0001以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/03(火) 22:27:00.48ID:J81Y5PmE0
男「もしもし」

女「……」

男「あのぅ」

女「……」

0003以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/03(火) 22:28:44.21ID:J81Y5PmE0
男「あのぉ、具合でも?」

女「……」

男「救急車呼びますか?」

女「あの」


女「ワタシキレイ?」

0004以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/03(火) 22:31:07.77ID:J81Y5PmE0
男「えっ」

女「ワタシキレイ?」

男(まずいな…マスクしててよくわからないし、下手な事いうわけにもいかないし)

女「……」

男(どうしよう…おっ、いい脚)

0007以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/03(火) 22:33:09.80ID:J81Y5PmE0
女「ワタシキr」

男「いい脚しとるやないか」

女「ワタシk」

男「暗くてよく見えないが、美しいシルエットだ」

女「ワタs」

男「なるほど、着物がその脚を引き立ててるのだな」

0008以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/03(火) 22:34:32.88ID:J81Y5PmE0
男「そして小さな足、たまらない」

女「あの、顔は…」

男(…しまった!)

0009以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/03(火) 22:35:59.78ID:J81Y5PmE0
男「あ、あぁ顔ね」

女「……」

男「というか、人に聞くならせめてマスクをはずしてくれないか」

0010以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/03(火) 22:38:24.36ID:J81Y5PmE0
女「いや、それはちょっと」

男「んー、まぁ目元から相像するに中の上といったところか。でもまぁ脚がいいから上の下ともとれる」

女「顔はこんなんなのに? 脚を見るの?」

男「はっ、わかってないな」
0011以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/03(火) 22:39:09.19ID:37KQ/ZUt0
0012以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/03(火) 22:41:08.70ID:J81Y5PmE0
男「君がいっているのはにわか脚フェチのことだ。にわかは脚が好きとか言うくせにまずは女の顔をみやがる」

女「…はぁ」

男「だがね、本物は顔ではなく脚を見るのだよ」



0014以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/03(火) 22:43:43.12ID:J81Y5PmE0
男「言ってしまえば、私にとって女性の基準は顔ではなく脚だ。よって君はいい女だよ」

女「私が?」

男「……こんな夜道でうずくまっているなんて、何かあったのかい? 悩みでもあるのなら聞こう」
0015以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/03(火) 22:46:10.04ID:J81Y5PmE0
女「……」

女「この…マスクの下…」

男「ほう」

女「あなたは私をきれいって言ってくれたけど、本当はバケモノなの」

0016以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/03(火) 22:48:55.02ID:J81Y5PmE0
女「…私は人にきれいって言って欲しいだけなの…、でも、男の人はみんな顔で人を決め付けるの…」

女「あなただって、きっと私の顔を見たら恐ろしくて逃げ出すわ」

男「あぁ、結構。見せなくていいとも」

女「!?」

0019以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/03(火) 22:55:32.15ID:J81Y5PmE0
男「女性には見せたくないものがあるというのは私も良く知っている。それを見たがるのは男のクズってものだ」

男「君にとって、それはマスクの下のものなんだろ?」

女「……」

男「それに、私はあなたの正体がわかってきたよ」

女「えっ!」

男「あなたのことは昔から良く聞いていた。都市伝説にもなってるしね」

男「そんなに長い間悩んでたんだな。私の言ったことで悩みが晴れたのならうれしいよ」

0020以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/03(火) 22:58:48.44ID:J81Y5PmE0
男「私が言いたいのは、君には誇るべきものがあるということだよ」

女「……脚のこと?」

男「いいや、私に自分の晒したくないことを晒したこと」

男「……すなわち、人に相談する勇気だよ」

0022以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/03(火) 23:02:57.84ID:J81Y5PmE0
男「……さて、私もとっとと帰るとしよう。あなたも夜風に当たりすぎると風邪ひきますよ」

