1: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/10(水) 22:50:47.471 ID:ieesrE450.net
魔女「……ふふ。来おったか」
バーン!
少女「魔女! 今日こそ倒してやるわ! 覚悟しなさい!」
魔女「どうじゃ小娘? 今日は茶でも飲まんか? お菓子もあるぞ?」
少女「子供扱いしないで!」
魔女「事実子供じゃろうに……」
少女「ぐぬぬぬぬ……! いいわ、すぐに撤回させてあげる! 私の実力っ! 思い知りなさい!」チャキッ
魔女「やれやれ……。剣を向けるからには命を賭ける覚悟がある、と受け取って良いのじゃな?」
少女「当然! ……行くわよっ!」ダダッ
魔女「……ふん」パチン
少女「ぐっ……!? う、動けない……!」
魔女「いい加減に学習せんか。これで何度目じゃよ」
少女「……」
魔女「はぁ……。寝込みを襲うなり油断させて隙を突くなりすればよかろう」
少女「そんなのっ……! そんなの卑怯だもん……」
魔女「……やはりまだまだ子供よのう」
少女「うぅ……」
魔女「さて……。小娘、先程命を賭けると言ったな?」
少女「……」
バーン!
少女「魔女! 今日こそ倒してやるわ! 覚悟しなさい!」
魔女「どうじゃ小娘? 今日は茶でも飲まんか? お菓子もあるぞ?」
少女「子供扱いしないで!」
魔女「事実子供じゃろうに……」
少女「ぐぬぬぬぬ……! いいわ、すぐに撤回させてあげる! 私の実力っ! 思い知りなさい!」チャキッ
魔女「やれやれ……。剣を向けるからには命を賭ける覚悟がある、と受け取って良いのじゃな?」
少女「当然! ……行くわよっ!」ダダッ
魔女「……ふん」パチン
少女「ぐっ……!? う、動けない……!」
魔女「いい加減に学習せんか。これで何度目じゃよ」
少女「……」
魔女「はぁ……。寝込みを襲うなり油断させて隙を突くなりすればよかろう」
少女「そんなのっ……! そんなの卑怯だもん……」
魔女「……やはりまだまだ子供よのう」
少女「うぅ……」
魔女「さて……。小娘、先程命を賭けると言ったな?」
少女「……」
2: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/10(水) 22:53:48.268 ID:ieesrE450.net
魔女「小娘よ、覚悟は良いな?」
少女「ふ、ふんっ……!」
魔女「妾は魔女じゃ。命を奪うと言ってもあっさりと殺したりはせぬ」
少女「……」
魔女「とても痛くて、とても苦しくて。涙を流す余裕すら存在せぬ。そんな責め苦が三日三晩絶え間なく続くのじゃ」
少女「……」プルプル
魔女「心配せずとも気が触れることはない。妾の魔法で死に至る瞬間まで──」
少女「……や」
魔女「んー? なんじゃって?」
少女「イヤ……イヤぁ……! たすけてぇ!」ポロポロ
魔女「嫌? 助けて? 何甘えたこと言っておるのじゃ。泣けば許すとでも思っておるのか?」
少女「ごめ゛っ、ごめんなさい゛っ……! ごめんなさい……! うぇぇ……ごめんなさいぃ……」ポロポロ
魔女「……謝るなら、まあ、許してやらんこともない」
少女「ゔぇぇぇぇ……! ん゛ぇぇぇぇん……!」
魔女「まったく、仕方のないやつじゃのう……。うるさくて敵わん」パチン
少女「……すやぁ」
魔女「少し脅かしすぎたかの……。ふふ、大人しくしておれば愛らしいのにのう。……ゲフンゲフン。さて、魔法で家に送り返してやるか」
少女「すー……すー……」
魔女「……おやすみ」チュッ
シュン──
魔女「やれやれ。はぁ……まったく……」
少女「ふ、ふんっ……!」
魔女「妾は魔女じゃ。命を奪うと言ってもあっさりと殺したりはせぬ」
少女「……」
魔女「とても痛くて、とても苦しくて。涙を流す余裕すら存在せぬ。そんな責め苦が三日三晩絶え間なく続くのじゃ」
少女「……」プルプル
魔女「心配せずとも気が触れることはない。妾の魔法で死に至る瞬間まで──」
少女「……や」
魔女「んー? なんじゃって?」
少女「イヤ……イヤぁ……! たすけてぇ!」ポロポロ
魔女「嫌? 助けて? 何甘えたこと言っておるのじゃ。泣けば許すとでも思っておるのか?」
少女「ごめ゛っ、ごめんなさい゛っ……! ごめんなさい……! うぇぇ……ごめんなさいぃ……」ポロポロ
魔女「……謝るなら、まあ、許してやらんこともない」
少女「ゔぇぇぇぇ……! ん゛ぇぇぇぇん……!」
魔女「まったく、仕方のないやつじゃのう……。うるさくて敵わん」パチン
少女「……すやぁ」
魔女「少し脅かしすぎたかの……。ふふ、大人しくしておれば愛らしいのにのう。……ゲフンゲフン。さて、魔法で家に送り返してやるか」
少女「すー……すー……」
魔女「……おやすみ」チュッ
シュン──
魔女「やれやれ。はぁ……まったく……」
4: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/10(水) 22:57:39.981 ID:ieesrE450.net
~数日後~
魔女「ふんふーんふんふんふーん」
少女「魔女ー!」
魔女「む……」
少女「魔女ー?」
コンコン
魔女「……」
少女「魔女ー? おーい!」
コンコンコンコンコンコン
魔女「……留守じゃよ」
少女「いるじゃない! お邪魔するわよ!」
ガチャッ
魔女「はぁ……」
少女「お掃除をしに来たわ!」
魔女「この前の負け分か」
少女「そうよ。勝負に負けて、見逃してもらって……。その借りはきっちりと返すわ。じゃないと次に挑めないもの」
魔女「律儀じゃのう……。もう妾のもとへは来ないと言ってくれるのが一番なんじゃが」
