、いいよ!なに?」

梨子「どうかしたの…?」

曜「?」

生徒「昨日、焔ヶ丘に襲われた○○を助けてくれたんだって?さっき、○○がLINEで言ったよ!」

千歌「あっ…う…うん……遅かったけどね……」

生徒「でも、○○感謝してたよ!それを伝えてくれって!」

千歌「そっか……わざわざ、ありがとね!」

生徒「うん!それじゃあね~」

千歌「………」

千歌「…そっか……○○さん、入院してるのか……」

梨子「ひどい怪我だったからね……本当に…」

曜「………」

曜「…え?二人とも、昨日、なにかあったの?」

千歌「うん……」

千歌「実は、昨日……」



348: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 11:54:04.51 ID:GV5A8+va0

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昼休み 屋上-


千歌「…って事があって……」

花陽「えぇ…!?ほ…焔ヶ丘の人を殴っちゃったんですか…!!??」

千歌「は…はい……」

凛「なんにゃそれ!この前まで、あんなに落ち込んでたのに!!」

千歌「うぐっ…」

曜「あはは…でも、まあ、今回は人助けでもあったわけだし…セーフ…

花陽「アウトです…!!」

曜「え…」

349: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 11:55:42.27 ID:GV5A8+va0
花陽「千歌先輩!梨子先輩!名前はバレてませんか?」

千歌「え?名前……?」

梨子「ん~……○○さんが、私達の名前呼んでたわね……あと、たしか、私も千歌ちゃんって言ったわ」

花陽「そんな…!」

花陽「終わりです……」ガックシ…

千歌「いやいや、そんなちょっと呼んだくらいの名前だし、覚えてるわけ…

花陽「覚えてますよ!!特に千歌先輩は!!」

千歌「え…?そ…そうなの……?」

350: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 11:56:26.38 ID:GV5A8+va0
花陽「知らないんですか?今、千歌先輩はアキバの不良の中じゃ、ちょっとした有名人なんですよ?」

千歌「ゆ…有名人…!?なんで…!?」

花陽「「アキバの暴れ猫」と「氷の女王」を倒して、水見色を制覇したって噂になってます。もちろん、絵里先輩含む三年生は否定してますが……」

千歌「えぇ…!?せ…制覇ぁ…!?」

凛「凛はやられた覚えは無いにゃ」

曜「不良は、自分達の地域の勢力図には敏感だからね……噂になってもおかしくないね……」

梨子「なんか、凄い事にになってるわね……千歌ちゃん……」

花陽「はい……ですから、その倒した焔ヶ丘の生徒が、千歌先輩の事を知っていた可能性もあります……そうなれば、確実に記憶されてますよ……」

千歌「た…たしかに……」

351: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 11:56:57.20 ID:GV5A8+va0
花陽「千歌先輩は、焔ヶ丘に、完全に目をつけられたと思った方がいいですね……」

千歌「うそ……ど…どうしよう……」

凛「全員、ぶっとばせば、万事解決にゃ!」

梨子「ダメに決まってるでしょ…」ビシッ!

凛「いたっ!」

梨子「そうとなったら、とりあえず、千歌ちゃんは一人で行動しない事ね……幸い、私と曜ちゃんが家一緒だから、なるべく一緒にいれるし……」

曜「そうだね……千歌ちゃんは、もう喧嘩しないって決めたわけだし……」

千歌「うん……そうだね…」

352: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 11:57:30.71 ID:GV5A8+va0
梨子「あれ?千歌ちゃん、喧嘩しない事にしたの?なんか悩んでたみたいだったけど……」

千歌「いや、今も悩んでるよ……自分の中で答えは見つかってない……だから…」

梨子「……」

千歌「今は、梨子ちゃんに従ってみるよ…!それが、私の中でも一番しっくりくるしね…!」

梨子「千歌ちゃん…」

梨子「ふふっ、ずっとそうしていてくれれば、私も楽なんだけどなぁ~」

千歌「そうはいかないよ!梨子ちゃんも言ったように、最後は私が決めるから!」

梨子「じゃあ、私はそれまでに頑張って千歌ちゃん説得しなきゃね」

梨子「もちろん、曜ちゃんも…」

曜「え…!?わ…私も…!?」

梨子「むしろ、千歌ちゃんより危険だわ。喧嘩する気満々じゃないの」

曜「うっ……ひ…否定できない……」

花陽「み…みなさん、その…喧嘩しないのは素晴らしい事なんですが……」

梨子「どうしたの?花陽ちゃん」

353: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 11:58:13.03 ID:GV5A8+va0
花陽「たぶん…無理です……焔ヶ丘に目を付けられて、無事で済むとは到底思えません……」

