■Scene17.5
コト
「はい、ことりちゃんどうぞ~♪」
ことり「ありがとうございます~☆」
希「~~…っ」ガタガタ
ことり「はぁ…美味しい~…♡」
絵理「意味深ね」
ことり「そんなことないよぉ~…♡」
419: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:44:57.87 ID:/OX4w1FJ
「あはは、希ちゃん似合っとるで~♪」
ことり「うんうん、似合ってる似合ってる~♪」
希「あぅぅ~~…」フルフル
「っていうか希ちゃんって意外に胸おっきかったんやなぁ。これは盲点やったわ…」
希「…///」
ことり「うんうんっ! 絵理ちゃんように合わせたお洋服がそのまんまぴったしだもん! 最高の逸材だよぉ~…///」ハァハァ
絵理「…というか、少しキツそうなぐらいよ。大丈夫、希…?」
希「…大丈夫…じゃない…」ウルウル
ことり「これはこれからの妄そ…洋服作りが捗りますっ! 希ちゃん希ちゃん! バストサイズ教えて~っ!!///」
希「い、いや…///」
「ことりちゃんやったら、妄想だけでサイズ間バッチリ分かりそうやけどなぁ~」アハハ
絵理「…」ハァ
ことり「うんうん、似合ってる似合ってる~♪」
希「あぅぅ~~…」フルフル
「っていうか希ちゃんって意外に胸おっきかったんやなぁ。これは盲点やったわ…」
希「…///」
ことり「うんうんっ! 絵理ちゃんように合わせたお洋服がそのまんまぴったしだもん! 最高の逸材だよぉ~…///」ハァハァ
絵理「…というか、少しキツそうなぐらいよ。大丈夫、希…?」
希「…大丈夫…じゃない…」ウルウル
ことり「これはこれからの妄そ…洋服作りが捗りますっ! 希ちゃん希ちゃん! バストサイズ教えて~っ!!///」
希「い、いや…///」
「ことりちゃんやったら、妄想だけでサイズ間バッチリ分かりそうやけどなぁ~」アハハ
絵理「…」ハァ
420: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:45:26.47 ID:/OX4w1FJ
ジャー
希「うぅ~…」
「んー、どしたん希ちゃん? あ、結局そのお洋服、ことりちゃんからもらったんー?」
希「…無理矢理…」
「あっはは、別にええやん♪ 似合ってるし、可愛ええよー?」
希「…///」
「恥ずかしがってる顔も可愛ええなぁ~希ちゃんは♪」
希「~~!」バシバシ
「あーもー痛い痛いー♪」
421: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:45:54.04 ID:/OX4w1FJ
希「…」ハァ
「…さすがにことりちゃんみたいなんは苦手?」
希「…苦手…」
「おー、珍しくはっきり言うたな~。ことりちゃんは嫌われもんやなぁ」クス
希「ことりちゃんは…ちょっと、ヘン…」
「ヘンはさすがに失礼やで? 個性的って言うんよ、ああいう子は♪」
希「こ、個性的…」
「と言ってもアレやで? みーんなそれぞれ個性的なんよ?」
希「え…?」
「希ちゃんやって随分個性的やでー? 希ちゃんみたいに言い換えれば、ヘンな子やよ?」
希「ヘン…」シュン
「…さすがにことりちゃんみたいなんは苦手?」
希「…苦手…」
「おー、珍しくはっきり言うたな~。ことりちゃんは嫌われもんやなぁ」クス
希「ことりちゃんは…ちょっと、ヘン…」
「ヘンはさすがに失礼やで? 個性的って言うんよ、ああいう子は♪」
希「こ、個性的…」
「と言ってもアレやで? みーんなそれぞれ個性的なんよ?」
希「え…?」
「希ちゃんやって随分個性的やでー? 希ちゃんみたいに言い換えれば、ヘンな子やよ?」
希「ヘン…」シュン
422: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:46:20.79 ID:/OX4w1FJ
「あー、あー、そんな落ち込まんでも…。別に希ちゃんだけやなくて、ウチもだから安心しー♪」
希「お母さんも…?」
「そやー。こんないい加減な関西弁使ってるん、ウチだけやでー?」
希「そうなの…?」
「きっと本場の関西言ったら袋だたきに合うわ…怖いなぁー」
希「…それじゃあ、なんで関西弁なの…?」
「うーん…」
「まぁ、希ちゃんになら言ってもええかー…」
希「…?」
「ウチもな、本当は臆病モンなんよ――?」
希「お母さんも…?」
「そやー。こんないい加減な関西弁使ってるん、ウチだけやでー?」
希「そうなの…?」
「きっと本場の関西言ったら袋だたきに合うわ…怖いなぁー」
希「…それじゃあ、なんで関西弁なの…?」
「うーん…」
「まぁ、希ちゃんになら言ってもええかー…」
希「…?」
「ウチもな、本当は臆病モンなんよ――?」
423: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:46:48.73 ID:/OX4w1FJ
希「…ウソ」
「ウソやないってー。本当も本当ー。いっつもガクガク震えてるんやよー?」
希「…絶対ウソ」
「疑り深いなぁ希ちゃんは~…」
希「…」ジー
「ふふ…」
「――ウチの関西弁はな、ウチ自信を守る魔法の言葉なんよ」
「ぶっきらぼうに喋って、ふてぶてしく笑って、誰にも負けないように自分を誤魔化す…偽りの魔法」
「それが――ウチの言葉」
「ウソやないってー。本当も本当ー。いっつもガクガク震えてるんやよー?」
希「…絶対ウソ」
「疑り深いなぁ希ちゃんは~…」
希「…」ジー
「ふふ…」
「――ウチの関西弁はな、ウチ自信を守る魔法の言葉なんよ」
「ぶっきらぼうに喋って、ふてぶてしく笑って、誰にも負けないように自分を誤魔化す…偽りの魔法」
「それが――ウチの言葉」
424: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:47:15.38 ID:/OX4w1FJ
希「…」
「…――なんて、ちょっとカッコ良く言ってみたけど…やっぱりウソっぽいかなぁ?」
希「…」
「ふふ…♪」
「希ちゃんも真似してみる――?」
……。
425: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:47:42.91 ID:/OX4w1FJ
カランコロン
ことり「希ちゃぁ~~ん…! 新しいお洋服作ってきたよぉ~…♡」
「ことりちゃん、いらっしゃーい♪」
ことり「あれぇー? 希ちゃんはぁ~…?」キョロキョロ
絵理「すっかり希をターゲットにしたのね…」ハァ
ことり「だってぇ~! あんなに可愛いんだもん~~!!///」ハァハァ
絵理「そういう変態的発言はやめてもらえる?」
ことり「えー…? 大体絵理ちゃんがそっけない態度なのがいけないんだよぉ…」ムー
絵理「そんなの当たり前でしょうが…」
ことり「いーもんいーもん、希ちゃんに着てもらうからぁ~…♡」
426: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:48:09.86 ID:/OX4w1FJ
希「…っ」コソコソ
ことり「あーいたぁ~!」
希「っ」ビク
ことり「希ちゃ~ん! ことりの作ったお洋服着てみてぇ~…♡」
希「…///」
希「…」スーハー
427: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:48:37.24 ID:/OX4w1FJ
希「う、ウチ…も…着たくないー…」
ことり「へ?」
絵理「え…?」
「…♪」
希「///」アセアセ
希「ウチはイヤや…そんなん…///」カァー
428: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:49:04.04 ID:/OX4w1FJ
ことり「…………かっわいぃぃぃぃぃ―――――っっ!! 何ソレぇぇぇぇぇ―――――!!?///」ドバー
希「ひぅ!?」ビク
ことり「ななな、なんで関西弁になったの急に!? え? え? 絵理ちゃんのお母さんの真似!? そうなの!? どうなの!? 最高すぎるよ希ちゃん!! もう一回! もう一回ことりに聞かせてぇ~~~!!!!///」ハァハァ
希「あぅぅ~~~っ///」ブンブン
絵理「お母さん…っ! 変な入れ知恵したんじゃないでしょうね…!?」ギロ
「あっはっはっは! 希ちゃんめっちゃ可愛いわぁ~~!!!」バンバン!
……。
429: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:49:33.60 ID:/OX4w1FJ
コト
絵里「懐かしいわね、この店で三人揃うなんて…」
ことり「そうだねぇ…。昔は三人で色々したねぇ♪」
希「主に、私が二人に振り回されてただけのような気もするけど…」
絵里「二人にじゃ無くてことりに、ね」
ことり「絵里ちゃんひどいっ!」
絵里「事実でしょ」
希「どっちもどっちかなぁ…」
430: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:50:14.57 ID:/OX4w1FJ
海未「…あ、あれはどういう構図なのでしょうか…?」ジー
穂乃果「穂乃果も分からないよぉ…」ジー
海未「一見穏やかにも見えますけど…どことなく緊張感が…」アセアセ
穂乃果「や、やめてよ海未ちゃん…! ケンカが始まっちゃうとか…!?」アワアワ
海未「それは言い過ぎかもしれませんけど…あの絵里という人の強面は…」ガタガタ
穂乃果「な、なんか凄みがあるよね…」ブルブル
海未「な、何が起こっても対応できるように、いつでも出ていけるようにしなければ…」
穂乃果「う、海未ちゃん…そんな頼り甲斐あるキャラだったっけ…?」
431: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:50:41.74 ID:/OX4w1FJ
ズズ…
絵里「…賑やかね」
希「なんか、ごめん…」
絵里「なんだか…あの頃の風景が蘇るみたいだわ」
ことり「…そうだね♪」
希「…うん」
432: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:51:11.14 ID:/OX4w1FJ
絵里「煮え切らない希の世話を焼き、滅茶苦茶なことりの無茶振りをかわし、母のいい加減な関西弁に文句を言っていたあの頃…」
ことり「滅茶苦茶はあんまりだよぉ~…!」
希「…」クス
絵里「そんな風景が、ここにはある気がする――」
希「――…うん」
絵里「希…いつの間にか成長したわね」
433: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:51:37.34 ID:/OX4w1FJ
希「うん…」
希「私、成長したと思う…」
希「えりちのおかげで…自信もついたし…」
希「今では立派に、えりちのお母さんの代わりを出来てる気がする」
絵里「そうね…」
絵里「母も、天国で希の姿を見て安心してるんじゃないかしら…?」
希「そう…だといいなぁ」
絵里「――それでも、私はあなたをここから連れ出したい」
434: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:52:07.13 ID:/OX4w1FJ
希「えりち…」
絵里「…変わらない」
絵里「本当にあの頃と、何も変わらない…」
絵里「お母さんが造り上げた喫茶店の風景、そのままだわ…」
絵里「希、あなたはいつまで…この喫茶店に囚われてるつもりなの――?」
希「…」
435: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:52:35.15 ID:/OX4w1FJ
絵里「母の口真似をして、母と同じように喫茶店を経営して、母の夢を追っている――」
絵理「娘の私からしたらそれは嬉しいことなのかもしれない」
絵理「母の空気をいつまでも感じられるこの店が残るのは、とても感慨深い」
絵理「けど、だからといってその母の幻影をあなたに背負わせるつもりはない」
絵理「…希は成長した」
絵理「きっと、一人でも立って歩けるぐらいに大人になった」
絵理「でも、あなたはここに囚われている限り…一歩も前へ進めない」
絵理「希の本質は、いつまでもあの頃のまま――」
絵理「内気で弱気で、臆病な希のまま――」
希「…」
436: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:53:03.15 ID:/OX4w1FJ
絵理「その責任は私にもある…」
絵理「私が希の思うままに、やりたいように…この喫茶店を任せてしまったから」
絵理「ことりにお願いして、色んな面倒も見て貰った」
絵理「知りうる限りのコネを使って、最大限サポートした」
絵理「…でもそれは間違いだった」
絵理「私は…いずれ希が母とは違う夢を持って、新しい道を進んでくれることを願っていた」
絵理「けど、ここまで母の幻影を追うことになるとは…それこそ夢にも思わなかった…」
絵理「希…本当のあなたは一体どこにいるの…?」
絵里「希はいつまでも…母の夢の中にいる…」
437: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:53:30.50 ID:/OX4w1FJ
希「私は…」
希「私…」
希「ウチは…」
希「ウチの夢は――…」
穂乃果「――希ちゃんは希ちゃんですっっ!!!」
438: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:53:57.44 ID:/OX4w1FJ
希「――っ」
絵理「…な、なによ急に…」
絵里「関係ない人間が口を挟まないで頂戴…!!」
穂乃果「急じゃありませんっ! 関係なくありませんっ! ずっと聞いてましたっ! 沢山聞きましたっ! えりちさんの想いっ!!」
絵理「えりちって…あなたにその名前で呼ばれる覚えはないわ…!」
穂乃果「…っ」
439: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:54:24.79 ID:/OX4w1FJ
穂乃果「…穂乃果、まだ希ちゃんと知り合ったばかりだから、そんなに希ちゃんのことは分からないです…」
穂乃果「でも、希ちゃんは…希ちゃんだから…!」
穂乃果「今、私達がいる喫茶店にいるこの希ちゃんが全てなんです!」
穂乃果「過去の希ちゃんがどういう人なんかは興味ありませんっ!」
穂乃果「希ちゃんは夢の中になんかいません!」
穂乃果「…昔の幻影を追っているのは絵理さんの方です!」
穂乃果「希ちゃんじゃない…希ちゃんであった別の人を、今でも追っているだけです…っ!!」
希「穂乃果ちゃん…」
ことり「…」
440: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:54:51.74 ID:/OX4w1FJ
絵理「…何よ、それ」
絵理「私が…」
絵理「私が本当の希のことを見ていないとでも…?」
絵里「…希の幻影を追っているですって…?」
絵理「いつでも隅っこで震えて、誰とも話をしようとしなかった弱々しい希を知っているのは…私だけよ…!」
絵理「私が、どれだけ希の為にしてきたか…!」
絵理「どれだけ希の傍で支えてきたか…!」
絵理「あなたなんかに分からないでしょ…ッ!!」
441: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:55:23.12 ID:/OX4w1FJ
穂乃果「分かりませんっ!」
穂乃果「そんな希ちゃんは、穂乃果は知りませんっ!!」
絵理「だったら口を挟まないでって言ってるでしょ…ッ!!」
穂乃果「――だってっ!!」
穂乃果「…今の希ちゃんは…すごく優しくて、強くて…」
穂乃果「みんなの頼りになるお姉さんなんだもん…」
穂乃果「そんなの…知らないよ…」
442: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:55:56.21 ID:/OX4w1FJ
穂乃果「絵理さんのお母さんの真似なのかもしれない」
穂乃果「この喫茶店でやってることも同じなのかもしれない」
穂乃果「それでも――…」
穂乃果「…穂乃果にとっては、それが希ちゃんだもん」
穂乃果「みんなだってそう…」
穂乃果「穂乃果の大好きな…希ちゃんなんだもん…」
穂乃果「うう…」
穂乃果「うわぁぁぁぁ~~ん!!」ボロボロ
443: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:56:56.07 ID:/OX4w1FJ
希「あ…ちょ、穂乃果ちゃん…」ギュ
穂乃果「うわあああ~~~~~~ん!!」ボロボロ
希「そんな、泣くことないやん…ほら…」
穂乃果「だってぇ…だってぇ…!!」ボロボロ
希「よしよし…ウチは大丈夫やから…」ナデナデ
絵理「…っ」
絵理「…なんなのよ…」
絵理「あなたが…希の何を知っているというのよ…っ!」
海未「――そうですね…私達は希さんのことをよく知りません」
444: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:57:26.07 ID:/OX4w1FJ
絵理「あなたは…」
海未「私は…このお店のお客その一、という感じでしょうか」ニコ
海未「…私達はあくまでもお客なので、そのような立ち入ったことは分かりませんし…ましてや、興味もありません」
海未「ですが…それは希さんも同じ」
海未「極端な話をしてしまえば、私達の身の上話のことなどどうでもいいのです」
海未「けれど、それでも――今ここにいる希さんに惹かれて…私のようなお客さんがやってきているのです」
海未「そして、希さんにとってはどうでもいい話かもしれない私達の話に耳を傾けてくれる」
海未「あるいは――そっと…傍にいてくれる」
海未「…そんな希さんが、みんな好きなのですよ」
海未「過去にどんな希さんの姿形があったとしても、それは過去の物」
海未「絵理さんの望む形を、希さんが受け入れる必要はありませんよ」
445: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:57:57.17 ID:/OX4w1FJ
絵理「…」
絵理「…私が望む…希の形…」
絵理「でも、それは――…」
ことり「ふふ…♪ 今日は絵理ちゃんの負けかなぁ?」
絵理「ことり…」
446: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:58:25.45 ID:/OX4w1FJ
ことり「絵理ちゃんが希ちゃんに理想を求めている気持ちは分かるけどね」
ことり「ずっと絵理ちゃんが傍に居たのを、ことりは見ていたし…それを応援する側でもあった」
ことり「けど、そろそろ独り立ちさせてあげてもいいんじゃないかなぁ…?」
絵理「…私は、希を自由にさせたくて…」
絵理「母の幻影を背負わせたくなくて…っ!」
ことり「――それが押しつけなんだよ」
447: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:58:53.42 ID:/OX4w1FJ
ことり「絵理ちゃんがさせようとしてることは、もしかしたら希ちゃんにとってはいいことなのかもしれない」
ことり「いつまでも希ちゃんをここに縛り付けるのは可哀想だなと、私も思った」
ことり「だから絵理ちゃんに手を貸した」
ことり「けど、何をどう望むかは…希ちゃん次第」
絵理「…っ」
ことり「まぁ最初はどうなるかなと思ったんだけど、やっぱり新しい出会いは変化を生むのかなぁ…?」チラ
穂乃果「うぅ…っ! うぅ…!」ボロボロ
希「ほーら、そろそろ泣きやみ…」ナデナデ
448: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:59:22.68 ID:/OX4w1FJ
ことり「特にあの子が、大きな変化をもたらしてるような気はするけどー…♪」クスクス
ことり「それに私も――」
ことり「穂乃果ちゃんのあんな激しい姿見たら…味方したくなっちゃうよぉ…♡」ハァハァ
海未「…」サササ…
ことり「海未ちゃんもだよぉ~♡」ガシ
海未「ひぃ!?」
絵理「…」
希「ほらほら、穂乃果ちゃん…もう落ち着いたやろ?」
穂乃果「…うん…」グス
希「ちょっとごめんな…?」
穂乃果「ぁ…」
449: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 01:59:50.32 ID:/OX4w1FJ
希「えりち…」
絵理「…なによ」
希「…ウチはえりちに感謝してるんよ」
希「子供の頃から、ウチのことを面倒見てくれたこと…」
希「どんなに辛いときでも、傍で慰めてくれたこと…」
希「いつも怒っていながらも、内心は優しく色々なことを教えてくれたこと…」
希「どれも、ウチにとっては大事な思い出…」
絵理「…」
450: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 02:00:19.40 ID:/OX4w1FJ
希「お母さんとのことも、ウチは一生忘れへん」
希「行き場を失ったウチのことを置いてくれて、一つも嫌な顔をせずに面倒見てくれた…最高のお母さんや」
希「だから、この喫茶店はウチの家そのもの」
希「このお店をあの時のまま、変わらずに残して置いてくれたえりちには感謝しかない」
希「ウチは…お母さんの意思を継ぐことはもう、当たり前のことだとおもったんよ」
希「それは、囚われてるとかそういうことやない」
希「言ってみれば…恩返しみたいなもん」
希「ウチのことを育ててくれた、ウチなりのお母さんへの感謝の表れなんよ」
451: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 02:00:47.96 ID:/OX4w1FJ
希「だからな…えりち」
希「ウチにもう少しだけ時間を与えて欲しい」
希「いつまでかは分からない」
希「もしかしたら、相当長い時間が必要かもしれん」
希「けどそれでも、待って欲しい」
絵理「…もう私は、長い時間待たされたつもりよ」
希「…うん」
希「えりちには迷惑ばっかりかけてる」
希「本当、ウチってダメやね…」クスクス
452: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 02:01:15.93 ID:/OX4w1FJ
希「それでも…」
希「いつか、自分の足でこの店を出る…その時まで…」
絵理「希…」
穂乃果「希ちゃん…」
……。
453: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 02:01:46.34 ID:/OX4w1FJ
カランコロン
絵里「…」クル
絵理「…希」
真姫「――」
454: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 02:02:14.31 ID:/OX4w1FJ
絵理「っ…あなたは…?」
真姫「…っ」クル
カツカツ
絵理「…」
……。
458: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/05(水) 09:49:51.63 ID:/OX4w1FJ
げ、本当に酷い誤字だ…全然気が付かなかった…
これはさすがに申し訳ない…
ご指摘ありがとうございます
次からはちゃんと直します
これはさすがに申し訳ない…
ご指摘ありがとうございます
次からはちゃんと直します
462: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/06(木) 01:46:02.23 ID:QyvL02j5
■Scene18
コト
穂乃果「…そっか」
希「…」
穂乃果「希ちゃん、子供の頃は色々大変だったんだね…」
希「うん…」
穂乃果「…もう一杯、飲む?」
希「…お願いするわ」
463: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/06(木) 01:46:29.02 ID:QyvL02j5
ズズ…
希「…相変わらずまっずいなぁ」クス
穂乃果「ひどいよぉ…これでも少しは上手くなったんだよ…?」
希「まぁ、ウチも前は似たようなもんやったけど…」
穂乃果「なんか、それも意外だなぁ…」
希「ウチがこの店でちゃんとやれるようになったのなんて、つい最近のことなんやで?」クス
穂乃果「へぇ…」
希「それこそ、ほんの少し前までは…えりちに何言われてもしょうがない甘えんぼうのウチやった気がする」
穂乃果「甘えんぼうの希ちゃんかぁ…それはそれで見てみたいけど…♪」
希「見たら失望するでー?」クス
希「本当に…何も出来ない子供やったからなぁ…」
穂乃果「…」
464: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/06(木) 01:46:56.52 ID:QyvL02j5
希「でも…穂乃果ちゃんがこの店に来るようになった辺りからかなー?」
穂乃果「穂乃果?」
希「うん。その頃から…なんか色々変わって行った気がする」
穂乃果「そんな…穂乃果なんか、ただ希ちゃんとお喋りしてただけなのに…///」
希「それが良かったーってのはあるかもなぁ?」
希「穂乃果ちゃん、なーんも考えないでとにかく突っ走るだけやったから…ウチも気楽に付き合えたし」クス
穂乃果「むー…バカにしてるー」
希「そんなことないよ、それが穂乃果ちゃんの良さやもん♪」
穂乃果「…」ムー
希「…♪」クスクス
希「あとは――雨の日にふらっと来てくれるあの人のおかげもあるかなぁ…」
穂乃果「穂乃果?」
希「うん。その頃から…なんか色々変わって行った気がする」
穂乃果「そんな…穂乃果なんか、ただ希ちゃんとお喋りしてただけなのに…///」
希「それが良かったーってのはあるかもなぁ?」
希「穂乃果ちゃん、なーんも考えないでとにかく突っ走るだけやったから…ウチも気楽に付き合えたし」クス
穂乃果「むー…バカにしてるー」
希「そんなことないよ、それが穂乃果ちゃんの良さやもん♪」
穂乃果「…」ムー
希「…♪」クスクス
希「あとは――雨の日にふらっと来てくれるあの人のおかげもあるかなぁ…」
465: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/06(木) 01:47:28.66 ID:QyvL02j5
穂乃果「え、なにそれ? だれだれ?」ワクワク
希「多分穂乃果ちゃんよりも前からの常連さんやで? 本当にたまーにやってきて色んなことを話してくれるお客さんなんよ」
穂乃果「へぇ~…」
希「ウチもその人が来るときは必ず、横に座って一緒にコーヒー飲んでたりするんやけど…」
穂乃果「…♪」ニヤニヤ
希「な、なにー…?」
穂乃果「…希ちゃん、その人のこと好きなんでしょー?」
希「はぁ!?」
466: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/06(木) 01:48:07.87 ID:QyvL02j5
希「な、ないないー! ただのお客さんやでー? 絶対ないない」フリフリ
穂乃果「動揺してる~! 必死に否定するのが怪しい~!!」
希「あ、怪しくなんかないー!///」
穂乃果「希ちゃん視線が泳いでるよー? 穂乃果の目、じっと見れるー…?」クス
希「う…み、みれるに決まってるやろー?」
穂乃果「へぇ~…」ジー
希「あぅ…と、とにかく! この話はおしまい! お仕事するでー!!///」バッ
穂乃果「あっ! ずるーい!!」
スタスタ…
希「もう…穂乃果ちゃんは…///」
穂乃果「動揺してる~! 必死に否定するのが怪しい~!!」
希「あ、怪しくなんかないー!///」
穂乃果「希ちゃん視線が泳いでるよー? 穂乃果の目、じっと見れるー…?」クス
希「う…み、みれるに決まってるやろー?」
穂乃果「へぇ~…」ジー
希「あぅ…と、とにかく! この話はおしまい! お仕事するでー!!///」バッ
穂乃果「あっ! ずるーい!!」
スタスタ…
希「もう…穂乃果ちゃんは…///」
467: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/06(木) 01:48:35.71 ID:QyvL02j5
穂乃果「ちぇー、その人実際に見てみたいなぁー…」
希「…」
希「でも本当に…穂乃果ちゃんたちがキッカケを与えてくれたんよな」
希「――ありがとう…♪」
穂乃果「ん?」クル
468: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/06(木) 01:49:05.83 ID:QyvL02j5
カランコロン…
穂乃果「あ、いらっしゃいませー…♪」
穂乃果「って」
にこ「…穂乃果」
にこ「やっぱりここにいたわね」
穂乃果「にこちゃん…」
希「…にこっち、いらっしゃい。随分、遅かったんやない?」
469: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/06(木) 01:49:32.27 ID:QyvL02j5
コト
にこ「…迷惑掛けたわね」ズズ…
希「ううん、ウチはなーんも迷惑しとらんよ」
希「…むしろ、穂乃果ちゃんには感謝しか無いわ♪」
にこ「仕事の邪魔ばかりしてたんじゃないの?」
希「んー…まぁそれは否定せんわ」
穂乃果「希ちゃんっ!? 穂乃果あれだけ働いてたのに…!?」
希「別にお願いした訳やないしなぁ。第一、穂乃果ちゃんのせいでどれだけの被害が出たことか…」
穂乃果「ひっど!! そんな言い方ないんじゃないー!?」
希「事実やし♪」クス
にこ「…はぁ。やっぱり穂乃果は穂乃果ね」
穂乃果「ふーんっ!」プイ
希「ふふ…♪」
470: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/06(木) 01:49:59.03 ID:QyvL02j5
穂乃果「…で、にこちゃんは何で来たの!?」
にこ「決まってるでしょ」
にこ「…あんたを連れ帰るためよ」
穂乃果「ぇ…」
希「…」
穂乃果「それってつまり…」
にこ「――好きよ、穂乃果」
にこ「決まってるでしょ」
にこ「…あんたを連れ帰るためよ」
穂乃果「ぇ…」
希「…」
穂乃果「それってつまり…」
にこ「――好きよ、穂乃果」
471: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/06(木) 01:50:26.87 ID:QyvL02j5
にこ「結婚しましょう」
穂乃果「――」
ギュ…
472: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/06(木) 01:50:53.84 ID:QyvL02j5
穂乃果「にこちゃん…っ!」
にこ「…遅くなってゴメン」
穂乃果「ううん…!」
穂乃果「穂乃果も、ワガママ言ってごめんなさい…っ!!」
