1: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/03/02(土) 18:09:45.868 ID:FZsGwVlR0.net
教師「今日は抜き打ちテストを行う」
え~っ!!!
友人「うえー、かったりい……」
男「そうか? むしろ普通の授業より楽だろ」
友人「お前はよく本読むし、国語系は得意だからなぁ。親父さんが社長だし」
男「親父は関係ないだろ」
え~っ!!!
友人「うえー、かったりい……」
男「そうか? むしろ普通の授業より楽だろ」
友人「お前はよく本読むし、国語系は得意だからなぁ。親父さんが社長だし」
男「親父は関係ないだろ」
6: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/03/02(土) 18:13:11.732 ID:FZsGwVlR0.net
問3『この時の作者の気持ちを答えよ』
友人「なんだこの問題? くっだらねー」
友人「作者の気持ちなんて、“早く仕事終わらせたい”とか“晩飯何にしよう”とかに決まってんじゃん!」
男「……」
教師「コラ、テスト中に喋るな! 0点にするぞ!」
友人「なんだこの問題? くっだらねー」
友人「作者の気持ちなんて、“早く仕事終わらせたい”とか“晩飯何にしよう”とかに決まってんじゃん!」
男「……」
教師「コラ、テスト中に喋るな! 0点にするぞ!」
9: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/03/02(土) 18:15:32.300 ID:FZsGwVlR0.net
男(作者の気持ち……考えてみるか)
たかしは必死に叫んだ。
「さあ、決死の死闘をしようではないか!」
すると、花子は死神のような微笑みを浮かべる。
「派手に死に化粧してあげるわ!」
その時、死語が大好きなひろしが現れ――
男(問題に使われてるこの小説、やたら“死”って文字が多いな……)
たかしは必死に叫んだ。
「さあ、決死の死闘をしようではないか!」
すると、花子は死神のような微笑みを浮かべる。
「派手に死に化粧してあげるわ!」
その時、死語が大好きなひろしが現れ――
男(問題に使われてるこの小説、やたら“死”って文字が多いな……)
11: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/03/02(土) 18:19:15.519 ID:FZsGwVlR0.net
男(しかも、この台詞――)
太郎は高らかにこう宣言した。
「人生の終着点は死だ。そして、誰もがその終着点にたどり着くためのスイッチを持っている。
あとはそれを自分で押すか、他人に任せるか、それだけの違いなのさ。
もちろん、この私は自分でスイッチを押させてもらうよ」
男(この作者、まさか……!?)
太郎は高らかにこう宣言した。
「人生の終着点は死だ。そして、誰もがその終着点にたどり着くためのスイッチを持っている。
あとはそれを自分で押すか、他人に任せるか、それだけの違いなのさ。
もちろん、この私は自分でスイッチを押させてもらうよ」
男(この作者、まさか……!?)
13: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/03/02(土) 18:22:26.723 ID:FZsGwVlR0.net
男「先生!」
教師「どうした?」
男「俺にはこの作者の気持ちが分かりました」
教師「ほう、さすがだな」
男「この作者、死にたがってる!!!」
教師「な、なんだと……!?」
教師「どうした?」
男「俺にはこの作者の気持ちが分かりました」
教師「ほう、さすがだな」
男「この作者、死にたがってる!!!」
教師「な、なんだと……!?」
15: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/03/02(土) 18:26:05.664 ID:FZsGwVlR0.net
友人「死にたがってるって、どういうことだよ!?」
男「見ろ、問題に使われてるこの小説を。やたらと“死”という文字が使われてる」
男「しかも、この太郎の台詞……自殺を暗示しているものだというのは明らかだ」
友人「た、たしかに……!」
男「先生、今すぐこの作者のところに行きましょう!」
教師「しかし……今は授業中でテスト中……」
男「こうしてる間にも、作者は死んでしまうかもしれないんですよ!」
教師「わ、分かった……すぐに向かおう!」
男「見ろ、問題に使われてるこの小説を。やたらと“死”という文字が使われてる」
男「しかも、この太郎の台詞……自殺を暗示しているものだというのは明らかだ」
友人「た、たしかに……!」
男「先生、今すぐこの作者のところに行きましょう!」
教師「しかし……今は授業中でテスト中……」
男「こうしてる間にも、作者は死んでしまうかもしれないんですよ!」
教師「わ、分かった……すぐに向かおう!」
17: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/03/02(土) 18:29:22.629 ID:FZsGwVlR0.net
