ルフィ「それにサンジその靴、天然革だろ！　ゴムゴムのぉ！」

サンジ「ちょ、まてまて」

サンジ「ほら、脱いだ。肉料理もつくらねぇ」

ルフィ「じゃ、許す」ﾆｶｯ

ルフィ「野郎ども！今日から俺たちは完全菜食主義のヴィーガン海賊団だ！」

ルフィ「肉を食ってるやつらをぶっとばすぞ！」

チョッパー「それはいい考えだな！　人間は不必要に動物を殺しすぎだ！」

ルフィ「まずはあの島だ」

ゾロ「船長命令ならしかたねぇ」

ナミ「はぁ……ま、たまにはこういうのも海賊らしくていっか」

【町】


店主「いらっしゃいませ。当店の看板メニューです」

ルフィ「んほ～～！　うまそ～～」ｸﾝｸﾝ

ルフィ「ん？　おい、この飯何入ってんだ！」

店主「え…牛肉ですけど…」

ルフィ「…ッ！」ﾌﾞﾁｯ

ルフィ「俺に肉を食わせるな！　ゴムゴムの～～斧！！」

店主「ぎゃああああ店があああ」

ゾロ「てめぇ魚屋か……隣は肉屋か」

魚屋・肉屋「は？　お買い物で？」

魚屋「みてくださいこの魚！　めちゃくちゃでかいでしょ！　俺が１時間の格闘の末つりあげたんですよ」

肉屋「このイノシシ肉は俺が山で狩った極上の獲物だ」

ゾロ「……そりゃ、痛かったろうな」

ゾロ「三刀流！ 龍・巻き！！」

魚屋・肉屋「ぎゃああああああ」

ゾロ「わかめでももらっていくか」

ナミ「店員さん、ちょっとこの服！」

服屋「はい、お気に召したでしょうか」ﾆｺﾆｺ

ナミ「動物の毛皮つかってるじゃないの！！」

服屋「はい！最高級のファーをふんだんに使用した贅沢品でざます」

ナミ「なんてことするの…この子たちがあんたたちに何したっていうのよ！」

服屋「はい？」

ナミ「この子たちは毛皮になるために生まれてきたんじゃないのよ！！」

ナミ「許さない！　トルネードテンポ」ドォン！

服屋「ぎゃあああああ」

工具屋「お求めの油性クリームはこちらでよろしいですか」

ウソップ「おぉわるいな。ん？」

ウソップ「なぁおっさん…この油性クリーム、動物性由来だよな…？」

工具屋「はい。」

工具屋「そしてこちらは馬毛をつかった高級ブラシです」ﾆｯｺﾘ

ウソップ「……。必殺！火薬星！」

ウソップ「やっぱ脂はよく燃えるな。そりゃ脂にされた動物たちの怒りの炎だ」

工具屋「ぎゃああああ」

チョッパー「おいこの医薬品」

医者「はい。我が国の自慢の医薬品になにか？」

チョッパー「これ動物実験の過程を経た製品だろ！！」

医者「え、ええ」

チョッパー「動物をなんだとおもってるんだ！」

チョッパー「人間のために必要な実験なら、最初から人間でやれ！」

チョッパー「俺がいまからお前の体に動物たちの受けた苦しみを刻んでやる！」

チョッパー「刻蹄・桜(ロゼオ)！！」

医者「ぎゃあああああああ」

靴屋「なにかお求めで？」

サンジ「あぁ、天然革じゃない合成革の靴をさがしてる」

サンジ「裸足じゃなんも出来ねぇからな」

靴屋「あいにくうちにはフェイクレザーの安物おいてないですよ」

靴屋「なんせこの国には世界一の巨大農場があって、動物由来製品には事欠かないですからねぇ」

サンジ「……なんだと？」

靴屋「見てくださいよこの薄くて丈夫でツヤのあるキップスキンの最高級革靴」

サンジ「キップ？　仔牛か」

靴屋「ええ、生後６ヶ月程度のまだ食肉として価値のない仔牛をこの靴のためだけに贅沢につかいました」

サンジ「使う…？　てめぇらのような奴がいるから、うちの船長が怒ってんだ」

サンジ「……仔牛肉(ヴォー)ショット！」

靴屋「ぎゃああああああああああ」

数時間後


ルフィ「おうお前ら、それぞれ肉食主義のやつらをぶっ飛ばしてきたか」

ゾロ「あぁ」

チョッパー「俺はこの町の医者全員ぶっとばしてきたぞ！」

ルフィ「あー腹へった。食える飯屋が全然ねぇよこの町～」

ルフィ「サンジぃ。なんか料理つくってくれ」

ウソップ「動物由来製品を一切つかわない料理なんてつくれるのか？」

サンジ「ま、そういう客にむけたメニューもバラティエじゃ提供してたし、任せておけ」

ゾロ「わかめ買ってきたぞ」

ナミ「みかんって栄養もあるし何の命もうばわないし最高♪」

サンジ「ちょっと待ってろみんなとびきりのヴィーガン料理を振る舞ってやる」

ナミ「すごーい、ヴィーガン料理なのにこんなにおいしい！　さすがサンジくん」

ルフィ「にしし、さすがうちの一流コックだ」

ルフィ「いいか野郎ども！　動物を殺さなくても人間は生きていけるんだ！」

