1: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)14:50:26 ID:s4o
ジオン兵「おいやきう!」

彡(゚)(゚)「なんや、あっ、なんでありますでしょうか?サー」

ジオン兵「実はな、お前の乗るMSが無くてな」

彡(゚)(゚)「ホンマかいな!コレで家に帰れるやないか!」

ジオン兵「その代わりに新しい試作型のMSに乗ってもらおうと思ってな」

彡(゚)(゚)「ファッ!?まだ戦うんかいな・・・」

ジオン兵「よろこべよ、お前にお似合いだよ くくく」

2: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)14:51:06 ID:s4o
ジオン兵「ほら見ろ、このMSをお前にくれてやる!」

彡(゚)(゚)「ほー、どれどれ・・・なんやこいつ!足がないやんけ!」

ジオン兵「はっはっはっ!お前にお似合いだな、足のないMSで精々がんばれよ!」スタスタスタ

彡#(`)(´) 「クソカスが、こんな欠陥品でどないせいちゅーねん!」


(´・ω・`)「欠陥品じゃない・・・」

彡(゚)(゚)「なんやオマエ?」

(´・ω・`)「このMSは欠陥品ではない」

彡(゚)(゚)「いや、ザクやドムと違って足がないやんけ、戦えるわけないやろアホか」

(´・ω・`)「空間戦闘において足なんて飾り、偉い人にはそれがわからんのです」

3: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)14:51:25 ID:s4o
彡(゚)(゚)「まあええわ・・・最後になるかもしれん戦いが、こんなMSで戦うとは・・・」

彡(´)(`) 「ほんまついてへんわ・・・とほほ」

彡(゚)(゚)「思えば、初陣かこんな感じやったなぁ・・・」

彡(゚)(゚)「マッマに穀潰しは戦地にでも行って弾除けにでもなれ言われて、仕方なく軍に志願したが」

彡(゚)(゚)「今ではワイよりも下の若造がパイロットに駆り出される時代になったんやな・・・」

彡(´)(`) 「はぁー、この戦争はいつになったら終わるんや、ここ失ったらいよいよ本国やで・・・」

(´・ω・`)「ずいぶんと苦労してるみたいですね」

彡(´)(`) 「当たり前や、ここまで生きてこれただけで一生の運を使いきったわ・・・あれは今から」

(´・ω・`)「うわっなにか語りだしたよキモッ!」(へぇー気になりますね教えてくださいよ)

4: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)14:52:07 ID:s4o
2ヶ月前

やきうは実家でゴロゴロしていた時、戦中であるにもかかわらず働こうともせず
ただウンコを生産するだけの息子にマッマの怒りが爆発
家を追い出されることになり、しかたなく新兵として志願したやきうであった

彡(゚)(゚)「ほなよろしゅうたのんます」

ジオン兵「貴様!上官に対してなんだその口の聞き方は!」ドカバキ

彡;(゜)(°) 「ヒェー」


新兵であるやきうはジオン公国に入隊 戦争も末期であったこともあり
兵の足りないジオンは苦肉の策で学徒兵を動員、その中には、いい年して職歴なしの無職も含まれていた

そんなやきうの最初の戦場は、新兵にはあまりにも酷な場所だった


ジオン兵「おいやきう2等兵!」

彡()()「サーイエッサー」

ジオン兵「お前もここに来てもう2週間も経つ、そこでだいよいよ訓練兵を卒業し、戦場に出てもらう」

彡(^)(^)「マジかいな!やっとこんなブタ箱とはオサラバや!はよ一軍昇格したろ!」

ジオン兵「やきう、お前にはHLVで一度南米の方に降りてもらい、そこで部隊と合流してもらう」

彡(゚)(゚)「なんj?(難聴」

ジオン兵「よく聞けよやきう、お前は名誉ある部隊に選ばれたんだゾ、くくく」

5: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)14:52:53 ID:s4o
新兵「ヒェー 降りられるのかよ!」

ガウの甲板から落下する兵士たちは地上の熱帯雨林から吹き上がるビームを見ながら
地上への降下作戦に諦めを感じていた

彡(;(。);;(゚);)「アカン!あいつら最初からワイを殺すきやったんや!」ブリブリブリブリブッチッチブブ


ジャブロー降下作戦

シャア率いるマッドアングラー隊が、ついに地球連邦軍本部ジャブローの入り口を発見した
難攻不落の要塞を制圧することで地球での作戦の巻き返しを図ろうとしたジオン上層部は、
地上戦力の大半をかき集め、なおかつ新兵までをも戦力として投入するべく
ガウ攻撃空母の艦隊で、MSの降下作戦を強行したのだ

