書きます
水の四天王「祝福の聖女よ、式が中止になりましたわ」
水の四天王「祝福の聖女よ、式が中止になりましたわ」
521: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 15:54:58.37 ID:ua+8PPg4o
祝福の聖女(以下、聖女)「えっ、婚約発表の式が……ですか?」
水の四天王(以下、水王)「ええ、何者かが侵入して……」
聖女「そ、それって一大事じゃないですか!?」
水王「……そうですわね」
水王「この私――水の四天王の顔も潰してくれましたの」
水王「犯人を捕らえたら……ふふっ、どうしてくれましょうね!」
聖女「と、とりあえず落ち着きましょう! ねっ!?」
水の四天王(以下、水王)「ええ、何者かが侵入して……」
聖女「そ、それって一大事じゃないですか!?」
水王「……そうですわね」
水王「この私――水の四天王の顔も潰してくれましたの」
水王「犯人を捕らえたら……ふふっ、どうしてくれましょうね!」
聖女「と、とりあえず落ち着きましょう! ねっ!?」
522: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 15:58:42.55 ID:ua+8PPg4o
水王「はぁ……全く、事後処理も大変でしたのよ」
聖女「水の四天王さん……お疲れ様です」
水王「うふふっ、貴女のその言葉だけでも癒やされますわ」
聖女「そ……そうですか?///」
水王「ええ、貴女のお陰でこれからも頑張れそうですわ」
水王「彼の――地の四天王の領地を侵略するのを!」グッ!
聖女「それは良かった……」
聖女「……って、侵略!?」
聖女「水の四天王さん……お疲れ様です」
水王「うふふっ、貴女のその言葉だけでも癒やされますわ」
聖女「そ……そうですか?///」
水王「ええ、貴女のお陰でこれからも頑張れそうですわ」
水王「彼の――地の四天王の領地を侵略するのを!」グッ!
聖女「それは良かった……」
聖女「……って、侵略!?」
523: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 16:01:16.01 ID:ua+8PPg4o
聖女「えっ!? 四天王同士で……戦争ですか!?」
水王「うふふっ、まあ……ある意味ではそうですわね」
聖女「だっ、大丈夫なんですか!? そんな事して!」
水王「勿論、抜かりはありませんわ」
水王「地の四天王の領地の民達も……ええ」
水王「とても、感謝してくれているんですのよ」
聖女「か……感謝……?」
水王「うふふっ、まあ……ある意味ではそうですわね」
聖女「だっ、大丈夫なんですか!? そんな事して!」
水王「勿論、抜かりはありませんわ」
水王「地の四天王の領地の民達も……ええ」
水王「とても、感謝してくれているんですのよ」
聖女「か……感謝……?」
524: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 16:04:33.89 ID:ua+8PPg4o
聖女「し、侵略で……戦争なんですよね?」
水王「貴女は、私と地の四天王の領地が隣なのはご存知?」
聖女「はい……知っています」
水王「それで……彼は、今不在でしょう?」
水王「その隙を突いて、ね?」
水王「――水の四天王が居ると、地の領地はとても助かる」
水王「……と、地の領地の民達が思う様に行動してるんですの!」
聖女「それって……どういう事ですか?」
水王「貴女は、私と地の四天王の領地が隣なのはご存知?」
聖女「はい……知っています」
水王「それで……彼は、今不在でしょう?」
水王「その隙を突いて、ね?」
水王「――水の四天王が居ると、地の領地はとても助かる」
水王「……と、地の領地の民達が思う様に行動してるんですの!」
聖女「それって……どういう事ですか?」
525: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 16:08:23.71 ID:ua+8PPg4o
水王「具体的には、上下水道設備の充実ですわね」
聖女「は、はあ……」
水王「あとは、農耕に必要な河の流れを操作したり……」
聖女「……えっと、つまり」
水王「地の領地の民達に、感謝の言葉と共に聞かれますの」
水王「――水の四天王様は、地の領地のためにどうしてここまで……?」
水王「……うふふっ! なんてね!」
聖女「……外堀を埋めてるってことですか!?」
聖女「は、はあ……」
水王「あとは、農耕に必要な河の流れを操作したり……」
聖女「……えっと、つまり」
水王「地の領地の民達に、感謝の言葉と共に聞かれますの」
水王「――水の四天王様は、地の領地のためにどうしてここまで……?」
水王「……うふふっ! なんてね!」
聖女「……外堀を埋めてるってことですか!?」
526: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 16:13:49.75 ID:ua+8PPg4o
水王「私、聞かれたらこう答えるようにしてますの」
聖女「な、何て答えてるんですか……?」
水王「……うふふっ!」
聖女「……!」
水王「――貴方達は、彼の愛する領地の民達ですもの」
水王「――ならば、彼が不在の時に私が動くのは当然ですわ」
水王「……ってね! うふふっ!」
聖女「物凄く色んな憶測が飛び交いそうな返しですね!?」
聖女「な、何て答えてるんですか……?」
水王「……うふふっ!」
聖女「……!」
水王「――貴方達は、彼の愛する領地の民達ですもの」
水王「――ならば、彼が不在の時に私が動くのは当然ですわ」
水王「……ってね! うふふっ!」
聖女「物凄く色んな憶測が飛び交いそうな返しですね!?」
527: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 16:20:36.19 ID:ua+8PPg4o
水王「この間も、街を視察していたら言われましたの……」
聖女「なっ、何て!? 何て言われたんですか!?」
水王「小さな子供と言うのは、時に驚くような事を言いますわよね……」
聖女「えっ?」
水王「――地の四天王様と、水の四天王様っていつ結婚するの?」
水王「……ですって! うふふふっ!」
水王「私、驚いてしまって! もう! うふふっ!」
聖女「小さな子供まで、そういう風に思ってるんですか!?」
聖女「なっ、何て!? 何て言われたんですか!?」
水王「小さな子供と言うのは、時に驚くような事を言いますわよね……」
聖女「えっ?」
水王「――地の四天王様と、水の四天王様っていつ結婚するの?」
水王「……ですって! うふふふっ!」
水王「私、驚いてしまって! もう! うふふっ!」
聖女「小さな子供まで、そういう風に思ってるんですか!?」
528: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 16:31:02.51 ID:ua+8PPg4o
水王「周囲に居た大人達は、慌ててしまって……」
聖女「他の領地を収める四天王相手……ですもんね」
水王「けれど、小さな子どもに罪はありませんわ」
聖女「水の四天王さん……」
水王「だから、ね?」
水王「その子の頭を撫でながら――」
水王「――残念ですけど……水の四天王の私でも、わかりませんの」
水王「――地の四天王様に、聞いてくださいな」
水王「……と、微笑み、許してあげましたわ」
聖女「……想像しただけで和やかになります!」
聖女「他の領地を収める四天王相手……ですもんね」
水王「けれど、小さな子どもに罪はありませんわ」
聖女「水の四天王さん……」
水王「だから、ね?」
水王「その子の頭を撫でながら――」
水王「――残念ですけど……水の四天王の私でも、わかりませんの」
水王「――地の四天王様に、聞いてくださいな」
水王「……と、微笑み、許してあげましたわ」
聖女「……想像しただけで和やかになります!」
529: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 16:38:42.87 ID:ua+8PPg4o
水王「それを見ていた、伝統の職人の方が居ましてね?」
聖女「地の領地で、伝統と言うと……」
水王「石工や、彫刻ですわね」
聖女「そうでした! 本当に、見事な細工ですよね!」
水王「その……職人の方達がね?」
水王「広場に建っている、地の四天王の像の隣に……」
水王「私の――水の四天王様の像を立てる……と、盛り上がってしまって」
水王「……うふふっ! 困ってしまいましたわ!」
聖女「……」
聖女(すみません、魔王さん……今だけは……!)
聖女「……もおおおお! 困ってる顔じゃないですよー!」
聖女「地の領地で、伝統と言うと……」
水王「石工や、彫刻ですわね」
聖女「そうでした! 本当に、見事な細工ですよね!」
水王「その……職人の方達がね?」
水王「広場に建っている、地の四天王の像の隣に……」
水王「私の――水の四天王様の像を立てる……と、盛り上がってしまって」
水王「……うふふっ! 困ってしまいましたわ!」
聖女「……」
聖女(すみません、魔王さん……今だけは……!)
聖女「……もおおおお! 困ってる顔じゃないですよー!」
530: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 16:47:45.56 ID:ua+8PPg4o
水王「けれど、彼の像よりも大きく作ると言っていたんですの!」
聖女「えっ? それって……良い事じゃないんですか?」
水王「……いいえ、そんな事はありませんわ」
聖女「えっ?」
水王「――私は、支えに来たのです」
水王「――決して、あの方より目立とうとは思いません」
水王「……ねっ? わかるでしょう?」
聖女「すっ、凄いです! えっ、あっ、あっ、わっ!」
聖女「わ、私も……その台詞、どこかで使って良いですか!?」
聖女「えっ? それって……良い事じゃないんですか?」
水王「……いいえ、そんな事はありませんわ」
聖女「えっ?」
水王「――私は、支えに来たのです」
水王「――決して、あの方より目立とうとは思いません」
水王「……ねっ? わかるでしょう?」
聖女「すっ、凄いです! えっ、あっ、あっ、わっ!」
聖女「わ、私も……その台詞、どこかで使って良いですか!?」
531: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 16:57:53.53 ID:ua+8PPg4o
水王「……結局、そのお話はお断りしましたわ」
聖女「えっ!? どうしてですか!?」
水王「……言い出した職人の方達が、ね?」
水王「地の四天王の像を作った方達だったみたいで……」
聖女「……どう断ったんですか?」
水王「――腕の悪い職人には、頼めませんわ」
聖女「ええっ!? そんな事言っちゃったんですか!?」
水王「――広場の、地の四天王の像を見れば……腕はわかります」
水王「――地の四天王は、もっと凛々しい顔立ちですわ」
聖女「うう――っ!?/// 聞いてるこっちが恥ずかしいです!///」
聖女「えっ!? どうしてですか!?」
水王「……言い出した職人の方達が、ね?」
水王「地の四天王の像を作った方達だったみたいで……」
聖女「……どう断ったんですか?」
水王「――腕の悪い職人には、頼めませんわ」
聖女「ええっ!? そんな事言っちゃったんですか!?」
水王「――広場の、地の四天王の像を見れば……腕はわかります」
水王「――地の四天王は、もっと凛々しい顔立ちですわ」
聖女「うう――っ!?/// 聞いてるこっちが恥ずかしいです!///」
532: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 17:04:53.87 ID:ua+8PPg4o
水王「なので、今は……地の四天王の像を作り直してますの」
聖女「えっ、と……出来はどうなんでしょう?」
水王「私も、その原因なので見に行きはするんですけれど……」
聖女「その言い方だと、見られてないんですか?」
水王「私の意見を全て聞いたら、別人になってしまう、って」
水王「……うふふっ! だから、出来てからのお楽しみなの!」
聖女「もーっ、水の四天王さんったら!///」
聖女「ふふっ……似てない様に見えても、怒っちゃ駄目ですよ?」
聖女「えっ、と……出来はどうなんでしょう?」
水王「私も、その原因なので見に行きはするんですけれど……」
聖女「その言い方だと、見られてないんですか?」
水王「私の意見を全て聞いたら、別人になってしまう、って」
水王「……うふふっ! だから、出来てからのお楽しみなの!」
聖女「もーっ、水の四天王さんったら!///」
聖女「ふふっ……似てない様に見えても、怒っちゃ駄目ですよ?」
533: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 17:14:23.11 ID:ua+8PPg4o
水王「けれど……彼の妹が問題なのです」
聖女「えっ? 地の四天王に……妹さんが居たんですか?」
水王「ええ、とても可愛らしい子ですのよ」
聖女「へええ……でも、問題って?」
水王「――義姉上、と」
水王「‘まだ’そう呼んではいけないと、何度も言うのに……うふふっ!」
聖女「もう、妹さんも攻略済みなんですか!?」
聖女「えっ? 地の四天王に……妹さんが居たんですか?」
水王「ええ、とても可愛らしい子ですのよ」
聖女「へええ……でも、問題って?」
水王「――義姉上、と」
水王「‘まだ’そう呼んではいけないと、何度も言うのに……うふふっ!」
聖女「もう、妹さんも攻略済みなんですか!?」
534: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 17:26:25.17 ID:ua+8PPg4o
水王「彼の両親は、もう遠方でご隠居なさってますし」
聖女「えっ、それじゃあ……」
水王「彼が不在の今、留守を預かっているのは彼の妹ですの」
聖女「それは……大変そうですね」
水王「当然、不慣れな事もありましたわ……」
水王「けれど、水の四天王の私もフォローしましたもの」
水王「……あの兄には勿体無い――と、言われていますわ!」
聖女「……」
聖女「えっ、それじゃあ……」
水王「彼が不在の今、留守を預かっているのは彼の妹ですの」
聖女「それは……大変そうですね」
水王「当然、不慣れな事もありましたわ……」
水王「けれど、水の四天王の私もフォローしましたもの」
水王「……あの兄には勿体無い――と、言われていますわ!」
聖女「……」
535: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 17:32:58.01 ID:ua+8PPg4o
聖女「水の四天王さん、あのっ……!」
水王「? どうかしましたの?」
聖女「……!」
聖女「もし! もし……恋敵が出てきたら、どうしますか!?」
水王「……祝福の聖女?」
聖女「お願いします、答えてください!」
水王「……」
水王「――当然、戦いますわ」
聖女「……!」
水王「? どうかしましたの?」
聖女「……!」
聖女「もし! もし……恋敵が出てきたら、どうしますか!?」
水王「……祝福の聖女?」
聖女「お願いします、答えてください!」
水王「……」
水王「――当然、戦いますわ」
聖女「……!」
536: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 17:40:46.96 ID:ua+8PPg4o
聖女「ま……魔法の撃ち合いとか、ですか」
水王「えっ!? そ、そんな事しませんわよ!?」
聖女「えっ!? そ、そうなんですか!?」
水王「もうっ! 貴女は、とんだ勘違いをしていますわ!」
水王「――水の四天王の戦いは、とても静か」
水王「それは……恋の戦争と言えど、同じ事ですわ」
水王「……うふふっ!」
水王「陣地の形成は……もう、済んでいましてよ?」
聖女「……水の四天王さん」
水王「まあ、最悪の場合は武力行使をしますけれどね?」
聖女「やっぱり、勘違いじゃなかったじゃないですかー!」
水王「えっ!? そ、そんな事しませんわよ!?」
聖女「えっ!? そ、そうなんですか!?」
水王「もうっ! 貴女は、とんだ勘違いをしていますわ!」
水王「――水の四天王の戦いは、とても静か」
水王「それは……恋の戦争と言えど、同じ事ですわ」
水王「……うふふっ!」
水王「陣地の形成は……もう、済んでいましてよ?」
聖女「……水の四天王さん」
水王「まあ、最悪の場合は武力行使をしますけれどね?」
聖女「やっぱり、勘違いじゃなかったじゃないですかー!」
537: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 17:46:29.37 ID:ua+8PPg4o
・ ・ ・
光の勇者(以下、勇者)「おい」
大地の魔女(以下、地女)「んー?」モグモグ
勇者「寝転がって菓子を食いながら返事をするな!」
勇者「お前……そういえば、自分の領地は良いのか?」
地女「うむ!」
地女「俺の配下の者達は、出来る者達が揃っているからな!」
地女「ふはは! それは、俺を見ればわかるだろう?」
勇者「ああ……お前が頭でも、うまく機能してたんだもんな」
光の勇者(以下、勇者)「おい」
大地の魔女(以下、地女)「んー?」モグモグ
勇者「寝転がって菓子を食いながら返事をするな!」
勇者「お前……そういえば、自分の領地は良いのか?」
地女「うむ!」
地女「俺の配下の者達は、出来る者達が揃っているからな!」
地女「ふはは! それは、俺を見ればわかるだろう?」
勇者「ああ……お前が頭でも、うまく機能してたんだもんな」
538: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 17:53:27.72 ID:ua+8PPg4o
勇者「気になったりはしないのかよ?」
地女「それは、まあ……多少はな?」
勇者「たまには、見に行かなくて良いのか?」
地女「大丈夫だろう」
地女「俺の――地の四天王の領地の民達」
地女「奴らは、心配せずとも大丈夫だ」
地女「ふっ……何せ、俺が帰るべき場所の者達だしな!」
勇者「……早く問題を片付けて、帰ってくれよな」
地女「それは、まあ……多少はな?」
勇者「たまには、見に行かなくて良いのか?」
地女「大丈夫だろう」
地女「俺の――地の四天王の領地の民達」
地女「奴らは、心配せずとも大丈夫だ」
地女「ふっ……何せ、俺が帰るべき場所の者達だしな!」
勇者「……早く問題を片付けて、帰ってくれよな」
539: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 18:04:58.07 ID:ua+8PPg4o
地女「ふむ……その時は、お前も遊びに来い!」
勇者「勇者を遊びに招く四天王が何処に居る!」
地女「ふはは! 罠の可能性を恐れているのか!」
勇者「罠の方が気分的にマシだよ!」
地女「俺の妹は、この姿の俺に似て美少女だぞ!」クネッ!
地女「お前が祝福の聖女にフラれたら、紹介してやろう!」
勇者「余計なお世話だ!」
勇者「地の四天王! 俺は、お前とは違う!」
勇者「……って、お前妹居たのかよ!?」
地女「……はっはっは!」
地女「何にせよ、領地に戻る時が楽しみだな!」
おわり
勇者「勇者を遊びに招く四天王が何処に居る!」
地女「ふはは! 罠の可能性を恐れているのか!」
勇者「罠の方が気分的にマシだよ!」
地女「俺の妹は、この姿の俺に似て美少女だぞ!」クネッ!
地女「お前が祝福の聖女にフラれたら、紹介してやろう!」
勇者「余計なお世話だ!」
勇者「地の四天王! 俺は、お前とは違う!」
勇者「……って、お前妹居たのかよ!?」
地女「……はっはっは!」
地女「何にせよ、領地に戻る時が楽しみだな!」
おわり
544: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 22:18:41.83 ID:ua+8PPg4o
書きます
火の四天王「剣の乙女、お前に大事な話がある」
火の四天王「剣の乙女、お前に大事な話がある」
545: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 22:21:26.39 ID:ua+8PPg4o
剣の乙女(以下、乙女)「あら、思ったよりも元気そうじゃない」
火の四天王(以下、火王)「……ああ、まあな。それで、話というのは――」
乙女「――待って」
火王「? 剣の乙女?」
乙女「……火の四天王」
乙女「随分と雰囲気が違うけれど……何があったの?」
火王「っ!? す、鋭いな……」
火の四天王(以下、火王)「……ああ、まあな。それで、話というのは――」
乙女「――待って」
火王「? 剣の乙女?」
乙女「……火の四天王」
乙女「随分と雰囲気が違うけれど……何があったの?」
火王「っ!? す、鋭いな……」
546: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 22:26:02.24 ID:ua+8PPg4o
火王「それは……これからする話に関わりがある」
乙女「……ふぅん?」
火王「その……だな……!」
乙女「……随分と、言いにくそうね」
乙女「……当ててあげるわ」
乙女「火の四天王、貴女――‘女’になったわね?」
火王「っ!!?」
火王「すっ、鋭すぎないか!!?」
乙女「……ふぅん?」
火王「その……だな……!」
乙女「……随分と、言いにくそうね」
乙女「……当ててあげるわ」
乙女「火の四天王、貴女――‘女’になったわね?」
火王「っ!!?」
火王「すっ、鋭すぎないか!!?」
547: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 22:30:11.33 ID:ua+8PPg4o
火王「なっ、何故それがわかった!?」
乙女「脚さばき、雰囲気、そして……魔力が増しているもの」
火王「……それでわかるのは、お前位なものだろうな」
乙女「もう、話はわかったわ」
乙女「貴女……私を笑いに来たんでしょう!?」
乙女「光の勇者は――光の加護」
乙女「祝福の聖女は――愛の祝福」
乙女「剣の乙女は――鉄の処女、って!」
火王「鈍い!!!」
乙女「脚さばき、雰囲気、そして……魔力が増しているもの」
火王「……それでわかるのは、お前位なものだろうな」
乙女「もう、話はわかったわ」
乙女「貴女……私を笑いに来たんでしょう!?」
乙女「光の勇者は――光の加護」
乙女「祝福の聖女は――愛の祝福」
乙女「剣の乙女は――鉄の処女、って!」
火王「鈍い!!!」
549: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 22:35:24.29 ID:ua+8PPg4o
火王「私が、そんな事でお前を笑う筈がないだろう!?」
乙女「良いのよ、わかってるわ」
火王「全然わかっていないぞ!?」
乙女「良いのよ、慣れてるもの」
乙女「男には――あれだけ美人で‘まだ’って……なんか怖くね?」
乙女「……とか!」
乙女「女には――剣の道を歩いてるのに、バージンロード歩いてるよね」
乙女「……とか!」
乙女「……陰で、散々言われてきたんだから!!」
火王「剣の乙女! おっ、落ち着いてくれ! 頼む!」
乙女「良いのよ、わかってるわ」
火王「全然わかっていないぞ!?」
乙女「良いのよ、慣れてるもの」
乙女「男には――あれだけ美人で‘まだ’って……なんか怖くね?」
乙女「……とか!」
乙女「女には――剣の道を歩いてるのに、バージンロード歩いてるよね」
乙女「……とか!」
乙女「……陰で、散々言われてきたんだから!!」
火王「剣の乙女! おっ、落ち着いてくれ! 頼む!」
550: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 22:39:47.52 ID:ua+8PPg4o
火王「私は、お前を笑ったりなどはしない!」
乙女「相手は誰? 中止になった、婚約発表の相手?」
火王「ち、違う! お……お前の……よく知る人物だ」
乙女「私の、よく知る人物……?」
乙女「……」
乙女「……光の勇者?」
火王「あああ、違う違う!」
火王「光の勇者ではない! 良いか!? 違うからな!?」
乙女「相手は誰? 中止になった、婚約発表の相手?」
火王「ち、違う! お……お前の……よく知る人物だ」
乙女「私の、よく知る人物……?」
乙女「……」
乙女「……光の勇者?」
火王「あああ、違う違う!」
火王「光の勇者ではない! 良いか!? 違うからな!?」
551: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 22:45:20.69 ID:ua+8PPg4o
火王「ほら! い、居るだろう!?」
乙女「私のよく知る人物となると……ねえ、まさか……?」
火王「その……だ、大地の魔女だ……!」
乙女「……ねえ、待って頂戴」
乙女「それが本当なら……」
乙女「……大地の魔女のお姉様は――」
乙女「―― が、生やせるって事?」
火王「ま、まあ……ある意味では」
火王「しかし、何というか……真剣な顔で、その単語はやめてくれるか?」
乙女「私のよく知る人物となると……ねえ、まさか……?」
火王「その……だ、大地の魔女だ……!」
乙女「……ねえ、待って頂戴」
乙女「それが本当なら……」
乙女「……大地の魔女のお姉様は――」
乙女「―― が、生やせるって事?」
火王「ま、まあ……ある意味では」
火王「しかし、何というか……真剣な顔で、その単語はやめてくれるか?」
552: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 22:50:15.19 ID:ua+8PPg4o
乙女「もしかして、婚約発表の場を壊したのも……お姉様?」
火王「……そう、だな」
乙女「そして、貴女を‘女’にした……と?」
火王「……ああ///」
乙女「――閃!」
ヒュッ―!
…ゴガァァンッ!
火王「っ!?」
火王(何という剣速だ! それに、離れた場所の岩を真っ二つに……!)
乙女「……」
火王「……そう、だな」
乙女「そして、貴女を‘女’にした……と?」
火王「……ああ///」
乙女「――閃!」
ヒュッ―!
…ゴガァァンッ!
火王「っ!?」
火王(何という剣速だ! それに、離れた場所の岩を真っ二つに……!)
乙女「……」
553: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 22:54:00.57 ID:ua+8PPg4o
乙女「……火の四天王、ここからは偽りは許さないわ」
火王「……ああ、無論だ」
乙女「少し、移動しましょう」
火王「私は……此処でも構わない」
乙女「? 何を言ってるの?」
乙女「あの、斬った岩の所まで行くわよ」
乙女「――それで、どんなだったか描いて教えて頂戴」
火王「……か」
火王「描いて教える!?」
火王「……ああ、無論だ」
乙女「少し、移動しましょう」
火王「私は……此処でも構わない」
乙女「? 何を言ってるの?」
乙女「あの、斬った岩の所まで行くわよ」
乙女「――それで、どんなだったか描いて教えて頂戴」
火王「……か」
火王「描いて教える!?」
554: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 22:58:44.13 ID:ua+8PPg4o
乙女「貴女、絵は得意かしら?」
火王「まあ……苦手ではないが……」
乙女「だったら、早く……ん、この小石で良いわね」
火王「まっ、待て! 私に、何を描けと!?」
乙女「そんなの、決まってるでしょう」
乙女「大地の魔女のお姉様の―― よ」
火王「剣の乙女!? お前、本気で言っているのか!?」
火王「まあ……苦手ではないが……」
乙女「だったら、早く……ん、この小石で良いわね」
火王「まっ、待て! 私に、何を描けと!?」
乙女「そんなの、決まってるでしょう」
乙女「大地の魔女のお姉様の―― よ」
火王「剣の乙女!? お前、本気で言っているのか!?」
555: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 23:04:45.34 ID:ua+8PPg4o
乙女「……敵を知り己を知れば、百戦危うからず」
火王「こ、小石を握らせないでくれ!」
乙女「? なら、どうやって描くつもり?」
火王「描くつもりは無い!」
乙女「良いじゃないの!! 描いて教えてよ!!」
乙女「もおおおおお!! もおおおおお!!」
乙女「ねえ、火の四天王!! あのね!!?」
乙女「私が!! 怒ってないと!! 思ってるの!!?」
火王「すっ、すまない! 描く! 描くから、落ち着いてくれ!」
火王「こ、小石を握らせないでくれ!」
乙女「? なら、どうやって描くつもり?」
火王「描くつもりは無い!」
乙女「良いじゃないの!! 描いて教えてよ!!」
乙女「もおおおおお!! もおおおおお!!」
乙女「ねえ、火の四天王!! あのね!!?」
乙女「私が!! 怒ってないと!! 思ってるの!!?」
火王「すっ、すまない! 描く! 描くから、落ち着いてくれ!」
556: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 23:09:53.43 ID:ua+8PPg4o
乙女「出来るだけ、正確に描いて頂戴」
火王「……静と動が、ハッキリしているな」
乙女「ねえ、早くして」
火王「……どうしてこうなってしまったんだ……!?」
火王「た、確か……こんな感じ、で」
カリカリ…
乙女「……嘘でしょう?」
火王「こう……だったぞ(ボワッ)///」
カリカリ…
乙女「……絵が下手過ぎて、全然わからないわ!!」
火王「……静と動が、ハッキリしているな」
乙女「ねえ、早くして」
火王「……どうしてこうなってしまったんだ……!?」
火王「た、確か……こんな感じ、で」
カリカリ…
乙女「……嘘でしょう?」
火王「こう……だったぞ(ボワッ)///」
カリカリ…
乙女「……絵が下手過ぎて、全然わからないわ!!」
557: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 23:17:02.09 ID:ua+8PPg4o
乙女「ねえ、私は何を描いてと言ったか覚えてる?」
火王「お、 ……お、覚えている!(ボワッ)///」
乙女「他の物を描いてとは、言ってないわよ?」
火王「わ……わかりやすいかと思ったんだ!」
乙女「火の四天王、貴女――……」
乙女「……」
乙女「口頭と……こう、手で教えて頂戴」
火王「可哀想な物を見る目を向けないでくれ!」
火王「お、 ……お、覚えている!(ボワッ)///」
乙女「他の物を描いてとは、言ってないわよ?」
火王「わ……わかりやすいかと思ったんだ!」
乙女「火の四天王、貴女――……」
乙女「……」
乙女「口頭と……こう、手で教えて頂戴」
火王「可哀想な物を見る目を向けないでくれ!」
558: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 23:23:59.16 ID:ua+8PPg4o
乙女「長さは?」
火王「な、長さは……こ、この位?」
乙女「!? ふ、太さは!?」
火王「確か……こ、この位だった気がする」
乙女「……」ジィッ
火王「どうした?」
乙女「いえ、そこに……こんなのが入ったのかと」ジィッ
火王「!?(ボワッ)///」
火王「そういう目を向けるのもやめてくれ!(ボワッ)///」
火王「な、長さは……こ、この位?」
乙女「!? ふ、太さは!?」
火王「確か……こ、この位だった気がする」
乙女「……」ジィッ
火王「どうした?」
乙女「いえ、そこに……こんなのが入ったのかと」ジィッ
火王「!?(ボワッ)///」
火王「そういう目を向けるのもやめてくれ!(ボワッ)///」
559: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 23:32:25.86 ID:ua+8PPg4o
乙女「や、やっぱり痛かった?」
火王「喜びで、体の昂ぶりが凄くて……(ボワッ)///」
乙女「ど、どんな風に? ねえ、どうやって?」
火王「こう、私が上になって……(ボワッ)///」
乙女「うっ、上になって!?」
乙女「……うう、上になって!?」
火王「この話は、そろそろやめにしてくれないか!?(ボワッ)///」
火王「喜びで、体の昂ぶりが凄くて……(ボワッ)///」
乙女「ど、どんな風に? ねえ、どうやって?」
火王「こう、私が上になって……(ボワッ)///」
乙女「うっ、上になって!?」
乙女「……うう、上になって!?」
火王「この話は、そろそろやめにしてくれないか!?(ボワッ)///」
560: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 23:41:10.60 ID:ua+8PPg4o
火王「大事な話があると言っただろう!?」
乙女「そんな……ええっ……?/// う、上に……?///」
火王「剣の乙女、戻ってきてくれ!」
乙女「……え、な……何?」
火王「――剣の乙女」
火王「お前は人間で、敵だが……私にとって、大切な友人だ」
火王「だから――」
火王「――こちら側に、付く気は無いか?」
乙女「……」
乙女「そんな……ええっ……?/// う、上に……?///」
火王「剣の乙女、戻ってきてくれ!」
乙女「……え、な……何?」
火王「――剣の乙女」
火王「お前は人間で、敵だが……私にとって、大切な友人だ」
火王「だから――」
火王「――こちら側に、付く気は無いか?」
乙女「……」
561: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 23:48:47.80 ID:ua+8PPg4o
乙女「……残念だけど、それは出来ないわ」
火王「……やはり、そうか」
乙女「ええ、私がこう答えると……わかってたでしょう?」
火王「……まあ、な」
火王「それd」
乙女「じゃあ、話を戻すわね」
乙女「上に乗って……あ、貴女が腰を振ったの?」ジィッ!
火王「~~~っ!(ボワッ)/// 剣の乙女!(ボワッ)///」
火王「……やはり、そうか」
乙女「ええ、私がこう答えると……わかってたでしょう?」
火王「……まあ、な」
火王「それd」
乙女「じゃあ、話を戻すわね」
乙女「上に乗って……あ、貴女が腰を振ったの?」ジィッ!
火王「~~~っ!(ボワッ)/// 剣の乙女!(ボワッ)///」
562: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 23:58:46.37 ID:ua+8PPg4o
火王「お前は、どうしてそう……そっちに話を行かせたがる!?」
乙女「だ、だって……仕方ないじゃないの!」
火王「何が仕方ないんだ!?」
乙女「……だって!」
乙女「こんな事を聞けるの、貴女位なんだもの!」
乙女「他に、誰に聞けって言うの!?」
火王「つ、剣の乙女……」
乙女「世界を救う勇者パーティーの一員の――剣の乙女が!」
乙女「 や、 の事を誰に聞けるって言うの!」
火王「す、すまない……確かに、お前の言う通りだ」
乙女「だ、だって……仕方ないじゃないの!」
火王「何が仕方ないんだ!?」
乙女「……だって!」
乙女「こんな事を聞けるの、貴女位なんだもの!」
乙女「他に、誰に聞けって言うの!?」
火王「つ、剣の乙女……」
乙女「世界を救う勇者パーティーの一員の――剣の乙女が!」
乙女「 や、 の事を誰に聞けるって言うの!」
火王「す、すまない……確かに、お前の言う通りだ」
563: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 00:11:31.07 ID:wp+PDzrqo
乙女「私だって……怖いものは、怖いの」
火王「……わかった」
火王「――この、火の四天王!」
火王「お前のために、出来うる限りの事はしよう!」
乙女「火の四天王……!」
火王「お前には……色々と借りもあるからな」
乙女「じゃ、じゃあ――」
乙女「私の時は、一緒に居てくれる!?」
火王「……」
火王「えっ!!?」
火王「……わかった」
火王「――この、火の四天王!」
火王「お前のために、出来うる限りの事はしよう!」
乙女「火の四天王……!」
火王「お前には……色々と借りもあるからな」
乙女「じゃ、じゃあ――」
乙女「私の時は、一緒に居てくれる!?」
火王「……」
火王「えっ!!?」
564: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 00:19:26.76 ID:wp+PDzrqo
・ ・ ・
光の勇者(以下、勇者)「おい」
大地の魔女(以下、地女)「んー?」パタパタ
勇者「寝転がって足パタパタさせて本読んでんじゃねえ!」
勇者「お前……火の四天王は、どうなったんだ?」
地女「うむ!」
地女「よくわからんが、時間が欲しいらしい」
地女「愛と友情と仕事と……とにかく、板挟みだそうなのだ」
勇者「……その点、お前は悩みがなさそうだな」
光の勇者(以下、勇者)「おい」
大地の魔女(以下、地女)「んー?」パタパタ
勇者「寝転がって足パタパタさせて本読んでんじゃねえ!」
勇者「お前……火の四天王は、どうなったんだ?」
地女「うむ!」
地女「よくわからんが、時間が欲しいらしい」
地女「愛と友情と仕事と……とにかく、板挟みだそうなのだ」
勇者「……その点、お前は悩みがなさそうだな」
565: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 00:24:06.48 ID:wp+PDzrqo
地女「何を言う、俺とて悩みの一つや二つはある」
勇者「お前の行動からすると、少なすぎるぞ?」
地女「悩んでいても、始まらんしな」
勇者「……で? その、悩みってのは何だよ?」
地女「いや、最近……剣の乙女がな?」
地女「――私も、覚悟しています」
地女「と言ってくるのだが……何の覚悟かわからんのだ」
勇者「……くれぐれも、これ以上ややこしくするなよ?」
勇者「お前の行動からすると、少なすぎるぞ?」
地女「悩んでいても、始まらんしな」
勇者「……で? その、悩みってのは何だよ?」
地女「いや、最近……剣の乙女がな?」
地女「――私も、覚悟しています」
地女「と言ってくるのだが……何の覚悟かわからんのだ」
勇者「……くれぐれも、これ以上ややこしくするなよ?」
566: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 00:39:21.29 ID:wp+PDzrqo
地女「まあ……時が来れば、自ずと分かるか」
勇者「……お前、考えるのやめたな?」
地女「うむ! なるようにしかならんからな!」
勇者「どうしてそんなに楽観的になれるんだよ!」
地女「ふはは! それが俺の長所なのだ!」
地女「並大抵の輩には、真似出来んだろうがな!」
勇者「真似したいとも思わねえよ!」
勇者「地の四天王! 絶対に、パーティー内で揉めるなよ!?」
勇者「……最近、祝福の聖女も時々様子が変になるし……!」
地女「……はっはっは!」
地女「光の勇者よ、存分に思い悩むが良い!」
おわり
勇者「……お前、考えるのやめたな?」
地女「うむ! なるようにしかならんからな!」
勇者「どうしてそんなに楽観的になれるんだよ!」
地女「ふはは! それが俺の長所なのだ!」
地女「並大抵の輩には、真似出来んだろうがな!」
勇者「真似したいとも思わねえよ!」
勇者「地の四天王! 絶対に、パーティー内で揉めるなよ!?」
勇者「……最近、祝福の聖女も時々様子が変になるし……!」
地女「……はっはっは!」
地女「光の勇者よ、存分に思い悩むが良い!」
おわり
571: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 19:49:03.06 ID:wp+PDzrqo
書きます
大地の魔女「祝福の聖女よ、相談とは何だ?」
大地の魔女「祝福の聖女よ、相談とは何だ?」
572: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 19:52:35.62 ID:wp+PDzrqo
祝福の聖女(以下、聖女)「……すみません、急に呼び出して」
大地の魔女(以下、地女)「なぁに、気にすることはない!」
聖女「……お姉ちゃん」
地女「うむ! お姉ちゃんに、何でも相談するが良い!」
聖女「……」
聖女「……奇跡が……起きちゃったんです」
地女「……」
地女「奇跡?」
大地の魔女(以下、地女)「なぁに、気にすることはない!」
聖女「……お姉ちゃん」
地女「うむ! お姉ちゃんに、何でも相談するが良い!」
聖女「……」
聖女「……奇跡が……起きちゃったんです」
地女「……」
地女「奇跡?」
573: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 19:56:50.78 ID:wp+PDzrqo
地女「奇跡が起きたのなら、良い事では無いか?」
聖女「はい……そう、なんですけど……」
地女「祝福の聖女よ、何を暗い顔をしているのだ?」
聖女「……」
聖女「……」
聖女「……子供が……出来たんです」
地女「……」
地女「……何だと?」
聖女「はい……そう、なんですけど……」
地女「祝福の聖女よ、何を暗い顔をしているのだ?」
聖女「……」
聖女「……」
聖女「……子供が……出来たんです」
地女「……」
地女「……何だと?」
574: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 19:59:15.33 ID:wp+PDzrqo
地女「誰が?」
聖女「……私に」
地女「誰との?」
聖女「ゆ、勇者様とのです!」
地女「それは――」
聖女「っ……!」ビクッ!
