1:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 00:19:12 ID:c9468FTE
まゆ「そうなんです……どうにかなりませんか?」
武内P「……あの、佐久間さん?」
まゆ「はい?」
武内P「そもそも、貴女と彼は付き合っていません……よね?」
まゆ「はい?」
武内P「あの、佐久間さん?」
まゆ「はい?」
まゆ「はい?」
武内P「……何でもありません」
2:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 00:22:50 ID:c9468FTE
まゆ「二人は、運命の赤い糸で結ばれてるんです」
武内P「そ、そう……ですか」
まゆ「だから、浮気はいけないと思いますよね?」
武内P「え、ええ……まあ」
まゆ「うふ、わかって貰えて嬉しいです」
まゆ「わかって貰えなかったら……うふふっ」
武内P「……」
3:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 00:26:04 ID:c9468FTE
武内P「その……佐久間さん?」
まゆ「はい?」
武内P「仮に、彼が浮気をしていたとして、ですね」
まゆ「浮気はしてますよ?」
武内P「特定の相手が、いるのでしょうか?」
まゆ「……これです」
…スッ
武内P「……」
武内P(…… !?)
4:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 00:29:25 ID:c9468FTE
武内P「さ……佐久間さん!?」
まゆ「……うふ、ご存知だったみたいですね」
武内P「い、いえ……その、まあ……はい」
まゆ「プロデューサーさん、これに夢中なんです」
武内P「な、何故……それをご存知で?」
武内P「……と、言いますか……どうして、それが此処に!?」
まゆ「? 愛の力ですよ?」
武内P「……そう、ですか」
5:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 00:31:47 ID:c9468FTE
まゆ「どう思いますか?」
武内P「ど、どう……とは?」
まゆ「うふ、決まってるじゃないですかぁ」
武内P「えっ?」
まゆ「どうしたら、コレに浮気するのをやめさせられますか?」
武内P「……」
武内P「えっ?」
6:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 00:36:48 ID:c9468FTE
武内P「彼に……それを使うのをやめさせたい、と?」
まゆ「捨てれば良い、なんて単純な話じゃないですよね」
武内P「そう……ですね」
まゆ「捨てても……また、新しい浮気相手が現れるだけ」
武内P「再購入……ですね」
まゆ「一緒に、考えてくれますよねぇ?」
まゆ「プロデューサーさんに、 を使うのをやめさせる」
まゆ「……その、方法を」
武内P「待ってください!」
武内P「せめて! せめて、ぼかして言いましょう、佐久間さん!」
7:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 00:42:16 ID:c9468FTE
まゆ「プロデューサーさんと、同期なんですよね?」
武内P「え、ええ……そうですね」
まゆ「だから、きっと良い方法を見つけてくれるだろう、って」
武内P「……あの、佐久間さん」
まゆ「はい?」
武内P「使用を許してあげては、貰えませんか?」
まゆ「……うふ」
まゆ「今、何か、言いました、か?」
武内P「笑顔です」
武内P「彼に浮気をやめさせ、佐久間さんを笑顔にしたい、と」
武内P「……そう、思います」
8:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 00:49:51 ID:c9468FTE
まゆ「まゆも……頑張ってはみたんです」
武内P「えっ?」
まゆ「コレに浮気しないよう、スキンシップを多くしたり……」
武内P「は……はあ」
まゆ「胸を押し付けたり、耳元で囁いてみたり、下着を見せてみたり!」
まゆ「なのに……なのに、どうして……!?」
武内P「なるほど」
武内P「佐久間さん、それはやめましょう」
9:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 00:55:17 ID:c9468FTE
まゆ「……まゆが、間違ってたって言うんですか?」
武内P「佐久間さん、完全に逆効果です」
まゆ「はい?」
武内P「貴女のとった行動が、それの使用回数を高めています」
まゆ「何を言ってるんですか?」
まゆ「まゆが、愛を注いでるんですよ?」
まゆ「なのに、どうしてプロデューサーさんがコレに注ぐんですか?」
ペチペチ!
武内P「待ってください、佐久間さん!」
武内P「あの、ペチペチは! ペチペチはいけません、佐久間さん!」
10:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 01:00:55 ID:c9468FTE
まゆ「……まさか」
武内P「! おわかりになりましたか?」
まゆ「まゆが、プロデューサーさんに注いだ愛情が――」
まゆ「――そのまま、コレに注がれている……?」
武内P「えっ?」
まゆ「……うふ……うふふっ!」
まゆ「まゆの愛が、プロデューサーさんの体を通じて!」
まゆ「運命の赤い糸が、白い線になって出たんですね!」
武内P「……」
武内P「…………」
武内P「そうですね」
11:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 01:06:56 ID:c9468FTE
まゆ「ああ……そう考えると、コレ――いえ、この子は……」
武内P「こ……この子、ですか?」
まゆ「まゆと、プロデューサーさんの――」
まゆ「――溢れ出た、愛の受け皿」
武内P「そ、そう……ですね」
武内P「そういう見方も……はい、ん……んん」
武内P「……それで良いです」
まゆ「うふ、だから非貫通式なんですねぇ」
武内P「……」
12:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 01:11:45 ID:c9468FTE
まゆ「……プロデューサーさんに、謝らないと」
武内P「謝る……ですか?」
まゆ「……はい」
武内P「何か……他に、されたのですか?」
まゆ「……はい、コレを使わないように――」
まゆ「いやらしい本の、女の人の顔」
まゆ「それに全部、今西部長の顔を貼り付けたり……」
武内P「……」
武内P「何と、恐ろしいことを……!?」
13:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 01:17:30 ID:c9468FTE
まゆ「……でも、新しいのを買って来るだけだったので」
武内P「ええ、そうでしょうとも」
まゆ「だから……所々、今西部長の顔を貼って、ですね」
武内P「……」
まゆ「……」
まゆ「もう……真っ直ぐ部長の顔を見られない、って」
武内P「……」
武内P「そう……ですか」
14:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 01:20:58 ID:c9468FTE
まゆ「他にも――」
武内P「待ってください」
まゆ「はい?」
武内P「すみません、これ以上聞くと……」
武内P「彼が、あまりに不憫で……泣いてしまいます」
まゆ「そう……ですよね」
まゆ「プロデューサーさんと……部長さんに謝らないと」
武内P「待ってください」
武内P「部長にこの件を伝えるのは、絶対にやめましょう」
15:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 01:29:35 ID:c9468FTE
武内P「佐久間さん」
武内P「貴女は、とても魅力的なアイドルです」
まゆ「……」
武内P「なので、彼も……恐らく、必死なのでしょう」
まゆ「まゆに、手を出さないように……コレで我慢してるって事ですか?」
武内P「! その通りです!」
まゆ「つまり―― を出してるんですね?」
武内P「……」
武内P「…………」
武内P「そうですね」
16:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 01:35:01 ID:c9468FTE
武内P「それの使用は……貴女を思っての事」
まゆ「それは……まゆで てると言っても、過言じゃないですね」
武内P「過言です」
まゆ「はい?」
武内P「佐久間さん、それは、過言です」
まゆ「えっ?」
まゆ「じゃあ、どうして てるんですか?」
まゆ「まゆで てないなら、浮気ですよね?」
武内P「待ってください、佐久間さん!」
武内P「着地しそうだったのに! 何故、振り出しに!?」
17:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 01:46:54 ID:c9468FTE
まゆ「まゆに手を出さないよう、我慢してるんですよね?」
武内P「そ、そう……だと、思われます」
まゆ「なら、どうして……まゆでイかないんですか?」
まゆ「お仕事の時の写真とか、沢山あるのに……どうして?」
まゆ「読モ時代の写真も、渡してるんですよ? ねぇ?」
まゆ「これって、浮気ですよね? ねぇ、そうですよね?」
武内P「……しっ」
武内P「仕事と! プライベートは分ける性分なのでは!?」
まゆ「……あぁ、そういう事だったんですね!」ニコッ!
武内P「……良い、笑顔……ん、う……ん……」
武内P「……笑顔です」
18:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 02:00:41 ID:c9468FTE
まゆ「プロデューサーさん、とってもお仕事出来ますし……」
まゆ「そういう人って、仕事とプライベートもキッチリわけますからね」
武内P「え……ええ」
まゆ「プロデューサーさんが、コレを使うのは――プライベート」
まゆ「まゆが、それに対して何か言うのは……いけませんよね」
まゆ「うふ、だって……まゆは、プロデューサーさんのアイドルですから」
武内P「……」
武内P(アイドルでなくとも、そっとして置いてあげて欲しい、と)
武内P(……そう、思います)
武内P「――はい、その通りです」
19:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 02:09:38 ID:c9468FTE
まゆ「ありがとうございます、おかげで……わかりました」
武内P「わかって……いただけましたか」
まゆ「はい」
まゆ「まゆは――」
まゆ「プロデューサーさんが、 を使う」
まゆ「――その事を……もう、止めたりしません」
武内P「……はい、そうしてあげてください」
まゆ「まゆが、本当にするべきことがわかりましたから♪」
武内P「えっ? するべき事……ですか?」
まゆ「だから、コレは赤いリボンをかけて、元の場所に戻しておきます」
武内P「待ってください!」
武内P「普通に……普通に、戻しておいてあげてください!」
20:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 02:20:47 ID:c9468FTE
・ ・ ・
武内P「……」
オーネガイーシーンデレラー♪
武内P「……はい、もしもし」
武内P「ええ……ええ、先日、佐久間さんと……はい」
武内P「……そうですね、はい……はい」
武内P「――えっ?」
武内P「……その時以降、アプローチが激化した?」
武内P「……プライベートな関係を求めてくる?」
武内P「アイドルの本気に困っている?」
おわり
23:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 22:09:08 ID:c9468FTE
武内P「二人は、無理です」
24:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 22:13:48 ID:c9468FTE
凛「何で?」
武内P「……申し訳ありません」
凛「……ふざけないでよ」
凛「なんで、私と二人じゃ外を歩きたくないの!?」
武内P「……」
武内P「確実に……職務質問を受けるからです」
25:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 22:17:23 ID:c9468FTE
凛「そんなの、偶然でしょ!?」
武内P「いえ、そんな事は、決して」
凛「……何それ」
凛「ねえ、本当は違う理由なんでしょ?」
武内P「待ってください」
武内P「二人のタイミングで……」
武内P「既に、二桁……毎回、職務質問を受けています」
26:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 22:21:39 ID:c9468FTE
凛「ねえ、そんなの数えてたの?」
武内P「毎回、千川さんに回数を言われていましたから」
凛「……ふーん」
凛「プロデューサーは……私と二人で歩けなくても良いんだ」
武内P「……わかってください、渋谷さん」
武内P「前回、千川さんが迎えに来られた時」
武内P「良い笑顔で……こめかみに、青筋が立っていたのです」
27:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 22:26:12 ID:c9468FTE
凛「ねえ、それ……どういう意味?」
武内P「えっ?」
凛「……有り得ない……!」
凛「アンタ、私のプロデューサーでしょ!?」
凛「ちひろさんを怒らせたくないから、私と二人は嫌って事!?」
武内P「っ!?」ビクッ!
武内P「し、渋谷さん……笑顔です」
凛「は?」ギロッ!
武内P「……す、すみません……!」
28:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 22:32:25 ID:c9468FTE
武内P「ですが……もう、千川さんに迷惑をかけるわけには……!」
凛「それって……私より、ちひろさんが大事って意味?」
武内P「いっ、いえ! そういう訳では、決して!」
凛「……ふーん。じゃあさ――」
凛「私とちひろさん、どっちが大事なの?」
武内P「……」
武内P「えっ?」
29:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 22:36:16 ID:c9468FTE
武内P「し、渋谷さん……?」
凛「良いから、答えて」
武内P「ど……どちらも大事だ、と」
武内P「……そう、思っています」
凛「はあっ!? ふざけないでよ! どちらも!?」
凛「そんな答えで、納得すると思ってるの!?」
武内P「っ!?」ビクッ!
武内P「す、すみません! すみません、渋谷さん!」
30:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 22:42:41 ID:c9468FTE
凛「謝って欲しいんじゃない!」
凛「ねえ! アンタ、私の笑顔が見たいんじゃなかったの!?」
武内P「はっ、はい……!」
凛「だったら! 私の今の表情を見たら、わかるでしょ!?」
凛「今、プロデューサーが言うべき事って、何!?」
武内P「えっ!?」
武内P「あ、その……う……」
凛「……!」
武内P「お……怒った顔も、魅力的だ、と」
武内P「……そう、思います」
凛「……」
凛「ふーん!?///」
31:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 22:48:41 ID:c9468FTE
凛「怒った顔も魅力的とか、何それ!?///」
凛「笑顔じゃなくても、良いって言うの!?///」
武内P「し、渋谷さんは……顔立ちが整っています、し……!」
凛「それで!?///」
武内P「それで!?」
武内P「その……どんな表情も、それぞれ魅力があり……!」
凛「からの!?///」
武内P「からの!?」
武内P「ず……ずっと、見続けていたい、と」
武内P「……そう、思います」
凛「ふうううぅぅぅん!///」ジタバタ!
32:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 22:52:53 ID:c9468FTE
武内P「い、今のような答えで……良かったのでしょうか?」
凛「ま……まあ、わるっ、くないっ、かなっ♪」
武内P「えっ?」
武内P「渋谷さん? あの……何故、リズミカルに?」
凛「……別に?」
凛「アイドルが、リズムに乗るのはおかしくないでしょ?」ニコッ!
武内P「……良い、笑顔です」
33:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 22:59:54 ID:c9468FTE
武内P「渋谷さん」
武内P「私は、貴女と一緒に行動をしたくないのでは……ありません」
武内P「もう、職務質問は受けたくない……」
武内P「千川さんの、怒った顔は見たくない……」
武内P「……本当に、それだけなのです」
凛「……なんだ、そっか」
武内P「わかって……いただけましたか?」
凛「うん、わかった」
凛「ちひろさんの怒った顔は、魅力的じゃないって事でしょ?」
武内P「わかっていただけていませんね!?」
34:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 23:11:03 ID:c9468FTE
凛「えっ? だって、そうでしょ?」
武内P「あの……何故、その結論に!?」
凛「だって……さ」
凛「プロデューサーは……ほら」
凛「私の、怒った顔も魅力的だ……って///」
凛「見続けていたい、って……いっ、言ったでしょ?///」
武内P「え……ええ、そう……ですが」
凛「なら、ほら……ちひろさんの怒った顔は見たくないって事は――」
凛「魅力的じゃない、って意味になるんじゃないの? 違う?」
武内P「……言われてみれば、確かに……そう、なりますね」
武内P「……」
武内P「待ってください! その結論は、あまりに強引すぎます!」
35:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 23:23:32 ID:c9468FTE
凛「……は? 何、それ?」
凛「待って。待って待って……ねえ、プロデューサー?」
武内P「は、はい……?」
凛「プロデューサーが、ふざけた答えをしてたのって、さ」
凛「私の――怒った顔が、見たかったから」
凛「……だと、思ってたんだけど」
武内P「……えっ?」
凛「まさか――……違うの?」ギロッ!
武内P「……」
武内P「いえ、その通りです」
36:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 23:31:59 ID:c9468FTE
凛「……なんだ、驚かせないでよ」
凛「危うく、勘違いする所だったでしょ?」
武内P「えっ? す、すみません……?」
凛「もう、良いってば」
凛「考えてみれば、当たり前だしね」
凛「だって、アンタは私のプロデューサーだから」
凛「私とちひろさん、どっちが大事かなんて……ねえ?」
凛「わざと、どちらも、って言って……怒った顔を見ようとしたんでしょ」
武内P「……」
武内P「えっ?」
37:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 23:40:19 ID:c9468FTE
凛「大丈夫、もう、わかったから」
武内P「は……はあ」
凛「プロデューサーは、本当は私と二人で外を歩きたい」
凛「でも、ちひろさんの怒った顔が、キツい」
凛「だから……私と二人で外に出られない」
凛「その分、わざと怒らせて、私の怒った顔を見たんだよね?」
凛「みっ……魅力的な、私の怒った顔を……さ」
武内P「それ、は――」
ちひろ「そうなんですか?」
武内P「っ!?」ビクゥッ!
武内P「せ……千川さん!?」
38:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 23:44:21 ID:c9468FTE
ちひろ「プロデューサーさん、凛ちゃん、おはようございます♪」ニコッ!
凛「おはよう、ちひろさん」
武内P「せ、千川さん……おはよう、ございます……!」
ちひろ「ふふっ! どうしたんですか、プロデューサーさん?」ニコッ!
ちひろ「私、笑顔ですけど?」ニコニコ!
武内P「……え、笑顔です……!」
武内P「笑顔ですが……笑顔ですが……!」
39:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 23:56:38 ID:c9468FTE
ちひろ「うふふっ! あんな話を聞いたら、逆に笑えちゃって!」ニコニコ!
ちひろ「それに……私の怒った顔、キツいんですもんね?」ニコニコ!
武内P「いっ、いえ! そんな事は、決して!」
凛「……は? ねえ、どういう事?」ギロッ!
武内P「っ!?」ビクッ!
凛「プロデューサー?」ギロッ!
ちひろ「プロデューサーさん?」ニコッ!
武内P「待ってください!」
武内P「二人同時は、無理です!」
おわり
46:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/06(木) 23:06:34 ID:INgYF8.Y
アーニャ「マラジェッツ!」
47:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/06(木) 23:09:17 ID:INgYF8.Y
アーニャ「マラジェッツ! フミカ、アリス!」
アーニャ「ハラショー! 素晴らしい、歌声でしたね!」
文香「あ……ありがとう、ございます」
ありす「……あ、ありがとうございます」
アーニャ「マラジェッツ!」
文香・ありす「……」
48:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/06(木) 23:13:57 ID:INgYF8.Y
・ ・ ・
美波「――アーニャちゃんが、そう言ったの?」
文香「……はい」
ありす「私達がレッスンで歌ったのを聞いて……言ったんです」
文香「美波さん……あの、意味を……教えてもらえますか?」
ありす「褒めてくれてる、っていうのはわかったんですけど……」
美波「……なるほどね」
美波「アーニャちゃんがニコニコしてて、何となく聞き返せなかった?」
文香・ありす「……はい」
49:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/06(木) 23:17:46 ID:INgYF8.Y
美波「ふふっ! でも、その気持はちょっとわかるわ!」
文香「美波さんも、そういう時が……?」
美波「だって、アーニャちゃんの笑顔を見てたら、ね」
美波「言葉なんて通じて無くても、それでも良いかなって」
ありす「美波さんでも、わからない事があるんですね」
美波「勿論よ! でも、せっかくだったらきちんとわかってあげたいじゃない?」
美波「だから、今は色々と勉強中♪」
文香・ありす「美波さん……!」
50:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/06(木) 23:23:11 ID:INgYF8.Y
美波「それで、マラジェッツの意味なんだけど――」
ありす「あっ! すみません! 少しだけ待って貰えますか?」
文香「ありすちゃん……?」
美波「? どうかしたの?」
ありす「更衣室に、タブレットを忘れちゃってたみたいで……」
ありす「すぐ、取ってきます!」
タッタッタッタッ!
美波「あっ! 走ると危ないから、焦らなくて大丈夫よ!」
美波「……ふふっ、ああして見ると、ありすちゃんも小さな女の子ね♪」
文香「はい……とても、可愛らしいです」
51:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/06(木) 23:27:23 ID:INgYF8.Y
美波「う~ん、それじゃあ――」
美波「待ってる間に、文香さんにだけ教えちゃおうかしら」
文香「えっ?」
美波「それで、文香さんがありすちゃんに教えてあげて――」
美波「――ありすちゃんが、私に教える」
美波「どう? ちょっとした伝言ゲームみたいで、面白そうじゃない?」
文香「どう、なのでしょうか……よく、わかりません」
美波「文香さん、そんなに緊張しないで?」
美波「ちょっとした遊びだと思って気楽に……ね?」ニコッ!
文香「……わかりました」
52:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/06(木) 23:35:23 ID:INgYF8.Y
美波「それじゃあ、文香さん……目を閉じて」
文香「えっ?」
美波「ん?」
文香「は……はい、わかりました」
美波「それじゃあ、想像して……」
美波「マラジェット―― ジェットが」
美波「何本も、何本も……青空を飛んでる光景を」
文香「……」
文香「…………」
文香「出来ません……! すみません、出来ません……!」
53:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/06(木) 23:40:11 ID:INgYF8.Y
美波「えっ!? ど、どうしたの文香さん!?」
文香「ファンタジーな世界すぎて、私には……!」
美波「そんな事ないわ、文香さん!」
美波「文香さんなら、きっと出来る! 自信を持って!」
文香「その一歩は、踏み出せそうに……ありません……!」
美波「……そうよね、ごめんなさい」
美波「まずは、一本から想像してみましょ♪」ニコッ!
文香「……い、いえ……あの……!」
文香「ほっ、ほ、本数の問題では、ありません……!」
54:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/06(木) 23:45:19 ID:INgYF8.Y
美波「本数の問題じゃない……?」
文香「そもそも……有り得ない、光景ですし……」
美波「……確かに、文香さんの言う通りだわ」
美波「――でもね、文香さん」
美波「そんな……有り得ない光景を実現させた……」
美波「努力に努力を重ねて……不可能を可能にした」
美波「そんな男の人達が居たら……どう思う?」
文香「……」
文香「……えっ?……えっ……!?」
55:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/06(木) 23:49:57 ID:INgYF8.Y
美波「文香さん、思い出して」
文香「なっ、何を……でしょうか……!?」
美波「LIVEが終わった時の、ファンの人達の声援を」
文香「えっ!? い、今……このタイミングで……!?」
美波「……どう?」
文香「ん、んんん……んん……はい、とても……嬉しい気持ち、です」
美波「――ふふっ!」
美波「それよ、文香さん!」ニコッ!
文香「……」
文香「どっ……どれですか……?」
56:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/06(木) 23:59:01 ID:INgYF8.Y
美波「それじゃあ、その気持ちを忘れずに……目を閉じて」
文香「えっ、は……はい……」
美波「後の事なんて考えず―― ジェットを飛ばした」
美波「……プシュウウウッ! シュゴゴゴゴゴゴッ!」
文香「……ああ……何てことでしょう……」
美波「プシュウッ! プシュウッ! プッシュウウウッ!」
美波「シュゴッ! シュゴッ! シュゴゴゴゴッ!」
文香「何本も……何本も、空へ……飛び立って……!」
57:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 00:04:31 ID:su9ZHV/o
美波「 ……マラ……魔羅」
美波「煩悩と共に……飛んでいくジェット達」
文香「……」
美波「……さあ、文香さん……目を開けて」
文香「……はい」
美波「文香さんが、実際にその光景を目にしたら……何て言うかしら?」
文香「……マラジェッツ……です」
美波「……ふふっ!」
美波「文香さん、マラジェッツ!」ニコッ!
58:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 00:15:58 ID:su9ZHV/o
文香「とても……不思議な感覚なのですが……」
美波「ええ……聞かせて、文香さん」
文香「もしも、その光景を目にした時……」
文香「マラジェッツ以外の言葉を紡ぐのは……無粋に思えました」
美波「凄いわ、文香さん!」
文香「 ジェット達が、空へ飛んでいく……」
文香「……どこか切なく、物悲しい光景」
文香「しかし、それは未来へと羽ばたくための……努力の結晶」
文香「そんな物語を紡ぎ出した事を褒め称える言葉――」
文香「――マラジェッツ」
美波「その通りよ、文香さん!」
美波「簡単に言えば、頑張ったね、って言う意味ね♪」
59:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 00:22:58 ID:su9ZHV/o
文香「簡単に言ってしまえば……そう、なのでしょうね」
文香「けれど、マラジェッツという言葉に込められた……想い」
文香「私は、それはとても重要なものだと……教えていただきました」
美波「ふっ、文香さん?」
文香「ありがとうございます……美波さん」
文香「書の世界に籠もっていては、得られない知識……見られない光景」
文香「それを……美波さんは、私に見せてくれます」
美波「……もうっ、そんなの気にしなくていいのよ!」
美波「ふふっ! だって、私達――お友達、でしょう?」ニコッ!
文香「美波さん……」
文香「……はいっ」ニコッ!
60:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 00:31:12 ID:su9ZHV/o
美波「あっ! でも気をつけて、文香さん」
文香「……はい?」
美波「マラジェッツっていうのは、目上の人に使ったらいけないの」
文香「失礼に……当たるのでしょうか?」
美波「ええ、そうなの」
美波「でも、もしもロシアでLIVEをした時、飛んでくる言葉は――」
美波「マラジェッツ!」
美波「……に、なるのよ♪」
美波「よくやった、頑張ったね、ジャンボジェットだね、ってね♪」
文香「成る程……とても、勉強になります」
61:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 00:41:14 ID:su9ZHV/o
美波「……あっ、いけない!」
文香「美波さん?」
美波「ごめんなさい、文香さん……私、そろそろレッスンの時間なの」
文香「そう、なのですか」
美波「だから、ありすちゃんに教えるのは……」
文香「……はい、任せてください」
文香「ちょっとした遊び……ですよね?」ニコッ!
62:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 00:52:17 ID:su9ZHV/o
・ ・ ・
アーニャ「マラジェッツ! フミカ、アリス!」
アーニャ「ハラショー! 素晴らしい、ダンスでしたね!」
文香「ありがとうございます……ですが、まだ本数が足りません」
アーニャ「本数?」
ありす「そ、それに……まだまだ、ジェットじゃないです……///」
アーニャ「ジェット?」
アーニャ「……シトー? 何を言っているのですか?」
63:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 01:03:58 ID:su9ZHV/o
文香「マラジェッツと言う言葉を頂くには……足りない、と」
アーニャ「フミカ」
ありす「ぜ、全然……飛距離も出てないと思います……///」
アーニャ「アリス」
アーニャ「……ニェート! ニェニェニェニェート!」
アーニャ「フミカも、アリスも、とっても努力しています!」
文香「な……何本でしょうか……?」
アーニャ「ンー? アー、百万本、です! そのくらい、です!」
文香「そっ……そんなに……!?」
ありす「えっ……じゃ、じゃあ……飛距離は?」
アーニャ「ンー? アー、星! 星まで、届きます!」
文香・ありす「ま……マラロケッツ……!?」
64:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 01:16:22 ID:su9ZHV/o
アーニャ「……イズヴィニーチェ、すみません」
アーニャ「大声を……出してしまいました」
文香「いえ……謝るのは、こちらの方です……」
ありす「すみませんでした……もっと、自信を持ちます……!」
アーニャ「ダー! ダーダーダー! その通り、です!」
アーニャ「だから、私は何度でも言います!」
アーニャ「マラジェッツ!」ニコッ!
文香「……ああ……百万本の、 ジェット……いえ――」
ありす「――ロケットが……星に向かって飛んでいきます……!」
アーニャ「……」
アーニャ「…………シトー?」
おわり
68:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 21:03:43 ID:su9ZHV/o
書きます
アイデンティティ見浦「……のあさんにボイスかー」
69:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 21:06:23 ID:su9ZHV/o
見浦「確かに、ちょっと厳しい所はあるかも知れないよなぁ」
見浦「……でも、そう言ってても始まらないか!」
見浦「どんどん課金して、サプライズボイスに期待しよう!」
見浦「……ん?」
見浦「あそこにいるのは――」
野沢雅子「ファンの皆ー! オラに元気をわけてくれー!」
見浦「――野沢雅子さん!?」
70:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 21:11:04 ID:su9ZHV/o
見浦「あのっ! 野沢雅子さんですよね!?」
野沢雅子「ん? なんだオメェ、オラの事知ってるんか?」
見浦「当たり前じゃないですか!」
見浦「ドラゴンボールの孫悟空の声でお馴染みの!」
見浦「御年81歳の大ベテランの声優、野沢雅子さんですよね!」
野沢雅子「ちなみに言っとくけんど」
野沢雅子「今度の誕生日の10月25日に、オラのTwitterにおめでとうは要らねえぞ」
野沢雅子「さすがに二度目はどう反応したら良いか考えるのがめんどくせぇんだ」
見浦「そうなんです」
見浦「皆さん、表記はこうですけど、コイツ偽物ですからね」
71:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 21:15:40 ID:su9ZHV/o
見浦「それにしても、大きな声を出して何してたんですか?」
野沢雅子「見りゃわかんだろ」
見浦「いえあの、見てわからないから聞いたんですけど」
野沢雅子「なんだおめぇ、アレを見てもわかんなかったんか!」
見浦「ファンの皆って言ってましたけど……」
野沢雅子「おぉ!」
野沢雅子「LIVEに備えて修行してたんだ!」
野沢雅子「そん位わかれ、ぶっ殺すぞ」
見浦「口悪ぃな!」
見浦「いや……待ってください!」
見浦「今、まさかとは思いますがLIVEって言いました!?」
72:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 21:22:50 ID:su9ZHV/o
見浦「野沢さん、何かLIVEをする予定があるんですか!?」
野沢雅子「オラにはねぇけんど、これからやるキャラはLIVEをすんだ!」
見浦「へええ! そういうキャラを演じる予定なんですね!」
野沢雅子「へへっ! LIVEって聞いて、オラわくわくすっぞ!」
見浦「僕もワクワクしますよ! うわー、楽しみだなぁ!」
見浦「ちなみに、どんなLIVEをするのか聞いても良いですか?」
野沢雅子「おぉ!」
野沢雅子「シンデレラの天下一武道会ってんだ!」
見浦「天下一武道会はねえだろ! どんなLIVEだよ!」
見浦「……あれ?」
見浦「野沢さん、今、シンデレラって言いました!?」
73:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 21:28:56 ID:su9ZHV/o
野沢雅子「おっ! なんだおめぇ、よく知ってるじゃねえか!」
見浦「いや、知ってますけど!」
見浦「でも、野沢さんって出演してないですよね!?」
野沢雅子「……ほんとにそうか?」
見浦「そうだろ! 何でキレッキレの返ししてんだ!」
見浦「というかですね、言っちゃ何ですけど……野沢さんですよ!?」
見浦「確かに良い声ですけど、アイドルって声じゃないですよ!」
見浦「ステージの上で戦うんですか!?」
見浦「そもそも、武道会じゃなくて舞踏会ですかr」
野沢雅子「しつけ~~~っ!」
見浦「す、すみません」
74:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 21:34:48 ID:su9ZHV/o
野沢雅子「さっきから聞いてりゃおめぇ、ゴチャゴチャうっせえな!」
野沢雅子「オラもほんのちょっぴりそう思うから、修行してたんだじゃねえか!」
見浦「ちょっぴりじゃなく、もっと思ってくださいよ」
見浦「でも、野沢さんが出演してないのは事実ですよね!?」
野沢雅子「……へへっ!」
見浦「えっ? どうして笑ってるんですか?」
野沢雅子「おめぇ……サプレェズボイスって知ってっか?」
見浦「サプレェズじゃなくて、サプライズですよね」
見浦「――って! サプライズで出演するつもりですか!?」
75:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 21:35:36 ID:su9ZHV/o
誤)>野沢雅子「オラもほんのちょっぴりそう思うから、修行してたんだじゃねえか!」
正)>野沢雅子「オラもほんのちょっぴりそう思うから、修行してたんじゃねえか!」
76:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 21:41:07 ID:su9ZHV/o
野沢雅子「ダウンロードが終わって、オラの声が聞こえてみろ!」
野沢雅子「……これ以上のサプレェズはねえだろ?」
見浦「いや! 確かに驚きますけど!」
見浦「関係者だけじゃなく、海外も巻き込んだサプライズになりますよ!?」
野沢雅子「って事でよ、あんま邪魔すんな!」
野沢雅子「これから、キャラの修行しなきゃなんねんだ!」
見浦「キャラの修行?」
見浦「でも、野沢さんが演じるサプライズボイスって……」
野沢雅子「オッス! オラ、のあ!」
見浦「悟空感!」
見浦「のあ、って名乗ってますけど、思いっきり悟空ですよ!?」
77:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 21:48:51 ID:su9ZHV/o
見浦「野沢さん、のあさんの声をやるんですか!?」
野沢雅子「おう、そのつもりだ」
見浦「ああっ、良かった……! 正式な決定じゃないんだ!」
野沢雅子「ん? おめぇ、今何つった?」
見浦「あっ、いえ! 何でも無いです!」
見浦「でも……なんでまた……?」
野沢雅子「何でも、のあっちゅうキャラは声がつかなそうって言われたみてぇじゃねえか」
野沢雅子「それを聞いたら、居ても立ってもいられなくなっちまってよ!」
野沢雅子「だから、ここまで界王拳を使って急いできたんだ!」
見浦「体に負担をかけてまで急いだんですか!?」
野沢雅子「おかげで、コンビニに筋斗雲置いてきちまった」
見浦「コンビニ行ったついでじゃねーか!」
78:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 21:57:28 ID:su9ZHV/o
見浦「確かに、野沢さんの心遣いは嬉しいとは思いますよ!?」
見浦「でも、高峰のあ(CV:野沢雅子)って有り得ませんって!」
野沢雅子「なんだおめぇ、オラじゃ不満なんか」
見浦「ぶっちゃけて言えばそうですよ! 嫌ですもん!」
野沢雅子「……ほんとにそうか?」
見浦「嫌だっつってんだろ!」
見浦「まずい……! ここで俺がしっかりしないと!」
見浦「のあさんが、悟空感漂うキャラにされちまう!」
見浦「のあPの皆ー! 俺に元気をわけてくれー!」
79:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 22:03:48 ID:su9ZHV/o
見浦「野沢さん! ちょっと聞いてください!」
野沢雅子「ん? どうした」
見浦「確かに、野沢さんは声優として大ベテランです!」
野沢雅子「ちげぇ、でぇベテランだ」
見浦「そういう細かい所は良いんだよ!」
見浦「でも、シンデレラガールズの声優さん達って皆若いんですよ!」
見浦「そんな、若い子達の中に入っていってですね?」
見浦「野沢さんが気まずい思いをするんじゃないか、って……」
見浦「僕、心配なんです!」
野沢雅子「……おめぇ、良いヤツだな~!」
見浦「……よし!よし! 掴みはバッチリだ!」
80:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 22:09:41 ID:su9ZHV/o
野沢雅子「でもよ! そんな心配はいらねぇぞ!」
野沢雅子「そのへんの修行もバッチリしてあるかんな!」
見浦「えっ!? そうなんですか!?」
野沢雅子「よっしゃ! 特別に、修行の成果を見せてやる!」
野沢雅子「おめぇ、ちょっと若ぇ声優達のフリしてみろ!」
野沢雅子「よろしくっつう挨拶からで良いからよ!」
見浦「えっ!? わ、わかりました……ゴホンッ!」
見浦「今日は、よろしくお願いします!」キャピッ!
野沢雅子「……おめぇ、気ん持ち悪ぃなぁ!」
見浦「お前がやれっつったんだろうが!」
見浦「確かにちょっとやりすぎたけど、気持ち悪いとか言うなよ!」
81:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 22:15:20 ID:su9ZHV/o
野沢雅子「いや~! 悪ぃ悪ぃ!」
野沢雅子「おめぇ、オラの心配してくれてんだもんな!」
見浦「お前じゃなく、のあさんの心配だよ」
野沢雅子「ん? 今何つった?」
見浦「何でもないです!」
野沢雅子「ぃよっしゃ! もいっちょ来い!」
見浦「……今日は、宜しくおねがいします!」キャピッ!
野沢雅子「おう! ここじゃあ、オラの方が後輩だ!」
野沢雅子「緊張せず、リラックスしてくれよな!」
見浦「凄い……!」
見浦「思いっきり悟空だけど、緊張がほぐれる感じがする……!」
野沢雅子「へへっ!」
82:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 22:22:22 ID:su9ZHV/o
見浦「確かに、修行したってだけはあるぞ……!」
見浦「この声で言われたら、緊張なんてまるでしない!」
見浦「いや! むしろ、ワクワクしてくる!」
野沢雅子「さあ! モタモタすんな、どんどん来い!」
見浦「はい!」
見浦「大ベテランの野沢さんと一緒に仕事出来るなんて光栄です!」
野沢雅子「……ほんとにそうか?」
見浦「そこでその返し!?」
野沢雅子「へへっ、こうやって相手のパワーを利用すんだ!」
野沢雅子「そうすりゃおめぇ、緊張なんて吹き飛んじまうぞ!」
見浦「吹き飛んだ緊張が相手に行くだろ!」
見浦「相手がベジータだったら泣くぞ!?」
83:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 22:28:38 ID:su9ZHV/o
見浦「そんな調子で、LIVEなんて出来るわけないでしょう!」
野沢雅子「何言ってんだ、曲もバッチリ覚えて来てんぞ」
見浦「えっ!? もう、曲も覚えてるんですか!?」
野沢雅子「当ったりめぇだ!」
見浦「野沢さん、どの曲を覚えてきたんですか!?」
野沢雅子「『お願ぇ! シェンロン』だ」
見浦「滅茶苦茶ドラゴンボールに侵食されてるじゃねえか!」
見浦「アイドルマスター、ドラゴンボールズか!」
84:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 22:35:21 ID:su9ZHV/o
見浦「シェンロンじゃないですよ! シンデレラです!」
見浦「っていうかアナタ、シンデレラの天下一武道会とか言ってたでしょ!?」
野沢雅子「おおっ、そうだった! いや~、助かったぞ!」
見浦「ああっ、まずい! 助ける方向に行っちゃってる!」
野沢雅子「お礼によ、一曲だけ聞かせてやんぞ!」
見浦「えっ!?」
野沢雅子「……『お願ぇ! シンデレラ』をな」
見浦「悟空感は残ってるけど、ちゃんとシンデレラになってる……!」
見浦「……」
見浦「すみません! 一曲だけ聞いたら、ちゃんと止めますんで!」
85:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 22:41:04 ID:su9ZHV/o
野沢雅子「そんじゃあ、オラがのあをやっからよ!」
見浦「あっ、やっぱりのあさんをやるんですね」
野沢雅子「おめぇは……う~んそうだなぁ」
見浦「えっ!? 僕も歌うんですか!?」
野沢雅子「へへっ! オラとデュエットなんておめぇ、贅沢だぞ~?」
見浦「確かにそうですけど……じゃ、じゃあ僕の役は――」
野沢雅子「行くぞ、セル!」
見浦「セル!?」
見浦「あのっ、LIVEですよね!?」
見浦「セルゲームをやる気じゃないですよね!?」
86:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 22:48:28 ID:su9ZHV/o
野沢雅子「オッス! オラ、のあ!」
野沢雅子「今日のLIVE、楽しんでってくれよな!」
見浦「始めちゃったよ!」
野沢雅子「……」スッ
見浦「野沢さん! それ、完全に悟空の構えですよね!?」
野沢雅子「ミュージック、スタート!」
見浦「あっ、すみません、お願いしまーす」
~♪
野沢雅子「お~ねげぇ~♪」
見浦「やっぱり声が合ってねえなあ!」
87:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 22:55:52 ID:su9ZHV/o
~♪
見浦「しっ、シ~ンデレ――」
野沢雅子「シ……ン……デ……レ……!」ググッ…!
見浦「何やってるんですか!?」
見浦「ダンスっていうか、かめはめ波の構えですよね!?」
野沢雅子「――ふっ!」ピッ!
…コソコソッ
見浦「からの、瞬間移動――……いや、思いっきり見えてますけど」
野沢雅子「波――――!!!!」
見浦「やっぱり瞬間移動かめはめ波じゃねーか!」
見浦「だから俺をセルに仕立て上げたんだな!?」
88:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 23:04:03 ID:su9ZHV/o
野沢雅子「……へへっ!」ニヤリ!
見浦「満足げに良い笑顔してんじゃねえよ!」
野沢雅子「今のを見ても、オラがのあをやるのは駄目っちゅうんか?」
見浦「駄目に決まってんだろ! なんだ、シンデレ波って!」
見浦「良いですか!? 絶対、やめてくださいよ!?」
見浦「確かに声がつけば良いとは思いますけど、野沢さんは嫌ですからね!」
野沢雅子「あっ、おい! どこ行くんだおめぇ!」
野沢雅子「まだLIVEは始まったばかりだぞ!」
見浦「うるせえよ!」
野沢雅子「……」
野沢雅子「サプレェズボイス、期待しててくれよな」
おわり
91:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 08:38:25 ID:PHZXUMtk
のあさんと武内Pって案外お似合いかもな、二人でいるところを見たみくとアーニャが暴走しそうなくらいには
92:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 10:42:02 ID:CLyUfERQ
>>91
書きます
武内P「お似合い、ですか?」
93:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 10:44:34 ID:CLyUfERQ
武内P「私と……安部さんが?」
みく「……」
武内P「そんな事は……無いと思いますが」
みく「……」
武内P「何故、そう思ったのでしょうか?」
みく「何故か、年齢差を感じないからにゃ」
武内P「……」
武内P「……ん……んんん……!」
94:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 10:47:46 ID:CLyUfERQ
武内P「年齢差を感じないからは、理由になるのでしょうか?」
みく「……」
武内P「そもそも、安部さんはじゅ、17歳です」
みく「……」
武内P「お似合いということは、無いと思います」
みく「たまに、みくのわからない話題で盛り上がってるにゃ」
武内P「……」
武内P「……ん……んんん……!」
95:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 10:51:54 ID:CLyUfERQ
武内P「それは……安部さんが博識、というだけです」
みく「……」
武内P「それに、私は彼女に相応しい人間ではありません」
みく「……」
武内P「安部さんは、とても素晴らしい……魅力的な、アイドルですから」
みく「ほら! すぐそうやってナナチャンを褒める!」
武内P「……」
武内P「……ん……んんん……!」
97:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 10:59:11 ID:CLyUfERQ
武内P「か、彼女が素晴らしいアイドルなのは……事実なので」
みく「……」
武内P「でっ、ですが! 前川さんも、素晴らしいアイドルです!」
みく「!」
武内P「ルックス、スタイル、歌唱力、そしてキャラクター性」
武内P「まだ成長途中ではありますが、とても強い輝きを放っています」
みく「もういい!」
武内P「っ!?」
みく「もっ、も~……Pチャンも口が上手くなったよね!///」
武内P「……」
武内P「は……はあ……」
98:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 11:03:14 ID:CLyUfERQ
・ ・ ・
武内P「私と……新田さんが?」
アーニャ「……」
武内P「そんな事は……無いと思いますが」
アーニャ「……」
武内P「何故、そう思ったのでしょうか?」
アーニャ「プロデューサーと美波は、二人で居る事が多いですね?」
武内P「……」
武内P「……ん……んんん……!」
99:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 11:07:07 ID:CLyUfERQ
武内P「二人で居る事が多いのは、理由になるのでしょうか?」
アーニャ「……」
武内P「そもそも、彼女はシンデレラプロジェクトのリーダーです」
アーニャ「……」
武内P「連絡事項等で、二人になる機会が多いだけです」
アーニャ「その時の美波は、アー、新妻っぽいですね?」
武内P「……」
武内P「……ん……んんん……!」
100:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 11:11:58 ID:CLyUfERQ
武内P「確かに、新田さんにそういった面もあるのは事実です」
アーニャ「……」
武内P「ですが、それは彼女自身の魅力の一つに過ぎません」
アーニャ「……」
武内P「とても魅力的ではありますが、お似合いとはまた別の話です」
アーニャ「プロデューサーは、美波が好き、ですか!?」
武内P「……」
武内P「……ん……んんん……!」
101:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 11:18:21 ID:CLyUfERQ
武内P「そ、尊敬出来る部分もありますが、すっ、好きとは違うかと」
アーニャ「……」
武内P「そういった意味では、アナスタシアさんへの思いも同じです!」
アーニャ「!」
武内P「何事にも挑戦し続ける、前向きな姿勢」
武内P「私は、担当アイドルの貴女を大切に思い、尊敬もしています」
アーニャ「ウラー!」
武内P「っ!?」
アーニャ「もう大丈夫、です……アーニャ、一生懸命頑張ります!///」
武内P「……」
武内P「は……はあ……」
102:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 11:23:30 ID:CLyUfERQ
・ ・ ・
武内P「私と……高峰さんが?」
みく・アーニャ「……」
武内P「そんな事は……無いと思いますが」
みく・アーニャ「……」
武内P「何故、そう思ったのでしょうか?」
アーニャ「プロデューサーが、ノアと話してる所を見ました!」
みく「なんか、見たこと無い位 して喋ってたにゃ!」
武内P「……」
武内P「えっ!?」
103:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 11:27:53 ID:CLyUfERQ
武内P「す、すみません……それは、気づきませんでした」
みく・アーニャ「……」
武内P「普段、あまり接点が無いものですから……はい」
みく・アーニャ「……」
武内P「高峯さんは、そんなに楽しそうにしていましたか?」
アーニャ「ダー! プロデューサーも、楽しそうでした!」
みく「二人でず~っとポエッポエしてたでしょー!?」
武内P「……」
武内P「えっ!?」
106:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 11:35:01 ID:CLyUfERQ
武内P「ずっと、という事は無かったと思いますが……」
みく・アーニャ「……」
武内P「あの……お二人は、ずっと見ていらしたんですか?」
みく・アーニャ「……」
武内P「声をかけて頂ければ、すぐに――」
アーニャ「ニェ――ット! 声をかけるのは、無理、でした!」
みく「Pチャンとのあにゃん、身振り手振りもしてたんだよ!?」
武内P「……」
武内P「えっ!?」
107:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 11:40:26 ID:CLyUfERQ
武内P「み、身振り手振りを……!?」
みく・アーニャ「……」
武内P「待ってください! それは、さすがに有り得ません!」
みく・アーニャ「……」
武内P「あの……冗談、ですよね!?」
アーニャ「冗談、違います! 皆も、見ています!」
みく「Pチャン、ギャラリーにも気付いてなかったの!?」
武内P「……」
武内P「えっ!?」
108:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 11:46:24 ID:CLyUfERQ
武内P「そんな……まさか……!?」
アーニャ「二人共、とっても楽しそう! 誰も、止められない!」
みく「蘭子チャン、アスカチャンも割り込んで止めようとしてたにゃ!」
武内P「……」
アーニャ「ニェニェニェニェ――ット! 気付いて、いませんでしたか!?」
みく「二人共、大縄跳びに入れない子みたいになってたんだよ!?」
武内P「……」
武内P「大縄跳び……懐かしい、響きですね」
みく・アーニャ「……!」
武内P「す……すみません」
109:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 11:54:57 ID:CLyUfERQ
アーニャ「二人共、とってもポエミー!」
アーニャ「何を話しているか、わからない! 皆、サッパリポン、です!」
みく「どうしようも無いから、専務を呼んできたにゃ!」
みく「もしかしてとは思うけど、その時の事も覚えてないの!?」
武内P「……」
アーニャ「シッシッ、と! 手で、シッシッと、追い払っていました!」
みく「それも、二人共もんのすご~く嫌そうな顔をしながらだよ!?」
武内P「……笑顔です」
アーニャ「ニェート! 半泣き、でした!」
みく「ざまあとも思えないションボリ具合だったにゃ!」
武内P「……」
110:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 12:03:13 ID:CLyUfERQ
武内P「確かに……高峯さんと話していて、楽しいとは思いました」
武内P「ですがそれは、あくまでも会話自体が楽しいという事」
武内P「……決して、お似合い等という事は、ありません」
アーニャ「ポエミーな会話なら、専務とでも良いはず、です!」
武内P「いえ、それは有り得ません」
みく「なんで!? ポエミーな会話が出来れば楽しいんでしょー!?」
武内P「専務は、どことなく喧嘩腰だからです」
武内P「なので、可能な限り二人っきりで話したくない、と」
武内P「……そう、思います」
みく・アーニャ「……あ、はい」
111:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 12:10:10 ID:CLyUfERQ
武内P「それと、会話の内容に関してですが……」
みく・アーニャ「……」
武内P「前川さん、アナスタシアさん」
武内P「貴女達お二人の……私の見ていない所で、頑張っている姿」
武内P「……その様子を高峯さんに聞いていたのです」
みく・アーニャ「!」
みく「ほ……ほんまに?」
アーニャ「私達の話……ですか?」
武内P「はい」
武内P「なので……盛り上がりすぎてしまったのでは、と」
武内P「……そう、思います」
みく・アーニャ「……///」
112:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 12:14:56 ID:CLyUfERQ
みく「もっ……もー!/// みく達の話題だったんだね!///」
アーニャ「それで、あんなに……ふふっ、恥ずかしい、です!///」
武内P「申し訳、ありません」
武内P「誤解を招くような事をしてしまって……」
みく「気にしないで、Pチャン!」
アーニャ「ダー! 謝らないで、ください!」
みく・アーニャ「ねっ♪」ニコッ!
