1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/30(火) 20:46:53.34 ID:gAY6tPnbo
光の勇者(以下、勇者)「馬鹿な! 何を言っている!」
地の四天王(以下、地王)「頼む! お願いだ!」
勇者「やめろ! それでも魔王軍の幹部か!」
地王「お前しか! お前しか居ないのだ!」
地王「酔って、朝起きたら闇の魔王様がベッドに居たのだ!」
地王「薄らぼんやりと、ヤっちゃった記憶があるのだ!」
勇者「だから俺に言うのはやめろってえええええ!!」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1540900012
地の四天王(以下、地王)「頼む! お願いだ!」
勇者「やめろ! それでも魔王軍の幹部か!」
地王「お前しか! お前しか居ないのだ!」
地王「酔って、朝起きたら闇の魔王様がベッドに居たのだ!」
地王「薄らぼんやりと、ヤっちゃった記憶があるのだ!」
勇者「だから俺に言うのはやめろってえええええ!!」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1540900012
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/30(火) 20:50:06.71 ID:gAY6tPnbo
地王「ええい、お前はそれでも勇者か!?」
勇者「それでもって、どれでもだ!」
y
地王「救いを求める手を振り払うつもりか!?」
勇者「俺に助けを求めるな!」
地王「ああ……俺は、おしまいだ!」
地王「魔王様は……初めてだった……!」
勇者「そういう事言うなってえええええ!!」
勇者「それでもって、どれでもだ!」
y
地王「救いを求める手を振り払うつもりか!?」
勇者「俺に助けを求めるな!」
地王「ああ……俺は、おしまいだ!」
地王「魔王様は……初めてだった……!」
勇者「そういう事言うなってえええええ!!」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/30(火) 20:54:57.30 ID:gAY6tPnbo
勇者「というか、何故お前がここに居る!?」
地王「今日は非番なのだ!」
勇者「そうじゃなくて! 俺に助けを求めるな!」
地王「ええい、わからんやつだ!」
地王「勇者よ、敵ながらお前は天晴なやつ!」
地王「その力を見込んで、助けを求めているのだ!」
勇者「こういう助けの求められ方ははじめてだよ!」
地王「今日は非番なのだ!」
勇者「そうじゃなくて! 俺に助けを求めるな!」
地王「ええい、わからんやつだ!」
地王「勇者よ、敵ながらお前は天晴なやつ!」
地王「その力を見込んで、助けを求めているのだ!」
勇者「こういう助けの求められ方ははじめてだよ!」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/30(火) 20:58:54.93 ID:gAY6tPnbo
勇者「そもそも! どうしてそうなった!?」
地王「よくぞ聞いてくれた!」
勇者「聞きたくて聞いてるんじゃねえ!」
地王「勇者よ! 心して聞くが良い!」
地王「実は、酔ってあまり記憶が無いのだ」
地王「何となく、一緒に飲んでたなぁ、程度にしか覚えていない」
勇者「最悪だな! お前、ほんと最悪だな!」
地王「よくぞ聞いてくれた!」
勇者「聞きたくて聞いてるんじゃねえ!」
地王「勇者よ! 心して聞くが良い!」
地王「実は、酔ってあまり記憶が無いのだ」
地王「何となく、一緒に飲んでたなぁ、程度にしか覚えていない」
勇者「最悪だな! お前、ほんと最悪だな!」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/30(火) 21:02:24.83 ID:gAY6tPnbo
勇者「しかし、その……なんだ……」
地王「ん? 何か、気になることでもあったか?」
勇者「……魔王が初めてだったとかは、覚えてるんだな」
地王「ああ」
地王「シーツに、血の痕が残っていてだな」
地王「歩き方に違和感があり、これはもう、となったわけだ」
勇者「これはもう、じゃねえよ!!」
地王「ん? 何か、気になることでもあったか?」
勇者「……魔王が初めてだったとかは、覚えてるんだな」
地王「ああ」
地王「シーツに、血の痕が残っていてだな」
地王「歩き方に違和感があり、これはもう、となったわけだ」
勇者「これはもう、じゃねえよ!!」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/30(火) 21:08:00.67 ID:gAY6tPnbo
地王「加えて、会議の時の魔王様の行いだ」
勇者「……様子でも違ったのか」
地王「いや、そこはいつもとは変わらなかった」
勇者「じゃあ、行いって何だよ」
地王「こう、闇の魔力で影を操ってだな?」
地王「それを伸ばし、コッソリ俺の指に絡めてきたのだ」
勇者「なんだそれ、可愛いな!?」
勇者「……様子でも違ったのか」
地王「いや、そこはいつもとは変わらなかった」
勇者「じゃあ、行いって何だよ」
地王「こう、闇の魔力で影を操ってだな?」
地王「それを伸ばし、コッソリ俺の指に絡めてきたのだ」
勇者「なんだそれ、可愛いな!?」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/30(火) 21:12:14.17 ID:gAY6tPnbo
地王「魔王様は美しい!」
勇者「……まあ、そうだな」
地王「そして、可愛らしい面もあると知った!」
勇者「……まあ、そうだな」
地王「だが……このままでは、まずい!」
地王「水の四天王の怒りを買ってしまう!」
勇者「……ん?」
勇者「……まあ、そうだな」
地王「そして、可愛らしい面もあると知った!」
勇者「……まあ、そうだな」
地王「だが……このままでは、まずい!」
地王「水の四天王の怒りを買ってしまう!」
勇者「……ん?」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/30(火) 21:16:11.04 ID:gAY6tPnbo
勇者「水の四天王は、女だったはずだが?」
地王「ああ、水の大精霊で、ボン・キュッ・ボンだ」
勇者「……そういう言い方やめろ?」
地王「……穏やかで、いつも微笑みを絶やさぬ美しい女だ」
地王「だが! 私以外に手を出したら許さない、と!」
地王「そう言った時の目は、笑っていなかったのだ!」
勇者「待て待て待て待て!!」
地王「ああ、水の大精霊で、ボン・キュッ・ボンだ」
勇者「……そういう言い方やめろ?」
地王「……穏やかで、いつも微笑みを絶やさぬ美しい女だ」
地王「だが! 私以外に手を出したら許さない、と!」
地王「そう言った時の目は、笑っていなかったのだ!」
勇者「待て待て待て待て!!」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/30(火) 21:21:10.00 ID:gAY6tPnbo
勇者「お前! 今のって……お前!?」
地王「護岸工事等で、奴とは行動を共にする機会が多くてな」
勇者「やめろ! それ以上聞かせるんじゃない!」
地王「まあ、時に酒宴もあるのだ」
地王「酒宴の翌朝、いつも隣で寝ているのだ」
地王「こう……幸せそうな寝顔でな?」
勇者「だから言うなってえええええ!!」
地王「護岸工事等で、奴とは行動を共にする機会が多くてな」
勇者「やめろ! それ以上聞かせるんじゃない!」
地王「まあ、時に酒宴もあるのだ」
地王「酒宴の翌朝、いつも隣で寝ているのだ」
地王「こう……幸せそうな寝顔でな?」
勇者「だから言うなってえええええ!!」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/30(火) 21:27:42.56 ID:gAY6tPnbo
勇者「お前! 水の四天王と良い仲だったのか!?」
地王「悪い仲ならば、そうはならんだろう」
勇者「なのに、魔王に手を出したと!?」
地王「その通りだ!」
地王「右の指に影、左の指に水が絡んできた!」
地王「もし、その二つが重なったらどうなるか……わかるな?」
勇者「やめろ! 他人事だが怖い!」
地王「悪い仲ならば、そうはならんだろう」
勇者「なのに、魔王に手を出したと!?」
地王「その通りだ!」
地王「右の指に影、左の指に水が絡んできた!」
地王「もし、その二つが重なったらどうなるか……わかるな?」
勇者「やめろ! 他人事だが怖い!」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/30(火) 21:32:07.27 ID:gAY6tPnbo
地王「しかし、考えてもみろ勇者よ!」
勇者「何をだ!?」
地王「どちらも、酔った勢いなのだ!」
勇者「かも知れんが、お前最低だな!?」
地王「だから、な?」
地王「こう……何とかならないか?」
勇者「俺に、その状況をどうしろと!?」
勇者「何をだ!?」
地王「どちらも、酔った勢いなのだ!」
勇者「かも知れんが、お前最低だな!?」
地王「だから、な?」
地王「こう……何とかならないか?」
勇者「俺に、その状況をどうしろと!?」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/30(火) 21:37:50.25 ID:gAY6tPnbo
地王「無論、決まっているだろう!」
勇者「……一応だが、聞いてやる」
地王「俺が死なず!」
勇者「まあ、そう言うだろうな」
地王「何事も無かったように!」
地王「二人との関係が、自然消滅する様にだ!」
勇者「難易度高すぎるだろうが!!」
勇者「……一応だが、聞いてやる」
地王「俺が死なず!」
勇者「まあ、そう言うだろうな」
地王「何事も無かったように!」
地王「二人との関係が、自然消滅する様にだ!」
勇者「難易度高すぎるだろうが!!」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/30(火) 21:42:41.22 ID:gAY6tPnbo
地王「水の四天王だけならば、まだ何とかなったのだ!」
勇者「闇の魔王も加わり、複雑化した……と」
地王「光の勇者よ、助けてくれ!」
勇者「いや……そう言われてもだな」
地王「早急に、何とかしなくてはならんのだ!」
地王「婚約者――火の四天王にバレる前に!」
勇者「待て! 待て待て待て待て! 待て!」
勇者「闇の魔王も加わり、複雑化した……と」
地王「光の勇者よ、助けてくれ!」
勇者「いや……そう言われてもだな」
地王「早急に、何とかしなくてはならんのだ!」
地王「婚約者――火の四天王にバレる前に!」
勇者「待て! 待て待て待て待て! 待て!」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/30(火) 21:47:49.78 ID:gAY6tPnbo
勇者「婚約者!? 火の四天王が!?」
地王「幼き頃に決められたものだがな?」
勇者「お前、婚約者が居たのに……何だお前!?」
地王「バレたら、魔王領は終わり……」
地王「……いや、案外平気かも知れん」
地王「奴は、こういう時は怒らずにションボリする性格だ」
勇者「やめろ! 心が痛い!」
地王「幼き頃に決められたものだがな?」
勇者「お前、婚約者が居たのに……何だお前!?」
地王「バレたら、魔王領は終わり……」
地王「……いや、案外平気かも知れん」
地王「奴は、こういう時は怒らずにションボリする性格だ」
勇者「やめろ! 心が痛い!」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/30(火) 21:53:21.26 ID:gAY6tPnbo
地王「奴の怒りの炎が魔王領を包むと思っていたが……」
勇者「……それこそ、炎のような性格をしているしな」
地王「うむ、火龍王の娘にして、最高の武人だ」
勇者「それが婚約者だとは……」
地王「あ、やはり駄目だな」
地王「父である火龍王が全てを焼き尽くす程怒り狂うだろう」
勇者「そりゃそうだろうな!!」
勇者「……それこそ、炎のような性格をしているしな」
地王「うむ、火龍王の娘にして、最高の武人だ」
勇者「それが婚約者だとは……」
地王「あ、やはり駄目だな」
地王「父である火龍王が全てを焼き尽くす程怒り狂うだろう」
勇者「そりゃそうだろうな!!」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/30(火) 21:57:56.75 ID:gAY6tPnbo
勇者「しかし、火の四天王にはまだ手を出してないんだな!?」
地王「無論! そうであれば、既にバレているだろう!」
勇者「! 婚約の解消をすれば良いんじゃないか!?」
地王「! その手があったか!」
地王「では、今度口づけを求められた時」
地王「その時に、婚約の解消を申し出ることにする」
勇者「お前それ最悪のタイミングだろう!?」
地王「無論! そうであれば、既にバレているだろう!」
勇者「! 婚約の解消をすれば良いんじゃないか!?」
地王「! その手があったか!」
地王「では、今度口づけを求められた時」
地王「その時に、婚約の解消を申し出ることにする」
勇者「お前それ最悪のタイミングだろう!?」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/30(火) 22:02:33.34 ID:gAY6tPnbo
勇者「っていうか、キスしてるじゃねえか!」
地王「こう、軽くな? チュッとな?」
勇者「度合いは聞いてねえよ!」
地王「照れているのか、これ以上は結婚してから、と言ってな」
地王「……そんな女との婚約の解消を提案するとは!」
地王「勇者よ! お前は、やはり俺が見込んだ奴だ!」
勇者「やめろ! お前に見込まれたくない!」
地王「こう、軽くな? チュッとな?」
勇者「度合いは聞いてねえよ!」
地王「照れているのか、これ以上は結婚してから、と言ってな」
地王「……そんな女との婚約の解消を提案するとは!」
地王「勇者よ! お前は、やはり俺が見込んだ奴だ!」
勇者「やめろ! お前に見込まれたくない!」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/30(火) 22:11:05.38 ID:gAY6tPnbo
地王「迷いは晴れた! なんと清々しい気分よ!」
勇者「お前、本当に婚約解消する気か!?」
地王「何と言えば、納得して貰えるだろうか?」
勇者「俺に聞くな! 頼むから!」
地王「……ふっ、まあ良い」
地王「お前には、勇気を授けられたからな」
勇者「俺のせいみたいな言い方をするな!」
勇者「お前、本当に婚約解消する気か!?」
地王「何と言えば、納得して貰えるだろうか?」
勇者「俺に聞くな! 頼むから!」
地王「……ふっ、まあ良い」
地王「お前には、勇気を授けられたからな」
勇者「俺のせいみたいな言い方をするな!」
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/30(火) 22:18:11.12 ID:gAY6tPnbo
地王「まず、火の四天王との婚約を解消!」
勇者「待て待て! まとめに入るな!」
地王「そして、うまく誤魔化しつつ!」
勇者「……闇の魔王、水の四天王との関係の自然消滅を狙うと?」
地王「その通りだ!」
地王「……光の勇者よ」
地王「その時は……敵であるが、頼りにしているぞ」
勇者「……地の四天王」
勇者「お前のことは、忘れな……いや、早く忘れるよ」
勇者「待て待て! まとめに入るな!」
地王「そして、うまく誤魔化しつつ!」
勇者「……闇の魔王、水の四天王との関係の自然消滅を狙うと?」
地王「その通りだ!」
地王「……光の勇者よ」
地王「その時は……敵であるが、頼りにしているぞ」
勇者「……地の四天王」
勇者「お前のことは、忘れな……いや、早く忘れるよ」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/30(火) 22:28:18.70 ID:gAY6tPnbo
・ ・ ・
地王「――久しぶりだな、勇者よ!」
勇者「昨日会ったばかりだろうが!……何か進展したのか?」
地王「いいや、まだだ! だが、助けてもらいたい!」
勇者「!? やめろ、言うな! 俺に助けを求めるな!」
地王「酔って、朝起きたら風の四天王がベッドに居たのだ!」
地王「薄らぼんやりと、 ちゃった記憶があるのだ!」
勇者「だから俺に言うのはやめろってえええええ!!」
おわり
地王「――久しぶりだな、勇者よ!」
勇者「昨日会ったばかりだろうが!……何か進展したのか?」
地王「いいや、まだだ! だが、助けてもらいたい!」
勇者「!? やめろ、言うな! 俺に助けを求めるな!」
地王「酔って、朝起きたら風の四天王がベッドに居たのだ!」
地王「薄らぼんやりと、 ちゃった記憶があるのだ!」
勇者「だから俺に言うのはやめろってえええええ!!」
おわり
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/31(水) 20:33:47.97 ID:Ynza/GXfo
書きます
闇の魔王「祝福の聖女よ、其方に尋ねたい」
闇の魔王「祝福の聖女よ、其方に尋ねたい」
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/31(水) 20:38:52.54 ID:Ynza/GXfo
祝福の聖女(以下、聖女)「闇の魔王!? 何故、ここに!?」
闇の魔王(以下、魔王)「先程申したばかりだろう」
聖女「貴女と話す事など、何もありません!」
魔王「……ほう」
魔王「ならば、他を当たろう」
魔王「コイバナと言うのは、女ならば誰でも好むと聞いたからな」
聖女「詳しいいいいいいいっく!!」
闇の魔王(以下、魔王)「先程申したばかりだろう」
聖女「貴女と話す事など、何もありません!」
魔王「……ほう」
魔王「ならば、他を当たろう」
魔王「コイバナと言うのは、女ならば誰でも好むと聞いたからな」
聖女「詳しいいいいいいいっく!!」
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/31(水) 20:43:09.26 ID:Ynza/GXfo
聖女「コイバナ!? それは、恋バナですか!?」
魔王「うむ、そうだ」
聖女「闇の魔王である貴女が、恋をしたと!?」
魔王「それは、余にもわからぬ」
魔王「ただ、奴を想うと胸に痛みが走るのだ」
魔王「だが……それが不快ではなく、何とも心地良い」
聖女「ガチの恋バナじゃないですか!!」
魔王「うむ、そうだ」
聖女「闇の魔王である貴女が、恋をしたと!?」
魔王「それは、余にもわからぬ」
魔王「ただ、奴を想うと胸に痛みが走るのだ」
魔王「だが……それが不快ではなく、何とも心地良い」
聖女「ガチの恋バナじゃないですか!!」
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/31(水) 20:50:01.83 ID:Ynza/GXfo
聖女「だ、だけど! どうしてそれを私に!?」
魔王「其方達しか、余は知らぬ」
聖女「えっ?」
魔王「配下の者達には、見せられぬからな」
魔王「闇の魔王ともあろう者が、迷う様を」
魔王「恋など……余には無縁だと思っていた」
聖女「初恋ってことですか!!」
魔王「其方達しか、余は知らぬ」
聖女「えっ?」
魔王「配下の者達には、見せられぬからな」
魔王「闇の魔王ともあろう者が、迷う様を」
魔王「恋など……余には無縁だと思っていた」
聖女「初恋ってことですか!!」
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/31(水) 20:55:44.31 ID:Ynza/GXfo
魔王「ふふ……其方からすれば、滑稽に見えるだろう」
聖女「いいえ! そんな事は、決してありません!」
魔王「……要らぬ気遣いは無用だ」
聖女「素敵じゃないですか! 初恋なんて!」
魔王「……祝福の聖女よ」
魔王「其方に、尋ねたい事があるのだ」
聖女「何でも聞いてください! ええ、何でもです!」
聖女「いいえ! そんな事は、決してありません!」
魔王「……要らぬ気遣いは無用だ」
聖女「素敵じゃないですか! 初恋なんて!」
魔王「……祝福の聖女よ」
魔王「其方に、尋ねたい事があるのだ」
聖女「何でも聞いてください! ええ、何でもです!」
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/31(水) 21:01:21.90 ID:Ynza/GXfo
聖女「祝福の聖女の名に恥じぬよう、答えましょう!」
魔王「ふふっ……敵である其方を頼もしいと思う時が来ようとはな」
聖女「それは違います! 恋に、敵も味方もありません!」
魔王「……ならば、尋ねよう」
魔王「男とは、一度 たら興味が無くなるとは真か?」
聖女「……」
聖女「すみません、もう少しホーリーな感じの質問だと思ってました」
魔王「ふふっ……敵である其方を頼もしいと思う時が来ようとはな」
聖女「それは違います! 恋に、敵も味方もありません!」
魔王「……ならば、尋ねよう」
魔王「男とは、一度 たら興味が無くなるとは真か?」
聖女「……」
聖女「すみません、もう少しホーリーな感じの質問だと思ってました」
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/31(水) 21:06:00.21 ID:Ynza/GXfo
聖女「……ええ、と……ですね」
魔王「もし、これが真ならば……」
聖女「……ならば?」
魔王「……わからんな」
魔王「奴と、世界」
魔王「どちらを先に滅ぼすか、わからん」
聖女「世界としては良い迷惑ですよ!!」
魔王「もし、これが真ならば……」
聖女「……ならば?」
魔王「……わからんな」
魔王「奴と、世界」
魔王「どちらを先に滅ぼすか、わからん」
聖女「世界としては良い迷惑ですよ!!」
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/31(水) 21:12:45.24 ID:Ynza/GXfo
聖女「魔王が、世界を滅ぼす理由が男で良いんですか!?」
魔王「構わぬ」
聖女「構いますよ! どうしてそこまで!?」
魔王「奴が、奪ったからだ」
魔王「余の心……そして、純潔を」
魔王「故に、滅ぼすしかあるまい?」
聖女「無いですよ! 何言ってるんですか!?」
魔王「構わぬ」
聖女「構いますよ! どうしてそこまで!?」
魔王「奴が、奪ったからだ」
魔王「余の心……そして、純潔を」
魔王「故に、滅ぼすしかあるまい?」
聖女「無いですよ! 何言ってるんですか!?」
34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/31(水) 21:19:39.99 ID:Ynza/GXfo
聖女「それに、興味を失ったって決まった訳じゃないでしょう!?」
魔王「……」
聖女「貴女の勘違いかも知れないじゃないですか!」
魔王「……ならば、何故」
魔王「何故! 奴は、余に何も言って来ない!」
魔王「それが気にかかり、何も手に付かん!」
聖女「……あの、急に可愛いのやめてくれません?」
魔王「……」
聖女「貴女の勘違いかも知れないじゃないですか!」
魔王「……ならば、何故」
魔王「何故! 奴は、余に何も言って来ない!」
魔王「それが気にかかり、何も手に付かん!」
聖女「……あの、急に可愛いのやめてくれません?」
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/31(水) 21:26:10.39 ID:Ynza/GXfo
聖女「ええっと……お相手は、配下の人ですよね?」
魔王「……うむ」
聖女「相手が貴女――闇の魔王だから、恐れ多いとか……」
魔王「……あの夜、奴は言った」
魔王「――魔王様、お忘れですか?」
魔王「――俺は男で、貴女は女だ」
魔王「――そして、貴女の配下に臆病者は居ない」
魔王「……とな」
聖女「くっ……! 他人事なのに、キュンときた!」
魔王「……うむ」
聖女「相手が貴女――闇の魔王だから、恐れ多いとか……」
魔王「……あの夜、奴は言った」
魔王「――魔王様、お忘れですか?」
魔王「――俺は男で、貴女は女だ」
魔王「――そして、貴女の配下に臆病者は居ない」
魔王「……とな」
聖女「くっ……! 他人事なのに、キュンときた!」
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/31(水) 21:34:38.14 ID:Ynza/GXfo
魔王「奴は、余の金色の魔眼を真っ直ぐに見て言った」
聖女「そっ、それから!? それから!?」
魔王「力強くだが、優しく抱き寄せられ……」
聖女「からの!?」
魔王「……呪文を唱えるのをお互い封じ合った」
魔王「気づけば……余は、自ら魔眼を封じていた」
聖女「キャ――ッ!/// キャ――ッ!///」
聖女「そっ、それから!? それから!?」
魔王「力強くだが、優しく抱き寄せられ……」
聖女「からの!?」
魔王「……呪文を唱えるのをお互い封じ合った」
魔王「気づけば……余は、自ら魔眼を封じていた」
聖女「キャ――ッ!/// キャ――ッ!///」
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/31(水) 21:47:15.85 ID:Ynza/GXfo
聖女「何ですかそれ!/// っはー!/// 何なんですか!///」
魔王「あの夜の、ほんの一部だが」
聖女「これ以上は!/// これ以上は、もう!///」
魔王「……ふむ、そうか」
魔王「……祝福の聖女よ」
魔王「もう少しだけ、続きを話しても良いか?」
聖女「惚気ないでくださいよ!/// もう!///」
魔王「あの夜の、ほんの一部だが」
聖女「これ以上は!/// これ以上は、もう!///」
魔王「……ふむ、そうか」
魔王「……祝福の聖女よ」
魔王「もう少しだけ、続きを話しても良いか?」
聖女「惚気ないでくださいよ!/// もう!///」
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/31(水) 21:52:20.37 ID:Ynza/GXfo
聖女「んー、んー、あー……ゴホンッ!」
魔王「どうした」
聖女「……大丈夫です!」
魔王「何?」
聖女「その方の、貴女に対する愛は本物です!」
聖女「この私――祝福の聖女が保証します!」
魔王「……」
魔王「どうした」
聖女「……大丈夫です!」
魔王「何?」
聖女「その方の、貴女に対する愛は本物です!」
聖女「この私――祝福の聖女が保証します!」
魔王「……」
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/31(水) 21:57:26.63 ID:Ynza/GXfo
魔王「……何故、奴は何も言ってこない?」
聖女「魔王、貴女は……その方には、何か?」
魔王「いや……」
聖女「……それが答えですよ」
聖女「その方も不安に……いえ、もしかしたら……」
聖女「ふふっ! 照れているのかも、知れませんよ?」
魔王「……何?」
聖女「魔王、貴女は……その方には、何か?」
魔王「いや……」
聖女「……それが答えですよ」
聖女「その方も不安に……いえ、もしかしたら……」
聖女「ふふっ! 照れているのかも、知れませんよ?」
魔王「……何?」
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/31(水) 22:03:55.24 ID:Ynza/GXfo
魔王「奴が……照れている、だと?」
聖女「はい、とても情熱的な口説き文句でしたし」
魔王「馬鹿な、有り得ん」
聖女「有り得ない事が起きるのが、恋というものです」
聖女「闇の魔王よ、貴女に尋ねます」
聖女「貴女の配下に――」
聖女「主である貴女に手を出し、それを何とも思わない」
聖女「……そんな、恥知らずは居ますか?」
魔王「……!」
聖女「はい、とても情熱的な口説き文句でしたし」
魔王「馬鹿な、有り得ん」
聖女「有り得ない事が起きるのが、恋というものです」
聖女「闇の魔王よ、貴女に尋ねます」
聖女「貴女の配下に――」
聖女「主である貴女に手を出し、それを何とも思わない」
聖女「……そんな、恥知らずは居ますか?」
魔王「……!」
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/31(水) 22:10:46.60 ID:Ynza/GXfo
魔王「……ふふっ、奴め……そういう事だったか」
聖女「けれど、女性を不安にさせるものではないですけどね!」
魔王「構わん」
聖女「えっ? 良いんですか?」
魔王「奴が、余を想い悩んでいるとわかったのだ」
魔王「その悩み苦しむ姿を見るも、また一興というもの」
聖女「……うふふっ! 意地悪ですね!」
聖女「けれど、女性を不安にさせるものではないですけどね!」
魔王「構わん」
聖女「えっ? 良いんですか?」
魔王「奴が、余を想い悩んでいるとわかったのだ」
魔王「その悩み苦しむ姿を見るも、また一興というもの」
聖女「……うふふっ! 意地悪ですね!」
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/31(水) 22:18:17.20 ID:Ynza/GXfo
魔王「だが、徒に苦しみを与える訳にもいくまい」
聖女「それじゃあ……どうするんですか?」
魔王「闇の魔力で影を操り、奴の指を捕らえるとしよう」
聖女「えっと……それが、何か?」
魔王「余の右の小指と、奴の右の小指を繋ぎ、教えるのだ」
魔王「逃げられない運命だ、とな」
聖女「……不意打ちはやめてくださいよぉ!///」
聖女「それじゃあ……どうするんですか?」
魔王「闇の魔力で影を操り、奴の指を捕らえるとしよう」
聖女「えっと……それが、何か?」
魔王「余の右の小指と、奴の右の小指を繋ぎ、教えるのだ」
魔王「逃げられない運命だ、とな」
聖女「……不意打ちはやめてくださいよぉ!///」
43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/31(水) 22:23:15.49 ID:Ynza/GXfo
魔王「しかし……其方には、世話になったな」
聖女「愛の女神の祝福を受けた身として、当然の事をしたまでです」
魔王「いや、それでは余の気がすまぬ」
聖女「……そうですね、でしたら――」
聖女「進展があったら、教えてくださいね?」
魔王「……ふっ、良かろう」
魔王「闇の魔王の名に於いて、約束しよう!」
聖女「……それでは」
聖女「祝福の聖女より、貴女の恋に祝福を!」
聖女「愛の女神の祝福を受けた身として、当然の事をしたまでです」
魔王「いや、それでは余の気がすまぬ」
聖女「……そうですね、でしたら――」
聖女「進展があったら、教えてくださいね?」
魔王「……ふっ、良かろう」
魔王「闇の魔王の名に於いて、約束しよう!」
聖女「……それでは」
聖女「祝福の聖女より、貴女の恋に祝福を!」
44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/31(水) 22:34:39.19 ID:Ynza/GXfo
・ ・ ・
聖女「あぁ……良い事をした後は、本当に清々しい気分です!」
聖女「……ん?」
聖女「この、魔力は――」
水の四天王「――久しぶりですわね、祝福の聖女」
聖女「あっ、やっぱり!」
聖女「あれから、どうなったんですか?」
聖女「以前から相談されてる、同僚の方との恋の行方は!」
おわり
聖女「あぁ……良い事をした後は、本当に清々しい気分です!」
聖女「……ん?」
聖女「この、魔力は――」
水の四天王「――久しぶりですわね、祝福の聖女」
聖女「あっ、やっぱり!」
聖女「あれから、どうなったんですか?」
聖女「以前から相談されてる、同僚の方との恋の行方は!」
おわり
51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/01(木) 19:53:41.37 ID:slMWXJpBo
書きます
火の四天王「剣の乙女よ、お前と話がしたい」
火の四天王「剣の乙女よ、お前と話がしたい」
52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/01(木) 19:57:28.65 ID:slMWXJpBo
剣の乙女(以下、乙女)「火の四天王が、話し合い?」
火の四天王(以下、火王)「お前と私は……少し、似ているからな」
乙女「そうかしら? それで、話って?」
火王「……ああ」
火王「キスしようとした時、相手が何か言いたげだったら……」
火王「……お前なら、どうする?」
乙女「……」
乙女「うん」
火の四天王(以下、火王)「お前と私は……少し、似ているからな」
乙女「そうかしら? それで、話って?」
火王「……ああ」
火王「キスしようとした時、相手が何か言いたげだったら……」
火王「……お前なら、どうする?」
乙女「……」
乙女「うん」
53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/01(木) 19:59:38.61 ID:slMWXJpBo
乙女「うん、何が? 何て?」
火王「何だ、聞こえなかったか?」
乙女「ううん? 聞こえてたわよ?」
火王「……もう一度、聞く」
火王「キスする時、相手が何か考え事をしていたら……」
火王「……お前ならば、どうする?」
乙女「……」
乙女「はい」
火王「何だ、聞こえなかったか?」
乙女「ううん? 聞こえてたわよ?」
火王「……もう一度、聞く」
火王「キスする時、相手が何か考え事をしていたら……」
火王「……お前ならば、どうする?」
乙女「……」
乙女「はい」
54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/01(木) 20:03:14.69 ID:slMWXJpBo
乙女「キスって……切り捨てる、略してキス?」
火王「何だ? まさか、キスを知らないか?」
乙女「いや、そうじゃないけど……」
火王「……ならば、三度聞く」
火王「キスする時、婚約者の様子が普段と違ったら……」
火王「……剣の乙女のお前ならば、どうする?」
乙女「……」
乙女「はあ、婚約者」
火王「何だ? まさか、キスを知らないか?」
乙女「いや、そうじゃないけど……」
火王「……ならば、三度聞く」
火王「キスする時、婚約者の様子が普段と違ったら……」
火王「……剣の乙女のお前ならば、どうする?」
乙女「……」
乙女「はあ、婚約者」
55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/01(木) 20:08:31.99 ID:slMWXJpBo
火王「何分、剣と将の道以外には疎くてな」
乙女「なるほどね」
火王「こういった時、どうすれば良いものか、な」
乙女「はー……はー、はー、はー」
乙女「貴女は、聞こうと言うのね?」
乙女「ファーストキスもまだの私に、それを聞くのね?」
火王「……」
火王「えっ?」
乙女「なるほどね」
火王「こういった時、どうすれば良いものか、な」
乙女「はー……はー、はー、はー」
乙女「貴女は、聞こうと言うのね?」
乙女「ファーストキスもまだの私に、それを聞くのね?」
火王「……」
火王「えっ?」
56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/01(木) 20:12:08.48 ID:slMWXJpBo
火王「そう……なのか?」
乙女「そうだけど?」
火王「その……す、すまん」
乙女「あらあら、まあまあ」
乙女「剣と将の道以外に疎い!?」
乙女「馬鹿にしてるの!? 婚約者が居るのに!?」
火王「す、すまん! な、何だかすまん!」
乙女「そうだけど?」
火王「その……す、すまん」
乙女「あらあら、まあまあ」
乙女「剣と将の道以外に疎い!?」
乙女「馬鹿にしてるの!? 婚約者が居るのに!?」
火王「す、すまん! な、何だかすまん!」
57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/01(木) 20:16:04.51 ID:slMWXJpBo
乙女「ねえ、どうして私に聞いたのかしら?」
火王「お、お前は、その……女の私から見ても美しいからだ」
乙女「うん、それで?」
火王「それに……人間は、お前位の年齢ならば」
乙女「ならば、何だって言うの!? ねえ、何!?」
乙女「静の剣と、動の剣の道しか歩いて来なかったけど!?」
火王「……」
火王「せ、静の剣だけでなく……動の剣も使えるのだな!」
火王「お、お前は、その……女の私から見ても美しいからだ」
乙女「うん、それで?」
火王「それに……人間は、お前位の年齢ならば」
乙女「ならば、何だって言うの!? ねえ、何!?」
乙女「静の剣と、動の剣の道しか歩いて来なかったけど!?」
火王「……」
火王「せ、静の剣だけでなく……動の剣も使えるのだな!」
58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/01(木) 20:18:50.79 ID:slMWXJpBo
乙女「急に来て、何? えっ、婚約者とキスしてるって自慢?」
火王「きっ、キスだけ! それも、チュッとだけだ!」
乙女「……」
火王「……」
乙女「……もし、今の言葉に偽りがあれば」
乙女「私は、私の全てを以て貴女を斬るわ」
火王「……」
火王「きっ、キスだけ! それも、チュッとだけだ!」
乙女「……」
火王「……」
乙女「……もし、今の言葉に偽りがあれば」
乙女「私は、私の全てを以て貴女を斬るわ」
火王「……」
59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/01(木) 20:23:50.77 ID:slMWXJpBo
乙女「チュッとなら、セーフ……まだ、私達は対等……!」
火王「それ以上は、結婚してからと……な」
乙女「未婚だから、セーフ……まだ、私達は対等……!」
火王「で、では、私は帰――」
乙女「待ちなさい」
乙女「まだ、話は終わってないでしょう?」
火王「……」
火王「それ以上は、結婚してからと……な」
乙女「未婚だから、セーフ……まだ、私達は対等……!」
火王「で、では、私は帰――」
乙女「待ちなさい」
乙女「まだ、話は終わってないでしょう?」
火王「……」
60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/01(木) 20:27:25.96 ID:slMWXJpBo
乙女「それで、何て言ったかしら?」
火王「こ、婚約者が……キスする時、何か言いたげでな」
乙女「今まで、チュッとしかしてこなかったのよね?」
火王「それは……結婚前ならば、当然だろう」
乙女「そんな訳ないでしょ!?」
乙女「ねえ、何!? 貴女はんんんああああああ!?」
火王「頼む! せめて! せめて、人の言葉で!」
火王「こ、婚約者が……キスする時、何か言いたげでな」
乙女「今まで、チュッとしかしてこなかったのよね?」
火王「それは……結婚前ならば、当然だろう」
乙女「そんな訳ないでしょ!?」
乙女「ねえ、何!? 貴女はんんんああああああ!?」
火王「頼む! せめて! せめて、人の言葉で!」
61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/01(木) 20:32:18.34 ID:slMWXJpBo
乙女「貴女は! チュッとしかさせてこなかったのよね!?」
火王「あ、ああ……そうだが」
乙女「馬鹿じゃないの!? ねえ、馬鹿じゃないの!?」
火王「なっ!? この私を愚弄するか!」
乙女「ディープなキッスをしたがってるのよ!」
乙女「貴女、そんな事もわからないの!?」
火王「でぃっ、ディープな……キッス!?///」
火王「あ、ああ……そうだが」
乙女「馬鹿じゃないの!? ねえ、馬鹿じゃないの!?」
火王「なっ!? この私を愚弄するか!」
乙女「ディープなキッスをしたがってるのよ!」
乙女「貴女、そんな事もわからないの!?」
火王「でぃっ、ディープな……キッス!?///」
62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/01(木) 20:37:14.33 ID:slMWXJpBo
火王「それは、お前……し、舌を……///」
乙女「絡めてくんずほぐれつさせるアレよ!」
火王「あ……ぁぅぁ///」
乙女「何照れてるの!? ぶった斬るわよ!」
火王「……そ、そうだとしても!」
火王「私には、ディープなキッスの仕方がわからん!」
乙女「私だって知らないわよ! 知りたいわよ!」
乙女「絡めてくんずほぐれつさせるアレよ!」
火王「あ……ぁぅぁ///」
乙女「何照れてるの!? ぶった斬るわよ!」
火王「……そ、そうだとしても!」
火王「私には、ディープなキッスの仕方がわからん!」
乙女「私だって知らないわよ! 知りたいわよ!」
64: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/01(木) 20:43:47.84 ID:slMWXJpBo
乙女「むしろ、キスする時って呼吸はどうしてるの!?」
火王「えっ? チュッとだから、こう……止めている」
乙女「ディープの時は!? ねえ、どうするつもり!?」
火王「……わ、わからん!/// 私には、わからん!///」
火王「想像しただけで、全身から炎が溢れそうだ!///」
火王「……出る!(ボワッ)/// 絶対、火のブレスが出てしまう!(ボワッ)///」
乙女「想像だけで火のブレス出てるじゃないの!」
火王「えっ? チュッとだから、こう……止めている」
乙女「ディープの時は!? ねえ、どうするつもり!?」
火王「……わ、わからん!/// 私には、わからん!///」
火王「想像しただけで、全身から炎が溢れそうだ!///」
火王「……出る!(ボワッ)/// 絶対、火のブレスが出てしまう!(ボワッ)///」
乙女「想像だけで火のブレス出てるじゃないの!」
65: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/01(木) 20:48:35.17 ID:slMWXJpBo
火王「! だから……父上は、チュッとする以上を禁じたのか!」
乙女「貴女の父上って……火龍王よね?」
火王「ああ、そうだ……それ以上は、結婚してから、とな」
乙女「……これは、私の推測だけれど」
乙女「結婚したら――貴女と相手に加護が与えられて……」
乙女「……火のブレスが出ない、もしくは平気になるんじゃない?」
火王「!」
火王「それだ……そうに違いない!」
乙女「貴女の父上って……火龍王よね?」
火王「ああ、そうだ……それ以上は、結婚してから、とな」
乙女「……これは、私の推測だけれど」
乙女「結婚したら――貴女と相手に加護が与えられて……」
乙女「……火のブレスが出ない、もしくは平気になるんじゃない?」
火王「!」
火王「それだ……そうに違いない!」
66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/01(木) 20:54:47.63 ID:slMWXJpBo
火王「そうでなければ……ディープなキッスなど夢のまた夢!」
乙女「……ねえ」
火王「む、何だ?」
乙女「貴女の婚約者は……それを知ったんじゃないかしら」
乙女「……そうだとしたら、全てに説明がつくわ」
乙女「今までチュッで良かったのに、急に何か言いたげになったのは――」
火王「――……プロポーズ……?」
乙女・火王「……」
乙女「……ねえ」
火王「む、何だ?」
乙女「貴女の婚約者は……それを知ったんじゃないかしら」
乙女「……そうだとしたら、全てに説明がつくわ」
乙女「今までチュッで良かったのに、急に何か言いたげになったのは――」
火王「――……プロポーズ……?」
乙女・火王「……」
67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/01(木) 21:05:19.15 ID:slMWXJpBo
火王「いや、そんな……まさか」
乙女「違うと言い切れるかしら?」