少女「それは無理ね」
魔女「せめて、そこまで妾を殺したいと思う理由を聞かせてほしいのう」
少女「……魔女を倒して実力を示す。それだけよ」
魔女「さっぱりわからん」
少女「いいわよ、分からなくて。さ、掃除を始めるわね」
魔女「むぅ……」
魔女「ふんふーんふんふんふーん」
少女「魔女ー!」
魔女「む……」
少女「魔女ー?」
コンコン
魔女「……」
少女「魔女ー? おーい!」
コンコンコンコンコンコン
魔女「……留守じゃよ」
少女「いるじゃない! お邪魔するわよ!」
ガチャッ
魔女「はぁ……」
少女「お掃除をしに来たわ!」
魔女「この前の負け分か」
少女「そうよ。勝負に負けて、見逃してもらって……。その借りはきっちりと返すわ。じゃないと次に挑めないもの」
魔女「律儀じゃのう……。もう妾のもとへは来ないと言ってくれるのが一番なんじゃが」
少女「それは無理ね」
魔女「せめて、そこまで妾を殺したいと思う理由を聞かせてほしいのう」
少女「……魔女を倒して実力を示す。それだけよ」
魔女「さっぱりわからん」
少女「いいわよ、分からなくて。さ、掃除を始めるわね」
魔女「むぅ……」
5: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/10(水) 23:01:12.996 ID:ieesrE450.net
少女「それにしても毎回毎回よくこんなに散らかせるわね……」
魔女「あー……片付けは苦手でのう……」
少女「だらしのない魔女ね! やっぱり早く倒さなくちゃ!」
魔女「どうしてそうなる……」
少女「あっ、そろそろお昼にしましょうか」
魔女「その辺に転がってるパンでも食べるかのう」
少女「……」
魔女「お菓子の方が良かったかの?」
少女「もうっ! いつもどんな食生活してるのよっ!」
魔女「食事なんてつまらんし」
少女「いっつも一人で寂しく食べてるからでしょ? ……今日は私と二人よ。きっとつまらなくはないわ」
魔女「そういうものかのー」
少女「しょうがないから私が作ってあげる。簡単なものしか作れないけど」
魔女「怪我などせぬようにな?」
少女「子供扱いしないで!」
魔女「子供じゃろうて……」
少女「すぐに撤回させてあげるわ! そのヘボ舌を唸らせてあげる!」
魔女「あー……片付けは苦手でのう……」
少女「だらしのない魔女ね! やっぱり早く倒さなくちゃ!」
魔女「どうしてそうなる……」
少女「あっ、そろそろお昼にしましょうか」
魔女「その辺に転がってるパンでも食べるかのう」
少女「……」
魔女「お菓子の方が良かったかの?」
少女「もうっ! いつもどんな食生活してるのよっ!」
魔女「食事なんてつまらんし」
少女「いっつも一人で寂しく食べてるからでしょ? ……今日は私と二人よ。きっとつまらなくはないわ」
魔女「そういうものかのー」
少女「しょうがないから私が作ってあげる。簡単なものしか作れないけど」
魔女「怪我などせぬようにな?」
少女「子供扱いしないで!」
魔女「子供じゃろうて……」
少女「すぐに撤回させてあげるわ! そのヘボ舌を唸らせてあげる!」
7: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/10(水) 23:04:41.502 ID:ieesrE450.net
少女「……ぐすっ」
魔女「そら、出来たぞ。いい加減に泣き止むがいい」
少女「うー……!」ゴシゴシ
魔女「ふふ、それでは食べるとするか」
少女「……いただきます」パクッ
魔女「どうじゃ? かなり久しぶりじゃが上手いもんじゃろう?」
少女「おいしい……」パクパク
魔女「実は毒を盛ってあるのじゃが」
少女「んぐっ……!? ゴホッゴホッ!」
魔女「嘘じゃよ。ほれ、水」
少女「んくっ、んくっ、んくっ……ぷはっ! はぁ……はぁ……」
魔女「実は今の水に毒が」
少女「ひぃっ……!?」
魔女「嘘じゃよ」
少女「……」ジトー
魔女「単純すぎて逆にからかい甲斐がないのう」
少女「魔女めぇ……!」パクパク
魔女「ふふふ、そこまで美味そうに食べてもらえると作った甲斐はあったの」
少女「くそぅ……くそぅ……! こんなに料理が上手だなんて……!」ムシャムシャ
魔女「おかわりもあるぞ」
少女「……おかわりっ」
魔女「そら、出来たぞ。いい加減に泣き止むがいい」
少女「うー……!」ゴシゴシ
魔女「ふふ、それでは食べるとするか」
少女「……いただきます」パクッ
魔女「どうじゃ? かなり久しぶりじゃが上手いもんじゃろう?」
少女「おいしい……」パクパク
魔女「実は毒を盛ってあるのじゃが」
少女「んぐっ……!? ゴホッゴホッ!」
魔女「嘘じゃよ。ほれ、水」
少女「んくっ、んくっ、んくっ……ぷはっ! はぁ……はぁ……」
魔女「実は今の水に毒が」
少女「ひぃっ……!?」
魔女「嘘じゃよ」
少女「……」ジトー
魔女「単純すぎて逆にからかい甲斐がないのう」
少女「魔女めぇ……!」パクパク
魔女「ふふふ、そこまで美味そうに食べてもらえると作った甲斐はあったの」
少女「くそぅ……くそぅ……! こんなに料理が上手だなんて……!」ムシャムシャ
魔女「おかわりもあるぞ」
少女「……おかわりっ」
8: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/10(水) 23:08:21.880 ID:ieesrE450.net
魔女「ふぅ、食べた食べた」
少女「ごちそうさまでした。……どうだった?」
魔女「どう、とは?」
少女「ご飯、つまらなかった?」
魔女「……悪くはなかった、かの」
少女「えへっ」
魔女「そなたの慌てふためく顔も見られたしのう。むふふ」
