0004以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/06/30(月) 21:53:21.86ID:4zQsuOfK0
銭形「待てえーっ! ルパ~~~ン!!」
ルパン「あばよ、とっつぁ~ん~」
銭形「今日こそ逮捕するーっ!」
ルパン「次元、パス」
次元「ほいきた」
銭形「あああ! お前らそれを乱暴に扱うなーっ!」
ルパン「とっつぁんが追いかけて来るからだろ~?」
銭形「当たり前だバカモーン!!」
0005以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/06/30(月) 21:57:33.05ID:4zQsuOfK0
次元「……どやら撒いたようだな」
ルパン「全く、とっつぁんにも困ったもんだぜ」
次元「しかし、今度のお宝の中身は一体どんな値打ちもんなんだ?」
ルパン「それは見てのお楽しみ、と」
次元「……ああ、そうかい」
ルパン「あら次元、機嫌悪くなっちゃった?」
次元「そりゃあな」
ルパン「まあまあ、コイツを見たらそんな機嫌なんてす~ぐ直っちゃうから」
次元「はん! どうせ高価な人形なんだろ?」
ルパン「ぬふふふふ!」
次元「?」
ルパン「それがそうでもないんだな、これが」
0006以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/06/30(月) 22:00:49.52ID:4zQsuOfK0
次元「……さあ、そいつについて聞かせてもらおうか?」
ルパン「おいおい、せめて一服してからでいいんでないの?」
次元「俺はもう一服してる」
ルパン「あ、それじゃあ俺も……」
次元「お前は先に説明してからだ」
ルパン「そりゃないぜ次元~」
次元「……」
ルパン「……まあいいか」
ルパン「次元、ローゼンって人形師を知ってるか?」
次元「ローゼン?」
0009以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/06/30(月) 22:02:57.18ID:4zQsuOfK0
ルパン「ありゃ、知らないか」
次元「……俺は人形遊びの趣味はないんでね」
ルパン「おいおい、機嫌を直せって」
次元「……いいから続けろ」
ルパン「……ごほんごほん! あーテステス」
次元「ルパン!」
ルパン「なんだよ、ただの冗談だろ?」
次元「……」
ルパン「はいはい、ったくわかったよ!」
0011以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/06/30(月) 22:08:03.55ID:4zQsuOfK0
ルパン「その昔、ローゼンっていうそりゃまた凄い人形師がいてな」
ルパン「そのローゼンっていう人形師は、究極の少女を作りだすなんて
馬鹿げた妄想にとりつかれっちまったんだよ」
次元「人形を作り出す人間が、人形に取り付かれちまったってわけか」
ルパン「そうそう」
次元「それで?」
ルパン「結論から言うとな、その究極の少女ってのは完成しなかったんだ」
次元「そりゃあそうだろうな」
ルパン「しかしローゼンは、自らの魂を込めて6体の人形を完成させたんだ」
次元「……」
ルパン「その内の一体が、このトランクの中身、ってわけ」
0012以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/06/30(月) 22:11:35.53ID:4zQsuOfK0
次元「もし本物だとしたら、値打ちもんかもしれないな」
ルパン「だろー?」
次元「でも、盗むだけの価値があるとは思えないぜ」
ルパン「そりゃあ、この話には続きがあるのさ」
次元「ふむ」
ルパン「その人形な……なんと動くらしいんだよ」
次元「仕掛けがほどこしてあるのか?」
ルパン「いいや、俺の調べだと特に変わった仕掛けはなかったみたいだぜ」
次元「……つまり」
ルパン「ヒュ~ドロドロドロ!」
次元「うわあ! 驚かすなよ!」
0014以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/06/30(月) 22:15:39.06ID:4zQsuOfK0
ルパン「まあ、死んだローゼンの幽霊が人形に取り付いてるのか知らないが」
次元「……」
ルパン「……この人形は裏じゃあそういった噂が絶えないんだ」
次元「お、おい。よそうぜルパン」
ルパン「なんだよ次元、ビビっちまったのか?」
次元「う、うるせえ! 俺こういうの苦手なんだよ!」
ルパン「まあまあ……っと」
カチャリ……
ルパン「もうトランクは開けちまったしさ!」
次元「俺は降りるぞ!」
ルパン「とりあえずお人形ちゃんのお顔を拝んでからでいーんでないの?」
次元「……顔、見るだけだからな」
ルパン「そうこなくっちゃあ!」
0015以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/06/30(月) 22:19:08.04ID:4zQsuOfK0
ルパン「……それじゃあ開けるぞ」
次元「……」
ルパン「……は~い、おこんにち……」
真紅「」
ルパン「……こいつぁ……さすがにおったまげたな」
次元「……おいルパン、お前……」
ルパン「なんだよ次元? もしかしてこれを見てやる気を出したとか?」
次元「……泥棒じゃなくて誘拐をしたのか!」
ルパン「あらら!」
0018以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/06/30(月) 22:23:46.90ID:4zQsuOfK0
ルパン「それにしても、えっらいカワイコちゃんじゃないの!」
次元「そうかルパン。お前、ロリコンだったのか?」
ルパン「だ~っ! ちっげ~っての!」
真紅「」
ルパン「大人になったら美人になりそうだなって意味だよ!」
次元「……俺は将来性には期待しない性質なんでね」
ルパン「……やれやれ、夢がないね」
次元「うるせぇ」
0024以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/06/30(月) 22:28:19.45ID:4zQsuOfK0
ルパン「おっほほ! ほっぺたプニプニ!」
次元「そうかい」
ルパン「なんだよ、のりが悪いぜ次元?」
次元「……」
ルパン「さては、この人形が赤い服を着てるから嫉妬してんのか?」
真紅「」
次元「違うっての!」
ルパン「じゃあなんだよ~」
次元「確かに出来はいいが、俺にはただの人形にしか見えんね」
ルパン「……にひ」
次元「お宝って呼ぶには……ルパン?」
ルパン「……ニッシシシシシシ!」
次元「お前、まだ何か隠してやがるな?」
0026以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/06/30(月) 22:31:27.37ID:4zQsuOfK0
ルパン「ニシシシシ!」
次元「笑ってないで全部言いやがれ!」
ルパン「どうやら興味をもったみたいだな?」
次元「……わかったよ! この話のるよ!」
ルパン「さっすが次元、話がわかるぜ」
次元「けっ!」
ルパン「それじゃあ、ここからがお立会いだ」
0028以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/06/30(月) 22:34:58.91ID:4zQsuOfK0
ルパン「この人形が動き出すには、ある条件があってな」
ルパン「……ジャジャーン!」
キラーン!
次元「そりゃあ……ネジか?」
ルパン「そうそう」
次元「ネジで動き出す人形なんて珍しいもんでもないだろ」
ルパン「いや~、最初は俺もそう思ったんだけどよ」
次元「……」
ルパン「調べていくうちにただ動き出すだけじゃない、ってのが分ったんだ」
次元「? 一体何が違うってんだ?」
ルパン「そりゃあ、これからネジを巻いてみればわかるさ」
0030以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/06/30(月) 22:38:58.90ID:4zQsuOfK0
カチリ…カチリ…
ルパン「……」
次元「……ゴクリ」
カチリ…カチリ…カチッ!
ルパン「……最後まで巻いたぜ」
次元「そ、それでいつ動き出すんだ?」
ルパン「焦るなって。相手は女の子なんだしよ」
次元「……」
ルパン「……」
次元「……」
ルパン「……動かねえな」
次元「……だな」
0033以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/06/30(月) 22:43:00.87ID:4zQsuOfK0
ルパン「……」
次元「お前、ガセネタつかまされたんじゃねえか?」
ルパン「……」
次元「おい、ルパン?」
ルパン「あ~~~っ! もう!」
次元「!?」
ルパン「ったく大損だ! どっかで飲むぞ次元!」
次元「おい、ルパン……」
ルパン「あん? ま~た機嫌悪くしたのか?」
次元「そ、そうじゃねえ!」
ルパン「まあ、今日は俺が奢るからよ」
次元「だからそうじゃねえって!」
ルパン「……なんだよ?」
次元「あ、あれを見ろルパン!」
真紅「……」
ルパン「……う、動いてる!」
0035以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/06/30(月) 22:46:22.14ID:4zQsuOfK0
真紅「……」
コツ……コツ……
次元「おい、こっちに来るぞ!?」
ルパン「おい次元、離せって!」
次元「お前一人で逃げようったってそうはいかねえぞ!」
ルパン「逃げるんだから尚更離せっての!」
次元「腰が抜けて立てねえ!」
コツ……コツ……
真紅「……」
ルパン・次元「ひいいいいいい~っ!!?」
0041以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/06/30(月) 22:50:06.87ID:4zQsuOfK0
コツ……コツ
真紅「……」
ルパン「止まっ……た?」
次元「き、きっとネジが切れたんだろ」
真紅「……ネジを巻いたのはどっち?」
ルパン・次元「こいつです!」
ルパン・次元「あん!?」
真紅「……」
ルパン「ネジの効果が切れるどころか喋りだしてるじゃねえか!」
次元「うるせえ! ネジを巻いたのはお前だから責任とれ!」
真紅「……人間のオスは想像以上に下劣ね」
0049以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/06/30(月) 22:59:20.97ID:4zQsuOfK0
真紅「あなた達、聞いているの?」
ルパン「お~やおやおや、途中から乗り気だったのはどこの誰かさんだったかな?」
次元「あれはお前がのせてきたんだろうが! 大体だな……」
真紅「……」
ルパン「にゃにおう!?」
次元「お、やるか!?」
真紅「……私の話を聞きなさい!」
ピシピシッ!…………バーン!