武内P「……良い、笑顔です」
113:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 12:20:38 ID:CLyUfERQ
みく「しょうがないから、皆の誤解はみくがといておくにゃ!」
アーニャ「ミク、私も頑張ります! 一緒に、説明しましょう」
みく・アーニャ「……えいえい、おーっ!」ニコニコ!
武内P「……」
みく「でも……一つの話題で、あんなに盛り上がれるものなんだね!」
アーニャ「ダー! 恥ずかしいけど、とっても、嬉しい!」
武内P「えっ?」
武内P「一つの話題……ですか?」
みく・アーニャ「……」
みく・アーニャ「ん?」
114:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 12:26:07 ID:CLyUfERQ
みく「……ちょっと待ってPチャン?」
アーニャ「……他の話も、していたのですか?」
武内P「はい」
武内P「美味しいハンバーグの店の話」
武内P「マヨネーズには、カラシかゆず胡椒か」
武内P「カレーは辛口か甘口か等……他にも色々、ですね」
みく・アーニャ「食べ物の話!?」
武内P「えっ!?……ええ」
武内P「食には関心があります」
みく・アーニャ「……!?」
115:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 12:34:14 ID:CLyUfERQ
武内P「特に……カレーの話題は、白熱しました」
みく・アーニャ「……」
武内P「ですが……私達は、一つの結論を出しました」
みく・アーニャ「……」
武内P「『星の王子様カレー・ニューヨークへ行く』」
武内P「辛口、甘口に関わりなく――」
武内P「――レトルトは、これがベストだ、と」
みく・アーニャ「っ……!」プルプル!
武内P「……前川さん? アナスタシアさん?」
武内P「どうか、されましたか?」
116:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 12:50:58 ID:CLyUfERQ
・ ・ ・
ちひろ「……それで、二人の機嫌が悪かったんですね」
武内P「……」
ちひろ「? プロデューサーさん?」
武内P「……千川さん、質問しても良いでしょうか?」
武内P「前川さんも、アナスタシアさんも……」
武内P「カレーの話題は、嫌だったのでしょうか?」
武内P「それで怒らせてしまったとしたら、どうすれば……」
ちひろ「……プロデューサーさんって、そういう人ですもんね」
武内P「えっ?」
ちひろ「お似合いの結末ですよ」
おわり
118:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 19:46:58 ID:UeURiJMU
フレンドリーになろうとしてもどうしても笑顔が攻撃的になってしまい
シッシッされてしまう専務ください!
119:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 21:21:02 ID:CLyUfERQ
>>118
書きます
武内P「専務の笑顔、ですか」
120:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 21:23:47 ID:CLyUfERQ
専務「そうだ。君には、私の笑顔はどう映る?」
武内P「いえ……見た事が無いので、何とも」
専務「ふむ、そうだったか」
武内P「何故、そのような事を?」
専務「私が笑いかけると、アイドル達が表情を硬くするからです」
武内P「……」
武内P「……なるほど」
121:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 21:27:34 ID:CLyUfERQ
専務「緊張感のある関係も、悪くはない」
武内P「……」
専務「だが、過度な緊張は良い影響を及ぼさない」
武内P「そう……ですね」
専務「そして、何よりも――」
専務「……地味に、ショックでした」
武内P「……」
武内P「……はあ」
122:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 21:29:57 ID:CLyUfERQ
専務「状況は、理解出来ましたね?」
武内P「え、ええ……概ね」
専務「そこで、君に仕事を頼みたい」
武内P「えっ?」
専務「笑顔の力――パワーオブスマイル」
専務「それを私に習得させなさい」
武内P「……」
武内P「えっ!?」
123:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 21:35:26 ID:CLyUfERQ
武内P「待ってください! その仕事は、あまりにも!」
専務「ふむ……断ると言うのか?」
武内P「業務と言うには、強引すぎます!」
専務「成る程、確かに君の言う通りだ」
専務「所で、君が出社しなかった最後の日はいつだ?」
武内P「只今より、専務スマイルプロジェクト、始動となります」
武内P「専務、宜しくお願いします」
専務「ああ、君には期待している」
武内P「……」
124:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 21:38:30 ID:CLyUfERQ
武内P「では、早速ですが……笑顔を見せて頂けますか?」
専務「何?」
武内P「現在の、専務の笑顔がどの様なものか、確認を」
専務「ふむ……良いでしょう」
専務「――こうだ」…ニィッ!
武内P「……専務」
武内P「何を企んでいるのですか?」
専務「何も企んでなどいない」
125:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 21:41:53 ID:CLyUfERQ
武内P「……本当ですか? 何も、企んでいないと?」
専務「そう言ったでしょう」
武内P「……私を陥れようと、していませんか?」
専務「愚問だな」
武内P「っ!?」
武内P「やはり……!?」
専務「違う、そちらの意味では無い」
126:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 21:46:52 ID:CLyUfERQ
専務「私は、何も企んでなどいない」
武内P「では……その想定で、話を進めます」
専務「……まあ、良いでしょう」
武内P「専務、先程拝見した笑顔の感想を……正直に申し上げても?」
専務「許します」
武内P「獰猛な肉食獣の様でした」
武内P「一瞬でも気を抜けば、喉元から食いちぎられる、と」
武内P「……そう、思いました」
専務「……ふむ」
専務「君、少しは気を遣いなさい」
127:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 21:51:37 ID:CLyUfERQ
武内P「私も……笑顔が下手だと言われますが」
専務「ほう?」
武内P「専務の笑顔は……それ以上かも知れません」
専務「……そこまで言うのなら、君の笑顔も見せてみなさい」
武内P「……わかりました」
武内P「――こうです」ニ゙ゴォッ!
専務「……ふむ」
専務「先程の言葉は、取り消して貰おうか」
128:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 21:55:19 ID:CLyUfERQ
専務「ハッキリと言いましょう、君の笑顔の方がひどい」
武内P「えっ!?」
専務「何故、驚く?」
武内P「私の笑顔が……専務よりもひどいと!?」
専務「……私の足元を見なさい」
専務「恐怖で、震えているのがわかりますか?」プルプル…!
武内P「……!?」
129:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 22:01:29 ID:CLyUfERQ
武内P「そんな……まさか……!?」
専務「……まあ、今は君の笑顔の事は良い」
武内P「……そう、ですね」
専務「だが、私は言われっぱなしでいられる程、大人しくはない」
武内P「えっ?」
専務「何人も手にかけてきた殺し屋の様だった」
専務「ありとあらゆる手段を用い、対象を死に至らしめる」
専務「……そして、殺しを終えた後に浮かべる笑顔」
専務「それが――君の笑顔だ」
武内P「待ってください!……あの、待ってください!」
武内P「……そんなにも、ですか……!?」
130:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 22:07:28 ID:CLyUfERQ
専務「――さて、話を元に戻そうか」
武内P「…………そうですね」
専務「君は、どうやって私の笑顔を改善するつもりだ?」
武内P「そう……ですね」
武内P「専務……貴女は今、楽しいですか?」
武内P「心の底から、笑顔になれていますか?」
専務「ああ、勿論だ」
武内P「……」
武内P「あ、はい」
131:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 22:11:45 ID:CLyUfERQ
専務「クローネのメンバーに笑いかける時も、そうだ」
専務「――よくやった、さすが346の看板に相応しい者たちだ」
専務「――私は、君達というアイドルを誇りに思う」
専務「……と、そう思いながら笑顔を向けている」
武内P「……なるほど」
武内P「では、彼女たちが……トップアイドルになった時は?」
専務「……」
専務「フッフッフ……!」ニイィィッ!
武内P「……よく、わかりました」
132:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 22:18:29 ID:CLyUfERQ
武内P「専務、恐れながら申し上げます」
専務「? 何だ」
武内P「申し訳、ありません」
専務「? 何を謝る」
武内P「万策尽きました」
専務「待ちなさい、諦めるのが早すぎます」
武内P「しかし、私では……とても……!」
専務「君は……とても、サービス精神に溢れているらしいな?」
武内P「最後まで、諦めずに頑張りましょう」
武内P「そうすれば、きっと道は開けます」
133:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 22:31:48 ID:CLyUfERQ
武内P「……少し、時間を頂いても良いでしょうか?」
専務「何をするつもりだ?」
武内P「あ、いえ……先程の専務の笑顔が、アレでしたので」
専務「君、アレと評するのはやめなさい」
武内P「携帯に保存してある、動物の画像を見て回復しよう、と」
武内P「……そう、思います」
たぷたぷ
専務「私の笑顔は、そんなにも攻撃的か?」
専務「……」
専務「君、いやに手慣れているが……普段からそうして……?」
134:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 22:37:12 ID:CLyUfERQ
武内P「動物は……無理難題を言いませんから」
専務「ふむ、確かにそうだな」
武内P「……」
専務「? 何を見ている」
武内P「……いえ、何でもありません」
専務「しかし、犬猫の画像に癒やしを求めるとは……」
武内P「……専務」
武内P「私は、犬と猫では、癒やされません」
専務「……あ、ああ……そうか」
135:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 22:43:55 ID:CLyUfERQ
武内P「……」
専務「な、ならば……何の動物だ?」
武内P「宜しければ……専務も、ご覧になりますか?」
専務「何?」
武内P「本当に、癒やされますので……」
専務「ふむ……君がそこまで言うのなら、一見の価値はありそうですね」
武内P「……どうぞ」
専務「どれ……」
武内P・専務「……」
武内P・専務「……」ホッコリ!
136:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 22:48:24 ID:CLyUfERQ
武内P「……」ホッコリ!
専務「ペンギン、か」ホッコリ!
武内P「ええ……ペンギンさんです」ホッコリ!
専務「……君、早く次を見せなさい」ホッコリ!
武内P「はい、了解しました」ホッコリ!
専務「……」ホッコリ!
武内P「……動画も、ご覧になりますか?」ホッコリ!
専務「早くしなさい。私は、あまり気が長い方では無い」ホッコリ!
武内P・専務「……」
武内P・専務「……」ホッコリ!
137:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 22:52:56 ID:CLyUfERQ
・ ・ ・
武内P「……とても、癒やされましたね」
専務「ああ……悪くない気分だ」
武内P「……専務」
専務「? 何だ」
武内P「無理に……貴女の笑顔を変える必要が、あるのでしょうか?」
専務「……」
専務「……何?」
138:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 23:01:06 ID:CLyUfERQ
専務「君は、私が笑顔を向けても怖がられたままで良いと?」
武内P「いえ、そうではありません」
武内P「私達は、アイドルの方を笑顔にするために居ます」
武内P「私も……あまり、笑顔が得意ではありません」
武内P「ですが――アイドルの方達は、星の様に輝いています」
武内P「それさえ見失わなければ……例え、星の周囲が夜闇であろうと」
武内P「……何の問題も無いと……そう、思います」
専務「私に、笑顔は諦めろと?」
武内P「……」
武内P「有り体に言えば、そうです」
139:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 23:12:13 ID:CLyUfERQ
武内P「無理をする必要は、無いのです」
専務「無理?」
武内P「鳥の羽は、大空へと羽ばたくためだけの物ではありません」
武内P「笑顔もまた、アイドルの方達とは違った方向性もあっても良い、と」
武内P「……そう、思います」
専務「彼女達――アイドルとは違う笑顔で良い、と?」
武内P「はい」
武内P「大空ではなく……海を飛ぶ、ペンギンさんの様に」
専務「……」
140:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 23:24:10 ID:CLyUfERQ
・ ・ ・
武内P「あの……今回は、どんな用件でしょうか?」
専務「前回の、笑顔に関してですが――」
専務「君に言われた様に、笑顔を向ける時――ペンギンさんを意識した」
武内P「……待ってください」
武内P「あの、専務……そういった意味で言ったのでは……!」
専務「すると、アイドル達が緊張する事は無くなった」
専務「むしろ、妙にフレンドリーすぎて……問題になっている」
武内P「……」
武内P「えっ?」
専務「アイドル達に慕われて困っている」
おわり
143:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 00:59:28 ID:3cAL9z9A
武内Pがクワガタ派だと知ってしまう莉嘉ちゃんください!
149:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 20:43:50 ID:vTxlASQY
>>143
書きます
武内P「私はクワガタ派、ですね」
150:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 20:47:40 ID:vTxlASQY
美嘉「……一応、確認しといて良かった」
武内P「えっ?」
美嘉「それ、莉嘉の前で絶対言っちゃ駄目だからね?」
武内P「あの……何故、でしょうか?」
ガチャッ!
莉嘉「オッハヨー☆ Pく――」
武内P「私が、クワガタ派だと……何か問題が?」
莉嘉「……」
莉嘉「……えっ?」
151:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 20:50:47 ID:vTxlASQY
莉嘉「……」
武内P「! おはようございます、城ヶ崎さん」
美嘉「りっ、莉嘉!? アンタ、まさか……」
莉嘉「Pくん……クワガタ派なの……?」
美嘉「今の、聞いてたの!?」
武内P「えっ、ええ……私はクワガタ派、ですね」
莉嘉「っ!?」
バタンッ!
美嘉「あっ、莉嘉!……バカっ! アンタ、何やってんの!?」
武内P「……」
武内P「えっ!?」
152:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 20:55:50 ID:vTxlASQY
美嘉「アンタ、莉嘉のプロデューサーでしょ!?」
武内P「えっ、ええ……はい」
美嘉「だったら、何で!? どうしてあんな事言ったワケ!?」
武内P「おっ、落ち着いてください、城ヶ崎さん!」
美嘉「莉嘉が、断然カブトムシ派って知ってるんでしょ!?」
武内P「はい……それは、聞いていますが」
武内P「……」
武内P「待ってください! あのっ、まさかとは思いますが……!?」
美嘉「アンタがクワガタ派って聞いたら、ショック受けるに決まってんじゃん!」
武内P「……」
武内P「えっ!?」
153:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 20:59:53 ID:vTxlASQY
美嘉「ねえ、何ボサッとしてるの!?」
武内P「えっ、いえ、あの……城ヶ崎さん!? 城ヶ崎さん!?」
美嘉「早くっ! 早く、莉嘉を追いかけて!」
武内P「待ってください!」
美嘉「早くって言ってるでしょ!?」
武内P「あのっ! そんなにも、深刻な事態なのですか!?」
美嘉「ちゃんと見ててって……言ったじゃん……!」
武内P「……!」
武内P「すっ……すぐに! 今すぐ、追いかけます!」
154:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 21:03:02 ID:vTxlASQY
・ ・ ・
武内P「……はぁ……はぁ……!」
武内P「城ヶ崎さんは、一体どこへ……!?」
一同「……!」
ザワッ…!
武内P「カフェに、人だかりが……?」
武内P「……あの、何かあったのでしょうか?」
一同「……」
…シーン
武内P「……」
武内P「えっ?」
155:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 21:08:07 ID:vTxlASQY
武内P「あの……皆さん……?」
早苗「――そこで止まりなさい!」
一同「……!」
武内P「えっ?」
早苗「ねえ……キミ、莉嘉ちゃんに何か言った?」
一同「……」
武内P「っ!? 何故、それを……?」
早苗「はぁ……何かの間違いかと思ったけど――ギルティ!」
早苗「ここから先へは、行かせないわ!」
一同「……!」
武内P「……」
武内P「えっ!?」
156:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 21:13:03 ID:vTxlASQY
武内P「待ってください!」
武内P「あの……カフェの中に、城ヶ崎さんがいらっしゃるのですか!?」
早苗「ええ、そうよ」
早苗「……キミの顔は、しばらく見たくないって言ってるわ」
一同「……!」コクリ
武内P「っ!?」
武内P「お願いします! 城ヶ崎さんと、話をさせてください!」
早苗「駄目よ! ここから先は、通行止め!」
早苗「罪状は……担当アイドルを悲しませた罪」
一同「……!」
武内P「っ……!」
157:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 21:17:41 ID:vTxlASQY
武内P「どうしても……通しては、頂けませんか?」
早苗「何度も言わせないでちょうだい」
一同「……!」
武内P「……わかりました」
早苗「……わかったら、大人しく帰りなさい!」
一同「……」
武内P「……――笑顔です」
早苗「?……何を……?」
一同「……?」
武内P「城ヶ崎さんの、笑顔のため――」
武内P「――少々強引にでも、そこを通して頂きます」
一同「っ……!?」
158:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 21:22:48 ID:vTxlASQY
早苗「キミ……本気で言ってるの……?」
一同「……」
武内P「はい。私は、本気です」
武内P「セルフ・プロデュゥゥゥ――スッ!!」
…キュッ!
早苗「っ!? ネクタイを締め直した!?」
早苗「身だしなみに気をつけてるわ! 皆、注意して!」
一同「えっ、あ、はい」
武内P「……」
早苗「……来るわ」
一同「……!」
160:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 21:31:00 ID:vTxlASQY
武内P「……」
早苗「止まりなさい! これ以上近づいたら、あたしが相手をするわ!」
武内P「……それは、困りましたね」
早苗「ふふん! あたしをなめないでよね!」
早苗「キミの体格がいくら良くたって、無駄なんだから!」
武内P「いえ……そもそも、力で対抗しようなどとは考えていません」
武内P「片桐さんの様な……か弱い女性に対して」
早苗「……」
早苗「くっ! やられたわ……!」
ガクッ!
一同「……」
一同「えっ!? なんで!?」
162:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 21:43:50 ID:vTxlASQY
早苗「いやほら! だ~って、ねぇ!」ルンルン!
早苗「か弱いなんて言われちゃったら、ほら!」ルンルン!
早苗「あー、ダメダメ! か弱いから、もうムリムリー!」ルンルン!
一同「……!?」
武内P「通して、頂けますか?」
有香「――まだです! 早苗さんに代わって、あたしが!」
武内P「中野有香さん……ですか」
有香「早苗さんを手も触れずに倒した腕前、見事でした!」
有香「実力不足かも知れませんが……全力でぶつかっていきます!」
有香「――押忍!」
早苗「か弱いあたしに代わって、後は頼んだわ……んっふふ!」ルンルン!
一同「……」
163:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 22:12:20 ID:vTxlASQY
武内P「……」
有香「……!」
有香(対峙してみてわかる……この、大きさ……!)
有香(身体的なものだけじゃなく、漲る気迫が体を大きく見せている……!)
有香(……あと――顔が、物凄く怖い……!)
早苗「有香ちゃん、まともに相手をしようと思っちゃ駄目!」
早苗「――弱点を狙いなさい!」
早苗「弱点に、一発キツイのをお見舞いしてやるのよ!」
有香「弱点!? それは、何処ですか!?」
早苗「股間よ!」
有香「押忍!」
有香「……」
有香「でっでで、出来ません!/// 無理です!/// 押忍!///」
164:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 22:17:03 ID:vTxlASQY
武内P「……」
早苗「それしか方法が無いわ!」
一同「……!?」
ザワッ…!
有香「皆さん!? あのっ、やりませんよ!?」
有香「えっ、マジでやるの?――って顔で見ないでください!」
武内P「……」
有香「うぅっ……く……!?」
有香「まっ……参りました!」
ガクッ!
早苗「有香ちゃん、どうしたの!?」
一同「……」
165:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 22:25:04 ID:vTxlASQY
有香「うぅ、すみません……修行し直してきます……!」
早苗「良いのよ! 負けても、また立ち上がれば良いの!」
一同「……」
武内P「通して、頂けますか?」
友紀「……ふっふっふ! ここは、抑えの出番だね!」
武内P「姫川さん……ですか」
友紀「狙うは――ど真ん中ストライク!」
友紀「あ、いや、ボール?」
友紀「んー、えー、あー……とにかく、全力ストレート!」
一同「……」
一同「えっ、マジでやるの!?」
166:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 22:30:31 ID:vTxlASQY
武内P「……」
友紀「ピッチャー姫川! 第一球っ!」
一同「……!?……!?」ワタワタワタワタ!
友紀「振りかぶってぇ……」
武内P「……」
早苗「皆! 見ちゃ駄目っ!」
一同「はいっ!」ギュッ!
友紀「――投げましたッ!!」
一同「っ……!」
――キィンッ!!
167:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 22:35:25 ID:vTxlASQY
一同「っ……!」
友紀「オーライオーライ!」
一同「……?」
友紀「ほいっ、と!」
パシッ!
友紀「オッケー! 打ち取ったよ!」ペカー!
一同「何で打ったの!?」
武内P「……」
友紀「あれ……? なんか、皆テンション低くなーい?」
友紀「……ああ、なるほど!」
友紀「ワンダンワンダン! 締まっていこー!」キリッ!
一同「そうじゃなくて!」
168:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 22:43:00 ID:vTxlASQY
武内P「……皆さん、お願いします」
武内P「私に、城ヶ崎さんと話をさせてください」
一同「……」
武内P「通して、頂けますか?」
楓「――そのお話、お受け出来ません」
武内P「高垣さん……ですか」
楓「おはようございます」ペコリ
武内P「おはよう、ございます」ペコリ
早苗「後は頼んだわよ……楓ちゃん……!」
一同「……!」
169:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 22:51:26 ID:vTxlASQY
楓「少し、時間をあけた方が良いと思います」
武内P「時間を……?」
楓「ええ、お互い落ち着いてからの方が……上手くいくと思いませんか?」
武内P「……」
楓「ふふっ! ホットコーヒーで、ホッと一息ついて……ねっ?」
武内P「いえ……暑い時期に、熱くなっているので――」
武内P「アイス――れいせい――が良い、と」
武内P「……そう、思います」
楓「……」
楓「……どうぞ、通ってください」…ムスッ!
一同「……」
一同「えっ!?」
170:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 23:00:57 ID:vTxlASQY
・ ・ ・
武内P「……城ヶ崎さん」
莉嘉「……」
武内P「話を……聞いて、頂けますか?」
莉嘉「……」…コクリ
武内P「城ヶ崎さん、私は――確かに、クワガタ派です」
武内P「主人公ではない、ライバルポジション感」
武内P「そこが――たまらなく格好良い、と」
武内P「……そう、思います」
莉嘉「……」
武内P「――ですが」
莉嘉「……?」
171:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 23:07:37 ID:vTxlASQY
武内P「カブトムシと、クワガタ」
武内P「……それらがユニットを組んだ時」
武内P「放たれる光は、より大きくなる、と」
武内P「……そう、考えています」
莉嘉「……イミわかんない」
武内P「はい、私もわかりません」
武内P「……率直に、お聞きします」
武内P「どうすれば……許して、頂けますか?」
莉嘉「……カブトムシ取り」
武内P「えっ?」
莉嘉「一緒に……カブトムシ取り行ってくれたら、許してあげる」
武内P「……」
172:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 23:17:22 ID:vTxlASQY
莉嘉「……」
武内P「城ヶ崎さん」
武内P「一つ、お願いをしても良いでしょうか?」
莉嘉「……うん」
武内P「クワガタが取れたら、私が頂いても?」
莉嘉「……うんっ! 期待しててね、Pくん!」
莉嘉「アタシ、カブトムシも――」
莉嘉「――クワガタも! 取るのチョー得意なんだからっ☆」ニコッ!
