2: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 06:34:31.56 ID:5yyIbhGD
部室
曜「うーん…」
ガラッ
鞠莉「シャイニー!あら、曜」
曜「あ、鞠莉ちゃん!ヨーソロー!」
鞠莉「一人で難しい顔して、どうしたの?」
曜「うーん…」
ガラッ
鞠莉「シャイニー!あら、曜」
曜「あ、鞠莉ちゃん!ヨーソロー!」
鞠莉「一人で難しい顔して、どうしたの?」
3: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 06:35:01.67 ID:5yyIbhGD
曜「実は、ちょっとわからないことがあって」
鞠莉「まあ、どんなこと?」
曜「靴下についてなんだけど」
鞠莉「靴下?」
曜「靴下って『靴の下』って名前の割には、靴の中に履くものでしょ?なんか変だなーって思って」
鞠莉「ああ、そのことね」
鞠莉「まあ、どんなこと?」
曜「靴下についてなんだけど」
鞠莉「靴下?」
曜「靴下って『靴の下』って名前の割には、靴の中に履くものでしょ?なんか変だなーって思って」
鞠莉「ああ、そのことね」
4: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 06:35:49.23 ID:5yyIbhGD
曜「その反応…鞠莉ちゃん、靴下を靴下って言う理由を知ってるの?」
鞠莉「一応ね」
曜「すごい!教えて鞠莉ちゃん!いや、鞠莉ちゃん先生!」
鞠莉「鞠莉ちゃん先生…ふふっ、いいでしょう」
鞠莉「全生徒、全職員の先生である、このマリーが曜の疑問にお答えするわ!」
曜「やったぁ!お願いします、先生!」
鞠莉「一応ね」
曜「すごい!教えて鞠莉ちゃん!いや、鞠莉ちゃん先生!」
鞠莉「鞠莉ちゃん先生…ふふっ、いいでしょう」
鞠莉「全生徒、全職員の先生である、このマリーが曜の疑問にお答えするわ!」
曜「やったぁ!お願いします、先生!」
5: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 06:38:31.68 ID:5yyIbhGD
鞠莉「まっかせなさーい!…と、言いたいところだけど」
鞠莉「すぐに答えを言っちゃうのもあれだし、まずは考えるヒントをあげましょーう」
曜「ヒント、どんな?」
鞠莉「それはね…うりょっ!」バッ
わしっ
曜「…!?」
鞠莉「んー!曜ったら、また少し成長したわね」ワシワシ
曜「ま、鞠莉ちゃん!?んあっ!」
鞠莉「ふふっ。この感触、この反応。やはりエクセレントね」ワシワシワシ
鞠莉「すぐに答えを言っちゃうのもあれだし、まずは考えるヒントをあげましょーう」
曜「ヒント、どんな?」
鞠莉「それはね…うりょっ!」バッ
わしっ
曜「…!?」
鞠莉「んー!曜ったら、また少し成長したわね」ワシワシ
曜「ま、鞠莉ちゃん!?んあっ!」
鞠莉「ふふっ。この感触、この反応。やはりエクセレントね」ワシワシワシ
6: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 06:39:07.14 ID:5yyIbhGD
曜「やっ、やめてよぉ!」バッ
鞠莉「あら、良いところだったのに」
曜「ちっともよくないって!いきなり何するの!」
鞠莉「だからヒントよ」
曜「今のどこがヒントなの!?」
鞠莉「曜、今日はちゃんと下着を着けているみたいね」
曜「当たり前でしょ!いつだって着けてるよ!?」
鞠莉「あら、良いところだったのに」
曜「ちっともよくないって!いきなり何するの!」
鞠莉「だからヒントよ」
曜「今のどこがヒントなの!?」
鞠莉「曜、今日はちゃんと下着を着けているみたいね」
曜「当たり前でしょ!いつだって着けてるよ!?」
7: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 06:39:56.27 ID:5yyIbhGD
鞠莉「ところで曜。下着って、下半身だけに着用するものだっけ?」
曜「えっ?いや、そんなことはないと思うけど…あっ」ハッ
