1: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/02/28(木) 19:33:22.746 ID:aBNqDceT0.net
課長「――おい! ちょっと来い!」

俺「なんですか?」

課長「なんだ、この書類は!? 何度同じミスをすれば気が済むんだ!」

俺「あれれ……?」

課長「あれれじゃない! すぐにやり直せ!」

俺「分かりました……おっかしいなー……」

課長「まったく……いつもぼんやりしやがって、この給料泥棒が!」

4: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/02/28(木) 19:36:42.846 ID:aBNqDceT0.net
俺「……」

俺「ふあぁぁ……」

俺「今日は暖かくて気持ちいいなぁ……」

俺「ぐぅ、ぐぅ……」

同僚「お、おい、起きろよ!」

課長「ほっとけ! どうせ起きてたってなんの役にも立たん!」

6: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/02/28(木) 19:39:21.030 ID:aBNqDceT0.net
――

受付嬢「いらっしゃいませ」

若頭「……」ズイッ

大男「……」ズイッ

受付嬢「ひっ!?」

若頭「姉ちゃん、こちらの部長さんに用があるんやけど。取り次いでもらえる?」

受付嬢「しょ、少々お待ち下さい……!」

9: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/02/28(木) 19:42:21.843 ID:aBNqDceT0.net
応接室にて――

若頭「こらどうも! 部長さん、課長さん!」

大男「……」ギロッ

部長「……」ゴクッ

課長「……」ゴクッ

部長「あの……ご用件は?」

若頭「これですわ」パサッ

部長「こ、これは……!?」

12: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/02/28(木) 19:45:37.660 ID:aBNqDceT0.net
若頭「お宅の会社……先日の入札ゲットしとったけど」

若頭「この写真……これはれっきとした談合の証拠やでぇ~?」

部長「いや、これはただの接待で……」

若頭「苦しいわ~、苦しすぎるわぁ~」

若頭「これバラまかれたら、お宅の会社の信用はどうなるんやろなぁ~? あんたも無事じゃ済まんで」

部長「う、ぐ……」

部長「なにがお望みでしょう……?」

若頭「さすが部長さん! 話が早い!」ペシッ

15: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/02/28(木) 19:47:33.259 ID:aBNqDceT0.net
若頭「なに簡単なことですわ。うちの息がかかっとる会社とお付き合いしてくれればそれでええんや」

若頭「そうすれば、お宅もうちもウィンウィンってわけですわな」

部長「ちなみに、お付き合いというのは……?」

若頭「まあ……うちの会社の製品をお宅で取り扱ってくれればええんや」

若頭「契約における条件はこんなもんでどうでしょ?」パサッ

部長「……!」

部長「バカな、こんな条件受けられるわけがない!」

若頭「あ?」ギロッ

18: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/02/28(木) 19:50:19.083 ID:aBNqDceT0.net
若頭「あんた、なにか勘違いしとりませんか?」

部長「え……」

若頭「お宅はこの条件で受けるしかないんですよ」

若頭「でなきゃ、さっきの写真、週刊誌にでも送りつけるだけですわ」

若頭「知り合いにいい記者がおってね。きっとあることないこと書いて騒いでくれると思いますわ」

若頭「来週、この会社がどうなってるのか楽しみですわぁ~」

部長「ま、待って下さい……!」

19: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/02/28(木) 19:54:01.116 ID:aBNqDceT0.net
――

同僚「大変だ、大変だ!」

俺「……ん?」

女「どうしたの?」

同僚「今、応接室に暴力団がやってきてるらしい!」

女「ええっ!?」

同僚「それで、奴らうちの弱みを握ってて、法外な要求を突きつけてるんだってさ!」

同僚「こりゃ部長と課長じゃどうにもならないぞ……」

俺「……」

20: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/02/28(木) 19:56:53.565 ID:aBNqDceT0.net
俺「やれやれ……」ガタッ

同僚「お前、どこ行く気だよ!?」

俺「応接室」

同僚「応接室!? ヒラのお前が行ってどうにかなるわけねーだろ!」

俺「だけど、このままじゃうちの会社ヤバイんだろ? なら、何とかしなきゃ」

俺「久々にヒリヒリするような緊張感を楽しめそうだ」スタスタ

同僚「ちょ、おい、待てって!」

21: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/02/28(木) 20:00:06.365 ID:aBNqDceT0.net
若頭「じゃあ、この条件を飲んでくれるってわけですな?」

課長「ど、どうします……?」

部長「う、うぐ……」

ガチャッ

俺「失礼しまーす」

部長「!」

課長「なんで君がここに!?」

22: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/02/28(木) 20:03:18.738 ID:aBNqDceT0.net
俺「あ、いや、応接室が面白いことになってるって聞いたもんで。つい来ちゃいました」