にこ「穂乃果が家を飛び出して…最初はあほのか! なんて怒ったりするだけで、特別捜したりしようなんて思わなかったんだけど…」
にこ「すぐに穂乃果の存在の大きさを感じたわ」
にこ「いなくなって、私の心の中にぽっかりと穴が空いたような気分だった…」
にこ「本当にいつのまにか…私の中で穂乃果は大切な存在になっていたわ」
473: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/06(木) 01:51:30.74 ID:QyvL02j5
にこ「…私はヒドイ女よね」
にこ「こんな素敵な子に猛烈アタックされてるのに、返事を出さず待ってろなんて言うんだから…」
にこ「本当にゴメン」
穂乃果「ううん…っ!」
穂乃果「にこちゃんが…好きって言ってくれるなら…全然構わないよ…っ!」
にこ「…」
パコ
にこ「穂乃果」
にこ「この指輪――受け取ってもらえる?」
474: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/06(木) 01:52:02.26 ID:QyvL02j5
穂乃果「…っ」
穂乃果「…はいっ!」
希「…何もこんなとこで一世一大の告白劇繰り広げんでもなぁ///」
……。
475: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/06(木) 01:52:39.07 ID:QyvL02j5
穂乃果「…お騒がせしましたっ!!///」
希「いやいや、別にええよー」フリフリ
希「…まぁなんというか、貴重なもん見れたわ♪」
穂乃果「うぅ…恥ずかしいぃ~…///」カァー
希「まぁこの間のウチらのごたごたのことといい、お互い様という感じやけどな…」クス
穂乃果「あ…そう、だね」クスクス
希「しかし、随分短い期間だった筈やのに…なんだか偉い長かった気がするわ」
穂乃果「本当だねぇ…。あっという間だったような気もするけど、なんだか長い時間働いていたような気もするよ」
希「不思議なもんやね」クスクス
穂乃果「あはは…♪ あ、でもここで働くのはすっごい楽しかったよ!」
希「ウチは楽しいだけじゃなく面倒ごとの方が多かった気がするけどなー」ハハハ
穂乃果「希ちゃんひどいっ!!」
希「まぁまぁ、それもこれも楽しい思いでやん♪」
穂乃果「うん…♪」
476: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/06(木) 01:53:06.78 ID:QyvL02j5
ファサ
穂乃果「今まで着ていた希ちゃんのお古の制服…もうこれに袖を通すこともなくなっちゃうのかぁ」
希「…別にいつでも着てもいいんやで?」
穂乃果「ん…それは遠慮しておくよ」
希「…」
穂乃果「ごめんね、本当は洗って返したいんだけど…もうあんまり、この店には来れないと思うから――」
希「…そうやね」
477: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/06(木) 01:53:35.37 ID:QyvL02j5
穂乃果「だから、はい…」
穂乃果「今までありがとうございました…っ」ペコリ
希「うん…こちらこそ♪」ギュ…
穂乃果「あ、その…匂いとか嗅がないでね…?///」
希「…ことりちゃんに上げたらさぞ喜びそうやんな」クスクス
穂乃果「そ、そんなことしたら穂乃果怒るからねっ!!///」
希「…♪」クスクス
穂乃果「…♪」クスクス
478: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/06(木) 01:54:05.17 ID:QyvL02j5
希「穂乃果ちゃん、幸せにな…♪」
穂乃果「ありがとう…」
穂乃果「希ちゃんも、幸せを掴んでね…♪」
穂乃果「必ず――」
希「うん…っ♪」
穂乃果「じゃあねっ!!」
479: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/06(木) 01:54:31.73 ID:QyvL02j5
カランコロン…
希「…」
希「…」ハァ
希「――また一人ぼっち、かぁ」
480: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/06(木) 01:54:59.29 ID:QyvL02j5
ズズ…
希「ぬるいなぁ…」
希「…」
希「…///」クンクン
……。
485: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/07(金) 01:05:46.31 ID:z/q3xak9
■Scene19
ザァー…
希「…」
カランコロン
希「いらっしゃいませー♪」
希「…待ってたよ♪」ニコ
486: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/07(金) 01:06:22.06 ID:z/q3xak9
コト
希「え? なんで来るの分かったかって? 雨が降ったら必ず来てくれるやんー」
希「そんなの気にしてなかったって? 嘘やん…」
希「もうウチの中では雨の日の常連思ってるからなー」
希「これからも来てくれな困るんよ?」
希「え? そりゃ…売り上げ的な意味やで? 雨の日は売り上げ落ちるからな―」
希「…元からいないとか言うのやめてくれるー?」
487: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/07(金) 01:06:51.12 ID:z/q3xak9
ザァー…
希「――隣り行っても、ええ?」
希「まぁまぁ、いつものことやん? サボりもの同士ー♪」クス
希「今日はサボりじゃなくて休み? めっずらしー」
希「お仕事そう大変そうやったから、たまには…な♪」
希「…あれ? じゃあわざわざ足運んでくれたんー?」
希「ついでなぁー、ウチの優先度なんてそんなもんやんなー」
希「ありがと…♪」
488: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/07(金) 01:07:18.36 ID:z/q3xak9
ズズ…
希「少しは元気になったんじゃないかって? …んー、どうやろ?」
希「むしろ、今は空元気な気もするんやけど…」アハハ
希「前来たときの方が顔色悪かった? ウチ、そんなやったんか…」
希「あんなー? キミがこない間に結構色んなことがあったんよ」
希「すっごい元気な若い女の子がお店で働いてくれてたんよー?」
希「嘘やないって、住み込みでなぁー♪」
希「あ、ちょっと鼻伸びてるでー。若い女の子に反応したやろーやらしー」
489: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/07(金) 01:07:46.24 ID:z/q3xak9
ザァー
希「まぁ、ちょっと前に辞めちゃったからもういないんやけど…」
希「本当に台風みたいな子やったで…」
希「きっと、ウチが元気になったんはその子の影響があるかもなぁ」
希「うん、良い子やったよ♪」
希「にこっちが羨ましいわ…」
希「あ、なんでもないよーこっちの話♪」
490: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/07(金) 01:08:14.69 ID:z/q3xak9
ザァー…
希「…今まで、意識的にそんなに人とは深く関わらないようにしてきたんやけど」
希「何がきっかけで変わるかなんて、本当分からんもんやね…」
希「出会いってのは面白いなぁ…♪」
希「んー?」
希「勿論、キミとの出会いもそんな中の一つやと思うよ♪」ポフ
希「…ふふ。ごめん、ちょっと距離感近すぎたかもね」
491: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/07(金) 01:08:47.54 ID:z/q3xak9
ザァー…
希「キミは? 最近の調子はどうなん?」
希「あはは、元気なのはいいけど、あんまり調子に乗りすぎたらアカンよー?」
希「――きっとキミも、辛いことを隠して人と接するタイプやと思うから」
希「何かあったらウチに、話してくれていいんよ…?」
希「ウチにその資格があればやけど…」
希「…うん、考えといて♪」
492: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/07(金) 01:09:15.74 ID:z/q3xak9
ズズ…
希「どう? 美味しい?」
希「美味しいやろ? ふふ、最近なんか…自分の味に自信もてるようになってきたかもしれへんわ」
希「自惚れるなって? あっはは♪」
希「うん…それは大丈夫やよ」
希「自分に自惚れなんかしたら、怒られちゃうもん…」
希「キミにも――ね?」
493: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/07(金) 01:09:44.48 ID:z/q3xak9
ザァー…
希「最近、やたら時間の流れが早くなってる気するわ…」
希「なんでもかんでもあっという間…。学生時代が懐かしいわ」
希「え? ウチの学生時代に興味あるってー? やめやめ、ロクに面白くない話やよー?」
希「ウチなんか大概のネクラやったからなぁ。華々しい学園生活なんてこれっぽっちも送れてへん」
希「まぁそれでもウチが今こうしてられるのは、友人のおかげなんやけどなぁ」
希「友人? …ふふ、秘密ー。教えたらまた鼻伸ばしそうやし♪」
494: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/07(金) 01:10:23.51 ID:z/q3xak9
ザァー…
希「あの頃は、なんであんなにも時間の進みが遅かったんやろなぁ…」
希「ウチ自身が止めてたんかなぁ――」
希「え? 誰でもそういうもん?」
希「そっか…キミもだったんやね…うんうん」
希「必死に否定する姿は怪しいなぁー」クスクス
495: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/07(金) 01:11:22.77 ID:z/q3xak9
ザァー…
希「それにしても、最近の学生のトレンドは何なんやろなぁ?」
希「――スクールアイドル?」
希「へぇ、そんなのが流行ってるんか」
希「わ、すご…めっちゃ本格的に歌って踊ってるやん…」
希「こういうのに打ち込めてたら、もっと変わってたんやろうけどなぁ…」
希「アイドル始めようなんて子、中々いないよなぁ」
希「ウチ? 無理やってー、無理無理。後ろの方でサポートするのが関の山やで…」
496: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/07(金) 01:12:02.16 ID:z/q3xak9
サァー…
希「…雨、弱くなってきたかな?」
希「…そか、また強くならないうちに帰った方がええわな」
希「次はまた仕事サボって来るんかなぁ…?」
希「あはは、冗談やって♪」
希「…いつでも待っとるよ♪」
希「いつでもウチは、ここで待ってる――」
497: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/07(金) 01:12:44.55 ID:z/q3xak9
カランコロン
サァー…
……。
500: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/08(土) 00:15:35.24 ID:adyP8p+a
■Scene20
コポポ…
コト
希「…」
ズズ…
希「美味しい…」
希「うん…この味なら自信を持って出せるわ♪」
501: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/08(土) 00:16:06.94 ID:adyP8p+a
希「…」
希「短い時間やったけど、穂乃果ちゃんと一緒に色々やってたから…なのかなぁ」ズズ
希「…穂乃果ちゃんの作るコーヒーの味は壮絶やったけど」クス
希「今頃、にこっちと仲良くやってるんやろなぁ…」
穂乃果『のっぞみちゃーんっ!』
希「…」ハァ
希「こんな小さな喫茶店やのに、随分広く感じるなぁ――…」
502: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/08(土) 00:16:36.75 ID:adyP8p+a
カラン…コロン…
希「…」ハァ
花陽「…」
花陽「…あ、あの…」フルフル
希「へ?」クル
花陽「っ」ビク
503: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/08(土) 00:17:05.16 ID:adyP8p+a
希「え…い、いつの間に中に…? お客さん…?」
花陽「…っ」カタカタ
希「お姉さん…というより、お嬢ちゃん…?」
花陽「え、と…」フルフル
希「いやぁ、でもその胸の大っきさでお嬢ちゃんってこともないー…?」
花陽「はぅ…///」
希「でも最近の子の発育の良さは侮れんしなぁ…」
花陽「ふぇぇ…///」カァー
花陽「…っ」カタカタ
希「お姉さん…というより、お嬢ちゃん…?」
花陽「え、と…」フルフル
希「いやぁ、でもその胸の大っきさでお嬢ちゃんってこともないー…?」
花陽「はぅ…///」
希「でも最近の子の発育の良さは侮れんしなぁ…」
花陽「ふぇぇ…///」カァー
504: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/08(土) 00:17:33.00 ID:adyP8p+a
希「お姉さん、いくつくらいー?」
花陽「あぅ…///」
希「って、初対面の、しかも女の子に聞くことじゃないかぁー」アハハ
花陽「~~…」
希「まぁ年齢と胸のことは置いといて――…」
花陽「~~///」
希「結局、お姉さんお客さんなんやろー? 適当なとこ座り♪」
花陽「はわ…」
花陽「あぅ…///」
希「って、初対面の、しかも女の子に聞くことじゃないかぁー」アハハ
花陽「~~…」
希「まぁ年齢と胸のことは置いといて――…」
花陽「~~///」
希「結局、お姉さんお客さんなんやろー? 適当なとこ座り♪」
花陽「はわ…」
505: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/08(土) 00:18:00.95 ID:adyP8p+a
コト
希「どうぞー。コーヒーで良かった?」
花陽「~~…っ」コク
希「そか♪ それじゃ遠慮しないで飲んでなー♪」
花陽「…」チラ
希「んー? あー、なんかよくわからんまま出しちゃったから、それはウチのおごりでええよ♪」
花陽「~~っ…!」フルフル
希「気にせんでええって。とにかく飲んで飲んで♪」
花陽「~~…///」コク
506: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/08(土) 00:18:29.81 ID:adyP8p+a
ズズ…
花陽「…!」
希「…美味しい?」
花陽「~~」コクコク
希「そか♪」
花陽「…///」
希「…随分放心しとるみたいやけど、大丈夫かー…?」フリフリ
507: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/08(土) 00:18:56.41 ID:adyP8p+a
花陽「…………うん///」
希「お、初めてまともに喋ってくれたなー♪」
花陽「~~っ///」バタバタ
希「ありゃ」
花陽「~~///」ズズ
希「…なんだかヘンな子やなぁ」クス
花陽「…///」
508: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/08(土) 00:19:24.47 ID:adyP8p+a
希「お姉さん、名前はなんて言うん?」
花陽「あ…///」
花陽「ぇと…///」
花陽「~~///」
希「ふふ…ゆーっくりでええよ♪」
花陽「…///」
花陽「あ…///」
花陽「ぇと…///」
花陽「~~///」
希「ふふ…ゆーっくりでええよ♪」
花陽「…///」
509: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/08(土) 00:19:52.73 ID:adyP8p+a
花陽「私の…なま…え…」
花陽「……はな…よ――…」
カランコロン!
凛「かーよちーん!?」
花陽「っ!?」ビク
510: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/08(土) 00:20:30.39 ID:adyP8p+a
凛「あーっ! やっぱりここにいたーっ!」
希「かよちん…? お姉さんの名前?」
花陽「ぁ…えと…えと…///」フルフル
凛「もー! 凛と一緒じゃなきゃ来ちゃダメって行ったでしょー!? かよちん、凛がいなきゃお話全然できないんだからぁー!」
花陽「ごめんね…」シュン
凛「ほらほら、帰るよーっ!」グイ
花陽「あぅあぅ…///」フルフル
511: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/08(土) 00:20:59.23 ID:adyP8p+a
凛「どうしたのー? 早く帰らないと怒られるよー!」
花陽「~~…っ」フルフル
凛「もー…そんなにここが気に入ったのー…?」
花陽「う、ん…」コク
凛「なんでこんなちっさいお店がいいの…? もっと他にもお店いっぱいあるよー」
花陽「この店が…いいの…」
凛「うーん…かよちんは本当に頑固だよ…」
花陽「凛ちゃん…だって…///」
花陽「~~…っ」フルフル
凛「もー…そんなにここが気に入ったのー…?」
花陽「う、ん…」コク
凛「なんでこんなちっさいお店がいいの…? もっと他にもお店いっぱいあるよー」
花陽「この店が…いいの…」
凛「うーん…かよちんは本当に頑固だよ…」
花陽「凛ちゃん…だって…///」
512: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/08(土) 00:21:25.77 ID:adyP8p+a
希「あー、えーっと…凛ちゃん? でええんかな?」
凛「な、なにー? 店員さんどこで凛の名前知ったのー…? 怖いにゃあ…」
希「…自分で言っとるがな」
凛「へ…?」
花陽「~~///」コクコク
凛「あ…///」
凛「と、とと、とにかくかよちん帰るよっ! こんな寂れた場所にいたらかよちん、襲われちゃうにゃ!」グイ
花陽「あぅぅ~~///」バタバタ
513: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/08(土) 00:21:52.99 ID:adyP8p+a
希「ちょー……っと待ち―っ!」ガシ
凛「ふにゃ!?///」
花陽「~~っ!?///」
希「なーんか色々失礼なこと言うてるやんー…子猫ちゃん?」クスクス
凛「ひっ!?」ビクッ
希「そーいう子には伝統のお仕置き芸が待っとるんよぉ~~…?」
凛「ふぇ…!? り、凛…なにされるの…!?」
希「それはぁ~…」
514: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/08(土) 00:22:19.76 ID:adyP8p+a
ワシワシスルヨーーーーー!!!!!
ニャーーーーーー!!!!!
515: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/08(土) 00:22:50.14 ID:adyP8p+a
凛「あぅぅ~~…」ピヨピヨ
花陽「あわわ…///」ガタガタ
希「う~ん…ちょっと凛ちゃんはサイズ的にイマイチやなぁ…」ニギニギ
凛「こんなところにいたら間違いなく犯されるにゃぁ…」ピクピク
希「…サイズ的にはかよちん? の方が良さそうなんやけど…♪」チラ
花陽「っ!?///」ビク
凛「かよちん…やっぱりこんなお店で働いたら身も心もズタボロに犯されちゃうよ…! 逃げて…っ!!」
花陽「り…んちゃ…ん…!!///」ガタガタ
希「失礼やなぁキミら…って」
希「…働く?」
516: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/08(土) 00:23:17.82 ID:adyP8p+a
花陽「~~…っ」
凛「か、かよちんはこんな小さくてきったないお店でなんか働かせないんだからね! り、凛が悪の手から守るんだからぁ…!!」
花陽「…///」フルフル
希「ウチは悪の大王かなんかなん…?」ハァ
希「…とまぁ、それは置いといて――」
花陽「~~っ」ビク
希「ウチで働きたいん…?」
517: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/08(土) 00:23:43.99 ID:adyP8p+a
希「えっと、かよちん…でええのかな?」
花陽「あ…え…と…///」フルフル
凛「かよちん…ダメだよ…っ! 騙されないで…っ!!」
希「…凛ちゃんはとりあえず黙っておこか」ムギュ
凛「む~~~///」ジタバタ
花陽「…///」
花陽「…」スーハー
花陽「…っ」
花陽「あ…え…と…///」フルフル
凛「かよちん…ダメだよ…っ! 騙されないで…っ!!」
希「…凛ちゃんはとりあえず黙っておこか」ムギュ
凛「む~~~///」ジタバタ
花陽「…///」
花陽「…」スーハー
花陽「…っ」
518: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/08(土) 00:24:21.90 ID:adyP8p+a
花陽「…ここ…で…」
花陽「はたら…かせて…ください…っ!!」
凛「かよちーーーーーーーーんッ!!!」
スパーン!!
凛「きゅう…」ピヨピヨ
……。
523: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/09(日) 00:38:08.36 ID:rTLx3Dy0
■Scene21
カランコロン
花陽「…っ!」ペコリ
コト
花陽「あぅ…っ///」サッ
524: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/09(日) 00:38:36.33 ID:rTLx3Dy0
コポポ…
コト
花陽「~~…っ///」ペコリ
希「すご…台詞らしい台詞一つも発してないのに成立しとるで…」
525: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/09(日) 00:39:03.80 ID:rTLx3Dy0
カランコロン…
花陽「…っ///」ハァー
希「…かよちん、お疲れ様♪」
花陽「あ…っ」ペコリ
希「案外接客自体はいけるやん? もっと不安な感じかと思っとったけど…」
花陽「…///」
希「本当はもうちょっとお客さんと会話できた方がええねんけどな」
花陽「あぅ…///」ペコペコ
希「まぁ…それはこれから頑張ろかーかよちん?」クス
花陽「あ…の…なまえ…はな…」
凛「かよちんに無理させちゃダメだよ! この人でなし!」
526: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/09(日) 00:39:32.32 ID:rTLx3Dy0
希「誰が人でなしやねん…」
凛「ふーん! かよちんにこんな汚い店のお仕事させようとしてること、凛はまだ許してないんだからね!」
希「別にウチがやらせてるんじゃなくて、かよちんたっての希望だったはずやけどなぁ」
凛「そんなことないーっ!」
花陽「あわわ…///」フルフル
希「…大体、自分やってノリノリで制服着てるやんか」
凛「う、うるさいにゃ! これはあのヘンタイ女に勝手に着せられただけだよっ!!///」
希「えーまたまたー、まんざらでもないクセにー」クスクス
凛「そんなことないー! 笑うなーっ!!///」
凛「ふーん! かよちんにこんな汚い店のお仕事させようとしてること、凛はまだ許してないんだからね!」
希「別にウチがやらせてるんじゃなくて、かよちんたっての希望だったはずやけどなぁ」
凛「そんなことないーっ!」
花陽「あわわ…///」フルフル
希「…大体、自分やってノリノリで制服着てるやんか」
凛「う、うるさいにゃ! これはあのヘンタイ女に勝手に着せられただけだよっ!!///」
希「えーまたまたー、まんざらでもないクセにー」クスクス
凛「そんなことないー! 笑うなーっ!!///」
527: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/09(日) 00:40:05.02 ID:rTLx3Dy0
ー数時間前ー
カシャア!
花陽「あ、あぅ…///」クル
希「おおー」
凛「おおー…///」
花陽「///」カァー
希「かよちん、中々の大きさやからウチの昔の制服ぴったしやん♪」
凛「おっきいにゃあ…///」ジー
花陽「~~///」バタバタ
528: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/09(日) 00:40:33.28 ID:rTLx3Dy0
希「まぁしかし、タイミングがいいというかなんというか…穂乃果ちゃんの制服がこうやってバトンタッチされるとはなぁ」
凛「…///」ジー
希「…どんだけ食い入るように見つめとんねん」
花陽「///」カァー
凛「はっ!? かよちんに見惚れてる場合じゃなかった…!」
凛「ダメ! かよちんをこんなボロい喫茶店で働かせるのはダメなんだから!!」バッ
希「さっきから失礼なことばかり口走る子やんなぁ」
凛「しかもこんな…ろ、露出度が高い制服着せて…///」
凛「かよちんに なことさせる気でしょ!!///」
花陽「あわわ…っ///」ブンブン
希「ウチの店をなんだと思っとるん…?」
凛「…///」ジー
希「…どんだけ食い入るように見つめとんねん」
花陽「///」カァー
凛「はっ!? かよちんに見惚れてる場合じゃなかった…!」
凛「ダメ! かよちんをこんなボロい喫茶店で働かせるのはダメなんだから!!」バッ
希「さっきから失礼なことばかり口走る子やんなぁ」
凛「しかもこんな…ろ、露出度が高い制服着せて…///」
凛「かよちんに なことさせる気でしょ!!///」
花陽「あわわ…っ///」ブンブン
希「ウチの店をなんだと思っとるん…?」
529: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/09(日) 00:41:01.55 ID:rTLx3Dy0
凛「…かよちん、ダメだよ? 悪いこと言わないから帰ろ?」グイ
花陽「~~///」フルフル
希「…かよちんはやる気みたいやけど?」クス
花陽「ぅぅ…///」コク
凛「かよちん…」
凛「…っ」
凛「…こうなったら、凛も一緒に働くしかないにゃ…!」グッ!
希「なんでやねん」
花陽「ぉー…///」パチパチ
530: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/09(日) 00:41:56.10 ID:rTLx3Dy0
希「…と言ってもなー。制服、ウチのも入れて二着しかないんよね」
凛「だ、誰がそんな な制服着るかー!///」
花陽「え…っち…///」カァー
希「まぁさすがにバランス考えたら、一人だけ私服ってのもなぁー…」チラ
凛「ううぅ…///」
ことり「穂乃果ちゃぁぁ~~ん!! ことりの作った衣装着てぇぇ~~~☆」バーン
…カランコロン
花陽「っ!?」ビク
凛「な、なに…?」
凛「だ、誰がそんな な制服着るかー!///」
花陽「え…っち…///」カァー
希「まぁさすがにバランス考えたら、一人だけ私服ってのもなぁー…」チラ
凛「ううぅ…///」
ことり「穂乃果ちゃぁぁ~~ん!! ことりの作った衣装着てぇぇ~~~☆」バーン
…カランコロン
花陽「っ!?」ビク
凛「な、なに…?」
531: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/09(日) 00:42:26.16 ID:rTLx3Dy0
ことり「…?」
ことり「あれぇ、穂乃果ちゃん…?」キョロキョロ
希「いらっしゃいーことりちゃん。穂乃果ちゃんならつい先日、寿退社してったでー」
ドサ
ことり「…………ことぶき……たいしゃ…」ジワ
ことり「そんなぁ…穂乃果ちゃぁぁん~~…!」ボロボロ
希「そんな泣くほどなんか…」
533: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/09(日) 00:43:06.06 ID:rTLx3Dy0
ことり「だ、だって! だってだってだよ! 穂乃果ちゃんは正に現代に舞い降りた天使だったんだよっ! 突然の寿退社なんて…! ことりにも黙ってそんな…! これじゃあ月に戻っていくかぐや姫の様だよぉ~~!!」メソメソ
希「どういう例えやねん…」
ことり「あ~~ん…ことりのお姫様は一体いずこにぃ~~!!」
凛「な、なんなのこの危ない人…」
花陽「あわわ…っ」アセアセ
ことり「…ん?」チラ
花陽「ひ…っ」ビク
希「あ…やば」
534: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/09(日) 00:43:49.78 ID:rTLx3Dy0
ことり「…」ジー
花陽「~~///」アワアワ
バッ
ことり「…お帰りなさい、私のかぐや♡」
花陽「!?!!?///」
希「浮気性すぎるやろ」
535: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/09(日) 00:44:42.23 ID:rTLx3Dy0
ことり「いや! だってこれはぁ…! このサイズでこの童顔! 反則だよぉ…#9825;」
希「あーそれは確かになぁ~…」チラ
花陽「~~///」カァー
ことり「それにこの控えめな性格…まるで小さい頃の希ちゃんの再来のようだよ…っ!」
希「ウチ…?」チラ
花陽「あわわ…?///」フルフル
凛「ちょ、ちょっとこのヘンタイ女! かよちんに触れないで!」バッ
ことり「ヘンタイなんて失礼だよぉ!? 誰…!?」
ことり「って…」
希「あーそれは確かになぁ~…」チラ
花陽「~~///」カァー
ことり「それにこの控えめな性格…まるで小さい頃の希ちゃんの再来のようだよ…っ!」
希「ウチ…?」チラ
花陽「あわわ…?///」フルフル
凛「ちょ、ちょっとこのヘンタイ女! かよちんに触れないで!」バッ
ことり「ヘンタイなんて失礼だよぉ!? 誰…!?」
ことり「って…」
536: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/09(日) 00:45:32.35 ID:rTLx3Dy0
凛「それ以上近付くと凛が許さないよ…っ!」
ことり「…」
ビターン!
