1: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 21:20:52.128 ID:rpBloGKPH.net
しずか「のび太さん、顔色悪いわよ?」

のび太「う、うん、ここ最近あんまり眠れなくて」

スネ夫「もしかしてまたドラえもんかい」

のび太「夜中に突然起きだして暴れたりするから、なだめないとなんだ」

ジャイアン「おかしくなっちまってからずっとかよ」

のび太「どうってことないよ。今までドラえもんには散々助けてもらったんだもの」

のび太「今度は僕が助けてあげないと」

しずか「のび太さん…」

ビーッビーッ

のび太「あ、虫の知らせアラームが鳴ってる…!ドラえもんに何かあったんだ。行かないと」

ジャイアン「おいのび太!!何かあったら言えよ。俺たちでできることなら手伝うからよ!」

のび太「ありがとうジャイアン。でも本当に大丈夫だから。それじゃ!」

3: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 21:22:15.134 ID:rpBloGKPH.net
ドラえもん「ああああ!!!うわああああ!!!!」ドガシャンパリーン

のび太「ドラえもん!!何暴れてるのさ!!」

ドラえもん「ネズミ!!ネズミが部屋中に!!!ああああ!!」ドスンバタン

のび太「痛っ!痛い!!なに言ってるんだよ!ネズミなんかいないってば!!」

ドラえもん「はあ…はあ… あれ…なんだろうここ…」

のび太「やっと落ち着いてくれた…ドラえもん」

ドラえもん「僕ってばこんなに大暴れして…本当にごめんなさい。帰ります」

のび太「…何度も言ってるじゃないか。ここは君の家だよ」

ドラえもん「もうこんな時間だ。早く帰らないとのび太君が心配しちゃう」

のび太「のび太は僕だよ…ドラえもん…」

のび太「うっ…ううう…ふぐっ…」

ドラえもん「のび太君、どこだい、のび太くぅん」

6: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 21:24:16.262 ID:rpBloGKPH.net
先生「野比くん!!起きなさい!」

のび太「ふぇっ!?」

先生「まったく、最近居眠りばっかりじゃないか!廊下に立ってろ!」

のび太「す、すみません…」トボトボ

スネ夫「…のび太のやつ、さては昨日も寝てないな」

8: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 21:25:26.258 ID:rpBloGKPH.net
のび太「はぁ…やっと学校が終わった…」

しずか「ねえのび太さん。もうドラちゃんは治せないの?」

ジャイアン「どんどんいろんな事忘れちまうんだろ?せめて今のまんまにしておけないのかよ」

のび太「うん、ドラミちゃんにも聞いたんだけど未来の技術でも無理だって」

スネ夫「…あのさ、のび太」

スネ夫「ドラえもんを未来に返すってのは、どうかな」

のび太「!!!!! 何言ってるんだよ!!そんなのできるわけないじゃないか!!」

ジャイアン「スネ夫!お前ドラえもんがポンコツになっちまったからってそりゃねえだろ!」

スネ夫「そ、そうは言ってないけどさ!このままじゃのび太が…」

のび太「僕は大丈夫だよ!!ドラえもんだってずっとおかしいわけじゃない!」

のび太「ただちょっと忘れっぽくなっただけで、ちゃんと動けるし話せるんだ!!」

しずか「の、のび太さん、落ちついて…」

11: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 21:28:19.979 ID:rpBloGKPH.net
のび太「とにかく僕はドラえもんを見捨てるつもりはないから!じゃあね!」

ジャイアン「お、おいのび太!!  …スネ夫!お前ってやつは!」ボカッ

スネ夫「痛った!!!…じ、じゃあどうすればいいのさ!二人だって本当は思ってるんだろ!」

スネ夫「このままずっとドラえもんの世話してたらのび太がおかしくなっちゃうよ!!」

ジャイアン「うっ、そ、それはそうだけどよ…」

しずか「のび太さんの気持ちも分かるけど…どうしたらいいのかしら…」

15: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 21:31:20.433 ID:rpBloGKPH.net
のび太「ただいまー   …あれ、いないのかな」

ビリビリビリッ!!!