曜「そ…そんなにまずいの……?」

花陽「はい…焔ヶ丘と水見色の対立は深いですからね……本当に何をされるか……」

梨子「対立…?焔ヶ丘と水見色が…?」

凛、花陽「…!?」

梨子「え…?ど…どうしたの…?二人とも……」

凛「し…知らないんですか…!?アキバにいて!!」

梨子「え…?そ…そんな有名な話なの……?」

花陽「そうですよ…!!不良じゃなくても、アキバの人間なら全員知ってますよ!!常識です!!」

梨子「そ…そうなんだ……私、関係狭いから知らなかった……」

354: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 11:58:56.47 ID:GV5A8+va0
曜「私達も、転校してきたばっかりだから、分かんないんだけど……なにかあったの…?」

花陽「………」

凛「………」

花陽「はい……今から、ちょうど一年前になります……焔ヶ丘によって画策され、水見色を巻き込んだ大事件が起きました…通称「焔ヶ丘の変」……」

千歌「焔ヶ丘の…変……」

355: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 21:05:22.64 ID:GV5A8+va0
花陽「一年前…当時の秋葉原は、アキバ四天王のうちの二人……焔ヶ丘の松浦果南、小原鞠莉……この二人によって支配されていました……」

曜「アキバ四天王…?そんなのあるの?」

花陽「はい……今言った二人と、我が校の絵里先輩……それから、緑王学園の黒澤ダイヤ……喧嘩で圧倒的強さを誇ったこの四人の事を敬意を込めて、こう呼んでいるんです……」

千歌「ふーん…絵里先輩も、そのアキバ四天王とかいうやつの一人なんだ」

花陽「そうです…だからこそ、絵里先輩を倒した千歌先輩の名前も広まるんです……」

千歌「あはは…」

曜「じゃあ、絵里先輩を倒した千歌ちゃんは、アキバ四天王とやらの一人になれるんじゃない!?やったじゃん!!」

千歌「よ…よくないよ…!?もう、昔とは違うんだから!!」

曜「あっ、そ…そうだったね……あはは…」

356: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 21:05:50.62 ID:GV5A8+va0
千歌「で…でも……これで、もし本当に私がアキバ四天王とかになっちゃったら、どうしよう……」

花陽「それはありません」

千歌「え…?そ…そうなの…?」

花陽「なぜなら、今現在、アキバ四天王は既に消滅しているからです……一年前に松浦果南と小原鞠莉が年少に入ってから……」

千歌「ね…年少…!?何したの…!?」

花陽「傷害です。それも、水見色の生徒に対する大規模なもの……その場で大勢の警察官に取り押さえられ、現行犯逮捕されました」

梨子「そ…そんな事が……」

357: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 21:06:27.94 ID:GV5A8+va0
曜「危ない人達だね……その松浦果南って人と小原鞠莉って人……」

花陽「それはたしかに、そうです……二人は、大の喧嘩ジャンキーで、誰にでも、なりふり構わず暴力を振るう事で、アキバの人間から恐れられていました……」

花陽「でも……」

千歌「でも…?」

花陽「二人は、警察に捕まるようなヘマは絶対にしませんでした……見つかるような事は、もちろんしませんでしたし、後から訴えられたとしても、小原家の力で抑える事ができました……」

曜「小原家…?」

凛「小原鞠莉の家の事にゃ。アキバじゃ有名な資産家で、警察も頭が上がらないんだにゃ」

梨子「えぇ…!?そ…それで、犯罪も取り消されちゃうの…!?」

凛「まあ、警察なんてそんなもんにゃ」

梨子「そ…そんな……」

358: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 21:07:04.77 ID:GV5A8+va0
花陽「凛ちゃんの言う通りで、実際何度も、二人は罪を免れています」

千歌「じゃ…じゃあ、なんで捕まったの!?」

花陽「はめられたんです……」

曜「はめられた……?」

花陽「はい……事件当時、高校一年生だった、現焔ヶ丘番長……高坂穂乃果先輩によって……」

梨子、千歌「…!!??」

359: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 21:07:36.55 ID:GV5A8+va0
凛「………」