武内P「……良い、笑顔です」
武内P「はい、とても楽しみにしています」
武内P「虫のいい話だとは思いますが」
おわり
192:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/10(月) 22:58:44 ID:VI7e/Hds
書きます
武内P「飲み会に行かないで欲しい?」
193:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/10(月) 23:02:16 ID:VI7e/Hds
CPアイドル達「……」
武内P「皆さん、そう思っているのでしょうか?」
CPアイドル達「……」コクリ
武内P「……それは――」
武内P「――もう、絶対に行くわけにはいきませんね」
武内P「担当アイドルの要望に応えるのが、プロデューサーの務めだ、と」
武内P「……そう、思います……思います……!」
CPアイドル達「……」
CPアイドル達「あれっ?」
194:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/10(月) 23:04:55 ID:VI7e/Hds
未央「え、えっと……良いの?」
武内P「? 何がですか?」
未央「飲み会……行けなくなっちゃって」
武内P「はい、問題ありません」
未央「り、理由とか聞かなくていいの?」
武内P「理由は、関係ありません」
武内P「行かないで欲しいと、皆さんが仰っている」
武内P「……それだけで、十分です」
CPアイドル達「……」
195:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/10(月) 23:08:36 ID:VI7e/Hds
卯月「あ、あのっ! プロデューサーさん!」
武内P「? どうかしましたか?」
卯月「無理、してませんか!?」
武内P「無理……ですか?」
卯月「私達が、行って欲しくないって言ったから……!」
武内P「いえ、そんな事はありません」
武内P「皆さんのお気持ちは、とても有難い、と」
武内P「……そう、思います」
CPアイドル達「……」
196:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/10(月) 23:13:45 ID:VI7e/Hds
凛「ふーん……行かなくて良いんだ」
武内P「笑顔です」
凛「はっ?」
武内P「皆さんの笑顔が、私に力を与えてくれます」
凛「……何それ?」
武内P「皆さんが、飲み会に行って欲しくないと言っている」
CPアイドル達「……」
武内P「……良い、口実です」
CPアイドル達「……」
197:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/10(月) 23:18:51 ID:VI7e/Hds
美波「あの……行きたく無かったんd」
武内P「はい、行きたくありませんでした」
美波「く、食い気味になんて……本当みたいですね」
武内P「信じて貰えますか?」
美波「どうして……行きたくないんですか?」
武内P「……申し訳、ありません」
武内P「皆さんにお伝えするのは、あまりにも……」
CPアイドル達「……あ、はい」
198:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/10(月) 23:23:49 ID:VI7e/Hds
アーニャ「プロデューサーは、お酒が好きではないのですか?」
武内P「いえ、そんな事はありません」
アーニャ「シトー? なら、飲み会は、楽しいですね?」
武内P「いえ、そんな事はありません」
アーニャ「ンー? よく……わかりません」
武内P「酒は飲んでも飲まれるな、という言葉があります」
武内P「ですが……」
武内P「……皆さん、思い切り飲まれてしまうので……はい」
CPアイドル達「……」
199:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/10(月) 23:30:28 ID:VI7e/Hds
蘭子「我が友よ! その胸に秘めたる想い、受け止めようぞ!」
武内P「いえ、ですが……!」
蘭子「解けよ、闇の封印!」
武内P「……」
蘭子「我らの祝福は、我が友の魂を救済する!」
武内P「……一発芸をやれ、と」
武内P「毎回……要求されるのです」
CPアイドル達「……!?」
ザワッ…!
200:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/10(月) 23:35:04 ID:VI7e/Hds
智絵里「プロデューサー……一発芸、するんですか……!?」
武内P「ええ……毎回、必ずやらされます」
智絵里「えっ、ど、どんな!? どんなのをするんですか!?」
武内P「……申し訳、ありません」
智絵里「……プロデューサー?」
武内P「アルコールの入っていない、シラフの状態では……」
武内P「……申し訳、ありません」
CPアイドル達「……!?」
ザワッ…!
201:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/10(月) 23:46:32 ID:VI7e/Hds
かな子「プロデューサーさん、ウィスキーボンボンは好きですか?」
武内P「……三村さん?」
かな子「あっ、ブランデーケーキも美味しいですよね~♪」
武内P「え、ええ……そうですね」
かな子「今度、プロデューサーさんのために作ってきますね!」
武内P「……待ってください」
武内P「……」
武内P「申し訳ありませんが……遠慮しておきます」
CPアイドル達「……」
202:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/10(月) 23:52:13 ID:VI7e/Hds
杏「あのさ、プロデューサー」
武内P「……はい、何でしょうか?」
杏「今日さ、メンバー全員で晩ごはん食べに行かな~い?」
武内P「晩ごはん……ですか?」
杏「そうそう、たまにはそういうのも良いと思うよ~?」
武内P「……いえ、申し訳ありません」
武内P「今日は、残業しなければならないので……はい」
CPアイドル達「……」
203:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/10(月) 23:57:54 ID:VI7e/Hds
みりあ「ねえねえ、プロデューサー!」
武内P「……はい」
莉嘉「もーっ! トボけちゃって~!」
武内P「……何でしょうか?」
莉嘉・みりあ「どんな一発芸やるのー!?」
武内P「っ……い、いえ……それは……!」
みりあ「お願いお願い! 見せてよ、プロデューサー!」
莉嘉「良いでしょPくん! ねーってばー!」
武内P「まっ、待ってください……!」
武内P「それは、その……申し訳ありません、出来ません……!」
莉嘉・みりあ「えーっ!?」
CPアイドル達「ナイス押し……!」グッ!
204:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 00:04:26 ID:JZB8ooKk
きらり「もっ、も~っ! 困らせちゃメッ、だゆ!」
莉嘉「でもさ、きらりちゃんも見たいよね!? ねっ!?」
みりあ「プロデューサーの一発芸だよ!? きらりちゃん!」
きらり「そっ、それはぁ~……」チラッ
武内P「……!」
きらり「……ごっ、ごめんにぃ」
きらり「きらりんも……ちょっぴり見たいにぃ」
莉嘉・みりあ「ねーっ!」ニコッ!
武内P「……!?」
CPアイドル達「……!」
205:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 00:12:33 ID:JZB8ooKk
みく「にゅふふ! 観念して、一発芸を見せるにゃ!」
武内P「いえ……それは……!」
みく「さあさあ! 恥ずかしがらずに!」
武内P「では……私が一発芸をした時、前川さんは?」
みく「えっ!? みくは……えっと……」
みく「――すっごく盛り上げるにゃ!」
武内P「成る程……それは、とても頼もしいですね」
みく「えへへ! でしょー?」
みく「……」
みく「なんでやねん!」
CPアイドル達「……」
206:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 00:18:30 ID:JZB8ooKk
李衣菜「プロデューサー! 逃げるのは、ロックじゃないですよ!」
武内P「……本当に、そうでしょうか?」
李衣菜「えっ!? そっ、そうですよ!」
武内P「皆さんの出す、一発芸をやらざるを得ない空気」
武内P「……それに、抗うと言うことは――」
李衣菜「――滅茶苦茶ロックですね!?」
李衣菜「……」
李衣菜「……あれっ?」
CPアイドル達「……」
207:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 00:27:18 ID:JZB8ooKk
CPアイドル達「……」ジィッ!
武内P「あの……本当に、無理です……!」
CPアイドル達「……」ジィィッ!
武内P「っ……!?」
ちひろ「――はーい、皆ストップ!」
武内P「っ、千川さん……!」
CPアイドル達「ちひろさん……」
208:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 00:37:50 ID:JZB8ooKk
ちひろ「どうして飲み会に行って欲しくない、って思ったんだっけ?」
CPアイドル達「……それは」
ちひろ「プロデューサーさんのため、でしょ?」
CPアイドル達「……」
武内P「えっ?」
ちひろ「プロデューサーさん、飲み会の次の日――」
ちひろ「――いつもよりも……疲れた顔をしてますから」
CPアイドル達「……」
武内P「……それは……まあ、はい」
武内P「多少……自覚はしていました」
209:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 00:45:49 ID:JZB8ooKk
ちひろ「それなのに、今困らせちゃ駄目じゃない」
CPアイドル達「……はい」
武内P「千川さん……ありがとう、ございます」
ちひろ「いいえ、これもアシスタントの務めですから!」
ちひろ「それに、今プロデューサーさんの一発芸を見たらですよ?」
ちひろ「皆の午後の仕事に影響が出ちゃいますし」
CPアイドル達「……えっ?」
ちひろ「だって、プロデューサーさんの……ぷっふふ!」
ちひろ「あっ、ごめんなさ……っくく、っふふ……ふふふっ!」
CPアイドル達「……!?」
210:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 00:58:48 ID:JZB8ooKk
ちひろ「……すぅ……ふぅ……!」
CPアイドル達「ち……ちひろs」
ちひろ「あっ、まだ駄目っふふっ! うっくくくっ……!」
CPアイドル達「そんなに面白いの!?」
ちひろ「……すぅ……はぁ……! ふ~っ……!」
ちひろ「……ゴホンッ!」
ちひろ「それ程でもないわよ?」
CPアイドル達「いやいやいやいや!」
211:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 01:06:23 ID:JZB8ooKk
CPアイドル達「っ!?」バッ!
CPアイドル達「……居ない……!?」
ちひろ「さっき、コッソリ出ていってたわよ」
CPアイドル達「……」
ちひろ「きっと……よっぽど、一発芸をしたくなかったのね」
CPアイドル達「……」
ちひろ「……くふふっ!」
CPアイドル達「……」
212:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 01:15:58 ID:JZB8ooKk
・ ・ ・
武内P「……」
未央「プロデューサー! 飲み会、行ってきなよ!」
卯月「頑張るためには、リフレッシュも必要です!」
凛「飲み会とかさ、そういうのも大事なんじゃない?」
美波「皆の想いは一つです、プロデューサーさん!」
アーニャ「プロデューサー! 飲み会、行くべき、です!」
蘭子「今宵は宴! 存分に飲み、食らうが良い!」
武内P「……」
213:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 01:21:54 ID:JZB8ooKk
武内P「……」
智絵里「プロデューサー……動画、忘れないでくださいね……?」
かな子「美味しい所を予約してるみたいだから、大丈夫ですよ~♪」
杏「楽しみすぎて、今日の仕事に集中出来ないよー」
きらり「もう、杏ちゃん! お仕事はちゃんとやろうにぃ!」
莉嘉「Pくん! 動画、お姉ちゃんに見せても良い!?」
みりあ「あっ! それ、きっと美嘉ちゃんも喜ぶよね!」
武内P「……」
214:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 01:30:41 ID:JZB8ooKk
武内P「……」
みく「Pチャン! もう、誤魔化されないからね!」
李衣菜「プロデューサー! ロックな一発芸、期待してますよ!」
武内P「……成る程」
武内P「道理で……飲み会の、私の参加が決定している訳です」
CPアイドル達「はいっ!」ニコッ!
武内P「……良い、笑顔です」
武内P「……」
武内P「……良い、笑顔ですね」
215:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 01:40:33 ID:JZB8ooKk
ちひろ「担当アイドルの頼みじゃ、断れないですね」
武内P「……千川さん」
ちひろ「開き直って、楽しみましょう! ねっ!」
ちひろ「今日も、一発芸……楽しみにしてますから♪」
武内P「……」
ちひろ「? プロデューサーさん、どうしました?」
武内P「……」
武内P「今日の飲み会の幹事は……誰ですか?」
ちひろ「私ですよ、プロデューサーさん♪」
おわり
218:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 07:42:30 ID:JZB8ooKk
書きます
武内P「綺麗です」楓「可愛いです」
219:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 07:45:42 ID:JZB8ooKk
凛「……ねえ、二人共」
武内P「……綺麗です」
凛「ちょっと……やめてってば……!」
楓「……可愛いです」
凛「ほら……皆、見てるでしょ……!?」
武内P「渋谷さんは、綺麗系です」
楓「凛ちゃんは、可愛い系です」
凛「どうして私のことで二人が言い合うの!?///」
220:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 07:49:10 ID:JZB8ooKk
凛「ねえ、プロデューサー!」
武内P「はい、渋谷さん」
凛「あのさ、いい加減にしてくれない!?」
武内P「いえ……ですが、必要なことです」
凛「どこが!?」
武内P「担当するアイドルの事を……正しく理解する事です」
武内P「渋谷さん、貴女は綺麗系だ、と」
武内P「……そう、思います」
凛「……」
凛「もう……何なの……!?///」
221:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 07:54:13 ID:JZB8ooKk
凛「楓さんも、冷静になって!」
楓「? 私は、冷静なつもりだけど……」
凛「綺麗か可愛いかなんて、どっちでも良いから!」
楓「いいえ、それは違うわ」
凛「楓さん!?」
楓「アイドルとして、自分を正しく理解するのは大切よ」
楓「凛ちゃんは、可愛い系」
楓「自分でも気付いてないかも知れないけど、ね」
凛「……」
凛「もう……どうして……!?///」
222:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 08:00:04 ID:JZB8ooKk
武内P「渋谷さん、自信を持ってください」
凛「なっ、何の!?」
武内P「貴女は15歳と、まだ年若いです」
凛「う……うん」
武内P「ですが――」
武内P「――アイドルとして、貴女が放つ輝き」
武内P「それは、厚い雲に覆われた夜空でも輝き続ける、星の光です」
武内P「人々は、それを見た時に、どう思うでしょうか?」
武内P「……綺麗だ、と……そう、思いはずです」
凛「……」
凛「ふっ……ふーん!?///」
223:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 08:00:45 ID:JZB8ooKk
誤)>武内P「……綺麗だ、と……そう、思いはずです」
正)>武内P「……綺麗だ、と……そう、思うはずです」
224:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 08:06:59 ID:JZB8ooKk
楓「凛ちゃん、知っておくべきよ」
凛「なっ、何を!?」
楓「貴女は、気付いてないかも知れないけど……」
凛「う……うん」
楓「この前、控室で――」
楓「――飼ってるワンちゃん……確か、ハナコちゃんよね」
楓「その子の写真を見ていた時の、貴女の笑顔」
楓「とっても無邪気で……ふふっ、私も笑顔になっちゃった」
楓「……凛ちゃんは、そんな可愛い笑顔をする子なのよ」
凛「……」
凛「みっ……見てたの!?///」
225:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 08:13:59 ID:JZB8ooKk
武内P「渋谷さん……それは、事実ですか?」
凛「いや、確かにハナコの写真は見てたけど……」
楓「もしかして……ご存知ありませんでしたか?」
凛「まあ、プロデューサーの前では、見ないし……」
武内P「……」
武内P「渋谷さん、お願いがあります」
武内P「ハナコさんの写真をご覧になっている時の笑顔」
武内P「それを……私に、見せて頂けますか」
凛「今、こんな空気なのに!?」
226:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 08:23:25 ID:JZB8ooKk
楓「凛ちゃん……見せてあげたらどうかしら?」
凛「楓さん!? いや、でも……!」
武内P「渋谷さん、お願いします」ペコリ
凛「ちょっと!? 顔を上げてよ! ねえ!」
楓「……ふふっ!」
楓「もしかして……照れてる?」
楓「そういう無防備な顔を見せるのは、抵抗があるかもしれないけど……」
楓「……そういう所も、可愛い系だと思うわ♪」
凛「そっ……そういうんじゃなくて!///」
凛「もうっ……!/// 何なの……!?///」
227:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 08:29:37 ID:JZB8ooKk
武内P「渋谷さん……どうか、お願いします」ペコリ
凛「わっ、わかったから! 今度! 今度にして!」
楓「まあ! 心の準備が必要なんて……うふふっ!」ニコニコ!
凛「楓さん!/// あの、もう……本当に!///」ワタワタ!
武内P「っ……!?」
武内P「可愛い……!」
凛「やめてって言ってるでしょ!?///」
凛「真顔で言うの、本当にやめて!///」
228:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 08:39:24 ID:JZB8ooKk
武内P「高垣さん……貴女の仰っていた事が、理解出来ました」
楓「ふふっ! おっしゃ、って思います……うふふっ!」
武内P「渋谷さん……貴女は、可愛い系かも知れません」
凛「……もう! いい加減にして!」
凛「ねえ、アンタが私のプロデューサーでしょ!?」
凛「だったら、もっとちゃんとして!」
凛「綺麗だと考えてくれてたなら、揺らいだりしないで!」
武内P「っ!?」
楓「……」
楓「……綺麗」
229:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 08:49:15 ID:JZB8ooKk
楓「私の……勘違いでした」
武内P「……高垣さん?」
楓「凛ちゃんのアイドルとしての顔は、違ったんですね」
武内P「……」
楓「今の凛ちゃんの、私も初めて見た表情……」
楓「とっても、綺麗だったわ」ニコッ!
凛「……楓さん」
武内P「……」
武内P「待ってください」
230:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 08:57:03 ID:JZB8ooKk
武内P「結論を出すのは、早すぎます」
凛「……プロデューサー?」
楓「早すぎる……?」
武内P「確かに、高垣さんはご覧になったかも知れません」
武内P「今の渋谷さんの――アイドルとしての、美しい輝きを」
武内P「ですが、それは……直前に見たからでは?」
武内P「高垣さんが、渋谷さんを可愛い系だと思った時の、表情」
武内P「今、それと比較し……再度検討するべきだと、そう、思います」
楓「確かに……そうかも知れませんね」
凛「……」
凛「待って! 私、嫌だからね!?」
231:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 09:06:26 ID:JZB8ooKk
凛「この状況でなんて……絶対、嫌!」
武内P「でっ、ですが! 必要な事です!」
凛「そうかも知れないけど……晒し者みたいでしょ!」
武内P「っ!? そんなつもりは、決して!」
凛「そのつもりは無くても、そうなの!」
武内P「っ……!」
楓「はーい♪」
楓「私から、提案がありまーす♪」
武内P・凛「……」
凛「提案……」
武内P「……ですか?」
232:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 09:16:12 ID:JZB8ooKk
楓「今、ここでハナコちゃんの写真を見て……笑顔になれる?」
凛「……笑顔になんてなれない」フルフル!
武内P「そんなっ……!?」
楓「なら……向こうの陰で、コッソリ見たらどうかしら?」
楓「私も一緒に着いて行って、ね?」
楓「それなら……笑顔に、なれるんじゃない?」
凛「……まあ……それなら」
武内P「! 高垣さん……お願い、出来ますか?」
楓「はい、任せてください」ニコリ!
233:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 09:27:13 ID:JZB8ooKk
・ ・ ・
楓「それじゃあ……今度、お家に行っても?」
凛「うん、一緒に散歩とか……どうかな」
楓「まあ! うふふっ、とっても素敵な提案ね!」
凛「休みの予定は、えっと……」
楓「ちょっと待ってね、手帳を……」
武内P「待ってください!」
武内P「あのっ、お二人とも……何の話をしているのですか!?」
凛・楓「えっ?」
凛・楓「……散歩?」
武内P「先程までの話は、どこへ行ったのですか!?」
234:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 09:39:44 ID:JZB8ooKk
凛「……ねえ、もうその話はよくない?」
武内P「重要な事だと、思うのですが……!?」
楓「……本当に、そうでしょうか?」
武内P「っ! それは……!」
武内P「……」
武内P「待ってください! とても重要です!」
凛・楓「……」
凛「……あっ、ここ。休み被ってる」
楓「……お家の最寄り駅は、どこなの?」
武内P「お願いします! 話を聞いてください!」
235:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 09:49:49 ID:JZB8ooKk
武内P「プロデューサーとして、ですね……!?」
武内P「可愛い系か綺麗系か、可能な限り把握しておくべきだ、と」
武内P「……そう、思っているのですが……!」
凛「……やっぱり、可愛いと思う」
武内P「えっ?」
武内P「その結論に……至ったのですか?」
楓「でも……ハナコちゃん、美人さんよね♪」
武内P「高垣さーん!」
236:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 09:59:43 ID:JZB8ooKk
凛「もう……そんなに気になるなら、プロデューサーも来れば?」
武内P「えっ?」
楓「そうね……それなら、笑顔も見られると思います」
武内P「いえ、ですが……!?」
凛「……ふーん」
凛「気にならないなら、来なければ良いんじゃない?」
楓「……うふふっ!」
楓「可能な限り把握しておくべき……ですよね?」
凛・楓「……ふふっ!」ニコッ!
武内P「……良い、笑顔です」
237:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 10:10:10 ID:JZB8ooKk
・ ・ ・
武内P「綺麗か……可愛いか」
武内P「どちらかと決めてしまうのは、間違いでした」
武内P「――どちらの魅力も、兼ね備えている」
武内P「それが……本当の、輝きです」
ハナコ「ワンッ!」
武内P「……」
ナデナデナデナデ…
ハナコ「クフゥ~ン」
武内P「……」ホッコリ!
凛・楓「……」
238:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 10:21:54 ID:JZB8ooKk
凛「ちょっと……ねえ、プロデューサー」
武内P「? どうかされましたか?」
凛「私の笑顔を見に来たんじゃなかったの?」
武内P「いえ……もう、大丈夫です」
楓「……今日の私の服装、どうでしょうか?」
武内P「? どう……とは?」
楓「……」
武内P「あの……高垣さん……?」
凛・楓「……」ニコッ!
武内P「……?」
ナデナデナデナデ…
ハナコ「……クゥ~ン」
239:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 10:40:07 ID:JZB8ooKk
武内P「あの……その笑顔は、一体……?」
凛「どう思う?」ニコッ!
武内P「いえ……それは……」
楓「ふふっ! とっても大事な事ですよ?」ニコッ!
武内P「そう、ですね……」
武内P「可愛いか、綺麗かは……また、別として……ですね」
凛・楓「……」ニコッ!
武内P「ファンの方に、見せられない笑顔だ、と」
武内P「……そう、思います」
凛・楓「……」
ハナコ「――ワンッ!」
おわり
247:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 21:30:11 ID:JZB8ooKk
プロデューサーは、ゆっくり歩く。
この人、身長が高いのもあって、歩幅もかなり広い。
きっと、かなり意識してると思う。
そうでなきゃ、こうやって並んで歩くのは、難しいんじゃないかな。
「……」
反対に、私は少しだけ早足で歩く。
歩くのが遅いとは思わないけど……でも、早足で。
今日のステージ衣装のブーツが、カツカツと音を立てる。
傍から見れば、颯爽と歩いてるように見えるのかな。
「――ねえ、プロデューサー」
真横を歩くプロデューサーの顔を見上げながら、声をかけた。
話しかけられると思ってなかったのか、少しだけ眉が上がったのが見えた。
初めの頃は、無表情で、何を考えてるかわからなかった。
でも、最近は、そういう些細な変化にも気づけるようになった……かな。
「はい」
プロデューサーの、落ち着いた低い声。
声は届くけど……私達の距離は、とても遠い。
248:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 21:42:27 ID:JZB8ooKk
「今日のLIVE、成功すると思う?」
いつもだったら、こんな質問はしない。
ステージに上がったら、全力で、自分の出来る最高のパフォーマンスをするだけ。
成功するか、失敗するかなんて、気にしてなんかられない。
なのに、今日、この場所でだけは……それを気にせずにはいられない。
「……」
私の質問が意外だったのか、プロデューサーは足を止めた。
早足で歩いてたから、合わせて止まるのが遅れて、少し前に出た。
ブーツの踵を軸にして、ステップを踏むように、振り返る。
そうすれば、ほら、あんまり深刻そうには見えないでしょ?
「……前回同様、成功すると……そう、確信しています」
確信。
ふーん……思ったり、考えたりしてるんじゃなく……確信、ね。
そんなにハッキリ言われると、逆に緊張するとは思わないの?
だって、此処は――私達ニュージェネが、初めて三人で立ったステージなのに。
249:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 21:56:57 ID:JZB8ooKk
「……ふーん」
私達が、前にこのステージでLIVEをした時。
あの時の事は、正直……良い思い出とは言えない。
最初に立ったステージが、美嘉のバックダンサーだった。
その時は、アイドルって最高だ、って思ったんだよね。
最後まで何度も振り付けを確認して……そうそう、掛け声も、あの時から。
うん……客席を埋め尽くすお客さんは、本当に喜んでくれてたと思う。
でも……あれは――美嘉のステージだった。
それを勘違いしていた私達は、自分達のステージで、失敗をした。
プロデューサーは、お客さんを笑顔に出来たから成功だと言った。
そういう意味では、確かに成功したのかも知れない。
だけど……私達は、ちゃんと笑顔が出来ていなかった。
だから――
「前回同様で良いの?」
――プロデューサーに、問いかけた。
250:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 22:12:15 ID:JZB8ooKk
「っ……いえ……」
プロデューサーは、少し言葉に詰まった。
それはきっと、私の言っている意味をちゃんとわかってくれたから。
動揺する姿が、年上の男の人なのに、ちょっと可愛く見える。
どうなの、と、自分でも意地悪な顔をしてるなって自覚しながら、答えを促す。
「……」
右手を首筋にやって、困った顔をしてる。
何て言おうか、考えてるのかな。
ほら、どうするの?