地女「めでたいではないか!!」
聖女「……」
聖女「えっ?」
聖女「……私に」
地女「誰との?」
聖女「ゆ、勇者様とのです!」
地女「それは――」
聖女「っ……!」ビクッ!
地女「めでたいではないか!!」
聖女「……」
聖女「えっ?」
575: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 20:01:35.34 ID:wp+PDzrqo
地女「光の勇者は、その事を知っているのか!?」
聖女「い、いえ……まだです……」
地女「ふはははははっ! 奴が、父親か!」
聖女「あ……あのっ!」
聖女「おっ……怒らないんですか!?」
地女「何故だ!?」
聖女「え……ええっ!?」
聖女「い、いえ……まだです……」
地女「ふはははははっ! 奴が、父親か!」
聖女「あ……あのっ!」
聖女「おっ……怒らないんですか!?」
地女「何故だ!?」
聖女「え……ええっ!?」
576: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 20:06:08.76 ID:wp+PDzrqo
地女「怒る理由が、何処にあると言うのだ!?」
聖女「で、でもっ!」
聖女「私達は、世界を救う旅をしてる最中なんですよ!?」
聖女「そ、それなのに……妊娠だなんて……!」
地女「子を授かった事を喜ばぬ世界など滅びれば良いのだ!!」
地女「ええい! 何ならば、この手で直々に滅ぼしてくれる!!」
聖女「……!」
聖女「お……お姉ちゃん……!」ポロポロッ
聖女「で、でもっ!」
聖女「私達は、世界を救う旅をしてる最中なんですよ!?」
聖女「そ、それなのに……妊娠だなんて……!」
地女「子を授かった事を喜ばぬ世界など滅びれば良いのだ!!」
地女「ええい! 何ならば、この手で直々に滅ぼしてくれる!!」
聖女「……!」
聖女「お……お姉ちゃん……!」ポロポロッ
577: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 20:13:02.00 ID:wp+PDzrqo
地女「あああ……!? な、何故泣く……!?」
聖女「わ、わた……ふ、不安で……!」ポロポロッ
地女「……大丈夫だぞ、何も不安になる事など無い」
聖女「だ……誰にも、言えなくっ……て……!」ポロポロッ
地女「大地の魔女の――お姉ちゃんの胸で好きなだけ泣くのだ」
地女「……ほうれ、触り心地の良い美乳だぞ!」
ぎゅっ!
聖女「っ……! うっ、えええっ……!」ポロポロッ
地女「……」
地女(……ぬうう! どうしたものか!?)
聖女「わ、わた……ふ、不安で……!」ポロポロッ
地女「……大丈夫だぞ、何も不安になる事など無い」
聖女「だ……誰にも、言えなくっ……て……!」ポロポロッ
地女「大地の魔女の――お姉ちゃんの胸で好きなだけ泣くのだ」
地女「……ほうれ、触り心地の良い美乳だぞ!」
ぎゅっ!
聖女「っ……! うっ、えええっ……!」ポロポロッ
地女「……」
地女(……ぬうう! どうしたものか!?)
578: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 20:19:24.63 ID:wp+PDzrqo
・ ・ ・
聖女「……えへへ、いっぱい泣いちゃった///」
地女「うむ!」
聖女「……ありがとう、ちょっとスッキリした」
地女「はっはっは! おかげで、服がビショビショだ!」
聖女「……お願いがあるの」
聖女「この事は……誰にも言わないで」
地女「……」
地女「……むう」
聖女「……えへへ、いっぱい泣いちゃった///」
地女「うむ!」
聖女「……ありがとう、ちょっとスッキリした」
地女「はっはっは! おかげで、服がビショビショだ!」
聖女「……お願いがあるの」
聖女「この事は……誰にも言わないで」
地女「……」
地女「……むう」
579: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 20:26:17.74 ID:wp+PDzrqo
地女「誰にも言わず、どうするつもりだ?」
聖女「……パーティーを抜けて、隠れて過ごすつもり」
地女「何だと?」
聖女「だって……子供が出来たって、バレたら――」
地女「うむ」
地女「お前は、確実に狙われるだろうな」
地女「光の勇者と、祝福の聖女の子など……生かしておく訳にはいかん」
地女「魔の者にとっては、天敵の様な存在だからな」
聖女「……うん」
聖女「……パーティーを抜けて、隠れて過ごすつもり」
地女「何だと?」
聖女「だって……子供が出来たって、バレたら――」
地女「うむ」
地女「お前は、確実に狙われるだろうな」
地女「光の勇者と、祝福の聖女の子など……生かしておく訳にはいかん」
地女「魔の者にとっては、天敵の様な存在だからな」
聖女「……うん」
580: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 20:28:36.83 ID:wp+PDzrqo
地女「だがな? お前が抜けて、どうなる?」
聖女「えっ?」
地女「抜けた後のパーティーの事を考えてみるのだ」
聖女「それは……」
地女「うむ」
地女「祝福の聖女が不在のパーティーなど、取るに足らんな」
地女「最初の内は良いかもしれんが、次第に厳しくなるだろう」
地女「それ程までに、お前の存在は大きい」
聖女「……」
聖女「えっ?」
地女「抜けた後のパーティーの事を考えてみるのだ」
聖女「それは……」
地女「うむ」
地女「祝福の聖女が不在のパーティーなど、取るに足らんな」
地女「最初の内は良いかもしれんが、次第に厳しくなるだろう」
地女「それ程までに、お前の存在は大きい」
聖女「……」
581: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 20:37:56.85 ID:wp+PDzrqo
地女「まあ、お前もそれがわかっていたのだろう?」
聖女「うっ……ふぅっ……!」ポロポロッ
地女「あああ! 責めているのではないぞ!」
聖女「で……でもっ……!」
地女「一緒に、考えるのだ」
地女「なぁに、大抵の事はなんとかなるものだからな!」
聖女「……ふふっ」
聖女「お姉ちゃんが言うと……本当に、そんな気がしてくる」
聖女「うっ……ふぅっ……!」ポロポロッ
地女「あああ! 責めているのではないぞ!」
聖女「で……でもっ……!」
地女「一緒に、考えるのだ」
地女「なぁに、大抵の事はなんとかなるものだからな!」
聖女「……ふふっ」
聖女「お姉ちゃんが言うと……本当に、そんな気がしてくる」
582: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 20:48:17.79 ID:wp+PDzrqo
・ ・ ・
地女「……」
地女(今日は、それぞれが考えて、明日……という事になったが)
地女「……どうしたものかなぁ」
地女「……」
地女(地の四天王として考えるならば――またと無い好機)
地女(聖女を庇いながら戦う勇者を仕留め……)
地女(後は、残った剣の乙女と祝福の聖女を殺す……と)
地女「光の加護も、愛の祝福も無くなり――」
地女「――多分、色々バレて俺も死んでしまうなぁ」
地女「……どうしたものかなぁ」
地女「……」
地女(今日は、それぞれが考えて、明日……という事になったが)
地女「……どうしたものかなぁ」
地女「……」
地女(地の四天王として考えるならば――またと無い好機)
地女(聖女を庇いながら戦う勇者を仕留め……)
地女(後は、残った剣の乙女と祝福の聖女を殺す……と)
地女「光の加護も、愛の祝福も無くなり――」
地女「――多分、色々バレて俺も死んでしまうなぁ」
地女「……どうしたものかなぁ」
583: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 20:55:26.83 ID:wp+PDzrqo
地女「むう……!」
地女(闇の魔王様は、祝福の聖女を友人と仰っているが……)
地女(むう……どう動かれるか、わからんな)
地女「むうう……!」
地女(他の四天王達も……どう動くかわからん)
地女(……ええい、女心は理解出来ぬ!)
地女「むううう……!」
地女(剣の乙女は? そもそも、光の勇者の加護はどうした!)
地女(この俺――地の四天王が、追い詰められているではないか!)
地女「……ええい! わから――んっ!!」
地女(闇の魔王様は、祝福の聖女を友人と仰っているが……)
地女(むう……どう動かれるか、わからんな)
地女「むうう……!」
地女(他の四天王達も……どう動くかわからん)
地女(……ええい、女心は理解出来ぬ!)
地女「むううう……!」
地女(剣の乙女は? そもそも、光の勇者の加護はどうした!)
地女(この俺――地の四天王が、追い詰められているではないか!)
地女「……ええい! わから――んっ!!」
584: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 21:07:54.50 ID:wp+PDzrqo
地女「俺は、こういった小賢しい事は考えられんのだ!」
地女「大地の魔女として生きようとも!」
地女「追い詰められていき……俺は死ぬ!」
地女「光の勇者、祝福の聖女、剣の乙女……」
地女「……誰が欠けても、俺は死ぬ!」
地女「そもそも!」
パァァ……ァァァ
地の四天王(以下、地王)「正体が、地の四天王とバレている!」
地王「そして、勇者達を全滅させたら……俺は死ぬ!」
地王「酔った勢いで、 ちゃったので……」
地王「……痴情のもつれで、俺は死ぬ!」
地王「……ぬあああん! どうすれば良いのだ――っ!?」
地女「大地の魔女として生きようとも!」
地女「追い詰められていき……俺は死ぬ!」
地女「光の勇者、祝福の聖女、剣の乙女……」
地女「……誰が欠けても、俺は死ぬ!」
地女「そもそも!」
パァァ……ァァァ
地の四天王(以下、地王)「正体が、地の四天王とバレている!」
地王「そして、勇者達を全滅させたら……俺は死ぬ!」
地王「酔った勢いで、 ちゃったので……」
地王「……痴情のもつれで、俺は死ぬ!」
地王「……ぬあああん! どうすれば良いのだ――っ!?」
585: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 21:19:40.58 ID:wp+PDzrqo
地王「何か……何か無いものか……!?」
地王「こう、良い感じに……」
地王「勇者達の旅が休止しつつ……」
地王「魔王様達も、動きを止め……」
地王「……俺が! 生き残る方法は!」
地王「……」
地王「ええい、駄目だ!」
地王「思いつく考えは、どれも最終的に俺が死ぬ!」
地王「こう、良い感じに……」
地王「勇者達の旅が休止しつつ……」
地王「魔王様達も、動きを止め……」
地王「……俺が! 生き残る方法は!」
地王「……」
地王「ええい、駄目だ!」
地王「思いつく考えは、どれも最終的に俺が死ぬ!」
586: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 21:27:03.58 ID:wp+PDzrqo
地王「ぬうう……! どうすれば良いのだ……!?」
―ガチャッ
勇者「おい、微妙に外に声が漏れて――」
地王「おっ、おのれぇ……光の勇者……!」
地王「この俺をここまで追い詰めるとは……!」
勇者「……はっ?」
地王「! 現れたな、このクズめ!」
勇者「はあっ!?」
―ガチャッ
勇者「おい、微妙に外に声が漏れて――」
地王「おっ、おのれぇ……光の勇者……!」
地王「この俺をここまで追い詰めるとは……!」
勇者「……はっ?」
地王「! 現れたな、このクズめ!」
勇者「はあっ!?」
587: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 21:32:53.48 ID:wp+PDzrqo
勇者「……」
…バタンッ!
勇者「――おい! 誰がクズだ! 誰が!」
地王「ええい、お前以外に居らんだろうが!」
勇者「お前が言える台詞じゃねえよ!」
地王「何を言っているのだ!」
地王「父親になるとも知らず、のほほんとしおって!」
地王「……」
地王「今の無し!」
勇者「……」
勇者「はっ?」
…バタンッ!
勇者「――おい! 誰がクズだ! 誰が!」
地王「ええい、お前以外に居らんだろうが!」
勇者「お前が言える台詞じゃねえよ!」
地王「何を言っているのだ!」
地王「父親になるとも知らず、のほほんとしおって!」
地王「……」
地王「今の無し!」
勇者「……」
勇者「はっ?」
588: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 21:38:44.15 ID:wp+PDzrqo
地王「地の四天王、何も言っていない」
勇者「何だその一人称!? おい、もう一度言え!」
地王「地の四天王、何も言っていない」
勇者「そっちじゃねえよ! 父親とか言ったよな!?」
地王「……光の勇者よ」
地王「祝福の聖女には、誰にも言わないでと言われたのだ」
地王「だから……なっ? この通り、なっ?」
勇者「な……何で……! よ、よりによって……!」
勇者「お前の口から聞かされなきゃいけねえんだよおおおおお!?」
勇者「何だその一人称!? おい、もう一度言え!」
地王「地の四天王、何も言っていない」
勇者「そっちじゃねえよ! 父親とか言ったよな!?」
地王「……光の勇者よ」
地王「祝福の聖女には、誰にも言わないでと言われたのだ」
地王「だから……なっ? この通り、なっ?」
勇者「な……何で……! よ、よりによって……!」
勇者「お前の口から聞かされなきゃいけねえんだよおおおおお!?」
589: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 21:43:13.91 ID:wp+PDzrqo
勇者「おい、何でお前がそれを知ってる!?」
地王「俺が、聖女のお姉ちゃんだからだ」
勇者「……聖女の所へ行ってくる!」
地王「っ!?」
地王「待て! 行って、どうするつもなのだ!?」
勇者「抱き締めるに決まってんだろうが!!」
地王「うむ!! 行け、光の勇者よ!!」
地王「俺が、聖女のお姉ちゃんだからだ」
勇者「……聖女の所へ行ってくる!」
地王「っ!?」
地王「待て! 行って、どうするつもなのだ!?」
勇者「抱き締めるに決まってんだろうが!!」
地王「うむ!! 行け、光の勇者よ!!」
590: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 21:53:50.36 ID:wp+PDzrqo
・ ・ ・
地王「いやぁ~……どうしたものかなぁ」
地王(勇者のあの様子なら……旅の休止は受け入れられるだろうな)
地王「……だがなぁ」
地王(腹が出てくれば、確実にバレるからなぁ)
地王(下級の魔族でも、数が多ければ凌ぎきれんだろうしなぁ)
地王「……むうう」
地王「どうしたものかなぁ」
地王「いやぁ~……どうしたものかなぁ」
地王(勇者のあの様子なら……旅の休止は受け入れられるだろうな)
地王「……だがなぁ」
地王(腹が出てくれば、確実にバレるからなぁ)
地王(下級の魔族でも、数が多ければ凌ぎきれんだろうしなぁ)
地王「……むうう」
地王「どうしたものかなぁ」
591: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 22:00:59.05 ID:wp+PDzrqo
地王「ぬうう……!」
闇の魔王(以下、魔王)「地の四天王よ、どうした?」
地王「!? ま、魔王様!」
魔王「魔王様、だと?」
地王「! も、申し訳ありません……!」
魔王「二人きりの時は……ハニー、と」
魔王「そう、呼ばないと拗ねると言った筈だが?」
地王「も、申し訳ありません……ハニー……!」
闇の魔王(以下、魔王)「地の四天王よ、どうした?」
地王「!? ま、魔王様!」
魔王「魔王様、だと?」
地王「! も、申し訳ありません……!」
魔王「二人きりの時は……ハニー、と」
魔王「そう、呼ばないと拗ねると言った筈だが?」
地王「も、申し訳ありません……ハニー……!」
592: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 22:10:37.58 ID:wp+PDzrqo
地王「し、しかし……恐れながら!」
魔王「どうした? 其方は、何を恐れる?」
地王「は……ハニー呼びは、流石に恥ずかしいのです!」
魔王「何を言う」
魔王「其方は――余の、彼ピッピであろう?」モジモジ
魔王「ハニーと呼ぶは、当然の義務と知れ」モジモジ
地王「は……はっ!」
魔王「どうした? 其方は、何を恐れる?」
地王「は……ハニー呼びは、流石に恥ずかしいのです!」
魔王「何を言う」
魔王「其方は――余の、彼ピッピであろう?」モジモジ
魔王「ハニーと呼ぶは、当然の義務と知れ」モジモジ
地王「は……はっ!」
593: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 22:15:24.24 ID:wp+PDzrqo
魔王「だが……余の影に引き込まれても、気付かぬとは」
地王「い、いつの間に!?」
魔王「地の四天王よ、椅子になれ」
地王「……御意!」
…どすっ!
地王「……さ、どうぞ」
魔王「うむ」
…ぽすんっ
魔王「地の四天王の玉座は――城の玉座よりもほっこりするな」
地王「……勿体なきお言葉」
地王「い、いつの間に!?」
魔王「地の四天王よ、椅子になれ」
地王「……御意!」
…どすっ!
地王「……さ、どうぞ」
魔王「うむ」
…ぽすんっ
魔王「地の四天王の玉座は――城の玉座よりもほっこりするな」
地王「……勿体なきお言葉」
594: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 22:24:51.78 ID:wp+PDzrqo
魔王「して……其方は、何を考えていた?」
地王「いえ……大した事ではありませぬ」
魔王「余の魔眼を欺けると思っているのか?」
地王「っ……!」
魔王「余ではない、他の女の事で思い悩むとは……」
魔王「……地の四天王よ、其方に罰を与える」
地王「ば、罰……ですか……!?」
魔王「――今日は、敬語を禁ずる」
地王「な、何と……!? 敬語を……!?」
地王「いえ……大した事ではありませぬ」
魔王「余の魔眼を欺けると思っているのか?」
地王「っ……!」
魔王「余ではない、他の女の事で思い悩むとは……」
魔王「……地の四天王よ、其方に罰を与える」
地王「ば、罰……ですか……!?」
魔王「――今日は、敬語を禁ずる」
地王「な、何と……!? 敬語を……!?」
595: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 22:33:42.69 ID:wp+PDzrqo
魔王「余の命に、逆らうつもりか?」
地王「では、普通に話させて貰うぞ」
魔王「……ふふっ、それで良い」
地王「しかし、ハニーよ」
地王「毎回、このやり取りをする必要があるのか?」
地王「最近、ちょっとまどろっこしく思ってきたのだ」
魔王「……ある!」
魔王「これをやらぬと……その、上手く切り替えが出来ぬ!」
地王「では、普通に話させて貰うぞ」
魔王「……ふふっ、それで良い」
地王「しかし、ハニーよ」
地王「毎回、このやり取りをする必要があるのか?」
地王「最近、ちょっとまどろっこしく思ってきたのだ」
魔王「……ある!」
魔王「これをやらぬと……その、上手く切り替えが出来ぬ!」
596: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 22:40:01.08 ID:wp+PDzrqo
魔王「それで? 其方は、何を悩んでいた?」
地王「……それは、秘密なのだ」
魔王「何? 余にも言えぬ事なのか?」
地王「言えんなぁ……」
魔王「もしも、余以外の……他の女の事だった場合――」
魔王「――今、言わねば……」
魔王「誰のとは言わぬが、命は無いと思え?」
地王「祝福の聖女の事なのだ!」
地王「……それは、秘密なのだ」
魔王「何? 余にも言えぬ事なのか?」
地王「言えんなぁ……」
魔王「もしも、余以外の……他の女の事だった場合――」
魔王「――今、言わねば……」
魔王「誰のとは言わぬが、命は無いと思え?」
地王「祝福の聖女の事なのだ!」
597: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 22:50:35.65 ID:wp+PDzrqo
魔王「そうか……祝福の聖女、か」
地王「うむ」
魔王「お姉ちゃんと呼ばれ、慕われているそうだな」プクー!
地王「……」
地王「うむ……お姉ちゃん、困っているのだ」
もにっ、もにもにっ
魔王「ぷふっ! んむむむっ……ん~っ」
地王「……はぁ、困ったのだ」
魔王「……頬のもにもにを続けよ」
地王「うむ」
魔王「お姉ちゃんと呼ばれ、慕われているそうだな」プクー!
地王「……」
地王「うむ……お姉ちゃん、困っているのだ」
もにっ、もにもにっ
魔王「ぷふっ! んむむむっ……ん~っ」
地王「……はぁ、困ったのだ」
魔王「……頬のもにもにを続けよ」
598: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 23:03:15.60 ID:wp+PDzrqo
魔王「祝福の聖女の事で、悩んでいる……と」
地王「うむ……こんなに悩むとは、思わなんだ」
魔王「……不愉快だな」
地王「?」
魔王「祝福の聖女は、余の……ゆ、友人」
魔王「だが、其方は余の事だけ考えて居れば良い」
魔王「……ふふっ、喜べ」
地王「ぬう……?」
魔王「地の四天王よ、祝福の聖女に関する悩み」
魔王「……闇の魔王が――滅してやろう」
おわり
地王「うむ……こんなに悩むとは、思わなんだ」
魔王「……不愉快だな」
地王「?」
魔王「祝福の聖女は、余の……ゆ、友人」
魔王「だが、其方は余の事だけ考えて居れば良い」
魔王「……ふふっ、喜べ」
地王「ぬう……?」
魔王「地の四天王よ、祝福の聖女に関する悩み」
魔王「……闇の魔王が――滅してやろう」
おわり
603: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 10:06:16.13 ID:CMkDw/X/o
書きます
闇の魔王「祝福の聖女よ、余の魔眼は欺けぬ」
闇の魔王「祝福の聖女よ、余の魔眼は欺けぬ」
604: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 10:12:25.53 ID:CMkDw/X/o
祝福の聖女(以下、聖女)「っ……!」
闇の魔王(以下、魔王)「ふふっ、そう構えるな」
聖女「貴女は、私を……どうするつもりですか……!?」
魔王「何、少しばかり話をするだけだ」
魔王「その、子の――」
魔王「――名前は考えているのか?」
聖女「……き」
聖女「気が早すぎやしませんか!?」
闇の魔王(以下、魔王)「ふふっ、そう構えるな」
聖女「貴女は、私を……どうするつもりですか……!?」
魔王「何、少しばかり話をするだけだ」
魔王「その、子の――」
魔王「――名前は考えているのか?」
聖女「……き」
聖女「気が早すぎやしませんか!?」
605: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 10:19:35.49 ID:CMkDw/X/o
聖女「それに……祝福の聖女と、光の勇者様の子なんですよ!?」
魔王「ああ、聖なる力を其方の内から今でも感じるぞ」
聖女「っ……!?」
魔王「さて、では――」
スッ―
聖女「影から……それは、魔導書!?」
魔王「――この書から、名付けの方法を学ぶが良い」
聖女「……」
聖女「えっ!?」
魔王「ああ、聖なる力を其方の内から今でも感じるぞ」
聖女「っ……!?」
魔王「さて、では――」
スッ―
聖女「影から……それは、魔導書!?」
魔王「――この書から、名付けの方法を学ぶが良い」
聖女「……」
聖女「えっ!?」
606: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 10:25:52.75 ID:CMkDw/X/o
魔王「どうした? 祝福の聖女よ、受け取れ」
聖女「あ……ありがとう、ございます」
魔王「礼は要らぬ」
魔王「さて、では――」
スッ―
聖女「影から……無数の魔導書が!?」
魔王「――結婚の情報に関する書」
魔王「――妊娠、出産に関する書」
魔王「――育児に関する書」
魔王「ふふっ……余は、一通り揃えている」
聖女「か……数が多いので、とりあえずしまってください!」
聖女「あ……ありがとう、ございます」
魔王「礼は要らぬ」
魔王「さて、では――」
スッ―
聖女「影から……無数の魔導書が!?」
魔王「――結婚の情報に関する書」
魔王「――妊娠、出産に関する書」
魔王「――育児に関する書」
魔王「ふふっ……余は、一通り揃えている」
聖女「か……数が多いので、とりあえずしまってください!」
607: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 10:32:13.94 ID:CMkDw/X/o
聖女「え、ええと……!?」
魔王「この様な時、男は頼りにならぬと言うからな」
聖女「そ、それは……はい、よく聞きますね」
魔王「ならばこその、備えよ」
魔王「祝福の聖女よ」
魔王「何かあれば……何時でも余を頼れ」
聖女「……魔王さん……!」
魔王「この様な時、男は頼りにならぬと言うからな」
聖女「そ、それは……はい、よく聞きますね」
魔王「ならばこその、備えよ」
魔王「祝福の聖女よ」
魔王「何かあれば……何時でも余を頼れ」
聖女「……魔王さん……!」
608: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 10:39:08.94 ID:CMkDw/X/o
聖女「本来、敵である私を……見逃してくれるんですか?」
魔王「其方は、何を言っている?」
聖女「えっ? だ、だって……」
魔王「……ふむ」
魔王「――闇の魔王に、敵など居らぬぞ」
魔王「何人足りとも、余の前では無力」
魔王「我が闇の魔力は――全てを呑み込むのだから」
聖女「ぜ、絶望的な台詞なのに……それが頼もしい!」
魔王「其方は、何を言っている?」
聖女「えっ? だ、だって……」
魔王「……ふむ」
魔王「――闇の魔王に、敵など居らぬぞ」
魔王「何人足りとも、余の前では無力」
魔王「我が闇の魔力は――全てを呑み込むのだから」
聖女「ぜ、絶望的な台詞なのに……それが頼もしい!」
609: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 10:47:48.68 ID:CMkDw/X/o
魔王「力の差を知り、まだ抗うと言うのなら……それも良かろう」
聖女「わ、私達は……人間は、負けません!」
魔王「ほう、面白い」
聖女「……!」
魔王「ならば――三年の時を与える」
魔王「それだけの時があれば、赤ちゃんに関しても落ち着……」
聖女「えっ!?」
魔王「……それだけの時があれば、余を楽しませるだけの」
魔王「――戦いになる程度には、力を付けられよう」
聖女「……」
聖女「……闇の魔王さんっ!」
聖女「わ、私達は……人間は、負けません!」
魔王「ほう、面白い」
聖女「……!」
魔王「ならば――三年の時を与える」
魔王「それだけの時があれば、赤ちゃんに関しても落ち着……」
聖女「えっ!?」
魔王「……それだけの時があれば、余を楽しませるだけの」
魔王「――戦いになる程度には、力を付けられよう」
聖女「……」
聖女「……闇の魔王さんっ!」
610: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 11:00:18.11 ID:CMkDw/X/o
・ ・ ・
光の勇者(以下、勇者)「――クソッ! 一体、何を話してるんだ!?」
地の四天王(以下、地王)「光の勇者よ、心を鎮めるのだ」
勇者「だけど! 聖女と魔王が、二人きりなんだぞ!?」
地王「だが、今のお前に何が出来ると言うのだ」
地王「……光の勇者よ」
地王「俺は――既に、死を覚悟しているぞ」
勇者「地の四天王……まさか、お前……!?」
勇者(魔王を裏切って……こちら側について、戦うつもりか!?)
地王「……」
地王(酒を飲んで寝ている内に、全て解決しておらんかなぁ)
光の勇者(以下、勇者)「――クソッ! 一体、何を話してるんだ!?」
地の四天王(以下、地王)「光の勇者よ、心を鎮めるのだ」
勇者「だけど! 聖女と魔王が、二人きりなんだぞ!?」
地王「だが、今のお前に何が出来ると言うのだ」
地王「……光の勇者よ」
地王「俺は――既に、死を覚悟しているぞ」
勇者「地の四天王……まさか、お前……!?」
勇者(魔王を裏切って……こちら側について、戦うつもりか!?)
地王「……」
地王(酒を飲んで寝ている内に、全て解決しておらんかなぁ)
611: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 11:05:14.23 ID:CMkDw/X/o
聖女「で、でも……他の魔族が、黙ってないと思うんです」
魔王「余の意に反し、其方を襲う者が出てくると?」
聖女「……はい」
魔王「ふむ……そうかも知れぬな」
魔王「ならば、全て滅ぼすか?」
魔王「余は、地の四天王が――」
魔王「――彼ピッピが居れば、それで良い」
聖女「そ、それは……暴君すぎませんか!?」
聖女「それとあと、教えたのは私だけど……彼ピッピ呼びはやめません!?」
魔王「余の意に反し、其方を襲う者が出てくると?」
聖女「……はい」
魔王「ふむ……そうかも知れぬな」
魔王「ならば、全て滅ぼすか?」
魔王「余は、地の四天王が――」
魔王「――彼ピッピが居れば、それで良い」
聖女「そ、それは……暴君すぎませんか!?」
聖女「それとあと、教えたのは私だけど……彼ピッピ呼びはやめません!?」
612: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 11:08:31.05 ID:CMkDw/X/o
・ ・ ・
勇者「地の四天王……お前、良いのか?」
地王「良いも何も、こうなっては仕方が無いのだ」
勇者「っ……!」
地王「心残りがあるとすれば……」
地王「光の勇者よ」
地王「お前と、心ゆくまで存分に酒を酌み交わしたかったぞ」
勇者「っ……地の四天王っ……!」
勇者「地の四天王……お前、良いのか?」
地王「良いも何も、こうなっては仕方が無いのだ」
勇者「っ……!」
地王「心残りがあるとすれば……」
地王「光の勇者よ」
地王「お前と、心ゆくまで存分に酒を酌み交わしたかったぞ」
勇者「っ……地の四天王っ……!」
613: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 11:15:42.45 ID:CMkDw/X/o
・ ・ ・
聖女「だ、だけど……もし、そうなっても……」
魔王「人間側が――其方が子を生む事を良しとせぬ、か」
聖女「はい、私が……しばらく、戦えなくなりますから」
魔王「ふむ……」
魔王「やはり、全て滅ぼすか」
魔王「そう……全てをな……!」
聖女「そ、それもちょっと!」
聖女「あのっ! 一度、滅ぼす所から離れませんか!?」
聖女「だ、だけど……もし、そうなっても……」
魔王「人間側が――其方が子を生む事を良しとせぬ、か」
聖女「はい、私が……しばらく、戦えなくなりますから」
魔王「ふむ……」
魔王「やはり、全て滅ぼすか」
魔王「そう……全てをな……!」
聖女「そ、それもちょっと!」
聖女「あのっ! 一度、滅ぼす所から離れませんか!?」
614: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 11:18:58.82 ID:CMkDw/X/o
・ ・ ・
勇者「……馬鹿野郎、何言ってやがる」
地王「む?」
勇者「酒なんか、いくらでも飲めば良いじゃねえか」
地王「……光の勇者?」
勇者「最後まで、諦めるんじゃねえ」
勇者「お前は――光の勇者の仲間だろ?」
地王「っ……光の勇者……!」
勇者「……馬鹿野郎、何言ってやがる」
地王「む?」
勇者「酒なんか、いくらでも飲めば良いじゃねえか」
地王「……光の勇者?」
勇者「最後まで、諦めるんじゃねえ」
勇者「お前は――光の勇者の仲間だろ?」
地王「っ……光の勇者……!」
615: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 11:36:50.65 ID:CMkDw/X/o
・ ・ ・
魔王「だが、滅ぼさぬとなると……少し面倒だな」
聖女「……」
魔王「勇者の一行が、旅を中断せざるを得ず……」
魔王「そこに、迂闊に手を出せぬと思う状況……」
聖女「そんな状況……!」
魔王「――ある」
聖女「……」
聖女「えっ?」
魔王「だが、滅ぼさぬとなると……少し面倒だな」
聖女「……」
魔王「勇者の一行が、旅を中断せざるを得ず……」
魔王「そこに、迂闊に手を出せぬと思う状況……」
聖女「そんな状況……!」
魔王「――ある」
聖女「……」
聖女「えっ?」
616: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 11:46:57.78 ID:CMkDw/X/o
・ ・ ・
勇者「……行こう、二人の所へ」
地王「……まあ、逃げられはせんだろうからな」
地王「――むん」
パァァ……ァァァ
大地の魔女(以下、地女)「はあ……どうしてこうなったのだ」
地女「……光の勇者よ」
地女「お前の光の加護を……頼りにしているぞ」
勇者「……ああ、任せとけ」
勇者「っと……こういう時は、やっぱり言っておくべきだよな」
地女「む?」
勇者「地の四天王よ、助けてくれ」
勇者「……行こう、二人の所へ」
地王「……まあ、逃げられはせんだろうからな」
地王「――むん」
パァァ……ァァァ
大地の魔女(以下、地女)「はあ……どうしてこうなったのだ」
地女「……光の勇者よ」
地女「お前の光の加護を……頼りにしているぞ」
勇者「……ああ、任せとけ」
勇者「っと……こういう時は、やっぱり言っておくべきだよな」
地女「む?」
勇者「地の四天王よ、助けてくれ」
617: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 11:52:57.89 ID:CMkDw/X/o
・ ・ ・
地女「――地の四天王よ、助けてくれ」キリッ!
勇者「お前! 本当もうマジでやめろってえええええ!!」
地女「はっはっは! 良いではないか、良いではないか!」
勇者「クソッ……チクショウ……!」
地女「さすがは、闇の魔王様だ!」
地女「まさか、あんな案を思いつくとはな!」
地女「やはり男は駄目だな、男は!」
勇者「お前も男だろうがよおおおおお!!」
地女「――地の四天王よ、助けてくれ」キリッ!
