静香「逆襲のアイドル!」 前編

481: 矢橋P 25/01/21(火) 14:44:11 ID:jSOk
その日夕方

とある道




麻美「…………」スタスタ

朋花「おや~。ここにも迷える子ぶたちゃんが居ますね~」

麻美「!?」





 
 

482: 矢橋P 25/01/21(火) 14:46:04 ID:jSOk
そして

その日の夜 とある場所






黒服「久方ぶりですね。様子を見にきました」

黒服「監督業務も結構馴染んでいるじゃないですか。本職にしたらどうです?」

昴「……何の用だよ」

黒服「様子を見に来たのと連絡ですよ」

黒服「一ノ宮桜華……彼女が不振な動きをしたら私に連絡ください」
 

483: 矢橋P 25/01/21(火) 14:47:57 ID:jSOk

昴「”彼女も”なんかあんのかよ」

黒服「いえ別に、ただの反抗期の娘ですよ。彼女は我々とは無関係ですし」

黒服「ただ福山校長が念押ししてくるものですから」

黒服「彼女が何しようが我々としてはどうでもいいのですがオーナーの意向には従っておかないとね」

黒服「あなたの仕事の本命はあくまで“アレ“ですよ」

昴「……」キッ
 

484: 矢橋P 25/01/21(火) 14:49:35 ID:jSOk

黒服「そう睨まないでくださいよ。“アレ“は必要なんです。奴らに対抗する為にはね」

黒服「最近“アレ“の様子はどうです?」

昴「……千羽矢はクラスのみんなと仲良くやってるよ」

黒服「実に結構なことです」

黒服「何度も言ってますが“アレ“が暴走し最悪な事態になった場合は……ここの分校ごと“切り“ますからね」

昴「……ふざけんな」
 

485: 矢橋P 25/01/21(火) 14:53:06 ID:jSOk

黒服「そうならない為にあなたがここに居るのですよ。教え子が大事ならそのことをお忘れないように」




黒服(フフ……あなたも必要な物の一つなんですけどね。ハタ侵略の英雄の一人、永吉昴さん)

黒服(“アレ“に永吉昴。この二大戦力は必要な時が来るまでここに残留させておきましょう)

黒服(とはいえ万が一ということもあります。そろそろあの人にも声をかけておきますか)







 

486: 矢橋P 25/01/21(火) 14:54:57 ID:jSOk


次の日






静香「というわけなの」

未来「静香ちゃんの怪我が治ったのってそうだったんだ……。私も一緒に説得するよ!」

静香「いや私一人の方がいいと思うの。怪我した同士の方が今の麻美にとってはね」

未来「……分かったよ静香ちゃん」

静香「まず会って話しをしなきゃ。麻美を見つけたらすぐ私に教えてちょうだい」

未来「うん」

静香「その間レッスンを空けることになる。ごめんなさい志保」

志保「はぁ……。なるべく早く決着付けなさい」





 

487: 矢橋P 25/01/21(火) 14:56:13 ID:jSOk
放課後




麻美「……」ウツムキ


ガラッ


静香「ようやく見つけた」

麻美「……放っておいてって言ったじゃない。なんで……」

静香「やっと話を聞いてくれそうね」

静香「あなたを連れて行きたいところがあるの」


麻美「……なんで静香ちゃんと?」

麻美「嫌だよ。今の私が静香ちゃんと一緒にいたら私どんどん嫌なこと言っちゃうよ」

麻美「だから私に構わないで!」

488: 矢橋P 25/01/21(火) 14:57:26 ID:jSOk

静香「構うわよ」

麻美「なんで……」

静香「あなたの気持ちが分かるから」

麻美「分からないよ。だって静香ちゃんは……」

静香「私だって治らないって言われたの」

麻美「えっ?」

静香「この怪我は治らないって言われたのよ!」
 

489: 矢橋P 25/01/21(火) 14:59:50 ID:jSOk


麻美「そんな……でも……」

静香「確かに今は動くようになった。リハビリに時間かかったけど元通りになったの」

静香「それはある先生のおかげなのよ」

麻美「ほ、ほんと?」

静香「ええ。あまり表では広まってない方法みたいだけどね」

静香「でも今のあなたを見ていると去年の私を見ているようで放っておけないのよ」
 

490: 矢橋P 25/01/21(火) 15:00:56 ID:jSOk


麻美「……静香ちゃん」

静香「今度私がお世話になった先生の元にあなたを連れて行きたいの」

静香「……もし私の言う事が信じられるなら明日部室に来てちょうだい」

静香「私はこれからレッスンだから」

タタタッ





麻美「私の手が…………本当になお……る?」

491: 矢橋P 25/01/21(火) 15:02:18 ID:jSOk


次の日

早朝





麻美「……」スタスタ

麻美「……!」ピタッ

朋花「答えを聞きに来ましたよ~」









 

492: 矢橋P 25/01/21(火) 15:06:17 ID:jSOk
そして

放課後





静香「…………」ジッ


ガラッ


麻美「……」ウツムキ

静香「来てくれたのね麻美」
 

493: 矢橋P 25/01/21(火) 15:07:29 ID:jSOk
麻美「ほ…………んとに」

静香「?」

麻美「本当に動くようになる?」

静香「そうよ」

麻美「本当、本当に?」

静香「ええ。原因不明だった私の怪我が治ったぐらいですもの」

麻美「う、うん!そうなんだね」ニコッ

静香(ああ……麻美はいつもこんな風に笑ってたんだ)



 

494: 矢橋P 25/01/21(火) 15:11:47 ID:jSOk
そして



昴「それじゃオッケーってことでいいのか?」

静香「お願いします昴さん」

麻美「よろしくお願いします」ペコッ

昴「いいって。じゃあ行こうか」



 

495: 矢橋P 25/01/21(火) 15:17:33 ID:jSOk
そして

とある個人病院




桧垣「………………」

静香「桧垣先生……」

麻美「…………」
 

496: 矢橋P 25/01/21(火) 15:19:13 ID:jSOk

桧垣「………………」

昴「桧垣、どうなんだ?」

桧垣「はぁ…………」

麻美「あの……」



桧垣「……はっきり言いましょう。これはもう無理です」


 

497: 矢橋P 25/01/21(火) 15:20:51 ID:jSOk

麻美「えっ」

桧垣「申し訳ありません」


麻美「治らないの……」

静香「そ、そんな。しあわせ草で、しあわせ草なら治るんじゃないの?」

静香「私の怪我だって治ったじゃない!」

桧垣「あなたの時とは違うんです。静香さんの場合もしあわせ草で体の回復力を高めただけです」

桧垣「つまりしあわせ草の効力で治したというよりあなたの中に備わっている力で治したんです」


静香「つ、つまり……」

桧垣「ところが七島さんの場合、右手首の骨が削られて完全になくなってしまっているんです」

498: 矢橋P 25/01/21(火) 15:21:35 ID:jSOk

静香「でも、しあわせ草なら骨の再生だって!」

桧垣「ええ、“元“には戻せますよ。ですが周りの骨は長年のトレーニングで鍛えられて普通の骨とは違うんです」

桧垣「元に戻った骨は周囲と比べて弱く激しい運動にはとても耐えきれません」

昴「それじゃ……麻美は二度とバスケは……」

桧垣「……残念ながらそうなります」

桧垣「こうなる前に手を打っておくべきでしたね」
 

499: 矢橋P 25/01/21(火) 15:22:35 ID:jSOk

静香「なんとか……なんとかならないの!」

桧垣「……静香さん、すまない」

静香「お願いです、せんせぇ……」ガクッ

桧垣「………………」

昴「静香……」
 

500: 矢橋P 25/01/21(火) 15:23:48 ID:jSOk



麻美「右手……治らなない……んだ」

麻美「私……やっぱり……二度とバスケ出来ないんだ……」

麻美「うわぁぁぁぁん」


 

501: 矢橋P 25/01/21(火) 15:25:08 ID:jSOk
そして




静香「……本当にごめんなさい」

麻美「なんで静香ちゃんが謝るの」

静香「私が期待させたから……」

麻美「ううん。静香ちゃんの怪我は治ったんだもん。普通はそう勘違いするよ」

静香「でも……」

麻美「私が勝手に期待して……またバスケが出来るって……」

静香「麻美……」
 

502: 矢橋P 25/01/21(火) 15:29:09 ID:jSOk

昴「……一応治療自体は出来るそうだ。バスケは無理でも日常生活には問題ないようには出来るみたいだけど……」

麻美「……いいよ。バスケが出来ないなら意味ないよ」

麻美「私が生きてる意味だって……」

静香「!!」

静香「それだけは駄目よ。それは言ったら駄目なんだから」

麻美「ごめん。…………でも静香ちゃん。私はどうすればいいの」

麻美「正直何をすればいいかわからないんだよ。今までバスケしかしてこなかったんだよ」
 

503: 矢橋P 25/01/21(火) 15:30:31 ID:jSOk

静香「まず治療を受けて右手を治療すること。何かの拍子でまたバスケが出来るようになるかもしれないでしょ」

麻美「でも先生はもう激しい運動は無理だって……」

静香「諦めるの!あなたは自分で自分のことをエースだと言ってたじゃない」

静香「……それにバスケが出来なくても他にやりたいことが出てくるかもしれないじゃない」

静香「そのためにもまず右手を治すの。包帯付けたままじゃあなたも気が滅入るでしょう」

麻美「うん」

静香「私や未来も付き合うわ。私達の仲でしょ?」

麻美「……わかったよ」





 

504: 矢橋P 25/01/21(火) 17:15:50 ID:jSOk
そして



桧垣「これで処置は完了ですが静香さんの場合とは違いますからね、一週間に一回は見せに来てください」

麻美「はい……」

桧垣「都合が合えば私の方からも出向いてあげます。軽い診察なら外でも問題ないですからね」

昴「すまないな先生」

静香「ありがとうございます」





 

505: 矢橋P 25/01/21(火) 17:17:50 ID:jSOk




昴「なー、先生。二人が居ないうちに聞きたいんだけどさ」

桧垣「なんです」

昴「もし……の話しだけどさ。あの子にサイボーグ手術したらバスケは出来るようになるのか」

桧垣「……適合率にもよりますが出来るでしょうね。金属の骨をベースにして人工筋肉で補って……」

桧垣「ですがそれはやってはいけないことです」

昴「わかってるよ。そんなことしたらオレみたいになっちまう」

昴「それこそ人生を捨てることにな」
 

506: 矢橋P 25/01/21(火) 17:18:54 ID:jSOk

昴「先生だってつらかったんじゃないか。方法があっても提示出来ないのは」

桧垣「おや、昴くんから心配されるとは」

桧垣「心配無用ですよ。こういうことは医者の常です」


桧垣「ですが……本来サイボーグ技術とはこういう時のためにあるものではないのか。と思わなくはないですね」

昴「……先生」





 

507: 矢橋P 25/01/21(火) 17:21:16 ID:jSOk

開拓分校 教室





未来「麻美ち゛ゃ゛ん゛~」ガバッ

麻美「うわっ、未来ちゃん」ダキッ

未来「静香ちゃんから聞いたよぉ~」

未来「私、本校に居た時に気付けなくてごめんなさい~」

麻美「……未来ちゃんが気にする必要はないよ」




志保「取り込み中で悪いけどそろそろレッスンの時間よ」

静香「……うん」

志保「……別に辛いなら今日は辞めにしてもいいけど」
 

508: 矢橋P 25/01/21(火) 17:21:48 ID:jSOk

麻美「……ねぇ」

静香「どうしたの」

麻美「静香ちゃんがレッスンしているところ見ていいかな?」


静香「いいけど。どうしてなの?」
 

509: 矢橋P 25/01/21(火) 17:23:41 ID:jSOk

麻美「私、静香ちゃんはテニスをやってるイメージしかないんだよ。未来ちゃんの話を聞いてもピンとこなくてさ」

麻美「本当にアイドルやっているのかなーって思ってて」

静香「そうよね、麻美と会った中学生時代はテニスしかしてなかったから」

静香(順序としてはアイドルが先なのだけど)

麻美「だからダンスを踊ってる静香ちゃんを見てみたくてさ」

静香「……いいわよ。今日は麻美のためだけに踊ってあげる」




志保(やれやれ)ハァ

志保「……まあいいわ。人を元気づけるのもアイドルの仕事だし」





 

510: 矢橋P 25/01/21(火) 17:26:09 ID:jSOk

部室




志保「音響は私でやる。だから静香一人で踊りなさい」

静香「うん。ダンスの内容は収穫祭の時と同じでお願いね」

麻美「未来ちゃんの言ってたやつだね。ちょっと楽しみ」




静香「……」スッ

志保「……」カチッ


ダッ!

511: 矢橋P 25/01/21(火) 17:27:11 ID:jSOk


今まで誰かのために歌って踊るってことはなかった
だから誰かのために歌って踊るって初めてなのだけど……
とにかく必死で楽しいとか嬉しいとかそんな感情は一切わいてこない
それはアイドルとしては間違いなのかもしれないけど
でも少しでも麻美の心に響いてくれたら……

 

512: 矢橋P 25/01/21(火) 17:35:01 ID:jSOk
ダン!




麻美「……」パチパチパチ

静香「どうだったかしら」ハアハア

志保「全体的に力み過ぎ。表情もやや硬いわ」

静香「む……」

志保「ダンスは前よりは上手くなった。歌もまあまあね」
 

513: 矢橋P 25/01/21(火) 17:35:57 ID:jSOk

静香「麻美から見たらどう?」

麻美「……良かったよ」

静香「無理に褒めなくてもいいのよ」

麻美「お世辞じゃないよ」

麻美「ただ……うまく言葉に出来ないんだよ」

麻美「今までで見たことない静香ちゃんの顔でさ。圧倒されちゃったけど……私の心にちゃんと届いたよ」

静香「麻美……」
 

514: 矢橋P 25/01/21(火) 17:37:14 ID:jSOk

麻美「静香ちゃんアイドルに本気なんだね」

静香「そうよ」

麻美「実はね、テニスに人生をかけてた静香ちゃんが突然アイドルなんて……と思っていたんだよ。だけど本当だったね」

麻美「……私もバスケ以外のことで本気になれること見つけれるかな」

静香「見つけられるわ。麻美なら」

静香「今は休んでいるだけよ。今まで全力疾走だったでしょう」

麻美「うん。……でも見つけられるかなぁ」
 

515: 矢橋P 25/01/21(火) 17:38:53 ID:jSOk


由良里「麻美ちゃん一人で探さずに友人のお力を借りればよいかと」シュパン

静香「えっ」

志保「!」

麻美「うわっ、由良里!?」

由良里「どうも、麻美ちゃんの親友川田由良里です」


川田由良里が麻美の親友でいつも傍に居ることは中学生時代から私も未来も知っている
ただ、一歩引いたように見守っていることも多くてよくわからないことも多いのよね

516: 矢橋P 25/01/21(火) 17:40:06 ID:jSOk
由良里「すみません。麻美ちゃんのためにここまでしてくれて」


麻美「由良里はどこから見てたの?」

由良里「教室で話して部室に入るまで全部見てましたよ」

静香(ぜんぜん気付かなかったけど……)

由良里「私、忍者の家系なので」

静香「そうなの……」

麻美「あれ?由良里ってそうだったっけ」

由良里「冗談です」

静香「……」
 

517: 矢橋P 25/01/21(火) 17:41:22 ID:jSOk

由良里「ですが先ほど言ったことは冗談ではありませんよ」

静香「先ほど……?」

由良里「静香さんと未来さんには麻美ちゃんにもっともっと構ってほしいんです」

静香「私が麻美に?」

由良里「麻美ちゃんはド……頼りない部分があるのでお二人のお力を貸してほしいのです」

麻美「ねえ、今ドジって言いかけたよね」
 

518: 矢橋P 25/01/21(火) 17:42:29 ID:jSOk

静香「それなら川田さんの方が適任じゃ……」

由良里「私ですと麻美ちゃんには甘くなってしまうので。今回の麻美ちゃんの決意も静香さんのおかげですし」

静香「……私の責任でもあるか。まあここまできたら最後まで手伝うわ」

麻美「いいの。ありがとう静香ちゃん!」



志保「あのね。静香と未来もレッスンや練習で忙しくてそんな暇ないわよ」

静香「確かにそうだけど……」
 

519: 矢橋P 25/01/21(火) 17:44:13 ID:jSOk



麻美「……それもそうだね。それにお世話になってばっかじゃいけないし」

由良里「麻美ちゃん?」


麻美「決めたよ。私アイドル部のマネージャーになるよ!」


静香「麻美が!?」

志保「……本気なの」


麻美「本気だよ。これでもバスケだけど部活経験者なんだよ」

麻美「運動は出来なくても雑用なら出来るからね」
 

520: 矢橋P 25/01/21(火) 17:45:12 ID:jSOk

志保「まあマネージャーは欲しいと思っていましたが……」

志保(これも静香の行動の結果……か)


由良里「私からもお願いします。麻美ちゃんだけだと不安なので私もマネージャーになって補佐しますので」

麻美「ひどい!」

静香「わかったわ。よろしくお願いね」



 

521: 矢橋P 25/01/21(火) 17:47:06 ID:jSOk

その後昴コーチにも話して麻美と川田さんは正式にアイドル部のマネージャーになった
今まで細かい業務も私と志保の二人でやっていたから助かるわ
収穫祭の時みたいな内々内々ならともかくこれから大会を目指していくならマネージャーのサポートは絶対必要だもの
 

522: 矢橋P 25/01/21(火) 17:48:20 ID:jSOk









黒服「……」

黒服「念のため監視していましたが……まさかこんなところに桧垣東児が居るとは」

黒服「それも永吉昴と未だに接触しているとはね」

黒服「……もう少し監視を続けますか」

523: 矢橋P 25/01/21(火) 18:02:45 ID:jSOk
今回はここまで

原作をやったことのある人ならわかると思いますが麻美と桧垣のやりとりはほぼ原作のままです
すみません、あの展開は自分では……書くのが辛くて
パワポケ13は発売された後にすぐ買ってやったのですが事前知識無しで麻美のイベントを見た時はリアルで声が出ました
自分も途中まで治るものだと思っていましたからね
あとSS内で明記してないですが麻美の怪我の原因は本校の先輩達のいじめが原因です

さてここまでの麻美はわりと原作をなぞってきましたがここからはちょっと原作から変わっていきます
この後の原作麻美のストーリーは主人公(男)に麻美が好意を寄せてるのが前提なので静香と未来では再現は出来ないでしょう
でも最後は…………あのハッピーエンドを目指していく予定です

524: 矢橋P 25/01/25(土) 22:04:16 ID:p0y6
続きを投下します

525: 矢橋P 25/01/25(土) 22:05:39 ID:p0y6
次の日

部室





麻美「う~。う~。うう~~」


未来「麻美ちゃんが何か唸ってる~。もしかして消しゴムをお菓子と間違えて食べちゃったのかな?」

麻美「違うよっ!いくら私でもそんなドジは起こさないよ!」
 

526: 矢橋P 25/01/25(土) 22:06:30 ID:p0y6

麻美「私、クラスのみんなと仲直りしたいんだよ」

静香「仲直りって……別にみんなと喧嘩したわけではないでしょう?」

麻美「そうだけど……今日までクラスのみんなとほとんど会話してないんだよ」

麻美「だから……どうみんなの前に出ていいのかなぁ」
 

527: 矢橋P 25/01/25(土) 22:07:37 ID:p0y6

未来「難しく考えないでみんなに思いっきり話しかければいいだけだよ」

未来「じゃあ私は野球部の練習に行って来るね」


バタン




麻美「うう~。私は未来ちゃんみたいに出来ないよ」


静香(由良里さんが言うには麻美は元々人前に出るのが苦手な子だったみたいで)

静香(由良里さんが私達に麻美ちゃんをお願いしますといった理由もそこみたい)

528: 矢橋P 25/01/25(土) 22:09:21 ID:p0y6

志保「でも麻美さんがみんなと仲良くしたいと思っているのなら、引き延ばさずに決着は早い方ががいいと思うけど」

麻美「志保ちゃん厳しい……」

志保「志保ちゃん……」

麻美「あれ?静香ちゃんみたいに志保って呼び捨ての方が良かった?」

志保「……志保ちゃんが呼びやすいなら志保ちゃんでいいけど」

志保(志保ちゃんって呼ばれたの久しぶりね)


麻美「そっか。私のことは麻美さんじゃなくて麻美って呼んでほしいな~」
 

529: 矢橋P 25/01/25(土) 22:10:19 ID:p0y6

ガチャ



桜華「ちょっとよろしいですか」

未来「ふぇ、桜華ちゃん?」






 

530: 矢橋P 25/01/25(土) 22:11:42 ID:p0y6

桜華「アイドル部に話があってまいりましたの」

静香「それは一ノ宮さん個人の話じゃなく、神桜分校代表としてですか?」

桜華「そうですわ」

桜華「あの時あなた方が提案した分校同士が協力し合って本校に対抗するという話ですけど」

桜華「あれから私も長考しまして、遅ればせながら神桜分校も参加しようと思いましたの」

桜華「あれから2ヶ月経ちました。今さらなのは承知してますわ」
 

531: 矢橋P 25/01/25(土) 22:14:45 ID:p0y6

静香「それは別に気にしな……」


サッ

静香(志保?)

志保「本当に今更ね。あんなに難色示してたくせに、何があったのかしら?」

静香「ちょっと志保」

志保「静香は黙ってなさい。手のひら返した理由くらいは説明してくれるわよね?」

桜華「そうですわね。まず私が理事長代理を務める神桜分校について話しますわ」


 

532: 矢橋P 25/01/25(土) 22:18:19 ID:p0y6

神桜女学院は……今は分校ですけど、歴史ある名所正しい女学院なんですの
裕福ではなかったですが経営難というわけでもなく混黒高校と合併する必要は何一つありませんでした

ですが…………一昨年に神桜女学院の理事長である私のお父様が……亡くなりました
あまりにも早く突然な訃報でした……

そしてようやく整理がついたと思ったところで福山校長から連絡がありました
その時初めて気づいたのですがいつの間にか神桜女学院が混黒高校に分校編入されることになっていたんです
このタイミングでの無理やりな編入……。それにお父様なら分校化なんて絶対認めるとは思えませんの
おそらく混黒高校側が裏工作したのは間違いないですわ
 

533: 矢橋P 25/01/25(土) 22:19:33 ID:p0y6


桜華「それで私自身混黒高校本校に入学し内部から調べようと色々やっていましたが何も掴めず」

桜華「おまけにこの分校に飛ばされて……正直手詰まりですの」



麻美「そんなことが……それは大変だったね」


志保「要するにお父さんから受け継いだ学校を取り返すために一人であれこれやってたけど、にっちもさっちもいかなくなって」

志保「仕方なく利用出来るものは利用しようってことで私達に声をかけたわけね」
 

534: 矢橋P 25/01/25(土) 22:21:35 ID:p0y6

静香「志保、そんな言い方……」

桜華「否定はしません。神桜のみんなを守るためなら汚いように思われようと構わないですわ」

志保「……計画の趣旨は理解しているのよね?私達が提案したのはあくまで分校同士の協力による各自の強化。それによる打倒本校よ」

志保「本校と神桜のいざこざはその中に入ってないけど」

桜華「わかっていますわ。ですが混黒高校スポーツ祭で分校の私達が本校のチームに一矢報いれば何か変わるかもしれません」

桜華「今はそれに賭けるしかありませんの」

志保「……そうなればいいわね」
 

535: 矢橋P 25/01/25(土) 22:23:17 ID:p0y6

麻美「とにかく桜華ちゃんも私達の仲間ってことだね」

静香「そうね。早速、来週に板夢分校との合同練習があるのだけど……」

桜華「伝え遅れましたわ。協力してほしい部はアイドル部ではなくてバレー部なのですわ」

桜華「神桜のアイドル部は出来たばかり……とてもみなさんと一緒に合同練習なんて出来る状態ではないですの」
 

536: 矢橋P 25/01/25(土) 22:24:34 ID:p0y6

静香「バレー部?」

麻美「思い出したよ!去年の校内スポーツ大会で本校のチームに唯一食らいついたのは神桜分校の女子バレー部だったね」


桜華「そうですわ。神桜のバレー部は昔から全国大会常連の強豪でしたもの」

桜華「ですが本校に選手が引き抜かれたり予算不足で設備や道具も欠いたりと厳しい状況なのですの」
 

537: 矢橋P 25/01/25(土) 22:25:32 ID:p0y6

志保「話しが見えてこないのだけど。まさかバレー部がアイドル部と一緒に練習するわけでもないでしょう?」

桜華「……協力というよりお願いという形になります。開拓分校の高山紗代子コーチに神桜のバレー部に指導のお願いしたいのです」

桜華「高山紗代子さんはこの分校では野球部兼アイドル部のコーチですが本職はバレーのコーチだと聞きました。彼女が指導に入ってくれれば百人力です」

桜華「月に何回かだけでもどうかお願い出来ますか」
 

538: 矢橋P 25/01/25(土) 22:26:28 ID:p0y6

志保「……神桜分校には他にコーチ出来る人はいないの?」

桜華「我が神桜は男禁なので呼べる人材も限られてますし」

桜華「何より新たにコーチを雇う予算は無いですわ。存続するのでさえ精一杯なのですから」

桜華「そもそも二人もコーチが居るこの分校が異常なのですわ!他の分校だって監督やコーチを雇えず不在か教師が兼任しているところがほとんどですのに」


静香(確かに木村さんも言ってたけど野球部でまともな監督が居る分校はうちだけだって言ってたわ)

静香(なぜうちの分校だけ違うのかしら?)