しかし、ジャブローは難攻不落とまで言われた要塞、場所は南米にあるということは分かっていたが
その場所は広大な熱帯雨林に囲まれ、とてもMSで移動できる場所ではなかった
さらに対空兵器を至るところに配置した要塞上空を通過するガウなどのジオン航空戦力は
格好の的でしか無かった、それは地上に降下するMSも例外ではなかった


新兵「おかーさーん!」ドカーン!

彡(;(。);;(゚);) 「ヒェー!同僚のグフが腕だけ残して吹き飛んだ!ワイもお陀仏やんけ!」

7: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)14:53:26 ID:s4o



    |  \         ,x- 、
    |   \      /   ゙i
    |  ノ   \、,___ハ`、 .ノ'x '"~、
    \           '" ,'"    }
      \_ ,        ヽ´`ヽ ノミ、
   /|     , '-、_`ヽ_     `ー :ミ\ヾ
   ,'. |   ,シ´`` ヽ`i`!       ,,ミヾ\
  ;i  \(´  ̄`ヽ / '        シ:\ミ  
 ノ:!、  ヽ``ー =;ィ'        ,,シ:;ミ゙\ミ
´:::::.ヾ.     ̄´        ミミ゙ミヾミヾミ
:::::::::::::.`:ヽ、_       ...:;'ミヾ゙ミヾミヾミ\


彡()()「アカン、死ぬかと思った・・・」

幸いにしてやきうは被弾を逃れ、なんとか地表に降り立つことに成功した

彡;(゜)(°) 「でも、気が動転して、降下中にマシンガン落としてもうた・・・丸腰やんけ」


やきうはザクⅡ陸戦型で今回の作戦に及んだ、支給されたMSとしては性能はよくない
宇宙から初めて地上に降りたやきうは、その重力にコロニーとは違う重さ
機械で生成されていない、生の空気を感じ。

彡(^)(^)「ちきうってめっちゃええとこやんけ!」

と思っていたが、先ほどの降下で地球の重力を感じての落下でホンマ糞な所、コロニー落とししなきゃ(使命感)となってしまった


彡(´)(`) 「ホンマつかれた・・・これからどないせーっちゅうねん、ミノ粉強すぎて通信できへんがな」

彡(゚)(゚)「おっ、同僚のグフの腕やんけ!これでもないよりはマシやろ、使ったろ」

8: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)14:53:59 ID:s4o
彡(゚)(゚)「最初は陸戦型のザクⅡやったから、教習で使ってるのと同じでよかったー思っとったけど」

彡#(`)(´) 「なんやねんここ!ぬかるんでるわ川多いわ木が邪魔だわで進まへんがな!」


ジャブローの密林はMSに迫る勢いの樹木で構成されている、足場の悪さも相まって
進行は遅れている

彡;(´)(`) 「もっと言うと、上空を飛ぶガウやドップがどんどんトーチカに落とされとる・・・」

彡;(´)(`)「これ帰れるんかいな・・・回収してくれんか?」

彡(゚)(゚)「まあ最悪捕虜でもええやろ、こんなアホな作戦立てるジオンなんざいてもしゃーなしや」

彡;(´)(`)「とはいっても、さっきからフライマンタがアホみたいに空爆しとる・・・あいつら手当たり次第に森焼いとるやんけ」

彡;(´)(`)「いつ死んでもおかしないな・・・」

その時である、前方の密林から木々をなぎ倒すように銃弾が発射された

彡;(゜)(°)「ヒエー!なんやねん!」


連邦兵「前方にザクを発見!これより交戦する!」

連邦の陸戦型ジムに発見され マシンガンを撃たれたようだ しかし、連邦側も
やきうのザクⅡの正確な位置は分からなかった 不幸中の幸いなことに
ザクⅡの緑が保護色になっていた、また不慣れなぬかるみの行軍でなんどか転倒し
ザクにほどよい汚れがついていた それも密林ではカモフラージュになっている

9: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)14:54:57 ID:s4o
彡;(゜)(°)「あいつ闇雲に撃っとるやんけ、フライマンタといい連邦はフシアナか?」