のび太「うぐっ!!!」

ドラえもん「ドロボーめ!僕のどら焼きをどこへやった!!!」

のび太「ど、ドラえもん…? どら焼きなんて僕は知らな…」

ドラえもん「嘘をつけ!言わないともう一発ショックガンをくらわすぞ!!」

のび太「本当に知らないよ…そんなの向けないで…僕たち友達じゃないか…」

ドラえもん「僕はお前みたいなやつ知らない!!」

ビリビリッ!!

のび太「あがっ!!!」ドサッ

18: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 21:33:21.711 ID:rpBloGKPH.net
ドラミ「  …さん!のび太さん!!しっかりして!」

のび太「ん、ん…ドラミ…ちゃん?」

ドラミ「よかった気が付いた!お兄ちゃんと連絡がつかなくなって急いで来たの!」

のび太「…大変だ!!ドラミちゃん、一緒にドラえもんを探して!」

ドラミ「ええっ!?」


〜〜


ドラミ「そういうことね。じゃあこのたずね人ステッキで!お兄ちゃんはどこ!?」

パタン

のび太「この方角って…裏山のほうだ!!」

ドラミ「すぐタケコプターで向かいましょう!」

20: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 21:36:34.586 ID:rpBloGKPH.net
プルプルプル…

ドラミ「おにいちゃーーーーん!」

のび太「ドラえもーーーーーーーん!!…いた!あそこだ!!」


のび太「ドラえもん!!探したんだよ!!どうしてこんなとこに!」

ドラえもん「どうしてって…今日はここでパーティーするんだよ」

のび太「えっ?パーティー?」

ドラえもん「そうだよ、だって今日はのび太君の誕生日なんだから。ふふふ」

ドラミ「…のび太さん。今日ってあなたの誕生日なの?」

のび太「ううん…半年以上先だよ…でも去年、確かに裏山で僕の誕生日会したんだ」

のび太「僕には内緒で用意してくれて、すっごい驚いたけど嬉しかったっけ…」

のび太「そのことは忘れてないんだ…ドラえもん…」

ドラえもん「のび太君が見たらびっくりするぞぉ。ふふふふ」

22: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 21:39:00.867 ID:rpBloGKPH.net
ドラえもん「ムニャムニャ…」

ドラミ「寝顔を見てると壊れてるなんて信じられないわね」

のび太「…ドラミちゃん、僕やっぱりドラえもんと一緒にいるよ」

ドラミ「本当にいいの?のび太さん」

のび太「うん、ドラミちゃんの提案は嬉しいけど、やっぱりそばにいたいんだ」

のび太「時々暴れたり騒いだりもするけど…いつもはとっても穏やかなんだよ」

のび太「それに、誕生日のこと覚えててくれてた…僕の事がわからなくても、いいんだ」

のび太「僕の事を覚えててさえいてくれれば」

ドラミ「…わかったわ。でももしまたこんな事があったら必ず連絡してね」

ドラミ「その時はあたしが責任を持ってお兄ちゃんを未来へ返すから」

のび太「うん、ありがとう」

24: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 21:43:07.711 ID:rpBloGKPH.net
でもこの日を境に、ますますドラえもんの状態は悪くなっていった―――