女「……」

男「それじゃ、あなたが幸せになりますように」

女「……あのっ!」

男「ん?」

女「今日はありがとうございました……。悩みが晴れていってすっきりしました」

男「それはなにより」

女「それから、私は都市伝説ではどのように伝えられてるのですか?」

男「んー……」

0024以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/03(火) 23:07:08.98ID:J81Y5PmE0
男「そんなこと言っては女性に失礼ですよ」

女「まぁ、でも気になります」

男「そんなこと…口が裂けても言えませんよ」

女「……」

女「くすっ」



この日を境に白い着物を着た髪の長いマスクをつけた女が姿を現すことはなかった。
この物語の女性がどのような容姿であったか…それはご相像におまかせします。

おわり

0029以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/03(火) 23:32:06.05ID:coyNYhMC0
まだ終わりじゃないぞよ
もうちっとだけ続くんじゃ

第2話 偕老石と灰色の貴婦人


男「白い着物を着た髪の長い女が座り込んでる…一体…」

男「あ、あの…」

女「…」

男「…」

女「…」




0030以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/03(火) 23:37:45.71ID:coyNYhMC0
男(いきなり着物の女の人が座っているなんて…)

男「あの…もしもし?」

女(ギロッ!)

男(うげっ、思いっきし睨まれた…!)

男(でも何というか…整った顔立ちをしているなぁ…)

女「何をジロジロ見ている!」

男「ひっ!あ、す、すいません…(なんで謝ってんだろう、俺…)」

0032以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/03(火) 23:43:23.35ID:coyNYhMC0
男(ええい、こうしていてもラチがあかない、ここは一つちゃんと話しかけてみるか…)

男「あ、あの、失礼ですが」

女(ギロッ!)

男(ひっ!)「い、一体どのような御用件でここに?」

女「…」

男(黙っちゃった…)

女「探しているのだ」

男「え?」

0033以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/03(火) 23:50:15.87ID:coyNYhMC0
女「探しているのだ」

男「???」

女「『偕老石』と『灰色の貴婦人』を…」

男「えっ」

女「だがどこにも見つからない…」

男「え? ??」

女「この空間には何か引き付けられる気配を感じて来てみたのだが…」

男「あ、あの…」

女「あの気配はまだこの場所にある…確かに感じる…」

0034以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/03(火) 23:55:34.92ID:coyNYhMC0
女「まさか…」

男「?」

女「お前がこの空間に私を引き付けたのか?」

男「??」

女「まさか、お前があの…」

ガタッ

男「うわっ!」ビクッ(い、いきなり立ち上がって俺の顔をマジマジと…)

女「ふむ…」

0035以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 00:02:39.98ID:nyGghLgj0
男「あ、あの~…い、いきなりそ、そんなに顔を近づけて見られると、その…何というか…」

女(…この空気感…間違いない…やはりこいつが…)

女「やはりお前が『灰色の貴婦人』なのだな!?探したぞ!!」

男「えええ!??」

女「頼む、私と一緒に来て欲しい」

男「!???」

0036以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 00:09:32.16ID:nyGghLgj0
ダダダダッ

『女はどこへ逃げた!?』
『確かこっちの方角に!』

女「まずい、追っ手が来る!、一緒に逃げてくれ!」

男「は、はいいい!????」

女(追っ手の声は北から聞こえてきた…)「おい男!南へ通じる出口はあるか!」

男「は、ははい裏口に!」

女「よし、一緒に逃げるんだ!死にたくなかったらな!」

男「は、はいいい!!」

0037以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 00:20:23.27ID:nyGghLgj0
男(何故だ…一体何が起こったんだ…無職童貞ニートのこの俺の身に一体何が…?)