チョッパー「ルフィの言うとおりだ！」

サンジ「ちょっと聞いてくれ。どうやらこの島には、世界的な規模の巨大農場があるらしい」

ナミ「あたしも聞いたわ。ここで動物を繁殖させて金稼ぎのための商品にしてるのよ」

チョッパー「動物たちを人間のエゴで殺戮する悪魔のような島だな！」

ルフィ「…！」ﾋﾞﾁｯ

ルフィ「おいみんな！　いますぐそいつらぶっとばしにいくぞ！」

ルフィ「俺たちの考えを世に知らしめるんだ！」

【牧場】


ルフィ「お～～なんだ！？　この草原、牛がいっぱいいるぞ」

ルフィ「にしししっ、牛の楽園かぁ？」

ルフィ「動物がひどいことされてなくて良かったじゃねぇか」

サンジ「いいや、ここがすでに農場の中だ」

サンジ「鎖をつけずに、あえて放牧をして牛にストレスをかけずに肉質を高めてるんだ」

ルフィ「放牧…？」ﾋﾟｷｯ

ルフィ「あんなに自由に楽しそうにしてる牛たちを、食えるようになったら殺すのか！」

サンジ「あぁ、このやり方こそ、この島の肉が世界一と呼ばれる所以だ」

ルフィ「サンジ。それは動物のためを思ってやってるわけじゃねぇ…」

サンジ「あぁ」ｽﾊﾟｰ

ルフィ「人間は自分たちがうんめぇ肉を食うことしか考えてねぇ！！」ドンッ

ゾロ「ちげぇねぇ」

ナミ「最低ね」

ルフィ「あの牛たちが楽しそうにしてるとは俺はおもえなくなってきた」

ルフィ「毎日少しずつ消えていく仲間をみて、きっと次は自分の番だって怯えてるはずだ！」

ルフィ「おいチョッパー、あの牛はなんて言ってる！？」

牛「モー」

チョッパー「助けて…ルフィ…！　だってよ！(号泣)」

ルフィ「あたり前だ！！！」ドンッ

ルフィ「ゾロ、サンジ。囲ってある柵を全部ぶっこわせ」

ゾロ「了解船長」ﾆﾔｯ

ルフィ「残りの俺たちは牧舎にいって経営者をぶっとばすぞ」

チョッパー「おお！　動物を苦しめるやつらを皆殺しだ！　同じ苦しみを与えてやるんだ！」

ウソップ「お、おいルフィ。警備員が１０００人くらいいるぞ」

ナミ「町で私達が暴れたのが伝わってるのね」

ルフィ「かまうもんか。突破するぞ！　ゴムゴムのガトリング！」

ルフィ「お前らぁ！動物たちを解放しろ！」

チョッパー「動物を殺すなー！」

ウソップ「ど、動物をたべるなー！」

ナミ「動物の命で製品をつくらないで！」

経営責任者「なんだね君たちは」

経営責任者「海賊風情がこの動物王国になにか？」

ルフィ「動物王国…？」ﾋﾟｷｯ

経営責任者「ここではたくさん動物たちを産み育て、加工し、世界中の人の暮らしに役立てている」

ナミ「なんでそんなことできるの。動物たちにも尊い命があるのよ！」

経営責任者「それはわかる。しかし我々は日々命に感謝しながらいきている」

経営責任者「動物たちにストレスのかからないように常に丁重に扱い」

経営責任者「屠殺するときも感謝の意を込めて安楽死を心がけている」

経営責任者「加工の際、すべてのパーツをあますことなく役立てる」

経営責任者「まさに人間と動物は夢の共存関係なのだ！」

ナミ「共存じゃないわ！　それはあなたたちの都合による一方的な命の搾取よ！」

経営責任者「餌が見つかるかもわからない天敵だらけの厳しい野生の世界とは違うのだ」

経営責任者「動物とは餌を得て、繁殖することがすべて！」

経営責任者「ここは動物にとってもすばらしい人生を送れる楽園だ」

ルフィ「うるせぇ！　動物たちはお前らに殺されるために生まれてきたわけじゃねぇ」

チョッパー「ルフィこいつは悪党だ。俺、うまく言葉にできないけどこいつは絶対悪党だから殺したほうがいい！」

ナミ「本当よ！　動物の命をうばってるだけで万死に値するわ」

ウソップ「やっちまえルフィ！」

ルフィ「こんなところがあるからいけねぇんだ。ゴムゴムのぉ～～！」

ルフィ「ストーーム！！」

こうして麦わらの一味は世界最大の農場を陥落させた。




牛「モーー」

ルフィ「お、牛ぃ！　よかったなー助かって」

牛「モーー！」

ルフィ「なんて言ってんだ？」

チョッパー「はは、『ありがとうルフィ。これで俺たち動物は忌まわしき人間共の支配から脱却できた』」

チョッパー「『世界中の仲間を救うためにもっと人間たちを殺しまわってくれ』って言ってるぞ！」

ルフィ「ほんとか！　にっしっし」

ルフィ「よしサンジ、次の航海にむけて宴の準備だ！」

ルフィ「俺たちヴィーガンの考えを世界にむけて発信するんだ！」

ルフィ「菜食王に、俺はなる！！」



ドンッ

To Be Continued