勇者「お前! 本当もうマジでやめろってえええええ!!」
地女「はっはっは! 良いではないか、良いではないか!」
勇者「クソッ……チクショウ……!」
地女「さすがは、闇の魔王様だ!」
地女「まさか、あんな案を思いつくとはな!」
地女「やはり男は駄目だな、男は!」
勇者「お前も男だろうがよおおおおお!!」
618: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 12:00:08.05 ID:CMkDw/X/o
勇者「っていうか、どうして聖女と魔王があんなに仲が良いんだよ……!」
地女「ぷくく! お前の顔、傑作だったぞ!」
勇者「っぐ……うおお……!」
地女「床に、正座させられ――」
地女「――考えの足りぬ男だな」
地女「――己が欲望を制御出来んとは」
地女「――其方は、それでも光の勇者か?」
地女「……と、魔王様に説教されているお前の顔はだ!」
勇者「ふっ……ぐうおお……!」
地女「ぷくく! お前の顔、傑作だったぞ!」
勇者「っぐ……うおお……!」
地女「床に、正座させられ――」
地女「――考えの足りぬ男だな」
地女「――己が欲望を制御出来んとは」
地女「――其方は、それでも光の勇者か?」
地女「……と、魔王様に説教されているお前の顔はだ!」
勇者「ふっ……ぐうおお……!」
619: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 12:14:25.20 ID:CMkDw/X/o
地女「うむ、だが……奇跡は仕方無いよな? うむ、奇跡は」
勇者「変ななぐさめすんなよ!」
地女「お前も、避妊魔法は使っていたのだろう?」
勇者「その……盛り上がって、雰囲気で……」
地女「――この、馬鹿者が!」
地女「男側が魔法を使うのがエチケットだと教えたではないか!」
地女「それに、女の言う――大丈夫――は、信用するなと!」
地女「お前の油断が、この事態を招いたのだ!」
勇者「言い返せないからって……ここぞとばかりに……!」
勇者「変ななぐさめすんなよ!」
地女「お前も、避妊魔法は使っていたのだろう?」
勇者「その……盛り上がって、雰囲気で……」
地女「――この、馬鹿者が!」
地女「男側が魔法を使うのがエチケットだと教えたではないか!」
地女「それに、女の言う――大丈夫――は、信用するなと!」
地女「お前の油断が、この事態を招いたのだ!」
勇者「言い返せないからって……ここぞとばかりに……!」
620: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 12:24:04.57 ID:CMkDw/X/o
地女「だが――魔王様の智謀には恐れ入ったぞ!」
勇者「ああ……本当にな」
地女「うむ!」
地女「大地の魔女に――地の四天王が封印された事にする」
地女「こうなれば……魔族は、迂闊に手を出せぬ」
地女「何せ、この俺を封印する程の力があるのだからな!」
地女「この、地の四天王を!」
勇者「だが……それと引き換えに、大地の魔女も大量に魔力を失った」
勇者「それに気付かれないよう、一時的に身を隠す」
勇者「……地の四天王を封印する程の力の持ち主だ」
勇者「人間側としても、無理をさせて失うのは大きな痛手になる」
地女「うむ!!」
勇者「ああ……本当にな」
地女「うむ!」
地女「大地の魔女に――地の四天王が封印された事にする」
地女「こうなれば……魔族は、迂闊に手を出せぬ」
地女「何せ、この俺を封印する程の力があるのだからな!」
地女「この、地の四天王を!」
勇者「だが……それと引き換えに、大地の魔女も大量に魔力を失った」
勇者「それに気付かれないよう、一時的に身を隠す」
勇者「……地の四天王を封印する程の力の持ち主だ」
勇者「人間側としても、無理をさせて失うのは大きな痛手になる」
地女「うむ!!」
621: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 12:37:01.13 ID:CMkDw/X/o
地女「主要な者達に、声をかけておく必要があるがな!」
勇者「……ああ、そうだな」
地女「と、言うわけで……ちょっと行ってくるのだ!」
勇者「いやお前、軽く言ってるけど大丈夫か!?」
地女「光の勇者よ、案ずるな!」
地女「俺から説明しないと、納得せぬ者も居るだろう」
地女「それにな? ほら……あれだ」
地女「色々と、バレちゃうかも知れんしな?」
勇者「俺は、そっちの心配をしてんだよ!」
勇者「……ああ、そうだな」
地女「と、言うわけで……ちょっと行ってくるのだ!」
勇者「いやお前、軽く言ってるけど大丈夫か!?」
地女「光の勇者よ、案ずるな!」
地女「俺から説明しないと、納得せぬ者も居るだろう」
地女「それにな? ほら……あれだ」
地女「色々と、バレちゃうかも知れんしな?」
勇者「俺は、そっちの心配をしてんだよ!」
622: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 12:46:48.80 ID:CMkDw/X/o
地女「無論、わかっている」
勇者「本当にわかってんだろうな!?」
地女「うむ! 俺は、この計画の要だからな!」
勇者「……そうじゃねえよ」
勇者「……地の四天王」
勇者「お前は、俺と思いっきり酒を飲むんだろう?」
勇者「だから――必ず、生きて帰って来いよ」
地女「……ぬうっ……不覚!」
地女「この地の四天王をキュンとさせるとは……!」
勇者「キュンとか言うんじゃねえよ気持ち悪ぃな!!」
勇者「本当にわかってんだろうな!?」
地女「うむ! 俺は、この計画の要だからな!」
勇者「……そうじゃねえよ」
勇者「……地の四天王」
勇者「お前は、俺と思いっきり酒を飲むんだろう?」
勇者「だから――必ず、生きて帰って来いよ」
地女「……ぬうっ……不覚!」
地女「この地の四天王をキュンとさせるとは……!」
勇者「キュンとか言うんじゃねえよ気持ち悪ぃな!!」
623: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 12:53:47.62 ID:CMkDw/X/o
地女「浮気は――聖女のお姉ちゃんとして、許さんぞ?」
勇者「するわけねえだろ!」
地女「妊娠中に娼館に行くのはセーフか、話し合っておけよ?」
勇者「行くわけねえだろ!?」
地女「……うむ! それでこそ、俺が見込んだ男!」
地女「光の勇者よ、やはりお前は天晴な奴だ!」
勇者「ああもう、わかったら行ってこい!」
地女「だが、お前に……一つだけ忠告しておこう」
地女「――酒は、飲んでも呑まれるなよ?」
勇者「良いからさっさと行けってんだよおおおおお!!」
おわり
勇者「するわけねえだろ!」
地女「妊娠中に娼館に行くのはセーフか、話し合っておけよ?」
勇者「行くわけねえだろ!?」
地女「……うむ! それでこそ、俺が見込んだ男!」
地女「光の勇者よ、やはりお前は天晴な奴だ!」
勇者「ああもう、わかったら行ってこい!」
地女「だが、お前に……一つだけ忠告しておこう」
地女「――酒は、飲んでも呑まれるなよ?」
勇者「良いからさっさと行けってんだよおおおおお!!」
おわり
630: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 20:26:09.88 ID:CMkDw/X/o
書きます
地の四天王「光の勇者よ、俺は無力だった」
地の四天王「光の勇者よ、俺は無力だった」
631: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 20:30:17.36 ID:CMkDw/X/o
光の勇者(以下、勇者)「地の四天王!? もう戻ってきたのか!?」
地の四天王(以下、地王)「……うむ」
勇者「無力だった、って……何があったんだ?」
地王「俺には……もう、何も出来ぬ状況だったのだ」
地王「……地の領地、水の領地、火の領地、風の領地」
地王「どこも、顔を出したら結婚せざるを得ない感じになっていたのだ!」
勇者「……」
勇者「はあっ!?」
地の四天王(以下、地王)「……うむ」
勇者「無力だった、って……何があったんだ?」
地王「俺には……もう、何も出来ぬ状況だったのだ」
地王「……地の領地、水の領地、火の領地、風の領地」
地王「どこも、顔を出したら結婚せざるを得ない感じになっていたのだ!」
勇者「……」
勇者「はあっ!?」
632: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 20:32:39.34 ID:CMkDw/X/o
勇者「待て待て! どうしてそうなった!?」
地王「俺は、まず自らの領地――地の領地に向かった」
勇者「ああ……妹さんに、留守を頼むって話だったな」
地王「……ところがな」
地王「俺の留守中に、水の四天王が妹を懐柔していたのだ!」
地王「俺の屋敷に、何故か水の四天王の部屋があったのだ!」
勇者「滅茶苦茶入り込まれてるじゃねえか!?」
地王「俺は、まず自らの領地――地の領地に向かった」
勇者「ああ……妹さんに、留守を頼むって話だったな」
地王「……ところがな」
地王「俺の留守中に、水の四天王が妹を懐柔していたのだ!」
地王「俺の屋敷に、何故か水の四天王の部屋があったのだ!」
勇者「滅茶苦茶入り込まれてるじゃねえか!?」
633: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 20:36:31.75 ID:CMkDw/X/o
勇者「それ、本当に水の四天王の部屋だったのか!?」
地王「間違いない! これを見るが良い!」
勇者「……ん? なんだコレ……?」
地王「うむ!」
地王「水の四天王の、お気に入りの下着なのだ!」
地王「見ろ! 水の魔力で編まれた、スケスケの下着だ!」
勇者「自宅で下着泥棒して帰ってきてんじゃねえええええ!!」
地王「間違いない! これを見るが良い!」
勇者「……ん? なんだコレ……?」
地王「うむ!」
地王「水の四天王の、お気に入りの下着なのだ!」
地王「見ろ! 水の魔力で編まれた、スケスケの下着だ!」
勇者「自宅で下着泥棒して帰ってきてんじゃねえええええ!!」
634: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 20:40:41.29 ID:CMkDw/X/o
地王「水の四天王はナイスバディな上、この下着……そそるぞ~?」
勇者「あ、ああ……って、そういう話じゃねえだろ!?」
地王「加えて、広場の俺の像の隣に……水の四天王の像が建っていたのだ」
勇者「……えっ?」
地王「なのでな? 見つかったらマズイと思い、撤退した」
地王「すまぬ……成果は、この下着しか無い」
勇者「お前、本当にそれは心の底から謝ってくれ!!」
勇者「あ、ああ……って、そういう話じゃねえだろ!?」
地王「加えて、広場の俺の像の隣に……水の四天王の像が建っていたのだ」
勇者「……えっ?」
地王「なのでな? 見つかったらマズイと思い、撤退した」
地王「すまぬ……成果は、この下着しか無い」
勇者「お前、本当にそれは心の底から謝ってくれ!!」
635: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 20:51:08.00 ID:CMkDw/X/o
地王「そして、水の領地の――水の四天王だ」
勇者「!? 水の四天王に会ったのか!?」
地王「はっはっは! そんな訳が無かろう!」
勇者「そうだよな! 外堀埋められまくってるもんな!」
地王「色々と、仕事の引き継ぎをしているようだったな」
地王「水の四天王は――嫁に来る準備を着々と進めているようだ」
勇者「なんか……本当に、地に足ついた生き方してんな」
勇者「!? 水の四天王に会ったのか!?」
地王「はっはっは! そんな訳が無かろう!」
勇者「そうだよな! 外堀埋められまくってるもんな!」
地王「色々と、仕事の引き継ぎをしているようだったな」
地王「水の四天王は――嫁に来る準備を着々と進めているようだ」
勇者「なんか……本当に、地に足ついた生き方してんな」
636: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 20:54:14.18 ID:CMkDw/X/o
地王「まあ、なので……次に行ったのだ」
勇者「次って言うと――火の四天王だな」
地王「うむ」
勇者「火の四天王なら、割と話が簡単に行ったんじゃないか?」
地王「それがな? 火の領地に踏み入ったらな?」
地王「火龍王に決闘を申し込まれたのだ」
勇者「……」
勇者「はああっ!?」
勇者「次って言うと――火の四天王だな」
地王「うむ」
勇者「火の四天王なら、割と話が簡単に行ったんじゃないか?」
地王「それがな? 火の領地に踏み入ったらな?」
地王「火龍王に決闘を申し込まれたのだ」
勇者「……」
勇者「はああっ!?」
637: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 20:59:40.43 ID:CMkDw/X/o
勇者「火龍王って、火の四天王の父親にか!?」
地王「うむ! 先代の、火の四天王なのだ!」
勇者「それで……ど、どうなったんだ!?」
地王「うむ!」
地王「――我を倒さねば、娘には会わせぬ!」
地王「……と、言われてな」
勇者「お前……それ、よくある‘アレ’じゃねえか!!」
地王「うむ! 先代の、火の四天王なのだ!」
勇者「それで……ど、どうなったんだ!?」
地王「うむ!」
地王「――我を倒さねば、娘には会わせぬ!」
地王「……と、言われてな」
勇者「お前……それ、よくある‘アレ’じゃねえか!!」
638: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 21:08:23.19 ID:CMkDw/X/o
勇者「お前のような奴に娘はやれん、とか言われたんだろ!?」
地王「おおっ! 光の勇者よ、よくわかったな!」
勇者「やっぱり、プロポーズした事になってんじゃねえか!!」
地王「うむ……それには、俺も慌ててな」
地王「――ならば、帰る!」
地王「……と、一旦出直そうとしたのだ」
地王「火龍王には……幼き頃から、世話になっているからな」
地王「そんな、恩のある相手をボコる訳にもいくまい?」
勇者「いや……それ! それ、お前……!?」
地王「おおっ! 光の勇者よ、よくわかったな!」
勇者「やっぱり、プロポーズした事になってんじゃねえか!!」
地王「うむ……それには、俺も慌ててな」
地王「――ならば、帰る!」
地王「……と、一旦出直そうとしたのだ」
地王「火龍王には……幼き頃から、世話になっているからな」
地王「そんな、恩のある相手をボコる訳にもいくまい?」
勇者「いや……それ! それ、お前……!?」
639: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 21:12:43.37 ID:CMkDw/X/o
地王「すると、火龍王は怒り狂ってな……」
勇者「そうだろうな! 父親の立場なら、怒るよな!」
地王「プロポーズは誤解だ、と言おうとしたのだがな?」
勇者「言ったのか!?」
地王「……言えなかったのだ」
地王「――火の四天王と、その母君が突然現れてな」
勇者「……陰で見てたんだろうな」
勇者「そうだろうな! 父親の立場なら、怒るよな!」
地王「プロポーズは誤解だ、と言おうとしたのだがな?」
勇者「言ったのか!?」
地王「……言えなかったのだ」
地王「――火の四天王と、その母君が突然現れてな」
勇者「……陰で見てたんだろうな」
640: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 21:23:13.54 ID:CMkDw/X/o
地王「もう怒る怒る……怒りに釣られて火山も噴火してな」
勇者「……妻と娘に怒られる父親、か」
地王「絶え間ない口撃に、火龍王も為す術が無かったぞ」
勇者「それで……お前は、どうしたんだよ?」
地王「――また今度、出直して来て!」
地王「……そう、二人に言われてな」
地王「助けを求めるような火龍王の視線を振り切り、撤退した」
勇者「その状況なら……まともに話も出来なさそうだしな」
勇者「……妻と娘に怒られる父親、か」
地王「絶え間ない口撃に、火龍王も為す術が無かったぞ」
勇者「それで……お前は、どうしたんだよ?」
地王「――また今度、出直して来て!」
地王「……そう、二人に言われてな」
地王「助けを求めるような火龍王の視線を振り切り、撤退した」
勇者「その状況なら……まともに話も出来なさそうだしな」
642: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 21:32:02.07 ID:CMkDw/X/o
地王「そして、俺は風の領地――風の四天王を訪ねたのだ」
勇者「流石に、風の四天王は話がスンナリ行ったよな!?」
地王「まあ……話すには、話したぞ!」
勇者「? 何か、ひっかかる言い方だな」
地王「身を隠す間、風の領地に留まる事を条件に出された」
地王「風の四天王の狙いは、恐らく――事実婚なのだ」
勇者「いや……えっ、そうなのか!?」
勇者「流石に、風の四天王は話がスンナリ行ったよな!?」
地王「まあ……話すには、話したぞ!」
勇者「? 何か、ひっかかる言い方だな」
地王「身を隠す間、風の領地に留まる事を条件に出された」
地王「風の四天王の狙いは、恐らく――事実婚なのだ」
勇者「いや……えっ、そうなのか!?」
643: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 21:40:36.91 ID:CMkDw/X/o
勇者「純粋に……善意とかじゃないのか?」
地王「残念だが、それは無いぞ」
勇者「いや、そんなのわからねえだろ!?」
地王「光の勇者よ、風の四天王を甘く見るな」
地王「奴は――風の結界を用意していた」
地王「地属性の俺では……その結界の出入りは出来ぬのだ」
勇者「……お前、さりげなく一番の危機だったのか!?」
地王「残念だが、それは無いぞ」
勇者「いや、そんなのわからねえだろ!?」
地王「光の勇者よ、風の四天王を甘く見るな」
地王「奴は――風の結界を用意していた」
地王「地属性の俺では……その結界の出入りは出来ぬのだ」
勇者「……お前、さりげなく一番の危機だったのか!?」
644: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 21:49:29.15 ID:CMkDw/X/o
地王「ふはは! だが、みすみすやられる俺では無い!」
勇者「まあ……此処に居るってことは、逃げられたんだもんな」
地王「うむ!」
勇者「お前……どうやって逃げたんだよ?」
地王「――お前は、良い嫁になりそうだな!」
地王「と、そう言って照れている間に颯爽と撤退した」
地王「……死中に活を見出したのだ!」
勇者「お前……邪推だったら、自分で自分の首を締めただけだぞ!?」
勇者「まあ……此処に居るってことは、逃げられたんだもんな」
地王「うむ!」
勇者「お前……どうやって逃げたんだよ?」
地王「――お前は、良い嫁になりそうだな!」
地王「と、そう言って照れている間に颯爽と撤退した」
地王「……死中に活を見出したのだ!」
勇者「お前……邪推だったら、自分で自分の首を締めただけだぞ!?」
645: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:02:22.46 ID:CMkDw/X/o
地王「しかし、まあ……風の四天王の協力は取り付けた……な?」
勇者「ああ、まあ……そうだな」
地王「水の四天王は顔を合わせられず……火の四天王は保留だ」
勇者「……それで、こんなにすぐ帰ってきたのか」
地王「……こんな成果では、おめおめと帰れなかった」
地王「己の無力を嘆いた俺は――酒場へと赴いたのだ」
勇者「……」
勇者「待て」
勇者「ああ、まあ……そうだな」
地王「水の四天王は顔を合わせられず……火の四天王は保留だ」
勇者「……それで、こんなにすぐ帰ってきたのか」
地王「……こんな成果では、おめおめと帰れなかった」
地王「己の無力を嘆いた俺は――酒場へと赴いたのだ」
勇者「……」
勇者「待て」
646: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:10:17.58 ID:CMkDw/X/o
地王「久々の酒は美味かった! ああ、美味かった!」
勇者「お前……飲んで、どうした!?」
地王「銘酒『竜殺し』! スルリとした飲み口で、カパカパいけた!」
勇者「酒の感想なんか聞いちゃいねえんだよ!」
地王「朝起きたら見知らぬ女がベッドに居たのだ!」
地王「薄らぼんやりと、 ちゃった記憶があるのだ!」
勇者「なんでお前はそうなんだよおおおおお!?」
勇者「お前……飲んで、どうした!?」
地王「銘酒『竜殺し』! スルリとした飲み口で、カパカパいけた!」
勇者「酒の感想なんか聞いちゃいねえんだよ!」
地王「朝起きたら見知らぬ女がベッドに居たのだ!」
地王「薄らぼんやりと、 ちゃった記憶があるのだ!」
勇者「なんでお前はそうなんだよおおおおお!?」
647: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:17:32.98 ID:CMkDw/X/o
勇者「お前! それでどうしたんだ!?」
地王「うむ! その女が寝てる間に逃げてきたぞ!」
勇者「このクズ! んあああもう、このクズ!」
地王「大丈夫だ! 俺が、地の四天王とはバレていない! 多分!」
地王「それでな? 確か……」
地王「雷の――勇者だったか、女帝だったかと言っていたのだが……」
地王「光の勇者よ、どちらだと思う?」
勇者「俺に聞くんじゃねえよおおおおお!!」
地王「うむ! その女が寝てる間に逃げてきたぞ!」
勇者「このクズ! んあああもう、このクズ!」
地王「大丈夫だ! 俺が、地の四天王とはバレていない! 多分!」
地王「それでな? 確か……」
地王「雷の――勇者だったか、女帝だったかと言っていたのだが……」
地王「光の勇者よ、どちらだと思う?」
勇者「俺に聞くんじゃねえよおおおおお!!」
648: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:26:47.51 ID:CMkDw/X/o
勇者「お前って奴は……どうしてだよ!?」
地王「うむ……俺も、自分で自分が恐ろしい」
勇者「いっそ、全部話した方が早いんじゃねえか!?」
地王「光の勇者よ、何を言っている!」
地王「和平など、有り得ぬ!」
地王「――全滅か!」
地王「――先延ばしか!」
地王「既に……和解など出来ぬ状況なのだ!」
勇者「お前のせいでな!」
地王「うむ……俺も、自分で自分が恐ろしい」
勇者「いっそ、全部話した方が早いんじゃねえか!?」
地王「光の勇者よ、何を言っている!」
地王「和平など、有り得ぬ!」
地王「――全滅か!」
地王「――先延ばしか!」
地王「既に……和解など出来ぬ状況なのだ!」
勇者「お前のせいでな!」
649: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:33:03.42 ID:CMkDw/X/o
地王「それでな? 先延ばししている間に、なっ?」
地王「良い感じに、時が解決してくれると……俺は信じているのだ」
勇者「クソッ……どうして、こんなにややこしくなったんだ!」
地王「――光の勇者よ、すまぬな」
地王「俺が、酔って ちゃったばかりに、迷惑をかけている」
勇者「本当にな!?」
地王「だが……そのおかげで、こうして気安く話せる仲になれた」
地王「その点に関しては、俺に感謝しても良いのではないか?」
勇者「うるせえよ!……うるせえよ!!」
地王「良い感じに、時が解決してくれると……俺は信じているのだ」
勇者「クソッ……どうして、こんなにややこしくなったんだ!」
地王「――光の勇者よ、すまぬな」
地王「俺が、酔って ちゃったばかりに、迷惑をかけている」
勇者「本当にな!?」
地王「だが……そのおかげで、こうして気安く話せる仲になれた」
地王「その点に関しては、俺に感謝しても良いのではないか?」
勇者「うるせえよ!……うるせえよ!!」
650: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:45:30.57 ID:CMkDw/X/o
地王「何にせよ、あまり時間は残されていない」
勇者「まあ……そうだな」
地王「祝福の聖女のお腹が目立つ前に、何とかせねばな!」
勇者「……本当にな!」
地王「さて……それでは」
パァァ……ァァァ
大地の魔女「――明日に備えて、今日はもう寝るか!」
勇者「くそっ……どうしてこうなったんだ……!」
勇者「まあ……そうだな」
地王「祝福の聖女のお腹が目立つ前に、何とかせねばな!」
勇者「……本当にな!」
地王「さて……それでは」
パァァ……ァァァ
大地の魔女「――明日に備えて、今日はもう寝るか!」
勇者「くそっ……どうしてこうなったんだ……!」
651: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:53:21.75 ID:CMkDw/X/o
・ ・ ・
祝福の聖女(以下、聖女)「……という訳なんです」
剣の乙女(以下、乙女)「……なるほどね」
聖女「すみません……迷惑をかけちゃいますよね」
乙女「何を言ってるのよ、水臭い」
乙女「――赤ちゃんと、光の勇者との結婚」
乙女「祝福の聖女……本当に、おめでとう」
聖女「ふふっ……ありがとうございます」
祝福の聖女(以下、聖女)「……という訳なんです」
剣の乙女(以下、乙女)「……なるほどね」
聖女「すみません……迷惑をかけちゃいますよね」
乙女「何を言ってるのよ、水臭い」
乙女「――赤ちゃんと、光の勇者との結婚」
乙女「祝福の聖女……本当に、おめでとう」
聖女「ふふっ……ありがとうございます」
652: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 23:01:59.10 ID:CMkDw/X/o
乙女「旅が中断している間……私達が、貴女も守るわ」
聖女「剣の乙女さん……」
乙女「光の勇者と、私と……大地の魔女のお姉様の三人で、ね」
聖女「本当に……ありがとうございます……!」
乙女「猶予は三年、でしょう?」
乙女「それだけあれば……私も、お姉様との子供を授かれると思うの」
乙女「だから、私も感謝してるわ」
聖女「……はい?」
乙女「ふふっ! きっと――奇跡が起きると思うのよね!」
聖女「……」
聖女「えっ!?」
おわり
聖女「剣の乙女さん……」
乙女「光の勇者と、私と……大地の魔女のお姉様の三人で、ね」
聖女「本当に……ありがとうございます……!」
乙女「猶予は三年、でしょう?」
乙女「それだけあれば……私も、お姉様との子供を授かれると思うの」
乙女「だから、私も感謝してるわ」
聖女「……はい?」
乙女「ふふっ! きっと――奇跡が起きると思うのよね!」
聖女「……」
聖女「えっ!?」
おわり
656: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/18(日) 19:52:02.73 ID:CrfyuX0vo
書きます
地の四天王「光の勇者よ、世話になった!」
地の四天王「光の勇者よ、世話になった!」
657: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/18(日) 19:55:41.43 ID:CrfyuX0vo
地の四天王(以下、地王)「俺とお前は、本来ならば敵同士!」
地王「だが、お前は……そんな俺を救ってくれた!」
地王「お前が居なければ、とうに俺の命は尽きていただろう!」
地王「……ふっ」
地王「光の勇者よ! 例え、敵同士であろうとも……」
地王「お前は……俺の――真の友だ!」
地王「友よ、本当に世話になった!」
地王「だが、お前は……そんな俺を救ってくれた!」
地王「お前が居なければ、とうに俺の命は尽きていただろう!」
地王「……ふっ」
地王「光の勇者よ! 例え、敵同士であろうとも……」
地王「お前は……俺の――真の友だ!」
地王「友よ、本当に世話になった!」
658: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/18(日) 19:58:47.02 ID:CrfyuX0vo
・ ・ ・
光の勇者(以下、勇者)「……まあ、そうだな」
勇者「だけどな? 地の四天王」
勇者「なんで……こんな朝っぱらから、そんな事を言うんだ?」
勇者「……と、いうか――」
地王『む、ちょっと待つのだ光の勇者よ』
地王『酔い止め? 何を言う!』
地王『この俺は、酒には酔うが船酔いなどせぬわ!』
勇者「――お前はどこに居んだよおおおおお!?」
光の勇者(以下、勇者)「……まあ、そうだな」
勇者「だけどな? 地の四天王」
勇者「なんで……こんな朝っぱらから、そんな事を言うんだ?」
勇者「……と、いうか――」
地王『む、ちょっと待つのだ光の勇者よ』
地王『酔い止め? 何を言う!』
地王『この俺は、酒には酔うが船酔いなどせぬわ!』
勇者「――お前はどこに居んだよおおおおお!?」
659: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:03:10.16 ID:CrfyuX0vo
勇者「起きたら、お前の痕跡は綺麗サッパリなくなってるし!」
勇者「大体、どっから思念波飛ばしてんだ!? 酔い止め!?」
勇者「地の四天王! まさかとは思うが……」
勇者「――全部放り出して、逃げる気じゃねえだろうな!?」
地王『光の勇者よ』
地王『大地の魔女として、お前達と……仲間と過ごした日々!』
地王『俺は、決して忘れる事はないぞ!』
勇者「待て! 待て待て待て待て! 待て!!」
勇者「大体、どっから思念波飛ばしてんだ!? 酔い止め!?」
勇者「地の四天王! まさかとは思うが……」
勇者「――全部放り出して、逃げる気じゃねえだろうな!?」
地王『光の勇者よ』
地王『大地の魔女として、お前達と……仲間と過ごした日々!』
地王『俺は、決して忘れる事はないぞ!』
勇者「待て! 待て待て待て待て! 待て!!」
661: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:08:26.72 ID:CrfyuX0vo
勇者「お前、ふざっ……ふざけんなよ!?」
勇者「計画にしても、まだお前の仕事が残ってんだろうが!」
勇者「せめて、それを片付けてからにしろよ!」
勇者「やる事をやってからだろ!? なあ、おい!!」
地王『光の勇者よ、後は任せた!』
地王『……と、引き継ぎは果たされた!』
地王『お前ならば、見事やり遂げてみせるだろう!』
勇者「ふっざけんじゃねえぞこらあああああ!?」
勇者「計画にしても、まだお前の仕事が残ってんだろうが!」
勇者「せめて、それを片付けてからにしろよ!」
勇者「やる事をやってからだろ!? なあ、おい!!」
地王『光の勇者よ、後は任せた!』
地王『……と、引き継ぎは果たされた!』
地王『お前ならば、見事やり遂げてみせるだろう!』
勇者「ふっざけんじゃねえぞこらあああああ!?」
663: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:14:09.00 ID:CrfyuX0vo
勇者「お前は、真の友と言っておきながらそういう事するのか!?」
勇者「状況が状況なら、感動する台詞だよ!」
勇者「けどなぁ! この状況で言われても怒りしか湧かねえよ!」
勇者「さっさと戻って来い! 冗談じゃねえぞ!?」
地王『光の勇者よ、何を言っているのだ』
地王『――俺とお前は、本来ならば敵同士!』
地王『……と、言う訳でな?』
地王『お前を困らせる事に、何の躊躇いもない!』
勇者「……こんのクズ野郎があああああ!!」
勇者「状況が状況なら、感動する台詞だよ!」
勇者「けどなぁ! この状況で言われても怒りしか湧かねえよ!」
勇者「さっさと戻って来い! 冗談じゃねえぞ!?」
地王『光の勇者よ、何を言っているのだ』
地王『――俺とお前は、本来ならば敵同士!』
地王『……と、言う訳でな?』
地王『お前を困らせる事に、何の躊躇いもない!』
勇者「……こんのクズ野郎があああああ!!」
664: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:20:17.92 ID:CrfyuX0vo
・ ・ ・
地王「まあ、俺とてこの決断をするのは躊躇った」
地王「……だが!」
地王「俺は、気付いた! 気付いちゃったのだ!」
地王「――あれ?」
地王「何がどう転んでも、俺が死ぬ状況になっているな?」
地王「……とな!」
勇者『俺がぶっ殺してやるから戻って来いやあああああ!!』
地王「まあ、俺とてこの決断をするのは躊躇った」
地王「……だが!」
地王「俺は、気付いた! 気付いちゃったのだ!」
地王「――あれ?」
地王「何がどう転んでも、俺が死ぬ状況になっているな?」
地王「……とな!」
勇者『俺がぶっ殺してやるから戻って来いやあああああ!!』
665: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:26:17.31 ID:CrfyuX0vo
・ ・ ・
勇者「そもそも、お前が原因だろうが!」
勇者「勇者に尻拭いを頼む四天王が何処に居る!?」
勇者「っつーか、友とかいう発言はどうしたんだよ!」
勇者「お前、友に対する仕打ちがこれか!?」
地王『ほう! クラーケンが出るかも知れぬと!』
地王『ふはは! 酒のツマミにしてくれるわ!』
勇者「聞けよお前はよおおおおお!?」
勇者「そもそも、お前が原因だろうが!」
勇者「勇者に尻拭いを頼む四天王が何処に居る!?」
勇者「っつーか、友とかいう発言はどうしたんだよ!」
勇者「お前、友に対する仕打ちがこれか!?」
地王『ほう! クラーケンが出るかも知れぬと!』
地王『ふはは! 酒のツマミにしてくれるわ!』
勇者「聞けよお前はよおおおおお!?」
666: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:35:37.78 ID:CrfyuX0vo
勇者「……もうキレた」
勇者「ああ、上等だよ! 地の四天王!」
勇者「お前の所業を洗いざらいぶちまけてやるよ!」
勇者「そうすりゃ、魔王や四天王達がお前を追うだろうからな!」
地王『光の勇者よ、やめておくのだ』
地王『――何故、お前がそれを知っているのか?』
地王『と、いう流れになったらな? なっ? わかるだろう?』
地王『――俺の次に詰んでいるのは、お前なのだ』
勇者「……どチクショウがあああああ!!」
勇者「ああ、上等だよ! 地の四天王!」
勇者「お前の所業を洗いざらいぶちまけてやるよ!」
勇者「そうすりゃ、魔王や四天王達がお前を追うだろうからな!」
地王『光の勇者よ、やめておくのだ』
地王『――何故、お前がそれを知っているのか?』
地王『と、いう流れになったらな? なっ? わかるだろう?』
地王『――俺の次に詰んでいるのは、お前なのだ』
勇者「……どチクショウがあああああ!!」
667: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:39:47.33 ID:CrfyuX0vo
・ ・ ・
地王「それになぁ……嫌な予感がするのだ」
地王「こう、何と言うかな?」
地王「――今が、限界」
地王「――これ以上は、必ず誰かが不幸になる」
地王「……とな」
地王「まあ! その、誰か、の中に俺は確実に含まれているが!」
勇者『今は俺が不幸の真っ最中だよこらあああああ!!』
地王「それになぁ……嫌な予感がするのだ」
地王「こう、何と言うかな?」
地王「――今が、限界」
地王「――これ以上は、必ず誰かが不幸になる」
地王「……とな」
地王「まあ! その、誰か、の中に俺は確実に含まれているが!」
勇者『今は俺が不幸の真っ最中だよこらあああああ!!』
668: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:43:04.04 ID:CrfyuX0vo
地王「――光の勇者よ!」
地王「お前は、この俺が見込んだ男!」
地王「どんな苦難にも負けず、未来を掴み取る!」
地王「――真の勇者だ!」
地王「それに……お前は、父親になるのだろう」
地王「へこたれている暇など……あるまい?」
勇者『余計なお世話だよくそったれえええええ!!』
地王「お前は、この俺が見込んだ男!」
地王「どんな苦難にも負けず、未来を掴み取る!」
地王「――真の勇者だ!」
地王「それに……お前は、父親になるのだろう」
地王「へこたれている暇など……あるまい?」
勇者『余計なお世話だよくそったれえええええ!!』
669: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:50:10.80 ID:CrfyuX0vo
・ ・ ・
勇者「あああもう! 何て言えば良いんだよ!?」
勇者「聖女は魔王と仲良くなってて……」
勇者「剣の乙女も、火の四天王と……」
勇者「それに! 他の四天王にも何て言えば!」
地王『光の勇者よ、案ずる事は無い!』
地王『お前が、良い感じに立ち回り……ほとぼりが冷めた頃!』
地王『――俺は、必ず戻ってくる!』
地王『お前と酒を酌み交わし……お前と聖女の子を見に、な』
勇者「まるっきり俺任せじゃねえかあああああ!!」
勇者「あああもう! 何て言えば良いんだよ!?」
勇者「聖女は魔王と仲良くなってて……」
勇者「剣の乙女も、火の四天王と……」
勇者「それに! 他の四天王にも何て言えば!」
地王『光の勇者よ、案ずる事は無い!』
地王『お前が、良い感じに立ち回り……ほとぼりが冷めた頃!』
地王『――俺は、必ず戻ってくる!』
地王『お前と酒を酌み交わし……お前と聖女の子を見に、な』
勇者「まるっきり俺任せじゃねえかあああああ!!」
670: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:53:55.70 ID:CrfyuX0vo
・ ・ ・
地王「ふはは! ならば、今一度言おう!」
地王「光の勇者よ、助けてくれ!」
地王「……と、言うわけで俺はもう船に乗り込む」
地王「なので、別れの挨拶はこれで終わりなのだ」
地王「――船に乗り遅れる訳にはいかんからな!」
地王「そして!」
地王「――もし出港が遅れでもしたら、気まずいのでな!」
勇者『なんでそういう所はまともなんだよお前はよぉ!?』
地王「ふはは! ならば、今一度言おう!」
地王「光の勇者よ、助けてくれ!」
地王「……と、言うわけで俺はもう船に乗り込む」
地王「なので、別れの挨拶はこれで終わりなのだ」
地王「――船に乗り遅れる訳にはいかんからな!」
地王「そして!」
地王「――もし出港が遅れでもしたら、気まずいのでな!」
勇者『なんでそういう所はまともなんだよお前はよぉ!?』
671: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/18(日) 21:01:08.43 ID:CrfyuX0vo
・ ・ ・
地王「まあ、なんだ」
地王「――待っていてくれ、必ず戻る」
地王「……とか言っておけば大丈夫なのだ! 多分!」
地王「それでは――光の勇者よ、さらばだ!」
地王「また、相まみえる日を楽しみにしているぞ!」
勇者『っ!? おい、ちょっとまっ』
地王「はい、終了……と」
地王「……さて」
地王「船室に行き、たらふく酒を飲んでくれるわ!」
地王「はっはっはっ! はぁ―――っはっはっはっ!!」
地王「まあ、なんだ」
地王「――待っていてくれ、必ず戻る」
地王「……とか言っておけば大丈夫なのだ! 多分!」
地王「それでは――光の勇者よ、さらばだ!」
地王「また、相まみえる日を楽しみにしているぞ!」
勇者『っ!? おい、ちょっとまっ』
地王「はい、終了……と」
地王「……さて」
地王「船室に行き、たらふく酒を飲んでくれるわ!」
地王「はっはっはっ! はぁ―――っはっはっはっ!!」
672: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/18(日) 21:10:25.56 ID:CrfyuX0vo
・ ・ ・
勇者「おい! ちょっ……おい、マジでか!?」
勇者「……」
勇者「マジでかぁ……!?」
勇者「……」
勇者「本当に……俺がやるしかねえのか……!?」
勇者「アイツの……超弩級の尻拭いを……!?」
勇者「……」
勇者「こんな事になるなら……!」
勇者「最初から、奴を倒しておくんだった……!」
勇者「おい! ちょっ……おい、マジでか!?」
勇者「……」
勇者「マジでかぁ……!?」
勇者「……」
勇者「本当に……俺がやるしかねえのか……!?」
勇者「アイツの……超弩級の尻拭いを……!?」
勇者「……」
勇者「こんな事になるなら……!」
勇者「最初から、奴を倒しておくんだった……!」
673: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/18(日) 21:17:14.70 ID:CrfyuX0vo
・ ・ ・
地王「……う……むむ」
地王「……ふわぁぁあ……む」
地王「……」
地王「あー……たらふく飲んで、寝てしまったのだ」
地王「……む?」
地王「船室で飲んでいた筈なのだが……」
地王「……むうう?」
地王「俺は、どうして砂浜で寝ているのだ?」
おわり
地王「……う……むむ」
地王「……ふわぁぁあ……む」
地王「……」
地王「あー……たらふく飲んで、寝てしまったのだ」
地王「……む?」
地王「船室で飲んでいた筈なのだが……」
地王「……むうう?」
地王「俺は、どうして砂浜で寝ているのだ?」
おわり
677: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/19(月) 20:13:14.66 ID:t+7DveKTo
書きます
光の勇者「地の四天王、戻って来るなよ」
光の勇者「地の四天王、戻って来るなよ」
678: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/19(月) 20:18:44.49 ID:t+7DveKTo
光の勇者(以下、勇者)「……頼むぞ、本当に」
勇者「……」
勇者「顔も見たくない、ってのは正直ある」
勇者「……」
勇者「地の四天王、本当に頼むぞ」
勇者「……お前が戻って来たら――」
勇者「――地獄が始まる」
勇者「……」
勇者「顔も見たくない、ってのは正直ある」
勇者「……」
勇者「地の四天王、本当に頼むぞ」
勇者「……お前が戻って来たら――」
勇者「――地獄が始まる」
679: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/19(月) 20:25:29.60 ID:t+7DveKTo
・ ・ ・
祝福の聖女(以下、聖女)「ふんふん~ん♪」
聖女「……ふふっ!」
聖女(突然居なくなっちゃって……悲しかったけど)
聖女(でも――帰って、来るんだよね)
聖女(大地の魔女の……お姉ちゃん)
聖女(戻って来るの……楽しみだなぁ)
聖女「お姉ちゃん……闇の魔王さんとは、もう知り合いだから――」
聖女「――水の四天王さんも紹介したいな!」
聖女「それで、光の勇者様と、剣の乙女さんと……」
聖女「……私達の赤ちゃんと、皆で……えへへ///」
祝福の聖女(以下、聖女)「ふんふん~ん♪」
聖女「……ふふっ!」
聖女(突然居なくなっちゃって……悲しかったけど)
聖女(でも――帰って、来るんだよね)
聖女(大地の魔女の……お姉ちゃん)
聖女(戻って来るの……楽しみだなぁ)
聖女「お姉ちゃん……闇の魔王さんとは、もう知り合いだから――」
聖女「――水の四天王さんも紹介したいな!」
聖女「それで、光の勇者様と、剣の乙女さんと……」
聖女「……私達の赤ちゃんと、皆で……えへへ///」
681: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/19(月) 20:40:32.81 ID:t+7DveKTo
・ ・ ・
闇の魔王(以下、魔王)「……ふふっ」
魔王「地の四天王よ……まさか、余をも欺くとは」
魔王(隠れ潜む間、余の側近として傍に置こうとしていたのだが)
魔王(計画が露見せぬ様、念には念を……という訳か)
魔王(ふっ……余は、きっと引き止めてしまっただろうな)
魔王(……地の四天王よ)
魔王「――其方は、今何処に居る?」
魔王「嗚呼、何故……余は、こんなにも苦しい思いをせねばならん」
魔王「……戻ったら、この苦しみの代償を支払って貰わねば」
魔王「ふふっ……地の四天王――其方自身で、な」
闇の魔王(以下、魔王)「……ふふっ」
魔王「地の四天王よ……まさか、余をも欺くとは」
魔王(隠れ潜む間、余の側近として傍に置こうとしていたのだが)
魔王(計画が露見せぬ様、念には念を……という訳か)
魔王(ふっ……余は、きっと引き止めてしまっただろうな)
魔王(……地の四天王よ)
魔王「――其方は、今何処に居る?」
魔王「嗚呼、何故……余は、こんなにも苦しい思いをせねばならん」
魔王「……戻ったら、この苦しみの代償を支払って貰わねば」
魔王「ふふっ……地の四天王――其方自身で、な」
682: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/19(月) 20:47:52.44 ID:t+7DveKTo
・ ・ ・
水の四天王(以下、水王)「……ふぅ」
水王「地の四天王は……貴方は、まだ戻らないのね」
水王(けれど――待っていてくれ、必ず戻る)
水王(貴方がそう言ったらしいと……魔王様にお聞きしましたわ)
水王(皆の前では、戻ってこなくても良いと……虚勢を張るのが精一杯)
水王(けれど……次に貴方の顔を見た途端、涙が溢れてしまうでしょうね)
水王「――早く、戻ってきてくださいな」
水王「地の領地の民も、妹君も……祝福してくれますわ」
水王「……戻ったら、皆に二人で言いましょうね」
水王「私達が――愛し合っている、と」
水の四天王(以下、水王)「……ふぅ」
水王「地の四天王は……貴方は、まだ戻らないのね」
水王(けれど――待っていてくれ、必ず戻る)
水王(貴方がそう言ったらしいと……魔王様にお聞きしましたわ)
水王(皆の前では、戻ってこなくても良いと……虚勢を張るのが精一杯)
水王(けれど……次に貴方の顔を見た途端、涙が溢れてしまうでしょうね)
水王「――早く、戻ってきてくださいな」
水王「地の領地の民も、妹君も……祝福してくれますわ」
水王「……戻ったら、皆に二人で言いましょうね」
水王「私達が――愛し合っている、と」
683: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/19(月) 20:54:42.83 ID:t+7DveKTo
・ ・ ・
剣の乙女(以下、乙女)「――閃!」
乙女「……少し、休むか」
乙女(お姉様……あんまりよ)
乙女(恋人である私と、顔も合わせず行ってしまうなんて)
乙女(……けれど、もし面と向かって言われたら)
乙女(……私は、無理にでも貴女に着いて行ってしまったでしょうね)
乙女「……大地の魔女のお姉様」
乙女「貴女の思惑通り――戻るまで、私が聖女を守るわ」
乙女「その役目が終わったら……きっと」
乙女「私達にも――愛の奇跡が起きるわよね」
剣の乙女(以下、乙女)「――閃!」
乙女「……少し、休むか」
乙女(お姉様……あんまりよ)
乙女(恋人である私と、顔も合わせず行ってしまうなんて)
乙女(……けれど、もし面と向かって言われたら)
乙女(……私は、無理にでも貴女に着いて行ってしまったでしょうね)
乙女「……大地の魔女のお姉様」
乙女「貴女の思惑通り――戻るまで、私が聖女を守るわ」
乙女「その役目が終わったら……きっと」
乙女「私達にも――愛の奇跡が起きるわよね」
684: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/19(月) 21:02:59.15 ID:t+7DveKTo
・ ・ ・
火の四天王(以下、火王)「……はぁ」
火王「地の四天王……私の、愛しい人」
火王(パパは……ママと二人で叱り倒しておいたぞ)
火王(――言ってみたかった)
火王(……なんて、そんな理由だったんだからな)
火王(そもそも……婚約の話も、パパが最初に言い出したのに!)