アンタ、私のプロデューサーでしょ。
「……前回以上の、素晴らしいLIVEになるでしょう」
真っ直ぐにこちらを見ながら、プロデューサーは言った。
それに私は、うん、と言いながら、笑顔で返した。
どう? ちゃんと笑顔、出来てるでしょ。
251:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 22:27:15 ID:JZB8ooKk
「……ふふっ」
また、踵を軸に振り返り、前を向いた。
ほんの少しだけ足を止めて、プロデューサーが歩き出すのを待つ。
横目で確認しながら……うん、オッケー。
「……」
プロデューサーと、初めて会った時。
男の子が、玩具の部品を無くして、それで、泣いてて。
勘違いをした警察の人に問い詰められて、それから……。
「……」
本当に、何がきっかけになるかわからないよね。
だって、そうでしょ?
探しても見つからない小さな物がきっかけで、
プロデューサーは、私を見つけたんだから。
「……」
アイドルじゃない――輝く星じゃなかった、私を。
252:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 22:41:06 ID:JZB8ooKk
「……」
考えてみれば、さ。
もしかしたら、あの時が一番、私達の距離は近かったんじゃないかな。
プロデューサーも、私のこと「君」なんて言ったりしてて。
……普通の女子高生を相手にするには、丁寧な口調すぎたけど。
「……」
それから、何度も何度もスカウトに来て。
知ってる? プロデューサー、私の学校では未だに不審者扱いされてるんだよ?
……まあ、さすがに可哀想だから、言わないけど。
「……」
……それから、卯月に出会って……キラキラした笑顔を見て。
私は、アイドルへの一歩を踏み出した。
だけど、その一歩は……思ってた以上の距離だった。
アイドルと、プロデューサー。
輝く星と、それを見守る人との距離くらい、私達は遠くなった。
253:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 23:00:03 ID:JZB8ooKk
「……」
気付かれないように、ほんの少しだけ、歩調を遅めた。
そして、プロデューサーの、大きな右手を見つめる。
この手が、私達を導いて、アイドルの階段を登らせてくれてるんだよね。
……なんて言ったら、自分自身の力です、って言うだろうけど。
「……」
でも……それでも、プロデューサーが、私のプロデューサーで良かった。
面と向かっては、言わないけどね。
言ったとしても、右手を首筋にやるだけだろうし。
照れくさいとか、そんなんじゃないから。
「……」
この手に、私の手を重ねるのは――絶対に、駄目。
星を掴もうと、手を伸ばすのは……大丈夫、問題ない。
でも、星が手を伸ばすのはルール違反だし、
きっと、この大きな手は伸ばされた手を取ることは、無いだろうから。
……って、何考えてるんだろ。
やっぱり、少し緊張してるのかな。
254:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 23:14:44 ID:JZB8ooKk
「……よし」
集中、集中。
今は、余計な事は考えない。
これから始まるLIVEに、ありったけを……全てを。
最高の笑顔で、瞬く星空のような、光り輝くステージを。
そう……目が、離せないくらい!
「プロデューサー、ちゃんと見ててよね」
振り返らず、前を向いて。
行くよ、蒼い風が――
「目を離したら、承知しないから」
――駆け抜けるように。
おわり
258:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 20:03:51 ID:Ibygg7BQ
書きます
武内P「正確にわかる……と」
259:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 20:06:08 ID:Ibygg7BQ
卯月「はいっ! 最近、気付いたんです!」
武内P「そう……ですか」
卯月「私、笑顔だけしか取り柄が無いと思ってました……!」
武内P「いえ、島村さんの笑顔は、それだけで――」
卯月「まさか! の位置が正確にわかるなんて!」ニコッ!
武内P「……良い、笑顔です」
武内P「ですが、あの……大声を出すのはやめましょう……!」
260:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 20:10:01 ID:Ibygg7BQ
卯月「本当に、百発百中なんです!」
武内P「島村さん……島村さん!?」
卯月「あっ、すみません……えへへ」
武内P「……いえ、落ち着いてくださったようで――」
卯月「実際は、五十発五十中くらいです♪」ニコッ!
武内P「あのっ! 数の問題ではなく!」
武内P「……」
武内P「そんなにも試したのですか!?」
261:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 20:13:38 ID:Ibygg7BQ
卯月「はいっ! 島村卯月、頑張りました!」
武内P「その……頑張ったのは、相手の方では!?」
卯月「……あっ、確かにそうですね!」
武内P「あの……一体、誰に……!?」
卯月「でも、大丈夫です!」
卯月「美穂ちゃんと響子ちゃんも、喜んでましたよ♪」
武内P「島村さ――んっ!?」
262:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 20:18:14 ID:Ibygg7BQ
ガチャッ
凛「……どうしたの? 大声なんて出して」
美嘉「ヤッホー★ なんか、盛り上がってたカンジ?」
卯月「あっ、凛ちゃんに、美嘉ちゃん!」
卯月「聞いてください! 私、凄い特技があったんです!」
武内P「待ってください、島村さん!」
卯月「私、 の位置が正確にわかっちゃうんです!」ニコッ!
凛・美嘉「……」
凛・美香「はい?」
263:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 20:18:56 ID:Ibygg7BQ
誤)>凛・美香「はい?」
正)>凛・美嘉「はい?」
264:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 20:22:11 ID:Ibygg7BQ
・ ・ ・
凛「……ねえ、ちょっと」
美嘉「……どうするつもり?」
武内P「……」
卯月「プロフィール欄に、どう書こうかなぁ……」
卯月「 の位置が正確にわかるだと、そのまますぎるし……」
卯月「……う~ん、迷っちゃうなぁ……!」ニコニコ!
凛「……卯月、あんな事言ってるけど」
美嘉「……ヤバくない?」
武内P「……はい……とても、まずい状況です」
265:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 20:27:44 ID:Ibygg7BQ
武内P「ですが……島村さんは、喜んでらっしゃるので……」
凛・美嘉「……」
卯月「――そうだ! 握手会じゃなく、 会!」
卯月「ファンの人の をついていくのはどうだろう!」
卯月「……わあぁ……この特技があれば、色々出来る……!」ニコニコ!
武内P「……とても、言い出しにくk」
凛「なんて言ってる場合じゃないでしょ!?」
美嘉「……実現したら、凛も練習しなきゃじゃん」
凛「絶対に嫌!」
266:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 20:33:59 ID:Ibygg7BQ
凛「私、卯月を止めてくる」
武内P「いえ……ですが……」
美嘉「――はぁ、しょうがないか」
武内P・凛「……?」
美嘉「アンタ達ニュージェネは、、アタシの妹分みたいなもんだしね★」
卯月「えいっ! えいっ!」
ヒュッ、ヒュッ
卯月「島村卯月、笑顔で を突くの、頑張ります♪」ニコッ!
ヒュッ、ヒュッ
美嘉「……」
美嘉「妹分が、ああいう頑張りをするのは……ちょっと」
武内P・凛「……」
267:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 20:38:44 ID:Ibygg7BQ
美嘉「う~づきっ★」
卯月「? 美嘉ちゃん?」
美嘉「あのさ、本当に の位置が正確にわかるの?」
卯月「えっ? どういう意味……ですか?」
美嘉「服の上からでも、正確にわかっ――」
卯月「はいっ♪」
つんっ!
美嘉「――とぅん!?///」ビクンッ!
武内P・凛「……」
凛「ねえ! 皆で、私を騙そうとしてるんじゃないよね!?」
武内P「そうだったら! そうだったら良かったと……そう、思います!」
268:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 20:44:48 ID:Ibygg7BQ
美嘉「ま……待って! ストップ!」
卯月「はい?」
美嘉「今のは、油断! ちょっと油断してただけ!」
卯月「はあ……」
美嘉「相手が動いてたら、さすがに無理っしょ★ ほら――」
美嘉「――TOKIMEKIどこまでも♪ エスカレート♪」
卯月「はいっ♪ はいっ♪」
つんっ! つんっ!
美嘉「んっ!?/// ふっ!?///」ビクンッ、ビクンッ!
凛「嘘でしょ!? 何なの!? ねえ!」
武内P「待ってください! 私に……私に言われても!」
269:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 20:50:52 ID:Ibygg7BQ
凛「コールみたいに! リズムに合わせてたんだけど!?」
武内P「そ、そう……ですね」
凛「……!?」
卯月「TO・KI・ME・KI♪」ニコニコ!
つん、つん、つん、つんっ!
美嘉「んっ!?/// やめっ!?/// 待っ!?/// ちょっ!?///」ビク、ビク、ビク、ビクッ!
凛「私……あんな、卯月見たくない!」
凛「ねえ! アンタ、あれで良いと思ってるの!?」
武内P「待ってください! あの……城ヶ崎さんの心配も!」
270:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 20:56:05 ID:pvPdO6K2
完璧奥義、天元地獄極楽車で仕留めてうやむやにすべきでは!?
271:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 20:57:18 ID:Ibygg7BQ
・ ・ ・
卯月「どうですか!? 凄くないですか!?」
武内P「た……確かに、凄い、と」
武内P「……そう、思いますが……!」
凛「待って、卯月。その前に――」
美嘉「マジヤバいって! ホントに凄いんだって!」
美嘉「アタシがダンスしてても、正確に突いてくるんだよ!?」
凛「美嘉は、どうしてそっちサイドに居るの!」
武内P「……」
272:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 21:03:40 ID:Ibygg7BQ
美嘉「アンタ達わからないの!? この凄さが!」
凛「わかるわけないでしょ!?」
卯月「りっ、凛ちゃん……!?」
凛「ねえ、卯月……冷静になろう? ねっ?」
卯月「で……でも……!」
凛「偶然が重なっただけ……とかさ」
凛「ほら、何事も、調子がいい時ってあるでしょ?」
卯月「……そんなことないっ!」
卯月「私……どんな時でも、笑顔で を正確に突けるもんっ!」
凛「う……卯月……!?」
武内P「あ、あの……!」
武内P「せめて、小声で……! 小声で、お願いします……!」
273:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 21:10:05 ID:Ibygg7BQ
・ ・ ・
美嘉「……二人共、準備オッケー?」
卯月「はいっ!」
凛「良いよ」
美嘉「卯月が、グルグルバットを十回やって――」
美嘉「――5メートル離れた、凛の を突く!」
美嘉「成功すれば、卯月の新しい特技として認める!」
美嘉「失敗すれば、無かったことにする!」
美嘉「……お互い、文句言いっこナシだからね?」
卯月・凛「……!」コクリ!
武内P「待ってください! 皆さん、待ってください!」
武内P「あの! 私は、ずっと反対しているのですが!」
274:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 21:16:07 ID:Ibygg7BQ
凛「……プロデューサー、安心して」ボソッ!
武内P「……渋谷さん?」
凛「……要は、反応しなければ良いんでしょ」ボソボソ!
武内P「! 成る程、そういう事ですか……!」ボソボソ!
凛「……まあ、我慢するけど……見ないでいいから」ボソボソ!
武内P「……はい、わかりました」ボソボソ!
凛「……――卯月、いつでも良いよ」
卯月「……!」
美嘉「それじゃあ!」
美嘉「レディィィ……ゴー!」
275:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 21:20:59 ID:Ibygg7BQ
卯月「……!……!……!」
美嘉「い~ち! はい、に~い! さ~……ん!」
凛「……」
武内P「……」
卯月「うぅ……! う……えぅ! あぅあ……!」
美嘉「し~い! ご~お~お~……お! ろっ、ろぉ~~……ろく!」
凛「……頑張れ」
武内P「えっ?」
凛「卯月、頑張れっ!」
武内P「……」
武内P「えっ!?」
276:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 21:27:16 ID:Ibygg7BQ
卯月「! 凛ちゃん……! 頑張り……ますっ! ますっ!」
美嘉「! な~な! はぁ~っ……っち! きゅう! 凄い!」
凛「良いよ、卯月! その調子! 後一回!」
武内P「待ってください! 渋谷さん、趣旨が!」
卯月「私の……新しい、特技……!」
美嘉「じゅ~うっ! はい、 !」
卯月「……!」
フラフラッ…
凛「こっち! こっちだよ、卯月!」
武内P「良い、友情ですが! あのっ、待ってください!」
277:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 21:33:23 ID:Ibygg7BQ
卯月「島村……卯月……!」
ヨロヨロッ…
卯月「頑張りま――」
フラッ…
凛「っ!? 卯月、危ないっ!」
ダッ!
卯月「――すっ!」
…ズブリッ!
凛「……」
武内P・美嘉「……あっ」
凛「……」ニコリ!
凛「――っふぅぅぅううううううううううんんん!!?」
…ゴロゴロゴロゴロゴロゴッ!
278:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 21:41:19 ID:Ibygg7BQ
・ ・ ・
武内P「では……この特技は、無しという事で」
卯月「……はい……危ないって、わかりました」
美嘉「そうだね……凛の 、片方陥没しちゃったもんね」
卯月「凛ちゃん、ごめんね……!」
凛「待って、別に陥没 にはなってないから」
卯月・美嘉「……」ションボリ
凛「なってないからね!? 良い!? 陥没してないから!」
武内P「……は、はあ」
279:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 21:47:51 ID:Ibygg7BQ
卯月「私……新しい、得意なものを見つけたって、浮かれてました」
美嘉「でも……あの正確さなら、しょうがないって★」
卯月「……美嘉ちゃん」
凛「まあ……私も、卯月の立場だったら試したくなるかも」
卯月「……凛ちゃん」
卯月「ふふっ! 二人共、ありがとうございます♪」ニコッ!
武内P「……良い、笑顔です」
280:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 21:55:52 ID:Ibygg7BQ
武内P「そもそも……島村さんに、奇抜な特技は必要ありません」
武内P「その笑顔と……朗らかな、人柄」
武内P「それだけで十分魅力的だ、と」
武内P「……そう、思います」
卯月「へっ!?……あ……あうぅ……///」
美嘉「普通が一番、ってやつだね★」
凛「そうだね。卯月は、そのままで可愛いよ」
卯月「……///」
281:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 22:06:08 ID:Ibygg7BQ
美嘉「それにしても……アンタも、良いコト言うじゃん★」
つんつんっ!
武内P「んっ、ふぅっ!?」ビク、ビクッ!
美嘉「……えっ?」
武内P「……じょっ、城ヶ崎さん!?」
美嘉「えっ!? あれっ!?」
美嘉「今の、別に の位置じゃなかったよね!?」
武内P「そ、そうですが……その……」
美嘉「なっ……なら……どうして……?」
武内P「…………言えません」
卯月・凛「……!?」
282:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 22:10:06 ID:Ibygg7BQ
卯月「ぷっ、プロデューサーさん!」
つんつんっ!
武内P「? し、島村さん……?」
凛「プロデューサー! ここは!?」
つんつんっ!
武内P「い、いえ……別に……」
美嘉「……このへん?」
つんつんっ!
武内P「うぁっ、くっ!?」ビク、ビクッ!
卯月・凛・美嘉「……」
武内P「まっ、待ってください!」
武内P「皆さん……無表情で、私を見ないでください!」
283:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 22:20:39 ID:Ibygg7BQ
美嘉「……ヤバくない?」
卯月・凛「……!」コクコクコクコク!
美嘉「やっぱ……ヤバいよね?」
卯月・凛「……!」コクコクコクコク!
美嘉「ねえ、ちょっと良い?★」ニコッ!
武内P「駄目です! 待ってください!」
美嘉「アタシは、カリスマJKアイドル、城ヶ崎美嘉!」
美嘉「そう言われて、アタシが止まるワケないっしょ★」ニコッ!
武内P「……いえ……止まらない、と」
武内P「性格だと、わかっていますが!」
おわり
287:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/13(木) 08:56:34 ID:HEaYrxn.
アイドルにセクハラについての注意喚起で実践させられるPをください!
289:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/13(木) 21:04:39 ID:nMSu4mKQ
>>287
書きます
武内P「セクハラ対策、ですか」
290:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/13(木) 21:09:21 ID:nMSu4mKQ
美波「プロデューサーさん、お願いできますか?」
武内P「何か……あったのでしょうか?」
奏「いいえ。何かあったから、じゃないの」
美波「ほら、私達のお仕事って、ちょっと特殊じゃないですか」
奏「だから、メンバー達のために……リーダーとして学んでおこうと、ね」
武内P「新田さん、速水さん……!」…ジーン!
武内P「……申し訳、ありません」
武内P「お二人の責任感の強さに……感動して……はい」…ジーン!
美波・奏「……」
美波・奏「ふふっ!」ニコッ!
291:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/13(木) 21:11:41 ID:nMSu4mKQ
美波「それじゃあ、プロデューサーさん――」
奏「――協力、してもらえるのかな?」
武内P「はい、勿論です」
武内P「私に出来ることでしたら、可能な限り協力したい、と」
武内P「……そう、思います」
美波・奏「……」
美波・奏「ふふふっ!」ニコッ!
292:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/13(木) 21:17:49 ID:nMSu4mKQ
武内P「確かに……良い機会かも知れません」
武内P「ハラスメント防止の研修を開く等を――」
美波「う~ん……それは、ちょっと難しいと思います」
奏「ほら、まだ小学生や、中学生の子も居るでしょう?」
美波「だから、まず先に――」
奏「――私達に研修をする、っていうのはどうかしら」
武内P「……なるほど、確かにその通りかも知れません」
武内P「お二人の言う通りだ、と」
武内P「……そう、思います」
美波・奏「……」
美波・奏「ふふふふっ!」ニコッ!
293:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/13(木) 21:25:56 ID:nMSu4mKQ
武内P「では、資料を作成して、後日――」
美波「あっ、それに関しては大丈夫ですよ!」
武内P「えっ?」
奏「私達の方でも、ある程度は勉強してきたから」
武内P「そう……なのですか?」
美波「はい、だって何も知らない状態だと――」
奏「――協力して貰うのに……手間をかけさせちゃうもの」
武内P「……!」…ジーン!
武内P「申し訳……ありません」
武内P「少し……疲れ目が……すみません、すぐに……はい」
美波・奏「……」
美波・奏「ふふふふふっ!」ニコッ!
294:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/13(木) 21:31:56 ID:nMSu4mKQ
武内P「……お待たせしました」
武内P「もう……はい、大丈夫です」
美波「それじゃあ、セクハラ――セクシャル・ハラスメントについて」
奏「少し、私達の考えを聞いてもらっても良いかしら」
武内P「はい」
美波「セクハラは、性的な言動による嫌がらせ、ですよね」
奏「でも……どうしても、スリーサイズの話とかは出てくるわ」
美波「だから、一般的にセクハラと呼ばれる行為」
奏「それも……ある程度は、許容しなきゃいけないと思うの」
武内P「……ええ、その通りです」
武内P「ですが……そう言っていただけると、ありがたいです」
美波・奏「……」
美波・奏「……」ニコッ!
295:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/13(木) 21:38:58 ID:nMSu4mKQ
武内P「私も、気をつけているのですが……」
武内P「……お二人は、私の言動をセクハラだと感じたことは、ありませんか?」
美波「いいえ、そんな事ありませんよ!」
奏「ふふっ! むしろ何もなさすぎて、自信なくしちゃうかも」
武内P「それは……申し訳、ありません」
美波「だからこそ、適任だと思うんです。だって――」
奏「――そんな貴方にされて、嫌だと思ったら」
美波・奏「――セクハラ」
美波「……っていう事に」
奏「……なると思わない?」
武内P「……そう、でしょうか?」
美波・奏「そうそうそうそう!」コクコクコクコク!
296:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/13(木) 21:46:22 ID:nMSu4mKQ
武内P「に、新田さん……速水さん……?」
美波「プロデューサーさん! 私達を信じてください!」
奏「ねえ、セクハラっていうのは、相手がどう思うかでしょう?」
武内P「そ、そうですが……」
美波「嫌だと思ったら、すぐ言いますから!」
奏「限界を知っておくって、とても重要じゃない?」
武内P「あ、あの……?」
美波「プロジェクトの、皆のためなんです!」
奏「協力するって言ったじゃない。あれは嘘だったのかしら」
武内P「……で、では」
武内P「問題に、ならない程度まででしたら……」
美波・奏「……」
美波・奏「……っし!」グッ!
297:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/13(木) 21:53:53 ID:nMSu4mKQ
美波「それじゃあ……まずは、私から」
奏「美波、頑張って」
美波「ありがとう、奏さん」
武内P「あの……私は、何をすれば良いのでしょうか?」
美波「そうですね、まずは――」
美波「肩に手をおいて、挨拶をお願いします」
武内P「……わかりました」
武内P「嫌だと思いましたら、すぐ仰ってください」
美波「っ……!」
美波「かっ……か、かか、奏さ――んっ!」ワクワク!
奏「落ち着いて美波! まだ、始まったばかりよ!」ワクワク!
武内P「……?」
298:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/13(木) 21:58:19 ID:nMSu4mKQ
武内P「……では……失礼します」
美波「はいっ!」ワクワク!
武内P「新田さん、おはようございます」
ぽんっ
美波「んっ♡」ビクンッ!
武内P「っ!? に、新田さん!?」
美波「だっ、大丈夫です! ちょっと ただけです!」
武内P「えっ!?」
美波「まだイケます! 続けてください!」
武内P「わ……わかりました」
奏「……!」
299:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/13(木) 22:03:27 ID:nMSu4mKQ
武内P「つ、次は……どう、しましょうか」
美波「はいっ、次は――」
美波「いつも頑張っていますね、って!」
美波「肩を揉んでみてください!」
武内P「い……いえ、それは……!」
美波「皆のっ! メンバーの皆の、笑顔のためです!」
武内P「っ!? 新田さん……!」…ジーンッ!
武内P「……はい、わかりました」
武内P「嫌だと思ったら、すぐ仰ってください」
美波「はいっ!」ワクワクワクワクッ!
奏「……!」
300:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/13(木) 22:10:32 ID:nMSu4mKQ
武内P「……では……失礼します」
美波「はいっ!」ワクワクワクワク!
武内P「新田さんは、いつも頑張っていますね」
もみもみっ
美波「あっ♡ んっ♡ んふっ♡」ビクビクビクッ!
美波「そっ♡ そのままっ♡ そのままっ♡」ビクビクビクッ!
武内P「そのまま……何ですか!? 新田さん!」
美波「手を前に回してっ♡ 胸を揉みしだいてくださいっ♡」ビクビクッ!
武内P「はい、わかり――……待ってください!」
武内P「新田さん!? 今、何とおっしゃいましたか!?」
美波「……はぁ……はぁっ……♡」
美波「……」
美波「いえ、何も?」
301:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/13(木) 22:15:40 ID:nMSu4mKQ
武内P「いえ、ですが……!」
美波「今程度のスキンシップなら、問題無いと思います」
奏「そうね、相手にもよるけど……皆なら、大丈夫だと思うわ」
武内P「待ってください! 先程の発言は、一体!?」
美波「……えっ? 何の話ですか?」
奏「私は、何も聞こえなかったけど?」
武内P「えっ?」
美波・奏「……?」
武内P「そ……そう、ですか」
武内P「申し訳ありません……何かの、勘違いだったようです」
美波・奏「……」
美波・奏「ふふふふふふっ!」ニコッ!
302:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/13(木) 22:22:10 ID:nMSu4mKQ
武内P「……?」
奏「……ねえ、どうだった?」ヒソヒソ
美波「プロデューサーさんに、セクハラされてる……」ヒソヒソ
美波「……そう思いながらだと、本当に良かったわ」ヒソヒソ
奏「……美波は、本当に凄いわね」ヒソヒソ
美波「ええ、すっごく ちゃった♪」ヒソヒソ
奏「ふふっ、褒めてる訳じゃないんだけどね」ヒソヒソ
武内P「あの……どうか、されましたか?」
美波・奏「何も?」フルフルフルフル!