鞠莉「気付いたみたいね。上半身に着けても、下着と呼ぶ…靴下とちょっと似てない?」
曜「た、確かに!」
鞠莉「つまりね。ここで言う『下』って言うのは、単純な上下のことを指すのではなくて、肌に近いかどうかを表しているの」
鞠莉「上着は衣服の上に着るもので、地肌には着ないでしょ?」
曜「なるほど…逆に、下着を服の上には着ないね!」
鞠莉「靴下も同じ理由よ。肌に接するものだから、靴下と言うわけ」
曜「へぇー!そういうことだったんだ!」
曜「えっ?いや、そんなことはないと思うけど…あっ」ハッ
鞠莉「気付いたみたいね。上半身に着けても、下着と呼ぶ…靴下とちょっと似てない?」
曜「た、確かに!」
鞠莉「つまりね。ここで言う『下』って言うのは、単純な上下のことを指すのではなくて、肌に近いかどうかを表しているの」
鞠莉「上着は衣服の上に着るもので、地肌には着ないでしょ?」
曜「なるほど…逆に、下着を服の上には着ないね!」
鞠莉「靴下も同じ理由よ。肌に接するものだから、靴下と言うわけ」
曜「へぇー!そういうことだったんだ!」
8: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 06:42:08.39 ID:5yyIbhGD
鞠莉「疑問は解決したかしら?」
曜「うん、バッチリだよ!さすが鞠莉ちゃん、なんでも知ってるんだね!」
鞠莉「なんでもってわけじゃないけど、これでも理事長ですからね。わからないことがあったら質問して。私でよければ、できる限り教えるわ」
曜「ありがとう、鞠莉ちゃん先生!」
鞠莉「いえいえ♪」
鞠莉(鞠莉ちゃん先生…ふふ、悪くない響きね)ニコ
曜「うん、バッチリだよ!さすが鞠莉ちゃん、なんでも知ってるんだね!」
鞠莉「なんでもってわけじゃないけど、これでも理事長ですからね。わからないことがあったら質問して。私でよければ、できる限り教えるわ」
曜「ありがとう、鞠莉ちゃん先生!」
鞠莉「いえいえ♪」
鞠莉(鞠莉ちゃん先生…ふふ、悪くない響きね)ニコ
9: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 06:43:01.84 ID:5yyIbhGD
……………………………………
鞠莉「今日も練習、お疲れ様」
曜「お疲れ様!あ、ねぇ鞠莉ちゃん。昆布が海の中でダシが出ないのはどうしてなの?」
鞠莉「唐突ね。それに、どこかで聞いたことあるわね、そのフレーズ」
曜「前に流行ったよね。今になって気になり始めちゃってさ」
鞠莉「なるほどね。じゃあ、お答えしましょう」
曜「先生、お願いします!」
鞠莉「今日も練習、お疲れ様」
曜「お疲れ様!あ、ねぇ鞠莉ちゃん。昆布が海の中でダシが出ないのはどうしてなの?」
鞠莉「唐突ね。それに、どこかで聞いたことあるわね、そのフレーズ」
曜「前に流行ったよね。今になって気になり始めちゃってさ」
鞠莉「なるほどね。じゃあ、お答えしましょう」
曜「先生、お願いします!」
10: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 06:49:57.31 ID:5yyIbhGD
鞠莉「昆布が海の中で出汁が出ない理由。それは、昆布が生きているからよ」
曜「生きているから?」
鞠莉「そう。出汁の旨味成分であるグルタミン酸は、昆布の体細胞の中にあるの」
曜「グルタミン酸、家庭科で習ったね!」
鞠莉「細胞が細胞壁で守られていることも、理科で習ったでしょ?」
曜「うん。植物にしかない、硬い壁のことだよね」
鞠莉「そのとおりよ。昆布は収穫された後、乾燥処理を経て製品化されるわ」
鞠莉「乾燥させて保存性を高めるとともに、細胞壁を壊して、旨味成分が出やすくなるように加工しているってわけね」
曜「へぇ、なるほど!」
曜「生きているから?」
鞠莉「そう。出汁の旨味成分であるグルタミン酸は、昆布の体細胞の中にあるの」
曜「グルタミン酸、家庭科で習ったね!」
鞠莉「細胞が細胞壁で守られていることも、理科で習ったでしょ?」
曜「うん。植物にしかない、硬い壁のことだよね」
鞠莉「そのとおりよ。昆布は収穫された後、乾燥処理を経て製品化されるわ」