ル パ ン 三 世
美しき薔薇乙女/セブンドールズ
真っ赤な~薔~薇が~♪(ry
0076以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 00:03:29.28ID:ablfI9rh0
真紅「……不味いわ」
ルパン「ありゃ? 一応最高級の茶葉なんだけどなあ……?」
真紅「煎れ方がなってないのね。温度が低すぎるのだわ」
ルパン「へぇへぇ、そりゃすいませんでしたね!」
真紅「煎れなおしてきてちょうだい」
ルパン「わあ~っかりましたよ」
ルパン「……おう次元、お前もキッチンに引っ込んでないで手伝ってくれよ」
次元「俺はあんな生意気なガキンチョの機嫌を取るのはごめんだ」
ルパン「まあまあ」
次元「それよりどういうことだルパン?」
ルパン「何が?」
次元「ありゃどう見たってお宝には見えねえぞ」
0079以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 00:07:31.56ID:ablfI9rh0
ルパン「あんなに可愛いじゃな~いのよ」
次元「目が笑ってないぞ」
ルパン「ウフフフフ」
次元「ありゃ、喋るし生意気だし不気味なだけだ」
ルパン「あら、喋る人形なんていったら目ん玉飛び出る額で取引されるぜ」
次元「……だったら、一体だけじゃなくて他のも集めるはずだろう?」
ルパン「おほ! 今回の次元は冴えてるねえ!」
次元「ルp」
真紅「ルパン! お茶はまだなの!?」
0080以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 00:11:05.51ID:ablfI9rh0
ルパン「ほらほら、お嬢様がもうカンカン!」
次元「誤魔化すなルパン」
真紅「ルパン!」
ルパン「とりあえず詳しい話はあとだ」
次元「……」
ルパン「確かに話に続きはあるが、あのコから情報を聞き出してからだ」
次元「あん?」
ルパン「ちょ~っと気になることがあるのよ」
真紅「ルパン!!」
ルパン「はいはい! ただいまお持ちしますよ~!」
次元「……ちっ」
0082以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 00:16:14.21ID:ablfI9rh0
真紅「不味いわ」
ルパン「あれ~? おっかしいなぁ」
真紅「……はぁ、今度の下僕はお茶の煎れ方から教えなくてはならないようね」
ルパン「お手数かけますです、はい」
真紅「……それに、この部屋臭いがひどいわ」
カチッ! シュボッ!
ルパン「……フーッ」
真紅「どうやら、臭いの原因はそれのようね」
ルパン「へ?」
真紅「レディーの前で許可なくタバコを吸うなんて……」
ルパン「……ああ、こりゃ失敬」
ルパン(この人形……味覚だけじゃなく嗅覚もあるのか)
0083以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 00:19:51.97ID:ablfI9rh0
ルパン「あの~……」
真紅「何?」
ルパン「一つ聞いてもよろしいでしょうかねえ?」
真紅「構わないわよ」
ルパン「あ、それじゃあ遠慮なく!」
真紅「何なの?」
ルパン「ローゼンメイデンって、6体なんですよね?」
真紅「そうよ」
ルパン「それで全部?」
真紅「ええ、なんなら他の姉妹の名前も挙げましょうか?」
ルパン「あ、そりゃ結構ですよ、はい」
真紅「そう? 変なことを聞くのね」
ルパン「そりゃあ、それがお仕事ですんで」
0085以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 00:25:25.77ID:ablfI9rh0
真紅「……とにかく、今日はもう休むわ」
ルパン「あ、さいですかお嬢様」
真紅「……」
ルパン「? なにか?」
真紅「お嬢様ではなく、名前で呼んで構わないわ」
ルパン「……おほ! そりゃあ光栄」
真紅「あなたは使えそうな人間だもの」
ルパン「……そりゃあ光栄」
真紅「私が休んでいる間に、部屋をなんとかしていてちょうだい」
ルパン「へいへい」
真紅「返事は“はい”よ」
ルパン「はぁい!」
真紅「それじゃあ、お休みなさいルパン」
ルパン「……おやすみ真紅」
0087以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 00:28:15.41ID:ablfI9rh0
ルパン「……おい次元」
ルパン(場所を変えるぞ)
くいっ
次元「……」コクリ
・ ・ ・
ルパン「……」
次元「おい、ルパン」
ルパン「……」
次元「何か言えっての」
ルパン「……ここまで来れば、アイツにも聞こえないだろう」
0088以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 00:33:48.93ID:ablfI9rh0
次元「何かあいつに聞かれちゃまずいことでもあるのか?」
ルパン「……」
次元「おい、ルパン?」
ルパン「ちいっくしょ~~~う!!」
次元「ど、どうしたルパン」
ルパン「はずれだよ、は~ず~れ!」
次元「はずれ?」
ルパン「あの人形、なんにも知りやしないんだもの!」
次元「おい、もう隠し事はよせ」
ルパン「……とりあえず座れる所に行くぞ。ちょっと疲れた」
次元「……奢るよ」
0090以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 00:38:26.09ID:ablfI9rh0
次元「……それで、どういうことなんだ?」
ルパン「……人形師ローゼンが作りだした人形はな、有名な呼び名があるんだよ」
次元「ああ、ローゼンメイデンとか言ってたあれか」
ルパン「そうそう」
次元「それで、お前は何が知りたかったんだ?」
ルパン「……ンクッンクッ……プハアーッ!」
次元「……」
ルパン「……セブンドールズ」
0091以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 00:44:29.27ID:ablfI9rh0
次元「セブンドールズ?」
ルパン「名前くらいは聞いたことないか?」
次元「言っただろ? 俺にゃ人形遊びの趣味はねえって」
ルパン「……あ、そ。まあ話を続けるぜ」
ルパン「セブンドールズってのは、ローゼンメイデンの別の呼び方でな」
ルパン「裏の人形愛好家の中では結構有名な話なんだ」
次元「ちょっと待てよルパン」
ルパン「あん?」
次元「そのセブンドールズとローゼンメイデンって関係があるのか?」
ルパン「焦るなって」
0093以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 00:49:19.20ID:ablfI9rh0
ルパン「人形師ローゼンは、究極の少女を作るために6体の人形を作り出した」
ルパン「でもよ、な~んかおかしいと思わねえか?」
次元「……究極なのに、6体のシリーズってことか?」
ルパン「ピンポンピンポーン! 大正解!」
ルパン「究極の少女を作り出すためだったら、途中までの人形は何なんだ?」
ルパン「そう考えた人形愛好家達はこう考えた」
ルパン「“もしかしたらローゼンは究極の少女を完成させていた”」
ルパン「もしくは」
ルパン「“全てのローゼンメイデンは、究極の少女のためにある”」
ルパン「……ってね」
0095以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 00:54:30.99ID:ablfI9rh0
次元「……それで、どうして“セブンドールズ”って名前がついたんだ?」
ルパン「あら、もう飽きちゃった?」
次元「お前の話は長すぎる」
ルパン「ありゃりゃ」
ルパン「……俺はよ、この二つはどっちも正しいんじゃないかって思ってるんだ」
次元「どっちも正しいって、ますます訳がわからん」
ルパン「究極の少女、その人形を手に入れるためには……」
ルパン「他の6体のローゼンメイデンが鍵になってるんじゃないか、ってな」
0098以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 00:58:08.99ID:ablfI9rh0
ルパン「しかし、それじゃあ“セブンドールズ”の説明がつかない」
ルパン「……それをあの人形が知ってると思ったんだけどな~」
次元「なんだ、お前は究極の少女に興味があるんじゃなかったのか?」
ルパン「俺にもお人形さん遊びの趣味はないっての」
ルパン「……誰も見た事が無い七番目の人形」
ルパン「あの真紅っていうのでさえ博物館で保管されてた程のいわくつきの品だ」
ルパン「どうよ、お宝の臭いがプンプンしてこねえか次元?」
0100以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 01:04:21.72ID:ablfI9rh0
次元「つまり、6体のローゼンメイデンは七番目の人形の手がかりってわけか」
ルパン「そういうこと」
次元「でも、あいつは人形は全部で6体って言ってなかったか?」
ルパン「だからはずれなんだよ」
次元「おいおい」
ルパン「あんまり責めるなよ次元、俺だって落ち込んでるんだぜ?」
次元「そりゃあ、あいつにへこまされたからか?」
ルパン「……うるせえやい!」
ルパン「……ローゼンが求めた究極の少女」
ルパン「……幻の七番目の人形」
ルパン「こりゃどっちもすげえお宝に違いないぜ!」
次元「、まあ、明日っから情報集めのために
また他の人形を探さなきゃいけないけどな」
ルパン「それを言うなよジゲ~ン……」
0102以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 01:09:56.64ID:ablfI9rh0
翠星石「蒼星石! どうして戦わなきゃいけないんですか!?」
蒼星石「……ごめんよ、翠星石」
翠星石「謝るくらいならやめるです!」
蒼星石「……僕達ローゼンメイデンは、戦う運命なんだよ」
翠星石「だからって!」
蒼星石「お父様と……あの子のために」
翠星石「……あの子? あの子って誰のことですか?」
蒼星石「……」
翠星石「答えるです蒼星石ぃ!」
蒼星石「……いくよ、翠星石!」
翠星石「蒼星石ぃ!」
0104以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 01:15:40.05ID:ablfI9rh0
収集家「むほほほほ! やはりローゼンメイデンは素晴らしいのう!」
収集家「生きている間に、2人も手に入れることが出来るなんてワタシはなんてついてるんだ!」
部下A「2体の人形が交戦状態に入りました」
収集家「ふんっ!」
ぼぐっ!
部下A「ぐあっ!」
収集家「あの子達を“体”で数えるんじゃない!」
部下A「す、すみません!」
収集家「それに、交戦なんてなんて下品な……!」
ぼぐっ!
