1: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 18:16:04 ID:???00
ありあ、冬毬、マルガレーテ三人組の話です。
この三人をメインにしたSSはこれで3作目ですが、今回から3期の設定を元にして書いたので話の繋がりは完全にありません。
ありあ「本の虫、鮫と海月に絡まれる」
ありあ「本の虫、鮫と海月と梅雨事情」
この三人をメインにしたSSはこれで3作目ですが、今回から3期の設定を元にして書いたので話の繋がりは完全にありません。
ありあ「本の虫、鮫と海月に絡まれる」
ありあ「本の虫、鮫と海月と梅雨事情」
4: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 18:18:14 ID:???00
本の虫、鮫と海月と学園祭
ありあ「ライブ見てたよ! Liella!と一緒になれてよかったね、マルガレーテちゃん!」
マルガレーテ「ありがと。ま、私にとってはきっちり勝敗がつかなかったのがちょっと心残りだけど」
ありあ「…やっぱり勝ちたかった?」
マルガレーテ「当然よ。ただ…仮に負けていたとしても、勝ったときと同じくらいにはスッキリできてたかもね」
ありあ「なんで?」
ありあ「ライブ見てたよ! Liella!と一緒になれてよかったね、マルガレーテちゃん!」
マルガレーテ「ありがと。ま、私にとってはきっちり勝敗がつかなかったのがちょっと心残りだけど」
ありあ「…やっぱり勝ちたかった?」
マルガレーテ「当然よ。ただ…仮に負けていたとしても、勝ったときと同じくらいにはスッキリできてたかもね」
ありあ「なんで?」
5: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 18:19:26 ID:???00
マルガレーテ「勝てばようやくLiella!と対等になれる。負ければ…それで私の落とし前がつくでしょ」
ありあ「落とし前って…そういうのが嫌だからこそ結ヶ丘の生徒みんなであの結果を選んだんでしょ?」
マルガレーテ「そう、だからこれは私のただのエゴ。過程はどうあれ結果には満足しているし、そのエゴは他人を巻き込んでまで解消したいものでもないわ」
ありあ「ふーん…なんか大人だねぇ」
ありあ「落とし前って…そういうのが嫌だからこそ結ヶ丘の生徒みんなであの結果を選んだんでしょ?」
マルガレーテ「そう、だからこれは私のただのエゴ。過程はどうあれ結果には満足しているし、そのエゴは他人を巻き込んでまで解消したいものでもないわ」
ありあ「ふーん…なんか大人だねぇ」
6: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 18:21:12 ID:???00
マルガレーテ「そういえば、あなたの学校にも学園祭ってあるの?」
ありあ「あるよ~、来週の土日にやるんだ」
マルガレーテ「…は? 来週? なんでもっと早く教えてくれなかったの?」
ありあ「え? いやぁ…マルガレーテちゃんあんまり興味ないかなって…」
マルガレーテ「ないわけないでしょ!? 大体ホストファミリーの大事な用事に顔も出さないほど薄情じゃないわよ!」
ありあ「そ、そっか…ごめんね、来年はもっと早く言うから…」
マルガレーテ「来年の今頃はとっくにウィーンに帰ってるわよ!!」
ありあ「あるよ~、来週の土日にやるんだ」
マルガレーテ「…は? 来週? なんでもっと早く教えてくれなかったの?」
ありあ「え? いやぁ…マルガレーテちゃんあんまり興味ないかなって…」
マルガレーテ「ないわけないでしょ!? 大体ホストファミリーの大事な用事に顔も出さないほど薄情じゃないわよ!」
ありあ「そ、そっか…ごめんね、来年はもっと早く言うから…」
マルガレーテ「来年の今頃はとっくにウィーンに帰ってるわよ!!」
7: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 18:23:08 ID:???00
~休み明け、結ヶ丘~
マルガレーテ「…ねぇ冬毬、私ってそんなにイベント事に興味なさそうに見える?」
冬毬「唐突ですね…代々木フェスや上海フェスでもそうでしたが、楽しみにしていることを他人に悟らせない態度は誤解の原因となりますよ」
マルガレーテ「ぐっ…なによ、まだなにも言ってないじゃない…」
冬毬「わざわざそのように聞いてくるということは、なにかあったのでしょう?」
マルガレーテ「う…」
マルガレーテ「…ねぇ冬毬、私ってそんなにイベント事に興味なさそうに見える?」
冬毬「唐突ですね…代々木フェスや上海フェスでもそうでしたが、楽しみにしていることを他人に悟らせない態度は誤解の原因となりますよ」
マルガレーテ「ぐっ…なによ、まだなにも言ってないじゃない…」
冬毬「わざわざそのように聞いてくるということは、なにかあったのでしょう?」
マルガレーテ「う…」
8: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 18:24:19 ID:???00
冬毬「まぁ、わざわざなにかを聞くようなこともしませんが…ところでマルガレーテ、今週の土曜日は自主練の予定となっていますが、よければ一緒にやりませんか?」
マルガレーテ「今週の土曜…いえ、申し訳ないけどその日は用事が──」
冬毬「…マルガレーテ?」
マルガレーテ「…冬毬、あなた他の学校の学園祭に興味ある?」
マルガレーテ「今週の土曜…いえ、申し訳ないけどその日は用事が──」
冬毬「…マルガレーテ?」
マルガレーテ「…冬毬、あなた他の学校の学園祭に興味ある?」
9: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 18:26:08 ID:???00
~土曜日、原宿~
冬毬(…かのん先輩の妹、ありあさんと言いましたか。あまり面識はありませんが…マルガレーテからの誘いですしね)
千砂都「──あれ、冬毬ちゃん? 珍しいね、こんな朝から」
冬毬「千砂都先輩。マルガレーテからかのん先輩の妹さんの学園祭に行かないか、と誘われたもので」
千砂都「お、冬毬ちゃんもありあちゃんとこ行くんだ! 私もかのんちゃんに誘われたから、今からあっちの家で集合するんだ。一緒にいこ?」
冬毬「アグリーです」
冬毬(…かのん先輩の妹、ありあさんと言いましたか。あまり面識はありませんが…マルガレーテからの誘いですしね)
千砂都「──あれ、冬毬ちゃん? 珍しいね、こんな朝から」
冬毬「千砂都先輩。マルガレーテからかのん先輩の妹さんの学園祭に行かないか、と誘われたもので」
千砂都「お、冬毬ちゃんもありあちゃんとこ行くんだ! 私もかのんちゃんに誘われたから、今からあっちの家で集合するんだ。一緒にいこ?」
冬毬「アグリーです」
10: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 18:28:09 ID:???00
カランコロン
千砂都「うぃっすー!」
冬毬「お邪魔します」
かのん「ちぃちゃん、冬毬ちゃんも! うぃっすー!」
マルガレーテ「早かったわね、もう少しゆっくりでもよかったのに」
冬毬「家にいても特にやることはありませんので。姉者も動画の編集で忙しそうでしたし」
マルガレーテ「それが一番の理由ってことね…」
千砂都「うぃっすー!」
冬毬「お邪魔します」
かのん「ちぃちゃん、冬毬ちゃんも! うぃっすー!」
マルガレーテ「早かったわね、もう少しゆっくりでもよかったのに」
冬毬「家にいても特にやることはありませんので。姉者も動画の編集で忙しそうでしたし」
マルガレーテ「それが一番の理由ってことね…」
11: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 18:29:36 ID:???00
かのん「今お母さんが準備してるから、待ってる間の飲み物用意するよ。なにがいい?」
千砂都「じゃあマンマルラテアートカフェラテ!」
冬毬「む…では私はクラゲのラテアートを…」
マルガレーテ「遠慮しないわね…」
かのん「マルガレーテちゃんは?」
マルガレーテ「…じゃあ、サメのラテアートにするわ」
千砂都「じゃあマンマルラテアートカフェラテ!」
冬毬「む…では私はクラゲのラテアートを…」
マルガレーテ「遠慮しないわね…」
かのん「マルガレーテちゃんは?」
マルガレーテ「…じゃあ、サメのラテアートにするわ」
12: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 18:31:41 ID:???00
~ありあの高校、正門~
かのん「ここだよ、ここがありあの通ってる学校」
冬毬「綺麗な校舎ですね、流石都内の学校です」
マルガレーテ「っ…たこ焼き、焼きそば、フランクフルト…お好み焼きまで…!?」
かのん母「お母さんたちはお店もあるから早めにありあのところに行くだけど、マルガレーテちゃんたちはどうする?」
冬毬「…答える前に行ってしまいましたね。私はマルガレーテと行動します、なにかあったら連絡いたしますので」
マルガレーテ「冬毬! イカ焼き!!」
千砂都「…マルガレーテちゃんって、もしかして意外と食いしん坊?」
かのん「あ、あはは…」
かのん「ここだよ、ここがありあの通ってる学校」
冬毬「綺麗な校舎ですね、流石都内の学校です」
マルガレーテ「っ…たこ焼き、焼きそば、フランクフルト…お好み焼きまで…!?」
かのん母「お母さんたちはお店もあるから早めにありあのところに行くだけど、マルガレーテちゃんたちはどうする?」
冬毬「…答える前に行ってしまいましたね。私はマルガレーテと行動します、なにかあったら連絡いたしますので」
マルガレーテ「冬毬! イカ焼き!!」
千砂都「…マルガレーテちゃんって、もしかして意外と食いしん坊?」
かのん「あ、あはは…」
13: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 18:33:26 ID:???00
マルガレーテ「はっ、いつの間にか両手が…どうして人間の腕は二本しかないのよ…!」
冬毬「仮に四本あったとしても埋まっています…一度に買うのは自分で持ちきれるだけにしてください…」
マルガレーテ「仕方ないわね…冬毬、一旦あそこのベンチで食べるわよ」
冬毬「ありあさんのクラスの出し物も飲食店なのでしょう? 今これだけ食べてしまって大丈夫なのですか?」
マルガレーテ「平気よ、カフェだって言ってたしご飯物だけじゃないでしょ…あむっ、冬毬も好きに食べていいわよ」
冬毬「…いただきます、が…この調子で付き合っていたら私が先に満腹となってしまいそうです。マルガレーテ、これを食べ終わったらありあさんのクラスに行きますよ」
冬毬「仮に四本あったとしても埋まっています…一度に買うのは自分で持ちきれるだけにしてください…」
マルガレーテ「仕方ないわね…冬毬、一旦あそこのベンチで食べるわよ」
冬毬「ありあさんのクラスの出し物も飲食店なのでしょう? 今これだけ食べてしまって大丈夫なのですか?」
マルガレーテ「平気よ、カフェだって言ってたしご飯物だけじゃないでしょ…あむっ、冬毬も好きに食べていいわよ」
冬毬「…いただきます、が…この調子で付き合っていたら私が先に満腹となってしまいそうです。マルガレーテ、これを食べ終わったらありあさんのクラスに行きますよ」
14: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 18:35:14 ID:???00
~校舎内、廊下~
冬毬「パンフレットによればこの辺りのはず…」
マルガレーテ「ん、向こうから来てるのかのんたちじゃない? …いやに満足そうな顔してるわね」
かのん「あっ、二人とも! 今からありあのところ行くの?」
冬毬「はい、そのつもりですが…なぜお三方揃ってニコニコと…」
かのん母「そりゃあだって、娘のあんな貴重な姿が見られたら!」
千砂都「いやぁ、本当に最高だったよ…普段のお店にも取り入れてほしいくらい…!」
かのん母「そうね、ちょっと相談してみようかしら…」
マルガレーテ「なんなの一体…」
かのん「とにかく行ってみて! 絶対後悔しないから!」
冬毬「パンフレットによればこの辺りのはず…」
マルガレーテ「ん、向こうから来てるのかのんたちじゃない? …いやに満足そうな顔してるわね」
かのん「あっ、二人とも! 今からありあのところ行くの?」
冬毬「はい、そのつもりですが…なぜお三方揃ってニコニコと…」
かのん母「そりゃあだって、娘のあんな貴重な姿が見られたら!」
千砂都「いやぁ、本当に最高だったよ…普段のお店にも取り入れてほしいくらい…!」
かのん母「そうね、ちょっと相談してみようかしら…」
マルガレーテ「なんなの一体…」