曜「高坂…穂乃果……」

花陽「はい……今は焔ヶ丘の二年生です……」

梨子「……」

梨子「え…?」

千歌「い…今……なんて…?」

花陽「え?いや、その…だから……今は二年生だって……」

千歌「そ…その前……」

花陽「え…?高坂穂乃果先輩ってところですか…?」

梨子「こ…高坂……穂乃果…?」

凛「そうにゃ…凛たちの中学の時の先輩の穂乃果先輩だにゃ」

千歌「え…」

梨子、千歌「えええええええええええええええええええええええええええええええ!!!???」

曜「ど…どうしたの…!?二人とも……」

360: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 21:08:25.81 ID:GV5A8+va0
梨子「う…嘘でしょ……?穂乃果ちゃんが……」

千歌「焔ヶ丘の番長で……焔ヶ丘の変の首謀者だなんて……」

花陽「し…知り合いなんですか…!?」

千歌「知り合いっていうか……」

梨子「友達よ……私も千歌ちゃんも……」

花陽「と…友達…!?穂乃果先輩と!?」

梨子「う…うん……昨日も会ったし……」

花陽「昨日会った…!?ど…どういう事ですか…!?」

千歌「いや…普通に……梨子ちゃんに呼ばれて……」

花陽「よ…よく殺されませんでしたね……」

千歌「こ…殺されるって……そんな大げさな…」

凛「大げさじゃないにゃ」

千歌「え…?」

凛「あの人は……あの人の喧嘩は……そういう喧嘩だにゃ……」

花陽「凛ちゃん……」

361: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 21:09:11.71 ID:GV5A8+va0
千歌「ほ…穂乃果ちゃんが……?」

梨子「し…信じられないわ……あんな普通の子なのに……」

曜「普通…なの……?なんか、今の話聞いた限りだと、すごい頭のキレる恐い人っぽいけど……」

梨子「そんな…!穂乃果ちゃんは、そういうのとは正反対にいる人よ…!!」

千歌「うん……少なくとも、頭がキレるタイプじゃないと思う……」

梨子「そうよ!穂乃果ちゃんが、そんな誰かをはめるなんて、できるはずないわ!!性格的にも、能力的にも…!!」

花陽「でも、現に起こった話です……今だって、穂乃果先輩は、松浦果南、小原鞠莉の恐怖からアキバを救った事から「アキバの救世主」と呼ばれていますし……」

曜「アキバの救世主……なんかかっこいいね……」

362: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 21:09:43.66 ID:GV5A8+va0
梨子「そんな……ダメよ…本当に信じられない……私は…私は小さい頃から、穂乃果ちゃんを見てきたんだから……」

千歌「わ…私も……まだ一回しか会ってないけど、穂乃果ちゃん、すごい良い子だったし、とても、そんな事するような子には見えなかった……」

凛「それは、昔の穂乃果先輩の事だにゃ」

梨子「え…?む…昔の……?」

凛「うん…凛が憧れた中学の時の穂乃果先輩……」

凛「今は……今は、もう変わっちゃったにゃ……」

梨子「そんな……でも…昨日は……」

凛「隠してたんじゃないかにゃ…?たぶん」

梨子「…!」

梨子「嘘……ヤダよ…そんな……友達なのに……」

千歌「梨子ちゃん……」

363: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 21:11:17.61 ID:GV5A8+va0
花陽「でも、穂乃果先輩は、たしかに変わってしまいました……」

花陽「昔は、ただ純粋に強さを求めて、喧嘩してたんです……だから、強い人としか喧嘩しなかったし、その人柄で、沢山の人から慕われてました……」

花陽「でも、今は違います……。自分の高校のためなら、なんでもする……そこには狂気すら感じます……」

曜「一番恐いタイプだね……そういう子は、喧嘩も負けない……」

梨子「違う…!!穂乃果ちゃんはそんなんじゃない……!!」

凛「………」

梨子「私……穂乃果ちゃんに電話してみる…!!」

千歌「え…!?い…今…!?」

梨子「うん…!だって、あっちもお昼休みでしょ?今なら、出るはずだから……」

梨子「………」スッスッスッ…

梨子「………」プルルルルル…

花陽「梨子先輩……」

梨子「………」プルルルルル…

梨子(お願い……!出て……)