539: 矢橋P 25/01/25(土) 22:27:41 ID:p0y6

志保「……確かに開拓分校がコーチを独り占めしている。と言われたら耳が痛くて言い返せないわね」

志保「いいわ。高山コーチに相談してみる」

桜華「申し訳ありません。よろしくお願いしますわ」

志保「ただし、一つだけ条件があるわ」







 

540: 矢橋P 25/01/25(土) 22:30:30 ID:p0y6
次の日


教室 帰りのHR





恵理「今日のホームルームはこれで終わりだけど……みんなに話がある子がいるみたいだよ」


詰井「話……?」

軽井「なんだなんだ?」
 

541: 矢橋P 25/01/25(土) 22:31:48 ID:p0y6

バタバタバタ



麻美「どーも。本校から来ました七島麻美です!」

由良里「どもども。本校から来ましたツッコミ担当川田由良里です」

桜華「……同じく本校から来ましたお嬢様担当一ノ宮桜華ですわ」

若来「私も本校から来た晴海若来です。私はモブ担当」
 

542: 矢橋P 25/01/25(土) 22:35:09 ID:p0y6

ざわざわ



麻美「えっ、これは私も何か担当を名乗らなきゃいけない流れかな?」

由良里「何言ってるんですか。麻美ちゃんはドジ担当だってクラスのみんなとっくに気付いていますよ」

麻美「そんな!ボケじゃないの!?」

若来「麻美ちゃんはまだいいよ。私なんか影薄くてみんなに覚えてもらえてないよ」

麻美「えー、でも私もまだみんなと仲良くなってないよ」

桜華「それは私達がみんなとちゃんと関わってないからですわ」

 

543: 矢橋P 25/01/25(土) 22:37:02 ID:p0y6

桜華「皆さん今日まで私達の態度が悪かったことをお詫びしますわ」

若来「分校に移ったばかりで動揺してたの」

由良里「ですが皆さんと仲良くしたくないわけではありません」

麻美「気持ちを受け入れるのに時間がかかっちゃったけど……どうかよろしくお願いします」ペコリ

 

544: 矢橋P 25/01/25(土) 22:40:43 ID:p0y6

 「…………………………」



杉田「そう頭下げないでよ」

詰井「ああ、そこまで言われちゃ、拒否することなんて出来ねえよ」

軽井「僕ちゃんはこんなかわいい女の子が増えて大歓迎だしね~」

未来「こちらこそだよ。ねー、みんな。今度は私達がよろしくお願いします、をする番じゃないかな」

冴花「そうね。残りの高校生活も二年間。最後までよろしくお願いね」

千羽矢「みんな仲良しー」



 

545: 矢橋P 25/01/25(土) 22:48:47 ID:p0y6




静香(……うまくいったようね)


高山コーチにお願いする代わりに志保が一ノ宮さんに提案した条件はクラスのみんなと馴染みたい麻美と晴海さんへ協力することだった
どうやら志保は麻美だけじゃなく晴海さんからも相談を受けていたらしく、ならばみんなで動いた方が本人達にとってもやり易いだろうと思ったみたい
一ノ宮さんはアイドル部に関わる別なことを要求されると思っていたようで面食らったようだったけどすんなりその要求を聞き入れた

なんにしてもこれで転入生四人は私達クラスに受け入れらてほっと一安心ね

546: 矢橋P 25/01/25(土) 22:51:53 ID:p0y6











桜華(…………)

桜華(わたくしは皆さんの善意を利用しているということになるのでしょうね)
 

547: 矢橋P 25/01/25(土) 22:52:40 ID:p0y6

桜華(私がアイドル部に協力を頼んだ本当の狙いはバレー部の強化じゃない)

桜華(もちろん神桜のバレー部が強くなること自体は嬉しいですわ)

桜華(ですが……本当の狙いは高山紗代子さん……ひいては”永吉昴”さん)

桜華(私がこの分校に移されてからこの分校のことを調べてみましたが……)

桜華(この分校、他の分校と比べて何かが変ですわ)

桜華(おそらく私がここに飛ばされたにもおそらく何らかの理由がありそうです)
 

548: 矢橋P 25/01/25(土) 22:53:57 ID:p0y6

桜華(それで……調べていくうちに気付いた特に怪しいところが突然この分校で用務員として雇用された永吉昴さんです)

桜華(彼女の秘密がわかれば……混黒高校の隠された何かを掴めるかもしれません)

桜華(そのためにも彼女にお近づきになる必要があった)

桜華(将を射んと欲すれば先ず馬を射よ。まずは高山紗代子さんからと思ってアイドル部に声をかけた)

桜華(……北沢さんは私の態度を疑ってはいたようですが最後は納得してくださった)

桜華(せめて私も協力出来ることは精一杯しないと……)






そうして新たに加わった4人と共に開拓分校二年生は学校生活を歩んでいく
各自それぞれの思惑を抱えながら………………

549: 矢橋P 25/01/25(土) 23:00:34 ID:p0y6
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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ーーーーーー
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ーー

-

550: 矢橋P 25/01/25(土) 23:02:10 ID:p0y6

四月中旬


山西先生「今日はみんなで稲の播種するよ」





麻美「ねぇ、播種ってなぁに?」

詰井「一般的に言うと種まきのことだよ。まあ種だけじゃなく球根を植える時でも播種って言うけどな」
 

551: 矢橋P 25/01/25(土) 23:05:16 ID:p0y6

山西先生「まず塩水選して良い種籾を見分けるよ」

山西先生「種籾を塩水が入ったビーカーの中に入れます」

山西先生「中身がずっしり入った種籾は塩水の中でも沈むからね。浮いた種籾は除いてね」

山西先生「そうして選別した良い種籾をピンセットでプランターの中に植えていくよ」





若来「細かいプランターに種籾を一つずつ入れていく……地道な作業だね」プルプル

桜華「ですが一番最初のこの作業を怠っては良いお米が出来るはずがありませんわ」プルプル

 

552: 矢橋P 25/01/25(土) 23:08:45 ID:p0y6

別の日 放課後




由良里「麻美ちゃん何しているんですか?」

麻美「私もアイドル部のマネージャーだからねっ!アイドルの勉強しなきゃって思ってさ」

麻美「最近のアイドル動画を片っ端らから見ているんだよ」

由良里「私も手伝いますよ。知り合いに頼んで去年のアイドル大会の映像が残ってないか探してもらいます」




 

553: 矢橋P 25/01/25(土) 23:09:38 ID:p0y6



詰井「チハヤっ!お前また俺達の差し入れのはちみつレモン食べただろ!」

千羽矢「ごめん、つい~」

詰井「今日という今日は許さないからな!」ポカポカ


未来「まあツメイくん、そこら辺で許してあげなよ」

詰井「キャプテン。あまりチハヤを甘やかすなよ」

未来「チハヤちゃんも悪気があったわけじゃないしさ」

千羽矢「未来ちゃんありがと~」
 

554: 矢橋P 25/01/25(土) 23:12:50 ID:p0y6

詰井「……キャプテンが練習後の楽しみにとっておいた生クリームどら焼きも食べちゃってもか?」

未来「ええーっ!」


千羽矢「…………てへっ」

未来「それは許さないよ!ギルティだよ!」ポカポカ

千羽矢「わーー、ごめんなさーい」




 

555: 矢橋P 25/01/25(土) 23:15:25 ID:p0y6

神桜分校



紗代子「桜華ちゃんにお願いされて来ました高山紗代子です」

神桜生徒達「桜華お姉さまから話は伺っています。よろしくお願いします紗代子お姉さま!」

紗代子「紗代子お姉さま!?」







 

556: 矢橋P 25/01/25(土) 23:18:14 ID:p0y6
五月






山西先生「いよいよ君たちが植えた稲の苗が十分に育ったので田植えを行うよ」

山西先生「作業着に着替えたら長靴履いて田んぼに向かおう」

557: 矢橋P 25/01/25(土) 23:21:22 ID:p0y6
そして





未来「私達が田んぼに入って手で直接植えるんだー。面白そうだね」

麻美「泥だらけになりそうだけど、土の匂いもいいものだよね」

冴花「今は農家でも田植え機を使っているからね。田植えの経験なんて農業高校でもないと体験できないわ」

静香(私も去年の八月にここに来たから田植えは初体験ね)



 

558: 矢橋P 25/01/25(土) 23:23:40 ID:p0y6




未来「うわ~ん。田んぼの泥に足がはまって動けないよ~」

志保「未来、泥に足がはまった時はつま先から動かそうとしないでかかとから抜くの。かかとを上にして足を抜いてみなさい」


ズボッ


未来「本当だ!ありがとう志保~」

志保(去年田植えを経験していて良かった)

 

559: 矢橋P 25/01/25(土) 23:24:49 ID:p0y6



麻美「ねえ。私いじめられているのかな。誰もそばに寄ってこないんだけど」


冴花「それは……」ソソソ

杉田「仕方ないよ」ソソソ

由良里「みんな麻美ちゃんのドジに巻き込まれたくないかと」


麻美「由良里は親友だよね?私の隣に居てくれるよね?」

由良里「たとえ親友でも時には心を鬼にして見守ることも必要なのです」ソソソ

麻美「由良里にも見捨てられたー!」
 

560: 矢橋P 25/01/25(土) 23:26:38 ID:p0y6

静香「仕方ないわね。私が隣に行って田植えを一緒にやってあげるわ」

麻美「静香ちゃん……やっぱり静香ちゃんは親友だよ」ウルウル

静香「その代わりゆっくり慎重に行動するのよ。私も初めてだけど……」




<あっ

<えっ


<うわぁぁぁー

<ちょっと、早すぎるわよ!踏ん張って!

<ごめん、ムリーーーっ




\バッターーーン/

561: 矢橋P 25/01/25(土) 23:27:42 ID:p0y6



杉田「ああ………」

由良里「……予定調和でしたね」

冴花「二人とも田んぼの真ん中で盛大に転んじゃって……。タオル用意しておいて良かったわ」









 

562: 矢橋P 25/01/25(土) 23:33:21 ID:p0y6

別の日





下山「監督、これって……」

昴「へへっ、自家製トス&ティーバッティング用のマシーンだよ」

昴「喜沢さんと一緒に作ったんだ。これからトスバッティングとティーバッティングも出来るようになったぜ」


未来「昴監督……ありがとうございます」

昴「いいって。うちのチームは打撃力が低いからな、打撃練習もバシバシやっていくぞ!」

冴花「明日は海底分校との練習試合もあるから気合い入れていきましょう」







 

563: 矢橋P 25/01/25(土) 23:36:14 ID:p0y6

別の日  


坂夢分校 控え室






唯香「悪いねぇ。せっかく来てもらっているんだが本校の連中がまだ残っていやがってな、合同練習は奴らが帰ってからだ」

志保「別に構わないわ。合同練習の日は帰りが遅くなることも了解済みだもの」

静香「私達はいいのだけど……平面分校の佐藤さんはいいのかしら?」

正「僕も大丈夫だよ。ただこの場に居たいだけだしね」
 

564: 矢橋P 25/01/25(土) 23:37:28 ID:p0y6

唯香「しかし正くんも物好きだよな」

静香「平面分校からの部員は誰も来てないのにマネージャーだけで来るなんて……正さんは真面目ですね」

唯香「ああ、アタシもこの中であんたが一番えらいって思うぜ」

正「そうかなぁ」テレテレ

正「……みなさんの熱意を少しでもあの子達に伝えればいいんだけど」
 

565: 矢橋P 25/01/25(土) 23:46:49 ID:p0y6

唯香「まあ茶の一つも出せねぇが……こんなアイドルに熱心な物好きなやつらが集まっているんだ、みんなでアイドル談義でもしようぜ!」

志保「アイドル談義?」

麻美「いいね、やろうよみんなでさ」






唯香「これからのアイドルはロックも受けると思うんだ」

静香「いいえ。アイドルはやはり歌が上手くないと」

志保「ダンスを含めたアイドルの表現力を欠いてもいけないと思うの」

正「でも最近は証明や映像による演出技術の進化も馬鹿に出来ないよ」

麻美「それじゃ私もっ!」


 

566: 矢橋P 25/01/25(土) 23:47:51 ID:p0y6


紗代子「どうやら今回は談義で終わりそうだね」

昴「でもこれもいいかもな。まだプロじゃないんだし学生のうちに色んな意見、色んなアイドル観を模索する時期があってもいいって思うからな」





 
 

567: 矢橋P 25/01/25(土) 23:49:13 ID:p0y6

最上家





静香「今日も遅くなったわ」

静香「ただいま」


静香父「今日も随分遅かったな」

静香「……事前に連絡したでしょ」

静香父「そんなに忙しいのか、アイドル部というのは」

静香「……」ピクッ

静香「……そうです」


静香父「……程々にすることだな。静香の本分はアイドルじゃないだろう」

静香「……疲れてるの。明日も早いし休ませて」

スタスタスタ



静香父「…………」


 

568: 矢橋P 25/01/25(土) 23:50:16 ID:p0y6
六月

開拓分校 グラウンド





詰井「春日、勝負しょうぜ!」

未来「いいよ。今回も私の勝ちだけどね!」
 

569: 矢橋P 25/01/25(土) 23:51:35 ID:p0y6

軽井「あれから何度も……詰井も勝てないのによくやるなぁ」

下山「いや……まだキャプテンが勝ち越しているけどちょっとずつ詰井くんが春日さんを討ち取ることも出てきたよ」

軽井「マジで!?」


冴花「春日さんが来てから詰井くんもだいぶ成長したのよ」

冴花「試合じゃ一発があるパワーヒッターの方がプレッシャー感じるかもしれないけど」

冴花「投球勝負じゃ三球に一回ホームラン打ってくるパワーヒッターより四球に三球はヒットを打ってくるアベレージヒッターの方がやっかいなの」

冴花「まして春日さん相手ならスピード、球種、コントロール、全てを使わないと勝てないわね」
 

570: 矢橋P 25/01/25(土) 23:52:28 ID:p0y6

<バシーッ




未来「うわっ」

詰井「今のは完璧なストライクだな」

未来「インコース際、いいコースだったね」

詰井「へっ、春日相手に下手なコースは投げねえよ」

未来「ふふっ。でもちょっとでも浮いたら捉えるからね」




 

571: 矢橋P 25/01/25(土) 23:53:02 ID:p0y6



軽井「すっげ……」

下山「……僕らも練習しようよ」

軽井「そうだな」





 

572: 矢橋P 25/01/26(日) 00:18:44 ID:7g5h
別の日


開拓分校 田んぼ



カラーッ




麻美「へーっ。田んぼって水を抜いてカラカラにすることあるんだ」

由良里「ずっと水を張ってるイメージでしたけど違うんですね」


詰井「中干しって言ってな。田植えをしてからだいたい一ヶ月後にやるんだよ」
 

573: 矢橋P 25/01/26(日) 00:33:40 ID:7g5h

静香「中干しする理由は未来わかる?」

未来「ええっと……水中に溜まった有毒ガスを抜いたり窒素を調整したりする……だよね」

志保「あと日光による消毒をする意味もあるわね」

静香「だいたい正解よ。未来もだいぶ農業について勉強したわね」

未来「でへへ~」


詰井「それに苗にとって厳しい環境を与えてやることで苗の成長を促すってのもあるな」

由良里「なるほど。水を張った心地よい環境が突然なくなったら稲も自力で根を張って強くなろうとするのですか」
 

574: 矢橋P 25/01/26(日) 00:36:12 ID:7g5h

麻美「でもそれって……私達みたいだねっ!」

静香「どういうこと?」


麻美「最近ここの分校の生活も楽しく感じてきたんだよ」

麻美「混黒高校本校の恵まれたあの環境に居るだけじゃ今の充実感は味わえなかったかな……って」


未来「私も本校の野球部よりここの野球部の方が好きだよ」

志保「そうね。静香も怪我しないでここに来なかったら今頃はアイドル部じゃなくて傲慢なテニスプレイヤーのままだったわね」


静香「いちいち刺のある言い方ね!」

静香(でも……私はそれで良かったけどあなたはそんな簡単じゃないでしょう麻美……)






 

575: 矢橋P 25/01/26(日) 00:38:21 ID:7g5h
別の日


坂夢分校  第二音楽室






唯香「いよいよ合同練習も大詰めだな」

静香「ええ。いよいよ校内スポーツ大会が来月だもの」

唯香「それでだ。最後に開拓分校と坂夢分校でライブセッションやろうぜ」
 

576: 矢橋P 25/01/26(日) 00:40:54 ID:7g5h

志保「それって私達と唯香さん達で一つのステージをやるってことですか」

唯香「そうよ。今日はアタシらの他に正くんや神桜分校のアイドル部も見学に来ているんだ、最後はみんなで盛り上げようじゃねーか」

静香「バンドも兼任している唯香さんらしい提案ですけど賛成ですね」

志保「ここまで見学しにきた神桜のアイドル部に喜んでもらえるようなステージにしないとね」

 

577: 矢橋P 25/01/26(日) 00:42:56 ID:7g5h

唯香「それじゃ決まりだな。ルールは無用で曲を乱さなければどう踊ろうが歌おうが構わない、何でもアリでいこう」

唯香「本場のジャズじゃあそんなセッションは当たり前だぜ」


志保「むちゃくちゃですね」フフッ

静香「アイドルからはちょっと外れるかも」フフッ


唯香「指揮は正、あんたがやれよ」

正「ええっ!僕が?」

唯香「アタシらのを指揮出来るのは練習を一番見てたあんたしか出来ねーよ。まあそれらしく適当でも楽しくやってればいいぜ。アタシらも勝手にやるからよ」

静香(そもそもアイドルどころかジャズにだって指揮者はいないけど……唯香さんなりの気遣いでしょうね)


正「それって指揮する意味あるの?まあいいか」

正「それじゃ曲は”The world is all one!!”でいこうか」






 

578: 矢橋P 25/01/26(日) 00:44:05 ID:7g5h






桜華「あれでは練習になってないのではなくて?」

昴「楽しそうだからいいじゃねーか」

桜華「……確かに楽しそうですわね。我が校のアイドル部の子も喜んでいますわ」


昴「桜華こそわざわざ神桜の子の引率ありがとな」

桜華「私の神桜の生徒を守るのは理事長代理としては当然ですわ」


 

579: 矢橋P 25/01/26(日) 00:45:22 ID:7g5h









翼「………………」キュッキュッ

可奈「………………」キュッキュッ

可奈「……どうしたのよ翼。最近練習熱心じゃない」

翼「へへ~。ちょっとね」

翼「スポーツ祭が近いでしょ?久しぶりにわくわくしてるんだ~」


可奈「……去年の翼が練習サボらずにいたなら全国大会で優勝出来たかもしれないのに」

可奈「ims甲子園までその調子で頼むわよ」

翼(もうすぐだね、静香ちゃん)



そして七月 いよいよ校内スポーツ大会が始まる

580: 矢橋P 25/01/26(日) 07:03:17 ID:7g5h
七月

校内スポーツ大会 初日

混黒高校本校  第一グラウンド ※校内スポーツ大会は混黒高校本校で行われます






未来「第一戦の相手は天空分校だね」

冴花「練習試合でも何回か戦ったけど今回が本番。みんな練習試合の時と同じだとは思わないでね」

詰井「俺としては去年のリベンジを果たしたいからな。ここで当たって良かったぜ」
 

581: 矢橋P 25/01/26(日) 07:05:00 ID:7g5h


須界「おやおや 今回 偶然 前回 と同じ」

須界「おたくの 4番は ちょっぴし 手強いが」

須界「野球は チームで 戦う もんだぜ、イェー!」

未来「……うちの野球部を私のワンマンチームだと思ったら痛い目みるからね!」

須界「それじゃ やろうか いくぜぇ!」



 

582: 矢橋P 25/01/26(日) 07:05:53 ID:7g5h

【混黒高校-校内スポーツ大会-野球の部】

≪トーナメント第一回戦≫
ーーーーーーーーーーーーーーー
 開拓分校 CPT 春日未来
 
  VS
 
 天空分校 CPT 須界鳥人    
ーーーーーーーーーーーーーーー 

583: 矢橋P 25/01/26(日) 07:06:50 ID:7g5h


同時刻

混黒高校 第三体育館






静香「私達の初戦は平面分校ね」

麻美「結局平面分校のアイドル部の人には一回も会えてないね。どんな人達なのかな」
 

584: 矢橋P 25/01/26(日) 07:08:03 ID:7g5h


陽葵「あーー、めんどくさ」

静香「あなたは……」

陽葵「平面分校アイドル部リーダーやってる山田陽葵(やまだひまり)だよ」

陽葵「話には聞いてたよ。あんた達うちの佐藤がお世話になってんだって?」

静香「そうですね。佐藤さんには何度もこちらの都合を聞いてもらっています」

陽葵「へぇ。だけどあんたらラッキーだね」

陽葵「アタシら本当は大会を辞退するつもりだったんだけど佐藤のやつがうるさくてさ」

陽葵「もうそっちの勝ちでいいからさ。まあこっちも適当に踊るからサクッと終わらてくれれば助かるわ」

陽葵「それじゃ、頼むねー」スタスタ


 

585: 矢橋P 25/01/26(日) 07:09:33 ID:7g5h

静香「……」

志保「……」

麻美「だってさ。どうする静香ちゃん志保ちゃん」


志保「静香、本気でやりましょう」ゴゴゴ

静香「ええ。最初っから発破かけてくれるなんてね。佐藤さんに感謝しないと」ゴゴゴ

麻美「……そうだね。それじゃ開拓分校アイドル部、初戦いっくよー!」

 

586: 矢橋P 25/01/26(日) 07:12:54 ID:7g5h



志保「そうだ。大会出る時は静香、あなたがリーダーということで登録するわね」

静香「え?志保の方が長いんだし志保がやった方が……」

志保「別にセンターを譲るとかって話ではないし、静香が前に出て私は後ろで指示している方がいいの」

静香「あなたがそういうなら構わないけど」

志保(リーダーとしての器なら……静香の方が適任だもの)

 

587: 矢橋P 25/01/26(日) 07:13:28 ID:7g5h
 
 ここで公式アイドル試合の説明
・基本的には電波塔で行われたアイドル勝負と同じ
・それぞれのチームがパフォーマンスを行い審査員の判定で勝負が決まる
・アイドルグランプリと違う点はチームの人数が1人から3人までなこと。(この人数にサポーターやマネージャーは含まない)
・基本的に審査員は5人で一人50点満点で採点する
・使う楽曲はチームで用意する。衣装は大会ごとに異なるが基本的には大会側が規定した衣装の中から選ぶ場合が多い
 

588: 矢橋P 25/01/26(日) 07:14:55 ID:7g5h

【混黒高校-校内スポーツ大会-アイドル部】

≪トーナメント第一回戦≫
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
 開拓分校 
ユニット 2人 リーダー 最上静香  
       VS
 平面分校 
ユニット 3人 リーダー 山田陽葵    
ーーーーーーーーーーーーーーーーー

589: 矢橋P 25/01/26(日) 07:16:18 ID:7g5h
そして




≪野球試合 試合結果≫

天空 000000011×2
ーーーーーーーーーーーーー
開拓 00110110/×4

開拓分校4ー2天空分校


開拓分校の勝利

 

590: 矢橋P 25/01/26(日) 07:17:23 ID:7g5h

杉田「やったーーー。初勝利だ!」

詰井「去年のリベンジに成功したな」

軽井「勝つってこんなに気持ちいいことなんだなー」




須界「やったな 負けたぜ 開拓の」

須界「くやしいけれど オレ達は ここで脱落 ああくやしいョォ!」


未来「須界くんずっとラップ口調だったね」

昴(……去年大差で負けたチームに勝ったんだ。オレ達は間違いなく成長しているよな)



 

591: 矢橋P 25/01/26(日) 07:18:22 ID:7g5h


≪アイドル試合 試合結果≫

開拓分校 41 42 40 41 39 計 203 win

平面分校 11 13 11 17 12 計 64


勝者 開拓分校

 

592: 矢橋P 25/01/26(日) 07:20:33 ID:7g5h





静香「…………」

陽葵「はあ、何マジになってんのあんたら。そこまでしてアタシらに恥かかせたかったワケ?」

志保「あなた達が私達を油断させるための演技の可能性もあったからね」

陽葵「なわけないじゃん。はーあ、あんたらアイドル目指している割に性格悪ぅ」
 

593: 矢橋P 25/01/26(日) 07:21:10 ID:7g5h

静香「……仕方なくやるって言ってた割には最後までダンス踊ってたじゃない」

陽葵「曲に合わせてダンスを踊るだけなら小学生でも出来んだよ。余計な慰めはいらねって」

静香「確かに至らないダンスだったわ。でもね、歌いながら最後まで踊るのはやろうとしなきゃ出来ないことなの」

陽葵「そんなの……佐藤のやつが曲もダンスの振り付けも全部用意してくれたからなんだよ。アタシ達の意思じゃねーし」


志保「…………」

陽葵「ちっ……帰るわ」クルッ

 

594: 矢橋P 25/01/26(日) 07:21:51 ID:7g5h


静香「まだ間に合うわよ」

陽葵「!!」

陽葵「ケッ」スタスタ

陽葵(ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう)





 

595: 矢橋P 25/01/26(日) 07:22:43 ID:7g5h

静香「……最後の一言、余計だったかしら」

志保「さあね。……来年また会えればいいけど」

麻美「もしかしたら今年にでもまた会えるかもね。坂夢分校でさ」

静香「そうだと良いわね」

志保「……あと予想以上に私達の点数高かったけど平面分校の後でのパフォーマンスだったから相対的に高かっただけだと思うわ。慢心しないように」




校内スポーツ大会の初戦、特にアイドル部は初となるアイドル勝負だったけれど無事野球部とアイドル部の両方とも突破したのだった
そして…………

596: 矢橋P 25/01/26(日) 07:24:07 ID:7g5h
数日後

混黒高校本校 第一グラウンド






詰井「いよいよ決勝戦か」

杉田「これに勝ったチームが本校のチームと戦えるんだよね」
 

597: 矢橋P 25/01/26(日) 07:26:21 ID:7g5h


澄原「やっぱり決勝戦の相手はあんた達か」

未来「澄原さん」

澄原「この試合に勝った方が本校と試合出来て甲子園へのチャンスが貰える」

澄原「まあ本校に勝ったからといって甲子園に行けるわけじゃない。子細い糸のような可能性だけどね」

未来「私はそんな可能性でも譲るつもりはないよ。甲子園に行くためならどんな可能性だって諦めないから!」

澄原「そりゃそうさ。そもそもこんなトーナメントにも勝ち抜けないようじゃどのみち甲子園に行けやしない。今はごちゃごちゃ言わずただ勝つこと、だろ?」

未来「うん。お互い恨みっこ無しでいこう」

 

598: 矢橋P 25/01/26(日) 07:26:53 ID:7g5h

【混黒高校-校内スポーツ大会-野球の部】

≪トーナメント決勝戦≫
ーーーーーーーーーーーーーーー
 開拓分校 CPT 春日未来
 
    VS
 
 海底分校 CPT 澄原広美    
ーーーーーーーーーーーーーーー 

599: 矢橋P 25/01/26(日) 07:27:46 ID:7g5h
混黒高校本校 第三体育館




唯香「よぉ」

静香「唯香さん」

唯香「こないだのライブセッションは楽しかったぜ。対決するだけじゃないのがアイドルの良いところだよな」

静香「そうですね。元々アイドルは競技じゃないですし」

唯香「でも今回は……真剣勝負といこうぜ。アイドルは競争の世界でもあるみたいだからな」

静香「負けませんよ」

唯香「こちらこそ……な」

 

600: 矢橋P 25/01/26(日) 07:28:56 ID:7g5h

【混黒高校-校内スポーツ大会-アイドル部】

≪トーナメント決勝戦≫
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
 開拓分校 
ユニット 2人 リーダー 最上静香 
      VS 
 坂夢分校 
ユニット 3人 リーダー 戸沢唯香    
ーーーーーーーーーーーーーーーーー

601: 矢橋P 25/01/26(日) 07:29:40 ID:7g5h





-

602: 矢橋P 25/01/26(日) 07:30:28 ID:7g5h
そして



七回表


表 開拓分校 0
裏 海底分校 1


昴「七回までうちは無得点で相手の1点リードか」

冴花「澄原さんを打ち崩せてないですね。春日さんが数本ヒットを打ったぐらいです」
 

603: 矢橋P 25/01/26(日) 07:32:24 ID:7g5h



<バシーーーン

<ストライク!