武内P「は……はあ」
303:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/13(木) 22:27:36 ID:nMSu4mKQ
奏「それじゃ……次は、私ね」
美波「奏さん、 てらっしゃい!」
奏「それはちょっと難しいかな」
武内P「あの……私は、何をすれば良いのでしょうか?」
奏「それじゃあ、メンバーのために頑張る私に――」
奏「ご褒美のキス、貰えるかしら」
武内P「……あの」
武内P「それはさすがに……無理です」
奏「……んっ」…スッ
武内P「あ、あのっ、速水さん!?」
武内P「目を閉じられても、無理なものは無理ですよ!?」
305:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/13(木) 22:33:50 ID:nMSu4mKQ
奏「……あら、どうして?」…パチッ
武内P「どうしても何も、ですね……!?」
奏「もう……ちょっと良い?」
奏「私は、メンバーのために頑張ってる。オーケー?」
武内P「は……はい、そうですね」
奏「そんな私に、ご褒美があっても良い。オーケー?」
武内P「そ、それは……まあ、はい」
奏「キスをする時は目を閉じる。オーケー?」
武内P「待ってください!」
武内P「確認事項が! 確認事項が、何段階か飛んでいます!」
306:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/13(木) 22:43:57 ID:nMSu4mKQ
奏「はぁ……貴方って、意外と強情なのね」
武内P「……そういう問題では無い、と」
武内P「そう……思います……!」
奏「ねえ、今の貴方がしてるのって、セクハラよ?」
武内P「えっ!?」
奏「だって、そうじゃない」
奏「私とのキスをそんなに嫌がって……女のプライドを傷つけてるんだもの」
奏「精神的に相手に攻撃……それも、性的に」
奏「これはもう、セクハラじゃなく―― みたいなものね」
武内P「……」
武内P「えっ!?」
307:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/13(木) 22:51:20 ID:nMSu4mKQ
美波「ぷっ……プロデューサーさん……!?」
武内P「にっ、新田さん! 違います!」
美波「イヤッ、 ますっ♡」ビクンッ!
武内P「何処にですか?」
奏「……セクハラについての研修で、 」ボソッ
武内P「っ!?」
武内P「待ってください! 速水さん、待ってください!」
武内P「その言い方は、あまりにも!」
奏「……どうすれば待つか――」
奏「――わかるわよね」…スッ
武内P「……!?」
308:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/13(木) 22:59:44 ID:nMSu4mKQ
奏「ほら……皆の笑顔のためよ」
奏「……ん~っ」
武内P「だ、駄目です! いけません!」
奏「……安心して」
奏「目を閉じてるから、し……舌を入れても大丈夫///」
武内P「何も安心出来ません!」
武内P「っ……だ……誰か……!」
武内P「お願いします、誰か! お願いします!」
武内P「誰か、助けてくださ――いっ!!」
ガチャ!!
武内P「っ!? 本当に、助けが!?」
ガチャガチャガチャガチャ!!
309:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/13(木) 23:05:48 ID:nMSu4mKQ
奏「っ……! 早く! ほら!」
奏「キス! キス!」チュパチュパ!
美波「プロデューサーさん! 急いで!」
武内P「いえ、あの……えっ!?」
「「……せーのっ――」」
バガァァンッ!!
武内P「っ!? どっ……ドアが!」
美波・奏「……はぁ」
美波・奏「時間切れ……か」
凛「――ごめん、セクハラ対策をするって聞いてたんだけど」
アーニャ「――イズヴィニーチェ、すみません。まだ、やっていますか?」
310:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/13(木) 23:12:19 ID:nMSu4mKQ
・ ・ ・
専務「……――なるほど、そんな事が」
武内P「はい」
武内P「なので……ドアの破壊に関しては、私の責任です」
専務「気にする事はない」
専務「優秀な人材と、ドア一枚」
専務「その重さは……比べるまでもないでしょう」
武内P「専務……!」
武内P「……ありがとう、ございます……!」
311:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/13(木) 23:23:37 ID:nMSu4mKQ
専務「しかし……対策を考える必要があるな」
専務「今回のような事が、そう何度もあっては困ります」
武内P「……はい」
武内P「私も、必要だと……そう、思います」
専務「己の限界以上に……」
武内P「……ええ、頑張りすぎてしまう――」
武内P「彼女たちへの」
専務「君への」
武内P・専務「セクハラ対策が」
武内P・専務「……」
武内P・専務「えっ?」
おわり
317:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/14(金) 19:56:44 ID:vMD35zM2
「ぶっちゃけ、夜の方はどうなのよ?」
口元を手で隠しながら、早苗さんが聞いてきた。
大きくパッチリとした目は細められていて、
「オッサンだわ。オッサンが居るわ」
なんて、瑞樹さんが茶化しながら、そう表現した。
「何よー! 瑞樹ちゃんは気にならないの?」
そんな、抗議の声をあげる早苗さん。
ふふっ! ほっぺたを膨らませちゃって、本当に可愛い。
「それは勿論、気になるわ」
早苗さんの膨らんだほっぺたを人指し指で突きながら、
瑞樹さんはしれっとそう言った。
ふと気づくと、二人だけじゃなく、他の人もこっちを見てる。
それじゃあ……ちょっとだけ、お話しようかしら。
318:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/14(金) 20:06:18 ID:vMD35zM2
ええと、何から話したら良いのかしらね。
あの、何から話したら良いと思います?
「ちょっ!? いきなりはぁとに振るって、オイ! やめて!?」
心さんなら、こういう時は何から話し始めますか?
「ええっと、はぁとなら~……パイセン、パース☆」
「ひょえっ!? パスって言われても!?」
菜々さんは、例えば……どんな事が気になりますか?
「え、ええっと、その……ひ、頻度とか……ですかね?」
「ガーサス☆ ガーサスっす、ウサミンパイセン!」
頻度は……今は、週に一回ですね。
私達――
――夜の方は、相性があまり良くないものですから。
……あら? どうして、皆気まずそうな顔をしてるのかしら。
319:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/14(金) 20:16:44 ID:vMD35zM2
「そ……そうなのね!」
「ちょっと早苗ちゃん! もっとフォロー頑張って!」
「そんな事言われたって!? お、応援を要請するわ!」
早苗さんと瑞樹さんが……気を遣ってる?
私、何か不味いことを言っちゃった?
「あっ……相性は、しょうがないよね!」
友紀ちゃんが、妙に大きな声で言った。
「どんなに良いピッチャーでも、相性が悪いバッターって居るし!」
えっと、ごめんなさいね……私、野球はあまり詳しくないの。
「そっ、そうであります! ですが、愛さえあれば!」
亜季ちゃんの、とっても大きな声に、皆が頷く。
……そうね、確かに……私達も、最初の内はそう思ってたわ。
でも、愛があっても、どうしようもない事ってあるんだなって……わかっちゃったの。
320:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/14(金) 20:29:29 ID:vMD35zM2
「……」
不思議と静まり返ってしまった、居酒屋の奥の個室。
「でも……週に一回は、あるのよね?」
そんな場の空気を早苗さんのその一言が変えた。
「そうよ! あるだけ、全然良いわ!」
瑞樹さんも、続けて言った。
皆、隣の人と頷きあって、最後に私に視線を向けた。
週に、一回。月に、四回。
それが……私達の、 の頻度です。
ふふっ! 頻度が少なくて、ひーん、どうしよ――
「やり方! やり方を変えてみたり!」
「そうだぞ☆ まだまだ諦めるのは早いっつーの☆」
――う?
321:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/14(金) 20:40:30 ID:vMD35zM2
「バッティングもさ! ちょっと変えただけで見違える程結果が変わるし!」
「良ければ、私達に話してみてください! 何か、良い作戦が見つかるやも!」
えっ……と。
「……!」
……皆さんのお気持ちは、本当に嬉しく思います。
けれど、私達も……私達なりに……色々と試して、こうなったんです。
何度も話し合いをして……ちょっぴり、ケンカもして。
「そう……なのね」
……ふふっ! 本当、困っちゃいますよね。
の相性が良すぎて、昼間にしか出来なくて。
それも、頻度を下げざるを得ないなんて。
「…………は?」
あら? どうかしましたか?
322:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/14(金) 20:49:54 ID:vMD35zM2
「……ちょっと待って! 取り調べを開始するわ!」
まあ! 取り調べ、ですか?
それなら、えっと……あっ、カツ丼は無いけど、カツ煮がありますね。
「そういうの良いわ。はい、メニューを置いて」
えっ?
「パイセーン、どうしてくれちゃいます? やっちゃうか☆」
「ここは、詳しい話を聞いてからでも遅くないですよ! キャハッ☆」
急に、場の空気が和らいだ。
「ノーアウト満塁のピンチを凌いだ時みたいな開放感! くーっ、サイッコー!」
「いやはや! 地雷原かと思いきや、埋まってるのがビーズクッションだったとは!」
……んだけど、皆、目がちょっと据わってるわ。
どうしましょう……飲みすぎかしら?
323:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/14(金) 21:03:54 ID:vMD35zM2
「それで? どうして夜じゃ駄目なの?」
「頻度を下げる理由もわからないわ。相性、良いんでしょう?」
最初とは打って変わって、早苗さんと瑞樹さんが体を乗り出して言った。
先に、早苗さんの質問に答えた方が……うん、良さそう。
「ホラホラ☆ さっさと言えよ☆」
夜と相性が悪いのは、お仕事の関係です。
どうしても、次の日に差し支えるので……。
「あー……二人共、忙しいですもんねぇ」
でも、週に一回はお休みを合わせるようにしてるんです。
これに関しては、たまに無理な時もありますけど……出来るだけ、頑張ってます。
「あっ! 最近、ちひろさんによく怒られてるの見るけど……」
「……まさか、それが原因でありますか!?」
まあ、そうなの?
それについては……本人に、聞いてみるわね。
324:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/14(金) 21:16:27 ID:vMD35zM2
「そんなの、休みの前の日の夜で良いじゃない」
私達も、最初はそう思ったんです。
それで、休みの前日にするようにしたんですけど……。
「気付いたら朝だったとか? いやーん、熱いわー!」
明日が休みだと思ったら、お互い、遠慮をしなくなっちゃって。
朝までとはいきませんけど、二十二時から……三時くらい? まで、
した事があったんです。
「……やべー、そりゃシンデレラも全裸になるわー」
「ふっ、二人共……元気ですね!」
してる時は良いんですけど……。
寝て、起きたら……声が全然出なくなっちゃってて。
「えっ? それって……?」
「どういう事で……ありますか?」
ごめんなさい、自分でもあまり覚えてないの。
最後の方は、わけがわからなくなっちゃってたから……。
325:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/14(金) 21:34:22 ID:vMD35zM2
「……そんなに?」
なんて言ったら良いのかしら……。
こう、目の前で火花がパチパチ弾ける感じ……ですね。
「……そりゃやばいわ」
あまり、みっともない声を聞かせたくないと思ってたんです。
いくら愛があるとは言え、恥ずかしいものは、恥ずかしいですから。
「サラッと愛って言いやがったな☆ コノコノッ☆」
「えっと、でも……次の日声が出なくなってたって事は……?」
一応、我慢しようとはしたんです。
けれど、気付いたら声が出てて、それがどんどん大きくなって。
最後の方なんか、もう、本当に……。
「おっ、応援で声を出しすぎた時あるあるー!……あたし、ノックアウト寸前!」
「ふっ、腹式呼吸が活きている証拠ですね!……私も、撤退戦に入りたく!」
326:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/14(金) 21:45:25 ID:vMD35zM2
「はー……そんなに相性良かったのね」
「どっちも身長が高いから、バランスは取れてれるものね」
はい、それもあると思います。
「ち・な・み・に~☆ ダーリンのサイズ、どれ位? 教えろよ☆」
「ちょっ、ちょっと! 急にグイグイいきますね!?」
サイズ……ええ、と。
――ほえふあい。
「ん? どうして口を開けたの?」
「何かの暗号でありましょうか?」
えっ? サイズ……だけど?
「……」
「あたし、マウンド降りる!」「私も、撤退するであります!」
327:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/14(金) 22:02:02 ID:vMD35zM2
「何よ二人共、これからじゃないの!」
ケラケラと笑う、早苗さん。
「だって、MLBの話だもん! NPBの話だと思ってたのに!」
「銃の話をしていたと思いきや、バズーカの話は厳しいであります!」
彼の の話よ?
「うぶっふ!?」
「うおおっ、パイセーン!? めっちゃかかった! かかった!」
「うげっほ! ゲホッ、ゴホッ! 急に ……アハッハハハ!」
笑い転げる菜々さんに、急いで……ふふっ! 服を拭く、心さん。
……あっ!
菜々さんが、吹いて、服を、心さんが、拭いて。
「あのね、急に『 』は反則よ?」
瑞樹さんのその発言で、一拍置いて、大きな笑い声が上がった。
328:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/14(金) 22:26:54 ID:vMD35zM2
「で、でもよ? 昼でも声出したら一緒……あーダメ、おかし! あっはは!」
正確には、大体……朝の十時頃から、ですね。
朝は普通に起きて、諸々の事を済ませて、それから――
「 まくりか☆」
「はぁとちゃん、言い方」
――あ、いえ。
それだと、やっぱり次の日に影響が出ちゃうので。
「でも、十時からって……」
「割と、時間に余裕を持った行動ですな」
二人で、一緒のベッドに入って。
ずーっと、イチャイチャします。
「うおおう……! そいつぁ……スウィーティー……!」
「はぁとちゃん、言い方」
「……心配したのが馬鹿らしいくらい、ラブラブねー」
……心配?
329:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/14(金) 22:46:11 ID:vMD35zM2
「イチャイチャ……良いわよねー」
「本当よねー……あー、イチャイチャしたいわー」
「良いですよねー……くっついてるだけー、って」
「切実な声が出過ぎだぞ☆……してーなー」
とっても……幸せな気持ちになりますよね。
二人で、部屋着を着たままベッドに入って。
他愛のないことをお喋りして、たまに、ギュッてして。
指を絡め合ったり、軽く、キスもして。
髪を触られたり、鼻の頭をツンッてしたり。
「「「「してーわー! イチャイチャしてーわー!」」」」
重なる、四人の声。
「でも、あの人……そういう事するタイプに見えないよね」
「そうですなぁ……正に、歴戦の強者という風情でありますし」
訝しげな、二人の声。
うふふっ! 私だけが、彼のそういう姿を見られるのって、絶対特権よね!
330:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/14(金) 23:06:55 ID:vMD35zM2
「……それで、ふと、目が合って――」
――キスをして。
ゆっくりと、じっくりと、確かめ合うような、深いキスをして。
触れ合った舌先が、徐々に溶けていって、一つになるように。
離れると分かっていても、決して、離れないように。
「……」
離れた瞬間、軽くキスをして。
軽いキスを何度も、何度も。
そして、さっきよりも……もっと深く、キスをして。
お互いの吐息が、熱く、甘く、頭の中を埋め尽くすくらいに。
「……それで――」
と、言葉を続けようとした時、
「待って……泣きたくなってきた」
誰かが、それを遮った。
331:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/14(金) 23:18:34 ID:vMD35zM2
「泣きたく……ですか?」
どうして、そう思ったのかしら。
とっても、幸せな話をしているつもりだったんだけど……。
「……続きは、二軒目で聞くわ! だから、ちょっとタイムで!」
「……ええ、それが良いわ! アルコール、足りてないもの!」
早苗さんと瑞樹さんが、私に向けて片手を上げてる。
私は、そんな二人の手の平に、自分の手を重ねて、
「すみません。その話、お受けできません」
そう、断った。
「ナナ、もう無理です! ウサミン星人は、寂しいと死ぬんですよ!?」
「パイセン、大丈夫だぞ☆ はぁとも死にそう! っていうか殺して!」
えっ?
「二軒目は行けない……って言う意味だったんですけど」
332:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/14(金) 23:31:43 ID:vMD35zM2
「タッ、タイムタイム! えっ!?……えっ!?」
「行けない……で、ありますか……!?」
ええ、ごめんなさいね。
前までだったら、朝まで飲んでる所だったんだけど。
今日は、もう帰らなくっちゃ。
そうしないと、十二時、過ぎちゃいますから。
「何よう、門限でもあるの?」
「……って、そんな感じではなさそうね」
……うふふっ!
「だって、明日は――二人一緒の、お休みなんですもの」
魔法が解けない内に帰って、明日に備えないと……ね♪
「もう……のろけ話は、休み休み言って!」
おわり
339:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/15(土) 19:57:48 ID:SzkhpInY
書きます
武内P「キャバクラマスター、ですか」
340:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/15(土) 20:00:34 ID:SzkhpInY
まゆP「おいおい、なんだお前! えっ、知らなかったの!?」
武内P「初耳、ですね」
まゆP「っかー! 何やってんだよ! ええ、やる気あんの!?」
まゆP「アイドルなんかマスターしてる場合じゃないよ!」
まゆP「マスターするなら、やっぱりキャーバークーラー!」
まゆP「ねっ、部長!」
部長「――今日は、私も久々に本気を出そうじゃないか」
まゆP「いよっ! さっすが部長、キャバクラマスター!」
武内P「……」
341:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/15(土) 20:05:44 ID:SzkhpInY
武内P「……しかし、ですね」
まゆP「おら、行くぞ! 良い店知ってんだ、なっ!」
武内P「そういう問題では……!」
部長「……キャバ嬢は、接客の――笑顔で接客をするプロだ」
部長「ネオン輝く夜の街を飛ぶ、美しい蝶達」
部長「君は……そんな彼女達から、何も学ぶものが無い、と」
部長「……そう、思うのかい?」
武内P「……!」
342:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/15(土) 20:11:04 ID:SzkhpInY
武内P「し……しかし」
まゆP「かっ、勘違いしないでよね!」
まゆP「お前がキャバに行った時、どんな感じなのかなーとか」
まゆP「ぜーんぜん! これっぽっちも気にしてないからね!」
まゆP「面白そうだって盛り上がったりなんかしてないんだから!」
部長「結果的に、アイドル達のためになる、と」
部長「……そう、思ったんだがねぇ」
部長「君が、個人的な感情を優先するとしたら、それもやむなし、だ」
部長「うん、それもまた、プロデュースだ」
武内P「……!」
343:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/15(土) 20:18:26 ID:SzkhpInY
武内P「……お話は、わかりました」
まゆP・部長「……それで?」
武内P「キャバクラへ、私もお供させてください」
部長「……はっはっは! そうかそうか! 行くか!」
まゆP「そうだよ、それで良いんだよ! 笑顔のためだもんな!」
まゆP「予定の店、結構ゆったりしてて良いぞ! GIGAっつーんだけどよ!」
部長「せっかくだ! 君も大いに楽しみなさい!」
部長「……いよぉし! 今日は、私の奢りだ!」
まゆP「うおおおっ、マジすか! さすが部長! いや、社長!」
部長・まゆP「はっはっはっはっは!」
武内P「……」
344:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/15(土) 20:21:52 ID:SzkhpInY
・ ・ ・
武内P「……昨日は……少し、飲みすぎたか」
ガチャッ
ちひろ「――おはようございます♪」ニコニコ!
武内P「千川さん」
武内P「おはよう、ございます」
ちひろ「――今日は、一名様ですか?」ニコニコ!
武内P「……」
武内P「えっ?」
345:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/15(土) 20:26:05 ID:SzkhpInY
武内P「あ、あの……千川さん?」
ちひろ「――お連れの方はいらっしゃいますか?」ニコニコ!
武内P「い、いえ……一人、ですが」
武内P「千川さん? あの、様子が……」
ちひろ「――このプロジェクトルームは、初めてでしょうか?」ニコニコ!
武内P「ま、待ってください! 千川さん!?」
武内P「あの……何を仰っているのですか!?」
ちひろ「――さあ、何でしょうね?」ニコニコ!
武内P「……!?」
346:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/15(土) 20:30:07 ID:SzkhpInY
ちひろ「――当プロジェクトルームの、料金について」ニコニコ!
ちひろ「説明は……ふふっ、いりませんよね♪」ニコニコ!
武内P「え、ええ……はい」
ちひろ「――それでは、お席の方にご案内します」ニコニコ!
ちひろ「……」…スッ
ちひろ「――あそこです、座ってください」
武内P「それは、わかっていますが……千川さん!?」
ちひろ「――あそこです、座ってください」
武内P「……!?」
347:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/15(土) 20:35:19 ID:SzkhpInY
武内P「……!?……!?」
ちひろ「――はい、スタミナドリンクです♪」ニコニコ!
武内P「あ……ありがとう、ございます」
ちひろ「良いんですよ、プロデューサーさん」ニコニコ!
ちひろ「このスタドリは、料金に含まれてますから♪」ニコニコ!
武内P「えっ?」
ちひろ「――昨日のお店も、そうでしたよね?」ニコッ!
武内P「……」
武内P「……!?」
348:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/15(土) 20:41:41 ID:SzkhpInY
武内P「待ってください! 千川さん、待ってください!」
武内P「あの……何故、それを!?」
ちひろ「プロデューサーさんの、好みのタイプの子は居ますか?」ニコニコ!
ちひろ「キュート? クール? それともパッションですか?」ニコニコ!
武内P「お願いします、千川さん!」
武内P「話を……話を聞いてください!」
ちひろ「それじゃあ、各タイプから一人ずつにしますね♪」
ちひろ「そのまま、少しの間待っててください♪」ニコニコ!
武内P「いえっ、あの――」
ちひろ「失礼します」
ガチャッ…バタンッ!!!
武内P「……!?」
349:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/15(土) 20:46:12 ID:SzkhpInY
武内P「……さ、昨夜の事が知られている……!?」
武内P「何故……どうして……!?」
武内P「っ! 二人に、連絡を――」
ガチャッ!
武内P「っ!?」
まゆ「――うふ、失礼しますね」ニコッ!
美嘉「――ヤッホー★」ニコッ!
凛「…………」
武内P「……!」
350:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/15(土) 20:55:07 ID:SzkhpInY
武内P「お……おはよう、ございます」
まゆ「佐久間まゆ、16歳です。元読モの、アイドルです」ニコッ!
美嘉「アタシは、カリスマJKアイドル、城ヶ崎美嘉★ ヨロシクね★」ニコッ!
凛「…………」
武内P「い、いえ……それは、知っていますが……」
武内P「皆さん、どうして此処へ……?」
凛「……は? どうして? ねえ、今、そう言った?」
凛「ふーん、本当にわからないの? ねえ、どうなの?」
凛「……」
凛「――そんな事もわからないの!? ちょっと、ねえ!」
武内P「しっ、渋谷さん……!?」
351:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/15(土) 21:02:28 ID:SzkhpInY
まゆ「今日は、よろしくお願いしますねぇ」ニコッ!
美嘉「スタドリ飲み終わったら、何にする?」ニコッ!
武内P「い、いえ……あの……!?」
凛「何なの!? ふざけないでよ! ふざけないでよ!!」
凛「ねえ……ねえ! ねえねえねえ! ねえ! ねえ!!」
凛「私に、それを言わせる気!? 言わせる気なの!!?」
凛「言われなきゃわからないの!? ねえってば!!」
まゆ「うふ、最近は涼しい日が増えましたね」ニコッ!
美嘉「うんうん! だけどアタシ、ヘソ出しはやめられないなー★」ニコッ!
武内P「……!?」
352:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/15(土) 21:06:54 ID:SzkhpInY
まゆ「――綺麗な大人のお姉ちゃんに囲まれて、幸せ」
まゆ「――涼しいと人肌恋しくなっちゃう」
まゆ「……うふ、うふふっ」
まゆ「――そういう事を言ったって、本当ですか?」ニコッ!
武内P「……」
武内P「…………」
武内P「はい、言っていました」
353:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/15(土) 21:14:24 ID:SzkhpInY
まゆ「――あっ、すみません」
まゆ「ちょっと……呼ばれちゃいました」
武内P「い、いえ……どうぞ!」
武内P「私に構わず、行ってきてください!」
まゆ「……うふふっ、また――」
まゆ「――何かあったら」
まゆ「お話、聞かせてくださいねぇ」
まゆ「……失礼します」
ガチャッ…バタンッ
武内P「……」
354:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/15(土) 21:18:24 ID:SnHFo6bM
迷うことなく売ったな
355:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/15(土) 21:18:53 ID:SzkhpInY
武内P「……もう、ご存知なのですね」
美嘉「えー? 何の話か、わかんないなー★」
凛「良かったね! 昨日は、楽し――」
美嘉「凛」
凛「っ! でも!」
美嘉「凛、自己紹介、忘れてるよ」
凛「……」
凛「……渋谷凛、15歳」
武内P「……」
356:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/15(土) 21:25:33 ID:SzkhpInY
武内P「あの……も、申し訳ありませんでした」
美嘉「ヤダもー、何ー? 謝るとか、イミわかんないしー★」ニコニコ!
凛「っ……! 謝るくらいなら――」
美嘉「……凛」
美嘉「これ以上は、アタシも怒るよ」
美嘉「言ってるイミがわかんないなら、出ていきな」
凛「……ごめん」
美嘉「うん、オッケ! ホラホラ、笑顔笑顔★」
凛「それは……ちょっと、難しいかな」
武内P「……!」
357:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/15(土) 21:33:39 ID:SzkhpInY
美嘉「お待たせー★ ゴメンね、待たせちゃって★」ニコニコ!
