1: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/08(火) 04:26:45.875 ID:3nGmxsGi0.net
ヴィーネ「サターニャに勝ちたいからサターニャについて知りたい…か…」

タプリス「はい…」

ヴィーネ「知って後悔するかもしれないわよ…?」

タプリス「覚悟の上です…。天真先輩を堕とした大悪魔…。その秘密を知りたいんです…」

ヴィーネ「覚悟してる…ね…。わかったわ…。私についてきて…」

二人は夜の街へと姿を消した…

5: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/08(火) 04:29:29.426 ID:3nGmxsGi0.net
タプリス「ここは…?飲食店ですか…?」

ヴィーネ「このお店ではとても恐ろしい物を出すの…。でも、サターニャはそれを恐れる事無く完全に攻略したわ…」

タプリス「恐ろしい物…?そ、それは一体…」

no title


タプリス「うっ…何ですかこれは…。見るからに危険な色をしていますが…?」

ヴィーネ「これは動物の骨を煮込んで抽出した汁に麺を入れた料理よ…。しかも茹で卵は半煮えっていうね…」

タプリス「ひぃっ…半煮えの卵だなんて確実にお腹を壊す案件じゃないですか…」

ヴィーネ「人間界…それも日本という国では卵を生で食べれるの…。徹底した衛生管理などによってね…。安全だと言われてもなお私たち悪魔や天使は忌避感に抗えない…」

タプリス「動物の骨を煮込んだ野蛮な料理というだけではなく…半煮えの卵すら恐れる事無く食べた胡桃沢先輩…」

ヴィーネ「すごいでしょう…?普通こんな臭いものは食べれないわよ…。タプちゃん、貴女にこれが食べられて…?」

タプリス「や…やってやるです…!」

8: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/08(火) 04:32:26.056 ID:3nGmxsGi0.net
翌日…

ヴィーネ「人は平気で嘘をつく…。だけどサターニャは行動で示す…」

タプリス「どういう事ですか…?」

ヴィーネ「本当はあいつには負けていない…俺は本気を出していないだけ…明日から本気を出す…。人は色んな言い訳をして毎日を生きているわ…。何もせず…諦めながら…。でもサターニャは違う…」

タプリス「…」

ヴィーネ「天界主席のエリート天使のガヴリール…。本来であればサターニャが決して敵うはずもない相手よ…。普通の悪魔なら敵対しようとすら思わない…。でもサターニャは諦める事無く毎日のように挑み続ける…。誰よりも自分を信じて努力し続けている…」

タプリス「さすがは胡桃沢先輩…。誰にでもできる事じゃないです…」

ヴィーネ「ついてきて…」

二人は夜の街へと姿を消した…

10: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/08(火) 04:34:08.075 ID:3nGmxsGi0.net
タプリス「ここは…?ずいぶんと刺激的な香りがしますが…」

ヴィーネ「この店ではとても辛い物を出すの…。でもサターニャは顔色ひとつ変えないで完食したわ…。これがそうよ…」

no title


タプリス「ひぇっ…このカレー…ほぼ生の目玉焼きが乗っています…」

ヴィーネ「怖がらないで…。この程度の恐怖を乗り越えられなきゃサターニャ越えは遠いわよ…」

タプリス「は、はい…!」

ヴィーネ「うんこのカレー美味しい…♪」

タプリス「汗をかきながらとはいえ…このカレーを平然と食べている…!?わ…私も負けていられません…!」

12: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/08(火) 04:38:11.411 ID:3nGmxsGi0.net
翌日…

ヴィーネ「1+1は2じゃない…」

タプリス「どういう事ですか…?」

ヴィーネ「1+1で200だ…10倍だぞ10倍…。サターニャが犬を拾ってきて家族になった時に言った言葉よ…」

タプリス「どういう意味が…?」

ヴィーネ「人はひとりじゃ生きられない…。他の存在と寄り添い一緒に生きる事で喜びや楽しみは無限大になる…。そう言いたかったんだと思う…」

タプリス「無限の愛…。さすがは胡桃沢先輩…。悪魔でありながら愛の神髄にたどり着いているとは…」

ヴィーネ「本当に怖い悪魔ってのは愛も憎悪も知り尽くしている…だから怖い…」

タプリス「ごくり…」

ヴィーネ「ついてきて…」

二人は夜の街へと姿を消した…

15: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/08(火) 04:42:38.758 ID:3nGmxsGi0.net
タプリス「ここは…?ずいぶんと体格の良い人たちが多いですけれど…」