澄原「…………」ギリッ




詰井「すげぇな。あれで女かよ」

未来「……マウンドに立っている以上女の子とか関係ない、一人のピッチャーだよ。……それも一流のね」
 

604: 矢橋P 25/01/26(日) 07:34:07 ID:7g5h

澄原(……まずワンアウト。だけどこの三番バッターの後は四番の春日かい……)ヒュツ



<カキーーーン



澄原(しまった、後ろの春日に気を取られてつい甘い球を投げてしまった)


 

605: 矢橋P 25/01/26(日) 07:34:51 ID:7g5h

冴花「これで1アウト二塁で春日さんに打席が回ってきたわ。この試合初めての得点チャンスね」




未来「……」バットカマエ

澄原「……敬遠はしないよ。お互いチームのエース同士で勝負といこうじゃないか」

未来「悪いけど……勝つために絶対打たせてもらうよ!」




 

606: 矢橋P 25/01/26(日) 07:35:34 ID:7g5h




そして



≪アイドル試合 試合結果≫

開拓分校 39 37 38 36 41 計 191 win

坂夢分校 38 38 36 34 37 計 183

勝者 開拓分校

 

607: 矢橋P 25/01/26(日) 07:36:16 ID:7g5h


唯香「へっ、負けたよ。あんたらの勝ちさ」

静香「唯香さんのチームも良いパフォーマンスでした」

唯香「やっぱり軽音部とどっちつかずが悪かったのかねぇ」

志保「別にそんなことないと思います。世の中にはロックなアイドルだっていますしね」

唯香「そうかい。アタシらと平面分校と神桜分校の分まで頑張ってくれよ」




 

608: 矢橋P 25/01/26(日) 07:38:05 ID:7g5h



≪野球試合 試合結果≫

開拓 000000200×2
ーーーーーーーーーーーーー
海底 001000000×1




開拓分校2ー1海底分校

開拓分校の勝利

 

609: 矢橋P 25/01/26(日) 07:39:14 ID:7g5h


澄原「…………」

多古(海底分校の野球部メンバー)

多古「ごめん姉さん。七回まで無失点だったんだ、オレ達がもっと点を取ってれば……」

澄原「今回の試合はあの七回で春日との勝負に負けたアタシが敗因だよ。お前たちのせいじゃない」



未来「澄原さん……」

澄原「負けた以上何も言うことはないよ」

澄原「あんたは絶対本校に勝って甲子園に行ってくれ」

未来「わかった」コクリ
 

610: 矢橋P 25/01/26(日) 07:43:54 ID:7g5h

こうして開拓分校アイドル部と野球部は両方とも校内スポーツ大会で優勝することが出来た
でもこの優勝がゴールじゃない
あくまで挑戦権の切符を手にしただけなの
だから負けたチームの分まで絶対に勝たなきゃ!
 

611: 矢橋P 25/01/26(日) 07:45:02 ID:7g5h
そしてついに……
数日後



混黒高校本校 第一グラウンド






詰井「いよいよ混黒高校スポーツ祭だな」

下山「本校のチームと戦う時が来たんだね」


※今まで行われていた校内スポーツ大会もといトーナメントはあくまで混黒高校スポーツ祭で混黒高校本校チームと戦うチームを選別するために行われていたのです。
混黒高校本校にとってはこちらが本番です

612: 矢橋P 25/01/26(日) 07:45:52 ID:7g5h

冴花「朗報が一つあるわ。九能監督は今回居ないみたいよ」

未来「九能監督が!?」

冴花「元々”秋の”スポーツ祭だったでしょう?」

杉田「確かに去年は秋だったね」

冴花「ims甲子園に合わせるために前倒しして開催することにした結果、九能監督が甲子園周りで忙しい時期に開催することになってしまったのよ」

昴「だとしても多少無理にでも調整すれば参加出来ないってこともなかったはずだけどな。なあみんな、オレ達完全に舐められてるぜ?」

詰井「まさしく本校って感じだな。絶対勝ってその油断を後悔させてやろうぜ」


 

613: 矢橋P 25/01/26(日) 07:46:37 ID:7g5h





餅田「先輩!この試合にオイラを起用してくれでやんす!」

野球部先輩1「駄目だ。確かにお前はこないだレギュラーに入ったがまだ補欠だろう?」

野球部先輩2「今回は黙って見ていろよ」
 

614: 矢橋P 25/01/26(日) 07:47:37 ID:7g5h

餅田「……それじゃ一つアドバイスでやんす。開拓分校を……未来ちゃんを甘くみない方がいいでやんすよ」

野球部先輩1「こんなお遊びになに本気になってんだよ」

野球部先輩2「うちの野球部に居れなくなって分校に行ったやつが四番やってるチームに負けるわけないだろ」

野球部先輩1「今回もたっぷり打たせてもらおうかな。さて、何回でコールドに出来るか楽しみだぜ」

<アハハハ



餅田「……いくら野球は上手くても頭はどうしょうもない連中でやんす」

615: 矢橋P 25/01/26(日) 07:48:53 ID:7g5h
混黒高校 第三体育館






静香「……ついにここまで来たわね」


翼「静香ちゃん久しぶりだね~」

静香「……お望み通りあなたの前まで来たわよ翼」

翼「流石だね。静香ちゃんは約束を破らないって信じてたよ」
 

616: 矢橋P 25/01/26(日) 07:51:00 ID:7g5h

翼「私ね、アイドル勝負が出来てからずっと、ずーーっと静香ちゃんと戦ってみたかったんだ~」

翼「静香ちゃんがアイドルを目指すのを辞めてテニス一筋になってからもね」

静香「そんなに?あまり過剰評価されても困るのだけど」


翼「ねえ、覚えてるかな。7年前に私も静香ちゃんも志保も未来もみーんなが歌織先生の教室で居た時で」

翼「みんなでダンスを発表会しようってなった時のこと」

静香「私はそれがアイドル教室の最後の活動になってしまったから辛い記憶なのだけど覚えているわ」
 

617: 矢橋P 25/01/26(日) 07:52:44 ID:7g5h

翼「……静香ちゃんと未来と志保と私の四人で踊ることになった時、誰をセンターにするかで永遠に揉めたよね」

静香「そんなこともあったわね」


志保「私と未来は早々に譲ったのに静香と翼だけはお互いセンターがいいってだだこねて、結局歌織先生の鶴の一言で未来がセンターになったのよね」

静香「今思うと恥ずかしいわね……」

翼「それでさ、あの時は仕方なく間をとって未来になっちゃったけど……あの時の決着を着けようよ。どっちがセンターに相応しかったのかをね」

静香「いいわ。あれからずいぶん経ってしまったけどね。勝負よ翼!」
 

618: 矢橋P 25/01/26(日) 07:53:29 ID:7g5h

翼「やっぱり静香ちゃんは最高だね。あと可奈が志保に話しがあるってさ、私は席を外すね」


スタスタスタ



可奈「志保ちゃん~」

志保「可奈……」
 

619: 矢橋P 25/01/26(日) 07:54:24 ID:7g5h

可奈「も~、志保ちゃんがいつ本校に戻ってくるのかな~?って待ってる間にまさか対決することになるなんて思いもしなかったかな?」

志保「……それは」



可奈「まあいっか。こうして会えたんだから」

可奈「でもこんな分校でくすぶっているんじゃ志保ちゃんにアイドルの才能はなかったってことか」

可奈「私の見込み違いだったね」
 

620: 矢橋P 25/01/26(日) 07:56:00 ID:7g5h

静香「!!」

志保「可奈っ!」

可奈「声を荒げないでよ。本当のことを言っただけでしょ?ここは実力がものを言う混黒高校なんだから」

可奈「悔しいなら本校まで上がってきたらどう?」


志保「可奈……あなた変わったわね」

可奈「そうかもね。でも何も間違ってないって私は思っているけど」


志保「そう。なら分校にいる私の声なんて届かないんでしょ。だから……勝負ではっきりさせる!」

可奈「志保ちゃんのそういうところ好きだよ。そんな志保ちゃんにわからせてあげる」

可奈「私と翼のタッグ、天才と天才が組めば他は何も要らないってことを!」

621: 矢橋P 25/01/26(日) 08:13:45 ID:7g5h
今回はここまで

えっと……何故自分はアイドル部と野球部を同時並行で進めるはめになっているのだろうか、どっちも詳しいわけではないのに
プロットの段階ではどっちかに絞る予定だったのを絞り決めれなかったのが悪いのですが
でもアイドル部だけだったら単調なストーリーになっていただろうから後悔はないです
というわけで試合の内容の方は(特に野球部)ダイジェストになってしまいますがお許しください

あと可奈については………………。今の可奈のポジションで天真爛漫で歌が大好き~……な性格は無理があるのです
ミリマグを見て今の翼と可奈の立ち位置を決めたのでそれに引っぱられてます

622: 矢橋P 25/01/29(水) 18:55:05 ID:sGXv

山田陽葵   平面分校アイドル部部長

平面分校のアイドル部をまとめている女子生徒
まとめているといっても彼女の部活動はもっぱら部室でお喋りするだけではあるが
アイドルに全くの関心が無いわけでもないようだ
マネージャーの佐藤正のことは始めは体のいいパシりと思っていたが
最近になって他のところに出かけていくし戻ってきたと思ったらアイドルについて熱く語るようになって困惑している

623: 矢橋P 25/01/29(水) 18:56:23 ID:sGXv

矢吹可奈   混黒高校本校のアイドル部員

本校でアイドル部をやっている女子生徒、北沢志保の幼なじみでもある
物柔らかな明るい性格と結果のみを優先する苛烈な性格が同位しているが
後者の性格は混黒本校での激しい競争を生き残る過程で形成されたものであり
彼女もまた混黒高校のエリート崇拝の意思に飲まれてしまっている
翼とはアイドル教室からの仲ということで才能云々を抜きにしても仲がいい

このSSでの可奈はミリマグ可奈3割神崎水桜7割みたいな性格で、元の可奈らしさは無いかも……
可奈Pの方申し訳ございません

624: 矢橋P 25/01/30(木) 22:54:35 ID:k6w6

混黒本校 第一グラウンド 観客席





若来「みんなこっち、こっちだよ!」

クラスメート1「ひー。本校ってグラウンドだけでも三つもあるの広すぎ!」

クラスメート2「若来ちゃんが案内してくれなかったらたどり着けなかったよ」

若来「えへへ。あ、まだ始まってないみたい。間に合ったね」
 

625: 矢橋P 25/01/30(木) 22:55:31 ID:k6w6

クラスメート1「でも、どうして野球部の試合とアイドル部の試合が同じ時間なのよ!両方応援出来ないじゃない」

若来「仕方ないよ。スポーツ大会は各種目だけでも十を超えるから別々にやってたら時間が足りないよ」


※補足説明

・校内スポーツ大会
 分校同士だけでトーナメントを行い対決する公式試合が出来ない分校のために“お情け“で開催される大会

・混黒高校スポーツ祭
 校内スポーツ大会で優勝したチームが本校のチームと戦う一日限りの祭


混黒高校では(本校や分校も含めて全部)スポーツ祭の日は授業をしません
“見せしめ“としてスポーツ祭に参加しない生徒もテレビ中継でいずれかの試合を観戦が義務付けられてます
校内スポーツ大会はふつうに授業を受けた後に放課後でやります。中継もありません

626: 矢橋P 25/01/30(木) 22:56:46 ID:k6w6
若来「アイドル部の方は曲に合わせて歌うみたいだから私達が下手に歓声を上げちゃうと邪魔になっちゃうかも」

若来「アイドル部は七島さんと川田さんに任せて私達は野球部を応援しよう!」

クラスメート2「そうだね!」

クラスメート1「あっ、うちの野球部はあそこだね」
 

627: 矢橋P 25/01/30(木) 22:57:18 ID:k6w6

若来「頑張れー!開拓野球部ー!」






未来「若来ちゃん……」

軽井「よーしオレ達も頑張るか」
 

628: 矢橋P 25/01/30(木) 22:59:12 ID:k6w6









本校野球部員1「ちっ、分校のテレビでも観戦出来るってのに、わざわざ本校まで来るとは物好きな奴らだ」

本校野球部員2「弱いチームほど応援はでかいってか」


餅田(…妬みでやんすか。みっともないでやんす)

餅田(本校の生徒達は中継を見る傍らでは勉強していてみんなまともに応援なんかしないでやんすからね)

629: 矢橋P 25/01/30(木) 23:00:12 ID:k6w6









昴「いよいよだな」

冴花「ええ。こちらも作戦通り行きましょう」

冴花「それと雨崎さんは留守番で良かったんですか?」

昴「ああ、千羽矢は開拓分校から出られないんだ」

冴花「?」



 

630: 矢橋P 25/01/30(木) 23:01:08 ID:k6w6

【混黒高校-スポーツ祭-】

 ≪野球部対決≫
ーーーーーーーーーーーーーーー
 開拓分校 CPT 春日未来
 
    VS
 
 混黒本校 CPT 阿部    
ーーーーーーーーーーーーーーー

631: 矢橋P 25/01/30(木) 23:02:06 ID:k6w6








同時刻


ざわざわ ざわざわ


麻美「あれが未来ちゃんと静香ちゃんの幼なじみの翼ちゃんか……もの凄く注目されてるよ」

由良里「伊吹翼と矢吹可奈。彼女達の噂はバスケット部の私達の耳にも入ってました」

由良里「一年生の時から三年生を押しのけて大会に行ったのは彼女達ぐらいですから」

麻美「うう……頑張れ静香ちゃん!」




 

632: 矢橋P 25/01/30(木) 23:03:31 ID:k6w6
混黒本校 校長室





福山校長「ふぉっふぉっふぉっ。今年も始まったか」

???「失礼します」

福山校長「おや、巫(ウ)先生ではないですか。どうぞこちらに」

???「ではお言葉に甘えて。……おやこの二人は」

福山校長「巫先生はアイドル部に興味あるのですかな?」

福山校長「ワシが推してる野球部の試合は終わるまで長い、先にアイドル部の中継を一緒に見ますか」






 

633: 矢橋P 25/01/30(木) 23:04:09 ID:k6w6

【混黒高校-スポーツ祭-】

 ≪アイドル部対決≫
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 開拓分校 
ユニット 2人 リーダー 最上静香 
      VS     &北沢志保
 混黒本校 
ユニット 2人 リーダー 伊吹翼               
             &矢吹可奈
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

634: 矢橋P 25/01/30(木) 23:12:07 ID:k6w6

第一グラウンド


一回表 開拓分校の攻撃 ツーアウト 二塁





本校先発(一番にヒットを打たれ二番が送りバント、三番が凡打でツーアウト二塁)

本校先発(本来なら先制点のチャンスに四番ってところだが……)




未来「……」グッ
 

635: 矢橋P 25/01/30(木) 23:12:59 ID:k6w6

本校先発(こんな場面で出てくるのが女の子かよ。あまりにも可哀想で同情したくなるぜ)ヒュツ



<バシーッ!


<ストライク!


本校先発(春日か、かつて同じ野球部にいたからこいつのことは知っている。お前のパワーじゃたとえ打たれても二塁打以上はない)


本校先発(相手にしていてこんなに気が楽な四番はいないぜ)ヒュツ

636: 矢橋P 25/01/30(木) 23:15:49 ID:k6w6



カキーーン




本校先発(ちっ、打たれた。右中間か)


ドン



本校ライト「右中間を抜けたヒット。第一打席から女に打たれやがって……」パシッ

637: 矢橋P 25/01/30(木) 23:19:36 ID:k6w6

本校先発(ふん、まだツーアウト一、三塁。次を討ち取れば……)



ダダダダッ!



本校ライト「なにぃ?二塁ランナーが三塁蹴ってホームに向かうだと!?」


本校先発(二塁打ならともかく、ただの安打だぞ?間に合うわけがねえ!)


本校ライト「ふざけやがって!」ビシュッ


ヒューーーーーン


ホームベース \ズザザザーッ/

638: 矢橋P 25/01/30(木) 23:20:40 ID:k6w6

審判「せ、セーフ!」


開拓1-0本校




本校先発「嘘だろ……」


餅田「しかもその間に未来ちゃんは二塁まで走っているでやんす」
 

639: 矢橋P 25/01/30(木) 23:21:38 ID:k6w6








昴「見たか相手のピッチャーの顔。唖然としてたみたいだぜ」ニヤニヤ

冴花「うちのチームの走力を舐めていたみたいですね」

昴「走力だけならうちのチームは全国上位だからな」

冴花「ええ、あんなに山をランニングしたチームは他にいないでしょうから」
 

640: 矢橋P 25/01/30(木) 23:22:24 ID:k6w6

本校先発(くそっ、こんなの偶然だ。そもそも打たれた方向が右中間じゃなく左中間だったらこんなことには……)チラ


未来「……」フフーン



本校先発(まさかこいつ……右中間を狙って打ったのか)ゾッ



その後五番バッターが三振でスリーアウト
一回の裏、本校の攻撃に移ります



 

641: 矢橋P 25/01/30(木) 23:23:36 ID:k6w6




本校捕手「なに女にしてやられているんだよ。分校に先制点取られたなんて言ったら監督に怒られるだろ」

本校先発「……この回でコールドにすりゃいいだろ」

本校先発「春日も守備は普通だったしな。1点のリードの差なんて保険にもならないぜ」




 

642: 矢橋P 25/01/30(木) 23:24:48 ID:k6w6

詰井「……」



<ヒュッ




<バシーッ


<ストライク!
 

643: 矢橋P 25/01/30(木) 23:25:25 ID:k6w6

本校一番(なかなかいいコース投げるじゃねーか)

本校一番(だが球速は並程度。このくらいの投手、全国にゃゴロゴロいるぜ?)

本校一番(甲子園常連の俺達のチームの敵じゃねえ!)ブン




カキーン!



本校一番「よし、まずヒットぉ!」

644: 矢橋P 25/01/30(木) 23:26:04 ID:k6w6

杉田「……」タタタ


杉田「……」パシッ

杉田「……」ヒュツ





本校一番「な、早……」


<アウト!
 

645: 矢橋P 25/01/30(木) 23:28:07 ID:k6w6
そして……



<スリーアウト、チェンジ!


1対0のまま二回の表へ



本校先発「おい、何を手加減してんだよ。相手の投手、そんな大した投手じゃね-だろうが!」

本校一番「確かにそうなんだが……」

本校二番「なんとなく攻めづらいんだよ」

本校先発「はぁ?」
 

646: 矢橋P 25/01/30(木) 23:31:04 ID:k6w6

餅田(馬鹿な先輩達は気付いてないでやんすが走力があるってことは必然的に守備力もあるってことでやんす)

餅田(そしてピッチャーの詰井投手は剛速球でもなければノビのある変化球を使うわけでもないが、投げたらマズい危ない球は絶対に投げない安定感がウリみたいでやんす)

餅田(これじゃ攻めづらいわけでやんす)

餅田(でもこれではっきりしたでやんす。開拓分校は“守備重視“のチームみたいでやんすね)


647: 矢橋P 25/01/30(木) 23:31:49 ID:k6w6

餅田(先立って行われた校内スポーツ大会でも二試合で3点しか取られてない事実が単に運によるものではないと物語っているでやんす)

餅田(そして走力はあるくせに無理な盗塁やセーフティバントは狙ってこない。おそらく守備を重点的に鍛えて、攻撃までは手を回してない感じでやんす)

餅田(つまりここまでは偶然なんかじゃなく自分達の出来ることと出来ないことを理解して精一杯考え出したプレイ……)

餅田(穴が無いわけではなさそうでやんすけど……先輩方が侮っているうちは気付けそうにないでやんす)






 

648: 矢橋P 25/01/30(木) 23:33:11 ID:k6w6

アイドル勝負会場




じゃんけんの結果まずは開拓分校からのパフォーマンス



志保「まずは私達からか……」

静香「順番なんか関係ないわ。私達の出来る最高のパフォーマンスをするだけよ」

志保「……そうね」
 

649: 矢橋P 25/01/30(木) 23:34:43 ID:k6w6

静香「麻美、音響はお願いね」

麻美「任せて!」




静香(大丈夫、練習通りやるだけよ)ドキドキ

静香(この日のために練習してきた曲は王道のアイドルソング。もう目を瞑ったって歌って踊れるぐらいずっと練習してきた)ドキドキ
 

650: 矢橋P 25/01/30(木) 23:36:23 ID:k6w6

麻美「…………」アイコンタクト




1、2、3!


 \ダン!/

651: 矢橋P 25/01/30(木) 23:37:10 ID:k6w6
そして



 \ジャン!/



パチパチ パチパチ パチパチ パチパチ


静香(……どうかしら)ハアハア


ざわざわ


志保(手応えはあるわね。審査員の評価もいいみたい)ハアハア

652: 矢橋P 25/01/30(木) 23:38:27 ID:k6w6

翼「すっごい良かったよ静香ちゃん」

静香「……ありがと、でもねぎらいは終わってからにしてくれないかしら」

翼「む~、静香ちゃんは固いなぁ。じゃ、次は私達の番だけど……」


翼「ねえ可奈。提案がありまーす」

可奈「何よ」

翼「私達はディスコ風のダンサブルな曲の予定だったよね。それやめにして私達も王道アイドルソングにしよ?」


可奈「はぁ!?」

静香「!!」

653: 矢橋P 25/01/30(木) 23:39:58 ID:k6w6

翼「だって~。静香ちゃんと違う曲調で勝ってもなんだかつまらないし」

翼「全く同じな曲ってわけにはいかないけど、ある程度近い方がはっきりするって思うんだ」

翼「それに今回の審査員はダンサンブルよりそっちの方が好みのようだから……ね」ペロリ


由良里(なっ!)
 

