1: 名無しで叶える物語(しうまい) 2018/09/28(金) 00:26:07.02 ID:wyOA4Q48
善子「思えばここのところ堕天使らしいことをしていないものね。たまには悪事のひとつもしないと、ヨハネの名が廃るというもの……」
善子「堕天使の――悪魔の犯すべき罪とは、そう。無垢な人間を堕落させること」
善子「純真無垢と言えばルビィよ。あの子に禁断の果実を与え、堕落させてしまいましょう……」
善子「くっくっく。我ながらなんと罪深いことを考えるのかしら。自分が恐ろしいわ」
善子「――という訳で。ごめんください」
ルビィ「いらっしゃい善子ちゃん! どうぞ上がって」
善子「ありがとう。あと私はヨハネよ」
善子「堕天使の――悪魔の犯すべき罪とは、そう。無垢な人間を堕落させること」
善子「純真無垢と言えばルビィよ。あの子に禁断の果実を与え、堕落させてしまいましょう……」
善子「くっくっく。我ながらなんと罪深いことを考えるのかしら。自分が恐ろしいわ」
善子「――という訳で。ごめんください」
ルビィ「いらっしゃい善子ちゃん! どうぞ上がって」
善子「ありがとう。あと私はヨハネよ」
3: 名無しで叶える物語(しうまい) 2018/09/28(金) 00:28:52.79 ID:wyOA4Q48
ルビィ「じゃあ、お茶菓子もってくるからちょっと待っててね」
善子「あ、お構いなく」
ルビィ「いいよ。気にしないで」テクテク
善子「お菓子まで頂く気はなかったんだけど……なんだか申し訳ないわね」
善子「まあ、いいわ。……さあ、どうやってあの子を堕落させてやろうかしら。腕が鳴るわ」
善子「例えば、ポケモンの個体値と努力値の存在を教えて、もう純粋な気持ちでプレイ出来ないようにしてやるとか……」
善子「くくく……我ながら恐ろしいことを思いついてしまったものね。さすがはヨハネ、すごく堕天使」
ルビィ「お待たせ、善子ちゃん。プリンがあったから持ってきたよ」
善子「あ。ありがとう」
善子「あ、お構いなく」
ルビィ「いいよ。気にしないで」テクテク
善子「お菓子まで頂く気はなかったんだけど……なんだか申し訳ないわね」
善子「まあ、いいわ。……さあ、どうやってあの子を堕落させてやろうかしら。腕が鳴るわ」
善子「例えば、ポケモンの個体値と努力値の存在を教えて、もう純粋な気持ちでプレイ出来ないようにしてやるとか……」
善子「くくく……我ながら恐ろしいことを思いついてしまったものね。さすがはヨハネ、すごく堕天使」
ルビィ「お待たせ、善子ちゃん。プリンがあったから持ってきたよ」
善子「あ。ありがとう」
4: 名無しで叶える物語(しうまい) 2018/09/28(金) 00:31:32.50 ID:wyOA4Q48
ルビィ「ルビィも食べちゃお。あーむっ」
善子「じゃあ私も。頂きま――ん?」
善子「……ねぇ、ルビィ。このプリン、カップに“ダイヤ”って書いてあるんだけど」
ルビィ「あ、ホントだ。お姉ちゃんが書いたんだね」
善子「ダメじゃない、そんなの勝手に食べたら! これは貰えないわよ」
ルビィ「別に大丈夫だよ?」
善子「いいえ。人のものを盗るなんていけないわ。私は遠慮しとく」
善子「じゃあ私も。頂きま――ん?」
善子「……ねぇ、ルビィ。このプリン、カップに“ダイヤ”って書いてあるんだけど」
ルビィ「あ、ホントだ。お姉ちゃんが書いたんだね」
善子「ダメじゃない、そんなの勝手に食べたら! これは貰えないわよ」
ルビィ「別に大丈夫だよ?」
善子「いいえ。人のものを盗るなんていけないわ。私は遠慮しとく」
5: 名無しで叶える物語(しうまい) 2018/09/28(金) 00:35:04.00 ID:wyOA4Q48
ルビィ「んー。でも、そうしたら善子ちゃんの分がなくなっちゃうね……」
ルビィ「あ、じゃあこれなら。善子ちゃん。はい、あーん」
善子「……え?」
ルビィ「どうぞ。ルビィの分、分けてあげる。こっちはお姉ちゃんの名前書いてないから」
善子(分けて、って。……あーん!? 間接キス!)