部下A「ぐああっ!」
収集家「あの子達は戦っているんだよ……」
収集家「お互いのローザミスティカを賭けて、アリスになるためにね……!」
0105以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 01:20:34.86ID:ablfI9rh0
収集家「確かにローゼンメイデン全てを集めることは無理だった……」
収集家「しかぁし!」
収集家「どちらか片方にローザミスティカが集まれば……」
収集家「きっと! きっと今のあの子達よりもアリスに近いドールになるはずだ!」
収集家「まあ、その過程でどちらかが失われてしまうのは悲しいことだが」
収集家「ワタシは、他の愛好家の誰よりも究極の少女に近づくことが出来る!」
収集家「むほほほほほほほほほ!」
部下B「2た……二人とも、どうやら積極的に戦っていないように見えます」
収集家「……なんですって?」
0107以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 01:24:47.96ID:ablfI9rh0
蒼星石「くっ!」
翠星石「戦わなきゃいけないのはわかっています……」
蒼星石「じゃあ、僕と戦ってよ翠星石!」
翠星石「そんなこと出来るわけないじゃないですか!」
蒼星石「どうしてさ!?」
翠星石「だって……だって蒼星石、すごく悲しそうな顔をしてます」
蒼星石「翠星石……」
翠星石「……そんな妹と戦うなんて、姉として出来ません」
蒼星石「翠星石……僕は……僕も……」
すっ……
収集家『おおっと蒼星石、ハサミをおろすのはダメですよ!』
0109以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 01:29:07.54ID:ablfI9rh0
収集家『キミが戦わなければ、あの子は助かりませんよ?』
蒼星石「それは……」
収集家『あの子はキミの力を必要としている、病に苦しんでいる……』
蒼星石「でも……」
収集家『助けるためには、一つになったローザミスティカの力が必要なんですよ』
蒼星石「……」
すっ
翠星石「蒼星石?」
蒼星石「……行くよ翠星石」
蒼星石「僕は……キミを倒してローザミスティカを手に入れる!」
0110以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 01:32:15.77ID:ablfI9rh0
部下B「蒼星石、翠星石に攻撃を開始しました」
収集家「むほほほほほ! 蒼星石は良い子ですねえ!」
収集家「病気の子供のために、実の姉と戦うなんて素晴らしい!」
収集家「もっとも、その子供はもう死んでこの世にはいないんですがね」
収集家「むほほほほほほ!!」
ドオオオン!!
収集家「な、なんの音ですかこれは!?」
部下C「し、侵入者です!!」
収集家「なんですって!?」
0112以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 01:36:26.54ID:ablfI9rh0
兵士A「門を破られたぞーっ!」
兵士B「くそっ、撃て! 撃ちまくれ!!」
ババババババババババババッ!!!!
「きえいっ!」
キキキキキキキキキキキキンッ!!
兵士A「ば、化け物……う、うわああああっ!!」
「ふっ!」
兵士達「……」
……ドサリ!
五ェ門「……また、つまらぬ物を斬ってしまった」
0115以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 01:43:16.15ID:ablfI9rh0
収集家「ええい! 外の兵士は一体何をしているんですか!」
部下C「そ、それが通信が取れなく……」
収集家「貸しなさい! 聞こえますか!?」
ザーッ……
収集家「聞こえたら返事をなさい!」
ザーッ……
収集家「ええい! 使えない人達ですね!」
ガンッ!!
収集家「……ん?」
収集家「……む、むほほほほほほほ!!」
収集家「そうです! ワタシにはあの子達がいるじゃないですか!」
0117以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 01:48:18.61ID:ablfI9rh0
蒼星石(何か騒がしいけど……僕には関係ない)
蒼星石「……」
翠星石(どうすれば……どうすれば蒼星石を止められるんですか!)
翠星石「……」
収集家『……二人共、戦うのはおやめなさい』
蒼星石・翠星石「えっ?」
収集家『これからその決闘場に侵入者、それも大悪党が来ます』
収集家『二人には、その男をやっつけてもらいたいんですよ!』
収集家『……聞いて、もらえますよねぇ? 特に、蒼星石は』
収集家『むほほほほほほほほ!!』
0118以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 01:53:09.74ID:ablfI9rh0
部下A「ヘリの準備が整いました!」
収集家「ご苦労様です」
部下B「しかし……せっかくのローゼンメイデンをよろしいのですか?」
収集家「あの子達は惜しいですが、万一の可能性もあります」
収集家「究極の少女がいても、それを愛でる
ワタシが生きていなければダメでしょう?」
収集家「……あの子達には、せいぜい時間稼ぎをしてもらいますよ」
収集家「むほほほほほほほほほ!」
0119以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 01:58:15.44ID:ablfI9rh0
たったったったったっ
五ェ門「……しかし、ルパンに聞いてここに来たがきえいっ!」
シュピンッ!
兵士「ぐうあああっ!」
たったったったったっ
五ェ門「悪党に捕らわれた少女などどこにもいないではないかっ!」
シュピンッ!
兵士「ぎゃあああっ!」
五ェ門「む。行き止まり」
五ェ門「道は一つしかなかったが」
五ェ門「……試してみる価値はある、か」
0124以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 02:02:10.77ID:ablfI9rh0
五ェ門「けえあっ!」
…………ガラガラガラガラッ!!
五ェ門「開けた空間?」
五ェ門「む、あれは……」
蒼星石「……」
翠星石「……」
五ェ門「あれが捕らわれの少女?」
五ェ門「いや、よく出来てはいるが……人形か?」
蒼星石「僕が先に斬りかかるよ!」
翠星石「後ろは任せるですよ蒼星石っ!」
五ェ門「むうっ!?」
0128以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 02:09:16.09ID:ablfI9rh0
蒼星石「たああっ!」
五ェ門「むっ!?」
キンッ!
蒼星石(ただの人間があれをかわした!?)
五ェ門(この人形……出来る!)
翠星石「どくですよ蒼星石!」
ぐむむむむうっ!!
五ェ門「くっ、これは……植物の根か!」
翠星石「これならかわせねーです!!」
五ェ門「……きえいっ!」
……バラララッ、ドスンッ!
蒼星石「……この人間、ただ者じゃないね」
翠星石「……わかってますよ」
五ェ門「この者達、出来る。そしてそれ以上に……」
五ェ門「……可憐な」
0132以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 02:16:10.63ID:ablfI9rh0
五ェ門「……お主達、名前は? 拙者、五ェ門と申す」
翠星石「悪党に名乗る名前はねーですよーだ!」
蒼星石「……蒼星石」
翠星石「ちょ、なんで名乗るんですか!?」
蒼星石「えっ? だ、だって相手が名乗ってるのに失礼じゃないか」
翠星石「だーかーらー! あいつは悪い奴だからいいんですよ!」
蒼星石「相手が悪党でも、礼には礼を返さないと」
翠星石「うぐっ!」
蒼星石「……だよね?」
翠星石「……わかりましたよ! やい悪党、翠星石の名前を忘れるなです!」
五ェ門「……まてまて、悪党とはどういう意味だ?」
0133以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 02:22:58.45ID:ablfI9rh0
ルパン「あ~ら、五ェ門。早かったじゃないの」
五ェ門「説明してもらおうかルパン」
ルパン「いやいや、最初に言っただろう?」
五ェ門「……」
ルパン「捕らわれの女の子がいる、って」
五ェ門「しかし、あの説明だけでは……」
ルパン「話を最後まで聞かずに飛び出してったのは五ェ門の方じゃない」
五ェ門「……不覚!」
翠星石「なんですか五ェ門、この猿人間は?」
蒼星石「ちょ、ちょっといきなり失礼だよ!」
ルパン「……あ~らら、一人だけかと思ったら双子ちゃんだったのね」
0135以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 02:28:47.27ID:ablfI9rh0
翠星石「五ェ門、きちんと説明するです!」
蒼星石「ここ……本当に安心できる場所なの?」
五ェ門「この男、盗人だが悪人ではない」
翠星石「なんだかよくわからないですけど、五ェ門が言うなら安心です」
蒼星石「うん、そうだね!」
次元「おやおや五ェ門、すっかりなつかれちまってるな」
五ェ門「……うるさい。からかうな」
翠星石「なんですかこのモジャ人間は?」
次元「も、もじゃ……!?」
蒼星石「それに……ちょっと臭う」
次元「これは煙草の香りだっての!」
ルパン「……ナッハハハハ! お前も形無しだな次元?」
次元「……うるせえやい」
0138以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 02:35:20.10ID:ablfI9rh0
真紅「ルパン、お茶を煎れて頂戴」
翠星石「し、真紅っ!?」
蒼星石「キミも目覚めてたんだね……」
ルパン「お~いおい、そりゃないぜ真紅~」
真紅「……何か不満があるのかしら?」
ルパン「せっかく姉妹のご対面を感動的に演出しようと思ってたのによ」
真紅「この汚い部屋で感動は難しいと思うわ」
ルパン「むぐぅ……」
次元「……ワッハハハハ! お前も形無しだなルパン?」
ルパン「……うるせえやい」
0140以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 02:41:25.90ID:ablfI9rh0
真紅「……ローゼンメイデンが3人も揃ってしまったのね」
翠星石「そうですね、もしかしたら今回は……」
蒼星石「……うん、僕もそう思ったよ」
ルパン「あらら……?」
次元「何か様子がおかしくないか?」
五ェ門「……」
ルパン「あ~……ゴホン! キミ達キミ達」
ルパン「ひっさしぶりに会ったんだから、
“やっほー”とか“げんきー”とかしないのかな?」
ルパン「おじさん達向こうに行ってるからムチューとかしてもいいよ?」
次元「おいおい」
五ェ門「何を言っているルパン!」
0141以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 02:46:32.46ID:ablfI9rh0
真紅「……そうね、普通の姉妹ならそうするのかもしれないわね」
ルパン「そりゃあ、ドールだから普通とは違うってことなのかい?」
翠星石「じ、事情を知らない猿人間は黙ってるです!」
ルパン「事情は知らないけど、おじさん達がいなかったら
キミ達は会えなかったんだよ?」
蒼星石「うん……そうだね。そうだけど……」
次元「おいおい、いいじゃねえかルパン」
五ェ門「それぞれ事情というものがあるだろう」
ルパン「ん~……とりあえずおじさん達は遊びに行ってくるわ!」
ぐいっ!
