0001以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 21:27:26.585ID:CwwwvT2P0
蘭「え……?」
コナン「幼馴染みで同級生の毛利蘭と……遊園地へ遊びに行って……」
コナン「黒ずくめの男の……怪しげな取引現場を目撃した……」
蘭「こ、コナンくん……?」
コナン「……Zzz」
蘭「……」
コナン「取引を見るのに夢中になっていた俺は――」
蘭「!」
コナン「……背後から近付いてくるもう一人の仲間に気づかなかった……俺はその男に毒薬を飲まされ……」
蘭「ど、毒……!?」
コナン「目が……覚めたら……」
蘭「……」
コナン「……」
蘭「……め、目が覚めたら……?」
コナン「身体が縮んでしまっていた!!!」
蘭「!!?」
0009以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 21:31:27.161ID:CwwwvT2P0
蘭「コナンくん、本当は起きてるんでしょう? もう、悪い冗談はやめて――」
コナン「…………Zzz」
蘭(ううん、間違いなく寝てる……じゃあ、今のは冗談なんかじゃない……? でも、なんで)
コナン「工藤新一が生きていると奴らにバレたら、また命が狙われ、周りの人間にも危害が及ぶ……」
蘭「!」
コナン「阿笠博士の助言で正体を隠すことにした俺は……蘭に名前を聞かれて……咄嗟に」
蘭「……」
コナン「……」
蘭「……」
コナン「江戸川コナン!!!」
蘭「!!!」
コナン「と名乗り……やつらの情報を掴むために、父親が探偵をやっている蘭の家に転がりこんだ……」
蘭「……!!!」
蘭(やっぱり……間違いない! コナンくんが新一……! 新一なんだ……!)
コナン「……Zzz」
0012以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 21:35:24.698ID:CwwwvT2P0
蘭(そんな……コナンくんが新一だなんて……し、信じられない……)
フラッ
蘭「きゃっ」
ドタン
コナン「んっ!?」
ガバッ
コナン「ど、どうしたの蘭ねえちゃん!」
蘭「え? あ、ううん。ちょっとよろけちゃって……なんでもないの」
コナン「大丈夫? ケガしてない?」
蘭「大丈夫。大丈夫だから……」
コナン「そう? ならいいけど……。えへへ、僕また事務所のソファで寝ちゃったよ」
蘭「……」
コナン「ら、蘭ねえちゃん? 本当に大丈夫?」
蘭「だ、大丈夫だから! 今は放っておいて……ごめん」
コナン「う、うん」
0013以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 21:38:18.642ID:CwwwvT2P0
―――
蘭「……はぁ」
園子「ちょっと蘭。どうしたのよ、溜息なんかついちゃって」
蘭「実は……気になることがあってね」
園子「気になること?」
蘭「うん。なんて言ったらいいか……コナンくんのことなんだけど」
園子「眼鏡のガキンチョがどうかしたの?」
蘭「凄い寝言を言ってて……それで、その内容が突拍子もないというか」
園子「ああ、子供の寝言ね。なんかストレスが原因だって聞いたことがある」
蘭「そうなの……!?」
園子「うん。子供は寝言が病気のサインだとかなんとか、テレビで言ってたよ」
園子「あのガキンチョ、ああ見えて繊細なのかもね」
蘭(コナンくんがストレス……? そうか。精神的に参ってて、妄想を呟いてるだけなのかも……)
園子「心配なら、その寝言の様子を動画で撮影してさ、誰かに相談してみなよ」
0016以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 21:41:38.460ID:CwwwvT2P0
―――
コナン「……はぁ」
灰原「どうしたの? 今日はやけに元気が無いわね」
コナン「いや、ちょっと蘭がな……」
灰原「なぁに? 夫婦喧嘩でもした?」
コナン「んなんじゃねーよ。ただ……アイツの様子が少し変なんだ」
灰原「変?」
コナン「俺に対してガードが固くなったっつーか……警戒心? みたいなもんを感じるんだよ」
灰原「その『俺』は『工藤くん』でいいのかしら。それとも『江戸川くん』?」
コナン「こっちの姿の方だ」
灰原「そう……小学生相手に警戒するなんて……ひょっとして、正体がバレたとか」
コナン「お、おいおい! やめてくれよ。俺がそんなヘマするわけねーだろ?」
灰原「そうかしら。アナタ、案外抜けてるとこがあるじゃない。もしかして、寝言で言っちゃたとか……」
灰原「『俺は工藤新一だー』……なんてね」
