2: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/10/30(火) 06:44:22.52 ID:34iTxQ+U
理事長室
鞠莉「ふぅ…」
曜(ため息、これで3回目だ。鞠莉ちゃん、お疲れ様なのかな)
鞠莉「…あ。ふふ、油断しちゃった。ただでさえ待たせてるのに、ごめんね?」
曜(そりゃ疲れるよね。お仕事も大変なのに、ライブ目前で、ここのところは練習続きだし…)
鞠莉「仕事がちょっと山場でね。なんとか乗り切るつもりだけど、ふぅ…あっ」イケナイ
曜(――頑張る鞠莉ちゃんのために、私ができること…喜んでもらえそうなことって…)
曜(…あっ、そうだ!)
鞠莉「ふぅ…」
曜(ため息、これで3回目だ。鞠莉ちゃん、お疲れ様なのかな)
鞠莉「…あ。ふふ、油断しちゃった。ただでさえ待たせてるのに、ごめんね?」
曜(そりゃ疲れるよね。お仕事も大変なのに、ライブ目前で、ここのところは練習続きだし…)
鞠莉「仕事がちょっと山場でね。なんとか乗り切るつもりだけど、ふぅ…あっ」イケナイ
曜(――頑張る鞠莉ちゃんのために、私ができること…喜んでもらえそうなことって…)
曜(…あっ、そうだ!)
3: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/10/30(火) 06:44:58.59 ID:34iTxQ+U
曜「ねぇ鞠莉ちゃん。今日って練習終わった後、時間ある?」
鞠莉「ん?夜は、特に予定はなかったと思うけど」
曜「よかったら、うちにご飯食べに来ない?」
鞠莉「ご飯、曜の家に?」
曜「うん!今日はね、なんだかカレーが食べたい気分なんだ」
鞠莉「カレー…」
曜「でも、今夜はお母さんが用事で居ないんだ。家にひとりだと、料理するのも食べるのも寂しくて」
鞠莉「ん?夜は、特に予定はなかったと思うけど」
曜「よかったら、うちにご飯食べに来ない?」
鞠莉「ご飯、曜の家に?」
曜「うん!今日はね、なんだかカレーが食べたい気分なんだ」
鞠莉「カレー…」
曜「でも、今夜はお母さんが用事で居ないんだ。家にひとりだと、料理するのも食べるのも寂しくて」
4: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/10/30(火) 06:45:46.62 ID:34iTxQ+U
曜「だから、鞠莉ちゃんさえよければ、どうかなーって」
鞠莉「んー…」
曜「あ、もちろん無理にとは言わないよ?お疲れ様なら、今日の所はゆっくりするのも…」
鞠莉「いえ、ぜひご馳走になるわ」
曜「大丈夫なの?」
鞠莉「もちろんよ。せっかくのお誘い、それも曜の特製カレーとなれば、見逃す手はないわ」
鞠莉「喜んでお邪魔させてもらいますっ」
曜「わあ、やったぁ!じゃあ、今日は一緒に帰る?」
鞠莉「んー…」
曜「あ、もちろん無理にとは言わないよ?お疲れ様なら、今日の所はゆっくりするのも…」
鞠莉「いえ、ぜひご馳走になるわ」
曜「大丈夫なの?」
鞠莉「もちろんよ。せっかくのお誘い、それも曜の特製カレーとなれば、見逃す手はないわ」
鞠莉「喜んでお邪魔させてもらいますっ」
曜「わあ、やったぁ!じゃあ、今日は一緒に帰る?」
5: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/10/30(火) 06:46:46.41 ID:34iTxQ+U
鞠莉「そうしたい所だけど、その前に溜まった書類をなんとかしなきゃいけなくて」
曜「あ…」
鞠莉「大丈夫、すぐ終わらせて追いかけるわ。そのためにも、今のうちに頑張っておかないと」
曜(…なんだろう、胸がチクっとする)
鞠莉「曜、どうかした?」
曜「あ…ううん。少しぼーっとしちゃって」
鞠莉「あら。ひょっとして、曜もお疲れ様だったり?」
曜「あ…」
鞠莉「大丈夫、すぐ終わらせて追いかけるわ。そのためにも、今のうちに頑張っておかないと」
曜(…なんだろう、胸がチクっとする)
鞠莉「曜、どうかした?」
曜「あ…ううん。少しぼーっとしちゃって」
鞠莉「あら。ひょっとして、曜もお疲れ様だったり?」
6: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/10/30(火) 06:47:36.94 ID:34iTxQ+U
曜「それは大丈夫、元気だよ」
鞠莉「曜もやることが多いからね。一人で抱え込んで、頑張りすぎちゃダメよ?」
曜「わかってるって、鞠莉ちゃんこそね」
鞠莉「カレーが待ってるんだもの、無茶はしないわ。今日はよろしくね?」
曜「了解でありますっ!」
曜(よかった、来てくれるって…嬉しい!)
