ヴィーネ「というわけで、今日はサターニャのお誕生日祝いとして浴衣で花火を見に行きます！」

サターニャ「いえーーい！！」

ラフィエル「お祭りの日に生まれるなんて賑やかなサターニャさんらしいですねー」

ガヴリール「まためんどくさい事を……だいたい私浴衣なんて持ってないけど」

ヴィーネ「心配しないで！ ちゃんと用意してあるから！ 」

ヴィーネ「お店ですっごく可愛い浴衣セットを見つけたの。青が私でオレンジがガヴね！」

ガヴリール「これ親子浴衣セットって書いてあるんだけど！？」

ラフィエル「ガヴちゃんちっちゃいですからねー」

サターニャ「対象年齢11歳だって。ぷーくすくす」

ガヴリール「あ？ お前なんて脳みそ3歳だろうが！」

ヴィーネ「ほらほら、早く着替えないと花火始まっちゃうから」

ラフィエル「はい、着付けてみましたよ。着心地はどうですか？」

ガヴリール「……ピッタリ」ﾑｽｯ

ラフィエル「ヴィーネさんの見立ては完璧でしたね。とっても可愛いですよガヴちゃん」ﾆｺﾆｺ

ヴィーネ「わぁ、よく似合ってるじゃないガヴ」

サターニャ「ふふん、悪魔的プロポーションを誇る私には到底及ばないけどね」

ラフィエル「あ、サターニャさんは初詣の時に着ていた物ですね」

ヴィーネ「魔界通販で買った浴衣、せっかくなら使いたいものね」

サターニャ「ついにこいつの本領を発揮できるわ！」

ガヴリール「ヴィーネー、この服動きにくいんだけど着替えていい？」

ヴィーネ「だーめ。ほら草履履いて巾着持って」

ガヴリール「うわこれもお揃いなの……」

ヴィーネ「えへへ、可愛いでしょ？」

【花火会場】


ワイワイ ガヤガヤ

サターニャ「おおおー！ なんかすごい賑やかじゃない！」

ヴィーネ「打ち上げ場所の近くにお店が集まってるから始まるまでいっぱい楽しめるのよ！」

サターニャ「ヴィネット、早く行きましょ！」

ヴィーネ「うんっ」

ガヴリール「……なんか悪魔二人が浮かれまくってるぞ」

ラフィエル「サターニャさんはともかく、ヴィーネさんもイベント好きですからね。とっても楽しそうです」

ガヴリール「私はこんな人混みよりもっと静かなところに行きたいんだけど」

ラフィエル「……」

ラフィエル「あっ、ガヴちゃんもしかして誘ってます？ 人目につかない所に行きたいだなんてそういうのはもう少し暗くなってから……」

ガヴリール「バカかお前は！！」

ラフィエル「冗談ですってー。ほら、ヴィーネさんとサターニャさん行っちゃいますよ？ 追いかけましょう」ｷﾞｭｯ

ガヴリール「なんで手繋ぐんだよ」

ラフィエル「人混みではぐれたら困るでしょう？」

ガヴリール「……もしかしてラフィも結構浮かれてる？」

ラフィエル「どうでしょうね？」ﾆｺﾆｺ

ヴィーネ「うーん……」

サターニャ「ねぇヴィネット、これどうやるの？」

ヴィーネ「えっと、先端にこのコルク栓を詰めて、引き金を引くと撃てるんだって」

ガヴリール「ん、射的じゃん。これやるの？」

ヴィーネ「うん。どれを狙おうか考えてたところ」

サターニャ「私はあの一番大きいぬいぐるみを狙うわ！」

サターニャ「えいっ えいっ」ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ

ぬいぐるみ『』ｼ-ﾝ

サターニャ「なによあれ！！ ぜんっぜん倒れないじゃない！」

ガヴリール「バカだなお前。あんなのどう見たって倒れるわけないだろ」

サターニャ「なによぅ！」

ガヴリール「弾残ってるな。まだ撃つなよ」

ガヴリール「ほら、ヴィーネもラフィも銃持って」ｽｯ

ヴィーネ「え、あ。うん」

ラフィエル「これって……」

ガヴリール「一斉射撃だ。外すなよ」ﾆﾔﾘ



パンパンパンパンッ

サターニャ「とれたー！！」

ラフィエル「やりましたねっ、サターニャさん！」

ガヴリール「ま、誕生日プレゼントって事で」

サターニャ「ありがとうガヴリール！」

ガヴリール「や、やめろ、別にプレゼント用意するのがめんどいから適当に言っただけだし……！」

ヴィーネ「ふふっ」

ガヴリール「なんだよ……」

ヴィーネ「素直じゃないガヴも可愛いなって」

ガヴリール「もー！ あっち行け！」

サターニャ「よし、こいつの名前はマリーアントワネットよ。この子に会いたければいつでも私の家に来るといいわ」

ラフィエル「なんだかギロチンに縁がありそうな名前ですねー」

ヴィーネ「それにしてもほんとに色々なお店があるのね」

ガヴリール「ちょっと高いけど食べ物がいっぱいあって最高だな」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