ことり「天使が二人…ッ!!」ドバー
凛「にゃー!? 鼻血吹き出して倒れたにゃー!!」
ことり「にゃ、にゃー!? なにその猫真似!? かわ…可愛すぎるよぉ…!!///」ハァハァ
凛「き、キモいにゃ…!」
537: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/09(日) 00:46:07.63 ID:rTLx3Dy0
ことり「口悪いところもギャップ萌えで最高だよぉ…! 凛ちゃぁん…穂乃果ちゃんの為に作ったことりの衣装着て…? 着よ…♡」
凛「ふぇぇ…! い、いやだよ…! た、助けて…!」クル
花陽「~~っ」チラ
希「…まぁ、制服タダで手に入りそうやし調度いいんやない?」ニコ
凛「こ、この人でなしーーーっ!」
ことり「逃がさないよぉ~~…♡」
……。
凛「ふぇぇ…! い、いやだよ…! た、助けて…!」クル
花陽「~~っ」チラ
希「…まぁ、制服タダで手に入りそうやし調度いいんやない?」ニコ
凛「こ、この人でなしーーーっ!」
ことり「逃がさないよぉ~~…♡」
……。
538: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/09(日) 00:46:36.78 ID:rTLx3Dy0
凛「…こんなの犯罪だよっ! 許されないにゃ!!///」
希「まぁことりちゃんの横暴はともかくとしても、制服自体は気にいったんやろー?」キシシ
凛「そ、それは…。確かにカワイイ制服ではあると思うけど…」ヒラ
花陽「うん…っ」コクコク
凛「ぅぅ…でも凛にカワイイ制服は似合わないよ…///」
花陽「ううん…っ」フルフル
花陽「似合ってる…よ…?」
凛「本当…?」
539: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/09(日) 00:47:04.68 ID:rTLx3Dy0
ポン
希「可愛い、それは間違いないで?」クス
凛「…///」
花陽「…」ニコ
希「ま、そんな訳だから…かよちん、凛ちゃん、二人ともこれからよろしくなー♪」
花陽「…は…い…あ、あの、はな…」
凛「って! かよちん、この人でなしに上手く誤魔化されてるだけだよ! やっぱり考え直そう!?」
希「…そろそろ我慢の限界やん?」クスクス
ニャーーーーーー!!!
……。
540: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/09(日) 00:47:32.19 ID:rTLx3Dy0
カチャカチャ
凛「…なんで凛がこんなことを…」ブツブツ
希「こらー、無駄口叩くなー」
凛「ごごご、ごめんなさいにゃ…!」
希「よろしいー♪」
凛「はぁ…」
花陽「ご…ごめん、ね…」シュン
凛「あ…かよちんは悪くないよっ! あの人でなしに任せると危険だから、凛が守るために自分で残ってるだけだもん!」
花陽「…て、店長さんは…悪い人じゃない…よ…?」
凛「えー…そうー? なんかうさんくさい関西弁使ってるし、怪しさ全開だよー?」
花陽「そう…かなぁ…」アセアセ
541: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/09(日) 00:48:05.06 ID:rTLx3Dy0
凛「なんか もやたら大っきいし…」
花陽「そ、それは…関係ない…気が…」
凛「こ、こんな制服まで…///」
凛「もしかよちんに なことさせようとしたら許さないにゃ…!///」
花陽「…///」カァー
凛「…はぁ…凛も、もうちょっと欲しかったなぁ…」サワサワ
花陽「…凛ちゃんは…そのままで充分…だよ…♪」
希「二人とも…私語が多いんやないー…? お仕事サボってると…」ユラ
凛「にゃ!?///」ビク
花陽「~~!?///」ペコリペコリ
希「って、そんなに怯えなくても~ただの冗談やよー?」ニギニギ
凛「じゃあその手をやめるにゃー!!///」
花陽「~~///」ドキドキ
花陽「そ、それは…関係ない…気が…」
凛「こ、こんな制服まで…///」
凛「もしかよちんに なことさせようとしたら許さないにゃ…!///」
花陽「…///」カァー
凛「…はぁ…凛も、もうちょっと欲しかったなぁ…」サワサワ
花陽「…凛ちゃんは…そのままで充分…だよ…♪」
希「二人とも…私語が多いんやないー…? お仕事サボってると…」ユラ
凛「にゃ!?///」ビク
花陽「~~!?///」ペコリペコリ
希「って、そんなに怯えなくても~ただの冗談やよー?」ニギニギ
凛「じゃあその手をやめるにゃー!!///」
花陽「~~///」ドキドキ
542: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/09(日) 00:48:35.22 ID:rTLx3Dy0
希「ふふ…かよちんは凛ちゃんと一緒だと結構喋るんやね?」
花陽「あぅ…///」
凛「そうだよー! かよちんと凛は一番の友達なんだから! かよちんは凛がいないとダメなの!!」
花陽「り、凛ちゃん…っ」アワアワ
希「なるほどなぁ~」
凛「それに…かよちんは…」チラ
希「?」
凛「な、なんでもない! それより! 片付け終わったよ! 次はどうするの人でなし!?」
希「…いい加減、人でなしって呼ぶのやめてくれるかなぁ」
凛「ふん! 凛の貞操の危機に助けてくれなかったヤツなんて、人でなしで充分だよーだ!」
花陽「て、ていそ…う…///」
希「全く…仮にも働かせてもらってるとこの責任者にその口の利き方とか…とんでもない子やで…なぁかよちん?」ポン
花陽「あ、あ…の…私…はな…///」
凛「あーっ! かよちんに気軽に触れないでよー! お化け!」
希「…それはさすがに初めて言われたわ」
花陽「~~」アワアワ
花陽「あぅ…///」
凛「そうだよー! かよちんと凛は一番の友達なんだから! かよちんは凛がいないとダメなの!!」
花陽「り、凛ちゃん…っ」アワアワ
希「なるほどなぁ~」
凛「それに…かよちんは…」チラ
希「?」
凛「な、なんでもない! それより! 片付け終わったよ! 次はどうするの人でなし!?」
希「…いい加減、人でなしって呼ぶのやめてくれるかなぁ」
凛「ふん! 凛の貞操の危機に助けてくれなかったヤツなんて、人でなしで充分だよーだ!」
花陽「て、ていそ…う…///」
希「全く…仮にも働かせてもらってるとこの責任者にその口の利き方とか…とんでもない子やで…なぁかよちん?」ポン
花陽「あ、あ…の…私…はな…///」
凛「あーっ! かよちんに気軽に触れないでよー! お化け!」
希「…それはさすがに初めて言われたわ」
花陽「~~」アワアワ
543: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/09(日) 00:49:53.14 ID:rTLx3Dy0
凛「いいから! さっさと次の仕事ちょうだい! 早くかよちんと帰りたいの!!」
希「真面目なんだが不真面目なんだか分からん子やなー…」
花陽「…っ」
希「…まぁええわ、そしたら次は少しずつコーヒーの淹れ方勉強してもらおか?」
凛「え…いきなり? そんなこと教えてもらえるの…?」
希「同じ轍は踏まんようにしないとアカンからなー…」ハハハ
花陽「…?」
凛「へぇ~…コーヒーかぁ…」
希「ん? なんや、興味あるん?」
凛「ふぇ!?///」
希「…」ニヤニヤ
希「な、ないない! さっさと終わらせて早く帰るよかよちん!!」スタスタ
花陽「~~」アワアワ
希「…♪」クス
希「真面目なんだが不真面目なんだか分からん子やなー…」
花陽「…っ」
希「…まぁええわ、そしたら次は少しずつコーヒーの淹れ方勉強してもらおか?」
凛「え…いきなり? そんなこと教えてもらえるの…?」
希「同じ轍は踏まんようにしないとアカンからなー…」ハハハ
花陽「…?」
凛「へぇ~…コーヒーかぁ…」
希「ん? なんや、興味あるん?」
凛「ふぇ!?///」
希「…」ニヤニヤ
希「な、ないない! さっさと終わらせて早く帰るよかよちん!!」スタスタ
花陽「~~」アワアワ
希「…♪」クス
544: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/09(日) 00:50:20.54 ID:rTLx3Dy0
コポポ…
花陽「…こう…かな…?」アセアセ
凛「あ、違うよかよちんー! さっきあの人でなしから教えてもらったのはー…」
花陽「そ、そっか…」
凛「少しずつでいいから、ゆっくりやろー♪」
花陽「…ありが…と…///」
凛「いいよー。り、凛も興味あったし…///」
花陽「…」クス
希「…」
545: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/09(日) 00:50:49.85 ID:rTLx3Dy0
ズズ…
希「うん――…」
希『こ、こうかな…?』
絵里『違うわよ希。お母さんから教えてもらったでしょ? ここはこうするとね――…」
希『そ、そっか…ごめんえりち…』
絵里『…少しずつでいいから、ゆっくりやりましょ?』
希『ありがと…///』
絵里『…ふふ』
絵里『それより、そのえりちって呼び方、何…?』
546: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/09(日) 00:51:18.71 ID:rTLx3Dy0
花陽「…♪」
凛「~~♪」
希「――そっくりやんね…♪」クス
……。
554: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:20:32.08 ID:o4atpYgI
■Scene22
カランコロン
凛「いらっしゃいませー♪」
コト
凛「ご注文はお決まりですかー?」
凛「…はーい、かしこまりました♪ かよちーん! コーヒーだにゃ!」
花陽「~~」コク
555: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:21:03.64 ID:o4atpYgI
コポポ…
凛「お待たせしましたー! ごゆっくりにゃ♪」
希「…なんのかんの、一番やる気なんやない凛ちゃん?」
花陽「そう…ですね…」クス
凛「こらー! 人でなしー! かよちんと話してないで仕事するにゃー!」
希「はいはい」
凛「油断もスキもないんだからー…」
希「…まーったく、いつになったら人の名前呼んでくれんねん。なぁ、かよちん?」
花陽「あ、あの…はな…ょ…」
556: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:21:39.63 ID:o4atpYgI
カランコロン
凛「あ、いらっしゃいませー♪」
花陽「…っ///」ペコリ
海未「…あ、あれ?」
希「海未ちゃん、いらっしゃーい♪」フリフリ
557: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:22:07.41 ID:o4atpYgI
コト
凛「ご注文はお決まりですかー?」
海未「あ…コーヒーをお願いします」
凛「はーい、かしこまりました♪ かよちーん! コーヒーお願いにゃ♪」
花陽「~~っ」コク
海未「かよちん…?」チラ
558: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:22:36.80 ID:o4atpYgI
コポポ…
凛「お客さん、どうしてこの喫茶店来たのー?」
海未「ど、どうして…?」アセアセ
凛「あの人で…じゃない、店長のお友達? コーヒー目当て?」
海未「あ、は、はい…。友達という程ではないかもしれませんが…コーヒーが目当てというのは当たっていますね」
凛「へぇ~…人気あるんだね~」
海未「そ、それより…」チラ
凛「あー、安心してくださいにゃ♪ かよちんもあの人でな…じゃない、店長から教わって、味もバッチリですから!」
海未「あ、いや、そうではなくて…」
凛「…っていうか、悪いこと言わないですから…こんな寂れた店の常連なんてやめた方が――…」ヒソヒソ
希「ほーう…また子猫ちゃんの悪口が聞こえてくるなー…?」ユラ
凛「にゃっ!?」ビク
希「凛ちゃんはお仕置きがだーい好きやもんねー…?」クス
凛「…お、お客様ごゆっくり――っ!!」タタタ…!
559: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:23:04.51 ID:o4atpYgI
希「…逃げ足は本当に猫並やん」クス
海未「は、はぁ…」
希「ごめんなー騒がしくて。あの子ら二人、新しく雇った子達なんよー」
海未「二人…」
希「あ、今こんな客の少ない店で二人とか多すぎるとか考えたやろー? 失礼やなぁ」
海未「い、いえ、そのようなことは…///」フルフル
希「あはは、冗談やよー♪ 穂乃果ちゃんらと違って、海未ちゃんがそんな失礼なこと言う筈ないもんなー」
海未「あの、穂乃果さんは…?」
希「…ちょっと前に辞めていったよ。恋人と結婚するーって言ってな」
海未「あ…そうだったんですが…」
560: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:23:31.98 ID:o4atpYgI
希「突然やってきたかと思えば、急にいなくなって…。本当、台風みたいな子やったわ」クス
海未「そうですね…。ですが、とても素敵な方でした…」
希「うん…。ウチも、元気いっぱいもらった♪」
海未「ふふ…」クス
海未「せめて一言ぐらい挨拶したかったのですが…」
希「…まぁ穂乃果ちゃんのことやから、またふらっとやってきてくれるかもしれん」
希「だからその時には…な♪」
海未「はい…」
海未「そうですね…。ですが、とても素敵な方でした…」
希「うん…。ウチも、元気いっぱいもらった♪」
海未「ふふ…」クス
海未「せめて一言ぐらい挨拶したかったのですが…」
希「…まぁ穂乃果ちゃんのことやから、またふらっとやってきてくれるかもしれん」
希「だからその時には…な♪」
海未「はい…」
561: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:23:59.59 ID:o4atpYgI
希「海未ちゃんの方は、お仕事順調?」
海未「あ、はい…。順調に振り回されていると言いますか、なんと言いますか…///」
希「ことりちゃん指名の専属やもんな…同情するで…」
海未「い、いえ…自分で選択した道ですから、後悔は…ありませんよ…」ハハ
希「顔色悪いでー?」キシシ
海未「あ、そういえば制服が三着…またことりさんに作って頂いたんですか…?」
希「作ってもらったというかなんというか…」
希「まぁ当初の目的は穂乃果ちゃんだったみたいやけど…結果的にさっきの新しい子、凛ちゃんが犠牲になっとったわ」
海未「…ご愁傷様です」
海未「あ、はい…。順調に振り回されていると言いますか、なんと言いますか…///」
希「ことりちゃん指名の専属やもんな…同情するで…」
海未「い、いえ…自分で選択した道ですから、後悔は…ありませんよ…」ハハ
希「顔色悪いでー?」キシシ
海未「あ、そういえば制服が三着…またことりさんに作って頂いたんですか…?」
希「作ってもらったというかなんというか…」
希「まぁ当初の目的は穂乃果ちゃんだったみたいやけど…結果的にさっきの新しい子、凛ちゃんが犠牲になっとったわ」
海未「…ご愁傷様です」
562: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:24:27.01 ID:o4atpYgI
コト
花陽「~~っ」ペコリ
海未「あ、ありがとうございます…」
花陽「…///」サササー
希「…あっちはあっちで、逃げるように去ってくなぁ」クス
海未「なんだか…対極のような性格をした子達ですね…」
希「そうかもなぁ…。穂乃果ちゃんとは違って、中々の問題児たちやで…」
海未「穂乃果さんも、ある意味では問題児ではあった気もしますが…」クス
希「お、言うようになったなぁ海未ちゃん♪」
海未「あ、い、いえ…///」カァー
563: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:24:57.74 ID:o4atpYgI
ズズ…
海未「ぁ…」
希「美味しい?」
海未「はい…。凄く…美味しいです…」
希「お、そんなはっきり言ってもらえるなんて嬉しいなぁ♪」
海未「これ…あの子が…?」チラ
希「そうやでー。穂乃果ちゃんの淹れ方が余りにも散々だったから、あの子らにはウチが一から教えてるんよ」
海未「なるほど…」
希「いやいやしかし、こんな短い期間でこれだけ様になると教えた甲斐があったっていうもんやわぁ♪」ウンウン
海未「…希さんは凄いですね」
564: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:25:27.39 ID:o4atpYgI
希「んー? 何がー?」
海未「…希さんのコーヒーの味を、こうも的確に教えることができるなんて…」
希「え…そうー…? そんな難しいことは教えとらんでー?」
海未「単純な味だけだったらともかく…。私自身なんていったらいいか分かりませんが、希さんの味を再現するのはそう簡単ではない筈です…」
希「…」チラ
花陽「~~っ」カチャカチャ
凛「あー、かよちんもう少し丁寧にやらなきゃダメだよー!」
海未「…えっと、かよちんさん…ですか? もしかしたら…あの子自身に希さんと同じ何かがあるのかもしれませんね…」
希「…そうなのかも、しれんなぁ」
海未「お二人は何故、ここで働くという話に…?」
希「あー…凛ちゃんの方は成り行きみたいなもんやけど…かよちんの方は…」
海未「…希さんのコーヒーの味を、こうも的確に教えることができるなんて…」
希「え…そうー…? そんな難しいことは教えとらんでー?」
海未「単純な味だけだったらともかく…。私自身なんていったらいいか分かりませんが、希さんの味を再現するのはそう簡単ではない筈です…」
希「…」チラ
花陽「~~っ」カチャカチャ
凛「あー、かよちんもう少し丁寧にやらなきゃダメだよー!」
海未「…えっと、かよちんさん…ですか? もしかしたら…あの子自身に希さんと同じ何かがあるのかもしれませんね…」
希「…そうなのかも、しれんなぁ」
海未「お二人は何故、ここで働くという話に…?」
希「あー…凛ちゃんの方は成り行きみたいなもんやけど…かよちんの方は…」
565: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:25:58.78 ID:o4atpYgI
花陽『はたら…かせて…ください…っ!!』
希「あの目…」
希「あの力強い視線に、誰かと同じ意思の強さを感じたんよなぁ――…」
海未「…」クス
海未「希さんの顔…どんどん母親のようになって行きますね」
希「え? 海未ちゃんもおしおきされたいん?」ニギニギ
海未「あ、い、いえ! な、なんというかその…悪口ではないんですよ…?///」アワアワ
希「…この歳で母親なんて言われて喜ぶ方が少ないわ」
海未「すすす、すみません…///」ペコペコ
566: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:26:26.31 ID:o4atpYgI
希「まぁでも…」
花陽「…っ」コポポ…
希「…」クス
希「お母さんも、こんな気持ちやったんかなぁ――…」
海未「…大事にしてあげてくださいね」ニコ
……。
567: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:27:04.33 ID:o4atpYgI
カランコロン
凛「ありがとうございましたー♪」
希「…♪」フリフリ
凛「…」チラ
希「どうしたんー?」
凛「…あのお客さんとすっごい仲よさそうに話してたけど、いっつもあんな感じなの?」
希「んー…まぁお客さんとはみんな大体あんな感じやと思うけどー…」
凛「ふぅん…」
希「なんかあったん?」
凛「…べっつにー。ただ、人でなしの割に人気あるんだなぁーって…」
希「いい加減、人でなしって言うんやめよかー…?」
凛「べーだ!」
568: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:27:31.85 ID:o4atpYgI
希「…はぁ」
希「とは言っても、お客さんは実際少ないし…なんでウチみたいなのに人気があるのかもよーわからんけどな」アハハ
希「まぁ、来てくれるお客さんが笑顔になって帰ってくれればそれでええけどな♪」
凛「…」
凛「…こういうところがかよちんは好きなのかなぁ――…」ボソ
希「なんか言った?」
凛「う、ううん! なんでも!」
凛「さぁーて、片付けするにゃー!! かよちーん!!」トテテ
希「…」クス
希「とは言っても、お客さんは実際少ないし…なんでウチみたいなのに人気があるのかもよーわからんけどな」アハハ
希「まぁ、来てくれるお客さんが笑顔になって帰ってくれればそれでええけどな♪」
凛「…」
凛「…こういうところがかよちんは好きなのかなぁ――…」ボソ
希「なんか言った?」
凛「う、ううん! なんでも!」
凛「さぁーて、片付けするにゃー!! かよちーん!!」トテテ
希「…」クス
569: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:28:00.33 ID:o4atpYgI
カランコロン
真姫「あっ…///」ビク
希「あ…ま、真姫ちゃん」
真姫「…///」
希「…///」
希「は、入ったら?」
真姫「え、ええ…そうするわ」
570: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:28:46.83 ID:o4atpYgI
凛「いらっしゃいませー…って」
真姫「…あら?」
凛「あーーーーっ!! ヤブ医者―ーーー!! なんでここにーーーーー!!?」
真姫「や、ヤブ医者じゃないわよっ!!」
希「へ…二人とも面識あるん…?」
真姫「え、ええ…ちょっとね…」ハァ
凛「ちょっとどころじゃないよっ! なんでここにいるのヤブ医者!!」
希「真姫ちゃん、ヤブ医者やったん…?」チラ
真姫「ち、違うわよ! そんな訳ないでしょ!!///」
571: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:29:15.49 ID:o4atpYgI
凛「ウソだよ! 全然かよちんのこと治してくれなかった癖に…この嘘つきヤブ医者!!」
真姫「だから…それは誤解って言ってるでしょ…!」
凛「誤解なんかじゃないっ!」フー!
真姫「…はぁ」
希「真姫ちゃん…かよちんと何かあったん…?」
真姫「かよちんって…」
真姫「あ…星空さんがここにいるってことは…」
花陽「…///」ヒョコ
真姫「…こんにちわ、小泉さん」
花陽「…っ///」ペコペコ
真姫「だから…それは誤解って言ってるでしょ…!」
凛「誤解なんかじゃないっ!」フー!
真姫「…はぁ」
希「真姫ちゃん…かよちんと何かあったん…?」
真姫「かよちんって…」
真姫「あ…星空さんがここにいるってことは…」
花陽「…///」ヒョコ
真姫「…こんにちわ、小泉さん」
花陽「…っ///」ペコペコ
572: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:29:43.83 ID:o4atpYgI
コト
希「…はい、真姫ちゃん」
真姫「ありがとう」
凛「…っ」フシャー
花陽「~~///」アセアセ
希「…遠くからめっちゃ威嚇しとるで凛ちゃん」
真姫「別にいつものことだから慣れてはいるけど…。彼女たちはなんで…?」
希「あー…あの子らがウチで働きたいって言ったから採用したんよ。調度穂乃果ちゃんが抜けちゃったあとやったしな」
真姫「…そう言えば、穂乃果さんはもういなくなったのね」
希「うん…。その…こ、恋人と結婚するからって辞めてったわ…」
真姫「…そ、そう///」
希「…///」
573: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:30:52.16 ID:o4atpYgI
ズズ…
真姫「…!」
希「…あ、お、美味しい?」
真姫「…」
真姫「…美味しいわ」
真姫「ずっと…味わっていたい――…」
希「…///」
574: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:31:24.17 ID:o4atpYgI
カタ…
真姫「…」チラ
凛「…っ」フー…!
花陽「~~っ」アワアワ
真姫「…あの二人、制服がとっても似合ってるわね」
希「あ、ああ、そうやね」
真姫「星空さんと一緒に仕事するのは大変そうではあるけど…」
希「あはは…。まぁ、凛ちゃんは色々と文句も多いけど…意外と頑張ってくれてるし、なにより可愛いやんな♪」
真姫「小泉さんもしっかりやれてるのかしら…?」
希「小泉さんって…ああ、かよちんのことかー。うん、頑張ってくれてるよ♪」
575: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:31:50.51 ID:o4atpYgI
真姫「…彼女、あまり喋らないでしょ?」
希「あー…うん、そうやね。随分人見知りな子やなーと思ったけど…」
真姫「…」
希「なんかあるん…?」
真姫「…小泉さんね、私の患者なの」
希「あ…さっき、凛ちゃんが言ってた…? ヤブ医者ー! とか言ってたけど…」
真姫「それは否定させて貰うわ」
希「まぁ…凛ちゃんが口悪い子っていうのは身をもって体験してるから、誤解があるのは分かるけどな…」アハハ
希「あー…うん、そうやね。随分人見知りな子やなーと思ったけど…」
真姫「…」
希「なんかあるん…?」
真姫「…小泉さんね、私の患者なの」
希「あ…さっき、凛ちゃんが言ってた…? ヤブ医者ー! とか言ってたけど…」
真姫「それは否定させて貰うわ」
希「まぁ…凛ちゃんが口悪い子っていうのは身をもって体験してるから、誤解があるのは分かるけどな…」アハハ
576: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:32:21.36 ID:o4atpYgI
真姫「…ある事故があったのよ」
希「事故?」
真姫「あまり詳しくは彼女のプライバシーの問題に関わるから言えないけど、小泉さん…その昔、学校でイジメを受けてたらしいの」
希「イジメ…」チラ
花陽「~~っ」ビク
真姫「…イジメる相手とのイザコザが原因で起きた事故でね。小泉さん、当時は本当に悲惨で…あと一歩手遅れだったらどうなっていたことか」
真姫「なんとか手術で一命を取り留めたのは良かったんだけど…後遺症が残ってしまったの」
希「もしかして、その後遺症が原因で…」
真姫「そう…。上手く言葉を紡げなくなってしまったの…」
希「…」
577: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:32:52.23 ID:o4atpYgI
真姫「正確には違うらしいけど、自閉症の一種らしいわ。専門じゃないから、その辺は同期の精神科医に聞いただけの情報で分からないのだけど…」
希「自閉症って…」
真姫「自閉症とは言っても、小泉さんの場合は普通にコミュニケーションも取れるし、生活する分には何の問題もないのよ」
真姫「ただ…必要最低限の言葉しか喋れないという感じなの…」
希「…」
真姫「症状の原因が事故によるものなのか、イジメによるものなのかは分からない…。ただ、その一件から小泉さんは数年間、ずっとあんな感じのままなの…」
希「そうだったんや…」
花陽「~~…?」
真姫「…それからというもの、定期的に検診で彼女のことは見ているんだけど…一緒についてくる星空さんに目の敵にされちゃっててね」
希「あー…」
希「自閉症って…」
真姫「自閉症とは言っても、小泉さんの場合は普通にコミュニケーションも取れるし、生活する分には何の問題もないのよ」
真姫「ただ…必要最低限の言葉しか喋れないという感じなの…」
希「…」
真姫「症状の原因が事故によるものなのか、イジメによるものなのかは分からない…。ただ、その一件から小泉さんは数年間、ずっとあんな感じのままなの…」
希「そうだったんや…」
花陽「~~…?」
真姫「…それからというもの、定期的に検診で彼女のことは見ているんだけど…一緒についてくる星空さんに目の敵にされちゃっててね」
希「あー…」
578: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:33:23.91 ID:o4atpYgI
真姫「絶対に治してあげるからって、手術の前に言ったんだけど…後遺症が残ったことでずっとそれを言われ続けてるのよね」
凛「…っ」フー…
真姫「彼女にとって、小泉さんは一番の親友らしくて…小さい頃からずっと一緒だったらしいわ」
真姫「だから事故の直後は、本当に真っ青な顔をして小泉さんの傍についていたのを今でも覚えているわ…」
希「…」
真姫「以前と同じように接することができなくて、不安な気持ちは分かるのだけれど…」
希「まぁ、それ以上に凛ちゃんは…」
真姫「ええ、小泉さんのことが好きみたいだしね――…」
希「…///」
真姫「…///」
凛「…っ」フー…
真姫「彼女にとって、小泉さんは一番の親友らしくて…小さい頃からずっと一緒だったらしいわ」
真姫「だから事故の直後は、本当に真っ青な顔をして小泉さんの傍についていたのを今でも覚えているわ…」
希「…」
真姫「以前と同じように接することができなくて、不安な気持ちは分かるのだけれど…」
希「まぁ、それ以上に凛ちゃんは…」
真姫「ええ、小泉さんのことが好きみたいだしね――…」
希「…///」
真姫「…///」
579: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:33:55.21 ID:o4atpYgI
真姫「…まぁそれでも小泉さんは私に懐いてくれていたし、星空さんが来ないときはよく二人で話すこともあったわ」
希「へぇ…」
真姫「なんだかんだ、お互い人付き合い下手なところあるし…気が合ったのかもね」
希「確かになぁ」クス
真姫「…その時に、ここの喫茶店の話をしていたんだけど…それが彼女の興味を惹いたのかしら?」
希「病院で患者さんにそんなこと話してるん…? 恥ずかしいなぁ…」
真姫「こ、小泉さんは特別よ! 別に私は精神科医って訳じゃないし…///」
希「それやったらええけど…」
真姫「でもまさか…小泉さんがこの喫茶店で働くことになるとはね」
希「ウチもびっくりやったよ…急に働きたいって言うもんやから…」
真姫「…彼女、妙なところで行動力はあるのよね」
希「へぇ…」
真姫「なんだかんだ、お互い人付き合い下手なところあるし…気が合ったのかもね」
希「確かになぁ」クス
真姫「…その時に、ここの喫茶店の話をしていたんだけど…それが彼女の興味を惹いたのかしら?」
希「病院で患者さんにそんなこと話してるん…? 恥ずかしいなぁ…」
真姫「こ、小泉さんは特別よ! 別に私は精神科医って訳じゃないし…///」
希「それやったらええけど…」
真姫「でもまさか…小泉さんがこの喫茶店で働くことになるとはね」
希「ウチもびっくりやったよ…急に働きたいって言うもんやから…」
真姫「…彼女、妙なところで行動力はあるのよね」
580: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:34:25.58 ID:o4atpYgI
真姫「でも…そんな行動力も、星空さんがずっと傍についてることによって阻害されてしまってるの…」
希「…」
真姫「同期の精神科医の話では、余りサポートのしすぎは良くないと言われてるんだけど…星空さん、あの性格でしょう?」
希「あー…」チラ
凛「…っ」シャー
真姫「それで、こっちもどうしたらいいものか分からなくて困り果てて…」
真姫「外傷自体はとっくに完治してるし、あとは心の問題だけのはずなんだけど…一向に進展がなくてね」
真姫「――そんな時に、私もこの喫茶店を見つけたの」
希「…」
真姫「同期の精神科医の話では、余りサポートのしすぎは良くないと言われてるんだけど…星空さん、あの性格でしょう?」
希「あー…」チラ
凛「…っ」シャー
真姫「それで、こっちもどうしたらいいものか分からなくて困り果てて…」
真姫「外傷自体はとっくに完治してるし、あとは心の問題だけのはずなんだけど…一向に進展がなくてね」
真姫「――そんな時に、私もこの喫茶店を見つけたの」
581: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:34:54.59 ID:o4atpYgI
希「…そうだったんや」
真姫「…病院内のことだし、さすがに他人に話すこともないと思ってたけれど」
真姫「結局、希には話すことになってしまったわね…」
希「…そう、やね」
真姫「なんだかこの喫茶店って…不思議よね」
希「不思議…?」
真姫「色んな人がこの喫茶店に集まって…様々な想いを残して、そして誰かが受け取っていく…」
真姫「…勿論、私もそんな中の一人」
希「…」
真姫「…」
真姫「…なんだか、この間の一言のせいで変な空気にさせてごめんなさい」
希「あ、いやいや! その…別に真姫ちゃんが悪いわけじゃ…///」
真姫「…希は優しいわね」クス
真姫「…病院内のことだし、さすがに他人に話すこともないと思ってたけれど」
真姫「結局、希には話すことになってしまったわね…」
希「…そう、やね」
真姫「なんだかこの喫茶店って…不思議よね」
希「不思議…?」
真姫「色んな人がこの喫茶店に集まって…様々な想いを残して、そして誰かが受け取っていく…」
真姫「…勿論、私もそんな中の一人」
希「…」
真姫「…」
真姫「…なんだか、この間の一言のせいで変な空気にさせてごめんなさい」
希「あ、いやいや! その…別に真姫ちゃんが悪いわけじゃ…///」
真姫「…希は優しいわね」クス
582: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:35:23.20 ID:o4atpYgI
ズズ…
真姫「私にはこのコーヒーがあれば…今はそれで充分よ…」
希「真姫ちゃん…」
真姫「希、きっと小泉さんは…あなたならなんとかできるんじゃないかと思うわ」
希「なんとかって…」
真姫「だから…二人のことお願いね」
……。
583: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/10(月) 00:35:51.80 ID:o4atpYgI
カランコロン
希「…」フリフリ
凛「かよちんっ! あのヤブ医者が常連のような店なんてやっぱり危ないよ! 今すぐやめよう!」
花陽「…西木野…先生は…悪い人じゃない…よ…」アセアセ
凛「一番の悪人だよ! あの人でなしといい、悪い人が集まる喫茶店なんだよ!」
花陽「そ、そんなこと…ないよぉ…」アワアワ
希「…」ハァ
希「…♪」クス
ギニャーーーーーーーー!!!