曜(…けど、さっきの違和感はなんだったんだろう)
鞠莉「曜もやることが多いからね。一人で抱え込んで、頑張りすぎちゃダメよ?」
曜「わかってるって、鞠莉ちゃんこそね」
鞠莉「カレーが待ってるんだもの、無茶はしないわ。今日はよろしくね?」
曜「了解でありますっ!」
曜(よかった、来てくれるって…嬉しい!)
曜(…けど、さっきの違和感はなんだったんだろう)
7: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/10/30(火) 06:48:19.62 ID:34iTxQ+U
……………………………………
渡辺家、夜
曜「ふふっ、なかなかいい感じかな~♪」グツグツ
鞠莉(わあ、すごくいい匂い…)
曜「お待たせしちゃってごめんね。もうすぐ出来るから」
鞠莉「何か手伝うことはある?」
曜「大丈夫!座っててー」
鞠莉「けど、何もしないっていうのも」
渡辺家、夜
曜「ふふっ、なかなかいい感じかな~♪」グツグツ
鞠莉(わあ、すごくいい匂い…)
曜「お待たせしちゃってごめんね。もうすぐ出来るから」
鞠莉「何か手伝うことはある?」
曜「大丈夫!座っててー」
鞠莉「けど、何もしないっていうのも」
8: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/10/30(火) 06:49:55.65 ID:34iTxQ+U
曜「今日の鞠莉ちゃんはお客様なんだから。遠慮しないでゆっくりしててよ」
鞠莉「ん、わかった。先にリビングで待たせてもらうわ」
曜「はいはーい、くつろいでねー」
鞠莉(…初めての場所、しかも人のお宅にお邪魔するのは、いつだって落ち着かないものだけど)
曜「ブロッコリーの焼き具合は…完璧っ!」
鞠莉(今日は不思議と心地いい…なんでだろう。カレーが美味しそうだから?)
曜「ズッキーニもいい感じ…よし、できたー!いま盛り付けるからね!」
鞠莉(それとも、曜の家だから――)
曜「あれっ、さっきまでいた福神漬けが行方不明に!?」
鞠莉(――ふふっ。何もしないでいる時間って、久々かも)
鞠莉「ん、わかった。先にリビングで待たせてもらうわ」
曜「はいはーい、くつろいでねー」
鞠莉(…初めての場所、しかも人のお宅にお邪魔するのは、いつだって落ち着かないものだけど)
曜「ブロッコリーの焼き具合は…完璧っ!」
鞠莉(今日は不思議と心地いい…なんでだろう。カレーが美味しそうだから?)