かのん「とにかく行ってみて! 絶対後悔しないから!」
15: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 18:36:58 ID:???00
冬毬「ここですね、『大正浪漫喫茶』」
マルガレーテ「…なんか読めた気がするわ」
店員「お客様、今なら待ち時間なしでご案内できますが──って嘘、またLiella!!?」
マルガレーテ「あー…えっと、澁谷ありあって子がいるのはこのクラスで合ってるかしら?」
店員「あ、はい…でもありあちゃん、さっき『心に傷を負った』とか言いながら裏に行っちゃって…」
冬毬「先輩方のせいでしょうね…」
マルガレーテ「いいわ、とりあえず中に入って待ってましょ」
マルガレーテ「…なんか読めた気がするわ」
店員「お客様、今なら待ち時間なしでご案内できますが──って嘘、またLiella!!?」
マルガレーテ「あー…えっと、澁谷ありあって子がいるのはこのクラスで合ってるかしら?」
店員「あ、はい…でもありあちゃん、さっき『心に傷を負った』とか言いながら裏に行っちゃって…」
冬毬「先輩方のせいでしょうね…」
マルガレーテ「いいわ、とりあえず中に入って待ってましょ」
16: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 18:38:47 ID:???00
『いらっしゃいませ!』
店員「こちらの席へどうぞ! ちょっと待っててください、ありあちゃん呼んできます!」
マルガレーテ「着物風の服に白いエプロンドレス…昔の日本のカフェってホントにこんな制服だったの?」
冬毬「私もカフェの歴史に明るいわけではありませんが、当時の写真でああいった服装をしているのはいくつか見たことがあります」
マルガレーテ「ふーん、あながちイメージだけのコスプレってわけでもないのね」
店員「ふふっ、意外に時代考証はちゃんとしてるんですよ? それより、ありあちゃん連れてきましたよ!」
店員「こちらの席へどうぞ! ちょっと待っててください、ありあちゃん呼んできます!」
マルガレーテ「着物風の服に白いエプロンドレス…昔の日本のカフェってホントにこんな制服だったの?」
冬毬「私もカフェの歴史に明るいわけではありませんが、当時の写真でああいった服装をしているのはいくつか見たことがあります」
マルガレーテ「ふーん、あながちイメージだけのコスプレってわけでもないのね」
店員「ふふっ、意外に時代考証はちゃんとしてるんですよ? それより、ありあちゃん連れてきましたよ!」
17: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 18:41:04 ID:???00
ありあ「ど、どもども~…」
冬毬 「…ほう」
マルガレーテ「…へぇ」
ありあ「……な、なに? 二人してその反応…」
マルガレーテ「いえ、なんというか…結構似合ってるわね」
ありあ「うぇえっ!? ま、マルガレーテちゃんに褒められた…!?」
店員「ですよね!? ありあちゃん可愛いですよね!?」
冬毬「ありあさん自身の雰囲気と和装が重なって強力なシナジーを生んでいます…SNSに投稿すればかなりのインプレッションを見込めそうですが」
ありあ「冬毬ちゃんまで!? わ、私はそういうのいいんだよー!」
冬毬 「…ほう」
マルガレーテ「…へぇ」
ありあ「……な、なに? 二人してその反応…」
マルガレーテ「いえ、なんというか…結構似合ってるわね」
ありあ「うぇえっ!? ま、マルガレーテちゃんに褒められた…!?」
店員「ですよね!? ありあちゃん可愛いですよね!?」
冬毬「ありあさん自身の雰囲気と和装が重なって強力なシナジーを生んでいます…SNSに投稿すればかなりのインプレッションを見込めそうですが」
ありあ「冬毬ちゃんまで!? わ、私はそういうのいいんだよー!」
18: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 18:44:31 ID:???00
ありあ「──オムライスとカレーライス、コーヒー二杯ね! では少々お待ちくださ~い」
冬毬「流石、接客は手慣れていますね」
マルガレーテ「そりゃあ、かのんやあの子は生まれてからずっとカフェの店員やっているようなものだし」
冬毬「確かに…ところでマルガレーテ、追加注文は頼んだものを食べてからにしてください」
マルガレーテ「別にそういう目的でメニュー表見てたわけじゃないわよ! このサービスにある"愛込め"ってのが気になっただけ!」
冬毬「…愛込め? 確かそれはいわゆる…なるほど、かのん先輩たちが笑顔だった真の理由はこれですか…」
マルガレーテ「?」
冬毬「流石、接客は手慣れていますね」
マルガレーテ「そりゃあ、かのんやあの子は生まれてからずっとカフェの店員やっているようなものだし」
冬毬「確かに…ところでマルガレーテ、追加注文は頼んだものを食べてからにしてください」
マルガレーテ「別にそういう目的でメニュー表見てたわけじゃないわよ! このサービスにある"愛込め"ってのが気になっただけ!」
冬毬「…愛込め? 確かそれはいわゆる…なるほど、かのん先輩たちが笑顔だった真の理由はこれですか…」
マルガレーテ「?」
19: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 18:47:30 ID:???00
ありあ「お待たせしました、オムライスとカレーライスです! さっきのコーヒーと合わせて全部かな?」
マルガレーテ「ねえ、この“愛込め”ってなんなの?」
ありあ「ッ……あー……んーっ…と、ね……」
冬毬「苦悶の表情をしている…」
店員「愛込めというのはですね~、お客様のお料理をより美味しくする魔法なんです!」
マルガレーテ「魔法って…ここ大正浪漫がコンセプトなんじゃないの?」
ありあ「そ、そう! 世界観にもあってないしさ、そんなに楽しいもんでも──」
冬毬「…どうせ無料なのです、気になるのなら頼んでみてもいいのでは?」
ありあ「冬毬ちゃんッ…!」
マルガレーテ「ねえ、この“愛込め”ってなんなの?」
ありあ「ッ……あー……んーっ…と、ね……」
冬毬「苦悶の表情をしている…」
店員「愛込めというのはですね~、お客様のお料理をより美味しくする魔法なんです!」
マルガレーテ「魔法って…ここ大正浪漫がコンセプトなんじゃないの?」
ありあ「そ、そう! 世界観にもあってないしさ、そんなに楽しいもんでも──」
冬毬「…どうせ無料なのです、気になるのなら頼んでみてもいいのでは?」
ありあ「冬毬ちゃんッ…!」
20: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 18:49:33 ID:???00
マルガレーテ「それもそうね。じゃあ一つお願いするわ」
ありあ「スーッ……では…お客様のお料理に魔法をかけさせていただきますね……」
マルガレーテ「声低っ」
冬毬「魔法というより呪術の類いかもしれません」
ありあ「お、美味しな~れ! 美味しくな~れ! 萌え、もえ……キュン………」
店員「キャ~っ!♡」
マルガレーテ「ああ…愛込めってそれのこと言うのね…初めて名前知ったわ…」
ありあ「くッ…殺して…誰か私を殺してッ…!」
冬毬「先輩たちのあの顔も頷けます。非常に満足度の高いサービスでした」
ありあ「冬毬ちゃんやっぱなんか面白がってるよね!?」
ありあ「スーッ……では…お客様のお料理に魔法をかけさせていただきますね……」
マルガレーテ「声低っ」
冬毬「魔法というより呪術の類いかもしれません」
ありあ「お、美味しな~れ! 美味しくな~れ! 萌え、もえ……キュン………」
店員「キャ~っ!♡」
マルガレーテ「ああ…愛込めってそれのこと言うのね…初めて名前知ったわ…」
ありあ「くッ…殺して…誰か私を殺してッ…!」
冬毬「先輩たちのあの顔も頷けます。非常に満足度の高いサービスでした」
ありあ「冬毬ちゃんやっぱなんか面白がってるよね!?」
21: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 18:51:33 ID:???00
マルガレーテ「ごちそうさま。美味しかったわ」
ありあ「あそうだ、二人ともこのあと予定ある?」
冬毬「特には…とりあえず一通りは見て回ろうと思っていますが」
ありあ「よかった! 実はあとちょっとでシフト交代の時間でさ、今日はもう出番ないから一緒に回りたいなと思ってたんだけど…」
マルガレーテ「私はいいわよ。冬毬は?」
冬毬「構いません。生徒であるありあさんがいた方が効率的に動けそうですから」
ありあ「ありがと! じゃあシフト終わったら連絡するからちょっと待ってて!」
ありあ「あそうだ、二人ともこのあと予定ある?」
冬毬「特には…とりあえず一通りは見て回ろうと思っていますが」
ありあ「よかった! 実はあとちょっとでシフト交代の時間でさ、今日はもう出番ないから一緒に回りたいなと思ってたんだけど…」
マルガレーテ「私はいいわよ。冬毬は?」
冬毬「構いません。生徒であるありあさんがいた方が効率的に動けそうですから」
ありあ「ありがと! じゃあシフト終わったら連絡するからちょっと待ってて!」
22: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 18:53:20 ID:???00
~数十分後~
ありあ「おまたせ! ごめんね遅くなっ──食べてる!」
マルガレーテ「遅いわよ」モグモグ
冬毬「ありあさん、すみませんがこちらの食べ物を持っていてくれませんか…」
ありあ「う、うん…大変だね冬毬ちゃん…」
冬毬「いえ…マルガレーテは家でもこの調子なのですか?」
ありあ「いやぁ、こんなには食い意地張ってないと思うけど…」
マルガレーテ「なによ、たまの息抜きくらいいいじゃない。それより早く食べて行きましょ、まだ見てないところたくさんあるんだから」
ありあ「おまたせ! ごめんね遅くなっ──食べてる!」
マルガレーテ「遅いわよ」モグモグ
冬毬「ありあさん、すみませんがこちらの食べ物を持っていてくれませんか…」
ありあ「う、うん…大変だね冬毬ちゃん…」
冬毬「いえ…マルガレーテは家でもこの調子なのですか?」
ありあ「いやぁ、こんなには食い意地張ってないと思うけど…」
マルガレーテ「なによ、たまの息抜きくらいいいじゃない。それより早く食べて行きましょ、まだ見てないところたくさんあるんだから」
23: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 18:55:15 ID:???00
マルガレーテ「そういえば、体育館のステージスケジュールを見て気になったんだけど…この学校にもスクールアイドルがいるのね」
ありあ「そうなんだよ! といっても、基本はコピーアイドルだけどね。『ラブライブ!』にも出ないみたいだし」
冬毬「Liella!とは大きく異なりますね。しかし…少し興味があります」
ありあ「ホント!?」
マルガレーテ「珍しいわね、こういうので冬毬が乗り気なんて」
冬毬「元より情報収集に手を抜いたことはありません。それに…せっかく姉者たちと一つになれたのです、向上の手がかりがあるのなら掴まなければ」
ありあ「そうなんだよ! といっても、基本はコピーアイドルだけどね。『ラブライブ!』にも出ないみたいだし」
冬毬「Liella!とは大きく異なりますね。しかし…少し興味があります」
ありあ「ホント!?」
マルガレーテ「珍しいわね、こういうので冬毬が乗り気なんて」
冬毬「元より情報収集に手を抜いたことはありません。それに…せっかく姉者たちと一つになれたのです、向上の手がかりがあるのなら掴まなければ」
24: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 18:57:11 ID:???00
~体育館、開演前~
マルガレーテ「すごい人の数ね…」
冬毬「最前とは言わずとも中腹くらいには、と思っていましたが…そう甘くはありませんか」
ありあ「少なくともウチの学校じゃ結構人気だからね、ライブやるときはいつもこんな感じだよ」
冬毬「…ところで、二人はいつの間にブレードを…」
マルガレーテ「なによ、もしかしたらと思ったら持ってくるのは当たり前でしょ?」
ありあ「私はマルガレーテちゃんが言わなくても二人を誘って見に来るつもりだったから…」
マルガレーテ「ほら、一本貸してあげるから。もうすぐ始まるわよ!」
冬毬「あ、ありがとうございます…」
ありあ「二人とも、くるよっ!」
マルガレーテ「すごい人の数ね…」
冬毬「最前とは言わずとも中腹くらいには、と思っていましたが…そう甘くはありませんか」
ありあ「少なくともウチの学校じゃ結構人気だからね、ライブやるときはいつもこんな感じだよ」
冬毬「…ところで、二人はいつの間にブレードを…」