……。
589: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/11(火) 00:16:23.56 ID:QGoSwsvY
■Scene23
カランコロン
凛「いらっしゃいませー♪」
花陽「…い…いら…しゃいま…せ…///」ペコ
コト
花陽「ご…ご注文は…お決まり…でしょ…うか…?///」アセアセ
凛「…はーい! かしこまりましたにゃ♪」
590: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/11(火) 00:16:51.80 ID:QGoSwsvY
コポポ…
凛「かよちん、大丈夫? 手伝おうか?」
花陽「ううん…大丈夫だよ…♪ 凛ちゃんは…お客さんについてあげて…?」
凛「でもかよちん一人だと心配だし…あ、溢れちゃうよ!」
花陽「ぁ…!」アセアセ
凛「…危なかったぁ~。ほら、凛も手伝うよー♪」
花陽「…」シュン
591: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/11(火) 00:17:20.07 ID:QGoSwsvY
コト
凛「おまたせしましたー♪」
花陽「~~…っ///」ペコ
凛「…それではごゆっくりー♪」
花陽「…」ハァ
凛「かよちーん、一緒に掃除するにゃー♪」
花陽「う、ん…」トテテ
希「…」
592: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/11(火) 00:17:46.53 ID:QGoSwsvY
カランコロン
凛「ありがとうございましたー♪」
花陽「~~まし、た…///」ペコ
凛「ふー、あんまお客さんこないけど、たまに来ると楽しいねー♪」
花陽「ぁ…う、うん…///」キョロキョロ
凛「さーってと、片付け…あ、そーだ、さっきコーヒー作ろうとしたら豆が無かったんだった…」
花陽「あ…お、奥にあったと思う…から…私、もってくるよ…?」
凛「かよちん一人で大丈夫ー…?」
花陽「平気…だよ…♪」
593: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/11(火) 00:18:13.31 ID:QGoSwsvY
トコトコ…
凛「…心配しすぎ、かなぁ」
凛「…」
凛「…あれ? そう言えばあの人でなしは…?」キョロキョロ
希「ん~? 凛ちゃん一人でサボリ~? 感心せんなぁ~?」ニギニギ
凛「ふにゃ!?///」バッ
凛「ま、また 揉む気!? このヘンタイ!! 凛、ちゃんとお仕事してたよ…!?///」ギュ
希「本当かなぁ~…」キシシ
凛「本当だよっ!!///」
594: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/11(火) 00:18:40.08 ID:QGoSwsvY
希「ま、冗談やけどな…♪ 凛ちゃんは熱心で真面目だし、ちゃんとやってるんやったらなんもせーへんよ」
凛「…人でなしの言うことなんて信用できない///」
希「本当に全く名前で呼んでくれないんやね、凛ちゃんは…」ハァ
凛「…だ、だって…そんな気軽に店長のことを…名前でなんて呼べないし…」
希「え? そんなこと気にしてたん?」
凛「そんなことって…」
希「普段から口開けば悪口しか言わん子やのに…案外可愛いとこあるやん♪」キシシ
凛「うぅ…うるさい! 笑うな人でなしーっ!!///」
希「その悪口も恥ずかしさ誤魔化す為だったりしてー…」
凛「…///」
希「あっはは! 冗談やってー、別に好きに呼んでくれてええよー♪」
凛「…ふ、ふん!」プイ
凛「…人でなしの言うことなんて信用できない///」
希「本当に全く名前で呼んでくれないんやね、凛ちゃんは…」ハァ
凛「…だ、だって…そんな気軽に店長のことを…名前でなんて呼べないし…」
希「え? そんなこと気にしてたん?」
凛「そんなことって…」
希「普段から口開けば悪口しか言わん子やのに…案外可愛いとこあるやん♪」キシシ
凛「うぅ…うるさい! 笑うな人でなしーっ!!///」
希「その悪口も恥ずかしさ誤魔化す為だったりしてー…」
凛「…///」
希「あっはは! 冗談やってー、別に好きに呼んでくれてええよー♪」
凛「…ふ、ふん!」プイ
595: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/11(火) 00:19:08.02 ID:QGoSwsvY
希「…かよちんとは随分仲良いみたいやけど、二人はどれぐらい長い付き合いなん?」
凛「え…? な、なに急に…。なんでそんなこと教えなくちゃいけないの…?」
希「んー…まぁなんとなく興味あるやん? 折角だから二人のこと教えてよー」
凛「…折角って…。凛たちのこと知ってどうする気…?」ジト
希「そんな隠すことでもないやろー、別に個人情報を悪用する訳でもなし?」
凛「ん~~…」
希「全然信用しとらん顔やな…。これでも一応職場の上司なんやけどなぁ」ハァ
希「お、そうだ。…それじゃあ改めて面接ってのはどうやー?」
凛「め、面接…?」
凛「え…? な、なに急に…。なんでそんなこと教えなくちゃいけないの…?」
希「んー…まぁなんとなく興味あるやん? 折角だから二人のこと教えてよー」
凛「…折角って…。凛たちのこと知ってどうする気…?」ジト
希「そんな隠すことでもないやろー、別に個人情報を悪用する訳でもなし?」
凛「ん~~…」
希「全然信用しとらん顔やな…。これでも一応職場の上司なんやけどなぁ」ハァ
希「お、そうだ。…それじゃあ改めて面接ってのはどうやー?」
凛「め、面接…?」
596: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/11(火) 00:19:34.77 ID:QGoSwsvY
希「二人共ロクな話も聞かずにいきなり採用しちゃったからなー」
希「ウチ、こないだまで二人の名字も知らんかったやでー? 普通の店やったらありえんわなぁ…」クス
凛「な、なにそれ…答えなかったらどうなるの…?」
希「んー…クビ?」
凛「ふぇ!? ク、クビ…!? なんで!?」
希「や、そりゃー一企業として? いい加減な子に働かせる訳にはいかんしなぁー…」チラ
凛「そんな…」
凛「そ、それってもしかして…かよちんも…?」
希「あーうん、まぁ、そうやね…連帯責任みたいなんもあるかもなー(嘘)」
凛「ひ、人でなし! 悪魔ッ!!」
希「おーこわ! 遂に悪魔まで言われちゃったかー…」
希「でも、凛ちゃんがそういう暴言吐き続けるならすぐに二人ともクビにせなアカンかもなぁー…?」
凛「ぅぅ…ズルイよ…」
凛「…分かったよ…答えるよ…」
希「うんうん、いい子やね♪」クス
希「ウチ、こないだまで二人の名字も知らんかったやでー? 普通の店やったらありえんわなぁ…」クス
凛「な、なにそれ…答えなかったらどうなるの…?」
希「んー…クビ?」
凛「ふぇ!? ク、クビ…!? なんで!?」
希「や、そりゃー一企業として? いい加減な子に働かせる訳にはいかんしなぁー…」チラ
凛「そんな…」
凛「そ、それってもしかして…かよちんも…?」
希「あーうん、まぁ、そうやね…連帯責任みたいなんもあるかもなー(嘘)」
凛「ひ、人でなし! 悪魔ッ!!」
希「おーこわ! 遂に悪魔まで言われちゃったかー…」
希「でも、凛ちゃんがそういう暴言吐き続けるならすぐに二人ともクビにせなアカンかもなぁー…?」
凛「ぅぅ…ズルイよ…」
凛「…分かったよ…答えるよ…」
希「うんうん、いい子やね♪」クス
597: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/11(火) 00:20:02.90 ID:QGoSwsvY
凛「…かよちんとは小学生の頃に知り合ったんだ」
希「それはまたえらく長い付き合いやねぇ…」
凛「そうだね…すっごく長いね…。いっつも一緒にいるから、あんまり気にしたことなかったけど…」
希「普通の友達同士でそれだけ一緒にいるって、珍しいなぁ」
凛「…かよちん、昔からあんな感じのおとなしい性格だったから、よくいじめっ子のターゲットにされてたんだよ…」
凛「それを凛が助けてあげたのが最初に仲良くなったきっかけ」
凛「で、それからも…何かあるたびにかよちんを助けてあげてたりしたから…自然とずっと一緒にいることが多かったんだ」
希「エライなぁ…。凛ちゃんは明るいし、元気な子だし、そういうイジメとかは無縁だったんかな?」
凛「ううん、そんなこともないよ…。凛は逆に女の子なのに男っぽいみたいな感じで、よく男の子からイジメられてたりしたし…」
希「そっかぁ…」
凛「でも、そうやって男の子に言われる度に、かよちんが凛のこと可愛いって言ってくれたりして…嬉しかったなぁ…♪」
希「…」クス
希「それはまたえらく長い付き合いやねぇ…」
凛「そうだね…すっごく長いね…。いっつも一緒にいるから、あんまり気にしたことなかったけど…」
希「普通の友達同士でそれだけ一緒にいるって、珍しいなぁ」
凛「…かよちん、昔からあんな感じのおとなしい性格だったから、よくいじめっ子のターゲットにされてたんだよ…」
凛「それを凛が助けてあげたのが最初に仲良くなったきっかけ」
凛「で、それからも…何かあるたびにかよちんを助けてあげてたりしたから…自然とずっと一緒にいることが多かったんだ」
希「エライなぁ…。凛ちゃんは明るいし、元気な子だし、そういうイジメとかは無縁だったんかな?」
凛「ううん、そんなこともないよ…。凛は逆に女の子なのに男っぽいみたいな感じで、よく男の子からイジメられてたりしたし…」
希「そっかぁ…」
凛「でも、そうやって男の子に言われる度に、かよちんが凛のこと可愛いって言ってくれたりして…嬉しかったなぁ…♪」
希「…」クス
598: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/11(火) 00:20:30.37 ID:QGoSwsvY
凛「…話すの、もうこれぐらいでいい…? 恥ずかしいんだけど…///」
希「えー…面接はまだまだ終わらへんよー?」キシシ
凛「うぅ…///」
希「んー、まぁなんとなく二人の子供の頃の関係性は分かったかなぁ♪」
凛「…この話、面接に必要あるの…?」ブツブツ
希「あるあるー、人のことを一から知るのは、仕事上ではだいーじなことやでー?(大嘘)」ウンウン
凛「ホントー…?」ジー
希「まぁでも子供の頃はともかくとして…なんで今でもかよちんとずっと一緒なん?」
凛「なんでって…一緒にいちゃいけない?」
希「そりゃ仲良きことは美しきかなやけど…。この店に来る時も本当は一緒のつもりだったみたいなこと言ってたし…いくら何でもベタベタ過ぎるんやない?」
凛「それは…」
希「それとも、まだイジメみたいなのはあったりするんかな…?」
凛「まさかー! 学校なんて下らない場所卒業しちゃったし、そんなのはもうないよー!」
凛「それに…まだかよちんに近寄ってくるつもりなら、凛が許さないよ…っ」
希「…」
希「えー…面接はまだまだ終わらへんよー?」キシシ
凛「うぅ…///」
希「んー、まぁなんとなく二人の子供の頃の関係性は分かったかなぁ♪」
凛「…この話、面接に必要あるの…?」ブツブツ
希「あるあるー、人のことを一から知るのは、仕事上ではだいーじなことやでー?(大嘘)」ウンウン
凛「ホントー…?」ジー
希「まぁでも子供の頃はともかくとして…なんで今でもかよちんとずっと一緒なん?」
凛「なんでって…一緒にいちゃいけない?」
希「そりゃ仲良きことは美しきかなやけど…。この店に来る時も本当は一緒のつもりだったみたいなこと言ってたし…いくら何でもベタベタ過ぎるんやない?」
凛「それは…」
希「それとも、まだイジメみたいなのはあったりするんかな…?」
凛「まさかー! 学校なんて下らない場所卒業しちゃったし、そんなのはもうないよー!」
凛「それに…まだかよちんに近寄ってくるつもりなら、凛が許さないよ…っ」
希「…」
599: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/11(火) 00:20:56.83 ID:QGoSwsvY
希「…それじゃあ尚更、今でもずっと一緒にいる必要はないんちゃう…?」
凛「…」
希「もしかして――事故が原因だったりするんやない…?」
凛「…あのヤブ医者から何聞いたの」ギロ
希「…かよちんの病気のことを、少しな」
凛「…っ」ギリ…
希「…」
凛「…」
希「もしかして――事故が原因だったりするんやない…?」
凛「…あのヤブ医者から何聞いたの」ギロ
希「…かよちんの病気のことを、少しな」
凛「…っ」ギリ…
希「…」
600: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/11(火) 00:21:24.38 ID:QGoSwsvY
凛「…そうだよ」
凛「…イジメられてた時の事故が原因で、かよちんは上手く喋れなくなっちゃったんだよ…」
凛「昔は…あんなに沢山凛に語りかけてくれたのに…」
凛「沢山可愛いって言ってくれたのに…」
凛「手術のあと…病室に行ったら…全然声が聞けなくて…!」
凛「凛…もう、どうしていいかわからなくて…」
凛「凛が…凛が、助けてあげられなかったから…」
凛「だから…ずっとかよちんの傍にいてあげなきゃって…!」
凛「そう思ったんだよ…」
希「…」
601: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/11(火) 00:21:56.65 ID:QGoSwsvY
希「真姫ちゃんに少し話聞いただけやけど…当時は悲惨だったらしいな…」
凛「そうだよ…!」
凛「本当に…ひどかったんだよ…! かよちん…死んじゃうかもしれないって思ったんだよ…!」
凛「かよちんが死んじゃったら…凛は…っ!」
凛「うぅ…っ!」
凛「…あのヤブ医者は、かよちんのこと絶対に助けてあげるって言ったクセに…!」
凛「全然治してくれなくて…っ!」
希「真姫ちゃんは関係ないんやない…?」
凛「関係なくなんかない!!」
凛「関係なくなんか…っ!!」
凛「そうだよ…!」
凛「本当に…ひどかったんだよ…! かよちん…死んじゃうかもしれないって思ったんだよ…!」
凛「かよちんが死んじゃったら…凛は…っ!」
凛「うぅ…っ!」
凛「…あのヤブ医者は、かよちんのこと絶対に助けてあげるって言ったクセに…!」
凛「全然治してくれなくて…っ!」
希「真姫ちゃんは関係ないんやない…?」
凛「関係なくなんかない!!」
凛「関係なくなんか…っ!!」
602: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/11(火) 00:22:23.83 ID:QGoSwsvY
希「だって、真姫ちゃんはかよちんのケガ自体は治してくれたんやろ…?」
凛「そう…だけど…っ」
希「かよちんの病気の原因は別のところにある――…」
希「それが何なのかは分からんって、真姫ちゃんも言ってたけど…」
希「そのことで真姫ちゃんを恨むのは、違うんやない…?」
凛「…」グス
凛「…そんなの、分かってるよ…」
凛「あの先生が悪くないことぐらい…バカな凛にだって分かるよ…」
603: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/11(火) 00:22:52.28 ID:QGoSwsvY
希「…自分のことバカなんて言うんやないよ」
凛「…だって、本当はかよちん――…!」
凛「凛が助けてあげられなかったから…」
凛「…いつも一緒にいるって約束してたのに、助けられなかったバカな凛のせいだから…!」
凛「だからかよちん…なんにも喋れなくなっちゃったんだよ…!」
希「…」ハァ
604: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/11(火) 00:23:20.77 ID:QGoSwsvY
ポン
希「…それは違うで」
凛「ふぇ…?」
希「もしかしたらそうかもしれへん――…」
希「けど、それが本当かどうかなんて確かめようがないやろ?」
凛「それは…そうだけど…でも…っ!」
希「まぁ…かよちんの病気がひょっこり出てきて、凛ちゃんが悪いーって言ってくれるんやったら別だけどー?」クスクス
凛「ふ、ふざけないでよ…っ!」キッ
希「ふふ…ごめん」ナデナデ
希「…でも、そういうことやろ? 誰かがこうです! って言わない限り、かよちんの病気の原因はだーれにも分からないんよ」
凛「…」
605: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/11(火) 00:23:49.92 ID:QGoSwsvY
希「それにな、こういうのは別に誰が悪いーとか、無いんやって」
希「物事に悪人が必ずいるなんて決めてかかったら、みーんな心がギスギスしてまうでー?」
凛「…だって」
希「かよちんがこうなってしまった事実はもう変えられないんやから、それはもう運命だと思うしか無い」
凛「運命って…そんな無責任なこと…!!」
希「しょうがないんよ…」
希「だって――そうでも思わなきゃ辛いやんか…」
凛「…?」
希「物事に悪人が必ずいるなんて決めてかかったら、みーんな心がギスギスしてまうでー?」
凛「…だって」
希「かよちんがこうなってしまった事実はもう変えられないんやから、それはもう運命だと思うしか無い」
凛「運命って…そんな無責任なこと…!!」
希「しょうがないんよ…」
希「だって――そうでも思わなきゃ辛いやんか…」
凛「…?」
606: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/11(火) 00:24:19.21 ID:QGoSwsvY
希「ふふ…凛ちゃんは人に対して当たりが強いからな、もっと気楽に考えなアカンよ?」
凛「そんなこと…言われても…」
希「かよちんとずっと一緒にいるってのも、自分が全部悪いーみたいな責任感からやろー?」
凛「それの…何が悪いの…?」
希「ぜーんぶ悪い」ビシ
凛「いたっ! なにするにゃー!!」
希「凛ちゃん…責任感でずっと一緒にいても、相手は嬉しいとは思わんよー?」
凛「…嬉しい嬉しくないの問題じゃ…」
希「あのな? もっと素直で感情でええんやでー…?」
凛「素直…?」
希「凛ちゃん――かよちんのこと好きやろ?」
凛「そんなこと…言われても…」
希「かよちんとずっと一緒にいるってのも、自分が全部悪いーみたいな責任感からやろー?」
凛「それの…何が悪いの…?」
希「ぜーんぶ悪い」ビシ
凛「いたっ! なにするにゃー!!」
希「凛ちゃん…責任感でずっと一緒にいても、相手は嬉しいとは思わんよー?」
凛「…嬉しい嬉しくないの問題じゃ…」
希「あのな? もっと素直で感情でええんやでー…?」
凛「素直…?」
希「凛ちゃん――かよちんのこと好きやろ?」
607: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/11(火) 00:24:47.70 ID:QGoSwsvY
凜「ふぇ―――!?///」ズザザー
希「ふふ…図星やね♪」
凜「そそそ、そんなことない…よよよ…!!///」ブンブン
希「わっかりやすいなぁー…」クスクス
凛「///」カァー
希「まぁ…そのことは別にええんよ、隠すことは無い♪」
希「それだけ昔から一緒にいて、お互いに支えあって生きてるなら…それも必然ってもんやと思うし」
凜「ぅぅ…///」
608: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/11(火) 00:25:16.17 ID:QGoSwsvY
希「ただ――今のままやとアカン」
凛「なんで…?」
希「…責任という盾を背負って相手に押し付けるのは、きっとお互いにいいことなんてないんよ」
凛「意味が…わからないよ…」
希「…」フゥ
希「…もっと素直になれってことだよ♪」ドン
……。
凛「なんで…?」
希「…責任という盾を背負って相手に押し付けるのは、きっとお互いにいいことなんてないんよ」
凛「意味が…わからないよ…」
希「…」フゥ
希「…もっと素直になれってことだよ♪」ドン
……。
609: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/11(火) 00:29:51.12 ID:QGoSwsvY
本当はこのSceneもう少し続くんだけど、ちょっと間に合わないのでここで一旦切ります…申し訳ない
あと最近のは見返したら結構誤字脱字あったりして、その辺も申し訳ないです
あと最近のは見返したら結構誤字脱字あったりして、その辺も申し訳ないです
615: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:44:21.61 ID:w5TiGI6Z
■Scene23.5
コポポ…
希「…」クス
希「――素直に、やって」
希「まるで自分に言い聞かせてるみたいやなぁ…」クス
トテテ…
花陽「よい、しょ…」ギュ
花陽「あ…あの…奥から豆を…持って…きたんですけど…」
希「ああ、ごくろーさん♪ そこに置いといてなー」
花陽「は、はい…」ドサ
616: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:44:49.23 ID:w5TiGI6Z
花陽「…?」キョロキョロ
希「…凜ちゃん探してるん?」クス
花陽「ぁ…え、と…///」
希「凜ちゃんなら、仕事サボってた罰としてお仕置きの刑に処したからしばらく帰ってこんで~…」ニギニギ
花陽「ふぇ…っ///」アセアセ
希「…なーんて、ウソや♪」
希「…本当は買い出し頼んでるだけやから、安心しー♪」
花陽「~~…」ホッ
617: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:45:16.50 ID:w5TiGI6Z
コト
希「これ、飲んでええで♪」
花陽「…ありがとう…ござい…ます///」ペコリ
希「…かよちん、お仕事楽しい?」
花陽「ぁ…は、い…」コク
希「そか♪」
花陽「…?」チラ
618: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:45:45.47 ID:w5TiGI6Z
ズズ…
花陽「~~…///」フゥ
希「かよちんはいつも、えらい美味しそうに飲んでくれるなぁ…♪」
花陽「…て、店長…さんのコーヒー…は美味しい…です、から…///」
希「ふふ…ありがとなー♪ でも、かよちんの淹れるコーヒーも中々やでー?」
花陽「そ、そんな…///」
希「教え方がよかったんかなぁー? ウチの教え方も大したもんやで…」ウンウン
花陽「…はい…♪」クス
619: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:46:15.12 ID:w5TiGI6Z
希「…かよちん、だんだん喋ってくれるようになってきてくれて嬉しいわ♪」
花陽「ぇ…///」
希「ウチと仲良くなってくれたーって考えてもええんかな?」
花陽「ぁ…ぅ…///」
希「凛ちゃんとはいっつも沢山喋ってるしなー? ウチ、ちょっと寂しかったんやで…?」
花陽「ぁ…そ、それ…は…///」アワアワ
希「こうやって話してくれてるってことは、凛ちゃんと同じぐらい仲良しってことやんー?」ギュー
花陽「は、はわわ…///」カァー
希「…なーんて、嘘やよ♪ さすがにそれぐらいで凛ちゃんと同じにはならんわなぁー」クス
花陽「そ、それは…」アセアセ
花陽「ぇ…///」
希「ウチと仲良くなってくれたーって考えてもええんかな?」
花陽「ぁ…ぅ…///」
希「凛ちゃんとはいっつも沢山喋ってるしなー? ウチ、ちょっと寂しかったんやで…?」
花陽「ぁ…そ、それ…は…///」アワアワ
希「こうやって話してくれてるってことは、凛ちゃんと同じぐらい仲良しってことやんー?」ギュー
花陽「は、はわわ…///」カァー
希「…なーんて、嘘やよ♪ さすがにそれぐらいで凛ちゃんと同じにはならんわなぁー」クス
花陽「そ、それは…」アセアセ
620: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:46:44.06 ID:w5TiGI6Z
希「凛ちゃんとは子供の頃からずっと仲良しなんやろー?」
花陽「は、はい…」
希「凛ちゃんから色々聞いたでー? かよちんは子供の頃から可愛かったーとかな♪」
花陽「あ…あぅ…り、凛ちゃんが…言ったん…ですか…?///」
希「せやでー、頼みもしないのにポロポロ喋ってたでー?」クスクス
花陽「ぅぅ…?///」
希「…ふふ、凛ちゃんはかよちんのこと大好きみたいやからなぁ…♪」
花陽「///」カァー
花陽「は、はい…」
希「凛ちゃんから色々聞いたでー? かよちんは子供の頃から可愛かったーとかな♪」
花陽「あ…あぅ…り、凛ちゃんが…言ったん…ですか…?///」
希「せやでー、頼みもしないのにポロポロ喋ってたでー?」クスクス
花陽「ぅぅ…?///」
希「…ふふ、凛ちゃんはかよちんのこと大好きみたいやからなぁ…♪」
花陽「///」カァー
621: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:47:13.32 ID:w5TiGI6Z
希「かよちんの方は、どうやー?」
花陽「ふぇ…?///」
希「かよちんは凛ちゃんのこと、好き?」
花陽「~~…っ///」ボン
希「あはは、かよちんも顔真っ赤やでー? 言葉にしなくても分かってまうわ」クスクス
花陽「///」
希「…ずーっと一緒やったんやもんな。その気持ちは分かるで…」
花陽「…///」
花陽「ふぇ…?///」
希「かよちんは凛ちゃんのこと、好き?」
花陽「~~…っ///」ボン
希「あはは、かよちんも顔真っ赤やでー? 言葉にしなくても分かってまうわ」クスクス
花陽「///」
希「…ずーっと一緒やったんやもんな。その気持ちは分かるで…」
花陽「…///」
622: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:47:42.20 ID:w5TiGI6Z
花陽「凛ちゃん…のことは…好き…です///」
花陽「けど…」
花陽「私…なんかが…好きになって…いいのかな…って思ってしまって…」
希「…なんで、そう思うん?」
花陽「こんな…性格です…し…」
花陽「上手く…喋れ…ませんし…」
花陽「…それに…いつも…迷惑かけてます…から…」
希「でもそれは…かよちんのせいじゃないやろ?」
花陽「…っ」ビク
花陽「けど…」
花陽「私…なんかが…好きになって…いいのかな…って思ってしまって…」
希「…なんで、そう思うん?」
花陽「こんな…性格です…し…」
花陽「上手く…喋れ…ませんし…」
花陽「…それに…いつも…迷惑かけてます…から…」
希「でもそれは…かよちんのせいじゃないやろ?」
花陽「…っ」ビク
623: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:48:09.43 ID:w5TiGI6Z
花陽「…えっ…と…」チラ
希「病気のこと、聞いたで」
花陽「ぁ…」
希「あ、ちなみにこの話は真姫ちゃんから聞いたもんやから安心してな。凛ちゃんからは何も聞いてへんよ?」
花陽「…西木野先生…ですか…?」
希「うん…この間店に来てくれた時に、ちょっとな」
花陽「そう…だったん…ですね…」
希「病気のこととか、事故のこととか…色々聞いた」
花陽「…」
624: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:48:36.55 ID:w5TiGI6Z
花陽「…ごめんなさい」ペコリ
花陽「今まで…病気のこと…黙ってて…」
希「別に、それはええよー。かよちん、頑張って働いてくれてるしな♪」
花陽「ありがとう…ございます…」
花陽「…」
花陽「私は…元からこんな…引っ込み思案な性格だったのに…」
花陽「突然…ヘンな病気に…かかっちゃって…更に言葉が…上手く喋れなくて…」
花陽「凛ちゃんに…すごい迷惑を…かけてるん…です…」
花陽「この店で…働いてることだって…私の我儘に…巻き込んでしまった…形ですし…」
希「我儘…?」
625: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:49:03.82 ID:w5TiGI6Z
花陽「このお店を…西木野先生に教えて…もらって…」
希「あー…そう言えば、真姫ちゃんそんなこと言ってたなぁ…」
花陽「…とっても…素敵な店員さんがいる喫茶店…って、西木野先生が…言っていました…」
希「へ、へぇ…素敵な店員…ね…///」
花陽「…西木野先生が…このお店のことを話す時は…すごい…優しい目をしているんです…」
花陽「だから…私も…興味が湧いて…」
花陽「西木野先生は…とっても優しくて…手術の後も…沢山お話してくれたし…いつでも私の味方をしてくれたから…」
希「///」
希「あー…そう言えば、真姫ちゃんそんなこと言ってたなぁ…」
花陽「…とっても…素敵な店員さんがいる喫茶店…って、西木野先生が…言っていました…」
希「へ、へぇ…素敵な店員…ね…///」
花陽「…西木野先生が…このお店のことを話す時は…すごい…優しい目をしているんです…」
花陽「だから…私も…興味が湧いて…」
花陽「西木野先生は…とっても優しくて…手術の後も…沢山お話してくれたし…いつでも私の味方をしてくれたから…」
希「///」
626: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:49:33.66 ID:w5TiGI6Z
花陽「…」
花陽「…私は、それまで…ずっと凛ちゃんに…助けてもらってばかりでした…」
花陽「一人じゃなんにもできない…弱い人間…でした…」
