1: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/09(火) 00:32:13.200 ID:9jKZBN+c0.net
男「……ん?」

ウド「……」シーン

男(あれって……もしかしてウド鈴木じゃないか?)

男「大丈夫ですか!?」

ウド「うーん……」

男「よかった! 目を覚ました!」

男(近くで番組の収録でもあったのかな?)

3: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/09(火) 00:35:14.382 ID:9jKZBN+c0.net
ウド「うう……あれ、ここは?」

ウド「俺は……なにしてたんだっけ?」

男「……?」

ウド「君が……助けてくれたのかい?」

男「ええ、まあ」

ウド「俺は何者なんだ……ううっ、思い出せない……」

男(もしかして……記憶を失ってる?)

4: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/09(火) 00:37:16.388 ID:9jKZBN+c0.net
男「実はな……俺はお前の主人なんだ」

ウド「えーっ、主人!?」

ウド「ってことは俺は、君、いやあなたの命令を聞かなきゃいけないってこと!?」

男「……そうなんだよ」

ウド「そうだったのかーっ! よーし頑張るぞーっ!」

男(おいおい、いってみるもんだな……疑うことを知らないのかこいつ)

6: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/09(火) 00:40:27.560 ID:9jKZBN+c0.net
男「あ、あれは……」

ウド「どうしました? ご主人」

男「金を貸してる奴がいてね……ちょっと催促してくる」

男「おい!」

知人「ん?」

男「こないだ貸した一万、返してくれよ!」

知人「今、持ち合わせなくてさー、もうちょっと待ってくれよ」

男「いつもそうじゃないか! そうやって踏み倒そうとする気だろ!」

知人「あ? なんだよ、言い草はよ……」ギロッ

男(返す気ゼロだな、こりゃ……こんな奴に貸すんじゃなかった)

7: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/09(火) 00:43:16.225 ID:9jKZBN+c0.net
ウド「おい、お前ーっ!」

知人「うわっ!?」

男「ウド……!」

ウド「借りたものはちゃんと返さなきゃダメなんだぞ! ちゃんと返せ! 返しなさーい!」

知人「ひっ!」

知人「わ、分かった! 返すよ! 一万だったよな? ――ほら!」

男「……」

ウド「いやー、よかったよかった!」

男(こいつ……使える!)

8: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/09(火) 00:45:12.241 ID:9jKZBN+c0.net
男「これ、もっと安くなんない?」

店員「いやー、これ以上はちょっと……大赤字になっちゃいますよ」

男「おい、ウド」

ウド「はいっ!」

店員「え、ウド鈴木……?」

9: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/09(火) 00:47:20.817 ID:9jKZBN+c0.net
男「あの棚を持ち上げろ」

ウド「分かりましたーっ!」

ウド「ふんっ!」グイッ

店員「ゲェッ!?」

男「どうする?」

店員「わ、わ、分かりました! もうちょっとお安くします!」

男「分かればいいんだ」

10: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/09(火) 00:50:19.095 ID:9jKZBN+c0.net
ガタンゴトン… ガタンゴトン…

男「……おい」

若者「へ?」

男「俺、座りたいんだけど。どいてくんない?」

若者「なんで俺が……」

男「ウド」

ウド「……はい!」ズイッ

若者「ひっ! ウド鈴木がなんでこんなとこに……!」

11: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/09(火) 00:52:33.271 ID:9jKZBN+c0.net
ウド「ご主人が座りたいっていってんだ! どかないかーっ!」

若者「わわっ! どきますどきます!」

バババババッ

男「他の座ってた奴も全員立ち上がった」

男「いやー、お前のおかげで窮屈せずに座れるよ」ドカッ

ウド「お、お役に立てて嬉しいですっ!」

13: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/09(火) 00:55:26.163 ID:9jKZBN+c0.net
男「三万ほど貸してくんない?」

青年「三万も……? さすがにそれは……」

男「ウド」

ウド「なんでしょう!」

男「こいつ、ちょっと痛めつけてやれ」

ウド「だ、だけど……」

男「俺は主人だぞ? 俺のいうことが聞けないのか?」

ウド「いや、聞きます! 聞きます!」

14: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/09(火) 00:57:27.431 ID:9jKZBN+c0.net
ウド「お金……出せぇ!」グググッ

青年「うげぇ……た、助けて……」

男「財布見せてみろ」

男「おーおー、五万も入ってやがる。それなのに貸し渋ったわけか。ムカつくぜ」

男「全部いただくぜ。じゃあな」パサッ

青年「ゲホッ、ゲホッ……ううっ……」

男「行くぞ、ウド!」

ウド「は、はい……」

15: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/09(火) 01:00:17.011 ID:9jKZBN+c0.net
ウド「あの……ご主人」

