少し前、国木田ハウス
 
千歌「じゃあカンパーイ♪」
 
花丸「焼き芋パーティーずらぁ～♪」
 
千歌「って本物じゃなくて″さつまりこ″だよね？ コレ」
 
花丸「季節じゃないからこっちにしたずら～♪」
 
千歌「かしこーい！ あっ、今のは『菓子食い』と『賢い』を掛けたーー」
 
花丸「いや、説明しなくていいよ」
 
千歌「ううっ……まさか花丸ちゃんにまで突っ込まれる日が来ようとは」ｸﾞｽｯ
 
花丸「お役目を果たしただけだよ、ここにいない梨子さんの代わりに」
 
千歌「お役目だったの！？ 梨子ちゃんのツッコミって」
 
花丸「女房役のお役目ずら♡」

千歌「はぁー、梨子ちゃんには今回も迷惑掛けちゃったなぁ」
 
花丸「さっきので思い出しちゃったの？」
 
千歌「いや、そういう訳じゃないけどさ。いっつも『早くしなくちゃ！』って思うたびに、どんどん頭の中がぐちゃぐちゃになってっちゃうし」
 
花丸「大丈夫だよ、千歌ちゃん。今はマルがついてるずら♡」ﾆｺｯ
 
千歌「花丸ちゃん//」ﾎﾟｯ
 
花丸「でも浮気はやめるずら。梨子ちゃんに報告しちゃうよ」
 
千歌「勘弁してよぅ～」

ﾎﾞｰﾝ ﾎﾞｰﾝ ﾎﾞｰﾝ ﾎﾞｰﾝ
 
花丸「四時ずらね」
 
千歌「ってことは、そろそろ梨子ちゃん休憩する頃かな？」
 
花丸「おおーっ、わかるの？」
 
千歌「そりゃあ他ならぬ梨子ちゃんのことだもんっ♡」
 
花丸「まるでストーカーずらぁ♪」
 
千歌「ストーカー言うなあっ！ パートナーと言い直してよっ！」ﾌﾟﾝｽｺ
 
花丸「で、梨子さんも呼ぶの？ 一応さつまりこはまだあるけど」
 
千歌「うん。『一緒に食べよ』ってメール送るよ」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ

ガチャッ
 
花丸祖父「マルや、今日は……おや、お友達が来てたのかい」
 
千歌「おじゃましてます」ﾍﾟｺｯ
 
花丸「しまった、忘れてたずら」
 
千歌「忘れてた、って何を？」
 
花丸「今日はお寺の書庫を掃除する予定だったんだよ」
 
花丸祖父「いやいや、お友達がいるなら寺の者だけでーー」
 
千歌「私にもお手伝いさせて下さい！」
 
花丸「千歌ちゃんっ？」
 
花丸祖父「むむっ！？ 気持ちは嬉しいが、マルの友人に無理をさせるのは」

千歌「いえ、私としても花丸ちゃんにはいつもお世話になっているので、そのお礼をさせて下さい」
 
花丸「千歌ちゃん//」
 
千歌「それに今日だってご馳走になった訳ですし」
 
花丸祖父「おお、そうかい。じゃあお願いしようかのう」
 
千歌「ありがとうございます」ﾍﾟｺｯ
 
花丸祖父「いい友人を持ったのう、マルや」ﾎｯﾎｯ
 
花丸「うんっ♪」

国木田寺、書庫
 
花丸「じゃあこれらを、あっちのハｰ13の棚までお願いね」
 
千歌「ハｰ13ね、オッケー」
 
千歌(少しでもみんなの負担減らしたいし、ここは一気に持ってこっと)ﾖｲｼｮ
 
千歌「えーと、ハｰ13はここかぁ。……ちょっと埃っぽいなぁ」
 
千歌「むっ！？ ふえっ、ふえっ……」
 
千歌「ぶえっくしっ！！」
 
ドンガラガッシャーン☆
 
千歌「うわあぁぁっ！？」
 
花丸「この音……千歌ちゃんっ！？」
 
カッ☆

梨子「お祖父さんが『二人なら書庫の掃除してるよ』って教えてくれたけどーー」
 
花丸「あっ……梨子さん」
 
梨子「花丸ちゃん？ 千歌ちゃんは一緒じゃないの？」
 
花丸「ごめんなさい」ｼｭﾝ
 
梨子「ごめんなさいって……千歌ちゃんに何かあったの？」
 
(･ω･§っ)3 キュー
 
梨子「うん？ 何この子？」
 
花丸「タマザラシずら」
 
梨子「いや、それはわかるけど千歌ちゃんは？」

花丸「この子ずら」
 
(•ω•§っ)3 キュッキューイ♪
 
梨子「またまた冗談を」
 
花丸「千歌ちゃんはまるまるっと丸くなったずら～♪」
 
(^ω^§っ)3 キュイキュイ♪
 
梨子(なんかこの子、花丸ちゃんの言葉に反応して鳴いてるよね？ でも人がポケモンになっちゃうなんて……そんな非現実的なことってあるの？)
 