鞠莉「乾燥させて保存性を高めるとともに、細胞壁を壊して、旨味成分が出やすくなるように加工しているってわけね」
曜「へぇ、なるほど!」
11: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 06:50:53.67 ID:5yyIbhGD
鞠莉「ここまで話せばわかったわよね。今の話とは逆に、昆布が海にいるとき。つまり生きているときは――」
曜「細胞壁が壊れていないから、出汁は出ないってわけだね!」
鞠莉「エグザクトリー!」
曜「やった!へへ、昆布の謎が解けたよー!」
鞠莉「最近の曜は、いろんなことに関心があるみたいね」
曜「そういうお年頃ですから!」
鞠莉「ふふっ、そうですねえ」クスクス
曜「細胞壁が壊れていないから、出汁は出ないってわけだね!」
鞠莉「エグザクトリー!」
曜「やった!へへ、昆布の謎が解けたよー!」
鞠莉「最近の曜は、いろんなことに関心があるみたいね」
曜「そういうお年頃ですから!」
鞠莉「ふふっ、そうですねえ」クスクス
12: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 06:52:37.58 ID:5yyIbhGD
曜「あ、ずっと昆布のこと考えてたから、なんだか無性におでんが食べたくなってきた!」
鞠莉「おでんかぁ。コンビニでもおでんが始まってたわね」
曜「寒くなってきたしね。ああ、どうしよう。居ても立ってもいられないよー!」
鞠莉「行く?」
曜「うん、行こう!すぐ準備するね!」ガタッ
鞠莉「そんなに慌てなくても、おでんは逃げないよ?」
曜「油断はできないよ。私たち以外にも、昆布のことで頭がいっぱいの人が買いに行くかもしれないし!」ゴソゴソ
鞠莉「んー…滅多にいないと思うけど、そんな人」
曜「よし、準備できたよ!ではコンビニに向かって全速前進、ヨーソローっ!」
鞠莉「おでんかぁ。コンビニでもおでんが始まってたわね」
曜「寒くなってきたしね。ああ、どうしよう。居ても立ってもいられないよー!」
鞠莉「行く?」
曜「うん、行こう!すぐ準備するね!」ガタッ
鞠莉「そんなに慌てなくても、おでんは逃げないよ?」
曜「油断はできないよ。私たち以外にも、昆布のことで頭がいっぱいの人が買いに行くかもしれないし!」ゴソゴソ
鞠莉「んー…滅多にいないと思うけど、そんな人」
曜「よし、準備できたよ!ではコンビニに向かって全速前進、ヨーソローっ!」
13: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 06:53:54.44 ID:5yyIbhGD
……………………………………
曜「うーん」
鞠莉「また何かお悩みなの?」
曜「ちょっとね。これなんだけどさ」スッ
鞠莉「付箋のこと?」
曜「うん。付箋ってペタって貼れるのに」ペタ
曜「跡も残らず綺麗に剥がせて」ペラ
曜「しかもまた貼ることが出来ちゃうのは、どうしてなのかなって」ペタ
曜「うーん」
鞠莉「また何かお悩みなの?」
曜「ちょっとね。これなんだけどさ」スッ
鞠莉「付箋のこと?」
曜「うん。付箋ってペタって貼れるのに」ペタ
曜「跡も残らず綺麗に剥がせて」ペラ
曜「しかもまた貼ることが出来ちゃうのは、どうしてなのかなって」ペタ
14: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 06:54:26.55 ID:5yyIbhGD
鞠莉「それはね、接着剤に秘密があるのよ」
曜「接着剤…なるほど。貼り直しが出来る、便利な接着剤を開発したからってわけだね!」
鞠莉「半分は正解ね」
曜「あれ、どういうこと?」
鞠莉「実はね、付箋に使われている接着剤は、強力な接着剤を開発する過程で生まれた『失敗作』だと言われているの」
曜「ええっ、そんな!貼っても剥がせる接着剤なんて、大発明でしょ?」
曜「接着剤…なるほど。貼り直しが出来る、便利な接着剤を開発したからってわけだね!」
鞠莉「半分は正解ね」
曜「あれ、どういうこと?」
鞠莉「実はね、付箋に使われている接着剤は、強力な接着剤を開発する過程で生まれた『失敗作』だと言われているの」