火王「お前は……私を奪いに、単身乗り込んできてくれた」
火王「あの時の喜びが、今でも私に力を与えてくれる」
火王「……戻ったら皆に……剣の乙女に二人で言おう」
火王「地の四天王――大地の魔女は……火の四天王と結婚する、と」
火の四天王(以下、火王)「……はぁ」
火王「地の四天王……私の、愛しい人」
火王(パパは……ママと二人で叱り倒しておいたぞ)
火王(――言ってみたかった)
火王(……なんて、そんな理由だったんだからな)
火王(そもそも……婚約の話も、パパが最初に言い出したのに!)
火王「お前は……私を奪いに、単身乗り込んできてくれた」
火王「あの時の喜びが、今でも私に力を与えてくれる」
火王「……戻ったら皆に……剣の乙女に二人で言おう」
火王「地の四天王――大地の魔女は……火の四天王と結婚する、と」
685: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/19(月) 21:18:15.00 ID:t+7DveKTo
・ ・ ・
風の四天王(以下、風王)「どれ、少し味見……」
風王「……少し薄いけど、その方が良いかな」
風王(――お前は、良い嫁になりそうだな!)
風王(地の四天王……君は、恐ろしい男だよ)
風王(まさか、この僕が……料理の練習をするだなんて、ね)
風王(それもこれも……全部、君が悪いんだ)
風王「君を逃さないための風の結界に気づいていながら……」
風王「僕にあんな言葉をかけた意味が……わからない筈、ないだろ?」
風王「ははっ! エプロン姿は……気に入ってくれるかな?」
風王「君が戻ったら……誰を犠牲にしてでも、二人で居ようね」
風の四天王(以下、風王)「どれ、少し味見……」
風王「……少し薄いけど、その方が良いかな」
風王(――お前は、良い嫁になりそうだな!)
風王(地の四天王……君は、恐ろしい男だよ)
風王(まさか、この僕が……料理の練習をするだなんて、ね)
風王(それもこれも……全部、君が悪いんだ)
風王「君を逃さないための風の結界に気づいていながら……」
風王「僕にあんな言葉をかけた意味が……わからない筈、ないだろ?」
風王「ははっ! エプロン姿は……気に入ってくれるかな?」
風王「君が戻ったら……誰を犠牲にしてでも、二人で居ようね」
686: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/19(月) 21:22:20.43 ID:t+7DveKTo
・ ・ ・
勇者「……お前がきっかけで、結ばれた友情もあった」
勇者「……」
勇者「それが無ければ、俺と聖女も……ただの仲間のままだった」
勇者「……ああ、驚いたよ」
勇者「――勇者様が浮気しても、私は怒りませんよ」
勇者「――全身の毛穴から血が吹き出し、激痛で発狂しますから」
勇者「……感謝はしてるさ! ああ、凄くしてる!」
勇者「だけど……何か……! 何かなぁ!?」
勇者「……お前がきっかけで、結ばれた友情もあった」
勇者「……」
勇者「それが無ければ、俺と聖女も……ただの仲間のままだった」
勇者「……ああ、驚いたよ」
勇者「――勇者様が浮気しても、私は怒りませんよ」
勇者「――全身の毛穴から血が吹き出し、激痛で発狂しますから」
勇者「……感謝はしてるさ! ああ、凄くしてる!」
勇者「だけど……何か……! 何かなぁ!?」
687: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/19(月) 21:26:22.54 ID:t+7DveKTo
勇者「……だけど、地の四天王」
勇者「……」
勇者「お前が戻ってきたら……全部、終わるんだ」
勇者「……」
勇者「地の四天王よ」
勇者「頼むから……帰って来ないでくれ……!」
勇者「それが……俺の望みだ……!」
勇者「……」
勇者「お前が戻ってきたら……全部、終わるんだ」
勇者「……」
勇者「地の四天王よ」
勇者「頼むから……帰って来ないでくれ……!」
勇者「それが……俺の望みだ……!」
688: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/19(月) 21:31:51.41 ID:t+7DveKTo
・ ・ ・
地の四天王(以下、地王)「帰りたい! 今すぐにでも、帰りたい!」
地王「ええい、何なのだこの島は!」
地王「何故、溢れんばかりの聖なる力に包まれている!」
地王「おかげで、思念波も全く使えん!」
地王「伝説の、妖精達の楽園でもあるまいに!」
地王「泳いで離れようとしても、島の反対側についてしまう!」
地王「これでは、島から離れることすら出来ぬではないか!!」
地の四天王(以下、地王)「帰りたい! 今すぐにでも、帰りたい!」
地王「ええい、何なのだこの島は!」
地王「何故、溢れんばかりの聖なる力に包まれている!」
地王「おかげで、思念波も全く使えん!」
地王「伝説の、妖精達の楽園でもあるまいに!」
地王「泳いで離れようとしても、島の反対側についてしまう!」
地王「これでは、島から離れることすら出来ぬではないか!!」
689: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/19(月) 21:38:09.67 ID:t+7DveKTo
地王「何が楽園だ、図に乗るな!」
地王「まあ、確かに? 素晴らしい場所ではあるが?」
地王「俺は――」
地王「――肉が食いたい!」
地王「それに何より――酒が飲みたい!」
地王「どちらも無い島でなど、バカンスにならんわ!」
地王「……ええい!」
地王「魔法で、島を海の底に沈めてやろうか!」
地王「まあ、確かに? 素晴らしい場所ではあるが?」
地王「俺は――」
地王「――肉が食いたい!」
地王「それに何より――酒が飲みたい!」
地王「どちらも無い島でなど、バカンスにならんわ!」
地王「……ええい!」
地王「魔法で、島を海の底に沈めてやろうか!」
690: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/19(月) 21:45:10.91 ID:t+7DveKTo
地王「そのためには……島の中央に行く必要があるな」
地王「あのでかい樹が……恐らく、島の中央か」
地王「……何とも見事な」
地王「もしもこの島が妖精達の楽園ならば……あれは世界樹か」
地王「まあ、だからどうしたという事も無いな!」
地王「俺は、一刻も早く酒が飲みたいのだ!」
地王「酒よ、待っていろ!」
地王「この地の四天王、すぐにでも舞い戻るぞ!」
第一部 おわり
地王「あのでかい樹が……恐らく、島の中央か」
地王「……何とも見事な」
地王「もしもこの島が妖精達の楽園ならば……あれは世界樹か」
地王「まあ、だからどうしたという事も無いな!」
地王「俺は、一刻も早く酒が飲みたいのだ!」
地王「酒よ、待っていろ!」
地王「この地の四天王、すぐにでも舞い戻るぞ!」
第一部 おわり
714: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/23(金) 19:16:21.23 ID:2DniCj+/o
三日三晩反省したので、全然違うの書いて練習します
狼男「勇者達に相談がある」
狼男「勇者達に相談がある」
715: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/23(金) 19:21:06.21 ID:2DniCj+/o
女勇者(以下、勇者)「ワンコが……相談?」
女魔法使い(以下、魔法)「どうしたの、ワンコ」
女僧侶(以下、僧侶)「ワンコちゃん?」
狼男「……確かに、仲間になる時に好きに呼べと言った」
狼男「……」
狼男「いや、その話は今は置いておこう」
女魔法使い(以下、魔法)「どうしたの、ワンコ」
女僧侶(以下、僧侶)「ワンコちゃん?」
狼男「……確かに、仲間になる時に好きに呼べと言った」
狼男「……」
狼男「いや、その話は今は置いておこう」
716: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/23(金) 19:24:09.35 ID:2DniCj+/o
狼男「相談というのは、戦闘中の事だ」
勇者・魔法・僧侶「戦闘中の事?」
勇者「別に……問題なんてある?」
魔法「無い、いつも安定してると思う」
僧侶「私も、そう思いますけど……」
狼男「君達にとっては問題では無いかも知れない」
狼男「……」
狼男「しかし、私にとっては改善したい事がある」
勇者・魔法・僧侶「戦闘中の事?」
勇者「別に……問題なんてある?」
魔法「無い、いつも安定してると思う」
僧侶「私も、そう思いますけど……」
狼男「君達にとっては問題では無いかも知れない」
狼男「……」
狼男「しかし、私にとっては改善したい事がある」
717: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/23(金) 19:28:02.18 ID:2DniCj+/o
狼男「手間を取らせてしまって済まないが……」
勇者・魔法・僧侶「……」
勇者「良いよ! ワンコは、大事な家族だから!」
魔法「私も。家族を大事にするのは、当然」
僧侶「はい!……あっ、家族会議ですね!」
狼男「……仲間で」
狼男「パーティー会議という認識で頼む」
勇者・魔法・僧侶「……」
勇者「良いよ! ワンコは、大事な家族だから!」
魔法「私も。家族を大事にするのは、当然」
僧侶「はい!……あっ、家族会議ですね!」
狼男「……仲間で」
狼男「パーティー会議という認識で頼む」
718: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/23(金) 19:30:57.57 ID:2DniCj+/o
狼男「まず、勇者」
勇者「えっ、僕?」
狼男「ああ、そうだ」
勇者「えっと……何かな?」
狼男「私が、敵に効果的な攻撃を与えた時」
狼男「――その都度、小さな干し肉を放らないで欲しい」
魔法「そんなことを……」
僧侶「……してたんですか?」
勇者「……え、えへへ!」
勇者「えっ、僕?」
狼男「ああ、そうだ」
勇者「えっと……何かな?」
狼男「私が、敵に効果的な攻撃を与えた時」
狼男「――その都度、小さな干し肉を放らないで欲しい」
魔法「そんなことを……」
僧侶「……してたんですか?」
勇者「……え、えへへ!」
719: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/23(金) 19:35:35.63 ID:2DniCj+/o
魔法「でも、そんな素振りは見られなかった」
僧侶「いつの間にそんな事を?」
勇者「こう……ナイス! ってさ」
魔法「親指を立てて……」
僧侶「……よく言ってますね」
勇者「あれ……親指で、干し肉をワンコの方に弾いてたんだよね」
魔法・僧侶「……」
僧侶「いつの間にそんな事を?」
勇者「こう……ナイス! ってさ」
魔法「親指を立てて……」
僧侶「……よく言ってますね」
勇者「あれ……親指で、干し肉をワンコの方に弾いてたんだよね」
魔法・僧侶「……」
721: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/23(金) 19:39:32.51 ID:2DniCj+/o
勇者「でも、本当に小さい干し肉だよ!?」
魔法「そういう問題じゃない」
僧侶「そうですよ! 危ないです!」
狼男「勇者、二人の言葉をよく聞いてくれ」
魔法「オヤツのあげすぎは、良くない」
僧侶「ちゃんとゴハンが食べられなくなります!」
狼男「勇者、二人の言葉は聞かなくて良い」
魔法「そういう問題じゃない」
僧侶「そうですよ! 危ないです!」
狼男「勇者、二人の言葉をよく聞いてくれ」
魔法「オヤツのあげすぎは、良くない」
僧侶「ちゃんとゴハンが食べられなくなります!」
狼男「勇者、二人の言葉は聞かなくて良い」
722: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/23(金) 19:48:43.50 ID:2DniCj+/o
狼男「戦いの最中、隙を作るべきではない」
勇者「……うん、そうだね」
狼男「ありがとう、わかって貰えて良かった」
勇者「今度から、一匹倒した毎にするね!」
勇者「だから、今までよりも大きめな干し肉で!」
狼男「勇者、そうではない」
狼男「頻度と、干し肉の大きさは関係ない」
勇者「……うん、そうだね」
狼男「ありがとう、わかって貰えて良かった」
勇者「今度から、一匹倒した毎にするね!」
勇者「だから、今までよりも大きめな干し肉で!」
狼男「勇者、そうではない」
狼男「頻度と、干し肉の大きさは関係ない」
723: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/23(金) 19:53:40.48 ID:2DniCj+/o
狼男「……次に、魔法使い」
魔法「私も?」
狼男「ああ、そうだ」
魔法「何?」
狼男「敵のモンスターを火の魔法で倒した時」
狼男「――その都度、焼き加減を報告しないで欲しい」
勇者「焼き加減を……」
僧侶「……報告?」
魔法「……」
魔法「私も?」
狼男「ああ、そうだ」
魔法「何?」
狼男「敵のモンスターを火の魔法で倒した時」
狼男「――その都度、焼き加減を報告しないで欲しい」
勇者「焼き加減を……」
僧侶「……報告?」
魔法「……」
724: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/23(金) 19:58:34.65 ID:2DniCj+/o
勇者「確かに……何か、言ってるよね」
僧侶「小さな声で、戦闘中だから……」
魔法「ワンコなら、聞こえるから」
勇者「ワンコ、耳良いもんね!」
僧侶「はい! ピンと立った耳が、可愛いですよね!」
魔法「でも、食べてくれた事はない」
勇者・僧侶「……」
僧侶「小さな声で、戦闘中だから……」
魔法「ワンコなら、聞こえるから」
勇者「ワンコ、耳良いもんね!」
僧侶「はい! ピンと立った耳が、可愛いですよね!」
魔法「でも、食べてくれた事はない」
勇者・僧侶「……」
725: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/23(金) 20:03:09.17 ID:2DniCj+/o
魔法「どれだけ上手に焼けても、食べてくれない」
勇者「上手に焼けたは関係ないって!」
僧侶「そうです! 魔物を食べるなんて、駄目ですよ!」
狼男「魔法使い、二人の言葉をよく聞いてくれ」
勇者「オヤツじゃなくて、ゴハンじゃん!」
僧侶「ワンコちゃんには、ちゃんとゴハン買ってるんですから!」
狼男「魔法使い、二人の言葉は聞かなくて良い」
勇者「上手に焼けたは関係ないって!」
僧侶「そうです! 魔物を食べるなんて、駄目ですよ!」
狼男「魔法使い、二人の言葉をよく聞いてくれ」
勇者「オヤツじゃなくて、ゴハンじゃん!」
僧侶「ワンコちゃんには、ちゃんとゴハン買ってるんですから!」
狼男「魔法使い、二人の言葉は聞かなくて良い」
726: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/23(金) 20:07:01.07 ID:2DniCj+/o
狼男「魔物には、体内に毒を持つものも居る」
魔法「……確かに」
狼男「ありがとう、わかって貰えて良かった」
魔法「今度から、しっかり中まで火を通す」
魔法「ベリーウェルダンなら、大丈夫」
狼男「魔法使い、そうではない」
狼男「よく焼けば良い、という話ではない」
魔法「……確かに」
狼男「ありがとう、わかって貰えて良かった」
魔法「今度から、しっかり中まで火を通す」
魔法「ベリーウェルダンなら、大丈夫」
狼男「魔法使い、そうではない」
狼男「よく焼けば良い、という話ではない」
727: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/23(金) 20:11:30.59 ID:2DniCj+/o
狼男「……最後に、僧侶」
僧侶「わ、私もですか!?」
狼男「ああ、そうだ」
僧侶「な、何ですか……?」
狼男「回復魔法を詠唱中、私がカバーに入っている時」
狼男「――その都度、撫で回さないで欲しい」
勇者「魔法を唱えてる間……」
魔法「……撫で回してる?」
僧侶「……あ……あははは……!」
僧侶「わ、私もですか!?」
狼男「ああ、そうだ」
僧侶「な、何ですか……?」
狼男「回復魔法を詠唱中、私がカバーに入っている時」
狼男「――その都度、撫で回さないで欲しい」
勇者「魔法を唱えてる間……」
魔法「……撫で回してる?」
僧侶「……あ……あははは……!」
728: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/23(金) 20:18:11.50 ID:2DniCj+/o
勇者「えっ? 何? ズルくない!?」
魔法「ズルい、卑怯千万」
僧侶「ま、マイナスイオン! マイナスイオンです!」
勇者「わかるけど! 僕だって撫でたい!」
魔法「私も、詠唱中は撫でる権利がある」
僧侶「じゃあ――今度から皆で撫でましょう!」
狼男「駄目に決まっているだろう」
魔法「ズルい、卑怯千万」
僧侶「ま、マイナスイオン! マイナスイオンです!」
勇者「わかるけど! 僕だって撫でたい!」
魔法「私も、詠唱中は撫でる権利がある」
僧侶「じゃあ――今度から皆で撫でましょう!」
狼男「駄目に決まっているだろう」
729: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/23(金) 20:21:18.41 ID:2DniCj+/o
勇者「ワンコ、すっごく毛並みが良いもんね!」
魔法「毎日のシャンプーの甲斐があった」
僧侶「はい! 栄養にも、気を使ってますもんね!」
狼男「三人共、私の言葉を聞いてくれ」
勇者「尻尾もさ、フワッフワだし!」
魔法「ブラッシングも完璧」
僧侶「癒やされますよねぇ~」
狼男「三人共、頼むから聞いてくれ」
魔法「毎日のシャンプーの甲斐があった」
僧侶「はい! 栄養にも、気を使ってますもんね!」
狼男「三人共、私の言葉を聞いてくれ」
勇者「尻尾もさ、フワッフワだし!」
魔法「ブラッシングも完璧」
僧侶「癒やされますよねぇ~」
狼男「三人共、頼むから聞いてくれ」
730: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/23(金) 20:25:21.36 ID:2DniCj+/o
狼男「僧侶の撫で方は、最近本格的になりすぎている」
僧侶「……そう、ですね」
狼男「ありがとう、わかって貰えて良かった」
僧侶「……詠唱中、無防備な私」
僧侶「撫でられて、お腹を上に向けてゴロンとなったワンコちゃん」
僧侶「――こうなれば、仲良しですね!」
狼男「僧侶、そうではない」
狼男「仲良くあの世行きになりはするが、そうではない」
僧侶「……そう、ですね」
狼男「ありがとう、わかって貰えて良かった」
僧侶「……詠唱中、無防備な私」
僧侶「撫でられて、お腹を上に向けてゴロンとなったワンコちゃん」
僧侶「――こうなれば、仲良しですね!」
狼男「僧侶、そうではない」
狼男「仲良くあの世行きになりはするが、そうではない」
731: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/23(金) 20:33:23.63 ID:2DniCj+/o
狼男「勇者、魔法使い、僧侶」
狼男「君達の行動は、とても危険だ」
狼男「戦闘中は――戦闘に、集中するべきだろう」
勇者・魔法・僧侶「……」
勇者「――うん、わかったよ」
魔法「――ワンコが、そこまで言うなら」
僧侶「――今度から、気をつけますね!」
狼男「ありがとう、わかって貰えて良かった」
狼男「君達の行動は、とても危険だ」
狼男「戦闘中は――戦闘に、集中するべきだろう」
勇者・魔法・僧侶「……」
勇者「――うん、わかったよ」
魔法「――ワンコが、そこまで言うなら」
僧侶「――今度から、気をつけますね!」
狼男「ありがとう、わかって貰えて良かった」
732: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/23(金) 20:47:40.58 ID:2DniCj+/o
・ ・ ・
勇者「ほ~ら、干し肉だよ! 頑張ったねー!」
魔法「ホネは残した、好きに噛んで良い」
僧侶「ワンコちゃ~ん! モフモフさせて~!」
狼男「三人共、そうではない」
狼男「戦闘が終わったら良いと言う話では無い」
勇者・魔法・僧侶「……えっ?」
勇者・魔法・僧侶「言われた通りに我慢して……」
勇者・魔法・僧侶「……勝ったのに?」
狼男「……わかった」
狼男「今回は、私の負けだ」
おわり
勇者「ほ~ら、干し肉だよ! 頑張ったねー!」
魔法「ホネは残した、好きに噛んで良い」
僧侶「ワンコちゃ~ん! モフモフさせて~!」
狼男「三人共、そうではない」
狼男「戦闘が終わったら良いと言う話では無い」
勇者・魔法・僧侶「……えっ?」
勇者・魔法・僧侶「言われた通りに我慢して……」
勇者・魔法・僧侶「……勝ったのに?」
狼男「……わかった」
狼男「今回は、私の負けだ」
おわり
739: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/24(土) 21:11:43.46 ID:5O1+d0Eno
反省点は山のようにあります
そこを修正したいので慣らし書き、って感じです
勇者「仲間を三人、全員男で」
そこを修正したいので慣らし書き、って感じです
勇者「仲間を三人、全員男で」
740: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/24(土) 21:13:47.00 ID:5O1+d0Eno
店主「全員……男、ですか?」
勇者「ああ、全員男で頼むよ」
店主「職業の指定……ではなく?」
勇者「ああ、まずは男が第一条件だ」
勇者「女は駄目だ、絶対に」
店主「は、はあ……そうですか」
女達「……」
勇者「ああ、全員男で頼むよ」
店主「職業の指定……ではなく?」
勇者「ああ、まずは男が第一条件だ」
勇者「女は駄目だ、絶対に」
店主「は、はあ……そうですか」
女達「……」
741: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/24(土) 21:16:20.10 ID:5O1+d0Eno
女戦士「――待ちなよ、勇者の坊や」
女戦士「女は駄目って、どういう意味だい?」
勇者「……そのままの意味だが」
店主「も、揉め事はやめてくださいよ!?」
女戦士「それは……そこの坊やの返答次第さ」
勇者「……」
女戦士「女は駄目って、どういう意味だい?」
勇者「……そのままの意味だが」
店主「も、揉め事はやめてくださいよ!?」
女戦士「それは……そこの坊やの返答次第さ」
勇者「……」
742: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/24(土) 21:19:17.94 ID:5O1+d0Eno
女戦士「坊や、もう一度聞くよ」
女戦士「アタシは、剣の腕ならそこらの男に負けない」
女戦士「……それでも不服かい?」
女戦士「女だからって――舐めるんじゃないよ!」
勇者「……じゃあ、こっちも言わせて貰う」
勇者「男の性欲――舐めんじゃねえよ!」
女戦士「……」
女戦士「えっ?」
女戦士「アタシは、剣の腕ならそこらの男に負けない」
女戦士「……それでも不服かい?」
女戦士「女だからって――舐めるんじゃないよ!」
勇者「……じゃあ、こっちも言わせて貰う」
勇者「男の性欲――舐めんじゃねえよ!」
女戦士「……」
女戦士「えっ?」
743: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/24(土) 21:22:18.73 ID:5O1+d0Eno
女戦士「そりゃ……どういう意味だい」
勇者「アンタは美人だし、それにセクシーだ」
女戦士「お、おう」
勇者「鍛え抜かれた肉体も、美しいの一言だよ」
勇者「そんなアンタがパーティーに居てみろ!」
勇者「前かがみになっちゃって、戦いにならないだろうが!」
女戦士「……」
女戦士「はあ」
勇者「アンタは美人だし、それにセクシーだ」
女戦士「お、おう」
勇者「鍛え抜かれた肉体も、美しいの一言だよ」
勇者「そんなアンタがパーティーに居てみろ!」
勇者「前かがみになっちゃって、戦いにならないだろうが!」
女戦士「……」
女戦士「はあ」
744: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/24(土) 21:25:15.67 ID:5O1+d0Eno
女戦士「何だい……そんな事かい」
勇者「そんな事!? 一大事だろうが!」
女戦士「はっは! なら、アタシが夜の相手もしてやるよ!」
勇者「馬鹿な事を言うな!」
勇者「そんな事をしたら、好きになっちゃうだろうが!」
勇者「好きになったら、帰りを待ってて欲しくなるだろうが!」
女戦士「……」
女戦士「はい」
勇者「そんな事!? 一大事だろうが!」
女戦士「はっは! なら、アタシが夜の相手もしてやるよ!」
勇者「馬鹿な事を言うな!」
勇者「そんな事をしたら、好きになっちゃうだろうが!」
勇者「好きになったら、帰りを待ってて欲しくなるだろうが!」
女戦士「……」
女戦士「はい」
745: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/24(土) 21:28:39.67 ID:5O1+d0Eno
女戦士「体だけ、って訳にはいかないのかい?」
勇者「無理だ! 好きになっちゃう!」
女戦士「隣で戦って支え合う、って訳には?」
勇者「無理だ! 危機に陥ったら、ハラハラする!」
勇者「とにかく、アンタは駄目だ!」
勇者「これ以上話しかけないでくれ、好きになる!」
女戦士「……」
女戦士「お、おう」
勇者「無理だ! 好きになっちゃう!」
女戦士「隣で戦って支え合う、って訳には?」
勇者「無理だ! 危機に陥ったら、ハラハラする!」
勇者「とにかく、アンタは駄目だ!」
勇者「これ以上話しかけないでくれ、好きになる!」
女戦士「……」
女戦士「お、おう」
746: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/24(土) 21:32:41.82 ID:5O1+d0Eno
勇者「……という訳で、全員男で頼む」
店主「勇者様の仰ること、少しわかりますよ」
勇者「女だと、途中でパーティーを抜けて貰う事になる」
店主「なら、最初から男だけの方が……ですか」
勇者「女は駄目だ、絶対に」
店主「男のメンバーを……見繕ってみます」
女達「……」
店主「勇者様の仰ること、少しわかりますよ」
勇者「女だと、途中でパーティーを抜けて貰う事になる」
店主「なら、最初から男だけの方が……ですか」
勇者「女は駄目だ、絶対に」
店主「男のメンバーを……見繕ってみます」
女達「……」
747: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/24(土) 21:35:40.00 ID:5O1+d0Eno
女魔法使い「――待って」
女魔法使い「私なら、その心配は無い」
勇者「……どういう意味だ?」
店主「あの、私に聞かないで頂けますか?」
女魔法使い「私は、他人に好かれるような性格じゃない」
勇者「……」
女魔法使い「私なら、その心配は無い」
勇者「……どういう意味だ?」
店主「あの、私に聞かないで頂けますか?」
女魔法使い「私は、他人に好かれるような性格じゃない」
勇者「……」
748: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/24(土) 21:39:11.78 ID:5O1+d0Eno
女魔法使い「好きになるのは、性格も考慮するはず」
女魔法使い「……女戦士は、性格も良い」
女魔法使い「けれど、私は彼女の様に優しくはない」
女魔法使い「――笑わない女なら、問題ない」
勇者「……性格が悪い? 笑わない?」
勇者「そんなの――笑顔が見たくなるだろ!」
女魔法使い「……」
女魔法使い「えっ?」
女魔法使い「……女戦士は、性格も良い」
女魔法使い「けれど、私は彼女の様に優しくはない」
女魔法使い「――笑わない女なら、問題ない」
勇者「……性格が悪い? 笑わない?」
勇者「そんなの――笑顔が見たくなるだろ!」
女魔法使い「……」
女魔法使い「えっ?」
749: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/24(土) 21:41:52.32 ID:5O1+d0Eno
女魔法使い「私は、決して笑ったりしない」
勇者「ああ、今まではそうだったのかも知れないな」
女魔法使い「……」
勇者「性格も、どういう風に悪いかはわからない」
勇者「だけどキミがふとした瞬間笑ってみろ!」
勇者「そんなの、絶対に好きになっちゃうだろうが!」
女魔法使い「……」
女魔法使い「はあ」
勇者「ああ、今まではそうだったのかも知れないな」
女魔法使い「……」
勇者「性格も、どういう風に悪いかはわからない」
勇者「だけどキミがふとした瞬間笑ってみろ!」
勇者「そんなの、絶対に好きになっちゃうだろうが!」
女魔法使い「……」
女魔法使い「はあ」
750: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/24(土) 21:45:00.98 ID:5O1+d0Eno
女魔法使い「私は、笑ったりしない」
勇者「もういい! もう、やめてくれ!」
女魔法使い「戦闘だけでなく、探知の魔法も使える」
勇者「やめてくれって言ってるだろ!」
勇者「笑わないと言っておいて、笑っちゃう恋の罠だろ!」
勇者「そんなの、恋と言う名の落とし穴に落ちちゃうだろうが!」
女魔法使い「……」
女魔法使い「そう」
勇者「もういい! もう、やめてくれ!」
女魔法使い「戦闘だけでなく、探知の魔法も使える」
勇者「やめてくれって言ってるだろ!」
勇者「笑わないと言っておいて、笑っちゃう恋の罠だろ!」
勇者「そんなの、恋と言う名の落とし穴に落ちちゃうだろうが!」
女魔法使い「……」
女魔法使い「そう」
751: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/24(土) 21:51:44.25 ID:5O1+d0Eno
女魔法使い「なら……万が一笑う時は、顔を隠す」
勇者「逆効果だ! 好きになっちゃう!」
女魔法使い「性格が悪いのは、良いの?」
勇者「逆効果だ! 俺はどっちかと言うとMだ!」
勇者「とにかく、キミは駄目だ!」
勇者「これ以上話しかけないでくれ、好きになる!」
女魔法使い「……」
女魔法使い「……残念」
勇者「逆効果だ! 好きになっちゃう!」
女魔法使い「性格が悪いのは、良いの?」
勇者「逆効果だ! 俺はどっちかと言うとMだ!」
勇者「とにかく、キミは駄目だ!」
勇者「これ以上話しかけないでくれ、好きになる!」
女魔法使い「……」
女魔法使い「……残念」
752: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/24(土) 21:54:14.04 ID:5O1+d0Eno
勇者「……という訳で、全員男で頼む」
店主「勇者様の仰ること、物凄くわかりますよ」
勇者「旅って言うのは、人間を変えるものだからな」
店主「やはり、最初から男だけの方が……ですね」
勇者「女は駄目だ、絶対に」
店主「すぐに、男のメンバーを見繕います」
女達「……」
店主「勇者様の仰ること、物凄くわかりますよ」
勇者「旅って言うのは、人間を変えるものだからな」
店主「やはり、最初から男だけの方が……ですね」
勇者「女は駄目だ、絶対に」
店主「すぐに、男のメンバーを見繕います」
女達「……」
753: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/24(土) 21:59:52.91 ID:5O1+d0Eno
女僧侶「――待ってください!」
女僧侶「私を仲間に……パーティーに入れてください!」
勇者「……」
店主「彼女は、顔も性格もスタイルも……実力的にも完璧ですね」
女僧侶「お願いします、勇者様!」
勇者「じゃあ、彼女が一人目で」
女僧侶「……」
女僧侶「えっ!?」
女僧侶「私を仲間に……パーティーに入れてください!」
勇者「……」
店主「彼女は、顔も性格もスタイルも……実力的にも完璧ですね」
女僧侶「お願いします、勇者様!」
勇者「じゃあ、彼女が一人目で」
女僧侶「……」
女僧侶「えっ!?」
754: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/24(土) 22:04:28.78 ID:5O1+d0Eno
女僧侶「あれっ……い、良いんですか!?」
女僧侶「えっ、と……あ、あれっ?」
女僧侶「さっきまでみたいに、問答をしなくても?」
女僧侶「ええと……や、やったぁ~……?」
店主「宜しいんですか?」
勇者「ああ、全然タイプじゃない」
女僧侶「……」
女僧侶「な、なんか……なんかなんか!」
女僧侶「えっ、と……あ、あれっ?」
女僧侶「さっきまでみたいに、問答をしなくても?」
女僧侶「ええと……や、やったぁ~……?」
店主「宜しいんですか?」
勇者「ああ、全然タイプじゃない」
女僧侶「……」
女僧侶「な、なんか……なんかなんか!」
755: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/24(土) 22:08:00.25 ID:5O1+d0Eno
女僧侶「そ、そんなに私って魅力ありませんか!?」
勇者「えっと、その……ごめん」
女僧侶「謝らないでいただけますか!?」
勇者「……しょうがないだろ!」
勇者「なんか、パッと見で全然ピンと来ないんだから!」
勇者「好きになっちゃう可能性は無いな、って思うんだから!」
女僧侶「……」
女僧侶「……ぬぐうう……!?」
勇者「えっと、その……ごめん」
女僧侶「謝らないでいただけますか!?」
勇者「……しょうがないだろ!」
勇者「なんか、パッと見で全然ピンと来ないんだから!」
勇者「好きになっちゃう可能性は無いな、って思うんだから!」
女僧侶「……」
女僧侶「……ぬぐうう……!?」
756: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/24(土) 22:14:32.31 ID:5O1+d0Eno
女僧侶「あっ……貴方みたいな失礼な人、初めてです!」
勇者「ごめんって! 謝ってるから良いだろ!」
女僧侶「やっぱりやめます! 仲間になりません!」
勇者「えっ、マジ? オッケ!」
女僧侶「~~っ! ちょっとは食い下がってくれませんか!?」
勇者「店主、やっぱり男三人で頼む」
店主「はい、こちらがリストになります」
女僧侶「そんなに!?……そんなに!?」
勇者「ごめんって! 謝ってるから良いだろ!」
女僧侶「やっぱりやめます! 仲間になりません!」
勇者「えっ、マジ? オッケ!」
女僧侶「~~っ! ちょっとは食い下がってくれませんか!?」
勇者「店主、やっぱり男三人で頼む」
店主「はい、こちらがリストになります」
女僧侶「そんなに!?……そんなに!?」
757: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/24(土) 22:20:18.68 ID:5O1+d0Eno
店主「しかし……淫魔の類の対策は?」
勇者「ああ、男を惑わすってアレだろ」
店主「男だけだと、最悪全滅の可能性が」
勇者「大丈夫だ、ちゃんと考えてある」
勇者「仲間になった男三人の内、一人の玉を潰す」
勇者「これなら――何の心配も無いだろ?」
男達「!!?」
勇者「ああ、男を惑わすってアレだろ」
店主「男だけだと、最悪全滅の可能性が」
勇者「大丈夫だ、ちゃんと考えてある」
勇者「仲間になった男三人の内、一人の玉を潰す」
勇者「これなら――何の心配も無いだろ?」
男達「!!?」
758: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/24(土) 22:24:48.91 ID:5O1+d0Eno
店主「それは……また……」
勇者「だけど、確実な方法だ」
店主「まあ……そうですね」
勇者「一人の玉を潰すだけで、全滅を免れるしな!」
勇者「さあて……」
勇者「だ、れ、に、し、よ、う、か、な……」
男達「……!!?」
勇者「だけど、確実な方法だ」
店主「まあ……そうですね」
勇者「一人の玉を潰すだけで、全滅を免れるしな!」
勇者「さあて……」
勇者「だ、れ、に、し、よ、う、か、な……」
男達「……!!?」
759: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/24(土) 22:27:44.48 ID:5O1+d0Eno
女僧侶「――待ってください」
女僧侶「勇者様のやり方では、誰も着いてきませんよ」
勇者「……何?」
勇者「そんな事無いよな!?」
勇者「世界と玉を天秤にかけるような男は、此処に居ないよな!?」
男達「……」フイッ
勇者「……」
勇者「あれっ!?」
女僧侶「勇者様のやり方では、誰も着いてきませんよ」
勇者「……何?」
勇者「そんな事無いよな!?」
勇者「世界と玉を天秤にかけるような男は、此処に居ないよな!?」
男達「……」フイッ
勇者「……」
勇者「あれっ!?」
760: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/24(土) 22:32:42.58 ID:5O1+d0Eno
勇者「おい、どうしたんだよ皆!」
勇者「まさか……玉を潰されるのが嫌なのか!?」
男達「……」
勇者「……おい、おいおいおいおい!」
勇者「お前ら、それでも男か!?」
勇者「我こそは、って奴は居ないのか!?」
男達「……」フイッ
勇者「……クソッ! 計画が水の泡だ!」
勇者「まさか……玉を潰されるのが嫌なのか!?」
男達「……」
勇者「……おい、おいおいおいおい!」
勇者「お前ら、それでも男か!?」
勇者「我こそは、って奴は居ないのか!?」
男達「……」フイッ
勇者「……クソッ! 計画が水の泡だ!」
761: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/24(土) 22:41:26.53 ID:5O1+d0Eno
女僧侶「勇者様、諦めちゃ駄目ですよ」
勇者「えっ? いや、だけど……」
女僧侶「勇者様のさっきの言葉、とても感動しました」
勇者「は? さっきの言葉……?」
女僧侶「――世界と玉を天秤にかけるような男は、此処には居ない」
勇者「……」
女僧侶「……誰かさんの玉を潰せば、色々と問題が解決しますね?」
勇者「……」
勇者「ピンと来なかった理由がわかった」
勇者「えっ? いや、だけど……」
女僧侶「勇者様のさっきの言葉、とても感動しました」
勇者「は? さっきの言葉……?」
女僧侶「――世界と玉を天秤にかけるような男は、此処には居ない」
勇者「……」
女僧侶「……誰かさんの玉を潰せば、色々と問題が解決しますね?」
勇者「……」
勇者「ピンと来なかった理由がわかった」
762: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/24(土) 22:53:36.13 ID:5O1+d0Eno
勇者「店主……全員キャンセルで、一人で旅立つよ」
店主「一人で……ですか?」
勇者「ああ、俺の玉の安全が第一だ」
店主「旅の安全が犠牲になりますが」
勇者「俺の玉は駄目だ、絶対に」
女達・男達「……」
…ガタッ!
