幼馴染「からかわれる？」

男「そうだよ！恋人だの新婚だの夫婦だのそんなのばっかだよ！」

幼馴染「ああ、あれのことですか」

幼馴染「私は別に気になりませんけど」

男「俺は気にするんだよ！」

幼馴染「大衆に惑わされてはいけませんよ」

幼馴染「一時の恥じらいより栄養の方が大切です」

幼馴染「私、男くんには立派に成長してほしいですし」

男「やめろ！俺の成長を見届けようとするな！」

男「とにかく大丈夫だから！自分の分だけ作ってくれ！」

幼馴染「……」

幼馴染「ああ、もしかして私の心配を？」

男「はあ？」

幼馴染「大丈夫です。1つ作るのも2つ作るのも大して変わりませんよ」

男「違う、違うんだよ。俺は自分のことしか考えてないんだよ」

男「なんでわかってくれないんだ……」

友「あ、見て見て。なんかあそこで痴話喧嘩してる」

男「ほらぁ！」

幼馴染「まあ、お話はわかりました」

男「そ、そうか……」

幼馴染「必要以上に周囲からの視線を気にする」

幼馴染「思春期ですね」

男「……」

幼馴染「そうそう。心を落ち着かせるのにいいハーブティーがあるんです」

幼馴染「今淹れますね」ｺﾎﾟｺﾎﾟ

男「やめろ！学校でハーブティー淹れるな！」

友「見て見て。あそこ優雅な夫婦感ヤバい」

男「笑われてるんだよ！」

幼馴染「はい、どうぞ。ストレートで飲んでいただきたいところですけど、男くんなので砂糖は2つ入ってます」ｺﾄｯ

男「くそぉ……ばっちし把握しやがって……」ｽﾞｽﾞｯ

男「の、飲みやすい温度……」

幼馴染「クッキーはどうです？」ｽｯ

男「丁度欲しかったチョコチップクッキー……」ｻｸｯ

男「さ、砂糖が使われてない……？」

幼馴染「手作りです」

男「……」

男「……う、う、うおわあああぁぁぁっ！！！！！！」ｶﾞｼｬｰﾝ

友「！？　ちゃ、ちゃぶ台返し！」

男「離れろ！俺から！良妻かお前は！」

幼馴染「……」

男「だ、だってそうだろ！もうなんつーか怖いよ！」

幼馴染「……」

幼馴染「……」ｶﾁｬｶﾁｬ

男「な、なんか言えよ！」

幼馴染「はぁ……」ﾌｷﾌｷ

男「お、幼馴染？」

幼馴染「初めて男くんに対してイラッとしました」

男「え……？」

男「な、なんだよぉ……」

幼馴染「少し調子に乗っていませんか？」

男「お、怒ってるのか？」

幼馴染「……」ｽﾀｽﾀ

男「ち、近……」

幼馴染「……」ﾊﾞﾁﾝｯ

男「い、いってぇ！なにすんだよ！」

友「本気ビンタ来た！これは修羅場だ！」ｶﾞﾀｯ

幼馴染「あなたもさっきからうるさいです」

友「……」ｼｭﾝ

幼馴染「なんだか馬鹿らしくなりました」

幼馴染「お望み通り男くんにはもう関わりませんので。よかったですね」

男「いや、そこまでは……」

友「謝りなよ……謝りなって」

男「う……そ、そうだな。あの……幼馴染……」

幼馴染「なに？」

男「いや、あの……なんというか……ごめんっていうか……」

幼馴染「で？」

友「ヤバい。怒ってるよこれ」

友「も、もっとしっかり謝りなよ！」

男「あ……あぅ……」

友「うわダメだこいつ」

幼馴染「……」

リア充「あーあ、散らかしちゃって。ってかこれ幼馴染さんの手作りってマジ？食べていい？」ﾋｮｲｯ

幼馴染「落ちたものなので汚いですよ」

リア充「3秒ルール！セーフ！」ﾊﾟｸｯ

リア充「うわ！めっちゃちゃんとしてるじゃん！お店に買えるやつみてー！」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

幼馴染「美味しくないでしょう？砂糖入ってませんし」

リア充「んー、これはこれでって感じ。美味しいよ」

友「ヤバいヤバい！ちょっと！なんかヤバい流れ来てるよ！」

男「……」

よし、寝よう