ﾀｯﾀｯﾀｯ…


曜「はぁっ……足冷た…」


曜(自販機、屋根付きで助かった)


曜「目的達成っと…」


ｽｯ


曜「…ん」


ｽｯ、ｽｯ


曜「………おさいふは、どこかなー？」


わさわさ


曜(……はーいやったー)


曜「………っ、はぁ～～～～～～～～！！！！」


曜(ため息しか出んわい)


ｽﾄﾝｯ

曜「ベンチが超冷たいであります…」


曜(世界も天気も、曜を取り巻く環境も)


曜「馬鹿ヨウだ、私」


曜(誰か)


曜(あっためてくださーい…)


ｻｰｯ…


曜(……帰るか)


＜…ﾃｸﾃｸ


曜「…！」


ﾃｸﾃｸ


曜「…ぇえ？」





梨子「…え！？曜ちゃん！？」


曜(…あっためてくれそう)


https://youtu.be/zCsKqWXu2MQ?si=pwd12yb3-D9b7C0-



​─────

梨子「な、何してるの曜ちゃん？こんな時間に…」


曜「そっくりそのまま返すよ梨子ちゃん、こっち沼津だよ。梨子ちゃんこそ、何でこっちに？」


梨子「ピアノの演奏会がこっちであったの。というか言ったでしょ、学校で」


曜「……そだっけ？」


梨子「もう……明日も演奏会なの。一々帰るのも面倒だから、こっちに泊まってるって訳」


曜「え、ホテルとかに？」


梨子「すぐそこ、いとこのお家。旅行で家を空けるから、ついでに宅急便とか受け取って欲しいって」


曜「なぁる…いいじゃん、ちょっとした一人暮らし体験」


梨子「最初はそう思ってたんだけど、案外怖いのよね。家に1人って言うのも」


曜「言ってくれればウチに来ても良かったのに」


梨子「いや、流石に申し訳ないわよ」


曜「良いよ別に。もし次似た様な事があるなら、いつでも言ってね」

梨子「その時はお言葉に甘えるわ。で、曜ちゃんはなにしてるの？」


曜「聞いてよう梨子ちゃん。何か急にコーヒー飲みたいって思ったから、取り敢えず家の外出たんだ。それ以外何も考えず」


梨子「…でしょうね。そんなサンダルで…2月よ？」


曜「んで自販機まで歩いてたらポツポツ来てさ、走ったんだよ。この足で」


曜「やっと到着。さぁお望みのコーヒーを買って帰ろうって思ったら……」


梨子「……ぷふっ、え、嘘」


曜「はい、財布忘れました」


梨子「あっはははっ！な、何してんのよ、ホント…！」


曜「お馬鹿なヨウをどうぞ嘲笑ってください」


梨子「で、帰ろうとしてたの？」


曜「うん！」


梨子「極寒の雨の中、走ってきたのに？」


曜「うん、私なんか悪い事したかな？」


梨子「何もしてないわよ、多分…ふふっ」

曜「マージ最悪であります」


梨子「…はぁ、どれ？」


曜「え」


梨子「カフェオレ？それか、こっちの微糖？」


曜「…いーの？」


梨子「流石にかわいそ過ぎるから。ほら」


曜「わーい！梨子ちゃん大好き！」


梨子「はいはい」


ﾋﾟｯ


ｶﾞｺﾝｯ…


​─────

曜「あぁ～～～～～あったかいであります～～～～～…」ﾋﾟﾄｯ


梨子「ふふっ、良かったわね」


曜「持って帰って飲むの？」


梨子「そのつもりだったけど…まさか曜ちゃんがいるって思わなかったからなぁ」


曜「じゃ、話してく？」


梨子「すんごい寒いのよ。ほんと」


曜「ね、にわか雨だけどパラついてるし」


梨子「……来る？家」


曜「いーの？いとこさんには…」


梨子「まあ気心知れてるいとこだし、今はいないし…」


梨子「…まあ、曜ちゃんなら、良いと思う」


曜「…そゆことなら、お邪魔しよっかな」


─────

ｶﾞﾁｬｯ


梨子「どーぞ」


曜「お邪魔しまーす」


梨子「手洗ってね」


曜「もちろん」ｼﾞｬｰ


梨子「あ、止めなくていいわよ」


曜「んえ？」


ｽｯ


梨子「私も洗うから」


曜「…手洗いでこんな密着した事無い」


梨子「私も。合理を求めた結果よ」


曜「…別にいいけどさ」


梨子「よしっ、飲みましょ」ｷｭｯ


曜「酒飲みたい人に聞こえるね」


梨子「言ってて私も思ったわ。ほら」

曜「ありがとう、頂きます」


梨子「どうぞ。ありがたーく飲みなさい」


曜「…」ｽｯ


梨子「…え、何？」


曜「乾杯しよ」


梨子「コーヒーで…？聞いた事ないけど」


曜「私も」


梨子「ふふっ、何よそれ」ｽｯ


ｶﾝｯ…


https://youtu.be/IOlj5-iwwDM?si=pr5vKTjv4eA8kNaL



─────

曜「…あぁ～～～っ……冷たくなった体に染み渡るであります」


梨子「そりゃそうでしょうね…」


曜「てか、梨子ちゃん明日も演奏会なんでしょ？こんな夜中に、起きてていいの？」


梨子「まあそうなんだけど…何か、眠れなくて」


曜「あるよね、そういう日もさ」


梨子「曜ちゃんもそんな感じなの？」


曜「んーまぁね。私はこんな日、ちょくちょくあるからいつも通りって感じだけど」


梨子「ちょくちょくあるの？あんまり良くないわね」ｺﾞｸｯ


曜「年をとるにつれて、こういう日が増えてきてる気がするよ」


梨子「まだ高3でしょうに」


曜「それでもだよ。来年はもう沼津にはいないんだろうし」

梨子「…東京行くの？」


曜「そのつもり。服飾の方に進む予定だから」ｺﾞｸｯ