連邦兵「クソ、さっきまで見えていたが、森野中に入ったからか、場所がわからん!」

陸戦型ジムはマシンガンを連発する


彡;(゜)(°)「とはいっても、このまま止まってたら被弾するのは時間の問題や、こっちも応戦せな」

やきうはさきほど拾っていたグフの腕を腰のホルダーから外しザクⅡの手で構えるようにして、陸戦型ジムの場所を推測した

彡#(゚)(゚) 「くっそ、撃ってる方向はわかるけど、具体的な場所がわからへん!」

連邦兵がやきうを見失ったように、やきうもまた陸戦型ジムの場所を正確には把握していなかった

ザクⅡのレーダーは相変わらずミノフスキー粒子で妨害されており

モノアイによる目視でのみ場所を割り出すしか無い

彡;(゜)(°) 「もうええわ・・・イチかバチかや」

やきうはグフの腕のガンガン叩いた

ドガガガガ  

グフのハンドマシンガンはその衝撃で指に込められていた弾丸を発射した

10: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)14:55:13 ID:s4o
天はやきうに味方した

グフの指は扇状に広がっており、それがショットガンの要領で広域に発射された
その弾丸は陸戦型ジムの胴体に被弾した。
グフのハンドマシンガンは通常の物より少し大きめの所謂B型兵装だったため
弾丸の威力は大きかった事もあり、陸戦型ジムは後ろにのけぞりながら機能を停止した

彡(^)(^)「やったぜ!」

グフのマシンガンを発射させたことで相手の発砲が止んだことで
勝利を確信したやきうは直ぐにその場を離れることにした

連邦兵「くそ、不覚・・・こちらα3、敵との交戦で被弾、機体は損傷により動かない!直ぐに応援を寄越してくれ!」

連邦兵2「α2より了解、直ぐに合流するぞ!」



彡(・)(・) 「どうせ応援呼ばれてボコボコにされるのがオチや、ワイは逃げるで、戦果あげて英雄になんかなりとうないわ」

この判断は正しかった
時に戦場は臆病者が勝利する事もある

11: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)14:55:32 ID:s4o
彡;(゜)(°)「アカン、川や・・・」

密林から少し抜けたところを広大なアマゾン川が支配している
その大蛇のような川にさすがのザクⅡといえどもうかつに渡ることはできないだろう
水中用の使用に耐えうる物でもないし、もし途中で壊れれば、それこそ川の中で
遭難してしまう。
救助が来る保証もない状況での遭難は避けるべきだ、しかし・・・


実は先程からやきうの通った場所付近を頻繁に砲撃されている
もしかしたら先ほどの連邦兵が生きており仲間に連絡して、砲撃要請をしているのでは
とやきうは思った

その通りである、先ほどの連邦兵と合流した部隊は、追撃よりも付近の砲撃に作戦を切り替えた
はるかジャブローより離れた山岳地帯から 量産型ガンタンクの砲撃がやきうを狙っている

しかし、やきうが逃げれば逃げるほど、砲撃範囲は散漫になり、範囲が広くならざるを得ない
もし、この川を渡りきれば ガンタンクの砲撃に当たる確率も低くなる

ただでさえフライマンタ、連邦の地上MS、トーチカと危ない状況なのであるから
ここに砲撃による被弾というリスクが加われば、やきうは川を渡ることも選択する必要に迫られた。

12: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)14:55:50 ID:s4o
彡;(゜)(°)「さっきから後ろの砲撃音がデカくなってる気がするでぇ・・・」

彡;(゜)(°)「ま、まだ川で遭難したら、泳いで逃げるっている手もあるし・・・撃たれて死ぬよりはマシやろな」


彡;(-)(-)「ええい!南無三!」

だが、不運は起きた
川の中にザクⅡの膝が使った瞬間、回路がショートしたのか膝ががくんと沈んだ
そしてそのまま前のめりに川に倒れこんだ

彡(●)(●) 「うせやろ!」

そして、やきうのザクⅡは勢い良く川に流された
しかも、浸水しだしたのだ

彡;(゚)(。)「あばばばば、終わりや!水がコックピットに入ってくる しかも動かへん!」

彡()() 「あああああ・・・い、息が」ブクブクブク

彡()()(こんなことならパイロットスーツちゃんと着てればよか・・・)