364: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 21:13:18.11 ID:GV5A8+va0

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穂むら 穂乃果部屋-


スマホ プルルルルル…

穂乃果ママ「あっ!穂乃果ったら、またスマホ忘れて……」

スマホ プルルルルル…

穂乃果ママ「全く…いつになったら、忘れ物しないようになるのかしらね……あの子は…」

スマホ プルルルルル……


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365: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 21:13:55.11 ID:GV5A8+va0

水見色高校 屋上-


梨子「………」

梨子「出ない……」

千歌「そんな……」

花陽「おそらく…既に、千歌先輩と梨子先輩の事が穂乃果先輩に報告されている可能性があります……」

梨子「報告って……」

花陽「友達といえど、焔ヶ丘の生徒を殴ったとなれば、穂乃果先輩は容赦しません……」

梨子「そんな……」

梨子「嘘よ……そんなの……」

梨子「………」

千歌「…梨子ちゃん……」

梨子「………」







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366: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 21:14:45.01 ID:GV5A8+va0

焔ヶ丘高校 二年生教室-


穂乃果「あれ……おかいしな……」ゴソゴソ…

ことり「穂乃果ちゃん、どうかしたの?」

穂乃果「うーん…スマホが無くって……」ゴソゴソ…

海未「また忘れたのですか?」

穂乃果「いや、今日はちゃんと持ってきたと思ったんだけどなぁ~……」ゴソゴソ…

海未「全く……どうするんですか…もし、ツバサさんから連絡があったら……」

穂乃果「だよね……今日、会うことになってるし……連絡来ててもおかしくないかも……」ゴソゴソ…

367: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 21:15:24.53 ID:GV5A8+va0
穂乃果「ん…?」ゴソ…

穂乃果「あった…!」バッ!

穂乃果「あ…」

穂乃果「ウォークマンだった……」

海未「なんなんですか……あなたは……」

ことり「穂乃果ちゃん、ウォークマンなんて持ってたっけ?」

穂乃果「穂乃果のじゃないよ、これは梨子ちゃんに貸して貰ったの!」

ことり「梨子ちゃん!?会ったの…?」

368: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 21:22:06.66 ID:GV5A8+va0
穂乃果「うん!昨日ね!梨子ちゃんが家に来て、曲を作ったから歌詞を書いてくれって言われてね」

ことり「え~!?じゃあ、二人で一曲作っちゃうんた!すごいね!!」

穂乃果「あー、私と梨子ちゃんだけじゃなくて、梨子ちゃんの友達の千歌ちゃんって子も一緒に作詞やるんだよ!」

海未「千歌…?ですか……?」

穂乃果「うん…!どうしたの?」

海未「いえ……」

海未(千歌……どこかで聞いたような……)

369: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 21:23:45.30 ID:GV5A8+va0
ヤンキー「ほ…穂乃果さん…!!」ガララ…!

ことり「あっ…」

穂乃果「どうかしたの?そんなに急いで」

ヤンキー「た…大変なんすよ……昨日、水見色狩りしてたら……高海千歌に襲われたんですよ…!!」

穂乃果「…!?」

海未「高海…千歌……?」

海未「………」

海未「あっ…!ほ…穂乃果!!そうですよ…!高海千歌と言えば、凛と絢瀬絵里を倒して、水見色の番長になったと噂の…」

穂乃果「え…えぇ…!?千歌ちゃんが…!?」

ヤンキー「え…?知り合いなんすか…?」

370: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 21:24:28.61 ID:GV5A8+va0
穂乃果「知り合いというか……」

海未「昨日、その高海千歌と一緒に遊んだらしいんですよ……穂乃果は……」

ヤンキー「…!?」

ヤンキー「ほ…本当ですか…!?」

穂乃果「う…うん……昨日、お昼ぐらいに家に来て…それで暗くなるぐらいまで……」

生徒「そ…それじゃあ、ウチらが襲われた時間とも合うじゃないですか……」

穂乃果「ま…待って…!!でも、私には、そんな子には見えなかったよ…!間違いなんじゃ…」

生徒「いえ……高海千歌で間違いないと思います……最初は気づかなかったんですが……確実に千歌と呼ばれていましたし……それになにより、あの強さ……あれはただ者じゃありません……」

穂乃果「…!」

371: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 21:26:06.80 ID:GV5A8+va0
海未「穂乃果……残念ですが……」