教師「だが、作者がどこに住んでいるのか分からんのでは……」
男「このテスト問題は、どこから入手したものなんです?」
教師「問題集からコピーしたものだが……」
男「だったら、その問題集を出版した会社に問い合わせれば分かるかも!」
教師「なるほど!」
男「このテスト問題は、どこから入手したものなんです?」
教師「問題集からコピーしたものだが……」
男「だったら、その問題集を出版した会社に問い合わせれば分かるかも!」
教師「なるほど!」
18: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/03/02(土) 18:32:52.131 ID:FZsGwVlR0.net
教師「あー、そうですかー……分かりました……」
教師「ダメだ、個人情報は教えてくれんそうだ。大手出版社だから、こういうところはしっかりしている」
男「でしたら、次は俺に電話させて下さい」
教師「無駄だと思うよ?」
……
男「教えてもらえました」
教師「なんだと!? これじゃ私の教師としてのプライドがズタボロだ!」
男「そんなことより、すぐ作者の自宅に向かわないと!」
教師「そうだな、車を出そう! 二人ともついてこい!」
男「はいっ!」
友人「え、俺も!?」
教師「ダメだ、個人情報は教えてくれんそうだ。大手出版社だから、こういうところはしっかりしている」
男「でしたら、次は俺に電話させて下さい」
教師「無駄だと思うよ?」
……
男「教えてもらえました」
教師「なんだと!? これじゃ私の教師としてのプライドがズタボロだ!」
男「そんなことより、すぐ作者の自宅に向かわないと!」
教師「そうだな、車を出そう! 二人ともついてこい!」
男「はいっ!」
友人「え、俺も!?」
20: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/03/02(土) 18:36:23.678 ID:FZsGwVlR0.net
ブロロロロロ…
教師「しゅっぱーつ!」
男「急いで下さい、先生!」
教師「ああ、分かってる! 舌噛むなよ!」
友人「……」
男「どうした?」
友人「今の俺の気持ちを答えよ」
男「“なんで俺まで”ってところかな」
友人「正解」
教師「しゅっぱーつ!」
男「急いで下さい、先生!」
教師「ああ、分かってる! 舌噛むなよ!」
友人「……」
男「どうした?」
友人「今の俺の気持ちを答えよ」
男「“なんで俺まで”ってところかな」
友人「正解」
21: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/03/02(土) 18:38:30.739 ID:FZsGwVlR0.net
ブオオオオオオオオ…
友人「ひいいいっ! 飛ばしすぎィ! ここ40km/h制限っすよ!?」
男「先生、運転上手いですね」
教師「これでも教師になるかF1レーサーになるかギリギリまで悩んでたからね。ふんっ!」
ギャルルッ
友人「公道でドリフトしないでぇぇぇ!!!」
友人「ひいいいっ! 飛ばしすぎィ! ここ40km/h制限っすよ!?」
男「先生、運転上手いですね」
教師「これでも教師になるかF1レーサーになるかギリギリまで悩んでたからね。ふんっ!」
ギャルルッ
友人「公道でドリフトしないでぇぇぇ!!!」
22: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/03/02(土) 18:40:37.858 ID:FZsGwVlR0.net
キキィーッ!
教師「着いた、このマンションだ」
友人「ひゃ~、さすが作家様、立派なマンションに住んでやがる」
男「さっそく部屋へ向かおう! 404号室だ!」
友人「4が多いな……ちょっと不安になってきたぜ」
タタタッ タタタッ タタタッ
教師「着いた、このマンションだ」
友人「ひゃ~、さすが作家様、立派なマンションに住んでやがる」
男「さっそく部屋へ向かおう! 404号室だ!」
友人「4が多いな……ちょっと不安になってきたぜ」
タタタッ タタタッ タタタッ
24: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/03/02(土) 18:43:28.556 ID:FZsGwVlR0.net
ピンポーン…
教師「……誰も出ないな」
友人「カギもかかってるし、留守なんじゃないっすか?」
男「……」サッ
友人「本のしおり? そんなもんどうするつもり――」
男「……」カチャカチャ
ガチャッ
友人「しおりでピッキングしやがった!」
教師「……誰も出ないな」
友人「カギもかかってるし、留守なんじゃないっすか?」
男「……」サッ
友人「本のしおり? そんなもんどうするつもり――」
男「……」カチャカチャ
ガチャッ
友人「しおりでピッキングしやがった!」
26: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/03/02(土) 18:46:10.738 ID:FZsGwVlR0.net
バァンッ!