サターニャ「あっ、見てみて。なんだかあれ面白そうじゃない！？」

ヴィーネ「ん？ どれ……」

『激辛！！ ロシアンルーレットたこ焼き』

ヴィーネ「いやあれはちょっと……！！」

ラフィエル「買ってきましたー！」

ヴィーネ「早いなおい！？」

ラフィエル「せーので食べましょうっ」ﾜｸﾜｸ

ガヴリール「おいおいマジかよ……これやばいもん入ってるんだろ……」


「「「せーのっ」」」ﾊﾟｸｯ


ヴィーネ「……美味しかったけど」

ガヴリール「……私も」

ラフィエル「私もです」

サターニャ「私も美味しかったわよ？」

ガヴリール「……」
ヴィーネ「……」
ラフィエル「……」

ガヴリール「よかったなサターニャ。お前が当たりだ」

サターニャ「え、そうなの？ ふふん、大悪魔は運をも引き寄せるのよ！」

ラフィエル「誰も傷つかない幸せな結果になりましたね。残念です」

ヴィーネ「お前ほんとに天使か？」

ヴィーネ「さてちょうど良い時間だし、この辺で場所取りしましょうか」

ラフィエル「良い場所があいてましたね」

ガヴリール「天使が二人もいるんだ。幸運ステータスはめっちゃ高いはずだぞ」

ラフィエル「普段の行いのたまものですねっ」

サターニャ「あんたたち普段の行いが天使からかけ離れてるくせによく言うわ」

ヴィーネ「レジャーシートを敷いて……っと」ﾊﾞｻｯ

ガヴリール「ヴィーネ、私トイレ行きたい」

ヴィーネ「あ、えっと臨時のお手洗いは……」

ラフィエル「すみません、私も行きたいですー」

ヴィーネ「サターニャも行く？」

サターニャ「私は天使共みたいに軟弱な膀胱してないから平気よ。ふふん、ガヴリール早く行かないとお漏らししちゃうわよ？」

ガヴリール「悪魔は強靭な膀胱なの？」

サターニャ「もちろんよ！」

ラフィエル「ヴィーネさんの強靭な膀胱……」ﾁﾗｯ

ヴィーネ「私は普通よ普通！？ 良いからさっさと行くわよ！！」

ヴィーネ「じゃあサターニャ、申し訳ないけどここで場所取りを兼ねて待っててもらって良い？」

サターニャ「しかたないわねー。早くすませてきなさい」

ラフィエル「ここ、周りにも人が多いですし戻って来るのが難しそうですね」

サターニャ「任せなさい。私が悪魔的カリスマポーズで立っててあげるわ！ これですぐわかるでしょう？」ﾋﾞｼｨ

ラフィエル「ぶぷっ……！ 確かに目立ちますね」

ヴィーネ「え、えっと……とりあえず行ってくるわね」

サターニャ「」ﾋﾞｼｨ

サターニャ「」ﾋﾞｼｨ


ガヴリール「……多分今あいつを放っといて帰ったら泣くだろうな」

ラフィエル「いつまであのポーズで待っててくれるんでしょうね～」

ヴィーネ「冗談でもやめなさいよあんたたち」

………………

……


パンッ　パンパンッ


ヴィーネ「始まりの合図ね！」

ドン

ガヴリール「おー、上がったぞ」

ヒューーーーー……………………

ドドーン

サターニャ「おおー！」

ラフィエル「綺麗ですねー！」

ドンッ

ヒュロロロロロロロロ……

ドーン

ヴィーネ「すごーい！」

ヴィーネ「来てよかったわねガヴ！」

ガヴリール「まあこういうのも悪くないね」

ガヴリール「あれ？ そういえば今日なんで来たんだっけ？」

サターニャ「だから私の誕生日だってば！」

ヴィーネ「ああ、そういえばまだちゃんとお祝いしてなかったわね」

ラフィエル「せっかくなのでみんなで歌いましょうか」

「ハッピーバースデートゥーユー」