ヴィーネ「この店ではとても臭くて危険な物を出すの…。だけどサターニャはまったく動じる事無く完食したわ…。タプちゃんにはまだ少し早いかもしれないけれど…。でも…」

タプリス「うぅ…」

ヴィーネ「大丈夫…。タプちゃんならいけるわ…。ファイト…」

no title


タプリス「こ…これは…ニンニクの芽…!?しかもニンニクを使用したキムチまで…!」

ヴィーネ「そう…知っての通りニンニクには地球最強の殺菌作用があって…それは人間が作り出したどんな抗生物質よりも強い…。草をモリモリ食べる草食動物もニンニクの新芽だけは絶対に食べない…」

タプリス「だったら何で…!」

ヴィーネ「人はそれを加熱したり発酵させたりして食べる方法を模索し続けてきた…。そして食べて平気な量をも学んだ…。大丈夫…食べても毒ではないわ…」

タプリス「で…でも…さすがにこの臭いは…」

ヴィーネ「サターニャが既に通った道よ…」

タプリス「…!?」

ヴィーネ「大丈夫…。大丈夫ったら大丈夫…。それは絶対よ…。歴史とか…証明してるし…」

タプリス「信じますよ…月乃瀬先輩…!」

ヴィーネ「ええ…!」

タプリス「だから半分は月乃瀬先輩が食べて下さいね…」

ヴィーネ「ええー…」

16: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/08(火) 04:43:55.203 ID:3nGmxsGi0.net
間違えた

19: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/08(火) 04:46:22.366 ID:3nGmxsGi0.net
改め↓

タプリス「ここは…?ずいぶんと体格の良い人たちが多いですけれど…」

ヴィーネ「この店ではとても臭くて危険な物を出すの…。だけどサターニャはまったく動じる事無く完食したわ…。タプちゃんにはまだ少し早いかもしれないけれど…。でも…」

タプリス「うぅ…」

ヴィーネ「大丈夫…。タプちゃんならいけるわ…。ファイト…」

no title


タプリス「こ…これは…ニンニクの芽…!?しかもニンニクを使用したキムチまで…!」

ヴィーネ「そう…知っての通りニンニクには地球最強の殺菌作用があって…それは人間が作り出したどんな抗生物質よりも強い…。草をモリモリ食べる草食動物もニンニクの新芽だけは絶対に食べない…」

タプリス「だったら何で…!毒に毒が合わさって最強になってるじゃないですか…!それに臭いだってニンニクの芽にキムチという相乗効果で10倍ですよ、10倍…!」

ヴィーネ「人はそれを加熱したり発酵させたりして食べる方法を模索し続けてきた…。そして食べて平気な量をも学んだ…。大丈夫…食べても毒ではないわ…」

タプリス「で…でも…さすがにこの臭いは…」

ヴィーネ「サターニャが既に通った道よ…」

タプリス「…!?」

ヴィーネ「大丈夫…。大丈夫ったら大丈夫…。それは絶対よ…。歴史とか…証明してるし…」

タプリス「信じますよ…月乃瀬先輩…!」

ヴィーネ「ええ…!」

タプリス「だから半分は月乃瀬先輩が食べて下さいね…」

ヴィーネ「ええー…」

21: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/08(火) 04:47:41.025 ID:3nGmxsGi0.net
あくる日…

ヴィーネ「本当に大事な物ってのはね…持ってる人より持ってない人の方が知ってるものなの…」

タプリス「胡桃沢先輩の事ですか…?」

ヴィーネ「ガヴの事よ…。ガヴは人間界で本当に大事な物が何かを知った…。今のガヴは天界にいた頃よりもダメな天使に見えるかもしれない…。だけど…本当に大事な物を知っている者は強いわよ…」

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タプリス「ごくり…」

ヴィーネ「ついてきて…」

二人は夜の街へと姿を消した…

25: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/08(火) 04:50:41.328 ID:3nGmxsGi0.net
タプリス「ここは…?甘い香りが漂ってきますけれど…」

ヴィーネ「人間界にはたこ焼きという食べ物があるの…。生地を球形にして一口サイズにして焼いた物で中にはタコが入っているっていうね…」

タプリス「ふむふむ…」

ヴィーネ「ふふ、じゃあたい焼きには何が入ってると思う…?」

タプリス「ま…まさか…!?」

ヴィーネ「その答えがここでわかるわ…。すみませーん二つくださーい…」

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タプリス「ふぇぇ…何も入ってないです…」

ヴィーネ「ふぇぇ…何でぇ…?」

28: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/08(火) 04:52:40.352 ID:3nGmxsGi0.net
別の日…

