1: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)13:53:33 ID:obW
役人「なら首を切られた後目の前の石にかじりつけたら信じたるで」首ズバー

罪人「!!」ゴロゴロッ

罪人(うおお石噛む!石噛む!石噛……)

罪人「」チーン

2: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)13:54:45 ID:obW
役人のお付き「ヒエッ……役人さん大丈夫なんか?」

役人「大丈夫やで」

お付き「なんでそう思えるんや?」

役人「あいつが死ぬ時に考えてたのはワイのことやなくて石のことやからや」


ぐう有能

16: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)13:59:45 ID:obW
下男「旦那様の奥さんに惚れてしまったンゴ」

下男「旦那様殺して駆け落ちするで!」ズバー

旦那様「グエー死んだンゴ」

ヨッメ「素敵!抱いて!」

17: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:01:39 ID:obW
下男「指名手配されたから山に逃げるで」

下男「旅人殺してもの奪ったろ!」ズバー

ヨッメ「私も手伝う!」ブサー

~~~

下男「疲れたンゴ……旅人最近警戒して通らへんし、ヨッメは収穫ないとキレるし……」

ヨッメ「やっぱ山賊なんかなるんじゃなかったわ、旦那様なら綺麗な着物着せてくれたのに……」

下男「もう無理や、逃げるで」スタコラー

18: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:02:44 ID:obW
息子「パッパが山賊に殺された!?うせやろ!?」

マッマ「ほんとやぞ」

息子「ふざけんなや……殺したる」

19: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:04:09 ID:obW
数年後

息子「未だに仇は見つからんで」

ワイワイ

息子「ん?なんやあの人だかりは」

村人「おおお侍さんやんけ!お坊さんが素手でトンネル作っとるんや!」

息子「ファッ!?素手で岩山に穴開けるとか無理やん!」

坊さん「……」カーンカーン

21: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:05:36 ID:obW
息子「ワイも手伝うで」

坊さん「サンガツ!ところであんた何しにこんな田舎に来たんや」

息子「○○山で10年前に殺されたパッパの仇探しとるんや」

坊さん「……」

息子「?どうしたんや」

坊さん「……その仇、ワイや」

23: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:08:40 ID:obW
息子「ファッ!?ここであったが百年目!殺したろ!」

坊さん「殺されて当然のことをしたから抵抗はせんが、トンネル完成するまで待ってクレメンス……」

息子「ダメや殺すで」

坊さん「この岩山さえなければ村人たちは医者に行くのももっと楽になるんや!頼む!」ドゲザー

息子「……村人に罪はないし、しゃーないわ。完成したらすぐ殺すで」

坊さん「……すまん」

24: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:10:33 ID:obW
カーンカーン

息子「……まだなんか」

坊さん「いま10分の1ぐらいや」

息子「あと何年待てばええんや」

坊さん「ワイが掘り始めて5年くらいやから……45年やろか」

息子「ファッ!?待ってられんわ!もういいわワイも手伝う!」

カーンカーン

村人「……変人が増えたで」

村人「……ワイらも手伝うか?」

村人「……」

カーンカーン

村人「……手伝うか」

25: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:12:03 ID:obW
数年後

カーンカーン……

ガラッ

みんな「「!!!!」」

村人「光が見えたで!開通したんや!」

ワーッ

息子「……」

坊さん「……」

息子「……」

坊さん「……どうした、やらんのか。親の仇やぞ」

27: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:14:29 ID:obW
息子「……もういいわ。お前はようやった」

坊さん「……」

息子(……こんなヨボヨボ爺、殺せんわ)

息子「……グスッ」

坊さん「お前……泣いとるんか」グスッ

息子「お前こそ泣いとるやんけ……」

二人は幸せな握手をして終了

31: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:17:36 ID:obW
貧乏侍「菊育てたろ!」

下女「ワイの給料までつぎ込まないでクレメンス……」

貧乏侍「もとはワイの金やぞ!いやなら辞めろや!」

下男「ワイも辞めるわ」

下女「さいならー」

33: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:19:32 ID:obW
貧乏侍「クッソあいつら心が狭いねん!飯ぐらい食わんでも働けや!」トボトボ

貧乏侍「……ん?」

少年と娘「……」

貧乏侍「お前らどうしたんやぼーっと立っとって。行く当てないんか?」

少年「はい……」

貧乏侍「ならうち来てもええで、ぼろいけどな」

35: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:21:18 ID:obW
家「」ボッロオ……

貧乏侍「ここがワイの家や!離れが開いとるから住んでええで!」

少年「ボッロ!!離れの方がまだましやん!」(ありがとうございます!助かります!)

貧乏侍「いいことすると気分がええなあ。さーて菊育てたろ」

少年「……」ジーッ

36: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:24:00 ID:obW
貧乏侍「なんや、菊に興味あるんか?奥深いで」

少年「ええ……僕にも育てさせてもらえますか?」

貧乏侍「ええで!いくつかやるわ!」

少年「ありがとうございます!」


数日後

貧乏侍「そういやあいつにやった菊どうなったやろな、初心者やから枯らしとるやろか」ソーッ

少年「あ、お侍さん!菊育ってますよ!」

めちゃくちゃ見事な菊「」ドーン

貧乏侍「ほ、ほぉ~……ま、まあ初心者にしてはなかなかやん?」

38: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:25:59 ID:obW
貧乏侍「ただ一本だけきれいに育てても他を枯らしたらあかんで、ワイは寝食惜しんで菊の世話を……」

少年「あ、大丈夫です!まだ一本も枯らしてません!」

すんごく見事な菊「」ドーン
ハチャメチャに美しい菊「」デーン
凛とした姿の菊「」シャーン

貧乏侍「」

41: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:29:58 ID:obW
その晩

貧乏侍「……」

貧乏侍「だ、大丈夫やこれは素人のまぐれ当たりに過ぎないんや……」

貧乏侍「あんなド素人の作った菊、見てくれだけよくたって売れるはずあらへん……ワイの育てた菊こそ最高なんや……」


数日後

少年「あれ以来お侍さん離れの方に来ないな……」

貴族「……見慣れない顔やな。下男か?」

少年「は、はじめまして居候してます!」

貴族「はえーあいつにそんな甲斐性あったんやな……これ、君が育てた菊なんか?」

少年「あ、はい……」

貴族「ええやん、買ったろ。貧乏侍のもええけど、君の方がイキイキしとるわ」チャリチャリーン

少年「え、こんなに……ありがとうございます!」

43: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:32:22 ID:obW
貧乏侍「最近よく家に人が来るなあ。しかもみんな安いのやけど買ってってくれる」

貧乏侍「これは本格的にワイの名前が売れ始めたんやないか!?あいつにマウントとったろ!」

貧乏侍「」ソーッ


金持ち「……」

少年「……」

貧乏侍「ん?何話しとるんやあいつら。菊を見とるんか?」

金持ち「ほんならこれとこれとこれ買ってくわ。20両でええか?」

少年「ありがとうございます!」

貧乏侍「」

44: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:34:22 ID:obW
少年「こんなにお金がたまったんだからお侍さんに恩返ししないとな!僕たちの止まってる離れは改装したから家の方も改修しよう!」

少年「おーいお侍さーん……」

貧乏侍「……何しに来たんや」

少年「あの、菊が売れたお金がたまったので、お侍さんにお礼がしたくて……」

貧乏侍「は?嫌味言いに来たんかお前」

少年「えっ?」

47: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:36:11 ID:obW
貧乏侍「ワイの何倍もの値段で売れたのがそんなに嬉しいんか!それで自慢しに来たんか!性格最悪やなお前!」

少年「えっ、えっ、僕はただ拾っていただいたお礼を……」

貧乏侍「うっさいねんどっか行けや!お前の稼いだ金なんやからお前たちで使えばええやろ!」

少年「……」

少年「……ここ、置いときますね。お侍さん最近ますます痩せてるから、美味しいものでも食べてください」チャリン

48: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:37:59 ID:obW
貧乏侍「……」爪ガリガリ

貧乏侍「クソ……なんであんなド素人の菊が売れてワイの菊が売れないねん……」

貧乏侍「肥料が悪いんか……?もっと高級なの買うしかないな」

貧乏侍「……金が足らん」

貧乏侍「……飯ぐらい食わんでも何とかなるやろ……それに最近あんま腹減らんし、ちょうどええわ」

ブツブツ……

49: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:40:42 ID:obW
少年「最近お侍さんふらふらしてるよ、どうしよう姉さん」

姉「お前は近づけないから、私がこっそりお金をお財布に入れてくるわね……」

・・・

姉「……お侍さん、大丈夫ですか?」

貧乏侍「……お前もワイを笑いに来たんか?いい着物着て楽しいか?」

姉「……」

姉「……私、あなたが心配なんです。このままだと死んでしまいます」

貧乏侍「ワイみたいな役立たず、死んでもええやろ。ずっと菊に人生捧げてきたのに、ド素人に抜かれる才能無しや」

姉「そんな……」

50: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:42:07 ID:obW
姉「……帰りますね、お邪魔しちゃってすみません」

貧乏侍「…………」


・・・