花陽「…だから…凛ちゃんに迷惑を…かけないように…」
花陽「一人で…生きていけるんだっていうことを…見せるために…」
花陽「この店で…働いてみよう!…って、思ったん…です…」
627: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:50:01.23 ID:w5TiGI6Z
花陽「…でも…お店の前に来ても…何度も…逃げ帰ったりして…」
花陽「中々…一歩を踏み出すことが…できませんでした…」
花陽「結局…凛ちゃんを…巻き込む形になっちゃいましたし…」
花陽「…」
花陽「なんで…私は…こんなに弱い…のかな…」
花陽「こんな弱い子に…凛ちゃんを好きになる資格なんて…」グス
628: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:50:28.64 ID:w5TiGI6Z
ポン
花陽「ふぇ…?///」
希「かよちんは…全然弱くないよ」ナデナデ
花陽「…?///」
希「ウチなんかに比べれば…全然…弱くなんかない――…」
花陽「…店長…さん…?」
629: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:50:54.32 ID:w5TiGI6Z
希「…そこまで凛ちゃんのこと考えてるのに、好きになる資格がないなんて…ある訳ないやろ?」クス
花陽「で、でも…」
希「…」ハァ
希「なぁ…かよちんが働きたいって言った時のこと、覚えてるー?」
花陽「え…と…」
花陽『はたら…かせて…ください…っ!!』
花陽「…///」カァー
希「あの時の目…ウチは忘れられん」
希「あんな目で見つめられたの、穂乃果ちゃん以外にいなかったからな…」
花陽「穂乃果…ちゃん…?」
花陽「で、でも…」
希「…」ハァ
希「なぁ…かよちんが働きたいって言った時のこと、覚えてるー?」
花陽「え…と…」
花陽『はたら…かせて…ください…っ!!』
花陽「…///」カァー
希「あの時の目…ウチは忘れられん」
希「あんな目で見つめられたの、穂乃果ちゃん以外にいなかったからな…」
花陽「穂乃果…ちゃん…?」
630: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:51:22.08 ID:w5TiGI6Z
希「…かよちんが来てる制服の前任者や? かよちんと違って元気だけが取り柄のような子やったわ」
花陽「そうなん…ですか…」
希「その穂乃果ちゃんが言ってたんよ。人それぞれ、いろんな強さを持ってるってなー」
希「ウチもあの子には色々教えてもらったわ…♪」
花陽「…」
希「だから、かよちんにもな? かよちんの強さがある」
花陽「私の…強さ…?」
希「せやでー? そんな大変な病気にかかってもなお、相手のことを思いやりながら自分を震え立たせて…ウチの門を叩いた…」
希「そんなん、普通にできることやないと思うよ?」
花陽「そう…なんでしょうか…」
希「少なくとも――ウチはできんかった」
花陽「そうなん…ですか…」
希「その穂乃果ちゃんが言ってたんよ。人それぞれ、いろんな強さを持ってるってなー」
希「ウチもあの子には色々教えてもらったわ…♪」
花陽「…」
希「だから、かよちんにもな? かよちんの強さがある」
花陽「私の…強さ…?」
希「せやでー? そんな大変な病気にかかってもなお、相手のことを思いやりながら自分を震え立たせて…ウチの門を叩いた…」
希「そんなん、普通にできることやないと思うよ?」
花陽「そう…なんでしょうか…」
希「少なくとも――ウチはできんかった」
631: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:51:50.85 ID:w5TiGI6Z
花陽「店長…さんが…?」
希「さらに言わせて貰えば…かよちんと違って病気にかかってないから、もっと弱々、ダメダメやんね」クス
花陽「そ、そんな…」
希「大体花陽ちゃん、病気に打ち勝つ力みたいなんあると思うでー?」
花陽「ぇ…?」
希「真姫ちゃんも言ってたけど、自閉症みたいなんは心の持ちよう次第やろ?」
花陽「は、はい…」
希「かよちん…今こうやって、ウチにいろんな恥ずかしい想いを告白してくれたりしてるやん? 十分強い心持っとるで」キシシ
花陽「ふぇ…?」
希「さらに言わせて貰えば…かよちんと違って病気にかかってないから、もっと弱々、ダメダメやんね」クス
花陽「そ、そんな…」
希「大体花陽ちゃん、病気に打ち勝つ力みたいなんあると思うでー?」
花陽「ぇ…?」
希「真姫ちゃんも言ってたけど、自閉症みたいなんは心の持ちよう次第やろ?」
花陽「は、はい…」
希「かよちん…今こうやって、ウチにいろんな恥ずかしい想いを告白してくれたりしてるやん? 十分強い心持っとるで」キシシ
花陽「ふぇ…?」
632: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:52:17.21 ID:w5TiGI6Z
希「え、気付いてなかったん? さっきから熱ーい愛の告白から懺悔まで、この耳で色々聞かせてもらったでー?」
花陽「そ…そんな…私…? ふぇ…?///」カァー
希「無意識で言ってたん…? 大した器やんな…」
花陽「///」ボン
希「…ほんっと、ウチとは大違いや」
希「ウチとそっくり…?」
希「ウチが一番の大バカもんやで――…」
花陽「そ…そんな…私…? ふぇ…?///」カァー
希「無意識で言ってたん…? 大した器やんな…」
花陽「///」ボン
希「…ほんっと、ウチとは大違いや」
希「ウチとそっくり…?」
希「ウチが一番の大バカもんやで――…」
633: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:52:45.18 ID:w5TiGI6Z
花陽「///」ジュー
希「かよちん?」
花陽「ぴゃい!?///」ビク
希「…とにかくな、あんまり自分に自信がないとか資格ないとか、そんなんは考えないでええねん」
花陽「…え…と…///」
希「かよちんは凛ちゃんのこと…好きなんやろ?」
花陽「…///」
花陽「す…好き…///」
634: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:53:13.00 ID:w5TiGI6Z
花陽「です…けど…」
花陽「…でも…凛ちゃんの…迷惑になってる…なら…」
希「あーもう、面倒くさいなー!」
花陽「め、面倒…」アセアセ
希「面倒やー、本当に面倒!」
花陽「あぅ…///」
希「そんな面倒な事考えずに…かよちんの大胆さをもっと、素直に表現すればいいんよ」
花陽「す、素直…に…?///」
希「凛ちゃん大好き! 抱いて!! ぐらい直球でええんやない?」
花陽「あわわわわわわ!!!!//////」ジュー
希「…まぁそれは別の意味で精神がもたんか…。穂乃果ちゃんじゃないんやし」クス
635: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:53:40.48 ID:w5TiGI6Z
カランコロン
凛「ただいまー…」
花陽「!!?///」ビクゥ!
希「お、調度いいタイミングで帰ってきたやん♪」
凛「買い出し行ってきたよー…。もー、なんで凛がこんなこと…」ブツブツ
凛「って」チラ
花陽「///」カァー
636: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:54:11.90 ID:w5TiGI6Z
凛「かよちん!?」バッ
凛「ど、どうしたの顔真っ赤だよ!? 大丈夫!?」バッ
花陽「///」ジュー
凛「にゃー!! どんどん熱くなってくよー!? きゅ、救急車!?」オロオロ
希「あっはは♪ 別に心配せんでもええよ、自分の発言に恥ずかしがってるだけなんやから♪」
凛「…っ! かよちんになんかしたの…ッ!?」キッ
希「ウチはなんもしてへんよー♪」
凛「…かよちんに何かしたら…許さないよ…ッ!!」
花陽「ぁ…だ、だめだよ…店長さんは…何もしてない…から…///」ギュ
凛「か、かよちん…」
凛「ど、どうしたの顔真っ赤だよ!? 大丈夫!?」バッ
花陽「///」ジュー
凛「にゃー!! どんどん熱くなってくよー!? きゅ、救急車!?」オロオロ
希「あっはは♪ 別に心配せんでもええよ、自分の発言に恥ずかしがってるだけなんやから♪」
凛「…っ! かよちんになんかしたの…ッ!?」キッ
希「ウチはなんもしてへんよー♪」
凛「…かよちんに何かしたら…許さないよ…ッ!!」
花陽「ぁ…だ、だめだよ…店長さんは…何もしてない…から…///」ギュ
凛「か、かよちん…」
637: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:54:40.01 ID:w5TiGI6Z
希「…凛ちゃんはかよちんのことになると怖いなぁ。相当かよちんのこと、す――…」
凛「にゃ!? ちょ、ちょっと何言ってるにゃ!!///」カァー
花陽「り、凛ちゃんも…顔が真っ赤…だよ…?」
凛「あわわわ…///」バタバタ
希「…♪」キシシ
凛「…絶対殺す…ッ!///」キッ
花陽「り、凛ちゃん…」アセアセ
凛「にゃ!? ちょ、ちょっと何言ってるにゃ!!///」カァー
花陽「り、凛ちゃんも…顔が真っ赤…だよ…?」
凛「あわわわ…///」バタバタ
希「…♪」キシシ
凛「…絶対殺す…ッ!///」キッ
花陽「り、凛ちゃん…」アセアセ
638: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:55:06.44 ID:w5TiGI6Z
凛「…やっぱりこんなとこ辞めようかよちん? あんな人でなしの 悪魔のところで働いてたら心が病んじゃうよ…」
花陽「~~…っ」チラ
希「散々言うてくれるやん…」
凛「凛ならどこでもかよちんについていってあげるし、助けてあげられるから…!」
凛「凛はいつだってかよちんの味方だよ…!」
凛「だから…!」グイ
花陽「~~っ」ギュ
花陽「~~…っ」チラ
希「散々言うてくれるやん…」
凛「凛ならどこでもかよちんについていってあげるし、助けてあげられるから…!」
凛「凛はいつだってかよちんの味方だよ…!」
凛「だから…!」グイ
花陽「~~っ」ギュ
639: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:55:33.56 ID:w5TiGI6Z
凛「かよ…ちん…?」
花陽「…凛…ちゃん…」
花陽「…」
花陽「凛ちゃんは…私のこと…迷惑じゃない…?」
凛「め、迷惑って…急にどうしたの…?」
640: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:56:06.72 ID:w5TiGI6Z
花陽「いつも…一緒にいてもらって…病気なんかしてる…私の手助けなんかして…」
花陽「邪魔だと…思ったこと…ない…?」
凛「な、なんで!? 邪魔なんて…そんなこと思うわけ無いじゃん…!」
花陽「本当…?」
凛「…ッ! あいつになんか言われたの…ッ!?」キッ
花陽「…っ、店長さん…は…関係…ないよ…っ」ギュ
凛「…っ」
花陽「邪魔だと…思ったこと…ない…?」
凛「な、なんで!? 邪魔なんて…そんなこと思うわけ無いじゃん…!」
花陽「本当…?」
凛「…ッ! あいつになんか言われたの…ッ!?」キッ
花陽「…っ、店長さん…は…関係…ないよ…っ」ギュ
凛「…っ」
641: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:56:33.27 ID:w5TiGI6Z
花陽「…ごめんね…いつも…こんな感じで…心配ばかりかけちゃって…」
凛「そんな…こと…!」
凛「だって…それは…凛のせいだし…!」
凛「凛が…あの時助けてあげられなかったから…! こんなことに…っ!!」
花陽「ううん…違うよ…凛ちゃんのせいじゃ…ないよ…?」
凛「凛のせいだよ…全部…凛が悪いんだよ…っ!」
花陽「…そんなこと…ないから…」
花陽「私が…一人で何もできなかったから…迷惑かけちゃってるし…」
凛「迷惑だなんて思ってないよ…!」
花陽「でも…」
希「…だぁ~かぁ~らぁ~」ユラ
凛「そんな…こと…!」
凛「だって…それは…凛のせいだし…!」
凛「凛が…あの時助けてあげられなかったから…! こんなことに…っ!!」
花陽「ううん…違うよ…凛ちゃんのせいじゃ…ないよ…?」
凛「凛のせいだよ…全部…凛が悪いんだよ…っ!」
花陽「…そんなこと…ないから…」
花陽「私が…一人で何もできなかったから…迷惑かけちゃってるし…」
凛「迷惑だなんて思ってないよ…!」
花陽「でも…」
希「…だぁ~かぁ~らぁ~」ユラ
642: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:57:00.93 ID:w5TiGI6Z
花陽「ひっ!?」
凛「にゃっ!?」
ダブルワシワシスペシャルーーーーーー!!!!
ピャァーーーーーーーーーーーー!!!!
フニャーーーーーーーーーーーーー!!!!
643: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:57:29.92 ID:w5TiGI6Z
希「…二人とも面倒くさいって言ってるやん?」パンパン
花陽「ふぇぇ…///」ピヨピヨ
凛「にゃぁぁ…///」ピヨピヨ
希「さっきまでのウチとのやり取り、全無視やんか。何のために二人バラバラにさせたと思ってんねん」
凛「そ、そんなこと…知らないにゃ…」クルクル
希「――まぁ…長い年月かけて擦れ違った想いなんやから、そう簡単にいかんやろうけど…」
花陽「…///」
644: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:57:59.12 ID:w5TiGI6Z
希「――直球で聞くでー?」
凛「…っ///」
花陽「~~っ///」
希「凛ちゃん、かよちんのこと好き?」
凛「にゃにゃぁぁぁ!!? そ、そそそそんなこと…!!///」
希「じゃあかよちんは? 凛ちゃんのこと好き――?」
凛「ちょ、ちょっとなんてこと聞いてるの!? この人でな――…!」
花陽「…好き///」
凛「ッ!?///」ボン
645: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:58:25.11 ID:w5TiGI6Z
希「…♪」ハァ
花陽「…私は…こんな性格だし…病気になっちゃってるし…迷惑も…たくさんかけてる…」
花陽「…けど」
花陽「それでも…いつでも…傍で助けてくれる…凛ちゃんが…好き…///」
凛「///」カァー
花陽「…こんな私でも…ずっと傍に…」
花陽「いてくれますか…?」
646: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:58:52.49 ID:w5TiGI6Z
凛「…///」
凛「凛なんかが…ずっと傍にいても…いいの…?」
花陽「…! う、うん…!」
凛「…かよちんのこと…助けてあげられなかったし…きっと、かよちんは凛のこと…恨んでるだろうなって…」
凛「一緒にいる凛のこと…キライなのかなって…思ってた…」
花陽「そんなこと…あるわけないよ…!」
凛「ほんと…?」
花陽「ほんと…だよ…!」
647: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 00:59:34.40 ID:w5TiGI6Z
凛「…」
凛「凛は…」
凛「かよちんの為に…病気が治るまで…」
凛「例え死ぬまで病気が治らなくても…凛が傍で…償わなければいけないと思ってた…」
凛「だから…凛は…かよちんのこと…好きになっちゃいけないと…思ってた…」
凛「けど…」
凛「…凛は…かよちんのこと…好きでも…いいの…?」
648: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 01:00:01.18 ID:w5TiGI6Z
花陽「うん…! 大丈夫…だよ…!」
凛「本当に…? 本当にかよちんのこと…」
花陽「好きだよ…! 凛ちゃん…!」
凛「…」
凛「~~っ」グス
凛「…うわぁぁぁぁぁぁぁん!! かよち~~~~~~~ん!!!」ボロボロ
花陽「凛ちゃん…っ!!」ポロ…
649: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/12(水) 01:00:29.38 ID:w5TiGI6Z
凛「ずっと昔からかよちんのこと…好きだったよぉぉ…っ!!」ボロボロ
花陽「…私も…っ」ボロボロ
希「…」グス
希「まーったく…最初から答えなんか出とるやん…」
希「なんで好きって言えへんの…」
希「本当――どうしようもないで…」
……。
653: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/13(木) 00:54:19.23 ID:YdYuWgKL
■Scene24
カランコロン
花陽「い、いらっしゃい…ませ…っ///」ペコリ
コト
花陽「…ご、ご注文は…お決まりでしょう…か…///」
654: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/13(木) 00:54:48.35 ID:YdYuWgKL
花陽「か、かしこまりました…」ペコ
花陽「凛ちゃん…! コーヒーを…お願い…っ」
凛「はーい! お客さん少々おまちくださいにゃー!」
ゴツン
凛「ふにゃ!?」
希「こーら、奥からそんな大声だすんやないー。お客さんに迷惑やろー?」
凛「も、もうー!! すぐ頭ぶたないでよのぞみちゃん…!」
希「あれー? 頭やなくてその小ぶりな を揉んであげた方がよかったん~…?」ニギニギ
凛「ひっ…! それだけは…///」バッ
希「えー、つまらんなぁー」
凛「つまらなくないよ! この人でなしっ!!///」
花陽「…♪」クスクス
655: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/13(木) 00:55:17.48 ID:YdYuWgKL
カランコロン
花陽「ありがとう…ございました…っ///」ペコ
凛「また来てねーっ♪」ブンブン
花陽「はぁー…」
凛「かよちん、お疲れ様ー♪」
花陽「凛ちゃんも…お疲れ様…♪」
凛「かよちん、だんだん接客なれてきたんじゃないー? 今のお客さん、絶対かよちんのこと気に入ってたよー♪」
花陽「そそそ、そんなこと、ないと思う…けど…///」
凛「かよちん可愛いもんー♪ のぞみちゃんなんかより人気あるよー!」
花陽「そ、そんな…///」
凛「…でも、かよちんに手を出したら凛が許さないけど…ッ」キッ
657: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/13(木) 00:55:45.04 ID:YdYuWgKL
ゴツン
凛「いたっ!」
希「だーから、物騒なこと口走るんやないでー?」
凛「ふにゃあ…痛いにゃ~…」
花陽「あ…希さん…お疲れ様です…」ペコ
希「二人ともお疲れ様ー♪」
凛「もう…すぐ希ちゃんはぶつんだからー…」サスサス
希「ワシワシしないだけマシだと思っとき」
凛「うー…」
花陽「…♪」クス
658: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/13(木) 00:56:11.86 ID:YdYuWgKL
希「それにしても二人のおかげで、なんか最近お客増えてきた気がするわ」
花陽「本当…ですか…?」
希「本当やでー♪ 今日はお客さん、四人も来てくれたからなー!」バーン
凛「…それ、本当に増えてるの?」ジト
希「…」ニギニギ
凛「うわーい! すごい増えてるにゃー!!」ピョーン
希「うんうん♪」
凛「…はぁ」
花陽「本当…ですか…?」
希「本当やでー♪ 今日はお客さん、四人も来てくれたからなー!」バーン
凛「…それ、本当に増えてるの?」ジト
希「…」ニギニギ
凛「うわーい! すごい増えてるにゃー!!」ピョーン
希「うんうん♪」
凛「…はぁ」
659: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/13(木) 00:56:47.04 ID:YdYuWgKL
希「さっきのお客さんも言うとったけど、かよちんの人気が強いのかもなぁ」
花陽「わ、私…!?///」アセアセ
凛「ほらぁー! やっぱりかよちん、人気あるんだよー!」
花陽「あわあわ…///」カァー
希「そうそう、その真っ赤になったところが可愛いって言うとったでー…?」キシシ
花陽「///」ボン
凛「にゃー!? かよちんの顔が爆発したー!!」
希「あっはは♪ かよちんは可愛ええなぁー♪」
凛「笑ってる場合じゃないよ!!」アセアセ
花陽「わ、私…!?///」アセアセ
凛「ほらぁー! やっぱりかよちん、人気あるんだよー!」
花陽「あわあわ…///」カァー
希「そうそう、その真っ赤になったところが可愛いって言うとったでー…?」キシシ
花陽「///」ボン
凛「にゃー!? かよちんの顔が爆発したー!!」
希「あっはは♪ かよちんは可愛ええなぁー♪」
凛「笑ってる場合じゃないよ!!」アセアセ
660: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/13(木) 00:57:14.19 ID:YdYuWgKL
希「あーそうそう、あと凛ちゃんのことも褒めとったでー?」
凛「ぇ…?」
凛「…凛のこと…も…?」
希「ウチのコーヒーには適わないけど、丁寧で優しい味のするコーヒーを淹れてくれる子ー…やってさ♪」
凛「ぁ…そう…なんだ…」
希「…だから、二人のおかげやんな♪」
凛「…///」
花陽「~~///」グルグル
……。
凛「ぇ…?」
凛「…凛のこと…も…?」
希「ウチのコーヒーには適わないけど、丁寧で優しい味のするコーヒーを淹れてくれる子ー…やってさ♪」
凛「ぁ…そう…なんだ…」
希「…だから、二人のおかげやんな♪」
凛「…///」
花陽「~~///」グルグル
……。
661: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/13(木) 00:57:40.98 ID:YdYuWgKL
カチャカチャ
凛「…よいしょ…よいしょ…」
凛「…これでよし…っと、片付けおーわり!」
凛「そしたら次は…」
凛「のっぞみちゃーん!」
希「んー、なんやー?」
凛「お片付け終わったから、コーヒー淹れる練習していいー!?」
希「えー…? それもちゃんと片付けるんやよー?」
凛「もちろんだよーっ!」
希「それやったらええよ、好きにしてええで♪」
凛「ありがとうのぞみちゃんー♪」
希「…ふぅ」
662: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/13(木) 00:58:08.48 ID:YdYuWgKL
カタ…
花陽「…あ、希さん…。掃除…終わりました」
希「お、ごくろーさん♪ 休憩入ってええでー?」
花陽「はい…♪」
花陽「…凛ちゃん…?」キョロキョロ
希「…凛ちゃんなら向こうで練習してるでー?」クス
凛「むむむ…」
663: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/13(木) 00:58:52.61 ID:YdYuWgKL
花陽「…♪」
希「…凛ちゃん、なんだかんだここで働くの、好きなんやろうなぁ…」
花陽「…そう…ですね」
希「冗談でクビって言ったときは、本当に不安げに聞き返してくるもんやから…さすがに心が痛んだわ…」
花陽「本当…ですか…?」ジト
希「もっちろん嘘やわー…♪ あの時の凛ちゃんの表情、中々にそそるもんがあったで…?」
花陽「…もう…凛ちゃんをあまり…苛めないであげてくださいね…?」
希「ふふ…かよちんも中々言うようになったやん?」
花陽「あぅ…///」
希「…凛ちゃん、なんだかんだここで働くの、好きなんやろうなぁ…」
花陽「…そう…ですね」
希「冗談でクビって言ったときは、本当に不安げに聞き返してくるもんやから…さすがに心が痛んだわ…」
花陽「本当…ですか…?」ジト
希「もっちろん嘘やわー…♪ あの時の凛ちゃんの表情、中々にそそるもんがあったで…?」
花陽「…もう…凛ちゃんをあまり…苛めないであげてくださいね…?」
希「ふふ…かよちんも中々言うようになったやん?」
花陽「あぅ…///」
664: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/13(木) 00:59:50.11 ID:YdYuWgKL
希「全く、かよちんも凛ちゃんのことになると怖いんやから…」
花陽「…あ、あの…希さん…。名前…///」モジモジ
希「名前…?」
花陽「///」コク
希「…あー…そっかそっか。花陽ちゃん…ね♪」
花陽「はい…♪」
希「ウチ的にはもう慣れたし、かよちんのままの方がええんやけどなー」
花陽「…それでも…いいんですけど…」
花陽「でも…かよちんっていう呼び方は…凛ちゃんだけのものだったから…///」
希「おーおー、えらいノロケ発言してくれるなぁー」ニヤニヤ
花陽「あぅ…///」カァー
希「わかったで、花陽ちゃん♪」
花陽「…ありがとう…ございます…♪」ニコ
花陽「…あ、あの…希さん…。名前…///」モジモジ
希「名前…?」
花陽「///」コク
希「…あー…そっかそっか。花陽ちゃん…ね♪」
花陽「はい…♪」
希「ウチ的にはもう慣れたし、かよちんのままの方がええんやけどなー」
花陽「…それでも…いいんですけど…」
花陽「でも…かよちんっていう呼び方は…凛ちゃんだけのものだったから…///」
希「おーおー、えらいノロケ発言してくれるなぁー」ニヤニヤ
花陽「あぅ…///」カァー
希「わかったで、花陽ちゃん♪」
花陽「…ありがとう…ございます…♪」ニコ
665: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/13(木) 01:00:19.62 ID:YdYuWgKL
凛「にゃーっ! 苦いにゃーっ!」ベー
凛「…あれー? おっかしいなぁー…。よーし、もう一回やるよ!」
希「…頑張ってるなぁ」クス
花陽「…そうですね…」クスクス
希「本当、口調に反して可愛い子やで…♪」
花陽「そうでも…ないですよ…?」
希「お?」
花陽「ふふ…あの凛ちゃんの…にゃーって口癖…あるじゃないですか…?」
希「あー、たまに言うとるなぁ」
花陽「あれ…昔、子供の頃に…男の子みたいってからかわれてから…自分でなんとか可愛く見せようと考えて生まれたのが、あの猫真似なんです」
希「へぇ…。ちょっとズレてるのが、凛ちゃんらしいというかなんというか…」クスクス
花陽「可愛いですよね…♪」クスクス
666: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/13(木) 01:00:53.20 ID:YdYuWgKL
花陽「…あんなに可愛いのに…凛ちゃんも…昔はいろいろ言われてて…」
希「…」
花陽「私なんかに…構ってる余裕だって…なかったかもしれないのに…」
希「花陽ちゃん…」
花陽「…」
花陽「ふふ♪ 大丈夫ですよ…」
花陽「もう一人で、背負い込んだりは…しませんから…」
希「…そか♪」
花陽「…でも、だからこそ…凛ちゃんには…自分の好きなことを…たくさんして貰いたいです…」
花陽「私なんか…気にしないで…自由に…伸び伸びと…」
花陽「それこそ、猫のように――」
希「…」
花陽「私なんかに…構ってる余裕だって…なかったかもしれないのに…」
希「花陽ちゃん…」
花陽「…」
花陽「ふふ♪ 大丈夫ですよ…」
花陽「もう一人で、背負い込んだりは…しませんから…」
希「…そか♪」
花陽「…でも、だからこそ…凛ちゃんには…自分の好きなことを…たくさんして貰いたいです…」
花陽「私なんか…気にしないで…自由に…伸び伸びと…」
花陽「それこそ、猫のように――」
667: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/13(木) 01:01:23.57 ID:YdYuWgKL
希「…いくら好きにやってたって、最後は花陽ちゃんのとこに戻ってくるわ」
希「凛ちゃん…花陽ちゃんのことが大好きやからな♪」
花陽「…本当に…猫みたいですね――?」
希「…♪」クスクス
花陽「♪」クスクス
凛「あーっ! 二人して何笑ってるのー!? もしかして凛のことー!?」
……。
668: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/13(木) 01:01:50.94 ID:YdYuWgKL
コポポ…
希「…」
コト
希「…」
669: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/13(木) 01:02:17.78 ID:YdYuWgKL
ズズ…
希「…」ハァ
カタカタカタ…
希「…」
~♪
希「…あ」
希「えりち…? ウチやよ…」
670: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/13(木) 01:02:46.80 ID:YdYuWgKL
希「うん…元気やよ。そっちは…?」
希「そっか…。うん…元気でなによりやね♪」
希「…」
希「ん? うん…」
希「明日、時間あるかな――…?」
……。
676: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/14(金) 00:49:20.93 ID:PS5nR00I
■Scene25
ことり「かよちゃ~~~ん! 凛ちゃ~~~ん!! 来たよぉぉ~~~…♡」バーン!