ヴィーネ「勝負を決めるのはゴール前とは限らない…」

タプリス「どういう意味ですか…?」

ヴィーネ「これを見てちょうだい…」

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タプリス「こ…これは…胡桃沢先輩が惨めな恰好にされて屈辱に震えています…!」

ヴィーネ「そう見えるでしょうね…。でも真実は違うわ…!」

タプリス「えっ…?」

ヴィーネ「ラフィエルによってトナカイの格好にされて地に伏す事になったサターニャ…。でもその視線の先には…?」

タプリス「あっ…///」

ヴィーネ「実質的勝者は圧倒的にサターニャよ…。このように勝負の世界というのは別視点からでは全く違って見えるの…」

タプリス「奥が深いです…」

ヴィーネ「ついてきて…」

二人は夜の街へと姿を消した…

29: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/08(火) 04:55:13.756 ID:3nGmxsGi0.net
タプリス「ここは知っています…。お寿司が回るお店です…」

ヴィーネ「その通りよ…。でも油断しちゃダメよ…。その黒いボタンを押すとお湯が出てくるけれど手を洗ったりできる温度じゃないから…」

タプリス「注意書きがあるから大丈夫ですよ…。でも…もしこれが読めなかったら大変な事になりますね…」

ヴィーネ「その通りよ…。だからサタ…」

タプリス「何か言いましたか…?」

ヴィーネ「ううん…何でもないわ…。今日は私のおごりだから何でも好きな物を食べてちょうだい…」

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タプリス「えへへ…綺麗なお皿のを取っちゃいました…♪とっても美味しそうです…!」

ヴィーネ「綺麗なお皿…。そ…そうね…遠慮はいらないわ…うん…」

タプリス「ぱくっ…」

ヴィーネ「美味しいわよね…。うん…わかる…。不味いわけがないもの…。食べるまでもなくわかるわ…」

タプリス「ふぇぇ…何か辛いのが入ってまふぅ…」

ヴィーネ「意外…それはワサビ…!?ネタの下に入ってるから気付かなかったのね…。ごめん…言い忘れたわ…」

タプリス「ふぇぇ…」

31: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/08(火) 04:58:28.500 ID:3nGmxsGi0.net
とある日…

ヴィーネ「恋は女を変える…」

タプリス「恋…ですか…?」

ヴィーネ「これを見てちょうだい…」

no title


タプリス「これは天真先輩の生写真…!カワイイ…尊い…」

ヴィーネ「ガヴはサターニャと触れ合うようになって変わったわ…」

タプリス「も…もしかして天真先輩が恋を…!?確かにこの写真の天真先輩…天界ではお目にかかれない姿…!恋の相手は胡桃沢先輩ですか…!?」

ヴィーネ「さて…ね…」

タプリス「それが事実だとしたらゆゆしき事態ですよ…」

ヴィーネ「ついてきて…」

二人は夜の住宅街へと姿を消した…

32: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/08(火) 05:07:23.179 ID:3nGmxsGi0.net
タプリス「ここは天真先輩のお宅ですね…」

ヴィーネ「ごめんくださーい…。ガヴー…居るー…?」

ガチャリ

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サターニャ「何だヴィネットじゃない。ちびっこ天使も一緒なのね。どうしたのよこんな時間に?」

ガヴリール「おー、タプリスも。まあ二人とも上がれよ」

タプリス「ちびっこじゃないですけど…。上がらせてもらいますけど…」

ヴィーネ「あら…?ガヴの家…ちゃんと掃除されてるわね…」

サターニャ「まあね。ガヴリールがだらしないから私がね」

タプリス「洗面所には歯ブラシもコップも二人分あるです…。もしかして二人は…」

ガヴリール「そ、それは…///」

サターニャ「ち、違うのよそれは…来客用っていうか…///」

ガヴリール「おいバカ!普通は客には新品を出すだろ!」

サターニャ「あっ…しまった!」

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ヴィーネ(あー…これ完全に同棲してるわ…)

タプリス(これは同棲してますね…。天使を堕とすとはこういう事だったんですね…)

ガヴリール「げっ、私のパソコンが変な事になってる!?」

サターニャ「あ、私がhao123って奴を入れておいたわよ。何かオススメされてたから。あとbabylonとかいう奴とかも一緒にね」

タプリス(胡桃沢先輩はやっぱり恐ろしい悪魔です…)

第一話 ガヴリール「小悪魔カノジョ ~押しかけ悪魔の夜の個人授業~」
おしまい

引用元: ヴィーネ「天使の実験で頭の中掻き回されてね。それからよ…。特に味覚がね、駄目なの」タプリス「胡桃沢先輩にそんな過去が…」