少女「そ、それは忘れなさいよ!」
魔女「いーやーじゃー」
少女「ぐぬぬぬぬ……!」
魔女「力尽くで言うことを聞かせたらどうじゃ? ん?」
少女「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぅ!」
魔女「ふふははは! 無理じゃったな! そうじゃそうじゃ! 妾に勝てぬから今こうしてここにいるんじゃもんなあ!」
少女「ムキーッ! いつか絶対倒してやるんだからーっ! もう帰るっ! さよならっ!」
魔女「うむ、じゃあの。もう来なくて良いぞ」
少女「また来るわよ! ベーッだ!」
ドタドタ バタン
魔女「ふふ……またの」
少女「ごちそうさまでした。……どうだった?」
魔女「どう、とは?」
少女「ご飯、つまらなかった?」
魔女「……悪くはなかった、かの」
少女「えへっ」
魔女「そなたの慌てふためく顔も見られたしのう。むふふ」
少女「そ、それは忘れなさいよ!」
魔女「いーやーじゃー」
少女「ぐぬぬぬぬ……!」
魔女「力尽くで言うことを聞かせたらどうじゃ? ん?」
少女「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぅ!」
魔女「ふふははは! 無理じゃったな! そうじゃそうじゃ! 妾に勝てぬから今こうしてここにいるんじゃもんなあ!」
少女「ムキーッ! いつか絶対倒してやるんだからーっ! もう帰るっ! さよならっ!」
魔女「うむ、じゃあの。もう来なくて良いぞ」
少女「また来るわよ! ベーッだ!」
ドタドタ バタン
魔女「ふふ……またの」
9: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/10(水) 23:12:10.181 ID:ieesrE450.net
~数日後~
ドンドンドンドン!
魔女「な、なんじゃなんじゃ!? 小娘か!?」
男「魔女さん! 大変なんだ! 魔女さんっ!」
ドンドン!
魔女「そなたか。血相を変えてどうしたのじゃ?」
男「ああ、よかった……! 魔女さん、大変なんだ……! 娘が……娘がっ……!」
魔女「小娘が……? 詳しく話せ!」
男「街で流行病が蔓延してて……む、娘がそれに……」
魔女「なんじゃ、病か。驚かせおって」
男「ただの病気じゃないんだ! 四日で死んでしまう恐ろしい病気で──」
魔女「わかったわかった。薬を作ってやるから。それで? 今何日目なんじゃ?」
男「……今日で四日目に」
魔女「なっ……!? ばっか、小僧、どうしてもっと早く来ないんじゃ!?」
男「ただの風邪だと思って……! お願いします! どうか娘を助けてください!」
魔女「当たり前じゃ! すぐに家に行く! 薬なんぞ作っておったら間に合わん! 妾が直接治す!」
ドンドンドンドン!
魔女「な、なんじゃなんじゃ!? 小娘か!?」
男「魔女さん! 大変なんだ! 魔女さんっ!」
ドンドン!
魔女「そなたか。血相を変えてどうしたのじゃ?」
男「ああ、よかった……! 魔女さん、大変なんだ……! 娘が……娘がっ……!」
魔女「小娘が……? 詳しく話せ!」
男「街で流行病が蔓延してて……む、娘がそれに……」
魔女「なんじゃ、病か。驚かせおって」
男「ただの病気じゃないんだ! 四日で死んでしまう恐ろしい病気で──」
魔女「わかったわかった。薬を作ってやるから。それで? 今何日目なんじゃ?」
男「……今日で四日目に」
魔女「なっ……!? ばっか、小僧、どうしてもっと早く来ないんじゃ!?」
男「ただの風邪だと思って……! お願いします! どうか娘を助けてください!」
魔女「当たり前じゃ! すぐに家に行く! 薬なんぞ作っておったら間に合わん! 妾が直接治す!」
11: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/10(水) 23:15:33.588 ID:ieesrE450.net
少女「……」
女「ああ……神様……」
シュン──
魔女「小娘っ!」
女「きゃあっ!?」
魔女「むっ……これは不味い……! もう一刻の猶予も残っておらぬ……!」
少女「……」
女「ま、魔女さん……! 娘が──」
魔女「わかっておる! 退け! ……あとしばし向こうを向いておれ」
女「は、はい……」ソソクサ
魔女「妾には病の仕組みが理解出来ぬ故、魔法では治せぬが……」
女「……」チラチラ
魔女「……今治してやるからの」チュッ
少女「……」ピクッ
魔女「じゅるるるるるるっ!」
少女「ふあっ……!?」ビクン
女「む、娘が目を覚ました……!」
魔女「じゅるり……。ふぅ、これでひとまず安心じゃな。病は妾が残らず吸い出した。あとは栄養をつけて休養すれば大丈夫じゃ」
女「娘がちゅーで回復した……」
少女「ま……」
女「はいはい、ママはここにいますよ」
少女「ち、が……」
魔女「では妾は帰る。あとで小僧に薬を持たせるから、街の皆に配ると良い」パチン
シュン──
女「ああ……神様……」
シュン──
魔女「小娘っ!」
女「きゃあっ!?」
魔女「むっ……これは不味い……! もう一刻の猶予も残っておらぬ……!」
少女「……」
女「ま、魔女さん……! 娘が──」
魔女「わかっておる! 退け! ……あとしばし向こうを向いておれ」
女「は、はい……」ソソクサ
魔女「妾には病の仕組みが理解出来ぬ故、魔法では治せぬが……」
女「……」チラチラ
魔女「……今治してやるからの」チュッ
少女「……」ピクッ
魔女「じゅるるるるるるっ!」
少女「ふあっ……!?」ビクン
女「む、娘が目を覚ました……!」
魔女「じゅるり……。ふぅ、これでひとまず安心じゃな。病は妾が残らず吸い出した。あとは栄養をつけて休養すれば大丈夫じゃ」