カランコロン…
希「…扉開けるより前に叫びながら入ってくるの、やめてもらえへんかな…。いらっしゃい、ことりちゃん」
ことり「…あれぇ? 私の天使ーずはどこぉ…?」キョロキョロ
677: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/14(金) 00:49:55.26 ID:PS5nR00I
ドサ
ことり「まさか…! またなの…っ!?」
ことり「また月に戻っていってしまったというのぉ…!! 希ちゃん…ッ!?」キッ
希「なんでウチを睨むねん…」
希「二人とも休憩中やー。一緒にご飯食べに外行っとるだけやで」
ことり「なんだぁー…」ホッ
ことり「また希ちゃんが若い子潰しちゃったのかと思ったよぉ~…」ホッ
希「誤解を招く言い方やめてもらえるー?」
678: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/14(金) 00:50:22.18 ID:PS5nR00I
コト
希「はい、どうぞ」
ことり「ありがとぉー♪」
希「今日のはウチの自信作やでー♪」
ことり「へぇ~…希ちゃんがそこまで言い切るのは珍しいね…?」
希「うん、まぁウチも色々学んで来たからなぁー…」
ことり「…それじゃあ、いただきまーす♪」
679: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/14(金) 00:50:49.04 ID:PS5nR00I
ズズ…
ことり「…」
ことり「…ふぅん」
希「…どう?」
ことり「…あーあ、つまんないなぁー」
希「へ…?」
680: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/14(金) 00:51:15.51 ID:PS5nR00I
ことり「答え、見つけちゃったんだぁ~…」
希「ぁ…」
ことり「そっかぁ…あの希ちゃんがねぇ~…」
希「…」
ことり「がんばったね、希ちゃん☆」
希「…うん♪」
ことり「もう…希ちゃんが困ってるところを見るの楽しみだったんだけどなぁ~…」
希「性格悪いなぁことりちゃんは…」
ことり「そんなことないよぉ!」
希「まったく…」クス
希「ぁ…」
ことり「そっかぁ…あの希ちゃんがねぇ~…」
希「…」
ことり「がんばったね、希ちゃん☆」
希「…うん♪」
ことり「もう…希ちゃんが困ってるところを見るの楽しみだったんだけどなぁ~…」
希「性格悪いなぁことりちゃんは…」
ことり「そんなことないよぉ!」
希「まったく…」クス
681: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/14(金) 00:51:42.47 ID:PS5nR00I
カタ…
ことり「ごちそうさまでした☆」
希「お粗末様」
ことり「…とっても、美味しかったよ♪」
希「…ありがと♪」
ことり「それで…どうするの?」
希「…もう電話した。今日、会うつもりだよ」
ことり「わお、はやーい☆」
希「うん…。何事も、思い立ったら即行動しないとな」
希「穂乃果ちゃんが教えてくれたわ…♪」
ことり「…そうだね」
682: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/14(金) 00:52:11.89 ID:PS5nR00I
ことり「あ、そうそう、この間穂乃果ちゃんに会って来たよぉ~♪」
希「は? ど、どうやって?」
ことり「穂乃果ちゃんが来ていたお洋服ぅ~、お着替えしてるときにこっそり匂いを…じゃない、どこのブランドかチェックしてたんだよぉ~」
ことり「で、ことりのコネを利用して、あらゆるブランドの知人さんに連絡をとって~、店舗にそれらしい女の子が来てないか確認してもらったんだぁ~♪」
希「ガチガチのストーカーやんけ…」
ことり「何百っていう店舗から探すのは大変だったけど…穂乃果ちゃんみたいなサイドテールの子、中々いないから割とすぐに見つかったよ~♪」
希「なんという執念…」
ことり「当たり前だよぉ…! 穂乃果ちゃんほどの天使…そうそう現れないんだよ…! なんとしてでもモデルさんにスカウトして…! あわよくば、海未ちゃんとユニットをくませて…!!」
希「ユニットって、アイドルやないんやから…」
希「は? ど、どうやって?」
ことり「穂乃果ちゃんが来ていたお洋服ぅ~、お着替えしてるときにこっそり匂いを…じゃない、どこのブランドかチェックしてたんだよぉ~」
ことり「で、ことりのコネを利用して、あらゆるブランドの知人さんに連絡をとって~、店舗にそれらしい女の子が来てないか確認してもらったんだぁ~♪」
希「ガチガチのストーカーやんけ…」
ことり「何百っていう店舗から探すのは大変だったけど…穂乃果ちゃんみたいなサイドテールの子、中々いないから割とすぐに見つかったよ~♪」
希「なんという執念…」
ことり「当たり前だよぉ…! 穂乃果ちゃんほどの天使…そうそう現れないんだよ…! なんとしてでもモデルさんにスカウトして…! あわよくば、海未ちゃんとユニットをくませて…!!」
希「ユニットって、アイドルやないんやから…」
683: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/14(金) 00:52:40.58 ID:PS5nR00I
ことり「なんてことを穂乃果ちゃんに直接伝えたら、相方さんのにこちゃんさんにぐーぱんち喰らいました…」
希「そりゃそーやんな」
ことり「でも…ことりはめげません! なんなら…にこちゃんさんも一緒に三人でユニットデビューを…っ!!」
希「…なんというか…」
希「ことりちゃんはいつでも、自分に素直やなぁ…」
希「その素直さだけは、勉強させてもらわなな…」
……。
希「そりゃそーやんな」
ことり「でも…ことりはめげません! なんなら…にこちゃんさんも一緒に三人でユニットデビューを…っ!!」
希「…なんというか…」
希「ことりちゃんはいつでも、自分に素直やなぁ…」
希「その素直さだけは、勉強させてもらわなな…」
……。
684: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/14(金) 00:53:12.77 ID:PS5nR00I
ことり「…それじゃことりは帰るね♪」
希「あの子らには会ってかんでええの?」
ことり「本当は直接会って、お洋服着せたかったけどぉ~…♡」
希「着せたかったってのが控えめに言ってキモいやね」
ことり「もぉ~希ちゃんのツッコミもどんどん鋭さが増していくんだからぁ~…///」ハァハァ
希「えぇ…そういう方向性のヘンタイさも持ってるんか…」
ことり「…でも今日は、希ちゃんの大事な日だから早めにいなくなることにするよ♪」
希「大事な日って…///」
685: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/14(金) 00:53:39.88 ID:PS5nR00I
ことり「今の希ちゃんだったら分かると思うけど…」
ことり「絵里ちゃんは希ちゃんのことを、誰よりもだいじーに想ってるんだからねっ!」
ことり「そのことを忘れちゃダメだよ!」
希「うん…わかってる…」
ことり「ふふ…♪」
ことり「絵里ちゃんのこと、あんまり泣かせるんじゃないぞっ☆」
希「…ありがと、ことりちゃん♪」
686: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/14(金) 00:54:19.59 ID:PS5nR00I
カランコロン
希「…ことりちゃんってあんなヘンタイなのに、たまに言うことはまともだし、洋服のデザインはいろんな人に認められるレベルやし…馬鹿と天才は紙一重の典型やなぁ…」
希「って、こんなこと聞かれたらどんな 衣装着せられるか分からんわ」クス
希「触らぬことりちゃんに祟りなしや――…」ナムナム
カランコロン
絵里「…何してるの、希…?」
希「へ!? え、えりち!?」ドキッ
👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:1341adc37120578f18dba9451e6c8c3b)
687: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/14(金) 00:54:52.67 ID:PS5nR00I
希「は、早かったね…?」
絵里「ええ…調度予定も入ってなかったしね」
希「へ、へぇ…」
絵里「入り口に向かってお祈りなんかして…疫病神でも来てたのかしら?」
希「疫病神って、そんな…」
希「いや…あながち間違いではないんかな…」
絵里「…それはもしかして、私のことだったり――?」
絵里「ええ…調度予定も入ってなかったしね」
希「へ、へぇ…」
絵里「入り口に向かってお祈りなんかして…疫病神でも来てたのかしら?」
希「疫病神って、そんな…」
希「いや…あながち間違いではないんかな…」
絵里「…それはもしかして、私のことだったり――?」
688: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/14(金) 00:55:19.55 ID:PS5nR00I
希「…」
絵里「…」
絵里「なんか言って頂戴よ…」
希「…」クス
希「――中、入って?」
絵里「…ええ」
……。
689: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/14(金) 00:55:47.63 ID:PS5nR00I
トコトコ…
凛「はー、お昼ご飯美味しかったーっ♪」
花陽「凛ちゃん…食べ過ぎだよ…?」
凛「大丈夫だよー! のぞみちゃん人使い荒いから…これぐらい沢山食べて元気つけておかないと…っ」グッ
花陽「ふふ…♪」
凛「遅れるとのぞみちゃんがうるさいし、早くかえろー?」
花陽「…凛ちゃん…すっかり希さんと仲良くなったよね…♪」
凛「えーっ!? そんなことないよー! すぐ頭ぶたれるし、お、 だって揉まれちゃうし…///」サワサワ
花陽「そ、それは私も…たまにあるし…///」サワサワ
凛「ちょ、かよちんが 触るのは禁止ーっ!///」
花陽「ふぇ…?///」
690: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/14(金) 00:56:14.85 ID:PS5nR00I
凛「…り、凛が小さいのが、よりはっきりしちゃうにゃ…///」シュン
花陽「…別に…小さくても…可愛いよ…♪」クス
凛「嫌味だよぉ…のぞみちゃんとかよちんが言っても説得力ないぃー…」
花陽「あ…ほら、凛ちゃん…それだよ…」
凛「それ?」
花陽「のぞみちゃんって…よく言うようになったよね?」
凛「ぁ…だ、だってこれは…のぞみちゃんが…」
凛「あ…///」
花陽「ふふ、全然いいと思うよ…。ひ、人でなしなんて呼んでるよりかは…」アハハ
凛「…そう、かな?」
花陽「うん…♪」
凛「でも…のぞみちゃんが人でなしなのは変わらないけどね…っ!」
花陽「…♪」クス
花陽「…別に…小さくても…可愛いよ…♪」クス
凛「嫌味だよぉ…のぞみちゃんとかよちんが言っても説得力ないぃー…」
花陽「あ…ほら、凛ちゃん…それだよ…」
凛「それ?」
花陽「のぞみちゃんって…よく言うようになったよね?」
凛「ぁ…だ、だってこれは…のぞみちゃんが…」
凛「あ…///」
花陽「ふふ、全然いいと思うよ…。ひ、人でなしなんて呼んでるよりかは…」アハハ
凛「…そう、かな?」
花陽「うん…♪」
凛「でも…のぞみちゃんが人でなしなのは変わらないけどね…っ!」
花陽「…♪」クス
691: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/14(金) 00:56:42.43 ID:PS5nR00I
凛「そういえば、この間初めてのぞみちゃんの淹れてくれたコーヒー飲んだけど…」
花陽「美味しかった?」
凛「うん…すごい美味しかった…」
花陽「だよね…♪」
凛「のぞみちゃんの淹れるコーヒーって、なんであんなに美味しいんだろうなぁ…。凛、あれからずっと練習してるけど…ちっとも敵いそうにないや…」
花陽「…希さんは…すごく優しいから…それがコーヒーに出てるのかも…」
凛「…」
花陽「西木野先生も言ってたけど…とっても暖かい…」
花陽「どれだけ辛いことがあっても、優しく包み込んでくれるんだって…」
花陽「美味しかった?」
凛「うん…すごい美味しかった…」
花陽「だよね…♪」
凛「のぞみちゃんの淹れるコーヒーって、なんであんなに美味しいんだろうなぁ…。凛、あれからずっと練習してるけど…ちっとも敵いそうにないや…」
花陽「…希さんは…すごく優しいから…それがコーヒーに出てるのかも…」
凛「…」
花陽「西木野先生も言ってたけど…とっても暖かい…」
花陽「どれだけ辛いことがあっても、優しく包み込んでくれるんだって…」
692: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/14(金) 00:57:15.45 ID:PS5nR00I
凛「…かよちんも」
花陽「…え?」
凛「かよちんも…のぞみちゃんのコーヒー…好き…?」
花陽「…うん…大好き…♪」
凛「…」
花陽「…?」
凛「むー…!」
凛「かよちんに大好きって言ってもらえるように、凛、もっと頑張るよっ!」
花陽「え、えぇ…?///」
花陽「…え?」
凛「かよちんも…のぞみちゃんのコーヒー…好き…?」
花陽「…うん…大好き…♪」
凛「…」
花陽「…?」
凛「むー…!」
凛「かよちんに大好きって言ってもらえるように、凛、もっと頑張るよっ!」
花陽「え、えぇ…?///」
693: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/14(金) 00:57:43.04 ID:PS5nR00I
トコトコ…
凛「とうちゃーく! さぁー、午後もがんばろーっ!!」
花陽「…そうだね…♪」
凛「お客さん来ればいいけど…っと」ピタ
花陽「…? 凛ちゃん…?」
凛「あそこ…窓際の席。めずらしー…お昼の時間にお客さんが入ってるー…」
花陽「り、凛ちゃん…。確かに…珍しいけど…」
凛「凛たち、本当に人気になってるのかなぁ?」ワクワク
花陽「ど、どうかな…///」
凛「よーし! お客さんとお話してくるにゃー!」
694: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/14(金) 00:59:23.15 ID:PS5nR00I
ガバッ!
凛「にゃー!?///」
花陽「り、凛ちゃん!?」アセアセ
凛「や…ちょ…! 離せ…! どこ触ってるのヘンタイ…!!///」ジタバタ
花陽「け、警察…っ!?」ハラハラ
ことり「…はぁ~…凛ちゃんの小ぶりな ~…♡」ハァハァ
花陽「あ…こ、ことりさん…」
凛「ふぇ…?///」
695: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/14(金) 01:00:05.42 ID:PS5nR00I
ことり「やっほー、かよちゃんに凛ちゃんー☆」ワシワシ
花陽「ことりさん…な、なんで…こんな隅っこに…?」
ことり「んー…それにはちょっと理由があってぇ~…」モミモミ
花陽「理由…?」
ことり「中の様子をこっそり伺いたいというかぁ~…」プニプニ
花陽「あのお客さん…ですか…?」
ことり「そうそう、ちょーっと訳ありでぇ~…」サワサワ
花陽「希さんのお客さん…ですか…?」チラ
ことり「だいじなだいじなお客さんだよ…♪」ツンツン
凛「い、いいから 揉むのやめるにゃーーーっ!!///」
……。
花陽「ことりさん…な、なんで…こんな隅っこに…?」
ことり「んー…それにはちょっと理由があってぇ~…」モミモミ
花陽「理由…?」
ことり「中の様子をこっそり伺いたいというかぁ~…」プニプニ
花陽「あのお客さん…ですか…?」
ことり「そうそう、ちょーっと訳ありでぇ~…」サワサワ
花陽「希さんのお客さん…ですか…?」チラ
ことり「だいじなだいじなお客さんだよ…♪」ツンツン
凛「い、いいから 揉むのやめるにゃーーーっ!!///」
……。
700: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/15(土) 00:25:28.63 ID:Mv3EZr92
コト
希「はい、どうぞ♪」
絵里「ありがとう」
希「…」
絵里「…」
絵里「…それで、話って?」
希「うん…」
希「まずはコーヒー、飲んで♪」ニコ
絵里「…? いいけど…」
701: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/15(土) 00:25:55.29 ID:Mv3EZr92
ズズ…
絵里「…」
カタ…
希「…美味しくなかった?」
絵里「いえ…そんなことはないわ」
702: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/15(土) 00:26:23.31 ID:Mv3EZr92
絵里「ただ…」
絵里「昔を思い出したの…」
絵里「希と一緒に、母の淹れるコーヒーの練習をしていたこと――…」
希「…」
703: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/15(土) 00:26:51.48 ID:Mv3EZr92
希「懐かしいなぁ…」
希「あそこのカウンターの上で…よく一緒に練習してたね…」
絵里「中々上達しない希のことを、あの頃、何度怒ったか分からないわ」
希「ほんと…えりちは厳しかったからなぁ」
絵里「…希が不器用すぎるのよ…」
希「本当にね…♪」クス
絵里「私達のそんな光景を…母が、今座ってるこの席から遠目に…暖かく見守ってくれてたわね」
希「…あの人を小馬鹿にしたような笑い方、今でも覚えてるわ…♪」
絵里「…失礼ね」
希「だってホントのことやん?」
絵里「…まぁ、ね」
希「せやろ?」クスクス
704: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/15(土) 00:27:20.71 ID:Mv3EZr92
絵里「希、あなた…本当に母に似てきたわね」
希「え、ホント?」
絵里「…その胡散臭いエセ関西弁もそうだし、何より…性格がね」
希「そう言われると…嬉しいやん♪」
絵里「そんなとこ、受け継がなくて良かったのに…」
希「どっちが娘なんか、わからんなぁ」
絵里「本当ね…」クス
絵里「…」
絵里「希…」
絵里「…あなたの心は今でも、母と共にこの喫茶店の中にあるの――…?」
希「え、ホント?」
絵里「…その胡散臭いエセ関西弁もそうだし、何より…性格がね」
希「そう言われると…嬉しいやん♪」
絵里「そんなとこ、受け継がなくて良かったのに…」
希「どっちが娘なんか、わからんなぁ」
絵里「本当ね…」クス
絵里「…」
絵里「希…」
絵里「…あなたの心は今でも、母と共にこの喫茶店の中にあるの――…?」
705: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/15(土) 00:27:56.85 ID:Mv3EZr92
希「…」
希「…」
希「――どうなんやろなぁ」
希「ウチにもそこらへんは、ようわからんわ」クス
絵里「…」
706: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/15(土) 00:28:24.42 ID:Mv3EZr92
希「…ウチは子供の頃…ずっと一人やったから」
希「学校にいても、家にいても、どこにいても…常に一人やった…」
希「それはウチ自身の弱さのせいだから、誰のせいにするつもりもない」
希「けど、子供の頃は…それを慰める術を、知らなかった…」
希「当たり前やね、子供なんやから」
希「でも、そんな子供のウチを…えりちのお母さんは…優しく抱きしめてくれた」
707: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/15(土) 00:28:51.43 ID:Mv3EZr92
希「――今でも覚えてる」
希「居場所が無かったウチは、外をふらふらと彷徨う日々が続いてた…」
希「そしたらある日、ふと…どこからともなくコーヒーの良い匂いが漂ってくるのを感じたんよ」
希「あの頃のウチは、コーヒーの良さの欠片も知らないんだから…それがなんで良い匂いと感じたかは分からない…」
希「けど、その不思議な心地良さにつられて…私はこの喫茶店に誘われた」
希「まるで――そうなる運命みたいに」
絵里「運命…」
708: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/15(土) 00:29:23.52 ID:Mv3EZr92
希「…運命って、面白いなって思うよ」
希「ウチ、占いとかそういう真似事できないからよくわからんけど…」
希「きっとここに集まってくるお客さんや、いろんな人…みんな何かの運命みたいなもので呼び寄せられたんやと思っとる」
希「なんでと言われても、答えることはできないんやけど…」
希「でも…そうなんだって自信を持って言えるんや」
希「もしかしたら、前世が占い師とかやったんかもな――?」クス
希「だから…穂乃果ちゃんがここに来たのも運命やと思うし…」
希「真姫ちゃんも、海未ちゃんも…」
希「花陽ちゃんや凛ちゃん…ことりちゃんも」
希「そして…えりちとも――…」
絵里「…」
709: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/15(土) 00:29:50.70 ID:Mv3EZr92
希「えりちと出会えてなかったら、きっと…今のウチはなかった…」
希「こんなにも…いろんな人とお話することができて…喫茶店をやれるのは全部…えりちのおかげやもん…」
希「えりちが…ウチのことを一生懸命育ててくれた…」
絵里「希…」
希「そして勿論…お母さんも…」
希「ウチの本当のお母さんやないけど…間違いなく、あの人はウチのお母さんや」
希「お母さんに出会えたのも…運命なんよ…」
希「だからね…お母さんが事故で亡くなったことだって…運命やと思ってるんや」
710: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/15(土) 00:30:18.55 ID:Mv3EZr92
絵里「…」
希「本当に急だったし…すごく悲しかった…」
希「一時期はずっと塞ぎ込んだままだったし、また元の私に戻ってしまいそうだった」
希「――ううん」
希「ウチは元の私に戻っていた」
希「誰とも言葉を交わせないで、一人で膝を抱えてうずくまる私に…」
711: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/15(土) 00:30:45.97 ID:Mv3EZr92
希「でも、しょうがないよね…」
希「お母さんは、私一人でも心細くないように…」
希「自分で足で歩けるように…魔法をかけてくれた人だから…」
希「そのお母さんがいなくなったから、魔法は解けてしまったんだ…」
希「お母さん…」ギュ
712: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/15(土) 00:31:14.79 ID:Mv3EZr92
絵里「…」
希「――なーんてな」
希「ウチはもう…そんな弱くない」クス
希「そんな魔法に頼ってなければいけないほど弱い私じゃない――」
希「えりち…この間来てくれた時に言ったやん?」
希「ウチが、いつまでもお母さんの真似をしているって…」
絵里「ええ…言ったわね」
713: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/15(土) 00:31:47.32 ID:Mv3EZr92
希「…それは間違いなんよ」
希「ウチは、お母さんの真似をしとる訳やない」
希「…だって、これはウチの魔法だから――」
希「ウチが自分でかけた、ウチだけの魔法――」
希「ウチが自分自身で変えようと努力した魔法――」
希「それが魔法なんかは、ようわからんけど」クス
714: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/15(土) 00:32:15.63 ID:Mv3EZr92
希「だから、えりちがウチに感じているお母さんの影っていうのは…幻だよ」
希「ウチはウチ、私はもういない」
絵里「…」
希「…と言ってもな、そのことに気が付いたんは最近なんよ」
希「ウチ自信…ずっとお母さんの影を追ってた気はしてたから…」
希「本当にこのままでいいのか…」
希「私はどうしたいのか…ずっと迷ってた」
715: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/15(土) 00:32:43.21 ID:Mv3EZr92
希「でも――穂乃果ちゃんやにこっちに出会って…」
希「真姫ちゃんや海未ちゃんと知り合えて…」
希「そして…花陽ちゃん、凛ちゃんとも出会って…」
希「いろんなことを知った…」
希「いろんな人の強さを学んだんよ…」
希「そして…自分はバカやったんやなぁって、気が付いたんや」
716: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/15(土) 00:33:31.73 ID:Mv3EZr92
希「いつまでもお母さんの後を追って…自分の弱さから逃げて…」
希「大切なことからずっと目を背けながら…この喫茶店をやってた」
希「お母さんに…本当に申し訳ないわ…」
希「人の店使って、ウチは何してたんやろって…」
希「本当の意味で、ウチはお客さんのこと…笑顔になんてできてなかったんや」
希「…そりゃそうやんなぁ」
希「一番近い人間のこと、笑顔にできてないんやから――」
絵里「…希」
717: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/15(土) 00:34:00.55 ID:Mv3EZr92
希「…この喫茶店で起きた出来事は…ウチにとって全部宝物」
希「ウチが生きてきた証…」
希「全部…ウチの運命…」
希「えりち…今まで私をこのお店に置いてくれてありがとう…♪」ニコ
絵里「…どういたしまして」ニコ
タッ
希「…大好きだよ♪」ギュ
絵里「――」
……。
718: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/15(土) 00:34:39.58 ID:Mv3EZr92
ことり「キャ――――――!! 希ちゃんの生告白きたぁぁぁぁ~~~~!!!☆」バシバシ
凛「い、痛いにゃぁ~~っ!!」
花陽「こ、ことりさん…声が大きいですよ…///」ドキドキ
ことり「だ、だってだってぇ!! 臆病な希ちゃんがあんな大胆に大好きだよ!? しかも抱きついちゃってるよぉ! いけっ! そこだっ! 押し倒せぇ!!///」ハァハァ
花陽「お、押し倒すだなんて…そ、そんな…///」
凛「…っていうかお店の中に盗聴器仕掛けてるとか…このヘンタイ女、絶対通報した方がいいと思うよ…」
ことり「こ、ここ、これは! そのぉ…希ちゃんのことが心配だからでぇ…///」テヘ
花陽「あ、あれ…? ということは…私達の会話も…?///」
ことり「ばっちり聞いてたよぉ~…☆」
花陽「///」カァー
凛「は、犯罪にゃー!! 警察にしょっぴくにゃーっ!!///」
719: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/15(土) 00:35:12.13 ID:Mv3EZr92
ケイサツー!?