少年「……今日も売れ行きは順調だ。姉さん、お侍さんは……」

姉「……」フルフル

少年「そっか……。……でも今日こそはお話しないといけないよね」

姉「……ええ」

51: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:43:42 ID:obW
少年「お邪魔します」

貧乏侍「……何しに来たんですか、先生」

少年「……」

貧乏侍「先生の作る菊は京でも評判高くって、ワイみたいなゴミと比べてウハウハで、うらやましいですわ」

少年「……今日は、お話があります」

貧乏侍「なんですか?母屋を明け渡せばいいんですか?ええええワイはあずまやがお似合いですもんね」

53: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:45:18 ID:obW
少年「姉は……あなたのお嫁さんになりたいんです。結婚していただけますか」

貧乏侍「……は?」

姉「……」ポッ

少年「姉はあなたに拾ってもらったあの時から、あなたを愛していたんです。お願いします」

貧乏侍「……どっきりか?」

姉「信じてもらえなくてもいいです。ただ、それでも私はあなたを愛しています……」

貧乏侍「……」

54: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:46:51 ID:obW
数日後

少年「晴れて夫婦になれてよかったね、姉さん」

姉「うん……でも、白無垢だとかお祝いのご飯に、不機嫌になられちゃって……」

少年「……」

少年「お侍さん、腕はすごくいいのに……ふてくされちゃってはどうしようもないよね」

姉「それでも私は、あの人についていくわ……」

56: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:48:36 ID:obW
貧乏侍「おい、おまえこっちにいてええんか」

姉「……あなたの妻なんですから、同じ家に住むのは当然です」

貧乏侍「こんなまともな畳もない家にいても体壊すで。立派な立派な離れに行けばええやろ」

姉「……」

姉「私は、何があってもあなたの味方です。それだけは忘れないで……」

57: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:50:04 ID:obW
少年「ついに、僕の菊が宮中お抱えになった」

少年「お侍さんは……姉の世話でどうにか生きてはいるが、毎日ぼんやりしてる」

少年「姉が怪我してることもあるし……本当に、大丈夫なんだろうか」

59: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:50:42 ID:obW
貧乏侍「…………」

貧乏侍「…………」

姉「……あなた、大丈夫ですか」

貧乏侍「…………」

姉「……」

63: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:53:33 ID:obW
貧乏侍「この火鉢も、畳も、布団も、全部お前の弟の金で買ったもんや。ワイは髪結いの亭主以下やな」

姉「……」

貧乏侍「ワイはずっと清貧な暮らしをしてきた。菊を育てられるだけでよかったんや。それなのにお前らが現れたせいで、ワイは菊をまっすぐ愛せなくなってもうた」

貧乏侍「お前らのせいや」

64: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:54:22 ID:obW
すまんいま改めて見返したら貧乏侍は菊を売るのを「いやしいこと」として売っとらんかったわ
脳内補完してクレメンス

66: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)14:57:21 ID:obW
貧乏侍「この前お前の弟にどうやったらそんな見事な菊が作れるんか聞いてみたら、ありきたいなことしか言わんかった」

貧乏侍「誤魔化しじゃないとしたら、あいつが天才で、ワイは凡才ってことになる」

貧乏侍「おまけにこんなことも言われたわ。『自分は菊を売らないと飢え死んでしまうから、その必死さが表れているのだろう』と」

貧乏侍「つまりワイは、菊を売るなんていやしいことをしているド素人に負けたんや」

69: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)15:00:16 ID:obW
姉「……私が、悪かったのでしょうか。あなたがそこまで清貧に誇りを抱いていることを知らなかったから」

姉「なら、この家の家財も、弟の家のものも、全部売ってしまいましょう。それでできたお金は、あなたが自由に使ってください」

貧乏侍「ワイにそんな汚れた金を使えというんか!!!!」

ガシャーン

貧乏侍「あっ……」

姉「……」ポタ……ポタ……

姉「……じゃあ、どうすればよかったのですか!」

71: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)15:03:16 ID:obW
姉「弟は毎日世話をして、苗を売って、ほうぼうに出かけて、お金を稼いでいるんです!すべて、あなたのためだけに!!」

姉「なのにあなたはそれを不浄なものだという!私たちが何をしても、何を言っても皮肉に受け取る!自分の殻に閉じこもってしまう!」

姉「もう……、もう、どうすればいいのですか……」

貧乏侍「…………」

姉「あなたと私たちは……考え方が違いすぎます……。もう、疲れました……」

72: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)15:04:01 ID:obW
貧乏侍「……っさいねん」

姉「……?」

貧乏侍「うっさいねん!!やかましいんじゃ!!嫌なら出てけばええやろ!!離婚や離婚!!!!」

74: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)15:05:49 ID:obW
貧乏侍「お前が出て行かんならワイが出てくわ!庭に小屋でも作ってそこに引っ越す!
お前はどうせワイの言うこと聞かんのやから、隙にしたらええわ!」

姉「……」

貧乏侍「死ねやボケ!!」ピシャン

77: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)15:08:42 ID:obW
その夜

貧乏侍(アカン……寒すぎるわ……し、死ぬ……)

貧乏侍(……でも、男が一度言い出したことや、後には引けん……)

貧乏侍(……ただ、ヨッメに別れるは言いすぎたか……)

貧乏侍(あいつはいい女や。ワイにはもったいないくらいの。それで、なんで素直に受け入れられないんやろ……)

貧乏侍(……)ボーッ

貧乏侍(……アカン、寒すぎて頭が働かん……、だめや……)

79: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)15:10:35 ID:obW
三日後

貧乏侍「……」ガタガタガタガタ

貧乏侍「……し、死ぬ……、ヨッメ、助けて……助けてクレメンス……」雨戸トントン

ガラッ

姉「……」

貧乏侍「……」

姉「……あなたの『清貧』はもう終わりですか。お早いお帰りですのね」

貧乏侍「……」カアアアッ

85: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)15:13:17 ID:obW
少年「あれからお侍さんは、強情をちっとも言わなくなった」

少年「僕の稼いだお金も素直に受け取ってくれるようになり、離れと母屋の断絶もなくなった」

少年「家はますます大きくなって、僕たちに商売を任せてお侍さんは近所の人と日がな一日将棋ばかり打っている」

少年「菊を育てるのもやめてしまったのは、良いことなんだろうか……」

93: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)15:17:46 ID:obW
数年後

貧乏侍「……今日はいい日やな。川辺の桜でも見に行こうや」

青年「いいですね!姉さんも行こう!」

姉「ええ!」

・・・

貧乏侍「ほらほら、お前も飲めや。もういける年やろ」

姉「……!」弟ジロッ

青年「……姉さん、もう僕だって飲んでいいでしょう。お金は十分溜まったし、僕が死んでも一生遊んで暮らせるよ」盃グイーッ

95: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)15:19:20 ID:obW
貧乏侍(なんや妙なこと言うな……。まあ、ハメ外せるんはいいことや)

貧乏侍「ええ飲みっぷりやな、もっと飲めや!」

ワイワイ

・・・

青年「うう……もう一滴ものめまへん……」グデー

貧乏侍「なんやなさけない……ん?」

青年「」シュンシュン

ドロン

貧乏侍「…………」

貧乏侍「……!?」

98: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)15:20:24 ID:obW
貧乏侍「あ、あいつ消えよった!なんなんやこの煙!着物だけ残っとるけどどこ行ったんや!」

着物ばさーっ

みずみずしい菊の苗「」シャーン

貧乏侍「……!?」

99: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)15:21:52 ID:obW
貧乏侍「こ、これ、もしかして……」

貧乏侍「あいつ……菊の精だったんか……?」

貧乏侍「……でも、そんならあんな見事な腕前にも納得するわ」

貧乏侍「そうか……そうだったんか……」

102: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)15:23:50 ID:obW
その年の秋

姉「あなた、私はお庭の野菜にお水をあげてきますね」

貧乏侍「ああ、気を付けるんやで」

姉「……」タッタッタ……

・・・

ドタドタ

姉「あ、あなた!咲きました!あの菊が!」

貧乏侍「!!ほんまか!!!」

105: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)15:25:31 ID:obW
少年だった菊「」キラキラキラ……

貧乏侍「……すごく立派やな。あいつの性格そのままや」

クンクン

貧乏侍「すこし、酒の匂いがするわ……」

107: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)15:26:15 ID:obW
これで終わりや

その後、姉は人間のままやったが一応菊の精ってことになっとるで

129: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)15:36:10 ID:obW
次書くのも太宰の短編やから暇なニキ見てってクレメンス

135: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)15:39:53 ID:obW
没落武士「アカン金少なくなってきた……おいヨッメ、兄にたかってきてや」

嫁「……」イライラ