女「娘がちゅーで回復した……」
少女「ま……」
女「はいはい、ママはここにいますよ」
少女「ち、が……」
魔女「では妾は帰る。あとで小僧に薬を持たせるから、街の皆に配ると良い」パチン
シュン──
13: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/10(水) 23:18:57.069 ID:ieesrE450.net
~三日後~
魔女「けほっけほっ……あぅ……」
少女「魔女ー……? いるー……?」ソローリ
魔女「うーん……うーん……」
少女「……!」
魔女「けほっ……けほけほっ……ずびー……」
少女「魔女っ……!」
魔女「んー……」
少女「大変っ……すごい熱……!」
魔女「小娘か……。たいしたこと……ない……けほっけほっ!」
少女「バカッ! 大したことあるわよ! 待ってて、今お医者様を──」
魔女「待て……」ガシッ
少女「ど、どうしたの? 早くお医者様に診てもらわなくちゃ!」
魔女「無駄……なのじゃよ……。なに、寝ていれば治る……だから……けほっけほっけほっ!」
少女「ダメよそんなの! すぐに連れて戻ってくるから寝てなさい! いいわね!?」
バタバタバタ……
魔女「ずびー……。あぅぅ……」
魔女「けほっけほっ……あぅ……」
少女「魔女ー……? いるー……?」ソローリ
魔女「うーん……うーん……」
少女「……!」
魔女「けほっ……けほけほっ……ずびー……」
少女「魔女っ……!」
魔女「んー……」
少女「大変っ……すごい熱……!」
魔女「小娘か……。たいしたこと……ない……けほっけほっ!」
少女「バカッ! 大したことあるわよ! 待ってて、今お医者様を──」
魔女「待て……」ガシッ
少女「ど、どうしたの? 早くお医者様に診てもらわなくちゃ!」
魔女「無駄……なのじゃよ……。なに、寝ていれば治る……だから……けほっけほっけほっ!」
少女「ダメよそんなの! すぐに連れて戻ってくるから寝てなさい! いいわね!?」
バタバタバタ……
魔女「ずびー……。あぅぅ……」
14: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/10(水) 23:22:25.341 ID:ieesrE450.net
少女「先生……どうですか……?」
医者「儂にはどうにもできねえな」
少女「そんなっ!」
魔女「じゃから言ったろ。寝てれば治る。寝るくらいしかできぬのじゃよ」
医者「まーた無茶しやがって。今度は誰の肩代わりしたんだ? え?」
魔女「……」プイッ
医者「ま、いいけどよ。お人好しも程々にしねえと、いい加減くたばっちまうぞ」
少女「あの、先生……それってどういう……」
医者「こいつはな、他人の──」
魔女「なんでもない。……なんでもないよ」
医者「……なるほどな」チラッ
少女「先生?」
医者「悪いけど儂はもう帰るぜ。何もできなくてすまねえな。栄養剤くらいは置いてってやるからよ」
魔女「ふふっ、すまんの。けほっ」
少女「……」
医者「お嬢ちゃんもあんまり遅くならねえようにな。また身体壊したら目も当てられねえぞ?」
ガチャッ バタン
魔女「……」
少女「……」
医者「儂にはどうにもできねえな」
少女「そんなっ!」
魔女「じゃから言ったろ。寝てれば治る。寝るくらいしかできぬのじゃよ」
医者「まーた無茶しやがって。今度は誰の肩代わりしたんだ? え?」
魔女「……」プイッ
医者「ま、いいけどよ。お人好しも程々にしねえと、いい加減くたばっちまうぞ」
少女「あの、先生……それってどういう……」
医者「こいつはな、他人の──」
魔女「なんでもない。……なんでもないよ」
医者「……なるほどな」チラッ
少女「先生?」
医者「悪いけど儂はもう帰るぜ。何もできなくてすまねえな。栄養剤くらいは置いてってやるからよ」
魔女「ふふっ、すまんの。けほっ」
少女「……」
医者「お嬢ちゃんもあんまり遅くならねえようにな。また身体壊したら目も当てられねえぞ?」
ガチャッ バタン
魔女「……」
少女「……」
15: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/10(水) 23:26:33.521 ID:ieesrE450.net
少女「私のせい、なんだね……」
魔女「違う」
少女「お母さんから聞いたわ。私の病気、『吸って』くれたんでしょ? だから……代わりに……」
魔女「……妾がしたくてしたことじゃ。そなたが気に病む必要はないよ」
少女「うぅ……ぐすっ……」
魔女「ふふ、妾を殺すなら今じゃぞ?」
少女「あなたっ……! 冗談でもそんなこと言わないで!」
魔女「冗談なんぞ言わぬよ。これは千載一遇の好機じゃ。こんな機会、おそらく二度とはない」
少女「やめなさい! 本気で怒るわよ……!」
魔女「あれだけ殺したがっておったじゃろ。それが、今、叶う……。だから──」
少女「あなたを殺したいと思ったことなんて一度だってないっ!」
魔女「む……?」
少女「私は! あなたを倒して、私の実力をあなたに認めさせたいだけ! 殺すなんて……そんなこと絶対にしない!」
魔女「い、いや……意味が……」
少女「……」
魔女「……」
少女「……ずっと昔。あなたが領主様の息子に言い寄られた時のこと、覚えてる?」
魔女「うむ……。なんとなくじゃが……」
少女「その時のことよ──」
魔女「違う」
少女「お母さんから聞いたわ。私の病気、『吸って』くれたんでしょ? だから……代わりに……」
魔女「……妾がしたくてしたことじゃ。そなたが気に病む必要はないよ」