課長「君が出る幕はないんだ! とっとと出ていきたまえ!」

俺「……ん。あんた、どっかで見た顔だな」

若頭「ああ? こっちはお前なんぞ知らん――」

若頭「!」

若頭「……あ」

若頭「あんた……いやあなた様は……!」

24: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/02/28(木) 20:06:48.215 ID:aBNqDceT0.net
俺「“あの時”はどうも」

若頭「ど、どうも……」

俺「たしか、数人で若い子を拉致しようとしてたっけ?」

俺「あん時は楽しかったねー、俺もいい運動になったよ。あんたらは病院でしばらく寝たきりだったろうけど」

若頭「ア、アハハ……」

大男「カシラ、どうしたんです?」

若頭「お、お前は黙ってろや!」

俺「で、今は女の子じゃなく、企業をターゲットにしてるってわけだ」

若頭「いや、あなたのいる会社だと知っていれば……」

25: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/02/28(木) 20:08:53.528 ID:aBNqDceT0.net
大男「カシラァ!!!」ガタッ

部長「ひっ!?」

課長「うわっ!」

大男「こんなよく分からん野郎に舐められてどうすんです!」

大男「こういう時のために俺がいるんでしょうが! こんな奴、俺がブッ潰してやりますよ!」

若頭「バカ、よすんや!」

大男「死ねやぁ!」ブオンッ

俺「おっと」ヒョイッ

26: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/02/28(木) 20:11:32.218 ID:aBNqDceT0.net
俺「そらよ」

ドゴォッ!!!

大男「ぐああああっ!」ドサッ

ピクピク…

俺「あーあ、こりゃしばらくお粥しか食えないだろうな。悪いことしちゃった」

若頭「ひ、ひいい……」

部長「す、すごい……」

課長(信じられん、これが本当にあのダメ社員なのか!?)

27: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/02/28(木) 20:14:23.422 ID:aBNqDceT0.net
俺「さてと」クルッ

若頭「ひっ!?」

俺「どうしますか? まだ話を続けますか? それともお引き取り下さいますか?」

若頭「も、もちろん帰ります! 帰らせていただきます!」

若頭「ほら、起きろや! 行くで!」

大男「あうう……」

若頭「ほなさいなら! さっきの写真はもちろん処分させていただきます!」

29: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/02/28(木) 20:16:20.963 ID:aBNqDceT0.net
部長「あの連中を一瞬で片付けてしまった……」

課長「俺君、君はいったい……!?」

俺「俺ですか? ただのダメ社員ですよ」

俺「おかげですっかり目も覚めましたし、仕事に戻りましょう!」

課長「そ、そうだね……」

30: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/02/28(木) 20:19:15.958 ID:aBNqDceT0.net
……

……

俺「……むにゃ」

俺「あ、やべ、寝てた……。しかし、いい夢見れたな……」

同僚「大変だ、大変だ!」

俺「……ん?」

女「どうしたの?」

同僚「今、応接室に暴力団がやってきてるらしい!」

女「ええっ!?」

同僚「それで、奴らうちの弱みを握ってて、法外な要求を突きつけてるんだってさ!」

同僚「こりゃ部長と課長じゃどうにもならないぞ……」

俺(正夢きたー!)

32: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/02/28(木) 20:22:15.751 ID:aBNqDceT0.net
俺「俺に任せろ!」

同僚「任せろ……ってお前が行ってもどうにもならないだろ!」

俺「いや……きっとどうにかなる。そんな気がするんだ」

同僚「やめとけって! 絶対さらにこじれるだけだ!」

女「そうよ、やめときなさいって!」

俺「いいから任せとけって」

34: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/02/28(木) 20:25:57.718 ID:aBNqDceT0.net
ガチャッ

俺「失礼します」

部長「!」

課長「なんで君がここに!?」

若頭「……」ギロッ

大男「……」ギロッ

俺(夢で見た奴らとそっくりだけど、本物はやっぱり怖い!)

36: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/02/28(木) 20:28:41.493 ID:aBNqDceT0.net
若頭「ほう……?」

俺「え」

若頭「このヘタレそうな面構え、スポーツなんかしてそうにないガタイ、不健康そうな白い肌……」

若頭「うちの組にはおらんタイプやな……気に入ったわ!」ジュルリ…

俺「えっ」

37: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/02/28(木) 20:31:49.457 ID:aBNqDceT0.net
若頭「おい、こいつを一晩貸してくれたら、さっきの証拠写真はなかったことにしてええわ」

部長「ホントですか!?」

課長「どうぞどうぞ、お貸しいたします!」

若頭「じゃ、行こか。なあに、ちょいと気持ちいいことするだけや」

俺「やれやれ……久々にケツがヒリヒリするような緊張感を楽しめそうだ」







―完―

引用元: 同僚「応接室に暴力団がやってきてるらしい!」俺「やれやれ……」