火王「だ、だがっ!」
火王「私の顔の左側は、龍の鱗に覆われている!」
火王「幼き頃より、陰で醜いと言われているのだぞ!?」
乙女「私は、女の貴女から見ても美しいみたいね」
乙女「けれど、ファーストキスもまだよ」
火王「……」
乙女「何か言って頂戴」
乙女「違うと言い切れるかしら?」
火王「だ、だがっ!」
火王「私の顔の左側は、龍の鱗に覆われている!」
火王「幼き頃より、陰で醜いと言われているのだぞ!?」
乙女「私は、女の貴女から見ても美しいみたいね」
乙女「けれど、ファーストキスもまだよ」
火王「……」
乙女「何か言って頂戴」
68: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/01(木) 21:12:33.10 ID:slMWXJpBo
乙女「そもそも、貴女の婚約者はその顔について?」
火王「か……顔というか、だな?」
乙女「うん」
火王「幼き頃より、奴は……奴だけは……」
火王「か……可愛い、と///」
火王「この私をだぞ?/// か、可愛いと言うのだ……!///」
乙女「……」
乙女「うん」
火王「か……顔というか、だな?」
乙女「うん」
火王「幼き頃より、奴は……奴だけは……」
火王「か……可愛い、と///」
火王「この私をだぞ?/// か、可愛いと言うのだ……!///」
乙女「……」
乙女「うん」
69: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/01(木) 21:19:16.03 ID:slMWXJpBo
火王「そう言う時の笑みは、偽りなく真っ直ぐで……///」
乙女「はい」
火王「や、奴が……?(ボワッ)/// プロポーズ……?(ボワッ)///」
乙女「……っふ」
乙女「魔王軍幹部! 火の四天王ぉぉぉおおおああ!!」
乙女「剣の乙女の、この剣はぁ! んんあああああ!!」
乙女「うううううううう!! ほあああああああ!!」
火王「!? どっ、どうした!?」
乙女「はい」
火王「や、奴が……?(ボワッ)/// プロポーズ……?(ボワッ)///」
乙女「……っふ」
乙女「魔王軍幹部! 火の四天王ぉぉぉおおおああ!!」
乙女「剣の乙女の、この剣はぁ! んんあああああ!!」
乙女「うううううううう!! ほあああああああ!!」
火王「!? どっ、どうした!?」
70: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/01(木) 21:29:42.62 ID:slMWXJpBo
乙女「これ以上、好きにはさせないわ!」
火王「剣の乙女!?」
乙女「そもそも、私達は相容れぬ運命!」
火王「いや、式には招待す――」
乙女「全て、断ち切ってあげるわ!」
乙女「剣の乙女の、秘奥を以て!」
火王「……そうは行かんぞ!」
火王「火の四天王の、燃え盛る炎を消せると思うな!」
火王「剣の乙女!?」
乙女「そもそも、私達は相容れぬ運命!」
火王「いや、式には招待す――」
乙女「全て、断ち切ってあげるわ!」
乙女「剣の乙女の、秘奥を以て!」
火王「……そうは行かんぞ!」
火王「火の四天王の、燃え盛る炎を消せると思うな!」
71: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/01(木) 21:36:44.76 ID:slMWXJpBo
・ ・ ・
乙女「……ちいっ! 逃したか……!」
風の四天王(以下、風王)「――おやおや、穏やかじゃないね」
乙女「あっ、貴方は……風の四天王!?」
風王「美しい顔に、そんな表情は似合わないよ」
乙女「っ!?///……な、何をしに来た!?///」
風王「僕は、君に会いに来たのさ」
乙女「……」
乙女「えっ?」
乙女「……ちいっ! 逃したか……!」
風の四天王(以下、風王)「――おやおや、穏やかじゃないね」
乙女「あっ、貴方は……風の四天王!?」
風王「美しい顔に、そんな表情は似合わないよ」
乙女「っ!?///……な、何をしに来た!?///」
風王「僕は、君に会いに来たのさ」
乙女「……」
乙女「えっ?」
74: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/01(木) 21:50:04.43 ID:slMWXJpBo
乙女「わ……私に何の用かしら?///」
風王「君は、僕から見て魅力的な女性だからね」
乙女「みりょっ!?///」
風王「そんな君に、色々と教えて貰いたいんだ」
乙女「な……何を……?///」
風王「長らく、男のフリをしてきたからね」
乙女「はい///」
乙女「…………はい?」
風王「彼の……男の心を射止める秘訣を教えて欲しい」
乙女「……」
乙女「とりあえず、奥義を使うわ」
おわり
風王「君は、僕から見て魅力的な女性だからね」
乙女「みりょっ!?///」
風王「そんな君に、色々と教えて貰いたいんだ」
乙女「な……何を……?///」
風王「長らく、男のフリをしてきたからね」
乙女「はい///」
乙女「…………はい?」
風王「彼の……男の心を射止める秘訣を教えて欲しい」
乙女「……」
乙女「とりあえず、奥義を使うわ」
おわり
78: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/02(金) 20:53:48.06 ID:nIYSmejao
書きます
地の四天王「光の勇者よ! 雌雄を決する時が来た!」
地の四天王「光の勇者よ! 雌雄を決する時が来た!」
79: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/02(金) 20:59:00.52 ID:nIYSmejao
地の四天王(以下、地王)「ふはは、覚悟は良いか!」
光の勇者(以下、勇者)「地の四天王!? くっ、本気なのか!?」
地王「言うまでも無い! 俺には時間がないのだ!」
勇者「待て! 一体、何があった!?」
地王「闇の魔王様、水の四天王、風の四天王……」
地王「酔って ちゃった事がバレている気がする!」
勇者「それは時間が無いな!?」
光の勇者(以下、勇者)「地の四天王!? くっ、本気なのか!?」
地王「言うまでも無い! 俺には時間がないのだ!」
勇者「待て! 一体、何があった!?」
地王「闇の魔王様、水の四天王、風の四天王……」
地王「酔って ちゃった事がバレている気がする!」
勇者「それは時間が無いな!?」
80: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/02(金) 21:02:54.41 ID:nIYSmejao
勇者「だが、それならどうしてお前は生きてるんだ!?」
地王「皆が、力を高めているからだ!」
勇者「!? お前を殺すためにか!?」
地王「いや……そうではなくな?」
地王「今晩、俺を除く四天王の三人と魔王様でな」
地王「……女子会をやるそうなのだ」
勇者「高めてるのは女子力じゃねえか!!」
地王「皆が、力を高めているからだ!」
勇者「!? お前を殺すためにか!?」
地王「いや……そうではなくな?」
地王「今晩、俺を除く四天王の三人と魔王様でな」
地王「……女子会をやるそうなのだ」
勇者「高めてるのは女子力じゃねえか!!」
81: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/02(金) 21:06:53.97 ID:nIYSmejao
地王「風の四天王と酔って ちゃったのは話しただろう」
勇者「……ああ、サラッと言う事じゃないけどな」
地王「それでな……奴め……!」
勇者「風の四天王が……バラしたのか」
地王「男装をやめ! なんと、スカートを履いてきたのだ!」
地王「スラリと伸びた足が、まだ目に焼き付いているわ!」
勇者「だから、どうした!?」
勇者「……ああ、サラッと言う事じゃないけどな」
地王「それでな……奴め……!」
勇者「風の四天王が……バラしたのか」
地王「男装をやめ! なんと、スカートを履いてきたのだ!」
地王「スラリと伸びた足が、まだ目に焼き付いているわ!」
勇者「だから、どうした!?」
82: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/02(金) 21:11:45.48 ID:nIYSmejao
地王「どうした、だと? 無論、褒めた!」
勇者「魔王に、火と水の四天王も居た時にか!?」
地王「会議の場だ、居るに決まっているだろう」
勇者「お前、なんっ……!? 何だ!?」
地王「良いものは、キチンと良いと褒める!」
地王「それが出来ぬ程、俺は狭量では無いわ!」
勇者「時と場合ってもんがあるだろうが!!」
勇者「魔王に、火と水の四天王も居た時にか!?」
地王「会議の場だ、居るに決まっているだろう」
勇者「お前、なんっ……!? 何だ!?」
地王「良いものは、キチンと良いと褒める!」
地王「それが出来ぬ程、俺は狭量では無いわ!」
勇者「時と場合ってもんがあるだろうが!!」
83: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/02(金) 21:17:14.21 ID:nIYSmejao
地王「まあ……ポロッと言った所は、ある」
勇者「だろうな!」
地王「だが、問題はその後なのだ」
勇者「……やめろ、聞きたくない」
地王「見ろ、右手の小指と、左手の薬指の痣を」
地王「それと、後ろ髪が少し焦げている」
勇者「だからって見せるなよなあああああ!!」
勇者「だろうな!」
地王「だが、問題はその後なのだ」
勇者「……やめろ、聞きたくない」
地王「見ろ、右手の小指と、左手の薬指の痣を」
地王「それと、後ろ髪が少し焦げている」
勇者「だからって見せるなよなあああああ!!」
85: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/02(金) 21:20:59.01 ID:nIYSmejao
地王「それから、あれよあれよと盛り上がり……」
勇者「まあ……風の四天王は、今まで男の格好をしてたしな」
地王「ああ……女だけで集まって、となっても……」
勇者「……おかしくないな」
地王「その時! チラリと!」
地王「チラリと、全員が俺の事を見たのだ!」
勇者「……」
勇者「まあ……風の四天王は、今まで男の格好をしてたしな」
地王「ああ……女だけで集まって、となっても……」
勇者「……おかしくないな」
地王「その時! チラリと!」
地王「チラリと、全員が俺の事を見たのだ!」
勇者「……」
86: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/02(金) 21:25:15.73 ID:nIYSmejao
勇者「全員、お前との事を話すだろうな……」
地王「……バレている気がすると言っただろう?」
勇者「!……そう言えば」
地王「……最近、な」
地王「――本当の気持ちはわかっている」
地王「そんな言葉を全員に言われたのだ」
勇者「……!」
地王「……バレている気がすると言っただろう?」
勇者「!……そう言えば」
地王「……最近、な」
地王「――本当の気持ちはわかっている」
地王「そんな言葉を全員に言われたのだ」
勇者「……!」
87: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/02(金) 21:31:45.82 ID:nIYSmejao
勇者「……待て、他人事なのに恐怖で吐きそうだ」
地王「光の勇者よ、俺の本当の気持ちとは何だ!?」
勇者「頼むから! ここで自分探しをするな!」
地王「わからん……何が、わかられているのだ!」
地王「俺は……俺は、恐ろしい!」
地王「何故! 何故、俺は酔ったら ちゃうのだ!」
勇者「俺はお前が酒をやめないのが恐ろしいよ!」
地王「光の勇者よ、俺の本当の気持ちとは何だ!?」
勇者「頼むから! ここで自分探しをするな!」
地王「わからん……何が、わかられているのだ!」
地王「俺は……俺は、恐ろしい!」
地王「何故! 何故、俺は酔ったら ちゃうのだ!」
勇者「俺はお前が酒をやめないのが恐ろしいよ!」
88: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/02(金) 21:36:26.89 ID:nIYSmejao
地王「……女子会で話されるのは、俺の事だろう」
勇者「バレてるにせよ、バレてないにせよ……」
地王「……俺には、地獄が待っているだろう」
勇者「まあ……当然と言えば、当然の報いだな」
地王「――時に、光の勇者よ」
地王「お前は、祝福の聖女と剣の乙女とは、どうなのだ?」
勇者「……」
勇者「はっ!?」
勇者「バレてるにせよ、バレてないにせよ……」
地王「……俺には、地獄が待っているだろう」
勇者「まあ……当然と言えば、当然の報いだな」
地王「――時に、光の勇者よ」
地王「お前は、祝福の聖女と剣の乙女とは、どうなのだ?」
勇者「……」
勇者「はっ!?」
89: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/02(金) 21:39:21.08 ID:nIYSmejao
勇者「どう、って……何だよ、急に」
地王「どちらか、もしくは両方と ちゃってるのか?」
勇者「そんな訳があるか!」
地王「何!? それは本当か!?」
勇者「当たり前だろう!」
勇者「あの二人は、大切な旅の仲間だ!」
地王「……ふむ」
地王「どちらか、もしくは両方と ちゃってるのか?」
勇者「そんな訳があるか!」
地王「何!? それは本当か!?」
勇者「当たり前だろう!」
勇者「あの二人は、大切な旅の仲間だ!」
地王「……ふむ」
90: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/02(金) 21:43:06.64 ID:nIYSmejao
地王「祝福の聖女に、不満でもあるのか?」
勇者「いや……可愛いし性格も良い、守ってあげたくなる子だ」
地王「俺の見た所では、お前を慕っているぞ?」
勇者「まあ……それは、俺もわかっているが……」
勇者「……その、何だ」
勇者「宗教関係の子は……な? わかるだろ?」
地王「……ふっ、それでこそ俺の見込んだ男よ」
勇者「いや……可愛いし性格も良い、守ってあげたくなる子だ」
地王「俺の見た所では、お前を慕っているぞ?」
勇者「まあ……それは、俺もわかっているが……」
勇者「……その、何だ」
勇者「宗教関係の子は……な? わかるだろ?」
地王「……ふっ、それでこそ俺の見込んだ男よ」
91: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/02(金) 21:49:14.86 ID:nIYSmejao
勇者「まあ、俺も男だからな……」
地王「ああ、我慢出来ぬ時もあっただろう」
勇者「でもな……あの子は、女神に最も愛されてるんだ」
地王「そうでなければ、祝福の聖女ではないしな」
勇者「良い雰囲気になった時は特に、な」
勇者「こう……俺も、視線を感じるんだ」
地王「見守っているのだなぁ」
地王「ああ、我慢出来ぬ時もあっただろう」
勇者「でもな……あの子は、女神に最も愛されてるんだ」
地王「そうでなければ、祝福の聖女ではないしな」
勇者「良い雰囲気になった時は特に、な」
勇者「こう……俺も、視線を感じるんだ」
地王「見守っているのだなぁ」
93: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/02(金) 21:54:40.44 ID:nIYSmejao
地王「ならば、剣の乙女は? どこが不満だ」
勇者「まあ……綺麗だし優しいし、尊敬出来る人だ」
地王「うむ、それに強い」
勇者「……本人には、絶対に言うなよ?」
勇者「あれだけ好条件が揃ってて……キスもまだらしい」
勇者「これは、何か恐ろしい闇が潜んでいるんじゃないか、とな」
地王「……ふっ、勇気と蛮勇を履き違えぬ思慮深さだ」
勇者「まあ……綺麗だし優しいし、尊敬出来る人だ」
地王「うむ、それに強い」
勇者「……本人には、絶対に言うなよ?」
勇者「あれだけ好条件が揃ってて……キスもまだらしい」
勇者「これは、何か恐ろしい闇が潜んでいるんじゃないか、とな」
地王「……ふっ、勇気と蛮勇を履き違えぬ思慮深さだ」
94: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/02(金) 22:03:24.39 ID:nIYSmejao
地王「しかし、闇を払うのが光の勇者だろう」
勇者「考えてもみろ? 闇を……はい、払いました!」
地王「うむ! 天晴!」
勇者「そこで目に入るのは、俺とあの人の年齢差だ!」
勇者「今は! 10年、20年は良い!……だが! 40年、50年後!」
勇者「闇を払った未来に、希望が待ち受けているとは思えないんだ!」
地王「勇者らしからぬ言葉よなぁ」
勇者「考えてもみろ? 闇を……はい、払いました!」
地王「うむ! 天晴!」
勇者「そこで目に入るのは、俺とあの人の年齢差だ!」
勇者「今は! 10年、20年は良い!……だが! 40年、50年後!」
勇者「闇を払った未来に、希望が待ち受けているとは思えないんだ!」
地王「勇者らしからぬ言葉よなぁ」
95: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/02(金) 22:11:47.40 ID:nIYSmejao
地王「しかし……ならば、遠慮は要らんようだな」
勇者「……本気、みたいだな」
地王「ああ、その通りだ」
勇者「俺の命を手土産に有耶無耶にしよう……って所か」
地王「? 何を言っているのだ?」
地王「お前の首を持って行っても、俺の首が隣に並ぶだけだろう」
勇者「……」
勇者「はっ?」
勇者「……本気、みたいだな」
地王「ああ、その通りだ」
勇者「俺の命を手土産に有耶無耶にしよう……って所か」
地王「? 何を言っているのだ?」
地王「お前の首を持って行っても、俺の首が隣に並ぶだけだろう」
勇者「……」
勇者「はっ?」
96: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/02(金) 22:17:19.54 ID:nIYSmejao
勇者「ま……待て待て!」
地王「む? どうした?」
勇者「地の四天王、お前の目的は何だ!?」
地王「考えも見ろ、光の勇者よ」
地王「光の勇者という、リーダー」
地王「祝福の聖女という、回復後衛」
地王「剣の乙女という、物理前衛」
勇者「……おい」
地王「あと一人居たら、もっとバランスが良くなるな?」
勇者「おぉい!?」
地王「む? どうした?」
勇者「地の四天王、お前の目的は何だ!?」
地王「考えも見ろ、光の勇者よ」
地王「光の勇者という、リーダー」
地王「祝福の聖女という、回復後衛」
地王「剣の乙女という、物理前衛」
勇者「……おい」
地王「あと一人居たら、もっとバランスが良くなるな?」
勇者「おぉい!?」
99: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/02(金) 22:23:59.07 ID:nIYSmejao
勇者「お前、何言ってんの!?」
地王「安心しろ、俺の配下の者は優秀だ」
勇者「お前の領地の心配なんか微塵もしてねえよ!」
地王「ほとぼりが冷めるまでだ! な? なっ?」
地王「それに、書き置きは残してきた」
地王「俺より強いやつに会いに行く……とな」
地王「これで、俺がどこへ行ったかわかるまい!」
勇者「滅茶苦茶相手が限られてるじゃねえか!!」
地王「安心しろ、俺の配下の者は優秀だ」
勇者「お前の領地の心配なんか微塵もしてねえよ!」
地王「ほとぼりが冷めるまでだ! な? なっ?」
地王「それに、書き置きは残してきた」
地王「俺より強いやつに会いに行く……とな」
地王「これで、俺がどこへ行ったかわかるまい!」
勇者「滅茶苦茶相手が限られてるじゃねえか!!」
100: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/02(金) 22:29:51.31 ID:nIYSmejao
地王「お前達三人の近くなら、聖なる力でバレにくいのだ!」
勇者「駄目だ! 絶対に駄目だ!」
地王「俺を倒した事にしても良いぞ? おっ、それが良いな!?」
勇者「魔王と四天王三人が本気で俺を殺しに来るわ!」
地王「情けないぞ、光の勇者よ!」
地王「目の前の命を救えずして、世界が救えると思っているのか!」
勇者「救われる側が言う台詞じゃねえよ!!」
勇者「駄目だ! 絶対に駄目だ!」
地王「俺を倒した事にしても良いぞ? おっ、それが良いな!?」
勇者「魔王と四天王三人が本気で俺を殺しに来るわ!」
地王「情けないぞ、光の勇者よ!」
地王「目の前の命を救えずして、世界が救えると思っているのか!」
勇者「救われる側が言う台詞じゃねえよ!!」
101: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/02(金) 22:37:51.16 ID:nIYSmejao
勇者「そもそも、お前の体格なら一発でバレるわ!」
地王「確かに、この俺の肉体は鋼の様に鍛え抜かれているな!」
勇者「バレなかったとしても、二人が嫌がる!」
地王「確かに、この俺のセクシーさは色々と混乱を招くだろうな!」
地王「だからこそ! 光の勇者よ!」
地王「――雌雄を決しに来たのだ!」
勇者「……」
勇者「は?」
地王「確かに、この俺の肉体は鋼の様に鍛え抜かれているな!」
勇者「バレなかったとしても、二人が嫌がる!」
地王「確かに、この俺のセクシーさは色々と混乱を招くだろうな!」
地王「だからこそ! 光の勇者よ!」
地王「――雌雄を決しに来たのだ!」
勇者「……」
勇者「は?」
103: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/02(金) 22:49:23.26 ID:nIYSmejao
地王「この俺は、大地を――鉱物すら自在に操る!」
地王「戦いの時には、己が肉体をも鉱物と化すのだ!」
地王「――つまり!」
パァァ……
勇者「……おい……おい!!」
……ァァッ
地の四天王な美少女「――性別も、この通りなのだ!」
地の四天王な美少女「壁でも魔法後衛でも、任せて貰おう!」
勇者「……雌雄って……うん」
勇者「……」
勇者「誰でも良いから、助けてくれ!!」
おわり
地王「戦いの時には、己が肉体をも鉱物と化すのだ!」
地王「――つまり!」
パァァ……
勇者「……おい……おい!!」
……ァァッ
地の四天王な美少女「――性別も、この通りなのだ!」
地の四天王な美少女「壁でも魔法後衛でも、任せて貰おう!」
勇者「……雌雄って……うん」
勇者「……」
勇者「誰でも良いから、助けてくれ!!」
おわり
109: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 11:23:45.83 ID:NMxzUlwWo
書きます
水の四天王「祝福の聖女よ、お願いがありますわ」
水の四天王「祝福の聖女よ、お願いがありますわ」
110: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 11:28:00.66 ID:NMxzUlwWo
祝福の聖女(以下、聖女)「水の四天王の貴女が……お願いですか?」
水の四天王(以下、水王)「ええ、貴女にしか頼めないのです」
聖女「……お断りします」
水王「何ですって?」
聖女「貴女のお願い事は、私の信仰が許しません!」
聖女「今の貴女は――状態異常(儚)にかかっています!」
水王(儚)「……」
水の四天王(以下、水王)「ええ、貴女にしか頼めないのです」
聖女「……お断りします」
水王「何ですって?」
聖女「貴女のお願い事は、私の信仰が許しません!」
聖女「今の貴女は――状態異常(儚)にかかっています!」
水王(儚)「……」
111: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 11:31:44.55 ID:NMxzUlwWo
水王(儚)「……あまり、私の心を覗かないでくださいまし」
聖女「落ち込んでるのが丸わかりなだけです!」
水王(儚)「ふふっ……貴女は、何でもわかってしまうのね」
聖女「誰だって、今の貴女を見ればわかります!」
水王「――ふっ!」
水王(儚)「……これで、どうかしら?」
聖女「あの……すぐ、儚い感じに戻りましたよ」
聖女「落ち込んでるのが丸わかりなだけです!」
水王(儚)「ふふっ……貴女は、何でもわかってしまうのね」
聖女「誰だって、今の貴女を見ればわかります!」
水王「――ふっ!」
水王(儚)「……これで、どうかしら?」
聖女「あの……すぐ、儚い感じに戻りましたよ」
112: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 11:35:40.88 ID:NMxzUlwWo
聖女「一体、何があったんですか?」
水王(儚)「……どこかへ、行ってしまわれたのです」
聖女「それって……もしかして」
水王(儚)「ええ……貴女にお話していた、彼が」
水王(儚)「――俺より強いやつに会いに行く」
水王(儚)「……そんな、書き置きを残して」
聖女「何ですか!? その、馬鹿みたいな理由は!?」
水王(儚)「……どこかへ、行ってしまわれたのです」
聖女「それって……もしかして」
水王(儚)「ええ……貴女にお話していた、彼が」
水王(儚)「――俺より強いやつに会いに行く」
水王(儚)「……そんな、書き置きを残して」
聖女「何ですか!? その、馬鹿みたいな理由は!?」
113: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 11:38:58.04 ID:NMxzUlwWo
水王(儚)「……私にも、よくわかりませんわ」
聖女「私だって、全然わかりませんよ!」
水王(儚)「ただ……彼は、私の前から消えてしまった」
聖女「無責任にも程がありますよ!」
水王(儚)「だから、祝福の聖女よ……」
水王(儚)「貴女の力で……彼に関する記憶を封じて欲しいのです」
聖女「!?」
聖女「私だって、全然わかりませんよ!」
水王(儚)「ただ……彼は、私の前から消えてしまった」
聖女「無責任にも程がありますよ!」
水王(儚)「だから、祝福の聖女よ……」
水王(儚)「貴女の力で……彼に関する記憶を封じて欲しいのです」
聖女「!?」
114: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 11:42:44.57 ID:NMxzUlwWo
聖女「き……記憶を封じる!?」
水王(儚)「ええ、お願いしますわ」
聖女「貴女が望んでいるなら、出来ると思いますけど……」
水王(儚)「……私は、魔王軍幹部、水の四天王」
水王(儚)「果たさねばならぬ役目があります」
水王(儚)「思い悩み、立ち止まっている暇は……ありませんの」
聖女「……」
水王(儚)「ええ、お願いしますわ」
聖女「貴女が望んでいるなら、出来ると思いますけど……」
水王(儚)「……私は、魔王軍幹部、水の四天王」
水王(儚)「果たさねばならぬ役目があります」
水王(儚)「思い悩み、立ち止まっている暇は……ありませんの」
聖女「……」
115: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 11:46:50.38 ID:NMxzUlwWo
聖女「記憶を封じたら、好きだって気持ちも忘れちゃうんですよ」
水王(儚)「ええ、そうでしょうね」
聖女「貴女は、本当にそれで良いんですか?」
水王(儚)「……ほんの少しだけ、昔話をしましょうか」
水王(儚)「私は……彼をとても嫌っていたのです」
水王(儚)「それこそ、視界に入れるのも嫌でしたのよ?」
聖女「……えっ?」
水王(儚)「ええ、そうでしょうね」
聖女「貴女は、本当にそれで良いんですか?」
水王(儚)「……ほんの少しだけ、昔話をしましょうか」
水王(儚)「私は……彼をとても嫌っていたのです」
水王(儚)「それこそ、視界に入れるのも嫌でしたのよ?」
聖女「……えっ?」
116: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 11:54:14.76 ID:NMxzUlwWo
聖女「そう……だったんですか?」
水王(儚)「……野蛮で粗野、優雅さの欠片も無い愚か者」
聖女「……散々な評価だったんですね」
水王(儚)「私は水の大精霊、当然でしょう?」
水王(儚)「けれど、轡を並べて事に臨んでいく内に……」
水王(儚)「ゆっくりと、ゆっくりと……それが変わっていったのです」
聖女「……」
水王(儚)「……野蛮で粗野、優雅さの欠片も無い愚か者」
聖女「……散々な評価だったんですね」
水王(儚)「私は水の大精霊、当然でしょう?」
水王(儚)「けれど、轡を並べて事に臨んでいく内に……」
水王(儚)「ゆっくりと、ゆっくりと……それが変わっていったのです」
聖女「……」
117: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 12:00:47.76 ID:NMxzUlwWo
水王(儚)「当然、何度も衝突はしましたわ」
聖女「けれど……二人は、それを乗り越えてきた」
水王(儚)「……私の案と、彼の案」
水王(儚)「その二つを合わせて、大きな成功を収めた時」
聖女「……」
水王「……――ふふっ」
水王「あの笑い合った時、私は完全に恋に落ちたのでしょうね」
聖女「――!」
聖女「けれど……二人は、それを乗り越えてきた」
水王(儚)「……私の案と、彼の案」
水王(儚)「その二つを合わせて、大きな成功を収めた時」
聖女「……」
水王「……――ふふっ」
水王「あの笑い合った時、私は完全に恋に落ちたのでしょうね」
聖女「――!」
118: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 12:07:21.61 ID:NMxzUlwWo
水王「情緒など、露程も感じない始まりでしょう?」
聖女「……はい、そう思います」
水王「憧れていたロマンスとは、程遠いものですわ」
聖女「……」
水王(儚)「……だから」
水王(儚)「彼が姿を消した今、その記憶が消えたとしても――」
聖女「――だからこそ!」
聖女「絶対に、忘れるなんて駄目です!」
水王(儚)「……祝福の聖女?」
聖女「……はい、そう思います」
水王「憧れていたロマンスとは、程遠いものですわ」
聖女「……」
水王(儚)「……だから」
水王(儚)「彼が姿を消した今、その記憶が消えたとしても――」
聖女「――だからこそ!」
聖女「絶対に、忘れるなんて駄目です!」
水王(儚)「……祝福の聖女?」
119: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 12:13:19.89 ID:NMxzUlwWo
聖女「何なんですか!? ふざけないでください!」
水王(儚)「……何故、貴女は怒っているの?」
聖女「私は、愛の女神の加護を受けた、祝福の聖女です!」
聖女「その私に……!」
聖女「――幸せな日々の記憶を封じろなど!」
聖女「――愛する人への想いを封じろなど!」
聖女「……出来るわけがないじゃないですか!」
水王(儚)「……」
水王(儚)「……何故、貴女は怒っているの?」
聖女「私は、愛の女神の加護を受けた、祝福の聖女です!」
聖女「その私に……!」
聖女「――幸せな日々の記憶を封じろなど!」
聖女「――愛する人への想いを封じろなど!」
聖女「……出来るわけがないじゃないですか!」
水王(儚)「……」
120: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 12:16:47.51 ID:NMxzUlwWo
聖女「むしろ、その逆!」
水王(儚)「……逆?」
聖女「貴女の、愛を踏みにじる行為を止めます!」
水王(儚)「……」
聖女「貴女自身を敵に回そうとも!」
聖女「私は、想い人の事を語る貴女の微笑みの味方です!」
水王(儚)「っ……!」
水王(儚)「……逆?」
聖女「貴女の、愛を踏みにじる行為を止めます!」
水王(儚)「……」
聖女「貴女自身を敵に回そうとも!」
聖女「私は、想い人の事を語る貴女の微笑みの味方です!」
水王(儚)「っ……!」
121: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 12:21:26.83 ID:NMxzUlwWo
水王(儚)「けれど……辛いのです! 苦しいのです!」
聖女「言い訳をして、考えることをやめないでください!」
水王(儚)「私に! 何を考えろと言うのですか!?」
聖女「そんなの、決まってるじゃないですか!」
聖女「――俺より強いやつに会いに行く」
聖女「……その書き置きの、意味をですよ!」
水王(儚)「あの書き置きの……意味……?」
聖女「言い訳をして、考えることをやめないでください!」
水王(儚)「私に! 何を考えろと言うのですか!?」
聖女「そんなの、決まってるじゃないですか!」
聖女「――俺より強いやつに会いに行く」
聖女「……その書き置きの、意味をですよ!」
水王(儚)「あの書き置きの……意味……?」
122: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 12:27:32.34 ID:NMxzUlwWo
水王(儚)「……私は――」
水王(儚)「去る時に、ただ何となくそれらしい理由を書いた」
水王(儚)「――そう、考えていたのですが……」
聖女「……自分より、強い相手に会いに行く」
聖女「そんなの……そんな理由なんて、一つだけじゃないですか」
水王(儚)「……お、教えてくださいまし!」
水王(儚)「その理由とは、何なのでしょうか!?」
聖女「……強くなるためですよ」
水王(儚)「っ――!」
水王(儚)「去る時に、ただ何となくそれらしい理由を書いた」
水王(儚)「――そう、考えていたのですが……」
聖女「……自分より、強い相手に会いに行く」
聖女「そんなの……そんな理由なんて、一つだけじゃないですか」
水王(儚)「……お、教えてくださいまし!」
水王(儚)「その理由とは、何なのでしょうか!?」
聖女「……強くなるためですよ」
水王(儚)「っ――!」
124: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 12:34:28.96 ID:NMxzUlwWo
水王(儚)「つ……強くなるため……?」
聖女「己の殻を破るには、それが一番ですから」
水王(儚)「そんなっ! 何故!?」
聖女「……貴女です」
聖女「水の四天王である貴女を――」
聖女「――守れる程の力を得るためです!」
水王「っ――!!」
聖女「己の殻を破るには、それが一番ですから」
水王(儚)「そんなっ! 何故!?」
聖女「……貴女です」
聖女「水の四天王である貴女を――」
聖女「――守れる程の力を得るためです!」
水王「っ――!!」
125: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 12:43:21.61 ID:NMxzUlwWo
水王「ま、まさか……そんな……」
聖女「そうでなければ、何も残さずに去るでしょう」
水王「け、けれど! 私はそれを望んではいませんわ!」
聖女「……水の四天王」
聖女「想い人が、強くなるという理由で貴女の元を去った」
聖女「……それは、確かに貴女の望みではないでしょう」
聖女「でも、貴女の今の表情は――」
聖女「それこそが、真実だと疑っていないと、私に告げています」
水王「……ふふっ」
水王「……ええ、その通りですわ」
聖女「そうでなければ、何も残さずに去るでしょう」
水王「け、けれど! 私はそれを望んではいませんわ!」
聖女「……水の四天王」
聖女「想い人が、強くなるという理由で貴女の元を去った」
聖女「……それは、確かに貴女の望みではないでしょう」
聖女「でも、貴女の今の表情は――」
聖女「それこそが、真実だと疑っていないと、私に告げています」
水王「……ふふっ」
水王「……ええ、その通りですわ」
126: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 12:53:23.99 ID:NMxzUlwWo
水王「私は……彼をいつの間にか侮っていたのかも知れません」
聖女「侮っていた……ですか?」
水王「恋という名の濃霧が、見失わせてしまっていた……」
水王「彼は馬鹿……本当に、大馬鹿者ですわ」
水王「その大馬鹿者が、思い描く未来」
水王「後ろでも、隣でも無く……前に立とうとする、決意」
水王「……うふふっ、本当に……馬鹿ですわね」
聖女「――水の四天王」
聖女「私にお願いって、何ですか?」
水王「――祝福の聖女」
水王「そんなものは、忘れてしまいましたわ」
聖女「侮っていた……ですか?」
水王「恋という名の濃霧が、見失わせてしまっていた……」
水王「彼は馬鹿……本当に、大馬鹿者ですわ」
水王「その大馬鹿者が、思い描く未来」
水王「後ろでも、隣でも無く……前に立とうとする、決意」
水王「……うふふっ、本当に……馬鹿ですわね」
聖女「――水の四天王」
聖女「私にお願いって、何ですか?」
水王「――祝福の聖女」
水王「そんなものは、忘れてしまいましたわ」
127: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 13:04:57.94 ID:NMxzUlwWo
・ ・ ・
聖女「……本当に、男の人って馬鹿なんですから」
聖女「でも……勇者様も、そういう所があるし……」
聖女「……///」
聖女「愛の女神様、私の恋も見守っててください……!///」
闇の魔王(儚)「……ゅ……ぃ……ょ……願ぃ……」
聖女「……闇の魔王!?」
聖女「一体、何が……っていうか、声小さい!!」
聖女「あああ! 泣いてないで、私に話してみてください!!」
おわり
聖女「……本当に、男の人って馬鹿なんですから」
聖女「でも……勇者様も、そういう所があるし……」
聖女「……///」
聖女「愛の女神様、私の恋も見守っててください……!///」
闇の魔王(儚)「……ゅ……ぃ……ょ……願ぃ……」
聖女「……闇の魔王!?」
聖女「一体、何が……っていうか、声小さい!!」
聖女「あああ! 泣いてないで、私に話してみてください!!」
おわり
132: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 20:27:59.04 ID:NMxzUlwWo
書きます
風の四天王「剣の乙女、君に何があった?」
風の四天王「剣の乙女、君に何があった?」
133: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 20:31:38.14 ID:NMxzUlwWo
剣の乙女(以下、乙女)「急に現れておいて、いきなり質問?」
風の四天王(以下、風王)「いや、そんなつもりは無かったんだが……」
乙女「あら、そんなに私が変わったように見える?」
風王「……そうだね、まるで別人だ」
乙女「……愛する人が――彼女が出来た」
乙女「私が変わったのは、それが理由よ」
風王「成る程、そういう事……」
風王「…………えっ?」
風の四天王(以下、風王)「いや、そんなつもりは無かったんだが……」
乙女「あら、そんなに私が変わったように見える?」
風王「……そうだね、まるで別人だ」
乙女「……愛する人が――彼女が出来た」
乙女「私が変わったのは、それが理由よ」
風王「成る程、そういう事……」
風王「…………えっ?」
135: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 20:35:47.56 ID:NMxzUlwWo
風王「今、何て言ったんだい?」
乙女「聞こえなかったのかしら」
風王「ええ、と……勇者に、彼女が出来たのかな?」
乙女「違うわ」
乙女「この私、剣の乙女に――彼女が出来たのよ」
乙女「……全く、勘違いしないで頂戴」
風王「……いや、待ってくれ」
風王「えっ? 君は女で……えっ、彼女?」
乙女「聞こえなかったのかしら」
風王「ええ、と……勇者に、彼女が出来たのかな?」
乙女「違うわ」
乙女「この私、剣の乙女に――彼女が出来たのよ」
乙女「……全く、勘違いしないで頂戴」
風王「……いや、待ってくれ」
風王「えっ? 君は女で……えっ、彼女?」
136: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 20:40:29.39 ID:NMxzUlwWo
乙女「それで? 私に、何の用かしら?」
風王「いや、ちょっと……その前に」
乙女「どうしたの、不思議な顔をして」
風王「君は……恋愛対象が、女性だったのかい?」
乙女「運命の相手が、たまたま女だっただけ」
乙女「……私は、彼女に会うために生まれてきたのよ」
風王「……」
風王「そ、そう……なんだね」
風王「いや、ちょっと……その前に」
乙女「どうしたの、不思議な顔をして」
風王「君は……恋愛対象が、女性だったのかい?」
乙女「運命の相手が、たまたま女だっただけ」
乙女「……私は、彼女に会うために生まれてきたのよ」
風王「……」
風王「そ、そう……なんだね」
138: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 20:45:10.94 ID:NMxzUlwWo
乙女「彼女の事が知りたい? 良いわ、教えてあげる」
風王「口を挟む暇すら与えてくれないのかい」
乙女「私が、恋の相手に望んでいたものは、唯一つ」
風王「……」
乙女「この私よりも、強い事よ」
乙女「彼女は……新しい仲間の彼女は、本当に強いわ」
風王「……一つだけど、非常に厳しい条件だったんだね」
風王「口を挟む暇すら与えてくれないのかい」
乙女「私が、恋の相手に望んでいたものは、唯一つ」
風王「……」
乙女「この私よりも、強い事よ」
乙女「彼女は……新しい仲間の彼女は、本当に強いわ」
風王「……一つだけど、非常に厳しい条件だったんだね」
139: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 20:50:07.08 ID:NMxzUlwWo
乙女「私の剣戟の隙間を縫うように、攻撃魔法を飛ばし……」
風王「それは……本当に、優れた使い手だね」
乙女「時に前に出て盾となり、敵に大きな隙を作り出す……」
風王「それは……敵としては、非常に厄介だね」
乙女「ええ、本当に頼もしい仲間よ」
乙女「彼女と出会えた運命に……感謝しないとね」
風王「……敵の僕としては、素直に祝福出来ないな」
風王「それは……本当に、優れた使い手だね」
乙女「時に前に出て盾となり、敵に大きな隙を作り出す……」
風王「それは……敵としては、非常に厄介だね」
乙女「ええ、本当に頼もしい仲間よ」
乙女「彼女と出会えた運命に……感謝しないとね」
風王「……敵の僕としては、素直に祝福出来ないな」
141: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 20:56:06.11 ID:NMxzUlwWo
乙女「けれど、突然現れても……信用出来ないでしょう?」
風王「まあ、そうだろうね」
乙女「だから、年長者としてお酒の席を設けたの」
風王「お酒が入れば、本音も出るだろうしね」
乙女「そうして、飲んでいたらね?」
乙女「――お前は、相手に恵まれていなかっただけだ」
乙女「――出会って来た男は、見る目が無かったらしい」
乙女「……ですって! ふふっ! ねえ、聞いてる?」
風王「……うん、まあ、聞いてるよ」
風王「まあ、そうだろうね」
乙女「だから、年長者としてお酒の席を設けたの」
風王「お酒が入れば、本音も出るだろうしね」
乙女「そうして、飲んでいたらね?」
乙女「――お前は、相手に恵まれていなかっただけだ」
乙女「――出会って来た男は、見る目が無かったらしい」
乙女「……ですって! ふふっ! ねえ、聞いてる?」
風王「……うん、まあ、聞いてるよ」
143: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 21:04:41.93 ID:NMxzUlwWo
乙女「それでね? 彼女ったら、もうっ!」
風王「……うん」
乙女「あれよあれよと、酒場の上の宿を取ってね?」
風王「……うん」