勇者「……店主、囲まれたぞ!?」
店主「敵は男女、全員ですね」
おわり
店主「一人で……ですか?」
勇者「ああ、俺の玉の安全が第一だ」
店主「旅の安全が犠牲になりますが」
勇者「俺の玉は駄目だ、絶対に」
女達・男達「……」
…ガタッ!
勇者「……店主、囲まれたぞ!?」
店主「敵は男女、全員ですね」
おわり
766: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 14:23:21.71 ID:IBZFFyZFo
書きます
盗賊「止まれ、前方に魔物が二匹居る」
盗賊「止まれ、前方に魔物が二匹居る」
767: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 14:25:04.04 ID:IBZFFyZFo
勇者「凄いな、わかるのか?」
僧侶「何も見えませんけど……」
戦士「アタシもサッパリだ」
盗賊「俺の目を甘く見るなよ」
盗賊「あの二匹は……番だな」
勇者・僧侶・戦士「……」
僧侶「何も見えませんけど……」
戦士「アタシもサッパリだ」
盗賊「俺の目を甘く見るなよ」
盗賊「あの二匹は……番だな」
勇者・僧侶・戦士「……」
768: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 14:27:35.04 ID:IBZFFyZFo
勇者「番ってことまでわかるのか」
僧侶「魔物の恋人……ですか」
戦士「恋人ねぇ……ただの番だろ?」
盗賊「あれは群れの戦士と、ボスの娘だな」
盗賊「どうやら、許されざる恋みたいだ」
勇者・僧侶・戦士「そこまで正確に!?」
僧侶「魔物の恋人……ですか」
戦士「恋人ねぇ……ただの番だろ?」
盗賊「あれは群れの戦士と、ボスの娘だな」
盗賊「どうやら、許されざる恋みたいだ」
勇者・僧侶・戦士「そこまで正確に!?」
769: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 14:30:10.87 ID:IBZFFyZFo
勇者「どこでそんなの判断するんだよ」
僧侶「ゆ、許されざる恋……?」
戦士「待ちな、変に食いつくんじゃないよ」
盗賊「雄の方は、少し困ってるみたいだな」
盗賊「雌の方が、雄に縋り付いてやがる」
僧侶「ちょ……ちょっと様子を見ましょう!」
勇者・戦士「……」
僧侶「ゆ、許されざる恋……?」
戦士「待ちな、変に食いつくんじゃないよ」
盗賊「雄の方は、少し困ってるみたいだな」
盗賊「雌の方が、雄に縋り付いてやがる」
僧侶「ちょ……ちょっと様子を見ましょう!」
勇者・戦士「……」
770: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 14:31:56.00 ID:IBZFFyZFo
勇者「様子を見るっつったって……」
僧侶「ちょっとだけ! ちょっとだけですから!」
戦士「はぁ……全くアンタって子は」
盗賊「! 待て!」
盗賊「雄が……雌を抱きしめたぞ!」
僧侶「! やりましたね!」
勇者・戦士「何が!?」
僧侶「ちょっとだけ! ちょっとだけですから!」
戦士「はぁ……全くアンタって子は」
盗賊「! 待て!」
盗賊「雄が……雌を抱きしめたぞ!」
僧侶「! やりましたね!」
勇者・戦士「何が!?」
771: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 14:34:40.71 ID:IBZFFyZFo
勇者「なあ、さっさと倒しに行こうぜ」
僧侶「勇者様!?」
戦士「ああ、もう良いだろう?」
盗賊「そうだな……雄の方は死を覚悟してるようだ」
盗賊「だから、今まで雌の気持ちに応えられなかったらしい」
僧侶「そんな……!」
勇者・戦士「や、やりにくい……!」
僧侶「勇者様!?」
戦士「ああ、もう良いだろう?」
盗賊「そうだな……雄の方は死を覚悟してるようだ」
盗賊「だから、今まで雌の気持ちに応えられなかったらしい」
僧侶「そんな……!」
勇者・戦士「や、やりにくい……!」
772: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 14:37:11.16 ID:IBZFFyZFo
勇者「俺たちが来るって知ってたのか」
僧侶「魔物にとっては、死活問題ですもんね」
戦士「そんなの気にしてたらやってられないだろう」
盗賊「……チイッ!」
盗賊「奴ら、甘く……とろけるようなキスをしてやがる!」
勇者・僧侶・戦士「……」
僧侶「魔物にとっては、死活問題ですもんね」
戦士「そんなの気にしてたらやってられないだろう」
盗賊「……チイッ!」
盗賊「奴ら、甘く……とろけるようなキスをしてやがる!」
勇者・僧侶・戦士「……」
773: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 14:39:15.61 ID:IBZFFyZFo
勇者「……ちょっとだけ、待ってやるか」
僧侶「勇者様……! はいっ!」
戦士「……やれやれ、アンタ達は甘いねぇ」
盗賊「! 待て!」
盗賊「奴ら…… を始めるつもりだぞ!」
勇者・僧侶・戦士「!?」
僧侶「勇者様……! はいっ!」
戦士「……やれやれ、アンタ達は甘いねぇ」
盗賊「! 待て!」
盗賊「奴ら…… を始めるつもりだぞ!」
勇者・僧侶・戦士「!?」
774: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 14:42:08.97 ID:IBZFFyZFo
勇者「こ、 ……!?」
僧侶「あ、あうあ……!?///」
戦士「なあ……どうするんだい?」
盗賊「雄の奴、本能のままに するかと思いきや……」
盗賊「――なんて丁寧な をしやがるんだ」
戦士「そっちの方は聞いてないよ!」
勇者「……」
僧侶「……///」
僧侶「あ、あうあ……!?///」
戦士「なあ……どうするんだい?」
盗賊「雄の奴、本能のままに するかと思いきや……」
盗賊「――なんて丁寧な をしやがるんだ」
戦士「そっちの方は聞いてないよ!」
勇者「……」
僧侶「……///」
775: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 14:45:39.03 ID:IBZFFyZFo
勇者「魔物にも、そういう理性はあるんだな」
僧侶「……///」
戦士「丁寧かどうかなんて、どうでも良いんだよ!」
盗賊「……なんてこった」
盗賊「雌の方が、焦らされて雄を押し倒しやがったぞ!」
戦士「アタシに喧嘩売ってるのかい!?」
勇者「落ち着け! 落ち着け、戦士!」
僧侶「お、女の子の方から……!?///」
僧侶「……///」
戦士「丁寧かどうかなんて、どうでも良いんだよ!」
盗賊「……なんてこった」
盗賊「雌の方が、焦らされて雄を押し倒しやがったぞ!」
戦士「アタシに喧嘩売ってるのかい!?」
勇者「落ち着け! 落ち着け、戦士!」
僧侶「お、女の子の方から……!?///」
776: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 14:50:07.80 ID:IBZFFyZFo
勇者「あまり大声を出すと、敵にバレる!」
戦士「だ、って……ああもう、悪かったよ」
僧侶「そ、それから?/// それから?///」
盗賊「あれは……始まったな」
盗賊「遂に、本格的に を始めやがった」
勇者・戦士「……」
僧侶「……!///」
戦士「だ、って……ああもう、悪かったよ」
僧侶「そ、それから?/// それから?///」
盗賊「あれは……始まったな」
盗賊「遂に、本格的に を始めやがった」
勇者・戦士「……」
僧侶「……!///」
777: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 14:54:12.40 ID:IBZFFyZFo
勇者「まあ……雌の方が力が強い場合も多いしな」
僧侶「雌の方が体が大きい事も、少なくありませんしね」
戦士「……ふんっ! 情けない雄だねぇ!」
盗賊「いや……そうでも無いみたいだ」
盗賊「あの雄、下から雌を突き上げて――主導権を握ってる」
戦士「……や、やるじゃないか」
勇者「? どうした僧侶?」
僧侶「し、下から……!?/// 突き上げ……!?///」
僧侶「雌の方が体が大きい事も、少なくありませんしね」
戦士「……ふんっ! 情けない雄だねぇ!」
盗賊「いや……そうでも無いみたいだ」
盗賊「あの雄、下から雌を突き上げて――主導権を握ってる」
戦士「……や、やるじゃないか」
勇者「? どうした僧侶?」
僧侶「し、下から……!?/// 突き上げ……!?///」
778: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 14:58:22.00 ID:IBZFFyZFo
勇者「……終わった瞬間を狙おう」
僧侶「……は、はい///」
戦士「……さっさと倒したい」
盗賊「凄い……流れるように体 を変えたぞ」
盗賊「今度は、雄が雌の上に――」
盗賊「っ!? なんて、ねっとりした腰使いなんだ……!」
勇者・戦士「……」
僧侶「……!/// ……!///」
僧侶「……は、はい///」
戦士「……さっさと倒したい」
盗賊「凄い……流れるように体 を変えたぞ」
盗賊「今度は、雄が雌の上に――」
盗賊「っ!? なんて、ねっとりした腰使いなんだ……!」
勇者・戦士「……」
僧侶「……!/// ……!///」
779: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 15:04:04.03 ID:IBZFFyZFo
勇者「……おい、冷静になるんだ」
僧侶「ね、ねっとり……!?///」
戦士「……駄目だね、聞いちゃいないよ」
盗賊「あの雄、緩急もつけてるな……」
盗賊「っ!? いや、待て!」
盗賊「雌の方も、負けじと腰を振り出したぞ!」
僧侶「そ、そそっそ、そんなっ……!?///」
戦士「勇者、この子をなんとかして正気に」
勇者「……俺がか!?」
僧侶「ね、ねっとり……!?///」
戦士「……駄目だね、聞いちゃいないよ」
盗賊「あの雄、緩急もつけてるな……」
盗賊「っ!? いや、待て!」
盗賊「雌の方も、負けじと腰を振り出したぞ!」
僧侶「そ、そそっそ、そんなっ……!?///」
戦士「勇者、この子をなんとかして正気に」
勇者「……俺がか!?」
780: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 15:06:21.20 ID:IBZFFyZFo
勇者「僧侶」
ぽんっ!
僧侶「うひゃうっ!?/// ゆ、勇者様……?///」
戦士「……アンタらが始めたら、たたっ斬るからね?」
盗賊「……お前達、何をやってるんだ?」
盗賊「あの激しさ――そろそろ終わりが近そうだぞ」
勇者・僧侶・戦士「……」
ぽんっ!
僧侶「うひゃうっ!?/// ゆ、勇者様……?///」
戦士「……アンタらが始めたら、たたっ斬るからね?」
盗賊「……お前達、何をやってるんだ?」
盗賊「あの激しさ――そろそろ終わりが近そうだぞ」
勇者・僧侶・戦士「……」
781: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 15:11:28.84 ID:IBZFFyZFo
勇者「相手は魔物だが……まあ、最期だからな」
僧侶「そ……そうですね。これも、神の慈悲ですから」
戦士「アンタ達……準備は良いかい?」
盗賊「よし、同時に果て――」
盗賊「――っ!? 何っ!?」
勇者「っ! どうした盗賊!?」
盗賊「そのまま、二回戦が始まった!」
僧侶「そ、そのまま……!?///」
戦士「ああもう、さっさと行くよ!」
僧侶「そ……そうですね。これも、神の慈悲ですから」
戦士「アンタ達……準備は良いかい?」
盗賊「よし、同時に果て――」
盗賊「――っ!? 何っ!?」
勇者「っ! どうした盗賊!?」
盗賊「そのまま、二回戦が始まった!」
僧侶「そ、そのまま……!?///」
戦士「ああもう、さっさと行くよ!」
782: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 15:18:52.22 ID:IBZFFyZFo
・ ・ ・
盗賊「――まあ、コイツらも最期に愛を確かめ合ったんだ」
盗賊「そして、俺たちもやるべき事をやった」
盗賊「だから……そんなに自分を責めるな」
勇者「あれだけ、細かに実況するから……!」
僧侶「動物系の魔物だとばかり思ってましたけど……!」
盗賊「? どうして俺を睨んでるんだ?」
戦士「植物系の――まんま樹の形の魔物じゃないか!」
盗賊「! 見ろ!」
盗賊「倒れた雌から、もう子供が――新芽が出てる!」
勇者・僧侶・戦士「知らねえよ!」
おわり
盗賊「――まあ、コイツらも最期に愛を確かめ合ったんだ」
盗賊「そして、俺たちもやるべき事をやった」
盗賊「だから……そんなに自分を責めるな」
勇者「あれだけ、細かに実況するから……!」
僧侶「動物系の魔物だとばかり思ってましたけど……!」
盗賊「? どうして俺を睨んでるんだ?」
戦士「植物系の――まんま樹の形の魔物じゃないか!」
盗賊「! 見ろ!」
盗賊「倒れた雌から、もう子供が――新芽が出てる!」
勇者・僧侶・戦士「知らねえよ!」
おわり
789: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 20:56:23.21 ID:IBZFFyZFo
書きます
女勇者「パーティー内の性の乱れ」
女勇者「パーティー内の性の乱れ」
790: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 20:59:58.59 ID:IBZFFyZFo
女勇者(……いつから、こうなってしまったか)
女勇者(今となっては、もう思い出せない)
女勇者(私達は、命がけの旅をしている仲間同士)
『もう……アタシ、我慢出来ない』
『おいおい、しょうがないな』
女勇者(……こうなる事は、必然だったのかも知れない)
女勇者(今となっては、もう思い出せない)
女勇者(私達は、命がけの旅をしている仲間同士)
『もう……アタシ、我慢出来ない』
『おいおい、しょうがないな』
女勇者(……こうなる事は、必然だったのかも知れない)
791: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 21:02:03.14 ID:IBZFFyZFo
女勇者(今日は、久々に街で宿泊)
女勇者(高級な宿じゃないけど、ベッドがある)
女勇者(昼間には、皆で浴場にも行った)
『ふふっ……もう 』
『ああ、何せ ってたからな』
女勇者(……この宿、壁が薄いな)
女勇者(高級な宿じゃないけど、ベッドがある)
女勇者(昼間には、皆で浴場にも行った)
『ふふっ……もう 』
『ああ、何せ ってたからな』
女勇者(……この宿、壁が薄いな)
793: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 21:04:33.39 ID:IBZFFyZFo
女勇者(声を抑えてって、注意した方が良いかな)
女勇者(……ううん、多分無駄だよね)
女勇者(だって……)
『ほら見て、アタシも……』
『ははっ、こりゃ凄いな』
女勇者(こういうの、本当に久々だから)
女勇者(……ううん、多分無駄だよね)
女勇者(だって……)
『ほら見て、アタシも……』
『ははっ、こりゃ凄いな』
女勇者(こういうの、本当に久々だから)
794: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 21:05:50.76 ID:IBZFFyZFo
>>792
では、オチ書いてこのネタ終わります
では、オチ書いてこのネタ終わります
795: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 21:09:49.52 ID:IBZFFyZFo
・ ・ ・
男戦士「さあ、今日も張り切って行きましょ!」
男僧侶「……元気だねぇ」
男戦士「勿論よ! アタシ達、あんなに愛し合ったじゃないの!」
男僧侶「……そのせいで、こっちはクタクタだよ」
女勇者「ねえ、大丈夫?」
女賢者「ちょっと腰が……手、繋いで良い?」
女勇者「うん、勿論」
女勇者(パーティー内の性は乱れている)
女勇者(だけど、そんなに悪くない)
おわり
男戦士「さあ、今日も張り切って行きましょ!」
男僧侶「……元気だねぇ」
男戦士「勿論よ! アタシ達、あんなに愛し合ったじゃないの!」
男僧侶「……そのせいで、こっちはクタクタだよ」
女勇者「ねえ、大丈夫?」
女賢者「ちょっと腰が……手、繋いで良い?」
女勇者「うん、勿論」
女勇者(パーティー内の性は乱れている)
女勇者(だけど、そんなに悪くない)
おわり
796: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 21:25:27.77 ID:IBZFFyZFo
書きます
勇者「俺、実は武道家なんだ」
勇者「俺、実は武道家なんだ」
797: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 21:27:06.78 ID:IBZFFyZFo
戦士「えっ!?」
賢者「はっ!?」
僧侶「へっ!?」
勇者「明日の魔王との決戦の前に、話しておこうと思って」
戦士・賢者・僧侶「遅い!!」
賢者「はっ!?」
僧侶「へっ!?」
勇者「明日の魔王との決戦の前に、話しておこうと思って」
戦士・賢者・僧侶「遅い!!」
798: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 21:29:51.00 ID:IBZFFyZFo
戦士「お前、今までは本気じゃなかったのか!?」
勇者「そんな事は無い」
戦士「! そうだよな! 何せ、伝説の剣も持ってるし!」
勇者「……その事なんだけどな」
勇者「……戦士」
勇者「明日は、お前がコレを使ってくれ」
戦士「やめろよ勇者! 伝説の剣を差し出すなよ!」
勇者「そんな事は無い」
戦士「! そうだよな! 何せ、伝説の剣も持ってるし!」
勇者「……その事なんだけどな」
勇者「……戦士」
勇者「明日は、お前がコレを使ってくれ」
戦士「やめろよ勇者! 伝説の剣を差し出すなよ!」
799: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 21:32:42.22 ID:IBZFFyZFo
賢者「勇者、貴方……本当に武道家なの?」
勇者「ああ、実は」
賢者「でも、伝説の鎧を装備出来てるじゃないの」
勇者「……ああ、これな」
勇者「……伝説の鎧」
勇者「正直、重くて動きにくいと思ってたんだ」
賢者「謝って! 手に入れるため苦労した私達に謝って!」
勇者「ああ、実は」
賢者「でも、伝説の鎧を装備出来てるじゃないの」
勇者「……ああ、これな」
勇者「……伝説の鎧」
勇者「正直、重くて動きにくいと思ってたんだ」
賢者「謝って! 手に入れるため苦労した私達に謝って!」
800: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 21:35:36.24 ID:IBZFFyZFo
僧侶「ほ、本当に武道家なんですか!?」
勇者「ああ、ごめんな」
僧侶「だ、だって! 伝説の盾もあんなに使いこなして!」
勇者「……ああ、あれか」
勇者「……実を言うとな」
勇者「見えないように、コッソリ手で捌いてたんだ」
僧侶「使いこなしてたのは、盾じゃなく体って事ですか!?」
勇者「ああ、ごめんな」
僧侶「だ、だって! 伝説の盾もあんなに使いこなして!」
勇者「……ああ、あれか」
勇者「……実を言うとな」
勇者「見えないように、コッソリ手で捌いてたんだ」
僧侶「使いこなしてたのは、盾じゃなく体って事ですか!?」
801: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 21:40:58.94 ID:IBZFFyZFo
戦士「だが! お前は、剣も使えるだろう!?」
勇者「使えなくは……無いけれども」
戦士「だろ!? 今まで、剣で敵を倒してきたじゃないか!」
勇者「……ああ、それは」
勇者「……こう、パッと剣から手を離してな」
勇者「ドカッと殴って、死んだ所を追撃で斬ってたんだ」
戦士「お前、そんな曲芸を今までやってたのかよ!?」
勇者「使えなくは……無いけれども」
戦士「だろ!? 今まで、剣で敵を倒してきたじゃないか!」
勇者「……ああ、それは」
勇者「……こう、パッと剣から手を離してな」
勇者「ドカッと殴って、死んだ所を追撃で斬ってたんだ」
戦士「お前、そんな曲芸を今までやってたのかよ!?」
802: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 21:44:49.70 ID:IBZFFyZFo
賢者「ねえ……伝説の鎧、邪魔なの?」
勇者「邪魔って程じゃ……無いけれども」
賢者「邪魔なのね!? あの苦労は何だったの!?」
勇者「……それには感謝してる」
勇者「……だから、ほら」
勇者「傷がつかないよう大事に保管しないと……な?」
賢者「決戦に着ていくつもりは無いって事ね!?」
勇者「邪魔って程じゃ……無いけれども」
賢者「邪魔なのね!? あの苦労は何だったの!?」
勇者「……それには感謝してる」
勇者「……だから、ほら」
勇者「傷がつかないよう大事に保管しないと……な?」
賢者「決戦に着ていくつもりは無いって事ね!?」
803: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 21:50:34.34 ID:IBZFFyZFo
僧侶「じゃ、じゃあ……私をかばってくれた時も!?」
勇者「こう、クルッと回し受けしてた」
僧侶「伝説の盾が役に立った事は無いんですか!?」
勇者「……いや、そんな事は」
勇者「回し受け出来ない攻撃とか、あるしな」
勇者「そういう時は……ほら、丈夫だし」
僧侶「傘感! いえ、正しい使いみちなんでしょうけど……傘感!」
勇者「こう、クルッと回し受けしてた」
僧侶「伝説の盾が役に立った事は無いんですか!?」
勇者「……いや、そんな事は」
勇者「回し受け出来ない攻撃とか、あるしな」
勇者「そういう時は……ほら、丈夫だし」
僧侶「傘感! いえ、正しい使いみちなんでしょうけど……傘感!」
804: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 21:53:19.22 ID:IBZFFyZFo
戦士「お、お前は伝説の剣に選ばれたんだろう!?」
勇者「……あー」
戦士「その剣を引き抜いて、勇者になったんだ!」
勇者「……実は、さ?」
勇者「刺さってた台座が普通の岩だったから、さ」
勇者「……あ、誰にも言うなよ?」
戦士「砕いたんだな!? 台座の岩を砕いたんだな!?」
勇者「……あー」
戦士「その剣を引き抜いて、勇者になったんだ!」
勇者「……実は、さ?」
勇者「刺さってた台座が普通の岩だったから、さ」
勇者「……あ、誰にも言うなよ?」
戦士「砕いたんだな!? 台座の岩を砕いたんだな!?」
805: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 21:58:37.23 ID:IBZFFyZFo
賢者「あの時の苦労は何だったの……!」
勇者「ごっ、ごめん……ごめんて」
賢者「謝らないで! 明日は、皮の鎧でも着るつもり!?」
勇者「……あ、いや」
勇者「皮の鎧もアレだし……」
勇者「少し前に買った、お気に入りの布の服で行こうかな、って」
賢者「決戦に、そんなカジュアルな感じで臨むつもり!?」
勇者「ごっ、ごめん……ごめんて」
賢者「謝らないで! 明日は、皮の鎧でも着るつもり!?」
勇者「……あ、いや」
勇者「皮の鎧もアレだし……」
勇者「少し前に買った、お気に入りの布の服で行こうかな、って」
賢者「決戦に、そんなカジュアルな感じで臨むつもり!?」
806: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 22:03:23.47 ID:IBZFFyZFo
僧侶「で、でも! 伝説の盾は役立つんですね!?」
勇者「まあ……時には」
僧侶「絶対! 絶対、明日の決戦は役に立ちます!」
勇者「……そう、かな」
勇者「左手に持った盾で、攻撃を塞ぐよりも……」
勇者「左のジャブで、攻撃させる暇を与えない方が……」
僧侶「左のジャブで、平和な世界を勝ち取るんですか!?」
勇者「まあ……時には」
僧侶「絶対! 絶対、明日の決戦は役に立ちます!」
勇者「……そう、かな」
勇者「左手に持った盾で、攻撃を塞ぐよりも……」
勇者「左のジャブで、攻撃させる暇を与えない方が……」
僧侶「左のジャブで、平和な世界を勝ち取るんですか!?」
807: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 22:06:36.78 ID:IBZFFyZFo
戦士「岩を砕いたんなら、お前は勇者じゃないのか!?」
勇者「あ、それは大丈夫だ」
戦士「わかってるのか!? 伝説の剣の重みを!」
勇者「……勿論だ」
勇者「この……伝説の剣が、俺に語りかけてきた」
勇者「――もう貴方が勇者で良いよ」
勇者「ってな」
戦士「伝説の剣、軽い!!」
勇者「あ、それは大丈夫だ」
戦士「わかってるのか!? 伝説の剣の重みを!」
勇者「……勿論だ」
勇者「この……伝説の剣が、俺に語りかけてきた」
勇者「――もう貴方が勇者で良いよ」
勇者「ってな」
戦士「伝説の剣、軽い!!」
808: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 22:10:50.04 ID:IBZFFyZFo
賢者「どれ!? どの布の服!?」
勇者「この服だ」
賢者「これは、体に張り付くような服で……動きやすそうね」
勇者「……それだけじゃない」
勇者「体にフィットして、動きを阻害しないだけじゃない」
勇者「この布の服、なんと……汗の吸収性も凄いんだ」
勇者「更に――通気性も、抜群だ」
賢者「運動着じゃないの!!」
勇者「この服だ」
賢者「これは、体に張り付くような服で……動きやすそうね」
勇者「……それだけじゃない」
勇者「体にフィットして、動きを阻害しないだけじゃない」
勇者「この布の服、なんと……汗の吸収性も凄いんだ」
勇者「更に――通気性も、抜群だ」
賢者「運動着じゃないの!!」
809: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 22:15:43.34 ID:IBZFFyZFo
僧侶「じゃあ、剣も盾も! 鎧すら要らないんですか!?」
勇者「まあ……うん」
僧侶「勇者様は、身一つで決戦に臨むと!?」
勇者「……いや、違う」
勇者「俺には、皆という仲間が居る」
勇者「仲間との絆が……最大の武器だ」
僧侶「勇者様……!」
僧侶「……」
僧侶「あ、違う! 結局、勇者様は身一つですよね!?」
勇者「まあ……うん」
僧侶「勇者様は、身一つで決戦に臨むと!?」
勇者「……いや、違う」
勇者「俺には、皆という仲間が居る」
勇者「仲間との絆が……最大の武器だ」
僧侶「勇者様……!」
僧侶「……」
僧侶「あ、違う! 結局、勇者様は身一つですよね!?」
810: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 22:22:38.99 ID:IBZFFyZFo
戦士「……決戦前の緊張を和ますための、冗談だろ!?」
勇者「戦士?」
戦士「俺には信じられねえ! 武道家だって、証拠を見せてくれ!」
勇者「……わかった」
勇者「はぁぁぁっ……!」
勇者「アァッタタタタタタタタタ! ホワチャァッ!」
勇者「……どうだ? 今の拳の連打は」
戦士「確かに凄まじい、が……掛け声はそんな感じなのかよ!」
勇者「戦士?」
戦士「俺には信じられねえ! 武道家だって、証拠を見せてくれ!」
勇者「……わかった」
勇者「はぁぁぁっ……!」
勇者「アァッタタタタタタタタタ! ホワチャァッ!」
勇者「……どうだ? 今の拳の連打は」
戦士「確かに凄まじい、が……掛け声はそんな感じなのかよ!」
811: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 22:27:52.33 ID:IBZFFyZFo
賢者「……でも! 万が一、攻撃を受ける事もあるわ!」
勇者「賢者?」
賢者「不意をつかれたら、どうするつもり!?」
勇者「……その時は」
勇者「――硬っ!」
勇者「こうやって、己の生命エネルギーを高め、肉体を鋼と化す」
勇者「……伝説の剣なら、ギリギリ刃が通るかな」
賢者「伝説の剣でもギリギリなの!?」
勇者「賢者?」
賢者「不意をつかれたら、どうするつもり!?」
勇者「……その時は」
勇者「――硬っ!」
勇者「こうやって、己の生命エネルギーを高め、肉体を鋼と化す」
勇者「……伝説の剣なら、ギリギリ刃が通るかな」
賢者「伝説の剣でもギリギリなの!?」
812: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 22:34:48.90 ID:IBZFFyZFo
僧侶「本当に……武道家なんですね」
勇者「ごめんな、今まで黙ってて」
僧侶「でも、どうして今になって……?」
勇者「……それは」
勇者「明日の決戦で、誰も失いたくないから……」
勇者「伝説の剣は――戦士」
勇者「伝説の鎧は――賢者」
勇者「伝説の盾は――僧侶」
勇者「……こう、それぞれ装備して欲しいんだ」
戦士・賢者・僧侶「……」
勇者「ごめんな、今まで黙ってて」
僧侶「でも、どうして今になって……?」
勇者「……それは」
勇者「明日の決戦で、誰も失いたくないから……」
勇者「伝説の剣は――戦士」
勇者「伝説の鎧は――賢者」
勇者「伝説の盾は――僧侶」
勇者「……こう、それぞれ装備して欲しいんだ」
戦士・賢者・僧侶「……」
813: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 22:38:57.82 ID:IBZFFyZFo
戦士「ま……そういう事なら、しょうがねえか」
勇者「戦士」
賢者「あ、この鎧って体型に合わせて形状が変わるのね」
勇者「賢者」
僧侶「この盾があれば、庇われなくても大丈夫です!」
勇者「僧侶」
勇者「……皆!」
勇者「明日の決戦は……絶対に、生きて帰るぞ!」
戦士・賢者・僧侶「おーっ!」
勇者「戦士」
賢者「あ、この鎧って体型に合わせて形状が変わるのね」
勇者「賢者」
僧侶「この盾があれば、庇われなくても大丈夫です!」
勇者「僧侶」
勇者「……皆!」
勇者「明日の決戦は……絶対に、生きて帰るぞ!」
戦士・賢者・僧侶「おーっ!」
814: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 22:42:40.27 ID:IBZFFyZFo
・ ・ ・
魔王「その伝説の剣……貴様が勇者か!」
戦士「いいや! この剣は借りてるだけだ!」
魔王「何? ならば……伝説の鎧を装備している、貴様か!」
賢者「いいえ! 私のこの鎧も、借り物よ!」
魔王「? な、ならば……伝説の盾を持つ、お前か!」
僧侶「違います! この盾は、私のじゃありません!」
魔王「!?」
魔王「その伝説の剣……貴様が勇者か!」
戦士「いいや! この剣は借りてるだけだ!」
魔王「何? ならば……伝説の鎧を装備している、貴様か!」
賢者「いいえ! 私のこの鎧も、借り物よ!」
魔王「? な、ならば……伝説の盾を持つ、お前か!」
僧侶「違います! この盾は、私のじゃありません!」
魔王「!?」
815: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/26(月) 22:48:42.51 ID:IBZFFyZFo
魔王「ぬうう、誰が勇者なのだ!」
勇者「魔王! 俺が勇者だ!」
魔王「何、貴様が!? ええい、何とカジュアルな!」
勇者「……行くぞ、魔王!」
勇者「人々の願いが乗った、この拳で!」
勇者「必ずお前を――」
勇者「――撲殺してみせる!!」
戦士・賢者・僧侶「せめて『倒す』って言って!?」
おわり
勇者「魔王! 俺が勇者だ!」
魔王「何、貴様が!? ええい、何とカジュアルな!」
勇者「……行くぞ、魔王!」
勇者「人々の願いが乗った、この拳で!」
勇者「必ずお前を――」
勇者「――撲殺してみせる!!」
戦士・賢者・僧侶「せめて『倒す』って言って!?」
おわり
818: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/27(火) 20:53:00.93 ID:jObjrYRwo
書きます
勇者「魔王、こっちも切り札を使わせて貰う!」
勇者「魔王、こっちも切り札を使わせて貰う!」
819: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/27(火) 20:55:14.89 ID:jObjrYRwo
魔王「はっはっは! 切り札だと?」
魔王「――笑止!」
魔王「ワシの真の姿の前では……全てが無力!」
勇者「来いッ!!」
―バッ!
勇者「勇者ロボォ――ッ!!」
魔王「……」
魔王「ロボ?」
魔王「――笑止!」
魔王「ワシの真の姿の前では……全てが無力!」
勇者「来いッ!!」
―バッ!
勇者「勇者ロボォ――ッ!!」
魔王「……」
魔王「ロボ?」
820: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/27(火) 20:57:14.16 ID:jObjrYRwo
ゴゴゴゴゴッ!
魔王「な、何だ……この地響きは!?」
ゴガァァンッ!
魔王「な、何だ!? 城の壁が!?」
魔王「きょ……巨大な手!?」
勇者「――とうっ!」
魔王「えっ、えっ、えっ、えっ!?」
魔王「な、何だ……この地響きは!?」
ゴガァァンッ!
魔王「な、何だ!? 城の壁が!?」
魔王「きょ……巨大な手!?」
勇者「――とうっ!」
魔王「えっ、えっ、えっ、えっ!?」
821: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/27(火) 21:00:08.04 ID:jObjrYRwo
勇者ロボ『待たせたな、勇者!』
勇者「いいや、良いタイミングだ!」
勇者ロボ『さあ、早く乗り込め!』
勇者「おうっ!」
パシュィ~ン…
勇者『――さあ、魔王!』
勇者ロボ『ここからが――』
勇者・勇者ロボ『本当の戦いだ!』
魔王「待て待て待て待て!!」
勇者「いいや、良いタイミングだ!」
勇者ロボ『さあ、早く乗り込め!』
勇者「おうっ!」
パシュィ~ン…
勇者『――さあ、魔王!』
勇者ロボ『ここからが――』
勇者・勇者ロボ『本当の戦いだ!』
魔王「待て待て待て待て!!」
822: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/27(火) 21:04:32.45 ID:jObjrYRwo
魔王「何だそれは!?」
魔王「巨大なゴーレムか!?」
勇者『違う! コイツは、俺の真の友!』
勇者ロボ『――熱き魂を持ち! 正義を愛する!』
勇者『――鋼鉄の勇者! その名も、勇者ロボ!』
勇者・勇者ロボ『悪を倒しに、只今参上!!』
魔王「世界観が違う!!」
魔王「巨大なゴーレムか!?」
勇者『違う! コイツは、俺の真の友!』
勇者ロボ『――熱き魂を持ち! 正義を愛する!』
勇者『――鋼鉄の勇者! その名も、勇者ロボ!』
勇者・勇者ロボ『悪を倒しに、只今参上!!』
魔王「世界観が違う!!」
823: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/27(火) 21:08:29.16 ID:jObjrYRwo
魔王「さっきまで、剣と魔法で戦っていただろう!?」
魔王「何だ!? 踏み潰すつもりか!?」
勇者『……剣なら――あるッ! 勇者ロボ!』
勇者ロボ『オーケー、勇者!』
バッ!
勇者・勇者ロボ『来いッ! ブレイブ・ソォ――ドッ!!』
――キランッ!
魔王「何!? 何何何何!?」
魔王「何だ!? 踏み潰すつもりか!?」
勇者『……剣なら――あるッ! 勇者ロボ!』
勇者ロボ『オーケー、勇者!』
バッ!