マルガレーテ「なによ、もしかしたらと思ったら持ってくるのは当たり前でしょ?」
ありあ「私はマルガレーテちゃんが言わなくても二人を誘って見に来るつもりだったから…」
マルガレーテ「ほら、一本貸してあげるから。もうすぐ始まるわよ!」
冬毬「あ、ありがとうございます…」
ありあ「二人とも、くるよっ!」
25: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 18:59:00 ID:???00
~~~
ありあ「ね、どうだった?」
マルガレーテ「…楽しかったわ、すごく」
冬毬「私にとっては…衝撃的でした。勝つことが目標のスクールアイドルたちとは違う、ただ楽しむことを至上とするグループ…」
ありあ「…私ね、このグループ結構好きなんだ。もちろん歌や踊りはLiella!の方がすごいと思うけど…あの人たちのすごさって、それとは全然違う場所にある気がするの」
冬毬「“やりたい”、“楽しみたい”というただ一心で観客たちの心をも震わせる…ある種のスペシャリティすら感じました」
マルガレーテ「でも…スクールアイドルって、きっとそういうものなんでしょうね。ただパフォーマンスが上手いだけじゃあの熱気は生み出せない。大切なのは…想い」
ありあ(…二人とも、なにか掴めたかな。この感じなら新生Liella!のステージも安心だね)
ありあ「ね、どうだった?」
マルガレーテ「…楽しかったわ、すごく」
冬毬「私にとっては…衝撃的でした。勝つことが目標のスクールアイドルたちとは違う、ただ楽しむことを至上とするグループ…」
ありあ「…私ね、このグループ結構好きなんだ。もちろん歌や踊りはLiella!の方がすごいと思うけど…あの人たちのすごさって、それとは全然違う場所にある気がするの」
冬毬「“やりたい”、“楽しみたい”というただ一心で観客たちの心をも震わせる…ある種のスペシャリティすら感じました」
マルガレーテ「でも…スクールアイドルって、きっとそういうものなんでしょうね。ただパフォーマンスが上手いだけじゃあの熱気は生み出せない。大切なのは…想い」
ありあ(…二人とも、なにか掴めたかな。この感じなら新生Liella!のステージも安心だね)
26: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 19:00:48 ID:???00
~しばらくして…~
キーンコーンカーンコーン
ありあ「ん~っ、一日目終了~!」
マルガレーテ「結局最後までいちゃったわね」
冬毬「ですが…有意義な時間でした。ありあさん、案内していただきありがとうございました」
ありあ「全然いいの! 今日は誰とも時間合わなくて暇だったから、むしろ二人が来てくれてよかった!」
マルガレーテ「ま、ご飯も美味しかったし、ありあの珍しい格好も見れたし。今日は満足だわ」
ありあ「それはできれば忘れてほしいけど…! じゃあ私、明日の準備とかもあるからここで! じゃあねー!」タッタッ
キーンコーンカーンコーン
ありあ「ん~っ、一日目終了~!」
マルガレーテ「結局最後までいちゃったわね」
冬毬「ですが…有意義な時間でした。ありあさん、案内していただきありがとうございました」
ありあ「全然いいの! 今日は誰とも時間合わなくて暇だったから、むしろ二人が来てくれてよかった!」
マルガレーテ「ま、ご飯も美味しかったし、ありあの珍しい格好も見れたし。今日は満足だわ」
ありあ「それはできれば忘れてほしいけど…! じゃあ私、明日の準備とかもあるからここで! じゃあねー!」タッタッ
27: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 19:02:34 ID:???00
マルガレーテ「…冬毬、今日荷物持ってきてたわよね」
冬毬「はい、練習着も入っています」
マルガレーテ「話がわかるじゃない、なら早く帰って練習しましょ。私たちの想いも本物なんだって、証明しなくちゃいけないんだから」
冬毬「アグリーです。私とあなたがいてこそのLiella!、そうでなければ…一つになった意味がありません」
つづく。
冬毬「はい、練習着も入っています」
マルガレーテ「話がわかるじゃない、なら早く帰って練習しましょ。私たちの想いも本物なんだって、証明しなくちゃいけないんだから」
冬毬「アグリーです。私とあなたがいてこそのLiella!、そうでなければ…一つになった意味がありません」
つづく。
28: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 19:05:06 ID:???00
本の虫、鮫と海月とノッケルン
~澁谷家、カフェ~
カランコロン
ありあ「あ、すみません! ちょうど今お昼の営業終わっちゃって──って、あれ?」
冬毬「む…申し訳ありません、マルガレーテに呼ばれて来たのですが…」
ありあ「冬毬ちゃん! いいよいいよ、そういうことなら全然入って!」
~澁谷家、カフェ~
カランコロン
ありあ「あ、すみません! ちょうど今お昼の営業終わっちゃって──って、あれ?」
冬毬「む…申し訳ありません、マルガレーテに呼ばれて来たのですが…」
ありあ「冬毬ちゃん! いいよいいよ、そういうことなら全然入って!」
29: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 19:07:53 ID:???00
ありあ「さっきマルガレーテちゃん準備してたみたいだから、もうちょっとかかるかも。その間コーヒーでも飲む?」
冬毬「いいのですか? では…いただきます」
ありあ「はーい…冬毬ちゃん、この前はウチの学園祭来てくれてありがとね」
冬毬「いえ、感謝はマルガレーテに述べてください。誘ってくれたのは彼女ですから」
ありあ「だとしてもだよ。冬毬ちゃんが来てくれたの、結構嬉しかったんだ。今まであんまり話す機会もなかったしさ」
冬毬「…そうですね。正直ありあさんとあまり親しくない私が行ってもいいのか、と思う部分はありました」
ありあ「だよね。はい、コーヒーおまちどおさま」
冬毬「いいのですか? では…いただきます」
ありあ「はーい…冬毬ちゃん、この前はウチの学園祭来てくれてありがとね」
冬毬「いえ、感謝はマルガレーテに述べてください。誘ってくれたのは彼女ですから」
ありあ「だとしてもだよ。冬毬ちゃんが来てくれたの、結構嬉しかったんだ。今まであんまり話す機会もなかったしさ」
冬毬「…そうですね。正直ありあさんとあまり親しくない私が行ってもいいのか、と思う部分はありました」
ありあ「だよね。はい、コーヒーおまちどおさま」
30: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 19:09:52 ID:???00
冬毬「美味しい…」
ありあ「ふふっ、ありがと。そうだ、実は今お菓子焼いててさ、ぜひ冬毬ちゃんにも試食してもらいたいの!」
冬毬「お菓子…もしや今後この店の新メニューになるものですか?」
ありあ「うん、そのつもりだよ。ハロウィンくらいの時期をめどに出そうかなーって」
冬毬「なるほど、では私はアーリーアダプターというわけですね。有意義なフィードバックを出せるよう努めます」
ありあ「アーリーアダプターってこういう文脈でも使うのかな…? あとそんなに気張らなくて大丈夫だから…」
ありあ「ふふっ、ありがと。そうだ、実は今お菓子焼いててさ、ぜひ冬毬ちゃんにも試食してもらいたいの!」
冬毬「お菓子…もしや今後この店の新メニューになるものですか?」
ありあ「うん、そのつもりだよ。ハロウィンくらいの時期をめどに出そうかなーって」
冬毬「なるほど、では私はアーリーアダプターというわけですね。有意義なフィードバックを出せるよう努めます」
ありあ「アーリーアダプターってこういう文脈でも使うのかな…? あとそんなに気張らなくて大丈夫だから…」
31: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 19:12:09 ID:???00
ありあ「できた! はい、これがオーストリアの伝統お菓子、ザルツブルガーノッケルンだよ!」
冬毬「思っていたよりずっと知らないものが出てきましたね…いただきます」
ありあ「私も食べよっと。あむ……ん!」
冬毬「これは…美味しいです! 甘くて、口に入れると溶けるように軽い…スフレに近いものでしょうか?」
ありあ「そう! この食感を出すのが難しくてさ、最初はマルガレーテちゃんに絞られたよ…」
冬毬「ふふっ、想像に難くありませんね」
冬毬「思っていたよりずっと知らないものが出てきましたね…いただきます」
ありあ「私も食べよっと。あむ……ん!」
冬毬「これは…美味しいです! 甘くて、口に入れると溶けるように軽い…スフレに近いものでしょうか?」
ありあ「そう! この食感を出すのが難しくてさ、最初はマルガレーテちゃんに絞られたよ…」
冬毬「ふふっ、想像に難くありませんね」
32: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 19:14:05 ID:???00
冬毬「ところで…ザルツブルガーノッケルン、といいましたか。なにか意味のある名前なのでしょうか?」
ありあ「えっ、あー…なんか、ザルツブルクがどうたらって感じだったと思うんだけど…」
冬毬「そこは流石にわかります…ノッケルンの方を知りたいのですが…」
ありあ「…ザルツブルクに、乗っけるん!」
冬毬「なにをですか…?」
マルガレーテ「──Salzburgerは“ザルツブルクの”、Nockerlnは“山々”とかそんな意味よ。というかありあには教えたじゃない」
冬毬「マルガレーテ」
ありあ「あ、あはは…すっかり忘れちゃってた…」
ありあ「えっ、あー…なんか、ザルツブルクがどうたらって感じだったと思うんだけど…」
冬毬「そこは流石にわかります…ノッケルンの方を知りたいのですが…」
ありあ「…ザルツブルクに、乗っけるん!」
冬毬「なにをですか…?」
マルガレーテ「──Salzburgerは“ザルツブルクの”、Nockerlnは“山々”とかそんな意味よ。というかありあには教えたじゃない」
冬毬「マルガレーテ」
ありあ「あ、あはは…すっかり忘れちゃってた…」
33: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 19:16:08 ID:???00
マルガレーテ「まぁいいわ。ありあ、私にも一つちょうだい」
ありあ「はいはい。できたてだよ!」
マルガレーテ「ありがと。はむっ……美味しいけどまぁまぁね、もう少しってところかしら」
冬毬「そうですか? 今の時点でも十分なほど美味しいと思いますが」
マルガレーテ「私ならもっと美味しく作れるもの」
冬毬「それはそうでしょうが…」
ありあ「まぁハッキリ言ってくれるのはありがたいけどね。実際にお店で出すんだもん」
ありあ「はいはい。できたてだよ!」
マルガレーテ「ありがと。はむっ……美味しいけどまぁまぁね、もう少しってところかしら」
冬毬「そうですか? 今の時点でも十分なほど美味しいと思いますが」
マルガレーテ「私ならもっと美味しく作れるもの」
冬毬「それはそうでしょうが…」
ありあ「まぁハッキリ言ってくれるのはありがたいけどね。実際にお店で出すんだもん」
34: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 19:17:58 ID:???00
マルガレーテ「でももったいないわね、せっかく作れるようになったのに限定メニューだなんて」
冬毬「そうなのですか?」
ありあ「仕方ないよ。作り置きできるお菓子じゃないし、私以外は作れないし…常設にするにはちょっと課題があるかなぁ」
冬毬「なるほど…メニューの開発も難しいのですね」
ありあ「まぁでも、そうだなぁ…マルガレーテちゃんが来年もこの家にいてくれるなら常設にしてもいいかな!」
マルガレーテ「はぁ? なによそれ、私のいるいないは関係ないでしょ?」
ありあ「大アリだよ! だってこのメニューの名前は──」
冬毬「そうなのですか?」
ありあ「仕方ないよ。作り置きできるお菓子じゃないし、私以外は作れないし…常設にするにはちょっと課題があるかなぁ」
冬毬「なるほど…メニューの開発も難しいのですね」
ありあ「まぁでも、そうだなぁ…マルガレーテちゃんが来年もこの家にいてくれるなら常設にしてもいいかな!」
マルガレーテ「はぁ? なによそれ、私のいるいないは関係ないでしょ?」
ありあ「大アリだよ! だってこのメニューの名前は──」
35: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 19:19:56 ID:???00