乙女「……まあ、そんな感じで……ね?」
乙女「私は……女の喜びを知ったの」
乙女「やっ、やだもうっ!/// 何を言わせるのよ!///」
風王「君が言い出したんだけどね?」
風王「それに、言いにくいんだけど……」
風王「……君のそれは、知ったかぶりだと思うよ」
風王「……うん」
乙女「あれよあれよと、酒場の上の宿を取ってね?」
風王「……うん」
乙女「……まあ、そんな感じで……ね?」
乙女「私は……女の喜びを知ったの」
乙女「やっ、やだもうっ!/// 何を言わせるのよ!///」
風王「君が言い出したんだけどね?」
風王「それに、言いにくいんだけど……」
風王「……君のそれは、知ったかぶりだと思うよ」
144: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 21:08:22.83 ID:NMxzUlwWo
乙女「いいえ、私はそこで己の弱さを知ったわ」
風王「己の弱さ?」
乙女「ええ、そうよ……私自身ですら、知らなかったの」
風王「剣の乙女である、君が?」
乙女「この……右の鎖骨の、このライン」
乙女「ここを舌でツウッとされると、なんだか凄いのよ」
風王「ねえ、赤裸々すぎやしないかい?」
風王「己の弱さ?」
乙女「ええ、そうよ……私自身ですら、知らなかったの」
風王「剣の乙女である、君が?」
乙女「この……右の鎖骨の、このライン」
乙女「ここを舌でツウッとされると、なんだか凄いのよ」
風王「ねえ、赤裸々すぎやしないかい?」
145: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 21:12:01.68 ID:NMxzUlwWo
風王「けれど……それが、君が変わった理由か」
乙女「そう、愛が私を変えたのよ」
風王「……愛、か」
乙女「私は、愛を知って――強くなった」
乙女「……けれど、風の四天王」
乙女「貴女は、弱くなったわね」
風王「……はは、これは手厳しいね」
乙女「そう、愛が私を変えたのよ」
風王「……愛、か」
乙女「私は、愛を知って――強くなった」
乙女「……けれど、風の四天王」
乙女「貴女は、弱くなったわね」
風王「……はは、これは手厳しいね」
146: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 21:17:54.45 ID:NMxzUlwWo
乙女「今日の貴女は、どうしてまた男装をしてるのかしら?」
風王「……女の格好をする理由が無くなっただけさ」
乙女「ふぅん? そうなの」
風王「それに、僕にはこっちの格好の方が似合うだろう?」
乙女「いいえ、むしろ滑稽だわ」
乙女「今の貴女は、女としての自分に自信が持てず……」
乙女「踏み出した一歩を引っ込めただけだもの」
風王「……君は、本当に厳しいな」
風王「……女の格好をする理由が無くなっただけさ」
乙女「ふぅん? そうなの」
風王「それに、僕にはこっちの格好の方が似合うだろう?」
乙女「いいえ、むしろ滑稽だわ」
乙女「今の貴女は、女としての自分に自信が持てず……」
乙女「踏み出した一歩を引っ込めただけだもの」
風王「……君は、本当に厳しいな」
147: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 21:28:35.33 ID:NMxzUlwWo
乙女「今の貴女なら、目をつぶっても勝てるわ」
風王「……へえ、試してみるかい?」
乙女「死にたければ、かかって来なさい」
風王「っ……! 言うじゃないか!」
乙女「ええ、見るに堪えないもの」
乙女「敵とは言え、何かから逃げている貴女を見るのは」
乙女「……ああ、臆病風でスカートがめくれるから、ズボンをはいてるのね?」
風王「……!」
風王「……へえ、試してみるかい?」
乙女「死にたければ、かかって来なさい」
風王「っ……! 言うじゃないか!」
乙女「ええ、見るに堪えないもの」
乙女「敵とは言え、何かから逃げている貴女を見るのは」
乙女「……ああ、臆病風でスカートがめくれるから、ズボンをはいてるのね?」
風王「……!」
148: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 21:34:24.43 ID:NMxzUlwWo
風王「随分と……舌が回るようになったじゃないか」
乙女「彼女の 技に比べれば、大したことは無いわ」
風王「……急に惚気ないでくれるかい?」
乙女「貴女が戦う気が無いってわかったから……つい、ね」
風王「……確かに、君の言う通りだ」
風王「今の僕は……本当に、弱い」
乙女「やっぱり、自覚はあったのね」
乙女「彼女の 技に比べれば、大したことは無いわ」
風王「……急に惚気ないでくれるかい?」
乙女「貴女が戦う気が無いってわかったから……つい、ね」
風王「……確かに、君の言う通りだ」
風王「今の僕は……本当に、弱い」
乙女「やっぱり、自覚はあったのね」
149: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 21:41:06.80 ID:NMxzUlwWo
風王「男など……そんな風に見下していた僕がだ」
乙女「……」
風王「一人の男が居なくなってしまっただけで、ね」
乙女「違うわ」
乙女「性別なんて……関係の無いわ」
乙女「男だから? 女だから?……そんなのは、些細な事よ」
乙女「愛する、求めている人が消えてしまって、悲しい」
乙女「……それだけでしょう?」
風王「……」
乙女「……」
風王「一人の男が居なくなってしまっただけで、ね」
乙女「違うわ」
乙女「性別なんて……関係の無いわ」
乙女「男だから? 女だから?……そんなのは、些細な事よ」
乙女「愛する、求めている人が消えてしまって、悲しい」
乙女「……それだけでしょう?」
風王「……」
150: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 21:46:52.82 ID:NMxzUlwWo
風王「君は……何か、知っているのかい?」
乙女「いいえ、何も。けれど、推測は出来る」
風王「……」
乙女「フラれたの? それとも、死んだのかしら?」
風王「……忽然と、姿を消してしまったんだ」
風王「僕が、スカートをはいて行った……その夜にね」
乙女「……馬鹿馬鹿しい」
乙女「いいえ、何も。けれど、推測は出来る」
風王「……」
乙女「フラれたの? それとも、死んだのかしら?」
風王「……忽然と、姿を消してしまったんだ」
風王「僕が、スカートをはいて行った……その夜にね」
乙女「……馬鹿馬鹿しい」
151: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 21:51:13.38 ID:NMxzUlwWo
乙女「それで、また男装をするようになったの?」
風王「……言いたくないな」
乙女「じゃあ、言わせて貰うわ」
風王「……」
乙女「貴女が女の格好をして、男装をやめた事」
乙女「それが、何かのきっかけになったと思ってるでしょう?」
乙女「……そんな筈、有るわけ無いでしょう!」
風王「……」
風王「……言いたくないな」
乙女「じゃあ、言わせて貰うわ」
風王「……」
乙女「貴女が女の格好をして、男装をやめた事」
乙女「それが、何かのきっかけになったと思ってるでしょう?」
乙女「……そんな筈、有るわけ無いでしょう!」
風王「……」
152: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 21:56:15.00 ID:NMxzUlwWo
風王「……けれど、変わった事と言えば」
乙女「それ以外に無い、とでも?」
風王「……その通りだよ」
乙女「……あのねぇ!」
乙女「自信があるのか無いのか、ハッキリしなさいよ!」
乙女「貴女が、男の格好をしたら、その男は戻ってくるの?」
乙女「……ああもう! イライラさせないで頂戴!」
風王「……」
乙女「それ以外に無い、とでも?」
風王「……その通りだよ」
乙女「……あのねぇ!」
乙女「自信があるのか無いのか、ハッキリしなさいよ!」
乙女「貴女が、男の格好をしたら、その男は戻ってくるの?」
乙女「……ああもう! イライラさせないで頂戴!」
風王「……」
153: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 22:01:56.78 ID:NMxzUlwWo
風王「……だったら、僕はどうすれば良いんだ!」
乙女「そんなの、私が知るわけないでしょう」
風王「ああ、そうだろうね! 君は、僕の敵だから!」
乙女「ええ、だからこそ……私は知っているわ」
乙女「風の四天王」
乙女「――貴女は、探しものをするのが得意だ、って」
乙女「それこそ……私の知らない方法も知ってるわよね」
風王「っ――!!」
乙女「そんなの、私が知るわけないでしょう」
風王「ああ、そうだろうね! 君は、僕の敵だから!」
乙女「ええ、だからこそ……私は知っているわ」
乙女「風の四天王」
乙女「――貴女は、探しものをするのが得意だ、って」
乙女「それこそ……私の知らない方法も知ってるわよね」
風王「っ――!!」
154: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 22:11:26.52 ID:NMxzUlwWo
風王「彼を……探す……?」
乙女「何? そんな事も思いつかなかったの?」
風王「……考えもしなかった」
乙女「呆れた……貴女、それでも四天王の一人なの?」
風王「……ああ、僕は風の四天王だ」
風王「狙った獲物は――絶対に逃さないのさ」
乙女「……どうやら、調子を取り戻したみたいね」
乙女「風は、留まり続けるべきじゃないもの」
風王「感謝するよ、剣の乙女」
風王「君は、僕の女々しさを見事に断ち切ってくれた!」
乙女「何? そんな事も思いつかなかったの?」
風王「……考えもしなかった」
乙女「呆れた……貴女、それでも四天王の一人なの?」
風王「……ああ、僕は風の四天王だ」
風王「狙った獲物は――絶対に逃さないのさ」
乙女「……どうやら、調子を取り戻したみたいね」
乙女「風は、留まり続けるべきじゃないもの」
風王「感謝するよ、剣の乙女」
風王「君は、僕の女々しさを見事に断ち切ってくれた!」
155: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/03(土) 22:19:54.98 ID:NMxzUlwWo
・ ・ ・
乙女「……恋は盲目と言うけれど」
乙女「時に……己をすら、見失わせてしまうのね」
乙女「……」
乙女「私は……彼女を見失わないよう、気を付けないと」
火の四天王「剣の乙女よ! 婚約が……!」
火の四天王「パパが、婚約を解消しろと言ってきた!」
乙女「……貴女、火龍王をパパって呼んでるの?」
乙女「それより、婚約を解消って……もう、わかったから!!」
乙女「一緒に良い方法を考えるから、ブレスを吐かないで頂戴!!」
おわり
乙女「……恋は盲目と言うけれど」
乙女「時に……己をすら、見失わせてしまうのね」
乙女「……」
乙女「私は……彼女を見失わないよう、気を付けないと」
火の四天王「剣の乙女よ! 婚約が……!」
火の四天王「パパが、婚約を解消しろと言ってきた!」
乙女「……貴女、火龍王をパパって呼んでるの?」
乙女「それより、婚約を解消って……もう、わかったから!!」
乙女「一緒に良い方法を考えるから、ブレスを吐かないで頂戴!!」
おわり
160: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/04(日) 20:24:37.12 ID:pzPuf0d4o
書きます
地の四天王な美少女「光の勇者よ、話とは何だ?」
地の四天王な美少女「光の勇者よ、話とは何だ?」
161: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/04(日) 20:28:15.82 ID:pzPuf0d4o
光の勇者(以下、勇者)「地の四天王、心当たりは無いか?」
地の四天王な美少女(以下、地女)「おっと、その呼び方はやめて貰おうか」
勇者「良いから座れ」
地女「今は、地の四天王――改め!」
大地の魔女(以下、地女)「大地の魔女!」
地女「ふはは! ちゃん付けでも構わんぞ!」
勇者「座れって言ってんだろ!?」
地の四天王な美少女(以下、地女)「おっと、その呼び方はやめて貰おうか」
勇者「良いから座れ」
地女「今は、地の四天王――改め!」
大地の魔女(以下、地女)「大地の魔女!」
地女「ふはは! ちゃん付けでも構わんぞ!」
勇者「座れって言ってんだろ!?」
162: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/04(日) 20:32:12.18 ID:pzPuf0d4o
地女「宿屋であまり大声を出すな……よいしょっと」
勇者「……ベッドの上でぺたんこ座りすんな」
地女「むう、何故だ?」
勇者「……唇を尖らせるのはやめろ」
地女「あれも駄目、これも駄目……」
地女「勇者よ! お前はリーダーではあるが、母親では無いぞ!」
勇者「だったら、一々言わせるんじゃねえってんだ!」
勇者「……ベッドの上でぺたんこ座りすんな」
地女「むう、何故だ?」
勇者「……唇を尖らせるのはやめろ」
地女「あれも駄目、これも駄目……」
地女「勇者よ! お前はリーダーではあるが、母親では無いぞ!」
勇者「だったら、一々言わせるんじゃねえってんだ!」
163: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/04(日) 20:36:01.31 ID:pzPuf0d4o
地女「まあ、お前の話とやらの心当たりはある」
勇者「まあ、そうだろうな!」
地女「いずれは話し合わねばならんと思っていたぞ」
勇者「……むしろ、遅い位だっての」
地女「確かに……もっと早く話すべきだったな」
地女「――攻撃魔法で先制してからの戦術と連携を」
勇者「そんな感じでお前が馴染みすぎだって話だよ!!」
勇者「まあ、そうだろうな!」
地女「いずれは話し合わねばならんと思っていたぞ」
勇者「……むしろ、遅い位だっての」
地女「確かに……もっと早く話すべきだったな」
地女「――攻撃魔法で先制してからの戦術と連携を」
勇者「そんな感じでお前が馴染みすぎだって話だよ!!」
165: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/04(日) 20:41:33.97 ID:pzPuf0d4o
地女「何を言っている? 旅の仲間ならば、当然だろう?」
勇者「違うだろ!? お前は、四天王の一人だろ!?」
地女「何!? まだ、仲間と認めていないのか!?」
勇者「当たり前だろうが!」
地女「ならば、どうしたら認めてくれるのだ!?」
地女「……まあ、お前に認められなくても居座るがな~」
ぽふんっ、ごろごろ~っ
勇者「ベッドの上で転がるんじゃねえええええ!!」
勇者「違うだろ!? お前は、四天王の一人だろ!?」
地女「何!? まだ、仲間と認めていないのか!?」
勇者「当たり前だろうが!」
地女「ならば、どうしたら認めてくれるのだ!?」
地女「……まあ、お前に認められなくても居座るがな~」
ぽふんっ、ごろごろ~っ
勇者「ベッドの上で転がるんじゃねえええええ!!」
166: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/04(日) 20:45:09.09 ID:pzPuf0d4o
地女「まあ、落ち着け勇者よ」
勇者「お前のその落ち着きが腹立つんだよ」
地女「せっかく良い宿を取ったのだ、しっかり休息をとるべきだろう」
勇者「……っていうか、なんでお前と同じ部屋なんだよ」
地女「今の財布事情を考えたら、二部屋が限度」
地女「部屋割りに不満があるのなら、今から代わるか?」
勇者「……いや、良い」
勇者「お前のその落ち着きが腹立つんだよ」
地女「せっかく良い宿を取ったのだ、しっかり休息をとるべきだろう」
勇者「……っていうか、なんでお前と同じ部屋なんだよ」
地女「今の財布事情を考えたら、二部屋が限度」
地女「部屋割りに不満があるのなら、今から代わるか?」
勇者「……いや、良い」
167: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/04(日) 20:50:17.09 ID:pzPuf0d4o
勇者「本来は男のお前と……」
地女「祝福の聖女、剣の乙女を同室にするのはまずいだろうな」
勇者「……おかげで、俺があの二人に変な目で見られた」
地女「うむ、それはそうだろう」
地女「光の勇者とは言え、お前は男だ」
地女「……ふっ、まさかあの二人に心配される日が来るとは」
勇者「満更でもなさそうに微笑んでんじゃねえよ」
地女「祝福の聖女、剣の乙女を同室にするのはまずいだろうな」
勇者「……おかげで、俺があの二人に変な目で見られた」
地女「うむ、それはそうだろう」
地女「光の勇者とは言え、お前は男だ」
地女「……ふっ、まさかあの二人に心配される日が来るとは」
勇者「満更でもなさそうに微笑んでんじゃねえよ」
168: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/04(日) 20:55:20.65 ID:pzPuf0d4o
勇者「……っていうか、いつの間にあの二人と仲良くなったんだ」
地女「祝福の聖女は、恐らく相談に乗ったからだろうな」
勇者「相談?」
地女「うむ!」
地女「お前の――光の勇者の倒し方の相談だ!」
地女「まあ、倒し方というか……倒され方というかな?」
勇者「……待て待て待て待て!!」
地女「祝福の聖女は、恐らく相談に乗ったからだろうな」
勇者「相談?」
地女「うむ!」
地女「お前の――光の勇者の倒し方の相談だ!」
地女「まあ、倒し方というか……倒され方というかな?」
勇者「……待て待て待て待て!!」
169: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/04(日) 21:00:10.11 ID:pzPuf0d4o
勇者「お前、あの子に何を教えた!?」
地女「祝福の聖女が信仰する女神教には、『十の戒律』というものがある」
勇者「……いきなり何だよ」
地女「悲しいかな……愛を司るとは言え、所詮は女神」
地女「女神教の、『十の戒律』なぞ、大して役に立たん!」
地女「俺の、『男をオトす10のテクニック』の方が男のツボを抑えているのだ!」
勇者「そりゃあ、お前は男だからな!」
地女「祝福の聖女が信仰する女神教には、『十の戒律』というものがある」
勇者「……いきなり何だよ」
地女「悲しいかな……愛を司るとは言え、所詮は女神」
地女「女神教の、『十の戒律』なぞ、大して役に立たん!」
地女「俺の、『男をオトす10のテクニック』の方が男のツボを抑えているのだ!」
勇者「そりゃあ、お前は男だからな!」
170: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/04(日) 21:05:10.59 ID:pzPuf0d4o
勇者「変なこと吹き込んでたら、ぶっとばすぞ!?」
地女「何を言う! 俺は、女の味方だ!」
勇者「お前程の女の敵は見たことねえよ!」
地女「ええい、ならば見せてやろう!」
地女「この、左の頬にかかった髪をかきあげる時にな――」
…スッ
地女「――こう、左手でなく……右手で、クロスさせるように」
地女「……どうだ! 色っぽさ、二割増だろう!」
勇者「滅茶苦茶小技じゃねえか!!」
地女「何を言う! 俺は、女の味方だ!」
勇者「お前程の女の敵は見たことねえよ!」
地女「ええい、ならば見せてやろう!」
地女「この、左の頬にかかった髪をかきあげる時にな――」
…スッ
地女「――こう、左手でなく……右手で、クロスさせるように」
地女「……どうだ! 色っぽさ、二割増だろう!」
勇者「滅茶苦茶小技じゃねえか!!」
171: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/04(日) 21:11:19.27 ID:pzPuf0d4o
地女「確かに、大技や大魔法も局面を決める上で重要だな」
勇者「そういうのは教えてないだろうな!?」
地女「馬鹿者が! 何を言っている、光の勇者よ!」
勇者「っ!?」
地女「ここぞと言う時こそ、勇者であるお前の役目だろう!」
地女「その腰に下げた聖剣は、ただの飾りか!?」
勇者「……くそっ! 一瞬でも気圧された自分に腹が立つ!」
勇者「そういうのは教えてないだろうな!?」
地女「馬鹿者が! 何を言っている、光の勇者よ!」
勇者「っ!?」
地女「ここぞと言う時こそ、勇者であるお前の役目だろう!」
地女「その腰に下げた聖剣は、ただの飾りか!?」
勇者「……くそっ! 一瞬でも気圧された自分に腹が立つ!」
172: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/04(日) 21:16:03.39 ID:pzPuf0d4o
地女「まあ、そんな訳で聖女の味方になったのだ」
勇者「……道理で、最近」
地女「おっ? グッと来たか? ん? んんっ?」
勇者「……うるせえよ」
地女「はっはっは! 光の勇者よ!」
地女「足掻いても無駄だと言っておこうか! はっはっは!」
ぺちん、ぺちん、ぺちん、ぺちん!
勇者「足の裏で拍子とってんじゃねえ!!」
勇者「……道理で、最近」
地女「おっ? グッと来たか? ん? んんっ?」
勇者「……うるせえよ」
地女「はっはっは! 光の勇者よ!」
地女「足掻いても無駄だと言っておこうか! はっはっは!」
ぺちん、ぺちん、ぺちん、ぺちん!
勇者「足の裏で拍子とってんじゃねえ!!」
173: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/04(日) 21:20:13.27 ID:pzPuf0d4o
地女「それで、剣の乙女とはだな」
勇者「……何があったんだよ」
地女「うむ」
勇者「……」
地女「それが、まるでわからんのだ」
地女「一緒に飲みに行ったような……行ってないような?」
勇者「……おい……おい、お前!?」
勇者「……何があったんだよ」
地女「うむ」
勇者「……」
地女「それが、まるでわからんのだ」
地女「一緒に飲みに行ったような……行ってないような?」
勇者「……おい……おい、お前!?」
174: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/04(日) 21:27:02.66 ID:pzPuf0d4o
勇者「お前、おい……まさか!?」
地女「女の体だと、酒に弱くてなぁ」
勇者「男の方でも弱いじゃねえか!」
地女「……あまり言ってくれるな、光の勇者よ」
地女「地の四天王は――四天王の中でも最弱」
地女「……分かっていても、言われる方は複雑なのだ」
勇者「お前、酒向いてねえぞ!?」
地女「女の体だと、酒に弱くてなぁ」
勇者「男の方でも弱いじゃねえか!」
地女「……あまり言ってくれるな、光の勇者よ」
地女「地の四天王は――四天王の中でも最弱」
地女「……分かっていても、言われる方は複雑なのだ」
勇者「お前、酒向いてねえぞ!?」
175: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/04(日) 21:31:14.17 ID:pzPuf0d4o
地女「では……光の勇者――いや、リーダー!」
勇者「……絶対に断る」
地女「お前は敵だが、頼りにしているぞ!」
勇者「ダブルスタンダードも大概にしろよ!?」
地女「酔って、剣の乙女と ちゃったかどうか」
地女「こう……さりげな~く聞いといてくれ、な?」
勇者「どういう聞き方だ!?」
勇者「どう転んだって、さりげなくならねえぞ!?」
勇者「……絶対に断る」
地女「お前は敵だが、頼りにしているぞ!」
勇者「ダブルスタンダードも大概にしろよ!?」
地女「酔って、剣の乙女と ちゃったかどうか」
地女「こう……さりげな~く聞いといてくれ、な?」
勇者「どういう聞き方だ!?」
勇者「どう転んだって、さりげなくならねえぞ!?」
176: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/04(日) 21:37:22.21 ID:pzPuf0d4o
地女「……まあ! そんな感じで交流を深めたのだ!」
勇者「かつてない程の危機がパーティーを襲っている……!」
地女「案ずるな、光の勇者よ」
勇者「……あん?」
地女「もし、剣の乙女と ちゃっていたら……」
地女「お前も、聖女と ちゃえばバランスが良くなる」
勇者「お前、本当いい加減にしろよ!?」
勇者「かつてない程の危機がパーティーを襲っている……!」
地女「案ずるな、光の勇者よ」
勇者「……あん?」
地女「もし、剣の乙女と ちゃっていたら……」
地女「お前も、聖女と ちゃえばバランスが良くなる」
勇者「お前、本当いい加減にしろよ!?」
177: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/04(日) 21:48:28.58 ID:pzPuf0d4o
勇者「……だが、悔しいことにお前が居ると楽だ」
地女「うむ、こちらも戦い方に幅が出来、強くなった」
勇者「……危ない場面も、助けられたな」
地女「仲間を助けるのは、当然だろう」
地女「――だが、忘れるなよ……光の勇者」
地女「大地の魔女の正体は――地の四天王」
地女「決して、頼れるだけの偉大な魔法使いでは無い」
地女「男同士の様に気楽で、いやらしい話も出来る美少女では無いのだ」
…ポリポリ
勇者「とりあえず、ベッドの上で菓子を食うのをやめろ」
地女「うむ、こちらも戦い方に幅が出来、強くなった」
勇者「……危ない場面も、助けられたな」
地女「仲間を助けるのは、当然だろう」
地女「――だが、忘れるなよ……光の勇者」
地女「大地の魔女の正体は――地の四天王」
地女「決して、頼れるだけの偉大な魔法使いでは無い」
地女「男同士の様に気楽で、いやらしい話も出来る美少女では無いのだ」
…ポリポリ
勇者「とりあえず、ベッドの上で菓子を食うのをやめろ」
178: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/04(日) 21:59:37.20 ID:pzPuf0d4o
・ ・ ・
地女「――お、お願いだっ! お願いだ、勇者!」
勇者「ええい、うるさい!」
地女「頼む! 乱暴にしないでくれ!」
勇者「だったら、大人しくしてろ!」
地女「!? こっ、拘束魔法!?」
地女「くっ……! か、解除出来ん!」
勇者「当たり前だろう!」
勇者「お前をどこへも行かせるかよ!」
地女「――お、お願いだっ! お願いだ、勇者!」
勇者「ええい、うるさい!」
地女「頼む! 乱暴にしないでくれ!」
勇者「だったら、大人しくしてろ!」
地女「!? こっ、拘束魔法!?」
地女「くっ……! か、解除出来ん!」
勇者「当たり前だろう!」
勇者「お前をどこへも行かせるかよ!」
179: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/04(日) 22:06:19.07 ID:pzPuf0d4o
地女「そんな……何故だ!?」
勇者「お前が誘ってきたからだ――」
祝福の聖女(以下、聖女)「……ゆ、勇者様……!?」
剣の乙女(以下、乙女)「なっ……何をして……!?」
勇者「……」
勇者「待ってくれ!! 二人は誤解してる!!」
勇者「コイツが、酒を飲みに行こうと――」
地女「せっ……聖剣なんぞには、決して負けぬ……!」
聖女・乙女「さ――最低!!」
勇者「俺の話を聞いてくれえええええ!!」
おわり
勇者「お前が誘ってきたからだ――」
祝福の聖女(以下、聖女)「……ゆ、勇者様……!?」
剣の乙女(以下、乙女)「なっ……何をして……!?」
勇者「……」
勇者「待ってくれ!! 二人は誤解してる!!」
勇者「コイツが、酒を飲みに行こうと――」
地女「せっ……聖剣なんぞには、決して負けぬ……!」
聖女・乙女「さ――最低!!」
勇者「俺の話を聞いてくれえええええ!!」
おわり
182: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/05(月) 21:52:14.51 ID:JcT9AcbUo
書きます
闇の魔王「祝福の聖女よ、何かあったのか?」
闇の魔王「祝福の聖女よ、何かあったのか?」
183: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/05(月) 21:55:46.67 ID:JcT9AcbUo
祝福の聖女(以下、聖女)「……闇の魔王さん」
闇の魔王(以下、魔王)「ひどく憔悴しているようだが……」
聖女「……聞いて、貰えますか?」
魔王「敵とは言え、其方には世話になっているからな」
聖女「勇者様が……勇者様が!」
聖女「無理矢理、女性を ちゃおうとしてたんです!」
魔王「……」
魔王「……すまぬ、あまり力になれそうにない」
闇の魔王(以下、魔王)「ひどく憔悴しているようだが……」
聖女「……聞いて、貰えますか?」
魔王「敵とは言え、其方には世話になっているからな」
聖女「勇者様が……勇者様が!」
聖女「無理矢理、女性を ちゃおうとしてたんです!」
魔王「……」
魔王「……すまぬ、あまり力になれそうにない」
184: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/05(月) 22:00:47.55 ID:JcT9AcbUo
魔王「しかし、何かの間違いではないのか?」
聖女「人は、誰しも間違いを犯すものです!」
魔王「聖女よ、落ち着くのだ」
聖女「私は冷静です! ええ、冷静ですとも!」
聖女「今も、冷静に神に祈りを捧げていたんです」
聖女「貴女の与える試練は、あまりにも過酷すぎます、って」
魔王「……」
聖女「人は、誰しも間違いを犯すものです!」
魔王「聖女よ、落ち着くのだ」
聖女「私は冷静です! ええ、冷静ですとも!」
聖女「今も、冷静に神に祈りを捧げていたんです」
聖女「貴女の与える試練は、あまりにも過酷すぎます、って」
魔王「……」
185: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/05(月) 22:04:21.37 ID:JcT9AcbUo
魔王「だが……英雄色を好むという言葉もある」
聖女「……魔王さん」
魔王「許すのもまた愛……そう言っていたではないか」
聖女「……」
聖女「……闇の魔王」
聖女「貴女の想い人がそうしているのを見たら、どう思いますか?」
魔王「許せ、軽はずみな発言だった」
聖女「……魔王さん」
魔王「許すのもまた愛……そう言っていたではないか」
聖女「……」
聖女「……闇の魔王」
聖女「貴女の想い人がそうしているのを見たら、どう思いますか?」
魔王「許せ、軽はずみな発言だった」
186: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/05(月) 22:09:38.73 ID:JcT9AcbUo
魔王「して……勇者は、何処に居る?」
聖女「……逃げたんです」
魔王「逃げただと?」
聖女「……はい」
聖女「剣の乙女さんが、無表情で……」
聖女「その……斬り落とすと言って襲いかかったので」
魔王「……成る程な」
聖女「……逃げたんです」
魔王「逃げただと?」
聖女「……はい」
聖女「剣の乙女さんが、無表情で……」
聖女「その……斬り落とすと言って襲いかかったので」
魔王「……成る程な」
187: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/05(月) 22:15:10.42 ID:JcT9AcbUo
聖女「勇者様には光の加護があるので……」
魔王「まあ、生きては居るだろうな」
聖女「聖剣と魔法も駆使し、秘めた力も覚醒していましたからね」
魔王「余の関わらぬ所で、決戦が行われていたか」
聖女「……もし、斬り落とされて帰ってきたら」
聖女「私……ちゃんと回復させる自信がありません」
魔王「案ずるな、祝福の聖女よ」
魔王「そうだとしても、剣は振るえる」
魔王「まあ、生きては居るだろうな」
聖女「聖剣と魔法も駆使し、秘めた力も覚醒していましたからね」
魔王「余の関わらぬ所で、決戦が行われていたか」
聖女「……もし、斬り落とされて帰ってきたら」
聖女「私……ちゃんと回復させる自信がありません」
魔王「案ずるな、祝福の聖女よ」
魔王「そうだとしても、剣は振るえる」
188: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/05(月) 22:20:54.52 ID:JcT9AcbUo
魔王「しかし、光の勇者め……我が軍だけでなく……」
聖女「……」
魔王「…………ゅ……ゅぅ、う~……じ……んっ、んんっ!」
聖女「……魔王さん?」
魔王「……其方まで苦しめるとは!」
魔王「ふふっ……罰として、奴の故郷を滅ぼしてくれよう」
聖女「あの……同郷なので、私の故郷でもあるんです」
聖女「なので、はい……お気持ちだけ、ありがたく」
聖女「……」
魔王「…………ゅ……ゅぅ、う~……じ……んっ、んんっ!」
聖女「……魔王さん?」
魔王「……其方まで苦しめるとは!」
魔王「ふふっ……罰として、奴の故郷を滅ぼしてくれよう」
聖女「あの……同郷なので、私の故郷でもあるんです」
聖女「なので、はい……お気持ちだけ、ありがたく」
189: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/05(月) 22:29:39.34 ID:JcT9AcbUo
魔王「しかし……光の勇者と、剣の乙女め」
聖女「えっ? 勇者様はともかく……」
魔王「今の其方を捨て置くなど、看過出来るものではない」
聖女「あっ、いえ……私だけじゃなく――」
ガチャッ!
大地の魔女(以下、地女)「祝福の聖女よ、お菓子を持って来たぞ!」
聖女「新しい仲間の、大地の魔女さんも居ますから!」
魔王「ふむ……成る程」
地女「……」
バタンッ!
聖女「へっ?」
魔王「む?」
聖女「えっ? 勇者様はともかく……」
魔王「今の其方を捨て置くなど、看過出来るものではない」
聖女「あっ、いえ……私だけじゃなく――」
ガチャッ!
大地の魔女(以下、地女)「祝福の聖女よ、お菓子を持って来たぞ!」
聖女「新しい仲間の、大地の魔女さんも居ますから!」
魔王「ふむ……成る程」
地女「……」
バタンッ!
聖女「へっ?」
魔王「む?」
190: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/05(月) 22:39:09.45 ID:JcT9AcbUo
聖女「あっ、あの……大地の魔女さん?」
魔王「どうした……闇の魔王の、余が恐ろしいか?」
聖女「大丈夫ですよ! その……可愛い所もありますから!」
魔王「……祝福の聖女よ、それは他言無用だと言っただろう」
……しんっ
聖女・魔王「……」
聖女「あれ……?」
魔王「……ふむ」
魔王「どうした……闇の魔王の、余が恐ろしいか?」
聖女「大丈夫ですよ! その……可愛い所もありますから!」
魔王「……祝福の聖女よ、それは他言無用だと言っただろう」
……しんっ
聖女・魔王「……」
聖女「あれ……?」
魔王「……ふむ」
191: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/05(月) 22:43:39.93 ID:JcT9AcbUo
・ ・ ・
地女「……!」
地女(祝福の聖女と……魔王様が、裏で繋がっていただと!?)
地女(ぬうう! いかん! これは……いかん!)
地女(どこまで……どこまでバレちゃっているのだ!?)
地女「今は……今は、此処を離れねば!」
…ズブッ!
地女「しまっ!? 影に呑まれ――」
…とぷんっ!
地女「……!」
地女(祝福の聖女と……魔王様が、裏で繋がっていただと!?)
地女(ぬうう! いかん! これは……いかん!)
地女(どこまで……どこまでバレちゃっているのだ!?)
地女「今は……今は、此処を離れねば!」
…ズブッ!
地女「しまっ!? 影に呑まれ――」
…とぷんっ!
192: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/05(月) 22:49:17.88 ID:JcT9AcbUo
・ ・ ・
聖女「――わあっ! このお菓子、美味しいですね!」
魔王「人の作った嗜好品なれど、中々のものだ」
地女「うむ!」
地女「では……歯を磨いて寝ることにするのだ」
魔王「――待て」
地女「!? な、何か……?」
魔王「……其方とは、ゆっくり話がしたい」
地女「し、しかし……その、もうねむねむなのだ、すまぬな……!」
地女(バレているのか!? ええい、どっちなのだ!?)
聖女「――わあっ! このお菓子、美味しいですね!」
魔王「人の作った嗜好品なれど、中々のものだ」
地女「うむ!」
地女「では……歯を磨いて寝ることにするのだ」
魔王「――待て」
地女「!? な、何か……?」
魔王「……其方とは、ゆっくり話がしたい」
地女「し、しかし……その、もうねむねむなのだ、すまぬな……!」
地女(バレているのか!? ええい、どっちなのだ!?)
193: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/05(月) 22:58:23.55 ID:JcT9AcbUo
聖女「でも……眠いのなら、寝た方が良いですよ」
聖女「……あんな事があった後ですし」
地女「!」
地女(祝福の聖女よ、素晴らしい支援だ!)
地女(やはり、頼れるものは仲間というものよ!)
魔王「ならば、此処で眠れば良いだろう?」
魔王「剣の乙女は、勇者を追って居ないのだから」
地女「!?」
地女(……それすらも上回るか!)
地女(ぬうう! 希望を砕き、絶望を与えるとは……!)
聖女「……あんな事があった後ですし」
地女「!」
地女(祝福の聖女よ、素晴らしい支援だ!)
地女(やはり、頼れるものは仲間というものよ!)
魔王「ならば、此処で眠れば良いだろう?」
魔王「剣の乙女は、勇者を追って居ないのだから」
地女「!?」
地女(……それすらも上回るか!)
地女(ぬうう! 希望を砕き、絶望を与えるとは……!)
194: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/05(月) 23:10:48.85 ID:JcT9AcbUo
聖女「ええ、と……どう、しますか?」
地女「いや、遠慮しておこう!」
魔王「何? 余の命に逆らうと?」
地女「っ……!?」
地女「……こればかりは、聞けぬ!」
地女「例え……誰に命じられようとも!」
聖女「えっ、は……はい……」
魔王「……」
地女「いや、遠慮しておこう!」
魔王「何? 余の命に逆らうと?」
地女「っ……!?」
地女「……こればかりは、聞けぬ!」
地女「例え……誰に命じられようとも!」
聖女「えっ、は……はい……」
魔王「……」
195: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/05(月) 23:16:44.71 ID:JcT9AcbUo
・ ・ ・
地女「……」
地女(せえええええふ! 離脱に成功した!)
地女(後は、魔王様が帰ったら……姿を消すだけだな!)
地女(どこか遠く……俺の魔力を隠してくれる、聖なる……)
地女「……安息の地へ!」
「――行かさぬ」
地女「へっ――?」
…とぷんっ!
地女「……」
地女(せえええええふ! 離脱に成功した!)
地女(後は、魔王様が帰ったら……姿を消すだけだな!)
地女(どこか遠く……俺の魔力を隠してくれる、聖なる……)
地女「……安息の地へ!」
「――行かさぬ」
地女「へっ――?」
…とぷんっ!
196: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/05(月) 23:19:46.48 ID:JcT9AcbUo
地女「――ぬうっ、おお……!?」
魔王「ようこそ、大地の魔女……」
魔王「……いや」
地女「……!」
魔王「魔王軍、四天王が一人――」
魔王「――地の四天王よ」
地女「……」
魔王「……」
魔王「ようこそ、大地の魔女……」
魔王「……いや」
地女「……!」
魔王「魔王軍、四天王が一人――」
魔王「――地の四天王よ」
地女「……」
魔王「……」
197: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/05(月) 23:23:45.61 ID:JcT9AcbUo
魔王「……余の魔眼を欺けると思ったか?」
地女「……」
パァァ…
…ァァァ
地の四天王(以下、地王)「……」
地王「……お久しぶりです、魔王様」
魔王「……」
地王「……」
地女「……」
パァァ…
…ァァァ
地の四天王(以下、地王)「……」
地王「……お久しぶりです、魔王様」
魔王「……」
地王「……」
198: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/05(月) 23:26:00.07 ID:JcT9AcbUo
魔王「……地の四天王よ」
地王「……はっ」
魔王「……」
地王「……」
魔王「――俺より強いやつに会いに行く」
魔王「それは……光の勇者の事だったのだな」
地王「……」
地王「…………」
地王「その通りでございます!!」
地王「……はっ」
魔王「……」
地王「……」
魔王「――俺より強いやつに会いに行く」
魔王「それは……光の勇者の事だったのだな」
地王「……」
地王「…………」
地王「その通りでございます!!」
199: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/05(月) 23:33:18.62 ID:JcT9AcbUo
魔王「確かに……前よりも、力をつけている」
地王「お褒めに預かり、恐悦至極!!」
魔王「だが……其方の勝手な振る舞いは、不快極まりない」
地王「そ、それは……!」
魔王「許してほしくば……」
魔王「……」
魔王「……――強く、抱きしめよ」
地王「っ……!」
地王「お褒めに預かり、恐悦至極!!」
魔王「だが……其方の勝手な振る舞いは、不快極まりない」
地王「そ、それは……!」
魔王「許してほしくば……」
魔王「……」
魔王「……――強く、抱きしめよ」
地王「っ……!」
200: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/05(月) 23:41:23.79 ID:JcT9AcbUo
・ ・ ・
地王『――というわけでな!?』
地王『引き続き、お前のパーティーに居続ける事になったぞ!』
地王『力を付け、必ず戻って来いとのご命令だ!』
地王『俺は……俺は、命の危機を乗り越えたのだ!』
地王『……だが、問題は全て解決した訳ではない』
地王『素面の状態で……影の中で、三回 ちゃったのだ!』
光の勇者(以下、勇者)「ゴミみてえな思念波飛ばしてくんじゃねえよ!!」
地王『――というわけでな!?』
地王『引き続き、お前のパーティーに居続ける事になったぞ!』
地王『力を付け、必ず戻って来いとのご命令だ!』
地王『俺は……俺は、命の危機を乗り越えたのだ!』
地王『……だが、問題は全て解決した訳ではない』
地王『素面の状態で……影の中で、三回 ちゃったのだ!』
光の勇者(以下、勇者)「ゴミみてえな思念波飛ばしてくんじゃねえよ!!」
201: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/05(月) 23:50:13.45 ID:JcT9AcbUo
地王『仕方あるまい! 俺も……男なのだ!』
勇者「お前のせいで、俺は追われてるんだぞ!?」
地王『魔王様は、ちょこちょこ会いに来ると言っていた』
勇者「だったらお前もう帰れよおおおおお!!」
―ヒュッ!
勇者「っ、うおおおっ!?」
剣の乙女(以下、乙女)「避けるな……!」
勇者「まっ、ままっ、待て! 頼む、話し合おう!」
地王『あ、結局の所、俺は剣の乙女と ちゃってたか?』
乙女「女の敵め!」
勇者「――どっちも、今話し中だ!!」
おわり
勇者「お前のせいで、俺は追われてるんだぞ!?」
地王『魔王様は、ちょこちょこ会いに来ると言っていた』
勇者「だったらお前もう帰れよおおおおお!!」
―ヒュッ!