女「この町はこのまま進むと先に何がある!?」

男(なんだこの女、この町のことを知らないのか?まあこの格好はどう見ても部外者ではあるが…)

男「ひ、広い公園があります、お、お追っ手から身を隠すには、ち、ちょうどよいかと」

女「あの場所、か…?好都合だ…よし、全力で走るぞ!」

男「あ、あの」

女「なんだ」

男「無事こ、公園に着いたら、い、色々と訊きたいことが」

女「いいだろう」

0038以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 00:31:38.44ID:nyGghLgj0
~公園~

男「ハアハア、ゼエゼエ…」

女「なんとか撒けたか…」

男「あ、あの、い、色々と訊かせて下さい…ゼエゼエ…」

男「あなたは誰なんですか!?この…この状況は何なんです!?」

女「私は『偕老石』と『灰色の貴婦人』を探して世界中を回っていた者だ。あの追っ手達もその2つを探している」

女「そしてついに『灰色の貴婦人』を見つけた…それがお前だ」

男「こ、根拠は!?大体何なんですかそれは!?」

0039以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 00:46:41.94ID:nyGghLgj0
女「この懐に入っているガラスの結晶のようなもの…我々は『レガリア』と呼んでいるが…」

女「これはセンサーやレーダーのような役割を果たし、『偕老石』もしくは『灰色の貴婦人』への方角、位置などを色の変化で伝えてくれる」

女「そして、『偕老石』もしくは『灰色の貴婦人』に接触しようとすると周りの空気は強い熱を帯び、色は琥珀色に変化する」

女「先ほどお前にレガリアを接触させようとした時に、まさにその反応が起こったのだ」

男「貴婦人…って…女の人じゃないですかそれ…何かの間違いなんじゃ…」

女「『灰色の貴婦人』とはコードネームのようなもので、女性でなければならないという決まりなどない」

男「な、なんで俺なんかが…」

0040以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 01:00:11.78ID:nyGghLgj0
男「あの…あなたは何でそんな格好を?この国の人じゃないんですか?」

女「いっぺんに説明するのは難しいな…」

女「現在、系7つの平行世界が存在するのは知っているな?」

男「…え???」

女「知らなかったのか…要するに、同時に7つの世界が存在しているということだ」

女「私は6番目の世界から来た。ここは2番目の世界だ」

0041以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 01:20:25.60ID:nyGghLgj0
女「1番目の世界から順に、白・灰・紫・橙・黄・青・赤 色の貴婦人が系7人存在している」

女「2番目の世界の貴婦人…つまり灰色の貴婦人が、お前だったというわけだ。」

女「また、それぞれの世界に『偕老石』という石が、系7つ存在している。」

女「そして、7色の貴婦人と7つの偕老石を7番目の世界の『ある場所』へ持っていき、『ある儀式』を行うと…」

女「『0番目の世界』への扉が開き…そこでは宇宙の真理をも超越した、『この世の全て』を手にすることが出来る、といわれている…」

女「そのことを知った6番目の世界のある組織が、全ての世界の貴婦人と偕老石を独占し、0番目の世界への扉を開こうと企てたわけだ。」

男「そ、そその、い、いいきなり色々、せ、説明されて、あ、あ頭がちょっと混乱して…あ、あの…その…こ、『この世の全て』って、一体なんなんですか?」

女「それは…」

0042以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 01:37:13.91ID:nyGghLgj0
女「望むもの全てが手に入る『何か』らしい…言い伝えられているのは、そこまでだ…」

男(宇宙の真理をも超越した『この世の全て』、望むもの全てが手に入る『何か』か…何だか気になるな…)

女「さて説明はこれぐらいにして、とっとと行くぞ!」

男「へ?ど、どこに?」

女「4番目の世界だ」

女「今、4番目の世界の偕老石と橙色の貴婦人が組織に狙われているとの報告があった。一緒に行くぞ!」

男「ええええええ!?」

0046以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 01:49:38.12ID:nyGghLgj0
男「こ、細かいことは置いておくとして…こ、この世界の偕老石は放置しておいていいんですか?」

女「心配するな。こっちの組織が入手済みだ。」

男「ろ、6番目の世界は、2つの組織が対立しあっているんですか?」

女「ああ、そんなところだ。支配派と強調派とで、偕老石と貴婦人の争奪戦をしている。灰色の貴婦人…お前も間に合って良かった…」

男「はあ…」

女「では行くぞ!この腕のリングを使って、平衡世界を行き来する構成動壁、「アッザ・ケイド」を発生させる!」

ヴィーン!