勇者・勇者ロボ『来いッ! ブレイブ・ソォ――ドッ!!』
――キランッ!
魔王「何!? 何何何何!?」
824: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/27(火) 21:11:31.59 ID:jObjrYRwo
魔王「な、何だ……!?」
魔王「魔王城の上空の暗雲が晴れて――」
…ズドシュウッ!!
魔王「――きょ、巨大な剣が降ってきた!?」
勇者ロボ『……ふんっ!』
ガシッ!
勇者・勇者ロボ『――待たせたな、魔王!!』
ジャキィィンッ!(キラーンッ!)
魔王「待て待て待て待てちょっと待て!!」
魔王「魔王城の上空の暗雲が晴れて――」
…ズドシュウッ!!
魔王「――きょ、巨大な剣が降ってきた!?」
勇者ロボ『……ふんっ!』
ガシッ!
勇者・勇者ロボ『――待たせたな、魔王!!』
ジャキィィンッ!(キラーンッ!)
魔王「待て待て待て待てちょっと待て!!」
825: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/27(火) 21:15:49.94 ID:jObjrYRwo
魔王「その剣の巨大さ……城も真っ二つになるぞ!?」
魔王「えっ、えっ……えええっ!?」
勇者ロボ『勇者! 魔王が混乱しているぞ!』
勇者『――騙されるな、勇者ロボ!』
勇者ロボ『何っ?』
勇者『あれは恐らく……俺達を油断させるための演技だ!』
勇者ロボ『何だって!? それでは、迂闊に手が出せない!』
魔王「……」
魔王「…………」
魔王「ふ、ふははははっ! よくぞ見破ったな、勇者よ!!」
魔王「えっ、えっ……えええっ!?」
勇者ロボ『勇者! 魔王が混乱しているぞ!』
勇者『――騙されるな、勇者ロボ!』
勇者ロボ『何っ?』
勇者『あれは恐らく……俺達を油断させるための演技だ!』
勇者ロボ『何だって!? それでは、迂闊に手が出せない!』
魔王「……」
魔王「…………」
魔王「ふ、ふははははっ! よくぞ見破ったな、勇者よ!!」
826: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/27(火) 21:22:31.00 ID:jObjrYRwo
魔王「そ、その程度の鉄の塊なぞ、ワシの敵では無いわ!」
魔王「剣を振り下ろした時が、お前達の最期よ!」
勇者『くっ……! さすがは魔王……!』
勇者ロボ『――諦めるな、勇者!』
勇者『勇者ロボ……!?』
勇者ロボ『この地上の愛と平和を守るのが、私達の使命!』
勇者『……ああ、そうだったな!』
勇者『俺達は、負けるわけにはいかないんだ!』
勇者・勇者ロボ『――勇気と希望がある限り!!』
…パァァァッ!
魔王「な、何だ……胸のクリスタルが光りだした!?」
魔王「剣を振り下ろした時が、お前達の最期よ!」
勇者『くっ……! さすがは魔王……!』
勇者ロボ『――諦めるな、勇者!』
勇者『勇者ロボ……!?』
勇者ロボ『この地上の愛と平和を守るのが、私達の使命!』
勇者『……ああ、そうだったな!』
勇者『俺達は、負けるわけにはいかないんだ!』
勇者・勇者ロボ『――勇気と希望がある限り!!』
…パァァァッ!
魔王「な、何だ……胸のクリスタルが光りだした!?」
827: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/27(火) 21:26:10.75 ID:jObjrYRwo
魔王「な、何をしても無駄だぞ!」
魔王「諦めて、ここから立ち去るが良い!」
勇者『――勇者ロボ!』
勇者ロボ『オーケー、勇者!』
バッ!
勇者・勇者ロボ『来いッ! ブレイブ・バァァ――ッドゥッ!!』
――キランッ!
魔王「……え、ええい! ちょこざいな発音を!!」
魔王「諦めて、ここから立ち去るが良い!」
勇者『――勇者ロボ!』
勇者ロボ『オーケー、勇者!』
バッ!
勇者・勇者ロボ『来いッ! ブレイブ・バァァ――ッドゥッ!!』
――キランッ!
魔王「……え、ええい! ちょこざいな発音を!!」
828: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/27(火) 21:31:47.41 ID:jObjrYRwo
魔王「んんんんまた来た!」
魔王「空の彼方から――」
…バサァァッ!!
魔王「――巨大な鋼鉄の鳥が現れた!!」
勇者ロボ『――チェィィンジッ!!』ガキンガキンッ!
…ガッシィィンッ!
勇者ロボG『勇者ロボ・グレェェ――ト!!』
ピキュァァンッ!(キラーンッ!)
勇者『――待たせたな、魔王!!』
魔王「……ふ」
魔王「ふーん!?」
魔王「空の彼方から――」
…バサァァッ!!
魔王「――巨大な鋼鉄の鳥が現れた!!」
勇者ロボ『――チェィィンジッ!!』ガキンガキンッ!
…ガッシィィンッ!
勇者ロボG『勇者ロボ・グレェェ――ト!!』
ピキュァァンッ!(キラーンッ!)
勇者『――待たせたな、魔王!!』
魔王「……ふ」
魔王「ふーん!?」
829: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/27(火) 21:40:25.28 ID:jObjrYRwo
魔王「た、たかが翼を持った程度で!」
魔王「ワシには、お前達の攻撃など通用せんわ!」
勇者『……勇者ロボ』
勇者ロボG『……ああ、勇者』
勇者『一撃に、全エネルギーを集中するんだ!』
勇者ロボG『わかっているとも!』
勇者ロボG『――とああっ!』
ブワアァッ!!
魔王「空に飛び上がって……」
魔王「……か、帰るのか!?」
魔王「ワシには、お前達の攻撃など通用せんわ!」
勇者『……勇者ロボ』
勇者ロボG『……ああ、勇者』
勇者『一撃に、全エネルギーを集中するんだ!』
勇者ロボG『わかっているとも!』
勇者ロボG『――とああっ!』
ブワアァッ!!
魔王「空に飛び上がって……」
魔王「……か、帰るのか!?」
830: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/27(火) 21:46:47.63 ID:jObjrYRwo
魔王「ふ……ふはははっ!」
魔王「良かろう! 見逃してやろうではないか!」
勇者『――俺たちは、逃げないッ!』
勇者ロボG『――例え、この身が砕けようともッ!』
勇者・勇者ロボG『――勇気ある限りッ!』
勇者・勇者ロボG『ブレイブ・ソォ――ドッ!!』
ジャキィィンッ!(パァァァァッ…!)
魔王「な、何だ……!?」
魔王「巨大な剣が、輝いている……!?」
魔王「良かろう! 見逃してやろうではないか!」
勇者『――俺たちは、逃げないッ!』
勇者ロボG『――例え、この身が砕けようともッ!』
勇者・勇者ロボG『――勇気ある限りッ!』
勇者・勇者ロボG『ブレイブ・ソォ――ドッ!!』
ジャキィィンッ!(パァァァァッ…!)
魔王「な、何だ……!?」
魔王「巨大な剣が、輝いている……!?」
831: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/27(火) 21:51:25.08 ID:jObjrYRwo
魔王「よ、よせ! 何をする気だ!?」
勇者『勇者の剣よ……力を貸してくれ!』
勇者ロボG『――!』
勇者ロボG『ブレイブ・ロォォ――ド!!』
ブワアアアッ!!
魔王「ぬ、ぬおおおおっ!?」
魔王「ま、魔王城が!」
魔王「魔王城が、巨大な力の渦に飲み込まれた!?」
勇者『勇者の剣よ……力を貸してくれ!』
勇者ロボG『――!』
勇者ロボG『ブレイブ・ロォォ――ド!!』
ブワアアアッ!!
魔王「ぬ、ぬおおおおっ!?」
魔王「ま、魔王城が!」
魔王「魔王城が、巨大な力の渦に飲み込まれた!?」
832: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/27(火) 21:55:29.50 ID:jObjrYRwo
魔王「よせ……よせ、やめろ!!」
勇者『いくぞおおおっ!! 魔王おおおっ!!』
勇者ロボG『――!』
勇者ロボG『ブレイブ・スラァァ――――ッシュ!!』
グワアアアッ!
魔王「ひ、ひえええっ!?」
サッ!
―スパァァァンッ!!
魔王「……ま」
魔王「魔王城が真っ二つに!?」
勇者『いくぞおおおっ!! 魔王おおおっ!!』
勇者ロボG『――!』
勇者ロボG『ブレイブ・スラァァ――――ッシュ!!』
グワアアアッ!
魔王「ひ、ひえええっ!?」
サッ!
―スパァァァンッ!!
魔王「……ま」
魔王「魔王城が真っ二つに!?」
833: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/27(火) 22:00:18.33 ID:jObjrYRwo
魔王「……!?」
魔王(あ……あんなものを食らったら、ひとたまりもない!!)
勇者『どうだ、魔王――む……無傷!?』
勇者ロボG『……ぐっ!』
…ズシィンッ!
勇者ロボG『全てのエネルギーを注ぎ込んだ一撃が……!』
勇者『大丈夫か!?』
勇者ロボG『ああ……だが、私はもう戦えそうにない……!』
魔王「!」
魔王(あ……あんなものを食らったら、ひとたまりもない!!)
勇者『どうだ、魔王――む……無傷!?』
勇者ロボG『……ぐっ!』
…ズシィンッ!
勇者ロボG『全てのエネルギーを注ぎ込んだ一撃が……!』
勇者『大丈夫か!?』
勇者ロボG『ああ……だが、私はもう戦えそうにない……!』
魔王「!」
834: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/27(火) 22:06:29.42 ID:jObjrYRwo
勇者ロボG『……すまない、私の攻撃は奴に通じなかった』
勇者『……いや、後は任せてくれ』
魔王「……!」ドキドキ!
勇者『俺が、この手で奴との決着をつけてくる!』
勇者ロボG『――任せたぞ、勇者!』
勇者『――ああっ!』
パシュィ~ン…
勇者「――さあ、魔王! ここからが本番だ!」
魔王「うむ!! うむ!! そうだな!!」
勇者『……いや、後は任せてくれ』
魔王「……!」ドキドキ!
勇者『俺が、この手で奴との決着をつけてくる!』
勇者ロボG『――任せたぞ、勇者!』
勇者『――ああっ!』
パシュィ~ン…
勇者「――さあ、魔王! ここからが本番だ!」
魔王「うむ!! うむ!! そうだな!!」
835: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/27(火) 22:14:29.88 ID:jObjrYRwo
魔王「やはり、こうでなくてはいけないな!!」
…キィィィンッ!!
魔王「……何だ、この音は」
勇者ロボG『! あれはっ!』
戦士ロボ『――だらしないぜ、勇者ロボG!』
忍者ロボ『――使命を果たさず、膝をつくなど!』
賢者ロボ『――こんな事もあろうかと、燃料は積んできましたよ!』
勇者「皆……来てくれたのか!」
勇者「ようし……――合体だッ!!」
ロボ達『オーケー、勇者!!』
魔王「もういいよ!!」
おわり
…キィィィンッ!!
魔王「……何だ、この音は」
勇者ロボG『! あれはっ!』
戦士ロボ『――だらしないぜ、勇者ロボG!』
忍者ロボ『――使命を果たさず、膝をつくなど!』
賢者ロボ『――こんな事もあろうかと、燃料は積んできましたよ!』
勇者「皆……来てくれたのか!」
勇者「ようし……――合体だッ!!」
ロボ達『オーケー、勇者!!』
魔王「もういいよ!!」
おわり
841: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/28(水) 22:10:37.38 ID:A5ybnzRno
>>836
書きます
魔王「ワシの真の姿を見せてやろう!」
書きます
魔王「ワシの真の姿を見せてやろう!」
842: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/28(水) 22:13:19.79 ID:A5ybnzRno
勇者「何!? 真の姿だって!?」
魔王「フハハ! もう、遊びは終わりだ!」
勇者「くっ……まだ、力を隠していたのか!?」
魔王「……フフフ」
―バッ!
勇者「な……何だ!?」
勇者「あの、腰に光る銀色のベルトは!?」
魔王「フハハ! もう、遊びは終わりだ!」
勇者「くっ……まだ、力を隠していたのか!?」
魔王「……フフフ」
―バッ!
勇者「な……何だ!?」
勇者「あの、腰に光る銀色のベルトは!?」
843: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/28(水) 22:16:29.99 ID:A5ybnzRno
勇者「あのベルトから、もの凄い力を感じる……!」
魔王「!」
シュピンッ!
魔王「変んんん……」
スウゥッ―
魔王「……身ッ!」
キュワアアアッ!
魔王「――トアッ!」
トンッ―
―スタッ!
真・魔王「――真・魔王!」
勇者「何だその変身の仕方は!?」
魔王「!」
シュピンッ!
魔王「変んんん……」
スウゥッ―
魔王「……身ッ!」
キュワアアアッ!
魔王「――トアッ!」
トンッ―
―スタッ!
真・魔王「――真・魔王!」
勇者「何だその変身の仕方は!?」
844: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/28(水) 22:20:36.68 ID:A5ybnzRno
真・魔王「ワシがこの姿となったからにh」
勇者「ちょっと待て、魔王!」
真・魔王「何だ? 命乞いでもする気か?」
勇者「違う! 俺はそんな真似はしない!」
勇者「お前の変身は、今の方法で良いのか!?」
勇者「今のだと……何と言うか……」
勇者「――お茶の間の子供の応援を受けるぞ!?」
真・魔王「何!?」
真・魔王「絶望に落ちるべき、人の子に応援されるだと!?」
勇者「ちょっと待て、魔王!」
真・魔王「何だ? 命乞いでもする気か?」
勇者「違う! 俺はそんな真似はしない!」
勇者「お前の変身は、今の方法で良いのか!?」
勇者「今のだと……何と言うか……」
勇者「――お茶の間の子供の応援を受けるぞ!?」
真・魔王「何!?」
真・魔王「絶望に落ちるべき、人の子に応援されるだと!?」
845: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/28(水) 22:24:03.87 ID:A5ybnzRno
真・魔王「馬鹿な! そんな事は有り得ん!」
勇者「いいや、ある! 男の子なら、特にそうだ!」
真・魔王「ええい! 根拠でもあるのか!」
勇者「……根拠は、ある!」
勇者「根拠は、俺だ!」
勇者「幼き頃の俺が、お前の変身を見たら……」
勇者「――勇者の俺でなく、お前を応援してしまう!」
真・魔王「ば……馬鹿な!?」
真・魔王「魔王であるワシが……人の子に希望を与えるだと!?」
勇者「いいや、ある! 男の子なら、特にそうだ!」
真・魔王「ええい! 根拠でもあるのか!」
勇者「……根拠は、ある!」
勇者「根拠は、俺だ!」
勇者「幼き頃の俺が、お前の変身を見たら……」
勇者「――勇者の俺でなく、お前を応援してしまう!」
真・魔王「ば……馬鹿な!?」
真・魔王「魔王であるワシが……人の子に希望を与えるだと!?」
846: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/28(水) 22:30:29.96 ID:A5ybnzRno
勇者「今だって、正直変身のポーズを真似したい!」
真・魔王「何だと……!?」
勇者「良いのか、魔王!? 今の変身の方法で!」
真・魔王「ぬ……ぐうおお……!」
真・魔王「――ハァッ!」
バサァッ!
魔王「……しばし待て、やり直す!」
勇者「ぐああっ! マントを翻して変身解除だと!?」
勇者「お、俺の少年の心をくすぐりやがる……!」
真・魔王「何だと……!?」
勇者「良いのか、魔王!? 今の変身の方法で!」
真・魔王「ぬ……ぐうおお……!」
真・魔王「――ハァッ!」
バサァッ!
魔王「……しばし待て、やり直す!」
勇者「ぐああっ! マントを翻して変身解除だと!?」
勇者「お、俺の少年の心をくすぐりやがる……!」
847: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/28(水) 22:33:42.76 ID:A5ybnzRno
魔王「勇者よ、今の変身の何がいけかったのだ!?」
勇者「いけなかったというか、凄くいけてた!」
魔王「答えろ、勇者! どうすれば、希望を与えない変身になる!」
勇者「そう……だな……」
勇者「こう……変に無駄な動作をいれて」
勇者「変身の声も、手短にすれば……あるいは」
魔王「……フハハハ! かかったな!」
魔王「再び変身し、絶望を与えてやろう!」
勇者「っ!? し、しまった! つい!!」
勇者「いけなかったというか、凄くいけてた!」
魔王「答えろ、勇者! どうすれば、希望を与えない変身になる!」
勇者「そう……だな……」
勇者「こう……変に無駄な動作をいれて」
勇者「変身の声も、手短にすれば……あるいは」
魔王「……フハハハ! かかったな!」
魔王「再び変身し、絶望を与えてやろう!」
勇者「っ!? し、しまった! つい!!」
848: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/28(水) 22:38:12.13 ID:A5ybnzRno
勇者「クソッ! 図ったな、魔王!」
魔王「!」
バッ!
魔王「――!」
バッ! ババッ! バッ!
魔王「……――変身」
キュワアアアッ!
真・魔王「――見よ、これが絶望だ」
勇者「格好良い!!」
真・魔王「何ぃっ!?」
魔王「!」
バッ!
魔王「――!」
バッ! ババッ! バッ!
魔王「……――変身」
キュワアアアッ!
真・魔王「――見よ、これが絶望だ」
勇者「格好良い!!」
真・魔王「何ぃっ!?」
849: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/28(水) 22:42:29.93 ID:A5ybnzRno
真・魔王「お前の言う通り、無駄な動作を入れたぞ!?」
勇者「馬鹿! あの手の動き、最高だった!」
真・魔王「変身の声も、短く! 聞こえない程度に抑えた!」
勇者「阿呆! 激しい手の動き――動! からの静、最高だ!」
勇者「ああ、クソッ! チクショウ!」
勇者「魔王! 今の手の動き、もう一回やってくれ!」
真・魔王「や、やめろ!」
真・魔王「魔王であるワシをキラキラした目で見るな!!」
勇者「馬鹿! あの手の動き、最高だった!」
真・魔王「変身の声も、短く! 聞こえない程度に抑えた!」
勇者「阿呆! 激しい手の動き――動! からの静、最高だ!」
勇者「ああ、クソッ! チクショウ!」
勇者「魔王! 今の手の動き、もう一回やってくれ!」
真・魔王「や、やめろ!」
真・魔王「魔王であるワシをキラキラした目で見るな!!」
850: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/28(水) 22:47:18.45 ID:A5ybnzRno
勇者「仕方がないだろ! 格好良かったんだから!」
真・魔王「ぬうおお!? 夢と希望に溢れた視線が!」
勇者「! 必殺技! 必殺技とかあるのか!?」
真・魔王「ま……まずい! このままでは!」
真・魔王「……ぐうっ!?」
―パキィンッ!
魔王「……くっ、何という事だ……!」
勇者「変身が……勝手に解けたのか!?」
勇者「大丈夫か!? 魔王!!」
真・魔王「ぬうおお!? 夢と希望に溢れた視線が!」
勇者「! 必殺技! 必殺技とかあるのか!?」
真・魔王「ま……まずい! このままでは!」
真・魔王「……ぐうっ!?」
―パキィンッ!
魔王「……くっ、何という事だ……!」
勇者「変身が……勝手に解けたのか!?」
勇者「大丈夫か!? 魔王!!」
851: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/28(水) 22:51:37.82 ID:A5ybnzRno
勇者「おい、しっかりしろ! どうした!?」
魔王「ワシは、恐怖と絶望を力としている……!」
勇者「!? お、俺が……キラキラした目を向けたからか!?」
魔王「そうだ……!」
魔王「――だが、この魔王は負けぬ!」
魔王「この世を闇とする、その時まで!」
魔王「何度でも蘇り、お前達を苦しめ続ける!」
勇者「そうだ、魔王! その意気だ!」
魔王「ワシは、恐怖と絶望を力としている……!」
勇者「!? お、俺が……キラキラした目を向けたからか!?」
魔王「そうだ……!」
魔王「――だが、この魔王は負けぬ!」
魔王「この世を闇とする、その時まで!」
魔王「何度でも蘇り、お前達を苦しめ続ける!」
勇者「そうだ、魔王! その意気だ!」
852: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/28(水) 22:56:47.95 ID:A5ybnzRno
勇者「立ち上がれ、魔王!」
魔王「……ぬおおおおっ!」
バッ!
魔王「――変身ッ!!」
キュワアアアッ!
真・魔王「――真の力、見せてくれる!!」
勇者「うわあああっ! か、格好良いいいっ!」
真・魔王「ぐあああっ!?」
―パキィンッ!
魔王「へ……変身があああっ!?」
魔王「……ぬおおおおっ!」
バッ!
魔王「――変身ッ!!」
キュワアアアッ!
真・魔王「――真の力、見せてくれる!!」
勇者「うわあああっ! か、格好良いいいっ!」
真・魔王「ぐあああっ!?」
―パキィンッ!
魔王「へ……変身があああっ!?」
853: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/28(水) 23:01:33.61 ID:A5ybnzRno
勇者「まっ、魔王!? 大丈夫か!?」
魔王「ゆ、勇者め……! ワシに、変身させぬつもりか!」
勇者「そんな事はない! 出来る限りの協力はするぞ!?」
魔王「……ほう、その言葉に偽りは無いな?」
魔王「――ならばっ!」
魔王「ワシが変身を終えるまで、向こうを向いていろ!」
勇者「な、何だって!?」
勇者「俺に、お前が変身する所を見せないつもりか!?」
魔王「ゆ、勇者め……! ワシに、変身させぬつもりか!」
勇者「そんな事はない! 出来る限りの協力はするぞ!?」
魔王「……ほう、その言葉に偽りは無いな?」
魔王「――ならばっ!」
魔王「ワシが変身を終えるまで、向こうを向いていろ!」
勇者「な、何だって!?」
勇者「俺に、お前が変身する所を見せないつもりか!?」
854: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/28(水) 23:06:08.73 ID:A5ybnzRno
勇者「その言葉は、受け入れられない!」
魔王「出来る限りの協力をすると言ったではないか!?」
勇者「出来ないものは、出来ない! 見たいからだ!」
魔王「……ならば、仕方あるまい」
魔王「――玉座の裏に回り!」
魔王「隠れて変身してくれるわ!」
勇者「な、何だと!?」
魔王「出来る限りの協力をすると言ったではないか!?」
勇者「出来ないものは、出来ない! 見たいからだ!」
魔王「……ならば、仕方あるまい」
魔王「――玉座の裏に回り!」
魔王「隠れて変身してくれるわ!」
勇者「な、何だと!?」
855: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/28(水) 23:12:06.12 ID:A5ybnzRno
勇者「よせ! やめろ、魔王!」
魔王「ふはは! もう遅いわ!」
―サッ!
「変身ッ!!」
「――トアッ!」
――クルンッ――ズシャァッ!
真・魔王「……待たせたな、勇者」
勇者「ひいいいっ! な、なんて格好いい登場の仕方を!」
真・魔王「ぐあああっ!?」
―パキィンッ!
魔王「ま、またもや変身があああっ!?」
魔王「ふはは! もう遅いわ!」
―サッ!
「変身ッ!!」
「――トアッ!」
――クルンッ――ズシャァッ!
真・魔王「……待たせたな、勇者」
勇者「ひいいいっ! な、なんて格好いい登場の仕方を!」
真・魔王「ぐあああっ!?」
―パキィンッ!
魔王「ま、またもや変身があああっ!?」
857: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/28(水) 23:20:13.84 ID:A5ybnzRno
魔王「ぬうう……ぐ、おおっ……!」
ズシャッ!
勇者「!? どうした、魔王!?」
勇者「何てこった……どんどん力が弱まってる!」
魔王「ゆ、勇者よ……!」
魔王「ワシの真の力を抑え込むとは……み、見事だ……!」
勇者「何言ってるんだ! 立て、魔王!」
勇者「お前の力は、そんなもんじゃない筈だ!」
ズシャッ!
勇者「!? どうした、魔王!?」
勇者「何てこった……どんどん力が弱まってる!」
魔王「ゆ、勇者よ……!」
魔王「ワシの真の力を抑え込むとは……み、見事だ……!」
勇者「何言ってるんだ! 立て、魔王!」
勇者「お前の力は、そんなもんじゃない筈だ!」
858: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/28(水) 23:24:10.37 ID:A5ybnzRno
勇者「死ぬな! しっかりしろ、魔王!」
魔王「ふ、ふははは……!」
魔王「――ワシは死なぬ!」
魔王「人の心に闇が有る限り、何度でも蘇る!」
勇者「本当か!? 良かった……良かった!」
魔王「ぐあああっ!?」
シュウウウッ…
勇者「ああっ!?」
勇者「ま……ま……魔王おおおおおおっ!!」
魔王「ふ、ふははは……!」
魔王「――ワシは死なぬ!」
魔王「人の心に闇が有る限り、何度でも蘇る!」
勇者「本当か!? 良かった……良かった!」
魔王「ぐあああっ!?」
シュウウウッ…
勇者「ああっ!?」
勇者「ま……ま……魔王おおおおおおっ!!」
859: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/28(水) 23:31:06.55 ID:A5ybnzRno
・ ・ ・
そして、月日は流れた……
勇者「……」
勇者(そろそろ……お迎えが来たみたいだな)
勇者(魔王……お前が消えて、世界は平和になった)
勇者(だが、俺はお前が復活するのを待ってたんだぜ……)
勇者(……いや、俺だけじゃない)
勇者(世界中の子供が、お前の変身を見たいと思ってるんだ)
勇者「俺が……ちゃんと、語り継ぐ様に言っておいたぞ」
そして、月日は流れた……
勇者「……」
勇者(そろそろ……お迎えが来たみたいだな)
勇者(魔王……お前が消えて、世界は平和になった)
勇者(だが、俺はお前が復活するのを待ってたんだぜ……)
勇者(……いや、俺だけじゃない)
勇者(世界中の子供が、お前の変身を見たいと思ってるんだ)
勇者「俺が……ちゃんと、語り継ぐ様に言っておいたぞ」
860: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/28(水) 23:36:30.42 ID:A5ybnzRno
勇者「お前の変身は……物凄く格好良い、って」
勇者「人の心に闇が有る限り、お前は蘇る、って」
勇者(皆……お前が復活するのを待ってるんだ)
勇者(世界中が……魔王の復活を待ってるんだ)
勇者(お前の変身を見たくてしょうがないんだ……)
勇者「……もしも、あの世で会えたなら」
勇者「見せてくれよ……お前の……」
勇者「変……身……」
…トサリ
おわり
勇者「人の心に闇が有る限り、お前は蘇る、って」
勇者(皆……お前が復活するのを待ってるんだ)
勇者(世界中が……魔王の復活を待ってるんだ)
勇者(お前の変身を見たくてしょうがないんだ……)
勇者「……もしも、あの世で会えたなら」
勇者「見せてくれよ……お前の……」
勇者「変……身……」
…トサリ
おわり
863: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/29(木) 20:54:36.47 ID:hgM56IV4o
書きます
勇者「皆、忘れ物は無いな?」
勇者「皆、忘れ物は無いな?」
864: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/29(木) 20:56:11.53 ID:hgM56IV4o
戦士「当たり前だろ、子供じゃねえんだから」
僧侶「いえ、あの」
勇者「ははっ、それもそうだな!」
僧侶「すみません、あの」
勇者・戦士「よし、出発するか!」
僧侶「賢者さんを置いていく気ですか!?」
僧侶「いえ、あの」
勇者「ははっ、それもそうだな!」
僧侶「すみません、あの」
勇者・戦士「よし、出発するか!」
僧侶「賢者さんを置いていく気ですか!?」
865: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/29(木) 20:59:12.01 ID:hgM56IV4o
勇者「僧侶、この旅はとても辛いものだ」
僧侶「はい、それはわかってます」
戦士「賢者は、気が強いがあれでも女だからな」
僧侶「はい、私も女です」
勇者・戦士「よし、出発しよう!」
僧侶「!? 待ってください待ってください!」
僧侶「はい、それはわかってます」
戦士「賢者は、気が強いがあれでも女だからな」
僧侶「はい、私も女です」
勇者・戦士「よし、出発しよう!」
僧侶「!? 待ってください待ってください!」
866: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/29(木) 21:01:47.02 ID:hgM56IV4o
勇者「俺だって、黙って別れたくはないさ」
僧侶「だったら」
戦士「だが、顔を合わせたら辛くなる」
僧侶「その、ですから」
勇者・戦士「よし、出発しよう!」
僧侶「宿屋に置いてきちゃっただけですよね!?」
僧侶「それで、怒られるのが怖いだけですよね!?」
僧侶「だったら」
戦士「だが、顔を合わせたら辛くなる」
僧侶「その、ですから」
勇者・戦士「よし、出発しよう!」
僧侶「宿屋に置いてきちゃっただけですよね!?」
僧侶「それで、怒られるのが怖いだけですよね!?」
867: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/29(木) 21:06:30.24 ID:hgM56IV4o
僧侶「私は、教会に寄ってから合流するって言いましたよね!?」
勇者「……ああ」
僧侶「それで、どうしてお二人だけが街の入り口に!?」
戦士「……いや」
勇者「こう……門に背中を預けて、さ」
戦士「――よう、遅かったじゃねえか……ってのをな」
勇者・戦士「偶然……俺たち二人共、やりたくなっちゃって」
僧侶「なんでそんな所で息ピッタリなんですか!」
勇者「……ああ」
僧侶「それで、どうしてお二人だけが街の入り口に!?」
戦士「……いや」
勇者「こう……門に背中を預けて、さ」
戦士「――よう、遅かったじゃねえか……ってのをな」
勇者・戦士「偶然……俺たち二人共、やりたくなっちゃって」
僧侶「なんでそんな所で息ピッタリなんですか!」
868: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/29(木) 21:09:26.15 ID:hgM56IV4o
僧侶「じゃあ、賢者さんはまだ宿に居るんですね!?」
勇者「……ああ、多分」
僧侶「だったら、すぐに迎えに行きましょうよ!」
戦士「……それは、アレだ」
勇者「……多分、察してると思うんだよ」
戦士「宿前で待ち合わせだったのに、俺達が居ない理由な」
勇者・戦士「……確実にブチ切れてる」
僧侶「当たり前じゃないですか!」
勇者「……ああ、多分」
僧侶「だったら、すぐに迎えに行きましょうよ!」
戦士「……それは、アレだ」
勇者「……多分、察してると思うんだよ」
戦士「宿前で待ち合わせだったのに、俺達が居ない理由な」
勇者・戦士「……確実にブチ切れてる」
僧侶「当たり前じゃないですか!」
869: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/29(木) 21:12:51.24 ID:hgM56IV4o
僧侶「ほら! 早く賢者さんを迎えに行きましょう!」
勇者「僧侶!? 今の話を聞いてなかったのか!?」
僧侶「聞いてましたよ! ほら、行きますよ!」
戦士「待て! 待ってくれ、僧侶!」
勇者「賢者の怒り方は、何て言うか……賢いんだよ!」
戦士「理詰めで、反論も出来ずに……なんか、こう!」
勇者・戦士「泣きそうになるんだよ!!」
僧侶「……成る程」
僧侶「――だから!?」
勇者「僧侶!? 今の話を聞いてなかったのか!?」
僧侶「聞いてましたよ! ほら、行きますよ!」
戦士「待て! 待ってくれ、僧侶!」
勇者「賢者の怒り方は、何て言うか……賢いんだよ!」
戦士「理詰めで、反論も出来ずに……なんか、こう!」
勇者・戦士「泣きそうになるんだよ!!」
僧侶「……成る程」
僧侶「――だから!?」
870: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/29(木) 21:18:47.36 ID:hgM56IV4o
・ ・ ・
賢者「……」オオォォ…!
勇者「ほらあああ! めっちゃ怒ってるものおおお!」
戦士「何て眼光だ! 真っ直ぐ勇者を射抜いてやがる!」
勇者「はあ!? 俺じゃなくてお前だろ!?」
戦士「馬鹿言うんじゃねえよ! 絶対にそっちだっての!」
勇者・戦士「……!」
勇者・戦士「どっちを睨んでるか、街の外で決闘で決めるぞ!」
僧侶「戦いに逃げないでくださいよ!」
賢者「……」オオォォ…!
勇者「ほらあああ! めっちゃ怒ってるものおおお!」
戦士「何て眼光だ! 真っ直ぐ勇者を射抜いてやがる!」
勇者「はあ!? 俺じゃなくてお前だろ!?」
戦士「馬鹿言うんじゃねえよ! 絶対にそっちだっての!」
勇者・戦士「……!」
勇者・戦士「どっちを睨んでるか、街の外で決闘で決めるぞ!」
僧侶「戦いに逃げないでくださいよ!」
871: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/29(木) 21:22:28.41 ID:hgM56IV4o
賢者「……」オオォォ…!
勇者「……戦士、俺はわかってるんだぞ」
戦士「あぁ!? 何をだよ!?」
勇者「お前――賢者に惚れてるんだろ?」
戦士「なっ……!?」
勇者「惚れた女を置いて、お前は何をしてるんだよ!」
戦士「っ……!」
僧侶「えっ!? えっ、そうなんですか!? ええっ!?」
勇者「……戦士、俺はわかってるんだぞ」
戦士「あぁ!? 何をだよ!?」
勇者「お前――賢者に惚れてるんだろ?」
戦士「なっ……!?」
勇者「惚れた女を置いて、お前は何をしてるんだよ!」
戦士「っ……!」
僧侶「えっ!? えっ、そうなんですか!? ええっ!?」
872: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/29(木) 21:29:03.03 ID:hgM56IV4o
賢者「……」オオォォ…!
ちょいちょい
勇者「ひっ!? 指で『来い』ってやってるよおおお!?」
戦士「ゆっゆゆゆ、勇者! お前の出番だ!」
勇者「好きなんだろ!? お前が行けよ! 告れよ!」
戦士「今じゃないだろ! 今は無理だろ! 死ぬよ!」
勇者・戦士「……!」
勇者・戦士「僧侶、頼む!」
僧侶「二人が悪いんですから、駄目ですよ!」
ちょいちょい
勇者「ひっ!? 指で『来い』ってやってるよおおお!?」
戦士「ゆっゆゆゆ、勇者! お前の出番だ!」
勇者「好きなんだろ!? お前が行けよ! 告れよ!」
戦士「今じゃないだろ! 今は無理だろ! 死ぬよ!」
勇者・戦士「……!」
勇者・戦士「僧侶、頼む!」
僧侶「二人が悪いんですから、駄目ですよ!」
873: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/29(木) 21:32:38.07 ID:hgM56IV4o
賢者「……」オオォォ…!
ポイッ…ドサッ!
勇者「あ……あれは、俺の盾!? どうして!?」
戦士「はぁっはっはぁ! 馬鹿め! 今頃気付いたのか!」
勇者「っ!? おい、どういう事だ!?」
戦士「忘れ物だよ、勇者!」
戦士「おら! さっさと忘れ物を取りに行けやぁ!」
勇者「そ……そんなっ!?」
僧侶「えっ、ちょっと!? 伝説の盾を忘れてたんですか!?」
ポイッ…ドサッ!
勇者「あ……あれは、俺の盾!? どうして!?」
戦士「はぁっはっはぁ! 馬鹿め! 今頃気付いたのか!」
勇者「っ!? おい、どういう事だ!?」
戦士「忘れ物だよ、勇者!」
戦士「おら! さっさと忘れ物を取りに行けやぁ!」
勇者「そ……そんなっ!?」
僧侶「えっ、ちょっと!? 伝説の盾を忘れてたんですか!?」
874: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/29(木) 21:37:09.47 ID:hgM56IV4o
賢者「……」オオォォ…!
ポイッ…ドサッ!
勇者「嫌だ! 嫌だ、死にたくな――……ん? あれは?」
戦士「装備は、旅に必須! さあ、行け! さあさあさあさあ!」
勇者「……おい、あれを見ろ」
戦士「……」
戦士「お、おおお、俺の剣じゃねえか!?」
勇者「かっかっか! お前も忘れ物か、戦士ぃっ!」
僧侶「二人共、大事な物を忘れすぎでは!?」
ポイッ…ドサッ!
勇者「嫌だ! 嫌だ、死にたくな――……ん? あれは?」
戦士「装備は、旅に必須! さあ、行け! さあさあさあさあ!」
勇者「……おい、あれを見ろ」
戦士「……」
戦士「お、おおお、俺の剣じゃねえか!?」
勇者「かっかっか! お前も忘れ物か、戦士ぃっ!」
僧侶「二人共、大事な物を忘れすぎでは!?」
875: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/29(木) 21:43:53.24 ID:hgM56IV4o
賢者「……」オオォォ…!
