0001以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2011/07/04(月) 23:02:43.42ID:I8tye0wY0
男「そんなにストレートに言われるなんてね。あと何、それを言うためだけに話しかけてきたの。そんな周知の事実を」
女「いや、君とは話してみたかったんだよね。デブなのに暗くないし」
男「デブが暗いって言うのは偏見だ」
女「ふぅん。でも弱そう」
男「全く、人を見た目で判断する奴らは」
女「へぇ、じゃあ強いの?」
男「弱くはない」
女「結構な自信だね、証明してみてよ。」
男「高飛車な奴だ。いいさ、付き合ってやる。何をすれば認めてもらえるんだろうね」
女「んん、そうだね」
男「勿体振るな」
女「お姫様抱っこ」
男「はぁ・・・・・・・・馬鹿にしてるのか」
0003以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2011/07/04(月) 23:07:40.35ID:I8tye0wY0
女「馬鹿になんてしてないよ」
男「どうせそれでセクハラとか言って、お前らは俺をバカ煮するんだろう?」
女「そんな事しないよ」
男「というより、手っ取り早く測定器で測ればいいだろう」
女「そんなの無いし」
男「だからお姫様抱っこ?」
女「そう。」
男「そこのブロック持ってみて、とか、缶でも握りつぶしてとか」
女「君って なの? 女の子の身体、触りたくないの?」
男「はぁ」
女「そんな溜息ばっかり」
男「俺みたいなデブに抱かれたいの? お前こそB専なの?」
女「なんでそんなに用心深いかな」
男「用心深くなるような経験があるからだよ」
0007以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2011/07/04(月) 23:12:32.53ID:I8tye0wY0
女「へぇ。デブで弄られたんだ」
男「本当にオブラートに包むことを全くしない奴だな。そうだよ。その通りだ。まあ見た目と違うことを認識したら態度は180度変わったけどな」
女「何? 武勇伝?」
男「全く、可愛げのない」
女「君こそ、格好良さ気のない」
男「だからそんなのは最初から知ってる。知ってる奴にそんな事言って、何になるんだよ」
女「気分的に」
男「はぁ。もういいか。帰りたいんだけども」
女「いや、駄目。はやくお姫様抱っこしてよ。じゃないと君、私にセクハラしたってデマ流すから」
男「何でそうなる」
女「いいじゃない。ほら、お姫様抱っこしてよ」
男「ったく。なんでこう」
女「御託を並べるのは、いいから。」
男「わかった。すぐやってやる」
0009以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2011/07/04(月) 23:17:50.96ID:I8tye0wY0
男「はぁ、もうこれでいいか」
女「だめだよ。一瞬なんて。それじゃあ力がどのくらいあるか分からない」
男「続けるのは筋持久力じゃないか。俺は持久力はない」
女「へぇ、口先だけ」
男「分かりやすくバーベルとかにしてくれよ。それなら運動部のトレーニングルームに有っただろう」
女「面倒くさい」
男「お前、面倒くさいってな」
女「いいじゃない。兎に角、もう少しやってよ。満足しないよ。言いふらすよ」
男「はぁ。脅迫か」
女「脅迫じゃないよ。お願いだよ」
男「お前、脅迫もしてただろう」
女「全く。うるさいね」
男「この状況を顧みれば文句だって言いたくなる」
女「普通の人だったら喜んで飛びつくよ? むしろ私の身体とかまさぐるよ?」
男「そうされたいのか。痴女め」
0010以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2011/07/04(月) 23:22:07.39ID:I8tye0wY0
女「心外だな。私も、私の体験談を言ってるだけ」
男「はぁ、も、って何だ」
女「君も何かあって嫌だ―――って言ってたじゃない。ほら、それと似たような」
男「お前の男性経験が露呈しただけだ」
女「――男性経験、ね」
男「はぁ、お前も何か有ったのか」
女「まぁね。色々。それ以来、普通の男の子が、嫌」
男「はは、俺が普通でないと」
女「うん、デブだし」