男「うお!(なんか、よくSFモノの映画なんかでみる、ワープゾーンのようなものが発生した…!?)」

女「では一緒に行くぞ!」

ヴォ-ン…!

0047以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 02:07:24.14ID:nyGghLgj0
~時空移送中~

男「ところで…保護された他の貴婦人達などはいるんですか?」

女「うむ。現在4人の貴婦人が保護され、6番目の世界の我々協調派の組織の施設に収容されている」

男「俺もそこに行った方がいいんじゃ…」

女「いや、それが厄介なところでな。詳しい説明は後になるが、貴婦人の協力無しでは偕老石を手にすることは出来ないのだ」

男「じゃあ今までの人に頼めば…」

女「今までの協力者だった紫色の貴婦人は、3番目の世界で負傷してしまってな。重態だ。お前に協力してもらうしかない」

男(な、なんてこった…)

0048以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 02:15:37.03ID:nyGghLgj0
女「そうだ、まだ名前をきいていなかったな」

男「ハ、ハヤトといいます」

女「ハヤトか。私は朔夜(さくや)という。よろしくな。それと敬語は使わなくていいぞ」

ハヤト「は、はい」

朔夜「ふふ。さっそく使っているぞ」

ハヤト「え?」

朔夜「ふふ…そうそう、これから行く4番目の世界はかなり厄介だぞ、覚悟しておけ」

ハヤト「え、どんなところが??」

朔夜「行ってみればわかる」

0050以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 02:23:05.80ID:nyGghLgj0
~4番目の世界~

朔夜「ふう…無事辿り着いたな」

ハヤト「結構疲れますね」

朔夜(敬語はいいと言っているのに…)「これからもっと疲れることになるかもな」

ハヤト「え?そんなに大変なんですか?この世界は?」

朔夜「ああ…なにせこの世界には女しかいないからな」

ハヤト「え??」

0051以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 02:29:48.96ID:nyGghLgj0
朔夜「もう夜か…あそこの宿に泊るとするか」

ハヤト「はい」

~宿~

女主人「いらっしゃい!あら!まあ!男の方!!」

朔夜「宿代は?」

女主人「もちろんタダで結構ですよ♪」

ハヤト(女主人メチャメチャ喜んでる…っていうかこの内装…なんか宿っていうより娼館みたいだ…)