嫁「働けや酒クズぅ!」(行ってきますね)ガラガラピシャン



嫁「……兄さん、すみません、また御用たてを……」

嫁兄「ええんやで、ワイ医者やから金あるし。それにお前の旦那バカすぎておもろいわ」

嫁「すみません……武士は食わねど高楊枝だのなんだの、本当に恥ずかしい……」

嫁兄「できたで!貧病の妙薬、金用丸、よろずによしや!」十両ポイー

 

141: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)15:43:18 ID:obW
借金取り「おい金返せやクズ!!」ドンドンドンドン

ガラッ

没落武士「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!! 」

借金取り「ヒエッ……   やんけ帰ろ」

没落武士「ふぅ……無事追い払えたで」

嫁「……(あの家に帰りたくないな……)」

 

145: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)15:45:59 ID:obW
嫁「……貰ってきたわよ」

武士「おお!十両も!!でかしたでヨッメ!!!……」

武士「……待てよ」ピクリ

武士「こんな振ってわいた幸運、このまま受け取ったらオーバーフローしてワイは死ぬんとちゃうか……?」

嫁(また変なこと言いだしたわ……)

149: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)15:48:12 ID:obW
武士「これを受け取ったらあかん!かといって捨てるわけにもいかん!
せや、もう年末やし忘年会でパーと使ったろや!」

嫁「ファッ!?」

武士「そうと決まったらトッモを集めるで!おい宴会の準備や!」

嫁「……(こいつまじで死なんかな……)」

 

159: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)15:51:32 ID:obW
武士「トッモが7人来ることになったで!掃除しろや!」

嫁「お前も働けやカスゥ!!」ドタバタ


友1「武士、きたでー」

友2「雪見酒言うから貧乏なりにおしゃれしてきたわ!」ボロッ

友3「ワイは女房の小袖借りてきたわ!これであったかいやろ!」

ワイワイ

165: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)15:53:49 ID:obW
ガヤガヤ

友5「久々の酒や……」ガタガタ

友7「何か月ぶりやろ……もう飲み方も忘れとるわ」

友4「いくら飲んでも酔わんわ……」ガバッガバッ

・・・

167: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)15:55:28 ID:obW
武士「宴もたけなわのところで、今日はみんなに見せたいものがあるんや!」

友3「なんや?」

友6「子供でもできたんか」

武士「ちゃうで、世にも珍しい貧病の妙薬や!」

十両「」ピカーッ

友2「ヒエッ……」

友7「これほんものか……?」ビクビク

170: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)15:56:53 ID:obW
友4「……も、持ってみてもええか?」オソルオソル

武士「ええんやで、みんなじっくりこの重みを味わってや!」

ワイワイ

ヤンヤヤンヤ

嫁「クッソあいつら人んちの酒をガンガンのみよって……まとめて死ねや」ドタバタ

172: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)15:59:12 ID:obW
・・・

友3「そろそろ帰らないかんわ、ほな、また……」

友たち「」帰り支度ゾロゾロ

武士「……さて、ワイも片づけんとな」

武士(いちまい、にまーい……)


・・・

武士「……アカン、九両になっとる」

176: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)16:00:47 ID:obW
武士「…………(何度数えても9枚や)」カチャカチャ

武士「…………(座布団の下や部屋の隅にもない)」バサバサ

武士「…………(トッモを疑うわけにはいかん、なかったことにするか……?)」

179: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)16:02:35 ID:obW
友7「どうしたんやバサバサと……、もしかして、無くなったんか?」

武士「ヒエッ、な、何でもないで!元から九両だったみたいや!酒で間違えとった!」

友4「いや、ワイが持った時は10枚あったで」

友2「ワイもや」

友1「十両きちんと会ったはずやぞ」

武士「………あ、ああ………」

182: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)16:04:14 ID:obW
友3「もう一度みんなで部屋の中探すで!」

友たち「……」ガサガサ
ベラリ
バサーッ

友6「……見つからんな」

友3「……どこに行ったんやろ、まさか……」チラリ

友7「!!!!」

184: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)16:05:43 ID:obW
友7「ワイはやっとらん!ほらこの通りや!」スッポンポーン

友6「ワイも!」オハダケーッ

友1「ワイもや!!!」ダツイーッ


友3「……」

友4「……友3?どうしたんや」

友3「……」一両フルフル

189: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)16:06:48 ID:obW
友3「ワイは今日たまたまこの一両を持っとったんや、誓って盗んではおらん……」

友3「でもそう信じられる話やない。盗人の汚名をかぶるくらいなら切腹するわ」

友たち「「ファッ!?」」

194: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)16:10:10 ID:obW
友6「まてや誰もお前疑っとらんから!」

友4「こんな程度で腹きるなやアホか!!」

友3「いやじゃ!罪人扱いされるくらいなら死んだ方がましや!!」

ギャーギャーワイワイ

武士「ヒエッ……どないしょ……、ん……?」

キラーン

武士「…………」オソルオソル

武士「!! みんな!行燈の下にあったわ!!!」キラーン

196: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)16:12:01 ID:obW
友2「なんや人騒がせな!」

友6「いやでも見つかってよかったわ!これで一件落着やな!」

嫁「え!!!」

武士「? ヨッメどうしたんや」

嫁「…………下げた重箱の蓋に小判あったからそれやと思ったんやが……違うんか?」

「「「「……………………」」」」

チーン

200: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)16:14:34 ID:obW
武士「……どういうことや」

友5「小判は合わせて11枚、もともとあったはずなのは十両……」

友1「もとから11枚あったんやないか?」

友7「多いに越したことないやんけ!やったな!」

友5「もう一両も武士が貰うとええで!」

ワイワイ

武士「…………」

武士「……ふざけとるなや!!!!」

友たち「「……!!??」」

203: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)16:17:02 ID:obW
武士「小判が勝手に増えるわけないやろが!お前らのうちの誰かがワイらを憐れんでおいてったんやろ!」

武士「十両も持ってるだけでワイはヒエヒエなのにこれ以上ワイを苦しめようとするんか!?」

友2「えぇ……」

武士「ワイも武士の端くれや!こんなもん受け取れん!出したぐう聖は名乗ってくれ!!」

友たち「「…………(そんな風に言われて名乗れるわけないやろ……)」」

209: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)16:19:03 ID:obW
武士「…………あくまで名乗り出る気はないんやな。わかったわ」

武士「ほんならこの小判を重箱に入れて玄関に置いとくから、出したやつはこっそり持ち帰ってくれ」

友7「……それならバレずにできるな」

友4「お前にしては名案やんけ!」

214: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)16:22:15 ID:obW
・・・

嫁「全員帰ったみたいやな……。どれ重箱は」カパッ

重箱「」カラーン

嫁「あーよかった……」ホッ

嫁「あそこで出された金を普通やったら貰うところを、プライド一つで跳ねのけるんやから、武士はすごいわ……」

武士「おーいおまえ、飲みなおすで!持ってこいや!」

嫁「はーい!」

終り

235: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)16:29:13 ID:obW
ハムスターは草

次は遠藤周作いくで

239: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)16:32:13 ID:obW
キク「ワイはキク。長崎の田舎に住んどるおてんば娘や」

ガキ「ホラ(虫を)見ろよ見ろよ」

ミツ「キャーッ」

キク「何しとんじゃぼけ!!」ゲシッ

ギャーギャーワイワイ

ガキ「女のくせに覚えてろよ!!」ボロボロ

キク「お前なんか覚える価値もないわボケ!」ボロボロ

242: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)16:34:59 ID:obW
ある日
キク「……またクソガキどもおるわ。何しとるんや」

ガキ1「木登りや!お前女やからこれは無理やろ!」

ガキ2「やーい腰抜けー!」

キク「は!?木ぐらい10本でも20本でも上ったるわ!!!」ヨジヨジ

ガキ3「ヒエッ……あんな高いところまで」

キク「どうじゃボケ!!」

ツルッ

キク「あっ……」

245: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)16:36:35 ID:obW
キク「キャーッ!!!」

ガキ1「あわわ……」

ミツ「いやーっ!!!」





キク「………………あれ?」

清吉「……大丈夫か、お嬢ちゃん」イケメーン

250: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)16:39:16 ID:obW
キク「だ、大丈夫、です、…………ありがとう」

清吉「女の子なんだから木登りなんかしたらあかんで」

キク「は、はい……」

清吉「……ほな行くわ。気を付けるんやで」

キク「……」ポーッ