ガサ
にこ「ちょっと! 警察とか穏やかじゃない声が聞こえてきたけど、大丈夫ーっ!?」
穂乃果「にこちゃん…危ないよ…刺されるよ…っ!」ギュ…
穂乃果「あ」
ことり「あ♡」
にこ「こいつが犯人?」チラ
凛「そうにゃ!!」ビシ
花陽「り、凛ちゃん…!」アワアワ
720: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/15(土) 00:35:48.20 ID:Mv3EZr92
にこ「うちの穂乃果だけじゃなく、喫茶店のお客も毒牙にかけてるのかしら~このトサカはぁ~?」ピキピキ
ことり「ど、毒牙なんて…誤解だよぉ~♪ ねー穂乃果ちゃーん凛ちゃーん…♡」
穂乃果「ぅ…///」ササ
凛「…///」ササ
ことり「二人とも絶妙に距離を取ってるっ!!」ガーン
にこ「はーい、近くに交番あるから一緒についてきてねー」グイ
花陽「あわあわあわ…」
ことり「いやぁぁぁ~~~~~! 希ちゃんの告白劇最後までみたいのぉぉぉ~~~~!!」ズルズル
穂乃果「希ちゃんの告白…?」
にこ「え、なに…? どういうこと…?」
……。
ことり「ど、毒牙なんて…誤解だよぉ~♪ ねー穂乃果ちゃーん凛ちゃーん…♡」
穂乃果「ぅ…///」ササ
凛「…///」ササ
ことり「二人とも絶妙に距離を取ってるっ!!」ガーン
にこ「はーい、近くに交番あるから一緒についてきてねー」グイ
花陽「あわあわあわ…」
ことり「いやぁぁぁ~~~~~! 希ちゃんの告白劇最後までみたいのぉぉぉ~~~~!!」ズルズル
穂乃果「希ちゃんの告白…?」
にこ「え、なに…? どういうこと…?」
……。
721: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/15(土) 00:36:18.07 ID:Mv3EZr92
にこ「へぇ…ちょっと挨拶に寄ってみたら面白いことになってるのね…」
穂乃果「希ちゃん…そっか…」クス
ことり「ね? ね? だからこの盗聴器で中の会話を盗み聞きしてね…♪」エヘヘ
にこ「…あんた、可愛い顔して言ってることは最悪ね」
ことり「そんなぁ、可愛い顔だなんてぇ…///」キャッ
凛「ことりちゃんにそんなこと言っても無駄だよ…」
穂乃果「本当だよね…喜ぶだけだよ…」
にこ「初めてあった人間同士でそこまで共感するなんて、本物ね…」
穂乃果「希ちゃん…そっか…」クス
ことり「ね? ね? だからこの盗聴器で中の会話を盗み聞きしてね…♪」エヘヘ
にこ「…あんた、可愛い顔して言ってることは最悪ね」
ことり「そんなぁ、可愛い顔だなんてぇ…///」キャッ
凛「ことりちゃんにそんなこと言っても無駄だよ…」
穂乃果「本当だよね…喜ぶだけだよ…」
にこ「初めてあった人間同士でそこまで共感するなんて、本物ね…」
722: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/15(土) 00:36:47.06 ID:Mv3EZr92
花陽「…あの…穂乃果さん…ですか…?」
穂乃果「うん! 穂乃果だよ! あなたは…?」
花陽「は、初めまして…! 穂乃果さんが辞めた後に…ここで代わりに働かせてもらってる…小泉花陽…と言います///」ペコリ
穂乃果「あ…そうだったんだ」
花陽「はい…穂乃果さんが来ていた制服…今は私が、お借りしています…」
穂乃果「へぇ…」ジー
花陽「?」
穂乃果「ははは…穂乃果なんかよりずっとお似合いだよね…」ズーン
花陽「あ、あぅ…///」バッ
凛「凛もかよちんと一緒に働いてるんだよ!」
穂乃果「二人共一緒に働いてるの? …希ちゃん、お金大丈夫なのかな…」
ことり「それはまぁ、絵里ちゃんがいるから…大丈夫なんじゃないかなぁ?」
花陽「そう言えば…このお店のお金ってどこから…」
穂乃果「うん! 穂乃果だよ! あなたは…?」
花陽「は、初めまして…! 穂乃果さんが辞めた後に…ここで代わりに働かせてもらってる…小泉花陽…と言います///」ペコリ
穂乃果「あ…そうだったんだ」
花陽「はい…穂乃果さんが来ていた制服…今は私が、お借りしています…」
穂乃果「へぇ…」ジー
花陽「?」
穂乃果「ははは…穂乃果なんかよりずっとお似合いだよね…」ズーン
花陽「あ、あぅ…///」バッ
凛「凛もかよちんと一緒に働いてるんだよ!」
穂乃果「二人共一緒に働いてるの? …希ちゃん、お金大丈夫なのかな…」
ことり「それはまぁ、絵里ちゃんがいるから…大丈夫なんじゃないかなぁ?」
花陽「そう言えば…このお店のお金ってどこから…」
723: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/15(土) 00:37:13.44 ID:Mv3EZr92
穂乃果「えっと…花陽ちゃん…?」
花陽「は、はい…?」
穂乃果「なんていうか…穂乃果は突然やってきて、そして突然出て行っちゃったからあんまり希ちゃんこと、助けてあげられなかったけど…」
穂乃果「穂乃果の代わりに希ちゃんのこと…しっかり支えてあげてね…♪」
花陽「ぁ…」
花陽「はい…♪」
花陽「は、はい…?」
穂乃果「なんていうか…穂乃果は突然やってきて、そして突然出て行っちゃったからあんまり希ちゃんこと、助けてあげられなかったけど…」
穂乃果「穂乃果の代わりに希ちゃんのこと…しっかり支えてあげてね…♪」
花陽「ぁ…」
花陽「はい…♪」
724: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/15(土) 00:37:44.39 ID:Mv3EZr92
オヤ…?
ガサ…
海未「…誰か、いるのですか…?」
ことり「あ、海未ちゃぁ~ん☆」
海未「ひっ!」ザザザ
タタタ…!
にこ「…あんたの顔見ただけで逃げてったわよ。どんだけ嫌われてんのよ」
ことり「海未ちゃんったらもう、恥ずかしがり屋さんなんだからぁ~☆」
725: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/15(土) 00:38:12.69 ID:Mv3EZr92
ヴェェェ!!
穂乃果「あ、あの叫び声は…」
花陽「西木野…先生…?」
穂乃果&花陽「え?」クル
真姫「いたた…」
海未「す、すみません…急に飛び出して…」
真姫「だ、大丈夫よ…って、あら…?」
海未「あ…あなたは…希さんの知り合いの…」
726: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/15(土) 00:38:42.00 ID:Mv3EZr92
穂乃果「真姫ちゃーん、海未ちゃーん!」トコトコ
真姫「ぁ…」
海未「ことりさんだけでなく、穂乃果さんまで…?」
凛「みんな…このヤブ医者のこと知ってるの…?」
真姫「だから、ヤブ医者じゃないって言ってるでしょ…っ!」
花陽「り、凛ちゃん…!」
穂乃果「ヤブ医者…だったの真姫ちゃん…?」
真姫「希と同じリアクションするんじゃないわよっ!」
穂乃果「えー…?」
ことり「お医者さん…美人…女医…っ!?///」ハァハァ
727: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/15(土) 00:39:21.25 ID:Mv3EZr92
にこ「なになに、みんな知り合いなの…? すごい偶然ね…」
穂乃果「本当だねぇ…」アハハ
海未「私は…いつものように希さんのコーヒーを飲みに来ただけですが…」
真姫「私も…そうよ…///」
凛「偶然知り合いが今日集まったの…? すごいにゃぁ…」
花陽「そうだね…」
花陽「希さんは本当に…みんなの人気者なんだね…♪」
穂乃果「うん…希ちゃんのことは、みんな大好きだよ♪」
ことり「ふふ…希ちゃんが聞いたら、泣いて喜ぶよ…?」クス
にこ「あ、いや、私は…そんなには…」
……。
穂乃果「本当だねぇ…」アハハ
海未「私は…いつものように希さんのコーヒーを飲みに来ただけですが…」
真姫「私も…そうよ…///」
凛「偶然知り合いが今日集まったの…? すごいにゃぁ…」
花陽「そうだね…」
花陽「希さんは本当に…みんなの人気者なんだね…♪」
穂乃果「うん…希ちゃんのことは、みんな大好きだよ♪」
ことり「ふふ…希ちゃんが聞いたら、泣いて喜ぶよ…?」クス
にこ「あ、いや、私は…そんなには…」
……。
734: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:09:04.57 ID:bXpdcqom
希「――」
絵里「…の、希…///」
735: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:09:31.51 ID:bXpdcqom
希「…」
絵里「…///」ギュ
736: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:10:00.01 ID:bXpdcqom
希「――なんで、この一言が言えなかったんやろなぁ…」
希「ウチはずっと言い続けてたやんな…」
希「えりちのおかげって…」
希「それなのに…ずっとずっと誤魔化し続けて…」
希「えりちを先に歩かせ続けて…」
希「ウチはずっと、待ってた…」
737: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:10:26.89 ID:bXpdcqom
希「いや…」
希「迎えに来てくれるえりちの手を、払い除け続けてきてたんやな…」
希「ほんと…私は…バカだよ…」
希「えりち…」グ…
絵里「希…」
738: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:10:54.15 ID:bXpdcqom
絵里「――私も…大好きよ」ギュ
739: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:11:21.31 ID:bXpdcqom
絵里「…母が亡くなって、ずっと塞ぎこんでいても…」
絵里「一人で母の影を背負い込んでいても…」
絵里「例え、私のことを見てくれていなくても…」
絵里「私はずっと…希のことを想い続けていた」
740: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:11:49.18 ID:bXpdcqom
絵里「何故…なのかしらね」
絵里「…希とは、どこか近いものを感じていたから…?」
絵里「お互い…種類は違えど、孤独を感じる者同士だったから、なのかもしれない…」
絵里「私だって、決して…いつだって強かったわけじゃない」
絵里「一人の時は泣くこともあったし、うずくまることだってあった」
絵里「母が亡くなったという報せを聞いたときも、足が震えて崩れ落ちそうになった」
741: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:12:17.12 ID:bXpdcqom
絵里「けれど…希の前では強くいなくちゃ行けないと思った」
絵里「希の前では弱音を吐いてはいけないと思った」
絵里「私が弱音を吐いたら…希は、また立てなくなることを知っていたから…」
絵里「希の為に…私は強くなるしか無かった…」
742: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:12:46.08 ID:bXpdcqom
絵里「…それからの人生は…常に希のことを考えての毎日だった」
絵里「なんとかして、希を立ち上がらせたい――」
絵里「もう一度――希と一緒に、コーヒーを淹れたい」
絵里「そんな夢を、私はずっと持ち続けて…頑張ってきた」
絵里「…お婆様や、親戚の人、知人に…たくさん迷惑もかけた」
絵里「無理を承知でお願いもした」
743: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:13:13.91 ID:bXpdcqom
絵里「でも、希のためだったら頑張れた」
絵里「希と一緒に、あの日々を取り戻せるのならば…それぐらいの苦労も厭わなかった」
絵里「だって…私には…」
絵里「母がいなくなった私には、希しかいなかったから…」
絵里「…私には、希が全てだったのよ…!」
希「…」
744: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:13:41.20 ID:bXpdcqom
絵里「…っ」グ…
希「…ごめんね…えりち…」
745: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:14:08.10 ID:bXpdcqom
希「今まで…そんなえりちの想いに…気が付いてあげられなくて…っ」
希「私は…自分のことしか考えられないバカだったから…」
希「鈍感で弱くて…教えられたこともロクに覚えられないダメダメな子だったから…!」
希「ウチは…いろんな人に大切なことを教えてもらって…」
希「ようやく…えりちの隣りに来れた気がする…っ!」
絵里「希…っ」ギュ
希「えりち…っ!」
746: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:14:35.53 ID:bXpdcqom
絵里「…っ」
希「~~…っ」ギュ
747: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:15:03.53 ID:bXpdcqom
……。
748: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:15:30.96 ID:bXpdcqom
絵里「…希」
希「なに…?」
絵里「私は今まで…あの日々を取り戻すために頑張ってきた…」
希「うん…」
絵里「でも…その過程で私は、あらゆる経験値を積んできた…」
絵里「こことは違う場所で…地位も築いてきた」
絵里「私は…この喫茶店を維持することはできても…今更戻ることはできない…」
希「そう、だよね…」
749: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:15:59.33 ID:bXpdcqom
絵里「だからね、私はあなたと一緒に旅立ちたいの――」
絵里「この喫茶店を店じまいして、新しい人生の一歩を、二人で踏み出したい――」
絵里「…母の思い出は、私達の中にある」
絵里「店を無くしたからといって、潰えるものではないと思ってるから…」
絵里「それが…希の為でもあると、思っているの…」
絵里「どう、希…?」
絵里「私は決して、押し付ける気はない…」
絵里「だから――選択肢はあなたに委ねる」
750: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:16:40.49 ID:bXpdcqom
希「…」
希「えりち…」
希「…そんなの、答えは決まってるやん――?」
751: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:17:32.68 ID:bXpdcqom
絵里「それじゃあ…」
希「――でもその前に…ちょっといい?」
絵里「…? ええ…」
トコトコ…
希「…んーっと」
希「これかな?」
752: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:18:06.73 ID:bXpdcqom
絵里「…テーブルの下に潜って…なにしてるの…?」
希「…こほん」
希「こそこそ隠れて聞いてるとみんなワシワシするでーーーーーーー!!!?」キーン
753: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:18:44.20 ID:bXpdcqom
カランコロン!!
凛「ワシワシは勘弁するにゃーーーっ!!///」
穂乃果「そうだよ! 穂乃果の胸はにこちゃんだけのものなんだからぁ!!///」
花陽「…っ///」ペコペコペコ!!
絵里「え…?」
希「あ、あれ…穂乃果ちゃん…?」
穂乃果「え、えへへ…///」
754: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:19:13.45 ID:bXpdcqom
希「てっきり…ことりちゃんと花陽ちゃん、凛ちゃんあたりが盗み聞きしてるだけかなと思っとったんだけど…」
ことり「えへへぇ~…♡」テヘ
凛「り、凛とかよちんは関係ないよ! 無罪だよ!!」
海未「ど、どうも…///」チラ
真姫「…///」
希「海未ちゃんに真姫ちゃんまで…」
にこ「しばらくね…」
希「えぇ、にこっちまで…」
ことり「えへへぇ~…♡」テヘ
凛「り、凛とかよちんは関係ないよ! 無罪だよ!!」
海未「ど、どうも…///」チラ
真姫「…///」
希「海未ちゃんに真姫ちゃんまで…」
にこ「しばらくね…」
希「えぇ、にこっちまで…」
755: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:19:43.29 ID:bXpdcqom
希「え、なにこの人数、全員集合――?」
にこ「…何をもって全員なのかは知らないけど、ほとんどがお互いに知りあいなんじゃないの?」
希「…」
希「…みんな、ウチの告白…聞いてたの…?///」
穂乃果「う、うん…///」
海未「はい…すみません…///」
真姫「不可…抗力よ…っ///」カァー
凛「犯人はこいつだよっ!///」ビシ
ことり「えへへ~…どうしても希ちゃんの告白聞きたくてぇ~…☆」
花陽「…っ///」ペコペコペコ
にこ「…まったく、とんでもない悪人がいたもんだわ」
希「///」カァー
756: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:20:34.21 ID:bXpdcqom
絵里「…な、なによ…なんなのよ…」
ことり「…ふふ、絵里ちゃん」
絵里「ことり…」
ことり「…お疲れ様♪」
絵里「聞いていたのね…///」
ことり「絵里ちゃんのそんな顔見られるなんて、一生思わなかったよぉ…♪」
絵里「怒るわよ…?///」
ことり「じょうーだん☆」
ことり「でも、今までの辛い時をことりは知ってるから…」
ことり「その笑顔は、本当に眩しいんだよ――?」
絵里「…///」
757: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:21:00.95 ID:bXpdcqom
ことり「…絵里ちゃんの想い、しっかり聞かせてもらったよ――」
ことり「今まで、頑張ったね…」
ことり「希ちゃんとお幸せにね…♪」
絵里「…ありがとう…ことり…」
凛「…いいこと言って誤魔化すつもりだよ、この犯罪者」ジト
ことり「な、なんのことかなぁ~☆」エヘヘ
758: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:21:28.66 ID:bXpdcqom
穂乃果「…希ちゃん」
希「穂乃果ちゃん…///」
穂乃果「…ふふ、希ちゃんの告白…全部聞いてたよ♪」
希「う、うん…///」
穂乃果「やっぱり希ちゃんは強いよ…!」
穂乃果「穂乃果が思った通り…♪」
穂乃果「穂乃果の視線から逃げなかった希ちゃんだもん…」
759: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:21:58.62 ID:bXpdcqom
希「…穂乃果ちゃんのおかげだよ」
希「この強さは、穂乃果ちゃんに教えてもらったものやもん…」
希「穂乃果ちゃんがいなければ、今のウチはない…」
穂乃果「…そんなことないよー」
穂乃果「もしかしたら穂乃果がそのキッカケを与えたかもしれないけど」
穂乃果「やっぱりそれは、元から希ちゃんが持っていたものだと思うから…」
穂乃果「さっきの希ちゃんみたく言えば、運命ってヤツなんじゃない――?」クス
希「…もう、穂乃果ちゃんったら///」
穂乃果「あははっ♪」
希「ふふ♪」
760: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:22:28.33 ID:bXpdcqom
海未「運命――そういう風に捉えるのは面白いですね」クス
希「海未ちゃん…。まさか海未ちゃんまで聞いてるとは思わなかったわ…」
海未「あ、い、いえ…! 聞いてしまったのはその…たまたまというか偶然というか…///」
海未「それこそ、運命というヤツでして…///」
希「へぇ~…盗聴器で人の告白聞くのが運命なんー…?」
海未「そそそ、それは…あぅ…///」
希「あっはは♪ 冗談やよー! 海未ちゃんがそんなことする子やないってのは分かっとるでー♪」
海未「そう言っていただけると…///」
希「まぁ、ことりちゃんに染まらないように気をつけて欲しくあるけどな♪」
海未「…はい」クス
ことり「二人共、ことりの悪口言ってるのぉ~…?」
761: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:22:55.95 ID:bXpdcqom
海未「希さん…私はあくまでも、このお店のお客その一…」
海未「私に何を言う権利もありません」
海未「希さんの選択――心して受け取りたいと思います」
希「…ありがとう、海未ちゃん」
海未「…♪」ニコ
762: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:23:24.61 ID:bXpdcqom
真姫「――何も言う権利もない…か」
希「真姫ちゃん…」
真姫「そうよね…私には何も言う権利がないものね」
希「…真姫ちゃん、その…な…?」
真姫「いい。何も言わないで」
希「ん…」
真姫「…元から勝ち目のない勝負だったのだから」
真姫「この店は、私にとって居心地のいい空間だった…」
真姫「それだけ――…」
希「…」
763: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:23:53.22 ID:bXpdcqom
真姫「――ただね」
真姫「希の選択に対して、私は何も言えないけど…」
真姫「希の選択したその先を私がどうしようと、それは私の勝手でしょう――?」
希「う、うん…そうやね…」
真姫「それがきっと、私の運命よ」
希「…」
764: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:24:21.70 ID:bXpdcqom
にこ「怖いこと言ってるわね、この吊目…」
真姫「誰が釣り目よっ! 真姫よっ!」
にこ「あーはいはい、真姫ちゃんは怖いねー」
真姫「~~…っ!」
希「ちょ、ちょっとちょっと! 急に争うんはやめ!」
真姫「だって、この子が…!」
にこ「だぁれがこの子よ! 子供扱いするなっ!!」
希「どんだけ息ぴったりやねん…」
765: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:24:52.85 ID:bXpdcqom
希「もー、にこっちー? にこっちは相方いるんやから、軽率なことしてると穂乃果ちゃん睨むでー?」
にこ「えー? 穂乃果に限ってそんなこと――…」
穂乃果「~~~~」ジー
にこ「…ごめんなさい真姫ちゃん」ドゲザー
真姫「あ、べ、別に、いいけど…///」
希「女の嫉妬は怖いやねぇ…」クス
766: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:25:23.53 ID:bXpdcqom
にこ「ま、しかし…私は今日のいざこざをよく知らないけど…とりあえず希には感謝しなくちゃいけないわね」
希「んー? どしたん急にー?」
にこ「…穂乃果とこんな関係になれたのは希のおかげだもの」
希「いや、ウチはなーんもしてへんよ?」
にこ「何言ってるのよ」
にこ「穂乃果のおかげで成長した、なんて言ってるけど…あいつだって、希のおかげで成長してるんだから」
希「ぁ…」
にこ「短い間だったけど、穂乃果のことありがとうね」
希「…いいえ、こちらこそ♪」
にこ「あんたも、幸せになるのよ」
希「にこっちもな♪」
希「んー? どしたん急にー?」
にこ「…穂乃果とこんな関係になれたのは希のおかげだもの」
希「いや、ウチはなーんもしてへんよ?」
にこ「何言ってるのよ」
にこ「穂乃果のおかげで成長した、なんて言ってるけど…あいつだって、希のおかげで成長してるんだから」
希「ぁ…」
にこ「短い間だったけど、穂乃果のことありがとうね」
希「…いいえ、こちらこそ♪」
にこ「あんたも、幸せになるのよ」
希「にこっちもな♪」
767: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:25:53.72 ID:bXpdcqom
花陽「あ…そ、その…希さん…///」
希「花陽ちゃん…」
花陽「…希さんも…子供の頃…色々あったんだって…さっき聞いて…知りました…」
希「うん…」
花陽「私…なんて言ったらいいか…」
希「…ふふ、おかしいやろ? そんな臆病な人間が人にああだこうだ言ってるんやから…」
花陽「い、いえいえ! そんな…ことは…///」
768: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:26:22.71 ID:bXpdcqom
希「ウチなんて本当は大した人間じゃないんやでー?」
希「だから、花陽ちゃんに言う資格なんて本当はなーんもないんよ」
希「花陽ちゃんの方が、辛い思いしてるかもしれへんしなー…」
希「まったく、本当にウチはバカやで…」
希「どうしようも――…」
凛「面倒くさいにゃ!!」
769: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:26:49.76 ID:bXpdcqom
希「凛ちゃん…」
凛「のぞみちゃん、凛とかよちんにあんなに言ってたくせに…自分が面倒くさいよ!!」
凛「のぞみちゃんの過去がどうだったとか、本当は臆病だとか…そんなこと、凛もかよちんも知らないよ!」
凛「そんなこと知るのなんて、面倒くさいにゃ!!」
花陽「うん…そうだね…面倒…だね」
希「花陽ちゃんまで…」
770: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:27:21.45 ID:bXpdcqom
花陽「私は…今の希さんの強さに…優しさに…憧れて…」
花陽「この店で…働きたいと思ったんです…」
花陽「だから私にとって…子供の頃の希さんは…いないも同然なんです」
花陽「私達にとっての希さんは…」
花陽「ここにいる、みんなが大好きな希さん…ですよ♪」
希「…ありがとう…花陽ちゃん…凛ちゃん…♪」
凛「凛たちは、のぞみちゃんがどんな答えを出しても、恨まないよっ!」
花陽「うん…そうだね…♪」
771: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:27:49.84 ID:bXpdcqom
希「…みんな」
希「みんな、ありがとう――」
希「ウチなんかの為に…本当に、ありがとう…っ」
穂乃果「…♪」
海未「…」ニコ
真姫「…///」
にこ「…」ハァ
花陽「~~っ」
凛「~♪」
772: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:28:20.57 ID:bXpdcqom
絵里「…希」
絵里「いい友人ができたわね」
希「友人、かぁ――」
希「…そうやね♪」
773: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:29:07.03 ID:bXpdcqom
絵里「それじゃ改めて答えを聞くわね」
絵里「希…私と一緒に行きましょう――?」
774: 名無しで叶える物語(家) 2018/09/16(日) 02:29:36.81 ID:bXpdcqom
希「…」
希「えりち」
希「…ウチの答えは最初から決まっとる」
希「――――」
……。
782: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:16:21.55 ID:8VIiaI3a
■Scene26
カランコロン
カタカタ…
「本日・臨時休業(ごめんなさいにゃー!)」
783: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:16:47.90 ID:8VIiaI3a
カランコロン…
海未「…こんにちわ」ペコ
凛「あ、うみちゃん、いらっしゃいにゃー!」
花陽「こ、こんにちわ…♪」ペコ
海未「少し…早すぎましたかね…?」
凛「確かに、海未ちゃんが一番のりだねー」
海未「あ、迷惑だったら、少し時間を潰してきましょうか…?」
花陽「大丈夫ですよ…ゆっくりしてください…♪」
凛「そのための喫茶店だからねー!」
海未「…はい」クス
784: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:17:25.16 ID:8VIiaI3a
コポポ…
花陽「えっと…コーヒーで大丈夫ですよね…?」
海未「あ、はい、お願いします」
凛「ダメって言われてももう淹れちゃってるにゃー!」
海未「…別に構いませんけど」