曜「ええっ、そんな!貼っても剥がせる接着剤なんて、大発明でしょ?」
15: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 06:55:06.54 ID:5yyIbhGD
鞠莉「結果的にはそうなるんだけどね。でも、貼っても剥がせるということは、接着力が極めて弱いということよね」
曜「うん」
鞠莉「これ、強力な接着剤を作ろうと頑張ってきた、メーカーや研究者の立場からすればどうかしら?」
曜「あ…そっか。確かに、がっかりしちゃうよね」
鞠莉「苦労を重ねて作り上げた試作品は、プロジェクトのゴールとは正反対の言わば失敗作…研究者にとっては大きな挫折といってもいいわ」
曜「失敗、挫折…」
曜「うん」
鞠莉「これ、強力な接着剤を作ろうと頑張ってきた、メーカーや研究者の立場からすればどうかしら?」
曜「あ…そっか。確かに、がっかりしちゃうよね」
鞠莉「苦労を重ねて作り上げた試作品は、プロジェクトのゴールとは正反対の言わば失敗作…研究者にとっては大きな挫折といってもいいわ」
曜「失敗、挫折…」
17: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 06:56:17.98 ID:5yyIbhGD
鞠莉「けど、この話が興味深いのはここからよ」
曜「えっ?」
鞠莉「メーカーの研究者の一人が、接着力の弱さ故に貼り直しが可能な特性に着目して、他の商品に応用することを考えたの」
鞠莉「その結果が、この貼っても剥がせる付箋というわけね」
曜「へぇ~。発想の転換、ってやつ?」
鞠莉「そうね。失敗をただの失敗と思わず、別の視点から新たなブレイクスルーに活用する。付箋は私たちに、その大切さを教えてくれているの」
曜「諦めないことと、視点を変えること。それが大事なんだね!」
鞠莉「私たちも、頑張りましょうね」
曜「うん!」
曜「えっ?」
鞠莉「メーカーの研究者の一人が、接着力の弱さ故に貼り直しが可能な特性に着目して、他の商品に応用することを考えたの」
鞠莉「その結果が、この貼っても剥がせる付箋というわけね」
曜「へぇ~。発想の転換、ってやつ?」
鞠莉「そうね。失敗をただの失敗と思わず、別の視点から新たなブレイクスルーに活用する。付箋は私たちに、その大切さを教えてくれているの」
曜「諦めないことと、視点を変えること。それが大事なんだね!」
鞠莉「私たちも、頑張りましょうね」
曜「うん!」
18: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 06:57:10.86 ID:5yyIbhGD
……………………………………
曜「むー…」
ガラッ
鞠莉「チャオ!あら、ひとりで何してるの?」
曜「あ、鞠莉ちゃん!」
鞠莉「それ、トランプ?」
曜「うん。備品の中から見つけてねー」
鞠莉「昼間からトランプとにらめっこなんてどうしたの?占いか、七並べの練習?」
曜「ちょっと気になることがあって。ちょうどいいところに来てくれたよ!」
鞠莉「まあ、なにかしら」
曜「むー…」
ガラッ
鞠莉「チャオ!あら、ひとりで何してるの?」
曜「あ、鞠莉ちゃん!」
鞠莉「それ、トランプ?」
曜「うん。備品の中から見つけてねー」
鞠莉「昼間からトランプとにらめっこなんてどうしたの?占いか、七並べの練習?」
曜「ちょっと気になることがあって。ちょうどいいところに来てくれたよ!」
鞠莉「まあ、なにかしら」
19: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 06:57:45.41 ID:5yyIbhGD
曜「トランプの絵柄についてなんだ。4種類の絵柄があるけど、よくよく考えてみると、意味も知らないままずっと遊んでたんだなーって」
鞠莉「ああ、スートのことね」
曜「これ、スートって言うんだ!鞠莉ちゃん、前にトランプの絵柄にはそれぞれ意味があるって言ってたよね」
鞠莉『スペース、ハート、ダイヤ、クラブ…これって全部意味があるんですって。知ってた?』
鞠莉「言ったわね。なるほど、ちょうどいいって言うのは、そういうことね?」