コナン「バーロー。んなことあってたまるかってんだ」
0018以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 21:44:12.714ID:CwwwvT2P0
―――
蘭「ただいまー」
コナン「……Zzz」
蘭「あ、コナンくん、またソファで居眠りして」
コナン「……」
蘭「……」
コナン「……ところで」
蘭「え?」
コナン「……」
蘭「……? こ、コナンくん?」
コナン「……Zzz」
蘭「……気のせい、かな」
コナン「ところで」
蘭「!?」
コナン「ところで、俺の正体を知っている者が、博士の他にもいる……」
0023以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 21:47:25.015ID:CwwwvT2P0
蘭「また寝言……! あ、そうだカメラ……!」
蘭「ケータイで動画を撮っておかないと」
ピロリン
コナン「俺の父さんと母さん……西の高校生探偵、服部平次……それに……」
蘭「……」
コナン「……それに……同じ小学校に通っている、灰原哀だ……」
コナン「本名は宮野志保」
コナン「彼女は……姉の宮野明美と共に黒ずくめの男の仲間だったが、宮野明美は組織により殺害され」
コナン「そのことに反発した灰原が組織から逃げ出す際……俺が飲まされたのと同じ薬を飲んで……」
コナン「身体が縮んでしまった……」
コナン「……Zzz」
蘭「……ふむ」
蘭(やっぱり、とんでもない妄言……哀ちゃんも身体が縮んだなんて、どうしてそんなこと空想してるんだろう)
蘭(ストレスの原因を調べないと……両親と離れて暮らしてるから、ホームシックになっちゃってるのかな……)
蘭(それとも、学校で何かあったとか……哀ちゃんが関係してるのかも。寝言にも出てきてるし……)
蘭「ううん、悩んでいても仕方がない。聞いて確かめてみないと……!」
0024以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 21:50:21.262ID:CwwwvT2P0
―――
<宮野明美は組織により殺害され、そのことに反発した灰原が組織から逃げ出す際、俺が飲まされたのと同じ薬を――
灰原「」
博士「」
蘭「コナンくんがこんな寝言を言ってるんだけど、心当たりはないかな。学校で何か――」
灰原「」
蘭「……? 哀ちゃん? 大丈夫? 顔色が……」
灰原「デ」
蘭「で?」
灰原「デタラメだわ!!!」
蘭「えっ」
灰原「こ、こんな話、信じちゃ駄目よ! あり得ない! 江戸川くん、頭が沸いてるんだわ!」
博士「こ、コレコレ、哀くん。なにもそこまで言わんでも……」
0030以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 21:54:12.679ID:CwwwvT2P0
灰原「ごめんなさい……少し、取り乱したわ……」
蘭「う、うん」
灰原「それで、学校での江戸川くんだったかしら? 別に、至って普通よ。いつも通りの様子だったと思うけど」
蘭「そっか……」
博士「コナンくんは芯が強いからのぉ。そう簡単にはへこたれんじゃろう」
蘭「私もそう思うけど……でも現に、こうして」
カチッ
<彼女は姉の宮野明美と共に黒ずくめの男の仲間だったが、宮野明美は――
灰原「それ止めて!!!」
蘭「きゃっ」
博士「お、落ち着くんじゃ」
灰原「フーフー」
博士「と、とにかくそれはデタラメじゃな。哀くんの言った通り」
0034以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 21:57:33.899ID:CwwwvT2P0
蘭「でも……だったらどうして、こんなに具体的で、説明的な嘘をつくのかしら……」
蘭「いくら寝言だからって、変よ。博士もそう思うでしょう?」
博士「た、たしかに、そう思うが……のう、哀くん」
灰原「え? ええ、そうね……江戸川くんは、夢の中で……言ってるつもりなんでしょうね」
灰原「その……さっきのバカバカしくて聞くに堪えないような虚言を」
蘭「どうして……?」
灰原「さあ……」
博士「あ、アレじゃないか!? ほれ、最近の小学生はユーチューバーに憧れとるんじゃろう!?」
蘭「ユーチューバー? コナンくんが?」
博士「そうじゃ。ユーチューバーはアホらしい言動を世界へ発信して再生数を稼ぐと皆が言っとったわい」
博士「コナンくんもユーチューバーになりたいんじゃ。だからそんなアホなことしとるんじゃ。そうに違いない」
蘭「そっか……コナンくん、ユーチューバーに……」
博士「だから、蘭くんもあまり気にせん方がいい」