ありあ「ズバリ、『ありあとマルガレーテの仲良しザルツブルガーノッケルン』なんだから!」
マルガレーテ「はあっ!?!?」ガタッ
冬毬「ぷっ…とても、素敵な名前だと思います…っ」
ありあ「でしょ~?」
マルガレーテ「私の名前勝手にっ…なに笑ってるのよ冬毬!」
冬毬「笑ってなど…ふふっ」
マルガレーテ「笑ってるじゃない!!」
マルガレーテ「はあっ!?!?」ガタッ
冬毬「ぷっ…とても、素敵な名前だと思います…っ」
ありあ「でしょ~?」
マルガレーテ「私の名前勝手にっ…なに笑ってるのよ冬毬!」
冬毬「笑ってなど…ふふっ」
マルガレーテ「笑ってるじゃない!!」
36: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 19:21:52 ID:???00
マルガレーテ「はぁ…もういいわ。ごちそうさま、もうちょっと生地をゆるくしてもいいかもね」
ありあ「了解!」
冬毬「ではそろそろ行きましょうか。私たちも練習の時間です」
ありあ「『ラブライブ!』の予選楽しみにしてるよ、二人とも!」
マルガレーテ「ええ、期待は裏切らないわ」
冬毬「前年度大会を制したLiella!の名に恥じないパフォーマンスをお見せしましょう」
ありあ「かっこいいね~!」
ありあ「了解!」
冬毬「ではそろそろ行きましょうか。私たちも練習の時間です」
ありあ「『ラブライブ!』の予選楽しみにしてるよ、二人とも!」
マルガレーテ「ええ、期待は裏切らないわ」
冬毬「前年度大会を制したLiella!の名に恥じないパフォーマンスをお見せしましょう」
ありあ「かっこいいね~!」
37: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 19:23:55 ID:???00
カランコロン
ありあ「冬毬ちゃん!」
冬毬「?」
ありあ「また食べに来てよ! そのときまでには絶対今日より美味しく作れるようになるからさ!」
冬毬「…わかりました、では予選が終わったあとにいただきましょう。楽しみにしていますよ、“ありあ”」
ありあ「…! うんっ!」
つづく。
ありあ「冬毬ちゃん!」
冬毬「?」
ありあ「また食べに来てよ! そのときまでには絶対今日より美味しく作れるようになるからさ!」
冬毬「…わかりました、では予選が終わったあとにいただきましょう。楽しみにしていますよ、“ありあ”」
ありあ「…! うんっ!」
つづく。
38: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 19:27:04 ID:???00
幕間・おすすめの本
ありあ「えへへ、冬毬ちゃんと連絡先交換しちゃった~♪」
マルガレーテ「そんなに嬉しいの?」
ありあ「そりゃそうだよ、綺麗だし大人っぽいし、ステージではかっこいいし! 憧れ~って感じ!」
マルガレーテ「…ふーん」
ありあ「…あっ、いや確かにマルガレーテちゃんもすごいよ? でもマルガレーテちゃんは憧れっていうよりもう家族みたいな感じだし…」
マルガレーテ「べ、別に拗ねたわけじゃないわよ!」
ありあ「えへへ、冬毬ちゃんと連絡先交換しちゃった~♪」
マルガレーテ「そんなに嬉しいの?」
ありあ「そりゃそうだよ、綺麗だし大人っぽいし、ステージではかっこいいし! 憧れ~って感じ!」
マルガレーテ「…ふーん」
ありあ「…あっ、いや確かにマルガレーテちゃんもすごいよ? でもマルガレーテちゃんは憧れっていうよりもう家族みたいな感じだし…」
マルガレーテ「べ、別に拗ねたわけじゃないわよ!」
39: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 19:28:55 ID:???00
ありあ「でも困ってるんだよね、冬毬ちゃんとなに話そうかな~って」
マルガレーテ「知らないわよ…好きなものの話でもすれば?」
ありあ「好きなものかぁ…冬毬ちゃんは本とか好きかなぁ?」
マルガレーテ「さぁね。嫌いではないんじゃない?」
ありあ「そっか…よし! 冬毬ちゃんにバッチリの本教えてあげよ!」
マルガレーテ「一冊目は気をつけた方がいいわよ、そこでつまんない本でも勧めたら『ありあの勧めてくる本はすべて無駄だと判断しました』とか言って読んでくれなくなるかも…」
ありあ「こ、怖いこと言わないでよ!」
マルガレーテ「知らないわよ…好きなものの話でもすれば?」
ありあ「好きなものかぁ…冬毬ちゃんは本とか好きかなぁ?」
マルガレーテ「さぁね。嫌いではないんじゃない?」
ありあ「そっか…よし! 冬毬ちゃんにバッチリの本教えてあげよ!」
マルガレーテ「一冊目は気をつけた方がいいわよ、そこでつまんない本でも勧めたら『ありあの勧めてくる本はすべて無駄だと判断しました』とか言って読んでくれなくなるかも…」
ありあ「こ、怖いこと言わないでよ!」
40: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 19:31:59 ID:???00
~後日、結ヶ丘~
冬毬「……」ペラリ
マルガレーテ「珍しいわね、読書?」
冬毬「珍しいこともありませんが…先日ありあから小説をレコメンドされたので、読んでみようかと」
マルガレーテ「小説ってのがまた珍しいわね、いったいどんな勧め方をされたの?」
冬毬「私だって小説くらい読みますよ…とはいえ、不思議な推薦文だったのは否定しません」
マルガレーテ「どういうこと?」
冬毬「……」ペラリ
マルガレーテ「珍しいわね、読書?」
冬毬「珍しいこともありませんが…先日ありあから小説をレコメンドされたので、読んでみようかと」
マルガレーテ「小説ってのがまた珍しいわね、いったいどんな勧め方をされたの?」
冬毬「私だって小説くらい読みますよ…とはいえ、不思議な推薦文だったのは否定しません」
マルガレーテ「どういうこと?」
41: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 19:33:45 ID:???00
冬毬「曰く『途中の焼き芋を食べるシーンが非常に食欲をそそる』と」
マルガレーテ「…グルメ小説なの?」
冬毬「いえ、安楽椅子探偵系の短編ミステリー集なのですが…なぜか毎話挟まる食事シーンのクオリティが異様に高いのです」
マルガレーテ「ミステリーでなんで食事が毎回出てくるのよ…で、本筋は面白いの?」
冬毬「正直、ミステリーとしての面白さはそこそこといったところですね」
マルガレーテ「小手先だけ上手くてどうするのよ!?」
冬毬「私に言われましても…」
マルガレーテ「…グルメ小説なの?」
冬毬「いえ、安楽椅子探偵系の短編ミステリー集なのですが…なぜか毎話挟まる食事シーンのクオリティが異様に高いのです」
マルガレーテ「ミステリーでなんで食事が毎回出てくるのよ…で、本筋は面白いの?」
冬毬「正直、ミステリーとしての面白さはそこそこといったところですね」
マルガレーテ「小手先だけ上手くてどうするのよ!?」
冬毬「私に言われましても…」
42: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 19:36:14 ID:???00
~後日、澁谷家~
ありあ「この前冬毬ちゃんに勧めた本、気に入ってもらえたみたい! またおすすめのあったら教えてって言われちゃった~♪」
マルガレーテ「私もちょっと読ませてもらったけど、よくアレを勧めたわね…確かにご飯のシーンは美味しそうだったけど…」
ありあ「え~、話によってはちゃんとミステリー部分も面白いんだよ? まぁそれも一巻に一つくらいだけど…」
マルガレーテ「それもうミステリー作家じゃなくてグルメ作家に転向した方がいいんじゃないの…?」
ありあ「この前冬毬ちゃんに勧めた本、気に入ってもらえたみたい! またおすすめのあったら教えてって言われちゃった~♪」
マルガレーテ「私もちょっと読ませてもらったけど、よくアレを勧めたわね…確かにご飯のシーンは美味しそうだったけど…」
ありあ「え~、話によってはちゃんとミステリー部分も面白いんだよ? まぁそれも一巻に一つくらいだけど…」
マルガレーテ「それもうミステリー作家じゃなくてグルメ作家に転向した方がいいんじゃないの…?」
43: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 19:38:15 ID:???00
幕間・ランダムグッズ
ありあ「ただいま~」
マルガレーテ「おかえり、遅かったわね。どこまで行ってたの?」
ありあ「ふふーん、ちょっと寄り道してたんだよね~…ほら、これ見て!」
マルガレーテ「なにこれ、銀色の袋…?」
ありあ「Liella!が『ラブライブ!』の東京大会を突破したときに雑誌から取材受けてたでしょ? そのときの写真がグッズになってたの!」
マルガレーテ「ふーん。私たちはそんな連絡一切受けてないけど」
ありあ「…うーん。とりあえずさ、ブラインドのグッズ二個だけ買ったから一緒に見よ!」
ありあ「ただいま~」
マルガレーテ「おかえり、遅かったわね。どこまで行ってたの?」
ありあ「ふふーん、ちょっと寄り道してたんだよね~…ほら、これ見て!」
マルガレーテ「なにこれ、銀色の袋…?」
ありあ「Liella!が『ラブライブ!』の東京大会を突破したときに雑誌から取材受けてたでしょ? そのときの写真がグッズになってたの!」
マルガレーテ「ふーん。私たちはそんな連絡一切受けてないけど」
ありあ「…うーん。とりあえずさ、ブラインドのグッズ二個だけ買ったから一緒に見よ!」
44: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 19:40:11 ID:???00
マルガレーテ「これ、なにが入ってるの?」
ありあ「今回のは丸い缶バッジだよ。誰が出ても嬉しいけど~…お姉ちゃんかマルガレーテちゃん、冬毬ちゃんが出てくれたらもっと嬉しいなぁ」
マルガレーテ「…あなたLiella!がLiella!になる前からのファンなんでしょ? 三人とも今年の『ラブライブ!』直前までライバルだったんだけど…」
ありあ「それはそれ! そもそも友達とか家族のグッズが出たら嬉しいし、今は11人でLiella!だもん…さて、一つ目は~っと」
バッ
ありあ「おっ、冬毬ちゃんだ~!」
マルガレーテ「…いい写真ね」
ありあ「…いる?」
マルガレーテ「い、いらない!」
ありあ「今回のは丸い缶バッジだよ。誰が出ても嬉しいけど~…お姉ちゃんかマルガレーテちゃん、冬毬ちゃんが出てくれたらもっと嬉しいなぁ」
マルガレーテ「…あなたLiella!がLiella!になる前からのファンなんでしょ? 三人とも今年の『ラブライブ!』直前までライバルだったんだけど…」
ありあ「それはそれ! そもそも友達とか家族のグッズが出たら嬉しいし、今は11人でLiella!だもん…さて、一つ目は~っと」
バッ
ありあ「おっ、冬毬ちゃんだ~!」
マルガレーテ「…いい写真ね」
ありあ「…いる?」
マルガレーテ「い、いらない!」
45: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 19:42:32 ID:???00
ありあ「とにかくお目当ては一個出た! このまま二個目も…!」
バッ
ありあ「…えっ嘘、被った!? 同じ箱から二つ取ったのに!?」
マルガレーテ「11人もいるのに二つだけ買ってダブるって逆に運いいんじゃない…?」
ありあ「うーん…嬉しいようなちょっと悲しいような…」
マルガレーテ「でも、こういうのって被ったらどうするものなの?」
ありあ「基本は売ったり、他に冬毬ちゃんがほしい人と交換したりって感じだけど…今回はマルガレーテちゃんにあげる!」
マルガレーテ「いいの? …まぁ、いらないって言うなら貰ってあげるけど」
ありあ「ほしいなら素直にそう言えばいいのに~♪」
バッ
ありあ「…えっ嘘、被った!? 同じ箱から二つ取ったのに!?」
マルガレーテ「11人もいるのに二つだけ買ってダブるって逆に運いいんじゃない…?」
ありあ「うーん…嬉しいようなちょっと悲しいような…」
マルガレーテ「でも、こういうのって被ったらどうするものなの?」
ありあ「基本は売ったり、他に冬毬ちゃんがほしい人と交換したりって感じだけど…今回はマルガレーテちゃんにあげる!」
マルガレーテ「いいの? …まぁ、いらないって言うなら貰ってあげるけど」
ありあ「ほしいなら素直にそう言えばいいのに~♪」
46: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 19:46:29 ID:???00
~冬毬の部屋~
ありあ『冬毬ちゃん引いたよー!』ピコン
冬毬(おや、これは東京大会のときの…そういえば姉者もメイ先輩から余った分を譲ってもらえたと喜んでいましたね)
ピコン
冬毬(今度はマルガレーテ…?)