男「!」
教師「!」
友人「!」
女「……」ブラーン…
友人「や、やべえ、首吊ってるぞ!」
男「床に下ろすんだ!」
男「!」
教師「!」
友人「!」
女「……」ブラーン…
友人「や、やべえ、首吊ってるぞ!」
男「床に下ろすんだ!」
27: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/03/02(土) 18:49:28.773 ID:FZsGwVlR0.net
女「う、うう……」
友人「よかった、首を吊って間もなかったのか、まだ生きてる!」
教師「だが、あと数分遅ければおそらく……よく作者の気持ちに気づいたな、偉いぞ! 100点だ!」
男「えへへ……」
女「わ、私は……ゲホッ、ゲホッ!」
男「無理にしゃべらないで」
友人「まったく人騒がせな作家様だぜ……」
友人「よかった、首を吊って間もなかったのか、まだ生きてる!」
教師「だが、あと数分遅ければおそらく……よく作者の気持ちに気づいたな、偉いぞ! 100点だ!」
男「えへへ……」
女「わ、私は……ゲホッ、ゲホッ!」
男「無理にしゃべらないで」
友人「まったく人騒がせな作家様だぜ……」
29: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/03/02(土) 18:53:14.139 ID:FZsGwVlR0.net
女「……」
男「なぜ、こんなことを?」
女「私は若くして作家になれたのだけど、すぐにスランプに陥ってしまって……」
女「自分が納得できるような作品を書けなくなってしまったの」
女「才能が枯れてしまったことに気づいた私は、絶望して……」
男「才能が枯れた? そんなことはありませんよ」
女「えっ?」
男「なぜ、こんなことを?」
女「私は若くして作家になれたのだけど、すぐにスランプに陥ってしまって……」
女「自分が納得できるような作品を書けなくなってしまったの」
女「才能が枯れてしまったことに気づいた私は、絶望して……」
男「才能が枯れた? そんなことはありませんよ」
女「えっ?」
30: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/03/02(土) 18:56:49.933 ID:FZsGwVlR0.net
男「テスト問題に使われてたあなたの小説――とても素晴らしかった」
男「あの作品は、すぐ才能が枯れてしまうような作家が書ける代物ではない」
男「納得できる作品を書けなかったとのことですが、きっとすぐ書けるようになりますよ」
男「なんだったら、いっそ本を書き下ろしてみませんか」
女「なんなの? あなた何者なの?」
友人「実はこいつの親父、大手出版社で社長をしてるんです」
女「ええっ!?」
教師(そうか、さっき住所を教えてもらえたのも社長の御曹司パワーだったのか! おのれ御曹司!)
男「あの作品は、すぐ才能が枯れてしまうような作家が書ける代物ではない」
男「納得できる作品を書けなかったとのことですが、きっとすぐ書けるようになりますよ」
男「なんだったら、いっそ本を書き下ろしてみませんか」
女「なんなの? あなた何者なの?」
友人「実はこいつの親父、大手出版社で社長をしてるんです」
女「ええっ!?」
教師(そうか、さっき住所を教えてもらえたのも社長の御曹司パワーだったのか! おのれ御曹司!)