253: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)16:42:07 ID:obW
キク「あのひとはどこの人なんやろ……山の方に向かってったけど」

母「キク、飯も食わんとどないしたんや」

キク「……マッマ、○○山の方に知り合い居る?」

母「…………」

キク「……マッマ?」

母「…………キク」

キク「」ビクッ

母「あっちの人間に近づいたらあかんで。絶対にな」

258: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)16:43:44 ID:obW
ミツ「うちの兄ちゃんに聞いたんやけど、あの山の向こうにはキリシタンの村があるんやって」

キク「キリシタン?ご禁制のものやんけ!」

ミツ「だから近づいたらいかんのよ、キクちゃん……」

キク「あのお兄さんがキリシタン……」

キク「…………」

259: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)16:45:14 ID:obW
数年後

母「おまえたちももういい年なんやし、奉公に行かんとな。頑張るんやで」

キク・ミツ「はーい!」

・・・

キク「念願の都会や!楽しみやなあ……」ワクワク

260: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)16:46:55 ID:obW
ガヤガヤワイワイ

キク「はえーすっごい都会……人が多すぎて何がなんやらや」

青年「……」スッ

キク「……?」

ミツ「キクちゃんどないしたんや?」

キク「……なんか、見覚えある気がしたんやけど偶然みたいや。奉公先の庄屋さんとこ行こ!」

261: 訂正 19/09/19(木)16:47:20 ID:obW
ガヤガヤワイワイ

キク「はえーすっごい都会……人が多すぎて何がなんやらや」

青年「……」スッ

キク「……?」

ミツ「キクちゃんどないしたんや?」

キク「……なんか、見覚えある気がしたんやけど気のせいみたいや。奉公先の庄屋さんとこ行こ!」

263: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)16:49:42 ID:obW
・・・

キク(来る日も来る日も雑用ばっか、飯もうまいもん食えると思ってたんに冷えた麦飯にしょぼいおかず……やる気なくすで)

??「おーい、誰かおらんのか」

キク「はーい!」

・・・

青年「これを買いたいんやけど……」

キク「…………」

青年「……どうしたんや?」

キク「……昔、ワイが木から落ちたのを助けてくれんかった?」

青年「…………」

青年「…………ああ!あのときの子供か!大きくなったな!」

264: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)16:51:12 ID:obW
青年「元気そうでよかったわ、名前なんて言うん?」

キク「き、キク……」

青年「そうか、ワイは清吉や!ここをひいきにしとるからこれからもよろしくな!」

キク「う、うん……」

265: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)16:53:13 ID:obW
数日後

ワイワイキャッキャ

キク「ほんでな、昨日おかみさんが……」

清吉「うんうん、……あ、もう行かなあかんわ、すまんな……」

キク「また来てね! ……あっ」

清吉「……どないした?」

キク「……その、清吉さん、まだキリシタンやっとるんか?」

清吉「………………」

266: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)16:54:34 ID:obW
キク「やっとるんやったらすぐやめたほうがええ、お役人に見つかったら殺されるで……」

清吉「………………」

キク「まあワイは清吉さんはそんなくだらんもんにひっかからんて信じとるから!ごめんな変なこと言って!」

清吉「………………」

268: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)16:56:21 ID:obW
清吉「…………キク、心配してくれてありがとうな。もう行くわ」

キク「ううん、ええんやで!ほなな!」

・・・

キク「……あれから清吉さんがよそよそしいんやが、なんでやろう……」

274: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)16:59:07 ID:obW
清吉「……戻ったで」

村人「……だれもつけてないか?」

清吉「大丈夫や、何回も道を曲がった」

村人「そうか……」

村人「この村を知られたら最期やからね、気を付けるんやで」

清吉「……わかっとるよ」

275: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)17:01:51 ID:obW
とある船の上

神父「……ここがナガサキか……」

神父「おそらくここに、私は骨を埋めることになるのだろう」

神父「……はたして、いまも日本人にキリシタンがいるだろうか……」

277: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)17:04:23 ID:obW
大工「ああ、ばてれんの神父さんか。教会やろ、作っといたで」

神父「おお、これは見事な……!我が国のものとはまた違うが、とても美しい……」

役人「気に入りましたか。ここが今日からあなたの教会です」

神父「ありがとうございます!」

役人「……分かってるでしょうが、わが国ではキリスト教は禁則です。外国人のための施設であることをお忘れなきよう」

バタン

神父「……」

 

280: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)17:06:24 ID:obW
神父(……ひとまず周りを散歩しよう。地理には慣れておきたい)

・・・

女「……」

子供「……」

商人「……」


神父「……やはり奇異の目で見られるか……仕方のないことだが」

282: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)17:09:55 ID:obW
数日後

神父「誰も近寄ってこない……やはりこの国にキリシタンはもう……」

ガチャン

神父「……?」

老婆「……私はキリシタンです、神父様……」

神父「……、おお……!!」

老婆「役人の目が厳しくて近づけませんでしたが、いまは油断しているようです……。よろしければ、我々の村にも来てほしい」

神父「喜んで!」

清吉「なら、長崎名物の凧揚げで合図します。こちらの凧をあげて頂ければ、危険な火は赤、安全な日は黒で答えます」

 

284: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)17:11:33 ID:obW
役人「最近はあの神父も大人しいな……動きと言えば、近隣住民との交流のために凧を覚えたくらいか」

役人「しかしあの凧は目立つな……しかも決まって神父が上げた後に……」

役人「………………」

287: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)17:14:55 ID:obW
キク(迂闊やったわ、まさか清吉さんがキリシタンだなんて……)

キク(……ここが、清吉さんが良く来る教会)

ギイイ

神父「おや……?」

キク「ひっ、が、外人……!」

神父「……あなたは、キリシタンではないのですか?」

キク「そんなわけないやろ!こんな悪いもん!」

神父「……では、なぜここに」

288: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)17:16:07 ID:obW
キク「清吉さんがここに来とるんやろ……」

神父「セイキチ……ああ、よく来ていますね」

キク「……一生のお願いや、ここで働かせてくれや!何でもする!」

神父「…………」

キク「…………」

神父「……なら、教会の掃除をお願いしましょうか」

293: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)17:19:25 ID:obW
 

ミツ「もーキクちゃんいきなり飛び出してってどこで何してるんや……、あっ」

キク「……」フキフキ

ミツ「キクちゃん!!」

キク「み、ミツ……!どうしてここにいるんや」

ミツ「こっちのセリフやわ!色々大変やったんやで!」

キク「す、すまん……。でもいま戻るわけにはいかんのや」

ミツ「…………」

294: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)17:20:48 ID:obW
神父「きょうもお疲れ様です。夕食にしましょう」

キク「……」

神父「……キクさん?」

キク「……神父様たちが良く読んどる、聖書って何が書いてあるんや」

神父「……では、食後に読んであげましょう」

295: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)17:22:26 ID:obW
・・・

キク(……いえすってひとは神様の息子で、十字架に張り付けられて死んで、三日後によみがえった……)

キク(そんなこと、あるわけないやろ……)

キク(やっぱりキリシタンはみんなキチガイや。清吉さんも洗脳されとるんや)

299: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)17:25:06 ID:obW
数日後

バタバタ

女「し、神父さん!大変や!」

キク「こ、こんな夜中にどうしたん」

女「村に役人が来て、全員連れていかれたんや!女子供も引っ立てられた!」

神父「!!!!」

301: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)17:26:45 ID:obW
キク「せ、清吉さんも……?」ガクガクブルブル

神父「……キクさん、落ち着いて。すぐに行きますから……」

無能役人「その必要はないで」

神父「!!」

304: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)17:28:53 ID:obW
無能役人「有能役人がなにやらお前を見張っとったから後をつけたら、キリシタンの村やからなあ。驚いたわ」

キク「あ、あんたが清吉さんたちを……!」

無能役人「お、お嬢ちゃんもキリシタンか?こんな美人が勿体ないなー」

神父「……その子はただの下働きです。教徒ではありません」

307: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)17:31:09 ID:obW
無能役人「……まあええわ、お前たちのおかげでワイは大出世や。サンガツな」

キク「……連れてかれた人は、どうなるんや」

無能役人「棄教すれば放免や。しなかったら殺すしかないがな」