0052以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 02:35:56.50ID:nyGghLgj0
~~~~~~~~~~~~~~~

朔夜「じゃあ私はこっちの部屋で寝るから」

ハヤト「うん。じゃあおやすみなさい」

朔夜「おやすみ」

ハヤト(朔夜さんとは部屋は別々か…ちょっと残念かも…まあ当たり前か)

コンコンッ

ハヤト「あ、入っていいですよ~(も、もしかして朔夜さん?)」

宿女「初めまして、わたくしエリザと申します。今宵はどうぞよろしく」

ハヤト「え??」

0053以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 02:43:56.96ID:nyGghLgj0
エリザ「そんなにびっくりされて…この世界のこと…知らないんですか?」

ハヤト「あ、ああ。来たばっかりなもんで」

エリザ「この世界は他の平行世界との行き来が盛んですが、女しかいません。そういう決まりなのです。子供も女の子しか産まれません」

エリザ「だから女は、あなたのような他世界からやってきた男と契りを交わし、子孫を残していくのです」

男「…」

エリザ「ご理解頂けたでしょうか。それではあらためて、今宵はどうぞよろしくお願いいたします」

男「ちょ…まっ…」

チュプッ…

男(う…吸い寄せられるような…キス…う…やばい…頭がクラクラして…ああ…)

チュパ…チュプ…

0064以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 15:40:05.48ID:HvzcHG6q0


女「トイレの天井に幼女が潜んでた」

0065以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 15:45:54.22ID:HvzcHG6q0
キィ・・・ ガチャン

女「……」

女「……」

女「……はぁ」 ゴソゴソ・・・

幼女「赤いちゃんちゃんこ着せましょか」

0066以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 15:52:06.35ID:HvzcHG6q0
女「…はっ!?」 バッ
幼女「!!」 シュバッ

女「……」

女「どーせ、どっかから見てるんでしょ?出てきなさいよ」

女「……」

女「……ふん」 カチャカチャ

幼女「赤いちゃんちゃんこ……」

女「天井かっ!」 バッ
幼女「!!」 シュバッ

0067以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 16:00:32.95ID:HvzcHG6q0
女「……」

女「居ない……そりゃそっか。私、今シカトされてるし」

女「はぁー…」 カチャ・・・

女「……」 モグモグ

女「……」 モグモグ

女「……はぁ」

幼女「……あのう」

女「……!!」 バッ
幼女「!!」 シュバッ

女「見えたっ一瞬見えた!」

0068以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 16:07:02.26ID:HvzcHG6q0
女「アンタ子供でしょ、なんで学校なんかにいるのよ」

幼女「……」

女「そんなトコで何してんのよッ」
幼女「お、お姉ちゃんこそ」

女「は?」
幼女「どうしてお弁当食べてるの」

女「…………」

幼女「ここお手洗いだよ、お弁当食べるところじゃないよ」

0069以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 16:14:38.23ID:HvzcHG6q0
女「…るっさい。居場所が無いんだよ」

幼女「お外は広いでしょ?」

女「私にとっては狭いんだよ。そーゆうアンタは?危ないから降りてきなよ」

幼女「あのね、あたしね、ここから動けないの」

女「…あー、そっか、そゆことか」

幼女「?」

女「アンタも私と一緒なんだね。いいよ、そんならそこにいなよ…でも落ちないよう気をつけなね?」

幼女「……」
女「……」 モグモグ

0070以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 16:29:44.31ID:HvzcHG6q0
幼女「赤いちゃんちゃんこ着せましょか」

女「いらない。ってか、それは駄目。危ないでしょ」

幼女「どうしてわかったの?」

女「考えなくても分かるよ、結構高さあるんだから。落ちたら怪我するでしょ」

幼女「うん」

女「降りるときは言ってね。手伝うから」

幼女「うん」
0071以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 16:43:23.68ID:HvzcHG6q0
女「……」 モグモグ
幼女「…お弁当、おいしい?」

女「……たこさんウィンナー食べる?」
幼女「いらない」

女「うん、だよね…」

幼女「ちゃんちゃんこ、いらない?」
女「はは、だからいらないったら。その気持ちだけでいいよ…あ、でもそんかし」

幼女「?」

女「降ろすのホント手伝うからさ、こうやってもう少しおしゃべりして?」

幼女「……あたし、お話するのひさしぶり」