灰原「そうね。ユーチューバーを目指しているかはともかくとして、博士の言うとおり、真に受けることないわ」
0036以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 22:00:14.704ID:CwwwvT2P0
―――
蘭「ただいまー」
コナン「……Zzz」
蘭(コナンくん、まだ寝てる……)
コナン「……」
蘭(穏やか寝顔……やっぱり、ストレスなんて関係ないのかな)
蘭(私の思い過ごしで、夢の中でユーチューバーの予行演習をしてるだけなら、それでいいんだけど……)
ガチャ
園子「らーん」
蘭「あれ、園子どうしたの?」
園子「今日言ってたでしょ? そこのガキンチョが寝言をどうとか。気になってさ、様子見にきた」
蘭「ああ、コナンくんの寝言のことなんだけど……ユーチューバーになりたいらしくて」
園子「ユーチューバー?」
0041以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 22:03:31.108ID:CwwwvT2P0
園子「へー! 変わったガキンチョだと思ってたけど、案外流行りに乗りやすいんだ」
園子「ユーチューバーに憧れるなんて、しっかり現代っ子じゃん」
蘭「うん。ストレスが原因じゃないみたいで、ちょっと安心した」
園子「あ! だったらさ、ガキンチョの寝言を撮影して、蘭がアップしちゃいなよ!」
蘭「私が?」
園子「ユーチューバー目指してるんでしょ? だったら喜ぶんじゃない?」
蘭「そっか……やってみようかな」
園子「やってみなって」
コナン「んー……謎に包まれた黒ずくめの組織……」
園子「ほらっ、ちょうど寝言を言い出したよ! 蘭! カメラカメラ!」
蘭「う、うん!」
ピロリン
コナン「謎に包まれた黒ずくめの組織……」
2018/05/13(日) 22:06:10.514ID:CwwwvT2P0
『【衝撃】居候の男の子の寝言を撮影したら凄かった。』
karate_horn
居候の男の子の寝言を撮影しました。具体的なうえに説明口調で妙に真実味がある(笑)
コナン「分かっているのは、そのコードネームが酒にちなんだ名であることぐらいだ……」
コナン「そんな奴らの正体を暴くため、自ら組織の一員となった潜入捜査官たちがいる……」
コナン「中央情報局CIAの諜報員キールこと水無怜奈……」
コナン「警察庁警備企画課、通称ゼロに所属するバーボンこと安室透だ……」
コナン「更に別の立場から、密かに黒ずくめを追う連邦捜査局FBI……」
コナン「ジェイムズ・ブラック……アンドレ・キャメル……ジョディ・スターリング……」
コナン「そして、赤井秀一。FBIきっての切れ者で、狙撃の名手だが……」
コナン「どうやら安室との間には、ただならぬ因縁があるようだ……」
0052以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 22:11:10.542ID:CwwwvT2P0
ウォッカ「兄貴! この動画!」
ジン「おい、今一瞬、窓ガラスが映ったな。文字が書かれていたが……見覚えがある……」
ジン「毛利探偵事務所か……? やはり奴は……」
ウォッカ「そ、それよりも、うちの組織、潜入捜査官多すぎやしませんか! 兄貴!」
ウォッカ「キールもバーボンも白だったって話じゃないですか! なのに、こりゃいったい……!」
ジン「フッ……簡単な話だ。直接聞けばいい……情報の発信元からな」
―――
安室「……! この動画……! どう見てもコナンくんだし、探偵事務所じゃないか……!」
―――
赤井「認めたくないものだな……若さゆえの過ちに自分自身が巻き込まれるというものを……」
0059以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 22:14:56.405ID:CwwwvT2P0
―――
園子「そういや蘭。どうだった?」
蘭「どうって?」
園子「昨日アップした動画に決まってるじゃん。コメントとかついたの?」
蘭「ああ、ごめん。そういうのよく分からなくて……」
園子「いいよ。私のスマホで見てみるから。えーっと……カラテ、ホーン……」
園子「あっ! すごい! 見て、蘭! ほら、もうコメント来てる」
蘭「ホント? コナンくん、教えたら喜ぶかな」
園子「まだガキンチョに言ってないんだっけ。寝言をアップしたこと」
蘭「うん。今日帰ったらこの動画を見せて、驚かせてあげようと思って」
園子「サプライズってわけね。……で? コメントはどんな感じよ」
蘭「えーっと……」
Zero the Enforcer 45分前
どうしてこんなことするの?
