3: 名無しで叶える物語◆C6oV3as7★ 2024/12/08(日) 21:02:33 ID:???00
きな子「それにしても、この前のマルガレーテちゃんの見事な食べっぷりにはびっくりしたっす」

夏美「マシマシのラーメン、巨大なパフェ、そびえ立つパンケーキのタワー…どれをとっても圧巻でしたの」

冬毬「大食いは姉者の動画の定番企画ではありますが、マルガレーテのわんぱくな食欲には及びませんね」

夏美「私では段違いもいいところですの。背が高くて体も細いのに、いったいどこをどうすればあんなに食べられるのか」

4: 名無しで叶える物語◆C6oV3as7★ 2024/12/08(日) 21:03:04 ID:???00
きな子「普段の食事量はそんなんでもないっすもんね。不思議っす」

冬毬「食べることが純粋に好きなのでしょうし、私の考察では、マルガレーテは代謝が良いのだと思います」

夏美「なるほど。代謝が良い分、摂取したカロリーをすぐに使い切れるということですの」

きな子「冬毬ちゃん風に言うなら、効率的なエネルギー消費ができるってことっすかね」

5: 名無しで叶える物語◆C6oV3as7★ 2024/12/08(日) 21:03:25 ID:???00
冬毬「そのとおりです。体温が高いので、一緒に寝るときもあたたかくて、いつもついウトウトと」

きな子「えっ」

夏美「えっ」

冬毬「ん、なにか?」

6: 名無しで叶える物語◆C6oV3as7★ 2024/12/08(日) 21:03:48 ID:???00
きな子「今の言い方だと、冬毬ちゃんとマルガレーテちゃんって、よく一緒に寝てるんっすか?」

冬毬「えっ、あっ」

夏美「おやおやぁ、仲良しだとは思っていたけれど、冬毬もなかなかスミにおけませんの」

冬毬「あ、姉者、違うのです、これは、その」

8: 名無しで叶える物語◆C6oV3as7★ 2024/12/08(日) 21:04:02 ID:???00
マルガレーテ「お待たせ、待った?」

冬毬「!」

きな子「マルガレーテちゃん、いいタイミングっすね」

夏美「噂をすればなんとやらですの」

9: 名無しで叶える物語◆C6oV3as7★ 2024/12/08(日) 21:05:06 ID:???00
マルガレーテ「なによ、なにかあったの?」

きな子「実は今、冬毬ちゃんと、むぐっ!?」

夏美(なっ!?きな子の口に丸干し芋が詰め込まれた!?)

冬毬「マルガレーテ、ちょうどいいタイミングでした。小腹がすく時間ですし、みんなでこの丸干し芋をシェアしようとしていたところなのです」

10: 名無しで叶える物語◆C6oV3as7★ 2024/12/08(日) 21:05:51 ID:???00
マルガレーテ「ああ。それ、この前ご馳走になった冬毬のおすすめよね。お芋を丸ごと干し芋にしたやつ」

冬毬「はい。きな子先輩もとても気に入っていただいたようで、先ほどから夢中で召し上がっています。ですよね、先輩?」

きな子「むぐ、むぐっ」

マルガレーテ「美味しいのはわかるけれど、口いっぱいに頬張ると危ないわよ」

11: 名無しで叶える物語◆C6oV3as7★ 2024/12/08(日) 21:06:36 ID:???00
冬毬「さ、姉者もどうぞ」

夏美「え、ええ、ご馳走になりますの。あの、冬毬」

冬毬「姉者。この干し芋の美味しさは、『言うまでも』ありませんよね?」

夏美「そそそ、そーですの、まさしく言葉にできない美味しさですの」

13: 名無しで叶える物語◆C6oV3as7★ 2024/12/08(日) 21:06:59 ID:???00
冬毬「よくお分かりのようでなによりです。さ、マルガレーテも」

マルガレーテ「ありがと。それじゃ、行きましょうか」

冬毬「姉者ときな子先輩は別行動ですので、ここでお別れです」

マルガレーテ「そうなんだ、なおさら待たちゃって悪かったわね」

14: 名無しで叶える物語◆C6oV3as7★ 2024/12/08(日) 21:07:12 ID:???00
きな子「むぐむぐ」

夏美「お、お気になさらずですの」

冬毬「それでは。ういっすー」

マルガレーテ「ういっすー」

15: 名無しで叶える物語◆C6oV3as7★ 2024/12/08(日) 21:07:35 ID:???00
きな子「もがもが」

夏美「う、ういっすー…ふぅー、ようやっとプレッシャーから解放されましたの」

きな子「むぐ、もがもが」

夏美「きな子もいつまでそうしてるんですの。早く食べて、私たちも行きますの」

16: 名無しで叶える物語◆C6oV3as7★ 2024/12/08(日) 21:08:27 ID:???00
きな子「むぐむぐ…ふぅ、いきなり声が出せなくなったから何事かと思ったっす」

夏美「干し芋を取り出すときと言い、きな子の口に突っ込んだ時といい、恐るべき早ワザでしたの。冬毬、恐ろしい子」

きな子「えへへ、すっかりマルガレーテちゃんに冬毬ちゃんを取られちゃったっすね、あーねじゃ?」

夏美「ふふっ。ま、今日のところはこの干し芋に免じて良しとしますの」

17: 名無しで叶える物語◆C6oV3as7★ 2024/12/08(日) 21:08:59 ID:???00
マルガレーテ「風が冷たくて、急に冬がやってきたって感じ」

冬毬「この感じ、私は嫌いではありません」

マルガレーテ「冬毬は名前に冬って入ってるし、冬は冬毬の季節、か。寒くない?」

冬毬「はい、問題ありません」

18: 名無しで叶える物語◆C6oV3as7★ 2024/12/08(日) 21:09:15 ID:???00
マルガレーテ「はぁ、鈍いわね」

冬毬「はい?」

マルガレーテ「手、つながないのかって言ってるの」

冬毬「そうならそうと言ってください」

19: 名無しで叶える物語◆C6oV3as7★ 2024/12/08(日) 21:09:41 ID:???00
マルガレーテ「そのくらい察しなさいよ、こっちから話を振ってるんだから」

冬毬「回りくどい言い方ではなく、素直に誘うべきです」

マルガレーテ「はいはい、素直じゃない人に言われてもね」

冬毬「マルガレーテに言われたくはありません」

20: 名無しで叶える物語◆C6oV3as7★ 2024/12/08(日) 21:10:52 ID:???00
マルガレーテ「じゃあ、つながない?」

冬毬「つなぎます。ほかの選択肢はありません」

マルガレーテ「なら最初からそうすれば…って、やっぱり手が冷えてるじゃない」

冬毬「今日は手袋を忘れてしまっただけです」

21: 名無しで叶える物語◆C6oV3as7★ 2024/12/08(日) 21:11:19 ID:???00
マルガレーテ「ほら、もっと寄りなさい。本当に寒くないの?」

冬毬「平気です、マルガレーテがあたたかいので」

マルガレーテ「ん…冬って、やっぱりいいわね」

冬毬「はい、私の季節ですから」



終わり

引用元: SS マルガレーテ「冬毬の季節」