少女「うぅ……ぐすっ……」
魔女「ふふ、妾を殺すなら今じゃぞ?」
少女「あなたっ……! 冗談でもそんなこと言わないで!」
魔女「冗談なんぞ言わぬよ。これは千載一遇の好機じゃ。こんな機会、おそらく二度とはない」
少女「やめなさい! 本気で怒るわよ……!」
魔女「あれだけ殺したがっておったじゃろ。それが、今、叶う……。だから──」
少女「あなたを殺したいと思ったことなんて一度だってないっ!」
魔女「む……?」
少女「私は! あなたを倒して、私の実力をあなたに認めさせたいだけ! 殺すなんて……そんなこと絶対にしない!」
魔女「い、いや……意味が……」
少女「……」
魔女「……」
少女「……ずっと昔。あなたが領主様の息子に言い寄られた時のこと、覚えてる?」
魔女「うむ……。なんとなくじゃが……」
少女「その時のことよ──」
16: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/10(水) 23:29:23.838 ID:ieesrE450.net
~十年前~
クズ男「ねえ、君。君だよ君」
魔女「……」
クズ男「ちょっとー。無視しないでよ。俺のこと知らないの?」
魔女「知らぬわ。たわけめ」
クズ男「たわけ(笑)」
魔女「ふん、くだらん。やはり宴席なぞ来るんじゃなかったわ」
クズ男「つまんないよねー。だからさ、俺と遊ぼうよ。ね? 俺の親父、ここの領主だからさ。なんでも好きなことできるんだよ」
魔女「失せよ。妾は貴様のような奴が嫌いじゃ」
クズ男「えー? いいじゃん(笑) 俺といると絶対楽しいよ? 一晩かけて最高の気分にしてあげるからさ」
魔女「……チッ」
クズ男「はぁ……ったく、この俺が下手に出てりゃいい気になりやがって……。オラァ! 来いよ!」グイッ
魔女「ふふっ、力づくとは。腐った奴じゃのう。手を離せ」
ざわざわ……
クズ男「はあ? お前もう俺のおもちゃ決定だから(笑) 言っとくけど誰も助けてなんてくれねーからな? 俺偉いから(笑)」
魔女「助けなんぞいらぬわ。そもそも偉いのは貴様ではなく、貴様の父親であろう。……最後じゃ。手を離せ」
クズ男「ククク……痛い目見ないと分からないかなあ!?」
幼女「やめなさい!」
クズ男「ねえ、君。君だよ君」
魔女「……」
クズ男「ちょっとー。無視しないでよ。俺のこと知らないの?」
魔女「知らぬわ。たわけめ」
クズ男「たわけ(笑)」
魔女「ふん、くだらん。やはり宴席なぞ来るんじゃなかったわ」
クズ男「つまんないよねー。だからさ、俺と遊ぼうよ。ね? 俺の親父、ここの領主だからさ。なんでも好きなことできるんだよ」
魔女「失せよ。妾は貴様のような奴が嫌いじゃ」
クズ男「えー? いいじゃん(笑) 俺といると絶対楽しいよ? 一晩かけて最高の気分にしてあげるからさ」
魔女「……チッ」
クズ男「はぁ……ったく、この俺が下手に出てりゃいい気になりやがって……。オラァ! 来いよ!」グイッ
魔女「ふふっ、力づくとは。腐った奴じゃのう。手を離せ」
ざわざわ……
クズ男「はあ? お前もう俺のおもちゃ決定だから(笑) 言っとくけど誰も助けてなんてくれねーからな? 俺偉いから(笑)」
魔女「助けなんぞいらぬわ。そもそも偉いのは貴様ではなく、貴様の父親であろう。……最後じゃ。手を離せ」
クズ男「ククク……痛い目見ないと分からないかなあ!?」
幼女「やめなさい!」
17: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/10(水) 23:33:17.557 ID:ieesrE450.net
クズ男「……あ?」
幼女「いやがってるでしょ! やめなさい!」
魔女「おい小娘、妾は大丈夫じゃ。お子様は退がっておれ」
クズ男「そうだよガキ。ぶっ殺されたくなかったらすっこんでろ!」
幼女「ひっ……!」
魔女「子供相手に怒鳴るでない。……小娘、気持ちは買うがそなたには関係のないことじゃ。わざわざ怖い思いをすることはない」
クズ男「チッ。ほらさっさと行くぞ。グズグズしてるとそのガキぶん殴るからな」
幼女「!」ビクッ
魔女「わかったわかった。やれやれ、とんだ厄日じゃのう……」
クズ男「へへっ、俺の部屋に行こうぜ(笑) 楽しいことたくさん教えてやるよ(笑)」
幼女「ま、まちなさい……!」プルプル
ざわざわ……ざわざわ……
幼女「おねーさん、いやがっています……! だから、やめ──」
バキッ!
幼女「あぐっ……!」ズサーッ
クズ男「うるっせーよ……なあ……おい……」
シーン……
幼女「い、たい……。うぅ……ぐすっ……」
魔女「……自業自得じゃ」
幼女「うぅ……うぅーっ……! おねーさんから……はなれなさいよ……!」ヨロヨロ
クズ男「んだよオラァ! 死んどけクソガキがぁ!」
ゴスッドカッボコッ
幼女「かはっ……ゔっ……おぇぇっ……」ビチャチャ
幼女「いやがってるでしょ! やめなさい!」
魔女「おい小娘、妾は大丈夫じゃ。お子様は退がっておれ」
クズ男「そうだよガキ。ぶっ殺されたくなかったらすっこんでろ!」
幼女「ひっ……!」
魔女「子供相手に怒鳴るでない。……小娘、気持ちは買うがそなたには関係のないことじゃ。わざわざ怖い思いをすることはない」
クズ男「チッ。ほらさっさと行くぞ。グズグズしてるとそのガキぶん殴るからな」
幼女「!」ビクッ
魔女「わかったわかった。やれやれ、とんだ厄日じゃのう……」
クズ男「へへっ、俺の部屋に行こうぜ(笑) 楽しいことたくさん教えてやるよ(笑)」
幼女「ま、まちなさい……!」プルプル
ざわざわ……ざわざわ……
幼女「おねーさん、いやがっています……! だから、やめ──」
バキッ!