穂乃果「うん……」

ことり「え…?ほ…穂乃果ちゃん……?」

穂乃果「いい友達になれると思ったんだけどなぁ……」

ことり「…!」

海未「仕方ありません……」

ことり「う…海未ちゃん……!」

ことり「う…嘘だよね…!?だって、一緒に曲を作るんだって、さっき……」

穂乃果「ことりちゃん……それでも、ウチの生徒に手を出した人間は生かしちゃおけないんだよ」

ことり「…!」

海未「分かってください…ことり……私達は、もう引き返せないんです……」

ことり「そんな……」

372: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 21:27:23.96 ID:GV5A8+va0
ヤンキー「穂乃果さん!じゃあ、高海の野郎、潰しにいきますか!?」

穂乃果「うん……でも、強いんでしょ?喧嘩」

ヤンキー「え…えぇ……だから、次はウチらも人数集めて……」

穂乃果「いいよ、めんどうだし…」

ヤンキー「え…?で…でも……そうでもしないと…」

穂乃果「私が行くよ」

ヤンキー「…!?」

373: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 21:31:51.91 ID:GV5A8+va0
ヤンキー「ほ…穂乃果さん直々に…!?」

ことり「穂乃果ちゃん……」

穂乃果「私なら…一人でいいし、すぐ終わる」

ヤンキー「そ…そうですね…!!穂乃果さんなら、楽勝っすもんね…!!」

ヤンキー「す…すげぇ…!穂乃果さんの喧嘩が見れるかもしれないぞ……!」

海未「はぁ……じゃあ、それでいいですけど、今日はダメですからね?もしもの事があって、ツバサさんを待たせるような事になれば大変ですから」

穂乃果「分かってるよ」

穂乃果「やるのは明日……学校が終わってから……」

穂乃果「………」

ことり「そんな……」

ことり「おかしいよ……そんなの……」

374: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 21:32:48.61 ID:GV5A8+va0
海未「………」

キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…

穂乃果「………」

ことり「ほ…穂乃果ちゃん…!!やっぱり、やめようよ…!こんな事…!」

穂乃果「………」

穂乃果「無理だよ……もう……」

ことり「…!」

海未「………」

海未「さ、ことり……もう授業が始まります……席に戻りましょう……」

ことり「………」

ことり「う…うん……」

穂乃果「………」














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377: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 17:07:48.36 ID:G6bLkOW+0

焔ヶ丘高校 放課後-


キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…


海未「穂乃果、ちゃんと場所は覚えてますか?」

穂乃果「大丈夫!大丈夫!なんか高そうな中華屋さんでしょ?ちゃんと覚えたよ!」

海未「曖昧じゃないですか……」

穂乃果「まあ、でも、スマホにメモってあるから、それ見れば、大丈夫だよ!」

海未「それならいいですが……」

ことり「穂乃果ちゃん……本当に一人で大丈夫…?」

穂乃果「ん~……大丈夫だよ…!うん…!それに、一人でって言われちゃったし、従わないわけにもいかないから…」

ことり「私、心配だよ……そんな暴走族の人と一緒にご飯食べに行くなんて……」

海未「ことり……」

378: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 17:08:26.24 ID:G6bLkOW+0
穂乃果「あはは……ことりちゃんには、いつも心配かけてばっかりだね……私……」

穂乃果「でも、本当に大丈夫!ツバサさんとは、もう仲良いし、それに、悪い人じゃないから…!」

ことり「本当…?」

穂乃果「うっ…」

穂乃果「うーん……たぶん……」

ことり「穂乃果ちゃん……やっぱり、こんな関係持つの辞めた方が……」

海未「ことり……心配なのは分かります……分かりますが……」

ことり「海未ちゃん……」

穂乃果「うん……」

穂乃果「もう、引き返せないから……」

海未「はい……」

ことり「………」

379: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 17:09:04.09 ID:G6bLkOW+0
穂乃果「あはは…ごめんね…!ほんとに……」