曜「ズッキーニもいい感じ…よし、できたー!いま盛り付けるからね!」
鞠莉(それとも、曜の家だから――)
曜「あれっ、さっきまでいた福神漬けが行方不明に!?」
鞠莉(――ふふっ。何もしないでいる時間って、久々かも)
9: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/10/30(火) 06:50:55.01 ID:34iTxQ+U
曜「お待たせ!曜ちゃん特製船乗りカレーだよ!」コト
鞠莉「わあ…!」
鞠莉(炊きたてのご飯と、具沢山のカレー、グリルした野菜の付け合わせ。きらめく湯気と、食欲をそそる香り…)
鞠莉「これはもう、一種の芸術ね」
曜「本日のカレーはお野菜を贅沢に使ってみました!福神漬けはお好みでどうぞー」
鞠莉「曜のカレー、海の家でご馳走になって以来ね」
曜「美味しそうに食べてくれたよね。シャイ煮と堕天使の泪は無いけど、お口に合えば嬉しいな」
鞠莉「それはもう、きっと見た目通りの美味しさに間違いないわ」
曜「えへへっ。さ、熱いうちに食べよう!」
鞠莉「ええ」
ようまり「いただきまーす」
鞠莉「わあ…!」
鞠莉(炊きたてのご飯と、具沢山のカレー、グリルした野菜の付け合わせ。きらめく湯気と、食欲をそそる香り…)
鞠莉「これはもう、一種の芸術ね」
曜「本日のカレーはお野菜を贅沢に使ってみました!福神漬けはお好みでどうぞー」
鞠莉「曜のカレー、海の家でご馳走になって以来ね」
曜「美味しそうに食べてくれたよね。シャイ煮と堕天使の泪は無いけど、お口に合えば嬉しいな」
鞠莉「それはもう、きっと見た目通りの美味しさに間違いないわ」
曜「えへへっ。さ、熱いうちに食べよう!」
鞠莉「ええ」
ようまり「いただきまーす」
10: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/10/30(火) 06:52:01.50 ID:34iTxQ+U
鞠莉「お野菜がたくさんって、嬉しいわね」スッ
曜(さあ、どうかな…)
鞠莉「…んっ、おいしい!」パァァ
曜「本当?」
鞠莉「ええ!なんだか元気が湧いてくる。疲れも吹き飛ぶ美味しさって、このことね」
曜「よかった!じゃあ私も…うん、美味しくできたみたい!」パァァ
鞠莉(うふふっ、元気の源はここにもあった)ニコニコ
曜「いっぱい作ったから、いっぱい食べてね!」
曜(さあ、どうかな…)
鞠莉「…んっ、おいしい!」パァァ
曜「本当?」
鞠莉「ええ!なんだか元気が湧いてくる。疲れも吹き飛ぶ美味しさって、このことね」
曜「よかった!じゃあ私も…うん、美味しくできたみたい!」パァァ
鞠莉(うふふっ、元気の源はここにもあった)ニコニコ
曜「いっぱい作ったから、いっぱい食べてね!」
11: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/10/30(火) 06:53:43.88 ID:34iTxQ+U
……………………………………
曜の部屋
曜「今日のカレー、どうだった?」
鞠莉「とっても美味しくって、エクセレントの一言よ。将来はお店が開けそうね」
曜「えへへっ、それは褒めすぎだよ」テレテレ
鞠莉「ところで、今日はどうして誘ってくれたの?」
曜「えっ。どうしてって、それは、カレーが食べたかったから…」
曜の部屋
曜「今日のカレー、どうだった?」
鞠莉「とっても美味しくって、エクセレントの一言よ。将来はお店が開けそうね」
曜「えへへっ、それは褒めすぎだよ」テレテレ
鞠莉「ところで、今日はどうして誘ってくれたの?」
曜「えっ。どうしてって、それは、カレーが食べたかったから…」
12: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/10/30(火) 06:54:39.82 ID:34iTxQ+U