マルガレーテ『ありあが被ったからってくれたわ』
冬毬(…もしや私だけ供給過多になっているのでは…いえ均等なランダム封入のグッズであるということは理解していますが…むぅ…)モンモン
ありあ『冬毬ちゃん引いたよー!』ピコン
冬毬(おや、これは東京大会のときの…そういえば姉者もメイ先輩から余った分を譲ってもらえたと喜んでいましたね)
ピコン
冬毬(今度はマルガレーテ…?)
マルガレーテ『ありあが被ったからってくれたわ』
冬毬(…もしや私だけ供給過多になっているのでは…いえ均等なランダム封入のグッズであるということは理解していますが…むぅ…)モンモン
47: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 19:48:59 ID:???00
本の虫、鮫と海月と夜を更かす
~澁谷家~
テレビ『明日の天気です。明日は全国的に晴れ模様で、東京都心でも三月下旬らしい暖かな空気が──』
ありあ「お姉ちゃん、今頃ウィーンでなにしてるかなぁ?」
かのん母「そうねぇ、もう入学の手続きは終わってるとはいえ、まだまだ忙しくしてるんじゃないかしら?」
ありあ「だよね。進学って時点で大変なのに、遠い異国で新生活だもんねぇ…」
マルガレーテ「学校やお姉様からのサポートもあるんだし、そんなに心配しなくたっていいと思うけど」
ありあ「まぁ、あんまり心配はしてないんだけどさ…」
~澁谷家~
テレビ『明日の天気です。明日は全国的に晴れ模様で、東京都心でも三月下旬らしい暖かな空気が──』
ありあ「お姉ちゃん、今頃ウィーンでなにしてるかなぁ?」
かのん母「そうねぇ、もう入学の手続きは終わってるとはいえ、まだまだ忙しくしてるんじゃないかしら?」
ありあ「だよね。進学って時点で大変なのに、遠い異国で新生活だもんねぇ…」
マルガレーテ「学校やお姉様からのサポートもあるんだし、そんなに心配しなくたっていいと思うけど」
ありあ「まぁ、あんまり心配はしてないんだけどさ…」
48: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 19:52:08 ID:???00
マルガレーテ「っと、もうこんな時間…私はそろそろ寝ようかしら」
ありあ「相変わらず早いね、私も部屋で本読もっかな」
かのん母「わかったわ。じゃあ二人ともおやすみなさいね」
ありあ/マルガレーテ『おやすみなさい!』
トッ トッ トッ
ありあ「あれ、マルガレーテちゃん部屋…はそっか、お姉ちゃんの部屋に移ったんだもんね」
マルガレーテ「いい加減慣れてよ…もう一週間以上経ってるのよ?」
ありあ「ごめんごめん、私にとってはずっとお姉ちゃんの部屋だったから…」
ありあ「相変わらず早いね、私も部屋で本読もっかな」
かのん母「わかったわ。じゃあ二人ともおやすみなさいね」
ありあ/マルガレーテ『おやすみなさい!』
トッ トッ トッ
ありあ「あれ、マルガレーテちゃん部屋…はそっか、お姉ちゃんの部屋に移ったんだもんね」
マルガレーテ「いい加減慣れてよ…もう一週間以上経ってるのよ?」
ありあ「ごめんごめん、私にとってはずっとお姉ちゃんの部屋だったから…」
49: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 19:55:06 ID:???00
ありあ「じゃあマルガレーテちゃん、おやす──」
マルガレーテ「ねぇありあ」
ありあ「ん?」
マルガレーテ「…やっぱり少しだけ、話さない?」
マルガレーテ「ねぇありあ」
ありあ「ん?」
マルガレーテ「…やっぱり少しだけ、話さない?」
50: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 19:57:20 ID:???00
~かのんの部屋~
ありあ「珍しいね、マルガレーテちゃんから」
マルガレーテ「別に。ただ…静かすぎるのがちょっと慣れないだけよ」
ありあ「あははっ、私も!」
マルガレーテ「…日本に来てから一年間ひとり暮らししてたのに、それからたった一年でこうなるなんてね。この家にもずいぶん絆されたわ」
ありあ「結ヶ丘を卒業してここを出ていくときには帰りたくない~って言ってるかもよ?」
マルガレーテ「誰が…ま、あなたとの距離がもっと縮まればありえるかもね」
ありあ「へへ、頑張りまーす!」
ありあ「珍しいね、マルガレーテちゃんから」
マルガレーテ「別に。ただ…静かすぎるのがちょっと慣れないだけよ」
ありあ「あははっ、私も!」
マルガレーテ「…日本に来てから一年間ひとり暮らししてたのに、それからたった一年でこうなるなんてね。この家にもずいぶん絆されたわ」
ありあ「結ヶ丘を卒業してここを出ていくときには帰りたくない~って言ってるかもよ?」
マルガレーテ「誰が…ま、あなたとの距離がもっと縮まればありえるかもね」
ありあ「へへ、頑張りまーす!」
51: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 19:59:20 ID:???00
マルガレーテ「それでありあ、一つ聞きたいんだけど」
ありあ「どうしたの?」
マルガレーテ「…今度、春休みが終わる前に冬毬をここに呼んでもいいかしら?」
ありあ「冬毬ちゃん? 私はいいけど、どしたの急に」
マルガレーテ「…わからない。私もかのんの真似がしてみたくなったのかもしれないわね」
ありあ「…そっか。じゃあせっかくならとことん真似しようよ! お泊り会しよ!」
マルガレーテ「いいわね。といっても、このことはまだ冬毬にも話してないんだけど」
ありあ「マルガレーテちゃんが誘うなら来てくれるよ、きっとね!」
ありあ「どうしたの?」
マルガレーテ「…今度、春休みが終わる前に冬毬をここに呼んでもいいかしら?」
ありあ「冬毬ちゃん? 私はいいけど、どしたの急に」
マルガレーテ「…わからない。私もかのんの真似がしてみたくなったのかもしれないわね」
ありあ「…そっか。じゃあせっかくならとことん真似しようよ! お泊り会しよ!」
マルガレーテ「いいわね。といっても、このことはまだ冬毬にも話してないんだけど」
ありあ「マルガレーテちゃんが誘うなら来てくれるよ、きっとね!」
52: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 20:01:39 ID:???00
~数日後、表参道駅~
冬毬「ふぅ…」
ありあ「おーい、冬毬ちゃーん!」
マルガレーテ「来たわね」
冬毬「マルガレーテ、ありあ。わざわざ出迎えてくれなくとも…私が別の出口から出てきていたらどうするつもりだったのですか?」
マルガレーテ「冬毬がわざわざ遠い出口から出てくるなんて効率の悪いことするとは思えないわ」
冬毬「まぁ、否定はしませんが…」
冬毬「ふぅ…」
ありあ「おーい、冬毬ちゃーん!」
マルガレーテ「来たわね」
冬毬「マルガレーテ、ありあ。わざわざ出迎えてくれなくとも…私が別の出口から出てきていたらどうするつもりだったのですか?」
マルガレーテ「冬毬がわざわざ遠い出口から出てくるなんて効率の悪いことするとは思えないわ」
冬毬「まぁ、否定はしませんが…」
53: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 20:04:06 ID:???00
ありあ「今日は冬毬ちゃんが来てくれるっていうからパーティをするんだけど…実はまだ買い出しが終わってなくてさ。家に荷物置いたら冬毬ちゃんにも付き合ってほしくて」
マルガレーテ「悪いわね、ゲストなのにこき使っちゃって」
冬毬「構いません、なにもしないでいるよりは手伝っていた方が気が楽ですから」
ありあ「ありがと!」
マルガレーテ「…ところで、前にウチに泊まりに来てたときと比べて荷物が多すぎない? なに入ってるのよ…」
冬毬「…姉者からいろいろと持たされました。友達の家に行くのなら遊び道具はあればあるほどいいと」
マルガレーテ「夏美先輩らしいわね…」
マルガレーテ「悪いわね、ゲストなのにこき使っちゃって」
冬毬「構いません、なにもしないでいるよりは手伝っていた方が気が楽ですから」
ありあ「ありがと!」
マルガレーテ「…ところで、前にウチに泊まりに来てたときと比べて荷物が多すぎない? なに入ってるのよ…」
冬毬「…姉者からいろいろと持たされました。友達の家に行くのなら遊び道具はあればあるほどいいと」
マルガレーテ「夏美先輩らしいわね…」
54: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 20:06:39 ID:???00
~かのんの部屋~
ありあ「さて! 冬毬ちゃん、我が家へようこそー!」パーン!
冬毬「ひゃあっ!? と、突然クラッカーを鳴らさないでください!」
ありあ「えー? 突然鳴らさなきゃクラッカーの意味ないじゃん!」
マルガレーテ「ちょっと、私の部屋汚さないでくれる…?」
ありあ「だいじょぶだいじょぶ、ヒモ簡単に戻せるやつだから」
ありあ「さて! 冬毬ちゃん、我が家へようこそー!」パーン!
