1: 名無しで叶える物語◆OJ9YK4Jh★ 2024/11/04(月) 16:53:00 ID:???00
栞子「ランジュ、カイリューになれませんか?」

ランジュ「やれるだけやってみるラ」

2: 名無しで叶える物語◆OJ9YK4Jh★ 2024/11/04(月) 16:59:56 ID:???00
ランジュ「ふんっふんっ」(カイリューになる為のトレーニングをするランジュ)

ミア「待てよランジュ。本当にカイリューでいいのかい?」

ミア「君は幼い頃からバンギラスになる為に身体を鍛えてきたんだろう? カイリューなんて丸っこいだけのデブになる為じゃない」

ランジュ「いいのよ。栞子のお願いなんだから」

ランジュ「栞子がランジュに何かを頼むなんて初めてだからね、親友として叶えてあげたいじゃない!」

ミア「ふん、そうかい! 勝手にしなよ!」バタンッ

ランジュ「ふんっふんっ」(カイリューになる為のトレーニングをするランジュ)

4: 名無しで叶える物語◆OJ9YK4Jh★ 2024/11/04(月) 17:05:50 ID:???00
ミア「全く……栞子も栞子だ! 急にランジュをカイリューにしようなんて!」

ミア「……」

幼ランジュ『ねぇミア、ランジュは将来バンギラスになるのよ!』

幼ミア『バンギラス……あぁ、Tyranitarか。きみは少々頭がおかしいらしいね。ポケモンなんてこの世にはいないし、人間はポケモンになんてなれやしない』

幼ランジュ『そんなことないわ! 願い続ければ夢は絶対に叶うの! きゃあっ、ランジュったら良いこと言っちゃったわ!』

幼ミア『へぇ……そうかい。なら好きに目指すといいさ、ボクは冷めた目で眺めさせて貰うからさ』

ミア(そうやって昔は馬鹿にしていたっけ。けれど、ランジュの目に……バンギラスを真っ直ぐに目指す彼女の目に、気付けばボクは惹かれていたんだ)

ミア(いつの間にか側で応援するようになって、本当にバンギラスになれればいいなんて思い始めて……)

ミア「……クソッ」

5: 名無しで叶える物語◆OJ9YK4Jh★ 2024/11/04(月) 17:11:43 ID:???00
ミア「栞子のやつ……次に会ったらとっちめてやる!」

彼方「むにゃむにゃ……あれ、ミアちゃん? 怖いこと言ってどうしたの?」

ミア「別に気にしないでいいさ。こっちの問題だ」

彼方「そりゃ無理だよ。同じスクールアイドル同好会の仲間なんだからさー」

彼方「友達の様子がおかしかったら気になるってもんだぜ」

ミア「……友達か」

彼方「ほらほら、こっちおいでー。彼方ちゃんすやぴするからお膝貸してよ」

ミア「膝枕がしてほしいだけじゃないか! ほんの少しだけ心動いたってのに、全く彼方は……」

6: 名無しで叶える物語◆OJ9YK4Jh★ 2024/11/04(月) 17:15:19 ID:???00
彼方「ん、しょっ」ゴロッ

ミア「寝心地はどうだい?」

彼方「細いねぇ。もっとご飯食べなきゃ駄目だよ」

ミア「祖母のようなことを言うね。気に入らないなら膝枕は終わりにしようか?」

彼方「わわっ、駄目駄目! ミアちゃんの膝枕気持ちいいぜー」

ミア「はいはい……」

彼方「それで?」

ミア「……話さなきゃいけないのかい? はっきり言ってくだらない話だよ」

彼方「別に話したくないならいいけどさー。彼方ちゃんはおねーさんだからね、お悩みを解決してあげたいわけだよ」

ミア「……はぁ」

ミア「彼方はポケモンをしたことがあるかい?」

7: 名無しで叶える物語◆OJ9YK4Jh★ 2024/11/04(月) 17:21:35 ID:???00
彼方「ポケモン? 子供の頃はやってたかな」

ミア「あのゲームにバンギラスってポケモンが登場するだろ?」

ミア「ランジュは昔からバンギラスになることを夢見てきたんだ。必死にトレーニングをして、勉強をして、辛いことがあっても歯を食いしばってバンギラスを目指していた」

ミア「そんなランジュのことをボクも応援していたんだ。彼女がバンギラスになれるように……すなおこし用にペットコーナーの砂だって買ってあげたさ」

ミア「そんなランジュに、栞子がカイリューになれと言ったんだ。そんな残酷なことがあるかい? バンギラスというカッコいいポケモンを目指していたのに、あの嫌らしい笑みを浮かべたうすらデブになれなんて!」