男「思い切り罵倒してやりたい」
女「叫ぶよ?」
男「脅迫か」
女「ほら、もう一度、だっこしてよ」
男「今の話を聞いた上でか? お前は何だ、俺に恨みでもあるのか」
女「どうしてそういう結論になるかな」
0013以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2011/07/04(月) 23:30:21.33ID:I8tye0wY0
男「その恨みがましい男と俺を関連付けさせて、もうそいつの代わりに俺をボコろうと。普通じゃないから理由がないから」
女「被害妄想激しいね」
男「癖だよ。仕方ないだろう。この成だし」
女「ねぇ、ダイエットしようと思わないの?」
男「はぁ、ダイエット、ね。一番嫌いな言葉だ」
女「逃げてるだけじゃないの?」
男「なんでそこまでして体重を落とす。俺はそんな事しようと思わないね。」
女「痩せたら普通の人たちと同じようになるよ? モテるかもよ」
男「面倒くさい」
女「はぁ」
男「お前に溜息付かれても」
女「だってさ、痩せるだけで、今まで有ったような弊害がなくなるんだよ?」
男「そうだな」
女「そうだな、って」
男「実際、あんま辛くなかった」
0014以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2011/07/04(月) 23:33:31.88ID:I8tye0wY0
女「強がりね」
男「強がってるのかもね」
女「力も」
男「そっちは本当だぞ? 握力はりんご潰せるぐらいはある」
女「怪力? そっのほうが怖いかも」
男「なんならその出来の悪い頭を」
女「失礼ね。君より頭いいんだから」
男「勉強の出来なんて頭のいい悪いじゃないと思うけどね。しかしなぜ俺の成績をお前が知ってるんだよ」
女「同じクラスだし」
男「だから知ってるのか? お前は俺のストーカーか?」
女「そんなわけないでしょう」
男「そうだったら面白いのに」
女「どこがよ」
男「いや、ストーカーとか一生出会えそうにないしね」
女「へぇ」
0015以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2011/07/04(月) 23:38:21.86ID:I8tye0wY0
男「あー、もういいか。力自慢しただろ、俺」
女「握力だけじゃなー」
男「何力だったらいいんだよ」
女「重力?」
男「地球とやっておけ」
女「冗談。兎に角、ほら、お姫様抱っこ。」
男「なんでそれに拘るんだよ。気持ち悪い」
女「私の体の匂いも嗅いで良いから」
男「今まで駄目だったのか。驚きだ」
女「じゃあ胸を揉ませてあげます」
男「断る。なぜ他の男達に揉まれ揉まれた を俺が揉まねばならない」
女「言っとくけど私男性経験ないから」
男「はぁ、またそんな」
女「本当だよ? そういう風に見える?」
男「ああ。お前、見てくれは良いしな」
0018以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2011/07/04(月) 23:42:58.00ID:I8tye0wY0
女「見てくれ、は、って」
男「性格は最悪だろ。俺にデブとか言ってる時点で」
女「それは君だから言ったんだよ」
男「ほう」
女「と、にかく。私は男性経験はないの」
男「ふぅん。今さっき言葉を濁した原因、か」
女「そう。まあ理由は簡単。ああいう男、しつこいのよ」
男「へぇ。ストーカーでも遭ったのか」
女「そうよ。今まで、何人か居てね。それでも飛び切り。そんな奴が一人居たの」
男「ほう」
女「で、ね。私、その男に襲われそうになったことが有るんだよね」
男「ふぅん」
女「聞いてる?」
男「聞いてない。帰らせてくれ」
女「駄目、話を最後まで聞きなさい」
0020以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2011/07/04(月) 23:48:26.81ID:I8tye0wY0
男「・・・・・・・・・・はぁ」
女「でね、私、その時ね、もう駄目だ、って思った」
男「・・・・・・・・・そう」
女「涙がボロボロでたんだよね。口も塞がれて、もう、叫べもせずに」
男「そう、か」
女「でもね、そんな絶望の時ね。助けてくれた人がいたんだよね」
男「ふぅん」
女「かっこ良かったよ。私からその男を引き剥がした後、もうメッタメタのぼっこぼこ」