花丸祖父「きっとこの本の呪いのせいじゃろう」つ禁書
 
梨子「えーと『ナルマン・ジョンソンと呪われし姫君』？」
 
花丸「マルの確認不足だったずら、ごめんなさい」ﾍﾟｺｯ

(´ω`§っ)3 キュンキュン
 
花丸「えっ、『マルは悪くないよ』って？」
 
(;ω;§っ)3 キューキュキュキュッ、キューン
 
花丸「『私が無理して一度に全部持ってこうとしたからだよ、ごめんなさい』って？」
 
梨子「花丸ちゃん、その子が何を言ってるのかわかるの？」
 
花丸「うん。沼津育ちならアザラシ語は一般教養ずら」
 
梨子「ええー、つまりわたし以外みんなこの子とおしゃべりできるってこと！？」
 
花丸祖父「そうじゃの」ﾎｯﾎｯ
 
梨子(何この疎外感)

(•ω•§っ)3 キュキュンキュンキュッ、キュッキュキュー！
 
花丸「ほえ～それは初耳だなぁ」
 
梨子「今度は何て言ったの？」
 
花丸「『果南ちゃんはペンギン語、カモメ語、イルカ語、クジラ語、シロクマ語もわかるバイリンガルなんだよ』だって」

花丸祖父「さすが松浦さんちのお孫さんじゃのう」ﾎｯﾎｯ
 
梨子「へ、へぇー」
 
梨子(……もうついてけないよぅ)

梨子ちゃんルーム
 
梨子(とりあえず志満さんと美渡さんには「今日はウチに泊まります」って伝えたから、一日くらいならどうにかなるとして)
 
梨子(花丸ちゃんが呪いを解く方法を調べてくれてる以上、信じるしかないよね)
 
梨子「ってすっかり受け入れちゃってるわね、わたし。千歌ちゃんがタマザラシになったって」ﾊｧ
 
(^ω^§っ)3 キュッキュー
 
梨子「しかも当人……いや当タマザラシ？ は全然気にしてないし」
 
ギュルルルー
 
(//ω//§っ)3 キュウーン//
 
梨子「あっ、お腹空いたのね？ ちょっと待ってて」

梨子「はい、あ～ん♡」つめざし
 
(^ω^§っ)3 キューイ♪ ﾊﾑｯ
 
梨子「うぅ～ん// かわいい～♡」ｷｭﾝｯ
 
(//ω//§っ)3 キュウ～ン♡
 
梨子「ふふっ、もうこのままの方がいいかもね」ﾆｺｯ
 
(`ω´＃§っ)3 キュッキュ！ ﾌﾟﾝｽｺ
 
梨子「あら、何か不満なの？」

(•ω•§っ)3 キュキュキュンキュ！ ﾕﾋﾞｻｼ
 
梨子「えーと『わたしと』？」
 
(=ω=§っ)3 キュルリ～ン♪ ｸﾙﾝｯ
 
梨子「歌って、踊って……つまり『スクールアイドル』？」
 
||^.- ^||っ)3 キュッキューキュキュキュッ！
 
梨子「ううん、『ブッブーですわ』？」
 
(^ω^§っ)3 キュンキュン♪ ｳﾅﾂﾞｷ
 
梨子「つまりまとめると『わたしと一緒にスクールアイドル活動ができないのは嫌！』ってこと？」
 
(^ω^§っ)3 キュンキューン！ ｳﾝｳﾝ
 
梨子「もちろん、わたしもそれは嫌だよ」ﾆｺｯ
 
梨子(それにメンバーにポケモンがいるスクールアイドルなんてのも前代未聞だし)

(•ω•§っ)3 キュキュキュッ
 
梨子「……でも？」
 
(=ω=§っ)3 キュ～キュイキュ～イ♪
 
梨子「『勉強しないでゴロ寝してられるからバンザーイ♪』って？」ﾌﾞﾁｯ
 
(•ω•;§っ)3 キュッ！？
 
梨子「ちーかーちゃーん」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ
 
(;ω;§っ)3 キューッ……
 
梨子「まったく、千歌ちゃんがこのままだとみんな困るんだからね」ﾊｧ
 
梨子(あれ？ なんか千歌ちゃんが言いたいこと、だいたい理解できてるよね、わたし)