善子(そ、そんなアダルトなこと、どこで覚えてきたのこの子は!?)
ルビィ「善子ちゃん?」
ルビィ「あ、じゃあこれなら。善子ちゃん。はい、あーん」
善子「……え?」
ルビィ「どうぞ。ルビィの分、分けてあげる。こっちはお姉ちゃんの名前書いてないから」
善子(分けて、って。……あーん!? 間接キス!)
善子(そ、そんなアダルトなこと、どこで覚えてきたのこの子は!?)
ルビィ「善子ちゃん?」
6: 名無しで叶える物語(しうまい) 2018/09/28(金) 00:38:13.99 ID:wyOA4Q48
善子(い、いえ。ルビィのことだし、あーんは恋人同士でやるものとか間接キスとか、そんなこと意識してないのね、きっと)
善子(だったら、その純粋さを穢してやろうじゃない……! 受けて立ったうえで、ドヤ顔で間接キスだって言い放ってやるわ!)
善子(くくく。その時にルビィがどんなに慌てふためくか、楽しみね……!)
善子「あ、あーん///」
ルビィ「はい。あーん……」
善子「あー……あむっ。むぐむぐ///」
善子(だったら、その純粋さを穢してやろうじゃない……! 受けて立ったうえで、ドヤ顔で間接キスだって言い放ってやるわ!)
善子(くくく。その時にルビィがどんなに慌てふためくか、楽しみね……!)
善子「あ、あーん///」
ルビィ「はい。あーん……」
善子「あー……あむっ。むぐむぐ///」
7: 名無しで叶える物語(しうまい) 2018/09/28(金) 00:41:00.94 ID:wyOA4Q48
ルビィ「えへへ。美味しい?」
善子「えぇ……。ね、ねえルビィ?」
ルビィ「ん? もうひと口ほしい?」
善子「か、間接キス、ね。今の……///」
ルビィ「そうだねぇ」
善子「……」
ルビィ「えへへ」
善子「……あれ?」
善子「えぇ……。ね、ねえルビィ?」
ルビィ「ん? もうひと口ほしい?」
善子「か、間接キス、ね。今の……///」
ルビィ「そうだねぇ」
善子「……」
ルビィ「えへへ」
善子「……あれ?」
9: 名無しで叶える物語(しうまい) 2018/09/28(金) 00:45:05.28 ID:wyOA4Q48
善子(おかしいわね。間接キスだって聞いても慌てないなんて)
善子(事の重大さを理解していないのかしら……?)
ルビィ「ねぇ善子ちゃん。ルビィもうひと口食べたいなぁ」
善子「へ? あ、あぁ。うん。好きに食べたら? あなたのだし」
ルビィ「じゃあ善子ちゃん。スプーン持って」
善子「え?」
ルビィ「ん、お願いね。あーん……」
善子「……へぇ!?」
善子(事の重大さを理解していないのかしら……?)
ルビィ「ねぇ善子ちゃん。ルビィもうひと口食べたいなぁ」
善子「へ? あ、あぁ。うん。好きに食べたら? あなたのだし」
ルビィ「じゃあ善子ちゃん。スプーン持って」
善子「え?」
ルビィ「ん、お願いね。あーん……」
善子「……へぇ!?」
10: 名無しで叶える物語(しうまい) 2018/09/28(金) 00:48:22.18 ID:wyOA4Q48
善子(さ、さらに私が使ったスプーンで……あーん返し!? この子、なんて大人な行為を要求してくるの!?)
善子(恐ろしい! これが純真さだとでも言うの。悪魔よりよっぽど危険だわ……!)
善子(いえ。でも怯んではダメよヨハネ。この純真を穢してこそ罪というもの。その心、我が手で汚してやるわ、ルビィ……!)