勇者「っ、うおおおっ!?」
剣の乙女(以下、乙女)「避けるな……!」
勇者「まっ、ままっ、待て! 頼む、話し合おう!」
地王『あ、結局の所、俺は剣の乙女と ちゃってたか?』
乙女「女の敵め!」
勇者「――どっちも、今話し中だ!!」
おわり
206: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/06(火) 21:48:32.89 ID:c5E94vi1o
書きます
火の四天王「剣の乙女よ、礼を言わせてくれ」
火の四天王「剣の乙女よ、礼を言わせてくれ」
207: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/06(火) 21:52:40.57 ID:c5E94vi1o
剣の乙女(以下、乙女)「礼? 何のかしら?」
火の四天王(以下、火王)「婚約に関する話だ」
乙女「……ああ、あの話ね」
火王「おかげで、婚約を解消せずに済んだぞ」
火王「――やっぱり、嫁には行かせたくない」
火王「全く……パパは、子離れが出来なくて困る」
乙女「私は、貴女が『パパ』呼びなのにも未だ戸惑ってるわ」
火の四天王(以下、火王)「婚約に関する話だ」
乙女「……ああ、あの話ね」
火王「おかげで、婚約を解消せずに済んだぞ」
火王「――やっぱり、嫁には行かせたくない」
火王「全く……パパは、子離れが出来なくて困る」
乙女「私は、貴女が『パパ』呼びなのにも未だ戸惑ってるわ」
208: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/06(火) 21:57:39.89 ID:c5E94vi1o
火王「!? ち、父上! 父上だ!」
乙女「別にいいわよ、今更取り繕わなくたって」
火王「だが……私にも、体面というものがある」
乙女「ふぅん?」
乙女「――婚約を解消しろ」
乙女「そう言われて、半ベソかいてたのは誰かしら?」
火王「あわっ、わ、忘れてくれ!///」
乙女「別にいいわよ、今更取り繕わなくたって」
火王「だが……私にも、体面というものがある」
乙女「ふぅん?」
乙女「――婚約を解消しろ」
乙女「そう言われて、半ベソかいてたのは誰かしら?」
火王「あわっ、わ、忘れてくれ!///」
209: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/06(火) 22:02:37.79 ID:c5E94vi1o
乙女「それで? どう説得したの?」
火王「お前の助言通り、マ……母上に協力を仰いだ」
乙女「大喧嘩にでもなった?」
火王「いや、そんな事はない」
火王「――今の、私の様な幸せをこの子にも」
火王「そう母上が言ったら、娘の前だと言うのに……全く!」
乙女「……熱々じゃないの」
火王「お前の助言通り、マ……母上に協力を仰いだ」
乙女「大喧嘩にでもなった?」
火王「いや、そんな事はない」
火王「――今の、私の様な幸せをこの子にも」
火王「そう母上が言ったら、娘の前だと言うのに……全く!」
乙女「……熱々じゃないの」
210: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/06(火) 22:07:31.10 ID:c5E94vi1o
乙女「でも、貴女の婚約者は行方知れずなのよね」
火王「ああ、だが……奴なら必ず戻ってくる」
乙女「ねえ、どうしてそこまで信じられるの?」
火王「? 何を言っている」
火王「――信じる力の強さ」
火王「それをよく知っているのは、お前達だろう」
乙女「……呆れる位、真っ直ぐなのね」
火王「ああ、だが……奴なら必ず戻ってくる」
乙女「ねえ、どうしてそこまで信じられるの?」
火王「? 何を言っている」
火王「――信じる力の強さ」
火王「それをよく知っているのは、お前達だろう」
乙女「……呆れる位、真っ直ぐなのね」
211: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/06(火) 22:13:39.33 ID:c5E94vi1o
火王「奴も、私を信じてくれている」
乙女「でなきゃ、書き置きだけ残して居なくならない、か」
火王「ああ、そうだとも!」
乙女「とっても素敵な人なのね」
火王「うん!!(ボワッ)」
乙女「熱い!」
乙女「盛り上がるのは良いけど、ブレスはやめて頂戴!」
乙女「でなきゃ、書き置きだけ残して居なくならない、か」
火王「ああ、そうだとも!」
乙女「とっても素敵な人なのね」
火王「うん!!(ボワッ)」
乙女「熱い!」
乙女「盛り上がるのは良いけど、ブレスはやめて頂戴!」
212: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/06(火) 22:18:11.05 ID:c5E94vi1o
乙女「でも……そんなに素敵な人なら、心配ね」
火王「? 何がだ?」
乙女「浮気しないか、よ」
火王「……」
火王「……!」プルプル
火王「……!」ジワァ…
乙女「じょっ、冗談よ!」
乙女「あああ、泣かないで頂戴! 冗談だから!」
火王「? 何がだ?」
乙女「浮気しないか、よ」
火王「……」
火王「……!」プルプル
火王「……!」ジワァ…
乙女「じょっ、冗談よ!」
乙女「あああ、泣かないで頂戴! 冗談だから!」
213: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/06(火) 22:25:33.94 ID:c5E94vi1o
火王「……すまない、想像したら悲しくなった」
乙女「その人の事、本当に好きなのね」
火王「……ああ! 勿論だ!」
乙女「他に、良い人が居るかも知れないのに?」
火王「……私の顔が、今よりも鱗に覆われていた幼き頃」
火王「火龍王の娘だからと、誰もが愛想笑いを向ける中……」
火王「……奴だけが、私に言った」
火王「――ブス」
火王「……とな」ニコッ
乙女「……笑える台詞じゃないと思うけれどね」
乙女「その人の事、本当に好きなのね」
火王「……ああ! 勿論だ!」
乙女「他に、良い人が居るかも知れないのに?」
火王「……私の顔が、今よりも鱗に覆われていた幼き頃」
火王「火龍王の娘だからと、誰もが愛想笑いを向ける中……」
火王「……奴だけが、私に言った」
火王「――ブス」
火王「……とな」ニコッ
乙女「……笑える台詞じゃないと思うけれどね」
214: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/06(火) 22:34:36.86 ID:c5E94vi1o
乙女「周囲の者達が、黙ってなかったでしょうに」
火王「当然、怒り狂ったぞ! 尤も、内心ではどうか知らんが!」
乙女「火龍王は?」
火王「なんと、あまりの怒りにひっくり返ってな! ははは!」
火王「それがおかしくて、思わず笑ってしまった私を見て……」
火王「……奴は――」
火王「――可愛い!」
火王「……と、言ったんだ!(ボワッ)///」
乙女「……物凄い手のひら返しよね」
火王「当然、怒り狂ったぞ! 尤も、内心ではどうか知らんが!」
乙女「火龍王は?」
火王「なんと、あまりの怒りにひっくり返ってな! ははは!」
火王「それがおかしくて、思わず笑ってしまった私を見て……」
火王「……奴は――」
火王「――可愛い!」
火王「……と、言ったんだ!(ボワッ)///」
乙女「……物凄い手のひら返しよね」
215: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/06(火) 22:41:50.22 ID:c5E94vi1o
火王「……本当に、単純な奴なんだ」
乙女「ねえ、この話もう何度も聞いてるんだけど」
火王「それでな!(ボワッ)/// それでな!(ボワッ)///」
乙女「……続けるのね」
火王「――この子の可愛さを引き出すとは、さすが火龍王!」
火王「――俺にも、そのひっくり返り方を教えて欲しいのだ!」
火王「……なんてな?(ボワッ)/// なんてな?(ボワッ)///」
乙女「……火龍王が親馬鹿で助かったのよね」
乙女「ねえ、この話もう何度も聞いてるんだけど」
火王「それでな!(ボワッ)/// それでな!(ボワッ)///」
乙女「……続けるのね」
火王「――この子の可愛さを引き出すとは、さすが火龍王!」
火王「――俺にも、そのひっくり返り方を教えて欲しいのだ!」
火王「……なんてな?(ボワッ)/// なんてな?(ボワッ)///」
乙女「……火龍王が親馬鹿で助かったのよね」
216: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/06(火) 22:49:36.49 ID:c5E94vi1o
火王「……奴のこの馬鹿さは、年月を重ねても変わらなかった」
乙女「それを信じ続ける貴女も、馬鹿だと思うけどね」
火王「む」
乙女「でも、まあ……嫌いじゃないわよ、そういうの」
火王「おっと、私に手を出そうとするなよ?」
火王「確かに、お前は良き友人ではある」
火王「だが、私は浮気は絶対にしない」
乙女「……あのね、私の事を何だと思ってるわけ?」
乙女「それを信じ続ける貴女も、馬鹿だと思うけどね」
火王「む」
乙女「でも、まあ……嫌いじゃないわよ、そういうの」
火王「おっと、私に手を出そうとするなよ?」
火王「確かに、お前は良き友人ではある」
火王「だが、私は浮気は絶対にしない」
乙女「……あのね、私の事を何だと思ってるわけ?」
217: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/06(火) 22:55:41.26 ID:c5E94vi1o
乙女「私は、運命の相手が女性だっただけよ」
火王「運命か……なら、私と奴も運命で結ばれている」
乙女「随分と自信ありげじゃない」
火王「私は、案外ロマンチストなんだ」
ガチャッ!
大地の魔女(以下、地女)「剣の乙女よ、飲みに行くのだ!」
乙女・火王「ん」
地女「……」
バタンッ!
乙女・火王「……」
火王「運命か……なら、私と奴も運命で結ばれている」
乙女「随分と自信ありげじゃない」
火王「私は、案外ロマンチストなんだ」
ガチャッ!
大地の魔女(以下、地女)「剣の乙女よ、飲みに行くのだ!」
乙女・火王「ん」
地女「……」
バタンッ!
乙女・火王「……」
218: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/06(火) 23:03:22.55 ID:c5E94vi1o
・ ・ ・
地女「……!」
地女(ぬうう! 何ということだ!)
地女(剣の乙女と、火の四天王が裏が繋がっていたとは!)
地女(勇者と聖女が二人で話すから……と)
地女(気を利かせて、飲みに出ようと思ったのが間違いであったか!)
地女「今は……今は、此処を離れねば!」
乙女「の……飲みに行くって……その///」モジモジ
地女「!? いつの間に背後に!?」
乙女「あ……あ、愛の力で///」
地女「……!」
地女(ぬうう! 何ということだ!)
地女(剣の乙女と、火の四天王が裏が繋がっていたとは!)
地女(勇者と聖女が二人で話すから……と)
地女(気を利かせて、飲みに出ようと思ったのが間違いであったか!)
地女「今は……今は、此処を離れねば!」
乙女「の……飲みに行くって……その///」モジモジ
地女「!? いつの間に背後に!?」
乙女「あ……あ、愛の力で///」
219: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/06(火) 23:10:15.71 ID:c5E94vi1o
・ ・ ・
乙女「――紹介するわ、この子が……」
地女「……大地の魔女なのだ」
火王「私は、魔王軍幹部の一人、火の四天王」
乙女「……どう? 私の、運命の相手は///」
火王「そうだな……」
火王「見た所、かなりの使い手の様だ」
火王「私達、四天王にも勝るとも劣らない魔力を秘めている」
地女「そ……そんなでもないぞ」
地女(せええええふ! せふせふせええええふ!!)
地女(魔王様と違い、魔眼が無いのでバレてはいない!)
乙女「――紹介するわ、この子が……」
地女「……大地の魔女なのだ」
火王「私は、魔王軍幹部の一人、火の四天王」
乙女「……どう? 私の、運命の相手は///」
火王「そうだな……」
火王「見た所、かなりの使い手の様だ」
火王「私達、四天王にも勝るとも劣らない魔力を秘めている」
地女「そ……そんなでもないぞ」
地女(せええええふ! せふせふせええええふ!!)
地女(魔王様と違い、魔眼が無いのでバレてはいない!)
220: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/06(火) 23:17:04.33 ID:c5E94vi1o
地女「……」
地女(だが、いずれはボロが出るかも知れん!)
地女(俺が、地の四天王だと知られる前に……離脱せねば!)
地女(ええい! これが、運命の悪戯というやつか!)
地女「……それじゃ、あとは二人で」
「「二人で?」」
地女「むう?」
乙女「二人になるのは……三人で飲んでからでも、ね?///」モジモジ
火王「……あまり、見せつけてくれるなよ?」
地女「……むおお!?」
地女(だが、いずれはボロが出るかも知れん!)
地女(俺が、地の四天王だと知られる前に……離脱せねば!)
地女(ええい! これが、運命の悪戯というやつか!)
地女「……それじゃ、あとは二人で」
「「二人で?」」
地女「むう?」
乙女「二人になるのは……三人で飲んでからでも、ね?///」モジモジ
火王「……あまり、見せつけてくれるなよ?」
地女「……むおお!?」
221: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/06(火) 23:24:34.31 ID:c5E94vi1o
・ ・ ・
ダダダダッ、ガチャッ!
地女「――光の勇者よ、まずい事になった!」
光の勇者(以下、勇者)「っ!? な、何だ!?」
地女「あ、ファーストキスおめでとうと言っておこう」
勇者「……お前、何で知ってんの!?」
地女「酔って、朝起きたら火の四天王と剣の乙女がベッドに居たのだ!」
地女「恐らくだが、二人まとめて ちゃったのだ!」
勇者「お前、何やってんの!?」
ダダダダッ、ガチャッ!
地女「――光の勇者よ、まずい事になった!」
光の勇者(以下、勇者)「っ!? な、何だ!?」
地女「あ、ファーストキスおめでとうと言っておこう」
勇者「……お前、何で知ってんの!?」
地女「酔って、朝起きたら火の四天王と剣の乙女がベッドに居たのだ!」
地女「恐らくだが、二人まとめて ちゃったのだ!」
勇者「お前、何やってんの!?」
222: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/06(火) 23:32:10.14 ID:c5E94vi1o
地女「そりゃあお前、夜で人気が無いとは言え、なぁ」
勇者「お前、広場の噴水の前……通ってたのか!?」
地女「うむ! あそこがムードが良いと、助言したのは俺だ!」
勇者「お前……なんっ、どこまで見てたんだ!?」
地女「だが、光の勇者よ! 見損なったぞ!」
地女「祝福の聖女が、不意打ちとは言えチュッとしてきたのだ!」
地女「男ならば、ガバッと抱きしめブチュッとすべきだろうが!」
勇者「ほぼほぼ見てんじゃねえかあああああ!!」
勇者「お前、広場の噴水の前……通ってたのか!?」
地女「うむ! あそこがムードが良いと、助言したのは俺だ!」
勇者「お前……なんっ、どこまで見てたんだ!?」
地女「だが、光の勇者よ! 見損なったぞ!」
地女「祝福の聖女が、不意打ちとは言えチュッとしてきたのだ!」
地女「男ならば、ガバッと抱きしめブチュッとすべきだろうが!」
勇者「ほぼほぼ見てんじゃねえかあああああ!!」
223: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/06(火) 23:43:09.18 ID:c5E94vi1o
地女「不意打ちに対処出来なければ、この先はもっと危険だぞ」
勇者「この野郎……!」
地女「ふはは、既に歯車は動き始めた!」
勇者「手を……手を出さないようにしてたのに!」
地女「ふはは! 無駄だが、気をつける事だな!」
地女「ふははははっ! はっははははは!」
地女「……だが、突然キスされたとはいえな?」
地女「呆けるだけというのは、さすがにいかんと思うぞ」
勇者「……頼む、言うな」
勇者「この野郎……!」
地女「ふはは、既に歯車は動き始めた!」
勇者「手を……手を出さないようにしてたのに!」
地女「ふはは! 無駄だが、気をつける事だな!」
地女「ふははははっ! はっははははは!」
地女「……だが、突然キスされたとはいえな?」
地女「呆けるだけというのは、さすがにいかんと思うぞ」
勇者「……頼む、言うな」
224: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/06(火) 23:47:24.91 ID:c5E94vi1o
地女「……まあ、説教はこの位にするとしてだ!」
勇者「そ、そうだ! お前、二人まとめてって……」
地女「だが……不幸中の幸いだったぞ」
勇者「……何がだよ」
地女「二人は、まだ起きていなかったからな?」
地女「こう……俺が居た形跡を消し、コッソリ抜け出してきたのだ」
勇者「……」
勇者「……いや、お前それ――」
勇者「そ、そうだ! お前、二人まとめてって……」
地女「だが……不幸中の幸いだったぞ」
勇者「……何がだよ」
地女「二人は、まだ起きていなかったからな?」
地女「こう……俺が居た形跡を消し、コッソリ抜け出してきたのだ」
勇者「……」
勇者「……いや、お前それ――」
225: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/06(火) 23:51:31.01 ID:c5E94vi1o
・ ・ ・
火王「……ん……む……朝か」
火王「此処は、一体……それに……裸?」
火王「痛っ!? 飲みすぎて、何も覚えて――」
乙女「ん……う~ん」
火王「……」
火王「!?」
乙女「激し……むにゃむにゃ」
火王「!!!???」
火王「……ん……む……朝か」
火王「此処は、一体……それに……裸?」
火王「痛っ!? 飲みすぎて、何も覚えて――」
乙女「ん……う~ん」
火王「……」
火王「!?」
乙女「激し……むにゃむにゃ」
火王「!!!???」
226: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/07(水) 00:01:56.81 ID:eXgVFMmJo
火王「つ……剣の乙女?」
乙女「……ん~?」
火王「お、起きろ! 起きてくれ!」
乙女「…………おはよう」
火王「ではなく! 昨晩、一体何があった!?」
火王「わ、わた……お前と!?」
乙女「……まあ、良いわよ」
乙女「運命って言うのは、どう転ぶかわからないものね」クスリ
火王「さすがに爛れすぎだろう!」
おわり
乙女「……ん~?」
火王「お、起きろ! 起きてくれ!」
乙女「…………おはよう」
火王「ではなく! 昨晩、一体何があった!?」
火王「わ、わた……お前と!?」
乙女「……まあ、良いわよ」
乙女「運命って言うのは、どう転ぶかわからないものね」クスリ
火王「さすがに爛れすぎだろう!」
おわり
229: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/07(水) 21:17:51.01 ID:eXgVFMmJo
書きます
大地の魔女「光の勇者よ、状況を整理しよう」
大地の魔女「光の勇者よ、状況を整理しよう」
230: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/07(水) 21:21:22.66 ID:eXgVFMmJo
光の勇者(以下、勇者)「……まあ、そうだな」
大地の魔女(以下、地女)「どうした、嫌そうな顔をして」
勇者「お前な……楽しい話じゃないだろ」
地女「では、早速だが!」
地女「大地の魔女という美少女は仮の姿!」
地女「この俺は、魔王軍四天王が一人――地の四天王なのだ!」
勇者「楽しそうに話すんじゃねえってんだよ!!」
大地の魔女(以下、地女)「どうした、嫌そうな顔をして」
勇者「お前な……楽しい話じゃないだろ」
地女「では、早速だが!」
地女「大地の魔女という美少女は仮の姿!」
地女「この俺は、魔王軍四天王が一人――地の四天王なのだ!」
勇者「楽しそうに話すんじゃねえってんだよ!!」
231: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/07(水) 21:26:26.05 ID:eXgVFMmJo
地女「本来の姿は、鍛え上げられた鋼の肉体を持つ男の中の男!」
勇者「女の敵の間違いだろうが」
地女「何を言う、光の勇者よ」
勇者「……あん?」
地女「俺は、ただ酔って ちゃっただけなのだ」
地女「あまり人聞きの悪い表現はやめて貰おう」
勇者「どう聞いても人聞きが悪いわ!!」
勇者「女の敵の間違いだろうが」
地女「何を言う、光の勇者よ」
勇者「……あん?」
地女「俺は、ただ酔って ちゃっただけなのだ」
地女「あまり人聞きの悪い表現はやめて貰おう」
勇者「どう聞いても人聞きが悪いわ!!」
232: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/07(水) 21:29:48.11 ID:eXgVFMmJo
勇者「酔って色々と手を出して逃げて来た奴が、よくもまあ……」
地女「まあ、何とかなるだろう!」
勇者「お前、どうしてそんなに前向きなんだよ!?」
地女「知れたことよ」
地女「……光の勇者」
地女「敵とは言え、頼りにしているぞ」
勇者「お前の、その俺への信頼は何なの!?」
地女「まあ、何とかなるだろう!」
勇者「お前、どうしてそんなに前向きなんだよ!?」
地女「知れたことよ」
地女「……光の勇者」
地女「敵とは言え、頼りにしているぞ」
勇者「お前の、その俺への信頼は何なの!?」
233: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/07(水) 21:34:35.98 ID:eXgVFMmJo
勇者「姿を変えてるとは言え、魔王にはバレたんだろ?」
地女「ああ、魔王様の魔眼は欺けなかったのだ」
勇者「……お前、よく殺されなかったな」
地女「バレて影に引きずり込まれた時は、肝を冷やしたぞ!」
地女「だがまあ、今後はちょこちょこ会いに来るそうなのだ」
地女「――余とお前、二人だけの秘密だな」
地女「……と、嬉しそうに笑っていた」
地女「魔王様もお喜びのようで、俺も鼻が高いわ!」
勇者「勇者パーティーと魔王城で遠距離恋愛すんじゃねえよ!!」
地女「ああ、魔王様の魔眼は欺けなかったのだ」
勇者「……お前、よく殺されなかったな」
地女「バレて影に引きずり込まれた時は、肝を冷やしたぞ!」
地女「だがまあ、今後はちょこちょこ会いに来るそうなのだ」
地女「――余とお前、二人だけの秘密だな」
地女「……と、嬉しそうに笑っていた」
地女「魔王様もお喜びのようで、俺も鼻が高いわ!」
勇者「勇者パーティーと魔王城で遠距離恋愛すんじゃねえよ!!」
234: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/07(水) 21:40:23.38 ID:eXgVFMmJo
勇者「っていうか、剣の乙女と火の四天王はどうするんだ!」
地女「どう、とは?」
勇者「なんでキョトンとしてるんだよ!?」
地女「何を言っている」
地女「酔っていて、俺もほとんど覚えていないのだ」
地女「それに、どちらも ちゃった時、俺は女の姿だった」
地女「加えて、俺が地の四天王だとは気付かれていない」
地女「まあ……女同士なら、セーフだろう! うむ、セーフ!」
勇者「放ったらかしにしとくつもりかよ!?」
地女「どう、とは?」
勇者「なんでキョトンとしてるんだよ!?」
地女「何を言っている」
地女「酔っていて、俺もほとんど覚えていないのだ」
地女「それに、どちらも ちゃった時、俺は女の姿だった」
地女「加えて、俺が地の四天王だとは気付かれていない」
地女「まあ……女同士なら、セーフだろう! うむ、セーフ!」
勇者「放ったらかしにしとくつもりかよ!?」
235: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/07(水) 21:45:38.21 ID:eXgVFMmJo
勇者「それに、他にもまだ居るだろう!」
地女「ああ、だが……水の四天王ならば心配ないぞ」
勇者「いや、お前……この状況を知ったら怒り狂いそうだって」
地女「まず、間違い無く俺の命を狙ってくるだろう」
地女「――だが、案ずるな! 光の勇者よ!」
地女「お前の聖剣と光の加護!」
地女「祝福の聖女の支援と回復!」
地女「剣の乙女の圧倒的な剣技!」
地女「そこに! この俺が加われば……恐るるに足りん!」
勇者「お前、その発言最悪すぎるぞ!!」
地女「ああ、だが……水の四天王ならば心配ないぞ」
勇者「いや、お前……この状況を知ったら怒り狂いそうだって」
地女「まず、間違い無く俺の命を狙ってくるだろう」
地女「――だが、案ずるな! 光の勇者よ!」
地女「お前の聖剣と光の加護!」
地女「祝福の聖女の支援と回復!」
地女「剣の乙女の圧倒的な剣技!」
地女「そこに! この俺が加われば……恐るるに足りん!」
勇者「お前、その発言最悪すぎるぞ!!」
236: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/07(水) 21:51:17.79 ID:eXgVFMmJo
地女「地は水に有利とは言え、万が一もあるからな!」
勇者「絶対に手は貸さないからな!?」
地女「何!? 仲間を見捨てるというのか!?」
勇者「そもそも、属性の有利不利なら風の四天王はどうするんだよ!」
地女「……あー……風の四天王か」
地女「奴はなぁ……うむむ、どうするか……」
勇者「……ん?」
勇者「絶対に手は貸さないからな!?」
地女「何!? 仲間を見捨てるというのか!?」
勇者「そもそも、属性の有利不利なら風の四天王はどうするんだよ!」
地女「……あー……風の四天王か」
地女「奴はなぁ……うむむ、どうするか……」
勇者「……ん?」
237: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/07(水) 22:01:53.07 ID:eXgVFMmJo
勇者「なんだ、妙に歯切れが悪いじゃないか」
地女「風の四天王は、男の格好をしていただろう?」
勇者「まあ……俺達は男だと思ってたんだけどな」
地女「それでな……少し、悪いと思っているのだ」
地女「風の四天王は……体は女、心は男だったのかも知れん」
地女「だが、酔った勢いで ちゃってだな?」
地女「体は女、心は男……しかし、目覚めさせてしまったのだろう」
地女「この責任は……どう取るべきか……!」
勇者「お前、気遣う所おかしいぞ」
地女「風の四天王は、男の格好をしていただろう?」
勇者「まあ……俺達は男だと思ってたんだけどな」
地女「それでな……少し、悪いと思っているのだ」
地女「風の四天王は……体は女、心は男だったのかも知れん」
地女「だが、酔った勢いで ちゃってだな?」
地女「体は女、心は男……しかし、目覚めさせてしまったのだろう」
地女「この責任は……どう取るべきか……!」
勇者「お前、気遣う所おかしいぞ」
238: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/07(水) 22:05:53.77 ID:eXgVFMmJo
地女「おかしくはないぞ、光の勇者よ!」
勇者「いや、おかしいっての!」
地女「ええい、わからんのか!?」
勇者「わかんねえっつってんだろうが!」
地女「酔った勢いで、お前が今の俺を ちゃってだな」
地女「俺が、目覚めてしまったとしたら……どう思う?」
勇者「それは……なんか申し訳なくなるな」
勇者「……」
勇者「いやお前、変な想像させんじゃねえよ!!」
勇者「いや、おかしいっての!」
地女「ええい、わからんのか!?」
勇者「わかんねえっつってんだろうが!」
地女「酔った勢いで、お前が今の俺を ちゃってだな」
地女「俺が、目覚めてしまったとしたら……どう思う?」
勇者「それは……なんか申し訳なくなるな」
勇者「……」
勇者「いやお前、変な想像させんじゃねえよ!!」
239: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/07(水) 22:13:12.40 ID:eXgVFMmJo
地女「だが、俺の言いたい事はわかっただろう」
勇者「……まあ、何となく」
地女「勇者よ……もしそうなった時、お前ならばどうする?」
勇者「……一つ、無かったことに」
「――出来ると思うかい?」
勇者・地女「!?」
風の四天王(以下、風王)「やあ、御機嫌よう」
勇者・地女「!!?」
勇者「……まあ、何となく」
地女「勇者よ……もしそうなった時、お前ならばどうする?」
勇者「……一つ、無かったことに」
「――出来ると思うかい?」
勇者・地女「!?」
風の四天王(以下、風王)「やあ、御機嫌よう」
勇者・地女「!!?」
240: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/07(水) 22:18:03.87 ID:eXgVFMmJo
勇者「か、風の四天王!?」
地女「ど、どうして此処に!?」
風王「僕は、捜し物が得意でね」
風王「君を見つけた方法は……教えられないな」
風王「だって……また、逃げた時に困るだろう?」
風王「そうは思わないかい?」
風王「――地の四天王」
地女「くっ……勇者よ、どうする!?」
勇者「ここで俺に振るんじゃねえよ!!」
地女「ど、どうして此処に!?」
風王「僕は、捜し物が得意でね」
風王「君を見つけた方法は……教えられないな」
風王「だって……また、逃げた時に困るだろう?」
風王「そうは思わないかい?」
風王「――地の四天王」
地女「くっ……勇者よ、どうする!?」
勇者「ここで俺に振るんじゃねえよ!!」
241: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/07(水) 22:25:13.72 ID:eXgVFMmJo
風王「それと、勘違いを訂正しておくよ」
風王「僕は、元々身も心も女さ」
風王「男の格好をしていたのは……ちょっとした趣味かな」
風王「だから……ふふっ、君が気に病む必要なないよ」
地女「おおっ、そうだったのか!」
地女「ならば、良し!」
地女「感謝するぞ、風の四天王よ! 心が軽くなった!」
風王「……」
勇者「空気が重くなってんだよおおおおお!!」
風王「僕は、元々身も心も女さ」
風王「男の格好をしていたのは……ちょっとした趣味かな」
風王「だから……ふふっ、君が気に病む必要なないよ」
地女「おおっ、そうだったのか!」
地女「ならば、良し!」
地女「感謝するぞ、風の四天王よ! 心が軽くなった!」
風王「……」
勇者「空気が重くなってんだよおおおおお!!」
242: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/07(水) 22:31:52.35 ID:eXgVFMmJo
風王「……地の四天王」
風王「このまま、僕と一緒に戻ろう」
地女「すまんが、それは出来ん」
風王「どっ、どうしてだい?」
風王「何か、理由でもあるのかい!?」
地女「それは……」チラッ
勇者「……」
地女「すまんが、それは言えん」
風王「っ……!」ギロッ!
勇者「……えっ?」
風王「このまま、僕と一緒に戻ろう」
地女「すまんが、それは出来ん」
風王「どっ、どうしてだい?」
風王「何か、理由でもあるのかい!?」
地女「それは……」チラッ
勇者「……」
地女「すまんが、それは言えん」
風王「っ……!」ギロッ!
勇者「……えっ?」
243: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/07(水) 22:38:28.92 ID:eXgVFMmJo
風王「そうか……君が、地の四天王を……!」ギロッ!
勇者「いや! いやいや待て待て! はっ!?」
地女「違う! 光の勇者は、悪くないのだ!」
風王「っ!? ゆ、勇者を庇うのかい……!?」
地女「そうではないのだ、風の四天王よ!」
勇者「そっ、そうだ! 風の四天王、勘違いはよせ!」
風王「……ふ……ふふふ」
風王「君たち……随分と、仲が良いじゃないか!」
地女「うむ、仲は良いな」
勇者「お前ちょっと黙っててくんない!?」
勇者「いや! いやいや待て待て! はっ!?」
地女「違う! 光の勇者は、悪くないのだ!」
風王「っ!? ゆ、勇者を庇うのかい……!?」
地女「そうではないのだ、風の四天王よ!」
勇者「そっ、そうだ! 風の四天王、勘違いはよせ!」
風王「……ふ……ふふふ」
風王「君たち……随分と、仲が良いじゃないか!」
地女「うむ、仲は良いな」
勇者「お前ちょっと黙っててくんない!?」
244: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/07(水) 22:45:40.31 ID:eXgVFMmJo
風王「……もう一度だけ聞くよ」
風王「地の四天王、僕と一緒に戻ろう」
地女「俺の答えは変わらん」
勇者「いやもう、帰れって! 頼むから!」
風王「ふふ……あははははっ!」
風王「こんな屈辱、生まれて初めてだよ!」
風王「……!」ギロッ!
勇者「ほらああああ!! 俺を睨んでるじゃねえかあああ!!」
風王「地の四天王、僕と一緒に戻ろう」
地女「俺の答えは変わらん」
勇者「いやもう、帰れって! 頼むから!」
風王「ふふ……あははははっ!」
風王「こんな屈辱、生まれて初めてだよ!」
風王「……!」ギロッ!