幼女「あぐっ……!」ズサーッ
クズ男「うるっせーよ……なあ……おい……」
シーン……
幼女「い、たい……。うぅ……ぐすっ……」
魔女「……自業自得じゃ」
幼女「うぅ……うぅーっ……! おねーさんから……はなれなさいよ……!」ヨロヨロ
クズ男「んだよオラァ! 死んどけクソガキがぁ!」
ゴスッドカッボコッ
幼女「かはっ……ゔっ……おぇぇっ……」ビチャチャ
20: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/10(水) 23:36:45.834 ID:ieesrE450.net
クズ男「うっわ、きったねえ! 靴が汚れちまったじゃねえか……」
幼女「おね、さん……にげて……」ガシッ
クズ男「離れろガキ! ゲロまみれでくっついてくんじゃねえよ! オラッ! クソッ!」
ゲシッゲシッ
魔女「お、おい……。死んでしまうぞ……。妾ならついて行くと言っておるじゃろ……。だからもうやめてやってくれ……」
クズ男「いいや、ダメだ! 絶対に許さねえ! クソガキの家族ごと地獄に叩き落としてやる!」
幼女「にげ……て……」ガクガク
クズ男「テメェいい加減に──」
魔女「……いい加減にするのは貴様じゃ」
クズ男「あ゛ぁ!? へぶぁっ……!?」ドサッ
魔女「ほれ、立たぬか。どうした? 何を這いつくばっておる」
クズ男「あ……あ……?」ガクガク
魔女「たった一発引っ叩いただけで戦意喪失か? ふん、妾と共に居たいのなら、妾より強くなければのう」ニヤリ
クズ男「バ、バケモンかよこいつぅ!?」
魔女「あー、貴様。たしか地獄に叩き落とすとか言っておったな。折角じゃ、地獄がどんな所か見てくると良い。妾がしっかりと送り届けてやろう」
領主「ま、待ってくれ!」ドタドタ
クズ男「お、親父ぃ……! 助けてくれぇ……!」
領主「魔女さん、うちの馬鹿息子が申し訳ないことをした! この通りだ!」
クズ男「親父ぃ……」
領主「お前も謝れ! この馬鹿野郎が!」ベシッ
クズ男「ご、ごべんな゛さい゛ぃ……」
魔女「はっ。そなたら、何を愉快なことをしておる?」
領主「……はい?」
幼女「おね、さん……にげて……」ガシッ
クズ男「離れろガキ! ゲロまみれでくっついてくんじゃねえよ! オラッ! クソッ!」
ゲシッゲシッ
魔女「お、おい……。死んでしまうぞ……。妾ならついて行くと言っておるじゃろ……。だからもうやめてやってくれ……」
クズ男「いいや、ダメだ! 絶対に許さねえ! クソガキの家族ごと地獄に叩き落としてやる!」
幼女「にげ……て……」ガクガク
クズ男「テメェいい加減に──」
魔女「……いい加減にするのは貴様じゃ」
クズ男「あ゛ぁ!? へぶぁっ……!?」ドサッ
魔女「ほれ、立たぬか。どうした? 何を這いつくばっておる」
クズ男「あ……あ……?」ガクガク
魔女「たった一発引っ叩いただけで戦意喪失か? ふん、妾と共に居たいのなら、妾より強くなければのう」ニヤリ
クズ男「バ、バケモンかよこいつぅ!?」
魔女「あー、貴様。たしか地獄に叩き落とすとか言っておったな。折角じゃ、地獄がどんな所か見てくると良い。妾がしっかりと送り届けてやろう」
領主「ま、待ってくれ!」ドタドタ
クズ男「お、親父ぃ……! 助けてくれぇ……!」
領主「魔女さん、うちの馬鹿息子が申し訳ないことをした! この通りだ!」
クズ男「親父ぃ……」
領主「お前も謝れ! この馬鹿野郎が!」ベシッ
クズ男「ご、ごべんな゛さい゛ぃ……」
魔女「はっ。そなたら、何を愉快なことをしておる?」
領主「……はい?」
21: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/10(水) 23:41:45.365 ID:ieesrE450.net
魔女「今この場を見て、妾に許しを請うことが大事なことだと思うのか?」
領主「も、もちろんだとも! 私は領主だ。この領地を守ることは何よりも大事なこと! だから魔女さん、どうか……!」
魔女「子が子なら親も親、か。この幼子は目に入らぬのか?」
幼女「コヒュ……カヒュッ……」
領主「こ、こんな子供などに構ってる場合では……」オロオロ
魔女「そうか。……そうか」
領主「そんなことよりも魔女さん……」
魔女「少し黙っておれ。小娘、少し身体を触るぞ? ……ふむ、体内までボロボロじゃのう。人外の術でもなければ治せぬのう」
幼女「ぅ……ぁ……」
魔女「幸運であったな、小娘。妾なら治せる。ふふ、妾を救ってくれた恩、返さなければの」パチン
幼女「ぁ……れ……? いたく、ない……?」
領主「お、おお……まさに奇跡だ……! やはり魔女は凄い……」
クズ男「い、今のうちに逃げ──」
魔女「……」パチン
フッ──
領主「ヒィィッ!? 息子が消えてしまった……!」
魔女「親子共々、人の心というものを学んでくると良い。生きて帰ってこられたら、きっと素敵な人間になっておることじゃろう」
領主「私もぉ!?」
魔女「当然じゃ、馬鹿者」パチン
領主「ぎぇぇぇぇ──」
フッ──
幼女「し、しんじゃったの……?」
魔女「まさか。ちょっぴりお灸を据えるだけじゃよ。ふふ、なんであれ奴らは謝ったのじゃ。少しは手心を加えてやらねばならぬ」
幼女「おねーさんはだいじょぶ?」ジーッ
魔女「なんと、妾の心配とは。ふはは! 大丈夫大丈夫。怪我なんてしておらんよ」