鞠莉「それはそうかもしれないけど、他にも理由があるんでしょ?」
曜「うっ、見抜かれてた?」
鞠莉「隠し事は無しよ。黙ってるつもりなら、また曜の柔らかなほっぺたをうりゃうりゃと…むふふ」わきわき
曜「わ、わかったから、その顔とその手つきはやめて」タジッ
鞠莉「わかればよろしい。さ、教えて?」
曜「うっ、見抜かれてた?」
鞠莉「隠し事は無しよ。黙ってるつもりなら、また曜の柔らかなほっぺたをうりゃうりゃと…むふふ」わきわき
曜「わ、わかったから、その顔とその手つきはやめて」タジッ
鞠莉「わかればよろしい。さ、教えて?」
13: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/10/30(火) 06:56:07.19 ID:34iTxQ+U
曜「強引なんだから…えっとね、鞠莉ちゃん、大変なのかなって思って」
鞠莉「え、私?」
曜「うん。お仕事も練習も、その…毎日すごく頑張ってるから」
鞠莉「あー…最近の私、疲れて見えた?」
曜「ん…正直、ちょっとね」
鞠莉「ふふ、そっか」
曜「学校のこと、大変なの?」
鞠莉「ん…正直、少しね」
曜「そっか。そう、だよね…」
鞠莉「え、私?」
曜「うん。お仕事も練習も、その…毎日すごく頑張ってるから」
鞠莉「あー…最近の私、疲れて見えた?」
曜「ん…正直、ちょっとね」
鞠莉「ふふ、そっか」
曜「学校のこと、大変なの?」
鞠莉「ん…正直、少しね」
曜「そっか。そう、だよね…」
14: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/10/30(火) 06:57:10.82 ID:34iTxQ+U
鞠莉「だからカレーをご馳走してくれたの?」
曜「色々考えたんだけど、私が力になれそうなことって思い付かなくて」
曜「けど、少しでも元気になって欲しくって。それで」
鞠莉「曜…」
曜「あははっ。あっ、でもカレーを食べたいなーって思ってたのは本当だし、だから、えっと…」
曜「色々考えたんだけど、私が力になれそうなことって思い付かなくて」
曜「けど、少しでも元気になって欲しくって。それで」
鞠莉「曜…」
曜「あははっ。あっ、でもカレーを食べたいなーって思ってたのは本当だし、だから、えっと…」
15: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/10/30(火) 06:57:41.83 ID:34iTxQ+U
鞠莉「優しいんだね」
曜「えっ?」
鞠莉「嘘がつけない素直な子、ってことよ」ツンッ
曜「あてっ」
鞠莉「ふふっ。私のために、本当にありがとう」ニコ
曜「!」
曜「えっ?」
鞠莉「嘘がつけない素直な子、ってことよ」ツンッ
曜「あてっ」
鞠莉「ふふっ。私のために、本当にありがとう」ニコ
曜「!」
16: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/10/30(火) 06:58:15.29 ID:34iTxQ+U
鞠莉「美味しいカレーもだけど、こんなにゆっくりしたのは久々なの。感謝してるわ」ナデナデ
曜「わっ」
鞠莉「おかげで、まだまだ頑張れそうよ」
曜「鞠莉ちゃん…」
鞠莉「大変なことも多いけど…今が正念場だもの。くじけるわけには、いかないものね」ニコ
曜「!」
曜(笑ってるのに、悲しい顔…胸の奥がチクッてする、この感じ…)
曜「わっ」
鞠莉「おかげで、まだまだ頑張れそうよ」
曜「鞠莉ちゃん…」
鞠莉「大変なことも多いけど…今が正念場だもの。くじけるわけには、いかないものね」ニコ
曜「!」
曜(笑ってるのに、悲しい顔…胸の奥がチクッてする、この感じ…)
17: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/10/30(火) 06:59:14.66 ID:34iTxQ+U