キク「……!わ、ワイが説得してみるから、会わせてくれへんか!」

無能役人「そうしたいところやけど決まりやから、すまんな」

キク「そんな……」

 
316: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)17:35:22 ID:obW
数日後

キク(……お願いやいえす様、清吉さんを無事に帰して……!)

キク(あんた、なんでもできる神様なんやろ!?清吉さん救ってくれや!!)

神父「…………」

329: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)17:38:13 ID:obW
・・・

無能役人「……どや、やっとるか」

キク「…………」

無能役人「清吉がそんな気になるか?……教えたらんこともないんやけどなー」チラチラ

キク「……?」

無能役人「わからんか?金や金、知りたきゃ賄賂寄越すんやで」

336: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)17:42:24 ID:obW
キク「……これだけしか持っとらん」チャリチャリ

無能役人「……ふん、まあええわ。
……あいつはいま、ボロボロのせまーい檻で仲間と一緒に飢えとるで」

キク「……!」

無能役人「もう半分ぐらいは棄教するって言ったんやが、あいつはしぶとくてなあ……。餓鬼みたいに痩せても捨てとらん」

キク「そんな……そんな……」

無能役人「……清吉を助けてほしいか?」

キク「!! も、もちろん!!」

無能役人「なら、もっと金が要るなあ。そうやなー……三両くらいか」

339: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)17:43:53 ID:obW
キク「そんな金どこにもない……」

無能役人「はー、つっかえ。ほなあいつらの取り調べに戻るわ」

キク「ま、待って!必ず作るから!」

無能役人「……ふん、簡単に稼ぐ方法あるって言ったら、どうや?」

344: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)17:45:37 ID:obW
無能役人「お前、見た目はえらい整っとるからな。体売れば、三両ぐらいすぐ稼げるで」

キク「か、体……。そ、それだけは嫌や、清吉さん以外に触られるなんて無理や!」

無能役人「なら清吉は死ぬしかないで。お前のせいでな」

キク「…………」

352: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)17:47:49 ID:obW
無能役人「覚悟が決まったら、奉行所に来い。ワイは明後日まではこっちにおるから」

キク「………………」



・・・

神父「……おはようございますキクさん、朝食は……」

ガラーン

神父「……キクさん……?」

360: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)17:51:52 ID:obW
やり手婆「あんな上玉ありがとう無能役人さん。ほな紹介料」チャリンチャリン

無能役人「うまいこと仕込めたら教えてや。ワイも買いに来るから」

やり手婆「あんたも悪やねえ……」

・・・

キク「…………」

キク(ワイは、清吉さんと結婚して、子供を作って、幸せに暮らすのが夢やった)

キク(なのに、どうしてこんなことに……)

363: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)17:53:15 ID:obW
ギシッギシッ

パンパン

グチュグチュ

ガタガタッ

・・・

366: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)17:54:56 ID:obW
キク(痛い。痛い。痛い。痛い)ボーッ

遊女「何ボーっとしとるんよ、今晩も客来るんやで」

キク「…………はい」

遊女「……そうそう、昨日のごっつい外人さん、あんたのこと気に入ったんやって。また来る言うてたわ」

キク「…………」

369: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)17:57:04 ID:obW
それから数か月

無能役人「キク、きたで。金はあるか?」

キク「…………」ソッ

無能役人「へっへっへ……確かに貰ったで、よかったなあ清吉はお前の金でうまいものが食えてるで」

キク「…………」

無能役人「なんか言えや辛気臭い。人形抱いても面白くないわ」ドサッ

キク「…………」

無能役人「…………チッ、金は払ってるんや、やらせてもらうぞ」

・・・

372: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)17:58:47 ID:obW
キク(最近体がおかしい)

キク(すぐ咳き込むし、血も出てきよる)

キク(外人さんのまらはでかいし、乱暴やけど、金はあるから受け入れるしかできん)

キク(………………だれか、たすけて……)

381: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)18:01:03 ID:obW
フラ……フラ……

ギイイ

ガチャン

キク(…………)

キク(数か月前とおんなじや。……すこし、埃っぽいな)

フラ……

キク(マリア様。綺麗な顔しとるわ。ワイの気持ちも知らんと)

キク(………………)ポロ……

キク「…………ッ」ボロボロボロッ

383: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)18:02:30 ID:obW
キク「なんで、なんであんたは綺麗なままでいられるんや」

キク「ワイは好きな男まもるために好きでもない男にさんざん嬲られて、汚くなった」

キク「あんたは処女のまんまでいえす様産んだんやろ? ワイの苦しみのちょっとも味合わないで」

キク「だから綺麗でいられるんか?ワイは……汚いんか?」

391: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)18:04:47 ID:obW
キク「あんたはずるい」

キク「清吉さんはワイがどんなに頑張ってもこっちを見てくれんかったのに、あんたは清吉さんに愛されとる」

キク「おかしいやろ!絶対おかしいわ!!!」

マリア「…………」

シーン

キク「…………」

キク「………………」

フラ……フラ……


キイイ……

ガチャン

392: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)18:06:10 ID:obW
キク(……)

ユサユサ

キク(……もう……何も考えたくない)

ギシッギシッ

キク(………………ああ、また、吐きそうや……)

・・・

396: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)18:07:51 ID:obW
・・

無能役人「……あれ、今日はキクはおらんのか」

やり手婆「ああ、あの子なら結核になったから追い出したで。迷惑なんよほんまに……」

無能役人「…………」

無能役人「……そうなんか」

・・・

405: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)18:10:42 ID:obW
数年後

清吉(ワイは、結局キリスト教を捨てた)

清吉(三年ほど耐えたが、結局死ぬほどの覚悟はなかった)

清吉(釈放されてからは農村に居つき、妻と子供を抱えた)

清吉(……そういえば、キクはどうしてるんやろか)

411: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)18:12:11 ID:obW
無能役人「……お、お前、清吉か」

清吉「……、!!い、今更何しに来たんや」

無能役人「…………普通に元気そうやな」

清吉「…………用があるなら、話せや」

無能役人「…………」

413: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)18:13:33 ID:obW
無能役人「キクがどうなったか、知りたくないか」

清吉「……!おまえ、キクを知っとるんか?」

無能役人「……ついてこい」

清吉「………………」


嫁「あんたー、どうしたの」

清吉「……すまん、ちょっと用事や」

嫁「……暗くなる前に帰るんだよ」

420: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)18:14:46 ID:obW
・・・

無能役人「ここや」

清吉「…………」

無能役人「この石の下に、キクは眠っとる」

清吉「…………」

無能役人「……悲しまないんやな」

清吉「……病気、なんやろ?しゃーないわ」

無能役人「…………」

422: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)18:15:51 ID:obW
無能役人「……キクは、お前のために死んだ」

清吉「……?」

無能役人「俺が、お前を助けてやる代わりに金をよこせと言ったんや。キクはお前に惚れていた。そして稼ぐために遊女になった」

清吉「…………」

清吉「……え?」

426: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)18:17:27 ID:obW
清吉「でもワイはなにもされた覚えがないんやが」

無能役人「………………」

清吉「……答えろや」

無能役人「…………キクは、お前のために何十両も稼いだ。それを俺は……飲み代に使った」

清吉「…………は?」

436: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)18:20:05 ID:obW
無能役人「お前のために字を覚えて、手紙も書いた。それは俺が捨てた。食事代も、布団代も、全部ワイが飲んで使った」

無能役人「キクはそんなことも知らんといろんな男に抱かれて、結核になって見捨てられ、行き倒れて死んだんや」

清吉「…………」

清吉「……ワ、ワイは……キクからずっと何もないから、普通に結婚してると思って……」

無能役人「……あいつ、俺に抱かれる時もずっと目をつぶってたんや。最初に抱いたときはずっと、「清吉さん、清吉さん」って呟いとった」

439: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)18:21:13 ID:obW
清吉「……なんで」

清吉「なんで、そんな話を」

清吉「いまごろ……いまごろになって言うんや」

無能役人「…………」

無能役人「…………俺は、キクに惚れていた」

444: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)18:23:33 ID:obW
無能役人「一目ぼれやった。せやけどキクの心にはお前がいた。