RedSniper 50分前
ほんとやめて……
0064以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 22:18:14.204ID:CwwwvT2P0
Vermouth 50分前
↓成仏してください
Pisco 50分前
これは事実だわ
その筋の人間だから分かる
Gin 1時間前
チャンネル登録しました!
貴重な情報、ありがとうございますm(__)m
Rum 3時間前
こマ?
SEYAKATE 5時間前
あかんて工藤……! あかんて……!
蘭「賛否両論……かな」
園子「ホントだ……。まあ初めての動画ならこんなもんでしょ」
蘭「うん」
0076以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 22:21:24.005ID:CwwwvT2P0
―――
コナン「ただいまー。なんだ、おっちゃんまた出かけてるのか? 鍵もかけねえで、不用心だな……」
コナン「ふぁぁ~。やることもねーし、蘭が帰ってくるまで昼寝でもすっか」
ゴロン
ジン「おい」
コナン「あん?」
ジン「……」
ウォッカ「……」
コナン「……おお?」
ジン「あの動画に映っていたガキはお前だな。毛利小五郎がいねえようだが、留守か? それとも、身を隠したか」
ジン「動画でお前が言っていたこと……調べ上げたのは毛利小五郎か? 全ての質問に答えろ」
コナン「……」
ジン「……」
ウォッカ「……」
コナン「……」
コナン(なんだこれ……夢か……? ソファに横たわった瞬間に寝たのか? 俺は)
0082以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 22:25:19.642ID:CwwwvT2P0
コナン(なんでこんなとこにふたりが居んだよ……ありえねえだろ……動画? なんのことだ?)
コナン(おっちゃんに対する組織の疑念は晴れたはずだ。今更やつらが探偵事務所を狙う理由は無い……)
コナン「……フッ」
コナン(辻褄が合わねえってことは、間違いねえ。こりゃ夢だな。……夢なら、何をしてもいいってことになる)
コナン「よーし……! おいジン!」
ジン「……! てめえ、俺の名前を……!?」
コナン「ああ知ってるさ……お前のこともな! ウォッカ!」
ウォッカ「!!!」
コナン「バーロ、なに驚いてやがる! 待ってろ! そのマヌケな面、蹴破ってやっからよ!」
コナン(あれ? キック力増強シューズがねえ……! そうか、ソファで寝るために脱いじまったんだった)
コナン(まあいいか。夢の中なら、素足でもすげえキック力が出んだろ)
ジン「おい動くな!」
チャキッ
コナン「!!!」
ジン「いくらガキでもこいつを向けられることの意味は分かるようだな。そのまま動くんじゃねえ」
コナン「へっ……バーロ。『動くな』だぁ? 何言ってやがる……!」
コナン(どうせこれは夢なんだ、俺の思い通りになるなら銃だって撃ってこねえはずだ。……怖かねぇんだよ!)