654: 矢橋P 25/01/30(木) 23:41:42 ID:k6w6

可奈(こっちはあの曲でやるつもりで調整してきたのに直前で変更なんて……簡単に言ってくれるわね)

可奈「わかったわ、音響の子にもそう伝えておく」

可奈(でも……翼の突拍子もない提案はこれが初めてじゃないけど今まで”翼の提案に外れはない”。天性の勘がなせる技かしら)

可奈(自分達の本来の動きをやめて相手の動きに慌てて合わせるなんて二流の人間のムーブなんだけど……翼が言うとそうじゃなくなるってんだから本当にこの子は……)

 

655: 矢橋P 25/01/30(木) 23:43:06 ID:k6w6

静香「ちょっと、どういうことなの翼!」

翼「別に嫌みでも当てつけでもないよ?私の勘がそうしろって言ってるんだ~」

翼「それに全く練習してきてないわけじゃないし?」

翼「本番用の曲とダンスは一つに絞ってなくて色んなのジャンルの曲を3曲ぐらいはいつでも踊れるように用意しているからね」

静香「な……」

翼「静香ちゃんもそういうところはまだまだビギナーだね。アイドル勝負で全国大会に行くならこれくらい当たり前だよ?」





 

656: 矢橋P 25/01/30(木) 23:44:31 ID:k6w6
そして


野球勝負会場






本校野球部「おい、結局1点リードされたまま六回まで来てしまったぞ」

本校野球部「これってやばいんじゃ……」

657: 矢橋P 25/01/30(木) 23:45:43 ID:k6w6


九能「お前達……」

本校野球部達「「「九能監督!!!」」」



九能「餅田から連絡があってな。全て放り投げてここに来た」

本校野球部「監督……それが……」

九能「だいたいの状況は餅田から聞いてる。言いたいこともあるが今はまず目の前の試合だ」
 

658: 矢橋P 25/01/30(木) 23:46:29 ID:k6w6

九能「まず攻撃に関してだが相手ピッチャーはミスはしないがお前達なら打てなくもないピッチャーだ。まず無理に長打を狙わず確実にヒットになるよう狙っていけ」

九能「幸い点差はそこまで開いていない。焦らずいけば地力のあるこちらに分がある」

九能「守備はこれ以後春日は敬遠する。攻撃の軸は春日なのは間違いない。春日さえ封じればどうにかなる」

九能「いいか、地力はこちらが上なんだ。惑わされなければお前達は勝てる!」


本校野球部「「「はい!!!」」」





 

659: 矢橋P 25/01/30(木) 23:47:15 ID:k6w6

そして





昴「……相手チームの動きが良くなったな」

冴花「……どうやら九能監督が戻ってきたみたいです」

昴「監督がいるだけでここまで変わるもんなのか……」

昴(すっげーな。……オレも見習わないと)

660: 矢橋P 25/01/30(木) 23:48:05 ID:k6w6





<カキーーーン


詰井「くっ……」



開拓分校1ー1混黒本校


九能「まずは同点だ」


 

661: 矢橋P 25/01/30(木) 23:48:43 ID:k6w6

アイドル勝負会場



≪アイドル試合 試合結果≫


開拓分校 42 41 41 40 41 計 205

混黒本校 46 48 47 47 48 計 236 win


勝者 混黒本校

662: 矢橋P 25/01/30(木) 23:50:52 ID:k6w6



静香(……負けた)

静香(自分達にミスはなかった。コンディションも万全だったし翼達が何か仕掛けてきたわけでもない)

静香(ただ純粋に……実力で負けた)

 

663: 矢橋P 25/01/30(木) 23:51:15 ID:k6w6

翼「やったね。今回は私の勝ちーっ!」

静香「……そうね」

翼「静香ちゃん暗いよ?まだ一回私が勝っただけだから」

翼「また今度勝負しよ?」

静香「うん……」


スタスタスタ

664: 矢橋P 25/01/30(木) 23:53:22 ID:k6w6


翼「あ……」

可奈「翼、追うのはやめておきなさい。それと志保ちゃん?」

志保「……何?」

可奈「これでわかったよね?本気で勝ちたいなら本校に来なよ。志保ちゃんなら……」

665: 矢橋P 25/01/30(木) 23:54:23 ID:k6w6
バシッ!



志保「お断りよ!私も……静香もあなた達を倒すのを諦めたわけじゃないから!」


ダダダダダッ!



麻美「静香ちゃん、志保ちゃん……」

由良里「……」

666: 矢橋P 25/01/30(木) 23:54:55 ID:k6w6




翼「可奈こそ意地悪いんじゃない?」

可奈「……わざとよ」

可奈(出来ればまた来年……と言いたいけど、どうかしらね)

667: 矢橋P 25/01/30(木) 23:56:21 ID:k6w6








静香「……」


志保「……静香」

静香「……勝ちたかった」

静香「絶対勝ちたかったの。本当に勝ちたかった!」

志保「……次は勝ちましょう」

静香「うん……」グスッ







 

668: 矢橋P 25/01/30(木) 23:58:10 ID:k6w6
野球勝負会場


九回表

開拓分校1ー3混黒本校



本校補欠1「よーし、この回が終わればゲームセットだ」ヤレヤレ

本校補欠2「全く、一時はヒヤヒヤしたが分校が本校の俺達に勝てるわけねーだろ」



餅田(持ち直したのは監督のおかげなのに……おめでたいやつらでやんす)

餅田(ただオイラ達本校の野球部が分校に負けたとなったら野球部創設以来の大事件になるでやんす)

餅田(……未来ちゃんには悪いけどこれで良かったのでやんす)

669: 矢橋P 25/01/30(木) 23:59:57 ID:k6w6

九回表 ツーアウト ランナー無し

三番バッター下山






若来「野球部ー!まだ負けたわけじゃないよー!」

詰井「下山!なんでもいいから打てー!」

杉田(もう最終回のツーアウトだけど下山がアウトにならず打順が回れば次は四番の春日さんなんだ。春日さんにさえ打席が回れば……)

未来(下山くんお願い)
 

670: 矢橋P 25/01/31(金) 00:02:45 ID:QyM7
下山「……」


本校先発(ようやくこれで……終わりだ!)ヒュッ




カーン!

 

671: 矢橋P 25/01/31(金) 00:03:01 ID:QyM7

本校先発「なっ」



ダダダダダッ



<セーフ!

672: 矢橋P 25/01/31(金) 00:04:56 ID:QyM7

昴「よし、これで何とか一塁にランナーがでた。首の皮一枚繋がったぜ」フゥ

冴花「だけどこれでも……届かない」



ザッ


未来(みんな、絶対これで終わりなんかにしないよ!)グッ

673: 矢橋P 25/01/31(金) 00:07:25 ID:QyM7

本校先発(余計なあがきしやがって。春日が出てきちまったじゃねーか)チラ


九能(…………)サイン


本校先発(監督からのサインは前進守備。つまり敬遠しないで普通に投げろってことか)

本校先発(まあ最後の最後で敬遠すんのもダセえし、疲れた体でボール球を四球投げんのも楽じゃねえ)

本校先発(いっそ初球で打ってもらった方が楽に終わるな。凡打ならそれでよし、打たれてもツーアウト一、二塁だ)

本校先発(最悪1点取られても2点差もあるこっちの勝ちさ、深く考えることもねえ)


ヒュツ

674: 矢橋P 25/01/31(金) 00:09:31 ID:QyM7

この時本校の先発投手はかなり疲れていた
一回で先制点こそ許したものの、腐っても本校の野球部でレギュラーかつ先発投手をやっている選手
その後は未来以外にはあまり打たれず無失点で抑えてきた
……だからリリーフに交代されず最終回まで投げてきた
軽い気持ちで挑んだ試合が思わぬ方向に行った動揺もあり
肉体も精神も疲れ切った彼が一刻も早く終わってほしいという気持ちで投げた球は……

675: 矢橋P 25/01/31(金) 00:13:14 ID:QyM7


未来「こんのー-ー-ーっ!!!」ブン






カキーーーーーーン





若来「あ……」

杉田「やった!」

676: 矢橋P 25/01/31(金) 00:14:02 ID:QyM7

本校先発(ちっ、打たれたか。まあお前なら打ってくるだろうよ。だが次で……)




本校外野手「随分高いな……」バックバック





詰井「お、おい。これって……」

冴花「まさか……」
 

677: 矢橋P 25/01/31(金) 00:14:42 ID:QyM7
私はこの時の光景を一生忘れないと思う。だって……



ボン




みんなの思いを背負ったこの状況で、私の人生初の”ホームラン”が打てたんだから


開拓分校3ー3混黒本校

678: 矢橋P 25/01/31(金) 00:23:07 ID:QyM7

詰井「うおおおおおおっ!」

軽井「マジか、春日ちゃん、すげーな」

杉田「やったよ!これで同点だ!」

若来「春日さん……」


 

679: 矢橋P 25/01/31(金) 00:23:30 ID:QyM7

本校先発「俺が……女にホームランを打たれた?」ガクッ



九能「ピッチャー交代だ!早く伝えろ」

九能(くそ、見誤った。春日に長打はないって先入観を持ったのが間違いだった!)

680: 矢橋P 25/01/31(金) 00:24:21 ID:QyM7


本校補欠1「おいおい今日はどうなってるんだよ!」

本校補欠2「落ち着けよ、同点になっただけだ試合が振り出しに戻っただけだろ!」

餅田(確かに状況だけで言えば振り出しに戻っただけでやんすけど心まではそうもいかないでやんす)






 

681: 矢橋P 25/01/31(金) 00:25:09 ID:QyM7


≪野球試合 試合結果≫

開拓 100000002×000×3
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
本校 000001020×000×3


     引き分け
 

682: 矢橋P 25/01/31(金) 00:28:00 ID:QyM7



結局、私達は本校を倒して混黒高校代表となる……という計画を果たせたとは言えない結果になった

でも野球部は一矢報いるどころか勝ちこそしなかったものの逼迫にまで追い込み分校は本校には及ばないという概念を覆すことには成功したみたい
後で聞いたけど試合の後、九能監督が敬意を払うために昴監督に頭を下げに行ったらしい

それに比べて私達は……
ううん、落ち込んでいる暇はないわ。課題も見つかったし来年に向けて動かないと

683: 矢橋P 25/01/31(金) 00:38:30 ID:QyM7
今回はここまで

こんなに野球の描写書くの最初で最後になるかもしれない
そもそも自分野球小説書けるほど野球に詳しいわけじゃないし……

684: 矢橋P 25/02/07(金) 10:20:26 ID:JeIV

スポーツ祭の翌日

放課後 開拓分校 部室





静香「……」


685: 矢橋P 25/02/07(金) 10:21:27 ID:JeIV

ガチャ




未来「静香ちゃん、大丈夫?」

静香「別に何も。怪我したわけでもないでしょう?」

静香「未来こそ野球部の練習は?」

未来「昨日みんな全力を出し尽くしちゃったみたいで全員ほぼダウンだよ。だから今日はお休み」

静香「そう。……延長一二回までもつれ込んだ激戦だったものね」
 

686: 矢橋P 25/02/07(金) 10:22:42 ID:JeIV

未来「……静香ちゃんは負けたこと引きずってる?」

静香「そんなことない。って言ったら嘘になるけどね。ある程度は整理出来たわ」

静香「ぼろ負けってほどじゃないし課題も見つかってやることもあるし落ち込んでいられないもの」

静香「それより甲子園出場出来るかどうかの問題の方が気が重くさせてるの」

未来「そうだよね」
 

687: 矢橋P 25/02/07(金) 10:23:45 ID:JeIV

今回のスポーツ祭は去年の本校に手も足も出ない状態だった時に比べれば、本校にも勝てる可能性があると再認識出来ただけでも良かったと思う
……私達アイドル部があの二人に勝つためにはまだまだ高い壁が立ちふさがっているのだけど

それはそれとして
上手くいけば……いや、運が良かったら本校のチームに勝てるかもしれない
ぐらいな実力ではたして『私達が混黒高校代表です』とはなるんだろうか
 

688: 矢橋P 25/02/07(金) 10:24:42 ID:JeIV

正直今の私が翼に及ばなかったのは当然だ
私が中学生の頃テニスに逃げてた時も翼はアイドルの練習をしていたんだから
そんな簡単にその差が埋まるわけがない
全国大会を見据えてのところで至らぬ点もあった
あの二人に負けたからこそ得る物もあった


でもそれも……ims甲子園に行けないと意味ないじゃない
 

689: 矢橋P 25/02/07(金) 10:25:27 ID:JeIV
ガチャ



千羽矢「ふがふがふが」
 (未来ちゃんお疲れさま~)



未来「チハヤちゃん」

静香「コッペパンかじりながら話さない。はしたないわよ」

千羽矢「ごっくん。ごめんごめん~」
 

690: 矢橋P 25/02/07(金) 10:27:00 ID:JeIV

千羽矢「エリちゃんから『お疲れさま、みんな頑張ったね』ってケーキの差し入れを貰ったんだ。みんなで食べよ?」

静香「……悪いけどそろそろレッスンなの」



ガチャ



麻美「今日くらいは休んでもいいんじゃないかな」

由良里「麻美ちゃんの言う通りです」
 

691: 矢橋P 25/02/07(金) 10:27:43 ID:JeIV

静香「麻美、由良里さん……」

静香「でもアイドル部は野球部と違って疲れてないし、じっとしているわけにも……」

麻美「実はね、お客さんも来てるんだよ」




唯香「へー、これが話しに聞いていた部室かい。確かに新築の匂いがするな」

正「突然でごめんね。失礼するよ」

静香「唯香さん!?正さん!?」




 

692: 矢橋P 25/02/07(金) 10:28:54 ID:JeIV

唯香「なに落ち込んでいるんだよ。アタシらを倒したんだろ?もっと胸張れよ」バシバシ

静香「唯香さん痛いです……」

唯香「あんたらの試合アタシ達も中継で見てたぜ」

正「僕が見ていても凄い試合だったよ」

唯香「本校にはアイドルの天才が居るって聞いたけど確かにありゃ化け物だな」
 

693: 矢橋P 25/02/07(金) 10:29:30 ID:JeIV

静香「別に負けたことはそこまで気にしてないんです。ただims甲子園に行きたくて……」

唯香「ims甲子園ねえ」

静香「唯香さんは行きたくないんですか?」

唯香「あんま興味ねーな。アタシは本校に反逆出来ればいいとしか考えてなかったからよ」

唯香「つーか、あんたの相棒はどうしたんだよ」

静香「志保は……頭がもやもやしてるからランニングしてから来るって言ってたのでそろそろ戻ってくると思います」




 

694: 矢橋P 25/02/07(金) 10:30:04 ID:JeIV

未来「疲れた体にケーキが染みる~」モキュモキュ

麻美「未来ちゃんって本当に美味しそうに食べるよねー」







 

695: 矢橋P 25/02/07(金) 10:30:54 ID:JeIV

開拓分校 裏山






志保「…………」ザッザッザッ

志保「はぁ……」ザッザッザッ
 

696: 矢橋P 25/02/07(金) 10:32:14 ID:JeIV


~~♪~~♪~~♪



志保(あれ、綺麗な音。小鳥の鳴き声かしら)

志保(でもこんな鳴き声がする鳥なんていたかな)



ら~~♪ら~~♪




志保(まさか人の声!?でもこんなに美しく大きな声……まるでオペラ歌手並みだわ)
 

697: 矢橋P 25/02/07(金) 10:32:55 ID:JeIV

???「ら~~~♪、、、あっ」

???「登山者発見~!」ビュツ




志保(は、早……)


???「ね、キノコ狩りに来たの?それともタヌキさんと遊びに来たんですか?」

志保「今は夏ですしこの山には狸はいませんよ」
 

698: 矢橋P 25/02/07(金) 10:33:30 ID:JeIV

???「そうなんだ。……ぽんぽこタヌキさん」

志保(き、綺麗な大人の女性だけど……何なのこの人)

麗花「私、北川麗花です。山登りに来たんだけど迷っちゃって~」







 

699: 矢橋P 25/02/07(金) 10:35:17 ID:JeIV



唯香「はぁ。本校との試合の前にそんなやり取りがねぇ」

正「翼さんってダンスや歌が上手いだけじゃないんだね。相手がパフォーマンスをしているうちに審査員の好みを見抜くなんて」

静香「そうなの。翼が急に自分達の曲を変更するって言い出した時は驚いたのだけど……結果的に正解だった」

由良里「私も驚愕しました。目から鱗が落ちたぐらいに」

正「えっ」

由良里「冗談です。しかし翼さんのあれも才能なのでしょうね。自由奔放に見えますがあの人はよく周りを見ています」

正「その特技、アイドル勝負でもとても有効だよね。すごいなぁ……」
 

700: 矢橋P 25/02/07(金) 10:36:01 ID:JeIV

唯香「でもよ。その戦法、後攻とって相手が先にパフォーマンスしてもらわないと意味なくね?」

静香「それはそうなのだけど……こないだみたいにじゃんけんで先攻後攻決めるとなったらお手上げよ」

静香「翼はじゃんけんが得意で私が知る限りじゃんけんに負けたことが一度も無いもの」

唯香「マジかよ……」

正「そのことを込みでの戦術ということなのか」
 

701: 矢橋P 25/02/07(金) 10:36:49 ID:JeIV

静香「翼のことだから意図してやってはいないでしょうけど」

由良里「私達が真似したところで間違いなく失敗するでしょう。……どうしたものでしょうか」


静香(翼に勝つためには互角でも駄目。私達だけにしかない、私達だけの何かがないと……)







 

702: 矢橋P 25/02/07(金) 10:37:47 ID:JeIV
職員室



冴花「監督、昨日の試合を終えて色々考えまして。一つやってみたいことがあるんです」

昴「……なるほどな。でもそれは難しいと思うぜ、相手が納得しなきゃいけないからな」




バタバタバタ


昴「ん?」

703: 矢橋P 25/02/07(金) 10:38:38 ID:JeIV

麗花「昴ちゃん久しぶり~」ギュー

昴「うわっ。れ、麗花!?」

冴花「……誰ですかその人?」

志保「コーチの知り合いなんですか?」

麗花「一緒に夜空の逃避行した仲だよ~」ギュー

志保「夜空の逃避行?」


昴「誤解を招くようなこと言うなよ!二人に怪訝そうに見られてるじゃねーか」グイー

麗花「嘘は言ってないのに……しゅん」




 

704: 矢橋P 25/02/07(金) 10:40:37 ID:JeIV



そして


唯香「それじゃアタシらはそろそろ帰るわ」

正「北沢さんにもよろしくね」

静香「二人ともありがとう」

静香(唯香さん達と話して少しすっきりしたかな)



静香「……結局志保は戻ってこなかったわね。何やってるのよ」

麻美「静香ちゃん~。志保ちゃんが職員室まで来てだって」



 

705: 矢橋P 25/02/07(金) 10:41:38 ID:JeIV



麗花「ということでしばらくの間アイドル部のボイストレーナーをやらせてもらうことになりました~」



麻美「文脈が皆無でどういうことかわからないよ……」

静香「志保この人はいったい……」

志保「私もよくわからないけど、この人の声質と音量は本物。ボイストレーナーのことは私がお願いしたの」

志保「あの子達に勝つためにも絶対必要よ」

麗花「私の声はお母さん譲りなんです。えっへん!」

静香「その……麗花さんはいいんですか。お仕事とか……」

麗花「大丈夫です。私フリーなんで時間ならいくらでも作れちゃいます!」

麻美「そうなんだ……。よろしくお願いします」



 

706: 矢橋P 25/02/07(金) 10:42:15 ID:JeIV

麗花さんのことは突然のことで驚いたけど
あの志保が即断で認めた麗花さんの声は現役のアイドルとも遜色ないとても美しい声だった
まるで空を飛んでいくようなどこまでも伸びていく透き通った歌声
もし、その一部でも私達が身につけることが出来れば……
翼達に勝つ一手になるかもしれない
 

707: 矢橋P 25/02/07(金) 10:43:32 ID:JeIV






昴「で、麗花はどうしてここに来たんだよ」

昴「まさか本当に山登りに来たわけじゃないだろ」

麗花「もーっ。昔の昴ちゃんはもっとあどけなかったのに、月日って残酷だね……」

麗花「のり子ちゃんにね、頼まれたの。昴の様子を見にいってほしいって」

昴「のり子か……」

麗花「それだけみんな昴ちゃんのことを心配しているんだよ?」
 

708: 矢橋P 25/02/07(金) 10:44:09 ID:JeIV

昴「……麗花こそまだぶらぶらしてんのかよ」

麗花「ぶらぶらじゃないよー。私の職業は登山家なんだもん」プクーッ

麗花「それにたまに色んな仕事も手伝ってるし。最近は瑞希ちゃんのお手伝いをしたんだよ?」

昴「麗花の超能力は便利だからなー」

麗花「登山活動の時は使ってないけどね。それと一つ気になったんだけど……」

麗花「ここの学校の裏山、なんで大きな動物さんが居ないの?」

昴「!!!」

昴「麗花にも話しておかなきゃな」





 

709: 矢橋P 25/02/07(金) 10:44:59 ID:JeIV
次の日

部室




「「「澄原をうちのチームに引き抜く!!??」」」
 

710: 矢橋P 25/02/07(金) 10:45:42 ID:JeIV

冴花「ええ。本校との試合で思い知ったの、やっぱり投手は詰井君一人だけじゃ厳しいって」


詰井「確かに投手はもう一人居てくれた方が良いし身近で俺達が知る限り一番の投手は澄原だけどよ」

軽井「いくらなんでもそりゃむちゃくちゃだろ?」

杉田「しかも澄原さんは海底分校のエースだし……」
 

711: 矢橋P 25/02/07(金) 10:46:43 ID:JeIV

冴花「普通じゃ無理ね。だけど分校ってシステムが今回だけはプラスに働いたわ」

詰井「どういうことだよ」

冴花「本来なら、よそのチームの選手を簡単に都合良く移籍なんて出来ない。野良試合での参加ならともかく公式試合だとまず不可能ね」

冴花「だけど開拓も海底も同じ混黒高校の分校の中のくくりって扱いなの」

下山「そっか。海底分校のチームから開拓分校のチームに移動しても、あくまで学校が変わる扱いじゃない。混黒高校にある二つのチーム内で選手が移動した扱いになるんだね」

冴花「そう。実際、下山君や春日さんだって混黒本校の野球部から開拓分校の野球部に移っているじゃない。それと同じことよ」
 

712: 矢橋P 25/02/07(金) 10:47:37 ID:JeIV

未来「理屈はわかったけど……それで澄原さん納得するかな」

冴花「それが一番の問題ね」

冴花「それで春日さんがお互い甲子園女子になるために協力した方がいいじゃない。って持ちかけて……」



未来「冴花ちゃん。それはうんって言えない」

未来「澄原さんとは合同練習で何度か話したんだけどね。澄原さんは甲子園に行きたい気持ちは強いけど甲子園女子の肩書きが欲しくてやってるわけじゃない」

未来「私だって同じだよ。甲子園に行くために自分の大事なもの捨てるんだったら何も意味ないよ」
 

713: 矢橋P 25/02/07(金) 10:48:00 ID:JeIV

冴花「……ちょっと急ぎすぎたわね。反省するわ」

未来「いいんだよ。冴花ちゃんが私達が考れないことをいつも考えくれているからだし」

未来「こないだの試合でもっと強くならないと!って思っているのはみんな同じだよ」

未来「一応、澄原さんにちょっとだけ話だけはしてはみるよ。けど期待はしないでね」






 

714: 矢橋P 25/02/07(金) 10:48:27 ID:JeIV
海底分校 ……のそばの野球グラウンド






未来「相変わらずここのグラウンドは広いなぁ」


澄原「このグラウンドはウチの分校のグラウンドじゃないよ。頼み込んで貸してもらってるんだ」

未来「あ、澄原さん」
 

715: 矢橋P 25/02/07(金) 10:49:15 ID:JeIV

澄原「よくきたね春日。本校との試合見たよ。あんたが打ったホームラン、大したもんだね」

未来「でへへ~。あんなこともう起きないよー」

澄原「まあ二度は無いだろうね。それで、今日は突然何の用だい?」




カクカクシカジカステキナキセキ


澄原「なんとまあ、用件ってのはそれかい。キャプテンの私を開拓が一本釣りしに来たってのかい」

未来「もちろん澄原さんがよければだけど……」
 

716: 矢橋P 25/02/07(金) 10:50:30 ID:JeIV

澄原「こないだまでだったら 馬鹿にしてんのか!って追い返すところだけど、あんな試合見せられてはそうは言えないね」

未来「……」



澄原「その話に乗った方がアタシが甲子園に行ける可能性は高いんだろうね」

澄原「でもここの海底分校にはこんな女のアタシでも慕って着いてきてくれるバカ野郎達がいるんだ。その話を受けるわけにはいかないよ」
 

717: 矢橋P 25/02/07(金) 10:51:08 ID:JeIV


多古「姐さん……」

澄原「なんだ居たのか多古。アタシはそんな話しは受けない、気にするんじゃないよ」

澄原「さあ帰った帰った」


未来(やっぱりだめかぁ……)

多古「………………」





 

718: 矢橋P 25/02/07(金) 10:52:07 ID:JeIV
八月


混黒高校本校 廊下




翼「ims甲子園~♪もうすぐims甲子園~♪」ウキウキ
 

719: 矢橋P 25/02/07(金) 10:52:36 ID:JeIV
「……それでさー」




翼「?」



「最上のやつが……」


翼(静香ちゃんのことかな?)
 

720: 矢橋P 25/02/07(金) 10:53:44 ID:JeIV

本校女子生徒1「ウケるよね~」

本校女子生徒2「まさかアイドル部に居るって思わなかったし」



翼(感じ悪いなぁ……無視しよっと)





本校女子生徒1「あんな不様に負けちゃって~」

本校女子生徒2「テニスの次はアイドルって節操ないよね~。目立てれば何でもいいわけ?」



翼(……)ピクッ

翼(むーー)
 

721: 矢橋P 25/02/07(金) 10:54:58 ID:JeIV

女子生徒1「あんな姿見れたんだからケガさせた甲斐があったよね」

女子生徒2「ほんとほんと~」


翼(!!)