勇者「ほらああああ!! 俺を睨んでるじゃねえかあああ!!」
245: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/07(水) 22:52:11.31 ID:eXgVFMmJo
風王「そうか……地の四天王、君は……」
風王「……女の、僕よりも――」
勇者「おいコラ、テメエ! 早く誤解を解け! 早ーく!!」
風王「――そこの……男の、光の勇者を選ぶんだね」
地女「む? いやいや、何を言っているのだ?」
地女「そういう意味で選ぶなら、女のお前を選ぶぞ?」
地女「それに、お前は美人だしな!」
風王「……」
風王「えっ? はっ……えっ?」
風王「……女の、僕よりも――」
勇者「おいコラ、テメエ! 早く誤解を解け! 早ーく!!」
風王「――そこの……男の、光の勇者を選ぶんだね」
地女「む? いやいや、何を言っているのだ?」
地女「そういう意味で選ぶなら、女のお前を選ぶぞ?」
地女「それに、お前は美人だしな!」
風王「……」
風王「えっ? はっ……えっ?」
246: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/07(水) 23:03:02.26 ID:eXgVFMmJo
・ ・ ・
地女「――ふはは! 光の勇者よ、風の四天王を退けたな!」
勇者「呑気に笑ってんじゃねえよ!!」
地女「……ふっ、慌てるな」
勇者「あん?」
地女「奴は、引き際に言っていた」
地女「――君が此処に居る事は、僕の胸の中に閉まっておこう」
地女「……とな! ふっはははは!!」
勇者「お前がしでかした事がバレる心配はしてねえ!!」
地女「――ふはは! 光の勇者よ、風の四天王を退けたな!」
勇者「呑気に笑ってんじゃねえよ!!」
地女「……ふっ、慌てるな」
勇者「あん?」
地女「奴は、引き際に言っていた」
地女「――君が此処に居る事は、僕の胸の中に閉まっておこう」
地女「……とな! ふっはははは!!」
勇者「お前がしでかした事がバレる心配はしてねえ!!」
247: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/07(水) 23:11:57.50 ID:eXgVFMmJo
地女「やはり、お前を頼って正解だったぞ!」
勇者「……腹が立つ位、お前に都合良く行ってるな」
地女「お前のお陰だ、光の勇者よ」
勇者「ぶっとばすぞ?」
地女「光の加護は、仲間をも災いから守る」
地女「……言い伝えは、やはり真実だった」
勇者「……は?」
地女「でなければ、とっくに俺の首は飛んでいるだろうからな!」
勇者「……ま、待て待て! 待て!」
勇者「この状況は、マジで俺のせいでもあるのか!?」
勇者「……腹が立つ位、お前に都合良く行ってるな」
地女「お前のお陰だ、光の勇者よ」
勇者「ぶっとばすぞ?」
地女「光の加護は、仲間をも災いから守る」
地女「……言い伝えは、やはり真実だった」
勇者「……は?」
地女「でなければ、とっくに俺の首は飛んでいるだろうからな!」
勇者「……ま、待て待て! 待て!」
勇者「この状況は、マジで俺のせいでもあるのか!?」
248: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/07(水) 23:24:20.94 ID:eXgVFMmJo
地女「頼りにしているぞ、光の勇者!」
勇者「やめろ! 今、俺をそう呼ぶな!」
地女「リーダー!」
勇者「! お前をパーティーから外せば――」
地女「ふはは! そうはさせんぞ!」
地女「……状況が良い感じになるまで!」
地女「この、地の四天王!」
地女「お前を道連れにしてくれるわ!!」
勇者「お前を殺――したら……俺が恨まれるもんな!!」
地女「うむ! だから、これからも――」
パァァ……ァァァ
地の四天王「光の勇者よ、助けてくれ!」
おわり
勇者「やめろ! 今、俺をそう呼ぶな!」
地女「リーダー!」
勇者「! お前をパーティーから外せば――」
地女「ふはは! そうはさせんぞ!」
地女「……状況が良い感じになるまで!」
地女「この、地の四天王!」
地女「お前を道連れにしてくれるわ!!」
勇者「お前を殺――したら……俺が恨まれるもんな!!」
地女「うむ! だから、これからも――」
パァァ……ァァァ
地の四天王「光の勇者よ、助けてくれ!」
おわり
254: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/08(木) 20:48:44.18 ID:nWRwErPCo
書きます
水の四天王「祝福の聖女よ、何かありましたの?」
水の四天王「祝福の聖女よ、何かありましたの?」
255: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/08(木) 20:52:12.13 ID:nWRwErPCo
祝福の聖女(以下、聖女)「わ……わかりますか?」
水の四天王(以下、水王)「ええ、落ち着きがありませんもの」
聖女「じ、実は……勇者様に、キスしちゃいました///」
水王「まあ! とうとう、一歩踏み出したんですのね!」
聖女「はいっ!///」
聖女「なので……私達、結婚しますっ!///」
水王「大きな一歩すぎやしませんこと!?」
水の四天王(以下、水王)「ええ、落ち着きがありませんもの」
聖女「じ、実は……勇者様に、キスしちゃいました///」
水王「まあ! とうとう、一歩踏み出したんですのね!」
聖女「はいっ!///」
聖女「なので……私達、結婚しますっ!///」
水王「大きな一歩すぎやしませんこと!?」
256: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/08(木) 20:57:19.69 ID:nWRwErPCo
聖女「えっ? 何か、おかしな事言いましたか?」
水王「ええと……キスしただけ、ですのよね?」
聖女「えっ? ええっ?」
水王「……祝福の聖女?」
聖女「私の――祝福の聖女がキスしたんですよ?」
聖女「ええと、これはもう……結婚しか無いんですけど……」
水王「どっ、どういう事ですの!?」
水王「ええと……キスしただけ、ですのよね?」
聖女「えっ? ええっ?」
水王「……祝福の聖女?」
聖女「私の――祝福の聖女がキスしたんですよ?」
聖女「ええと、これはもう……結婚しか無いんですけど……」
水王「どっ、どういう事ですの!?」
257: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/08(木) 21:01:23.89 ID:nWRwErPCo
聖女「正確には、結婚せざるを得ないと言うか……」
水王「キスしただけで!?」
聖女「愛の女神に使える私が、あ……愛を捧げたわけですから///」
水王「女神教の戒律……ではありませんのね」
聖女「結婚しなかった場合は……えへへ!///」
聖女「全身の、毛穴という毛穴から血が吹き出ちゃいますけどね!」
水王「笑い事じゃありませんわよ!!」
水王「キスしただけで!?」
聖女「愛の女神に使える私が、あ……愛を捧げたわけですから///」
水王「女神教の戒律……ではありませんのね」
聖女「結婚しなかった場合は……えへへ!///」
聖女「全身の、毛穴という毛穴から血が吹き出ちゃいますけどね!」
水王「笑い事じゃありませんわよ!!」
258: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/08(木) 21:06:19.30 ID:nWRwErPCo
聖女「えっ? 結婚すれば、大丈夫ですよ?」
水王「結婚しなければ、死んでしまうのでしょう!?」
聖女「だっ、大丈夫ですよ! 死にはしません!」
水王「けれど……無事では済みませんわよ!?」
聖女「地獄の苦しみで、精神が崩壊するらしいです!」
聖女「だから、何の問題もありませんよ!」
水王「廃人になってしまうだけでしょうに!!」
水王「結婚しなければ、死んでしまうのでしょう!?」
聖女「だっ、大丈夫ですよ! 死にはしません!」
水王「けれど……無事では済みませんわよ!?」
聖女「地獄の苦しみで、精神が崩壊するらしいです!」
聖女「だから、何の問題もありませんよ!」
水王「廃人になってしまうだけでしょうに!!」
259: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/08(木) 21:10:12.75 ID:nWRwErPCo
水王「ひっ、光の勇者はこの事を知って!?」
聖女「あっ、ゆ……勇者様には言わないでください!」
水王「何故!?」
聖女「だ……だって……」
聖女「重い女だ……なんて、思われたくありませんし」
聖女「だから、勇者様には内緒にしてくださいね!」
水王「知らぬ間に、命を背負わせているのに!?」
聖女「あっ、ゆ……勇者様には言わないでください!」
水王「何故!?」
聖女「だ……だって……」
聖女「重い女だ……なんて、思われたくありませんし」
聖女「だから、勇者様には内緒にしてくださいね!」
水王「知らぬ間に、命を背負わせているのに!?」
260: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/08(木) 21:17:20.35 ID:nWRwErPCo
聖女「でも、大丈夫ですよ! 絶対に結婚しますから!」
水王「……随分と、自信があるんですのね」
聖女「だ、だって……勇者様の事……好きですから///」
水王「私も……貴女程素直になれたら」
水王「――友人の結婚式はとても素敵だった」
水王「――花嫁衣装には、とても憧れる」
水王「……と、遠回しな言い方をせずに済みましたのに」
聖女「あの……かなり、直接的だと思うんですけど」
水王「……随分と、自信があるんですのね」
聖女「だ、だって……勇者様の事……好きですから///」
水王「私も……貴女程素直になれたら」
水王「――友人の結婚式はとても素敵だった」
水王「――花嫁衣装には、とても憧れる」
水王「……と、遠回しな言い方をせずに済みましたのに」
聖女「あの……かなり、直接的だと思うんですけど」
261: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/08(木) 21:24:31.07 ID:nWRwErPCo
水王「あら、私達は何度も体を重ねましたのよ?」
聖女「……私達がまだキスだけって、からかってます?」
水王「ふふっ! さあ、それはどうでしょうね」
聖女「もーっ!……ふふふっ!」
水王「子供が出来やすい日を狙っていたのですけれど……」
水王「恋と言うのは、中々うまくいかないものですわね」
聖女「あ、あの! 私には……は、早すぎる話題です!」
聖女「……私達がまだキスだけって、からかってます?」
水王「ふふっ! さあ、それはどうでしょうね」
聖女「もーっ!……ふふふっ!」
水王「子供が出来やすい日を狙っていたのですけれど……」
水王「恋と言うのは、中々うまくいかないものですわね」
聖女「あ、あの! 私には……は、早すぎる話題です!」
262: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/08(木) 21:33:47.54 ID:nWRwErPCo
水王「避妊魔法は知っているでしょう?」
聖女「愛の無い魔法ですが……はい、知ってます……」
水王「けれど、時に奇跡が起き、子供を授かる事がある……」
聖女「そうです!! それこそ、愛の奇跡です!!」
水王「――大丈夫だから」
水王「こう言うと、殿方は勘違いしてしまうんですのよ」
水王「……魔法を使ったなどと、一言も言っていないのに」
水王「そして……奇跡が起こるのですわ」
聖女「……うぁ……ぁ、愛のなせる業ですね!!」
聖女「愛の無い魔法ですが……はい、知ってます……」
水王「けれど、時に奇跡が起き、子供を授かる事がある……」
聖女「そうです!! それこそ、愛の奇跡です!!」
水王「――大丈夫だから」
水王「こう言うと、殿方は勘違いしてしまうんですのよ」
水王「……魔法を使ったなどと、一言も言っていないのに」
水王「そして……奇跡が起こるのですわ」
聖女「……うぁ……ぁ、愛のなせる業ですね!!」
263: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/08(木) 21:42:26.91 ID:nWRwErPCo
水王「まあ……奇跡は、起きませんでしたけれどね」
聖女「まだ、戻って来てないんですか?」
水王「先日貴女に諭されましたし、気長に待ちますわ」
聖女「……早く、帰って来ると良いですね」
水王「ええ……耐えきれず、零れた涙が湖にならぬ内に」
聖女「……水の四天王さん」
水王「その湖の水が溢れ、津波となって街を飲み込まぬ内に」
聖女「水の四天王さん!?」
聖女「まだ、戻って来てないんですか?」
水王「先日貴女に諭されましたし、気長に待ちますわ」
聖女「……早く、帰って来ると良いですね」
水王「ええ……耐えきれず、零れた涙が湖にならぬ内に」
聖女「……水の四天王さん」
水王「その湖の水が溢れ、津波となって街を飲み込まぬ内に」
聖女「水の四天王さん!?」
264: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/08(木) 21:47:30.55 ID:nWRwErPCo
水王「ああ……早く、帰ってきてくださいまし……!」
聖女「私も、祝福の聖女として、平和のために祈ります」
水王「今頃、どこで何をしているの……!」
聖女「あ、あのー……水の四天王さん?」
水王「愛しの、地の四天王……!」
聖女「……」
聖女「えっ?」
聖女「私も、祝福の聖女として、平和のために祈ります」
水王「今頃、どこで何をしているの……!」
聖女「あ、あのー……水の四天王さん?」
水王「愛しの、地の四天王……!」
聖女「……」
聖女「えっ?」
265: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/08(木) 21:49:58.70 ID:nWRwErPCo
聖女「みっ、水の四天王さん!?」
水王「……えっ?」
聖女「いっ、今の……今のって!?」
水王「す、すみません……自分の世界に入ってしまって……」
聖女「水の四天王さんの想い人って――地の四天王だったんですか!?」
水王「……」
水王「ちっ――違いましゅわにょ!?」
水王「……えっ?」
聖女「いっ、今の……今のって!?」
水王「す、すみません……自分の世界に入ってしまって……」
聖女「水の四天王さんの想い人って――地の四天王だったんですか!?」
水王「……」
水王「ちっ――違いましゅわにょ!?」
266: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/08(木) 21:57:32.19 ID:nWRwErPCo
聖女「同僚って……あー! あー、そういう事ですか!」
水王「ちっ、違……違いましてよ!」
聖女「確かに……はー! 職場恋愛って、はいはい!」
水王「……くううっ!/// 迂闊でしたわ!///」
水王「ぜ、絶対!/// 誰にも言わないでくださいまし!///」
水王「祝福の聖女よ、お願いしますわ!///」
聖女「……」
聖女「えー?」ニマニマ
水王「ちっ、違……違いましてよ!」
聖女「確かに……はー! 職場恋愛って、はいはい!」
水王「……くううっ!/// 迂闊でしたわ!///」
水王「ぜ、絶対!/// 誰にも言わないでくださいまし!///」
水王「祝福の聖女よ、お願いしますわ!///」
聖女「……」
聖女「えー?」ニマニマ
267: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/08(木) 22:02:07.49 ID:nWRwErPCo
聖女「どうしてですか?」ニマニマ
水王「そ、それは……魔王様と、他の四天王の前では、ですね……」
聖女「はいはい?」ニマニマ
水王「……バレないように、振る舞っているのです」
水王「だって……ねえ?」
水王「水と、地の四天王がだなんて……うふふっ!///」
聖女「もーっ!/// も――っ!///」
水王「そ、それは……魔王様と、他の四天王の前では、ですね……」
聖女「はいはい?」ニマニマ
水王「……バレないように、振る舞っているのです」
水王「だって……ねえ?」
水王「水と、地の四天王がだなんて……うふふっ!///」
聖女「もーっ!/// も――っ!///」
268: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/08(木) 22:10:51.98 ID:nWRwErPCo
水王「絶対……絶対、内緒ですわよ?///」
聖女「ふふっ、勿論ですよ!///」
水王「やだもう、どうして貴女まで顔を赤くしてるの///」
聖女「わかりません/// なんか、うつっちゃいました///」
水王「……あの人が、帰ってきたら」
水王「私と貴女……そして、地の四天王と光の勇者の四人で――」
聖女「っ!?」ゴクリ…
水王「精霊の湖の側にある、別荘に遊びに行きません?///」
聖女「行きます!/// ぜ~ったい行きます!///」
聖女「ふふっ、勿論ですよ!///」
水王「やだもう、どうして貴女まで顔を赤くしてるの///」
聖女「わかりません/// なんか、うつっちゃいました///」
水王「……あの人が、帰ってきたら」
水王「私と貴女……そして、地の四天王と光の勇者の四人で――」
聖女「っ!?」ゴクリ…
水王「精霊の湖の側にある、別荘に遊びに行きません?///」
聖女「行きます!/// ぜ~ったい行きます!///」
269: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/08(木) 22:17:33.04 ID:nWRwErPCo
聖女「凄いです……なんか、世界が輝いて見えます!」
水王「うふふっ! 当然、貴女と勇者の部屋は一緒でしてよ!」
聖女「えっ……えー?/// ええ~っ?///」
水王「……ゴホンッ!」
水王「……祝福の聖女よ」
水王「私の想い人の事は、誰にも言わない」
水王「……誓って、頂けますか?」
聖女「……水の四天王」
聖女「私は、貴女の想い人の事は、決して口外しません」
聖女「愛の女神様と――」
聖女「――私達の、友情にかけて!!」
水王「うふふっ! 当然、貴女と勇者の部屋は一緒でしてよ!」
聖女「えっ……えー?/// ええ~っ?///」
水王「……ゴホンッ!」
水王「……祝福の聖女よ」
水王「私の想い人の事は、誰にも言わない」
水王「……誓って、頂けますか?」
聖女「……水の四天王」
聖女「私は、貴女の想い人の事は、決して口外しません」
聖女「愛の女神様と――」
聖女「――私達の、友情にかけて!!」
270: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/08(木) 22:22:09.18 ID:nWRwErPCo
・ ・ ・
闇の魔王(以下、魔王)「祝福の聖女よ、今日は機嫌が良いな」
聖女「……えへへっ、わかっちゃいますか?」
魔王「ああ、余と其方の仲では無いか」
聖女「……魔王さん」
魔王「例え、人間を全て滅ぼしたとしても……」
魔王「そ……其方だけは、生かしておこう」
聖女「えっ、あの……」
聖女「はあ……あ、ありがとう……ございます……?」
闇の魔王(以下、魔王)「祝福の聖女よ、今日は機嫌が良いな」
聖女「……えへへっ、わかっちゃいますか?」
魔王「ああ、余と其方の仲では無いか」
聖女「……魔王さん」
魔王「例え、人間を全て滅ぼしたとしても……」
魔王「そ……其方だけは、生かしておこう」
聖女「えっ、あの……」
聖女「はあ……あ、ありがとう……ございます……?」
272: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/08(木) 22:30:51.89 ID:nWRwErPCo
魔王「ふむ……あまり、嬉しそうでは無いな」
聖女「いっ、いえ!」
魔王「何なりと申せ、其方は何が望みだ?」
聖女「えっ?」
魔王「其方の、今の上機嫌な様子」
魔王「それは……勇者と、誓いの口付けを交わしたから」
魔王「――だけはあるまい?」
聖女「それは……」
聖女「いっ、いえ!」
魔王「何なりと申せ、其方は何が望みだ?」
聖女「えっ?」
魔王「其方の、今の上機嫌な様子」
魔王「それは……勇者と、誓いの口付けを交わしたから」
魔王「――だけはあるまい?」
聖女「それは……」
273: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/08(木) 22:34:49.86 ID:nWRwErPCo
聖女「その……内緒なんです」
魔王「何?」
聖女「ええ、と……内緒の話を聞いて……」
魔王「……ふむ」
魔王「秘密の共有、か」
魔王「確かに、それは互いの絆を深めるものだ」
聖女「だから……言えないんです」
聖女「……ごめんなさい」
魔王「……」
魔王「構わん、許す」
魔王「何?」
聖女「ええ、と……内緒の話を聞いて……」
魔王「……ふむ」
魔王「秘密の共有、か」
魔王「確かに、それは互いの絆を深めるものだ」
聖女「だから……言えないんです」
聖女「……ごめんなさい」
魔王「……」
魔王「構わん、許す」
274: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/08(木) 22:40:11.17 ID:nWRwErPCo
魔王「だが、面白くは無いな」
聖女「えっ?」
魔王「どれ……余も、其方だけに秘密を明かそう」
聖女「ど、どうしてですか……?」
魔王「余が、闇の魔王だからだ」
魔王「そして、祝福の聖女……其方が――」
聖女「私が……?」
魔王「……いや、それは明かせぬ」
聖女「えっ?」
魔王「どれ……余も、其方だけに秘密を明かそう」
聖女「ど、どうしてですか……?」
魔王「余が、闇の魔王だからだ」
魔王「そして、祝福の聖女……其方が――」
聖女「私が……?」
魔王「……いや、それは明かせぬ」
275: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/08(木) 22:47:01.67 ID:nWRwErPCo
魔王「――余が、明かす秘密」
聖女「……」
魔王「それは――余が恋をし、愛を育んでいる者の事だ」
聖女「えっ!? それって……」
魔王「その者の名を……其方に教えよう」
魔王「どうだ? 知りたくはないか?」
聖女「それは……知りたいです!!」
聖女「だって、ずっと『内緒だ』って言ってたんですもん!!」
聖女「……」
魔王「それは――余が恋をし、愛を育んでいる者の事だ」
聖女「えっ!? それって……」
魔王「その者の名を……其方に教えよう」
魔王「どうだ? 知りたくはないか?」
聖女「それは……知りたいです!!」
聖女「だって、ずっと『内緒だ』って言ってたんですもん!!」
277: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/08(木) 22:51:25.85 ID:nWRwErPCo
魔王「その者の所在は明かせぬが……」
聖女「構いません! ええ、構いませんとも!」
魔王「ふふっ……其方は、コイバナには食いつきが良いな」
聖女「はいっ!」
聖女「だって私は――祝福の聖女ですから!」
聖女「それに……私達が、こうして話すきっかけ」
聖女「それも――恋の話でしたからね!」ニコッ!
魔王「……ならば、聞くが良い」ニコリ
魔王「余の、愛する者とは……」
聖女「とは!? わぁ~っ!/// ドキドキします!///」ニコニコ!
魔王「地の四天王だ」
おわり
聖女「構いません! ええ、構いませんとも!」
魔王「ふふっ……其方は、コイバナには食いつきが良いな」
聖女「はいっ!」
聖女「だって私は――祝福の聖女ですから!」
聖女「それに……私達が、こうして話すきっかけ」
聖女「それも――恋の話でしたからね!」ニコッ!
魔王「……ならば、聞くが良い」ニコリ
魔王「余の、愛する者とは……」
聖女「とは!? わぁ~っ!/// ドキドキします!///」ニコニコ!
魔王「地の四天王だ」
おわり
285: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/09(金) 21:54:08.91 ID:zozdBxOjo
書きます
火の四天王「剣の乙女よ、私はどうすれば良い?」
火の四天王「剣の乙女よ、私はどうすれば良い?」
286: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/09(金) 21:59:02.19 ID:zozdBxOjo
剣の乙女(以下、乙女)「急に現れて、何?」
火の四天王(以下、火王)「私には……もう、わからない」
乙女「だから、何が?」
火王「奴に……婚約者に、何と言えばいいのだ!」
乙女「酔って、朝起きたら剣の乙女がベットに居た」
乙女「どっちも裸で、覚えてないけど ちゃったらしい」
乙女「……じゃない?」
火王「……うわあああ!!」
火の四天王(以下、火王)「私には……もう、わからない」
乙女「だから、何が?」
火王「奴に……婚約者に、何と言えばいいのだ!」
乙女「酔って、朝起きたら剣の乙女がベットに居た」
乙女「どっちも裸で、覚えてないけど ちゃったらしい」
乙女「……じゃない?」
火王「……うわあああ!!」
287: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/09(金) 22:02:44.40 ID:zozdBxOjo
乙女「大きな声を出さないで、うるさいわよ」
火王「私は! 私は、裏切ってしまった!」
乙女「ねえ、聞いてるの?」
火王「浮気……しかも、事もあろうに敵とだ!」
乙女「あのね、声を抑えてくれない?」
乙女「そんなだから、あの時も声が大きいのよ」
火王「どの時――」
火王「――……言うな! 頼む、言わないでくれ!」
火王「私は! 私は、裏切ってしまった!」
乙女「ねえ、聞いてるの?」
火王「浮気……しかも、事もあろうに敵とだ!」
乙女「あのね、声を抑えてくれない?」
乙女「そんなだから、あの時も声が大きいのよ」
火王「どの時――」
火王「――……言うな! 頼む、言わないでくれ!」
288: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/09(金) 22:05:48.46 ID:zozdBxOjo
乙女「だったら、声を小さくして頂戴」
火王「……わかった」
乙女「そうそう、良い子ね」
火王「私は……どうすれば……!」
乙女「……あのね、火の四天王」
乙女「あまり、被害者ぶらないで貰えるかしら?」
火王「……」
火王「えっ?」
火王「……わかった」
乙女「そうそう、良い子ね」
火王「私は……どうすれば……!」
乙女「……あのね、火の四天王」
乙女「あまり、被害者ぶらないで貰えるかしら?」
火王「……」
火王「えっ?」
289: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/09(金) 22:08:57.15 ID:zozdBxOjo
乙女「覚えてないみたいだけど、貴女……ノリノリだったわよ?」
火王「ばっ、馬鹿な! 有り得ん!」
乙女「……何? 本当に、覚えてないの?」
火王「覚えていたら、正気を保てているものか!」
乙女「――んー、ちゅ~っ! ちゅ~う~っ!」
乙女「って、貴女――」
火王「わ――っ!?/// わ――っ!?///」
火王「ばっ、馬鹿な! 有り得ん!」
乙女「……何? 本当に、覚えてないの?」
火王「覚えていたら、正気を保てているものか!」
乙女「――んー、ちゅ~っ! ちゅ~う~っ!」
乙女「って、貴女――」
火王「わ――っ!?/// わ――っ!?///」
290: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/09(金) 22:11:56.08 ID:zozdBxOjo
火王「う……嘘だろう!?///」
乙女「良かったわね、火の四天王」
火王「! やはり嘘か! 驚かせる――」
乙女「いえ、そうじゃなくて」
乙女「結婚していなくても、ブレスは出なかったわよ」
乙女「もんのすごいディープなキッスをしても」
火王「ひああああ!?(ボワッ)/// ひああああ!?(ボワッ)///」
乙女「良かったわね、火の四天王」
火王「! やはり嘘か! 驚かせる――」
乙女「いえ、そうじゃなくて」
乙女「結婚していなくても、ブレスは出なかったわよ」
乙女「もんのすごいディープなキッスをしても」
火王「ひああああ!?(ボワッ)/// ひああああ!?(ボワッ)///」
291: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/09(金) 22:15:42.36 ID:zozdBxOjo
火王「有り得ない!/// そんな、ふしだらな!///」
乙女「まあ、最初のキスは恐る恐る……チュッって感じだったわね」
火王「だろう!? そこから、無理矢理――」
乙女「ええ」
乙女「チュッとしたら、目を見開いてね」
乙女「そこからはもう、スリスリベタベタ……」
乙女「言葉遣いも、なんだか幼くなっちゃって、もう」
火王「おぶっふ!?(ボワァッ)///」
乙女「まあ、最初のキスは恐る恐る……チュッって感じだったわね」
火王「だろう!? そこから、無理矢理――」
乙女「ええ」
乙女「チュッとしたら、目を見開いてね」
乙女「そこからはもう、スリスリベタベタ……」
乙女「言葉遣いも、なんだか幼くなっちゃって、もう」
火王「おぶっふ!?(ボワァッ)///」
292: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/09(金) 22:19:25.00 ID:zozdBxOjo
乙女「それで、やっと会えただの……」
火王「そんな! そんなっ……!」
乙女「ずっと、探してただの……」
火王「探してなどいなかった……!」
乙女「――本当に、見せつけてくれたわ」
乙女「恋人の私が見てるっていうのに」
火王「……」
火王「えっ?」
火王「そんな! そんなっ……!」
乙女「ずっと、探してただの……」
火王「探してなどいなかった……!」
乙女「――本当に、見せつけてくれたわ」
乙女「恋人の私が見てるっていうのに」
火王「……」
火王「えっ?」
293: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/09(金) 22:24:32.30 ID:zozdBxOjo
火王「私は、お前と……その、しっ、しちゃった訳では無いのか?」
乙女「当たり前でしょう?」
火王「なっ、何だと!?」
乙女「……はあ、本当に何も覚えてないのね」
乙女「……貴女としたのは、私の恋人」
乙女「大地の魔女のお姉様よ」
火王「おっ……お姉様……?」
乙女「当たり前でしょう?」
火王「なっ、何だと!?」
乙女「……はあ、本当に何も覚えてないのね」
乙女「……貴女としたのは、私の恋人」
乙女「大地の魔女のお姉様よ」
火王「おっ……お姉様……?」
294: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/09(金) 22:30:56.36 ID:zozdBxOjo
火王「だが、待て……待ってくれ……!」
乙女「一対一の決闘じゃなく、集団戦闘だったの」
火王「はっ……ほっ……!?」
乙女「まあ、結果は私達の惨敗だったけれど、ね」
乙女「交互でも、一対二でも……凄かったわ、お姉様///」
乙女「……ふふっ!」
乙女「今度は、二人がかりででも、一矢報いましょうね?」
火王「……すまない、少し時間をくれ」
火王「は、破廉恥すぎて……理解が追いつかない……!」
乙女「一対一の決闘じゃなく、集団戦闘だったの」
火王「はっ……ほっ……!?」
乙女「まあ、結果は私達の惨敗だったけれど、ね」
乙女「交互でも、一対二でも……凄かったわ、お姉様///」
乙女「……ふふっ!」
乙女「今度は、二人がかりででも、一矢報いましょうね?」
火王「……すまない、少し時間をくれ」
火王「は、破廉恥すぎて……理解が追いつかない……!」
296: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/09(金) 22:36:11.06 ID:zozdBxOjo
乙女「あの夜、一番破廉恥だったのは貴女だけれどね」
火王「ういっ!?(ボワッ)///」
乙女「あと……一つ、お願いがあるんだけど」
火王「おっ、お願い……!?///」
乙女「貴女、盛り上がると龍の翼が出るみたいなの」
乙女「ただ、あまりパタパタされると邪魔なのよね」
火王「つっ……つつつ、翼まで出ていたのか!?(ボワァァッ)///」
火王「ういっ!?(ボワッ)///」
乙女「あと……一つ、お願いがあるんだけど」
火王「おっ、お願い……!?///」
乙女「貴女、盛り上がると龍の翼が出るみたいなの」
乙女「ただ、あまりパタパタされると邪魔なのよね」
火王「つっ……つつつ、翼まで出ていたのか!?(ボワァァッ)///」
297: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/09(金) 22:45:15.96 ID:zozdBxOjo
乙女「何? そんなに驚くこと?」
火王「わ……私の魔力の源は、喜びの感情なんだ……」
乙女「ふぅん、そうだったのね」
火王「強者と戦える喜びが溢れた時、龍の翼が出るんだが……」
乙女「性の喜びが溢れて、翼が出たのね」
乙女「戦闘狂かと思いきや、色情狂だったって事かしら」
火王「っ……!(ボワッ)/// っふぅっ……!(ボワァッ)///」
火王「わ……私の魔力の源は、喜びの感情なんだ……」
乙女「ふぅん、そうだったのね」
火王「強者と戦える喜びが溢れた時、龍の翼が出るんだが……」
乙女「性の喜びが溢れて、翼が出たのね」
乙女「戦闘狂かと思いきや、色情狂だったって事かしら」
火王「っ……!(ボワッ)/// っふぅっ……!(ボワァッ)///」
298: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/09(金) 22:53:00.35 ID:zozdBxOjo
火王「私が、そんなっ……!」
乙女「残念だけど、事実は変えられないわ」
火王「う……うあぁっ……!」
乙女「……ふふっ」
乙女「――ようこそ、火の四天王」
乙女「貴女はもう……私と同じ」
乙女「――お姉様の、妹なのよ」
火王「やめろ……! やめてくれぇっ……!」
乙女「残念だけど、事実は変えられないわ」
火王「う……うあぁっ……!」
乙女「……ふふっ」
乙女「――ようこそ、火の四天王」
乙女「貴女はもう……私と同じ」
乙女「――お姉様の、妹なのよ」
火王「やめろ……! やめてくれぇっ……!」
299: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/09(金) 22:57:08.57 ID:zozdBxOjo
火王「私には――婚約者が居る!」
乙女「それは、運命の相手じゃなかったのよ」
火王「そんな……そんな事……!」
乙女「いいえ、貴女の体は知っていたわ」
乙女「貴女の運命の相手は――大地の魔女」
乙女「これは、何があろうと揺るがないわ」
火王「う……ううっ……!」
…ガクッ!
乙女「それは、運命の相手じゃなかったのよ」
火王「そんな……そんな事……!」
乙女「いいえ、貴女の体は知っていたわ」
乙女「貴女の運命の相手は――大地の魔女」
乙女「これは、何があろうと揺るがないわ」
火王「う……ううっ……!」
…ガクッ!
300: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/09(金) 23:06:23.12 ID:zozdBxOjo
乙女「……火の四天王」
火王「……」
乙女「私は、貴女のあの時の喜び様が忘れられないわ」
火王「……」
乙女「大地の魔女のお姉様と、唇が触れ合った時」
乙女「あの時の貴女は、とても嬉しそうな顔をしていたわ」
乙女「――まるで、探し求めていたものを見つけたみたいに」
乙女「……ね」
火王「……剣の乙女」
火王「……」
乙女「私は、貴女のあの時の喜び様が忘れられないわ」
火王「……」
乙女「大地の魔女のお姉様と、唇が触れ合った時」
乙女「あの時の貴女は、とても嬉しそうな顔をしていたわ」
乙女「――まるで、探し求めていたものを見つけたみたいに」
乙女「……ね」
火王「……剣の乙女」
301: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/09(金) 23:11:23.37 ID:zozdBxOjo
乙女「認められないなら、お願いしてみなさいよ」
火王「お願い……?」
乙女「私も、貴女だから……許してあげるんだから」
火王「何をだ……?」
乙女「酔っていない状態で、大地の魔女のお姉様とキスをするの」
乙女「その時、貴女が感じた想いに……素直になれば良いわ」
火王「……少し」
火王「少しだけ……考えさせてくれ」
火王「お願い……?」
乙女「私も、貴女だから……許してあげるんだから」
火王「何をだ……?」
乙女「酔っていない状態で、大地の魔女のお姉様とキスをするの」
乙女「その時、貴女が感じた想いに……素直になれば良いわ」
火王「……少し」
火王「少しだけ……考えさせてくれ」
302: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/09(金) 23:18:24.99 ID:zozdBxOjo
・ ・ ・
乙女「……はぁ、本当に世話が焼けるんだから」
乙女「……」
乙女「――そこに居るのは、わかってるわよ」
乙女「隠れてないで、出てきなさい」
風の四天王(以下、風王)「……」
乙女「御機嫌よう、とは言わないのかしら?」
風王「……ああ、まあね」
乙女「……はぁ、本当に世話が焼けるんだから」
乙女「……」
乙女「――そこに居るのは、わかってるわよ」
乙女「隠れてないで、出てきなさい」
風の四天王(以下、風王)「……」
乙女「御機嫌よう、とは言わないのかしら?」
風王「……ああ、まあね」
303: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/09(金) 23:28:34.47 ID:zozdBxOjo
乙女「それで? 貴女の探しものは見つかったの?」
風王「……ああ、見つけるには見つけたよ」
乙女「あら、良かったじゃないの」
風王「だけど、まだ戻れないと……言われてしまったんだ」
風王「――女の僕を選ぶ、と」
風王「……そう、言ってくれはしたんだけどね」
乙女「……」
乙女「ん?」
風王「……ああ、見つけるには見つけたよ」
乙女「あら、良かったじゃないの」
風王「だけど、まだ戻れないと……言われてしまったんだ」
風王「――女の僕を選ぶ、と」
風王「……そう、言ってくれはしたんだけどね」
乙女「……」
乙女「ん?」
304: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/09(金) 23:41:44.24 ID:zozdBxOjo
乙女「貴女の想い人って、男性よね?」
風王「ああ、そうだよ」
乙女「……そうよね、私の勘違いよね」
風王「勘違い?」
乙女「貴女の想い人が――」
乙女「――私の恋人、大地の魔女のわけないものね」
風王「……」
風王「ああ、そうだよ」
乙女「……そうよね、私の勘違いよね」
風王「勘違い?」
乙女「貴女の想い人が――」
乙女「――私の恋人、大地の魔女のわけないものね」
風王「……」
305: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/09(金) 23:49:24.22 ID:zozdBxOjo
風王「……少し、意地悪をしようかな」
乙女「何? 意地悪?」
風王「僕と君は、元々敵同士だからね」
乙女「……何を勿体ぶってるのかしら」
風王「――僕と、大地の魔女は……ある秘密を共有している」
風王「それも……とてもとても、重大な秘密を」
乙女「……何なの、それは」
乙女「何? 意地悪?」
風王「僕と君は、元々敵同士だからね」
乙女「……何を勿体ぶってるのかしら」
風王「――僕と、大地の魔女は……ある秘密を共有している」
風王「それも……とてもとても、重大な秘密を」
乙女「……何なの、それは」
306: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/09(金) 23:56:10.26 ID:zozdBxOjo
風王「ははっ、さあてね!」
フワッ…
乙女「っ、待ちなさい! 話は終わってないわ!」
風王「気になるなら、直接本人に聞いてみると良いさ」
風王「――私に、何か隠し事をしてませんか?」
風王「ってね! ははははっ!」
乙女「風の四天王! 待ちなさい!」
乙女「……」
乙女「……逃げ足の早い……!」
フワッ…
乙女「っ、待ちなさい! 話は終わってないわ!」
風王「気になるなら、直接本人に聞いてみると良いさ」
風王「――私に、何か隠し事をしてませんか?」
風王「ってね! ははははっ!」
乙女「風の四天王! 待ちなさい!」
乙女「……」
乙女「……逃げ足の早い……!」
307: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 00:04:17.12 ID:Dg3S28BXo
・ ・ ・
大地の魔女(以下、地女)「光の勇者よ、気付いているか?」
光の勇者(以下、勇者)「……ああ、二人の様子がおかしい」
地女「剣の乙女は――最近、剣筋に迷いが見られる」
勇者「祝福の聖女は――近頃、何か思い悩んでるみたいだ」
地女「どうするのだ、リーダー」
勇者「……」
大地の魔女(以下、地女)「光の勇者よ、気付いているか?」
光の勇者(以下、勇者)「……ああ、二人の様子がおかしい」
地女「剣の乙女は――最近、剣筋に迷いが見られる」
勇者「祝福の聖女は――近頃、何か思い悩んでるみたいだ」
地女「どうするのだ、リーダー」
勇者「……」
308: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 00:10:10.47 ID:Dg3S28BXo
地女「聖女の悩みとは、恐らく……」
勇者「……」
地女「光の勇者よ」
地女「お前との、恋の行方に関する事だろう」
勇者「……多分、そうなんだろうな」
勇者「そして、剣の乙女の迷いってのは……」
地女「……うむ」
地女「……サッパリわからんなぁ」
地女・勇者「……」
勇者「……」
地女「光の勇者よ」
地女「お前との、恋の行方に関する事だろう」
勇者「……多分、そうなんだろうな」
勇者「そして、剣の乙女の迷いってのは……」
地女「……うむ」
地女「……サッパリわからんなぁ」
地女・勇者「……」
309: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 00:18:29.69 ID:Dg3S28BXo
地女「……よし! ここは任せて貰おう!」
勇者「何?」
地女「なぁに、お前には世話になっているからな!」
勇者「まあ……本当にそうだな」
地女「今の俺は、見た通り美少女だ!」
地女「つまり、ガールズトークすらお手の物よ!」
勇者「……今みたいな状況は、初めてなんだ」
勇者「だから……何だ、その……」
地女「ええい、皆まで言うな! 光の勇者よ!」
地女「大船に乗ったつもりで――」
地女「地の四天王に、全て任せておけ!」
おわり
勇者「何?」
地女「なぁに、お前には世話になっているからな!」
勇者「まあ……本当にそうだな」
地女「今の俺は、見た通り美少女だ!」
地女「つまり、ガールズトークすらお手の物よ!」
勇者「……今みたいな状況は、初めてなんだ」
勇者「だから……何だ、その……」
地女「ええい、皆まで言うな! 光の勇者よ!」
地女「大船に乗ったつもりで――」
地女「地の四天王に、全て任せておけ!」
おわり
318: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 21:06:14.05 ID:Dg3S28BXo
書きます
地の四天王「光の勇者よ、お前は留守番だ!」
地の四天王「光の勇者よ、お前は留守番だ!」
320: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 21:11:24.42 ID:Dg3S28BXo
光の勇者(以下、勇者)「いやお前……その格好」
地の四天王「む? おお、そうだったそうだった!」
パァァ……ァァァ
大地の魔女(以下、地女)「――うむ! これで美少女だな!」
勇者「自分で言うんじゃねえ!」
勇者「っつーか、服くらい着ろ!」
地の四天王「む? おお、そうだったそうだった!」
パァァ……ァァァ
大地の魔女(以下、地女)「――うむ! これで美少女だな!」
勇者「自分で言うんじゃねえ!」
勇者「っつーか、服くらい着ろ!」
321: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 21:16:00.83 ID:Dg3S28BXo
地女「良いではないか、減るものでもなし」クネッ
勇者「色っぽいポーズ決めんな!」
地女「やれやれ、朝から元気だな」
勇者「……っていうか、なんで元の姿に戻ってたんだよ?」
地女「む? おお、昨晩は闇の魔王様がお忍びで来ていてな?」
地女「それで、まあ……なっ? わかるだろう?」
勇者「ああもう、お前本当何なの!?」
勇者「色っぽいポーズ決めんな!」
地女「やれやれ、朝から元気だな」
勇者「……っていうか、なんで元の姿に戻ってたんだよ?」
地女「む? おお、昨晩は闇の魔王様がお忍びで来ていてな?」
地女「それで、まあ……なっ? わかるだろう?」
勇者「ああもう、お前本当何なの!?」
322: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 21:19:22.32 ID:Dg3S28BXo
地女「今は、大地の魔女――お前達の仲間だ」
勇者「……本当に、頼むぞ」
地女「うむ、祝福の聖女と、剣の乙女の事は任せておけ」
勇者「……本当の、本当に頼むからな」
地女「光の勇者よ、お前には世話になっている」
地女「それに俺は、このパーティーが気に入っているのだ」
地女「俺に出来る事ならば、喜んでやろうではないか」
勇者「……四天王の言葉とは思えないよな、本当に」
勇者「……本当に、頼むぞ」
地女「うむ、祝福の聖女と、剣の乙女の事は任せておけ」
勇者「……本当の、本当に頼むからな」
地女「光の勇者よ、お前には世話になっている」
地女「それに俺は、このパーティーが気に入っているのだ」
地女「俺に出来る事ならば、喜んでやろうではないか」
勇者「……四天王の言葉とは思えないよな、本当に」
323: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 21:22:32.62 ID:Dg3S28BXo
・ ・ ・
祝福の聖女(以下、聖女)「あの……お話って、何ですか?」
地女「まあまあ! まずは、ケーキを食べるぞ!」
聖女「……」
地女「この店のケーキは、街でも評判なのだ!」
地女「――ケーキは、悩みごとを解決してはくれん」
地女「だが、食べれば幸せな気分になるだろう?」
聖女「……大地の魔女さん」
祝福の聖女(以下、聖女)「あの……お話って、何ですか?」
地女「まあまあ! まずは、ケーキを食べるぞ!」
聖女「……」
地女「この店のケーキは、街でも評判なのだ!」
地女「――ケーキは、悩みごとを解決してはくれん」
地女「だが、食べれば幸せな気分になるだろう?」
聖女「……大地の魔女さん」
324: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 21:26:52.43 ID:Dg3S28BXo
聖女「……私が悩んでるのに、気付いてたんですね」
地女「当たり前だろう?」
聖女「えっ?」
地女「加入して日が浅いが、もうパーティーの仲間なのだからな!」
地女「……ままっ、そんな事はどうでも良い!」
地女「ケーキはいくつ食べる? 二つか? 三つでも良いぞ!」
聖女「ひ、一つで十分です」
地女「当たり前だろう?」
聖女「えっ?」
地女「加入して日が浅いが、もうパーティーの仲間なのだからな!」
地女「……ままっ、そんな事はどうでも良い!」
地女「ケーキはいくつ食べる? 二つか? 三つでも良いぞ!」
聖女「ひ、一つで十分です」
325: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 21:32:16.04 ID:Dg3S28BXo
聖女「……すみません、ご迷惑をおかけして」
地女「むう?」
聖女「私のために、こんな事まで……」
地女「何を言っているのだ」
地女「今日は、ケーキを食べて女子トークをしに来ただけ」
地女「迷惑だとは、微塵も考えてはいないぞ」
地女「……食べ終わって、美味しかった、との礼は受け取るがな!」
聖女「……ふふっ」
聖女「……ありがとう、ございます」
地女「むう?」
聖女「私のために、こんな事まで……」
地女「何を言っているのだ」
地女「今日は、ケーキを食べて女子トークをしに来ただけ」
地女「迷惑だとは、微塵も考えてはいないぞ」
地女「……食べ終わって、美味しかった、との礼は受け取るがな!」
聖女「……ふふっ」
聖女「……ありがとう、ございます」
326: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 21:36:47.63 ID:Dg3S28BXo
地女「お前が話したいというなら、聞くのもやぶさかではない」
聖女「……」
地女「言えないというのなら、それもまた良し」
聖女「……大地の魔女さん」
地女「ただ、礼を言われる時は、笑っていて欲しいものだな!」
地女「最近の作り笑いでない……先程のような、自然な笑顔で」
聖女「……うふふっ」
聖女「美味しくてお礼を言うって、決まってるんですね!」
聖女「……」
地女「言えないというのなら、それもまた良し」
聖女「……大地の魔女さん」
地女「ただ、礼を言われる時は、笑っていて欲しいものだな!」
地女「最近の作り笑いでない……先程のような、自然な笑顔で」
聖女「……うふふっ」
聖女「美味しくてお礼を言うって、決まってるんですね!」
327: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 21:40:59.23 ID:Dg3S28BXo
聖女「……少しだけ、相談しても良いですか?」
地女「うむ! かかってくるが良い!」
聖女「これは……私の友達二人の話なんですが」
地女「二人?」
聖女「私の友達二人が……悪い、一人の男に弄ばれてるんです」
聖女「けれど……二人共、その男を信じているんです」
聖女「私は……その事を告げるべきなんでしょうか?」
地女「……とんだ悪人が居たものだな!!」
地女「うむ! かかってくるが良い!」
聖女「これは……私の友達二人の話なんですが」
地女「二人?」
聖女「私の友達二人が……悪い、一人の男に弄ばれてるんです」
聖女「けれど……二人共、その男を信じているんです」
聖女「私は……その事を告げるべきなんでしょうか?」
地女「……とんだ悪人が居たものだな!!」
328: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 21:44:31.22 ID:Dg3S28BXo
地女「何処の痴れ者だ、その男は!」
聖女「それは……約束なので、言えないんです」
地女「ふむ……そうなのか」
聖女「二人共、私を信頼して……相手が誰か教えてくれたんです」
地女「……祝福の聖女」
地女「お前は、よっぽどその二人に信頼されているのだなぁ」
聖女「……はい」
聖女「それは……約束なので、言えないんです」
地女「ふむ……そうなのか」
聖女「二人共、私を信頼して……相手が誰か教えてくれたんです」
地女「……祝福の聖女」
地女「お前は、よっぽどその二人に信頼されているのだなぁ」
聖女「……はい」
329: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 21:46:30.98 ID:Dg3S28BXo
聖女「お互い、立場があるけれど……とっても仲良しなんです」
地女「どちらも、得難い友人という訳か」
聖女「……はい」
地女「……ならば、答えは決まっている」
地女「祝福の聖女よ」
地女「その事で悩むのは、もうやめるのだ」
聖女「……」
聖女「えっ?」
地女「どちらも、得難い友人という訳か」
聖女「……はい」
地女「……ならば、答えは決まっている」
地女「祝福の聖女よ」
地女「その事で悩むのは、もうやめるのだ」
聖女「……」
聖女「えっ?」
330: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 21:56:12.48 ID:Dg3S28BXo
地女「お前の悩みとは、そもそも他人の恋愛」
聖女「だ、だけどっ!」
地女「それにな? 祝福の聖女よ」
聖女「……何ですか」
地女「その二人が、男を信じ切っているのならば……」
地女「女同士の、壮絶な戦いが始まるかも知れんぞ?」
聖女「あり得……無いとも言い切れない!!」
聖女「だ、だけどっ!」
地女「それにな? 祝福の聖女よ」
聖女「……何ですか」
地女「その二人が、男を信じ切っているのならば……」
地女「女同士の、壮絶な戦いが始まるかも知れんぞ?」
聖女「あり得……無いとも言い切れない!!」
331: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 21:59:24.16 ID:Dg3S28BXo
地女「だから、放っておくのが一番なのだ」
聖女「でも……私は、どうしたら……」
地女「何を言っているのだ? そんなものは決まっている」
聖女「えっ?」
地女「まず、食べるケーキを選ぶ!」
地女「甘い物無くして、女子トークとは言えないからな!」
聖女「……」
聖女「あ……あはははっ!」
聖女「でも……私は、どうしたら……」
地女「何を言っているのだ? そんなものは決まっている」
聖女「えっ?」
地女「まず、食べるケーキを選ぶ!」
地女「甘い物無くして、女子トークとは言えないからな!」
聖女「……」
聖女「あ……あはははっ!」
332: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 22:03:09.85 ID:Dg3S28BXo
聖女「……何も解決してないけど、ちょっと気が楽になりました」
地女「うむ! それは良かった!」
聖女「でも……また、その事で悩むと思います」
地女「難儀な性格だな」
聖女「その時は……また、お話を聞いて貰えますか?」
地女「任せておけ!」ニコッ!
聖女「そ……それと、ですね……?」
聖女「あの……お姉ちゃん、って呼んでもいいですか……?」
地女「うむ! それは良かった!」
聖女「でも……また、その事で悩むと思います」
地女「難儀な性格だな」
聖女「その時は……また、お話を聞いて貰えますか?」
地女「任せておけ!」ニコッ!