0072以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 16:48:34.82ID:HvzcHG6q0
女「私もー。こんな風にさ、普通に話すのすっごい久しぶり」

幼女「お姉ちゃん生きてるのに?」

女「そーだよ私だって生きてるよ。なのに存在しないみたいに扱われてさ、ホントたまんない」 バクバク

幼女「ふぅん、たまんないんだね」

女「…ホントにウィンナーいらない?」
幼女「いらない」

女「えぇー、私おかずの中で一番好きなんだけどなー」 ムシャムシャ

0073以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 17:01:21.70ID:HvzcHG6q0
女「はー、おいしかった!」

幼女「おいしかったんだ…」
女「あっ」

幼女「どうしたの?」
女「え?ううん、なんでもない…」

女(…もう、もうずっと、お昼ご飯はなんの味もしなかったのに)
女「ねえ、そういえばアンタご飯は?」
幼女「ごはんいらない」

女「あはは、そんなに警戒しなくてももう無いよーだ、ほら!」
幼女「!!」 シュバッ

女「……」

0074以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 17:11:39.35ID:HvzcHG6q0
女「ねえ、私ってさ、どっか変かな?」

幼女「……」

女「前の日までは仲良く話してたんだよ。普通だったんだ。
  なのにいきなりこんなんなって……はは、意味分かんないっつーの」

幼女「……」

女「はぁー……ごめんねー、暗いよね私」

幼女「赤いちゃんちゃんこ着せましょか、着せましょか」

女「アンタも粘るね。危ないから駄目って言ったでしょ?どうしても着せたい?」
幼女「うん」

女「ならそこから降りてからね。そしたら着てあげる」

幼女「…そんなのずるいよ」

女「降りるの怖いんだね…ずるくてごめん」

0075以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 17:27:48.04ID:HvzcHG6q0
幼女「……」

女「……」

幼女「……赤いty」
女「あー!!」

幼女「っ!?」

女「こんな辛気臭くしてちゃダメダメだッ!せっかく普通に話してるんだから明るい話しよう!」

幼女「明るい話?」

女「そーだなぁ~、アンタとあいそうな話題っつったら、やっぱプリ○ュア?」

幼女「プリ○ュアってなあに?」

女「え、アンタってプリ○ュア知らないの?」

幼女「うん」

女「やだ、恥ずっ!幼女よりプリ○ュアしってる私恥ずッ!」

幼女「プリ○ュアってなあに?」

女「うー、うー、プリ○ュアってのはね、朝にやってるアニメでー……」

0077以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 17:40:35.69ID:HvzcHG6q0
・・・
幼女「――……ふぅん、うそみたい」
女「でしょ?老廃物にしか見えないんだもん。最初見たときはそりゃもうびっくりしちゃってさ」

キーンコーンカーンコーン・・・

女「…うそ、もう昼休み終わりなの?」

幼女「チャイムしたから、終わりだと思う」

女「信じらんないくらい早かったな…よしっ、そんじゃそろそろ降りよっか!」
幼女「!!!」 ヒュバッ

女「……(動きが)早いなー。そんなんじゃ私教室戻れないよー?」

幼女「今はまだいいの」

女「ま、このまま戻んなくてもいいかな……教室なんて」

幼女「……」

0078以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 17:46:24.25ID:HvzcHG6q0
幼女「あたし大丈夫」

女「えっ?」

幼女「だからお姉ちゃんは戻っていいよ」

女「で、でもさ、1人じゃ辛いでしょ…?」

幼女「ううん、大丈夫…でも降りるときは手伝ってね」

女「…分かった。放課後までには戻るから、ホント気をつけてね?
  ここのトイレ、お化け出るんだから。怖いよ~?」

幼女「うん、へいき」

0079以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 17:57:55.43ID:HvzcHG6q0
女「さて、と」 カチャカチャ

幼女「お姉ちゃん」

女「なーにー?」 ゴソゴソ

幼女「ホントに手伝ってくれる?」

女「ん、手伝うよ」

幼女「ホントのホントに、ずっとずっと後になっても、降りるの手伝ってくれる?」

女「?…あったり前じゃん」

幼女「うん」

0080以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 18:04:11.59ID:HvzcHG6q0
女「あー急いで戻らなきゃ~、授業に間に合わなかったらまた変な噂される」

幼女「お姉ちゃん」

女「んー?」

幼女「お話してくれてありがとう」

女「私も、ありがと。楽しかったよ」

幼女「ばいばい」

女「ん、またね!」


幼女「――…うんッ!」

0082以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/04(水) 18:06:14.44ID:HvzcHG6q0
おわる
なんかあがってて心臓ひゅんってなった でもありがとう