梨子「そっか…」


曜「梨子ちゃんは？」


梨子「え？」


曜「どうするの？来年から」


梨子「……考え中。ここにもいたいけど」


梨子「東京で、私がやれる事をやりたいっていうのもあるから」


曜「やりたい事、あるんだ」


梨子「まだ定まってないけどね」


曜「それって？」

梨子「…東京行くの？」


曜「そのつもり。服飾の方に進む予定だから」ｺﾞｸｯ


梨子「そっか…」


曜「梨子ちゃんは？」


梨子「え？」


曜「どうするの？来年から」


梨子「……考え中。ここにもいたいけど」


梨子「東京で、私がやれる事をやりたいっていうのもあるから」


曜「やりたい事、あるんだ」


梨子「まだ定まってないけどね」


曜「それって？」

梨子「…東京行くの？」


曜「そのつもり。服飾の方に進む予定だから」ｺﾞｸｯ


梨子「そっか…」


曜「梨子ちゃんは？」


梨子「え？」


曜「どうするの？来年から」


梨子「……考え中。ここにもいたいけど」


梨子「東京で、私がやれる事をやりたいっていうのもあるから」


曜「やりたい事、あるんだ」


梨子「まだ定まってないけどね」


曜「それって？」

梨子「ピアノか、アイドルか」


曜「おお、あの梨子ちゃんが自分からアイドルを選択肢に入れるなんてね」


梨子「楽しかったから。Aqoursが…」


梨子「…本当に」


曜「…そうだね」


梨子「Aqoursじゃなくても、別にアイドルじゃなくてもさ」


梨子「何かで、私を伝えたいなって…あの楽しさ、他に替えられないから」


曜「…」ﾆﾔｰ


梨子「…何その顔」


曜「いやぁ？あの梨子ちゃんがなぁ…ってさ」


梨子「バカにしてない？」


曜「ぜんっぜん。やっぱり」


梨子「？」


曜「そうやって、一心不乱な梨子ちゃんがだーいすき」


梨子「…私もよ。曜ちゃん」


曜「えへへ…」ｺﾞｸｯ


梨子「ふふ…」ｺﾞｸｯ


─────

曜「はぁ、でも良かった。こんな夜に梨子ちゃんに会えたし」


梨子「嬉しいんだ？」


曜「勿論。激寒でお金も忘れて、雨に打たれて足キンキンで」


曜「そんな時に梨子ちゃん」


曜「天使かと思ったよ」


梨子「ふふ、そんなに言う？」


曜「ホントにそう思ったから、しょーがない」


梨子「…ふーん」ｺﾞｸｯ


曜「照れた？」


梨子「ちょっとね」

曜「その顔、残しといていい？」ｽｯ


梨子「はい？」


ｽﾄﾝ


梨子「…何する気？」


曜「ほら、寄って」


ｷﾞｭｯ


梨子「…何、もう」


曜「はい、笑って」


ｽｯ


梨子「ああ、そういう…」


曜「雨の日のコーヒーに、乾杯」


パシャッ

曜「…笑ってよ」


梨子「急に言われても…」


曜「ほら」


梨子「…」


にこっ


曜「……そーそー。めっちゃ良い」


パシャッ


曜「…待ち受けにしよっかな」


梨子「流石にそれは恥ずかしいから辞めて」


曜「冗談」


梨子「全く…というか曜ちゃん」


曜「え？」

梨子「電子マネーとかは持ってないの？」


曜「あるよ？○uPAYもS○icaも…」


曜「……あっ」


梨子「あの自販機、使えるわよ。電子マネー」


曜「…雨の中落ち込んだ意味……」


梨子「…まぁ」


曜「？」


梨子「私に会えたから、良かったじゃない」


曜「…」


梨子「…」


曜「…こっち見ながら言ってよ」


梨子「やだ」


曜「やだじゃなーい！」ｸﾞｲｯ


梨子「向けないで強制的にぃ！！」


曜「あははっ、梨子ちゃん変な顔！」


梨子「誰のせいよ誰の！！」


あははは…！


─────

ｻｰｯ…


「…じゃ、カフェオレご馳走様」


「いいのよ。今度ジュース奢ってね」


「勿論。好きな物言って」


「うん、そうする…あ、傘は？持っていく？」


「これくらいなら大丈夫。お構いなく」


「そう。風邪引かないでよ？」


「元気のヨウちゃんだから問題なし！」


「ふふ…」


「手はガッチガチだけどね…」


ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

「…」


「手袋くらいは付けて来るんだったよ」


ｷﾞｭｯ


「んぇ」


「…」ぎゅー


「…あの、梨子、ちゃん？手…」


「…」


ﾊﾟｯ


「あ…」


「……少しは、あったまった？」


「…！」


「ふふっ」


「……えへへ、うん！」


ﾎﾟﾂﾎﾟﾂ…

─────


ーCASTー


渡辺曜


桜内梨子


ーMUSICー


https://youtu.be/zCsKqWXu2MQ?si=pwd12yb3-D9b7C0-

(Sam Cross - About to Make it)

https://youtu.be/IOlj5-iwwDM?si=pr5vKTjv4eA8kNaL

(what is ? - Kissing y'all)


ーBased on a story byー


ラブライブ！サンシャイン!!


─────

おわり
寒い日が続きます


⬇最新5作⬇


千砂都「禁足」

四季「そら」

きな子「渇望」

可可「哭憾」

かのん「ちょっと待とうか」