0090以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 22:28:47.085ID:CwwwvT2P0
コナン「撃ってみろよ……」
ジン「……!」
コナン「どうした? 撃たねえのか? もしかして、ビビッちまったのか? 怖くて一歩も動けねえか?」
コナン「ああ!? ジン! 50代のババア(ベルモット)と寝たマザーファッカー!」
コナン「撃ってみろや熟女好きのジン! テメーみたいな に銃が扱えるはずねえ!」
コナン「遊園地に金属バット持参のジン! 取引前の暇つぶしにジェットコースターに乗っちまうジンさんがよぉ!」
コナン「あれれ~? おかしいぞぉ~? ねえこのおじさん、ひょっとして無能なんじゃない?」
ジン「……」
バンッ
コナン「おっ!」
コナン(妙だ……夢の中なのに、撃ってきたぞ……!?)
0099以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 22:33:04.806ID:CwwwvT2P0
ジン「安い挑発だな……。そいつに乗るほどお人よしじゃねえ……」
ジン「だが、まだその戯言を吐き続けるつもりなら……次も当てねえとは限らねえな……」
コナン(俺が現実主義者なせいか、夢の世界も俺に優しくねえってわけか……!)
ガチャッ
服部「工藤~!!! 無事かぁ!?」
ジン「!?」
ウォッカ「な、なんだ!?」
コナン「は、服部!?」
服部「こないなことになるんやないかと思てなぁ! 新幹線で駆けつけてきたんやぁ!」
ジン「おいてめえ! 何者だ!」
服部「何者でもええわ! 工藤から離れんかいぃ! ワレェ!!!」
コナン「おい服部! マシンガンとか持ってきてないのか!?」
服部「ああ!? なに言うとんねん! あるわけないやろ!」
コナン「な、なにィ!?」
コナン(服部のやつ、武器が竹刀だけじゃねえか……! くそ、夢の中なんだからマシンガンでも持ってくりゃいいのによ!)
0111以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 22:36:53.606ID:CwwwvT2P0
ジン「おいお前、そこから一歩も動くんじゃねえ。このガキがよほど大切らしいが……」
ジン「少しでも妙な真似を見せたらこのガキがどうなるか、分からねえわけじゃねえだろう?」
服部「ぐっ……」
コナン(くそ……2対2だが、相手は拳銃を持っている……状況は五分じゃねえぞ……!)
コナン(俺の夢なんだから、もっと都合よく動いてくれよ……!)
コナン(たとえば、あの棚から銃を構えた赤井さんが出てくるとか……)
???「己の優位性を疑わないその傲慢さ……相変わらずだな」
ジン「……!」
ウォッカ「だ、誰だ!?」
ガラッ
赤井「残念だが、この事務所に最初に訪れたのは貴様たちじゃない……私だ」
ジン「赤井……」
赤井「あの動画を見れば、貴様が毛利探偵事務所を訪れることは容易に想像がつく。予感は的中か」
服部「な、なんやぁ!? 棚からオッサンが出てきおった……!」
コナン(あ、赤井さん……!? いいぞ……! 俺の都合よく事態が動き始めやがった……!)
コナン(どうやら、コツが掴めてきたみたいだぜ! この夢のよ……!)
コナン「おいジン! こっから俺の都合良いことしか起きねえぞ! 覚悟しろ!」
0121以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 22:40:59.294ID:CwwwvT2P0
ジン「ガキが急に勢い付きやがったが……俺の銃は一丁だけじゃねえ」
チャキッ
コナン「なっ……! 二丁拳銃……!?」
ジン「てめえらの都合良いことだと? 状況をよく見てから言うんだな」
ジン「俺に向けられた銃が一丁。対してこっちは三丁……」
ジン「状況は何も変わっちゃいねえよ。妙な真似をしたら撃つ、言い分にも変わりはねえ」
赤井「なるほどな……こちらが潜んでいることに気付いていたか」
ジン「棚の横に不自然に資料が積まれていたからな……でかい鼠が潜みこんでることには気づいていた」
ジン「まさか貴様だとは思わなかったがな……」
赤井「……」
コナン(やべえ……赤井さんだけじゃ駄目だ……! もうひとり、来てくれれば……!)
コナン(さっきみたいに、願えば俺の思い通りになるはずだ……!)
コナン(頼む……! 安室さん……! えっと……他に身を隠せるばしょ……あのロッカー! ロッカーから出てきてくれ……!)