次元「おい! 押すなってルパン!」
五ェ門「せ、拙者はここに……」
ルパン「いいからいいから! 遅くなるから先に寝といていいからね~」
……バタンッ!
0142以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 02:52:38.43ID:ablfI9rh0
次元「おいルパン!」
ルパン「お前ら、あの子達の態度がみょ~に変だと思わなかったか?」
五ェ門「む、それは……何か事情があるのだろう」
ルパン「もしかしたら、そこにお宝の手がかりがあるのかもしれないぜ?」
次元「ほう?」
五ェ門「む」
ルパン「まあ、ちょこ~っと盗み聞きさせてもらっちゃおうじゃないの」
次元「おお、そりゃいいな」
五ェ門「せ、拙者は聞かんぞ!」
ルパン「相変わらずお堅いねぇ五ェ門は」
ピーッガガッ…ザザッ……
真紅『……久しぶりね、二人とも』
ルパン「……感度良好」
0145以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 02:59:37.24ID:ablfI9rh0
翠星石「挨拶はいらねーです」
蒼星石「……でも、真紅まで目覚めてるなんて」
真紅「そのことに関してなのだけど、今回は奇妙だわ」
翠星石「何がですか?」
蒼星石「うん。もしかして真紅もそうだったの?」
真紅「その様子だと、あなた達も同じだったようね」
翠星石「ふ、二人で勝手に話を進めるなです!」
蒼星石「あ、ごめんね翠星石」
真紅「今回ネジを巻いた人間は……人工精霊に選ばれていないのよ」
翠星石「な、なんですってぇ!?」
蒼星石「あれ?」
真紅「もしかして翠星石、あなた……」
翠星石「!? も、もちろん最初から気づいてましたよ!」
0148以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 03:08:04.94ID:ablfI9rh0
真紅「あなた達のネジを巻いたのはどんな人間だったの?」
蒼星石「それは……ものすごい人形収集家で……」
翠星石「思い出すだけでも胸クソ悪くなる最低な野郎でしたよ!」
蒼星石「す、翠星石……」
翠星石「五ェ門が来てくれなかったら、危うく……」
真紅「……あなた達、苦労したみたいね」
蒼星石「それじゃあ……真紅のネジを巻いたのは?」
翠星石「猿人間とモジャ人間、どっちですか? ま、まさか五ェ門ですか!?」
真紅「ルパン……赤いジャケットを着ている方よ」
蒼星石「あの人は悪い人には見えなかったけど……」
翠星石「真紅はいーですねー。苦労してなくて」
真紅「ルパンは国際指名手配中の大泥棒よ」
0150以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 03:12:44.27ID:ablfI9rh0
翠星石「……はぁ、そうですか」
蒼星石「ねえ、なんかピンとこないんだけど……」
真紅「そうね……」
真紅「世界中から追われる泥棒」
真紅「 で品が無い」
真紅「他にも挙げるとキリがないけど……」
真紅「……ああ、追っ手から逃げるためにもう3回住む家を変えたわ」
翠星石・蒼星石「……」
真紅「あら? どうしたの二人共黙りこくって」
翠星石・蒼星石「だ、大悪党じゃねーです(ない)か!?」
0151以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 03:18:06.32ID:ablfI9rh0
真紅「……でも」
翠星石「“でも”もカカシもねーですよ!」
蒼星石「は、早くここから逃げないと……」
真紅「ルパンは悪い人間ではなかったわ」
翠星石「は?」
真紅「もちろんあのモジャ人間……次元もね」
蒼星石「そう……なの?」
真紅「ええ。あなた達も五ェ門と接したのならわかるでしょう」
翠星石「それは……そうですけど……」
真紅「ルパン達といると、楽しめたのも事実だわ」
翠星石・蒼星石「……」
真紅「……もう少し落ち着けるのなら良かったのだけれど」
0152以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 03:23:16.02ID:ablfI9rh0
真紅「どうして私達が目覚めたのかはわからないわ」
真紅「でも、今回は定められた時ではない……」
真紅「神聖なアリスゲームは、
このような不測の事態に行うべきではないと思うの」
真紅「もちろんあなた達が戦いを望むのなら、それは仕方ないわ」
真紅「……でも」
真紅「……もしかしたら、今回はお父様が与えてくれた
休息の時かもしれないと私は思うの」
真紅「戦って壊しあうだけでなく、姉妹として交流する、ね」
0155以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 03:27:14.31ID:ablfI9rh0
ルパン「……」
次元「……」
五ェ門「……」
ルパン「……なんか、イヤ~なことを聞いちまったな」
次元「こりゃあ……どうしたもんかね」
五ェ門「……不憫な! くうっ!」
ルパン「お宝……どうするよ?」
次元「どうするったってそりゃおめえ……」
五ェ門「……あの子達を利用するなら、お主達を斬る!」
ルパン「うわ~あ! 落ち着けって五ェ門!」
次元「刀をしまえ五ェ門! うわあ、ひ、髭が!?」
0161以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 03:37:47.51ID:ablfI9rh0
銭形「……全く、長官も何を考えとるんだ」
銭形「違法行為をしている人形の収集家の逮捕より、ルパンの逮捕を優先すべきだろうに」
銭形「……む?」
男「どけっ!」
銭形「……ちょおっと待てい」
がしっ!
男「! は、離せっ!!」
銭形「ワシの勘だがな、お前さんからは犯罪のにおいがプンプンするんだ」
0163以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 03:42:04.91ID:ablfI9rh0
男「い、言いがかりはよしてくれ! それにアンタなんなんだ!」
銭形「あ~、ワシはICPOの銭形だ」
男「いいから……離してくれっ!!」
ぐいぐいっ!
銭形「これが証明書だ」
男「こいつ……なんて力だ!」
銭形「時間はとらせんから……」
銭形「ちょっとばかしそのトランクの中身を拝見させてもらえるかな?」
男「くそっ!」
ジャキッ
銭形「銃刀法違反に公務執行妨害……逮捕する!」
0167以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 03:53:56.06ID:ablfI9rh0
署長『お手柄だよ銭形くん!』
銭形「はっ、光栄であります!」
署長『キミが捕まえた男はだね、
収集家の組織を掴む手がかりになるかもしれん』
銭形「なんと!」
署長『うむ……』
署長『あのトランクの中身は人形で、博物館に展示されていたものだ』
署長『それに、収集家はあの人形を狙っていたという情報も入っている』
署長『あの人形が一体何なのかしらないが……調査は続けていく』
署長『……それと、その国でルパンが目撃されたという情報も入っている』
銭形「なんと! ルパンがでありますか!?」
署長『うむ』
銭形(これは……あのトランクの中の人形に何かあるかもしれんな)
0285以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 21:12:32.50ID:ablfI9rh0
銭形「しかし……ここの国の署はなんというか……」
銭形「いかんいかん! 見た目で判断してはダメだ!」
銭形「……ボロっちいなあ、こりゃあ」
署員「おヤ、おたくさんどちらさんデスかな?」
銭形「ワシはICPOの銭形だ。先日ここにトランクが届けられただろう」
署員「トランク?」
銭形「中身に関して詳しくは言えんが……」
署員「……あ~あ~! アレのことデスね!」
銭形「それを保管しているところへ案内してもらいたい」
署員「はい、わかりマシた。こちらデス」
0288以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 21:18:46.74ID:ablfI9rh0
銭形「む、地下室?」
署員「はイ。ここの地下室の奥の金庫にトランクは保管してありマス」
銭形「驚いたな。こんなボロ……地下室があるとは」
署員「署内の人間でも簡単には入れませんが、銭形警部なら平気でショウ」
銭形「……」
署員「……尽きまシた」
守衛「なんだあんたら?」
銭形「ワシはICPOの銭形だ。ほれ」
守衛「確認させてもらう」
銭形「……」
守衛「……どうやら本物のようですね。……どうぞ」
ギイイッ……
署員「では……」
銭形「……いや、ここから先はワシ一人で結構だ」
0293以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 21:24:07.68ID:ablfI9rh0
銭形「一番奥、ここか」
銭形「……あった」
銭形「しかし、このトランク、見れば見るほど……」
銭形「以前ルパンが盗んでいったトランクによく似ているな」
銭形(収集家もこのトランクとその中身を狙い……)
銭形(以前、ルパンもこれに似たものを盗んでいった)
銭形(……そして、ルパンはこの国に潜んでいるという情報がある)
銭形「……! もしやこいつぁ……」
0294以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 21:24:52.41ID:kmf1hxoLO
追い付いた
支援
0297以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 21:29:44.58ID:ablfI9rh0
署員『銭形警部! トランクを守ってください!』
銭形「な、なんだあぁ!?」
署員『ルパンです! ルパンが署に……ブツッ!』
銭形「ルパンだとう!?」
銭形(やはりワシの読みは正しかったようだな!)
銭形(大方ワシに化けてこいつを盗もうとしたんだろうが、
一足遅かったようだ)
銭形「ぬふふふふ! とうとうルパンも年貢の納め時のようだ」
銭形「ワシはこのトランクを絶対に手放さんぞ!」
銭形「……ルパ~~~ン! 逮捕だあ~~~っ!!」
本気を出せばルパン以外は一網打尽にできるほどの実力者だぞ
0299以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 21:34:35.62ID:ablfI9rh0
銭形「む? さっきの守衛と職員の姿がないぞ?」
銭形「……」
銭形「まあいい。上に上がってみればわかるはずだ」
「ルパンはこっちだ!」
銭形「何、ルパンがもう見つかったのか!」
銭形「ワシが行くまでそこを動くなよルパ~~~ン!」
ダダダダダダダダッ!!