梨子「でもせっかくポケモンがいるのなら……」
 
(•ω•§っ)3 キュッ？
 
梨子「バトルもやってみたいなぁ～」
 
Σ(°ω°;§っ)3 キュイッ！？

回想
 
梨子「いくのよっ、千歌ちゃんっ！」
 
(•ω•´§っ)3 キュイーッ！ ﾌﾝｽｯ
 
鞠莉「ピカチュウ、ゴー！」
 
▼o･ｪ･o▼ ピッカー☆
 
花丸「試合開始ずらっ！」
 
梨子「千歌ちゃん、れいとうビーム！」
 
⊂二二(•ω•´§っ)3 キュイーッ！ ﾋﾞﾋﾞﾋﾞ
 
鞠莉「かわして10まんボルト！」
 
▼o`•ｪ•´o▼ ピィーカァーチュー！ ﾋﾞﾘﾋﾞﾘ
 
(>ω<§っ)3 キュキュキュンキュー！？ ﾊﾞﾀｯ
 
梨子「やーなかーんじー☆」
 
花丸「タマザラシ戦闘不能、ピカチュウの勝ちずらっ！」ﾋﾞｼｯ

http://q2.upup.be/f/r/81zzZGdlng.jpg
http://q2.upup.be/f/r/gckugD3uES.jpg

回想終了
 
(•ω•`§っ)3 キュウ～ン……
 
梨子「なんか今になってプラズマ団の『ポケモンを人間から解放する』って言い分も一理ある、って思えてきたわ」
 
(;ω;§っ)3 キューキュー ｲﾔｲﾔ
 
梨子「えっ？ 『わたしと引き離されるのは嫌だよぅ』って？」
 
(;ω;§っ)3 キューッ ｸﾞｽﾝｯ
 
梨子「ごめん、千歌ちゃん。わたしだって嫌だよ、そんなこと」ﾀﾞｷｯ
 
(//ω//§っ)3 キュウ～ン♡
 
梨子「となれば……ちょっとわたしなりに呪いを解く方法、調べてみなくちゃっ！」

梨子「えーと『ナルマン・ジョンソンと呪われし姫君』だよね？」ｶﾀｶﾀ……ｯﾀ-ﾝ!!
 
梨子「なになに？『魔女の呪いによってタマザラシにされた姫君は、ナルマン王子から「ボクは君の心も含めて好きになったんだよ」と告白された』と」
 
梨子「で『最後は彼と幸せな口づけを交わして人間の姿に戻り、二人は婚姻を結んだ』と。よくあるおとぎ話ね」
 
梨子「つまり、わたしが千歌ちゃんとキスしたら、千歌ちゃんも人間に戻る可能性があるってこと？ でも……」
 
花丸『うかつなことはしちゃ駄目だよ、梨子さん。呪いの中には他人に伝染する性質を持ったものもあるずら』
 
梨子「って花丸ちゃんも忠告してくれたし」
 
(ｰωｰ§っ)3 キュ～キュ～ Zzz
 
梨子「まったく、人の気も知らないで」ﾊｧ
 
梨子「それにキスするにしても、二人のファーストキスになるんだからもっとロマンチックな雰囲気でないと！」
 
梨子「まあキスは花丸ちゃんが駄目だった際の最終手段、ってことで」
 
梨子「おやすみ、千歌ちゃん♡」ﾀﾞｷｯ

http://q2.upup.be/f/r/enJNpSM848.jpg

翌朝
 
花丸「呪いを解く方法が見つかったずらよ、梨子さん！」
 
梨子ママ「」ﾌﾞｸﾌﾞｸ
 
花丸「おばさんっ！？ もしかして……」
 
ﾒ;ω;ﾘっ)3 キュ～ン(なんでわたしまでタマザラシになってるのーっ！？)
 
(^ω^§っ)3 キュッキュキュ～♡(あっ梨子ちゃんもタマザラシになったんだ、お揃いだね～♡)
 
花丸「はぁーっ、まさか梨子さん、アレ試したんじゃーー」
 
ﾒｰωｰ;ﾘっ)3 キュッキュー！(してないから！ しようかと思ったけどしてないから！)
 
(//ω//§っ)3 キュッキュキューン//(梨子ちゃんがだっこしてくれたから、寝ボケてちゅーしたのかも//)

http://q2.upup.be/f/r/pt243Btv1U.jpg

花丸「……どっちにしろ三日で自然に解けるみたいだし、GWだったのが不幸中の幸いだったずら」
 
(^ω^§っ)3 キュ～ンキュッキュー♪(へぇ、そうなんだ。じゃあ問題ないねっ♪)
 
ﾒ;ω;ﾘっ)3 キュ～ンキュ～ン(問題あるわよっ！ まだ作曲終わってないのにー、千歌ちゃんとデートだってしたいのにー)ｸﾞｽｯ
 
(^ω^§っ)3 キュッキュキューイ♪(お互いタマザラシなんだし、このままゴロゴロしてようよっ♪)
 
ﾒ`ω´＃ﾘっ)3 キュッキュ！(よくないわよっ！)ﾌﾟﾝｽｺ
 
花丸「やれやれ、タマザラシになっても千歌ちゃんも梨子さんも相変わらずずらねぇ～」ﾆｺﾆｺ