???「この膠着状態……どうやら、僕が姿を見せる時が来たようだ」
ガチャッ
安室「あそこまで大っぴらに正体をバラされちゃ、こそこそするのも馬鹿らしくなる」
ウォッカ「てめえ、バーボン……!」
服部「今度はロッカーから出てきおった……!」
コナン「やったぜ!」
0128以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 22:44:01.556ID:CwwwvT2P0
安室「探偵事務所へ最初に来たのは自分だって……? 残念だが、赤井……それは違う」
安室「この僕だ……一番最初にこの事務所に潜んでいたのはね。貴様より一時間も早い」
赤井「……だからなんだ?」
安室「フン……強がるなら好きにすればいい」
服部「ちょお待てやぁ! 距離のハンデが無ければ、俺が一番はやく来とったぞぉ!」
ウォッカ「バーボン! やはり裏切ってやがったのか……!」
安室「残念ながら。だが、潜入もここまでのようだ。こうして銃を向けた以上、もう仲間とは呼べないでしょう」
ウォッカ「クソ……!」
コナン「はっははー! バーロ! ジン! てめーの無能が証明されたな!」
ジン「……!」
コナン「これでオメーら二人に銃が向けられた! おまけに気付いてねえみてーだが、麻酔銃だってあるんだ!」
ジン「麻酔銃……? その腕時計か……?」
コナン「状況は五分だ! ………………ん?」
コナン(結局膠着状態じゃねえか……! 安室さんだけじゃ、まだ都合良くねえぞ……!?)
ジン「ウォッカ!」
ウォッカ「へい!」
チャキッ
ウォッカ「残念だったな! 俺も銃を二丁持ってるんだよ!」
コナン「!?」
0138以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 22:49:00.225ID:CwwwvT2P0
赤井「……! こうも小出しにするか……! 厭らしいことだな……!」
ジン「フッ……勝ったつもりでいる野郎の威勢を挫く……貴様にとっても、嫌いじゃねえ戦法だろう」
服部「あ、アカン……! 向けた銃口はこっちが3であっちが4か……!」
服部「工藤! 3と4じゃ、4のほうが大きい――」
コナン「言われねーでもわーってるよ!」
服部「ど、どないすんねん!」
コナン「知るか! オメーが銃持って参戦してくれりゃあ、4対4でドローだったんだ!」
コナン「なんで持ってこなかったんだよ! 竹刀なんて使えねーだろうが!」
服部「持ってこれるわけないやろ! 俺の銃は股間の一丁だけや!」
コナン(くそ……! こうなったら、誰でもいいから来い……! このメンツからして、次はキールこと水無玲奈か……!?)
コナン(こい……! こい……! こい……こいこい……!)
シーン
コナン「なんでキールこねえんだよ!!!」
赤井「……彼女なら来ない」
コナン「え!?」
赤井「私と一緒にここへ来たが、他に隠れる場所が無くてな。彼女の身の危険も考え、退避するようアドバイスした結果だ」
コナン「なにぃ……!?」
0145以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 22:52:32.204ID:CwwwvT2P0
安室「それは僕も見ていた……。フン、ロッカーならまだある。そこに隠れればいいものを。気づかなかったのか?」
赤井「あれでレディだぞ? 掃除用具をしまうような場所に、身を隠させるわけにはいかんだろう」
赤井「逆に君は、よくそんな汚い場所に身を隠せていたな。正気を疑う」
安室「なっ! 貴様……! 赤井ぃ!」
チャキッ
服部「な、なにしてんねん! 銃向ける先がちゃうやろ! こんな時に仲間割れすんのやめや!」
安室「仲間じゃない!」
赤井「そうは言っていられまい」
ジン「どちらにせよ、状況はこちらに有利……そこで落ち着いたようだな」
ジン「さあ聞かせろ小僧。あの情報の発信は、毛利小五郎による指示か?」
コナン「……ぐっ!」
コナン(だから情報の発信ってなんだよ……! なんで俺の夢なのに俺の知らねーこと聞いてくんだ、コイツは……!)