銭形「さあ、ルパン! 今日こそ逮捕する!」
俺あんまりルパンシリーズはみたことないんだ。ごめん
0302以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 21:39:16.93ID:ablfI9rh0
「いたぞ! アイツがルパンだ!」
銭形「どこだルパンは!?」
「観念しろルパン! もう逃げ場はないぞ!」
銭形「おおっ、ICPOからの援軍がこんなにも!」
「銭形警部に変装して進入するとは……」
銭形「あん? お前ら何を言ってるんだ? ルパンはどこに……」
銭形(?)「さあ観念しろルパン! 今日こそ逮捕する!」
銭形「わ、ワシがもう一人!?」
銭形(?)「さあ、ひっとらえろ!」
「うおおおおおおおっ!」
銭形「ば、バッカモ~ン! そいつがルパンだ!!」
0311以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 21:47:01.09ID:ablfI9rh0
銭形「ワシの顔をよく見ろ! それと……ほれ、これが手帳だ!」
「い、言われてみれば本物のような気も……」
銭形(?)「騙されちゃあいかん! さあルパン、そのトランクを渡せ!」
銭形「なにをぬけぬけと言いおるかこの偽者め!」
銭形(?)「なんだとこの! 本物の銭形はワシだ!」
銭形「いいやワシだ!」
「ど、どっちを捕まえればいいのかわからなくなってきた……」
「……見ただけでは、全くみわけがつかん」
「きっと先に来ていた方が偽者のルパンなのだわ!」
「そうですぅ! うまく化けたつもりでしょうが、騙されるなですよ!」
「ちょ、ちょっとダメだよ二人共、静かにしてなきゃ……!」
銭形(?)「あ、こら馬鹿」
銭形「……あん? なんだあのちびっこいのは」
0319以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 21:53:00.00ID:ablfI9rh0
真紅「“馬鹿”ですって? 今、あなたそう言ったわね」
翠星石「ち、ちびっこいって馬鹿にするなですアゴ人間!」
蒼星石「二人共駄目だったら! しーっ! しーっ!」
銭形(?)「あちゃ~あ……」
銭形「な、なんだかよくわからんがチャンスだお前ら! ルパンを逮捕しろ!」
警官隊「し、しかし……」
銭形「ええい、何をグズグズしとるか!」
「どっちが本物かわからないなら、どっちも捕まえればいいかしら!」
銭形「ああん!?」
銭形(?)「いいっ!?」
警官隊「……確かに!」
0321以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 21:59:12.40ID:ablfI9rh0
「さあ、突撃よー!」
警官隊「うおおおおおおっ!」
銭形「わ、ワシは本物だっての! いてて、は、離さんか!」
銭形(?)「あら、あららららららら!」
ビリイッ!
銭形「やはり貴様ルパン!」
ルパン「……バレちゃあしょうがねえな」
銭形「ぬふふふふふ! 今度ばかりはお前も観念したようだな!」
ルパン「それよりいいのかい、とっつぁん?」
銭形「わはははは! 負け惜しみかルパン?」
ルパン「大事なトランク、ちゃんと持ってなくて」
銭形「…………なんだって?」
署員「……!」
銭形「あっ、お前! それを持ってどこへ行くつもりだ!?」
2008/07/01(火) 22:04:46.04ID:ablfI9rh0
銭形「おいお前ら! あの署員を追え!」
警官隊「はっ?」
銭形「あいつは……」
署員「ありがとね、ルパン! おかげでやりやすかったわ~!」
ビリイッ!
銭形「不二子だ!」
不二子「あなたもお手柄だったわよ」
金糸雀「カナからすれば当然の結果かしら!」
不二子「やっぱり女は……」
金糸雀「美しさと頭脳よね!」
0328以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 22:11:04.86ID:ablfI9rh0
真紅「金糸雀!?」
翠星石「な~にが美しさですか! 翠星石の方が断然かわいいですぅ!」
蒼星石「そ、そんなこと言ってる場合じゃないってば!」
ルパン「蒼星石の言う通りだぜ二人共、あいつらを追うぞ!」
銭形「ぬあっ、いつのまに抜け出しおった!?」
ルパン「じゃあなとっつぁん、あばよ~~~!」
真紅「待ちなさい金糸雀!」
翠星石「さっきの言葉を訂正するですぅ!」
蒼星石「だからそういう場合じゃないって翠星石……」
銭形「ま、待てルパン! おいお前ら! いつまでワシを捕まえとるんだ!」
警官隊「はっ、し、失礼しました!」
銭形「やつらを追うぞ~~~っ!!」
これは去年のTVSPより面白いかもしれん…いや面白い
0332以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 22:19:19.51ID:ablfI9rh0
クルーザー甲板上
不二子「それじゃあ、今回の成功と三人の出会いに……」
金糸雀「乾杯なのかしら!」
雛苺「なのー!」
不二子「二人共ジュースでよかった?」
金糸雀「こんな美味しい飲み物、生まれて初めてかしら!」
雛苺「ねえねえ不二子~、それ、一口ちょうだい」
不二子「駄目よ雛苺、これは大人の飲み物だから」
雛苺「うゆ~……ヒナ、早く大人になりたいの」
金糸雀「きっとカナの方がはやく大人になるかしら」
不二子「あら、二人ともすぐ私みたいな良い大人の女になれるわよ」
金糸雀「不二子ちゃんみたいになれるなんて、楽しみかしら!」
雛苺「不二子~、ジュースおかわり~!」
0337以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 22:25:25.78ID:ablfI9rh0
金糸雀「でも不二子ちゃん、どうして何もしないのかしら?」
不二子「あら、退屈だった?」
雛苺「そんなことないの! すっごくすっごく楽しいの~!」
金糸雀「天気も良いし、ジュースは美味しいし最高かしら!」
不二子「だったら、もうちょっとだけバカンスを楽しみましょう」
雛苺「さんせ~!」
金糸雀「賛成かしら!」
不二子「良い女っていうのはね、最低限しか自分から動かないものなのよ」
不二子「少しだけ動いて、相手をその気にさせる……」
prrrrr!
不二子「……そうすれば、こういう風に相手の方からアプローチをかけてくるわ」
金糸雀「す、すごいわ不二子ちゃん!」
雛苺「まるで全部わかってるみたいなの!」
不二子「男のことをわかってるっていうのも、良い女の条件だからね」
0352以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 22:42:29.92ID:ablfI9rh0
不二子「ハァ~イ、ルパン」
ルパン『よ~う不二子、やってくれたじゃねえか』
不二子「あら、怒った?……って、どうしたのその顔」
ルパン『それがよう、あの後帰ったらウチのお嬢様達がカンカンでな』
不二子「それはご愁傷様」
ルパン『人事みたいに言うなよなあ』
不二子「とりあえず、用件は何?」
ルパン『またまた不二子ちゃんってば、わかってるくせにぃ~』
ルパン『……トランクの中は誰だった?』
0358以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 22:50:33.10ID:ablfI9rh0
ルパン『こっちが、翠星石、蒼星石、真紅』
不二子「それで私が金糸雀と雛苺」
ルパン『……これで、2番から6番までは開いた』
不二子「あとは1番だけってわけね。ねえルパン?」
ルパン『なんだい不二子?』
不二子「儲けは8:2で、究極の少女に関しては私に優先権。これでどう?」
ルパン『そ、そりゃないぜ不二子!!?』
不二子「あら、あなた1番が今どこにあるか知ってるの?」
ルパン『……』
不二子「情報料込みでこの割合よ」
ルパン『……ああもう! わかったよチクショウ!』
不二子「ふふっ、ありがとルパン!」
0367以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 22:57:50.00ID:ablfI9rh0
収集家(……しかし、翠星石と蒼星石に関しては惜しいことをしました)
収集家(あの愛らしい瞳を手放すのは惜しかったですが)
収集家「皆さん、研究の方は進んでいますか?」
研究者「はい、ローザミスティカの解析は順調に進んでいます」
収集家「むほほほほほほ! その調子ですよ!」
収集家(究極の少女アリスが手に入らないのなら、ワタシ自ら作り出すまでです)
収集家(……そのためには、多少の犠牲もやむをえません)
収集家(まあ、作りかけでアリスに一番遠いドールなら構わないでしょう)
収集家「さあ、ワタシの夢の実現のために役に立ってもらいましょうか!」
水銀燈「」
収集家「むほ、むほほほほほほほほほ!!!」
0372以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 23:03:30.13ID:ablfI9rh0
豪華ホテルの一室
真紅「これは豪勢な部屋ね、私に相応しいのだわ」
翠星石「ベッドもフカフカですぅ~!」
蒼星石「煙草の臭いも全然しないよ!」
不二子「あら、気に入ってもらえて嬉しいわ」
金糸雀「今日はちょっとグレードが下がってるかしら」
雛苺「うゆ~、この絨毯安物なの~」
ルパン「おいおい不二子、お前一体どんな生活をさせてたんだ?」
不二子「あら、それはこっちのセリフよルパン」
ルパン「あんまりちっこいうちから贅沢を覚えるとよくないんだぜ~え?」
不二子「このくらい贅沢に入らないわよ」
0378以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 23:11:40.65ID:ablfI9rh0
真紅「ルームサービスなのに、この紅茶は逸品ね」
翠星石「久々におなかいっぱい食べたですぅ~」
蒼星石「デザートも美味しかったよね」
五ェ門「ここの払いはルパンがする、遠慮することはない」
金糸雀「それにしてもおかしな恰好かしら」
雛苺「男の人なのにスカートはいてるの~」
五ェ門「これは袴といって、決してスカートでは……」
不二子「……それにしても珍しいわね」
ルパン「あん?」
不二子「五ェ門がいるのはなんとなく予想してたんだけど」
ルパン「……ああ、そのことか」
不二子「まさか次元がこの件から降りてるとは思わなかったわ」
0392以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 23:21:11.45ID:ablfI9rh0
次元「ったく、付き合ってられねえぜ」
次元(俺ぁベビーシッターじゃねえし、
儲けにならねえかもしれねえ話にも興味はねえ)
次元(ただでさえ三人でもあれだったってのに……)
次元(もっとガキくせえのが二人も増えちゃたまんねえぜ)
次元(その上儲けのほとんどは不二子にもってかれるなんてよ!)