幼女「おケガもそうだけどね、おねーさん、ずっとさみしそうにしてたから。だから、だからね? だいじょぶかなって」
魔女「……!」
幼女「おねーさん?」
魔女「……ああ、大丈夫じゃよ。慣れておるからの」
領主「も、もちろんだとも! 私は領主だ。この領地を守ることは何よりも大事なこと! だから魔女さん、どうか……!」
魔女「子が子なら親も親、か。この幼子は目に入らぬのか?」
幼女「コヒュ……カヒュッ……」
領主「こ、こんな子供などに構ってる場合では……」オロオロ
魔女「そうか。……そうか」
領主「そんなことよりも魔女さん……」
魔女「少し黙っておれ。小娘、少し身体を触るぞ? ……ふむ、体内までボロボロじゃのう。人外の術でもなければ治せぬのう」
幼女「ぅ……ぁ……」
魔女「幸運であったな、小娘。妾なら治せる。ふふ、妾を救ってくれた恩、返さなければの」パチン
幼女「ぁ……れ……? いたく、ない……?」
領主「お、おお……まさに奇跡だ……! やはり魔女は凄い……」
クズ男「い、今のうちに逃げ──」
魔女「……」パチン
フッ──
領主「ヒィィッ!? 息子が消えてしまった……!」
魔女「親子共々、人の心というものを学んでくると良い。生きて帰ってこられたら、きっと素敵な人間になっておることじゃろう」
領主「私もぉ!?」
魔女「当然じゃ、馬鹿者」パチン
領主「ぎぇぇぇぇ──」
フッ──
幼女「し、しんじゃったの……?」
魔女「まさか。ちょっぴりお灸を据えるだけじゃよ。ふふ、なんであれ奴らは謝ったのじゃ。少しは手心を加えてやらねばならぬ」
幼女「おねーさんはだいじょぶ?」ジーッ
魔女「なんと、妾の心配とは。ふはは! 大丈夫大丈夫。怪我なんてしておらんよ」
幼女「おケガもそうだけどね、おねーさん、ずっとさみしそうにしてたから。だから、だからね? だいじょぶかなって」
魔女「……!」
幼女「おねーさん?」
魔女「……ああ、大丈夫じゃよ。慣れておるからの」
22: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/10(水) 23:44:50.865 ID:ieesrE450.net
~現在~
少女「その時にね、思ったの。そばに居てあげたいって」
魔女「あの時から、何も変わらないんじゃな……。そなたはずっと……大馬鹿者じゃよ……」
少女「えへへ……。だからお願い……死なないで……」ギュッ
魔女「けーほっけほっ! く、苦しいぞ……」
少女「あっ、ご、ごめんね……」
魔女「けほっ、ふぅ……。はぁ、まったく。死んだりせんから安心せい」
少女「でも……私の病気を吸ってあなたが……」
魔女「妾は魔女じゃぞ? 人が死に至る程の病故にこうして、けほっけほっ! ……寝込んではおるがの、そう簡単に死んだりはせぬよ」
少女「そ、そうなの……? 本当? いつもみたいに嘘ついてない?」
魔女「妾そんなに嘘ついておるかの……。ついておったわ……」
少女「心配だからそばに……いや、駄目だわ……。そばに居たいならもっと強くならなくちゃ……」ブツブツ
魔女「堅物じゃのう……」
少女「……私、帰るね。ご飯は作っておくし、お着替えも用意しておくわ。お水はここに、お医者様から頂いた栄養剤はこっちに──」
魔女「ふふ、わかったわかった。……ありがとうの」
少女「きっと、きっとあなたを倒すから。だから……早く元気になりなさいよ! またね、魔女!」
魔女「ふん、生意気な。もう来るでないわ阿呆め」
少女「その時にね、思ったの。そばに居てあげたいって」
魔女「あの時から、何も変わらないんじゃな……。そなたはずっと……大馬鹿者じゃよ……」
少女「えへへ……。だからお願い……死なないで……」ギュッ
魔女「けーほっけほっ! く、苦しいぞ……」
少女「あっ、ご、ごめんね……」
魔女「けほっ、ふぅ……。はぁ、まったく。死んだりせんから安心せい」
少女「でも……私の病気を吸ってあなたが……」
魔女「妾は魔女じゃぞ? 人が死に至る程の病故にこうして、けほっけほっ! ……寝込んではおるがの、そう簡単に死んだりはせぬよ」
少女「そ、そうなの……? 本当? いつもみたいに嘘ついてない?」
魔女「妾そんなに嘘ついておるかの……。ついておったわ……」
少女「心配だからそばに……いや、駄目だわ……。そばに居たいならもっと強くならなくちゃ……」ブツブツ
魔女「堅物じゃのう……」
少女「……私、帰るね。ご飯は作っておくし、お着替えも用意しておくわ。お水はここに、お医者様から頂いた栄養剤はこっちに──」
魔女「ふふ、わかったわかった。……ありがとうの」
少女「きっと、きっとあなたを倒すから。だから……早く元気になりなさいよ! またね、魔女!」
魔女「ふん、生意気な。もう来るでないわ阿呆め」
23: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/10(水) 23:47:48.100 ID:ieesrE450.net
~ひと月後~
魔女「……ふふ。来おったか」
バーン!
少女「魔女! 今日こそ倒してやるわ! 覚悟しなさい!」
魔女「どうじゃ小娘? 今日は茶でも飲まんか? お菓子もあるぞ?」
少女「子供扱いしないで! ……用事が先よ」
魔女「ほう?」
少女「行くわよ! すぐにケリをつけてあげる!」ダダダッ
魔女「剣すら構えず正面切って特攻か……。学ばんのう……。妾が指を鳴らせば決着じゃというに」
少女「とりゃあぁぁぁぁっ!