聖女「そ……それと、ですね……?」
聖女「あの……お姉ちゃん、って呼んでもいいですか……?」
333: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 22:06:28.00 ID:Dg3S28BXo
・ ・ ・
剣の乙女(以下、乙女)「――ふっ!」
ブンッ!
乙女「……くっ」
「――剣の乙女よ、此処に居たのか」
乙女「……お姉様」
地女「うむ! 大地の魔女のお姉様なのだ!」
剣の乙女(以下、乙女)「――ふっ!」
ブンッ!
乙女「……くっ」
「――剣の乙女よ、此処に居たのか」
乙女「……お姉様」
地女「うむ! 大地の魔女のお姉様なのだ!」
334: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 22:10:00.04 ID:Dg3S28BXo
乙女「……どうして、此処に?」
地女「迷っていたら、辿り着いた……というのは、どうだ?」
乙女「……」
地女「まあ、それは冗談としてだ」
地女「剣を振るう時には、迷うな」
地女「お前の剣技には、迷いは似合わない」
乙女「……お姉様」
地女「迷っていたら、辿り着いた……というのは、どうだ?」
乙女「……」
地女「まあ、それは冗談としてだ」
地女「剣を振るう時には、迷うな」
地女「お前の剣技には、迷いは似合わない」
乙女「……お姉様」
335: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 22:12:57.30 ID:Dg3S28BXo
乙女「あ……あのっ!」
地女「む? 何だ?」
乙女「大地の魔女のお姉様……!」
乙女「お姉さまは、私に何か隠していませんか!?」
地女「うむ!」
地女「お前には、沢山の事を隠しているぞ!」
乙女「えっ、あ……いえ、あのっ!?」
乙女「そんなに開き直られると……え、ええっ!?」
地女「む? 何だ?」
乙女「大地の魔女のお姉様……!」
乙女「お姉さまは、私に何か隠していませんか!?」
地女「うむ!」
地女「お前には、沢山の事を隠しているぞ!」
乙女「えっ、あ……いえ、あのっ!?」
乙女「そんなに開き直られると……え、ええっ!?」
336: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 22:17:53.80 ID:Dg3S28BXo
地女「誰でも、隠し事の十や二十はあるものだろう?」
乙女「一つや二つ、ではなく!?」
地女「ふはは! 恐れ入ったか!」
乙女「多すぎます! 何を隠しているんですか!?」
地女「剣の乙女よ、とりあえず一つ教えよう!」
地女「隠し事のある女というのは、何故か魅力的なのだ!」
乙女「何か違います、お姉様!」
乙女「私の質問への答えとしては、何か違います!」
乙女「一つや二つ、ではなく!?」
地女「ふはは! 恐れ入ったか!」
乙女「多すぎます! 何を隠しているんですか!?」
地女「剣の乙女よ、とりあえず一つ教えよう!」
地女「隠し事のある女というのは、何故か魅力的なのだ!」
乙女「何か違います、お姉様!」
乙女「私の質問への答えとしては、何か違います!」
337: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 22:24:11.29 ID:Dg3S28BXo
地女「違ったか?」
乙女「違うわよ! 私が聞いたのは、秘密! 秘訣じゃないわ!」
地女「おおっ、やはりお前は敬語よりそっちの方がいいな!」
乙女「きゅ、急に何を……」
地女「それで? この大地の魔女の何が知りたい?」
地女「遠慮せずに、何でも聞くが良い!」
乙女「な、何が……って……」
乙女「違うわよ! 私が聞いたのは、秘密! 秘訣じゃないわ!」
地女「おおっ、やはりお前は敬語よりそっちの方がいいな!」
乙女「きゅ、急に何を……」
地女「それで? この大地の魔女の何が知りたい?」
地女「遠慮せずに、何でも聞くが良い!」
乙女「な、何が……って……」
338: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 22:30:35.60 ID:Dg3S28BXo
乙女「……」
地女「さあ、遠慮するな! 答えるとは限らんがな!」
乙女「……ふふっ、何よそれ?」
地女「年長者として、出来る限りは答えよう!」
乙女「……やめておくわ」
乙女「だって、隠し事が魅力なら……えっ!?」
乙女「まっ、待って!? 年長者って言った!?」
地女「む? 言っていなかったか?」
地女「さあ、遠慮するな! 答えるとは限らんがな!」
乙女「……ふふっ、何よそれ?」
地女「年長者として、出来る限りは答えよう!」
乙女「……やめておくわ」
乙女「だって、隠し事が魅力なら……えっ!?」
乙女「まっ、待って!? 年長者って言った!?」
地女「む? 言っていなかったか?」
339: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 22:39:05.79 ID:Dg3S28BXo
乙女「だって、どう見ても私より年下じゃないの!」
地女「魔法で姿を変えているのだ」
乙女「ま……待って……! えっ、ちょっと……!」
地女「どうした? 頭が痛いのか?」
乙女「あ、貴女は……一体、何者なの?」
乙女「どうして、此処に居るの?」
地女「大地の魔女は、迷う少女を助けに来た」
地女「仲間を助けるのは、当然の事だからな!」
乙女「しょ……少女って……!///」
地女「魔法で姿を変えているのだ」
乙女「ま……待って……! えっ、ちょっと……!」
地女「どうした? 頭が痛いのか?」
乙女「あ、貴女は……一体、何者なの?」
乙女「どうして、此処に居るの?」
地女「大地の魔女は、迷う少女を助けに来た」
地女「仲間を助けるのは、当然の事だからな!」
乙女「しょ……少女って……!///」
340: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 22:44:34.30 ID:Dg3S28BXo
地女「剣の乙女よ、お前に聞こう!」
乙女「……私に、何を?」
地女「そんなものは、決まっている!」
乙女「……」
地女「最近、お前の剣には迷いが見られる!」
地女「その理由、話して貰うぞ!」
地女「さあ……ガールズトークの始まりなのだ!」
乙女「……」
乙女「へっ?」
乙女「……私に、何を?」
地女「そんなものは、決まっている!」
乙女「……」
地女「最近、お前の剣には迷いが見られる!」
地女「その理由、話して貰うぞ!」
地女「さあ……ガールズトークの始まりなのだ!」
乙女「……」
乙女「へっ?」
341: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 22:48:30.99 ID:Dg3S28BXo
乙女「ねえ……全然、何もわかってなかったの?」
地女「ああ、サッパリな!」
乙女「……」
地女「わからない事は聞く! ふはは、素直だろう!」
乙女「……ふふっ」
乙女「あっ、あはははっ! 何よ、それ!」
乙女「ふふふっ、あはっ、あははははっ!」
地女「むう……?」
地女「どうして笑っているのだ……?」
地女「ああ、サッパリな!」
乙女「……」
地女「わからない事は聞く! ふはは、素直だろう!」
乙女「……ふふっ」
乙女「あっ、あはははっ! 何よ、それ!」
乙女「ふふふっ、あはっ、あははははっ!」
地女「むう……?」
地女「どうして笑っているのだ……?」
342: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 22:57:46.51 ID:Dg3S28BXo
・ ・ ・
地女「――と、言う訳だ! 二人共、元気になったぞ!」
勇者「……お前、凄いな」
地女「光の勇者よ、もっと褒め称えても構わんぞ!」
勇者「いや……素直に凄いと思った」
地女「――祝福の聖女の悩み」
地女「一瞬だけ、俺のことかとも思ったがな?」
地女「俺は、 ちゃった数は二人ではきかぬ!」
地女「それに、酔ってただけで、弄んだつもりはない!」
地女「――だから、どこかのクズの話なのだ!」
勇者「いや、お前の方がクズだろう!?」
地女「――と、言う訳だ! 二人共、元気になったぞ!」
勇者「……お前、凄いな」
地女「光の勇者よ、もっと褒め称えても構わんぞ!」
勇者「いや……素直に凄いと思った」
地女「――祝福の聖女の悩み」
地女「一瞬だけ、俺のことかとも思ったがな?」
地女「俺は、 ちゃった数は二人ではきかぬ!」
地女「それに、酔ってただけで、弄んだつもりはない!」
地女「――だから、どこかのクズの話なのだ!」
勇者「いや、お前の方がクズだろう!?」
343: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 23:05:44.52 ID:Dg3S28BXo
地女「光の勇者よ、俺の事よりも、聖女に笑顔が戻った事を喜べ」
勇者「……俺が聞いても、大丈夫としか言ってくれなかったからな」
地女「愛する者に心配をかけまいと……健気ではないか」
勇者「あ、愛するって……う、うるせえよ!///」
地女「――剣の乙女の迷い」
地女「あれは恐らく……まあ、何だ」
地女「……年齢に関する事だな」
地女「ほら……今の俺の見た目は美少女だろう?」
地女「だから、まあ、色々とな? 気を付けていこうな?」
勇者「……ああ、そうだな」
勇者「……俺が聞いても、大丈夫としか言ってくれなかったからな」
地女「愛する者に心配をかけまいと……健気ではないか」
勇者「あ、愛するって……う、うるせえよ!///」
地女「――剣の乙女の迷い」
地女「あれは恐らく……まあ、何だ」
地女「……年齢に関する事だな」
地女「ほら……今の俺の見た目は美少女だろう?」
地女「だから、まあ、色々とな? 気を付けていこうな?」
勇者「……ああ、そうだな」
344: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 23:14:54.95 ID:Dg3S28BXo
地女「それに……安心ばかりもしてられん」
勇者「お前は、安心してる暇なんか全く無いと思うぞ」
地女「それを言うならば、お前もだぞ? 光の勇者よ」
勇者「……あん?」
地女「光の勇者よ!」
地女「祝福の聖女に、お前からキスをし――」
地女「――舌を入れるのだ!」
勇者「……」
勇者「…………」
勇者「はっ?」
勇者「お前は、安心してる暇なんか全く無いと思うぞ」
地女「それを言うならば、お前もだぞ? 光の勇者よ」
勇者「……あん?」
地女「光の勇者よ!」
地女「祝福の聖女に、お前からキスをし――」
地女「――舌を入れるのだ!」
勇者「……」
勇者「…………」
勇者「はっ?」
345: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 23:21:33.31 ID:Dg3S28BXo
勇者「まっ、待て! 待て待て待て待て! 何だそれ!?」
地女「いやぁ! 女子トークをしてたら、つい……な?」
勇者「つい!? 何でだ!? どうしてそうなった!?」
地女「うむ!」
地女「なんか、楽しくなっちゃってな?」
地女「――次は、勇者からキスをしてくると予言しよう!」
地女「――それも、とても熱いキスだ!」
地女「そう言って、盛り上がっちゃったのだ」
勇者「何してくれてんだよお前はよおおおおお!?」
地女「いやぁ! 女子トークをしてたら、つい……な?」
勇者「つい!? 何でだ!? どうしてそうなった!?」
地女「うむ!」
地女「なんか、楽しくなっちゃってな?」
地女「――次は、勇者からキスをしてくると予言しよう!」
地女「――それも、とても熱いキスだ!」
地女「そう言って、盛り上がっちゃったのだ」
勇者「何してくれてんだよお前はよおおおおお!?」
346: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/10(土) 23:32:01.48 ID:Dg3S28BXo
地女「光の勇者よ、お前も男だろう!」
勇者「だけど、お前……!」
地女「祝福の聖女は、待ち望んでいるのだぞ! 物凄く!」
勇者「お前のせいでな! ってか、物凄くとか言うんじゃねえ!」
地女「ふはは! 観念するが良い、光の勇者よ!」
地女「お前は、決して逃れられぬ!」
地女「この新たな力――お姉ちゃんパワーからはな!」
勇者「めんどくせえ力をつけてんじゃねえええええ!!」
おわり
勇者「だけど、お前……!」
地女「祝福の聖女は、待ち望んでいるのだぞ! 物凄く!」
勇者「お前のせいでな! ってか、物凄くとか言うんじゃねえ!」
地女「ふはは! 観念するが良い、光の勇者よ!」
地女「お前は、決して逃れられぬ!」
地女「この新たな力――お姉ちゃんパワーからはな!」
勇者「めんどくせえ力をつけてんじゃねえええええ!!」
おわり
350: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 19:16:29.34 ID:y970MzfQo
書きます
闇の魔王「地の四天王は、お前達の中でも最弱」
闇の魔王「地の四天王は、お前達の中でも最弱」
351: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 19:21:01.50 ID:y970MzfQo
闇の魔王(以下、魔王)「お前達が居れば、問題あるまい」
火の四天王(以下、火王)「……」
水の四天王(以下、水王)「……」
風の四天王(以下、風王)「……」
魔王「――捨て置け」
魔王(……と、命じておけば良いだろう)
魔王(奴が戻っては、二人の時間が取りにくくなってしまう)
火の四天王(以下、火王)「……」
水の四天王(以下、水王)「……」
風の四天王(以下、風王)「……」
魔王「――捨て置け」
魔王(……と、命じておけば良いだろう)
魔王(奴が戻っては、二人の時間が取りにくくなってしまう)
352: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 19:26:33.70 ID:y970MzfQo
水王「――魔王様の仰る通りですわ」
水王「そもそも、私はあの男が四天王である事が疑問でしたの」
水王「あの男は……ねぇ?」
水王「――品位というものが、欠けていますでしょう?」
水王(いやあああああ!! いやあああああ!!)
水王(一刻も早く、彼を探したいのに!!)
水王(……ああっ、昔の私はなんて愚かだったのかしら!)
水王(職場では仲が悪いフリを続けよう、なんて……どうして!)
水王「そもそも、私はあの男が四天王である事が疑問でしたの」
水王「あの男は……ねぇ?」
水王「――品位というものが、欠けていますでしょう?」
水王(いやあああああ!! いやあああああ!!)
水王(一刻も早く、彼を探したいのに!!)
水王(……ああっ、昔の私はなんて愚かだったのかしら!)
水王(職場では仲が悪いフリを続けよう、なんて……どうして!)
353: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 19:31:37.01 ID:y970MzfQo
火王「――確かに、水の四天王の言う通りだ」
火王「奴は、四天王を名乗るには力も足りていなかった」
火王「ふん! 居なくなって、清々した!」
火王「――真の強者しか、私は認めん」
火王(うわあああああ!! うわあああああ!!)
火王(浮気をしてしまって気まずいからと、何て事を!!)
火王(ででででも! 強くなったら帰って来ると!)
火王(……どんな顔して会えば良いんだあああああ!!)
火王「奴は、四天王を名乗るには力も足りていなかった」
火王「ふん! 居なくなって、清々した!」
火王「――真の強者しか、私は認めん」
火王(うわあああああ!! うわあああああ!!)
火王(浮気をしてしまって気まずいからと、何て事を!!)
火王(ででででも! 強くなったら帰って来ると!)
火王(……どんな顔して会えば良いんだあああああ!!)
354: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 19:38:43.80 ID:y970MzfQo
風王「――僕の意見も、似たようなものかな」
風王「彼は、美しくなかった」
風王「上に立つ者として、相応しい容貌とは言えなかったからね」
風王「――ブ男が居ては、気分が盛り下がるよ」
風王(――さあ、考えろ考えろ考えろ!!)
風王(如何に彼を――地の四天王を切り捨てさせるか!)
風王(戻るべき場所を失った彼は、僕の元へ来るしかなくなる!)
風王(いや、いっそ二人で何処か遠くへ……あっ、良い! それ良い!)
風王「彼は、美しくなかった」
風王「上に立つ者として、相応しい容貌とは言えなかったからね」
風王「――ブ男が居ては、気分が盛り下がるよ」
風王(――さあ、考えろ考えろ考えろ!!)
風王(如何に彼を――地の四天王を切り捨てさせるか!)
風王(戻るべき場所を失った彼は、僕の元へ来るしかなくなる!)
風王(いや、いっそ二人で何処か遠くへ……あっ、良い! それ良い!)
355: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 19:43:01.77 ID:y970MzfQo
魔王「……ふむ」
魔王「お前達の意見がここまで揃うとは、珍しいな」
火王・水王・風王「……」
魔王「奴が戻っても席が無いのならば……ふふっ!」
魔王「――いっそ、余の小間使いでもさせるかな」
火王・水王・風王「……」
火王・水王・風王「えっ!?」
魔王「お前達の意見がここまで揃うとは、珍しいな」
火王・水王・風王「……」
魔王「奴が戻っても席が無いのならば……ふふっ!」
魔王「――いっそ、余の小間使いでもさせるかな」
火王・水王・風王「……」
火王・水王・風王「えっ!?」
356: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 19:49:35.45 ID:y970MzfQo
魔王「どうした? 何を驚く事がある」
魔王(……ふん、命拾いしたな)
魔王(余の前で、奴を侮辱するなど……到底許せるものではない)
魔王(――だが、今日の余は寛大だ)
魔王(昨晩、奴の所へ赴きイチャコラして来たばかり……)
魔王「奴でも、それ位は務まるであろう」
魔王(――そして!)
魔王(この案を通せば、二人の時間が増えると言うものよ!)
魔王(……ふん、命拾いしたな)
魔王(余の前で、奴を侮辱するなど……到底許せるものではない)
魔王(――だが、今日の余は寛大だ)
魔王(昨晩、奴の所へ赴きイチャコラして来たばかり……)
魔王「奴でも、それ位は務まるであろう」
魔王(――そして!)
魔王(この案を通せば、二人の時間が増えると言うものよ!)
357: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 19:58:56.01 ID:y970MzfQo
水王「――まあ、そんな!」
水王「……魔王様、恐れながら申し上げます」
水王「あんな野蛮人に、小間使いが務まるはずがありませんわ」
水王「――ふふっ、お戯れも程々になさってくださいな」
水王(小間使いなんて出来るはずないわ!)
水王(彼は、全然気が利かないし、器用でも無いし!)
水王(だからこそ、誰かが支えてあげないと……!)
水王(……おはようから、おやすみなさいまで!)
水王「……魔王様、恐れながら申し上げます」
水王「あんな野蛮人に、小間使いが務まるはずがありませんわ」
水王「――ふふっ、お戯れも程々になさってくださいな」
水王(小間使いなんて出来るはずないわ!)
水王(彼は、全然気が利かないし、器用でも無いし!)
水王(だからこそ、誰かが支えてあげないと……!)
水王(……おはようから、おやすみなさいまで!)
358: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 20:05:22.30 ID:y970MzfQo
火王「――魔王様の側に仕えるなら、強くなくては」
火王「奴が、魔王様の戦いの邪魔になる事も有り得る」
火王「……例え、どこで何をしていようとも――」
火王「――奴が、その資格を持てるとは思えない」
火王(戻ってきたら、私と結婚するんだから!)
火王(強くなって帰ってきて、プロポーズを――)
火王(――された時……なんと言えば良い……?)
火王(お前以外の者に体を弄ばれ、喜んでしまっていたと!?)
火王「奴が、魔王様の戦いの邪魔になる事も有り得る」
火王「……例え、どこで何をしていようとも――」
火王「――奴が、その資格を持てるとは思えない」
火王(戻ってきたら、私と結婚するんだから!)
火王(強くなって帰ってきて、プロポーズを――)
火王(――された時……なんと言えば良い……?)
火王(お前以外の者に体を弄ばれ、喜んでしまっていたと!?)
359: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 20:14:22.67 ID:y970MzfQo
風王「――!」
風王(これは……好機!)
風王「――闇の魔王様」
風王「地の四天王が戻ったら、僕に預けて貰えませんか?」
魔王「えっ?」
魔王(ほう?)
水王・火王・風王「えっ?」
魔王「……」
魔王「……ほう?」
風王(これは……好機!)
風王「――闇の魔王様」
風王「地の四天王が戻ったら、僕に預けて貰えませんか?」
魔王「えっ?」
魔王(ほう?)
水王・火王・風王「えっ?」
魔王「……」
魔王「……ほう?」
362: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 20:21:34.23 ID:y970MzfQo
魔王「風の四天王よ、其方は何を考えている?」
魔王「……申してみよ」
水王(今……魔王様、「えっ?」って素で仰ったわ)
火王(今……魔王様、「えっ?」と素で言われたぞ)
風王(今……魔王様、「えっ?」って素で言ったよね)
風王「……」
風王「僕が、彼を教育します」
風王「……魔王様の側に仕えるに相応しい者に」
風王(教育期間は……彼が、僕のものになるまで!)
魔王「……申してみよ」
水王(今……魔王様、「えっ?」って素で仰ったわ)
火王(今……魔王様、「えっ?」と素で言われたぞ)
風王(今……魔王様、「えっ?」って素で言ったよね)
風王「……」
風王「僕が、彼を教育します」
風王「……魔王様の側に仕えるに相応しい者に」
風王(教育期間は……彼が、僕のものになるまで!)
363: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 20:28:13.87 ID:y970MzfQo
魔王「……ふむ、成る程」
魔王「其方ならば、属性の相性も良い」
魔王「……躾をするには、適任という訳か」
魔王(だが! それでは、余との時間が今よりも減ってしまう!)
魔王(風の四天王の目を欺くのは、余とて容易ではない!)
魔王(――いっそ、皆に余と奴の関係を告げるか!?)
魔王(嗚呼、そうだ! そうすれば――)
火王・水王「――お待ち下さい」
魔王「……む?」
風王「……!」
魔王「其方ならば、属性の相性も良い」
魔王「……躾をするには、適任という訳か」
魔王(だが! それでは、余との時間が今よりも減ってしまう!)
魔王(風の四天王の目を欺くのは、余とて容易ではない!)
魔王(――いっそ、皆に余と奴の関係を告げるか!?)
魔王(嗚呼、そうだ! そうすれば――)
火王・水王「――お待ち下さい」
魔王「……む?」
風王「……!」
364: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 20:36:49.73 ID:y970MzfQo
水王「――教育係ならば、私にお任せを」
水王「主に仕えるとは、どういう事か……」
水王「この、水の四天王が教えて差し上げますわ」
水王(凄い……凄いわ、風の四天王!)
水王(教育係になれば、彼と二人っきりになり放題じゃない!)
水王(二人でお買い物に行って、ふ、夫婦と間違われたり……!)
水王(嗚呼、駄目よ! 「うむ!」だなんて……もう! もうっ!)
魔王「……ふむ」
水王「主に仕えるとは、どういう事か……」
水王「この、水の四天王が教えて差し上げますわ」
水王(凄い……凄いわ、風の四天王!)
水王(教育係になれば、彼と二人っきりになり放題じゃない!)
水王(二人でお買い物に行って、ふ、夫婦と間違われたり……!)
水王(嗚呼、駄目よ! 「うむ!」だなんて……もう! もうっ!)
魔王「……ふむ」
365: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 20:43:14.35 ID:y970MzfQo
火王「――いや、私にお任せください」
火王「奴は、武人として私が鍛え直してくれる」
火王「魔王様、その任……この、火の四天王に」
火王(けっ、こっ、けこっ、結婚前に! 同棲期間が!)
火王(ぱ、パパ! 「孫の顔が見たい」なんて、そんな!)
火王(いや、しかし私は……ああっ、「うむ!」と、言われても!)
火王(だが……う、「生む!」なーんて……あ、出る! 翼出る!)
魔王「……ふむ」
火王「奴は、武人として私が鍛え直してくれる」
火王「魔王様、その任……この、火の四天王に」
火王(けっ、こっ、けこっ、結婚前に! 同棲期間が!)
火王(ぱ、パパ! 「孫の顔が見たい」なんて、そんな!)
火王(いや、しかし私は……ああっ、「うむ!」と、言われても!)
火王(だが……う、「生む!」なーんて……あ、出る! 翼出る!)
魔王「……ふむ」
366: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 20:49:43.05 ID:y970MzfQo
風王「――何を言ってるんだい、君達」
水王・風王「?」
風王「水の四天王」
風王「君は、属性的に彼を抑えられないだろう?」
水王「……確かに、そうですわね」
水王(相性は良いんですのよ! 何のとは言えませんけれど!)
風王「火の四天王」
火王「何だ?」
―バサァッ!
風王「……熱いから、翼をしまって貰えるかな?」
水王・風王「?」
風王「水の四天王」
風王「君は、属性的に彼を抑えられないだろう?」
水王「……確かに、そうですわね」
水王(相性は良いんですのよ! 何のとは言えませんけれど!)
風王「火の四天王」
火王「何だ?」
―バサァッ!
風王「……熱いから、翼をしまって貰えるかな?」
367: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 20:57:05.08 ID:y970MzfQo
火王「む……これはすまなかった」
火王「魔王様のお役に立てる喜びに、我が身の抑えがきかなんだ」
火王(あわっ! わ、わっわわっ!?)
風王「――君は、なんだかんだで情に厚いからね」
風王「訓練ならばともかく、躾は向いていないと思うよ」
火王「……確かに、お前の言う通りかも知れん」
火王(子供が出来たら……し、叱れない! 甘やかしてしまう!)
風王「闇の魔王様」
魔王「……」
風王「地の四天王の教育係は、僕にお任せください」
風王(ふふふ……ははははっ! やった! やったぞ!)
火王「魔王様のお役に立てる喜びに、我が身の抑えがきかなんだ」
火王(あわっ! わ、わっわわっ!?)
風王「――君は、なんだかんだで情に厚いからね」
風王「訓練ならばともかく、躾は向いていないと思うよ」
火王「……確かに、お前の言う通りかも知れん」
火王(子供が出来たら……し、叱れない! 甘やかしてしまう!)
風王「闇の魔王様」
魔王「……」
風王「地の四天王の教育係は、僕にお任せください」
風王(ふふふ……ははははっ! やった! やったぞ!)
368: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 21:10:16.86 ID:y970MzfQo
風王「……」
風王(地の四天王……君は、僕の物になる!)
風王(当然だろう? 僕に、屈辱を味あわせたんだから!)
風王(ふふふ……! 楽しみでしょうがないよ……!)
風王(地の四天王、君が僕に直に与えてくれる――)
風王(――辱めの数々が!)
風王「……!」ゾクゾクッ!
水王・火王「くっ……!」
水王・火王(風の四天王め……!)
魔王「……」
風王(地の四天王……君は、僕の物になる!)
風王(当然だろう? 僕に、屈辱を味あわせたんだから!)
風王(ふふふ……! 楽しみでしょうがないよ……!)
風王(地の四天王、君が僕に直に与えてくれる――)
風王(――辱めの数々が!)
風王「……!」ゾクゾクッ!
水王・火王「くっ……!」
水王・火王(風の四天王め……!)
魔王「……」
369: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 21:19:00.29 ID:y970MzfQo
魔王「――其方達の申し出はわかった」
水王・火王「っ!」
風王「!」
風王「では――!」
魔王「が、決めるのは今ではない」
魔王「奴に――地の四天王に、選ばせようではないか」
魔王「……誰の元へ行くかをな」
水王・火王・風王「!」
魔王「……ふふっ、己の運命を選ばせてやると言うのだ」
魔王「これ程慈悲深い裁きはあるまい?」
水王・火王「っ!」
風王「!」
風王「では――!」
魔王「が、決めるのは今ではない」
魔王「奴に――地の四天王に、選ばせようではないか」
魔王「……誰の元へ行くかをな」
水王・火王・風王「!」
魔王「……ふふっ、己の運命を選ばせてやると言うのだ」
魔王「これ程慈悲深い裁きはあるまい?」
371: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 21:32:58.74 ID:y970MzfQo
水王「……成る程、さすがは魔王様」
水王(やりましたわ――っ! 私、とっても有利じゃないの!)
火王「……寛大なご処置を賜るとは、奴は幸せ者です」
火王(私も幸せです! 私達……幸せになります!)
風王「……それは、今から楽しみですね」
風王(彼は、僕を選んでくれる! ああっ、なんて待ち遠しいんだ!)
魔王「地の四天王が誰を選ぶのか……見物だな」
魔王(余を選ぶ事は、最早決まっているのだがな……うふふっ!)
魔王・水王・火王・風王「――ふふふふふっ!」
おわり
水王(やりましたわ――っ! 私、とっても有利じゃないの!)
火王「……寛大なご処置を賜るとは、奴は幸せ者です」
火王(私も幸せです! 私達……幸せになります!)
風王「……それは、今から楽しみですね」
風王(彼は、僕を選んでくれる! ああっ、なんて待ち遠しいんだ!)
魔王「地の四天王が誰を選ぶのか……見物だな」
魔王(余を選ぶ事は、最早決まっているのだがな……うふふっ!)
魔王・水王・火王・風王「――ふふふふふっ!」
おわり
379: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/12(月) 20:23:41.50 ID:bWcFzkNHo
書きます
地の四天王「光の勇者よ、いざ出陣の時!」
地の四天王「光の勇者よ、いざ出陣の時!」
380: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/12(月) 20:27:18.76 ID:bWcFzkNHo
光の勇者(以下、勇者)「いや……お前、出陣とか言うなって……」
地の四天王(以下、地王)「ええい、なんだその腑抜けた顔は!」
勇者「いや、だからな……」
地王「気合を入れろ! 歯を食いしばれ!」
地王「祝福の聖女と、熱い口付けをしに行くのだろう!」
地王「この俺自ら、歯の磨き残しが無いかチェックしてくれるわ!」
勇者「余計な気を回してんじゃねえええええ!」
地の四天王(以下、地王)「ええい、なんだその腑抜けた顔は!」
勇者「いや、だからな……」
地王「気合を入れろ! 歯を食いしばれ!」
地王「祝福の聖女と、熱い口付けをしに行くのだろう!」
地王「この俺自ら、歯の磨き残しが無いかチェックしてくれるわ!」
勇者「余計な気を回してんじゃねえええええ!」
381: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/12(月) 20:30:09.44 ID:bWcFzkNHo
勇者「そもそも! なんでそう思うんだよ!?」
地王「ふん! わからぬと思ったか!」
勇者「だから、何でだっての!」
地王「知れたこと!」
地王「――今晩、大事な話があるんだ」
地王「……そう言われたと、祝福の聖女に相談されたからよ!」
勇者「筒抜けじゃねえか糞があああああ!」
地王「ふん! わからぬと思ったか!」
勇者「だから、何でだっての!」
地王「知れたこと!」
地王「――今晩、大事な話があるんだ」
地王「……そう言われたと、祝福の聖女に相談されたからよ!」
勇者「筒抜けじゃねえか糞があああああ!」
382: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/12(月) 20:34:27.21 ID:bWcFzkNHo
地王「ふはは! 普段の俺は、大地の魔女だからな!」
勇者「ああ、そうだな! お姉ちゃんとか呼ばれてるもんな!」
地王「うむ! 色々アドバイスしておいたぞ!」
勇者「お前、本当余計な事ばっかしてくれるよな!」
地王「光の勇者よ、お前はもう逃げられぬ!」
地王「祝福の聖女の愛と――」
地王「――この俺の! お姉ちゃんパワーからはな!」ムキムキッ!
勇者「姉ぶるのは、せめて女の姿の時にしてくれ!」
勇者「ああ、そうだな! お姉ちゃんとか呼ばれてるもんな!」
地王「うむ! 色々アドバイスしておいたぞ!」
勇者「お前、本当余計な事ばっかしてくれるよな!」
地王「光の勇者よ、お前はもう逃げられぬ!」
地王「祝福の聖女の愛と――」
地王「――この俺の! お姉ちゃんパワーからはな!」ムキムキッ!
勇者「姉ぶるのは、せめて女の姿の時にしてくれ!」
383: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/12(月) 20:38:58.01 ID:bWcFzkNHo
勇者「そもそも! なんでその姿で居るんだよ!」
地王「何? わからんのか?」
勇者「……魔王が来てたんだな! ああ、そうだろうよ!」
地王「む? それは違うぞ、光の勇者よ」
地王「女の所へ行く男を見送るのに、女の姿では締まらんだろう」
地王「仲間として……男として、決戦に赴くお前を送り出すためだ」
勇者「……変な気遣いすんなよな」
地王「何? わからんのか?」
勇者「……魔王が来てたんだな! ああ、そうだろうよ!」
地王「む? それは違うぞ、光の勇者よ」
地王「女の所へ行く男を見送るのに、女の姿では締まらんだろう」
地王「仲間として……男として、決戦に赴くお前を送り出すためだ」
勇者「……変な気遣いすんなよな」
384: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/12(月) 20:43:48.41 ID:bWcFzkNHo
地王「そもそも、何が不満なのだ」
勇者「あん?」
地王「宗教関連? 女神に見られている気がする?」
勇者「……」
地王「そんなもの、女神教を滅ぼしてしまえば良いだろう」
地王「女神には、まあ……なんだ」
地王「見せつけてやれば良いのだ! 余す所なくな!」
勇者「大雑把過ぎるアドバイスをありがとうよ!!」
勇者「あん?」
地王「宗教関連? 女神に見られている気がする?」
勇者「……」
地王「そんなもの、女神教を滅ぼしてしまえば良いだろう」
地王「女神には、まあ……なんだ」
地王「見せつけてやれば良いのだ! 余す所なくな!」
勇者「大雑把過ぎるアドバイスをありがとうよ!!」
385: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/12(月) 20:48:16.51 ID:bWcFzkNHo
地王「何か、他に気になることでもあるのか?」
勇者「……言いたくねえ」
地王「ふむ、ならば当ててやろう」
勇者「……」
地王「お前達――光の勇者、祝福の聖女、剣の乙女は三人」
地王「二人が付き合うと、残った一人が非常に気まずいから……だろう?」
勇者「……まあ、それはある」
勇者「……言いたくねえ」
地王「ふむ、ならば当ててやろう」
勇者「……」
地王「お前達――光の勇者、祝福の聖女、剣の乙女は三人」
地王「二人が付き合うと、残った一人が非常に気まずいから……だろう?」
勇者「……まあ、それはある」
386: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/12(月) 20:51:40.80 ID:bWcFzkNHo
地王「今は、俺が居るではないか」
勇者「お前は地の四天王で敵だけどな!」
地王「ええい! いい加減、腹をくくれ!」
勇者「お前には言われたくねえ台詞だよ!」
地王「祝福の聖女は、今日は薄化粧をしてくる!」
地王「照れていないで、褒めるのを忘れるなよ!」
勇者「お前……お前本当さあああああ!?」
勇者「お前は地の四天王で敵だけどな!」
地王「ええい! いい加減、腹をくくれ!」
勇者「お前には言われたくねえ台詞だよ!」
地王「祝福の聖女は、今日は薄化粧をしてくる!」
地王「照れていないで、褒めるのを忘れるなよ!」
勇者「お前……お前本当さあああああ!?」
387: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/12(月) 20:57:35.23 ID:bWcFzkNHo
勇者「なんでそこまで詳しいんだよ!?」
地王「無論! 俺が、聖女のお姉ちゃんだからだ!」
勇者「なんでそこまで親身になってんだよ!?」
地王「……ふっ」
地王「愛の女神の祝福とは……恐ろしいな」
地王「お姉ちゃん、と呼ばれるとな?」
地王「任せなさい! という気分になってしまうのだ」
勇者「祝福関係あんのかそれ!?」
地王「無論! 俺が、聖女のお姉ちゃんだからだ!」
勇者「なんでそこまで親身になってんだよ!?」
地王「……ふっ」
地王「愛の女神の祝福とは……恐ろしいな」
地王「お姉ちゃん、と呼ばれるとな?」
地王「任せなさい! という気分になってしまうのだ」
勇者「祝福関係あんのかそれ!?」
388: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/12(月) 21:03:20.44 ID:bWcFzkNHo
・ ・ ・
闇の魔王(以下、魔王)「祝福の聖女よ、其方に力を授けよう」
祝福の聖女(以下、聖女)「!? な、何を言って……!?」
魔王「この宝石には、余の闇の魔力が込められている……」
聖女「闇の魔力が!? う、受け取れません!」
魔王「この宝石に、影よ、と念じるのだ」
魔王「さすれば……三時間は女神の目すら欺けるだろう」
聖女「さ、三時間!? それに……どんな意味が!?」
闇の魔王(以下、魔王)「祝福の聖女よ、其方に力を授けよう」
祝福の聖女(以下、聖女)「!? な、何を言って……!?」
魔王「この宝石には、余の闇の魔力が込められている……」
聖女「闇の魔力が!? う、受け取れません!」
魔王「この宝石に、影よ、と念じるのだ」
魔王「さすれば……三時間は女神の目すら欺けるだろう」
聖女「さ、三時間!? それに……どんな意味が!?」
389: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/12(月) 21:09:17.89 ID:bWcFzkNHo
魔王「其方は、今宵……光の勇者と口付けを交わすのだろう?」
聖女「ふえっ!?/// ど、どうしてそれを!?///」
魔王「余の魔眼は、其方の考えなど全て見通している」
聖女「ま……まさか、心を!?」
魔王「普段は、男では気付かぬ……肌の色を整える程度」
魔王「だが、今日は――色付きのリップもしているのでな」
聖女「はいっ! 街で見かけた、唇がプルプルに見え――」
聖女「……心を読まれた方がマシな感じです!///」
聖女「ふえっ!?/// ど、どうしてそれを!?///」
魔王「余の魔眼は、其方の考えなど全て見通している」
聖女「ま……まさか、心を!?」
魔王「普段は、男では気付かぬ……肌の色を整える程度」
魔王「だが、今日は――色付きのリップもしているのでな」
聖女「はいっ! 街で見かけた、唇がプルプルに見え――」
聖女「……心を読まれた方がマシな感じです!///」
390: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/12(月) 21:15:22.68 ID:bWcFzkNHo
聖女「だけど……どうして、そんな物を?」
魔王「……先日、余の発言が其方を不快にさせてしまったからな」
聖女「あ、あれは……魔王さんが悪いんじゃありません!」
魔王「ならば、ただの贈り物として受け取るが良い」
魔王「……次の機会には十四時間のものも用意しよう」
魔王「今後、必要になってくるだろうからな」
聖女「ですから、どうして女神様の目を欺く必要が!?」
魔王「……先日、余の発言が其方を不快にさせてしまったからな」
聖女「あ、あれは……魔王さんが悪いんじゃありません!」
魔王「ならば、ただの贈り物として受け取るが良い」
魔王「……次の機会には十四時間のものも用意しよう」
魔王「今後、必要になってくるだろうからな」
聖女「ですから、どうして女神様の目を欺く必要が!?」
391: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/12(月) 21:20:19.32 ID:bWcFzkNHo
聖女「私達は、女神様にやましい事はありません!」
魔王「……ふむ」
聖女「キスだって、その……神様の前で、誓いのキスもしますし!///」
魔王「……祝福の聖女よ」
魔王「其方は、甘いな」
魔王「光の勇者と言えども……奴は男なのだぞ?」
聖女「男だから何だって言う……」
聖女「……」
聖女「あっ」
魔王「……ふむ」
聖女「キスだって、その……神様の前で、誓いのキスもしますし!///」
魔王「……祝福の聖女よ」
魔王「其方は、甘いな」
魔王「光の勇者と言えども……奴は男なのだぞ?」
聖女「男だから何だって言う……」
聖女「……」
聖女「あっ」
392: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/12(月) 21:32:07.83 ID:bWcFzkNHo
聖女「いや……いやいやいや!/// えっ、ええっ!?///」
魔王「祝福の聖女よ、其方は……深い口付けを侮っている」
聖女「いやっ、でも!/// そんな……えー!?/// ええーっ!?///」
魔王「余とて、あれには抗う術を知らぬ」
魔王「闇の魔王の言葉が信じられぬか?」
魔王「ふふっ……どうする?」
魔王「――祝福の聖女よ」
聖女「……」
聖女「…………」
聖女「……わあっ、とっても素敵な宝石ですね!」
聖女「ありがとうございます、魔王さん!」
魔王「祝福の聖女よ、其方は……深い口付けを侮っている」
聖女「いやっ、でも!/// そんな……えー!?/// ええーっ!?///」
魔王「余とて、あれには抗う術を知らぬ」
魔王「闇の魔王の言葉が信じられぬか?」
魔王「ふふっ……どうする?」
魔王「――祝福の聖女よ」
聖女「……」
聖女「…………」
聖女「……わあっ、とっても素敵な宝石ですね!」
聖女「ありがとうございます、魔王さん!」
393: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/12(月) 21:42:12.31 ID:bWcFzkNHo
聖女「やましい事は……やましい事は、ありませんけど!」
魔王「見られながらと言うのも、な」
聖女「ほ、他に……何か、気をつける事ってありますか?」
魔王「……ふむ、そうだな」
魔王「祝福の聖女よ、流れに身を任せすぎるな」
魔王「――相手は、光の勇者」
魔王「――其方は、祝福の聖女」
魔王「今、愛の奇跡が起きては……困るであろう?」
聖女「きっ、気をつけます!」
聖女「その奇跡に関しては……二人で相談して……」
聖女「けっ、計画的に!/// 計画的にミラクルします!///」
魔王「見られながらと言うのも、な」
聖女「ほ、他に……何か、気をつける事ってありますか?」
魔王「……ふむ、そうだな」
魔王「祝福の聖女よ、流れに身を任せすぎるな」
魔王「――相手は、光の勇者」
魔王「――其方は、祝福の聖女」
魔王「今、愛の奇跡が起きては……困るであろう?」
聖女「きっ、気をつけます!」
聖女「その奇跡に関しては……二人で相談して……」
聖女「けっ、計画的に!/// 計画的にミラクルします!///」
394: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/12(月) 21:53:18.72 ID:bWcFzkNHo
・ ・ ・
地王「――ふはは! 思い通りに事が進んだわ!」
地王「光の勇者……そして、祝福の聖女!」
地王「――なんと、御しやすい!」
地王「今日のこの状況が――」
地王「この、地の四天王と!」
地王「闇の魔王様の狙い通りだとも知らずに!」
地王「……ふはははっ! ふっはははははっ!」
地王「……この旅が終わったら、なーんぞ認められるものか!」
地王「その時は、奴らか俺たちのどちらかが倒れているではないか!」
地王「光の勇者と、祝福の聖女に――幸あれ!」
地王「はっはっは! はぁっはははははっ!」
地王「――ふはは! 思い通りに事が進んだわ!」
地王「光の勇者……そして、祝福の聖女!」
地王「――なんと、御しやすい!」
地王「今日のこの状況が――」
地王「この、地の四天王と!」
地王「闇の魔王様の狙い通りだとも知らずに!」
地王「……ふはははっ! ふっはははははっ!」
地王「……この旅が終わったら、なーんぞ認められるものか!」
地王「その時は、奴らか俺たちのどちらかが倒れているではないか!」
地王「光の勇者と、祝福の聖女に――幸あれ!」
地王「はっはっは! はぁっはははははっ!」
396: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/12(月) 22:02:20.85 ID:bWcFzkNHo
地王「……さて、今宵はもう何の予定も無い」
地王「魔王様も、城に戻り……静かに応援すると言っていたからな!」
地王「――むん!」
パァァ……ァァァ
大地の魔女(以下、地女)「――ならば、この大地の魔女は!」
地女「昼に買っておいた、菓子を食べるまでよ!」
地女「……いや、待つのだ」
地女「――今は、飲みに行くなという勇者が居ない」
地女「つまり……」
地女「……完全に自由だな?」
地王「魔王様も、城に戻り……静かに応援すると言っていたからな!」
地王「――むん!」
パァァ……ァァァ
大地の魔女(以下、地女)「――ならば、この大地の魔女は!」
地女「昼に買っておいた、菓子を食べるまでよ!」
地女「……いや、待つのだ」
地女「――今は、飲みに行くなという勇者が居ない」
地女「つまり……」
地女「……完全に自由だな?」
397: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/12(月) 22:10:52.51 ID:bWcFzkNHo
地女「……」
地女「――ぬうう! リーダー不在とは!」
地女「ええい! 光の勇者め、面倒をかけさせてくれる!」
地女「こうなったら、各々が判断し行動する他あるまい!」
地女「……ならば!」
地女「――いざ、酒場♪」
ぴょいんっ♪
ガチャッ!