穂乃果「でも…もう少し耐えれば、きっと、また昔みたいに戻れると思うから…!」

穂乃果「だから、ちょっとだけ待ってて…!私、頑張るから…!」

ことり「…穂乃果ちゃん……」

海未「………」

穂乃果「じゃあ、私、遅れるとマズイから、もう行くね?」

ことり「うん……気をつけてね…?」

海未「お行儀よくするのですよ?穂乃果はマナーがなってないですか…

穂乃果「あー!分かった!分かった!もう何回も言われたって!ちゃんとやるから!」

海未「はぁ……本当にお願いしますよ…?」

穂乃果「うん…!任せて!」

海未「穂乃果…」

穂乃果「ん?なに?」

海未「………」

海未「いえ……なんでもありません……それより、時間…送れますよ…?」

穂乃果「え…?あっ!本当だ!!急がないと!」

穂乃果「じゃ、私もう行くね!また明日!!」

穂乃果 タッタッタッ…


380: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 17:09:47.17 ID:G6bLkOW+0
海未「………」

ことり「海未ちゃん……」

海未「………」

海未「大丈夫です……あと少しの辛抱ですから……」

ことり「………」















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381: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 17:10:13.31 ID:G6bLkOW+0
水見色高校 放課後-


キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…


校門前-


花陽「それじゃあ、くれぐれも単独行動は避けるようにしてくださいよ…!本当に危ないので!」

曜「了解しました!命に代えても、千歌ちゃんを守るでありますっ!!」ビシッ!

千歌「お~!曜ちゃん心強い!!」

曜「えへへ……///」

382: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 17:19:25.22 ID:G6bLkOW+0
梨子「いや、命に代えてもって……」


スマホ ピロリンッ♪


梨子「ん…?」

梨子(誰だろ……?)

梨子「…」スッ…


ことり : 梨子ちゃん、久しぶり!急で申し訳ないんだけど、今からって会えるかな…?もし、来れるなら、AKIBAカフェで待ってるね


梨子「…!」

383: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 17:21:17.73 ID:G6bLkOW+0
凛「? 梨子先輩、どうかしたんですか?」

梨子「あ、い…いや……その…ことりちゃんからLINEが来て…今から会えないかって……」

凛、花陽「…!?」

花陽「こ…ことりちゃんって…まさか、南ことり先輩の事ですか…!?」

梨子「あ、やっぱり知ってる…?そうよね、たしか後輩なのよね」

曜「なになに?どしたの?ことりちゃんって誰?」

梨子「あ、えっと、穂乃果ちゃんの友達でね、すっごい可愛くて、女子力の塊みたいな子…

梨子「…って、あれ!?もしかして、私が知らないだけで、ことりちゃんも不良だったりして!?」

凛「いや…それは無いにゃ……」

花陽「ことり先輩は不良とは一番遠い存在ですからね……」

梨子「そ…そうなんだ……良かった……」

384: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 17:22:04.06 ID:G6bLkOW+0
梨子「あっ、じゃあ、海未ちゃんは?真面目だし、悪い事はできなそうだけど……」

花陽「安心してください、海未先輩も不良じゃないですよ」

凛「でも、喧嘩はめちゃくちゃ強いにゃ。凛も何回も負けたし……」

梨子「そ…そう……たしか家が武道やってるのよね……海未ちゃんって……」

凛「そうにゃ、海未先輩は小さい頃から、武道全般やってるから、ほぼ無敵にゃ」

千歌「はぁ~…それは勝てる気がしないな……」

385: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 17:26:50.45 ID:G6bLkOW+0
花陽「それで…なんで、ことり先輩が梨子先輩に会いたがってるんですか…?」

梨子「わ…分かんない……理由は書いてないし、最近は会ってなかったから……」

曜「もしかして……千歌ちゃんをおびき寄せるための…罠…?」

梨子「そ…それはないわよ…!ことりちゃんに限って……そんな……」

花陽「それは私も同意ですが……一応、ことり先輩も焔ヶ丘の人間ですからね……行くのは辞めた方が……」

梨子「………」

梨子「いや…私行くわ……」

花陽「…!」

386: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 17:28:58.52 ID:G6bLkOW+0
花陽「で…でも…!」

梨子「これ以上、友達を疑うのは嫌なの……」

花陽「…!」

梨子「私は信じるわ……ことりちゃんを…」

花陽「梨子先輩……」

梨子「ごめんね…花陽ちゃん……花陽ちゃんは、私の事、心配してくれて言ってくれてるんだよね……でも……」

梨子「信じたいの……たとえ、それで裏切られたとしても……」

花陽「…!」

花陽「分かりました……梨子先輩がそこまで言うなら、私もことり先輩を信じます…!それに、私だって、ことり先輩の事信じたいですから…!!」

梨子「花陽ちゃん…!」

387: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 17:31:42.18 ID:G6bLkOW+0
千歌「それじゃあ、私も行っていい?罠じゃないなら、むしろそっちの方が安全そうだし」