翼「ねぇ~先輩~♪今の話、詳しく教えてくれないですか~?」ニッコリ


女子生徒1「な、何」





 
 

722: 矢橋P 25/02/07(金) 10:56:25 ID:JeIV
そして




静香「そろそろims甲子園が始まるわね」

麻美「第1回ってことでテレビも大きく宣伝しているみたいだよ」

志保「混黒本校はあっさり地区予選を突破したらしいわ。まああの二人なら当然でしょうね」


由良里「この大会、まだテレビ中継みたいなものは無いみたいです。私達が大会の内容を把握するのは終わってからになりそうですね」

静香「どんな内容なのか知りたかったけど残念ね」ハァ

由良里「ですが出場校及び出場者は公開されてます。未来のライバルを今のうちに把握しておくのもよいかと」
 

723: 矢橋P 25/02/07(金) 10:57:31 ID:JeIV

志保「流石に野球の甲子園と比べると全国大会でもまだ数が少ないわね……」ペラ

静香「……待って。混黒高校は出場しているけど出場メンバーの欄に翼が居ないわ」

志保「本当だ……可奈の名前もない。いったいどうして?」





結局、翼と可奈を欠いた混黒高校は一回戦で敗退したのだった……
 

724: 矢橋P 25/02/07(金) 10:59:05 ID:JeIV





混黒高校本校 校長室




福山校長「どういうことじゃ!去年準優勝のアイドル部がたった一回戦敗退じゃと!」

アイドル部監督「申し訳ございません。やはりあの二人を欠いては……」

福山校長「全く。ims甲子園を前にして女子生徒と乱闘騒ぎとは余計なことを」

アイドル部監督「ですから多少無理にでも参加させれば!」

福山校長「いかんいかん。身体機能が全てのスポーツとは違ってアイドル部代表ともなれば学校の顔にならなければならんのじゃ」

福山校長「それが乱闘騒ぎを起こした子となれば後で何言われるかわからん」
 

725: 矢橋P 25/02/07(金) 11:03:43 ID:JeIV

福山校長「それにもう一人の天才はどうしたのじゃ。お前も彼女がいればどうにかなると言っておったではないか」

アイドル部監督「矢吹は……伊吹の大会出場停止に最後まで反対でして、翼が出ないなら私も出ないと……」

アイドル部監督「それに矢吹一人では初優勝は無理だったかと。今の世代にはあの”化け物”がいますから」

福山校長「”初星学園の一番星”か……」ムムム

 

726: 矢橋P 25/02/07(金) 11:04:22 ID:JeIV

福山校長「あそこの学園の校長はワシの知り合いでもある。まあアイドル育成学園の老舗に顔を立てるという意味でも初優勝は譲っておくか」

福山校長「じゃが、来年は優勝を目指すんじゃぞ!それまでには伊吹翼のことはワシで何とかするわい」

アイドル部監督「はい……」







 

727: 矢橋P 25/02/07(金) 11:05:25 ID:JeIV

福山校長「前回のことがありながらスポーツ祭で女子バレーボール部はまたギリギリ……」

福山校長「野球部にいたっては引き分けとは。こないだのスポーツ祭から何かがおかしい気がするのう」

教頭「……どうも開拓分校が関わっているようです」

福山校長「開拓分校がか。そう言えばアイドル部と対決したのも開拓分校じゃったか」

教頭「女子バレーボール部は神桜ですが開拓分校のコーチが出入りしているという情報が上がっています」

福山校長「開拓分校のコーチ?ああ、特例で認めてやったやつじゃな」
 

728: 矢橋P 25/02/07(金) 11:06:10 ID:JeIV
教頭「目障りなら開拓分校を”切りますか”」

福山校長「そうは簡単にいかんのじゃ。”奴ら”があそこを利用している限りはのう」

教頭「ですがこれ以上もし何かあれば……」

福山校長「…………」

福山校長「一応、準備はしておくがよい。彼らにも話しはしておく」






 

729: 矢橋P 25/02/07(金) 11:07:17 ID:JeIV


九月上旬 ある日

開拓分校 部室






静香「麻美、今日のレッスンはどうなっているかしら」

麻美「今日はねー。紗代子コーチと一緒に野球部のみんなと裏山にランニングしてから麗花ボイストレーナーとボイスレッスンだよ」
 

730: 矢橋P 25/02/07(金) 11:07:54 ID:JeIV
ガチャ



桧垣「診察に来ましたよ麻美さん」

麻美「あっ、桧垣先生!」

静香「今日は診察の日だったのね」

志保「後は私達でやっておきますから麻美は診察を受けていてください」



 

731: 矢橋P 25/02/07(金) 11:08:38 ID:JeIV



桧垣「あの頃に比べてだいぶ良くなりましたね。来月で治療を始めて半年、もう診察しなくても良いでしょう」

麻美「先生のおかげで、動かすのにぜんぜん問題がなくなりました」

桧垣「ですが激しい運動は駄目ですからね」

麻美「もー先生。心配しなくても大丈夫です」
 

732: 矢橋P 25/02/07(金) 11:09:02 ID:JeIV


桧垣「……バスケの代わりになるもの見つかりましたか」

麻美「まだわかんない。私のやりたいこと」

桧垣「今やっているアイドルのマネージャーでもよいのでは?」

麻美「静香ちゃんの手伝いが嫌なわけじゃないんだけど何か違う気がするんです」






 

733: 矢橋P 25/02/07(金) 11:09:41 ID:JeIV
裏山





紗代子「今日のランニング終わりだよ。汗は拭いて水分はちゃんと取ってね」


詰井「ふいーー」

未来「山ランニングにもだいぶ慣れてきたね」

734: 矢橋P 25/02/07(金) 11:10:26 ID:JeIV

静香「あら、水筒を忘れてきたわ。教室かしら」

志保「もう、次のボイスレッスンまで時間があるから取りに行きなさい」

杉田「僕も忘れてきたから一緒に行くよ」







 

735: 矢橋P 25/02/07(金) 11:11:19 ID:JeIV


桜華「紗代子コーチ。神桜のことでお話が……」

桜華(あれ?あの方々は……)






黒服A「………また桧垣東児がここに来ている」

黒服B「生徒の診察という話だが……何か企んでいるのかもしれないな」
 

736: 矢橋P 25/02/07(金) 11:12:01 ID:JeIV

桜華(何ですの。見るからに怪しい方々ですわ)

ハッ

桜華(もしかしたら前から怪しんでいた混黒高校の裏かもしれませんわ!)


桜華(…………)ササッ
 

737: 矢橋P 25/02/07(金) 11:13:08 ID:JeIV

黒服A「……いっそ始末した方がいいかもしれんな」

黒服B「ああ。隠居しているとはいえ、かつてはサイボーグ開発の主任だった男だ。いつ敵に回らないとも限らん」



桜華(始末ですって……この方々は何を言っているのですの)


ガタッ




黒服A「誰だ!」


桜華「あ、あわわ……」


黒服B「こいつ、我々を付けていたのか」

黒服A「どこまで聞かれたか……どうやら黙って帰すわけにはいかないな」

738: 矢橋P 25/02/07(金) 11:14:10 ID:JeIV

桜華「あなたたちは何者です……」



ドカッ

桜華「あ……う……」バタッ


黒服A「答える必要はない」

黒服B「……面倒なことになったな」チッ





静香「一ノ宮さんを離してください!警察呼びますよ!」


黒服B「……まだ仲間がいたのか」ハァ…

739: 矢橋P 25/02/07(金) 11:15:03 ID:JeIV

杉田(た、大変だ…)

静香(杉田くんはみんなにこのことを知らせて!まだ彼らがあなたのことを気付いてないうちに)

杉田(わ、わかったよ)




黒服A「我々に脅しは無駄だ」

黒服B「覚悟してもらおうか」

静香「………………」





 
 

740: 矢橋P 25/02/07(金) 11:15:36 ID:JeIV


冴花「それじゃ野球部はこれからグラウンドで」

志保「アイドル部は部室ですね」



ダダダダッ!


杉田「みんな、大変だよ!」





 



741: 矢橋P 25/02/07(金) 11:16:16 ID:JeIV

詰井「何だって!最上と一ノ宮が誘拐された!?」

杉田「怪しい黒い服を着た男達に攫われて……僕だけ逃げてきたんだ……」

未来「早く昴監督に伝えないと!」

軽井「そうだな!」



冴花「駄目よ」


未来「冴花ちゃん?」

742: 矢橋P 25/02/07(金) 11:17:00 ID:JeIV
冴花「昴監督や紗代子コーチに話しても無駄よ。……いやこの学校の教師全員ね」


詰井「木村は何か知っているのか」

冴花「私もね、一度だけ私達の練習を覗く怪しい黒服の男に気付いたことあるの。おそらく杉田くんが言ってる人達と同じね」

冴花「それを昴監督に報告した時……昴監督は今までにない表情でね、『そのことは忘れてくれ。冴花が気にしちゃ駄目だ』って言われたの」

未来「それじゃ……」

冴花「昴監督はもうそのことを知っていた。つまり……彼らの仲間である可能性が高いわ」


詰井「マジかよ……」

冴花「監督は加担しているというより脅されてるって感じだったけど」

冴花「昴監督ですらそうなら学校側には頼れそうにないわね」
 

743: 矢橋P 25/02/07(金) 11:18:27 ID:JeIV

志保「なら、警察に連絡が先ですか」

冴花「そうなのだけど……警察を頼るには材料が足りてないわね」

志保「確かに。今この状況で私達が友人が怪しい男達に誘拐されました……と言ってもね」

未来「何で?必死に説明すれば警察の人も子供のいたずらだって思われないよ!」

志保「そうじゃなくて。この学校の敷地内で誘拐事件が起きました……ってなったら警察はまず学校側に確認を取るでしょう?」

杉田「あ……」

冴花「そういうわけよ。学校側ももみ消したりはしないでしょうけど時間稼ぎされるだけでも手遅れになる」

未来「じゃあどうすればいいの!このままだと静香ちゃんが……」
 

744: 矢橋P 25/02/07(金) 11:20:14 ID:JeIV



千羽矢「そいつらを探し出せばいいんだよね」

冴花「えっ……」

千羽矢「チハちゃんはね~、嗅覚が鋭いの。特に食べ物の匂いに対しては」

千羽矢「静香ちゃんはいつもうどんの匂いがするからね~、遠くに居てもわかるよ。だから私が追いかける」


冴花「雨崎さんあなた……」

未来(静香ちゃん、そんなにうどんの匂いしたかな?)

詰井「へっ。お前の食い意地が役に立つ時もあるんだな。うまくいったら今までのつまみ食いはチャラにしてやるよ」

軽井(最上ちゃんのうどん好きも役に立つ時があるんだなぁ)
 

745: 矢橋P 25/02/07(金) 11:21:26 ID:JeIV

志保「反対ね。私達子供だけじゃ危険過ぎる」

冴花「私もそう思うわ」


千羽矢「大丈夫~。これでもチハちゃんけっこう強いんだよ?」

千羽矢「それに私からは手を出さないから。暴力はエリちゃんから止められているからね」

千羽矢「静香ちゃんや桜華ちゃんをさらった奴らの居場所を突き止めておくだけでも警察もだいぶ行動しやすくなるし学校を介さなくてもよくなるからね」

冴花「敵を甘くみすぎよ。ただの誘拐犯じゃなさそうだし、どんな奴らなのかわかってないのに」


千羽矢「危険なことはわかってる。けど冴花ちゃんが止めても私は行くから」

詰井(おい、千羽矢のやつ……)

下山(いつもと雰囲気違うね)
 

746: 矢橋P 25/02/07(金) 11:22:26 ID:JeIV
千羽矢「杉田くん着いてきて」

杉田「えっ、僕!?」

千羽矢「奴らを見たのは杉田くんでしょ?それに私との付き合いも長いし」


未来「私も行く!静香ちゃんを放っておけないもん」

千羽矢「未来ちゃんも来るなら心強いね。じゃあ行くよ」ガシッ

杉田「うわぁ」

未来「うん!」ダダッ!

 

747: 矢橋P 25/02/07(金) 11:23:08 ID:JeIV

冴花「あ……」

志保「未来、やばくなったら千羽矢を止めて。あなたにしか出来ないのよ」

未来「わかった!」



冴花「……もう。止めたのに」

詰井「俺達は俺達の出来ることしょうぜ」




 

748: 矢橋P 25/02/07(金) 11:23:53 ID:JeIV



千羽矢「こっち。こっちからうどんの匂いがする」

未来「チハヤちゃんすごい」


杉田(何でこんなことに……)

杉田(僕に出来ること……そうだ!)ハッ

杉田「ヒーロー掲示板だ!」
 

749: 矢橋P 25/02/07(金) 11:24:16 ID:JeIV

千羽矢「ヒーロー掲示板?」

未来「杉田くんが前言ってたことだね」

杉田「ヒーロー掲示板今あるかな……」カチカチ

杉田「あ、あった!立ってるよ」


未来「ならお願いしてみようよ」

杉田「う、うん」ポチポチ

杉田「ヒーローさん。今、私の友人が怪しい奴らに誘拐されて大変なんです。どうか助けてください」カチカチ


杉田「これでどうかな……」
 

750: 矢橋P 25/02/07(金) 11:24:58 ID:JeIV

ギョロッ!


杉田(な、なんだ。今何かに見られたような……)

杉田「あ、もう返レスきた」

杉田「 OK、了解だよ。メールアドレスとネットアカウント教えて だって」


未来「やったあ!」

杉田「でもメールアドレスとネットアカウントを聞いてくるの変だなぁ」

杉田(怪しいけど……躊躇ってる場合じゃない)カチカチ
 

751: 矢橋P 25/02/07(金) 11:26:12 ID:JeIV









「……そうなんだ。嘘じゃないみたいだし、久しぶりの出動だね」
 



 

752: 矢橋P 25/02/07(金) 11:28:17 ID:JeIV
裏山……の更に奥の山




静香(ここはいつもランニングしている裏山よりもっと奥の山の中)

静香(手入れされてるいつもの裏山とは違ってこんな荒れ放題のところまで来る人はいない)

静香(こんなところに連れ去られたら……私達がどんなに騒いでも誰にも気付いてもらえない)

静香(私と一ノ宮さんのスマホは途中で捨てられGPSで発見してくれる可能性もなくなった。……状況は最悪ね)
 

753: 矢橋P 25/02/07(金) 11:29:05 ID:JeIV
静香(こうなったら隙を見て逃げ出すしか……)



黒服A「余計なことを考えるな」

静香(気付かれた!?)

黒服B「所詮は子供。反抗的な態度が目にくっきり表れているぞ?」

静香「……っ」
 

754: 矢橋P 25/02/07(金) 11:31:13 ID:JeIV

黒服B「…………」グッ

バキバキバキ


桜華(あの者が掴んだ木の幹がまるで割り箸のように……)


黒服B「俺達はサイボーグだ。一般人のお前らでも認知してきただろう?7年前ならいざ知らずな」

桜華「最先端のテクノロジーで人間に強化を施す技術。最近の戦争ではもう使われているという話でしたが……」

黒服A「俺達は5年前には既にサイボーグだったがな」

黒服A「あいにく今は拳銃の持ち合わせが無くてな、お前達を始末する際は少々手荒いことになるだろう」

静香「!」


黒服B「俺の両腕は8割方機械だ。俺の握力の前では人間の体なんか紙コップみたいなもの。首の骨をへし折るか、内蔵を破裂させるか……」

桜華「……」ビクビク
 

755: 矢橋P 25/02/07(金) 11:33:58 ID:JeIV

黒服A「とはいえ俺達としても兵隊でもない子供に手をかけるのは気が進まない」

黒服A「お前達に聞きたいことがある。お前達の対応しだいによっては我々も対応を変えてやらないでもない」




桜華(白々しいですわ。ここまで自分達のことをペラペラ喋るのですもの。私達を無事に帰すつもりなんか全くないくせに……)

桜華(混黒高校の闇がここまで深いとは……わたくしが軽はずみに手を出していいことではなかったですわね)
 

756: 矢橋P 25/02/07(金) 11:35:00 ID:JeIV

黒服A「混黒高校の校長からは話を聞いている。最近神桜と開拓が怪しい動きをしているとな」

黒服A「主犯は神桜だろ?大方、神桜が分校から独立するために開拓に話しを持ちかけて桧垣東児まで使って何かやる腹づもりだ」

静香(……どういうこと?)

黒服A「だがこんなこと子供だけで考えられるはずがない。お前達の後ろには黒幕の大人がいるはず。それを話してもらおうか」



桜華(この者方……何か盛大に勘違いしているようですわね)

桜華(確かに秘密裏に開拓と神桜で繋がっていたのは事実ですがアイドル部とバレー部だけの話ですわ)

桜華(逆に言えばこの者達がこれほど焦るほどのことがこの混黒高校の裏にはあるのでしょうが)
 

757: 矢橋P 25/02/07(金) 11:37:14 ID:JeIV
桜華「……貴方方に話すことなんて何一つありませんわ」


黒服A「何」

桜華(私は……もう無事には帰れない。ならせめてこの者達が少しでも取り乱して証拠でも残してくれれば……)




バキッ


桜華「ぐっ……」

黒服B「神桜のお嬢様は悪に屈しませんってか。舐めるなクソガキ」

黒服B「わかっているんだよ。どうせ“あいつら“にたぶらかされたんだろ?独立させてやるから言うことを聞けってなぁ!」ドカッバキッ

静香「桜華さん!」
 

758: 矢橋P 25/02/07(金) 11:38:37 ID:JeIV

黒服A「おい、上からの指示が来るまでは程々にしておけ」

黒服B「どうせこいつらは末端だ。大した情報を持ってねーよ」


桜華「う……」

静香「この……」


黒服B「今度はこっちに聞いてみるか」

桜華「……おやめなさい。彼女は関係ないですわ」


黒服B「そうかい。なら早く喋らないとこいつの顔に痣が出来るぜ?こいつアイドル部なんだろ?二度とアイドル活動出来なくなるかもな」
 

759: 矢橋P 25/02/07(金) 11:39:22 ID:JeIV

未来「やめてー-!」



静香「未来!?」

黒服A「何故ここが……」



未来「これ以上酷いことするなら警察呼ぶよ!」

杉田「そ、そうだ。そうだ!」

桜華「杉田さんまで……」
 

760: 矢橋P 25/02/07(金) 11:39:59 ID:JeIV

未来「あなたたちのやっていることは悪いことなんだよ。これ以上やるなら……」


バキバキッ


未来「あっ……」バタン

杉田「うわっ……」バタン



静香「未来っ!」

桜華「杉田さん!」



黒服A「これは不味いな」

黒服B「ちんたらやっているからこうなるんだよ!」チッ

761: 矢橋P 25/02/07(金) 11:40:56 ID:JeIV

「よくも……」



黒服B「ん?」



千羽矢?「よくモ、ミンナヲ傷付けタナ!」



黒服A「おい。こいつ、例の化け物だ」

黒服B「ふん、しゃらくせえ」

762: 矢橋P 25/02/07(金) 11:41:29 ID:JeIV
ガシッ


千羽矢?「ン……」




ゴキッ




未来「あ……」

杉田(今ボキッって音が……)
 

763: 矢橋P 25/02/07(金) 11:42:11 ID:JeIV

千羽矢?「……」ダラーン




黒服B「はっ。最初からこうしてしまえばよかったんだよ」

黒服A「お前……なんてことを」

黒服B「うるせぇ!俺達がこんな田舎でこんなことしてんのもコイツがここにいやがるからだ。コイツさえ居なけりゃ……」
 

764: 矢橋P 25/02/07(金) 11:43:01 ID:JeIV

千羽矢?「……」ビクン


黒服B「なっ!」

黒服A「そいつが首の骨を折ったぐらいで死ぬわけないだろ!頭を潰せ!」


千羽矢?「頭ハ困るナ」グッ

黒服B「コイツもう動け……」



ガブッ

バキバキッ


黒服B「俺の腕がーーっ」

千羽矢?「不味いナ」ペッ
 

765: 矢橋P 25/02/07(金) 11:44:18 ID:JeIV

杉田(僕は何を見ているんだ?チハヤちゃんのお腹が大きな口になってあの男の人の腕を食いちぎった……)

未来(あの人の腕も露出したところがカチカチの機械だ。まるでターミネーターみたい……)




黒服A「もう駄目だ。こいつが暴走したら俺達じゃ止められない……」ガタガタ

黒服A「戻って報告しないと」ダダッ

黒服B「待ってくれえ」ダダッ


千羽矢?「逃がサン」

766: 矢橋P 25/02/07(金) 11:46:04 ID:JeIV

未来「待って!」


千羽矢?「!!」ビクッ



未来「チハヤちゃん……だよね?」


千羽矢?「…………」

千羽矢?「お前ガ千羽矢ト呼んデイタ人物ハ我ガコノ前喰っタ」

千羽矢?「我ハ千羽矢デハナイ」
 

767: 矢橋P 25/02/07(金) 11:47:18 ID:JeIV

杉田「そんな……」

未来「嘘だね。それが本当なら静香ちゃんと桜華さんを助けようとなんてしないもん」

未来「私と杉田くんとチハヤちゃんの仲でしょ?隠し事は嫌だよ」


千羽矢?「……そうだね」


バキベキッ


千羽矢「これで体は元通り」

杉田「じゃあ本当にチハヤちゃんなんだ……」

千羽矢「まあ本当の雨崎千羽矢本人ではないのだけど。7年前からね」

静香「どういうことか説明してくれるかしら」



 

768: 矢橋P 25/02/07(金) 11:48:03 ID:JeIV







黒服リーダー「そうですか。アレが暴走したわけですね」

黒服A「どうしましょう……」
 

769: 矢橋P 25/02/07(金) 11:48:40 ID:JeIV

黒服リーダー「排除しましょう」


黒服A「は……」

黒服リーダー「もう少しでアレを調教出来るプログラムが完成しそうだったのですが残念です」

黒服C「しかしそれでは今までの苦労が……」

黒服リーダー「あなたはアレをよく知らないからそんなことが言えるのです。アレは一歩間違えば人類を滅ぼしますよ」

黒服C「……」ゾクッ

黒服リーダー「アレが無いんだったらもうこの分校には用はありません。目撃者の子供もろとも排除してしまいましょう」

黒服リーダー「さぁ。化け物狩りですよ、準備は怠らないように」




 

770: 矢橋P 25/02/07(金) 11:50:29 ID:JeIV






都内 とある場所



スタッフ「いいね~。今日の恵美ちゃんもバッチリ決まっているよ!」パシャパシャ

恵美「当然っ!今日のアタシもイケイケで行くよ!」


スタッフ「さすがTSVの恵美ちゃん。調子絶好調だね~」

恵美「ふふ~ん。褒めても何も出ないってば~」



 

771: 矢橋P 25/02/07(金) 11:51:19 ID:JeIV







恵美「今日は遅くなっちゃったな。琴葉とエレナに連絡して……」

恵美「……」ピタッ

恵美「そこに居るんでしょ。ストーカーさん?」




黒服D「おやさすが7年前のハタ侵略を生き残っただけはある」ヒョッコリ

772: 矢橋P 25/02/07(金) 11:52:23 ID:JeIV

恵美「ストーカーにしてはアタシのこと知ってんじゃん」

恵美「その勉強熱心さに免じて今なら警察に通報しないであげるけど?」


黒服D「あなたが7年前戦った“ハームレス“。あれがまだ生きているとしたら?」


恵美「……ふざけた冗談はやめて」キッ


 

773: 矢橋P 25/02/07(金) 11:53:00 ID:JeIV

黒服D「……」スッ



恵美「その写真は!」

黒服D「信じていただけましたか?」

恵美「……アタシに何をしろっていうの」

黒服D「あなたには化け物狩りに参加してほしいのですよ。ハタ侵略の英雄さん」

774: 矢橋P 25/02/07(金) 12:02:38 ID:JeIV
一旦ここまで

今のうちに明言しますが初星学園は今後も登場しますが学マスのキャラは登場しません
理由は学マスはやっていないので解釈違いになりそうなのとライバルとして出す以上どうしても……になるからです
翼と咲季の件も荒れましたし

それとこの話しを書いた後にパワプロ公式アプリに雨崎千羽矢が参戦が決まりました。作者もとても驚いています
雨崎千羽矢ってどんなキャラ?って思った人は今ならXで検索すればたくさん情報が出てきます

776: 矢橋P 25/02/15(土) 10:34:48 ID:8ZDF

開拓分校 校門前






詰井「どういうことだよ、学校の中入れないだなんて!」


軽井「そうだよ、中にはまだ俺達のクラスメートがいるんだぜ」



警察官「学校及び裏山の敷地内はただ今関係者以外は侵入禁止です」

警察官「封鎖しますのでお引き取りください」


 

777: 矢橋P 25/02/15(土) 10:35:59 ID:8ZDF





麻美「なんだかとんでもないことになっているよ……」

冴花(まさか警察すらも動かせるとはね。……これで頼れるものがなくなったわ)

志保(でもただの誘拐を隠蔽するのにこんなに騒ぎを大きくしたらかえって逆効果なはず……)

志保(静香、未来。あなたたちはいったい何に巻き込まれているの……)


由良里「駄目ですね、昴先生はどこ探しても見当たりません」

下山「紗代子コーチと麗花コーチは帰宅命令が出されたらしいよ」

詰井「昴監督はどうしちまったんだよ……」





 

778: 矢橋P 25/02/15(土) 10:36:59 ID:8ZDF











裏山前の仮設テント





恵美「…………」ムスー

昴「……………」イラーッ
 

779: 矢橋P 25/02/15(土) 10:37:58 ID:8ZDF


恵美「……で?呼び出しておいてこれはどういうこと?」

黒服リーダー「済みませんね。どうやら連絡の行き違いがありまして」


???「まあ、つまりだ。お前らなんか要らねえってことだよ!」

恵美(何この外人。態度悪いね)



黒服リーダー「ハームレス討伐には彼の力を借りることになりましてね」

黒服リーダー「本当は貴方方には彼と一緒に討伐作戦に参加してもらう予定だったのですが……彼が拒否しまして」

恵美「……つまりわざわざ来たけどアタシ達は必要なかったと」
 

780: 矢橋P 25/02/15(土) 10:39:52 ID:8ZDF

???「そういうことよ。実は少し期待していたんだぜ?あの宇宙人を退けたって奴らに会えるのをな」

???「どんな強者かと思えばこんなねーちゃん達だとは思わなくてよ。雌の匂いが俺にまで移されちゃたまったもんじゃねぇ」

恵美「……悪かったね。軍人でも傭兵でもない女の子で」


???「そういうわけでハームレスとかいう化け物は俺がさっさと殺しておくからよ、お前らはホテルにでも行ってていいぜ」

恵美「……下品な野郎だねあんた。アタシも仲良くする気はさらさらないよ」
 

781: 矢橋P 25/02/15(土) 10:40:56 ID:8ZDF

???「フン、しかしまあこんな奴らに救われたってんだからこの国も大したことねえな」

恵美「……」ピクッ



???「宇宙人の侵略だったか。日本って国はだいぶ手こずったようだが俺達の国だったら速攻でカタが付いたのにな。情けない連中だぜ」

???「それじゃ行ってくるか」


スタスタスタ
 

782: 矢橋P 25/02/15(土) 10:41:47 ID:8ZDF

恵美「…………」イライラ

黒服リーダー「気持ちはわかりますが抑えてくださいよ。彼、口が悪いですがハームレスを討伐するには彼の力が必要です」

恵美「……結局アタシは何をすればいいの」

黒服リーダー「どこかその辺で待機していればいいです。彼に任せておけば大丈夫だと思いますが万が一の時には協力して欲しいものですから」

恵美「……ちょっと気分悪いからさ。外で空気吸ってくる」

恵美「昴も付き合ってよ」





 

783: 矢橋P 25/02/15(土) 10:42:58 ID:8ZDF




恵美「ねえ昴。あの男は何なの?」

昴「……バジリスクって超能力者だよ」

恵美「バジリスクってあんな事件起こしたテロリストの!?」

昴「ああ、あんな指名手配犯だって平気で使う奴らなんだよ。この組織はな」

恵美「どっちもろくでもないってことだね。あーあ、来るんじゃなかったかな」
 

784: 矢橋P 25/02/15(土) 10:44:15 ID:8ZDF

恵美「それでさ、昴はこれからどうすんの?」

昴「恵美の方こそ、何かやりたそうだな」

恵美「アタシはねー。自分が馬鹿にされるのはまだいいけど、あの時のみんなを馬鹿にされるのはちょっと許せないんだよね。昴もそう思うでしょ?」



昴「……あの時から思ってたんだけど恵美とはなんか気が合うんだよなー」ニカッ

恵美「私も。なんか共通点があるわけじゃないのにさ」ニャハハ

恵美「それじゃ決まりだね。アタシ達はアタシ達で好きにやらせてもらおうか」

 

785: 矢橋P 25/02/15(土) 10:44:53 ID:8ZDF

恵美「でもいいの昴は?ハームレスが擬態してた子は教え子だったんでしょ?」

昴「……仕方ないさ。人を襲うようになっちまったらな」

昴(ずっと見てきたけど今の千羽矢ならそんなことないって……思っていたんだけどな)




昴「……ん」

昴「やべっ、教え子からたくさんメール来てた」

恵美「昴もすっかり教職員だねぇ」
 

786: 矢橋P 25/02/15(土) 10:45:42 ID:8ZDF


昴「……………」

昴「…………………………」


ゴン!


