1: 名無しで叶える物語◆hO1IjFTV★ 2025/03/25(火) 20:00:00 ID:???00
せつ菜「もし私が侑さんのことを好きだって言ったら、どう思いますか?」

侑「うん? 私もせつ菜ちゃんのこと、好きだよ!」

せつ菜「いえっ、その……恋愛対象としての好き……と言いますか……」

侑「……へ?」

せつ菜「もしも! もしものお話ですから!!」

侑「う、うん! もしも……ね。なるほど……」

せつ菜「それで……どうなんですか?」

侑「どうって……?」

せつ菜「私が侑さんのことを好きだったら……イヤ、ですか?」

侑「まさか! 嬉しいよ、すごく……」

2: 名無しで叶える物語◆hO1IjFTV★ 2025/03/25(火) 20:02:00 ID:???00
せつ菜「……! そ、そうですか! まああくまでもしものお話なんですが!!」

侑「そうだねっ。もしも、もしもだからね!」

せつ菜「嬉しい、ですか……ふふっ、そうなんですね……」

侑「…………」

せつ菜「ではそれを踏まえて……もし私が侑さんとお付き合いしたいと言ったら……」

侑「!」ゴクッ

せつ菜「どう、しますか……?」

侑「えっと……確認、なんだけど……付き合うっていうのは、その……」

せつ菜「はい……」

侑「いわゆる恋人同士になるってこと、なのかな……?」

3: 名無しで叶える物語◆m8n4WBu5★ 2025/03/25(火) 20:03:28 ID:???00
ゆうせつきたああああああああ

4: 名無しで叶える物語◆hO1IjFTV★ 2025/03/25(火) 20:04:00 ID:???00
せつ菜「そう、ですね……そうなりますかね……」

侑「へぇぇ……」

せつ菜「どうですか……?」

侑「いいんじゃないかな……せつ菜ちゃんと恋人……いいかも……」

せつ菜「いい、ですか……! もしものお話ですが! “いい”んですか!!」

侑「そう思うよ……もしもの話だけどね!」

せつ菜「その……もし私たちが恋人同士になったら、同好会の皆さんには話したほうがいいんでしょうか……?」

侑「どうかな……ふたりだけの秘密にするっていうのもアリだと思うけど……」

せつ菜「わかります! みんなに内緒で付き合うのって、ドキドキしそうですよね!!」

侑「うんうん! そのドキドキがさらにふたりの距離を近づけるっていうか……」

せつ菜「より燃え上がるに違いありません!」

5: 名無しで叶える物語◆hO1IjFTV★ 2025/03/25(火) 20:06:00 ID:???00
侑「ね! みんなが帰ったあとの部室でふたりきりになって……」

せつ菜「少しずつ私たちの顔が近づいて……そこで忘れ物をした誰かが戻ってくるんです!」

侑「で、私たちは慌ててごまかすんだよね! よくわかんない言い訳してさ!」

せつ菜「はいっ! 疑われていることに気付きつつも、なんでもないふりをするんですよ!!」

侑「で、結局そのまま帰るんだけど、自分の部屋で『あのとき誰も戻ってこなかったら……』って悶々とするんだよ!」

せつ菜「……ま、まあ? もしものお話なんですけどね!」

侑「だね! もしも、だからね!」

せつ菜「で、ではその……もし私が侑さんと……キス……したいと言ったら……」

侑「!?」

せつ菜「侑さんは……応えてくれますか……?」

6: 名無しで叶える物語◆hO1IjFTV★ 2025/03/25(火) 20:08:00 ID:???00
侑「そう、だね……せつ菜ちゃんとだったら、してみたい……かも」

せつ菜「!!!! 侑さん! じゃ、じゃあ早速――」

侑「ダメだよ! もしもの話、なんだから……」

せつ菜「あ……そうでしたね……もしも、ですもんね……」

侑「うん……」

せつ菜「…………」

侑「…………」

せつ菜「……もし私が、卒業したらお部屋を借りて侑さんとふたりで暮らしたいって言ったら、どうしますか?」

侑「それって……同棲するってこと?」

せつ菜「そういう言い方をしても差し支えはないと思います……」

7: 名無しで叶える物語◆hO1IjFTV★ 2025/03/25(火) 20:10:00 ID:???00
侑「そっか……せつ菜ちゃんと……いいと思う。うん、すごくいい」

せつ菜「よかった……侑さんもそう思ってくれるんですね!」

侑「そりゃせつ菜ちゃんとって考えたら、ね……」

せつ菜「つまり私だからってことですか? もし私以外の誰かとだったら、違う答えになると……?」

侑「えぇと……どうかな……」

せつ菜「むぅ……そこはちゃんと『私だからいい』って言ってくれなきゃ、ヤダ……」

侑「ごめん、ちょっと照れくさくなっちゃって……もちろんせつ菜ちゃんだから、だよ?」

せつ菜「……! 侑さんっ……えへへ……」

侑「っ……///」

せつ菜「なら……侑さん。もし私がいつまでも侑さんと一緒にいたいと言ったら……?」

8: 名無しで叶える物語◆m8n4WBu5★ 2025/03/25(火) 20:11:11 ID:???00
侑ちゃん!