曜「じゃあ、私も行くよ!ことりちゃんって子、会ってみたいし!」

梨子「そうね、みんなで行きましょうか!私も、千歌ちゃんと曜ちゃんをことりちゃんに紹介したいし」

梨子「凛ちゃんもそれでいい?」

凛「えっ…」

凛「り…凛も……?」

梨子「えぇ…!行きましょう!」

凛「え…」

凛(うぅ…ことり先輩苦手なんだけどなぁ……)

388: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 17:33:09.72 ID:G6bLkOW+0
花陽「一緒に行こうよ!凛ちゃん!」

凛「うぅ……か…かよちんがそう言うなら……」

千歌「よーし!じゃあ、凛ちゃんも行くって事で決定ね!」

凛「わ…分かったにゃ……」

梨子「じゃあ、ことりちゃんにもそう言っておくわね」

梨子「………」スッスッスッ…

凛(な…なんで、こんな事に……もう、ことり先輩に会う事は無いと思ってたのに……)

千歌「ん?凛ちゃん、どうかしたの?」

凛「………」

凛「なんでもないにゃ……」

千歌「?」






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389: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 17:36:04.19 ID:G6bLkOW+0

数分後 AKIBAカフェ前-


ザワザワ… ガヤガヤ…


千歌「はぁ~……またオッシャレ~な所だね……」

曜「うん……さすが東京って感じ……」

凛「田舎者は黙ってるにゃ」

千歌、曜「…!?」

390: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 17:38:01.49 ID:G6bLkOW+0
梨子「さ、入りましょう。ことりちゃん、もう着いてるって」

花陽「そうですね、待たせちゃ悪いですから」

凛「うぅ…ことり先輩に会うのは、気が重いにゃ……」

千歌「ちょ…ちょっと…!?今の発言は聞き捨てならないよ!?凛ちゃん!!」

曜「そ…そうだよ…!!それに、私は千歌ちゃんと違って沼津だから、まだ都会だし!」

千歌「あー!曜ちゃん、内浦をバカにした!!沼津だって、東京に比べたら、内浦と大差ないよ!!」

曜「そ…それはないでしょ!!沼津は高速道路通って…

凛「あーはいはい……どっちも田舎なんだから、もう黙るにゃ」

千歌、曜「なっ…!」

梨子「じゃあ、入るわよー」

千歌「ちょ…まだ決着ついてないんだけど!!」

梨子「はぁ……ついたじゃないの……凛ちゃんが言った通り、どっちも田舎よ……」

千歌、曜「…!?」ガーン!

391: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 17:39:09.22 ID:G6bLkOW+0
千歌「そんな……」

曜「ひどい……」

梨子「はいはい」カランカラーン…

店員「いらっしゃいませー」

店員「何名様でしょうか?」

梨子「あ、人を待たせてるので…」

店員「では、あちらの席のお客様でしょうか?」

梨子「あ、そうです!ありがとうございます」

店員「それでは、ごゆっくりどうぞ」

梨子「はい、…さ、みんな行くわよ」

千歌「うぅ……」

曜「田舎だっていい所あるもん……」

梨子「もう…いつまでいじけてるのよ……別に田舎が悪いなんて言ってないわよ?」

千歌「言ってなくても、思ってるもん……」

曜「絶対見下してるもん……」

梨子「いや…そんな事ないわよ……」

392: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 17:41:41.21 ID:G6bLkOW+0
ことり「?」クルッ…

ことり「あ…!」

ことり「おーい!梨子ちゃーん!」フリフリ

梨子「あ、ことりちゃん!」

千歌「あ…あの子が……ことりちゃん……」

曜「うわぁ~……すごい可愛い……こういうオシャレなカフェにいそう感がすごい……」

千歌「なんか…絵になるね……」

凛「千歌先輩達と違って、ことり先輩は都会的ですからね~」

千歌、曜「…!?」

梨子「もう…凛ちゃんも煽らないの…、ほら、行くわよ?」

千歌「は…はい……」

曜「私達……こんなカフェ来ちゃいけなかったのかも……」

花陽「そんな卑屈にならなくても……」



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