善子「あ、あーん……///」
善子(は、恥ずかしいっ。スプーンを持つ手が震える……っ」
ルビィ「あーむっ。えへへ、おいひぃ」むぐむぐ
善子「そ、そう。良かったわ///」
善子(でも、その幸せそうな顔もここまでよ! さぁ、自分が何をしたか知り、恥辱に震えるがいいわ……!)
善子「な、なんか、イケナイこと、しちゃったわね……///」
ルビィ「ぅゅ?」
善子(恐ろしい! これが純真さだとでも言うの。悪魔よりよっぽど危険だわ……!)
善子(いえ。でも怯んではダメよヨハネ。この純真を穢してこそ罪というもの。その心、我が手で汚してやるわ、ルビィ……!)
善子「あ、あーん……///」
善子(は、恥ずかしいっ。スプーンを持つ手が震える……っ」
ルビィ「あーむっ。えへへ、おいひぃ」むぐむぐ
善子「そ、そう。良かったわ///」
善子(でも、その幸せそうな顔もここまでよ! さぁ、自分が何をしたか知り、恥辱に震えるがいいわ……!)
善子「な、なんか、イケナイこと、しちゃったわね……///」
ルビィ「ぅゅ?」
12: 名無しで叶える物語(しうまい) 2018/09/28(金) 00:52:39.93 ID:wyOA4Q48
善子(くくく。思い返しなさい、自分のしたことを! そして頭を抱えてもんどりを打つのよ、なんて恥ずかしいことをしたのだと!)
善子(その知覚は禁断のリンゴよ。自らの行いを恥じたとき、あなたはもう以前のように無垢なままではいられない……!)
ルビィ「……あはっ。イケナイことって、さっきの間接キスのこと?」ズィッ
善子「あ、あれ……?」
善子(なんか、様子が)
善子(その知覚は禁断のリンゴよ。自らの行いを恥じたとき、あなたはもう以前のように無垢なままではいられない……!)
ルビィ「……あはっ。イケナイことって、さっきの間接キスのこと?」ズィッ
善子「あ、あれ……?」
善子(なんか、様子が)
14: 名無しで叶える物語(しうまい) 2018/09/28(金) 00:57:21.31 ID:wyOA4Q48
ルビィ「ねぇ善子ちゃん。ルビィ、善子ちゃんとイケナイことしちゃったの……?」
善子「そ、そうよ! このヨハネの誘惑に堕ちたあなたはもう、以前のような純真な心ではいられなくなってしまったのよ!」
ルビィ「じゃあルビィ、悪い子になっちゃったんだ……困っちゃうな」
善子「くくく。その通りよ。けれど、安心しなさい、それはリトルデーモンとして必要なこと……」
善子「どこまでも堕ちていったその先にこそ、この堕天使ヨハネの寵愛があるのだから」
ルビィ「ふーん。どこまでも、堕ちていいんだぁ……♡」
善子「そ、そうよ! このヨハネの誘惑に堕ちたあなたはもう、以前のような純真な心ではいられなくなってしまったのよ!」
ルビィ「じゃあルビィ、悪い子になっちゃったんだ……困っちゃうな」
善子「くくく。その通りよ。けれど、安心しなさい、それはリトルデーモンとして必要なこと……」
善子「どこまでも堕ちていったその先にこそ、この堕天使ヨハネの寵愛があるのだから」
ルビィ「ふーん。どこまでも、堕ちていいんだぁ……♡」
15: 名無しで叶える物語(しうまい) 2018/09/28(金) 01:01:20.65 ID:wyOA4Q48
ルビィ「ねぇヨハネ様ぁ♡ それならルビィにもっとイケナイことを教えて、立派なリトルデーモンにしてほしいな……?」
善子「もっと? ……もっとぉ!?」
ルビィ「うんっ」
善子(かかか間接キスやあーん以上のことを教えろですって!? そんなイケナイことを覚えて、どうする気なのよこの子は!)
善子(これ以上なんて、そんなのダメよ。まだルビィには早すぎるわ。間接キスだってかなりやり過ぎな部類なのに……!)
善子(ここはこの子の主人として、しっかり注意しないとダメね、うん)
善子「もっと? ……もっとぉ!?」
ルビィ「うんっ」
善子(かかか間接キスやあーん以上のことを教えろですって!? そんなイケナイことを覚えて、どうする気なのよこの子は!)