次元(それでも続けるルパンと五ェ門の気がしれねえ)
次元「スゥーッ……ぷはあ~っ……」
次元「ん~っ! 誰にも気兼ねせず吸う煙草はうまい!」
0404以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 23:28:38.47ID:ablfI9rh0
次元「まだ五ェ門に斬られたヒゲが不揃いだ」
次元「ったく、これじゃあ男前が台無しだ」
次元(……まあ、あいつら三人なら上手くやるだろうよ)
次元(……)
次元(俺にはもう関係ねぇ話だがな)
次元「……!?」
次元「こ、こいつぁ……!」
0406以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 23:32:51.39ID:ablfI9rh0
収集家『むほほほほ!』
水銀燈『』
収集家『ネジを巻いていないのに涙を流すとは興味深いですねえ!』
収集家『……さあ、もっと出力を挙げろ!』
収集家『むほほほほほほほ!!』
水銀燈『』
次元(鏡に映ってるこの光景は一体なんだ?)
次元(それに確かこいつぁ……)
次元「……」
次元「……ちっ! 俺もヤキがまわったもんだぜ!」
0413以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 23:38:17.01ID:ablfI9rh0
ルパン「……それで手筈に関してなんだが」
不二子「う~ん、正直次元もあてにしてたからねえ……」
五ェ門「拙者がヤツの分まで働くから問題ない!」
ルパン「鼻息を荒くするなって五ェ門」
不二子「そうよ。それにそういう問題でもないんだから」
五ェ門「……むう」
真紅「私達も手伝うのだわ」
翠星石「そうですよぅ!」
蒼星石「僕達にも何かさせてよ!」
金糸雀「作戦はカナに任せるかしら!」
雛苺「ヒナも頑張るのー!」
ルパン「お前たち……」
不二子「でも……ねえ?」
五ェ門「くうっ! なんと健気な……!」
ガチャッ!
次元「……おっと、もう俺はお払い箱かい?」
一同「次元!!」
0421以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 23:45:21.74ID:ablfI9rh0
五ェ門「お主、今さらどういう風の吹き回しだ!」
次元「うわ! 落ち着け五ェ門!?」
ルパン「待ってたぜえジゲ~ン!」
不二子「あら、儲けの割合は変わらないわよ?」
ルパン「ふ、不二子ちゃんったら」
次元「……とりあえず、作戦を決めるんだろう?」
ルパン「あ~らら、どうしちゃったのよ次元?」
次元「ちょっと、な」
ルパン「まあ、なんだかわからねっけどもこれで全員揃ったわけだ!」
ルパン「さあ!」
ルパン「捕らわれのお姫様を盗み出しますかね!」
ウ~……ワーオ!♪
チャ~ラッチャラ~♪ チャ~ラ~ラ~♪
0428以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/01(火) 23:55:05.33ID:ablfI9rh0
真紅「ルパン、お茶を煎れたのだわ」
ルパン「お~う、サンキュー真紅」
チャ~ラッチャラ~♪ チャ~ララッラ~♪
五ェ門「……」(斬鉄剣の手入れ
次元「……」(S&W M19の分解整備
翠星石「……」(ジョウロ磨き
蒼星石「……」(ハサミ磨き
チャラララ~♪ チャ~ララ~ラ~♪ チャララ~ラ~ララ~♪
不二子「この役目を頼める?」
金糸雀「まかせるかしら!」
雛苺「頑張るの!」
ルパーンザサード♪ ルパ~ンザサ~ド♪
ルパン「よし……いっちょ盛大にやりますか!」
一同「おーっ!」
チャララッ♪ チャラッ、チャラッ、チャッチャラッチャッ♪
0435以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 00:01:44.83ID:0zqnPL0b0
部下B「収集家さま」
収集家「ん? どうかしましたか?」
部下B「収集家様に是非にと人形が届けられたのですが……」
収集家「ふむ」
部下A「スキャンの結果、不審な点は見当たりませんでしたがいかがなさいますか?」
収集家「どれ、見てみましょうか」
収集家「研究を続けなさい! なんなら壊してしまっても構いません」
収集家「……」
収集家「ふふ、やはりワタシ程の人間になると
人形のほうから集まってくるというもの……」
収集家「これですか……どれどれ?」
カパッ
収集家「おおっ、この人形……素晴らしいできばえじゃないですか!」
収集家「是非ワタシのコレクションに……」
人形「パンパカパーン! パンパンパパンパカパーン!!」
収集家「!?」
0440以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 00:06:07.48ID:0zqnPL0b0
収集家「た、ただの人形がしゃべった!?」
人形「人形大好きな収集家さんこんばんわ、ルパ~ン三世です」
収集家「る、ルパンだと!?」
人形「人形大好きなのもいいんだけどよ~う、
相手の気持ちを考えないと嫌われっちまうぜ?」
収集家「ふほほほほほほ! 何を馬鹿なことを!
ワタシ以上にドール達に愛されている人間はいませんよ!」
人形「そんじゃあそのドール達の声を聞いてみるかい?」
収集家「なんですって?」
0444以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 00:10:30.04ID:0zqnPL0b0
人形「アンタみたいな人間、こっちから願い下げかしら!」
人形「自意識過剰も大概にするです駄目人間!」
人形「相手を騙すような人は……嫌いだな」
人形「あなたのような人間が、本当の意味で“下劣”というのよ」
人形「ドールだって、イヤなものはイヤなのー!」
収集家「む、むむむむむ!」
人形「あ~らら、相当嫌われちまってるようだぜ収集家さん?」
収集家「だ、黙れ! 黙れえええ!!」
0448以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 00:16:15.75ID:0zqnPL0b0
人形「そんな嫌われ者のところにカワイコちゃんを預けちゃあおけないな」
収集家「カワイコちゃん?……ま、まさか!」
人形「察しがいいねえ。それをちょびっとだけでも
ドールに向けてやれば良かったのによ」
収集家「黙れえええええええぇっ!!」
ドンドンドンッ!
人形「あらら、撃つなんてひどいじゃない」
人形「というわけで、ローゼンメイデン第一ドール水銀燈を頂戴しに行きます」
人形「……ルパ~ン三世」
収集家「ぐ、ぐぬぬぬぬぬ!!」
収集家「むうううううっ!!」
ドンドンドンドンドンドンドンッ!!
0504以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 01:03:05.01ID:0zqnPL0b0
銭形「……しかし、凄い数の人形ですな」
収集家「むほほほほ! ここにあるのは
ワタシのコレクションのほんの一部ですよ!」
銭形「おおっ! これなんかよく出来て……」
収集家「触らないでくださいっ!」
銭形「!?」
収集家「……おっと、これは失礼」
銭形「ああいえ、気にせんでください」
収集家「ワタシ、ドールに関することだと性格が変わってしまいましてね」
銭形「ワシにはちょっとわかりませんなあ」
収集家「でしょうね」
銭形「……」
収集家「ワタシのドールを盗もうなどとルパンの奴め……!」
銭形「安心してください。ルパンはワシが必ず捕まえます!」
収集家「ええ、頼りにしていますよ銭形警部」
0508以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 01:08:40.32ID:0zqnPL0b0
収集家「それで配置に関してなのですが……」
銭形「はい、屋敷内の警備はお任せください!」
収集家「いえ、銭形警部には屋敷の外の警備をお任せしたいのです」
銭形「……それはまたどうしてですかな?」
収集家「もちろん銭形警部のことは信用していますが、
屋敷の中にはドールがあるでしょう?」
銭形「……」
収集家「その扱いに慣れていない警察の人間が、ドールを傷つけてしまうとも限らない」
銭形「そりゃあわかりますが、しかしですな……」
収集家「もしそうなったら、ルパンに盗まれるのと変わらないとは思いませんか?」
銭形「……わかりました。屋敷の外の警備はお任せください」
収集家「むほほほほ! 頼みましたよ!」
0512以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 01:15:46.39ID:0zqnPL0b0
銭形「おいお前ら、屋敷の外の警備を厳重にしろ!」
警官A「はっ、しかし銭形警部。それでは屋敷内の警備が手薄に……」
銭形「……奴さん、こっちに尻尾をつかませない気だ」
警官B「……」
銭形「くそおう! ルパン逮捕にかこつけて
収集家の犯罪の尻尾をつかんでやろうと思ったんだが」
銭形「……しかし、ワシは諦めんぞ。
どんな機会が巡ってくるともわからんしな」
警官C「……ルパンが屋敷に侵入したら、ですね?」
銭形「バッカモ~ン! それとこれとは話は別だ!!」
銭形「ルパンは屋敷の外で必ず捕まえる! 警察の威信にかけてだ!」
警官「はっ! 失礼しました!」
銭形「警戒を厳重にしろ! 猫の子一匹屋敷にいれるんじゃないぞ!」
警官隊「了解!」
0518以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 01:20:58.79ID:0zqnPL0b0
収集家「研究の方は進んでいますか?」
研究者「はい、順調に進んでいます」
部下A「しかし、よろしかったのですか?」
収集家「……ああ、あの銭形という男ですか」
収集家「まあ、対ルパンのエキスパートですし、時間稼ぎくらいは出来るでしょう」
収集家「そう、あともう少しじゃあないですか……!」
水銀燈「」
収集家「あともう少しで、ワタシのドール達にも命が吹き込まれる!」
無数の人形「……」
収集家「……むほ」
収集家「むほほほおほほほほほほほほほほ!!!!」
0523以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 01:29:31.81ID:0zqnPL0b0
ルパン「おや、ありゃ銭形のとっつぁんじゃねえか」
真紅「……すごい数の人間ね」
ルパン「不安かい?」
真紅「……」
ルパン「……」
ルパン「べろべろべろべろばぁ!」
真紅「……ぷっ! な、何その顔!」
ルパン「そうそう、しかめっつらよりも笑ってたほうが似合ってるぜ」
真紅「……ありがとう、ルパン」
ルパン「よせやい! 素直に礼を言うなんてお前らしくないぜ?」
真紅「……全く、ルパンは本当におかしな人間ね」
ルパン「おじさんに惚れるとヤケドするぜ?」
真紅「もう!」
ルパン「ナハハハハハ!……さあ、そろそろ時間だ」
真紅「ええ」
ルパン「いっちょ盛大におっぱじめますか!」
0527以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 01:33:45.43ID:0zqnPL0b0
銭形「……そろそろルパンが現れる頃だな」
ハラハラ……
銭形「ん? なんだあこりゃあ?」
銭形「薔薇の……花びら?」
警官A「警部! 上空にヘリが現れました!」
銭形「なんだとう!? 今までわからなかったってえのか!?」
警官A「それが、何故かこの花びらが原因のようで……」
ハラハラハラハラ……
銭形「……くそっ! やられた!!」
0528以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 01:39:47.64ID:0zqnPL0b0
ピーッ、ガガッ…!