男「それは、良いのかね」
女「良いんだよ。悪人退治だし」
男「そうかい」
女「もうね、対応も迅速だった。警察も直ぐに呼んで、あっという間」
男「はぁ」
女「でも私、もう安心しちゃって、泣きまくっててね。その時のことよく覚えてないの」
女「でも、一つだけ覚えてたのはね」
0023以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2011/07/04(月) 23:53:46.41ID:I8tye0wY0
女「助けてくれた人は、太ってた、ってこと」
男「・・・・んで、それを俺に話して何の得があるのかな」
女「高校入ってね、色々噂聞いたんだよ。・・・・・・・・・ストーカーを退治した人の話とか」
男「へぇ」
女「反応はそれだけ?」
男「ああ、そうだな」
女「私、君が今年、同じクラスで凄く嬉しかったんだよね」
男「・・・・・・何でだ」
女「――――――だって、私を助けてくれた人だからね」
男「はぁ、まさかあの時の女の子がお前とはな」
女「何で? 今まで気付かなかったの? それとも・・・忘れてた?」
男「いや、覚えてる、鮮明に。 でもあの時俺も夢中だったからな。迅速な対応なんて、マニュアルに従っただけだ」
女「でも、かっこ良かったよ? あの時」
男「・・・・・・そう」
女「照れてる?」
0026以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2011/07/04(月) 23:58:58.32ID:I8tye0wY0
男「照れて、る」
女「はは、認めちゃうんだ」
男「――――――――――というより、お前は最初からわかってて話しかけてきたんだよな」
女「そうだよ。でも、私口下手というか、こういう時ってどういう事から話せばいいかわかんなくてね」
男「・・・・・だからバカなんだよ」
女「いぢわるぅ」
男「やめろ、気色悪い」
女「えー、傷付くなぁ。自信作だったのに」
男「自信作って」
女「結構色々考えたんだよ? 君と話すためのストーリー。そのなかで使う予定だった奴」
男「綿密な計画を建てられていたようで」
女「でも結局、全部おじゃんだったけどね」
男「おじゃん、って死語じゃないか・・・・?」
女「嘘、使わない?」
男「いや、聞かないな。少なくとも、学校では」
0028以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2011/07/05(火) 00:02:37.52ID:tLi0EFcz0
女「あわわ・・・・」
男「現実でそんな慌て方する奴は居ない。キャラ作りは辞めろ」
女「厳しいね」
男「お前のほうが厳しい。俺にデブって言うんだからな」
女「その・・・それは謝るよ。なんていうか、うん、言葉の故意というか」
男「故意じゃないか」
女「そうでした」
男「謝った意味が全くない」
女「そうでした」
男「―――――はぁ、お前と話すのは疲れる」
女「疲れる? 嫌だったかな・・・・」
男「すまん、照れていた。俺は、まあ楽しかった」
女「ふふ、私も楽しい」
男「楽しいのか」
女「楽しいよ?」
0032以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2011/07/05(火) 00:06:06.17ID:tLi0EFcz0
女「ねぇ」
男「ん」
女「お姫様抱っこしてよ」
男「だからこんな」
女「してよ」
男「はぁ、一回だけだぞ」
女「最低五秒」
男「わかったよ」
女「素直で宜しい」
男「じゃあ持ち上げるぞ」
女「・・・・・・・・・・・・結構高いね、やっぱり」
男「そうか?」
女「うん、私の身長より、ちょっと高い」
男「へぇ」
0034以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2011/07/05(火) 00:07:52.93ID:tLi0EFcz0
女「男くん」
男「あん? なんだ、いきなり畏まって」
女「このまま言いたいことがあります」
男「はぁ」
女「心して聞いてね?」
男「・・・・・・・・・・ああ、わかったよ」
女「好き」 チュッ
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