――ハ――ヨ――コ――イ
勇者「く……口の動きだけで『はよ来い』ってやってるよおおお!」
戦士「ぅ慌てるな勇者ぁい! 何かの暗号の可能性もある!」
勇者「! さすがは戦士! 何の暗号か聞いてきてくれ!」
戦士「いや、俺は戦う事しか出来ない不器用な男だ!」
勇者・戦士「……」
勇者・戦士「――僧侶!」
僧侶「……!」
僧侶「もうっ! わかりましたよ!」
――ハ――ヨ――コ――イ
勇者「く……口の動きだけで『はよ来い』ってやってるよおおお!」
戦士「ぅ慌てるな勇者ぁい! 何かの暗号の可能性もある!」
勇者「! さすがは戦士! 何の暗号か聞いてきてくれ!」
戦士「いや、俺は戦う事しか出来ない不器用な男だ!」
勇者・戦士「……」
勇者・戦士「――僧侶!」
僧侶「……!」
僧侶「もうっ! わかりましたよ!」
876: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/29(木) 21:47:33.29 ID:hgM56IV4o
・ ・ ・
賢者「――」
僧侶「――」
勇者「おい、戦士……二人の会話が聞こえるか?」
戦士「いや、自分の心臓の音がうるさくて聞こえねえ」
勇者「奇遇だな、俺はそれに加えて耳鳴りもしてきた」
戦士「恐怖でか? 何言って――あ、俺もしてきた」
僧侶「――」
ちょいちょい
勇者・戦士「……手招き?」
賢者「――」
僧侶「――」
勇者「おい、戦士……二人の会話が聞こえるか?」
戦士「いや、自分の心臓の音がうるさくて聞こえねえ」
勇者「奇遇だな、俺はそれに加えて耳鳴りもしてきた」
戦士「恐怖でか? 何言って――あ、俺もしてきた」
僧侶「――」
ちょいちょい
勇者・戦士「……手招き?」
877: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/29(木) 21:50:52.93 ID:hgM56IV4o
賢者・僧侶「……」
勇者「なあ……どう思う?」
戦士「賢者が、僧侶を使って俺達をおびき寄せようとしてるな」
勇者「成る程、恐ろしい程に思考が冴え渡ってるな」
戦士「生きるってのは、戦う事だからな」
僧侶「――」
ちょいちょい
勇者・戦士「……」
勇者「なあ……どう思う?」
戦士「賢者が、僧侶を使って俺達をおびき寄せようとしてるな」
勇者「成る程、恐ろしい程に思考が冴え渡ってるな」
戦士「生きるってのは、戦う事だからな」
僧侶「――」
ちょいちょい
勇者・戦士「……」
878: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/29(木) 21:58:00.90 ID:hgM56IV4o
賢者・僧侶「……」
…スッ
勇者「二人が持ってる袋……あれは……」
戦士「財布に……道具袋!?」
勇者「お前、持って出なかったのかよ!?」
戦士「後から来るお前が持ってくると思ったんだよ!」
勇者「俺だってそうだよ! 何やってんだ!?」
戦士「そりゃこっちの台詞だ! それでも勇者か!」
賢者・僧侶「……」ニコリ
ちょいちょい
勇者・戦士「……!」
…スッ
勇者「二人が持ってる袋……あれは……」
戦士「財布に……道具袋!?」
勇者「お前、持って出なかったのかよ!?」
戦士「後から来るお前が持ってくると思ったんだよ!」
勇者「俺だってそうだよ! 何やってんだ!?」
戦士「そりゃこっちの台詞だ! それでも勇者か!」
賢者・僧侶「……」ニコリ
ちょいちょい
勇者・戦士「……!」
879: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/29(木) 22:05:43.05 ID:hgM56IV4o
・ ・ ・
賢者「――本当、男ってどうしてああなのかしら」
僧侶「全くです! まさか、あんなに忘れ物をしてるなんて!」
賢者「格好つける事ばっかり考えてたからでしょ」
僧侶「二人共、反省してくださいね!?」
勇者・戦士「――すみませんでした!」
賢者・僧侶「……」
賢者・僧侶「……はぁ」
賢者「――本当、男ってどうしてああなのかしら」
僧侶「全くです! まさか、あんなに忘れ物をしてるなんて!」
賢者「格好つける事ばっかり考えてたからでしょ」
僧侶「二人共、反省してくださいね!?」
勇者・戦士「――すみませんでした!」
賢者・僧侶「……」
賢者・僧侶「……はぁ」
880: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/29(木) 22:19:07.75 ID:hgM56IV4o
賢者「忘れ物をして怒られそうだからって……」
僧侶「はい! それで、賢者さんを置いて行こうとするなんて!」
賢者「ん? 私を……置いて行こうと?」
僧侶「はい! 逃げようとしてたんですよ、二人共!」
賢者「……」
勇者「忘れちまったよ、そんな昔の事」
戦士「振り向いてばかりいちゃ、真っ直ぐ進めないぜ」
賢者「……わかったわ」
賢者「――思い出させて」
賢者「忘れられないようにしてあげる」
おわり
僧侶「はい! それで、賢者さんを置いて行こうとするなんて!」
賢者「ん? 私を……置いて行こうと?」
僧侶「はい! 逃げようとしてたんですよ、二人共!」
賢者「……」
勇者「忘れちまったよ、そんな昔の事」
戦士「振り向いてばかりいちゃ、真っ直ぐ進めないぜ」
賢者「……わかったわ」
賢者「――思い出させて」
賢者「忘れられないようにしてあげる」
おわり
881: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/30(金) 23:32:31.37 ID:AwOcixrmo
書きます
男「先生、勇者と魔王に挟まれてます」
男「先生、勇者と魔王に挟まれてます」
882: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/30(金) 23:35:45.51 ID:AwOcixrmo
勇者「魔王……まさか、お前も生まれ変わったのか」
男「左隣が勇者みたいです」
魔王「勇者……まさか、この様な形で相見えようとは」
男「右隣が魔王みたいです」
勇者・魔王「……!」
先生「それじゃ、最初のHR始めるぞー」
男「先生、俺の最期が始まりそうです」
男「左隣が勇者みたいです」
魔王「勇者……まさか、この様な形で相見えようとは」
男「右隣が魔王みたいです」
勇者・魔王「……!」
先生「それじゃ、最初のHR始めるぞー」
男「先生、俺の最期が始まりそうです」
883: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/30(金) 23:38:15.42 ID:AwOcixrmo
勇者「その様子だと、お前も普通に暮らしているらしいな」
男「先生」
魔王「当然だろう。今の余は、普通の女子高生よ」
男「先生」
勇者・魔王「……!」
先生「今日から、俺がお前達の担任だ」
男「先生、俺の担任は今日で最後かも知れません」
男「先生」
魔王「当然だろう。今の余は、普通の女子高生よ」
男「先生」
勇者・魔王「……!」
先生「今日から、俺がお前達の担任だ」
男「先生、俺の担任は今日で最後かも知れません」
884: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/30(金) 23:41:50.64 ID:AwOcixrmo
勇者「ふん! 世界を震え上がらせたお前が、普通?」
男「先生」
魔王「そう言う貴様も、以前の勇猛さは欠片も見られんぞ」
男「先生」
勇者・魔王「……!」
先生「それじゃ、出欠を取りがてら自己紹介をして貰おうかな」
男「先生、両隣の情報が嫌でも入ってきます」
男「先生」
魔王「そう言う貴様も、以前の勇猛さは欠片も見られんぞ」
男「先生」
勇者・魔王「……!」
先生「それじゃ、出欠を取りがてら自己紹介をして貰おうかな」
男「先生、両隣の情報が嫌でも入ってきます」
885: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/30(金) 23:44:53.29 ID:AwOcixrmo
勇者「……まさか、同じ高校、同じクラスになるとは」
男「先生」
魔王「……ふふっ、運命とは皮肉なものだな、勇者」
男「先生」
勇者・魔王「……!」
先生「出席番号一番からだから、こっちからだな」
男「先生、俺の明日はどっちですか」
男「先生」
魔王「……ふふっ、運命とは皮肉なものだな、勇者」
男「先生」
勇者・魔王「……!」
先生「出席番号一番からだから、こっちからだな」
男「先生、俺の明日はどっちですか」
886: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/30(金) 23:47:37.96 ID:AwOcixrmo
勇者「だが……見過ごすわけには行かない」パァァ…!
男「眩しい」
魔王「ほう……ここで、先の戦いの決着をつけるか?」ボォォ…!
男「熱い」
勇者・魔王「……!」
先生「全員に聞こえるよう、大きな声で頼むぞー」
男「勇者と魔王に挟まれてるの助けてええええええっ!!」
男「眩しい」
魔王「ほう……ここで、先の戦いの決着をつけるか?」ボォォ…!
男「熱い」
勇者・魔王「……!」
先生「全員に聞こえるよう、大きな声で頼むぞー」
男「勇者と魔王に挟まれてるの助けてええええええっ!!」
887: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/30(金) 23:53:05.71 ID:AwOcixrmo
勇者「そのつもりで、結界を張ったんだろう」
男「ちょっとおおお! ねえええ!」
魔王「貴様も、余と同じ結界を張っているではないか」
男「聞いてえええ! 助けてえええ!」
勇者「結界内で起こっている出来事は――」
魔王「――外には、一切影響を与える事は無い」
先生「……はい、拍手ー!」
男「凄いねええええええ!!」
パチパチパチパチ!!
男「ちょっとおおお! ねえええ!」
魔王「貴様も、余と同じ結界を張っているではないか」
男「聞いてえええ! 助けてえええ!」
勇者「結界内で起こっている出来事は――」
魔王「――外には、一切影響を与える事は無い」
先生「……はい、拍手ー!」
男「凄いねええええええ!!」
パチパチパチパチ!!
888: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 00:02:23.27 ID:m3Ry9jdko
男「ねえ、どうして俺を巻き込んだの!?」
勇者「すまない、咄嗟の事で……つい」
男「やっぱり、俺の事は無視してただけなんだね!?」
魔王「旧知の人間と出会ったのだ、許せ」
勇者「……魔王、話は後だ」
魔王「……ああ」
魔王「もうすぐ――余の自己紹介の番だからな」
先生「……はい、拍手ー!」
男「くそったれええええええ!!」
パチパチパチパチ!!
勇者「すまない、咄嗟の事で……つい」
男「やっぱり、俺の事は無視してただけなんだね!?」
魔王「旧知の人間と出会ったのだ、許せ」
勇者「……魔王、話は後だ」
魔王「……ああ」
魔王「もうすぐ――余の自己紹介の番だからな」
先生「……はい、拍手ー!」
男「くそったれええええええ!!」
パチパチパチパチ!!
889: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 00:07:24.96 ID:m3Ry9jdko
・ ・ ・
魔王「――待たせたな」
勇者「魔王、お前は……変わったな」
魔王「人の身になったのだ、変わらぬ方が不思議と言うものよ」
勇者「いや、そう言う事じゃない」
先生「……終わりか? あー……はい、拍手ー!」
男「あはっはっはっは! 声ちっさ! 照れ屋かよ!」
パチパチパチパチ!!
魔王「殺すぞ」
魔王「――待たせたな」
勇者「魔王、お前は……変わったな」
魔王「人の身になったのだ、変わらぬ方が不思議と言うものよ」
勇者「いや、そう言う事じゃない」
先生「……終わりか? あー……はい、拍手ー!」
男「あはっはっはっは! 声ちっさ! 照れ屋かよ!」
パチパチパチパチ!!
魔王「殺すぞ」
890: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 00:12:50.15 ID:m3Ry9jdko
勇者「魔王、お前に何があった?」
魔王「たかが人間と見下して生きてきたら、こうなっていた」
勇者「お前も、人の身になったと言うのに……」
魔王「パパとママは、無理をしなくて良いと言っている」
先生「……はい、拍手ー!」
男「あはっはっは! っひっひっひ!」
パチパチパチパチ!!
魔王「……本当に殺すぞ」
魔王「たかが人間と見下して生きてきたら、こうなっていた」
勇者「お前も、人の身になったと言うのに……」
魔王「パパとママは、無理をしなくて良いと言っている」
先生「……はい、拍手ー!」
男「あはっはっは! っひっひっひ!」
パチパチパチパチ!!
魔王「……本当に殺すぞ」
891: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 00:17:51.55 ID:m3Ry9jdko
勇者「……ふん! 随分とだらしないな!」
魔王「何だと?」
勇者「この勇者が、お前に手本を見せてやろう」
魔王「……ほう、面白い」
先生「……はい、拍手ー!」
男「もうすぐ俺の自己紹介なんだけど、結界解いてくれる?」
勇者「すまないが……この事は、黙っていて貰えるか?」
魔王「喋ればどうなるか……わからないとは言わせぬぞ?」
男「……うい」
魔王「何だと?」
勇者「この勇者が、お前に手本を見せてやろう」
魔王「……ほう、面白い」
先生「……はい、拍手ー!」
男「もうすぐ俺の自己紹介なんだけど、結界解いてくれる?」
勇者「すまないが……この事は、黙っていて貰えるか?」
魔王「喋ればどうなるか……わからないとは言わせぬぞ?」
男「……うい」
892: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 00:23:52.72 ID:m3Ry9jdko
・ ・ ・
勇者「……次が、私の番だな」
魔王「家が学校の近くと言っていたが?」
男「うん、チャリで10分。って言うか、普通に話せるのな」
魔王「この口調ならば、造作もない」
男「その口調で喋ったら、物凄く浮くだろうな」
先生「……はい、拍手ー!」
勇者「あの……見ていろ? 魔王?」
勇者「……次が、私の番だな」
魔王「家が学校の近くと言っていたが?」
男「うん、チャリで10分。って言うか、普通に話せるのな」
魔王「この口調ならば、造作もない」
男「その口調で喋ったら、物凄く浮くだろうな」
先生「……はい、拍手ー!」
勇者「あの……見ていろ? 魔王?」
893: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 00:28:07.23 ID:m3Ry9jdko
・ ・ ・
勇者「――どうだ、魔王」
魔王「勇者、貴様……まさか!?」
勇者「ふっ……私はもう、以前の私では無い」
魔王「っ……!?」
先生「……はい、拍手ー!」
男「ギャルっぽく喋ってたけど、高校デビュー?」
パチパチパチパチ…
勇者「何っ!? 何故、それを見破った!?」
勇者「――どうだ、魔王」
魔王「勇者、貴様……まさか!?」
勇者「ふっ……私はもう、以前の私では無い」
魔王「っ……!?」
先生「……はい、拍手ー!」
男「ギャルっぽく喋ってたけど、高校デビュー?」
パチパチパチパチ…
勇者「何っ!? 何故、それを見破った!?」
894: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 00:34:08.42 ID:m3Ry9jdko
魔王「くっくっく……高校デビューだと?」
勇者「くうっ!? しまった……!」
魔王「はっはっは! 愚かなり、勇者!」
勇者「特訓をしたと言うのに……!」
先生「……はい、拍手ー!」
男「まあでも、かなりそれっぽかったよ」
パチパチパチパチ…
勇者「……下手な慰めはよしてくれ!」
勇者「くうっ!? しまった……!」
魔王「はっはっは! 愚かなり、勇者!」
勇者「特訓をしたと言うのに……!」
先生「……はい、拍手ー!」
男「まあでも、かなりそれっぽかったよ」
パチパチパチパチ…
勇者「……下手な慰めはよしてくれ!」
895: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 00:40:23.92 ID:m3Ry9jdko
魔王「……確かに、余も貴様がギャルと錯覚したぞ」
勇者「本当か!? モテそうか!?」
魔王「モテ? 勇者よ、貴様……それが目的か?」
勇者「そうだ! 私は……恋が! 青春がしたい!」
先生「……はい、拍手ー!」
男「勉強しろよ」
パチパチパチパチ…
勇者「良いじゃないか!……良いじゃないか!」
勇者「本当か!? モテそうか!?」
魔王「モテ? 勇者よ、貴様……それが目的か?」
勇者「そうだ! 私は……恋が! 青春がしたい!」
先生「……はい、拍手ー!」
男「勉強しろよ」
パチパチパチパチ…
勇者「良いじゃないか!……良いじゃないか!」
896: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 00:50:52.82 ID:m3Ry9jdko
勇者「あの頃は、そんな余裕なんて無かったんだ!」
男「でも、多分クラス全員が高校デビューって見抜いたぞ」
魔王「……当然、余も見抜いていたがな」
男「錯覚したって言ってたじゃねーか」
勇者・魔王「……!」
先生「……はい、拍手ー!」
先生「さて、それじゃあ自己紹介も終わったことだし……」
先生「早速、席替えでもするか?」
男「!!」
男「でも、多分クラス全員が高校デビューって見抜いたぞ」
魔王「……当然、余も見抜いていたがな」
男「錯覚したって言ってたじゃねーか」
勇者・魔王「……!」
先生「……はい、拍手ー!」
先生「さて、それじゃあ自己紹介も終わったことだし……」
先生「早速、席替えでもするか?」
男「!!」
897: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 00:56:23.72 ID:m3Ry9jdko
・ ・ ・
魔王「――くっ! まさか、勇者に背を向ける事になるとは!」
男「前の席が魔王です」
勇者「魔王、おかしな真似をしたら……わかっているな?」
男「後ろの席が勇者です」
勇者・魔王「……!」
先生「黒板の字が見えないとか、問題ある奴は居ないなー?」
男「先生、勇者と魔王に挟まれてます」
おわり
魔王「――くっ! まさか、勇者に背を向ける事になるとは!」
男「前の席が魔王です」
勇者「魔王、おかしな真似をしたら……わかっているな?」
男「後ろの席が勇者です」
勇者・魔王「……!」
先生「黒板の字が見えないとか、問題ある奴は居ないなー?」
男「先生、勇者と魔王に挟まれてます」
おわり
900: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 14:07:51.54 ID:m3Ry9jdko
続けてみます
勇者「買い食い……」魔王「だと……!?」
勇者「買い食い……」魔王「だと……!?」
901: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 14:11:03.72 ID:m3Ry9jdko
勇者「馬鹿な! 何を考えている!?」
魔王「貴様! 何を購入するつもりだ!」
勇者「魔王!? まさか、お前まで!?」
魔王「慌てるな、勇者。参考までに、聞いておくだけよ」
男「アイス食べたい」
勇者「この寒空の中……!?」
魔王「アイスを……!?」
魔王「貴様! 何を購入するつもりだ!」
勇者「魔王!? まさか、お前まで!?」
魔王「慌てるな、勇者。参考までに、聞いておくだけよ」
男「アイス食べたい」
勇者「この寒空の中……!?」
魔王「アイスを……!?」
902: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 14:16:46.30 ID:m3Ry9jdko
勇者「確かに、この世界のアイスは美味い!」
魔王「うむ……様々な味覚で舌を楽しませてくれるな」
勇者「だが! 校則では、買い食いは禁止されている筈!」
魔王「! 見ろ、勇者!」
勇者「――もう、店内に入っているだと!?」
魔王「奴め……この魔王をも凌ぐ程の力を持っているのか……!」
魔王「うむ……様々な味覚で舌を楽しませてくれるな」
勇者「だが! 校則では、買い食いは禁止されている筈!」
魔王「! 見ろ、勇者!」
勇者「――もう、店内に入っているだと!?」
魔王「奴め……この魔王をも凌ぐ程の力を持っているのか……!」
903: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 14:22:15.09 ID:m3Ry9jdko
勇者「……私も店内に入り、何か買う」
魔王「!? 一度、家に帰ってからではなく……!?」
勇者「ああ、そうだ!」
魔王「ば、馬鹿な……!」
勇者「――今の私は、ギャルJK!」
勇者「学校帰りにコンビニに寄る事に、躊躇う必要は無い!」
魔王「この気迫……本気のようだな」
魔王「!? 一度、家に帰ってからではなく……!?」
勇者「ああ、そうだ!」
魔王「ば、馬鹿な……!」
勇者「――今の私は、ギャルJK!」
勇者「学校帰りにコンビニに寄る事に、躊躇う必要は無い!」
魔王「この気迫……本気のようだな」
904: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 14:26:51.70 ID:m3Ry9jdko
勇者「……私は、今まで勇者として正しくあろうと生きてきた」
魔王「確かに、予習復習もキッチリとやってきているな」
勇者「規則を破る等、あってはならないと思ってきた!」
勇者「――だが、私は生まれ変わった!」
勇者「ギャルならば、買い食い一つ出来ずしt」
男「それじゃ、お先~」
勇者「待って待って待って待って!」
がしいっ!
魔王「確かに、予習復習もキッチリとやってきているな」
勇者「規則を破る等、あってはならないと思ってきた!」
勇者「――だが、私は生まれ変わった!」
勇者「ギャルならば、買い食い一つ出来ずしt」
男「それじゃ、お先~」
勇者「待って待って待って待って!」
がしいっ!
905: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 14:33:11.87 ID:m3Ry9jdko
勇者「お前は、私を見捨てるというのか!?」
男「意味がわからない」
勇者「私に、学校帰りに一人でコンビニに寄れと!?」
男「そんな事は一言も言ってない」
勇者「頼む! 私と一緒に戦ってくれ!」
勇者「同じ人間……仲間だろう!?」
男「クラスメイトだ」
男「意味がわからない」
勇者「私に、学校帰りに一人でコンビニに寄れと!?」
男「そんな事は一言も言ってない」
勇者「頼む! 私と一緒に戦ってくれ!」
勇者「同じ人間……仲間だろう!?」
男「クラスメイトだ」
906: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 14:38:08.93 ID:m3Ry9jdko
魔王「ふはははは! 臆したか、勇者よ!」
男「なんで偉そうなの」
魔王「所詮は、貴様のギャルなど付け焼き刃にすぎん!」
男「付け焼き刃って」
魔王「貴様は、買い食いなど出来はせぬわ!」
魔王「そこに居る、余の配下の足元にも及ばぬ!」
男「クラスメイトだ」
男「なんで偉そうなの」
魔王「所詮は、貴様のギャルなど付け焼き刃にすぎん!」
男「付け焼き刃って」
魔王「貴様は、買い食いなど出来はせぬわ!」
魔王「そこに居る、余の配下の足元にも及ばぬ!」
男「クラスメイトだ」
907: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 14:44:01.00 ID:m3Ry9jdko
勇者「頼む! 私と共に、店内に!」
魔王「聞くことはない! 捨て置け!」
勇者「魔王!? 私の邪魔をするつもりか!?」
魔王「ふはは! その絶望の表情、実に心地良いぞ!」
男「……じゃあ、このパピコあげるから」
男「二つに割って、二人で食べてろよ」
勇者・魔王「何ぃっ!?」
魔王「聞くことはない! 捨て置け!」
勇者「魔王!? 私の邪魔をするつもりか!?」
魔王「ふはは! その絶望の表情、実に心地良いぞ!」
男「……じゃあ、このパピコあげるから」
男「二つに割って、二人で食べてろよ」
勇者・魔王「何ぃっ!?」
908: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 14:48:56.20 ID:m3Ry9jdko
勇者「お……お前は、戦利品を私達に!?」
男「戦利品て」
魔王「貢ぎ物のつもりか? 貴様、何を考えている!」
男「貢ぎ物て」
男「……大したことじゃない」
男「アイスを持って外に出たら『あっ、寒い』って思った」
男「その瞬間――肉まんの気分になっただけさ」
勇者「肉まん……!?」
魔王「だと……!?」
男「戦利品て」
魔王「貢ぎ物のつもりか? 貴様、何を考えている!」
男「貢ぎ物て」
男「……大したことじゃない」
男「アイスを持って外に出たら『あっ、寒い』って思った」
男「その瞬間――肉まんの気分になっただけさ」
勇者「肉まん……!?」
魔王「だと……!?」
909: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 14:58:09.18 ID:m3Ry9jdko
勇者「くっ……肉まんなら――食べたい!」
魔王「貴様……! 余をどこまで惑わすつもりだ!」
勇者・魔王「……!」
男「……一つだけ言っておく」
男「さすがに、二人に肉まんは買ってこないからね?」
男「アイスをあげるのだって、どうしようか迷ったんだから」
勇者・魔王「そんなっ!?」
魔王「貴様……! 余をどこまで惑わすつもりだ!」
勇者・魔王「……!」
男「……一つだけ言っておく」
男「さすがに、二人に肉まんは買ってこないからね?」
男「アイスをあげるのだって、どうしようか迷ったんだから」
勇者・魔王「そんなっ!?」
910: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 15:06:56.52 ID:m3Ry9jdko
勇者「ど、どうして買ってきてはくれないんだ!?」
男「お金が無いからだ」
魔王「ええい、嘘を申すな! 高々数百円だぞ!」
男「無いものは無い」
男「……男子の小遣いってのは、女子よりも低いんだ!」
勇者「……あー」
魔王「……うむ」
男「お金が無いからだ」
魔王「ええい、嘘を申すな! 高々数百円だぞ!」
男「無いものは無い」
男「……男子の小遣いってのは、女子よりも低いんだ!」
勇者「……あー」
魔王「……うむ」
911: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 15:12:20.81 ID:m3Ry9jdko
勇者「それなのに……手に入れたパピコを」
男「ああ、そうだ」
魔王「寒さを感じたからと言って、手放すとは……」
男「勿論、それだけじゃない」
男「今日のこの出来事が尾を引き……」
男「明日、俺を挟んで前後でやりとりされると嫌だなぁ、って」
男「……そう、思ったんだ」
勇者・魔王「……」
男「ああ、そうだ」
魔王「寒さを感じたからと言って、手放すとは……」
男「勿論、それだけじゃない」
男「今日のこの出来事が尾を引き……」
男「明日、俺を挟んで前後でやりとりされると嫌だなぁ、って」
男「……そう、思ったんだ」
勇者・魔王「……」
912: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 15:18:00.12 ID:m3Ry9jdko
勇者「……約束しよう、そんな事はしないと」
男「勇者」
魔王「……うむ、余とてそこまで狭量ではない」
男「魔王」
勇者・魔王「――この、パピコに誓って!」
男「それじゃ、肉まん買ってくるけど……」
男「二人も買うなら、とりあえず店内入ろう」
勇者・魔王「!?」
男「勇者」
魔王「……うむ、余とてそこまで狭量ではない」
男「魔王」
勇者・魔王「――この、パピコに誓って!」
男「それじゃ、肉まん買ってくるけど……」
男「二人も買うなら、とりあえず店内入ろう」
勇者・魔王「!?」
913: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 15:26:08.87 ID:m3Ry9jdko
勇者「い、一緒に店内に入ってくれるのか!?」
男「うん、寒いし」
魔王「……良かろう、余の手を引く事を許可する」
男「えっ?」
勇者「! わ、私も頼んでいいだろうか!?」
男「……」
男「――恥ずかしいから、嫌だ」
勇者・魔王「っ……!?」
男「うん、寒いし」
魔王「……良かろう、余の手を引く事を許可する」
男「えっ?」
勇者「! わ、私も頼んでいいだろうか!?」
男「……」
男「――恥ずかしいから、嫌だ」
勇者・魔王「っ……!?」
914: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 15:34:07.21 ID:m3Ry9jdko
勇者「恥ずかしい!? 買い食いは出来るのにか!?」
男「普通はそうだ」
魔王「己が身を恥ずかしがるとは、人間にしては良い心がけだ」
男「違う、そうじゃない」
勇者・魔王「ならば、何故だ!?」
男「いや……なんて言うか、ほら」
男「……なっ?」
勇者・魔王「……」
男「普通はそうだ」
魔王「己が身を恥ずかしがるとは、人間にしては良い心がけだ」
男「違う、そうじゃない」
勇者・魔王「ならば、何故だ!?」
男「いや……なんて言うか、ほら」
男「……なっ?」
勇者・魔王「……」
915: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 15:37:48.83 ID:m3Ry9jdko
勇者「……ならば、仕方ない」
ガシッ!
男「!? 左の手首を……!?」
魔王「うむ、致し方あるまい」
ガシッ!
男「!? 右の手首まで……!?」
勇者・魔王「――いざ、買い食い」
ガァキィ!
男「りょ、両方の腕の関節が……!」
男「ぐうっ、お、あああっ……!?」
ガシッ!
男「!? 左の手首を……!?」
魔王「うむ、致し方あるまい」
ガシッ!
男「!? 右の手首まで……!?」
勇者・魔王「――いざ、買い食い」
ガァキィ!
男「りょ、両方の腕の関節が……!」
男「ぐうっ、お、あああっ……!?」
917: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 15:44:54.22 ID:m3Ry9jdko
・ ・ ・
勇者「え、え~っとぉ、どれにしよっかなー」
魔王「……」
ガァキィ!
男「……」
店員「あの……痛く、無いんですか?」
勇者「やっぱりぃ、温かいの食べたいよねぇ~!」
魔王「……」
ガァキィ!
男「肉まん三つください」
店員「……かしこまりました、少々お待ち下さい」
おわり
勇者「え、え~っとぉ、どれにしよっかなー」
魔王「……」
ガァキィ!
男「……」
店員「あの……痛く、無いんですか?」
勇者「やっぱりぃ、温かいの食べたいよねぇ~!」
魔王「……」
ガァキィ!