曜「えへへ、そういうことです。鞠莉ちゃんが来たら、教えてもらえるかなーって思ってたんだ」
鞠莉「ああ、スートのことね」
曜「これ、スートって言うんだ!鞠莉ちゃん、前にトランプの絵柄にはそれぞれ意味があるって言ってたよね」
鞠莉『スペース、ハート、ダイヤ、クラブ…これって全部意味があるんですって。知ってた?』
鞠莉「言ったわね。なるほど、ちょうどいいって言うのは、そういうことね?」
曜「えへへ、そういうことです。鞠莉ちゃんが来たら、教えてもらえるかなーって思ってたんだ」
20: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 06:58:50.26 ID:5yyIbhGD
鞠莉「待ってる間に、ネットかなにかで調べれば良かったのに」
曜「それじゃつまんないもん」
鞠莉「ふふ、欲張りさんね」
曜「そう言うわけで、今日も教えてください、鞠莉ちゃん先生!」
鞠莉「良いでしょう。ただ、私もそこまで詳しくないわよ?」
曜「私より詳しいのは間違いないもん、お願いします!」
鞠莉「あらあら、前向きですこと」クスッ
曜「それじゃつまんないもん」
鞠莉「ふふ、欲張りさんね」
曜「そう言うわけで、今日も教えてください、鞠莉ちゃん先生!」
鞠莉「良いでしょう。ただ、私もそこまで詳しくないわよ?」
曜「私より詳しいのは間違いないもん、お願いします!」
鞠莉「あらあら、前向きですこと」クスッ
21: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 06:59:36.47 ID:5yyIbhGD
鞠莉「じゃあ説明するわね。スペードは剣、クラブは棍棒、ダイヤはお金を表しているの。ハートについては、説明は要らないわよね」
曜「へぇ、クラブって棍棒のことだったんだ!」
鞠莉「あまり馴染みがあるものではないわね」
曜「ゲームで見るくらいだよね。剣に棍棒かぁ…なんか物騒だね」
鞠莉「そうなった由来も諸説あるみたいね。加えて、時代や地域に合わせて、絵柄の入れ替えや新しい意味づけがされてきたそうよ」
鞠莉「長い歴史の中で、様々な変遷を遂げた結果が、今のトランプの絵柄というわけね」
曜「なるほど…勉強になったよ!」
曜「へぇ、クラブって棍棒のことだったんだ!」
鞠莉「あまり馴染みがあるものではないわね」
曜「ゲームで見るくらいだよね。剣に棍棒かぁ…なんか物騒だね」
鞠莉「そうなった由来も諸説あるみたいね。加えて、時代や地域に合わせて、絵柄の入れ替えや新しい意味づけがされてきたそうよ」
鞠莉「長い歴史の中で、様々な変遷を遂げた結果が、今のトランプの絵柄というわけね」
曜「なるほど…勉強になったよ!」
22: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 07:01:05.50 ID:5yyIbhGD
鞠莉「ところで、曜。マリーがトランプの話をした時、どんな衣装を着ていたか覚えてる?」
曜「ハートの女王だよね。すごく似合ってた!」
鞠莉「それはどうも♪さっきは説明を省いちゃったけどね、ハートは見てのとおり、愛や幸せを象徴しているの」
曜「ってことは、その女王である鞠莉ちゃんは」
鞠莉「そう、愛の化身!曜にもラブとハッピーをお届けしちゃうわ!」ハグッ
曜「わあっ!こ、ここ部室だからー!」
曜「ハートの女王だよね。すごく似合ってた!」
鞠莉「それはどうも♪さっきは説明を省いちゃったけどね、ハートは見てのとおり、愛や幸せを象徴しているの」
曜「ってことは、その女王である鞠莉ちゃんは」
鞠莉「そう、愛の化身!曜にもラブとハッピーをお届けしちゃうわ!」ハグッ
曜「わあっ!こ、ここ部室だからー!」
23: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 07:01:58.56 ID:5yyIbhGD
……………………………………
曜「うーん」ブクブク
鞠莉「曜?水中で悩んじゃって、どうかしたの?」
曜「いや、なんで水の中でも息ができるのかなって」ブクブク
鞠莉「多分さっき飲んだ熱いお茶のせいデース!」