ドラえもん「まずい!」ガチャン

のび太「…駄目じゃないかドラえもん。ご飯を投げたりしちゃ。ね?」カチャカチャ

ドラえもん「うるさい!僕に毒を食べさせようとしてるんだろ!」

のび太「そんなわけないじゃないか…ほら、手も口元も汚れて――」

ドラえもん「さわるな!!!」バシッ

のび太「痛っ!…ひどいよ…僕だって一生懸命やってるのに…」

ドラえもん「僕はそんなこと頼んでない!なれなれしくするな!」

ドラえもん「ただのお手伝いのくせに!!」

のび太「…なんなんだよ…僕が世話してるからなんとかご飯だって食べられるんじゃないか…」

ドラえもん「なんだって!?言いたいことがあるならはっきり言ったらどうだ!!」

ドラえもん「のび太くーーん!助けてよのび太くーーん!!」

のび太「…もういい!!もう知らない!!!」ガラッ バン! ドンドンドン…

28: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 21:47:01.109 ID:rpBloGKPH.net
のび太「はっ、はあっ…はあはあ…」

のび太「僕だって…僕だって精一杯やってるのに…!うっ、ひぐっ…うううう…」


(回想)(ドラえもん 「のび太君、一緒にどら焼き食べようよ。ふふふ」)


のび太「はっ!!…僕ってばなんてことを。ドラえもんを置き去りにして…!」

のび太「ごめん、ごめんよ、すぐ戻るからね!」

32: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 21:49:26.907 ID:rpBloGKPH.net
ダンダンダンダン ガラッ

のび太「ドラえもん!!!    いない…ドラえもん!ドラえもん!」

のび太「ドラミちゃんに!!…だめだ、またいなくなんて知ったら連れ戻されちゃう…」

のび太「…そもそも僕のせいなんだ。僕だけで見つけないと!!」


タッタッタッ

のび太「はあはあ…ドラえもん!!どこだよ!!ドラえもーーーん!!!!」

のび太「知らないなんて言ってごめん!!だから出てきてよ!!お願い!!」

34: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 21:53:19.692 ID:rpBloGKPH.net
カー…カー…

のび太「はぁ、はぁ、見つからない…まさか川に落ちたりしちゃったんじゃ…」

のび太「ごめん…本当にごめんよ…うう…」

ドラえもん「ふふふ、おいしいなあ」

のび太「!!! ドラえもんの声だ!!ドラえもん!?部屋にいるの!?」

のび太「良かった…帰ってたんだ!」グニュ

のび太「えっ!?」

のび太「…うっ!!うわああああ!!!犬の糞!?なんで!?」

のび太「臭い…匂いが…僕の部屋から…?」

のび太「まさか…まさか!!!」

ダッダッダッダ…ガラッ

37: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 21:56:22.084 ID:rpBloGKPH.net
ドラえもん「ふふふ、どら焼きおいしい」モグモグハグハグ

のび太「何してるんだよドラえもん!!やめて!そんなの食べないでよ!!」」

ドラえもん「うるさい!」ドンッ

のび太「あぐっ!」

ドラえもん「これは僕が集めたどら焼きだぞ!誰にもやるもんか!」ハグハグモムモム

のび太「…やめて…」

のび太「そんなみっともないことしないで…」

のび太「もうやめてよ…」

ドラえもん「はあああ…お腹いっぱい」ゲフゥ

38: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 21:59:10.008 ID:rpBloGKPH.net
ドラえもん「ふふふ、手にあんこがついちゃった」ペチョペチョ

のび太「…やめろって言ってるだろ!!!!このゴミクズロボット!!!!」

ゴッ!!!

ドラえもん「うっ!!」

のび太「もう死んじゃえよ!!!お前なんか!!!!死ね!!!!」ゴッ!ガンッ!

のび太「ハァハァ…  あっ」

ドラえもん「ううう…」

のび太「ごっ…ご、ごめんドラえもん!!僕、僕そんなつもりじゃ…!」

ドラえもん「…あの」

ドラえもん「君は、誰だい?」

のび太「……はは、あはは、あははは…」

40: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 22:04:04.456 ID:rpBloGKPH.net
チュンチュン…