男「肉まん三つください」
店員「……かしこまりました、少々お待ち下さい」
おわり
919: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 23:42:41.75 ID:m3Ry9jdko
書きます
男「友達は?」勇者「欲しい」魔王「要らぬ」
男「友達は?」勇者「欲しい」魔王「要らぬ」
920: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 23:45:59.30 ID:m3Ry9jdko
勇者「そう思い続けているのに、出来ない」
男「うん」
魔王「そう思い続け、孤高の存在でいる」
男「うん」
男「ここで、二人にお知らせがあるんだけど」
男「キミら――二人は、セットの扱いを受けている」
勇者・魔王「……セット?」
男「うん」
魔王「そう思い続け、孤高の存在でいる」
男「うん」
男「ここで、二人にお知らせがあるんだけど」
男「キミら――二人は、セットの扱いを受けている」
勇者・魔王「……セット?」
921: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 23:48:59.70 ID:m3Ry9jdko
勇者「……確かに、勇者と魔王は表と裏」
男「いや」
魔王「対極ではあるが、光と影と言うべきものだな」
男「違くて」
男「いつも二人は一緒に居るじゃん?」
男「つまり――女同士のゴニョゴニョだと思われている」
勇者・魔王「……ゴニョゴニョ?」
男「いや」
魔王「対極ではあるが、光と影と言うべきものだな」
男「違くて」
男「いつも二人は一緒に居るじゃん?」
男「つまり――女同士のゴニョゴニョだと思われている」
勇者・魔王「……ゴニョゴニョ?」
922: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 23:51:57.06 ID:m3Ry9jdko
勇者「ゴニョゴニョ? それは、流行の言葉か?」
男「ううん」
魔王「女同士の? 性別に、何の関係があると言うのだ?」
男「そうじゃなくて」
男「学校に、何故か一組は必ず居る……」
男「――あれ? もしかして、そうなの?」
男「……と思う、二人組だと思われてるんだ」
勇者・魔王「……?」
男「ううん」
魔王「女同士の? 性別に、何の関係があると言うのだ?」
男「そうじゃなくて」
男「学校に、何故か一組は必ず居る……」
男「――あれ? もしかして、そうなの?」
男「……と思う、二人組だと思われてるんだ」
勇者・魔王「……?」
923: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 23:55:35.05 ID:m3Ry9jdko
勇者「ハッキリ言ってくれ、皆にどう思われているんだ?」
男「言いにくいんだ」
魔王「申してみよ。余と勇者は、どう見えているのだ?」
男「まあ、ぶっちゃけ」
男「女同士で、付き合ってると思われてる」
男「だから皆、何となく遠慮して近づいて来ないんだ」
勇者・魔王「……」
勇者・魔王「!?」
男「言いにくいんだ」
魔王「申してみよ。余と勇者は、どう見えているのだ?」
男「まあ、ぶっちゃけ」
男「女同士で、付き合ってると思われてる」
男「だから皆、何となく遠慮して近づいて来ないんだ」
勇者・魔王「……」
勇者・魔王「!?」
924: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/01(土) 23:57:55.82 ID:m3Ry9jdko
勇者「私と魔王が!? 馬鹿な、有り得ん!」
男「うん」
魔王「何故、そう思われている? 理解出来ぬ」
男「うん」
男「例えば、授業中に二人でペアになる時」
男「二人は、誰を相手に選ぶ?」
勇者「魔王」魔王「勇者」
男「うん」
魔王「何故、そう思われている? 理解出来ぬ」
男「うん」
男「例えば、授業中に二人でペアになる時」
男「二人は、誰を相手に選ぶ?」
勇者「魔王」魔王「勇者」
925: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 00:00:44.80 ID:5+VAiEZTo
勇者「魔王から、目を離す訳にはいかないからな」
男「うん」
魔王「勇者ならば、余の相手も務まるというもの」
男「うん」
男「じゃあ、休み時間中」
男「二人は、誰と一緒に過ごしてる?」
勇者「魔王」魔王「勇者」
男「うん」
魔王「勇者ならば、余の相手も務まるというもの」
男「うん」
男「じゃあ、休み時間中」
男「二人は、誰と一緒に過ごしてる?」
勇者「魔王」魔王「勇者」
926: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 00:03:10.15 ID:5+VAiEZTo
勇者「魔王から、目を離す訳にはいかないからな」
男「さっき聞いた」
魔王「勇者ならば、話し相手も務まるというもの」
男「それも聞いた」
男「それじゃあ、帰る時」
男「二人は、誰と一緒に帰ってる?」
勇者「魔王」魔王「勇者」
男「さっき聞いた」
魔王「勇者ならば、話し相手も務まるというもの」
男「それも聞いた」
男「それじゃあ、帰る時」
男「二人は、誰と一緒に帰ってる?」
勇者「魔王」魔王「勇者」
927: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 00:06:37.54 ID:5+VAiEZTo
勇者「帰り道が、途中まで一緒なんだ」
男「普通の理由だ」
魔王「ふっ、余の方が此奴よりも家が学校に近い」
男「それは聞いてない」
男「勇者と魔王」
男「――いつも一緒に居ると思わない?」
勇者・魔王「思う」
勇者・魔王「……」
勇者・魔王「ああっ!?」
男「普通の理由だ」
魔王「ふっ、余の方が此奴よりも家が学校に近い」
男「それは聞いてない」
男「勇者と魔王」
男「――いつも一緒に居ると思わない?」
勇者・魔王「思う」
勇者・魔王「……」
勇者・魔王「ああっ!?」
928: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 00:10:50.27 ID:5+VAiEZTo
勇者「そんなっ!? まさか、それだけで!?」
魔王「腹立たしい限りだ! 余が、勇者と!?」
男「――結界を解いている時」
男「二人は、どんな風に呼び合ってる?」
勇者「まおちゃん」
魔王「ゆうちゃん」
男「……」
男「うん、そうだね」
魔王「腹立たしい限りだ! 余が、勇者と!?」
男「――結界を解いている時」
男「二人は、どんな風に呼び合ってる?」
勇者「まおちゃん」
魔王「ゆうちゃん」
男「……」
男「うん、そうだね」
929: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 00:14:46.12 ID:5+VAiEZTo
勇者「勇者と魔王だと、知られる訳にはいかないからな!」
男「うん」
魔王「余とて、無闇に騒動を起こそうとは思わぬ」
男「うん」
男「その呼び方をしてるの、お互いだけだよね」
勇者・魔王「そうだ」
勇者・魔王「……」
勇者・魔王「ああっ!?」
男「うん」
魔王「余とて、無闇に騒動を起こそうとは思わぬ」
男「うん」
男「その呼び方をしてるの、お互いだけだよね」
勇者・魔王「そうだ」
勇者・魔王「……」
勇者・魔王「ああっ!?」
930: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 00:20:09.96 ID:5+VAiEZTo
勇者「待ってくれ! 私の見た目は、ギャルなんだぞ!?」
男「うん」
魔王「見よ、この眼鏡を! 伊達ではあるが、清楚そのもの!」
男「うん」
男「表と裏、光と影とかじゃなく……」
男「陰キャと陽キャで、付き合ってると思われてる」
勇者「陽キャと……!?」
魔王「陰キャだと……!?」
男「うん」
魔王「見よ、この眼鏡を! 伊達ではあるが、清楚そのもの!」
男「うん」
男「表と裏、光と影とかじゃなく……」
男「陰キャと陽キャで、付き合ってると思われてる」
勇者「陽キャと……!?」
魔王「陰キャだと……!?」
931: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 00:24:39.17 ID:5+VAiEZTo
勇者「私は、誰とでも喋るぞ!?」
男「一番話してるのは、魔王だ」
魔王「余は、誰とも話さぬ!」
男「唯一話してるのは、勇者だ」
男「俺も、たまにこうやって会話に加わるけど、さ」
男「その時は、結界が張られてるのがほとんどだもの」
男「百合ップルの間に挟まれてる被害者扱い受けてるもの」
勇者・魔王「……!?」
男「一番話してるのは、魔王だ」
魔王「余は、誰とも話さぬ!」
男「唯一話してるのは、勇者だ」
男「俺も、たまにこうやって会話に加わるけど、さ」
男「その時は、結界が張られてるのがほとんどだもの」
男「百合ップルの間に挟まれてる被害者扱い受けてるもの」
勇者・魔王「……!?」
932: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 00:27:47.96 ID:5+VAiEZTo
勇者「ごっ、誤解をとかなくては! 今、すぐに!」
男「どうやって」
魔王「人と人とは、わかり合えるものだろう!?」
男「いやいや」
男「ムキになって否定すると、余計怪しい」
男「それに、実際? ただならぬ関係だし?」
勇者・魔王「違う! そうだが、違う!」
男「どうやって」
魔王「人と人とは、わかり合えるものだろう!?」
男「いやいや」
男「ムキになって否定すると、余計怪しい」
男「それに、実際? ただならぬ関係だし?」
勇者・魔王「違う! そうだが、違う!」
933: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 00:36:35.01 ID:5+VAiEZTo
勇者「私は、彼氏が欲しい! 恋がしたいんだ!」
男「……頑張れ!」
魔王「余は、静かに過ごしたい! おかしな噂になるなど!」
男「……頑張れ!」
男「二人の気持ちは、痛い程伝わってきた!」
男「……頑張れ! 頑張れ!」
勇者「そんな、無責任な!」
魔王「ええい、応援なぞ要らぬ!」
男「……頑張れ!」
魔王「余は、静かに過ごしたい! おかしな噂になるなど!」
男「……頑張れ!」
男「二人の気持ちは、痛い程伝わってきた!」
男「……頑張れ! 頑張れ!」
勇者「そんな、無責任な!」
魔王「ええい、応援なぞ要らぬ!」
934: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 00:42:13.97 ID:5+VAiEZTo
勇者「魔王の正体を知る仲間じゃないか!」
男「仲間じゃない」
魔王「余の配下ならば、何とかしてみせよ!」
男「配下じゃない」
男「……それで、何なんだけどさ」
男「昼休み、俺は友達と弁当を食べたいんだ」
勇者・魔王「……友達と?」
男「仲間じゃない」
魔王「余の配下ならば、何とかしてみせよ!」
男「配下じゃない」
男「……それで、何なんだけどさ」
男「昼休み、俺は友達と弁当を食べたいんだ」
勇者・魔王「……友達と?」
935: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 00:46:07.47 ID:5+VAiEZTo
勇者「そ、それは……お、男友達という事か?///」
男「うん、男友達だ」
魔王「と、友だと?/// 貴様、何を言っている?///」
男「昼休みの過ごし方だ」
勇者・魔王「……///」
男「だから、この結界を解いて欲しい」
男「……友達が、待ってるんだ」
勇者・魔王「……」
勇者・魔王「うん?」
男「うん、男友達だ」
魔王「と、友だと?/// 貴様、何を言っている?///」
男「昼休みの過ごし方だ」
勇者・魔王「……///」
男「だから、この結界を解いて欲しい」
男「……友達が、待ってるんだ」
勇者・魔王「……」
勇者・魔王「うん?」
936: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 00:48:59.28 ID:5+VAiEZTo
勇者「それは……私とお前は、仲間ではなく――」
勇者「――友達として過ごしたい」
勇者「……という意味では?」
男「無い」
魔王「貴様……余の配下では、満足出来ず――」
魔王「――余の友になりたい」
魔王「……という意味では?」
男「無い」
勇者・魔王「……」
勇者「――友達として過ごしたい」
勇者「……という意味では?」
男「無い」
魔王「貴様……余の配下では、満足出来ず――」
魔王「――余の友になりたい」
魔王「……という意味では?」
男「無い」
勇者・魔王「……」
937: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 00:55:41.56 ID:5+VAiEZTo
勇者「今日のお弁当のオカズは何か、楽しみだ」
魔王「貴様、そんな事も知らぬのか?」
勇者「どういう意味だ?……まさかっ!?」
魔王「その、まさかよ」
魔王「余は……ふふっ!」
魔王「ママに、料理を習いだしたのだ……!」
勇者「ば……馬鹿なっ!?」
勇者「魔力だけでなく、女子力までも高めようと!?」
男「いやあの、結界」
魔王「貴様、そんな事も知らぬのか?」
勇者「どういう意味だ?……まさかっ!?」
魔王「その、まさかよ」
魔王「余は……ふふっ!」
魔王「ママに、料理を習いだしたのだ……!」
勇者「ば……馬鹿なっ!?」
勇者「魔力だけでなく、女子力までも高めようと!?」
男「いやあの、結界」
938: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 01:02:52.18 ID:5+VAiEZTo
魔王「見るが良い……この、美しく焼かれた卵焼きをな!」
勇者「これを魔王が!? チョー美味しそうなんだケド!」
魔王「ふはは! どれ、一つくれてやろうではないか」
勇者「どれどれ……んっ、美味しい! 甘い卵焼き好き!」
魔王「卵に砂糖を加えるなど、菓子だけだと思っていたが……」
魔王「――この世界は、和食の素晴らしさを余に教えてくれた」
男「だから、結界」
勇者「これを魔王が!? チョー美味しそうなんだケド!」
魔王「ふはは! どれ、一つくれてやろうではないか」
勇者「どれどれ……んっ、美味しい! 甘い卵焼き好き!」
魔王「卵に砂糖を加えるなど、菓子だけだと思っていたが……」
魔王「――この世界は、和食の素晴らしさを余に教えてくれた」
男「だから、結界」
939: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 01:07:58.79 ID:5+VAiEZTo
勇者「私は……あっ、青椒肉絲!」
魔王「ほう、貴様の弁当も中々やるではないか」
勇者「……私は、幼い頃はピーマンが苦手だった」
魔王「うむ、苦味と青臭さが鼻につくからな」
勇者「だが、青椒肉絲と、ピーマンの肉詰めに出会った」
勇者「――この二つが、私の世界を広げてくれた」
男「それより、結界」
魔王「ほう、貴様の弁当も中々やるではないか」
勇者「……私は、幼い頃はピーマンが苦手だった」
魔王「うむ、苦味と青臭さが鼻につくからな」
勇者「だが、青椒肉絲と、ピーマンの肉詰めに出会った」
勇者「――この二つが、私の世界を広げてくれた」
男「それより、結界」
940: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 01:16:25.71 ID:5+VAiEZTo
勇者「魔王、一口どうだ? 美味いぞ」
魔王「余に施そうというのか?」
勇者「違う。借りを作りたくないだけだ」
魔王「ふむ……そういう事にしておくか」
男「勇者と魔王」
男「俺に嫌がらせをして、悪いとは?」
勇者・魔王「思わない」
勇者・魔王「友達じゃないから」
おわり
魔王「余に施そうというのか?」
勇者「違う。借りを作りたくないだけだ」
魔王「ふむ……そういう事にしておくか」
男「勇者と魔王」
男「俺に嫌がらせをして、悪いとは?」
勇者・魔王「思わない」
勇者・魔王「友達じゃないから」
おわり
942: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 21:58:07.35 ID:5+VAiEZTo
書きます
勇者「この戦いが終わったら、プロポーズするんだ」
勇者「この戦いが終わったら、プロポーズするんだ」
943: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 22:00:11.36 ID:5+VAiEZTo
戦士「うお、そりゃ本当か!?」
勇者「ああ、まあな」
戦士「はっは! そいつぁ死ぬわけにはいかないな!」
勇者「そうだな」
勇者「魔王を倒したら」
勇者「――故郷の幼馴染に、プロポーズするんだ」
戦士「……」
戦士「……故郷の幼馴染?」
勇者「ああ、まあな」
戦士「はっは! そいつぁ死ぬわけにはいかないな!」
勇者「そうだな」
勇者「魔王を倒したら」
勇者「――故郷の幼馴染に、プロポーズするんだ」
戦士「……」
戦士「……故郷の幼馴染?」
944: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 22:02:18.44 ID:5+VAiEZTo
戦士「故郷の?」
勇者「ああ、小さい頃はいつも一緒でな」
戦士「幼馴染?」
勇者「旅立つ時も、ずっと手を振ってくれてた」
勇者「――帰ってくるのをいつまでも待ってる」
勇者「そんな風に、笑いながら……な」
戦士「……」
戦士「……!?」
勇者「ああ、小さい頃はいつも一緒でな」
戦士「幼馴染?」
勇者「旅立つ時も、ずっと手を振ってくれてた」
勇者「――帰ってくるのをいつまでも待ってる」
勇者「そんな風に、笑いながら……な」
戦士「……」
戦士「……!?」
945: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 22:04:49.91 ID:5+VAiEZTo
戦士「なあ、勇者?」
勇者「? どうした、戦士」
戦士「お前にとって、僧侶はどんな存在だ?」
勇者「? 決まってるだろ」
勇者「僧侶は、大切な仲間だ」
勇者「旅が終わっても……そう、いつまでも、な」
戦士「……」
戦士「……!!?」
勇者「? どうした、戦士」
戦士「お前にとって、僧侶はどんな存在だ?」
勇者「? 決まってるだろ」
勇者「僧侶は、大切な仲間だ」
勇者「旅が終わっても……そう、いつまでも、な」
戦士「……」
戦士「……!!?」
946: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 22:08:36.87 ID:5+VAiEZTo
戦士「……勇者、お前に大事な話がある」
勇者「? どうした、戦士」
戦士「今の話をしたのは、俺だけか?」
勇者「いや、戦士だけじゃない」
勇者「さっき、僧侶にもこの話をした」
戦士「!?」
戦士「……!!?」
勇者「? どうした、戦士」
戦士「今の話をしたのは、俺だけか?」
勇者「いや、戦士だけじゃない」
勇者「さっき、僧侶にもこの話をした」
戦士「!?」
戦士「……!!?」
947: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 22:11:06.49 ID:5+VAiEZTo
戦士「僧侶に!? 言ったのか!?」
勇者「? ああ」
戦士「僧侶は、何て言ってた!?」
勇者「いや、特に何も言われなかったな」
勇者「……あ、そういえば」
勇者「何故か突然、神に祈りを捧げてたぞ」
戦士「ですよね!!」
勇者「? ああ」
戦士「僧侶は、何て言ってた!?」
勇者「いや、特に何も言われなかったな」
勇者「……あ、そういえば」
勇者「何故か突然、神に祈りを捧げてたぞ」
戦士「ですよね!!」
948: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 22:13:52.19 ID:5+VAiEZTo
戦士「なんで、今の話をする流れになったんだ!?」
勇者「いや、何でって……」
戦士「勇者、これは大事な質問だ!」
勇者「……ああ、何かな?」
勇者「魔王との戦いに生き残ったら、伝えたい事がある」
勇者「……って、真面目な顔で言われたんだ」
戦士「……」
戦士「……そっ……かぁ」
勇者「いや、何でって……」
戦士「勇者、これは大事な質問だ!」
勇者「……ああ、何かな?」
勇者「魔王との戦いに生き残ったら、伝えたい事がある」
勇者「……って、真面目な顔で言われたんだ」
戦士「……」
戦士「……そっ……かぁ」
949: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 22:17:32.33 ID:5+VAiEZTo
戦士「そう言われたら、お前も幼馴染の事言うよな」
勇者「ああ、大切な仲間だしな」
戦士「……どんな風に、祈りを捧げてたんだ?」
勇者「それが、かなり本格的でな」
勇者「こう、胸の十字架を握りしめてだ」
勇者「地面に額をこすりつけて」
勇者「――神よー!」
勇者「……って感じだった」
戦士「……なるほ……ど~」
勇者「ああ、大切な仲間だしな」
戦士「……どんな風に、祈りを捧げてたんだ?」
勇者「それが、かなり本格的でな」
勇者「こう、胸の十字架を握りしめてだ」
勇者「地面に額をこすりつけて」
勇者「――神よー!」
勇者「……って感じだった」
戦士「……なるほ……ど~」
950: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 22:21:21.60 ID:5+VAiEZTo
戦士「……それから、どうなったんだ?」
勇者「ん? ああ、いくつか質問されたな」
戦士「僧侶……」
勇者「だが、意味がわからないものが多かったんだ」
勇者「幼馴染を狙ってる、意地悪な村長の息子が居ないか」
勇者「……とかな?」
戦士「アイツ、何を期待してんだ!?」
勇者「ん? ああ、いくつか質問されたな」
戦士「僧侶……」
勇者「だが、意味がわからないものが多かったんだ」
勇者「幼馴染を狙ってる、意地悪な村長の息子が居ないか」
勇者「……とかな?」
戦士「アイツ、何を期待してんだ!?」
951: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 22:25:56.32 ID:5+VAiEZTo
戦士「居るのか!? そんな奴が!」
勇者「意地悪、ではないと思う」
戦士「居るのか!? 幼馴染を狙う村長の息子が!」
勇者「……まあ」
勇者「俺が村長の息子だ」
勇者「狙ってると言うか……もう、射止めてるな」
戦士「……」
戦士「お前、次期村長だったのな!」
勇者「意地悪、ではないと思う」
戦士「居るのか!? 幼馴染を狙う村長の息子が!」
勇者「……まあ」
勇者「俺が村長の息子だ」
勇者「狙ってると言うか……もう、射止めてるな」
戦士「……」
戦士「お前、次期村長だったのな!」
952: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 22:31:40.52 ID:5+VAiEZTo
戦士「……他に、どんな事を聞かれたんだ?」
勇者「幼馴染は、どんな人か……って聞かれたな」
戦士「あ、それは俺も気になる」
勇者「あー……何て言うか、な」
勇者「二つ年上だけど、可愛くて……」
勇者「あ、眼を見張るほどの美人って訳じゃないんだぜ?」
勇者「だけど、俺にとっちゃ世界で一番なんだ」
勇者「しっかり者ぶってるけど、抜けてる所もあっt」
戦士「おうけい、ストップ勇者」
勇者「幼馴染は、どんな人か……って聞かれたな」
戦士「あ、それは俺も気になる」
勇者「あー……何て言うか、な」
勇者「二つ年上だけど、可愛くて……」
勇者「あ、眼を見張るほどの美人って訳じゃないんだぜ?」
勇者「だけど、俺にとっちゃ世界で一番なんだ」
勇者「しっかり者ぶってるけど、抜けてる所もあっt」
戦士「おうけい、ストップ勇者」
953: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 22:38:55.75 ID:5+VAiEZTo
戦士「今みたいな事を僧侶に言った、と」
勇者「ああ、笑いながら最後まで聞いてくれたぞ」
戦士「最後まで語っちゃったのか」
勇者「ああ、そしてだ」
勇者「――僧侶は、そういう相手は居ないのか?」
勇者「って、聞いてみたんだよ」
戦士「……」
戦士「……ワーオ」
勇者「ああ、笑いながら最後まで聞いてくれたぞ」
戦士「最後まで語っちゃったのか」
勇者「ああ、そしてだ」
勇者「――僧侶は、そういう相手は居ないのか?」
勇者「って、聞いてみたんだよ」
戦士「……」
戦士「……ワーオ」
955: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 22:42:10.59 ID:5+VAiEZTo
戦士「お前は、凄い所で会心の一撃を出すな」
勇者「? どういう意味だ?」
戦士「……いや、何でもない」
勇者「まあ、そうしたらな?」
勇者「――内緒です」
勇者「って、笑った後にな?」
勇者「――幼馴染さんに、是非会ってみたい」
勇者「……なんて言われてなぁ」
戦士「アイツ、何するつもりだ!?」
勇者「? どういう意味だ?」
戦士「……いや、何でもない」
勇者「まあ、そうしたらな?」
勇者「――内緒です」
勇者「って、笑った後にな?」
勇者「――幼馴染さんに、是非会ってみたい」
勇者「……なんて言われてなぁ」
戦士「アイツ、何するつもりだ!?」
956: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 22:46:45.88 ID:5+VAiEZTo
戦士「勇者! お前、それを了承したのか!?」
勇者「? ああ、勿論だ」
戦士「絶対にやめておけ! 良いか、絶対にだ!」
勇者「ははっ、どうしてだよ?」
勇者「……まあ、せっかくだからさ」
勇者「僧侶に、結婚式の司式を頼んだんだ」
戦士「……」
戦士「はー……はーはーはー」
勇者「? ああ、勿論だ」
戦士「絶対にやめておけ! 良いか、絶対にだ!」
勇者「ははっ、どうしてだよ?」
勇者「……まあ、せっかくだからさ」
勇者「僧侶に、結婚式の司式を頼んだんだ」
戦士「……」
戦士「はー……はーはーはー」
960: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 22:56:09.17 ID:5+VAiEZTo
戦士「勇者は、本当に勇気があるな」
勇者「? どうしたんだ、突然」
戦士「……僧侶は、それを受け入れたのか?」
勇者「勿論、二つ返事で了承してくれた」
勇者「――本当に、楽しみですね」
勇者「なんて、見たことのない笑顔をしてたぞ」
戦士「アイツ、挫けなさすぎだろう!」
勇者「? どうしたんだ、突然」
戦士「……僧侶は、それを受け入れたのか?」
勇者「勿論、二つ返事で了承してくれた」
勇者「――本当に、楽しみですね」
勇者「なんて、見たことのない笑顔をしてたぞ」
戦士「アイツ、挫けなさすぎだろう!」
961: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 23:01:40.22 ID:5+VAiEZTo
戦士「……僧侶の伝えたい事って、何だと思うよ?」
勇者「魔王との戦いに生き残ったら……だからな」
戦士「そうだ、アイツにとって大事な事だろうよ」
勇者「……っ!」
勇者「僧侶も惚れてる相手が居る、と!」
勇者「それを……仲間である俺に伝えようと!?」
戦士「鋭い! が、鈍い!」
勇者「魔王との戦いに生き残ったら……だからな」
戦士「そうだ、アイツにとって大事な事だろうよ」
勇者「……っ!」
勇者「僧侶も惚れてる相手が居る、と!」
勇者「それを……仲間である俺に伝えようと!?」
戦士「鋭い! が、鈍い!」
962: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 23:08:21.69 ID:5+VAiEZTo
戦士「そこまで察せるのに、どうしてだ!?」
勇者「! そうか……!」
戦士「……わかったか、勇者」
勇者「……ああ」
勇者「僧侶は、戦いが終わった後に伝えようとしてくれてたのに!」
勇者「俺は、戦いの前に幼馴染の事を言っちまった!」
勇者「あー……俺も、全部終わった後に言うべきだったなぁ!」
勇者「な!」
戦士「本当にな!」
戦士「お前の考えてる事とは違うが、本当にな!」
勇者「! そうか……!」
戦士「……わかったか、勇者」
勇者「……ああ」
勇者「僧侶は、戦いが終わった後に伝えようとしてくれてたのに!」
勇者「俺は、戦いの前に幼馴染の事を言っちまった!」
勇者「あー……俺も、全部終わった後に言うべきだったなぁ!」
勇者「な!」
戦士「本当にな!」
戦士「お前の考えてる事とは違うが、本当にな!」
963: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/02(日) 23:18:35.89 ID:5+VAiEZTo
戦士「こんなんで、明日の決戦は大丈夫なのかよ……!」
勇者「俺たちなら――絶対に勝てるさ!」
戦士「ちょっと前まで、俺もそう思ってたよ!」
勇者「おいおい、弱気になるなよ」
勇者「僧侶なんか、凄いやる気だったぜ?」
勇者「――必ず手に入れてみせる」
勇者「……ってな」
戦士「……はい」
勇者「明日の戦いに勝って、必ず生きて帰るんだ!」
勇者「――平和をこの手に掴むぞ!」
おわり
勇者「俺たちなら――絶対に勝てるさ!」
戦士「ちょっと前まで、俺もそう思ってたよ!」
勇者「おいおい、弱気になるなよ」
勇者「僧侶なんか、凄いやる気だったぜ?」
勇者「――必ず手に入れてみせる」
勇者「……ってな」
戦士「……はい」
勇者「明日の戦いに勝って、必ず生きて帰るんだ!」
勇者「――平和をこの手に掴むぞ!」
おわり
967: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/03(月) 21:58:51.30 ID:aqq4kDa3o
書きます
男勇者「古い装備を買い取ってくれるってよ!」
男勇者「古い装備を買い取ってくれるってよ!」
968: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/03(月) 22:02:12.35 ID:aqq4kDa3o
女戦士「へえ、そいつは助かるね!」
女武道家「うん、捨てるのも何だしね!」
女賢者「それで、どの人が買い取ってくれるのかしら?」
男勇者「あの人だ!」
男商人「ぐふふ! 高値で買い取りますよぉ、ぐふふふ!」
女戦士・女武道家・女賢者「……」
女戦士・女武道家・女賢者「勇者、本気?」
女武道家「うん、捨てるのも何だしね!」
女賢者「それで、どの人が買い取ってくれるのかしら?」
男勇者「あの人だ!」
男商人「ぐふふ! 高値で買い取りますよぉ、ぐふふふ!」
女戦士・女武道家・女賢者「……」
女戦士・女武道家・女賢者「勇者、本気?」
969: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/03(月) 22:05:07.18 ID:aqq4kDa3o
戦士「アンタ、何考えてるんだい!」
武道家「ねえ、本当に売るの!?」
賢者「あの顔、良からぬ事を考えてるわよ!?」
勇者「えっ!?」
商人「いやいや、そんな事はありませんよぉ!」
商人「……ぐふ! ぐふふふふっ!」
戦士・武道家・賢者「……」
戦士・武道家・賢者「絶対、嫌!」
武道家「ねえ、本当に売るの!?」
賢者「あの顔、良からぬ事を考えてるわよ!?」
勇者「えっ!?」
商人「いやいや、そんな事はありませんよぉ!」
商人「……ぐふ! ぐふふふふっ!」
戦士・武道家・賢者「……」
戦士・武道家・賢者「絶対、嫌!」
970: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/03(月) 22:09:46.07 ID:aqq4kDa3o
戦士「売る位なら、捨てた方がマシさね!」
武道家「そうだよ! ねえ、売るのやめよう!?」
賢者「勇者、もう少し考えて行動してくれる?」
勇者「いや、でも!」
商人「相場の三倍……いや、五倍出しますよぉ!」
商人「何せ、世界を救う勇者様達御一行ですから……ぐふふ!」
戦士・武道家・賢者「ご……」
戦士・武道家・賢者「五倍……!?」
武道家「そうだよ! ねえ、売るのやめよう!?」
賢者「勇者、もう少し考えて行動してくれる?」
勇者「いや、でも!」
商人「相場の三倍……いや、五倍出しますよぉ!」
商人「何せ、世界を救う勇者様達御一行ですから……ぐふふ!」
戦士・武道家・賢者「ご……」
戦士・武道家・賢者「五倍……!?」
971: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/03(月) 22:13:07.11 ID:aqq4kDa3o
戦士「ふ、古くなった剣もかい?」
武道家「あ、あたしの鉄の爪も?」
賢者「わ、私の杖もかしら?」
勇者「どうなんですか?」
商人「いえいえ、さすがに持ちきれませんので……」
商人「布製の防具だけ、ですね……ぐっふふふひょう!」
戦士・武道家・賢者「ぬ……」
戦士・武道家・賢者「布製の防具だけ……!?」
武道家「あ、あたしの鉄の爪も?」
賢者「わ、私の杖もかしら?」
勇者「どうなんですか?」
商人「いえいえ、さすがに持ちきれませんので……」
商人「布製の防具だけ、ですね……ぐっふふふひょう!」
戦士・武道家・賢者「ぬ……」
戦士・武道家・賢者「布製の防具だけ……!?」
972: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/03(月) 22:15:34.07 ID:aqq4kDa3o
戦士「あるには……あるねぇ」
武道家「あー……あたしの、結構ある」
賢者「私も……布製のは多いわ」
勇者「本当に、相場の五倍なんですか?」
商人「ぐふふ、勿論ですともぉ!」
商人「ぐふふっふ! ぐふっ、ぐふふふふ!」
戦士・武道家・賢者「……」
武道家「あー……あたしの、結構ある」
賢者「私も……布製のは多いわ」
勇者「本当に、相場の五倍なんですか?」
商人「ぐふふ、勿論ですともぉ!」
商人「ぐふふっふ! ぐふっ、ぐふふふふ!」
戦士・武道家・賢者「……」
974: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/03(月) 22:20:32.51 ID:aqq4kDa3o
戦士「……どうする?」
武道家「どう、って言われても……」
賢者「……五倍で売れる機会なんて、滅多に無いわ」
勇者「五倍で買って、儲けは出るんですか?」
商人「ぐふふ、儲けようとは思っていませんよ」
商人「個人的……そう、個人的な……ぐふっ! ぐふふっ!」
戦士・武道家・賢者「……」
武道家「どう、って言われても……」
賢者「……五倍で売れる機会なんて、滅多に無いわ」
勇者「五倍で買って、儲けは出るんですか?」
商人「ぐふふ、儲けようとは思っていませんよ」
商人「個人的……そう、個人的な……ぐふっ! ぐふふっ!」
戦士・武道家・賢者「……」
975: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/03(月) 22:25:44.82 ID:aqq4kDa3o
戦士「じゃあ……こいつなら、いくらだい?」
武道家「あっ、それって――昔着てたやつじゃん」
賢者「懐かしいわね……本当に、初期の物よね」
勇者「戦士の、最序盤の布の服――おいくらですか?」
商人「ぐふふ、そうですねぇ……戦士様の物でしたら」
商人「――相場の、六倍は出しましょう! ぐふふふ!」
武道家・賢者「ろっ……!?」
戦士「六倍だって!?」
武道家「あっ、それって――昔着てたやつじゃん」
賢者「懐かしいわね……本当に、初期の物よね」
勇者「戦士の、最序盤の布の服――おいくらですか?」
商人「ぐふふ、そうですねぇ……戦士様の物でしたら」
商人「――相場の、六倍は出しましょう! ぐふふふ!」
武道家・賢者「ろっ……!?」
戦士「六倍だって!?」
976: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/03(月) 22:29:42.64 ID:aqq4kDa3o
戦士「あ、アタシの布の服が……六倍!?」
武道家「じゃじゃじゃじゃあ! あたしの、これは!?」
賢者「それは……二つ前に着てた、武闘着ね」
勇者「武道家の、二つ前の武闘着――おいくらですか?」
商人「ぐふふ、武道家様で……二つ前の物でしたら」
商人「――相場の、七倍は出しましょう! ぐふふふ!」
戦士・賢者「なっ……!?」
武道家「七倍!? えっ、ウソ! ホントに!?」
武道家「じゃじゃじゃじゃあ! あたしの、これは!?」
賢者「それは……二つ前に着てた、武闘着ね」
勇者「武道家の、二つ前の武闘着――おいくらですか?」
商人「ぐふふ、武道家様で……二つ前の物でしたら」
商人「――相場の、七倍は出しましょう! ぐふふふ!」
戦士・賢者「なっ……!?」
武道家「七倍!? えっ、ウソ! ホントに!?」
977: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/03(月) 22:34:42.59 ID:aqq4kDa3o
戦士「聞いたかい、七倍だってよ!?」
武道家「きっ、聞いた! なっ、ななな七倍だって!」
賢者「なら、私が一つ前に着てた、水の羽衣は!?」
勇者「賢者の、一つ前の水の羽衣――おいくらですか?」
商人「ぐふふ、賢者様で……一つ前の物でしたら」
商人「――相場の、三倍は出しましょう! ぐふふ!」
戦士・武道家「さっ……!?」
賢者「……」
賢者「……三倍?」
武道家「きっ、聞いた! なっ、ななな七倍だって!」
賢者「なら、私が一つ前に着てた、水の羽衣は!?」
勇者「賢者の、一つ前の水の羽衣――おいくらですか?」
商人「ぐふふ、賢者様で……一つ前の物でしたら」
商人「――相場の、三倍は出しましょう! ぐふふ!」
戦士・武道家「さっ……!?」
賢者「……」
賢者「……三倍?」
978: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/03(月) 22:43:22.00 ID:aqq4kDa3o
戦士「凄いじゃないか、三倍なんて!」
賢者「あ……いや、凄いんだけどね!?」
武道家「うんうん! かなりの高額になるよ!」
賢者「そうなんだけど! そうなんだけれども!」
勇者「どうしたんだ? 何が不満なんだ?」
賢者「なんか……なんか、なんかー!」
賢者「六倍で、七倍で、それなのに三倍って……なんか!」
勇者「どうした賢者!?」
勇者「賢さが大幅に下がってるぞ!?」
賢者「あ……いや、凄いんだけどね!?」
武道家「うんうん! かなりの高額になるよ!」
賢者「そうなんだけど! そうなんだけれども!」
勇者「どうしたんだ? 何が不満なんだ?」
賢者「なんか……なんか、なんかー!」
賢者「六倍で、七倍で、それなのに三倍って……なんか!」
勇者「どうした賢者!?」
勇者「賢さが大幅に下がってるぞ!?」
979: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/03(月) 22:52:48.59 ID:aqq4kDa3o
戦士「どうしたんだい!? らしくないじゃないか!」
賢者「だって、なんか! なんか……なんかー!」
武道家「ごめん賢者! あたしにも、わかるように言って!?」
賢者「なんか、なんか……なんかなのよ!」
勇者「良いじゃないか、三倍だぞ!?」
商人「ぐふっふっふっふ! わかりました!」
商人「――相場の、四倍は出しましょう! ぐふふ!」
戦士・武道家「よっ……!?」
賢者「……」
賢者「四倍でも……なんか!」
賢者「だって、なんか! なんか……なんかー!」
武道家「ごめん賢者! あたしにも、わかるように言って!?」
賢者「なんか、なんか……なんかなのよ!」
勇者「良いじゃないか、三倍だぞ!?」
商人「ぐふっふっふっふ! わかりました!」
商人「――相場の、四倍は出しましょう! ぐふふ!」
戦士・武道家「よっ……!?」
賢者「……」
賢者「四倍でも……なんか!」
980: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/03(月) 22:59:07.97 ID:aqq4kDa3o
戦士「さすが賢者、交渉も上手だねぇ!」
武道家「うんうん! 賢者、これを狙ってたんだね!」
賢者「いや、でも! 六、七ときて……四は、なんか!」
勇者「じゃあ、俺の昔着てた旅人の服――おいくらですか?」
商人「ぐふふ、そうですねぇ……勇者様の物でしたら」
商人「――相場の、十倍は出しましょう! ぐふふふ!」
勇者「じゅっ……!?」
戦士・武道家・賢者「……」
戦士・武道家・賢者「……十倍?」
武道家「うんうん! 賢者、これを狙ってたんだね!」
賢者「いや、でも! 六、七ときて……四は、なんか!」
勇者「じゃあ、俺の昔着てた旅人の服――おいくらですか?」
商人「ぐふふ、そうですねぇ……勇者様の物でしたら」
商人「――相場の、十倍は出しましょう! ぐふふふ!」
勇者「じゅっ……!?」
戦士・武道家・賢者「……」
戦士・武道家・賢者「……十倍?」
981: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/03(月) 23:02:15.17 ID:aqq4kDa3o
戦士「アタシのが……六倍」
武道家「あたしのが……七倍」
賢者「私のが……四倍」
勇者「おっ、俺のは十倍!? 本当ですか!?」
商人「はぁい、勿論ですとも! ぐふっふっふっふ!」
商人「勇者様の身に付けていた物ですから! ぐふふ!」
戦士・武道家「……」
賢者「……今の気持ちは?」
戦士・武道家「……なんか……なんか、なんか!」
武道家「あたしのが……七倍」
賢者「私のが……四倍」
勇者「おっ、俺のは十倍!? 本当ですか!?」
商人「はぁい、勿論ですとも! ぐふっふっふっふ!」
商人「勇者様の身に付けていた物ですから! ぐふふ!」
戦士・武道家「……」
賢者「……今の気持ちは?」
戦士・武道家「……なんか……なんか、なんか!」
982: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/03(月) 23:07:34.49 ID:aqq4kDa3o
戦士「いや、わかるんだよ!? 言ってる事は!」
武道家「わかるけど……なんか! なんかー!」
賢者「でしょう!? なんか……なんかでしょう!?」
勇者「さっ、さすがに悪いですよ!」
勇者「俺のは――多くても、二倍で良いです!」
商人「ぐふふ、何ですって? 二十倍ですってぇ?」
商人「――よろしい! 相場の二十倍は出しましょう! ぐふふ!」
戦士・武道家・賢者「にじゅっ……!?」
勇者「二十倍!?」
武道家「わかるけど……なんか! なんかー!」
賢者「でしょう!? なんか……なんかでしょう!?」
勇者「さっ、さすがに悪いですよ!」
勇者「俺のは――多くても、二倍で良いです!」
商人「ぐふふ、何ですって? 二十倍ですってぇ?」
商人「――よろしい! 相場の二十倍は出しましょう! ぐふふ!」
戦士・武道家・賢者「にじゅっ……!?」
勇者「二十倍!?」
983: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/03(月) 23:15:13.75 ID:aqq4kDa3o
勇者「そんなっ!? これ、母さんが作った物ですよ!?」
商人「何と!? 二十五倍は出します! ぐふひょう!」
勇者「破れた所は、俺が繕って不格好になってますし!」
商人「何と!? 三十倍出させてください! ぐふっふっふ!」
勇者「も、もう! もう、結構ですから!」
商人「結構ですと!? ぐふふっ、私も覚悟を決めましたよ!」
商人「――よろしい! 相場の四十倍は出しましょう! ぐふふ!」
勇者「ああっ!? そっちの意味の『結構』じゃなくて!」
戦士・武道家・賢者「……」
商人「何と!? 二十五倍は出します! ぐふひょう!」
勇者「破れた所は、俺が繕って不格好になってますし!」
商人「何と!? 三十倍出させてください! ぐふっふっふ!」
勇者「も、もう! もう、結構ですから!」
商人「結構ですと!? ぐふふっ、私も覚悟を決めましたよ!」
商人「――よろしい! 相場の四十倍は出しましょう! ぐふふ!」
勇者「ああっ!? そっちの意味の『結構』じゃなくて!」
戦士・武道家・賢者「……」
984: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/03(月) 23:24:01.85 ID:aqq4kDa3o
戦士「アタシも……六倍じゃあ売れないね」
武道家「うん……あたしも、七倍じゃ無理かな」
賢者「私は、最初から売る気なんか無かったわ」
勇者「えっ!? ど、どうしたんだよ皆!?」
商人「何と!?」
商人「で……では! せめて、勇者様の物だけでも!」
商人「……ぐふふ! 五十倍! 五十倍なら、どうでしょう!」
勇者「ごじゅっ!?」
戦士・武道家・賢者「……」
戦士・武道家・賢者「なんか……なんか――っ!!」
武道家「うん……あたしも、七倍じゃ無理かな」
賢者「私は、最初から売る気なんか無かったわ」
勇者「えっ!? ど、どうしたんだよ皆!?」
商人「何と!?」
商人「で……では! せめて、勇者様の物だけでも!」
商人「……ぐふふ! 五十倍! 五十倍なら、どうでしょう!」
勇者「ごじゅっ!?」
戦士・武道家・賢者「……」
戦士・武道家・賢者「なんか……なんか――っ!!」
986: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/03(月) 23:28:34.82 ID:aqq4kDa3o
・ ・ ・
勇者「――なあ、どうして買い取りの話を断ったんだ?」
戦士・武道家・賢者「……」
戦士「やっぱり、変に甘えるのは良くないからねぇ」
武道家「うんうん、商人さんに悪いもんね」
賢者「いくら高額でも、あの場合は断るべきよ」
勇者「そっ……か」
勇者「うん! 確かに、皆の言う通りだよな!」
戦士・武道家・賢者「……」
勇者「――なあ、どうして買い取りの話を断ったんだ?」
戦士・武道家・賢者「……」
戦士「やっぱり、変に甘えるのは良くないからねぇ」
武道家「うんうん、商人さんに悪いもんね」
賢者「いくら高額でも、あの場合は断るべきよ」
勇者「そっ……か」
勇者「うん! 確かに、皆の言う通りだよな!」
戦士・武道家・賢者「……」
987: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/03(月) 23:34:31.10 ID:aqq4kDa3o
戦士「でも、さすがに五十倍は惜しかったねぇ」
武道家「元の値段を考えても、そこそこの値段だもんね」
賢者「勇者、あの旅人の服はどうしたの?」
勇者「……商人さんには、期待させるだけさせちゃったしさ」
勇者「また次に会った時にサービスしてください、って……」
勇者「……ははは、タダであげちゃったよ」
戦士・武道家・賢者「……」
戦士・武道家・賢者「本当、お人好しなんだから」
武道家「元の値段を考えても、そこそこの値段だもんね」
賢者「勇者、あの旅人の服はどうしたの?」
勇者「……商人さんには、期待させるだけさせちゃったしさ」
勇者「また次に会った時にサービスしてください、って……」
勇者「……ははは、タダであげちゃったよ」
戦士・武道家・賢者「……」
戦士・武道家・賢者「本当、お人好しなんだから」
988: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/03(月) 23:42:50.32 ID:aqq4kDa3o
・ ・ ・
商人「――ぐふっ! ぐふふふふっ!」
商人「勇者様が、旅立ちの日に身に付けていた!」
商人「さらには、勇者様の母上手製の装備が手に入るとは!」
商人「これは、物凄い価値が出ますよぉ! ぐふふっふっふ!」
商人「――ぐふふ、誰にも売るつもりはありませんがねぇ!」
商人「個人的なコレクションに加えるつもりでしたからね! ぐふふ!」
商人「これは、コレクションでも、一番の価値ある品になるでしょうな!」
商人「……ぐふっ! ぐふふっふっふふ!」
商人「正に、タダより高い物は無い!」
おわり
商人「――ぐふっ! ぐふふふふっ!」
商人「勇者様が、旅立ちの日に身に付けていた!」
商人「さらには、勇者様の母上手製の装備が手に入るとは!」
商人「これは、物凄い価値が出ますよぉ! ぐふふっふっふ!」
商人「――ぐふふ、誰にも売るつもりはありませんがねぇ!」
商人「個人的なコレクションに加えるつもりでしたからね! ぐふふ!」
商人「これは、コレクションでも、一番の価値ある品になるでしょうな!」
商人「……ぐふっ! ぐふふっふっふふ!」
商人「正に、タダより高い物は無い!」
おわり
引用元: ・地の四天王「光の勇者よ、助けてくれ!」
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