曜「そっか、そうだよね!」
鞠莉「ふふっ、お悩み解決したところで、今日も元気よくいきましょう!シャイニー!」
曜「ヨーソロー!」
曜「…夢か」
曜「うーん」ブクブク
鞠莉「曜?水中で悩んじゃって、どうかしたの?」
曜「いや、なんで水の中でも息ができるのかなって」ブクブク
鞠莉「多分さっき飲んだ熱いお茶のせいデース!」
曜「そっか、そうだよね!」
鞠莉「ふふっ、お悩み解決したところで、今日も元気よくいきましょう!シャイニー!」
曜「ヨーソロー!」
曜「…夢か」
24: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 07:03:55.18 ID:5yyIbhGD
……………………………………
曜「そう言えばさ」
鞠莉「ん?」
曜「熱いものを手で触った時、耳たぶを触るのはどうしてなの?」
鞠莉「ああ、こういうやつ?」さわさわ
曜「いや、なんで私の耳たぶでやるの?」
鞠莉「いきなり話題にあげるくらいだから、触ってほしいのかなって」くにくに
曜「ひゃっ、ちょっとぉ!」
曜「そう言えばさ」
鞠莉「ん?」
曜「熱いものを手で触った時、耳たぶを触るのはどうしてなの?」
鞠莉「ああ、こういうやつ?」さわさわ
曜「いや、なんで私の耳たぶでやるの?」
鞠莉「いきなり話題にあげるくらいだから、触ってほしいのかなって」くにくに
曜「ひゃっ、ちょっとぉ!」
25: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 07:04:35.53 ID:5yyIbhGD
鞠莉「んふふー。ほっぺただけじゃなくて、ここの触り心地もなかなか…」ふにふに
曜「も、もうっ」パッ
鞠莉「あーあ、いいところだったのに」
曜「よくないの」
鞠莉「え、そうなの?」
曜「ま、まぁ…」
鞠莉「ふふっ、素直じゃないね」
曜「も、もうっ」パッ
鞠莉「あーあ、いいところだったのに」
曜「よくないの」
鞠莉「え、そうなの?」
曜「ま、まぁ…」
鞠莉「ふふっ、素直じゃないね」
26: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 07:05:22.32 ID:5yyIbhGD
曜「そ、そんなことより!耳を触るのは、なんでなのかなぁ?」
鞠莉「軌道修正が下手ねえ。いいわ、お教えしましょう」
曜「えへへっ、お願いします!」
鞠莉「熱いものを触った時、耳たぶを触る理由だけど」
曜「うん」
鞠莉「一般的に言われるのは『耳たぶが、一番冷たい部位だから』ってことね」
曜「一番冷たい…耳たぶが?」
鞠莉「軌道修正が下手ねえ。いいわ、お教えしましょう」
曜「えへへっ、お願いします!」
鞠莉「熱いものを触った時、耳たぶを触る理由だけど」
曜「うん」
鞠莉「一般的に言われるのは『耳たぶが、一番冷たい部位だから』ってことね」
曜「一番冷たい…耳たぶが?」
27: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 07:06:35.53 ID:5yyIbhGD
鞠莉「寒がりの曜ならわかると思うけど、冬の寒さが厳しい日に、耳たぶが冷え切って痛くなっちゃったことはない?」
曜「あるある!冬は耳あてが欠かせないよ」
鞠莉「それだけ耳たぶは気温の影響を受けやすく、逆に言えば体温が通いにくいということなの」
曜「なるほど!耳たぶを触るのは、熱いものを触った指先を冷やすためってわけだね」
鞠莉「だからと言って、それがどれだけ効果があるかは疑問ね」
鞠莉「いくら他より体温が低いと言っても、体は体。冷却や鎮痛まで求めるのは無理があるわ」
鞠莉「火傷した時には、氷水でしっかりと冷やすのが原則よ。覚えておいてね」
曜「うん!ありがとう、鞠莉ちゃん先生!」
曜「あるある!冬は耳あてが欠かせないよ」
鞠莉「それだけ耳たぶは気温の影響を受けやすく、逆に言えば体温が通いにくいということなの」
曜「なるほど!耳たぶを触るのは、熱いものを触った指先を冷やすためってわけだね」
鞠莉「だからと言って、それがどれだけ効果があるかは疑問ね」