恵美「ど、どったのさ」

昴「……わかったぜ恵美。奴らが俺達を呼びつけておきながら討伐作戦に参加させない理由が!」

恵美「何!詳しく教えてよ」

昴(あの野郎。俺の教え子に手を出したな。ぜってー後悔させてやる!)






 

787: 矢橋P 25/02/15(土) 10:47:10 ID:8ZDF




裏山の中



千羽矢「さて、どこから話したらいいかしら?」


杉田「その……」

千羽矢「ん、なぁに?」

杉田「喋り方がいつもと違うけど、今までの喋り方とかあの性格は演技だったの?」

千羽矢「あー。今はギャズちゃんの頭脳を貸してもらってるからちょっと賢いだけ。いつものおバカな私がチハヤちゃんとしての性格で間違いないよ」

未来「ギャスちゃん?」

千羽矢「ギャスちゃんは頭が良くてね。テストの時とか宿題する時とかにたまに手伝ってもらうんだ」
 

788: 矢橋P 25/02/15(土) 10:48:07 ID:8ZDF

静香「まずその千羽矢って人物は何なのか知りたいわ」


千羽矢「……」

千羽矢「雨崎千羽矢。パライソ高校に通っていた高校生でエリちゃんの親友」


未来「エリちゃんって恵理先生のことだよね……」

桜華「それにパライソ高校って……」


千羽矢「当時のエリちゃんは中学生だったけどね。そして……享年17歳」

789: 矢橋P 25/02/15(土) 10:49:32 ID:8ZDF

「「「………………」」」


千羽矢「死因は……私の大元、ハームレスによる捕食……だね」


桜華「ではあなたが元の雨崎千羽矢さんを殺したということになるのですか?」

千羽矢「間接的にはそうなるね………っとお喋りはここまでだね」ピクッ


静香「まさか……」

千羽矢「もう奴らが来た。思ったより早いね、私を感知出来るやつがいるのかも」

杉田「ええっ!」







黒服C「包囲しろ、迅速にな」ザッザッ

790: 矢橋P 25/02/15(土) 10:50:40 ID:8ZDF

千羽矢「みんな、私の後ろに下がって!」



黒服D「……」チャキ

黒服E「……」チャキ

黒服F「……」チャキ



静香(き、機関銃!?)

杉田(ここは日本じゃないの!?)
 

791: 矢橋P 25/02/15(土) 10:51:18 ID:8ZDF

黒服C「配置に着いたな。総員撃て!」


ダダダダンッ!!!






千羽矢「…………っ」ボロ

桜華「あなた、私達を庇って……」

千羽矢(こいつら……狙いは私じゃなくて未来ちゃん達か!)シュュゥ
 

792: 矢橋P 25/02/15(土) 10:52:16 ID:8ZDF

黒服C「まずは子供の方を始末しろ。化け物の方は後だ」



ダダダダンッ!!!


黒服D「おい、あの化け物。子供を庇ってるぜ」

黒服E「動けないなら好都合だな」



千羽矢(私はこんな攻撃じゃ致命傷にはならないけど未来ちゃん達が……)

793: 矢橋P 25/02/15(土) 10:53:21 ID:8ZDF
ズズズズズッ!


杉田(あれ、僕のスマホが……)


???「とおっ!」



杉田(僕のスマホの画面が一瞬光ったかと思ったら……)

杉田(中学生くらいの女の子がスマホから飛び出したぁ!?)


育「みんなのピンチに勇んで参上!モバイルプリンセス!」ビシッ



杉田「あわわ……」

桜華(絶句していて言葉が出ない)

未来「かっこいいいー」

794: 矢橋P 25/02/15(土) 10:54:27 ID:8ZDF

黒服E「な、何だコイツ……」

黒服C「まて、モバイルプリンセスって言ったら……まさかあいつが……」





千羽矢「あなたは……」

育「とりあえずみんなを安全なところに避難させるからあなたは安心して戦っていいよ」


育「来て、”イーエス”!」
 

795: 矢橋P 25/02/15(土) 10:55:19 ID:8ZDF

イーエス「はーい」ズズズ





杉田(今度は僕のスマホから黒い女の子の影が……)

静香(あの子と同じ形をしてるわね)



黒服C「出たか。あれがツナミすらも手を焼いているという電子生命体イーエス」

796: 矢橋P 25/02/15(土) 10:56:32 ID:8ZDF

イーエス「それじゃ四名様ご案内~」

ガシッ


杉田「ひ、引きずり込まれるぅぅぅぅ」

桜華「もうなんなんですか!」

未来「うわぁー。でも楽しいかも」

静香「ちょっと、未来どこ掴んでいるのよーー」



スポッ


千羽矢「みんな!あなた何をしたの」

イーエス「大丈夫。あなたのお友達は育ちゃんと一緒に安全なところに移動させただけ」

イーエス「まずは……この人達を一緒に倒そうよ」ガバァ






 

797: 矢橋P 25/02/15(土) 10:57:19 ID:8ZDF

電脳世界




静香「ここは……」

育「ここは杉田くんのスマホのネットワークの中かな」

育「あらためて。わたしは中谷育……じゃなかった!モバイルプリンセスだよ」


未来「モバイルプリンセス?」

育「わたしね、ヒーローなんだ。ヒーローは正体がばれないようにコードネームで呼び合うんだって」

桜華(さっき自分で本名ばらしてましたわ……)

育「本当は環ちゃんか朱里さん……じゃなかった。レッドウルフやウェポンストレージやサイレントジョーカーも来てくれたらよかったんだけど、別の任務中だし……」
 

798: 矢橋P 25/02/15(土) 10:58:19 ID:8ZDF


杉田「ほ、本物だ!」

育「あれ?」

未来「本当にヒーローって居るんだね!」

杉田「サインって貰えるのかな」

育「わわっ。えーっと、サインは練習しなきゃ書けないかも」



静香「ずいぶん可愛らしいヒーローさんね」

桜華「もう驚くのも疲れましたわ……」






 

799: 矢橋P 25/02/15(土) 10:59:30 ID:8ZDF



黒服F「く、喰われるー」


ガプッ



イーエス「ふう、これで全員だね」


千羽矢「……私も大概だけどあなたも相当ね」

イーエス「本当に食べてるわけじゃないよ。電脳空間に閉じ込めているだけだから」

イーエス「それよりお姉さん大丈夫?さっきから何回も撃たれているのに、じっとして動かないけど……」
 

800: 矢橋P 25/02/15(土) 11:01:04 ID:8ZDF
千羽矢「それは…………待って。別な誰かが来る!」

千羽矢「あなたは隠れて」

イーエス「う、うん」スッ





バジリスク「よお、化け物」

千羽矢「あなたは……」

イーエス(この人……)


バジリスク「黒服の奴らとガキどもがいないな。両方くたばったか」

バジリスク「そしてお前だけが残ったってわけだな。ククッ、そりゃラッキーだ」

イーエス(お姉さんこの人は……)ゴニョゴニョ

千羽矢「!!」

801: 矢橋P 25/02/15(土) 11:02:00 ID:8ZDF

バジリスク「さて……」チャキ


千羽矢「……」


バキボキバキボキ


バジリスク「おーおー。肉体を変化させてでかくなりやがって、ますます化け物に相応しい姿じゃねーか」

バジリスク「俺にとっては的が大きくなってありがたいけどな!」チャキ?
 

802: 矢橋P 25/02/15(土) 11:03:13 ID:8ZDF

ドン!


千羽矢「……っ」ポタポタ


ボロッ


バジリスク「お前のことは聞いてるぜ?どこを潰そうが致命傷にならず瞬時に再生する。だからハームレス(無害)って言われているみたいだな」

千羽矢「…………」

バジリスク「おあいにく様だ。俺の名はバジリスク!“少しでも傷つけたものを殺す“ことが出来る超能力者だ!」

バジリスク「俺に少しでも傷つけられた者は苦しむ間もなく死ぬ。お前がいかに再生しようと一撃で死んじまうのなら関係ねえ」

バジリスク「まさに、俺様はお前の天敵ってわけさ」
 

803: 矢橋P 25/02/15(土) 11:04:28 ID:8ZDF

千羽矢「敵の前で自分の能力をべらべら喋る人って本当にいるんだね」


バジリスク「俺様の場合はいいんだよ。みんな説明が終わる前に死んじまうんだからな」

バジリスク「……まて、何故お前はまだ生きている」


千羽矢「さて、どうしてかな~?」

 

804: 矢橋P 25/02/15(土) 11:05:24 ID:8ZDF

バジリスク「……」っナイフ


グサッ


シオシオ…………


千羽矢(ナイフで傷ついた木が一瞬で枯れた!)

バジリスク(超能力は問題なく作動している。となると……)チャキ?
 

805: 矢橋P 25/02/15(土) 11:06:44 ID:8ZDF

ドン!ドン!



千羽矢「…………」


ボロッボロッ


バジリスク「キサマ……何故俺様の能力が効かない」


千羽矢「チハちゃんをあまり舐めない方がいいよ?」

千羽矢「能力をペラペラ喋ってくれたお返しにこっちも教えてあげようか」

千羽矢「攻撃受けた瞬間に攻撃を受けた箇所を体から切り離すの。そうしたら切り離した部分は死んじゃうけど本体は無事ってわけ」

千羽矢「切り離した部分は直ぐに再生出来るしね。つまりあんたの超能力は私には効かない」


千羽矢(事前にこの子からコイツの能力を教えてもらったから対応出来たんだけどね)

806: 矢橋P 25/02/15(土) 11:08:20 ID:8ZDF

バジリスク「なんだと……」

バジリスク(くそっ、化け物め。話が違うじゃねーか!……ん)


千羽矢「はぁ……はぁ……」



バジリスク(そういうことか!)チャキ


ドン! ドン! ドン!


ボロッ ボロッ ボロッ


千羽矢「ぐっ……」

バジリスク「クク……。お前、無限には再生出来ないじゃないのか?」

千羽矢(ばれたか……)

807: 矢橋P 25/02/15(土) 11:09:44 ID:8ZDF

バジリスク「そうだよなぁ、無から無限に細胞を生み出せたらおかしいからなぁ!」っ?


ドン! ドン! 


ボロッ ボロッ 



千羽矢「はぁ……はぁ……」

バジリスク「ちっ、しぶとい奴め。弾切れだ」ジャガジャガ




イーエス「お姉さん、今のうちに反撃しようよ」

千羽矢「……だめなの」

千羽矢「さっきは勢いで攻撃しちゃったけど……」

千羽矢「エリちゃんに暴力は駄目って言われているから」
 

808: 矢橋P 25/02/15(土) 11:11:07 ID:8ZDF


「良く言ったね!」



パーーン!


バジリスク「な……」ツーッ


恵美「ごめんごめん。アタシさあ、あんたと違って1ショットキルって下手くそなんだよね~」っ?


バジリスク(この女……わざと俺の頬を掠めるように撃ちやがった。警告のつもりか)

恵美「だけど次は間違って当てちゃうかも。あんたの脳天ど真ん中にね」

昴「恵美はおっかね~な。7年前より射撃の腕上がったんじゃねーか?」
 

809: 矢橋P 25/02/15(土) 11:12:01 ID:8ZDF

バジリスク「おい!お前らはこっち側だろ!なぜ俺を撃つんだ!」




恵美「え~、何のこと?アタシ達は女の子が国際指名手配のテロリストに襲われているから助けようとしただけだけど?ね~、昴」

昴「ああ、教え子が襲われているからな~。助けなきゃな~」
 

810: 矢橋P 25/02/15(土) 11:13:55 ID:8ZDF

バジリスク「とぼけやがって。てめえら……裏切りやがったな!」

バジリスク「まずはお前らから殺してやる。これでもくらえ!」プシュー


バジリスク(このスプレーの中身はガラスの粉末だ。これを吸い込んで傷つかない人間はいない!)

グワン!

ドコッ!


バジリスク「ば……バカな……」ガクッ

イーエス「すごい……」


バジリスク(野球ボールが風を纏ってガラスの粉を吹き飛ばしやがった……)


昴「させねーよ」

恵美「……あんたが数年前に飛行機からガラスの粉をまき散らして何百人も殺した残虐非道で最低な手口。全く変わってないみたいだね」

811: 矢橋P 25/02/15(土) 11:14:41 ID:8ZDF

バジリスク「くそ……」チャキ


パーーン! 


カラーン


バジリスク「ぐあぁぁ……俺の手が……」

恵美「拳銃は使わせない」

恵美「痛い?でもあんたに殺された人は痛いと思う暇もなかったんだよ!」
 

812: 矢橋P 25/02/15(土) 11:15:45 ID:8ZDF

バジリスク「ひぃぃ……」

バジリスク「待て、わかった。降参だ、大人しくする」



イーエス「みんな、後はわたしに任せて!」

ガパァ


バジリスク「な、なんだ。何なんだよ!お前らはーーー」


ガブッ



イーエス「ふう……これでテロリストさんは封じ込めたよ」

イーエス「ごめんねお姉さん。あいつの能力、わたしにも効く可能性があったから弱ってからじゃないとわたしも動けなかったんだ」

千羽矢「いいよ。こちらも感謝しないといけないから」
 

813: 矢橋P 25/02/15(土) 11:16:55 ID:8ZDF


恵美「へーっ、すごいね。君が環が言ってた育ちゃんの具現化。イーエスだね」

昴「オレは知らねーな。教えてくれよ」


イーエス「お姉さん達は環ちゃんの知り合い?」

恵美「うん。大事な相棒……だよ。色々話したいけどその前に……」



チャキ


恵美「あんたのことはまだ信用してないから」っ?

千羽矢「…………」

昴「……恵美」
 

814: 矢橋P 25/02/15(土) 11:17:28 ID:8ZDF

恵美「教えて。あなたはハームレスなのか雨崎千羽矢なのか」



千羽矢「……」

千羽矢「……ちょっと待って。ギャスちゃんもあなたと話したいってさ」

恵美「ギャスちゃんって、まさか……」

千羽矢「それとイーエスちゃん、みんなを呼んでほしい。今は周りに敵は居ないし、みんなにも話したいから」

イーエス「わかった!」




 

815: 矢橋P 25/02/15(土) 11:18:12 ID:8ZDF
そして




杉田「昴監督!」

未来「やっぱり昴監督は味方だよね!」

昴「……ああ。オレはどんな時でもお前達の味方だよ」



静香「そちらのお姉さんはどういう……」

恵美「アタシ?アタシは所恵美!昴のマブダチだよ」

未来「所恵美……もしかして、めぐみぃですか!」キラキラ
 

816: 矢橋P 25/02/15(土) 11:18:46 ID:8ZDF

恵美「にゃはは……気付いてくれたのは嬉しいけど、こんな姿を見られたくなかったかなー」

静香「未来、知っているの?」

未来「今、女子学生で大人気のモデルさんだよ。私は読者モデルの時からファンなんだ~」

未来「今日は色んな人に会えるなぁ」

恵美「そっかー、未来ちゃんか。田中琴葉と島原エレナと一緒に活動しているから二人もよろしくねっ!」
 

817: 矢橋P 25/02/15(土) 11:19:53 ID:8ZDF

昴「もうこの際だからばらすけど、紗代子もロコも麗花もみんな同じ時期に知り合った仲間なんだよ」

昴「ハタ侵略って7年前にあったろ?オレ達はあの事件に巻き込まれちゃってさ」

恵美「その時、苦楽を共にした仲ってやつかな」


桜華「あの事件は7年前でもよく覚えています。当時のニュースはそれ一色でしたもの」

恵美「まー、色々あったねぇ。最後はみんなでマゼンタと戦ったりさ」


未来「そうなんだ……」

杉田(僕達の監督ってこんな凄い人だったんだな)
 

818: 矢橋P 25/02/15(土) 11:21:14 ID:8ZDF

恵美「それで……ハームレスっていうのはその時の宇宙人がこの惑星に連れてきた地球外生命体なんだ」

千羽矢「この星の基準で言うと細胞群体ってことになるみたいだね」

未来「細胞群体?」

千羽矢「簡単に言うと単細胞生物が集まって多細胞生物みたいに生活している状態のこと」

恵美「……だからハームレスは心臓や脳が無くなっても活動出来るんだね」

千羽矢「そう。ハームレスにとって脳や心臓でさえも補助機関でしかないからね。細胞が一つでも残れば再生して元通りになるの」
 

819: 矢橋P 25/02/15(土) 11:22:03 ID:8ZDF

恵美「で、問題はあんたはどうなのってこと。確かにアタシはあの時ハームレスを倒したはずだったけど……」

千羽矢「まず、ギャスちゃんを呼ぶね」



ベギベギベギ



杉田「チハヤちゃんに顔がもう一つ……」

桜華「テレビで見たことありますわ……」

恵美「……久しぶりだね。ギャスビゴー星人」


ギャスビゴー「直接面識ハ無イガナ」

千羽矢「ギャスちゃんはねー、私の中にあるもう一つの人格みたいなものかな」

820: 矢橋P 25/02/15(土) 11:23:04 ID:8ZDF

恵美「さて、いい加減私の問いに答えてよ。あなたは何?」

ギャスビゴー「我ハ、ハームレスデモナケレバ雨崎千羽矢デモナイ」

ギャスビゴー「強イテ言ウナラ、ハームレスノ残骸ト言ウコトニナル」

恵美「ハームレスの残骸?」


ギャスビゴー「ハームレスガ崩壊シタ時、本体カラ遠ク離レテイタ肉体ガ僅カニ残ッタ」

千羽矢「それが私。残りカスみたいなものかな。だからハームレスほどの力は私にはないよ」
 

821: 矢橋P 25/02/15(土) 11:23:48 ID:8ZDF

恵美「……あんたの目的は?」


千羽矢「目的か、そんなものないよ」

ギャスビゴー「本体を失ッタ我々ハ他ノ単細胞生物ミタイニ蠢クコトシカ出来ズ、イズレ朽チルノミダッタ」

千羽矢「実際ハームレスが死んで2~3年ぐらいはあの地下の中でひっそりとしていたからね」

昴「だから政府やオレ達に見つからなかったんだな」
 

822: 矢橋P 25/02/15(土) 11:25:14 ID:8ZDF

千羽矢「そんな私達を救ってくれたのは雨崎千羽矢の記憶と意思なの」

千羽矢「気付いたらこの姿になってエリちゃんを探しに歩いていた」

千羽矢「そして2年ぐらいかけてこの開拓分校に辿り着いた。その時にはエリちゃんはここの教師だったから」

千羽矢「突然来訪した私にエリちゃんは……何も言わず受け入れてくれた」

昴「でもその時には千羽矢は悪い奴らに目をつけられてたんだよな」

千羽矢「そうだね。奴らはこの分校を私を閉じ込める監視所にしたかったみたいで」

千羽矢「奴らの手続きであれよあれよとエリちゃんのクラスに編入されたの」

昴「それでオレは千羽矢を監視するためにここに赴任したんだ」
 

823: 矢橋P 25/02/15(土) 11:26:49 ID:8ZDF

ギャスビゴー「我ラニ願イガアルトスレバ……雨崎千羽矢ガ歩ムハズダッタ人生ヲ再現シタイダケ。償イニナラナイノハ分カッテイルノダガ……」



恵美「…………」

恵美「あんたに敵意は無いのはわかったよ」スッ
 

824: 矢橋P 25/02/15(土) 11:27:11 ID:8ZDF

千羽矢「……みんなは私のことどう思う」




桜華「…………」

静香「…………」

杉田「…………」


千羽矢「……ごめん。突然聞かれても困るよね」

昴(色んなことが起こりすぎて把握するだけでも精一杯だろうな)

825: 矢橋P 25/02/15(土) 11:28:01 ID:8ZDF
未来「……チハヤちゃんの食いしん坊なところは素なの」オソル

千羽矢「素だよ。……元のハームレスが食欲に忠実だったからそれに引っ張られているかも」

ギャスビゴー「ハームレスハドーム一個分ホドノ体積ガアッタ。ソレヲ維持スル為ノアノ食欲ダッタノダロウナ」


未来「だったら私は細かいこと気にしないよ。また三人でおやつ食べよ?」

杉田「う、うん」

杉田(そうだ。春日さんの言う通りじゃないか)

千羽矢「未来ちゃん、杉田くん……」

静香(未来は強いわね)

桜華(……)


 

826: 矢橋P 25/02/15(土) 11:28:48 ID:8ZDF

昴(恵美から見てどう思う?)ヒソヒソ

恵美(……ま、問題無いんじゃない)ヒソヒソ

恵美(ハームレスも環境次第じゃ人間との共存もあり得たのかも)

恵美(…………いやあの大きさで共存は無理かな)

 

827: 矢橋P 25/02/15(土) 11:29:37 ID:8ZDF

育「みんな!大変だよ!」


「「「!!!!!!」」」




恵美「育ちゃんどうしたの!」

育「もーっ、恵美さん。わたしのことはコードネームで呼んでよ!」

恵美「あ、ごめん」

静香(もう隠しても意味ない気がするけど)
 

828: 矢橋P 25/02/15(土) 11:30:28 ID:8ZDF

育「イーエスに情報収集をお願いしていたんだけど……」

昴「来るのか”AS”が」

育「うん……」


恵美「まじ?なんで政府の特殊部隊がこんなところに来るの!」

昴「言ったろ。奴らは日本政府にコネがあるってな」


静香「ASって……あのアサルト・スターズの方よね!」

昴「そうだ」


千羽矢「私を……狩りに来るんだね」








 

829: 矢橋P 25/02/15(土) 11:31:30 ID:8ZDF

裏山の麓




春香「アサルトスターズ!全員居るか!」


千早「如月千早、居ます」

美希「美希も居るの。あふぅ」

響「我那覇響、自分も居るぞ!」

伊織「水瀬伊織。居るわ」

真「菊地真、準備万端だよ」

雪歩「萩原雪歩、居ますぅ」

やよい「高槻やよい。居まーす」

あずさ「三浦あずさ。到着出来ました」

貴音「四条貴音。参りました」

律子「秋月律子。配属完了です」

亜美「亜美さんじょ~」

真美「双海真美も準備完了」

830: 矢橋P 25/02/15(土) 11:32:11 ID:8ZDF

春香「こら、亜美ふざけない!ちゃんと名前を言いなさい!」

亜美「うあうあ~、真美も乗ってくれると思ったのに~」

真美「亜美、今回は真面目にしたほうがいいよ」

亜美「え、真美が……マジだ」




響(流石の真美も今回は真剣だぞ)