鞠莉「…ずっとこうしていたいけど、もうこんな時間」
曜「あ…」
鞠莉「そろそろお暇しなくちゃ。明日も早いのに、遅くまでごめんね」
曜(…いやだ。帰って欲しくない。一人きりに、させたくない…)
鞠莉「いま迎えを呼ぶから、もう少しだけ――」スッ
曜「っ、鞠莉ちゃん!」
ハグッ
鞠莉「!」
曜「あ…」
鞠莉「そろそろお暇しなくちゃ。明日も早いのに、遅くまでごめんね」
曜(…いやだ。帰って欲しくない。一人きりに、させたくない…)
鞠莉「いま迎えを呼ぶから、もう少しだけ――」スッ
曜「っ、鞠莉ちゃん!」
ハグッ
鞠莉「!」
18: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/10/30(火) 07:00:11.59 ID:34iTxQ+U
曜「…」ギュ
鞠莉「よ、曜…どうしたの?」
曜「わかんない、けど…」ギュー
鞠莉「…心配してくれてるの?」
曜「そうだけど、そうなんだけど、少し違うんだ…」
鞠莉「…」
曜「頑張ってる鞠莉ちゃんを、やっと休ませてあげられたのに…カレー美味しいねって、笑ってくれたのに…」
曜「明日からまた、鞠莉ちゃんをひとりで頑張らせちゃう…それが、それが、私っ…!」
鞠莉(曜…震えてる…)
曜「ごめんね…上手く言えないけど、こんな…!」
鞠莉「よ、曜…どうしたの?」
曜「わかんない、けど…」ギュー
鞠莉「…心配してくれてるの?」
曜「そうだけど、そうなんだけど、少し違うんだ…」
鞠莉「…」
曜「頑張ってる鞠莉ちゃんを、やっと休ませてあげられたのに…カレー美味しいねって、笑ってくれたのに…」
曜「明日からまた、鞠莉ちゃんをひとりで頑張らせちゃう…それが、それが、私っ…!」
鞠莉(曜…震えてる…)
曜「ごめんね…上手く言えないけど、こんな…!」
19: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/10/30(火) 07:01:12.19 ID:34iTxQ+U
鞠莉「…伝わったよ」ギュ
曜「!」
鞠莉「まっすぐで、すごく暖かくて、優しい気持ち…」
鞠莉「私のことを、ずっと気にかけてくれていたのね」ナデナデ
曜「あ…」
鞠莉「嬉しい。曜が想ってくれることが、とっても嬉しい」
曜「鞠莉、ちゃん…!」
鞠莉「この嬉しさ、曜にも伝わるかな?」
曜「うん、うんっ…!」ギュー
鞠莉「ふふ、素直な子。ありがとうね」
曜(…ああ、この暖かさだ――私が憧れたのは)
曜「!」
鞠莉「まっすぐで、すごく暖かくて、優しい気持ち…」
鞠莉「私のことを、ずっと気にかけてくれていたのね」ナデナデ
曜「あ…」
鞠莉「嬉しい。曜が想ってくれることが、とっても嬉しい」
曜「鞠莉、ちゃん…!」
鞠莉「この嬉しさ、曜にも伝わるかな?」
曜「うん、うんっ…!」ギュー
鞠莉「ふふ、素直な子。ありがとうね」
曜(…ああ、この暖かさだ――私が憧れたのは)
21: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/10/30(火) 07:02:38.96 ID:34iTxQ+U
……………………………………
鞠莉「落ち着いた?」
曜「うん…えっと、恥ずかしいところをお見せしました…」
鞠莉「恥ずかしくないし、なんで敬語なのよ」クスクス
曜「だってさ…鞠莉ちゃんを元気付けてあげるはずが、逆に慰められちゃうなんて」
鞠莉「慰めたわけじゃないわ。曜と私で、互いを想う気持ちを確かめ合ったの」
鞠莉「だから少しも恥ずかしくないし、どっちがどうってこともないのよ」
曜「…えへへ、やっぱり鞠莉ちゃんはすごいや」
鞠莉「落ち着いた?」
曜「うん…えっと、恥ずかしいところをお見せしました…」