火の四天王(以下、火王)「――大地の魔女よ」
地女「ぬおおおおっ!?」
地女「――ぬうう! リーダー不在とは!」
地女「ええい! 光の勇者め、面倒をかけさせてくれる!」
地女「こうなったら、各々が判断し行動する他あるまい!」
地女「……ならば!」
地女「――いざ、酒場♪」
ぴょいんっ♪
ガチャッ!
火の四天王(以下、火王)「――大地の魔女よ」
地女「ぬおおおおっ!?」
398: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/12(月) 22:15:44.48 ID:bWcFzkNHo
火王「す……すまない、驚かせてしまったな」
地女「な、何なのだ!? 急に現れて……」
火王「それは……お前に、頼みがあって来た」
地女「頼み?」
火王「……理由は聞かず――」
火王「――私と、きっ、キスをして欲しい!」
地女「何故だ!?」
火王「いや、即座に聞き返さないでくれるか!?」
地女「な、何なのだ!? 急に現れて……」
火王「それは……お前に、頼みがあって来た」
地女「頼み?」
火王「……理由は聞かず――」
火王「――私と、きっ、キスをして欲しい!」
地女「何故だ!?」
火王「いや、即座に聞き返さないでくれるか!?」
400: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/12(月) 22:21:39.13 ID:bWcFzkNHo
地女「しかしだな……突然現れて、キスをねだるなど……」
火王「いっ、言いたいことはわかっている!///」
地女「あまり……そのな? 良くないぞ? わかるか?」
火王「わかっていると言っているだろう!?///」
地女「……火の四天王よ」
地女「ストレスが溜まっているのなら、飲みに行くか?」
地女「奢るぞ? どうだ? 遠慮はするな?」
火王「優しさで畳み掛けて来ないでくれ、頼むから!///」
火王「いっ、言いたいことはわかっている!///」
地女「あまり……そのな? 良くないぞ? わかるか?」
火王「わかっていると言っているだろう!?///」
地女「……火の四天王よ」
地女「ストレスが溜まっているのなら、飲みに行くか?」
地女「奢るぞ? どうだ? 遠慮はするな?」
火王「優しさで畳み掛けて来ないでくれ、頼むから!///」
401: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/12(月) 22:29:19.12 ID:bWcFzkNHo
地女「悩みでもあるのか? ん?」
火王「そのっ! 飲んだあとの事が悩みだ!」
地女「飲んだ後?……あー……あーあーあー……」
火王「私は、未だに信じられん!」
火王「お前ときっ、キスしただけで翼が出たなど!」
火王「婚約者を差し置いて、体がお前を選んだなどと!」
地女「……まあ、なんだ」
地女「……体は正直だったと言うことで、一つ」
地女(何だ!? バレたのか!? バレているのか!?)
地女(キスして、俺が地の四天王だとバレるなど、あるのか!?)
火王「そのっ! 飲んだあとの事が悩みだ!」
地女「飲んだ後?……あー……あーあーあー……」
火王「私は、未だに信じられん!」
火王「お前ときっ、キスしただけで翼が出たなど!」
火王「婚約者を差し置いて、体がお前を選んだなどと!」
地女「……まあ、なんだ」
地女「……体は正直だったと言うことで、一つ」
地女(何だ!? バレたのか!? バレているのか!?)
地女(キスして、俺が地の四天王だとバレるなど、あるのか!?)
402: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/12(月) 22:33:45.78 ID:bWcFzkNHo
火王「私の心は、奴のものだ!」
火王「私の精神は……肉体なんぞには負けない!」
火王「むしろ――心の力で!」
火王「この体を御し切ってみせる!」
地女「うむ! その心意気、天晴!」
地女「……それでは、もう行くな?」
火王「待て待て待て待て!」
火王「話を聞いていなかったのか!? 行くな!」
火王「私の精神は……肉体なんぞには負けない!」
火王「むしろ――心の力で!」
火王「この体を御し切ってみせる!」
地女「うむ! その心意気、天晴!」
地女「……それでは、もう行くな?」
火王「待て待て待て待て!」
火王「話を聞いていなかったのか!? 行くな!」
403: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/12(月) 22:44:01.14 ID:bWcFzkNHo
火王「行かせんぞ、大地の魔女!」
がしっ!
地女「ふん! そんな細腕で、止められると思ったか!」
火王「お前の方が腕は細いぞ!」
地女「ぬおお!? そうだったのだ!」
火王「暴れるな! 大人しくしろ!」
火王「チュッとするだけだ! それで済む!」
地女「それだけで済まぬかも知れんではないか!!」
がしっ!
地女「ふん! そんな細腕で、止められると思ったか!」
火王「お前の方が腕は細いぞ!」
地女「ぬおお!? そうだったのだ!」
火王「暴れるな! 大人しくしろ!」
火王「チュッとするだけだ! それで済む!」
地女「それだけで済まぬかも知れんではないか!!」
404: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/12(月) 22:48:53.82 ID:bWcFzkNHo
火王「……ぬぐぐううっ!」
地女「……ふんぎぎぎっ!」
火王「……!」
火王(私に……私に力を貸してくれ!)
火王(お前への愛が、本物であると証明させてくれ!)
火王「――出るな、龍の翼よ!」
チュッ!
地女「んむっ!?」
火王「!」
―バッサァッ!
地女「……ふんぎぎぎっ!」
火王「……!」
火王(私に……私に力を貸してくれ!)
火王(お前への愛が、本物であると証明させてくれ!)
火王「――出るな、龍の翼よ!」
チュッ!
地女「んむっ!?」
火王「!」
―バッサァッ!
405: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/12(月) 22:52:19.19 ID:bWcFzkNHo
火王「……」バサバサッ!
地女「で、出たな! もう離せ! なっ!」
火王「……」タシンッ! タシンッ!
地女「し、尻尾も出ているな! なっ!」
地女「――火の四天王よ!」
地女「もう、大地の魔女に用は無いな!?」
火王「……ああ、無い」
火王「私が、話があるのは――」
火王「――地の四天王だ」
…タシンッ!
おわり
地女「で、出たな! もう離せ! なっ!」
火王「……」タシンッ! タシンッ!
地女「し、尻尾も出ているな! なっ!」
地女「――火の四天王よ!」
地女「もう、大地の魔女に用は無いな!?」
火王「……ああ、無い」
火王「私が、話があるのは――」
火王「――地の四天王だ」
…タシンッ!
おわり
408: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 10:46:04.60 ID:2zdbHm1Go
書きます
地の四天王「光の勇者よ、やり遂げたようだな!」
地の四天王「光の勇者よ、やり遂げたようだな!」
409: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 10:50:47.19 ID:2zdbHm1Go
地の四天王(以下、地王)「良い面構えになっているぞ!」
光の勇者(以下、勇者)「その……変に察するのやめろって」
地王「いやぁ、めでたいめでたい!」
勇者「……なんか、妙に嬉しそうじゃねえか」
地王「いやな? お前がブチュッとしてる間に、火の四天王が来てな?」
地王「正体がバレたと思いきや、バレずに済んでいたのだ!」
勇者「命が助かったんなら、そりゃ喜ぶよな!」
光の勇者(以下、勇者)「その……変に察するのやめろって」
地王「いやぁ、めでたいめでたい!」
勇者「……なんか、妙に嬉しそうじゃねえか」
地王「いやな? お前がブチュッとしてる間に、火の四天王が来てな?」
地王「正体がバレたと思いきや、バレずに済んでいたのだ!」
勇者「命が助かったんなら、そりゃ喜ぶよな!」
410: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 10:56:05.77 ID:2zdbHm1Go
地王「さすがの俺といえど、あの時は肝を冷やしたぞ!」
勇者「火の四天王に冷やされるなんて、皮肉っぽいな」
地王「奴め、唐突にあらわれてキスを迫ってきてだな……」
勇者「はぁ!? なんだ、火の四天王は女のお前に――」
地王「うむ! 大地の魔女に惚れているようなのだ!」
地王「チュッとしただけで翼と、さらに尻尾まで出てだな?」
地王「――地の四天王が戻ったら、婚約の解消を申し出る」
地王「……と、笑いながら言っていたぞ!」
勇者「それは……お前としては助かった、のか?」
勇者「火の四天王に冷やされるなんて、皮肉っぽいな」
地王「奴め、唐突にあらわれてキスを迫ってきてだな……」
勇者「はぁ!? なんだ、火の四天王は女のお前に――」
地王「うむ! 大地の魔女に惚れているようなのだ!」
地王「チュッとしただけで翼と、さらに尻尾まで出てだな?」
地王「――地の四天王が戻ったら、婚約の解消を申し出る」
地王「……と、笑いながら言っていたぞ!」
勇者「それは……お前としては助かった、のか?」
411: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 11:03:34.70 ID:2zdbHm1Go
地王「うむ! 当初の計画通りだな、光の勇者よ!」
勇者「火の四天王と婚約を解消して、時間稼ぎ……ってあれか」
地王「そうだ! ふはは、光の加護の効果は凄いな!」
勇者「敵のお前を守ってる形なのが癪だよ!」
地王「しかし……あの様な危機が訪れるとは」
地王「まるで、三時間程……光の加護が消失したようだった」
地王「光の勇者よ、今後はこのような事の無いように頼むぞ」
勇者「痴情のもつれで光の加護を頼るんじゃねえええええ!!」
勇者「火の四天王と婚約を解消して、時間稼ぎ……ってあれか」
地王「そうだ! ふはは、光の加護の効果は凄いな!」
勇者「敵のお前を守ってる形なのが癪だよ!」
地王「しかし……あの様な危機が訪れるとは」
地王「まるで、三時間程……光の加護が消失したようだった」
地王「光の勇者よ、今後はこのような事の無いように頼むぞ」
勇者「痴情のもつれで光の加護を頼るんじゃねえええええ!!」
412: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 11:09:36.95 ID:2zdbHm1Go
地王「火の四天王に関しては、これでもう安心だな!」
勇者「婚約を解消したから、戻っても大丈夫だと?」
地王「うむ! いやー、助かった助かった!」
勇者「……」
地王「まさか、あちらから婚約を解消してくれるとは!」
地王「この俺の未来は、光で溢れているな!」
地王「はっはっはっはっは!」
勇者「……」
勇者「婚約を解消したから、戻っても大丈夫だと?」
地王「うむ! いやー、助かった助かった!」
勇者「……」
地王「まさか、あちらから婚約を解消してくれるとは!」
地王「この俺の未来は、光で溢れているな!」
地王「はっはっはっはっは!」
勇者「……」
413: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 11:14:19.10 ID:2zdbHm1Go
勇者「おい」
地王「む? 何だ?」
勇者「良いのか?」
地王「光の勇者よ、何を言っている」
地王「俺は――酔って、他の女達と ちゃってるのだぞ?」
地王「火の四天王も、そんな男が婚約者では……な?」
勇者「いや……そりゃまあ、本当にそうだけどよ」
地王「む? 何だ?」
勇者「良いのか?」
地王「光の勇者よ、何を言っている」
地王「俺は――酔って、他の女達と ちゃってるのだぞ?」
地王「火の四天王も、そんな男が婚約者では……な?」
勇者「いや……そりゃまあ、本当にそうだけどよ」
414: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 11:21:44.88 ID:2zdbHm1Go
地王「火の四天王は、大地の魔女に想いを寄せた」
地王「つまり、奴にとって――」
地王「――この、地の四天王は用済みなのだ!」
地王「あとは、大地の魔女の姿でな?」
地王「こう……良い感じに、新しい相手を探すのだ、と」
地王「その様な事を言って、スッと消え去れば完璧だ!」
勇者「……」
地王「つまり、奴にとって――」
地王「――この、地の四天王は用済みなのだ!」
地王「あとは、大地の魔女の姿でな?」
地王「こう……良い感じに、新しい相手を探すのだ、と」
地王「その様な事を言って、スッと消え去れば完璧だ!」
勇者「……」
415: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 11:27:52.87 ID:2zdbHm1Go
地王「水の四天王は、まあ、このまま放置で良いだろう」
勇者「……そうなのか?」
地王「うむ! 奴とは、しばらく会っていないのでな!」
勇者「……だから何だよ?」
地王「遠距離で、会えない期間が長ければ――」
地王「――なんとなく! 自然消滅するだろう!」
勇者「ああ……まあ、そうかも知れないな」
勇者「……そうなのか?」
地王「うむ! 奴とは、しばらく会っていないのでな!」
勇者「……だから何だよ?」
地王「遠距離で、会えない期間が長ければ――」
地王「――なんとなく! 自然消滅するだろう!」
勇者「ああ……まあ、そうかも知れないな」
416: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 11:34:50.48 ID:2zdbHm1Go
地王「闇の魔王様は……素面で ちゃっているのが、なぁ」
勇者「……」
地王「風の四天王も……何を考えているか、良くわからんからな!」
勇者「……」
勇者「――地の四天王、もう一度だけ聞く」
勇者「火の四天王に関して……本当に、これで良いんだな?」
地王「……うむ、これで良いのだ」
地王「俺の命が助かりつつ、火の四天王も前へ進める」
地王「……ふはは! これ以上の結末はあるまい!」
勇者「……」
地王「風の四天王も……何を考えているか、良くわからんからな!」
勇者「……」
勇者「――地の四天王、もう一度だけ聞く」
勇者「火の四天王に関して……本当に、これで良いんだな?」
地王「……うむ、これで良いのだ」
地王「俺の命が助かりつつ、火の四天王も前へ進める」
地王「……ふはは! これ以上の結末はあるまい!」
417: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 11:48:31.53 ID:2zdbHm1Go
勇者「……お前がそう言うんなら、良いさ」
地王「うむ!」
勇者「まぁ……たまには、二人でメシでも行くか」
地王「ほう!」
地王「それは――」
パァァ……ァァァ
大地の魔女「――大丈夫か? 浮気と誤解されんか?」
勇者「まあ、街に繰り出すならその姿になるよな!」
勇者「っつーか、お前に浮気の心配なんかされたくねえよ!!」
地王「うむ!」
勇者「まぁ……たまには、二人でメシでも行くか」
地王「ほう!」
地王「それは――」
パァァ……ァァァ
大地の魔女「――大丈夫か? 浮気と誤解されんか?」
勇者「まあ、街に繰り出すならその姿になるよな!」
勇者「っつーか、お前に浮気の心配なんかされたくねえよ!!」
418: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 11:52:27.66 ID:2zdbHm1Go
・ ・ ・
火の四天王(以下、火王)「……ふぅ」
火王「……」
火王「もう……眠るか」
火王「……」
…ぼふっ!
火王「……」
火王(……起きていると、考えてしまうから)
火王(大地の魔女――地の四天王の事を)
火王「……」
火の四天王(以下、火王)「……ふぅ」
火王「……」
火王「もう……眠るか」
火王「……」
…ぼふっ!
火王「……」
火王(……起きていると、考えてしまうから)
火王(大地の魔女――地の四天王の事を)
火王「……」
419: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 11:59:01.87 ID:2zdbHm1Go
火王「……奴め、私が気付いた事に……気付かないとは」
火王(私に正体を明かさなかった)
火王(それは……理由あっての事)
火王(その理由とは、恐らく……)
火王「剣の乙女は……美しいからな」
火王(この、醜い顔の私とは違う)
火王(男ならば、美しい者を選ぶのは当然の事だろう)
火王(それに……剣の乙女は、精神的にも素晴らしい奴だ)
火王「……っふ……うっ……!」
火王(私に正体を明かさなかった)
火王(それは……理由あっての事)
火王(その理由とは、恐らく……)
火王「剣の乙女は……美しいからな」
火王(この、醜い顔の私とは違う)
火王(男ならば、美しい者を選ぶのは当然の事だろう)
火王(それに……剣の乙女は、精神的にも素晴らしい奴だ)
火王「……っふ……うっ……!」
420: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 12:09:44.60 ID:2zdbHm1Go
火王「うぅ……えっ……!」
火王(剣の乙女は、気付いているのだろうか?)
火王(大地の魔女の正体が、地の四天王という事に)
火王(……いや、私には関係無いか)
火王(もう、婚約者では無くなるのだから)
火王「っ、ふぅっう! ぐすっ! うっ、ううっ、えぇぇっ……!」
火王(奴らが、何処で何をしようと私には関係無い)
火王(むしろ……私は、邪魔者なんだ)
火王(あの二人の――地の四天王の、邪魔者)
火王(そう思われて居るなら……)
火王「……もう……会えないよぉっ……!」
火王(剣の乙女は、気付いているのだろうか?)
火王(大地の魔女の正体が、地の四天王という事に)
火王(……いや、私には関係無いか)
火王(もう、婚約者では無くなるのだから)
火王「っ、ふぅっう! ぐすっ! うっ、ううっ、えぇぇっ……!」
火王(奴らが、何処で何をしようと私には関係無い)
火王(むしろ……私は、邪魔者なんだ)
火王(あの二人の――地の四天王の、邪魔者)
火王(そう思われて居るなら……)
火王「……もう……会えないよぉっ……!」
421: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 12:18:20.66 ID:2zdbHm1Go
・ ・ ・
剣の乙女(以下、乙女)「――出てきなさい、火の四天王」
火王「……よく気付いたな」
乙女「ええ、当然でしょう」
火王「……」
乙女「もう、この私――剣の乙女に迷いは無いもの」
乙女「今なら、斬れない物は無いんじゃないかしら?」
火王「……ふふっ、頼もしいな」
剣の乙女(以下、乙女)「――出てきなさい、火の四天王」
火王「……よく気付いたな」
乙女「ええ、当然でしょう」
火王「……」
乙女「もう、この私――剣の乙女に迷いは無いもの」
乙女「今なら、斬れない物は無いんじゃないかしら?」
火王「……ふふっ、頼もしいな」
422: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 12:23:31.57 ID:2zdbHm1Go
乙女「以前の私だったら、気付かなかったでしょうね」
火王「……」
乙女「……って、何かあったの!? その顔……」
火王「……」
火王「剣の乙女よ、最後に一つだけ聞かせて欲しい」
火王「関係無いと思いはしたが……」
火王「――私は、お前を友だと思っているから」
乙女「火の四天王……?」
火王「……」
乙女「……って、何かあったの!? その顔……」
火王「……」
火王「剣の乙女よ、最後に一つだけ聞かせて欲しい」
火王「関係無いと思いはしたが……」
火王「――私は、お前を友だと思っているから」
乙女「火の四天王……?」
423: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 12:28:00.20 ID:2zdbHm1Go
乙女「最後って……何よ、それ?」
火王「剣の乙女」
乙女「……何、聞きたいことって」
火王「……」
火王「……剣の乙女よ」
火王「お前は、大地の魔女のあの姿が――」
乙女「――知ってるわ」
乙女「けれど、姿形なんて……些細な問題でしょう?」
火王「……やはり、知っていたのか」
火王「剣の乙女」
乙女「……何、聞きたいことって」
火王「……」
火王「……剣の乙女よ」
火王「お前は、大地の魔女のあの姿が――」
乙女「――知ってるわ」
乙女「けれど、姿形なんて……些細な問題でしょう?」
火王「……やはり、知っていたのか」
424: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 12:35:07.84 ID:2zdbHm1Go
乙女「聞きたいことって、それだけ?」
火王「ああ、それだけだ」
乙女「ねえ……貴女、様子が変よ?」
火王「……」
火王「……剣の乙女」
火王「奴と……幸せにな」
乙女「……火の四天王」
乙女「そんなの、言われるまでも無いわ」
火王「ああ、それだけだ」
乙女「ねえ……貴女、様子が変よ?」
火王「……」
火王「……剣の乙女」
火王「奴と……幸せにな」
乙女「……火の四天王」
乙女「そんなの、言われるまでも無いわ」
425: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 12:46:54.44 ID:2zdbHm1Go
・ ・ ・
水の四天王(以下、水王)「祝福の聖女よ、光の勇者とは?」
祝福の聖女(以下、聖女)「えっ……えー?/// それはぁ……///」
水王「もーう! 勿体ぶらないで、教えてくださいな!」
聖女「えっと……えっとですね……///」
聖女「チュッとされてぇ……/// しっ、しっ、しし舌が……///」
聖女「それでそれで……/// あぅあ、思い出すと……///」…ツーッ
聖女「――びばばべばびぼびべびば!///」タパパッ!
水王「聖女、鼻血!! 物凄く鼻血が吹き出してますわ!!」
水の四天王(以下、水王)「祝福の聖女よ、光の勇者とは?」
祝福の聖女(以下、聖女)「えっ……えー?/// それはぁ……///」
水王「もーう! 勿体ぶらないで、教えてくださいな!」
聖女「えっと……えっとですね……///」
聖女「チュッとされてぇ……/// しっ、しっ、しし舌が……///」
聖女「それでそれで……/// あぅあ、思い出すと……///」…ツーッ
聖女「――びばばべばびぼびべびば!///」タパパッ!
水王「聖女、鼻血!! 物凄く鼻血が吹き出してますわ!!」
426: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 12:52:46.93 ID:2zdbHm1Go
水王「あああ服が! それに、顔が血だらけで!」
聖女「ぶうばばま゙……ぼべぼびょうべぶべびべ///」タパパッ!
水王「何を言っているか、全くわかりませんわ!」
聖女「あぶぁ?」タパパッ!
聖女「……」タパパパ…
聖女「」
…ドサッ!
水王「しゅ……祝福の聖女――っ!?」
聖女「ぶうばばま゙……ぼべぼびょうべぶべびべ///」タパパッ!
水王「何を言っているか、全くわかりませんわ!」
聖女「あぶぁ?」タパパッ!
聖女「……」タパパパ…
聖女「」
…ドサッ!
水王「しゅ……祝福の聖女――っ!?」
427: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 12:58:33.18 ID:2zdbHm1Go
・ ・ ・
聖女「……す、すみません……ご迷惑をおかけしました」
水王「もう! 興奮して鼻血を出すだなんて、ウブすぎますわ!」
聖女「その……後から冷静になって思い出すと……ですね///」…ツーッ
水王「!? 水よ!」
水王「――そんな事では、先が思いやられますわ!」
水王「この先、もっと凄いことをするんですから!」
聖女「は……はの……」
聖女「みふへ、はなへんは……」
水王「水で鼻栓をしないと、また倒れてしまうでしょうに!」
聖女「……す、すみません……ご迷惑をおかけしました」
水王「もう! 興奮して鼻血を出すだなんて、ウブすぎますわ!」
聖女「その……後から冷静になって思い出すと……ですね///」…ツーッ
水王「!? 水よ!」
水王「――そんな事では、先が思いやられますわ!」
水王「この先、もっと凄いことをするんですから!」
聖女「は……はの……」
聖女「みふへ、はなへんは……」
水王「水で鼻栓をしないと、また倒れてしまうでしょうに!」
428: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 13:02:49.75 ID:2zdbHm1Go
水王「結婚までに、何とかしないといけませんわね……」
聖女「……あい」
水王「けれど、私……しばらく来られそうにありませんの」
聖女「ほうはんへふは?」
水王「火の四天王が――」
聖女「?」
水王「――婚約を発表したんですのよ」
聖女「え――っ!?」
スポンッ!
聖女「……あい」
水王「けれど、私……しばらく来られそうにありませんの」
聖女「ほうはんへふは?」
水王「火の四天王が――」
聖女「?」
水王「――婚約を発表したんですのよ」
聖女「え――っ!?」
スポンッ!
429: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 13:09:15.40 ID:2zdbHm1Go
聖女「それ、本当なんですか!?」
水王「以前より、結婚を申し込まれていた――」
水王「――赤龍王と」
水王「まあ……所謂、政略結婚ですわね」
水王「けれど、これで火の領地は一枚岩になりますわ」
水王「その、正式な発表の場に招待されましたの」
聖女「へええ……でも、結婚ですか!」
聖女「それは、とても素晴らしいことですね!」
水王「以前より、結婚を申し込まれていた――」
水王「――赤龍王と」
水王「まあ……所謂、政略結婚ですわね」
水王「けれど、これで火の領地は一枚岩になりますわ」
水王「その、正式な発表の場に招待されましたの」
聖女「へええ……でも、結婚ですか!」
聖女「それは、とても素晴らしいことですね!」
430: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 13:17:45.64 ID:2zdbHm1Go
水王「どうなんでしょうね?」
水王「噂によれば、火の四天王の魔力が急激に弱まり……」
水王「……その話を受けざるを得なかった、という事ですけれど」
聖女「えっ、どうしてですか?」
水王「龍族は、力を至上としていますもの」
水王「そのトップが弱いとなれば、抑えがきかなくなってしまうの」
水王「本当、野蛮で困りますわね!」
水王「私の水で、全て飲み込んでしまいたくなりますわ!」
聖女「あ……あはははは……」
水王「噂によれば、火の四天王の魔力が急激に弱まり……」
水王「……その話を受けざるを得なかった、という事ですけれど」
聖女「えっ、どうしてですか?」
水王「龍族は、力を至上としていますもの」
水王「そのトップが弱いとなれば、抑えがきかなくなってしまうの」
水王「本当、野蛮で困りますわね!」
水王「私の水で、全て飲み込んでしまいたくなりますわ!」
聖女「あ……あはははは……」
431: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 13:22:37.95 ID:2zdbHm1Go
水王「けれど……結婚、良いですわよねぇ」
聖女「はい……羨ましいです」
水王「ああっ! 地の四天王が戻ってくるのが、待ち遠しいですわ!」
聖女「…………そう、ですね」
水王「……祝福の聖女よ」
水王「式には、来てくださいましね!」ニコッ!
聖女「……」
聖女「は……はい……」
聖女(一体……なんの式になるんでしょうか……)
おわり
聖女「はい……羨ましいです」
水王「ああっ! 地の四天王が戻ってくるのが、待ち遠しいですわ!」
聖女「…………そう、ですね」
水王「……祝福の聖女よ」
水王「式には、来てくださいましね!」ニコッ!
聖女「……」
聖女「は……はい……」
聖女(一体……なんの式になるんでしょうか……)
おわり
435: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 19:34:13.82 ID:2zdbHm1Go
書きます
祝福の聖女「火の四天王が、婚約発表するそうです」
祝福の聖女「火の四天王が、婚約発表するそうです」
436: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 19:39:25.50 ID:2zdbHm1Go
剣の乙女(以下、乙女)「えっ? それは本当なの?」
祝福の聖女(以下、聖女)「はい、確かな情報です」
乙女「成る程……だから……」
聖女「あ、あの……大丈夫ですか?」
大地の魔女(以下、地女)「なんっ、ななななんっ、何がだ!?」
地女「これは……ちょっと床板の触り心地を確かめてな! うむ!」
光の勇者(以下、勇者)「……触り心地はどうだよ?」
祝福の聖女(以下、聖女)「はい、確かな情報です」
乙女「成る程……だから……」
聖女「あ、あの……大丈夫ですか?」
大地の魔女(以下、地女)「なんっ、ななななんっ、何がだ!?」
地女「これは……ちょっと床板の触り心地を確かめてな! うむ!」
光の勇者(以下、勇者)「……触り心地はどうだよ?」
437: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 19:42:51.86 ID:2zdbHm1Go
乙女「火の四天王の婚約者というのが、誰か知ってる?」
聖女「赤龍王……という方みたいです」
乙女「ふぅん? 聞いたこと無いわね」
聖女「あ、あの……大丈夫ですか?」
地女「うむ!! うむ!! 大丈夫だ!!」
地女「いやぁ! この床板は触り心地が最高だな!」
勇者「……そいつは良かったな」
聖女「赤龍王……という方みたいです」
乙女「ふぅん? 聞いたこと無いわね」
聖女「あ、あの……大丈夫ですか?」
地女「うむ!! うむ!! 大丈夫だ!!」
地女「いやぁ! この床板は触り心地が最高だな!」
勇者「……そいつは良かったな」
438: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 19:46:50.91 ID:2zdbHm1Go
・ ・ ・
地女「――焦った! 本当に肝が潰れるかと思ったぞ!」
勇者「二人は不審がってたけどな」
地女「だが! これで完璧に、火の四天王に関しては解決だ!」
勇者「……」
地女「いやぁ、大地の魔女の姿の――俺に惚れてると思いきや!」
地女「赤龍王と婚約発表など、想像以上に良い結果だぞ!」
勇者「……」
地女「――焦った! 本当に肝が潰れるかと思ったぞ!」
勇者「二人は不審がってたけどな」
地女「だが! これで完璧に、火の四天王に関しては解決だ!」
勇者「……」
地女「いやぁ、大地の魔女の姿の――俺に惚れてると思いきや!」
地女「赤龍王と婚約発表など、想像以上に良い結果だぞ!」
勇者「……」
439: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 19:49:27.07 ID:2zdbHm1Go
勇者「どうして、火の四天王の魔力は急激に弱まったんだろうな」
地女「恐らく……マリッジブルーというやつだな」
勇者「そうか?」
地女「うむ!」
地女「火の四天王の魔力の源は――喜びの感情」
地女「結婚を前に、不安になっているだけだろう」
勇者「……」
地女「恐らく……マリッジブルーというやつだな」
勇者「そうか?」
地女「うむ!」
地女「火の四天王の魔力の源は――喜びの感情」
地女「結婚を前に、不安になっているだけだろう」
勇者「……」
440: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 19:52:47.19 ID:2zdbHm1Go
勇者「赤龍王ってのは、どんな奴なんだ?」
地女「出来た男だぞ! 顔も、性格も良い素晴らしい奴だ!」
勇者「そうなのか?」
地女「うむ!」
地女「火の領地は、火の四天王の父――火龍王」
地女「そして、赤龍王の大きな二つの勢力が存在していた!」
地女「その二つが一つになれば――繁栄は約束されたようなものだ!」
勇者「……そうか」
地女「出来た男だぞ! 顔も、性格も良い素晴らしい奴だ!」
勇者「そうなのか?」
地女「うむ!」
地女「火の領地は、火の四天王の父――火龍王」
地女「そして、赤龍王の大きな二つの勢力が存在していた!」
地女「その二つが一つになれば――繁栄は約束されたようなものだ!」
勇者「……そうか」
441: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 19:58:38.08 ID:2zdbHm1Go
勇者「お前は、それに関してどう思う?」
地女「予想以上に、最高の結果だ!」
勇者「どうしてだ?」
地女「うむ!」
地女「まあ、火の四天王もな?」
地女「俺の様な男よりも、赤龍王と一緒になった方が幸せだと思うのだ」
地女「さらに、領地は栄える!」
地女「――これを最高と言わずして、何と言う!」
勇者「――‘らしく’無い事言ってんじゃねえええええ!!」
地女「ゆ……勇者?」
地女「予想以上に、最高の結果だ!」
勇者「どうしてだ?」
地女「うむ!」
地女「まあ、火の四天王もな?」
地女「俺の様な男よりも、赤龍王と一緒になった方が幸せだと思うのだ」
地女「さらに、領地は栄える!」
地女「――これを最高と言わずして、何と言う!」
勇者「――‘らしく’無い事言ってんじゃねえええええ!!」
地女「ゆ……勇者?」
442: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 20:04:12.94 ID:2zdbHm1Go
地女「ど、どうしたのだ? 男の子の日か?」
勇者「なんだそれ!? そんなもんねえよ!」
地女「ええい! ならば、一体何だと言うのだ!」
勇者「わかんねえなら言ってやるよ!」
勇者「俺の知っている、地の四天王は!」
勇者「自分の都合で女を振り回す、どうしようも無いクズだ!」
勇者「それが、何だ!? 何だ、今のお前は!」
勇者「今のお前は、最高に気持ち悪いんだよ!」
地女「ぬうう……! どう反応して良いかわからん……!」
勇者「なんだそれ!? そんなもんねえよ!」
地女「ええい! ならば、一体何だと言うのだ!」
勇者「わかんねえなら言ってやるよ!」
勇者「俺の知っている、地の四天王は!」
勇者「自分の都合で女を振り回す、どうしようも無いクズだ!」
勇者「それが、何だ!? 何だ、今のお前は!」
勇者「今のお前は、最高に気持ち悪いんだよ!」
地女「ぬうう……! どう反応して良いかわからん……!」
443: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 20:11:18.07 ID:2zdbHm1Go
地女「……しかしなぁ、今更どうも出来んぞ?」
勇者「糞が! 俺だって、こんな事言いたくねえんだよ!」
地女「では、この話は終わりということで……」
勇者「終わるな!」
勇者「――大地の魔女!」
勇者「お前の言葉が本当なら――」
勇者「――火の四天王と、赤龍王の結婚は認められない!」
勇者「俺達パーティーにとって、大きな障害になる可能性がある!」
地女「……光の勇者?」
勇者「糞が! 俺だって、こんな事言いたくねえんだよ!」
地女「では、この話は終わりということで……」
勇者「終わるな!」
勇者「――大地の魔女!」
勇者「お前の言葉が本当なら――」
勇者「――火の四天王と、赤龍王の結婚は認められない!」
勇者「俺達パーティーにとって、大きな障害になる可能性がある!」
地女「……光の勇者?」
444: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 20:17:30.39 ID:2zdbHm1Go
地女「お前……何を言っているのだ?」
勇者「一枚岩になった火の領地は勢いを増す……そうだな?」
地女「うむ……まあ、そうだろうな」
勇者「だったら、決まってるだろうが!」
勇者「光の勇者は!」
勇者「魔王軍の勢力の一つが、勢いを増すのを止める!」
勇者「婚約発表だぁ? させるかよ、そんなもん!」
地女「光の勇者よ、正気か!?」
地女「お前それは……人として、かなり最低だぞ!?」
勇者「一枚岩になった火の領地は勢いを増す……そうだな?」
地女「うむ……まあ、そうだろうな」
勇者「だったら、決まってるだろうが!」
勇者「光の勇者は!」
勇者「魔王軍の勢力の一つが、勢いを増すのを止める!」
勇者「婚約発表だぁ? させるかよ、そんなもん!」
地女「光の勇者よ、正気か!?」
地女「お前それは……人として、かなり最低だぞ!?」
446: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 20:25:30.65 ID:2zdbHm1Go
勇者「俺が、どうして気を遣わなきゃならねえんだ!」
地女「気遣いを覚える事が、大人への第一歩なのだ」
勇者「そういうこっちゃねえんだよ!」
地女「むう……?」
勇者「お前は……地の四天王はクズだ!」
勇者「そのくせ、変におせっかいを焼いてきやがって……!」
勇者「それで、大地の魔女はパーティーメンバーで……!」
勇者「ああもう! 俺にも、よくわかんねえんだよ!」
勇者「――わかれ!!」
地女「……」
地女「気遣いを覚える事が、大人への第一歩なのだ」
勇者「そういうこっちゃねえんだよ!」
地女「むう……?」
勇者「お前は……地の四天王はクズだ!」
勇者「そのくせ、変におせっかいを焼いてきやがって……!」
勇者「それで、大地の魔女はパーティーメンバーで……!」
勇者「ああもう! 俺にも、よくわかんねえんだよ!」
勇者「――わかれ!!」
地女「……」
447: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 20:35:02.14 ID:2zdbHm1Go
地女「……光の勇者よ、相わかった」
勇者「……」
地女「お前は、俺を心配してくれているのだな」
地女「婚約者――火の四天王が、俺から離れていく」
地女「その事を聞き、俺の様子が普段とは違ったので、だ」
地女「うむ……確かに、少し前から‘らしく’無かったかも知れんな」
地女「そんな俺を――敵である俺を気遣ってくれた」
地女「敵ではあるが、旅の仲間として過ごしてきたのだ……」
地女「だが……それを素直に言うのは、気恥ずかしかったのだろう?」
勇者「……そこまでわかれとは言ってねえんだよおおおお!!」
勇者「……」
地女「お前は、俺を心配してくれているのだな」
地女「婚約者――火の四天王が、俺から離れていく」
地女「その事を聞き、俺の様子が普段とは違ったので、だ」
地女「うむ……確かに、少し前から‘らしく’無かったかも知れんな」
地女「そんな俺を――敵である俺を気遣ってくれた」
地女「敵ではあるが、旅の仲間として過ごしてきたのだ……」
地女「だが……それを素直に言うのは、気恥ずかしかったのだろう?」
勇者「……そこまでわかれとは言ってねえんだよおおおお!!」
451: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 20:42:54.34 ID:2zdbHm1Go
勇者「何なんだよ! お前、本当さぁ!?」
地女「だがなぁ……それでもなぁ……」
勇者「……何だよ」
地女「うむ」
地女「せっかく、良い感じに出来たのにだな?」
地女「婚約発表を止めに行くとなると……な?」
地女「それに、光の加護があってもバレるかも知れん」
地女「そうなっては……俺の命が危ない!」
勇者「……」
地女「だがなぁ……それでもなぁ……」
勇者「……何だよ」
地女「うむ」
地女「せっかく、良い感じに出来たのにだな?」
地女「婚約発表を止めに行くとなると……な?」
地女「それに、光の加護があってもバレるかも知れん」
地女「そうなっては……俺の命が危ない!」
勇者「……」
452: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 20:47:37.55 ID:2zdbHm1Go
勇者「……成る程、わかった」
地女「おお、わかってくれたか!」
勇者「お前は、今の時点から――」
勇者「俺の、パーティーメンバーじゃねえ」
地女「? 光の勇者よ、何を言って――」
地女「――っ!?」
地女「ぬうう! この身を包んでいた、聖なる力を感じぬ!?」
勇者「えっ……いや、マジで?」
勇者「光の加護って、こんなんでオフになるのか!?」
地女「おお、わかってくれたか!」
勇者「お前は、今の時点から――」
勇者「俺の、パーティーメンバーじゃねえ」
地女「? 光の勇者よ、何を言って――」
地女「――っ!?」
地女「ぬうう! この身を包んでいた、聖なる力を感じぬ!?」
勇者「えっ……いや、マジで?」
勇者「光の加護って、こんなんでオフになるのか!?」
454: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 20:54:33.55 ID:2zdbHm1Go
地女「光の勇者よ、助けてくれ!」
地女「光の加護が無いと、色々とバレてしまう!」
勇者「だったら、条件がある」
勇者「火の四天王に関して、お前の本音を聞かせろ」
地女「火の四天王は可愛い!」
地女「魔族の生は長いので、結婚なんぞ御免だが!」
地女「他にバレずに るなら、 ちゃいたい所だ!」
地女「他の男にくれてやるなんぞ、勿体無い感が凄い!」
地女「――ほれ、パーティーに入れてくれ!」
勇者「予想以上にクズで入れたくねえええええ!!」
地女「光の加護が無いと、色々とバレてしまう!」
勇者「だったら、条件がある」
勇者「火の四天王に関して、お前の本音を聞かせろ」
地女「火の四天王は可愛い!」
地女「魔族の生は長いので、結婚なんぞ御免だが!」
地女「他にバレずに るなら、 ちゃいたい所だ!」
地女「他の男にくれてやるなんぞ、勿体無い感が凄い!」
地女「――ほれ、パーティーに入れてくれ!」
勇者「予想以上にクズで入れたくねえええええ!!」
456: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 21:01:41.49 ID:2zdbHm1Go
地女「早く! 早く入れてくれ! 早ーく!」
勇者「……駄目だ!」
地女「ひっ、ひどいではないか!? 騙したのか!?」
勇者「……入れて欲しきゃ、さっさと行ってこい!」
勇者「クズは、クズらしく!」
勇者「火の四天王の婚約発表をぶっ潰して来い!」
地女「ぬうう……ぜ、絶対だぞ!?」
地女「戻ったら、絶対入れてくれ!」
勇者「……ははは!」
勇者「光の加護が欲しいなら、急ぐんだな!」
勇者「……ま、たまには俺が振り回すのも悪くねえだろ?」
勇者「……駄目だ!」
地女「ひっ、ひどいではないか!? 騙したのか!?」
勇者「……入れて欲しきゃ、さっさと行ってこい!」
勇者「クズは、クズらしく!」
勇者「火の四天王の婚約発表をぶっ潰して来い!」
地女「ぬうう……ぜ、絶対だぞ!?」
地女「戻ったら、絶対入れてくれ!」
勇者「……ははは!」
勇者「光の加護が欲しいなら、急ぐんだな!」
勇者「……ま、たまには俺が振り回すのも悪くねえだろ?」
457: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 21:07:28.19 ID:2zdbHm1Go
・ ・ ・
乙女「――逃げるなクズがあああああっ!」
聖女「――勇者様? どうして逃げるんですか?」
勇者「誤解だああああっ!!」
乙女「おっ、おおっ、お姉様に!」
乙女「入れてくれと……おっお、おねだりさせるるるるううるうるううう!?」
聖女「勇者様のあの時の誓いは嘘だったんですか?」
聖女「ねえ、答えてください……答えて、答エテ、こタエテ、コタエテ……?」
勇者「怖い怖い怖い怖い!!」
乙女「――逃げるなクズがあああああっ!」
聖女「――勇者様? どうして逃げるんですか?」
勇者「誤解だああああっ!!」
乙女「おっ、おおっ、お姉様に!」
乙女「入れてくれと……おっお、おねだりさせるるるるううるうるううう!?」
聖女「勇者様のあの時の誓いは嘘だったんですか?」
聖女「ねえ、答えてください……答えて、答エテ、こタエテ、コタエテ……?」
勇者「怖い怖い怖い怖い!!」
458: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 21:17:49.13 ID:2zdbHm1Go
・ ・ ・
地女「……ふっ、光の勇者め」
地女「婚約発表の場を壊しに行けなど……」
地女「はっはっは! 勇者らしからぬ言葉よな!」
地女「……」
地女「やはり、俺が見込んだ通り……天晴な奴だ」
地女「まさか、この俺に使いっ走りをさせるとはな!」
――キランッ!