男「なんだよ」

ウド「さっきのは……ひどかったんじゃ」

ウド「俺、できればあんなひどいことしたくない……」

男「ウド!」

ウド「はいっ!」

男「俺はお前の主人だぞ? 主人のやることに“ひどい”なんていうのか?」

ウド「そんなつもりじゃ……」

男「お前はなにも考えるな! 黙って俺に従ってればいいんだ!」

ウド「す、すいません……」

16: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/09(火) 01:03:53.322 ID:9jKZBN+c0.net
男「一度でいいから、こうやってバイクを蹴り倒してみたかったんだ!」ガッシャーンッ

男「ハハハ、ドミノ倒しみたいになった!」

不良「あっ……!」

DQN「てめえ、なんてことしやがる!」

男「悪い悪い、ゴミが捨ててあったから蹴飛ばしちゃった」

不良「てめえ!」

DQN「ふざけんなよ!」

男「ウド」パチンッ

ウド「……」ヌゥッ

不良「ひいっ!」

17: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/09(火) 01:05:28.236 ID:9jKZBN+c0.net
不良「あ、が、が……」ピクピク…

DQN「強すぎ……」ピクピク…

男「いいか、二度と街でデカイ顔すんじゃねえぞ」

男「行くぞ、ウド!」

ウド「う、うん……」

18: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/09(火) 01:08:37.610 ID:9jKZBN+c0.net
男「ウド、あの行列に割り込め! 邪魔する奴は放り投げろ!」

ウド「分かりましたぁ!」





料理人「お客様、お金を!」

男「うるっせーな、ウド見て同じこといえんの?」

ウド「……」ジロッ

料理人「わわっ! 代金いりません!」





男「いいぞ、ウド! もっとボコボコにしてやれっ! 俺のズボンに泥をはねたバツだ!」

ウド「ごめんよ……」ドカッ バキッ

19: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/09(火) 01:11:20.038 ID:9jKZBN+c0.net
男「ウド、今日もよくやってくれた。おかげで快適に過ごせたよ」

ウド「うん……」

男(まさか、ウド鈴木がここまで使える奴だとはな……)

男(このままこいつを利用し続ければ、俺は薔薇色の人生を歩むことが――)


天野「ウドちゃん!」


ウド「……?」

男(ゲ、天野!?)

21: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/09(火) 01:14:16.701 ID:9jKZBN+c0.net
天野「心配してたよ! どこ行ってたの!?」

ウド「え、と……君は?」

天野「へ? なにいってんだよ。俺だよ、天野だよ! 相方の!」

ウド「あま……の……? あい、かた……?」

ウド「うっ……! あ、頭が……!」

天野「大丈夫か、ウドちゃん!」

男(まずい! 記憶が戻りかけてる! もし戻ったら……マズイ!)

24: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/09(火) 01:17:11.295 ID:9jKZBN+c0.net
男「ウド、殺せぇ!!!」

ウド「え……?」

男「そのメガネの男を殺せ! そいつは危険な男なんだ!」

ウド「で、でも……」

男「そいつはお前を惑わして、利用しようとしてる悪魔なんだ! 殺してかまわんっ!!!」

天野「お前……なんてことを……!」

ウド「わ、分かったよ!」

天野「ウドちゃん!」

25: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/09(火) 01:20:26.968 ID:9jKZBN+c0.net
天野「俺だ! 俺のことが分からないのか!」

ウド「うがあああああああああああああああっ!!!」

男「殺れーっ!!!」

ピタッ…

ウド「う、ううう……」

天野「ウドちゃん……」

男「……ウド、動け! ウド、なぜ動かんっ!?」

26: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/09(火) 01:22:16.843 ID:9jKZBN+c0.net
ウド「俺はウド……キャイ~ンのウド鈴木……」

ウド「相方は……相方は……あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ……」

ウド「天野くんっ!!!」

天野「ウドちゃん!」

男「……!」

ウド「ごめんよ、天野くん! 君を殺そうとして!」

天野「いいんだよ、ウドちゃん……何も気にしちゃいないさ」

男(やばい……記憶を取り戻しやがった!)

27: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/09(火) 01:25:14.412 ID:9jKZBN+c0.net
ウド「お前ぇっ!!!」

男「ひっ!」

ウド「よくも俺を散々こき使って、悪いことさせてくれたなぁ!」

ウド「しかも天野くんを殺させようとするなんてっ! 絶対に許さないぞぉ!」

男「ま、待ってくれ! 助けて――」

ウド「うわあああああああっ!!!」


ドゴォンッ!!!


男「ぎゃぶぁぁぁ……っ」

28: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/09(火) 01:27:16.990 ID:9jKZBN+c0.net
男「あ、あへ……」ピクピク…

ウド「ううう……お前だけはぁぁぁぁぁ!」

天野「よせ、ウドちゃん!」ガシッ

ウド「天野くん……」

天野「そんな奴、殺す価値もない……。さあ行こう、ファンが俺たちを待ってる!」

ウド「うんっ!」







―完―

引用元: 男「記憶喪失になってるウド鈴木を助けたら忠実な下僕になった」