鞠莉「恥ずかしくないし、なんで敬語なのよ」クスクス
曜「だってさ…鞠莉ちゃんを元気付けてあげるはずが、逆に慰められちゃうなんて」
鞠莉「慰めたわけじゃないわ。曜と私で、互いを想う気持ちを確かめ合ったの」
鞠莉「だから少しも恥ずかしくないし、どっちがどうってこともないのよ」
曜「…えへへ、やっぱり鞠莉ちゃんはすごいや」
22: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/10/30(火) 07:04:42.55 ID:34iTxQ+U
鞠莉「とは言え…私が何も言わなかったせいで、曜を心配させてしまったのも事実だし」
鞠莉「至らないばかりに、ごめんね」
曜「ううん、私の方こそ――」
鞠莉「ああストップ。ごめん、言い方が悪かったわ」
曜「えっ?」
鞠莉「これじゃ、お互いごめんなさいの言い合いになっちゃう」
鞠莉「せっかく気持ちが通じ合ったんだもの。頭を切り替えて、前向き、未来志向でいきましょう」
曜「あ…!賛成!やっぱり鞠莉ちゃんはすごいや。でも、未来志向って?」
鞠莉「至らないばかりに、ごめんね」
曜「ううん、私の方こそ――」
鞠莉「ああストップ。ごめん、言い方が悪かったわ」
曜「えっ?」
鞠莉「これじゃ、お互いごめんなさいの言い合いになっちゃう」
鞠莉「せっかく気持ちが通じ合ったんだもの。頭を切り替えて、前向き、未来志向でいきましょう」
曜「あ…!賛成!やっぱり鞠莉ちゃんはすごいや。でも、未来志向って?」
23: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/10/30(火) 07:06:41.53 ID:34iTxQ+U
鞠莉「そうねぇ…学校のことも、スクールアイドルも、これからは更に忙しくなるだろうし」
鞠莉「自覚のないまま、頑張りすぎて消耗しちゃう。そんなことが無いとは言えないわ」
曜「そうなんだ、それが心配で」
鞠莉「ん…なら、こうしましょう」
鞠莉「曜から見て、私が疲れてたり、元気無さそうに見えたら、カレーに誘う」
曜「!」
鞠莉「私も自分で元気が無いなって思ったら、曜にカレーをお願いする。申し出を受けた方は、これに応えて一緒にカレーを食べる」
鞠莉「あとは、元気の有る無しに関わらず、たまにはカレー会を開催して、今日のような素敵なひと時を堪能する…このプラン、どうかしら?」
鞠莉「自覚のないまま、頑張りすぎて消耗しちゃう。そんなことが無いとは言えないわ」
曜「そうなんだ、それが心配で」
鞠莉「ん…なら、こうしましょう」
鞠莉「曜から見て、私が疲れてたり、元気無さそうに見えたら、カレーに誘う」
曜「!」
鞠莉「私も自分で元気が無いなって思ったら、曜にカレーをお願いする。申し出を受けた方は、これに応えて一緒にカレーを食べる」
鞠莉「あとは、元気の有る無しに関わらず、たまにはカレー会を開催して、今日のような素敵なひと時を堪能する…このプラン、どうかしら?」
24: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/10/30(火) 07:07:42.92 ID:34iTxQ+U
曜「わぁ…!いいよそれ、凄くいい!」
鞠莉「決まりね。これは二人の約束よ」
曜「じゃあさ、せっかくだから指切りしない?」
鞠莉「指切り?」
曜「うん。大切にしたいんだ。今日のことと、これからのこと…」スッ
鞠莉「!」
曜「ダメ、かな?」
鞠莉「決まりね。これは二人の約束よ」
曜「じゃあさ、せっかくだから指切りしない?」
鞠莉「指切り?」
曜「うん。大切にしたいんだ。今日のことと、これからのこと…」スッ
鞠莉「!」
曜「ダメ、かな?」
25: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/10/30(火) 07:08:36.96 ID:34iTxQ+U