冬毬「ひゃあっ!? と、突然クラッカーを鳴らさないでください!」
ありあ「えー? 突然鳴らさなきゃクラッカーの意味ないじゃん!」
マルガレーテ「ちょっと、私の部屋汚さないでくれる…?」
ありあ「だいじょぶだいじょぶ、ヒモ簡単に戻せるやつだから」
55: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 20:08:15 ID:???00
冬毬「マルガレーテの…? ここはかのん先輩の部屋なのでは?」
ありあ「そうなんだけどね、お姉ちゃんも留学行くしお父さんもそろそろ帰ってくるかもしれないしで、こっちに移ってもらったんだよね」
マルガレーテ「どう、羨ましいでしょ? あなたの憧れのかのんの部屋を私が使ってるのよ?」
冬毬「くっ…う、羨ましくなど…」
ありあ「マウント取るのはそれくらいにして、早く行こ?」
ありあ「そうなんだけどね、お姉ちゃんも留学行くしお父さんもそろそろ帰ってくるかもしれないしで、こっちに移ってもらったんだよね」
マルガレーテ「どう、羨ましいでしょ? あなたの憧れのかのんの部屋を私が使ってるのよ?」
冬毬「くっ…う、羨ましくなど…」
ありあ「マウント取るのはそれくらいにして、早く行こ?」
56: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 20:11:29 ID:???00
~スーパー~
ありあ「うん、買い出しのリストはこれでオッケーかな。あとはお菓子とか飲み物とか買っていいって」
マルガレーテ「冬毬はなにかいる?」
冬毬「私は特に…」
ありあ「遠慮がちだなぁ、お泊りといえば大量のお菓子でしょ! というわけでまずはポテチを…」
マルガレーテ「深夜にスナック? 太りそうね…」
冬毬「マルガレーテが言うのですか…」
ありあ「え~? じゃあ…チョコがけポテチ!」
マルガレーテ「チョコ? いいじゃない」
冬毬「正気に戻ってくださいマルガレーテ、カロリーは順当に増えています…!」
ありあ「うん、買い出しのリストはこれでオッケーかな。あとはお菓子とか飲み物とか買っていいって」
マルガレーテ「冬毬はなにかいる?」
冬毬「私は特に…」
ありあ「遠慮がちだなぁ、お泊りといえば大量のお菓子でしょ! というわけでまずはポテチを…」
マルガレーテ「深夜にスナック? 太りそうね…」
冬毬「マルガレーテが言うのですか…」
ありあ「え~? じゃあ…チョコがけポテチ!」
マルガレーテ「チョコ? いいじゃない」
冬毬「正気に戻ってくださいマルガレーテ、カロリーは順当に増えています…!」
57: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 20:13:34 ID:???00
~かのんの部屋~
冬毬「……」
マルガレーテ「本棚なんか見てどうしたのよ? ちゃんと整理はしたわよ」
冬毬「いえ…『エスプレッソ侍』の巻数が増えているなと…」
マルガレーテ「そりゃそうでしょ、連載中の漫画なんだから」
冬毬「面白いのですか?」
マルガレーテ「まぁ…続きを新刊コーナーで見かけたら買うくらいには」
冬毬「それはつまり発売日を追うほどでもないということでは…?
冬毬「……」
マルガレーテ「本棚なんか見てどうしたのよ? ちゃんと整理はしたわよ」
冬毬「いえ…『エスプレッソ侍』の巻数が増えているなと…」
マルガレーテ「そりゃそうでしょ、連載中の漫画なんだから」
冬毬「面白いのですか?」
マルガレーテ「まぁ…続きを新刊コーナーで見かけたら買うくらいには」
冬毬「それはつまり発売日を追うほどでもないということでは…?
58: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 20:15:34 ID:???00
ありあ「おまたせ、飲み物持ってきたよ~…お、二人が『エスプレッソ侍』を読んでいる…」
冬毬「なんというか…不思議なテイストの作品ですね…」ペラリ
マルガレーテ「爆発的な面白さがあるわけではないけど、なんか読んじゃうのよね」ペラリ
ありあ「わかる~! くせになるというか…歯医者とかの待合室に置いてある漫画ってこんな感じじゃない?」スッ
マルガレーテ「ああ…自分で買うほどでもないけど行くたびに読んじゃう本…」ペラリ
冬毬「確かに、これを読んでいる最中に呼ばれると後ろ髪を引かれてしまうかもしれません…」ペラリ
ありあ「うーん…」ペラリ
冬毬「なんというか…不思議なテイストの作品ですね…」ペラリ
マルガレーテ「爆発的な面白さがあるわけではないけど、なんか読んじゃうのよね」ペラリ
ありあ「わかる~! くせになるというか…歯医者とかの待合室に置いてある漫画ってこんな感じじゃない?」スッ
マルガレーテ「ああ…自分で買うほどでもないけど行くたびに読んじゃう本…」ペラリ
冬毬「確かに、これを読んでいる最中に呼ばれると後ろ髪を引かれてしまうかもしれません…」ペラリ
ありあ「うーん…」ペラリ
59: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 20:17:58 ID:???00
ありあ「……」ペラリ
マルガレーテ「……」ペラリ
冬毬「……」ペラリ
かのん母「ご飯よーっ!」
ありあ/マルガレーテ/冬毬『はっ…!』
マルガレーテ「……」ペラリ
冬毬「……」ペラリ
かのん母「ご飯よーっ!」
ありあ/マルガレーテ/冬毬『はっ…!』
60: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 20:21:11 ID:???00
ありあ「は~、お腹いっぱい…」
冬毬「買ってきたお菓子、食べられそうにありませんね」
マルガレーテ「時間が経てば口寂しくもなるわよ。それより冬毬、ゲームするわよ!」
冬毬「ゲームですか?」
マルガレーテ「ええ、この日のために練習していた対戦パズルゲーム! コテンパンにしてあげる!」
ありあ「元々ゲーム上手いのにちゃんと練習してたからね、結構強いよ?」
冬毬「パズルゲームは好きですが、これは初見のゲームです…練習くらいはさせてください」
ありあ「じゃあマルガレーテちゃん先にお風呂入りなよ、その間に私とやろ!」
マルガレーテ「む…仕方ないわね、せいぜいあがきなさい!」
ありあ「悪役っぽいなぁ…」
冬毬「買ってきたお菓子、食べられそうにありませんね」
マルガレーテ「時間が経てば口寂しくもなるわよ。それより冬毬、ゲームするわよ!」
冬毬「ゲームですか?」
マルガレーテ「ええ、この日のために練習していた対戦パズルゲーム! コテンパンにしてあげる!」
ありあ「元々ゲーム上手いのにちゃんと練習してたからね、結構強いよ?」
冬毬「パズルゲームは好きですが、これは初見のゲームです…練習くらいはさせてください」
ありあ「じゃあマルガレーテちゃん先にお風呂入りなよ、その間に私とやろ!」
マルガレーテ「む…仕方ないわね、せいぜいあがきなさい!」
ありあ「悪役っぽいなぁ…」
61: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 20:23:45 ID:???00
~しばらくして~
冬毬「なるほど、おおよそ理解しました」
ありあ「す、すごい…まだ触り始めて一時間も経ってないのに…!」
マルガレーテ「ただいま…って、ずいぶんグロテスクな戦績ね…」
ありあ「マルガレーテちゃんっ…私たちは眠れる獅子を目覚めさせてしまったのかもしれない…!」
マルガレーテ「はぁ? いくら冬毬の適応が早いって言っても、ありあ相手の結果でしょ? 私だってありあには勝ち越せるわよ」
冬毬「ならば席についてくださいマルガレーテ。強さは言葉で語るものではなく実戦で見せるものです」
マルガレーテ「言うじゃない。ありあ、あなたがお風呂から出たときに見るのはこの子の泣き顔よ。楽しみにしてなさい!」
冬毬「なるほど、おおよそ理解しました」
ありあ「す、すごい…まだ触り始めて一時間も経ってないのに…!」
マルガレーテ「ただいま…って、ずいぶんグロテスクな戦績ね…」
ありあ「マルガレーテちゃんっ…私たちは眠れる獅子を目覚めさせてしまったのかもしれない…!」
マルガレーテ「はぁ? いくら冬毬の適応が早いって言っても、ありあ相手の結果でしょ? 私だってありあには勝ち越せるわよ」
冬毬「ならば席についてくださいマルガレーテ。強さは言葉で語るものではなく実戦で見せるものです」
マルガレーテ「言うじゃない。ありあ、あなたがお風呂から出たときに見るのはこの子の泣き顔よ。楽しみにしてなさい!」
62: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 20:26:26 ID:???00
~またしばらくして~
マルガレーテ「なっ、くぅっ……わあぁっ!!」
冬毬「ふぅ…これで7連勝ですか」
ありあ「ただいま~…ま、マルガレーテちゃんが格付けされてる…!」
マルガレーテ「ありえないっ! こんな初心者にこの私がっ!?」
冬毬「このゲーム自体は初見ですが、このタイプのパズルは以前にもプレイしたことがあります」
マルガレーテ「そんなの卑怯じゃない!」
ありあ「初心者狩りしようとしてたマルガレーテちゃんが言う…?」
冬毬「さて、私もお風呂をいただきます。連戦で指が痛くなってきました」
マルガレーテ「くっ…勝ち逃げするなんてぇ…!」
ありあ「お、落ち着いてマルガレーテちゃん…」
マルガレーテ「なっ、くぅっ……わあぁっ!!」
冬毬「ふぅ…これで7連勝ですか」
ありあ「ただいま~…ま、マルガレーテちゃんが格付けされてる…!」
マルガレーテ「ありえないっ! こんな初心者にこの私がっ!?」
冬毬「このゲーム自体は初見ですが、このタイプのパズルは以前にもプレイしたことがあります」
マルガレーテ「そんなの卑怯じゃない!」
ありあ「初心者狩りしようとしてたマルガレーテちゃんが言う…?」
冬毬「さて、私もお風呂をいただきます。連戦で指が痛くなってきました」
マルガレーテ「くっ…勝ち逃げするなんてぇ…!」
ありあ「お、落ち着いてマルガレーテちゃん…」
63: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 20:29:42 ID:???00
~またまたしばらくして~
冬毬「ただいま戻りました」
マルガレーテ「なんでありあまで上手くなってるのよ!」
ありあ「いや~、冬毬ちゃんにちょっと教えてもらったんだよね~!」
マルガレーテ「プライドってもんはないわけ!?」
冬毬「もうやめませんか…? 不毛すぎます…」
冬毬「ただいま戻りました」
マルガレーテ「なんでありあまで上手くなってるのよ!」
ありあ「いや~、冬毬ちゃんにちょっと教えてもらったんだよね~!」
マルガレーテ「プライドってもんはないわけ!?」
冬毬「もうやめませんか…? 不毛すぎます…」
64: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 20:32:38 ID:???00
マルガレーテ「──くっ、回復がもうない!」
冬毬「こちらもです…!」
ありあ「私まだ余裕あるからこっちに攻撃集中させる! 二人は隙を見て攻撃して!」
冬毬「アグリーです!」
マルガレーテ「敵のHPもあとちょっと…!」
ありあ「焦らないで、じっくりじっくり…!」
冬毬「…! 怯みました、今っ!」
ボス『──プニイィィィ……』ドスーン
ありあ/マルガレーテ/冬毬『っ…! やったぁーっ!』ダキッ
冬毬「こちらもです…!」
ありあ「私まだ余裕あるからこっちに攻撃集中させる! 二人は隙を見て攻撃して!」
冬毬「アグリーです!」
マルガレーテ「敵のHPもあとちょっと…!」
ありあ「焦らないで、じっくりじっくり…!」
冬毬「…! 怯みました、今っ!」
ボス『──プニイィィィ……』ドスーン
ありあ/マルガレーテ/冬毬『っ…! やったぁーっ!』ダキッ
65: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 20:35:22 ID:???00
ありあ「すごいよ二人とも! このボス相当強いのに!」
マルガレーテ「ありあが最後まで耐えてくれてたおかげよ」
冬毬「実際、ありあのコールがなければそのまま負けていたでしょうね」
ありあ「そうかなぁ? えへへ…」
マルガレーテ「…でもこれ難しすぎない? このデータって全部育てきったあとのなんでしょ?」
ありあ「そうだよ。このゲーム自体ソロプレイは苦行って言われてるくらい難易度高いから、三人でもかなりギリギリだったね」
冬毬「しかし、私たちにはちょうどいいやりごたえでした。難しいコンテンツを相談しながら攻略するのも面白いものですね」
マルガレーテ「ありあが最後まで耐えてくれてたおかげよ」
冬毬「実際、ありあのコールがなければそのまま負けていたでしょうね」
ありあ「そうかなぁ? えへへ…」
マルガレーテ「…でもこれ難しすぎない? このデータって全部育てきったあとのなんでしょ?」
ありあ「そうだよ。このゲーム自体ソロプレイは苦行って言われてるくらい難易度高いから、三人でもかなりギリギリだったね」
冬毬「しかし、私たちにはちょうどいいやりごたえでした。難しいコンテンツを相談しながら攻略するのも面白いものですね」
66: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 20:38:38 ID:???00
マルガレーテ「ふあぁ…もうこんな時間なのね」
ありあ「ありゃ、ホントだ…そろそろ寝よっか」
冬毬「そういえば、私はどこで寝ましょう」
ありあ「あー、ゲスト用の布団持ってこよっか」
マルガレーテ「いいえ、その必要はないわ」
ありあ「…なんで?」
冬毬「なにか策が?」
マルガレーテ「ふふん、とりあえずジャンケンよ!」
ありあ「ありゃ、ホントだ…そろそろ寝よっか」
冬毬「そういえば、私はどこで寝ましょう」
ありあ「あー、ゲスト用の布団持ってこよっか」
マルガレーテ「いいえ、その必要はないわ」
ありあ「…なんで?」
冬毬「なにか策が?」
マルガレーテ「ふふん、とりあえずジャンケンよ!」
67: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 20:40:40 ID:???00
~そして…~
ありあ「うーん…ソファー寝にくい…」
冬毬「シングルベッドに二人もなかなか…」
マルガレーテ「なによ、文句あるの?」
冬毬「ないとは言えませんね…」
ありあ「ねぇ、やっぱり私部屋戻ろうか? どっちかソファーの方がまだマシな気が…」
冬毬「まぁ、狭さ以外は気にならないので構いませんが…あとはマルガレーテが落ちないかどうか…」
マルガレーテ「落ちないわよ! まったく…もう寝るわよ?」
『おやすみなさい!』
ありあ「うーん…ソファー寝にくい…」
冬毬「シングルベッドに二人もなかなか…」
マルガレーテ「なによ、文句あるの?」
冬毬「ないとは言えませんね…」
ありあ「ねぇ、やっぱり私部屋戻ろうか? どっちかソファーの方がまだマシな気が…」
冬毬「まぁ、狭さ以外は気にならないので構いませんが…あとはマルガレーテが落ちないかどうか…」
マルガレーテ「落ちないわよ! まったく…もう寝るわよ?」
『おやすみなさい!』
68: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 20:43:05 ID:???00
マルガレーテ「すぅ…」
冬毬「……」
ありあ(マルガレーテちゃんは寝ちゃったみたいだね。冬毬ちゃんはわかんないけど…)
ありあ(…さっきまで遊んでたからかな、全然寝れないや)
ありあ(二人と遊ぶの、楽しかったなぁ。マルガレーテちゃんともこんなにしっかり遊ぶことなかったし、誘えば冬毬ちゃんもまた来てくれるかな?)