だが、幸運は続いた

急遽コックピットの水が減り始めた、そしてやきうは体に重力とはちがう別の圧力を感じ始めた

前からくるGは急激に前に進む感覚だった
モノアイが機能しない今外の状況がわからないやきうはコックピットのハッチを開けた
そしてその光景に驚いた

13: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)14:56:10 ID:s4o
彡;(゜)(°)「なんや!ごっつデカイ船やんけ!?」

正確には潜水艦である
やきうのザクⅡはジャブロー入り口を目指し突き進むマッドアングラーであった

船首にザクⅡが引っかかったことで急速浮上したマッドアングラーは速度をゆるめ
収納していたアッガイを出しザクⅡを取り払おうとしていた

アカハナ「おい!ザクに誰か居るぞ!」

その言葉を聞いたジオン兵達は急いでやきうを救出し、ザクⅡを川へと捨て
マッドアングラーに収容した


彡(;)(;)「ほんま助かりました」

シャア「新兵にしてはなかなかの悪運だな」

彡(゚)(゚)(なんやこいつごっつ気持ち悪い仮面つけて・・・仮面!?)

14: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)14:56:26 ID:s4o
彡(゚)(゚)「げっ!シャアやんけ!赤い彗星のシャアやんけ!」

シャア「私を知っているのか?」

彡(゚)(゚)「そらもう!なにせ訓練所には戦場の英雄の話題はアホみたいに入ってきますわ!」

シャア「そうか、・・・ところで、君はここまでわずか数週間でジャブローをザクだけで生き残ったようだが」

彡(゚)(゚)「見りゃわかるやろ」(はい、おかげさまで)


シャア「丁度、アッガイのパイロットが一人足りなくてな、なかなかの悪運持ちだ、パイロットとして戦ってくれないか?」

彡(・)(・) 「また働かされるんかい・・・」



こうして、やきうは、急遽アッガイのパイロットとなり、ジャブロー内部への
突入工作をする部隊の一人に選ばれたのだ

15: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)14:57:07 ID:s4o
ジム「」
赤ズゴック「腹ドボーン」


彡<・><・> 「なんやねんアイツ、アイツ一人で十分ちゃうんか?」

工作兵「おいやきう、俺達がMSの工場を破壊するまでここに敵を近づけさせるなよ!」

彡(゚)(゚)「了解やでー(鼻ポジー」


彡(゚)(゚)「しかし、このアッガイとかいうの初めて乗ったが、全然強そうやないな」

やきうはとりあえず説明された兵装を確認する

彡(゚)(゚)「ええっと・・・頭部のバルカン、アイアンネイル、メガ粒子砲・・・」

彡(゚)(゚)「メガ粒子砲ってなんやねん?ダッサイ名前やな」

その時、ジャブロー内部を生産されたばかりのジムが他の侵入したMSを迎撃するため
出動し始めた

彡;(゜)(°)「あかん!はよ工作終わらせろや!」

基地内に侵入したアッガイを発見したジムの部隊は一斉にスプレーガンを発射した
ピンクの交戦が次々にアッガイめがけて発射される

彡;(゜)(°)「あかん!ワイはニゲルで!」

17: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)14:57:50 ID:s4o
幸いジムを操る兵士たちは、不慣れな操作に悪戦苦闘したため
アッガイにスプレーガンを当てることはかなわなかった
一度岸壁の裏に逃げたやきうのアッガイは状況を伺っていた

彡;(゜)(°)「このままやり過ごすか・・・しかし、出口は彼奴等のほうやし、袋のネズミや」

彡;(-)(-)「もうイチかバチかや、応戦するしか無いか・・・」

時には無謀な決断を強いられるときもある
相手のジムは4体ほど、1体のアッガイでなんとかなるとは到底思えない
しかし、このままでは逃げることも叶わず

彡()()「ああああああああ」ブリブリブリブッチッチブブブチッ

意を決して飛び出したやきうはメガ粒子砲をジムに向けて発射した

彡;(゜)(°)「なんやこのクソ武器!当たらへんやんけ!!」

19: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)14:58:16 ID:s4o
今までやきうは、ザクマシンガン、ザクバズーカしか扱ったことがなく
初めて使用するビーム兵器に戸惑っていた
弾はまっすぐ飛ぶが、マシンガンのそれとはちがい、また銃口の狙いがピーキな分うまく狙いが定まらない
そしてある一定の距離で途端に威力が落ちジムのシールドに防がれてしまう