武内P「い……いえ」
美嘉「あっ、そうだ! アタシ達も何か飲んで良い?」ニコニコ!
武内P「ど……どうぞ、ご自由に」
美嘉「アリガトーっ★ ご自由になんて、チョー気前良いジャン★」ニコニコ!
美嘉「――お仕事とか、何してるの?」
武内P「……げ、芸能プロダクションで……プロデューサーを……!」
美嘉「えー、マジ!? 凄いじゃん!」ニコッ!
美嘉「――昨日の夜は、葬儀屋だったのに」
武内P「……もう……!」
武内P「もう、勘弁してください……!」
358:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/15(土) 21:44:26 ID:SzkhpInY
美嘉「葬儀屋の、トップ営業マンじゃなかったんだー!★」ニコニコ!
美嘉「上司と同僚も一目置いてる、って話だったよね!」ニコニコ!
美嘉「……アハッ★ チョーウケるんですケドー!」ニコニコ!
武内P「待ってください!」
武内P「何故、そこまで詳細にご存知なのですか!?」
美嘉「えー? それよりさ、もっと違う話しよっ★」ニコニコ!
凛「……そうだね」
凛「――仕事で、困った、時の、話とか、どう?」ニコッ!
凛「……」
凛「――部下に、怒られて、怖かった、とか、さ」ギロッ!
武内P「……」
武内P「土下座で、宜しいでしょうか?」
359:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/15(土) 21:56:37 ID:SzkhpInY
美嘉「ウソッ、マジ!? ‘お兄さん’、その見た目でー!?」ニコニコ!
美嘉「ヤダー! チョーギャップー★ カワイイじゃーん★」ニコニコ!
美嘉「カワイ ★ カーワーイーイー★」ニコニコ!
武内P「……」
凛「ふっ、ふーん、今日、はっ……照れない、んだっ?」
凛「きっ、ききっ、昨日っ、は!……昨日は!」
凛「貴女の笑顔の方が可愛らしいですって!」
凛「そんな事言ってたのに! ふざけないでよ!」
武内P「……」
360:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/15(土) 22:02:19 ID:dFD6L4z.
これは単なるイジメやな
361:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/15(土) 22:04:24 ID:SzkhpInY
・ ・ ・
美嘉「――良い? アタシ達の言いたいコト、わかった?」
凛「――次に、キャバクラなんて行ったら、承知しないから」
ガチャッ…バタンッ!!!
武内P「……」
武内P「……何故」
武内P「どうして、こんな目に……!」
ガチャッ!
「「「――失礼します」」」
武内P「……」
武内P「えっ!?」
363:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/15(土) 22:09:18 ID:SzkhpInY
武内P「あの……まさかとは、思いますが」
武内P「城ヶ崎さんと、渋谷さんが退室されたのは……」
武内P「ローテーション、ですか?」
三人「はい」ニコッ!
武内P「……そう、ですか」
武内P「あと、何人の方が……控えているのでしょうか?」
三人「……」スッ
武内P「あと、三人……ですか」
三人「あと、三セットです」ニコッ!
武内P「……」
武内P「はい」
364:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/15(土) 22:15:11 ID:SzkhpInY
・ ・ ・
まゆP「――ふっざけんじゃねえぞ! クソッタレ!」
まゆP「キャバクラくらい自由に行かせろってんだ! なあ!?」
武内P「いえ、ですが……彼女達の言い分にも、一理あります」
まゆP「あぁん!? なんでえなんでえ、マジで言ってんのか!?」
まゆP「キャバクラで綺麗なお姉ちゃんに囲まれる自由くらいあるだろ!」
武内P「しかし、アイドルの方が嫌がられるのであれば……!」
まゆP「部長! この石頭に、何か言ってやってくださいよ!」
部長「……そうだねぇ」
部長「――ガールズバーは……セーフじゃないかな?」
まゆP「! ガールズ……」
武内P「……バー……!?」
365:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/15(土) 22:23:14 ID:SzkhpInY
まゆP「待ってくださいよ部長! あんなの、半分素人みたいなもんです!」
まゆP「当然、こっちも相応のトーク力が必要になります!」
まゆP「そんなガールズバーに、コイツを連れてこうってんですか!?」
武内P「えっ!?」
部長「いいや、キャバクラでの彼の立ち回りを見て、確信したよ」
部長「無口な車輪と思いきや、それで女の子達は逆に大盛り上がりだ」
部長「ああ……良い、夜遊びだった」
部長「――違うかね?」
武内P「いえ、あのっ!?」
366:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/15(土) 22:30:27 ID:SzkhpInY
まゆP「……部長ォォォォォ!」
がしっ!
部長「はっは! やはり、君もそう思ったか!」
武内P「ガールズバーでも、怒られるのでは!?」
まゆP「怒られないかも知れねえだろうが! 多分!」
部長「……君のその慎重さは、臆病からくるものだね」
部長「確かに、危険を冒さないのは、大いに結構だ」
部長「……だが――」
部長「――怖気づいた者に」
部長「彼女達の――アイドルの手を引く資格があるのかね?」
武内P「っ!?」
367:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/15(土) 22:38:16 ID:SzkhpInY
部長「そう思うのなら、ガールズバーへは私と彼だけで行こう」
武内P「……」
まゆP「……」
ぽんっ!
武内P「!」
まゆP「……!」コクリ!
武内P「……」
武内P「――笑顔です」
武内P「彼女達の――アイドルの、皆さんのために……」
武内P「ガールズバーへ、私もお供させてください」ニコッ
部長・まゆP「……良い、笑顔だ」
おわり
380:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/16(日) 21:49:17 ID:2Ty7cCYw
書きます
武内P「スタドリもう一本ですね!」
381:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/16(日) 21:52:35 ID:2Ty7cCYw
未央「プロデューサー、何言ってんの!?」
武内P「えっ!?」
卯月「どうして!? なんで、自信満々だったんですか!?」
武内P「いえ、しかし!」
凛「ねえ、ふざけてるわけ!?」
武内P「スタドリ一本では、効果がなかった場合……ですよね!?」
武内P「ならば……もう一本が、正解では!?」
未央・卯月・凛「~~っ! 違う!!」
382:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/16(日) 21:55:35 ID:2Ty7cCYw
未央「眠くて、しょうがない時だよ!?」
武内P「っ、はい……!」
卯月「もう、体力の限界って感じなんですよ!?」
武内P「っ、ええ……!」
凛「だったら、する事は一つでしょ!?」
武内P「――っ!」
武内P「スタドリ……二本ですか!?」
未央・卯月・凛「~~っ! そうじゃなくて!!」
383:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/16(日) 21:59:10 ID:2Ty7cCYw
未央「スタドリから! まず、スタドリから離れて!」
武内P「スタドリから……離れる……!?」
卯月「はい! そこで、物凄い眠気が襲ってきました!」
武内P「そんな……!?」
凛「そうしたら、プロデューサーはどうするの!?」
武内P「――っ!」
武内P「眠気と戦いながら……スタドリを目指します!」
未央・卯月・凛「~~っ! だーかーらー!!」
384:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/16(日) 22:01:55 ID:2Ty7cCYw
未央「ピッピー! はい、スタドリ禁止タイム!」
武内P「っ!? 待ってください!」
卯月「待ちません! スタドリ禁止です!」
武内P「あのっ! それは、あまりにも!」
凛「そうしたら、さすがにする事はわかるでしょ!?」
武内P「っ……!」
武内P「タイム終了まで……頑張ります!」
未央・卯月・凛「~~っ! 耐えるんじゃなくて!!」
385:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/16(日) 22:06:07 ID:2Ty7cCYw
未央「じゃあ、一週間スタドリ禁止!」
武内P「えっ!? ま、待ってください!」
卯月「頑張らないでください! お願いします!」
武内P「えっ!? あの、何故ですか!?」
凛「一週間スタドリが飲めないんだよ! どうするの!?」
武内P「お……大きな声では、言えませんが……」
武内P「裏ルートから……入手します」
未央・卯月・凛「~~っ! ああ、もうっ!!」
386:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/16(日) 22:10:04 ID:2Ty7cCYw
未央「プロデューサー、昨日はちゃんと寝た!?」
武内P「……………………はい」
卯月「その間、思いっきり嘘じゃないですかぁ!」
武内P「いえ、ですが! 大丈夫です!」
凛「どこが!? ねえ、どうして大丈夫なんて言えるの!?」
武内P「スタドリが! スタドリがあれば!」
武内P「見てください! 四日寝ていなくても、この通りです!」
未央・卯月・凛「……」
未央・卯月・凛「四日!!?」
387:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/16(日) 22:14:13 ID:2Ty7cCYw
未央「四日寝てないの!? えっ、マジ!? 四日!?」
武内P「……………………はい」
卯月「プロデューサーさん!? 本当に、四日ですか!?」
武内P「笑顔です。皆さんの笑顔が、私の活力です」
凛「答えになってない! ねえ、本当は!?」
武内P「……いつか、です」
未央・卯月・凛「五日!!?」
未央・卯月・凛「……」
未央・卯月・凛「違う!! いつか、覚えてないやつ!!」
388:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/16(日) 22:20:19 ID:2Ty7cCYw
未央「寝てよ! ねえ、ちゃんと寝てよ! お願いだから!」
武内P「しかし、仕事が!」
卯月「そこまで睡眠時間を削らないと駄目なんですか!?」
武内P「大丈夫です! しかし、スタドリがあれば寝なくとも!」
凛「大丈夫なら寝てよ! このままじゃ、どうにかなっちゃう!」
武内P「いえ、問題ありま……うぐっ!?」ビクッ!
未央・卯月・凛「!?」
武内P「あ、うぁ……ね、眠気が……!」ガクガクッ!
未央・卯月・凛「!!!」
389:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/16(日) 22:24:50 ID:2Ty7cCYw
武内P「す、スタドリ……早く、スタドリを……!」ガクガクッ!
未央「! しまむー、しぶりん! スタドリを!」
卯月「! はいっ!」
凛「うん、わかった!」
武内P「みっ、皆さん!? な、何を……ぉお……眠い……!」ガクガクッ!
未央「全部! 全部持って、遠ざけて! 早く!」
卯月「! 凛ちゃん、引き出しの中をお願いします!」
凛「今確認してる! っ! ギッシリ……引き出しごと持っていく!」
武内P「か……返し、うぅんむ……!」ガクガクッ!
武内P「あぅあ……ね、眠……!」ガクガクガクガクッ!
未央・卯月・凛「……!」
390:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/16(日) 22:30:00 ID:2Ty7cCYw
武内P「あぅ……ぁ……んむ……」ガクガクガクガクッ!
未央「早く……! 早く、眠って……!」
卯月「お願いです……お願いします……!」
凛「誰も責めないから……! 寝て良いから……!」
武内P「ぅ……ぁ……」ガクガクガクガクッ!
ゴソ…ゴソッ
未央・卯月・凛「? 胸のポケットを漁って……?」
武内P「――んっ」ガクガクガクガクッ!
―ごくんっ!
未央・卯月・凛「何か……飲んだ?」
391:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/16(日) 22:33:33 ID:2Ty7cCYw
武内P「ぁ……ぅぁ……」ガクガクガクガクッ!
武内P「ぉ……ぉぁ……」ガクガクガクッ!
武内P「ぁ……ぁ……」ガクガクッ!
武内P「ん……っく」…プルプルッ
武内P「……ふぅ」…ピタッ
武内P「……皆さん」
武内P「スタドリを返して頂けますか?」
未央・卯月・凛「待って!! 待って待って待って!!!」
392:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/16(日) 22:39:33 ID:2Ty7cCYw
未央「ねえ、何を飲んだの!?」
武内P「スタドリ、ですね」
卯月「でっ、でも! そんな風には見せませんでした!」
武内P「そう、ですね。皆さんの前では、初めてですね」
凛「はあっ!? 納得のいく説明を聞かせて!」
武内P「私が服用したのは、錠剤タイプのスタドリです」
未央・卯月・凛「錠剤タイプ!?」
武内P「液体タイプに比べると……はい」
武内P「やや、効き目が遅いのが難点ですね」
未央・卯月・凛「だから!!?」
393:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/16(日) 22:46:28 ID:2Ty7cCYw
武内P「はい、なので――」
武内P「――やはり、普段のスタドリが一番です」
未央「そういう事じゃなくて!」
武内P「えっ?」
卯月「無理に起き続けないでください!」
武内P「あ、いえ……しかし」
凛「何!? 何か、眠れない理由でもあるの!?」
武内P「……」
武内P「寝たら……起きられるか、不安で」
未央・卯月・凛「そんなのっ!」
未央・卯月・凛「……」
未央・卯月・凛「……ああ」
394:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/16(日) 22:54:44 ID:2Ty7cCYw
未央「起きられは……するんじゃない?」
武内P「だとしても、反動で……いつ、起きられるか」
卯月「そっ、そんな……反動を気にするほどですか!?」
武内P「……申し訳、ありません」
凛「あのさ……もう、病院に行った方が良いと思う」
武内P「実は……もう、既に」
未央・卯月・凛「えっ?」
武内P「……抜け出して、此処に居ます」
未央・卯月・凛「……!?」
395:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/16(日) 23:01:16 ID:2Ty7cCYw
未央「嘘でしょ!? 脱走してきてるの!?」
武内P「……この写真を見てください」
卯月「写真!? えっ、と……これは、私達の初LIVEの時の」
武内P「貴女達を見ているお客さんは、良い笑顔をしています」
凛「……うん、そうだね――って、だから何!?」
武内P「笑顔の力――パワーオブスマイル」
武内P「……」ボソボソッ
武内P「……の力――スタミナドリンク」
未央・卯月・凛「何て!?」
武内P「その二つがアレば、私は大丈夫です」
未央・卯月・凛「……!?」
396:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/16(日) 23:07:14 ID:2Ty7cCYw
武内P「皆さんのお心遣い、とても嬉しく思います」
武内P「ですが、これは――」
…ドサッ!
未央「っ!? ちょっと、プロデューサー!?」
卯月「椅子から倒れ……だっ、大丈夫ですか!?」
凛「ねえ、しっかりして! プロデューサー!」
武内P「――必要な事です」
武内P「本来ならば、休息を入れるべきなのでしょうが……」
武内P「……輝く皆さんから、目を離す事が出来ませんので」
未央「思いっきり天井しか見えてないって――っ!」
卯月「倒れてる事にすら気付いてないじゃないですか――っ!」
凛「プロデューサー! プロデューサ――っ!!」
397:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/16(日) 23:17:31 ID:2Ty7cCYw
武内P「ほ……本田さん……?」
未央「プロデューサー! しっかり!」
武内P「し……島村さん……?」
卯月「はいっ! 島村卯月、ここに居ます!」
武内P「シブヤサーン」
凛「うん!……うん!?」
武内P「申し訳……ありません」
武内P「このまま、少しだけ……横に……」
武内P「今なら……不思議と、眠れそうなのです……」
未央・卯月「っ! はいっ!」
凛「いや、ちょっと待って」
凛「ねえ、なんで私だけちょっと外人風に呼んだの!?」
398:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/16(日) 23:23:34 ID:2Ty7cCYw
未央「シッ! 静かに、しぶりん!」ボソボソ!
凛「いや、だけど……!?」ボソボソ!
卯月「きっと、寝ぼけてただけですよ!」ボソボソ!
凛「寝ぼけたらあんな呼び方になるの!?」ボソボソ!
武内P「三十分……三十分、した……ら……」
武内P「起こして……頂け……る、と……」
未央「――任せて、プロデューサー」ニコッ!
卯月「――島村卯月、頑張って起こします」ニコッ!
武内P「……良い、笑顔です」
武内P「……zzz」
凛「……起きたら、話を聞かせて貰うから」ボソッ
399:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/16(日) 23:28:02 ID:2Ty7cCYw
・ ・ ・
ガチャッ!
ちひろ「おはようござ――」
未央・卯月・凛「ちひろさんっ!!」
ちひろ「ふえっ!? どっ、どうしたの!?」
未央「プロデューサーが……! プロデューサーが!」
卯月「スタドリを飲ませても、反応がないんです!」
武内P「」
凛「起きて! 起きてよ! 起きてったら、プロデューサー!!」
ちひろ「……!」
401:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/16(日) 23:38:18 ID:2Ty7cCYw
・ ・ ・
武内P「……死ぬかと思いました」
ちひろ「お願いします、プロデューサーさん」
ちひろ「個人の……いえ、人間の出来る範疇で頑張ってください」
武内P「……申し訳、ありません」
武内P「しかし……起こすために、スタドリを飲ませようとするとは」
武内P「……思ってもみませんでした」
ちひろ「ただ、思いっきりグッスリ寝てただけ……ですもんね」
402:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/16(日) 23:43:26 ID:2Ty7cCYw
ちひろ「でも、もうこれで懲りましたよね?」
武内P「……そう、ですね」
ちひろ「わかったら、今日はもう帰って寝てください!」
武内P「あっ、いえ、ですが……!」
ちひろ「罰として、今日のログインボーナスは無し!」
ちひろ「……と言うか、そもそもですよ?」
ちひろ「今日は……出勤じゃ、ないですよね?」ニコッ!
武内P「……良い、笑顔です」
武内P「しかし……これは――」
武内P「一本、取られてしまいましたね」
おわり
417:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/17(月) 21:57:49 ID:BUp2l9KY
書きます
武内P「○○しないと……」奏「開かない部屋よ」
418:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/17(月) 22:01:20 ID:BUp2l9KY
武内P「普通の、マンションの一室では……?」
奏「そう見えるだけ、みたいね」
武内P「確か……スタドリを飲んだら、急に眠気に襲われ……」
奏「私も、エナドリを飲んで……気付いたら、此処に居たの」
武内P「そして……テーブルの上の、あのフリップ」
奏「そう――」
奏「○○しないと、開かない部屋」
奏「……って、書いてあるわね」
武内P「……」
419:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/17(月) 22:04:06 ID:BUp2l9KY
奏「……はぁ、随分と手の込んだ悪ふざけよね」
武内P「……」
奏「それにしても、どうして私達なのかしらね」
武内P「……外に出られないか、確認してみます」
奏「無駄よ。ドアは開かないし――」
奏「――カーテンの向こうは、コンクリートだったわ」
武内P「……」
奏「ふふっ、どうする? もう少し、ゆっくりしていく?」
武内P「……」
420:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/17(月) 22:06:18 ID:BUp2l9KY
武内P「外に連絡を……」
奏「携帯、持ってる?」
武内P「……っ!?」
奏「ね? ジタバタしても無駄なのよ」
武内P「いえ、ですが……!」
奏「とぼけちゃって……もう、わかってるんでしょ?」
奏「何をすれば、あのドアが開くのか……ね」
武内P「……」
421:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/17(月) 22:09:10 ID:BUp2l9KY
武内P「ですが……しかし……!」
奏「犯人は、カメラか何かで見てるんじゃないかしら」
武内P「……」
奏「見せつける? それとも、隠れてする?」
武内P「……」
奏「ふふっ、どちらにせよ……熱い方が好みかな」
武内P「……」
422:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/17(月) 22:11:54 ID:BUp2l9KY
武内P「それは……出来ません」
奏「でも、外に出られないと困るんじゃない?」
武内P「……」
奏「早く出ないのでも、それはそれで問題じゃないかしら」
武内P「問題……ですか?」
奏「アイドルとプロデューサーとは言え、男と女だもの」
奏「色々と、まずいんじゃない?……ふふっ!」
武内P「……」
423:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/17(月) 22:14:47 ID:BUp2l9KY
奏「誰かに強制されて、っていうのは趣味じゃないけど……」
武内P「……」
奏「どうするかを決めるのは、貴方自身」
武内P「……」
奏「このフリップの指示に従うかは、貴方の意思で――」
奏「――……あら?」
奏「○○の部分が、めくれるようになってるわね……」
…ペリペリッ
『爆笑』
奏「……えっ?」
『爆笑しないと、開かない部屋』
奏「……」
奏「えっ!?」
424:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/17(月) 22:17:47 ID:BUp2l9KY
武内P「? 速水さん?」
奏「……ねえ」
武内P「どうか……されましたか?」
奏「貴方って、家事とか得意?」
武内P「速水さん? 何が書いて……」
奏「……」
…スッ
『爆笑しないと、開かない部屋』
武内P「……」
武内P「……はい、一通りは」
奏「……そう」
武内P・奏「……」
425:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/17(月) 22:22:42 ID:BUp2l9KY
奏「……とりあえず、最悪のケースは避けられるわね」
武内P「……そう、ですね」
奏「長期戦に……なりそうね」
武内P「……申し訳、ありません」
奏「ごめんなさい……少し、怒りを吐き出すわ」
武内P「……どうぞ」
奏「――難易度高すぎるわよ!!」カーッ!
奏「……お待たせ」
武内P「……いえ、問題ありません」
427:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/17(月) 22:28:38 ID:BUp2l9KY
奏「普通はさ……私で、○○なら、キスと思うわよね」
武内P「ええ、私も……そう、思いました」
奏「メインターゲット、貴方じゃない」
武内P「……申し訳、ありません」
奏「どうするのよ……出られるの? これ」
武内P「あくまでも、可能性ですが……」
武内P「私でなく、速水さんが爆笑した場合は……」
武内P「……どう、なるのでしょうか?」
奏「……」
奏「えっ?」
428:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/17(月) 22:31:45 ID:BUp2l9KY
奏「まっ、待って? 何言ってるの?」
武内P「こちらのフリップには、名前は記載されていません」
奏「そ、そうだけど……でも」
武内P「私でなくとも、速水さんが爆笑すれば……」
奏「……出られる、って事?」
武内P「可能性は……十分、考えられます」
奏「……」
武内P「……」
武内P・奏「……」
429:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/17(月) 22:35:34 ID:BUp2l9KY
武内P「速水さん……笑顔です」
奏「ちょっ、ちょっと待って」
武内P「貴女の爆笑が見たい、と」
武内P「……そう、思います」
奏「待ってったら!」
奏「……い」
奏「意識したら、爆笑って物凄く難しいわよ!?」
武内P「ですが……私が爆笑するよりは、ですね」
武内P「……大幅に、難易度が下がるかと」
奏「そ、それはそうだけど……!」
430:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/17(月) 22:42:34 ID:aMJNyjB6
431:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/17(月) 22:44:49 ID:BUp2l9KY
武内P「速水さん……頑張ってください」
奏「貴方も当事者なんだから、他人事みたいに言わないで貰える!?」
武内P「……笑顔で、頑張ってください」
奏「っ……!?」
奏「――ねえ、貴方ってプロデューサーでしょう?」
奏「なら、アイドルの私を笑顔にするのが仕事なんじゃないの?」
武内P「っ! いえ、ですが……!」
奏「違うかな?」
武内P「……わかりました」
武内P「貴女は私の担当ではありませんが……」
武内P「……精一杯、努力させていただきます」
奏「……ふふっ! 期待してるわ!」
432:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/17(月) 23:01:17 ID:BUp2l9KY
・ ・ ・
武内P「――サラダには、何をかけますか?」
奏「そうね、ドレッシングは何がある?」
武内P「確か、冷蔵庫に何種類か……」
奏「オーケー、見てみるわ」
武内P「お手数をおかけします」
武内P・奏「……」
奏「……やっぱり、無理だったわね」
武内P「……そうですね」
433:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/17(月) 23:07:36 ID:BUp2l9KY
奏「そもそも、爆笑しなきゃいけない、っていうのがプレッシャーだわ」
武内P「確かに……そうかも知れませんね」
奏「どこからが爆笑か、っていうのも曖昧だし」
武内P「……速水さんが、最後に爆笑されたのは……?」
奏「……いつだったかしら」
奏「……あれ?」
奏「……いつだっけ……?」
武内P「……」
434:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/17(月) 23:14:43 ID:BUp2l9KY
武内P「……成る程」
武内P「この状況を作った人間の、意図」
武内P「それが……理解出来ました」
奏「えっ?」
武内P「速水さんの、年齢にそぐわない大人びた笑みは、魅力的です」
武内P「ですが……爆笑と言える程の、笑い方」
武内P「それが、出来る様になった時」
武内P「貴女は、今よりも、もっと大きな輝きを放つだろう、と」
武内P「……そう、思います」
奏「……」
436:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/17(月) 23:27:37 ID:BUp2l9KY
奏「そうね……確かに、貴方の言う通りかも知れないわ」
武内P「速水さん、頑張りましょう」
奏「ええ、ご飯を食べ終わったら、再開しましょう」
奏「次は……何に挑戦する?」
武内P「そう、ですね……ですが、その……」
武内P「もう一度、パスタに挑戦しても宜しいですか?」
奏「……」
奏「えっ?」
437:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/17(月) 23:34:16 ID:BUp2l9KY
・ ・ ・
コン、コンッ
武内P「……どうぞ」
ガチャッ!