警官B『警部! 警部ーっ!』
銭形「こんどは一体どうした!?」
警官B『周辺の植物が襲ってきます!』
銭形「なんだとう!!?」
警官B『根のような物で次々と警官が捕まえられて、う、うわあああっ!』
銭形「くそっ、応答しろ! もしもし! もしもしい!」
銭形「ええい!」
銭形「ルパンの奴……一体どんな魔法を使ってやがるんだ!」
0532以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 01:47:03.18ID:0zqnPL0b0
ルパン「おっほほほほ! とっつぁん、相当慌ててるぜ!」
真紅「ねえルパン、どうしてあの人間たちは慌てているの?」
ルパン「いや、真紅の花びらを調べてみたんだがな」
ルパン「ほとんどなーんもわからなかったのよ」
真紅「? きちんと説明して頂戴」
ルパン「慌てるなって」
ルパン「わかったのは一つだけ」
ルパン「真紅や他の皆の出す不思議な力はな、何故か機械に反応しなかったんだよ」
ルパン「そりゃあ、研究すればなんとかなるかもしれないが、
知らない奴には何がなんだかサッパリちゃんだ」
真紅「つまり、隠れ蓑に私の花びらを使ったということ?」
ルパン「ご名答」
真紅「なら、この“へりこぷたー”だけを覆えば良かったんじゃないかしら?」
ルパン「それも考えたんだけどさーあ」
ルパン「作戦の始めなんだから、派手にいきたいじゃない!」
0533以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 01:54:26.15ID:0zqnPL0b0
翠星石「いーっひっひっひ! 人間達、めちゃめちゃ慌ててるですぅ!」
五ェ門「あまりやりすぎるなよ」
翠星石「どうしてですか? あいつらも収集家の仲間じゃねーんですか?」
五ェ門「あ奴らは直接的には収集家には関係ない。
むしろ職務でこの場にいるだけだ」
翠星石「違いがよくわからないですよ」
五ェ門「……怪我をさせるな、ということだ」
翠星石「それなら大丈夫ですよぅ。
契約者もいないですし、そんなに派手に力を使えませんから」
五ェ門「……それを聞いて安心した」
翠星石「でも、五ェ門には通じなかったのが面白いほど効いて痛快ですぅ!」
五ェ門「……むう」
蒼星石「五ェ門、そろそろ僕らも……」
五ェ門「うむ」
翠星石「い~っひっひっひっひっひ!!」
0540以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 02:03:25.45ID:0zqnPL0b0
次元「……しっかし、パラシュートなしでこの高さから飛び降りるとはな」
不二子「あら、貴重な体験じゃない?」
雛苺「ヒナがいるから大丈夫なの!」
金糸雀「次元、もしかして怖いのかしら?」
ルパン「ナッハハハ! 次元、言われちまってるぜ?」
次元「お前は他人事でいいよなルパン」
ルパン「そりゃあ、ヘリを放っとく訳にもいかないしな」
真紅「そうよ。火事になって屋敷が燃えたらどうなるかわからないもの」
次元「……」
雛苺「安心するの次元!」
次元「しかしなあ……」
雛苺「次元……ヒナのこと信用出来ない?」
次元「……ああもう!」
次元「南無三!!」
0543以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 02:10:31.08ID:0zqnPL0b0
不二子「ヒャッホー!」
次元「おおうわああああああっ!」
金糸雀「あははは! 次元、面白い顔しすぎかしらー!」
次元「ううぅうぅぅるせえぇぇぇえぇっ!」
雛苺「えいっ!」
ニョキニョキニョキニョキ
次元「おおおぉぉぉおお……おうっ!」
不二子「よくやったわ、雛苺」
雛苺「えへへ」
金糸雀「不二子に比べて次元はちょっとだらしないかしら」
次元「……うるせ」
不二子「しっかりしてよね。私達の仕事はまだまだこれからなんだから」
0548以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 02:16:07.61ID:0zqnPL0b0
部下A「屋敷内に何者かが侵入した模様です!」
収集家「ええい! 外の警官隊は……銭形は何をやっていたんですか!」
部下B「それが、外との連絡が取れなくなっていて……」
収集家「全く、対ルパンのエキスパートといってもこの程度ですか」
収集家「しかし、屋敷内には侵入者排除の仕掛けが施されています」
収集家「いかにルパン一味といえど、これをやすやすと突破出来ないはず」
収集家「さあ、奴らがモタモタしている間に研究を急ぎなさい!」
水銀燈「」
0551以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 02:23:15.84ID:0zqnPL0b0
五ェ門「……むう、これは」
蒼星石「……やっぱり、ここも人形だらけだ」
五ェ門「うむ。お主達と出会った館もそうであったな」
蒼星石「……うん」
五ェ門「どうした」
蒼星石「あ、別に何でも……」
五ェ門「話してみろ」
蒼星石「……この子達、皆悲しい目をしてるんだ」
五ェ門「悲しい目?」
蒼星石「……うん。僕達は、この子達や他の人形の気持ちがわかるんだよ」
五ェ門「それは目を見てわかるものなのか?」
蒼星石「うん」
五ェ門「……ふむ。目か」
人形「……」
キラーン!
五ェ門「きえいっ!!」
0557以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 02:28:50.09ID:0zqnPL0b0
蒼星石「うわっ!?」
五ェ門「気をつけろ蒼星石!」
蒼星石「ど、どうしたのいきなり?」
五ェ門「この人形達の目……レーザーを打ち出す仕掛けが施されている」
蒼星石「そんな……そんな、ひどい! ひどすぎるよ!」
ビィーッ!
五ェ門「けえあっ!」
五ェ門「……このままではまずい! 早くこの人形を全て斬らねば」
蒼星石「駄目だよっ!」
五ェ門「!?」
蒼星石「お願い五ェ門! この子達を……この子達を斬らないで!」
0570以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 02:36:40.98ID:0zqnPL0b0
蒼星石「この子達だって生きてるんだ……!
“助けて”って叫んでるんだよ!」
蒼星石「だから……だから……!」
五ェ門「……皆まで言うな」
蒼星石「……五ェ門?」
五ェ門「レーザー如きに屈する斬鉄剣ではない!」
蒼星石「五ェ門!」
五ェ門「どの人形に仕掛けが施されているかわかるか?」
蒼星石「うん!」
五ェ門「それを拙者に伝えてくれ!」
蒼星石「わかった!」
0573以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 02:43:51.60ID:0zqnPL0b0
収集家「むほほほほほほ!!」
収集家「さすがのルパン一味でもあの仕掛けは突破できませんでしたか!」
収集家「あと少し……あと少しで!」
水銀燈「」
部下C「た、大変です!」
収集家「何事ですか?」
部下C「システムに……システムに異常が!」
収集家「何ですって!? 警報装置は反応しなかったのですか?」
部下C「それが……」
0575以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 02:49:55.56ID:0zqnPL0b0
金糸雀「こんなピープー下品な音を撒き散らす機械なんて、カナの前では無力かしらー!」
~~~♪~~~♪
不二子「もうちょっとだけ頑張ってね」
金糸雀「でも、どうして音が消えたのかしら?」
不二子「音には周波数っていうのがあって、
それを打ち消す音を出してもらってるの」
金糸雀「な、なるほど」
不二子「ふふっ、ちょっと難しかったかな?」
金糸雀「……良い女はすごいのねー」
不二子「さあ、もっと派手にやっちゃってちょうだい!」
金糸雀「任せるかしら!」
0577以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 02:55:24.17ID:0zqnPL0b0
ドンドンッ!
次元「おい不二子! まだなのか!?」
不二子「もうちょっと!」
次元「奴さん、こっちの動きに気付きやがった!」
ドンドンッ!
次元「……そろそろ弾がもたねえ!」
雛苺「い、いざとなったらヒナも戦うの!」
次元「……おっと、そいつぁ駄目だ」
雛苺「う、うゆぅ~! ヒナも……」
次元「こういうのはな……」
ドンドンッ!
次元「俺たち大人の仕事なんだよ」
不二子「……よし! パスワード解読完了!」
0581以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 03:03:56.34ID:0zqnPL0b0
部下B「レーザー装置沈黙、しました!」
収集家「そんな……そんなことが……」
部下A「剣士とドールがこちらに向かってきます!」
収集家「あと少し……あと少しだというのに!」
無数の人形達「……」
収集家「ええい! ここは退きます!」
収集家「水銀燈をトランクへ! あれがあれば研究は続けられます!」
収集家「ルパンめ……!」
収集家「……しかし、最後に笑うのはこのワタシですよ!」
収集家「ふほほほほほほほほほ!!」
0586以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 03:11:57.20ID:0zqnPL0b0
ドンッ!