ドドーン

「ハッピーバースデートゥーユー」

ヒュー ドドーン

「ハッピーバースデー ディアサターニャー」

ドーン

「ハッピーバースデートゥーユー」

ドドドドドドーン


サターニャ「くっふっふ、花火を合いの手に使うなんてやはり大悪魔様の祝い方はひとあじ違うわね」

ガヴリール「祝ったの私たちだけどな」

ラフィエル「普段とは違いますけど、こういう形のお祝いも良いですねー」

サターニャ「いつもはお家でケーキだものね」 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:1341adc37120578f18dba9451e6c8c3b)

ヴィーネ「ふふ、やっぱり誕生日にケーキが無いと締まらないわよね？」

サターニャ「え？ まあ……うん？」

ヴィーネ「というわけで、実はこっそり用意してます！ 誕生日ケーキ！」ｼﾞｬ-ﾝ

サターニャ「持って来たの！？」

ヴィーネ「あらかじめ近くのお店に予約しておいたの。タイミングを見計らって取りに行ったのよ」

ヴィーネ「お皿とフォークも人数分あるから。はいサターニャからどうぞっ」

ガヴリール「どんだけ用意周到なんだよお前」

サターニャ「イベントの時のヴィネットは最強ね……」

ラフィエル「あっ、ちゃんとサターニャちゃんおめでとうって書いてありますね」

ガヴリール「ロウソクは3本でいいよな」ﾌﾞｽｯ ﾌﾞｽｯ ﾌﾞｽｯ

サターニャ「年相応に立てなさいよ！！」

ヴィーネ「さすがにここでは危ないから火は使わないわよ」

ひゅーーん……　どどーん

サターニャ「もぐもぐ。おいしーい！」

ラフィエル「んー、ケーキを食べながらの花火は風流ですねー」

ガヴリール「どこがだ。周りの奴らみんなチラチラこっち見てるぞ」

サターニャ「ふふん、愚民どもの羨望の眼差しが痛いわー」

サターニャ「くっくっく、そこのあんた。ちょっとぐらい分けてあげてもいいのよ？」

「え、え？ いやあの……」

ガヴリール「おいやめろ一般人に食いかけのケーキを突き付けるな」

…………


サターニャ「あー、楽しかったぁ！」

ヴィーネ「花火綺麗だったわねー！」

ラフィエル「ガヴちゃんも楽しかったでしょう？」

ガヴリール「ん、まあね」

サターニャ「んじゃ、お次はファミレス行って夜を明かすわよ」

ガヴリール「えぇ？ これからいくの？」

サターニャ「私の誕生日なんだから時間いっぱいまで祝うのが義務でしょ？」

ガヴリール「どんな義務だよ」

ラフィエル「うふふ。サターニャさん、どうやらみんなと離れるのが寂しいみたいですね」

サターニャ「そ、そんなことないっ！」

ヴィーネ「あはは、私もなんとなくその気持ち分かるけどね」

ガヴリール「……まぁ、浴衣なんて着るの今日ぐらいだし、ちょっとはサターニャに構ってやってもいいか」

ヴィーネ「あ、もしかしてガヴも別れるのが寂しくなっちゃった？」

ガヴリール「違うし！」

サターニャ「ふふーん？」ﾆﾔﾆﾔ

ガヴリール「その顔やめろ！」

サターニャ「ほら行くわよあんたたち！ ファミレスケーキを食べまくるんだから！」

ガヴリール「まだケーキ食うの！？」

ラフィエル「お誕生日会の二次会にふさわしいですねっ」ﾆｺﾆｺ

ヴィーネ「流石にちょっと体重が気になるわ……」

サターニャ「さあ大悪魔に続きなさーい！」

ガヴリール「まったく、最後まで騒がしい奴」


完