奏「はぁい、チャーミングなプロデューサーさん」
奏「……っふふふっ!」
武内P「……」
奏「ああ、駄目……! 思い出したら、つい……っくくっ!」
武内P「……」
438:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/17(月) 23:42:01 ID:BUp2l9KY
奏「あんなに笑ったのは、久しぶりだったわ……っふふっ!」
武内P「……そうですか」
奏「話に夢中になって、パスタを茹ですぎるなんて、ね」
武内P「……」
奏「……ふっふふふっ! あぁ、駄目っ!」
武内P「……また、機会がありましたら」
武内P「次は、ちょうど良い茹で時間で、あげてみせます」
奏「……」
奏「もっ……もうやめて……ぅっくくっ!」
武内P「……」
439:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/17(月) 23:49:13 ID:BUp2l9KY
奏「はぁ……ふふっ!」
奏「せっかくだけど、遠慮しておくわ」
奏「……それに――」
奏「万が一、っていう事もあるでしょう?」
武内P「待ってください!」
武内P「そんな事は、決して!」
奏「もうっ……お腹が膨れるのは、勘弁してね?」
奏「だって私、アイドルだから、ね」
武内P「……はい」
武内P「絶対に気をつける、と」
武内P「……そう、約束します」
440:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/17(月) 23:57:11 ID:BUp2l9KY
奏「それじゃあ、その時を楽しみにしてるわ」
武内P「あの、速水さん?」
武内P「用件は……何だったのでしょうか?」
奏「ああ、それはもう良いのよ」
武内P「えっ?」
奏「話は、済んだから」ニコッ!
武内P「……良い、笑顔です」
441:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/18(火) 00:06:22 ID:.2YaDxCI
・ ・ ・
武内P「……また、ですか」
武内P「……」
武内P(あの一件以来、速水さんの笑顔の輝きは……増している)
武内P(あまりにも強引な手段だと思ったが……有効、ではある)
武内P(今回は……誰を爆笑させなければ、ならないのだろうか)
武内P(……いや、誰でだろうと、関係無い)
武内P「……良い、笑顔のために」
442:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/18(火) 00:12:32 ID:.2YaDxCI
武内P「しかし……誰も、居ない……?」
『○○しないと、開かない部屋』
武内P「どこか、別の部屋に居るのだろうか?」
武内P「……これは……はがしておこう」
…ペリペリッ
『反省』
武内P「……えっ?」
『反省しないと、開かない部屋』
武内P「……」
武内P「何を……?」
おわり
450:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/18(火) 22:17:52 ID:.2YaDxCI
書きます
武内P「9月19日は、出勤しません」
451:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/18(火) 22:21:56 ID:.2YaDxCI
CPアイドル達「えっ?」
武内P「正確には、此処には来ない……という事です」
美波「あの……どうして、ですか?」
武内P「地方公演の打ち合わせ、ですね」
武内P「特に、問題は無いと思いますが……」
武内P「何か、質問はありますか?」
アーニャ「……ニェート」
武内P「……」
武内P「アナスタシアさん?」
452:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/18(火) 22:24:20 ID:.2YaDxCI
・ ・ ・
武内P「どう……したものでしょうか」
ちひろ「う~ん、難しい所ですよね」
武内P「……」
ちひろ「忘れてたわけじゃ、ないんですよね?」
ちひろ「アーニャちゃんの、お誕生日」
武内P「それは……はい、勿論です」
武内P「ですが、その……」
武内P「……」
ちひろ「……はぁ」
453:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/18(火) 22:29:54 ID:.2YaDxCI
ちひろ「こんな風になるとは、思わなかった……ですか?」
武内P「……はい」
武内P「私が居なくとも、問題はない、と」
武内P「……そう、思っていました」
ちひろ「アーニャちゃん、普段ワガママ言いませんもんね」
武内P「そう、ですね」
ちひろ「そのアーニャちゃんが、拗ねちゃうなんて……」
武内P「はい……想像すらしていませんでした」
武内P・ちひろ「……」
454:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/18(火) 22:36:13 ID:.2YaDxCI
武内P「ですが……」
ちひろ「お仕事ですし……しょうがないですよね」
武内P「そう、思ってはいるのですが……」
ちひろ「きっと……アーニャちゃんも、そう思ってますよね」
武内P・ちひろ「……」
ちひろ「……頭ではわかってても、ってやつですよね」
武内P「……」
ちひろ「……」
武内P・ちひろ「……はぁ」
455:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/18(火) 22:42:49 ID:.2YaDxCI
・ ・ ・
美波「――アーニャちゃん、機嫌を直して? ねっ?」
アーニャ「ニェッ!」プイッ!
美波「プロデューサーさんも、謝ってたでしょ?」
アーニャ「ニェッ!」プイッ!
美波「アーニャちゃん……」
アーニャ「……」ツーン!
CPアイドル達「……」
アーニャ「……」ツーン!
456:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/18(火) 22:48:20 ID:.2YaDxCI
未央「まっ、まあまあ! 次の日は、顔を合わせるんだしさ!」
アーニャ「ニェッ!」プイッ!
卯月「あっ! 次の日に、個別にお祝いして貰うのはどうですか!?」
アーニャ「ニェッ!」プイッ!
凛「ワガママ言ったって、どうしようも無いんじゃないの」
アーニャ「……」
アーニャ「……!」プクー!
CPアイドル達「……」
凛「……なっ、何?」
凛「私、別に変なこと言ってなくない!?」
457:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/18(火) 22:54:52 ID:.2YaDxCI
蘭子「……生誕の日は、魔力に満ちていなければならない」
アーニャ「……ダー」コクリ
智絵里「み、皆でお祝い……したいよね」
アーニャ「……ダー」コクリ
かな子「誕生日ケーキは、美味しいし……いくら食べても大丈夫なのに」
アーニャ「……」
アーニャ「……!」ウルウルッ!
CPアイドル達「……!」アワアワ!
458:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/18(火) 23:03:36 ID:.2YaDxCI
きらり「にょわわっ!? なっ、泣いたらもっと悲すぃー気持ちになっちゃうにぃ!」アワアワ!
アーニャ「……!」ウルウルッ!
杏「19日と20日で連休みたいだしさ、それで元気になれない?」アワアワ!
アーニャ「……!」ウルウルッ!
莉嘉「あっ、アタシも休みだよ! チョー盛り上げる気でいたし!☆」アワアワ!
みりあ「みりあもみりあも! だって、誕生日だもんね!」アワアワ!
凛「確か、全員休みだよね! 珍しく!」
アーニャ「……なのに……プロデューサーは……!」ウルウルウルウルッ!
CPアイドル達「……」
凛「わかったから! もう喋らないから!」
凛「……それで満足!?」
459:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/18(火) 23:11:52 ID:.2YaDxCI
みく「もしかして……全員休みだから出張の予定を……?」
李衣菜「だから……此処に顔を出す必要は無い、って……」
CPアイドル達「……あー」
CPアイドル達「……」
アーニャ「……!」ウルウルウルウルッ!
ガチャッ!
美嘉「ヤッホー★ ちょっと顔を見に――」
美嘉「――……って」
美嘉「何……? この空気……?」
460:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/18(火) 23:17:48 ID:.2YaDxCI
・ ・ ・
美嘉「――なるほどねぇ、そういうコトか」
未央「美嘉ねぇ! 何か、良い方法無い!?」
美嘉「ん、あるよ」
卯月「そうですよね……ありますよね……」
CPアイドル達「……」
CPアイドル達「えっ!?」
凛「……あるの!?」
美嘉「あるある。フツーにあるよー★」
アーニャ「しっ……シトー……?」
461:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/18(火) 23:24:11 ID:.2YaDxCI
蘭子「どっ、どどどど、どげんすっと!?」
美嘉「えっ? だってアンタ達、全員休みなんでしょ?」
CPアイドル達「……!」コクリ!
美嘉「着いてっちゃえば良くない?」
智絵里「で、でも……迷惑にならないかな……?」
かな子「そう言ったら、駄目って言われちゃうかも……」
美嘉「じゃあさ、こういうのは?」
美嘉「アンタ達が、急にプチ旅行がしたくなって……」
美嘉「……その先が、たまたまアイツの出張先、ってね★」
CPアイドル達「……!」
アーニャ「……!」
462:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/18(火) 23:32:12 ID:.2YaDxCI
杏「――たまには、家で休むのを休むのも必要だよねぇ」
きらり「うっきゃ~っ☆ 皆で旅行、楽しみだにぃ☆」
アーニャ「……皆」
莉嘉「お姉ちゃん、マジでスゴイ! チョー頭イイ!」
みりあ「ねえねえ! 美嘉ちゃんも一緒に行こうよ!」
美嘉「アタシは……う~ん、夜からなら合流出来る……かな?」
美波「……ふふっ!」
美波「皆で旅行だって、アーニャちゃん」
美波「――とっても頼みね♪」ニコッ!
アーニャ「……ダー!」
アーニャ「とても、凄く、アー、ンー……楽しみ! 楽しみ、です!」ニコッ!
463:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/18(火) 23:39:23 ID:.2YaDxCI
みく「――ちょ~っと待つにゃ!」
CPアイドル達「……?」
李衣菜「どうしたの、みくちゃん」
みく「皆……学校はあるでしょー?」
CPアイドル達「あっ」
李衣菜「学校をサボるのは……良くないよね」
みく「全然ロックじゃない発言だけど、この際置いておくにゃ」
みく「学校を休んで、ってなったら……」
みく「Pチャン……多分、複雑だと思うにゃ」
CPアイドル達「……」
アーニャ「……」
464:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/18(火) 23:46:47 ID:.2YaDxCI
未央「じゃあ、学校が終わった後に集合して……」
卯月「それで、夜の22時を過ぎないように……」
凛「うん。美波は兎も角、私達はそこがタイムリミット」
アーニャ「ミオ、ウヅキ、リン……?」
蘭子「我が友に悟られぬよう、魔力を秘匿すべき!」
美波「皆の、19日の予定を教えて貰える? 調整しないと」
アーニャ「ランコ、ミナミ……?」
465:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/18(火) 23:55:37 ID:.2YaDxCI
智絵里「わたし、交通手段を調べておきます!」
かな子「私は、帰ってケーキの用意を!」
杏「それじゃあ、杏は皆の応援を!」
アーニャ「……チエリ、カナコ、アンズ」
きらり「うぇへへ! ぜ~ったい、ハピハピするゆ!☆」
莉嘉「トーゼン! カリスマJCの本気、出しちゃうよ!☆」
みりあ「ねえねえ! なんだか、す~っごく楽しいね!」
CPアイドル達「ねっ!」ニコッ!
アーニャ「……!」ウルウルッ!
466:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 00:02:05 ID:Ml8WrZfE
アーニャ「スパシーバ……ありがとう、ございます……!」ウルウルッ!
アーニャ「……全部、私の、ワガママ……です」ウルウルッ!
アーニャ「なのに……」ウルウルッ!
みく「な~に言ってるにゃ、あーにゃん!」
みく「たまには、ワガママを言わないと駄目にゃ!」
みく「それこそ――年に一回くらいは!」ニコッ!
アーニャ「……!」
アーニャ「ダー!」ニコッ!
李衣菜「そうそう! ストラ しないだけ、全然良いって!」
みく「にゃっ!? それは言わない約束でしょー!?」
CPアイドル達「……あははははっ!」
467:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 00:11:28 ID:Ml8WrZfE
・ ・ ・
――コンコンッ!
ガチャッ!
CPアイドル達「――失礼します!」
ちひろ「どっ、どうしたの皆?」
CPアイドル達「……あれ?」
CPアイドル達「……」
CPアイドル達「……居ない?」
ちひろ「居ないって……プロデューサーさん?」
CPアイドル達「……」コクリ
469:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 00:43:23 ID:Ml8WrZfE
ちひろ「プロデューサーさんなら――」
ちひろ「――社用車の使用申請の変更に行ってるわよ」
CPアイドル達「えっ?」
ちひろ「19日からの予定だったけど……18日からに、ね」
ちひろ「先方も、時間の変更を快く承諾してくれたみたいだし……」
ちひろ「――19日の、18時には、戻ってこられるんじゃないかしら?」
CPアイドル達「……えっ?」
アーニャ「シトー……?」
470:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 01:01:57 ID:Ml8WrZfE
・ ・ ・
武内P「……」
武内P「ん……事務所前に、人が――」
CPアイドル達「おかえりーっ!」
武内P「――……皆さん?」
アーニャ「プロデューサー!」ニコニコ!
武内P「……アナスタシアさん」
武内P「……良い、笑顔です」
471:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 01:14:38 ID:Ml8WrZfE
・ ・ ・
武内P「――待ってください! 皆さん、待ってください!」
CPアイドル達「ワガママ言わないで!」
グイグイッ!
武内P「いえ、ワガママではなく!」
武内P「女子寮でのパーティーには、出席出来ません!」
アーニャ「フフフッ! ダヴァイ♪ ダヴァイ♪」ニコニコ!
グイグイッ!
武内P「お願いします! その、本当に待ってください!」
472:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 01:34:36 ID:Ml8WrZfE
アーニャ「プロデューサーは、帰ってきてくれましたね?」ニコニコッ!
アーニャ「アーニャ、とっても嬉しい♪」ニコニコッ!
武内P「ぷっ、プレゼントは! 今、お渡しします!」
アーニャ「ニェート♪ ニェニェニェニェ~~ット♪」ニコニコ!
武内P「っ……!?」
アーニャ「ストラ は、駄目、です♪」ニコッ!
CPアイドル達「パーティーに出るまでが、誕生日♪」ニコッ!
武内P「……良い、笑顔です」
武内P「……」
武内P「いえ、あの……本当に、待ってください!」
473:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 01:44:37 ID:Ml8WrZfE
・ ・ ・
ちひろ「それで……どうしたんですか?」
武内P「……皆さんの笑顔には、かないませんでした」
ちひろ「えっ!? 女子寮、入ったんですか!?」
武内P「ああ、いえ……それだけは、何とか」
ちひろ「?」
武内P「会場が、一階の食堂だったので……ですね」
武内P「窓を開けて頂き、建物から10メートル程離れて……はい」
ちひろ「……」
武内P「頑張って、出席しました」
おわり
479:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 11:22:30 ID:MGYOiJH2
トラプリ特に奈緒と仲良くなる方法を武内Pに相談する常務、なぜかそれを邪魔する加蓮
480:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 21:58:39 ID:Ml8WrZfE
>>479
書きます
武内P「コミュニケーション、ですか」
481:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 22:00:57 ID:Ml8WrZfE
専務「そうだ」
専務「クローネは、私が直々に集めたお姫様達」
専務「彼女達とのコミュニケーションは必要だろう」
武内P「……確かに、その通りですね」
専務「だが……どうも上手くいかない」ションボリ
武内P「……」
482:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 22:04:14 ID:Ml8WrZfE
専務「クローネでも、比較的話しやすいと思われる――」
専務「――神谷奈緒」
専務「まずは、彼女とコミュニケーションを取ろうと思っているのだが」
武内P「……なるほど」
武内P「では、失礼します」
専務「待ちなさい。まだ、話は終わっていない」
武内P「……」
483:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 22:08:11 ID:Ml8WrZfE
・ ・ ・
武内P「――と、言うわけです」
加蓮「やめて」
武内P「えっ?」
加蓮「あの人に、協力しないで」
武内P「……申し訳、ありません」
武内P「協力しなければ、社長に言いつける、と」
武内P「……そう、言われてしまいまして」
加蓮「……」
484:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 22:11:15 ID:Ml8WrZfE
武内P「北条さんは……専務が、苦手なのですか?」
加蓮「まあ……普段は、そこまでじゃないけど」
武内P「では、どうして……?」
加蓮「……」
加蓮「距離の詰め方が……アメリカンすぎて」
武内P「……」
武内P「えっ?」
485:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 22:14:54 ID:Ml8WrZfE
武内P「すみません……意味が、よく」
加蓮「ほら、専務って……アメリカに研修に行ってたんでしょ?」
武内P「ええ、その通りです」
加蓮「そのせいか、グイグイきすぎって言うか……」
加蓮「とにかく、ホントにアメリカンなの」
武内P「それは……どの様な、感じなのでしょうか?」
加蓮「……それは――」
ほわほわ~ん
486:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 22:19:04 ID:Ml8WrZfE
専務『……』
加蓮『……あっ』
加蓮(専務だ……挨拶、しなきゃだよね)
加蓮『――おはようございます』
専務『……ん』
専務『……』
専務『ハーイ、加蓮! 調子はどう?』
加蓮『!?』
487:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 22:22:01 ID:Ml8WrZfE
武内P「――待ってください!」
武内P「あの……それは、本当ですか!?」
加蓮「この目が、嘘を言ってる目に見える?」
武内P「……いえ、見えません」
加蓮「話、続けて良い?」
加蓮「……まだまだ、これからだから」
武内P「……」
加蓮「……それから――」
ほわほわ~ん
489:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 22:27:35 ID:Ml8WrZfE
加蓮『は、はい……体調は、良いです』
専務『オーケー、それを聞いて安心したわ!』
加蓮『せ、専務は……凄く、元気そうですね』
専務『ふふっ! そう見える?』
加蓮『その……はい』
専務『なら、それはキミのおかげだ』
専務『だって、具合が良い話を聞かせてくれたからね!』
専務『HAHAHAHAHA!』
加蓮『……』
加蓮『……はい』
490:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 22:30:42 ID:Ml8WrZfE
武内P「――待ってください!」
武内P「少し下品なアメリカンジョークも言うのですか!?」
加蓮「えっ? 下品って……どこが?」
武内P「何でもありません」
加蓮「まあ……最近は、こんな感じでさ」
加蓮「強火過ぎて……ホントしんどいの」
武内P「……」
武内P「状況は……理解しました」
491:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 22:37:04 ID:Ml8WrZfE
加蓮「最近は、メンバー全員に対してこんな感じで」
武内P「他の方にも……!?」
加蓮「むしろ、私だけの方が嫌」
武内P「しかし……何人かは、対応が出来そうな方も」
加蓮「と、思うでしょ?」
加蓮「仕事の時は、普通に真面目モードなんだよね」
加蓮「その真面目モードと、アメリカンモードの緩急が凄すぎて……」
武内P「……」
武内P「それは……困りますね」
492:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 22:41:18 ID:Ml8WrZfE
加蓮「今でさえ、こんな感じなんだよ?」
加蓮「それなのに……ねえ?」
武内P「ええ……そうですね」
武内P「今よりも、もっとアメリカン――フランクになる可能性が」
加蓮「それだけなら良いんだけどさ」
加蓮「奈緒に……アメリカンがうつったら、って」
加蓮「そう考えると、もう、ホント無理」
武内P「アメリカンが……うつる?」
加蓮「……うん、例えば――」
ほわほわ~ん
493:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 22:45:41 ID:Ml8WrZfE
奈緒『ソーリー! 待たせたな!』
加蓮『う、ううん、全然』
奈緒『今日も、帰りにどこか寄って帰るだろ?』
加蓮『あっ、うん……そのつもり』
奈緒『それじゃ、ちょっと道草食ってこうぜ!』
奈緒『食べるのはミートとパティ、バーガーだけどな!』
奈緒『おっと、ポテトはベジタブルだから、草も食べるか!』
奈緒『HAHAHAHA!』
加蓮『……』
加蓮『……うん、そうだね』
494:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 22:51:26 ID:Ml8WrZfE
加蓮「――ワオ! ケチャップもトマトだ!」
加蓮「あたしってベジタリアン? フゥー、ヘルシー!」
武内P「北条さん! 戻ってきてください、北条さん!」
加蓮「HAHAHAHA…………あっ」
武内P「正気に……あ、いえ」
武内P「……ん、んん」
武内P「お、落ち着かれましたか?」
加蓮「……うん、ごめんね」
武内P「……」
495:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 22:59:53 ID:Ml8WrZfE
加蓮「何ていうか……考えるだけで、しんどいの」
武内P「いえ、しかし……」
武内P「神谷さんは、そこまで影響を受けるでしょうか?」
加蓮「そりゃあ、ここまで受けないかも知れないよ?」
武内P「……」
加蓮「でもさ、ある日突然……ネイティブな発音で」
加蓮「Hamburger」
加蓮「……なんて、言い出すかもしれないんだよ?」
武内P「それは……」
武内P「……確かに、しんどいですね」
496:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 23:08:04 ID:Ml8WrZfE
加蓮「だから……ねっ、お願い!」
…ぎゅうっ!
武内P「っ!? ほ、北条さん!?」
加蓮「私を助けると思って!」
武内P「あ、あの、北条さん! 手を離し……っ!」
加蓮「約束してくれるまで、この手は離さない!」
加蓮「アメリカンだよ? 強火すぎるよ!」
加蓮「トライアドじゃなく、ペンタゴンプリムスになっちゃう!」
ぎゅうっ!
武内P「おっ、落ち着いてください! 北条さん!」
武内P「例えアメリカンになっても、人数までは増えませんから!」
497:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 23:16:13 ID:Ml8WrZfE
武内P「とっ、とにかく! 手を離し――」
加蓮「っ……!」
ぎゅうっ!
武内P「……」
武内P「……北条さん、安心してください」
武内P「私から、専務にそれとなく伝えておきますので」
加蓮「えっ? ほっ、本当に!?」
ぎゅうっ!
武内P「はい。なので、手を離して頂けますか?」
武内P「その……手の中で、ですね……」
武内P「ナゲットが潰れているので……はい」
498:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 23:20:36 ID:Ml8WrZfE
加蓮「……良かった」
ぎゅうっ!
武内P「あの、北条さん? 手を離し……」
加蓮「……ふふっ! 怖い人なのかな、なんて思ってたんだけど」
加蓮「結構、優しい所もあるんだね」
ぎゅうっ!
武内P「いえあの、ナゲッ……北条さん?」
加蓮「え、っと……また、何かあったら」
加蓮「話……聞いてもらっても、良い? 駄目?」
ぎゅっ!
武内P「北条さん? あの、私の話を聞いていますか!?」
499:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 23:27:08 ID:Ml8WrZfE
加蓮「……あっ、もしかして照れてたりする?」
ぎゅっ!
武内P「いえ、あのですね!?」
加蓮「ね、どうなの? んっ? んっ?」ニコニコ!
ぎゅっ!
武内P「……良い、笑顔――」
「――ふーん」
武内P「――で……」
凛「楽しそうだね?」ニコッ!
武内P「……す」
武内P「……」
武内P「――待ってください! 誤解です!」
500:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 23:34:28 ID:Ml8WrZfE
・ ・ ・
専務「――君は、北条加蓮とコミュニケーションを取っているそうだな?」
武内P「……」
武内P「もう……そういう事で、構いません……」
専務「しかし、そうか……君も考えたものだな」
武内P「専務?」
専務「神谷奈緒ではなく……まず、北条加蓮を……か」
専務「北条加蓮と君が仲良くなり、そこに、私と神谷奈緒を加える」
専務「君達をきっかけに、話が盛り上がり――」
専務「――ハッピーセット、という訳か」
武内P「……」
武内P「…………」
武内P「そうですね」
501:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/19(水) 23:46:33 ID:Ml8WrZfE
武内P「ですが、専務」
専務「何だ?」
武内P「急激な人間関係の変化は、軋轢を生みます」
武内P「そして、生まれた誤解を解く事は、とても困難です」
武内P「その……本当に……本当に、大変でした」
専務「だが、改革は必要だ」
専務「週末、庭でバーベキューをしようと思うが、どうだ?」
武内P「待ってください! それは、あまりに急すぎます!」
専務「それは理解している」
専務「だが、私は全てを乗り越えてみせよう」
専務「何事にも、障害はつきものだ」
おわり
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