0152以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 22:55:05.718ID:CwwwvT2P0
―――
園子「ガキンチョに動画見せるんだよね。だったら私も行こうかな」
蘭「うん。私はユーチューバーとかあまり詳しくないし、園子がコナンくんに色々アドバイスしてあげてよ」
園子「いいよ。まあ私もそんなに詳しいわけじゃないけど」
蘭「ユーチューバーってどんなことするの?」
園子「うーん……それこそ、色々なことしてるけど……私がよく見る動画だと……」
園子「イタズラ動画とか」
蘭「イタズラ?」
園子「そう。テレビでもよく、ドッキリとかあるじゃん。過激なことをするほど、再生数があがんのよね」
蘭「へぇ」
園子「再生数があがるって言っても、問題になると面倒だし、ガキンチョには気を付けさせなよ」
蘭「うん」
0160以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 22:58:03.220ID:CwwwvT2P0
ガチャ
蘭「ただいまー」
園子「おじゃましまーす」
コナン「!?」
服部「なっ!?」
ジン「……!」
ウォッカ「!?」
赤井「……」
安室「……!」
蘭「……え?」
園子「えっ? ちょっと、なにこれ。どういう状況?」
0175以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 23:01:58.700ID:CwwwvT2P0
コナン「ら、蘭……!」
服部「い、今はアカン!」
ジン「……この事務所の人間か?」
ウォッカ「あ、兄貴! どうしやすか!?」
赤井「これは……」
安室「ら、蘭さん……!」
蘭(なんだろう……服部くんが竹刀構えて……他の皆は銃を構えてる……あれ、モデルガンかな)
蘭(ロッカーに入ったり、棚に入ったり……まともな大人のやることじゃないけど……これって……もしかして……)
蘭「コナンくん、ユーチューブの動画撮影してるの……?」
園子「え? ああ、そういうことか。ちょっとアンタ、いくらなんでも大人を動員しすぎでしょ」
コナン「へ?」
0183以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 23:06:04.915ID:CwwwvT2P0
蘭「ごめんなさい、安室さんも……コナンくんのイタズラに付き合わせちゃって」
安室「え? ええ、えーっと、その」
蘭「コラ! コナンくん! こんなにたくさんの人たちを巻きこんで! 駄目じゃない!」
コナン「い、いや、巻きこんだわけじゃ……むしろ巻き込まれてて」
蘭「巻き込まれた……? じゃあ、この人たちの動画撮影にコナンくんが付き合ってるの?」
ウォッカ「な、なんなんだ? 動画撮影って……」
ジン「おい……急に入ってきやがって、好き勝手するな……!」
蘭「……そんなこと言われても困ります。ここはうちの事務所なんですから……」
蘭「あの、帰ってもらえませんか? 他人の家で勝手に動画撮影なんてして、迷惑です」
ウォッカ「か、帰るって……」
園子「ほら、あんたら帰んなさいよ。まったく、いい大人がこんなことして」
グイグイ
ジン「触れるな……!」
バシッ
園子「痛っ!」
蘭「園子!」
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2018/05/13(日) 23:08:31.044ID:CwwwvT2P0
ジン「死にてえのか……?」
チャキッ
園子「いったー……もう、なんなのよ~! いくらなんでも過激じゃない?」
蘭「もう動画撮影はやめてください! 警察呼びますよ!?」
コナン(蘭か……現実で銃弾を避けられる蘭なら、夢の世界じゃ敵無し、最強のはず……)
コナン(蘭に無双してもらえば万事解決なんじゃねえか……? よーし、そうと決まれば……!)