ミア「そんな提案は撥ね付けてやればよかったんだ。なのに、ランジュは親友からのお願いだからって……カイリューを目指し始めてしまったんだ」

ミア「カイリューを……」ポロポロ

彼方「そうなんだ……」

彼方「……」

彼方(やっばい……全く意味が分からん)

13: 名無しで叶える物語◆OJ9YK4Jh★ 2024/11/04(月) 17:30:12 ID:???00
彼方(ランジュちゃんはバンギラスを目指してて、今はカイリューを目指すようになった……)

彼方(え? バンギラスもカイリューもポケモンだよね? 現実にいないし、人間が目指したりなるものじゃないよね?)

彼方(そもそもミアちゃんはなんでそれ応援してんの? しかもペットコーナーの砂ってトイレ用のやつだし!)

彼方(け、けど……)

ミア「……」ポロポロ

彼方(ミアちゃん泣いてるし……ほっぺに涙が落ちてるんだぜ……)

彼方(寝たフリしてお茶を濁すことも出来ない雰囲気なんだぜ……悩みを解決してあげたいって言った手前、何の反応もしないのも変な話だし……)

彼方(ゔゔゔ! なんでバンギラスとカイリューなの!?)

彼方「そっか……うん……」

彼方「えっと……そうだね、彼方ちゃんは……うん……えっとね……」

ミア「……やっぱりこんな話をするべきじゃなかったかな」ポロポロ

彼方「あっ、いやいや! そんなこと! えっと、えっとね!!」

彼方「……きっとランジュちゃんはバンギラスになることを諦めてないんじゃないかな?」

ミア「いいや、ランジュは自分で言ったんだ! 栞子の為にカイリューになるって!」

彼方「カイリューになったらバンギラスにはなれない。本当にそうなのかな?」

14: 名無しで叶える物語◆OJ9YK4Jh★ 2024/11/04(月) 17:37:31 ID:???00
彼方「丸っこいドラゴンのカイリューと、ゴツゴツしてて無骨なバンギラスは一見すると別物かもしれない」

彼方「でもね、カイリューになった人間はバンギラスになっちゃいけないなんてルールは無いんだぜ」

ミア「それは……前例がないだけだろ!? カイリューがバンギラスになれるわけがない!」

彼方「だったらランジュちゃんが最初の一人になるんだよ」

彼方「カイリューでもあり、バンギラスでもある! そんな最初の一人に……」

彼方「ミアちゃん、ランジュちゃんともう一回話してみたら?」

ミア「カイリューでもあり、バンギラスでもある……」

ミア「ランジュがそんな存在に……?」

彼方「そうだよ、ガブリアスにもなれるかもしれない。可能性は無限にあるんだから」

ミア「……」ゴシゴシ

ミア「ありがとう、彼方。もう一度ランジュと話してくるよ」

彼方「じゃあ膝枕は終わりだねい。お礼はほっぺにチューでいいよ、なんちゃって」

ミア「そんなものでいいのかい?」チュッ

彼方「ひゃわっ!? か、彼方ちゃんチューされちゃったぜー……」

ミア「いや挨拶みたいなもんだし……とにかく話してくるよ。ありがとう」ダッ

彼方「うん、行ってらっしゃい」フリフリ

彼方「……」ゴロン

彼方(適当ぶち込んでみたけど意外となんとかなるもんだなぁ……)

15: 名無しで叶える物語◆OJ9YK4Jh★ 2024/11/04(月) 17:39:12 ID:???00
その後色々あって栞子とミアは結婚した
ランジュはメタグロスになった

終わり

引用元: 栞子「カイリューはかわいいですね」