しかも

彡#(゚)(゚) 「連射できへんやんけ!!」カチカチ

トリガーを引くと一発は出るが、チャージが完了しなければ弾は発射されず
何発も続けて撃つことができないためジム達との打ち合いには分が悪かった

彡#(゚)(゚)「クソ、こんな状況じゃよく狙えへん!もうええわ!」

アッガイは急遽頭部のバルカンを連射させながらジムに突っ込んでいく

突然の強襲に驚いた連邦兵は、ジムのスプレーガンを連射するが
牽制に弾を消費しすぎたせいか、チャージと冷却が必要になった

すぐに背中のビームサーベルを抜こうとしたが

彡#(゚)(゚)「させるかコラー!」

アッガイのアイアンネイルは前にグィーンと伸びて、ジムの胸に突き刺さった
他のジムも慌てて応戦しようと頭部のバルカンを発射したが
近距離でのバルカンの打ち合いではアッガイに分があった

その時、一体のジムがスプレーガンのチャージが終わり、アッガイに狙いを定めた

彡#(゚)(゚)「死ねボケカス!」

やきうのアッガイはアイアンネイルを引き抜いた反動で横にステップをすると
直ぐに腕のメガ粒子砲でジムの胴体めがけて発射した
近距離ということも有り、メガ粒子砲の威力は落ちず、ジムの胴体を貫いた

20: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)14:58:42 ID:s4o
わずかこの間数秒の間のこと、やきうはアッガイでMS3体を撃破した
残りの1体のジムは、状況が悪くなったことで、直ぐにその場を離脱していった

彡#(゚)(゚)「ああああああああああ!」

気分が高揚したのか、吹っ切れたのか、やきうは叫びながら
アッガイのメガ粒子砲でジャブローの内部を破壊していく
とはいっても、たかだかアッガイの戦力で与えられる被害などたかが知れており
MS工場の破壊は失敗し、おまけに逃げ帰ったジムが仲間を連れて戻ってきてしまった

彡#(゚)(。)「アカン!我を忘れてもうた!とっとと逃げればよかった!」

万事休すかと思われたその時である

シャア「何をしている!ここから去るぞ!」

赤いズゴックが、やきうの進路上にいるジムを次々と破壊し退路を作ってくれたのである

彡(;)(;)「地獄に仏!ジャブローに赤蟹や!!」

こうしてやきうはジャブローの破壊工作に失敗したが、内部に侵入した兵の中では数少ない生き残りとなり、ジャブローから生きて帰ってくることができた。


ジャブロー攻略作戦 失敗  そしてジオンは地上戦力を次々と引き上げていくことになった。

21: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)14:59:04 ID:s4o
ジャブロー攻略作戦失敗から幾日 やきうは宇宙要塞ソロモンへと招集されていた


彡(゚)(゚)「どーも、やきうどす、今日からこの部隊でお世話なりますー」

ジオン兵「ど、どうもやきう伍長、我が部隊へようこそ、わ私はこの部隊では隊長をしている曹長である」

彡(゚)(゚)「何おっさんキョドってんねん」(よろしくお願いしますサー)


ジャブロー作戦の後、やきうは異例の昇進を果たしていた
二等兵だったやきうは、一等兵、上等兵と飛ばし伍長に昇進していた
アッガイでMSを撃破した活躍や、ジャブローの上空からの降下作戦を生き延びた逸話から
ソロモンに配属される頃には、それなりに名前が通っていた
また、シャア・アズナブルと肩を並べるほどの実力、ジャブロー内部を二人で破壊し尽くした
などの噂が尾ひれのつきすぎで、ジオン公国軍内部では実情を知らない
若い兵士などからはやたらと持て囃されていた

彡(゚)(゚)(こいつらワイの顔ばっか見てヒソヒソ話して、ホンマキモイな)

22: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)14:59:27 ID:s4o
新兵1「なあおい聞いたか!あのジャブローで活躍したって噂のやきうが来たらしいぞ!」

新兵2「知ってるぜ、たしか赤い彗星の弟分だとか」

新兵3「しかもそいつと対峙して生き残った連邦兵はみんなあまりの恐怖に脱糞したとか・・・」

三瓶由布子「そしてついた名前が”茶色の流星”・・・」


彡(゚)(゚)(・・・)