地女「流れ星……か」
地女「……光の勇者よ」
地女「お前の出した条件――見事果たして見せよう!」
おわり
地女「……ふっ、光の勇者め」
地女「婚約発表の場を壊しに行けなど……」
地女「はっはっは! 勇者らしからぬ言葉よな!」
地女「……」
地女「やはり、俺が見込んだ通り……天晴な奴だ」
地女「まさか、この俺に使いっ走りをさせるとはな!」
――キランッ!
地女「流れ星……か」
地女「……光の勇者よ」
地女「お前の出した条件――見事果たして見せよう!」
おわり
460: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 21:56:45.74 ID:2zdbHm1Go
書きます
火の四天王「……婚約発表は、三日後か」
火の四天王「……婚約発表は、三日後か」
461: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 22:00:08.81 ID:2zdbHm1Go
火の四天王(以下、火王)「こんなにも……簡単だとは」
火王「私と奴の婚約は……ずっと、秘密だったと言うのに」
火王「……」
火王「……うっ……ふぅっ……うぅっ……!」ポロポロッ…
地の四天王(以下、地王)「火の四天王よ」
地王「何を泣いているのだ?」
火王「……」
火王「はいっ!?」
火王「私と奴の婚約は……ずっと、秘密だったと言うのに」
火王「……」
火王「……うっ……ふぅっ……うぅっ……!」ポロポロッ…
地の四天王(以下、地王)「火の四天王よ」
地王「何を泣いているのだ?」
火王「……」
火王「はいっ!?」
462: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 22:03:18.63 ID:2zdbHm1Go
火王「ど、どうやって……私の部屋まで!?」
地王「石造りの建物など、俺の前では何も無いに等しい」
火王「ど、どうして……此処に来た!?」
地王「うむ!」
地王「まあ、大きな声では言いにくいんだがな?」
地王「ちょっと いに来た」
火王「本当に大きな声では言えない理由だな!?」
地王「石造りの建物など、俺の前では何も無いに等しい」
火王「ど、どうして……此処に来た!?」
地王「うむ!」
地王「まあ、大きな声では言いにくいんだがな?」
地王「ちょっと いに来た」
火王「本当に大きな声では言えない理由だな!?」
463: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 22:07:12.88 ID:2zdbHm1Go
地王「俺だって、色々と考えたのだぞ?」
火王「なっ、何を考えたと言うんだ!」
地王「お前の、婚約発表の場を潰す方法だ」
火王「……えっ?」
地王「正式に発表されるパーティーに颯爽と登場、とも考えた!」
地王「だが、水の四天王と風の四天王が前入りしていたのだ!」
地王「いくら俺でも、その状況では無理だ!」
火王「待て! 待て待て待て待て!」
火王「なっ、何を考えたと言うんだ!」
地王「お前の、婚約発表の場を潰す方法だ」
火王「……えっ?」
地王「正式に発表されるパーティーに颯爽と登場、とも考えた!」
地王「だが、水の四天王と風の四天王が前入りしていたのだ!」
地王「いくら俺でも、その状況では無理だ!」
火王「待て! 待て待て待て待て!」
464: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 22:10:20.76 ID:2zdbHm1Go
火王「お前は、何を言ってるかわかっているのか!?」
地王「当たり前だろう」
火王「私は、婚約発表を三日後に控えているんだぞ!?」
地王「それならば、延期になるぞ」
地王「ちょっと赤龍王をボコボコにしてな」
地王「あれは恐らく、二ヶ月は静養が必要だろう」
火王「お前は何をやってるんだ!?」
地王「当たり前だろう」
火王「私は、婚約発表を三日後に控えているんだぞ!?」
地王「それならば、延期になるぞ」
地王「ちょっと赤龍王をボコボコにしてな」
地王「あれは恐らく、二ヶ月は静養が必要だろう」
火王「お前は何をやってるんだ!?」
465: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 22:17:28.67 ID:2zdbHm1Go
地王「いや、最初は話し合いに行ったのだ!」
火王「何を話すことがある!?」
地王「無論、婚約発表を取りやめる事だ!」
火王「断られて、赤龍王を闇討ちしたのか!?」
地王「いやぁ……」
地王「――火の四天王は、顔こそ美しいとは言えない」
地王「――だが……」
地王「……まで聞いて、カッとなって手が出てしまったのだ」
地王「俺の魔力の源は怒りなので、奴が生き残れたのは奇跡だった」
火王「お前は……お前は、本当に何をしている!?」
火王「何を話すことがある!?」
地王「無論、婚約発表を取りやめる事だ!」
火王「断られて、赤龍王を闇討ちしたのか!?」
地王「いやぁ……」
地王「――火の四天王は、顔こそ美しいとは言えない」
地王「――だが……」
地王「……まで聞いて、カッとなって手が出てしまったのだ」
地王「俺の魔力の源は怒りなので、奴が生き残れたのは奇跡だった」
火王「お前は……お前は、本当に何をしている!?」
468: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 22:26:49.44 ID:2zdbHm1Go
地王「美しくない、なんて……なあ? 腹が立つではないか」
火王「だが! だが、と……内面を褒めようとしていただろう!」
地王「お前は、可愛い! 自信を持つのだ!」
火王「……うるさい!」
火王「お前は……私を捨てて、剣の乙女を選んだだろう!?」
火王「そんなお前が、どうして今更私の前に現れる!?」
地王「何を言う! 酔って、朝起きたらベッドに居ただけだ!」
火王「そんな訳があ――……」
火王「……」
火王「うん」
火王「だが! だが、と……内面を褒めようとしていただろう!」
地王「お前は、可愛い! 自信を持つのだ!」
火王「……うるさい!」
火王「お前は……私を捨てて、剣の乙女を選んだだろう!?」
火王「そんなお前が、どうして今更私の前に現れる!?」
地王「何を言う! 酔って、朝起きたらベッドに居ただけだ!」
火王「そんな訳があ――……」
火王「……」
火王「うん」
469: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 22:30:14.15 ID:2zdbHm1Go
地王「それでな? お姉様と呼ばれていてな?」
火王「……ああ、呼んでいたな」
地王「そんなのは、なあ? 男と言い出しにくいだろう」
火王「……まあ……確かにそうだな」
地王「覚えてはいないが、 ちゃった時は女の姿だった」
地王「女同士ならセーフ! という事にならんか?」
火王「……な、何とも言えん!」
火王「……ああ、呼んでいたな」
地王「そんなのは、なあ? 男と言い出しにくいだろう」
火王「……まあ……確かにそうだな」
地王「覚えてはいないが、 ちゃった時は女の姿だった」
地王「女同士ならセーフ! という事にならんか?」
火王「……な、何とも言えん!」
471: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 22:39:07.35 ID:2zdbHm1Go
地王「まあ、とりあえず婚約発表の場は潰させて貰った」
火王「……そうみたいだな」
地王「うむ!」
火王「……剣の乙女は、どうする気だ?」
地王「……まあ、なんだ」
地王「火の四天王よ、お前に任せたい」
地王「ただならぬ関係ではあるわけだからな!」
火王「えっ!? わ、私が何とかしないといけないのか!?」
火王「……そうみたいだな」
地王「うむ!」
火王「……剣の乙女は、どうする気だ?」
地王「……まあ、なんだ」
地王「火の四天王よ、お前に任せたい」
地王「ただならぬ関係ではあるわけだからな!」
火王「えっ!? わ、私が何とかしないといけないのか!?」
472: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 22:48:22.71 ID:2zdbHm1Go
地王「……まあ、他の事は後で考えるとしよう!」
火王「いや、待て!」
地王「待たぬ!」
火王「おい! 勝手にベッドに寝転がるな!」
地王「それは違うぞ、火の四天王よ!」
地王「俺は、ひっくり返っているのだ!」
地王「それが、お前の可愛さを引き出すと知っているからな!」
火王「……お前……覚えていたのか?」
火王「あの……初めて会った時の事を……」
火王「いや、待て!」
地王「待たぬ!」
火王「おい! 勝手にベッドに寝転がるな!」
地王「それは違うぞ、火の四天王よ!」
地王「俺は、ひっくり返っているのだ!」
地王「それが、お前の可愛さを引き出すと知っているからな!」
火王「……お前……覚えていたのか?」
火王「あの……初めて会った時の事を……」
474: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 22:55:01.55 ID:2zdbHm1Go
地王「? 何を言っている、当たり前だろう」
火王「……」
地王「あの後、火龍王に半殺しにされたのも良い思い出だ!」
火王「……」
地王「それに、翼と尻尾が出たらな? やりにくいと思うのだ」
地王「後ろからだと、可愛い顔が見えなくなってしまうだろう?」
地王「つまり――尻に敷かれに来たのだ!」
火王「そ……それって……」
火王「……」
地王「あの後、火龍王に半殺しにされたのも良い思い出だ!」
火王「……」
地王「それに、翼と尻尾が出たらな? やりにくいと思うのだ」
地王「後ろからだと、可愛い顔が見えなくなってしまうだろう?」
地王「つまり――尻に敷かれに来たのだ!」
火王「そ……それって……」
475: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 23:02:18.62 ID:2zdbHm1Go
火王「本当に……良いのか……?」
地王「この、鍛え抜かれた肉体を……ぬう、袖が引っかかって……!」
火王「あ……うん、脱ぐの手伝うぞ」
地王「おおっ、すまぬな!」
地王「――この、鍛え抜かれた肉体を見るが良い!」
地王「例え、相手が何者であろうとも!」
地王「最後まで――支えきってみせるわ!」
火王「……!」
―バサァッ! タシンッ!
地王「むしろな? 下から突き上げて――」
火王「――嬉しいっ……!」
地王「この、鍛え抜かれた肉体を……ぬう、袖が引っかかって……!」
火王「あ……うん、脱ぐの手伝うぞ」
地王「おおっ、すまぬな!」
地王「――この、鍛え抜かれた肉体を見るが良い!」
地王「例え、相手が何者であろうとも!」
地王「最後まで――支えきってみせるわ!」
火王「……!」
―バサァッ! タシンッ!
地王「むしろな? 下から突き上げて――」
火王「――嬉しいっ……!」
477: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 23:11:09.45 ID:2zdbHm1Go
・ ・ ・
大地の魔女(以下、地女)「……と、言うわけだ!」
光の勇者(以下、勇者)「お前、それ……」
地女「光の勇者よ、お前の出した条件は達成したぞ!」
勇者「いや、だが……」
勇者「お前……プロポーズした事になってないか?」
地女「なっていないだろう?」
地女「上に乗って、存分に腰を振れという意味でしかないぞ?」
勇者「そうか……いや、そうか!?」
大地の魔女(以下、地女)「……と、言うわけだ!」
光の勇者(以下、勇者)「お前、それ……」
地女「光の勇者よ、お前の出した条件は達成したぞ!」
勇者「いや、だが……」
勇者「お前……プロポーズした事になってないか?」
地女「なっていないだろう?」
地女「上に乗って、存分に腰を振れという意味でしかないぞ?」
勇者「そうか……いや、そうか!?」
478: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 23:16:29.92 ID:2zdbHm1Go
地女「とりあえず、ほれ! パーティーに入れてくれ!」
勇者「あ、ああ……お前はパーティーメンバーだ」
地女「……おおっ! 聖なる力で覆われていく!」
勇者「とりあえず……後で、二人の誤解を解いてくれ」
地女「全く……お前は、いつも誤解されているな」
地女「もう少し、言動には慎重になった方がいいぞ?」
勇者「あのな!? 全部お前が原因だからな!?」
勇者「あ、ああ……お前はパーティーメンバーだ」
地女「……おおっ! 聖なる力で覆われていく!」
勇者「とりあえず……後で、二人の誤解を解いてくれ」
地女「全く……お前は、いつも誤解されているな」
地女「もう少し、言動には慎重になった方がいいぞ?」
勇者「あのな!? 全部お前が原因だからな!?」
479: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 23:26:44.50 ID:2zdbHm1Go
勇者「って言うか……お前、やっぱり強いんだな」
地女「赤龍王には……まあ、菓子折りでも贈っておこう」
勇者「それで良いのか!?」
地女「安心するのだ、正体はバレていないぞ!」
地女「ボコった時は、この美少女の姿だったからな!」
地女「だが、ボコった後……」
地女「――貴女のお名前は……?」
地女「と、妙に熱っぽい視線を送ってきていてな?」
地女「あれは……一体何だったのだろうか……?」
勇者「お前はどうしてそう……そう、ぬああああ!?」
地女「赤龍王には……まあ、菓子折りでも贈っておこう」
勇者「それで良いのか!?」
地女「安心するのだ、正体はバレていないぞ!」
地女「ボコった時は、この美少女の姿だったからな!」
地女「だが、ボコった後……」
地女「――貴女のお名前は……?」
地女「と、妙に熱っぽい視線を送ってきていてな?」
地女「あれは……一体何だったのだろうか……?」
勇者「お前はどうしてそう……そう、ぬああああ!?」
481: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 23:31:42.01 ID:2zdbHm1Go
勇者「火の四天王は……どうしたんだ?」
地女「とても、幸せそうな寝顔をしていてな……」
勇者「……それで?」
地女「……うむ」
地女「長居して、水の四天王と風の四天王にバレるとも限らんしな」
地女「起こさないよう、コッソリ抜け出して戻ってきた」
地女「こう……ちゃんと、肩まで布団をかけてだぞ」
勇者「それ大丈夫なのか!?」
勇者「っつーか、最後のくだり要るか!?」
地女「とても、幸せそうな寝顔をしていてな……」
勇者「……それで?」
地女「……うむ」
地女「長居して、水の四天王と風の四天王にバレるとも限らんしな」
地女「起こさないよう、コッソリ抜け出して戻ってきた」
地女「こう……ちゃんと、肩まで布団をかけてだぞ」
勇者「それ大丈夫なのか!?」
勇者「っつーか、最後のくだり要るか!?」
483: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 23:37:25.53 ID:2zdbHm1Go
地女「光の勇者よ、案ずるな!」
勇者「いや、だってお前!」
地女「ええい、俺を信じろ!」
勇者「お前の、どこを!?」
地女「火の四天王は、今回の事は誰にも言わん」
地女「火龍王の娘にして、誇り高き武人が、だ」
地女「 いされてお楽しんじゃいました……」
地女「……などと、言える筈が無いだろう?」
勇者「……本当クズだな、お前はよぉ!?」
勇者「いや、だってお前!」
地女「ええい、俺を信じろ!」
勇者「お前の、どこを!?」
地女「火の四天王は、今回の事は誰にも言わん」
地女「火龍王の娘にして、誇り高き武人が、だ」
地女「 いされてお楽しんじゃいました……」
地女「……などと、言える筈が無いだろう?」
勇者「……本当クズだな、お前はよぉ!?」
484: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 23:43:37.59 ID:2zdbHm1Go
地女「だが、祝福の聖女と剣の乙女の誤解を解けるのは?」
勇者「ああ、そうだな! お前だけだよクソッタレ!」
地女「ふっ……パーティーには、役割というものがあるからな!」
勇者「お前のせいで生まれた役割だよ!」
地女「ふむ……つまり――」
地女「――母なる大地、という事だな?」
勇者「お前、本当に言葉を考えてくれない!?」
勇者「それは今後使うなよ!? 絶対、誤解を招く!」
勇者「ああ、そうだな! お前だけだよクソッタレ!」
地女「ふっ……パーティーには、役割というものがあるからな!」
勇者「お前のせいで生まれた役割だよ!」
地女「ふむ……つまり――」
地女「――母なる大地、という事だな?」
勇者「お前、本当に言葉を考えてくれない!?」
勇者「それは今後使うなよ!? 絶対、誤解を招く!」
485: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/13(火) 23:59:41.66 ID:2zdbHm1Go
地女「誤解など、恐るるに足らんぞ」
勇者「少しは恐れてくれ、頼むから!」
地女「……光の勇者」
勇者「……何だよ」
地女「誤解があってもな?」
地女「こう、割と何とかなったりするものなのだ!」
勇者「だけど……どんどん、状況が悪くなって無いか?」
地女「なぁに、何とかなる!」
地女「光の勇者よ、明日を信じられぬ者に未来は無いぞ!」
勇者「四天王らしくないなぐさめすんじゃねえよ!!」
おわり
勇者「少しは恐れてくれ、頼むから!」
地女「……光の勇者」
勇者「……何だよ」
地女「誤解があってもな?」
地女「こう、割と何とかなったりするものなのだ!」
勇者「だけど……どんどん、状況が悪くなって無いか?」
地女「なぁに、何とかなる!」
地女「光の勇者よ、明日を信じられぬ者に未来は無いぞ!」
勇者「四天王らしくないなぐさめすんじゃねえよ!!」
おわり
490: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/14(水) 20:56:27.23 ID:dDW5kg4Eo
書きます
大地の魔女「光の勇者よ、傍を離れるな!」
大地の魔女「光の勇者よ、傍を離れるな!」
491: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/14(水) 21:01:34.82 ID:dDW5kg4Eo
光の勇者(以下、勇者)「くそっ、離しやがれ!」
大地の魔女(以下、地女)「ええい、離すものか!」
勇者「離せっつってんのがわかんねえのか!」
地女「離れるなと言っているのがわからんのか!」
風の四天王(以下、風王)「……僕は、二人まとめででも構わないよ」
風王「さあ、始めようか……!」
地女「! 来るぞ、勇者!」
地女「……――説教だ!」
勇者「だから、なんで俺を巻き込むんだよおおおおお!?」
大地の魔女(以下、地女)「ええい、離すものか!」
勇者「離せっつってんのがわかんねえのか!」
地女「離れるなと言っているのがわからんのか!」
風の四天王(以下、風王)「……僕は、二人まとめででも構わないよ」
風王「さあ、始めようか……!」
地女「! 来るぞ、勇者!」
地女「……――説教だ!」
勇者「だから、なんで俺を巻き込むんだよおおおおお!?」
492: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/14(水) 21:05:36.76 ID:dDW5kg4Eo
風王「僕が、どうして怒っているかわかるかい?」
地女「光の勇者よ、油断するな!」
地女「あれが、奴のいつもの手なのだ!」
勇者「お前、そんなに風の四天王に説教されてんのか!?」
地女「うむ! 領地が隣だからな!」
地女「……ああやって、ポロッと自白するのを誘っているのだ!」
地女「あの手に、何度してやられた事か!」
勇者「そりゃあ、心当たりが多ければしてやられるだろうよ!」
風王「……」
地女「光の勇者よ、油断するな!」
地女「あれが、奴のいつもの手なのだ!」
勇者「お前、そんなに風の四天王に説教されてんのか!?」
地女「うむ! 領地が隣だからな!」
地女「……ああやって、ポロッと自白するのを誘っているのだ!」
地女「あの手に、何度してやられた事か!」
勇者「そりゃあ、心当たりが多ければしてやられるだろうよ!」
風王「……」
493: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/14(水) 21:10:17.05 ID:dDW5kg4Eo
風王「それじゃあ、単刀直入に聞くよ」
風王「火の四天王の婚約発表の場をぶち壊したのは――」
地女「光の勇者が指示した事だ!」
勇者「オイコラてめえええええ!?」
地女「俺は、最初は反対していたのだ!」
勇者「いや、そりゃしてたけど……!」
地女「ぬうう、光の勇者め! 人の幸せを妬むなど!」
勇者「違うからな!? いや、そうだけど……違うぞ!?」
風王「……」
風王「火の四天王の婚約発表の場をぶち壊したのは――」
地女「光の勇者が指示した事だ!」
勇者「オイコラてめえええええ!?」
地女「俺は、最初は反対していたのだ!」
勇者「いや、そりゃしてたけど……!」
地女「ぬうう、光の勇者め! 人の幸せを妬むなど!」
勇者「違うからな!? いや、そうだけど……違うぞ!?」
風王「……」
494: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/14(水) 21:14:30.46 ID:dDW5kg4Eo
風王「方法は、勇者が決めたのかい?」
勇者「違う! コイツが決めた!」
地女「かぁっ! 一回、パス!」
勇者「……なんだよ、それ?」
地女「パスした事により、方法を決めたのはお前になったのだ」
勇者「ふっざけんなよ!? 一回って事は――」
地女「察しが良いな! 俺は、あと二回パスを残している!」
勇者「コイツだ! コイツが決めた!」
風王「……」
勇者「違う! コイツが決めた!」
地女「かぁっ! 一回、パス!」
勇者「……なんだよ、それ?」
地女「パスした事により、方法を決めたのはお前になったのだ」
勇者「ふっざけんなよ!? 一回って事は――」
地女「察しが良いな! 俺は、あと二回パスを残している!」
勇者「コイツだ! コイツが決めた!」
風王「……」
495: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/14(水) 21:18:56.45 ID:dDW5kg4Eo
風王「……じゃあ、方法を決めたのも勇者で良いさ」
勇者「はあっ!? おい、なんだよそれ!」
地女「むっ!? 裁定に文句をつけるつもりか!?」
勇者「ったりめえだろ!? 俺じゃねえからな!」
地女「ええい! 光の勇者よ、見苦しいぞ!」
勇者「風の四天王! 裁きは公平に行え!」
地女「風の四天王! 人生は平等では無い!」
風王「……」
風王「…………そろそろ、良いかな?」
地女・勇者「……はい」
勇者「はあっ!? おい、なんだよそれ!」
地女「むっ!? 裁定に文句をつけるつもりか!?」
勇者「ったりめえだろ!? 俺じゃねえからな!」
地女「ええい! 光の勇者よ、見苦しいぞ!」
勇者「風の四天王! 裁きは公平に行え!」
地女「風の四天王! 人生は平等では無い!」
風王「……」
風王「…………そろそろ、良いかな?」
地女・勇者「……はい」
496: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/14(水) 21:24:35.00 ID:dDW5kg4Eo
風王「君達、バレないとでも思ったのかい?」
風王「僕が――風の四天王が、見逃すとでも?」
勇者「いや、だけど……」
地女「その……なあ?」
風王「事が公にならず、今も呑気にしてられるのは……」
風王「……一体、どこの四天王のおかげだい?」
地女「……」スッ…
勇者「っふ!……っくく、おい……手ぇ上げるなよ……!」
風王「この僕が! 風の四天王が、隠蔽工作をしたからだよ!」
風王「僕が――風の四天王が、見逃すとでも?」
勇者「いや、だけど……」
地女「その……なあ?」
風王「事が公にならず、今も呑気にしてられるのは……」
風王「……一体、どこの四天王のおかげだい?」
地女「……」スッ…
勇者「っふ!……っくく、おい……手ぇ上げるなよ……!」
風王「この僕が! 風の四天王が、隠蔽工作をしたからだよ!」
497: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/14(水) 21:29:35.53 ID:dDW5kg4Eo
風王「方法は、他にいくらでもあっただろう!?」
風王「どうして、赤龍王を襲ったりしたんだ!」
地女「その、な?……つい、カッとなって」
風王「そもそも! 上手くいっていた筈だろう!」
風王「放っておけば、火の四天王は君から離れた!」
風王「――光の勇者、どうして彼を煽ったんだ!?」
勇者「いや、なんか……つい、と言うか」
風王「つい、じゃないんだよ! つい、じゃ!」
風王「どうして、赤龍王を襲ったりしたんだ!」
地女「その、な?……つい、カッとなって」
風王「そもそも! 上手くいっていた筈だろう!」
風王「放っておけば、火の四天王は君から離れた!」
風王「――光の勇者、どうして彼を煽ったんだ!?」
勇者「いや、なんか……つい、と言うか」
風王「つい、じゃないんだよ! つい、じゃ!」
498: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/14(水) 21:37:14.31 ID:dDW5kg4Eo
風王「僕の苦労がわかるか!?」
風王「……ああ、言ってもわからないだろうね!」
風王「本当に……これだから、男ってやつは!」
地女「……」
勇者「……」
地女「……なっ、恐ろしいだろう?」ボソボソ
勇者「ああ……何も言い返せない」ボソボソ
風王「っ!」キッ!
地女・勇者「……何でもありません」
風王「……ああ、言ってもわからないだろうね!」
風王「本当に……これだから、男ってやつは!」
地女「……」
勇者「……」
地女「……なっ、恐ろしいだろう?」ボソボソ
勇者「ああ……何も言い返せない」ボソボソ
風王「っ!」キッ!
地女・勇者「……何でもありません」
499: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/14(水) 21:42:27.25 ID:dDW5kg4Eo
風王「……僕が、どうしてそこまでしたかわかるかい?」
地女・勇者「……」
風王「……」
地女「……」
勇者「……おい」ボソッ
地女「……何だ」ボソッ
勇者「……何か言えって」ボソボソ
地女「――サッパリわからん!」
風王「君に、死んで欲しくないからだよ!」
風王「あのね、そのくらい分かって貰えるかな!?」
地女・勇者「……」
風王「……」
地女「……」
勇者「……おい」ボソッ
地女「……何だ」ボソッ
勇者「……何か言えって」ボソボソ
地女「――サッパリわからん!」
風王「君に、死んで欲しくないからだよ!」
風王「あのね、そのくらい分かって貰えるかな!?」
500: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/14(水) 21:52:52.23 ID:dDW5kg4Eo
風王「だから……死なれちゃ、困るんだ」
風王「そのためなら――何だってするさ」
地女「あー……つかぬ事を聞くがな?」
地女「……アレも見ていたのか?」
風王「……見たくなんてなかったさ!」
風王「けど、火の四天王の魔力があんなに高まったら……」
風王「……意識を集中せざるを得なかったんだよ!」
勇者「お前……凄いな」
風王「……うるさい、黙れ」
風王「そのためなら――何だってするさ」
地女「あー……つかぬ事を聞くがな?」
地女「……アレも見ていたのか?」
風王「……見たくなんてなかったさ!」
風王「けど、火の四天王の魔力があんなに高まったら……」
風王「……意識を集中せざるを得なかったんだよ!」
勇者「お前……凄いな」
風王「……うるさい、黙れ」
501: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/14(水) 21:58:52.35 ID:dDW5kg4Eo
風王「アレが露見――水の四天王にバレていたら」
風王「水の四天王の事だ……」
風王「……きっと、火の四天王を手にかけていただろうね」
地女・勇者「……」
風王「そして――怒り狂った君は、水の四天王を殺しただろう」
風王「その怒りを鎮める事は……きっと不可能だ」
風王「それこそ……殺してしまわない限り」
風王「白羽の矢が立つのは……まあ、僕で間違いないかな」
地女・勇者「……」
風王「水の四天王の事だ……」
風王「……きっと、火の四天王を手にかけていただろうね」
地女・勇者「……」
風王「そして――怒り狂った君は、水の四天王を殺しただろう」
風王「その怒りを鎮める事は……きっと不可能だ」
風王「それこそ……殺してしまわない限り」
風王「白羽の矢が立つのは……まあ、僕で間違いないかな」
地女・勇者「……」
502: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/14(水) 22:07:07.52 ID:dDW5kg4Eo
風王「僕に……君は、殺せない」
風王「かと言って、殺されるのも御免だ」
風王「だって――僕は、君を手に入れたいんだから」
勇者「なあ……コイツが、何人に手を出してるか知ってんのか?」
地王「うむ!」
地王「俺が言うのも何だが……他に、良い男は居るぞ?」
風王「……かも知れない」
風王「いや……きっと、そうなんだろうね」
風王「――けど、僕は君が欲しいんだ」
地女「……風の四天王」
勇者「な、なあ……すまん、物凄く居辛いんだが……!?」
風王「かと言って、殺されるのも御免だ」
風王「だって――僕は、君を手に入れたいんだから」
勇者「なあ……コイツが、何人に手を出してるか知ってんのか?」
地王「うむ!」
地王「俺が言うのも何だが……他に、良い男は居るぞ?」
風王「……かも知れない」
風王「いや……きっと、そうなんだろうね」
風王「――けど、僕は君が欲しいんだ」
地女「……風の四天王」
勇者「な、なあ……すまん、物凄く居辛いんだが……!?」
503: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/14(水) 22:14:18.43 ID:dDW5kg4Eo
風王「終わり良ければ全て良し、って言うだろう?」
風王「……魔族の生は長いんだ」
風王「意中の相手に、過去に別の相手が居たなんて当たり前の事」
風王「……今は、それが偶然近い時期なだけ」
風王「――最後に、僕を選んでくれればそれで良い」
地女「……むう」
勇者「……!」
勇者(なんで俺が居るのにこういう空気出すんだよおおおお!!)
風王「……魔族の生は長いんだ」
風王「意中の相手に、過去に別の相手が居たなんて当たり前の事」
風王「……今は、それが偶然近い時期なだけ」
風王「――最後に、僕を選んでくれればそれで良い」
地女「……むう」
勇者「……!」
勇者(なんで俺が居るのにこういう空気出すんだよおおおお!!)
505: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/14(水) 22:22:11.04 ID:dDW5kg4Eo
風王「……こんなに心の内を晒したのは、初めてだよ」
地女「あー……まあ、何だ」
地女「お前が、そこまで俺にこだわるのは……」
地女「――‘あの時’の事が、きっかけか?」
風王「……そうだね、‘あの時’からだよ」
風王「でなければ……体を許したりはしなかったさ」
地女「……むうう」
勇者「……!?」
勇者(‘あの時’って何だよ!?……なんて聞ける空気じゃねえ!)
地女「あー……まあ、何だ」
地女「お前が、そこまで俺にこだわるのは……」
地女「――‘あの時’の事が、きっかけか?」
風王「……そうだね、‘あの時’からだよ」
風王「でなければ……体を許したりはしなかったさ」
地女「……むうう」
勇者「……!?」
勇者(‘あの時’って何だよ!?……なんて聞ける空気じゃねえ!)
506: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/14(水) 22:32:58.81 ID:dDW5kg4Eo
・ ・ ・
地女「……風の四天王め」
地女「……」
地女「まさか……‘あの時’の事をそこまで……」
地女「……むううっ!」
地女「――答えは、いつまででも待つ」
地女「……と言われても! 俺は、どうしたら良いのだ!」
地女「光の勇者よ、助けてくれ!」
勇者「‘あの時’って何なんだよおおおおお!?」
地女「……風の四天王め」
地女「……」
地女「まさか……‘あの時’の事をそこまで……」
地女「……むううっ!」
地女「――答えは、いつまででも待つ」
地女「……と言われても! 俺は、どうしたら良いのだ!」
地女「光の勇者よ、助けてくれ!」
勇者「‘あの時’って何なんだよおおおおお!?」
507: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/14(水) 22:46:35.29 ID:dDW5kg4Eo
・ ・ ・
風王「……」
風王(風を自在に操り、地に縛られた者達を蔑んでいた……あの時)
風王(僕は――君に破れた)
風王(気付いた時には……僕は地に転がり、君に見下されていた)
風王(敗北の屈辱を――恥辱を受けた)
風王「風が……地に負ける」
風王(有り得ないと信じられず……死を覚悟した)
風王(……いや、みっともなく……怯えた姿を見せた)
風王(そんな僕に……君は、手を差し伸べたんだ)
風王(――四天王として、俺と共に魔王様に仕えんか?)
風王(……なんて、満身創痍の姿で……笑いながら)
風王「……」
風王(風を自在に操り、地に縛られた者達を蔑んでいた……あの時)
風王(僕は――君に破れた)
風王(気付いた時には……僕は地に転がり、君に見下されていた)
風王(敗北の屈辱を――恥辱を受けた)
風王「風が……地に負ける」
風王(有り得ないと信じられず……死を覚悟した)
風王(……いや、みっともなく……怯えた姿を見せた)
風王(そんな僕に……君は、手を差し伸べたんだ)
風王(――四天王として、俺と共に魔王様に仕えんか?)
風王(……なんて、満身創痍の姿で……笑いながら)
508: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/14(水) 22:54:11.85 ID:dDW5kg4Eo
・ ・ ・
地女「光の勇者よ、俺が教えたとは……絶対に言うなよ?」
勇者「良いから、さっさと教えろ!」
地女「良いか? 絶対に言うなよ!?」
勇者「良いから言え! 気になるだろうが!」
地女「四天王になっての最初の命令が、奴の討伐だったのだ」
地女「もう、本当に運良く勝ててな! あれは豪運だった!」
地女「そうしたら、奴め……殺されると思ったのか、な?」
地女「まあ、なんだ……オシッコちびっちゃってな?」
勇者「あっ! これ、聞かない方が良かったやつだな!?」
地女「光の勇者よ、俺が教えたとは……絶対に言うなよ?」
勇者「良いから、さっさと教えろ!」
地女「良いか? 絶対に言うなよ!?」
勇者「良いから言え! 気になるだろうが!」
地女「四天王になっての最初の命令が、奴の討伐だったのだ」
地女「もう、本当に運良く勝ててな! あれは豪運だった!」
地女「そうしたら、奴め……殺されると思ったのか、な?」
地女「まあ、なんだ……オシッコちびっちゃってな?」
勇者「あっ! これ、聞かない方が良かったやつだな!?」
509: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/14(水) 23:19:04.30 ID:dDW5kg4Eo
・ ・ ・
風王「……!」ゾクッ!
風王(……ああっ、思い出すだけでも体が震える!)
風王(僕に、この感覚を与えてくれるのは君しか居ない!)
風王(……だから、絶対に君は死なせない)
風王(……生きて、僕に――)
・ ・ ・
地王『あー……なんだ……これで拭け、遠慮するな?』
・ ・ ・
風王「……!」ゾクゾクッ!
風王(――恥辱と、生の実感を与え続けてくれ!)
風王「……!」ゾクッ!
風王(……ああっ、思い出すだけでも体が震える!)
風王(僕に、この感覚を与えてくれるのは君しか居ない!)
風王(……だから、絶対に君は死なせない)
風王(……生きて、僕に――)
・ ・ ・
地王『あー……なんだ……これで拭け、遠慮するな?』
・ ・ ・
風王「……!」ゾクゾクッ!
風王(――恥辱と、生の実感を与え続けてくれ!)
510: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/14(水) 23:31:36.05 ID:dDW5kg4Eo
・ ・ ・
地女「……変に真面目で、プライドが高かった分……な?」
勇者「……歪んだのか」
地女「趣味嗜好は自由だが、奴は特殊でなぁ」
勇者「……まともな奴だと思ったのに……!」
地女「だからな……いくら俺でも、ちょっと責任を感じるのだ」
地女「まあ……これ以上は、な?」
地女「プライバシーというものは、大切にしなければいかん」
勇者「……ああ、そうだな」
地女「……変に真面目で、プライドが高かった分……な?」
勇者「……歪んだのか」
地女「趣味嗜好は自由だが、奴は特殊でなぁ」
勇者「……まともな奴だと思ったのに……!」
地女「だからな……いくら俺でも、ちょっと責任を感じるのだ」
地女「まあ……これ以上は、な?」
地女「プライバシーというものは、大切にしなければいかん」
勇者「……ああ、そうだな」
511: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/14(水) 23:47:18.28 ID:dDW5kg4Eo
地女「……だが、奴のお陰で助かったのだ!」
勇者「……まあ、今後は十分気をつけよう」
地女「うむ!」
勇者「風の四天王に関しては……まあ、頑張れ」
地女「……光の勇者よ」
地女「地属性の俺では……風属性の奴に、今はもう対抗出来ん」
地女「……いざという時は、頼むぞ」
地女「本当に責任は感じるが……ちょっと、本当に勘弁なのだ」
勇者「物凄くお似合いな気がしたが……」
勇者「……苦手属性は、しょうがねえよな」
おわり
勇者「……まあ、今後は十分気をつけよう」
地女「うむ!」
勇者「風の四天王に関しては……まあ、頑張れ」
地女「……光の勇者よ」
地女「地属性の俺では……風属性の奴に、今はもう対抗出来ん」
地女「……いざという時は、頼むぞ」
地女「本当に責任は感じるが……ちょっと、本当に勘弁なのだ」
勇者「物凄くお似合いな気がしたが……」
勇者「……苦手属性は、しょうがねえよな」
おわり
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