コナン「うわーん! 蘭ねえちゃーん! その無能そうな銀髪のおじさんやっつけてー! 僕を苛めたんだぁ!」
コナン「あやうくズボンを脱がされるところだったんだ! 急に興奮したみたいで、 れるかと思ったぁ!」
蘭「こ、コナンくんを……? 再生数を稼ぐためにそんなことをしたの……!?」
蘭「この人、ユーチューバーなのね!?」
コナン「え? えっと……う、うん! そいつ、ユーチューバーだよ! だからやっつけて!」
蘭「よくもコナンくんを……ゆるせない……!」
蘭「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ジン「な、なんだ……? おい動くな! こいつが――」
蘭「モデルガンなんて怖くない! でやぁ!」
バキッ
ジン「うぐっ」
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2018/05/13(日) 23:11:05.341ID:CwwwvT2P0
蘭「たぁ! とりゃあ!」
ドカッ ズドッ
ジン「がぁ!!!」
ドサッ
ウォッカ「あ、兄貴……!」
コナン「ついでにそのグラサンのおじさんもやっつけてー! なんか顔が気に入らなくて僕いやだよぉ!」
蘭「せいっ」
ズドッ
ウォッカ「うぉおお……! くはっ」
ドサッ
0209以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 23:14:59.855ID:CwwwvT2P0
園子「やった! さすが蘭!」
蘭「ふぅ……なんなのよ、この人たち」
園子「警察呼ぼ! 警察!」
赤井「……か、確保するか」
安室「あ! 待て! そいつらの身柄は公安が貰う!」
赤井「遅いな。先に彼らへ手を触れたのは私だ。つまり、FBIが確保した身柄ということになる」
安室「屁理屈を!」
赤井「事実を言った」
安室「俺は貴様より一時間も早くここへ来ていたんだ!」
赤井「だからなんだ」
安室「いいからよこせ!」
赤井「嫌だな」
安室「なにぃ!?」
赤井「嫌だと言っている! あっち行け!」
安室「そっちが行け!」
服部「け、喧嘩すんなや……!」
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2018/05/13(日) 23:18:02.647ID:CwwwvT2P0
コナン「へっ! バーロ! とうとう御縄につきやがったな! ジン!」
コナン「これが夢で残念だぜ……! だがな、まだこの夢は覚めちゃいない!」
コナン「日頃の恨みを晴らさせてもらうとすっか! 覚悟しやがれ!」
服部「お、おい工藤? お前、何を――」
コナン「心配すんな服部! 夢ン中なら、暴行罪も適用されねーんだからよ!」
コナン「くらえ! コナンキック!」
ベキッ
コナン「ぐああああああああああっ! 足があああああああああ!!!」
ドタンッ バッタン
服部「く、工藤! おま、なにしてんねん!」
コナン「くそっ……力いっぱい蹴り上げようとしたら足首が折れちまった……!」
服部「当たり前やろ! 子供の足で大の大人を蹴りあげたらそうなるわ! アホか工藤!?」
コナン「だ、だってよ……!」
服部「だ、大丈夫か……! 足首ダラーンなっとるけど……い、痛むか!?」
コナン「めちゃくちゃいてえ……! ……………ん?」
コナン(待てよ……夢の中なのに痛みを感じるのか……? それに、一向に目が覚める気配も無い……)
コナン「妙だ……」
0219以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2018/05/13(日) 23:22:11.092ID:CwwwvT2P0
コナン「ま、まさか……おい、服部! 俺の頬をつねってくれ!」
服部「あ、ああ……? こ、こうか?」
ギュウウウウ
コナン「いてえ!」
服部「そらそうやろ」
コナン「なんてこった……服部ぃ!」
服部「こ、今度はなんや」
コナン「こいつは夢なんかじゃねえぞ!!!」
服部「さっきから何言うてんねん!? 頭おかしなったんか!?」
コナン『その後、ジンとウォッカはひとまず公安に身柄を拘束され、組織の情報を吐くことになった』
コナン『ジンを蹴りあげようとして骨折した俺の足は完治不能の診断を受け、一生サッカーができない身体となり――』
コナン『挙句、事の発端となった寝言動画が世界中に拡散され、俺はいい笑いものとなった』
コナン『ちなみに、俺の寝言はやはりストレスが原因らしく、またそのストレスの原因は していない江戸川コナンの身体だった』
コナン『 しても できないショックが俺の精神を病ませ、あんな寝言を言わせていたのだ』
コナン『そのことは蘭とおっちゃんにもすっかりバレ、なんとも気まずい雰囲気の中での生活を強いられている』
コナン『蘭の戸惑ったような視線を受ける度に俺は……本当に夢なら良かった……と思うのだった』
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