伊織(当たり前よ。……私だって信じたくないくらいよ。あのハームレスが生きていたなんて)







 

831: 矢橋P 25/02/15(土) 11:33:11 ID:8ZDF


昴「あのASが総出動するそうだ。交戦したらオレ達全員でもひとたまりもないだろうな」

育「そんな……」

恵美(響さん、伊織さん、真美……)



昴「だから戦っちゃだめだ。こっちに敵意が無いと説得しないとな」

恵美「アタシはASの何人かに面識あるよ、だから私が説得する」

昴「ああ、頼むぜ。い……モバイルプリンセスはその間に黒服達やバジリスクを警察に突き出してくれ。そうすれば事情も説明しやすくなる」

育「うん、わかった」
 

832: 矢橋P 25/02/15(土) 11:34:39 ID:8ZDF

昴「千羽矢は……説得が終わるまで逃げ続けるしかないな。くれぐれも……」

千羽矢「反撃しちゃ駄目ってことでしょ。分かってる」

千羽矢「私は無害ですって言ってるそばから攻撃しちゃ収まるものも収まらなくなる」

昴「そうだ。オレ達は戦いたいわけじゃないんだ。この騒動を終わらせたいだけだからな」


桜華「それでしたら裏山に留まってないで今のうちに逃げた方がよいのではなくて?」

千羽矢「それは駄目。ここで逃げたら事件がもっともっと大きくなっちゃう」

千羽矢「ASは必ず追ってくるし、戸籍すらない私が逃げ込めるところなんか何処にもないからね」

桜華「…………」
 

833: 矢橋P 25/02/15(土) 11:35:28 ID:8ZDF

昴「静香達はモバイルプリンセスと一緒に下山して家に帰ってくれ。もうかなり遅くなっちゃったけど……」




桜華「わたくしも残りますわ」


未来「桜華ちゃん!」

昴「桜華!?」
 

834: 矢橋P 25/02/15(土) 11:36:09 ID:8ZDF

桜華「今回の騒動、元と言えばわたくしの軽薄な行動に原因がありますわ。ここで私だけ帰るわけには行きませんの」

昴「あのな……。それに桜華が残ってもやることなんかないだろ」

桜華「あのASの皆さんなら一般人がいる状況で無差別に攻撃はしないはずですわ。つまり私が千羽矢さんの傍に居ればそれだけASの皆さんも手を出しづらくなりますの」


昴「だからって万が一ってこともあるだろ!」

桜華「千羽矢さんが居なかったら今頃無事ではいなかったでしょう。そんなのもう怖くないですわ」

静香「……私も同じです。千羽矢さんには命を助けてもらいましたから……」

未来「私も!」

杉田「ぼ、僕も」

835: 矢橋P 25/02/15(土) 11:36:43 ID:8ZDF

千羽矢「みんな……駄目だよ」

未来「そう言って冴花ちゃんを無視したのはチハヤちゃんだよ?」

千羽矢「あはは……そうだったね」


恵美「そんな風に言われちゃったら言い返せないかな。アタシもあの時はずいぶん無茶して親にこっぴどく怒られちゃってさ~」

恵美「昴だってそうでしょ?」

昴「うう……そうだけどさ~」アタマオサエ
 

836: 矢橋P 25/02/15(土) 11:37:47 ID:8ZDF

育「わたしも知ってるツテで説得出来るかもしれないからお願いしてみるよ!」

恵美「今は少しでも可能性がほしいからね。お願い」

昴「あーもう。とりあえず麗花に連絡したから恵美は麗花と一緒に下山して千早の元に説得に行ってくれ。多分千早は連絡係で麓に居ると思うから」

未来「ちはや?」

昴「雨崎千羽矢(あめざきちはや)じゃなくて如月千早(きさらぎちはや)の方だよ!」

恵美(ああ……そんなやり取りあったなぁ。懐かしいかも)


ギャスビゴー「我ハソロソロ引っ込ムガ……ドウカ主ヲ頼ム」

恵美「あんたから頼みを受ける日が来るなんてね。……任せて」





 

837: 矢橋P 25/02/15(土) 11:39:55 ID:8ZDF
1時間後



響「春香隊長。山の動物達からだいたい情報が聞き出せたぞ」

春香「ありがとう響隊員」

響「でも……この山あまり動物が居なくて時間かかっちゃった」

春香「それは仕方ないが……ハームレスの居場所は分かったか?」

響「おおよそはね。でも、近くに子供達が居るみたいなんだ……」

春香「何ですって!」

千早「逃げ遅れた生徒なのかしら」

律子「亜美と真美の能力を使った遠距離からの無差別攻撃は出来なくなったわね……」
 

838: 矢橋P 25/02/15(土) 11:41:14 ID:8ZDF

伊織「だから最初から言ってるじゃない。ハームレス相手にそんな攻撃通用しないわ」

真美「真美もいおりんにどういってやつだよ。そんなことで倒せるなら7年前に真美達が倒してるよ」



亜美「亜美は見たことないんだけどそんなにヤバいやつなの……」

雪歩「伊織ちゃんがそこまで言うなんて……うう……怖くなってきました……」

真「大丈夫だよ雪歩」

貴音「ええ、そうです。それではやはりあの作戦でいくわけですね」

春香「うん。みんなお願い」






 

839: 矢橋P 25/02/15(土) 11:41:54 ID:8ZDF





杉田「あれから結構時間が経ったけど……」

未来「恵美さんと育ちゃんはどうなったかな……」

静香(もうコードネームで呼んでないわね……)

昴「……」



カッ!


ピカーーッ
 

840: 矢橋P 25/02/15(土) 11:42:49 ID:8ZDF

未来「これって、スポットライト!?」

昴「いや……伊織の能力だ!」




伊織「出て来なさいハームレス!」ペカー




昴「ご指名みたいだけど……千羽矢はまだ出ないでくれ」

千羽矢「うん。……みんな気をつけてね」

841: 矢橋P 25/02/15(土) 11:43:51 ID:8ZDF


杉田「待ってーーー」テフリ

未来「私達もいるよーーー」ブンブン




伊織「本当に居たわね……。こんな時間にこんな場所で何で居るのかしら」

やよい「伊織ちゃん、あの子達は偶然巻き込まれただけかもしれないよ」


※ASにはハームレスが暴走して裏山に立て籠もっているとしか伝えられていません
生徒が誘拐されたことも怪しい黒服達が居たことも知りません

842: 矢橋P 25/02/15(土) 11:45:10 ID:8ZDF
伊織「やよい、真、響、頼んだわよ」

響「任せるさー」ダッ

真「7年前の借りを返させてもらうよ!」ダッ




響「君達、自分達は怖くないぞ!」

真「だから……ちょっとだけ静かにしてね」


杉田「えっ」

未来「うわっ」
 

843: 矢橋P 25/02/15(土) 11:46:57 ID:8ZDF

静香(ASの隊員二人が素早く未来と杉田くんに近づくと優しく抱き抱えてその場を離脱)



響「やよい、あずさ、後はお願いね」

やよい「二人とも、ケガはありませんか。もしケガがあったら言ってください。私の超能力でぱぱっと直しちゃいますー」

あずさ「あらあら~。もう安心ですからね」

未来「はああ……」

杉田(未来ちゃんがイケメンに抱かれてお姉さんに受け止められて没落してる)


静香(凄い手際……これがAS)

昴(同じ超能力者でもバジリスクなんかとは雲泥の差だな)



昴「久しぶりだな。伊織、響、真」
 

844: 矢橋P 25/02/15(土) 11:48:07 ID:8ZDF







麓の仮説テント


恵美「というわけなんだ!」

恵美「だから千早さん、真美、お願い!」


律子「この子があの時の子ね」

真美「めぐちんも大きくなりましたのう」

貴音「わたくしも響や伊織からも聞いております。その節は響や伊織を助けていただき感謝申し上げます」
 

845: 矢橋P 25/02/15(土) 11:48:41 ID:8ZDF

千早「……」

麗花「私からもお願いさせてもらいますね」

千早「……恵美の言うことだから嘘ではなさそうね」

千早「……だけど作戦を中止することは出来ないわ」

恵美「何で!」

千早「私達は私事で動いているわけではないの」

貴音「そうです。今回も日本政府から命令を受けて私達は任務に望んでいます」

千早「それを私達の判断で辞めることは出来ない」

真美「めぐちんには悪いけど……日本政府が撤回しない限りは無理なんだよ」


恵美「そ、そんな……」





 

846: 矢橋P 25/02/15(土) 11:49:40 ID:8ZDF





伊織「というわけよ。いくらあんたの頼みでも無理ね」

昴「……そうかよ」グッ

伊織「恨み言なら後で聞いてあげる。だから今は大人しくしてなさい!」

伊織「真、響!」



響「ごめん昴」グッ

真「動かないでもらえるかな」ガシッ

847: 矢橋P 25/02/15(土) 11:50:38 ID:8ZDF
昴「ぐっ……」ガッ

昴(オレだって戦闘用じゃないと言ってもサイボーグなのに……)

昴(真の能力は肉体の硬質化だったか。組み伏せられたら抜け出せない!)



千羽矢「昴先生!」


伊織「出たわね、ハームレス!」

伊織(本当に……あの時から姿が何も変わってないわね)

伊織「今よ雪歩!」

848: 矢橋P 25/02/15(土) 11:51:47 ID:8ZDF

雪歩「分かったよ伊織ちゃん!」

雪歩「えいっ!」


ズゥゥゥ


昴(雪歩の合図で空間に穴が空いて……)

昴(そこから車両コンテナが飛び出した!)
 

849: 矢橋P 25/02/15(土) 11:52:52 ID:8ZDF

亜美「それじゃ亜美の出番だねぃ」

昴(亜美のテレキネシスで操作する気か!)

昴「千羽矢避けろ!」

千羽矢(駄目。避けれない!)



バタン


亜美「ええーーい」


昴(そのまま千羽矢を中に入れたまま車両コンテナは山の手前側に行っちまった)

昴「そのまま千羽矢を閉じ込める気か」
 

850: 矢橋P 25/02/15(土) 11:53:20 ID:8ZDF

伊織「それは違うわ」

響「自分達の目的は最初から」

真「ハームレスを春香の前に送ることだよ」

やよい「後は私達の隊長、春香さんが……」

雪歩「絶対やっつけてくれるよ」








 

851: 矢橋P 25/02/15(土) 11:53:48 ID:8ZDF




ドン!


コンテナ<ガチャ


千羽矢「いてて.......全く、私が受け止めていなかったら……」

千羽矢「……」ハッ


春香「……」

852: 矢橋P 25/02/15(土) 11:55:03 ID:8ZDF

千羽矢「ASの隊長さん……かな」

千羽矢「見渡しても一人だけ……これは大将との一騎打ちってこと?」

春香「そうだね。自慢じゃないけど純粋な戦闘なら私が一番強いし」パチン



ザザーーーーッ


千羽矢「急に雨が……」ザブサブ


春香「私が本気出すとみんなを巻き込んじゃうからね」
 

853: 矢橋P 25/02/15(土) 15:26:01 ID:8ZDF

ザザーーーーッ



千羽矢「この雨、目眩ましのつもり?」ザブサブ


春香「もちろん、ちゃんと意味はあるよ」パチン



パッ


千羽矢(どういうこと?雨が止んだ……)

854: 矢橋P 25/02/15(土) 15:26:39 ID:8ZDF

ヒュゥゥゥーーー



千羽矢「これは!」

春香「あなたの辺りだけ氷点下20℃にさせてもらったよ」



ビキビキビキッ


千羽矢(体が凍りついて……)

855: 矢橋P 25/02/15(土) 15:28:02 ID:8ZDF

春香「さて動きを封じるにはこれで充分かな。あまりやり過ぎると森に影響出ちゃうし」パチン



ヒュッ


ザン! ザン! ザン!

ボトッ ボトッ ボトッ


千羽矢「今度はかまいたちか、本当に何でもありだね……」

春香「今のであなたの手足を全部切り落とした。後は首を切った後、氷漬けにして再生出来ないようにするだけ」
 

856: 矢橋P 25/02/15(土) 15:29:05 ID:8ZDF

春香「言い残したいことはあるかな。せめてそれだけは聞いてあげる」

千羽矢「ふふ……チハちゃんはね。まだ死ぬつもりはないよ」

春香「……それが遺言だって伝えておくよ」パチン







シーン



春香「……まさか」
 

857: 矢橋P 25/02/15(土) 15:30:15 ID:8ZDF


ガタン!



静香「千羽矢さん、今のうちに逃げましょう!」

桜華「といっても今の千羽矢さんに手足が無いみたいですし私達が運びますわ」

千羽矢「あはは……しばらく動けそうにないからね。お願い」

ダダダダッ!





春香(コンテナの中にまだ子供が……それにこの子達がEPSジャマーを持っているなんて!)

※EPSジャマーとは超能力の発動を妨害する機械

858: 矢橋P 25/02/15(土) 15:32:20 ID:8ZDF


美希「へー。春香が出し抜かれるなんて珍しいの」ヒョッコリ


春香「美希。……今、千早隊員に連絡する」

春香「……千早隊員。あずさ隊員に連絡して律子隊員をここに呼んで」


美希「春香~、その頭のリボン借りるよ?」

春香「何……って私のリボン!?」シュルリ

美希「春香のリボンをこの木に結んでおくの。美希の絶対勘がそうしろって言ってるの」






 

859: 矢橋P 25/02/15(土) 15:33:26 ID:8ZDF












桜華「流石ASの隊長さんですわ。あんなのむちゃくちゃですの」ハァハァ

静香「モバイルプリンセスから貰ったEPSジャマーが無かったら終わりでした」ハアハア

千羽矢「私がコンテナに連れ去られる時に桜華ちゃんと静香ちゃんが乗ってくれて助かったよ……」
 

860: 矢橋P 25/02/15(土) 15:34:23 ID:8ZDF



春香「安心するにはまだ早いんじゃない?」



桜華「もう追いついてきましたの!?」

春香「私達は訓練を受けているからね。持久走で普通の女の子に負けるわけないよ」

美希「美希の勘もあるしね」
 

861: 矢橋P 25/02/15(土) 15:35:25 ID:8ZDF

静香(でも……私達にはEPSジャマーがある。ここは何とか……)


律子「残念だけどEPSジャマーはもう効かないわ」

静香「え……」

律子「私の超能力、機械妨害(デジタル・ジャミング)で周囲の機械をストップさせているわ」


桜華(EPSジャマーのランプが消えてる。本当みたいですわね)カチカチ

律子「超能力者部隊の私達にEPSジャマーは天敵。対策してないわけないでしょ」

桜華(万事休す……ですわね)

862: 矢橋P 25/02/15(土) 15:37:41 ID:8ZDF


千羽矢「静香ちゃんに桜華ちゃん。私から離れて」

千羽矢「二人を巻き添えにしたくないの」

静香「千羽矢さん……」スッ




春香「……覚悟は出来たみたいだね」


千羽矢「…………」ハアハア



春香「……」スッ



静香「駄目よ!」

863: 矢橋P 25/02/15(土) 15:39:26 ID:8ZDF

ブワッ

ヒラヒラッ キラキラッ



春香「!!」

桜華「これは……」

律子「天使の羽根?」


それはこの緊迫した状況に似つかわしくない光景だった
辺りを天使のような羽根が現れ、静香と千羽矢を包み込むように舞い散ったのだから
その光景の美しさには春香も思わず攻撃の手を止めてしまうほどだった

864: 矢橋P 25/02/15(土) 15:40:39 ID:8ZDF


千羽矢「これって……走馬灯ってやつじゃないよね?」

静香(え、何これ……まさかこれを私が起こしたの?)

律子(この現象はあの女の子を中心に起きてる……これも超能力だわ。しかも”具現化系”の)



春香「新しい超能力者の誕生か。本当なら祝福してあげたいんだけど……」

 

865: 矢橋P 25/02/15(土) 15:41:26 ID:8ZDF

「……春香」


春香「千早ちゃん?どうしたの」



「……撤退よ」

春香「え……」



「今すぐ任務を中断して撤退しろって命令が出たわ。日本政府からよ」
 

866: 矢橋P 25/02/15(土) 15:43:20 ID:8ZDF

春香「はぁ!?」

春香「どういうこと。日本政府から私達に任務を命じてきたのに突然撤退しろだって?」

律子「春香、落ち着いて」


春香「私達はどんな任務も遂行する気でいる、それが命がけになろうともだよ」

春香「でもその命令する側で出撃しろだの撤退しろだの勝手にコロコロ変えられちゃ溜まったもんじゃない!」



「春香の気持ちは分かる。けどおそらく任務中断を進言したのは……」


「 ツナミよ 」


春香「ツナミが?何でツナミが私達の騒動に首を突っ込んでくるの?」
 

867: 矢橋P 25/02/15(土) 15:44:04 ID:8ZDF








甲斐「私が頼んだのですよ。日本政府に直接ね」ザッ

春香「あなたは……」

律子「とんだ大物が来たわね」

静香(誰なの……)

桜華(まさかこの人はツナミグループの……)

 

868: 矢橋P 25/02/15(土) 15:45:18 ID:8ZDF

甲斐「皆さん、4年前のデンノーシティではお世話になりましたね」

律子「”ツナミグループ日本支部代表”のあなたがなぜこんなところにいるのですか」



ホンフー「私がここに連れてきました」

春香「!!」

ホンフー「たまたまこの辺にいたんですよ。あなた達なら”私の能力”は知っているでしょう?」

律子「……確かにあなたなら可能ですね」


ホンフー「それでどうします?何なら我々二人が代わりにあなた達と戦ってもいいんですが」

静香(何なのこの二人。ツナミグループの人みたいだけど……)


 

869: 矢橋P 25/02/15(土) 15:46:36 ID:8ZDF


春香「……あなた達と戦うのは今じゃない」

春香「みんな撤収準備を始めて」

律子「分かったわ」




桜華(いったいどういうことですの……)

甲斐「穏便かつ迅速な対応に感謝します。あなた方に無駄足させた埋め合わせはちゃんとするように日本政府に言っておきますので」

美希「よく言うの」キッ

870: 矢橋P 25/02/15(土) 15:48:09 ID:8ZDF






春香「……そうだ」

春香「私が森の中にリボンを落としてしまったらしい」

春香「響、伊織、真美、真の四人だけで拾いに行ってくれ」

律子「!!」

春香「後は撤収準備を進めるように」





 

871: 矢橋P 25/02/15(土) 15:49:23 ID:8ZDF










ホンフー「わざわざ説得しにまでここまで来てもらってすみませんねぇ。どうも私は強敵を前にするとつい手が出てしまうので」

甲斐「いえ、今回の件を頼んだのはこちらです」

甲斐(歩のお願いにも困ったものです)

ホンフー「ツナミグループ日本支社に戻るのであればワームホールで送りますが」

甲斐「いえ。ついでに用事を済ませてきます」



 

872: 矢橋P 25/02/15(土) 15:50:16 ID:8ZDF






静香「ASの人達もあの二人も居なくなったわ。助かったと思っていいのかしら……」

桜華「もう何が何やら……」




伊織「まだよ」


千羽矢「!!」

873: 矢橋P 25/02/15(土) 15:51:18 ID:8ZDF

響「自分達は忘れないぞパライソタウンでのこと」

真「君に食われた人間は一人や二人じゃないんだ」

真美「はるるんが許しても真美達は許さないかんね」



千羽矢「…………」

静香「それは千羽矢さんがやったわけじゃ……」

千羽矢「いいよ静香ちゃん」スッ

静香「……」

874: 矢橋P 25/02/15(土) 15:52:01 ID:8ZDF

千羽矢「ねえASの隊員さん」


ビキビキビキッ


静香(千羽矢さんが何とか右手を生やして……)


ドスッ

ブチッ


伊織「!!」

桜華「何しているんですの!」
 

875: 矢橋P 25/02/15(土) 15:52:47 ID:8ZDF

静香(う……、自分の胸に手を突っ込んで自らの心臓をえぐり出した……)

真美「うえ……」



千羽矢「これで……勘弁してくれない?」ハァハァ


伊織「……」

響「……」

真「……」


 

876: 矢橋P 25/02/15(土) 15:53:42 ID:8ZDF

千羽矢「ゴホッ……ゲホッ……」


伊織「舐めないで。あんたが心臓が無くても生きていられることぐらいは知ってんのよ」


千羽矢「……ゲホッ」

877: 矢橋P 25/02/15(土) 15:54:36 ID:8ZDF

伊織「だけど……その苦しそうな顔は嘘じゃないみたいね」

響「君をそこまでさせるほどに大切なんだなその二人は」


千羽矢「そうだよ……」ゲホッ

真「……これじゃこっちが悪いみたいだよ」

伊織「わかった。見逃してあげる」

千羽矢「ありがと」ゴホゴホ
 

878: 矢橋P 25/02/15(土) 15:55:33 ID:8ZDF

伊織「ただし、一つ条件があるわ。あんた、今学生なのよね」

千羽矢「うん。高校二年生ってことになっているね」

伊織「卒業したら、あんたASに入りなさい」


千羽矢「!!!」

真美「えーーーっ」
 

879: 矢橋P 25/02/15(土) 15:56:56 ID:8ZDF

伊織「春香に頼まれていたのよ」

響「自分達ASも戦力がほしいんだ」

千羽矢「あんなに強いのに?」

真「あれでも足りないよ。ツナミに対抗するにはね」

伊織「今、世界では色んなことが起きてるの。いずれ大変なことになるわ」

伊織「どうせあんた、卒業したら何処にも行くところないでしょ?私達が面倒みてあげる」

響「君をそばに置いて監視するっていう目的もあるけどね」


千羽矢「そう。喜んでそうさせてもらうよ。それが私の生きる意味になるのならね」

静香(千羽矢さん)




そうして長い長い夜が終ろうとしていた

880: 矢橋P 25/02/15(土) 16:13:52 ID:8ZDF
今回はここまで

突然殺伐としたバトルパートを挟んですみません。逆襲のアイドル編ではこれ以降バトルパートはありませんので許して

こんなアイドルとも野球とも関係ない話を突っ込んだのは理由がありまして……
一つはASを全員出したかったからです
あと一つはあの子達のその後を書きたかったというのがあります

春香の能力のモチーフはパワポケにおいて世界第四位の洗谷さんです。そりゃ強いわ

雨崎千羽矢が自ら心臓をえぐり出すシーンは原作にもありますがえぐり出したのが心臓なのはちゃんと意味があります
もし興味あれば調べてみてください

891: 矢橋P 25/02/24(月) 07:52:53 ID:SZlv
あれから……






とある独房


バジリスク「クソが……こんなことになるならあんな作戦に参加しなきゃよかったぜ」

バジリスク「ESPジャマーがなければな。面倒なものを開発しやがって……」

892: 矢橋P 25/02/24(月) 07:53:35 ID:SZlv
カサカサ……




バジリスク「ちっ。この独房、虫がいやがるぞ」

バジリスク「おい!ちゃんと掃除してんのか!」
 

893: 矢橋P 25/02/24(月) 07:54:22 ID:SZlv
シーン





バジリスク「いやに静かだな。ますます虫の音が気に障る……」



カサカサ……


バジリスク「こ、こいつは……」

バジリスク「や、やめろぉぉぉ」




グチャグチャグチャ!!!  