俺は年寄りだし不細工だし、性格も曲がっているから、到底かなわんと思った。だから、邪魔してやりたかった」

無能役人「でも、諦めきれんかった」

無能役人「俺は嫉妬していたんだ。お前に、そしてキクの美しさに」

448: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)18:25:17 ID:obW
無能役人「俺みたいな性根から汚いやつでは到底届かない高潔さにあこがれ、同時にむかついた」

無能役人「でもだめやったな、俺は最後までーーキクの何物にもなれなかった」

清吉「…………」

449: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)18:26:25 ID:obW
清吉(キク……)

清吉(…………)

清吉(………………)

453: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)18:28:08 ID:obW
時は戻って、キクの独白後の教会

マリア像『キクよ、お前は自分を汚いと卑下したが、それは違います』

マリア像『清吉へのお前の献身は本物です。その精神の美しさは、消して誰にも汚すことはできません』

マリア像『キク、あなたはとても奇麗なのです……』



終り

487: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)18:42:30 ID:obW
まだスレあるから吉村昭の愛国少年の話書いてくで

491: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)18:44:16 ID:obW
大本営「ギリ勝ってるで。沖縄に敵が来るから頑張るんやぞ」

愛国少年「軍服ぶかぶかやけど頑張るで!」

軍人「捕虜になるくらいなら死ぬんやで。ほな……」

愛国少年「うおおおおおお」

爆弾「ドーンw」

愛国少年「」

492: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)18:45:53 ID:obW
愛国少年「ハッここはどこや」

アメリカ人「起きたか、尋問するで」

愛国少年「!!何も言わんで」

アメリカ人「はいはいそういうのええから。基地の場所は?戦力は?」

愛国少年「どっちにしろこんな下っ端が知るわけないやろ!」

アメリカ人「ほーん、なら話したくなるまで待つわ」

愛国少年「……」

 
495: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)18:48:02 ID:obW
愛国少年「何日も食事抜かれたり寝かされなかったりしたが、話さんかったぞ……」

愛国少年「そもそもほんまに何も知らんねん……話しようがないわ……」


アメリカ人「…………」

アメリカ人「あいつほんまに何も知らんのやないか?」

アメリカ人「……これ以上は無理そうやね」

496: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)18:50:15 ID:obW
ある日

アメリカ人「外に出るんやで」

愛国少年「!!」

愛国少年(ついに殺されるんか……せめて戦死したかったンゴ……)

捕虜のおっさん「へへ、どうも……」

愛国少年「お前誰やねん」

おっさん「俺もお前と同じ捕虜や。これから生き残りに投降するよう呼び掛けにいくで」

愛国少年「はぁ!?ワイは捕虜やないわ!自決する前に気絶させられたんや!」

おっさん「……はあ」

499: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)18:53:41 ID:obW
アメリカ人「投降したら殺さない、名誉も守ると伝えてきなさい。少しでも犠牲を減らしましょう」

愛国少年(ワイは信じんで……うまいこと撒いて復帰して、今度こそ名誉の戦死を遂げるんや)

・・・

おっさん「もうすぐ日本の陣地やな」

愛国少年「……おっさんどこまでついてくるねん」

おっさん「方向が同じなんだから仕方ないやろが。……それよりお前、本気で本隊復帰する気か」

愛国少年「当たり前やろ!?ただでさえ生きて虜囚の辱めを受けたんや、そんぐらいせんと気が済まん!」

おっさん「……やめとけや、殺されるで」

愛国少年「敵と戦って死ねるんなら本望や!」

おっさん「ちゃうわ!味方に殺される言うとるんや!!」

500: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)18:56:01 ID:obW
愛国少年「はぁ!?味方がなんでそんなことするんや!おっさんキチガイか!」

おっさん「……お前はワイの娘と年が近い、無駄死にはしてほしくない」

愛国少年「……非国民の言うことなんか聞いてられんわ」

おっさん「………………」

おっさん「……わかった、説得は諦める。ただ、ワイが逃げたことは内緒にしてくれや。娘に会いたいんや……」

愛国少年「非国民がどうなろうが知らんわ!好きにせえ!」

ザッザッザ……

502: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)18:58:07 ID:obW
愛国少年「喜屋武幸平三等兵、戻りました!」

軍人「……お前、誰や」

愛国少年「お恥ずかしながら数か月前に爆発に巻き込まれ、敵の捕虜になっていた者です!今度こそ粉骨砕身頑張ります!」

軍人「…………」

503: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)18:59:29 ID:obW
軍人「…………来い」

愛国少年「はいっ!」


ザッザッ……

軍人「これで穴を掘れ」スコップー

愛国少年「穴……でありますか?」

軍人「あくしろよ!」

愛国少年「はいっ!!」

505: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)19:01:03 ID:obW
愛国少年(……塹壕やろか?でもこんなところに塹壕掘って意味あるんか……?)

ザックザック……

愛国少年「ぐ、軍曹殿、これは何のための穴でありますか……?」

軍人「……はぁ。お前の墓穴に決まっとるやろ」

愛国少年「えっ……」

506: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)19:02:38 ID:obW
軍人「捕虜になって、生きて帰った。そんなやつを見逃せるわけないやろうが」

愛国少年「で、でも自分は……大日本帝国のために尋問にも耐えて……」

軍人「手が止まっとるやろが!!!!」バシッ

愛国少年「ヒイッ……」


ザク……ザク……

509: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)19:04:43 ID:obW
軍人「……深さはこんなもんか」ポントウスラリ

愛国少年「……じっ、自分は、お国のために、」

軍人「それしか言えんのかこのサルぅ!」

愛国少年「…………」ガタガタガタガタ

軍人「よしお前ら、押さえとけよ」

兵隊1「はっ」ガシッ

兵隊2「暴れるなよ」ガシッ

510: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)19:06:16 ID:obW
愛国少年(ワイは死ぬんか)

愛国少年(なんで?何のために?)

愛国少年(死にたくない)

愛国少年(しにたくない!!!!!)


兵隊1「うわっ暴れんなやガキぃ!」バタバタ

兵隊2「ワイまで切られるやろ!!」ガシッ

軍人「ふんっ」

ズパッ

512: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)19:07:12 ID:obW
愛国少年(あ……)

愛国少年(あれは……ワイの体……?)

愛国少年(あ、つめたい、つちが、)


――――――――――

――――――――

――――――

513: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)19:07:40 ID:obW
終わりや
ちなタイトルは「敵前逃亡」なんやがこの場合の敵ってどっちなんやろなって

 
527: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)19:24:22 ID:obW
ちな上の敵前逃亡は「空白の戦記」に収録されてるやつなんやが、おんなじ巻に
仕事辞めたくてわざとミスしたらとてつもない大事になって言うに言い出せなくなったって言う胃に悪い話があるで

536: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)19:30:42 ID:obW
太宰はネカマのプロやからな
あいつの描く女言葉うますぎてキモいわ

557: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)19:45:38 ID:obW
ほなまあまあマイナーな話いくで
先に言っとくがバッドエンドやから苦手な方は逃げてな
 

565: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)19:50:44 ID:obW
歌手「ある日、一通の手紙が届いた」

歌手「差出人に心当たりはなく、ファンレターだろうかと思って開けると、そこには女性らしい文字がきれいな便せんに綴られていた」

『初めまして、いきなりお手紙を差し上げてすみません。
私は○○区に住んでいる者です。

あなたの曲を聞いて、くだらないことですが、
聞いてほしくてこの手紙を書かせていただきます。』

567: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)19:52:27 ID:obW
『私は学生時代に出会って数年間交際をした彼と、
結婚を控えておりました。

彼の実家は個人商店を営んでおり、
おじいさんは彼に後を継がせると言っていました。

私は彼の良き妻として支えたいと、思っておりました。』

569: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)19:54:28 ID:obW
『ところが先日、彼が青い顔をしていたので、
どうしたのかと尋ねると、おじいさんに
「私と結婚するならば縁を切る」と言われたというのです。

私の出身は部落で、それを知られてしまったようです』

 

573: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)19:56:08 ID:obW
『彼は私と結婚できないくらいなら、一緒に死のうとまで言ってくれました。
飛び上がりそうなほどうれしかったです。

でも、そんな彼だからこそ、幸せになってほしいんです。
私がいたら邪魔でしかないから、別れるしかありません。』

574: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)19:57:45 ID:obW