善子(これ以上なんて、そんなのダメよ。まだルビィには早すぎるわ。間接キスだってかなりやり過ぎな部類なのに……!)
善子(ここはこの子の主人として、しっかり注意しないとダメね、うん)
16: 名無しで叶える物語(しうまい) 2018/09/28(金) 01:05:05.30 ID:wyOA4Q48
ルビィ「ヨハネ様ぁ♡ リトルデーモン4号にイケナイこと教えてください……♡」
善子「あー。ルビィ?」
善子「これ以上のことを教えることは出来ないわ。今のあなたの魔力では耐えられない……」
ルビィ「……ダメなの?」
善子「そうね、今はまだ……その時ではない。そういうことよ」
ルビィ「いつになれば大丈夫なの?」
善子「あ、あなたが我が眷属として相応しい力を身につけたら、よ」
善子「あー。ルビィ?」
善子「これ以上のことを教えることは出来ないわ。今のあなたの魔力では耐えられない……」
ルビィ「……ダメなの?」
善子「そうね、今はまだ……その時ではない。そういうことよ」
ルビィ「いつになれば大丈夫なの?」
善子「あ、あなたが我が眷属として相応しい力を身につけたら、よ」
17: 名無しで叶える物語(しうまい) 2018/09/28(金) 01:07:11.79 ID:wyOA4Q48
ルビィ「んー。じゃあヨハネ様は、それまで待ってくれますか?」
善子「え?」
ルビィ「ルビィのこと、待っててくれる?」
善子「え、えぇ。まぁ。別に構わないけど」
ルビィ「……えへへ。じゃあ、そうがないね」ニコッ
ルビィ「あ! 善子ちゃん、あっち見て!」
善子「え?」クルッ
ルビィ「――」チュッ…
善子「っ!?」
善子(い、今、ほっぺにキス――!?)
善子「え?」
ルビィ「ルビィのこと、待っててくれる?」
善子「え、えぇ。まぁ。別に構わないけど」
ルビィ「……えへへ。じゃあ、そうがないね」ニコッ
ルビィ「あ! 善子ちゃん、あっち見て!」
善子「え?」クルッ
ルビィ「――」チュッ…
善子「っ!?」
善子(い、今、ほっぺにキス――!?)
18: 名無しで叶える物語(しうまい) 2018/09/28(金) 01:08:24.72 ID:wyOA4Q48
善子「え。え……っ///」
ルビィ「今は、これでガマンするビィ」
ルビィ「約束だよ、善子ちゃん! いつかルビィにイケナイこと、教えてね♡」
善子「……え゛!?」
ルビィ「お菓子、プリン1個じゃ足りないね。他のもってくるから、待ってて」タタタッ
善子「ちょ、ま、さっきのはそういう意味じゃ……っ」
善子「あぅ。行っちゃった」ポツーン
ルビィ「今は、これでガマンするビィ」
ルビィ「約束だよ、善子ちゃん! いつかルビィにイケナイこと、教えてね♡」
善子「……え゛!?」
ルビィ「お菓子、プリン1個じゃ足りないね。他のもってくるから、待ってて」タタタッ
善子「ちょ、ま、さっきのはそういう意味じゃ……っ」
善子「あぅ。行っちゃった」ポツーン
19: 名無しで叶える物語(しうまい) 2018/09/28(金) 01:09:12.44 ID:wyOA4Q48
善子「……ふ、ふふふ」
善子「これぞヨハネの魅了の魔眼の力ね。ルビィはヨハネによって堕落しきってしまった。目的達成……」
善子「――なんて言ってる場合じゃないわよ! あれ実質告白じゃない、もう約束したことになっちゃったし!」
善子「あーもうっ! これどうすんのーーーっ!?」
おしまい
善子「これぞヨハネの魅了の魔眼の力ね。ルビィはヨハネによって堕落しきってしまった。目的達成……」
善子「――なんて言ってる場合じゃないわよ! あれ実質告白じゃない、もう約束したことになっちゃったし!」
善子「あーもうっ! これどうすんのーーーっ!?」
おしまい
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