ありあ(なんだか寝ちゃうのが惜しい…っていうか寝れないんだけど。気分転換にトイレ行ってから水でも飲んでこようかな…)
冬毬「……」
ありあ(マルガレーテちゃんは寝ちゃったみたいだね。冬毬ちゃんはわかんないけど…)
ありあ(…さっきまで遊んでたからかな、全然寝れないや)
ありあ(二人と遊ぶの、楽しかったなぁ。マルガレーテちゃんともこんなにしっかり遊ぶことなかったし、誘えば冬毬ちゃんもまた来てくれるかな?)
ありあ(なんだか寝ちゃうのが惜しい…っていうか寝れないんだけど。気分転換にトイレ行ってから水でも飲んでこようかな…)
69: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 20:46:25 ID:???00
ジャーッ ガチャ
ありあ「ふぅ…」
冬毬「あ…」
ありあ「うわっ…!? びっくりした、冬毬ちゃんか…」
冬毬「すみません、驚かすつもりはなかったのですが…」
ありあ「ううん…やっぱり冬毬ちゃんも寝れない?」
冬毬「ええ、まぁ…少し」
ありあ「そっか…じゃあさ、トイレから出たら店の方に来てくれない?」
冬毬「…? わかりました」
ありあ「ふぅ…」
冬毬「あ…」
ありあ「うわっ…!? びっくりした、冬毬ちゃんか…」
冬毬「すみません、驚かすつもりはなかったのですが…」
ありあ「ううん…やっぱり冬毬ちゃんも寝れない?」
冬毬「ええ、まぁ…少し」
ありあ「そっか…じゃあさ、トイレから出たら店の方に来てくれない?」
冬毬「…? わかりました」
70: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 20:49:11 ID:???00
ポワ…
冬毬「わ…」
ありあ「いらっしゃい、誰もいない秘密の喫茶店へようこそ! まだ準備してるから、そっちのテーブル席で待ってて」
冬毬「はい…照明は点けないのですね」
ありあ「あんまり外に光漏らしたくないしね。それに、深夜の広い店内にランタンの光が一つっていうのもなんだかロマンがあると思わない?」
冬毬「…そうですね。色も暖かくて落ち着きます」
冬毬「わ…」
ありあ「いらっしゃい、誰もいない秘密の喫茶店へようこそ! まだ準備してるから、そっちのテーブル席で待ってて」
冬毬「はい…照明は点けないのですね」
ありあ「あんまり外に光漏らしたくないしね。それに、深夜の広い店内にランタンの光が一つっていうのもなんだかロマンがあると思わない?」
冬毬「…そうですね。色も暖かくて落ち着きます」
71: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 20:51:30 ID:???00
ありあ「おまたせしました、グリーンティーです。熱いのでお気をつけて~」カチャ
冬毬「ありがとうございます。お茶…ですか?」
ありあ「そう。コーヒーとかだともう一度歯磨きしなきゃいけないけど、お茶なら大丈夫な気がしない?」
冬毬「ふふっ、なんとなくわかります」
ありあ「…でも、冬毬ちゃんも眠れないみたいでちょっと安心したよ」
冬毬「ええ、マルガレーテが早々に寝入ってしまったときは私もなんだか焦ってしまいました」
ありあ「あははっ。私たちはまだ興奮冷めやらぬーって感じだもんね」
冬毬「ありがとうございます。お茶…ですか?」
ありあ「そう。コーヒーとかだともう一度歯磨きしなきゃいけないけど、お茶なら大丈夫な気がしない?」
冬毬「ふふっ、なんとなくわかります」
ありあ「…でも、冬毬ちゃんも眠れないみたいでちょっと安心したよ」
冬毬「ええ、マルガレーテが早々に寝入ってしまったときは私もなんだか焦ってしまいました」
ありあ「あははっ。私たちはまだ興奮冷めやらぬーって感じだもんね」
72: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 20:53:25 ID:???00
冬毬「…しかし、マルガレーテが最初に誘ってきてくれたときは少々驚きました」
ありあ「ね。お姉ちゃんがいなくなってマルガレーテちゃんも寂しかったんだろうなぁ」
冬毬「ということは…ありあも?」
ありあ「そりゃあずっと一緒にいた家族だもん、寂しくないわけないよ。お姉ちゃんくらい騒がしければ余計にね」
冬毬「なるほど…私は姉者と離れることなど想像もできません。もしそうなったら…今度は私からありあやマルガレーテの世話になるやも」
ありあ「私は別にいいよ? 冬毬ちゃんのためならいくらでも」
冬毬「ふふっ、では約束ですよ?」
ありあ「ね。お姉ちゃんがいなくなってマルガレーテちゃんも寂しかったんだろうなぁ」
冬毬「ということは…ありあも?」
ありあ「そりゃあずっと一緒にいた家族だもん、寂しくないわけないよ。お姉ちゃんくらい騒がしければ余計にね」
冬毬「なるほど…私は姉者と離れることなど想像もできません。もしそうなったら…今度は私からありあやマルガレーテの世話になるやも」
ありあ「私は別にいいよ? 冬毬ちゃんのためならいくらでも」
冬毬「ふふっ、では約束ですよ?」
73: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 20:55:16 ID:???00
ありあ「でも…冬毬ちゃんが弱ってる姿ってなんか想像できないなぁ」
冬毬「そうですか?」
ありあ「うん。変な意味じゃなくてね、私から見た冬毬ちゃんってすごく完璧でかっこよくて大人っぽいの。それこそマルガレーテちゃんよりも」
冬毬「それはありあがマルガレーテと同じ家に住んでいて、いろいろな姿を見ているからでは?」
ありあ「それもあると思うけどね。だから私は…そうだなぁ、冬毬ちゃんの苦手なものが知りたいかも」
冬毬「苦手なものを?」
冬毬「そうですか?」
ありあ「うん。変な意味じゃなくてね、私から見た冬毬ちゃんってすごく完璧でかっこよくて大人っぽいの。それこそマルガレーテちゃんよりも」
冬毬「それはありあがマルガレーテと同じ家に住んでいて、いろいろな姿を見ているからでは?」
ありあ「それもあると思うけどね。だから私は…そうだなぁ、冬毬ちゃんの苦手なものが知りたいかも」
冬毬「苦手なものを?」
74: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 20:57:24 ID:???00
ありあ「冬毬ちゃんの好きはちょっとだけでも知ってるけどさ、苦手って全然知らないんだ。それを知れたらもっと仲良くなれるかもって」
冬毬「苦手なもの……笑わないでくれますか?」
ありあ「もちろん!」
冬毬「…私は、苦いものが苦手です」
ありあ「苦いって、味の?」
冬毬「はい、だから甘いものが好きなのです」
ありあ「へぇ、なんか意外…でも知れて嬉しいな。今度冬毬ちゃんにコーヒー出すときは甘くしてあげる!」
冬毬「助かります」
冬毬「苦手なもの……笑わないでくれますか?」
ありあ「もちろん!」
冬毬「…私は、苦いものが苦手です」
ありあ「苦いって、味の?」
冬毬「はい、だから甘いものが好きなのです」
ありあ「へぇ、なんか意外…でも知れて嬉しいな。今度冬毬ちゃんにコーヒー出すときは甘くしてあげる!」
冬毬「助かります」
75: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 20:59:18 ID:???00
ありあ「──あははっ、それからそれから?」
冬毬「姉者の入れた液体は有名な科学実験で使われる組み合わせだったらしく、反応で科学室が泡まみれに…」
ギィッ…
ありあ/冬毬『っ…!?』
マルガレーテ「…なにしてるのよ、ふたりで」
冬毬「ま、マルガレーテ…」
マルガレーテ「おきたらどっちもへやにいないし…しんぱいしたんだから…」
ありあ「ごめんねマルガレーテちゃん…マルガレーテちゃんもお茶飲む? 多分お湯もちょうどぬるく…」
マルガレーテ「あっためてよ…」
冬毬「姉者の入れた液体は有名な科学実験で使われる組み合わせだったらしく、反応で科学室が泡まみれに…」
ギィッ…
ありあ/冬毬『っ…!?』
マルガレーテ「…なにしてるのよ、ふたりで」
冬毬「ま、マルガレーテ…」
マルガレーテ「おきたらどっちもへやにいないし…しんぱいしたんだから…」
ありあ「ごめんねマルガレーテちゃん…マルガレーテちゃんもお茶飲む? 多分お湯もちょうどぬるく…」
マルガレーテ「あっためてよ…」
76: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 21:01:20 ID:???00
ありあ「はい、おまちどおさま」カチャ
マルガレーテ「…いい雰囲気ね」
ありあ「でしょ? この夜更かし、最初はお父さんがやってたんだよね」
マルガレーテ「そうなの?」
ありあ「昔、私とお姉ちゃんが二人して眠れなかった日があってね。怖いから一緒にトイレ行こう、なんて言いながら店に降りてきたらさ、今みたいにランタン一つだけ点けて仕事してるお父さんがいたんだ」
ありあ「それをお姉ちゃんと隠れて覗いてたら見つかっちゃって。怒られるーって思ったんだけど…お父さんは『眠れないならこっちにおいで』ってホットミルク作ってくれたの。それ以来、二人で眠れないときはこんなふうにここで夜更かしするようになったんだ」
冬毬「なるほど…素敵な思い出ですね」
マルガレーテ「…いい雰囲気ね」
ありあ「でしょ? この夜更かし、最初はお父さんがやってたんだよね」
マルガレーテ「そうなの?」
ありあ「昔、私とお姉ちゃんが二人して眠れなかった日があってね。怖いから一緒にトイレ行こう、なんて言いながら店に降りてきたらさ、今みたいにランタン一つだけ点けて仕事してるお父さんがいたんだ」
ありあ「それをお姉ちゃんと隠れて覗いてたら見つかっちゃって。怒られるーって思ったんだけど…お父さんは『眠れないならこっちにおいで』ってホットミルク作ってくれたの。それ以来、二人で眠れないときはこんなふうにここで夜更かしするようになったんだ」
冬毬「なるほど…素敵な思い出ですね」
77: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 21:03:16 ID:???00
ありあ「回数自体はそんなに多いわけじゃないけど、そういうときにお姉ちゃんとした話って今でもなんとなく覚えてるんだよね」
冬毬「…ありあとかのん先輩の話を聞いていると、やはりお二人の関係は私たち姉妹の関係性とは大きく異なる気がします。私にとっては姉者が絶対ですから、そこまで対等に接することはできません」