9: 名無しで叶える物語◆hO1IjFTV★ 2025/03/25(火) 20:12:00 ID:???00
侑「うん。一緒にいよう、せつ菜ちゃん。おばあちゃんになっても、ずっと」

せつ菜「……本気にしちゃいますよ?」

侑「いいよ。きっと私は……せつ菜ちゃんとおんなじ気持ちだから」

せつ菜「……も、もうっ! もしもの話だからって、そんなこと……」

侑「もしもじゃなくても私の答えは変わらないよ」

せつ菜「侑さん……」

侑「私……せつ菜ちゃんのことが好きなんだ」

せつ菜「……嬉しい。侑さんにそう言ってもらえるなんて」

侑「せつ菜ちゃん……」

せつ菜「もしも……もしもこれが……」

10: 名無しで叶える物語◆hO1IjFTV★ 2025/03/25(火) 20:14:00 ID:???00
せつ菜「夢じゃなかったら、よかったのにな……」

侑「えっ?」

――――――

――――

――

侑の部屋

侑「……ん」

侑「あれ……私いつの間に眠って……」

侑(せつ菜ちゃん……)

侑「……『今、なにしてるの?』っと」ポチポチ

11: 名無しで叶える物語◆VOVeqW8s★ 2025/03/25(火) 20:14:07 ID:???Sd
ゆうせつは健康に良い

12: 名無しで叶える物語◆hO1IjFTV★ 2025/03/25(火) 20:16:00 ID:???00
侑「…………」

侑「おかしいな。既読がつかない……」

侑「もしかしたら私みたいに居眠りしてるのかも。なら電話を……」ポチポチ

プルルルル……プルルルル……

侑「……出ない」

侑(夢の中のせつ菜ちゃんは、どうしてあんな顔をしてたんだろう)

侑(なんでかわからないけど、さっき見た夢は普通じゃなかった気がする……)

侑「せつ菜ちゃんに、なにかあったんじゃ……」

侑「っ!」バッ

13: 名無しで叶える物語◆hO1IjFTV★ 2025/03/25(火) 20:18:00 ID:???00
せつ菜の部屋

ドタドタドタ……ガチャッ!

侑「せつ菜ちゃんっ!!」

せつ菜「ひゃあっ! ゆ、侑さん!?」

侑「せつ菜ちゃん、無事でよかった……!」ギュウゥゥ

せつ菜「あ、あのあの、えっと……///」

侑「はっ! ご、ごめん!」パッ

せつ菜「いえ……侑さん、なにかあったんですか?」

侑「せつ菜ちゃんが電話に出ないから、心配になって……」

14: 名無しで叶える物語◆hO1IjFTV★ 2025/03/25(火) 20:20:00 ID:???00
せつ菜「ええっ!? それでわざわざ家まで来たんですか……?」

侑「うん……変、だよね。冷静に考えたら……」

せつ菜「その……」

侑「ううっ、なんかすごく恥ずかしくなってきたかも……」

せつ菜「すみません! 私が電話もメッセージも無視したせいで……」

侑「無視……? ってことは気づいてたってこと?」

せつ菜「そうですね……」

侑「もしかして私、せつ菜ちゃんを怒らせるようなことしちゃった……?」

せつ菜「違います! 怒っていたわけではないんです……」

15: 名無しで叶える物語◆hO1IjFTV★ 2025/03/25(火) 20:22:00 ID:???00
侑「じゃあなんで無視なんて……」

せつ菜「実は侑さんから連絡が来る前に、少し居眠りをしていまして……」

せつ菜「詳しくは言えませんが、その時に見た夢のせいで侑さんとは話しづらかったんです……」

侑「夢……? それって、私が出てくる夢?」

せつ菜「まあ……はい……」

侑「まさかその夢の中で、もしもの話をしたりとか……」

せつ菜「ど、どうしてわかるんですか!?」

侑「……信じられないかもしれないけど、私も同じ夢を見たんだ」

せつ菜「…………」

侑「…………」

16: 名無しで叶える物語◆hO1IjFTV★ 2025/03/25(火) 20:24:03 ID:???00
せつ菜「だとしたら、恥ずかしくてもう侑さんの顔を見られません……!」

侑「き、気にすることないよ! 夢の中のことなんだし……」

せつ菜「これじゃ現実と同じことですよっ!」

侑「そうかもしれないけど……」

せつ菜「うぅぅ……」

侑「……ねぇ、せつ菜ちゃん」

せつ菜「……なんですか?」

侑「私、今からせつ菜ちゃんと話がしたいな」

17: 名無しで叶える物語◆hO1IjFTV★ 2025/03/25(火) 20:26:00 ID:???00
せつ菜「えっ……?」

侑「今度はもしもじゃない話を……ダメ?」

せつ菜「……ダメじゃ、ないです」

侑「よかった。じゃあせつ菜ちゃんから始めてよ」

せつ菜「……わかり、ました。では……侑さん」

侑「なに?」

せつ菜「私は……侑さんのことが好きです。侑さんは、どうですか……?」

侑「うん。私もせつ菜ちゃんのことが――」

おしまい

引用元: せつ菜「もしも私と侑さんが……」