『私は彼に、自分のすべてをささげました。
彼もまた、私にたくさんのものを与えてくれました。
彼と出会えたこと、過ごした日々に、後悔は一切ありません。

かなうことなら二人で幸せになりたかったのですが、
それは今世では無理だったようです。』

575: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)19:59:20 ID:obW
『暗い手紙になってしまって、すみません。
でも、どうしても誰かに聞いてほしかったんです。
最後まで読んでくれて、ありがとうございます。』

―――

歌手「手紙に書かれた住所に行くと、そこはもうもぬけの殻だった」

歌手「彼女がどうしているかは知らない、ただ、この手紙だけが彼女を感じさせた」

576: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)19:59:55 ID:obW
すまんがこれで終わりや
曲の方もいい曲なので聞いてクレメンス
https://www.youtube.com/watch?v=Dx3yjh36e-A

584: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:04:10 ID:obW
とある山道

平安貴族「旅も疲れたわ……どっかで休みたいンゴねえ」

平安貴族「……ん?なんやあの屋敷」

平安貴族「泊めてもらえるやろか……ダメもとで行ったろ」

586: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:06:22 ID:obW
平安貴族「ごめんくださーい」

老人「どうされました」

平安貴族「旅の途中なんやけど、思ったより早く日が暮れてしまって困っとるんや……」

老人「それはお困りでしょう、どうぞお泊りください」

平安貴族「サンガツ!」

スタスタスタ……

588: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:08:14 ID:obW
平安貴族「ド田舎で野宿することになるかと思って焦ったで……」

平安貴族「まさかこんなところに豪勢な屋敷があるとは思わんかったわ、幸運やわ」

下女「お食事の用意ができましてございます」

平安貴族「おお!行くわ!」

――――――
――――
――

589: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:09:35 ID:obW
美女「まあ、あなたが旅の方ですのね。ゆっくりなさっていってください」

平安貴族「!!」

美女「私はこの屋敷の主人の娘でございます。何かありましたらお気軽にお申し付けくださいね」

平安貴族「……」ポーッ

591: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:10:25 ID:obW
・・・

平安貴族「あの娘さん美人やったな……声もきれいやし優しいし……」

平安貴族「………………」

平安貴族「……せや、  いしたろ!」

594: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:13:06 ID:obW
平安貴族「」イソイソ

コソコソ

平安貴族「ふう……ここまで誰にも会わんかったな、この先に娘さんが……」ワクワク

平安貴族「お邪魔するやでー」

美女「あら、こんな時間にどうされ……キャッ」

平安貴族「一目ぼれや!ヤらせてクレメンス!!!!!」

598: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:15:04 ID:obW
美女「お待ちになって、そんな性急な……」

平安貴族「ワイはもう夕食時からビンビンやったんや!うおおおお!!」ヒキハガシー

美女「うう……」スッポンポーン

平安貴族「あとは入れるだけやで……」ハアハア

平安貴族「……」ガサゴソ

平安貴族「……???」ガサゴソガサゴソガサゴソ

603: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:16:02 ID:obW
平安貴族「……ない」

平安貴族「……ワイの」

平安貴族「ワイの   がない……」

609: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:17:03 ID:obW
平安貴族「どういうことなんや!?股間がツルンツルンや!!!!!」

平安貴族「ない!ないンゴォオオオオオオオ!!!!!」

美女「………………」

615: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:18:19 ID:obW
美女「えっと……。どうされます?」

平安貴族「どうするもなにもするためのモノがないんや!!!!」ガサゴソガサゴソ

・・・・

平安貴族「…………どこにもあらへん……」

平安貴族「………………部屋に帰るわ」トボトボ

620: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:20:46 ID:obW
翌朝

平安貴族「まだワイの股間はつるつるや……夢やなかったんか……」

平安貴族「ワイが何をしたというんや……これからどうすればええんや……」

平安貴族「………………」ズーン

老人「だ、大丈夫でしょうか……?」

平安貴族「……」

平安貴族(   なくしたなんて言えへんで……)

老人「ええと、よかったら気晴らしに散歩でもされてはいかがでしょう。このあたりの景色は素晴らしいですよ」

623: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:22:07 ID:obW
平安貴族「………………」

平安貴族(どこにあるんやワイの息子は……見つかるまで旅なんかできへんで)


友1「お?平安貴族やんけ!お前も旅しとるんか?」

友2「奇遇やなあ」

平安貴族「友1、友2……」

624: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:23:05 ID:obW
平安貴族「実はな……」

平安貴族(いや、話してもワイがキチガイ扱いされるだけやろこんなもん……)

平安貴族(……こいつらもけしかけて実験したらええんとちゃう?)ピコーン

631: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:25:06 ID:obW
平安貴族「このすぐそばに立派な屋敷があって泊めてもらえるんや、お前らもどうや」

友たち「「おお!行くわ!」」

・・・

友1「娘さん美人過ぎやろ!あんな嫁さんほしいわ!」

友2「せやな……抜け駆け現金やで」

平安貴族(計画通り)

633: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:26:58 ID:obW
翌日

友1・2「「………………」」ズーン

平安貴族「どうしたんやお前ら、浮かない顔して」

友2「ちょっと、大事なモノをなくしたんやが……」

友1「………………うう……」メソメソ

平安貴族(よっしゃ、やっぱり娘さんを襲うと消えるんやな)ガッツポーズ

635: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:28:02 ID:obW
平安貴族(あとはどうやって探すかやが……)

メソメソ……
ズーン……

平安貴族(こいつら見てるとなんかええわって気になってくるな!出発するか!)

640: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:30:33 ID:obW
平安貴族「はよいくでお前ら!お世話になりましたー」

友1「…………」

友2「なんで見つからないんだ……」グスッ

・・・

タタタッ

老人「お待ちください!忘れものですよ!」

平安貴族「ん……?」

644: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:30:53 ID:obW
カパッ

箱「(U)(U)(U)」

650: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:32:56 ID:obW
貴族・友「「「!!!!!!!」」」

友2「こ、これワイのや……」

友1「うわああああああああムスコおおおおおおおお」

平安貴族「」オソルオソル


老人「……手元に戻られたようでよかった。ではこれで」

平安貴族「ちょいまてやなんでこれ持って……脚はっや!!!」

ピュー……

平安貴族「あっという間に見えなくなってもうた……」

651: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:33:46 ID:obW
友1「!!また   が消えた!!うわあああ!!!!」

友2「……いや落ち着け!元のポジに戻っとる!!」

平安貴族「……ワイの息子も元通りになっとる」

655: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:34:42 ID:obW
平安貴族「その後屋敷の方にもう一度引き返してみると、そこは草原やった」

平安貴族「あの屋敷と娘はなんやったんやろうか、妖か……」


終り

661: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:36:06 ID:obW
ワイもこの話はいまだに意味が分からん
ちな本来は5人が襲って5本消える話なんやが多少割愛した

705: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:49:54 ID:obW
坊さん「うおおおおおおおムラムラするンゴおおおおおおお」

坊さん「女抱きたくて頭おかしなるで……でも女人は禁制や」ウロウロ

大根「」でーん

坊さん「あ!大根やんけ!犯したろ!!」

715: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:52:36 ID:obW
坊さん「すっきりしたわ、サンキューダイコン」ポイッ

大根(穴あき)「…………」

スタスタ

・・・

下女「あ、大根だ!なんか穴あいてるけど姫様に持って帰ろ!」ヒョイッ

723: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:54:08 ID:obW
姫「はえーすっごい大きい……」

下女「じゃあ調理しちゃいますね!楽しみに待っててください!」

タッタッタ

姫「…………」

姫「夕飯まで暇やし    するか」

725: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:55:25 ID:obW
数か月後

姫「なんか気持ち悪いんやが」

下女「お医者様連れてきました!」

医者「うーん、妊娠!w」

父「ファッ!?どこの馬の骨や!!!殺すぞ!!!!」