次元「くそっ、弾切れだ!」
不二子「でも見て。あいつら退いて行くわよ」
金糸雀「きっとカナ達に恐れをなしたかしら!」
雛苺「助かったの~……」
ピーッ、ガガガッ!
五ェ門『聞こえるか次元』
次元「どうした五ェ門」
五ェ門『収集家に逃げられた』
不二子「それで、研究施設の方は?」
五ェ門『翠星石と合流して、蒼星石と三人で破壊しているところだ』
次元「よし、それじゃあそろそろズラかるか」
五ェ門『うむ。終え次第こちらもそうする』
不二子「ええ、あとの仕事は……」
0590以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 03:21:35.69ID:0zqnPL0b0
収集家「ひいっ、ほひいっ!」
部下A「収集家さま……もう……」
収集家「うるさい! 黙ってトランクを運びなさい!」
部下B「し、しかし……!」
収集家「ええい! 黙りなさい!」
ドンッ!
部下B「ぐあっ!?」
収集家「どいつもこいつも! 人間は!」
ドンドンドンドンドンッ!
「……」
収集家「しかし……しかしワタシにはドールがいる……!」
水銀燈「」
収集家「この水銀燈がいれば……」
ドオンッ!
収集家「ふひいいっ!?」
ルパン「おいたはそこまでだぜ、収集家さんよ」
0592以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 03:26:24.55ID:0zqnPL0b0
収集家「ルパン……っ!」
水銀燈「」
ルパン「おほっ! 水銀燈ちゃんは美人さんじゃないの!」
収集家「貴様さえ……貴様さえいなければ!」
ルパン「いやいや、俺はちょっとばかしドール達の気持ちを代弁しただけだぜ」
収集家「貴様さえええええええっ!!」
カチッ!
収集家「!? ま、まだ弾は残っていたはず! な、何故っ!?」
収集家「……こ、これは……薔薇の花びらが詰まって!?」
真紅「さあ、水銀燈から離れなさい」
0597以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 03:34:09.54ID:0zqnPL0b0
収集家「そうかルパン……! 貴様もローゼンメイデンを使って……」
真紅「勘違いしないでちょうだい」
収集家「何が違うというんですか! 現に……」
真紅「ルパン達は私達姉妹に協力してくれただけよ」
真紅「ドールを利用し、水銀燈を苦しめたあなたとは違うわ」
収集家「ドールが……ドールがワタシに逆らうというのか!」
ルパン「……あんのさ~あ? その考えがまず間違ってるんだって」
ルパン「逆らうとか利用するとかじゃなくてよ」
ルパン「女の子ってえのは優しく扱ってあげるもんだろ?」
真紅「……あら、ルパンは言うほど私に優しくなかったわよ」
ルパン「がく! し、真紅、キメ台詞にチャチャを入れるってそりゃないんじゃない?」
0602以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 03:41:09.71ID:0zqnPL0b0
収集家「違う……ワタシは……ワタシは!」
ルパン「そう思うんなら回りを見てみろって」
真紅「そうね。言ってもわからない人間にはその方が早いわ」
収集家「!? お、お前たち……」
無数の人形達「……」
収集家「は、離せ! 離しなさい!」
ルパン「あんた、結構嫌われてたみたいだな」
真紅「私達ドールにも……心があるのよ」
収集家「離せ! 離せえええっ!」
ルパン「よ、っと」
水銀燈「」
収集家「ふ、ふほひ、ひいいいいあああああっ!!」
ルパン「……ローゼンメイデン第一ドール、水銀燈」
ルパン「確かにいただいたぜ」
0607以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 03:46:46.83ID:0zqnPL0b0
警官「銭形警部、屋敷内を捜索したところ、多数の証拠があがっています!」
銭形「うむ、そのまま捜索を続けろ!」
警官「了解しました!」
銭形「……」
銭形「結局、ルパンには逃げられちまったか」
銭形「……しかし、一体あの花びらや植物の根、他にも不可解な点が多すぎる」
銭形「それに……」
収集家「ふほ、ふふほ! ふほひひひ!」
銭形「この男、一体どうしてこんな風になっちまったんだ?」
カチッ! シュボッ
銭形「……フーッ」
銭形「……全く、わけがわからん事件だったな」
0618以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 04:02:34.30ID:0zqnPL0b0
ルパン「……それで、本当に良いのかい?」
真紅「ええ、お願いするわ」
ルパン「どこかの誰かの手に渡るように、
色々な手段でトランクごと流通させる、か」
真紅「ええ。そうやってまた誰かの手でネジを巻かれて、また目覚めるの」
ルパン「……あのよ」
真紅「何?」
ルパン「考え直すつもりはないのかい?」
真紅「……」
ルパン「このまま俺たちと一緒に泥棒家業を営むのも面白いと思うんだけどな~」
真紅「……ええ、それはとても魅力的な提案だわ」
ルパン「でしょでしょ!」
真紅「でも……そういう訳にもいかないの」
0622以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 04:08:15.80ID:0zqnPL0b0
真紅「私達は、私達姉妹は……」
ルパン「……」
真紅「……いえ、なんでもないわ」
ルパン「……」
真紅「博物館に展示されたりして、本来の役目が果たせなくなっていた」
ルパン「……」
真紅「それから開放してくれたルパン達には、本当に感謝しているわ」
ルパン「……」
真紅「でもね、私達には……」
真紅「果たさなくてはいけない事があるから」
ルパン「……」
真紅「……ねえ、ルパン。何か言ってちょうだい」
ルパン「……」
真紅「ねえ……」
ルパン「あ~あ~! ったくよう!」
0626以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 04:14:23.62ID:0zqnPL0b0
真紅「る、ルパン?」
ルパン「この天下のルパン三世さまの誘いを断るなんて、なんてやつだ!」
真紅「……ごめんなさい」
ルパン「だからよ」
真紅「?」
ルパン「……次に目覚めたときも、姉妹仲良くな」
真紅「……」
ルパン「それだけは約束してくれるか?」
0637以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 04:21:02.81ID:0zqnPL0b0
五ェ門「二人とも……達者でな……くううっ!」
翠星石「な、泣くんじゃねーですよ五ェ門……」
蒼星石「そ、そうだよ。僕、我慢してたのに……」
不二子「あなた達、良い女になる努力を忘れちゃ駄目よ?」
金糸雀「もちろんかしら!」
雛苺「はーい、なの!」
次元「俺ぁこういう空気は苦手なんだよ……グスッ」
真紅「……水銀燈も、しばらく休めば回復するはずだわ」
ルパン「そうかい、そいつぁ良かった」
真紅「もしかしたら、また全員が一緒に目覚める時がくるかもしれない」
真紅「それがいつかはわからないけれど……」
真紅「その時は……」
ルパン「それじゃあ、その時まで」
ルパン「おやすみ、真紅」
0644以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 04:25:16.11ID:0zqnPL0b0
次元「……」
五ェ門「……」
不二子「……」
ルパン「おいおい、お前らすっかり気が抜けちまってるじゃねえか」
ルパン「まだ終わっちゃいないんだぜ?」
次元「あん?」
五ェ門「しかしあの子達はもう……くうっ!」
不二子「そうよルパン。これ以上することなんてあるの?」
ルパン「おいおい、本当に忘れちまってるのか?」
ルパン「俺たちは何が目的だったんだ?」
ルパン「……はぁ」
ルパン「……セブンドールズ、だろ?」
0657以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 04:29:57.81ID:0zqnPL0b0
次元「……で、ここが一体なんだってんだルパン?」
五ェ門「このようなビル街に、彼女らに関係するものがあるとは思えん」
不二子「ねえルパン、説明してよ」
ルパン「今俺が立っている場所、どこだと思う?」
次元「道」
五ェ門「歩道」
不二子「コンクリート?」
ルパン「あらら!」
ルパン「ちったあ考えてくれよ、張り合いがねえなぁったく」
ルパン「あの後調べて分ったんだけんどよ」
ルパン「今俺が立っている場所……」
ルパン「ここに人形師ローゼンの工房があったらしいんだわ」
0664以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 04:35:17.61ID:0zqnPL0b0
ルパン「あの子らを父親が居た場所に連れてってやりたかったんだけどさ」
ルパン「さぁすがにここには連れてこれなかったわ!」
ルパン「……けどよ、調べていくうちにみょ~な事に気付いたんだ」
ルパン「……そう」
ルパン「究極の少女を作りだそうとしていた、有名な人形師の失踪」
ルパン「これだけならわかるが、
ローゼンメイデンの運命と照らし合わせると不可解だ」
ルパン「だってよ、あんだけのもんが作れるなら」
ルパン「……それ以上人形を作らないってのは妙じゃないか?」
0673以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 04:41:14.27ID:0zqnPL0b0
ルパン「ローゼンが究極の少女とやらを諦めたのか……」
ルパン「はたまた、制作を続けていたのかはわからねえ」
ルパン「……でもよ」
ルパン「俺ってば、ローゼンがただくたばったとは思えねえんだわ」
次元「おいルパン、お前……」
ルパン「あ、ちなみにこれは裏づけのない推理だから
本気にしちゃ駄目よ?」
五ェ門「……いや、あながち外れているとも限らんな」
不二子「ええ。あの子達を見た後だしね……」
ルパン「だからよ」
ルパン「いつかはあの子達も、お父様に会えるかもしれねえな」
・ ・ ・
少年「ん? なんだこれ」
少年「巻きますか、巻きませんか?」
0678以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2008/07/02(水) 04:45:51.89ID:0zqnPL0b0
キャスト
ルパン三世
次元
五ェ門
不二子
銭形
真紅
翠星石
蒼星石
金糸雀
雛苺
水銀燈
少年
他
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