彡(゚)(゚)「ワイの小学校の時のあだ名やんけ・・・」

やきうは小学校の頃、うんこ漏らしの常習犯で、そのアダ名でいじめられていた

彡;(´)(`)「もうええわ・・・疲れた、はよ戦争終わらせて引きこもりたい」


23: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)14:59:54 ID:s4o
曹長「やきう伍長殿、今日はあなたに特別なMSが支給されるそうです」

彡;(´)(`)「あの、曹長殿・・・ワイは階級が下なんでそんなかしこまらんと居てください」

曹長「お、オホン!ではやきう伍長、新型のMSを一部のパイロットに配備される話は聞いているか?」

彡(゚)(゚)「いえ、存じておりません」

曹長「本来ならば士官クラスのパイロットにのみ配備されるが、なんと特別に伍長のために専用のが送られてきたのだ!」

彡(゚)(゚)(何お前が喜んどんねん)

曹長「見たまえ、これがそのMSだ!」

そこには茶色く塗装されたゲルググが立っていた

彡#(゚)(゚)「なんでウンコ色やねん!!!」

24: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)15:00:22 ID:s4o
ゲルググがソロモンに配備されるのは珍しかった
まだ開発したてのこのMSは性能こそは、あの連邦の白い悪魔に匹敵すると言われているが
一体どんなMSなのかさっぱり分からないでいた

幾つか先行量産した機体を、一部のエースパイロットに支給し
さらには一般兵が扱えるかというテストを兼ねて、少数がやきうのような
下士官に配られたようだ

曹長「さすがだ、君の異名通りのカラーリングが施されている」

彡#(゚)(゚)「異名ちゃう!蔑称や!!」

曹長「他の下士官が乗る機体にはカラーリングは施されていないが、君だけだぞ施されているのは?」

彡;(´)(`)「幸い茶色やからそこまでやないけど、こんなの目立つだけやろ・・・ええ的やんか」

曹長「だが士気は向上する」ニッコリ

彡(゚)(゚)(こりゃー戦争に負けますわー)

25: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)15:00:41 ID:s4o
ジオン兵「くそ、うまく当たらん!」

ゲルググはビームライフルを目標に向けて発射するが、寸前のところをかするだけで
うまく当たりはしなかった

彡(゚)(゚)「なにやっとんねん」(鼻くそポイー

しかし、やきうは意外と的に当てれていた
ジャブローでメガ粒子砲に慣れていたせいか、ビーム兵器の扱いは他の兵士に比べて慣れていた

ジオン兵「流石だな・・・茶色の流星・・・」

彡(゚)(゚)「あんな、ビームライフルは照準を合わせるのがめんどうやけど、まっすぐ飛ぶからマシンガンなんかよりは素直なんやでー」

ジオン兵士官「参考になります!」

彡;(´)(`)(こらアカンな・・・なんでワイが上の階級に扱い方教えとんねん)

今回の射撃訓練の結果、ビームライフルの扱いになれない者はドムなどのジャイアントバズに
兵装が切り替えられた

26: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)15:01:16 ID:s4o
そんなある日

彡(゚)(゚)「いよいよ来たな」

新兵「ソロモン中域に連邦の艦隊が来ているみたいです・・・戦争が始まるんですかね?」

彡(゚)(゚)「アホ、戦争はとっくに始まっとんねん、これから始まるのは殺し合いや」

新兵「ひぃぃぃ」

彡(゚)(゚)(しかし妙やな・・・報告で聞いた艦隊の数やと、ワイがジャブローでみたMSと数が合わんな)

新兵「そろそろ出撃準備をしたほうがいいですかね?」

彡(゚)(゚)(・・・)


そして、連邦艦隊は密かにソーラシステムを準備し
ソロモン宇宙要塞へ向けて太陽光を照射した


27: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)15:01:32 ID:s4o
一斉に要塞内に響く警報 宇宙要塞内に地震が起きたかのような衝撃が走る

新兵「うわああああああああ」ジョワアアア

彡(゚)(゚)「図られたな・・・戦力を隠しとったんや」

新兵「どどど、どうしましょう!」

彡(゚)(゚)「悪いがワイはおさらばさせてもらう、流石に今回は分が悪すぎる」

新兵「そんな、脱走ですか!?」

彡(゚)(゚)「脱走?ちゃうわ、戦術的撤退や、この要塞を震え上がらせるほどのもんを連邦は用意したんや」

彡(゚)(゚)「どうせこの要塞は放棄や、もう一発撃たれてみ、ジオンの部隊は壊滅や」


やきうの考えは奇しくもあたっていた
ソロモン司令官、ドズル・ザビは戦力の立て直しを測ったが
連邦軍第二艦隊、ソーラシステムの追撃にドズルは要塞放棄を決断
やきうとその部隊は、ソロモンからの脱出命令を受け、撤退する艦隊の援護に回った