姫「ひええ……」ガタガタ

729: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:57:13 ID:obW
姫「ワイは何もしてないで」

父「心当たり全くないんか!?」

下女「……そういえば前に穴の開いた奇妙な大根を食事に出しました」

父「大根の精か?なら安心やな」

姫「えぇ……」

733: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:58:46 ID:obW
娘「ママー」

姫「娘かわいいわ。産んでよかった」

娘「ママーお散歩―」

姫「はいはい」

・・・

姫「……ん?向こうから来るお坊さん、なんか見覚えある気が」

坊さん「…………、……?」

娘「…………」

735: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)20:59:45 ID:obW
坊さん「……もしやお嬢さん、数年前にここらで大根ひろっとらんか?」

姫「…………穴の開いたやつか?食ったで」

坊さん「えぇ……なんで食えるんやあんなもん」

737: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)21:01:02 ID:obW
・・・
下女「おかえりなさい姫様……とえ??娘様にそっくりなひと???」

坊さん「…………」

姫「……なんか娘のパパらしいわ」

下女「え???????」

741: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)21:04:04 ID:obW
姫「数年前にこの人が大根   にして、それに触った手でワイもオナったら妊娠したらしいで」

下女「えぇ……。じゃあこのひとが旦那様……??」

坊さん「……こうなったら、やめるしかないやろな。入り婿にしてクレメンス」

姫「ええで」

743: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)21:04:48 ID:obW
父「はえー   入れんでも子供ってできるんか、不思議やなあ……」

娘「ぱぱー」


終り

751: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)21:07:36 ID:obW
次芥川いくで

759: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)21:10:38 ID:obW
男「うおおおおおお!!ずっと求婚しとったやんごとなき家の娘さんを攫えたからこのまま逃げるで!!」

・・・

男「ハァ……ハァ……夜闇が深すぎて移動も一苦労やな……」

女「……ねえ、あれは何?」

男「ん? ……あれは夜露やな。雨が降った名残や」

女「……そうなの」

男(こんなことも知らんくらいの箱入りなんか……)

765: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)21:12:56 ID:obW
―――――――
―――――
―――

男「……あかん、また雨降ってきよった!走り回って体力も限界やし、どっかで休まんと……」

男「しかもこのあたり鬼がいるらしいし……」キョロキョロ

男「おっ丁度いい蔵があるやんけ!ワイが入り口守るからここで休んでてや!」

女「はい……」

ガチャン

772: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)21:14:06 ID:obW
男「朝が来ればひとまず安心や……はやく朝になれ……!!」

ーーーー

ゴトゴト

ゴトン

女「……」

女「男様?」

クルリ

773: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)21:15:42 ID:obW
鬼「いただきます」

女「あっ……」


――――――
――――
―――

ゴロゴロゴロ……
キャーッ
ビシャーン!!!

男「雷と雨酷いわ……」ブルブル

男「……ん?なんか聞こえたやろか」

……

男「……気のせいか」

774: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)21:16:40 ID:obW
翌朝

男「晴れたな!女さんいく、で……」

ガラーン

男「………………え?」

男「どこ、どこや、出てきてくれや」

男「………………女さん?」

779: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)21:18:49 ID:obW
男「ワイが……ワイが気付けんかったから……」

男「ワイは……」ググググ


男「……ワイなんか、あの時彼女が夜露を真珠に見間違えた時に、露だと教えて一緒に消えてしまえばよかったんや……」

780: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)21:19:36 ID:obW
すまんなこっちの芥川や

795: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)21:32:23 ID:obW
とある宴会場

下級役人「チッ……、あまりものもらえるんはいいけどしょぼいわ……」

下級役人「一度でいいから芋粥(当時の高級料理)腹一杯食いたいわ……」

イケメン「君は芋粥満足に食べたことないんか?」

下級役人「? ああ、イケメンか……残念ながらないで」

イケメン「ほんならうちでご馳走するで、近いうち招待するわ」

下級役人「サンガツ!(社交辞令やろうけど嬉しいわ)」

797: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)21:35:14 ID:obW
数日後
イケメン「迎えにきたで」

下級役人「ファッ!?マジやったんか」

イケメン「来る途中に汗かいたから風呂入ろうや、おごるで」

下級役人「風呂何日ぶりやろ……サンガツ!」

・・・

イケメン「ほんなら行くで、馬も用意しとるわ」

下級役人「えぇ……いいんか?」

イケメン「ワイがしたくてしてるからええんやで」イケメーン

799: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)21:37:06 ID:obW
・・・・・

テクテクテクテク

下級役人「……まだつかないんか?」

イケメン「ワイの家敦賀(福井)やからな。京都からだとそら時間かかるで」

下級役人「そんなとこまで行くんか!?不安すぎるわ」

イケメン「ワイに全部任せておけば怖いことないで」イケメーン

803: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)21:39:26 ID:obW
狐「」テクテク

イケメン「…………」ガシッ

狐「コン!?」

イケメン「おいお前、敦賀までひとっ走りしてきてうちの者に伝えてこいや」

狐「コ-ン!!」シュババッ

・・・
翌日

家の者たち「イケメン様ー」

下級役人「迎えがいるんか……なら安心やな!」

イケメン「」ニッコリ

804: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)21:40:58 ID:obW
下級役人「やっと着いた家は広いしご飯はうまいし……」

美女「下級役人さま……」

ギシギシアンアン

下級役人「女までご馳走されてもうた……」ポーッ

809: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)21:42:42 ID:obW
翌夜明け

バサバサッ
バタバタ
ドンッ

下級役人「……?何の音や……」


下男「もっと鍋もってこい!」

下女「しゃもじどこやねん!」

ワイワイ


下級役人「……芋粥、作っとる……」

812: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)21:44:51 ID:obW
ワイワイガヤガヤワイワイ

下級役人「……いや量多すぎるやろ!?何斗作るつもりやねん!」

下級役人「ちょっと状況が理解できんわ、とりあえずイケメン探さんと……」



イケメン「……下級役人殿、どないしたんや」

下級役人「……その、なんでここまでよくしてくれるんかなって……」

815: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)21:45:55 ID:obW
イケメン「………………」ジッ

下級役人「………………」


下級役人(……そうか、そういうことなんか。この人はワイを……)

825: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)21:48:45 ID:obW
下級役人(……結局ワイは、あれほど食べたかった芋粥を一杯も飲めんかった)

下級役人(イケメンの気持ちはありがたいが、ワイは受け入れられんかったからや)

827: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)21:49:04 ID:obW
すまんな気力尽きたらやめるで

831: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)21:50:32 ID:obW
気力が「尽きたら」やめるがまだ月とらんで
あと芋粥も書き切る

834: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)21:53:17 ID:obW
下級役人(気持ちを受け入れられんかったワイにも、イケメンは優しかった)

下級役人(その後一か月ぐらい滞在させてもらって、とっても楽しく過ごした)

下級役人(うだつのあがらん平凡なワイが、まさかこんな気持ちを向けられるなんて意外過ぎるわ……)

風「ピュー」

下級役人「……っくしょん!」ブルブル


終り

838: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)21:55:31 ID:obW
甘葛煎(あまずらせん)っていうツタから作ったシロップ入れた甘いスープみたいなものやね
甘葛煎は超高級品や

843: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)21:57:21 ID:obW
あと本家では「理由は不明だがめちゃくちゃ親切だった」って話なんやがここまで尽くすのホモやろって思ってこうしてるわ
あと芋粥は里芋使うから食い過ぎたらビンビンなるで

882: 名無しさん@おーぷん 19/09/19(木)22:19:39 ID:obW
書いた話は上から順に
小泉八雲の「怪談」
太宰の「清貧譚」
太宰の「貧の意地」
遠藤周作の「女の一生 キクの場合」
岡林信康の「手紙」
あと古典のなんやかんやや
 

引用元: 罪人「ワイ殺したら呪い殺したるで」役人「ほーん」