31: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/03/02(土) 19:00:08.507 ID:FZsGwVlR0.net
男「いかがでしょう? 死ぬのは一度やめて、もう一度ゆっくりやり直してみませんか?」
女「はい……」
女「それに私、あなたと話してたらどんどん執筆意欲が湧いてきちゃった!」
女「これならきっと、いい小説を書けそう!」
男「それはよかった!」
女「ようし、さっそく執筆を始めよっと!」カタカタ
女「はい……」
女「それに私、あなたと話してたらどんどん執筆意欲が湧いてきちゃった!」
女「これならきっと、いい小説を書けそう!」
男「それはよかった!」
女「ようし、さっそく執筆を始めよっと!」カタカタ
33: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/03/02(土) 19:03:00.917 ID:FZsGwVlR0.net
友人「いやー間一髪でしたね、先生」
教師「ああ、若い命が失われてしまうところだった」
友人「しかし、分からないなぁ。スランプだったのにどうして急に意欲が……?」
教師「分からないのかね?」
友人「ええ、なんでだろ……?」
教師「だとしたら、君はまだまだ人生経験が不足しているということさ」
男「タイピング速いですね!」
女「私、調子がいい時は指が速く動くの!」カタカタ
アハハハ… ウフフフ…
教師「ああ、若い命が失われてしまうところだった」
友人「しかし、分からないなぁ。スランプだったのにどうして急に意欲が……?」
教師「分からないのかね?」
友人「ええ、なんでだろ……?」
教師「だとしたら、君はまだまだ人生経験が不足しているということさ」
男「タイピング速いですね!」
女「私、調子がいい時は指が速く動くの!」カタカタ
アハハハ… ウフフフ…
34: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/03/02(土) 19:06:17.299 ID:FZsGwVlR0.net
やがて――
プルルルル…
男「もしもし」
女『新作、出来たわよ!』
男「え、ホント? 編集部に話は通してあるからすぐにでも出版できるよ!」
女『ありがとう!』
女『でも、もし売れなかったら……』
男「大丈夫、自分の力を信じて! 絶対に売れるよ!」
こうして女の新作書き下ろし小説は発売の時を迎えた。
プルルルル…
男「もしもし」
女『新作、出来たわよ!』
男「え、ホント? 編集部に話は通してあるからすぐにでも出版できるよ!」
女『ありがとう!』
女『でも、もし売れなかったら……』
男「大丈夫、自分の力を信じて! 絶対に売れるよ!」
こうして女の新作書き下ろし小説は発売の時を迎えた。
36: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/03/02(土) 19:10:47.850 ID:FZsGwVlR0.net
友人「新作、メチャクチャ売れて、どんどん刷られてるらしいですね!」
女「ありがとう、嬉しいわ」
友人「これぞ重版デライ!」
教師「出来(しゅったい)な、0点」
女「あの……」
男「ん?」
女「よかったら、私の新作読んでみて」サッ
男「もちろん読ませてもらうよ。今までずっと読むのを我慢してたんだ」
女「ありがとう、嬉しいわ」
友人「これぞ重版デライ!」
教師「出来(しゅったい)な、0点」
女「あの……」
男「ん?」
女「よかったら、私の新作読んでみて」サッ
男「もちろん読ませてもらうよ。今までずっと読むのを我慢してたんだ」
37: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/03/02(土) 19:12:57.569 ID:FZsGwVlR0.net
女「読み終わったら……作者の気持ちを答えてみて」
男「!」
男「ああ……絶対正解してみせるよ」
女「……」ドキドキ
男「!」
男「ああ……絶対正解してみせるよ」
女「……」ドキドキ
38: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/03/02(土) 19:16:11.798 ID:FZsGwVlR0.net
男「タイトルは……『女と子という字を並べると』か」
好子(よしこ)は晩ご飯が大好物のハンバーグだったので、大いに喜んだ。
「わぁい、ハンバーグ大好き!」
好景気だった頃の日本経済を思わせる好子の大らかな笑顔は、
好色で知られる大次郎にとっても好感触であった。
男(やたら、“好”の文字が多いな……)
男(そうか、分かったぞ!)
好子(よしこ)は晩ご飯が大好物のハンバーグだったので、大いに喜んだ。
「わぁい、ハンバーグ大好き!」
好景気だった頃の日本経済を思わせる好子の大らかな笑顔は、
好色で知られる大次郎にとっても好感触であった。
男(やたら、“好”の文字が多いな……)
男(そうか、分かったぞ!)
40: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/03/02(土) 19:19:04.122 ID:FZsGwVlR0.net
男「ようやく君の気持ちが分かったよ」
女「えっ……」
男「答えてもいいかい?」
女「うん」
男「“あなたのことが好き”……かな?」
女「えっ……」
男「答えてもいいかい?」
女「うん」
男「“あなたのことが好き”……かな?」
42: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/03/02(土) 19:21:26.646 ID:FZsGwVlR0.net
女「ううん、違う」
男「えっ」
女「正解は――あなたのことが大好き!」
男「くっ……やられたよ」
教師「50点だな。今日は学校休んで、二人で愛の補習に行ってこい!」
~END~
男「えっ」
女「正解は――あなたのことが大好き!」
男「くっ……やられたよ」
教師「50点だな。今日は学校休んで、二人で愛の補習に行ってこい!」
~END~
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