凛「ダメだった場合は凛が自分で処理するよ! 少しでも練習したいからね…!」
花陽「凛ちゃん…」クス
海未「…しかし、すっかり二人共板についてきた感じがしますね」
花陽「そう…ですか…?」
海未「ええ…始めて見た時は、もっと二人共落ち着きがなく、危なげでしたが…」
花陽「お、落ち着き…///」
海未「あ、花陽さんはその…仕方がないかもしれませんけど…///」
785: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:17:52.70 ID:8VIiaI3a
コト
凛「なーにー? 凛のこと言いたいのー?」
海未「ええ…まぁ、その…はい」
凛「うみちゃんも割とひどいこと言うよね…。凛、悲しいにゃ…」
海未「そうやって、にゃって言って猫被ってる時の凛は嘘だと学びましたよ」
凛「むー…! ふん! うみちゃんなんかこないだ、雑誌でヘンな衣装着せられてた癖に!!」
海未「なっ! 何故それを…っ!///」ガタ
786: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:18:23.68 ID:8VIiaI3a
凛「ことりちゃんがこないだ雑誌持ってきてくれたもーん」
海未「あああ、あれは…我ながら不本意としか言いようがなく…! 私だって、あんなスケスケ衣装着たいわけでは…!」
凛「…本当はみられたいんじゃないのー?」ニヤニヤ
海未「そ、そんなことあるわけありませんっ! あああ、あれはことりの趣味ですっ! 私は断じて、露出狂の趣味などありませんっ! 清廉潔白ですっ!!///」
花陽「…っ」アワアワ
ことり「へぇ~…海未ちゃん、もっとスケスケの衣装着たいんだぁ~…☆」
海未「!!?///」ザザザー
凛「にゃ!!?///」ザザザー
花陽「ぴゃあ!!?///」ザザザー
海未「あああ、あれは…我ながら不本意としか言いようがなく…! 私だって、あんなスケスケ衣装着たいわけでは…!」
凛「…本当はみられたいんじゃないのー?」ニヤニヤ
海未「そ、そんなことあるわけありませんっ! あああ、あれはことりの趣味ですっ! 私は断じて、露出狂の趣味などありませんっ! 清廉潔白ですっ!!///」
花陽「…っ」アワアワ
ことり「へぇ~…海未ちゃん、もっとスケスケの衣装着たいんだぁ~…☆」
海未「!!?///」ザザザー
凛「にゃ!!?///」ザザザー
花陽「ぴゃあ!!?///」ザザザー
787: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:18:50.55 ID:8VIiaI3a
ことり「こんにちわ~みんなぁ~♪」
凛「きゅ、急に入ってくるんじゃないにゃ!!///」
海未「そ、そうです! 心臓に悪すぎますっ!///」
ことり「え~? ことりが来るのがそんなに嫌なのぉ~…?」シュン
凛「イヤに決まってるにゃ! この覗き魔っ!!///」
海未「え、の、覗き魔…?」
凛「そうだよーっ! この間店に来た時、凛とかよちんの着替えこっそり覗いてた上に、動画と写真まで撮ってたんだよっ!!///」
花陽「…///」カァー
788: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:19:18.05 ID:8VIiaI3a
ことり「えへへぇ~…二人共とっても だったよぉ~…///」ハァハァ
凛「え、 なことなんて一つもないにゃ! お前のトサカが なんだよっ!!///」
花陽「///」ボン
海未「…ということは…まさか私のも…!?」
ことり「え~? 海未ちゃんのなんて毎回撮ってるよぉ~? 今更~?」
海未「」ガーン
ことり「海未ちゃんに意外にノリノリなんだよねぇ…♡」
海未「あわあわあわ…///」
ことり「聞いて聞いてー♪ 海未ちゃんねぇ、鏡の前でポーズ取ったりしてる――…」
海未「こ、ことりッ!!!///」バッ
凛「えぇ…それはドン引きにゃ…」
凛「え、 なことなんて一つもないにゃ! お前のトサカが なんだよっ!!///」
花陽「///」ボン
海未「…ということは…まさか私のも…!?」
ことり「え~? 海未ちゃんのなんて毎回撮ってるよぉ~? 今更~?」
海未「」ガーン
ことり「海未ちゃんに意外にノリノリなんだよねぇ…♡」
海未「あわあわあわ…///」
ことり「聞いて聞いてー♪ 海未ちゃんねぇ、鏡の前でポーズ取ったりしてる――…」
海未「こ、ことりッ!!!///」バッ
凛「えぇ…それはドン引きにゃ…」
789: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:19:49.46 ID:8VIiaI3a
海未「ど、ドン引きとはなんですかっ!! ことりに無理矢理あれやこれや衣装着せられれば頭のネジがおかしくなるのもしょうがないことなんですよっ! 私のせいじゃないんですぅぅぅ!!///」
花陽「じ、自分で頭のネジがおかしくなるって言うのは…どうかと…」アセアセ
凛「ことりちゃんと一緒になるとこういう風になっちゃうんだね…」シミジミ
海未「憐れみの目で見ないでくださいぃぃ~~!!///」
ことり「ねぇねぇ~かよちゃーん、凛ちゃーん、これだよこれ~海未ちゃんの衝撃映像~♪ 見て見て~☆」
カチャ
にこ「はい没収」ヒョイ
ことり「わぁぁ!! ことりの携帯~~!!!」
花陽「じ、自分で頭のネジがおかしくなるって言うのは…どうかと…」アセアセ
凛「ことりちゃんと一緒になるとこういう風になっちゃうんだね…」シミジミ
海未「憐れみの目で見ないでくださいぃぃ~~!!///」
ことり「ねぇねぇ~かよちゃーん、凛ちゃーん、これだよこれ~海未ちゃんの衝撃映像~♪ 見て見て~☆」
カチャ
にこ「はい没収」ヒョイ
ことり「わぁぁ!! ことりの携帯~~!!!」
790: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:20:15.97 ID:8VIiaI3a
花陽「あ…にこちゃん…いらっしゃい…♪」
にこ「まったく、相変わらずこの店は騒がしいわね…」ポチポチ
ことり「あ~~!! 無慈悲にもデータを消去されていくよぉ~~!!」
花陽「騒がしくなったのは…最近だと思うけど…」チラ
にこ「…ま、私が最初に来たときは全然お客なんていなかったけど」ポチポチ
にこ「って、どんだけデータ入ってんのよ…いっそ、初期化した方がいいかしら?」
ことり「だ、ダメぇぇ~~~~!!! にこちゃんのバカぁぁぁ~~~~!!!」メソメソ
791: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:20:43.89 ID:8VIiaI3a
海未「た、助かりました…にこさん…」ホッ
にこ「別に良いけど…あんたももう少し、身の振り方考えなさいよね」
海未「そ、それは…///」
ことり「だ、ダメだよぉ! 海未ちゃんはウチの大人気モデルさんなんだからぁ!!」
にこ「それは知ってるけどね…。上にいる人間がこんなヘンタイだと分かったら誰だって幻滅するわよ…」
凛「本当だよねぇ…」ジト
ことり「えへへぇ~…☆」
海未「褒めてませんよ…」
にこ「別に良いけど…あんたももう少し、身の振り方考えなさいよね」
海未「そ、それは…///」
ことり「だ、ダメだよぉ! 海未ちゃんはウチの大人気モデルさんなんだからぁ!!」
にこ「それは知ってるけどね…。上にいる人間がこんなヘンタイだと分かったら誰だって幻滅するわよ…」
凛「本当だよねぇ…」ジト
ことり「えへへぇ~…☆」
海未「褒めてませんよ…」
792: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:21:10.46 ID:8VIiaI3a
花陽「あれ…? ところで穂乃果さんは…?」
にこ「あー、あいつは買い物してから来るって言ってたけど…」
カランコロン
穂乃果「ほぉーら! 真姫ちゃんもそんなコソコソしてないでーっ」ドン
真姫「ちょ、ちょっと押さないで…!///」
花陽「あ、穂乃果さんに…西木野先生も…いらっしゃいませ…♪」
凛「あー! 結局来たにゃーヤブ医者ーっ!!」
真姫「だからヤブ医者じゃないって、何度も言ってるでしょ…っ!」
にこ「あー、あいつは買い物してから来るって言ってたけど…」
カランコロン
穂乃果「ほぉーら! 真姫ちゃんもそんなコソコソしてないでーっ」ドン
真姫「ちょ、ちょっと押さないで…!///」
花陽「あ、穂乃果さんに…西木野先生も…いらっしゃいませ…♪」
凛「あー! 結局来たにゃーヤブ医者ーっ!!」
真姫「だからヤブ医者じゃないって、何度も言ってるでしょ…っ!」
793: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:21:38.28 ID:8VIiaI3a
にこ「なによあんた、来ないんじゃなかったの?」
海未「にこさん…」
真姫「来るつもりは…なかったんだけど…」
穂乃果「真姫ちゃん、入り口の横でこそこそしてたんだよー?」ニヤニヤ
真姫「ちょ、ほ、穂乃果っ!!///」キッ
にこ「…は! んなコソコソするぐらいだったら堂々と入んなさいよ」
真姫「~~…///」
穂乃果「そうだよそうだよ! 誰も真姫ちゃんのことなんて否定してないんだから!」
花陽「うん…♪」
真姫「…」
海未「にこさん…」
真姫「来るつもりは…なかったんだけど…」
穂乃果「真姫ちゃん、入り口の横でこそこそしてたんだよー?」ニヤニヤ
真姫「ちょ、ほ、穂乃果っ!!///」キッ
にこ「…は! んなコソコソするぐらいだったら堂々と入んなさいよ」
真姫「~~…///」
穂乃果「そうだよそうだよ! 誰も真姫ちゃんのことなんて否定してないんだから!」
花陽「うん…♪」
真姫「…」
794: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:22:05.43 ID:8VIiaI3a
花陽「凛ちゃんも…本当は西木野先生のこと…嫌ってないもんね?」
凛「それは…まぁ…かよちんも最近はどんどん元気になってるし…」
凛「…このヘンタイに比べれば…」チラ
ことり「…な~に~?」ニコ
凛「なんでもないにゃー!!」
にこ「だーから、あんたの好きなようにやればいいでしょ」
真姫「…///」
にこ「大体、自分であれだけ啖呵切ったんだからもっと強気になりなさいよ!」
真姫「…わ、分かったわよ…!」
真姫「堂々としてればいいんでしょ堂々としてれば…! ふん…!///」プイ
穂乃果「…♪」クス
凛「それは…まぁ…かよちんも最近はどんどん元気になってるし…」
凛「…このヘンタイに比べれば…」チラ
ことり「…な~に~?」ニコ
凛「なんでもないにゃー!!」
にこ「だーから、あんたの好きなようにやればいいでしょ」
真姫「…///」
にこ「大体、自分であれだけ啖呵切ったんだからもっと強気になりなさいよ!」
真姫「…わ、分かったわよ…!」
真姫「堂々としてればいいんでしょ堂々としてれば…! ふん…!///」プイ
穂乃果「…♪」クス
795: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:22:32.89 ID:8VIiaI3a
花陽「それじゃ…みんな集まったから、コーヒー淹れるね…?」
凛「海未ちゃんのも冷めちゃったから淹れなおすよー!」
海未「あ、す、すみません…」
穂乃果「あ、穂乃果も手伝うよーっ!」
凛「うん! 一緒にやるにゃー!!」
花陽「あ、で、でも…コーヒー淹れるのは…」アセアセ
凛「海未ちゃんのも冷めちゃったから淹れなおすよー!」
海未「あ、す、すみません…」
穂乃果「あ、穂乃果も手伝うよーっ!」
凛「うん! 一緒にやるにゃー!!」
花陽「あ、で、でも…コーヒー淹れるのは…」アセアセ
796: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:23:01.62 ID:8VIiaI3a
海未「…ふふ、なんだか姉妹のようですね」
にこ「そうね…。なんだかんだ、あいつらだけでもこの店はやっていけそうよね」
海未「確かに…。みんな可愛いですし、お客さんの評判も上々と聞きます」
にこ「なんだかんだ、ことりの作る制服は可愛いし…そういうの目当ての客も増えてるんじゃない?」
ことり「ねぇねぇ、真姫ちゃん~…! 私の衣装…着てくれない…!? 美人女医モデルとして…デビューしないっ!?///」ハァハァ
真姫「い、イヤよ…!///」
海未「それは、否定はしませんが…///」
にこ「…まぁそれだけじゃなく、あの二人が作るコーヒーの味も美味しいわよね」
海未「ええ…」
797: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:23:29.53 ID:8VIiaI3a
コト
穂乃果「お待たせーっ!!」
にこ「…あんたが淹れたんじゃないわよね?」
穂乃果「なにー!? 穂乃果が淹れたのじゃ飲めないっていうのー!?」
にこ「飲めない」
穂乃果「うぅ…にこちゃんがヒドイ…」メソメソ
海未「あはは…」
花陽「大丈夫だよ…私と凛ちゃんで淹れたから…♪」
凛「穂乃果ちゃんはお手伝いしかさせてないにゃ!」
穂乃果「させてくれなかったよ…」ズーン
にこ「じゃあ安心だわ」
ことり「真姫ちゃ~~ん!! お願い~~~!!! 一度だけでいいからぁ~~~!!」ギュー
真姫「イヤだって言ってるでしょ!! それに医者がモデルなんて許される訳ないでしょ!!」グイグイ
にこ「あんたたちいつまでやってんのよ!! 冷めないうちに飲みなさいよっ!!」
798: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:23:56.60 ID:8VIiaI3a
ズズ…
ことり「…美味しいね♪」
海未「ええ…」
真姫「よくこれだけできるものだと思うわよ…」
穂乃果「うん…さすが花陽ちゃんと凛ちゃんだよ! 穂乃果とは大違い…」
にこ「当たり前でしょ…」
花陽「ありがとう…♪」
凛「凛たち、沢山練習したもんね…!!」
799: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:24:23.81 ID:8VIiaI3a
真姫「――でも…」
にこ「真姫」
真姫「…ごめんなさい」
花陽「ううん、大丈夫だよ…。西木野先生の言うとおりだから…」
800: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:24:52.53 ID:8VIiaI3a
凛「ほんっとう、凛たちじゃのぞみちゃんの味をどうしても再現できないんだよねー…」
真姫「…」
ことり「…ふふ♪」
ことり「あれは、希ちゃんの生きてきた経験値みたいなものだから…誰にも真似できないと思うよ」
穂乃果「そうだね…」
海未「やはりこの店は…希さんあっての喫茶店…なのでしょうかね…」
凛「悔しいけど、ね!!」
花陽「…♪」クス
真姫「…」
ことり「…ふふ♪」
ことり「あれは、希ちゃんの生きてきた経験値みたいなものだから…誰にも真似できないと思うよ」
穂乃果「そうだね…」
海未「やはりこの店は…希さんあっての喫茶店…なのでしょうかね…」
凛「悔しいけど、ね!!」
花陽「…♪」クス
801: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:25:19.17 ID:8VIiaI3a
にこ「っていうか、そろそろなんじゃないの?」
花陽「あ…そうだね…時間は…」
穂乃果「あ、そうそう、みんなー! これ持ってー!!」ガサガサ
凛「えー、なになにー?」
海未「これは…」
ことり「わぁ、懐かしい~☆」
にこ「…あんた、さっきこれ買いに行ってたの?」
穂乃果「そうー! えへへー、こういうの久しぶりにやりたかったんだー!」
にこ「…穂乃果らしいというか、子供っぽいというか…」ハァ
穂乃果「むー、バカにしてるー!」
花陽「あ…そうだね…時間は…」
穂乃果「あ、そうそう、みんなー! これ持ってー!!」ガサガサ
凛「えー、なになにー?」
海未「これは…」
ことり「わぁ、懐かしい~☆」
にこ「…あんた、さっきこれ買いに行ってたの?」
穂乃果「そうー! えへへー、こういうの久しぶりにやりたかったんだー!」
にこ「…穂乃果らしいというか、子供っぽいというか…」ハァ
穂乃果「むー、バカにしてるー!」
802: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:25:46.42 ID:8VIiaI3a
凛「でもこれならびっくりするよー!」
花陽「そうだね…♪」
穂乃果「喜んでくれるかなぁ…?」ワクワク
ことり「…ふふ、喜んでくれるよ♪」
ことり「今まで…こういう機会なんて無かっただろうしね…」
ことり「折角こうやってみんなで集まれたんだもん、盛大に祝ってあげよう♪」
海未「はい…♪」
真姫「…///」
穂乃果「うん…!」
花陽「そうだね…♪」
穂乃果「喜んでくれるかなぁ…?」ワクワク
ことり「…ふふ、喜んでくれるよ♪」
ことり「今まで…こういう機会なんて無かっただろうしね…」
ことり「折角こうやってみんなで集まれたんだもん、盛大に祝ってあげよう♪」
海未「はい…♪」
真姫「…///」
穂乃果「うん…!」
803: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:26:13.78 ID:8VIiaI3a
アレーデンキツイトルー?
フタリガキテルンジャナイノ…?
穂乃果「あ、きたよ…!」
穂乃果「それじゃみんな、せーので行くよ…!」
穂乃果「せーの…っ!」
804: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:26:41.55 ID:8VIiaI3a
カランコロン
「希ちゃん、お誕生日おめでとーーーーっ!!!」パンパン!
……。
805: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:27:09.14 ID:8VIiaI3a
コポポ…
希「~~…」
絵里「待って、焦っちゃダメよ。ゆっくりとやるの」
希「…うん…っ」
絵里「…うん、その調子よ…」
806: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:27:35.68 ID:8VIiaI3a
コト
希「えりち…飲んでみて…♪」
絵里「…ねぇ、そのえりちって呼び名はもう変わらないの…?」
希「な、なんで…? いや…?」
絵里「いや…ではないけど、なんだか恥ずかしいわ…///」
希「それやったら…えりちって呼び続ける…♪」
絵里「なんでよ…」
希「いーやん…♪」
807: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:28:02.90 ID:8VIiaI3a
絵里「…じゃあその代わり、そのエセ関西弁だけはやめてちょうだい」
希「なんでー…?」
絵里「お母さんと一緒なんて、考えただけで頭痛がするのよ…」ハァ
希「そうなの…?」
絵里「そう」
希「…うん、わかった…じゃあえりちの前では使わないようにするよ…」
絵里「私の前では、なのね…」
希「なんでー…?」
絵里「お母さんと一緒なんて、考えただけで頭痛がするのよ…」ハァ
希「そうなの…?」
絵里「そう」
希「…うん、わかった…じゃあえりちの前では使わないようにするよ…」
絵里「私の前では、なのね…」
808: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:28:30.31 ID:8VIiaI3a
ズズ…
希「どう…?」
絵里「マズいわね…」
希「そっかぁ…ごめん…」
絵里「…まだまだこれからよ。練習を始めたばかり何だから」
希「…うん!」
809: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:28:57.77 ID:8VIiaI3a
希「えりち…」
絵里「なに…?」
希「私ね…いつか、えりちと一緒に二人で喫茶店をやるのが夢なの…」
絵里「…私は…嫌よ…」
希「そっか…えりちはもっと大きなところで働きたいんだっけ…?」
絵里「…ええ」
希「…」
絵里「…希と一緒が、嫌というわけではないけど…」
希「…ホント…?」
絵里「…嘘なんか、つかないわよ」
810: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:29:24.16 ID:8VIiaI3a
希「それじゃあ…」
希「いつか…私が一人でお店をやりながら…」
希「えりちが帰ってくるのを…待ってる」
絵里「待ってる…?」
希「うん…」
希「お仕事に疲れて帰ってきたえりちを…私が癒やしてあげるの」
希「お疲れ様って言って、私が淹れたコーヒーを飲んでもらうの…♪」
811: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:29:50.61 ID:8VIiaI3a
絵里「…」
絵里「…今の希のコーヒーじゃ、全く疲れは取れそうも無いわね…」
希「…えりち…ひどい…」
絵里「ふふ…」
812: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:30:19.72 ID:8VIiaI3a
絵里「――そうなったらいいわね」
希「――うん♪」
絵里「じゃあまずはもっと練習しないと、ね?」
希「わかった…!」
……。
813: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:30:46.88 ID:8VIiaI3a
■Last Scene
カランコロン
希「いらっしゃいませー♪」
814: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:31:15.06 ID:8VIiaI3a
希「あれ?」チラ
希「雨じゃないのに来るなんてめずらしー…。雨でも降るんちゃう?」
希「…自分で言っててよう分からなくなったわ」
希「今日はどしたん?」
希「って、お客さんが店に来てどうしたはないかー」クス
希「どうぞー♪」
815: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:31:41.82 ID:8VIiaI3a
コポポ…
希「なんやー、キミはいっつもタイミング悪いなー」
希「今この店なー、新しい子が二人も入ったんやけど、調度休みなんよー」
希「どっちも可愛い若い女の子やねんけどな♪」
希「あ、まーたそういうところに反応するー…」
希「やっぱりタイミング良かったんかな。…あの子らの無事が一番やもん」ウンウン
816: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:32:08.10 ID:8VIiaI3a
コト
希「それとも、ウチだけのが良かったー…?」
希「二人きりのほうがええんやないー? ウチが目的なんやろー?」クスクス
希「アカンアカンー、お触りは別料金やでー!」
希「そんなことしない? …分かってるよー♪」
希「キミは優しい人やもんなぁー…」
817: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:32:34.53 ID:8VIiaI3a
希「っていうか、コーヒーで良かったよね? 何にも言わずに持って来ちゃったけど」テヘ
希「良かった♪ まぁ、もしダメでもウチが飲めば良いだけなんだけどさ」
希「それじゃ横、失礼するでー…♪」スト
希「はー疲れたー…」
希「ん? 疲れてるのが珍しいって?」
希「あー、最近若い子二人に色んな仕事任せてるからなー。たまに一人になると疲れるんよね…」
818: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:33:01.80 ID:8VIiaI3a
希「ま、これが元々の形なんやけど…。今までそんなお客来なかったからなー」
希「あ、そんなこと言ってー。ざんねーん! 今は本当にお客増えてるんやよー♪」
希「昔とは違って、今は結構忙しいんよ?」
希「びっくりでしょ? …まー今は何故か一人もお客いないんやけど」アハハ
希「なんだかんだ、色々あったからねー」
希「この短い間に、ウチも成長したんよ…」
希「本当、この店にやってきてくれるお客には感謝しかないで…」
819: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:33:28.75 ID:8VIiaI3a
希「んー?」
希「ふふ…キミは多分、この店で一番最初の常連さんやもんね♪」
希「ウチの大切なお客さんの一人やで…♪」クス
希「本当に――ありがとうな…♪」
820: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:33:55.07 ID:8VIiaI3a
サァー…
希「…あー、雨降ってきたでー?」
希「全然予報なかったんやけどなー。通り雨かな?」
希「まぁでも、やっぱりキミが来るときは雨が降るんやね?」クス
希「それはそれで持ってるっていうことかもなぁー♪」
821: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:34:23.16 ID:8VIiaI3a
サァー…
希「…」ハァ
希「…雨の音聞いてると、なんとなくセンチメンタルな気分になるよなぁー…」
希「え、ガラじゃ無い…?」
希「…ふーんだ」
822: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:34:50.04 ID:8VIiaI3a
サァー…
希「…今日はなんかあったん?」
希「んー…毎回何かあったときに来てるイメージあるけど…」
希「そんなことない…?」
希「そうかなぁ…」
823: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:35:28.32 ID:8VIiaI3a
サァー…
希「ふふ…ええんよ?」
希「ウチにだったら何でも話してくれてええし、いくらでも甘えてくれても構わないんよ」
希「――今日はウチら二人きりやし…?」
希「何しても――…」
希「あ、ちょ…っ」
824: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:35:55.44 ID:8VIiaI3a
ドン
希「――」
サァー…
希「…好きにしてもええよ?」
825: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:36:22.93 ID:8VIiaI3a
希「…なーんてな」クス
希「あんまり度が過ぎるとトサカの女の子が乗り込んでくるでー?」キシシ
希「え? 多分どっかしらに盗聴器が仕掛けてあるからな―」
希「ウチも場所は分からないんやけど、いっつも会話把握されてんねんなー」
希「まったく困ったもんやでー?」クスクス
希「分かったら、その手をどけて――?」
826: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:36:57.07 ID:8VIiaI3a
サァー…
希「ふふ…まぁ別にウチが誘ったみたいなもんやから、気にしなくてええよ?」
希「それにお互い、本気じゃなかったやろー?」クス
希「キミには素敵な恋人さんおるんやし――…」
希「ウチやって…」
希「えー? ふふ…ひみつー♪」
827: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:37:23.84 ID:8VIiaI3a
サァー…
希「…人間、辛いときは何するか分かったもんや無いからなー」
希「そんな時は、言葉だけでいいから吐き出すんやで」
希「ウチやったらいくらでも聞いたるからなー…?」
希「その為のウチの喫茶店やもん♪」
828: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:37:51.36 ID:8VIiaI3a
ズズ…
希「…あ、もうぬるくなっちゃったから、淹れ直してこよかー?」
希「大丈夫ー…?」
希「…どう、美味しい?」
希「…そか、それなら良かった♪」
829: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:38:16.82 ID:8VIiaI3a
パラパラ…
希「…お、雨止んできたみたいやなー? やっぱり通り雨やったな」
希「んーもう帰るー? もうちょっとゆっくりしてってもええんよ?」
希「そか…」
希「まぁ、お日様の下歩くのも大事やけどな♪」
830: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/17(月) 01:38:56.25 ID:8VIiaI3a
希「ふふ…これだけは覚えておいて」
希「ウチの喫茶店の味は…」
希「お客さんの心と一緒にあるんよ」
希「ウチはいつでも、どんな時でも…コーヒーを淹れて待ってる」
希「だから――また来てな♪」
カランコロン…
終わり。
引用元: ・希「ウチの喫茶店の味は」
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