マルガレーテ「私もどちらかといえば冬毬寄りね。お姉様は私よりもずっと才能と実績のある人だから…その差は姉妹ってだけじゃ埋められないわ」
ありあ「対等かぁ…確かに二人よりはお姉ちゃんとの距離は近いかもね。昔っから軽口叩きあったり、ちょくちょく喧嘩したり…」
冬毬「…ありあとかのん先輩の話を聞いていると、やはりお二人の関係は私たち姉妹の関係性とは大きく異なる気がします。私にとっては姉者が絶対ですから、そこまで対等に接することはできません」
マルガレーテ「私もどちらかといえば冬毬寄りね。お姉様は私よりもずっと才能と実績のある人だから…その差は姉妹ってだけじゃ埋められないわ」
ありあ「対等かぁ…確かに二人よりはお姉ちゃんとの距離は近いかもね。昔っから軽口叩きあったり、ちょくちょく喧嘩したり…」
78: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 21:05:25 ID:???00
ありあ「ただどんなに疎ましくてもウザくても、やっぱりお姉ちゃんはお姉ちゃんなんだよね。なんというか…一番身近な一番の憧れ、みたいな」
冬毬「ええ。私は憧れの姉者と共に同じ景色を見ることができて、とても幸せです」
マルガレーテ「でも姉と同じ夢を見るのも結構しんどいわよ? かのんとは違う道でやりたいことを見つけられたありあが少し羨ましいわ」
ありあ「そう? 私からしたら姉妹で同じ目標に向かって高め合えるっていうのも羨ましいけど」
冬毬「…思うに、マルガレーテは一度お姉さんと本気で喧嘩をしてみるべきなのかもしれません」
マルガレーテ「急になに? 物騒ね…」
冬毬「ええ。私は憧れの姉者と共に同じ景色を見ることができて、とても幸せです」
マルガレーテ「でも姉と同じ夢を見るのも結構しんどいわよ? かのんとは違う道でやりたいことを見つけられたありあが少し羨ましいわ」
ありあ「そう? 私からしたら姉妹で同じ目標に向かって高め合えるっていうのも羨ましいけど」
冬毬「…思うに、マルガレーテは一度お姉さんと本気で喧嘩をしてみるべきなのかもしれません」
マルガレーテ「急になに? 物騒ね…」
79: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 21:07:23 ID:???00
冬毬「なにも殴り合えというのではありません。私が姉者としたように、あるいはありあがかのん先輩としていたように、自分の想いを相手に伝えることはマルガレーテにとってよいエフェクトを与えるかもしれません」
マルガレーテ「…私の身勝手な劣等感にお姉様を巻き込めって言うの?」
ありあ「案外巻き込んでほしいって思ってるかもよ? 話を聞いてる限りだと二人の仲は悪くないんだろうし、可愛い妹のわがままに巻き込まれるのってお姉ちゃんとして嬉しいんじゃないかな」
冬毬「私たちは全員妹なので、本当に姉者たちがそう思っているかは知りようもありませんが」
ありあ「あはは、確かに!」
マルガレーテ「…そうかもね。一年前なら思いもしなかったけど…今ならお姉様ともそんな話ができる気がするわ」
マルガレーテ「…私の身勝手な劣等感にお姉様を巻き込めって言うの?」
ありあ「案外巻き込んでほしいって思ってるかもよ? 話を聞いてる限りだと二人の仲は悪くないんだろうし、可愛い妹のわがままに巻き込まれるのってお姉ちゃんとして嬉しいんじゃないかな」
冬毬「私たちは全員妹なので、本当に姉者たちがそう思っているかは知りようもありませんが」
ありあ「あはは、確かに!」
マルガレーテ「…そうかもね。一年前なら思いもしなかったけど…今ならお姉様ともそんな話ができる気がするわ」
80: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 21:09:36 ID:???00
ありあ「でも…そっかぁ。マルガレーテちゃんも高校卒業したら帰っちゃうんだもんね。お姉ちゃんもそこから一年以上帰ってこないだろうし…寂しいなぁ」
冬毬「そのときは私と共にもう一度引き止めましょう」
マルガレーテ「勘弁してよ、私だってちゃんと歌の勉強したいんだから…」
冬毬「…先ほどの話ではありませんが、ありあが寂しくなったら私もここへ来ます。ありあもいつでも牛久へ来てください」
ありあ「いいの? やったー!」
マルガレーテ「というか、二人ともウィーンに遊びに来なさいよ。宿泊場所くらいは用意してあげるから」
冬毬「そうですね、いつか…マルガレーテの故郷をこの目で見てみたいです」
冬毬「そのときは私と共にもう一度引き止めましょう」
マルガレーテ「勘弁してよ、私だってちゃんと歌の勉強したいんだから…」
冬毬「…先ほどの話ではありませんが、ありあが寂しくなったら私もここへ来ます。ありあもいつでも牛久へ来てください」
ありあ「いいの? やったー!」
マルガレーテ「というか、二人ともウィーンに遊びに来なさいよ。宿泊場所くらいは用意してあげるから」
冬毬「そうですね、いつか…マルガレーテの故郷をこの目で見てみたいです」
81: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 21:11:31 ID:???00
マルガレーテ「ふぁ…」
ありあ「わ、すごい時間…ごめんね二人とも、夜更かしに付き合わせちゃって」
冬毬「いえ、とても楽しい時間でした」
マルガレーテ「次にこういうことやるなら私のこと起こしてからやってよね」
ありあ「ごめんごめん。じゃあ私片付けしとくから、二人とも先戻ってて!」
冬毬「いいのですか?」
マルガレーテ「お言葉に甘えましょ、ふあぁ…」
ありあ「限界そうだね…じゃあ二人とも、おやすみ!」
マルガレーテ「おやすみ」
冬毬「おやすみなさい」
ありあ「わ、すごい時間…ごめんね二人とも、夜更かしに付き合わせちゃって」
冬毬「いえ、とても楽しい時間でした」
マルガレーテ「次にこういうことやるなら私のこと起こしてからやってよね」
ありあ「ごめんごめん。じゃあ私片付けしとくから、二人とも先戻ってて!」
冬毬「いいのですか?」
マルガレーテ「お言葉に甘えましょ、ふあぁ…」
ありあ「限界そうだね…じゃあ二人とも、おやすみ!」
マルガレーテ「おやすみ」
冬毬「おやすみなさい」
82: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 21:13:53 ID:???00
~朝~
マルガレーテ「──冬毬、そっちのバンド取ってくれる?」
冬毬「こちらですか?」
ありあ「ん…ん~…? ふたりとも…?」
冬毬「おや、起こしてしまいましたか」
マルガレーテ「おはよう、あなたはまだ寝ていてもいい時間よ」
ありあ「ふわぁ…二人はランニングか…やっぱり次の『ラブライブ!』も優勝を目指すの?」
マルガレーテ「当然でしょ。Liella!は連覇したっていっても、私たちはまだ一度しか勝っていないもの」
ありあ「そっか、そうだよね…」
マルガレーテ「──冬毬、そっちのバンド取ってくれる?」
冬毬「こちらですか?」
ありあ「ん…ん~…? ふたりとも…?」
冬毬「おや、起こしてしまいましたか」
マルガレーテ「おはよう、あなたはまだ寝ていてもいい時間よ」
ありあ「ふわぁ…二人はランニングか…やっぱり次の『ラブライブ!』も優勝を目指すの?」
マルガレーテ「当然でしょ。Liella!は連覇したっていっても、私たちはまだ一度しか勝っていないもの」
ありあ「そっか、そうだよね…」
83: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 21:16:03 ID:???00
冬毬「…ありあも来ますか?」
ありあ「え、私?」
マルガレーテ「そうね、たまには付き合わせてあげるわよ」
ありあ「私は……」
ありあ「…私はいいや。その代わり、二人が帰ってきたら最高に美味しいコーヒーを出してあげる!」
冬毬「…わかりました。では甘いカフェオレをお願いします」
マルガレーテ「私のは熱々にしといてよ、ちょっとでもぬるかったら許さないんだから!」
ありあ「うん、わかった!」
ありあ「え、私?」
マルガレーテ「そうね、たまには付き合わせてあげるわよ」
ありあ「私は……」
ありあ「…私はいいや。その代わり、二人が帰ってきたら最高に美味しいコーヒーを出してあげる!」
冬毬「…わかりました。では甘いカフェオレをお願いします」
マルガレーテ「私のは熱々にしといてよ、ちょっとでもぬるかったら許さないんだから!」
ありあ「うん、わかった!」
84: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 21:17:57 ID:???00
マルガレーテ/冬毬『いってきます!』
かのん母「いってらっしゃい! 若いっていいわねぇ」
ありあ「おはよ~お母さん…ふわぁ…」
かのん母「あらおはよう、ずいぶん早いのね」
ありあ「うん、たまにはね」
かのん母「…ありあは行かなくていいの?」
ありあ「お母さんまで…私はいいの、お父さんもお姉ちゃんも飛び出していっちゃうんだから、私くらい残ってなきゃお母さん寂しいでしょ?」
かのん母「あら嬉しい。でも…それで貴重な時間を無駄にしちゃダメよ?」
ありあ「大丈夫。私にはお姉ちゃんもいて、マルガレーテちゃんや冬毬ちゃんもいて、いろいろと貰ってるもん」
かのん母「いってらっしゃい! 若いっていいわねぇ」
ありあ「おはよ~お母さん…ふわぁ…」
かのん母「あらおはよう、ずいぶん早いのね」
ありあ「うん、たまにはね」
かのん母「…ありあは行かなくていいの?」
ありあ「お母さんまで…私はいいの、お父さんもお姉ちゃんも飛び出していっちゃうんだから、私くらい残ってなきゃお母さん寂しいでしょ?」
かのん母「あら嬉しい。でも…それで貴重な時間を無駄にしちゃダメよ?」
ありあ「大丈夫。私にはお姉ちゃんもいて、マルガレーテちゃんや冬毬ちゃんもいて、いろいろと貰ってるもん」
85: 名無しで叶える物語◆tv7vAhMu★ 2025/03/17(月) 21:20:08 ID:???00
ありあ「それにね、二人と約束したから。二人が帰ってきたときには、最高に美味しいコーヒーを出してあげるって!」
つづく。
つづく。
コメントする
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。