ヴィーネ（せっかくのエイプリルフールなのになあ……）

ガヴリール「げ、サターニャが下駄箱で仁王立ちしてる」

ヴィーネ「え？」

サターニャ「ガヴリール、大っ嫌い！」ﾄﾞｰﾝ

ガヴリール「……」

ヴィーネ（おおっ、さすが……！）

サターニャ「ふふん、今日はエイプリルフール……どんな嘘をついても許される日よ」

サターニャ「どうガヴリール傷ついたでしょう？ 天使を泣かせるなんてSS級悪魔的行為ね！ んなーっはっはっはぁ！！」

ラフィエル「大嫌いが嘘ということは、本当は大好きということなんでしょうか？」ﾋｮｺ

サターニャ「んなぁ！？」

ヴィーネ「あ、ラフィ」

ラフィエル「おはようございます。ガヴちゃん、ヴィーネさん」

サターニャ「いつからいたのよ！？」

ラフィエル「サターニャさんがガヴちゃんに嫌いという練習をし始めたところからです」

ラフィエル「具体的にいうと2時間前からですね」

ガヴリール（これだけのために2時間も練習してたのかよ）

ラフィエル「つい10分ほど前まで言えなかったですけど、本番は成功して良かったですね。サターニャさん」ﾆｺ

サターニャ「あんた片っ端からバラしていくのやめなさいよ！！」ｶｧｧ

ガヴリール「へぇ、今日ってエイプリルフールなんだ」

ガヴリール「サターニャ」

サターニャ「な、なによ」

ガヴリール「好き。大好き。ずっとそばにいて欲しい」

サターニャ「へぁぁっ……！？///」

ガヴリール「悪魔としていつも頑張ってるお前をほんと尊敬してるよ」

サターニャ「そ、そんな風に思ってたの？ あんたも可愛いとこあるじゃない///」

ガヴリール「サターニャは私のこと好き？」

サターニャ「うん……好き」

ラフィエル「…………エイプリルフールですよ？」

サターニャ「！！！」

サターニャ「もー！！ ガヴリールぅ！！！」 ｷｰ!!

サターニャ「やってくれたわね好き好き好き好き！ あんたの事なんてだいっ好きなんだからぁ！！」

ラフィエル「サターニャさん、情熱的な愛の叫びですねー」

ガヴリール「ヴィーネ、あいつはほっといて先行こうよ」

ヴィーネ「う、うん……」

ヴィーネ（……ガヴもサターニャもすごいなぁ）

ヴィーネ（私だって実は昨日の夜から練習してるんだけど……）ﾁﾗ

ガヴリール「ん、なに？」

ヴィーネ（じ、実物を前にすると言えない……！）

ヴィーネ「すーはー……」

ヴィーネ「ガヴ、いい？ よく聞いて」

ガヴリール「お、おう」

ヴィーネ「き、き……」

ガヴリール「き？」

ヴィーネ「きーーーーーーーーー……」

ヴィーネ「きぃぃぃぃ！」

ガヴリール「さっきから怖いんだよその奇声……」

ヴィーネ（結局言えなかった……）ｽﾞｰﾝ

ヴィーネ（授業始まっちゃったし）

ガヴリール「ふぁぁ……」

ガヴリール「ZZZ……」

ヴィーネ（あっ、こらノート取りなさいよガヴ！）

ヴィーネ（……ノートに書いて練習したら言えるようになるかしら）

ヴィーネ（ガヴ、嫌い）

ヴィーネ（うぅ……文字に起こすのもキツイ……！）

ヴィーネ（ガヴキライ、ガヴキライ、ガヴキライ）

グラサン「ここの問題は、月乃瀬答えなさい」

ヴィーネ「えっ、あぁ！？」

ヴィーネ「あっ、すみません聞いてませんでした！！」

グラサン「……授業はちゃんと聞くように」

ヴィーネ「は、はい。すみません……」

ガヴリール「……」

【放課後】


ヴィーネ（今度こそ、今度こそ……！）

ガヴリール「ヴィーネ？ 早く帰ろうよ」

ヴィーネ「ガヴ！ あのね、聞いて欲しいの」

ガヴリール「……」

ヴィーネ「き……」

ガヴリール「あのさ、別にいいんじゃないの？」

ヴィーネ「え？」

ガヴリール「別に無理して言わなくてもさ」

ガヴリール「エイプリルフールだからって、別にやらなきゃいけないことでもないし」

ガヴリール「ヴィーネのそれ、本当は言いたくないんでしょ？」

ヴィーネ「！！」

ヴィーネ（…………そうかも）

ヴィーネ（嘘だからって言っても平気なんだって思ってたけど、私本当は……）

ガヴリール「私は、なんでも素直に話すとこがヴィーネのいいところだと思うよ」

ヴィーネ「ガヴ……」

ガヴリール「言いたいことだけ言いなよ、ヴィーネ」

ヴィーネ「私、私ね……」

ガヴリール「うん」

ヴィーネ「ガヴリールが大好き！！」

ガヴリール「ぶっ！？」

ヴィーネ「だいだいだいだい好き！！！！」

ヴィーネ「好き好き好き好き好き好き好き！」

ガヴリール「ちょっとヴィーネ！！？」

ヴィーネ「がゔぅ～！！」 ｷﾞｭｰ

ガヴリール「やめろ恥ずかしいからっ」

ヴィーネ（結局嘘はつけなかったけど……）

ヴィーネ（好きって言った方が何倍も素敵な気持ちになれるわね）

ヴィーネ「ガヴ好き」

ガヴリール「も、もういいって」


完

【おまけ】


バサ

ガヴリール「ん。ヴィーネ、ノートが落ちた……」

『ガヴキライガヴキライガヴキライガヴキライガヴキライガヴキライガヴキライガヴキライガヴキライガヴキライガヴキライガヴキライガヴキライガヴキライガヴキライガヴキライガヴキライガヴキライ』


ガヴリール「」