魔女「終いじゃ──」スッ
少女「……大好きっ」ニコッ
魔女「なっ、なななっ……!? あっ、指が……」スカッ
少女「捕まえ……たーっ!」ガバーッ
魔女「のわっ!?」
ガラガラガシャーン
少女「えへへ! 私の勝ちだよ!」ギューッ
魔女「い、今のは反則じゃ! 無し!無ーしー!」
少女「えー? じゃあもう一回やる? ……やっとあなたと一緒に居られると思ったのに」
魔女「ぐぬ……。仕方ないのう……。あー、わかったわかった! 妾の負け! むぅ……こんな小娘にたった50回で負けるとは……」
少女「回数……」
魔女「あっ、いや」
少女「ちゃんと覚えててくれたの!?」
魔女「……た、偶々頭に残っておっただけじゃ! 別に数えてた訳では……! そなたが来てくれて喜んでたなんてこと……あっ」
少女「んぅ~っ! もうっ! かわいいんだからっ!」
魔女「うぬぅ……妾の威厳が……」
魔女「……ふふ。来おったか」
バーン!
少女「魔女! 今日こそ倒してやるわ! 覚悟しなさい!」
魔女「どうじゃ小娘? 今日は茶でも飲まんか? お菓子もあるぞ?」
少女「子供扱いしないで! ……用事が先よ」
魔女「ほう?」
少女「行くわよ! すぐにケリをつけてあげる!」ダダダッ
魔女「剣すら構えず正面切って特攻か……。学ばんのう……。妾が指を鳴らせば決着じゃというに」
少女「とりゃあぁぁぁぁっ!
魔女「終いじゃ──」スッ
少女「……大好きっ」ニコッ
魔女「なっ、なななっ……!? あっ、指が……」スカッ
少女「捕まえ……たーっ!」ガバーッ
魔女「のわっ!?」
ガラガラガシャーン
少女「えへへ! 私の勝ちだよ!」ギューッ
魔女「い、今のは反則じゃ! 無し!無ーしー!」
少女「えー? じゃあもう一回やる? ……やっとあなたと一緒に居られると思ったのに」
魔女「ぐぬ……。仕方ないのう……。あー、わかったわかった! 妾の負け! むぅ……こんな小娘にたった50回で負けるとは……」
少女「回数……」
魔女「あっ、いや」
少女「ちゃんと覚えててくれたの!?」
魔女「……た、偶々頭に残っておっただけじゃ! 別に数えてた訳では……! そなたが来てくれて喜んでたなんてこと……あっ」
少女「んぅ~っ! もうっ! かわいいんだからっ!」
魔女「うぬぅ……妾の威厳が……」
24: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/10(水) 23:50:28.735 ID:ieesrE450.net
魔女「ほれ、茶のおかわりじゃ」コトッ
少女「ありがとう! お茶もこのお菓子も、とっても美味しいわね!」モグモグ
魔女「よく食べるのう。それな、妾が作ったんじゃよ。隠し味にジェコが入っておる」
少女「じぇこ? なにかしら?」パクパク
魔女「森に住むヤモリじゃ」
少女「んぐっ……!?」
魔女「嘘じゃよ」
少女「ゴホッゴホッ! もうっ! やめなさいよ!」
魔女「反応が愛おしくてのう。つい」
少女「今日こそは許さないわ! 私、もう帰るからっ!」
魔女「えっ、あのっ、ちょっとした冗談で、その……」
少女「えへへ、なんちゃって♪ 冗談よ♪」
魔女「なぁっ……!?」
少女「お返しですー。でも、たしかにかわいい反応ね……。私もクセになりそう……」
魔女「こ、小娘ぇ……!」
少女「ふふーん、やめてほしかったらね、言うことを聞いてもらうわよ」
魔女「……言ってみよ」
少女「小娘じゃなくて、名前で呼んで?」
魔女「む……。な、名前で……?」モジモジ
少女「私もあなたのこと、名前で呼んでもいいかしら?」
魔女「では……お互い名前で呼ぶことにしようかの……?」チラッチラッ
少女「うん♪ えへへ……私の名前、呼んでみて?」
魔女「あぅ……。で、ではいくぞ……?すー……はー……」
少女「……」ニコニコ
魔女「──」
おしまい
少女「ありがとう! お茶もこのお菓子も、とっても美味しいわね!」モグモグ
魔女「よく食べるのう。それな、妾が作ったんじゃよ。隠し味にジェコが入っておる」
少女「じぇこ? なにかしら?」パクパク
魔女「森に住むヤモリじゃ」
少女「んぐっ……!?」
魔女「嘘じゃよ」
少女「ゴホッゴホッ! もうっ! やめなさいよ!」
魔女「反応が愛おしくてのう。つい」
少女「今日こそは許さないわ! 私、もう帰るからっ!」
魔女「えっ、あのっ、ちょっとした冗談で、その……」
少女「えへへ、なんちゃって♪ 冗談よ♪」
魔女「なぁっ……!?」
少女「お返しですー。でも、たしかにかわいい反応ね……。私もクセになりそう……」
魔女「こ、小娘ぇ……!」
少女「ふふーん、やめてほしかったらね、言うことを聞いてもらうわよ」
魔女「……言ってみよ」
少女「小娘じゃなくて、名前で呼んで?」
魔女「む……。な、名前で……?」モジモジ
少女「私もあなたのこと、名前で呼んでもいいかしら?」
魔女「では……お互い名前で呼ぶことにしようかの……?」チラッチラッ
少女「うん♪ えへへ……私の名前、呼んでみて?」
魔女「あぅ……。で、ではいくぞ……?すー……はー……」
少女「……」ニコニコ
魔女「──」
おしまい
引用元: ・少女「魔女! 今日こそ倒してやるわ! 覚悟しなさい!」 魔女「どうじゃ小娘? 今日は茶でも飲まんか? お菓子もあるぞ?」
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