28: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)15:01:51 ID:s4o
ガトー「ええい!落ちろ!」

青いリックドムがビームバズーカを放ち、群がるジム達を撃破していく
その活躍ぶりは、のちにソロモンの悪夢として語り継がれるが
宇宙空母ドロワを護衛するように命じられたやきうは、しんがりを務めるガトー達と合流していた

ソーラシステムの攻撃により、やきうの部隊はやきう含め新兵のみとなり
再編のために急遽ガトー指揮下の部隊へと配属になる

彡(゚)(゚)「指揮官殿、前に出過ぎやでー」

ガトーを援護するように茶色のゲルググが、ビームライフルを放ち
ガトーの撃ち漏らしたジムを処理していく

新兵はそれをただ見守ることしかできなかった

獅子奮迅の活躍をするガトーと、そのガトーについていけるやきう

新兵にはわからないだろうが、パイロットとしての技量はガトーのがはるかに上だが
ゲルググの性能が、その技量差を少しだけ解消している

幸いやきうのビームライフルの腕も悪くはないので、ガトーもまたやきうに背中を預けることができていた
それゆえの猛進なのだろう


ガトー「なかなかだな、茶色いの」

彡(-)(-)「お褒めに預かり光栄どすー」


こうして、ソロモンから脱出した艦隊は、ア・バオア・クーへと撤退に成功した

29: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)15:02:13 ID:s4o
ソロモン陥落

その話を聞いた時に、新兵は落ち込んだが、やきうは特に態度に出すことは無かった
むしろ

彡(゚)(゚)(あんなクソみたいな指揮しとるから落ちたんや ザビ家はアホしかおらん)

と、今回は珍しく口には出さないで心のなかで思うだけにしていた


新兵「我々はこれからどうなってしまうのでしょうか」

彡(゚)(゚)「さあな、戦うしか無いやろうな・・・」

彡;(´)(`)(はぁーほんまジリ貧やんけ・・・これは焦土作戦もあるでホンマに)


やきうはア・バオア・クー基地で再び異例の昇進を受けることになった
ソロモン撤退時の功績が評価され、曹長へと昇進し
やきうが指揮する小隊の隊長に任命された。

これには、ジオン側の戦意向上の意図も仕組まれており
わずか2ヶ月も立たないうちに、新兵は曹長へと祭り上げられていたのである

そして、それをよく思わないものもいる

30: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)15:02:32 ID:s4o
ジオン兵「あの新兵が、たった二ヶ月あまりで曹長に昇進だと?クソを漏らすだけしかとりえのない奴が・・・」

この男は、以前は新兵育成の教官としてやきう達を指導していたが
やきうの異例の昇進を知り、内心胸クソが悪くなっていた
自身の階級こそやきうよりはまだ上だが、直ぐ下まで迫ってきていることに
腹が立って仕方なかった

自分がこの地位までくるのに掛かった年月と、やきうの昇進スピードでは
まったくもって違っているのだ

ジオン兵「しかも、専用の機体まで用意してもらっているとはな・・・」

その時、ジオン兵に名案が浮かんだ

さっき格納庫で未完成の試作型とかいう足すら無い機体があった事を思い出した
普通のパイロットでは操縦もできないやっかいなポンコツだと聞いた

ジオン兵「あれをアイツに押し付けてやろう・・・くくく」

こうして>>1に続く

31: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)15:02:48 ID:s4o
彡(゚)(゚)「というわけで、ワイはここまでゲルググで戦ってきたんや、それを今更こんなけったいなMSに乗れるかいな」

(´・ω・`)「なるほど、あなたが噂のパイロットでしたか」


(´・ω・`)「正直言って、この機体は80%しか完成はしていません、しかし」

(´・ω・`)「私はアナタならこの機体を任せてもいいと思ってます。」

彡(゚)(゚)「ファ!?なに言うとんねん!」

(´・ω・`)「この機体は正直言って扱うのが非常に難しいです」

(´・ω・`)「でも、ここまで生き残ってきたあなたなら、この機体を任せられる、そんな気がするんです」

彡(゚)(゚)「・・・・・・」

(´・ω・`)「・・・・・・」

32: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)15:03:16 ID:s4o
彡(゚)(゚)「悪いが、他をあたってくれ」