894: 矢橋P 25/02/24(月) 07:55:45 ID:SZlv








黒服リーダー「あなたは……」

黒服G「こいつはジオット直属の部下、ホンフー!」


ホンフー「私は聖母ではないので懺悔の時間はあげませんが……せめてお仲間の能力で殺してあげますよ」

ホンフー「ドゥームチェンジ『バジリスク』」


プスッ


黒服G「え……あ……」


バタン

895: 矢橋P 25/02/24(月) 07:56:37 ID:SZlv

ホンフー「さて、残りはあなただけですけど」




黒服リーダー「この超能力者め。ESPジャマーを発動させた。これで能力は使え……」

ホンフー「おや、そうですか」


ボキィ


ホンフー「残念、私は能力が無くてもあなた方を殺す分には全く問題ありませんよ」

896: 矢橋P 25/02/24(月) 07:58:01 ID:SZlv



甲斐「そちらは終わりましたか」スッ

ホンフー「ええ。暴れ足りないぐらいです」

甲斐「こちらもバジリスクを始末しました。変なことを喋られても困りますので」

ホンフー「あら、もったいない。こっちの雑魚と違って彼はまだ利用価値があったのでは?彼の能力は珍しかったですし」

甲斐「……あなたが言うと白々しいですね」

ホンフー「おや失礼。そんなつもりはなかったのだけど」
 

897: 矢橋P 25/02/24(月) 07:58:25 ID:SZlv

甲斐「……あのような者をツナミに招き入れることはありませんよ。“ツナミに二流は要らない“」

ホンフー「あなたのお気に入り舞浜歩。最初はどうなることやらと思いましたが……蓋を開けてみれば彼女も一流の人間でしたね」

甲斐「ジオット会長の人を見る目は確かです。だからツナミはここまで大きくなった」

ホンフー「同感ですね。だから私も元の組織を裏切って彼に着いたのですが」
 

898: 矢橋P 25/02/24(月) 07:59:33 ID:SZlv

甲斐「しかしこのような者達を日本政府が支援していたとは。大方ツナミと潰し合わせて我々が少しでも弱まってくれることを期待していたのでしょうが……」

甲斐「度し難い愚かさです。これは日本政府にお灸を据えなければならないですね」

ホンフー「そんなことしたらせっかくツナミショックを立ち直ったばかりの日本経済がまた混乱してしまいますよ?」

甲斐「……経済に影響しない方向で調整します。手始めに長官の首を何人か切らせますか」
 

899: 矢橋P 25/02/24(月) 07:59:51 ID:SZlv


甲斐「私の用事はこれで終わりです。あなたはまだ日本でやることがあるのですか?」

ホンフー「来年いっぱいまではこの辺りで活動するつもり。気になる娘もいるしね」

甲斐「暗躍するのは結構ですが、くれぐれもばれないようにやってください。尻ぬぐいをするのは私なんですから」

ホンフー「うふふ……なるべく善処するわ」








 

900: 矢橋P 25/02/24(月) 08:01:08 ID:SZlv









詰井「千羽矢てめぇ!また俺達のおやつ勝手に食ったろ」ポカポカ

千羽矢「ひ~。ごめんなさい~」

詰井「せっかくこないだチャラにしてやったのに。また貸しだからな!」


静香(……)



あれから一週間経った
結局あの後私達が解放されたのは日を跨いでもうすぐ朝日が昇るぐらいの時間帯で
直ぐに家には帰らず未来達と一緒に昴先生が借りている宿舎で休むことになった

901: 矢橋P 25/02/24(月) 08:03:29 ID:SZlv

私達のことはいつの間にか部活の合宿で泊まり……ってことになっており
女子高校生が一晩帰ってこなかったことはあまり問題にならなかった
次の日は学校が強制的に休みで
その次の日に登校した時には何もかも元通りになっていた
まるで何もなかったかのように……

その時私と未来は昴先生の送迎で桜華さんは紗代子コーチの送迎で登校した
一応何かあったら困るからということだけど、一週間経って何も問題無いのが確認して今は普通に登校している

あれから黒服達は全く見なくなった
これには昴先生も不思議がっていたけれど、どうやら証拠隠滅して逃げたんじゃないかということらしい
 

902: 矢橋P 25/02/24(月) 08:04:20 ID:SZlv

千羽矢さんは元のちょっと頭が足りない食いしん坊に戻っていた
怪我も一切治っていたのは流石といったところで、その後の食事がもの凄かったらしい。恵理先生も色んな意味で泣いてた

あの時感じた知性的な顔は今は少しも感じない
おそらくあの人格は普段は彼女の奥底にいて出てこないのだろう
余計な知識に染まらせずありのままの姿で雨崎千羽矢としての人生を歩ませたいのだろうか
……食欲は抑えてほしかったけど

千羽矢さんの本性を知っているクラスメートは私と未来と杉田くんと桜華さんだけだけど他の人には喋らないしいつも通りで接することで四人とも一致している
心なしか未来が千羽矢さんにおやつを持っていくことが増えたけど

903: 矢橋P 25/02/24(月) 08:05:40 ID:SZlv

あの日から私が気になって頭の中を支配しているのは千羽矢さんのことだけじゃなくて
垣間見てしまった日常の中の闇。ASの方が言ってた世界中で大変なことが起きているということ
そして……私が発現したという超能力だ
 

904: 矢橋P 25/02/24(月) 08:05:53 ID:SZlv

昴先生が桧垣先生にそのことを伝えると私が超能力センサーに僅かに反応していたらしく予想はしていたとのこと
おそらく私に超能力の素質が元々あって、しあわせ草での治療がきっかけで目覚めてしまったらしい
あの治療で目覚めるほどなら遅かれ早かれいずれは目覚めていたであろうとのことらしいけど……
昴先生が言うには私の超能力は具現化というものらしくて強く願わないと発動することはないらしい
だから私が使う意思が無ければ大丈夫とのこと
あれは結局何だったのだろう。と思わなくもないけど千羽矢さんのことと同様に心の中にしまうことにする

905: 矢橋P 25/02/24(月) 08:06:48 ID:SZlv






志保「話し聞いてる?何をぼーっとしてるのよ」

静香「あ……ごめんなさい」

志保「今年も収穫祭あるんだからそれについて準備しないと」

静香「そうだったわね」

志保「何あったか知らないけど、あなたが足手まといになるなら私一人でやるわ」

静香「……大丈夫よ。今の私の本分はアイドルだもの」


そうだ。惑わされてる場合じゃないわ

906: 矢橋P 25/02/24(月) 08:07:23 ID:SZlv





桜華「静香さん、未来さんちょっとよろしいですか」

未来「ふぇ?」

静香「……あのことですか?」

桜華「そうです。あの夜のことは冴花さんだけには話しましたの。彼女だけは前から黒服や千羽矢さんのことを薄々は気付いていたみたいでしたから」

桜華「そしたら冴花さんの知り合いのジャーナリストが私達に取材したいと……」





 

907: 矢橋P 25/02/24(月) 08:08:10 ID:SZlv










ミーナ「どうも。私、武内(たけうち)ミーナです。よろしくです」


静香「あの有名ジャーナリストの武内ミーナさん……」

未来「私も聞いたことあるけど……どんな人だっけ」

静香「日本人のジャーナリストでは一番有名な人よ。日本でツナミに屈してないジャーナリストは彼女とその仲間たちだけだと言われているわ」

桜華「わたくしもネットなどで拝見したことがありますわ」
 

908: 矢橋P 25/02/24(月) 08:09:24 ID:SZlv

ミーナ「みなさんのような人にも知ってもらえて光栄です」

杉田「じゃあこれは取材ってことなのかな」

ミーナ「そうです。木村さんから話を聞いて私、混黒高校に興味を持ちましたです」

ミーナ「十一の分校からなるシステムもそうですが……いくら生徒数日本一のマンモス高校とはいえ裏組織に関わりがあるのはおかしいです」

ミーナ「もっと何か裏があるかもしれません」

静香(確かにそうね……)

ミーナ「みなさんが知っていること、あの日体験したこと。どんな小さなことでもいいので教えてください」

未来「私達が知っていることでいいならいくらでも話すよ!」






 

909: 矢橋P 25/02/24(月) 08:09:59 ID:SZlv
そして





ミーナ「ありがとうございました。近いうちにまとめて記事にしますよ」

静香「いえ、こちらこそ」

桜華「ありがとうございました」

冴花「……これで混黒高校の体制も変わればよいのだけど」









 

910: 矢橋P 25/02/24(月) 08:10:38 ID:SZlv
数日後

早朝 駅から開拓分校までの道







未来「今日も朝早い~」スタスタ

静香「早朝でもまだ暑いわね。九月だしそろそろ涼しくなっても……」スタスタ





「ドゥームチェンジ 『デスマス』」

911: 矢橋P 25/02/24(月) 08:11:19 ID:SZlv


ホンフー「そこの可愛らしいお嬢さん。『起きていてください』」


未来「あれ、急に……」

バタン



静香「ちょっと、未来!」

未来「むにゃむにゃ~」

912: 矢橋P 25/02/24(月) 08:12:05 ID:SZlv

ホンフー「心配しないでください。少し眠ってもらっただけですから」

静香「あなた、この前の!」キッ


ホンフー「私の名前は巫・紅虎(ウ・ホンフー)どうかお見知りおきを」

静香「何の用ですか」

ホンフー「単刀直入に言うけど、あなた私の元に来ない?」

ホンフー「あなたの才能に興味あってね。今の高校を離れることになるけど」
 

913: 矢橋P 25/02/24(月) 08:12:58 ID:SZlv

静香「……その才能というのはアイドルですか、それとも超能力の方ですか」

ホンフー「両方。……と言いたいけど本命はアイドルの方ね」

ホンフー「それにアイドルと超能力。まるっきり無関係ってことでもないのよ?」



静香「どういうことかよくわからないけど、お断りです」

ホンフー「そう。でもいいの?あなたこのままじゃims甲子園に行けないわよ」

静香「それは……」

ホンフー「私の元に来たらims甲子園に連れていってあげるけど」
 

914: 矢橋P 25/02/24(月) 08:13:31 ID:SZlv




静香「……」

静香「私達はあなたの手を借りない。自分達の手でims甲子園に行くわ」



ホンフー「うふふ……意外と熱血漢なのね。さて、どうしょうかしら」

ホンフー「私、無作為な暴力って嫌いなのよね」

静香「……っ」

915: 矢橋P 25/02/24(月) 08:14:18 ID:SZlv





朋花「ホンフーさん~」ゴゴゴ


静香「と、朋花さん」

朋花「この子にまで手を出してはいけませんよ~」ゴゴゴ

ホンフー「おや、聖母さんじゃないですか。何故ここに?」

916: 矢橋P 25/02/24(月) 08:15:26 ID:SZlv

朋花「ホンフーさんは私に言わなきゃいけないことがあるのでは?」

ホンフー「はて、心当たりがないですね」

朋花「とぼけないでください。あなた”私の子豚ちゃん達に手を出しましたね~”」ゴゴゴ


静香(横で見ている私にもわかるぐらい朋花さんが激昂している)

静香(自分に向けられていないのに横にいるだけで冷や汗が出てくる)

917: 矢橋P 25/02/24(月) 08:15:53 ID:SZlv

ホンフー「……あなたとは争いたくはないんですがね。お互い”仲良く”しましょうよ」

朋花「…………」ゴゴゴ



ホンフー「わかったわかった、降参よ。勧誘はしばらく辞めるしこの子にも二度と手を出さないわ」

朋花「子豚ちゃん達も解放してください~」ゴゴゴ

ホンフー「それはダ・メ。それに彼ら自身が望んでいることなのよ?」

ホンフー「あなたじゃ彼らは救えなかった。違うかしら?」

朋花「…………っ」ググッ

918: 矢橋P 25/02/24(月) 08:16:26 ID:SZlv

ホンフー「聖母の顔に免じてこの場は引いてあげる。そこのお嬢さん」

静香「……何ですか」

ホンフー「もし万が一、あなたがims甲子園に出場出来たなら……また会えるわ」

静香「!!」

ホンフー「それじゃさようなら。またね……とは言わないけど」


スタスタスタ
 

919: 矢橋P 25/02/24(月) 08:17:22 ID:SZlv




朋花「……」ギリッ

静香「朋花さん?」


朋花「……私としたことが取り乱してしまいましたね」

静香「朋花さんのおかげで助かりました」

朋花「いいんですよ~。これで彼はもうあなたに手を出さないでしょう。静香さんは安心してアイドル部活動をしてくださいね~」

未来「ふにゃ……」




それから黒服達やホンフーと名乗るツナミの人が私達に接触することはなかった
でも何で狙われたのが私だったのだろう……
ホンフーって人はアイドルとしての才能に興味あるっていっていたけれど、引き抜かれるほどの才能は今はないと思う。才能だったら翼や可奈の方がありそうだし
超能力込みということなのか、それとも……

920: 矢橋P 25/02/24(月) 08:18:14 ID:SZlv





921: 矢橋P 25/02/24(月) 08:18:50 ID:SZlv
数日後

開拓分校 部室








昴「それで……今年の収穫祭は板夢分校と合同で行うことになった」

昴「板夢分校も音楽祭をやっていたみたいでな。どっちの分校も予算少ないなら両方とも一緒にやっちまおうってことだな」

昴「神桜と平面分校も協力するといってるぜ」
 

922: 矢橋P 25/02/24(月) 08:19:24 ID:SZlv

志保「それはいい案だと思いますが……奉納の方はどうなりますか。今まで厳かにやってきましたよね」

昴「奉納は別でやる。これは生徒達のための行事だからな」

昴「あと交渉中だけどスペシャルゲストも考えてある。交渉次第だけど楽しみにしてくれよな」

麻美「へぇ~。なんだか楽しくなりそうだね」

静香「…………」





 

923: 矢橋P 25/02/24(月) 08:20:27 ID:SZlv
更に次の日



静香「……」ボーッ

志保「今日は饂飩打たないの」

静香「……そんな気分じゃないの」

麻美(静香ちゃんが饂飩に対して情熱が無い時があるなんて!)

志保「今日は収穫祭に向けて他校との打ち合わせがあるんだから。あなたリーダーでしょ、しっかりしなさいよ」

静香「……そうね」



志保(これは重症ね。どうしたものかしら)

麻美(やっぱりあの夜に何かあったのかな……)

924: 矢橋P 25/02/24(月) 08:21:42 ID:SZlv
そして

放課後 開拓分校 部室







唯香「よぉ、また会ったな。今回もよろしく頼むわ」

静香「……はい」

唯香「……っち。志保から聞いていた通り気の抜けた面してんなぁ」ガリガリ
 

925: 矢橋P 25/02/24(月) 08:22:11 ID:SZlv
パンパン


紗代子「はい。そこ喧嘩しない」

麗花「みんな仲良くね~」



正「静香さんこないだよりもっと悪化したような気がするなぁ」

陽葵「……」


麻美(今回は陽葵さんも来たんだね)

由良里(アイドル部の集まりも結構な人数になりましたね)

926: 矢橋P 25/02/24(月) 08:23:26 ID:SZlv

昴「全員集まったな。それじゃ始める前に……」

昴「まず嬉しいニュースだ。スペシャルゲストからオッケーもらえたぜ」

唯香「アタシらも聞かされていたけどよ、そのスペシャルゲストって誰だよ」

昴「まあ直接見た方が早いかな」ニカッ




ガチャ


恵美「やっほ!所恵美と……」

エレナ「島原エレナだヨー」


「「「うわーーーーっ!!!」」」

927: 矢橋P 25/02/24(月) 08:24:03 ID:SZlv

唯香「おいおい反則だろ、あんた達は現役のアイドルじゃねーか」

陽葵「あ……」


正「若手の中でもトップダンサーの島原エレナさんだー!」

エレナ「そうだヨー。ワタシがこのイベントをワーッと盛り上げちゃうからネッ!」

恵美「琴葉も来れたら良かったんだけど予定が合わなくてさ~」

志保「驚きました。まさかTSVのお二人が参戦するなんて……」

麻美「これ、とんでもないことだよ」

静香「……」

928: 矢橋P 25/02/24(月) 08:24:41 ID:SZlv

恵美「……ふーん」

恵美「ごめん。ちょっと化粧直ししてくるね」

正「えっ?」

恵美「それでさ。静香、ちょっと手伝ってよ」

静香「わ、私ですか」

正「えー。うらやましいなぁ」





 

929: 矢橋P 25/02/24(月) 08:25:17 ID:SZlv




静香「化粧直しなんて嘘ですよね……」

恵美「そうだよ。静香とふたりきりで話しがしたくてさ」


静香「その……」

恵美「ん?」

静香「お金は大丈夫なんですか?うちの分校、恵美さんを呼ぶお金なんかないと思います」

恵美「ギャラのこと?そんなの静香が気にすることじゃないっしょ~」
 

930: 矢橋P 25/02/24(月) 08:25:50 ID:SZlv

恵美「……本当のこと言うけどね。あの後アタシと昴の口座に突然お金振り込まれてたんだ、きっかり100万円」

静香「ええっ!?」

恵美「送金主はもちろんツナミで隠す気はゼロ。口止め料ってことなんだろうね、下手に脅してくるよりも不気味だよ」

静香「……」

恵美「それでね。そんなお金を持ってても気分悪いからさ、さっさと使おうってなったワケ。その使い先が今回のイベントなんだ」

静香「そういうことだったんですか」
 

931: 矢橋P 25/02/24(月) 08:26:54 ID:SZlv

恵美「静香は何悩んでいるの?」

静香「……そんな風に見えました?」

恵美「うん、ひと目見ただけでわかるぐらい。こりゃやばいなーって思ったよ」
 

932: 矢橋P 25/02/24(月) 08:27:15 ID:SZlv

静香「……自分が通っていた学校の裏ではあんな奴らが暗躍していたことに全く気付きませんでした」

静香「昴先生はもうこの学校には奴らは居なくなったって言ってましたけど、この社会にはどこに奴らみたいな連中が潜んでいるかわからないですよね」


恵美「そうだね。アタシも昔の仲間とたまにやり取りするけど……結構きわどい話も聞くよ」

静香「もう何が安全で何が正しいのか……わからないんです」

静香「それに……育さんや昴先生や恵美さん。ASの皆さんを見ていると私達のやってることなんて……」
 

933: 矢橋P 25/02/24(月) 08:27:44 ID:SZlv

恵美「静香。それは違うよ」

静香「……っ」

恵美「静香はさアイドル目指してるんでしょ」

静香「そうです」

恵美「いい。これだけは肝に銘じて」

恵美「この世界がいかに淀んでいても、この社会がいかに理不尽であっても」

恵美「アタシ達アイドルは希望を持って進まなきゃいけないんだよ!」

恵美「みんなに夢と希望を与えるアイドルが絶望してたら……誰が希望を与えるのさ」
 

934: 矢橋P 25/02/24(月) 08:28:38 ID:SZlv

静香「それは……」

恵美「静香の言う通り、確かにこの世界には悪い奴らが蔓延ってる。それに対抗する育や環みたいなヒーローが私達が知らないところで戦っている。それをアタシ達は知ることも出来ない」

恵美「でも静香がやることはその中に飛び込むことじゃない。アタシもそう。アタシ達はアイドルなんだ。だったらやることは人々に希望を与えること!」

静香「……希望」

恵美「静香はさ、ims甲子園出たいんでしょ?絶対出場しなきゃね。こんな無名の分校からims甲子園の出場者が出たんならそれだけで他の女子高校生の希望になるんだから!」

静香「ims甲子園……」

935: 矢橋P 25/02/24(月) 08:29:12 ID:SZlv

そうだ、何を躊躇っていたのだろう
私の目標は最初からims甲子園だったはずだ
それが翼に負けて、あんなことも起きて
少し気持ちがぶれていたのかもしれない




静香「恵美さんありがとうございます。目が覚めました」

恵美「そっか。それじゃアタシから言うことは何も無いかな~。戻ろっか」

936: 矢橋P 25/02/24(月) 08:29:35 ID:SZlv

タタタッ


陽葵「あ、あの……」


恵美「ん~、なぁに」

陽葵「私あなたの大ファンで……もしよかったらサインください」

恵美「およっ、嬉しいね~。いいよいいよ~」シュッシュッ
 

937: 矢橋P 25/02/24(月) 08:30:22 ID:SZlv

陽葵「それとあんたも……」

静香「私?」

陽葵「めぐみぃに会えるなんて……最近ちょっと真面目にアイドル部やってて良かったわ」

陽葵「佐藤のやつがうるさかったのと……まああんたがあの時余計なこと言ってくれたおかげ。一ミリぐらいは感謝してやんよ」

静香「そう。私もそう言ってくれたら嬉しい」ニコッ

陽葵「なによ……。一ミリぐらいだし!あんたは嫌いな方だから!」

静香「いいわよそれで。今回のイベント、お互い協力して頑張りましょ」

恵美(ほら、さっそく静香に影響された人が出てきた)





 

938: 矢橋P 25/02/24(月) 08:31:59 ID:SZlv



静香「さあ、せっかく昴先生達が私達にこんな舞台を用意してくれたのだもの。アイドル部は全力で答えなきゃ!」


唯香「へっ、いつも通りに戻って来たじゃねーか。静香は勝ち気で生意気なくらいが好きだぜ」

志保(……ありがとうございます、恵美さん)





 

939: 矢橋P 25/02/24(月) 08:32:41 ID:SZlv

その後の話し合いで去年収穫祭として行った小さなイベントは4校合同で音楽フェスという名で行われることになった



私のやるべきこと
それは悪者をやっつけることでも世界を救うことでもない
私はアイドルなんだ
アイドルとして出来ることを一つずつやるだけよ!

940: 矢橋P 25/02/24(月) 08:33:21 ID:SZlv
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941: 矢橋P 25/02/24(月) 08:33:47 ID:SZlv


九月下旬

開拓分校 田んぼ




?????<ふっさー



麻美「やったよ、豊作だーーー」

未来「本当だね」ピョンピョン

未来「ね~これでご飯茶碗何杯分かな~」

志保「せめて俵で数えなさい。ご飯茶碗だったら数えきれないわよ」

千羽矢「いっぱい食べれる~」

詰井「お前は少し自重しような」
 

942: 矢橋P 25/02/24(月) 08:34:31 ID:SZlv

未来「でもここまで色々あったね~」

若来「レーキで雑草を刈ったりもしたよね」

由良里「成長レポートを書きに度々通いましたしね」
 

943: 矢橋P 25/02/24(月) 08:34:48 ID:SZlv

桜華「しかし見事ですわね。”実るほど頭を垂れる稲穂かな”とはよく言ったものですわ」

桜華「私達も見習わないといけませんわね」

静香(そうね。アイドルで活躍したからといって……驕ってはいけないもの)







 

944: 矢橋P 25/02/24(月) 08:36:16 ID:SZlv
十月上旬

音楽フェス当日


唯香「アタシらの本領、ロックバンドを見せてやるよ!」



\ウヮーーーーーーッ/




桜華「神桜分校からは伝統の日本舞踊をお披露目しますわ」




\ウヮーーーーーーッ/





陽葵「ア、アタシらはアニメのOPを踊ってみるたをやってやるぜ」




\ウヮーーーーーーッ/

945: 矢橋P 25/02/24(月) 08:36:53 ID:SZlv





ステージ裏



静香「ま、間に合ったわ」ハァハァ

志保「呆れた……ギリギリまで饂飩の売店に居るなんて」

静香「あれだけは他に任せておけないの」キリッ

志保「はいはい。私達はあの恵美さんとエレナさんの前座なんだから失敗は許されないわよ」

静香「わかってるわ。開拓分校代表として恥じないパフォーマンスをしましょ」

946: 矢橋P 25/02/24(月) 08:38:47 ID:SZlv

麻美「二人ともー。準備オッケー?」

静香「オッケーよ」

静香(これが私がアイドルとしてすべきこと!)







\ワァーーーーーーーッ/

947: 矢橋P 25/02/24(月) 08:39:36 ID:SZlv











       ー

948: 矢橋P 25/02/24(月) 08:40:25 ID:SZlv
翌日




未来「昨日の音楽フェス楽しかったね~。静香ちゃんのパフォーマンスも良かったよ」

静香「結局、恵美さんとエレナさんが全てをかっさらっていったけどね」

志保「特にエレナさんのみんなを巻き込むダンス。あんなに盛り上げるなんて……やっぱりプロは違うわ」

詰井「おかげで騒ぎ疲れちまったけどな。野球の試合があった翌日並みに疲れたぜ」
 

949: 矢橋P 25/02/24(月) 08:41:06 ID:SZlv
軽井「み、みんな大変だーーー」



詰井「何だ、また誰か攫われたとか言わないよな」

杉田「ち、違うんだよ。そんなことじゃねーよ」

冴花「落ち着いて。何があったの」


軽井「か、開拓高校になるんだってよ」
 

950: 矢橋P 25/02/24(月) 08:41:42 ID:SZlv
杉田「へ?」

未来「んん?」


軽井「独立だ!開拓は混黒高校から独立して開拓『高校』になるんだってよ!」


静香「え……」


「「「ええええーーーーーっ!!!!!」」」

951: 矢橋P 25/02/24(月) 08:42:21 ID:SZlv

福山校長「えーー、開拓分校は資金の目処が立ち単独の学校として成立することが確実になりました。混黒高校としては開拓高校を独立。今後は……」






冴花「やられたわね」

静香「どういうこと?」

952: 矢橋P 25/02/24(月) 08:42:53 ID:SZlv

冴花「おそらくミーナさんの記事を嗅ぎつけて面倒が起こる前に私達の高校を切るつもりよ。私達は無関係ですってね」

冴花「例の組織との関係を疑われても開拓分校が勝手にやったことだと言い張るでしょうね。私達もいつから混黒高校と例の組織が関与していたかまではわからないわけだし」

冴花「これじゃ、私達の高校は独立出来たかもしれないけど他の十の分校はそのままね」

未来「うう……、あの記事で混黒高校が変わるかもしれなかったのに……」

未来「それに昨日あんな楽しいイベントやったばかりなのに……。私達だけ抜け駆けしたみたいで申し訳ないよ……」

静香「……」
 

953: 矢橋P 25/02/24(月) 08:43:31 ID:SZlv

桜華「皆さんが気を病む必要はないですわ」

未来「でも……一番独立したがっていたのは桜華ちゃんの神桜でしょ?」

桜華「今回の独立は図らずもといった結果になりましたがあの時の皆さんの行動の成果ですわ」

桜華「それに混黒高校の支配に綻びが生じたのは間違いないですわ。皆さんが先陣を切って私達残りの分校も後に続くだけですわ」

冴花「一ノ宮さん……」


桜華(ここに来たばかりのわたくしなら妬んでいたでしょうね)

桜華(でも今は違います。神桜だけじゃない、全ての分校を救いたいと願っています)

桜華(今回はその為の大事な一歩ですわ)

954: 矢橋P 25/02/24(月) 08:44:19 ID:SZlv

麻美「来年からは開拓分校じゃなくて開拓高校かぁ」

由良里「言い間違えないでくださいよ麻美ちゃん」

麻美「間違いないよっ!」


詰井「なあ……ということはよ」

杉田「もしかして、もしかしたら……」

紗代子「そうだよ、みんな」

昴「ああ、オレ達も対外試合が出来る。普通に大会に出られる。甲子園だって行けるんだ」



「「「やったーーーーー」」」
 

955: 矢橋P 25/02/24(月) 08:45:12 ID:SZlv

静香「まさかこんなことでims甲子園に行けるようになるなんて……」


志保「”地区予選に勝ったら”ね」

冴花「そうね。北沢さんの言う通り。浮かれるにはまだ早いわ」








何だか急展開みたいで気持ちの整理がついてないのだけれど
でも……ims甲子園に行ける可能性が出てきただけでも……正直嬉しい

引用元: 静香「逆襲のアイドル!」