のび太「朝だよ、ほら起きて」

ドラえもん「んん…まだ眠たいよ…」

のび太「何言ってるのさ。今日は空き地に遊びに行く予定だったろ」

ドラえもん「そうだっけ…」

のび太「そうだよ。“のび太君“ももう空き地で待ってるんだよ」

ドラえもん「のび太?…のび太……誰だっけ」

のび太「のび太は君の友達だよ」

ドラえもん「そうだっけ…?じゃあ起きないと…」

42: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 22:08:16.516 ID:rpBloGKPH.net
ドラえもん「ねえ、本当にのび太君はもう向かってるのかい?」

のび太「うん、君の事をずっと待ってるよ」

ドラえもん「じゃあ急ごう。…あれ?ところで君は?」

のび太「僕はのび太の友達さ」

ドラえもん「そっかあ。君はここで何をしてるんだい」

のび太「僕は君を空き地に連れて行くんだよ」

ドラえもん「どうして?」

のび太「空き地でのび太君が君を待ってるからだよ」

ドラえもん「のび太君って?」

のび太「のび太は君の友達だよ」

ドラえもん「あ、このどら焼き持って行っていいかな」

のび太「いいよ。匂いが漏れないように密封して持っていこうね」

ドラえもん「ふふふ、のび太君と一緒に食べよっと」

ドラえもん「…のび太君って、誰だっけ」

のび太「君の友達だよ」

44: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 22:12:26.874 ID:rpBloGKPH.net
のび太「さあ、ついたよ」

ドラえもん「ふふふふ、今日は晴れてるし最高だね」

のび太「ねえ、ドラえもん」

ドラえもん「…ドラえもん?」

のび太「ああそっか、もうそれもわからなくなってたんだっけ」

45: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 22:15:33.420 ID:rpBloGKPH.net
のび太「ごめんね。ドラえもん。本当にごめん」

のび太「僕なりに一所懸命がんばったつもりだったけど、もう疲れちゃった」

のび太「でもドラえもんを見捨てることもできない」

のび太「最後までこんなダメな奴でごめんね」

のび太「ごめん…うっ…ふぐっ…」

ドラえもん「? どうしたんだい。どこか痛むのかい?」ナデナデ

のび太「…ううん、違うよ。大丈夫」

46: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 22:18:47.539 ID:rpBloGKPH.net
ドラえもん「その手に持ってるものはなあに?」

のび太「これはね、どくさいスイッチっていうんだ。ひみつ道具だよ」

ドラえもん「へえ、ひみつどうぐ。って言うんだ」

ドラえもん「…ところで君は誰?」

のび太「僕は…」

のび太「…君の友達さ。親友だよ」

のび太「だから、最後の最後まで一緒にいるよ」


のび太「…“ドラえもん“」


カチッ


のび太「“野比のび太“」


カチッ

49: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 22:24:20.400 ID:rpBloGKPH.net
しずか「ドラちゃんとのび太さん、喜んでくれるかしら」

スネ夫「ふふん、僕のママが取り寄せた超高級どら焼きだよ?喜ばないわけないさ」

ジャイアン「のび太もかかりっきりで大変だろうし、たまには息抜きしねーとな!」

しずか「ねえ、これからはみんなでドラちゃんの世話を分担しない?」

ジャイアン「おお!店番がない日ならぜんぜん手伝うぜ!なあスネ夫!?」

スネ夫「え…ぼ、僕も?」

ジャイアン「お前!心の友が困ってるときには助けてやるもんだろうが!」

スネ夫「わ、わかったよ!!手伝えばいいんでしょ!」

しずか「うふふ、これでのび太さんもちょっとは楽になって…」

しずか「…えっと、ところでスネ夫さん、このどら焼きって誰に渡すの?」

スネ夫「なーに言ってんだよしずかちゃん!それは―――  あれ?それは…」

ジャイアン「ん?そもそも俺たち何しにこんなとこ歩いてんだ?」

しずか「何か、とっても大事な用事があったような気がするんだけど…」


おわり

引用元: ドラえもん「ここはどこだ!!誰なんだ君は!!」 のび太「僕はのび太だよドラえもん!落ち着いて!!」