鞠莉「いくら他より体温が低いと言っても、体は体。冷却や鎮痛まで求めるのは無理があるわ」
鞠莉「火傷した時には、氷水でしっかりと冷やすのが原則よ。覚えておいてね」
曜「うん!ありがとう、鞠莉ちゃん先生!」
28: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 07:07:54.60 ID:5yyIbhGD
鞠莉「どういたしまして。さ、今日の授業料をもらおうかな」ふにっ
曜「わっ、また…んんっ…」
鞠莉「んー、いい感触。やっぱり曜って癒し系よね」さわさわ
曜「人の耳触りながら、何言って…んっ!」
鞠莉「ふふっ。マリーが良いって言うまで、動いちゃダメよ?」
曜「そんなぁ…ひゃっ!」
鞠莉「しーっ。人が聞いたら誤解しちゃうわ」
曜「なら、少しは遠慮して…んんっ」
鞠莉(じっと我慢してくれてる…かわいい)
曜「ま、鞠莉ちゃぁん…」ナミダメ
曜「わっ、また…んんっ…」
鞠莉「んー、いい感触。やっぱり曜って癒し系よね」さわさわ
曜「人の耳触りながら、何言って…んっ!」
鞠莉「ふふっ。マリーが良いって言うまで、動いちゃダメよ?」
曜「そんなぁ…ひゃっ!」
鞠莉「しーっ。人が聞いたら誤解しちゃうわ」
曜「なら、少しは遠慮して…んんっ」
鞠莉(じっと我慢してくれてる…かわいい)
曜「ま、鞠莉ちゃぁん…」ナミダメ
29: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 07:12:37.51 ID:5yyIbhGD
……………………………………
鞠莉の部屋、夜
鞠莉「わっ…」トサ
曜「鞠莉ちゃん…」スッ
鞠莉「ん…」
曜「…っ!」
曜(手の震えが、止まらない…!)
鞠莉「…?」
曜「う、ぅ…」
曜(ダメだ、視界までぐるぐるしてきた…大事なときなのに…)
鞠莉「…」
曜(これじゃ…こんなじゃ、私…!)ウルウル
鞠莉の部屋、夜
鞠莉「わっ…」トサ
曜「鞠莉ちゃん…」スッ
鞠莉「ん…」
曜「…っ!」
曜(手の震えが、止まらない…!)
鞠莉「…?」
曜「う、ぅ…」
曜(ダメだ、視界までぐるぐるしてきた…大事なときなのに…)
鞠莉「…」
曜(これじゃ…こんなじゃ、私…!)ウルウル
30: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 07:16:06.08 ID:5yyIbhGD
鞠莉「曜」スッ
曜「わ、私――」
ぐるんっ
曜「わあっ!?」ポスッ
鞠莉「ふふっ♪捕まえた」ギュー
曜「ま、鞠莉ちゃん…!?」
鞠莉「曜ったら頑張っちゃって。そんなに緊張して戸惑わなくてもいいんだよ?誰にだって初めてはあるんだから」
曜「あ…で、でもっ」
曜「わ、私――」
ぐるんっ
曜「わあっ!?」ポスッ
鞠莉「ふふっ♪捕まえた」ギュー
曜「ま、鞠莉ちゃん…!?」
鞠莉「曜ったら頑張っちゃって。そんなに緊張して戸惑わなくてもいいんだよ?誰にだって初めてはあるんだから」
曜「あ…で、でもっ」
31: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 07:17:25.24 ID:5yyIbhGD
鞠莉「ふふっ。いつもみたいに、手取り足取り教えてあげたいところだけど」
鞠莉「おあいにく様、私も初めてなの」
曜「あ…」
鞠莉「だから――」チュッ
曜「!」
鞠莉「だから、ゆっくりでいいの。二人で一緒に、進んでいこう。ね?」
曜「…うんっ!」
鞠莉「おあいにく様、私も初めてなの」
曜「あ…」
鞠莉「だから――」チュッ
曜「!」
鞠莉「だから、ゆっくりでいいの。二人で一緒に、進んでいこう。ね?」
曜「…うんっ!」
32: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/09/29(土) 07:17:48.56 ID:5yyIbhGD
鞠莉「曜…好きだよ」
曜「私も、鞠莉ちゃん…」
終わり
曜「私も、鞠莉ちゃん…」
終わり
引用元: ・曜「教えて鞠莉ちゃん先生!」
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