(´・ω・`)「ショボーン」

彡(゚)(゚)「そういえば、赤い彗星が機体をボロボロにして帰ってきたって聞いたで」

彡(゚)(゚)「あいつのほうがワイよりも腕は上や、そんな難しいMSならシャアに乗らせたほうがええやろ」

(´・ω・`)「もしあなたが乗れば、この戦争に勝てるかもしれませんよ」

彡(゚)(゚)「何言うとんねん・・・ワイはこの戦争に勝つことが目的やない」

彡(゚)(゚)「生き残ることや 勝利など犬にでも食わせとけ」


シャア「なるほど、君にしてはいいことを言う」

彡(゚)(゚)「ファッ!?」

33: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)15:03:32 ID:s4o
シャア「最初に会った時からうすうすと感じてはいた、君があまり勝利に固執していないと」

彡(゚)(゚)「なんやねんな・・・」

シャア「最初は私もそうだったよ、ジオン公国いや、ザビ家のために勝利する事を望んではないなかった」

シャア「だが今は違う、どうしても・・・勝ちたい相手がいる!」

彡(゚)(゚)「それはあの連邦の白いのか?」

シャア「君も見ただろ?ジャブローの中でガンダムが戦っているところを」

彡(゚)(゚)「一瞬のことや、殆ど覚えてへん」

シャア「今のガンダムはあの時よりも更に強くなっている!」

彡(゚)(゚)「そうか・・・なら尚の事あのMSを使えばええんやないか?」

シャア「君は、・・・ジンクスや縁起というものを信じるか?」

彡(゚)(゚)「何言い出しとんねん・・・」

シャア「もし私がこれから負けられない戦いに赴くというのであれば、少しくらいは頼ってみたくなるものさ」

シャア「そう、例えば、自分が乗るMSには縁起物があったほうがいいとね」

シャア「知っているか?わずか2ヶ月前までは新兵だった男が、戦いに勝利し異例の昇進で曹長に上り詰めたということを」

シャア「もしそのような男がいるのであれば、私はその男にあやかって、その男の乗ったMSで出撃したいものだな」

34: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)15:03:47 ID:s4o
彡(゚)(゚)「・・・・・・臭いで、コックピット」

シャア「ならば今回だけパイロットスーツを着よう」

彡;(´)(`)「素直にゲルググで出撃したい言えばええやんけ」

シャア「ふふふ、乗り慣れた機体で挑みたいと思ってね」


彡(゚)(゚)「わーったわ、ワイの負けや その足のないMSに乗ったろ」

(´・ω・`)「本当ですか!?」

彡(゚)(゚)「ただし、色はそのままや、茶色は勘弁や」

(´・ω・`)「今更塗り直してる時間はないね」

シャア「では私の機体は茶色とい事かな?」

(´・ω・`)「あっ大佐のは急ピッチで塗装します」

シャア「至急頼む」

彡;(´)(`)(なんであの色がええねん・・・)

35: 名無しさん@おーぷん 2015/07/10(金)15:04:02 ID:s4o
彡(゚)(゚)「あっ せや! あの機体はなんて言う名前なんや?」


(´・ω・`)「ああ、まだ言ってませんでしたね、アレは」ゴニョゴニョ

彡;(´)(`)「へゃーまた偉いプレッシャーが掛かる名前だこと」


こうして、やきうは、新型の試作MSで出撃することになる
その活躍はどうだったのかは分からないが
ジオンの要塞ア・バオア・クーは陥落した

しかし、それはやきうがそのMSに乗ったから陥落したのか
それとも、シャアが乗れば、ジオンは負けることはなかったのか

それは誰にも分からない だが言えることはある


彡;(´)(`)「ああああー脱出用のコックピットが頭にあってよかったー」

彡(゚)(゚)「とりあえず、もう潮時やな、総帥も死んだって噂らしいし、あのグワダンに乗せてもらお」

デラーズ「今は耐えるのだ、ガトー!」

ガトー「くっ!」

彡;(´)(`)「あちゃー乗る船間違えたなコリャ」

彼の戦いは続く



引用元: ジオン兵「おいやきう!お前に新型のMSくれるってよ」彡(゚)(゚)「…」