鞠莉「…ふふ、指切りなんていつ以来かしら」ギュ
曜「あ…」
鞠莉「曜って意外とロマンチストなんだ。そのセンス、私も賛成よ」
曜「えへへっ。誰かさんのがうつったのかも」
鞠莉「あら、言うじゃない。うふふっ」
曜「あははっ。それじゃいくよ」
ようまり「指切り千万、嘘ついたら針千本飲ーます。ゆびきった!」
曜「あ…」
鞠莉「曜って意外とロマンチストなんだ。そのセンス、私も賛成よ」
曜「えへへっ。誰かさんのがうつったのかも」
鞠莉「あら、言うじゃない。うふふっ」
曜「あははっ。それじゃいくよ」
ようまり「指切り千万、嘘ついたら針千本飲ーます。ゆびきった!」
26: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/10/30(火) 07:09:53.73 ID:34iTxQ+U
曜「えへへ、しちゃったね」
鞠莉「そうね、ふふっ♪」
曜「ん?」
鞠莉「指切りしたいって言う曜、可愛かったなって」
曜「わ、すぐまたからかう…」
鞠莉「本当のことだもの。それに覚悟してね。指切りをしたからには、マリーのカレーリクエストからは逃げられないのよ」
鞠莉「嘘ついたら、ペナルティは針千本なんだから」クスクス
鞠莉「そうね、ふふっ♪」
曜「ん?」
鞠莉「指切りしたいって言う曜、可愛かったなって」
曜「わ、すぐまたからかう…」
鞠莉「本当のことだもの。それに覚悟してね。指切りをしたからには、マリーのカレーリクエストからは逃げられないのよ」
鞠莉「嘘ついたら、ペナルティは針千本なんだから」クスクス
27: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/10/30(火) 07:18:03.65 ID:34iTxQ+U
曜「鞠莉ちゃんの方こそ気をつけてよ。約束破ったら『二度とカレー食べさせてあげないの刑』だからねー」
鞠莉「む…針千本より、そっちの方が重罰デース」
曜「あははっ」
鞠莉「うふふっ。今日は本当にありがとうね」
曜「鞠莉ちゃんこそ、来てくれてありがとう。必ずまた来てよね。次も、とびっきり美味しいカレーを作ってみせるから」
鞠莉「楽しみにしてるわ。小指の約束、よ」
曜「えへへ、小指の約束だね!」
鞠莉「む…針千本より、そっちの方が重罰デース」
曜「あははっ」
鞠莉「うふふっ。今日は本当にありがとうね」
曜「鞠莉ちゃんこそ、来てくれてありがとう。必ずまた来てよね。次も、とびっきり美味しいカレーを作ってみせるから」
鞠莉「楽しみにしてるわ。小指の約束、よ」
曜「えへへ、小指の約束だね!」
28: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2018/10/30(火) 07:19:21.81 ID:34iTxQ+U
曜(鞠莉ちゃんは、頑張り屋さんだ。学校のこと、スクールアイドルのこと。家のこと、勉強のこと)
曜(自分のことだけじゃなく、みんなのためにと大忙しな頑張り屋さんだ)
曜(私が力になれることなんて、ほとんどなくて。それこそ、カレーをご馳走するくらいの、本当に他愛のないことしかできないと思うけど)
曜(いつだって一生懸命な鞠莉ちゃんに、少しでも元気と幸せをあげられたら嬉しいな)
終わり
曜(自分のことだけじゃなく、みんなのためにと大忙しな頑張り屋さんだ)
曜(私が力になれることなんて、ほとんどなくて。それこそ、カレーをご馳走するくらいの、本当に他愛のないことしかできないと思うけど)
曜(いつだって一生懸命な鞠莉ちゃんに、少しでも元気と幸せをあげられたら嬉しいな)
終わり
引用元: ・曜「鞠莉ちゃんはお疲れ様」
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