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高木さん「西片……」

西片「は、はは…………た、高木さんは東高行っても頑張ってね！オレは私立の北高でうまくやるからさ」

西片(くそ……やっぱり俺が東高なんて無理だったんだ……！からかわれる…)

高木さん「うん…………」

西片「……」

先生「じゃあ卒業式始まるから体育館前に集合急げー」

高木さん「……結局、西片負けっぱなしだったね」

西片「く……！いつか絶対に勝つから！」

高木さん「じゃあさ、高校上がっても土日とか毎週会おうよ。そこで西片のリベンジ戦をやるの」

西片「毎週…？あ、ああ！いいよ！」

高木さん「ふふ」

2年後
ﾋﾟﾛﾝ♪

西片「お、高木さんからメールだ」

『来週の土曜日、スケート行かない？』

西片「「いいよ」……っと。ってことは来週はスケート勝負かな？」

『友達も一緒でいい？きっと西片とも仲良くなれると思う。』

西片「ん？友達……？別にいいけど……」

『ありがと！じゃあ楽しみにしてるね』

西片「でも女子ばっかになったら嫌だな……オレも高尾とか連れてくか」

土曜日

西片「結局高尾はドタキャンでオレ一人……なんか緊張するぞ」

高木さん「お待たせー！」

西片「高木さん！……と、」

すみれ「久しぶりー西片くん」

俺「おーっす、初めましてー！えっと、西方…くん？」

西片(中学の時同じクラスで高木さんと一緒の高校に行った鷹川さんはわかるけど……)

俺「あ、ぼくは俺っていいます！」

西片「俺……くん？は、初めまして」

西片(男！？た、高木さんがまさか男の人を連れてくるなんて……)

西片「…………」

西片(あ！そうか、きっと鷹川さんの彼氏とかかな？)

俺「えっと、へへ、なんていうかな…」

高木さん「ふふっ」

西片「？」

俺「えーっと、あー……高木の彼氏です。よろしくな西方くん」

西片「な…………！！？」

高木さん「ごめんね西片。ほら、私たち毎週会ってるでしょ？それで彼が不安になっちゃったみたいで……私たち全然そんなんじゃないのにね」

西片「あ……え……う…うん……」

俺「んじゃー行くべ」

高木さん「ちょっとー人前でベタベタしないでって言ってるでしょー」

西片「………………」

高木さん「で、どうする？やっぱりスケート勝負？」

西片「え……うn」

俺「ちょっｗ勝負とかやめよーぜｗ皆で楽しく滑ろーやｗ」

高木さん「ふふふ、そうだね」

西片「……」

高木さん「行こっ西片！」

俺「なにボーッとしてんだ西片くん？」

西片「い、いや……」



俺「スピードアーップ！」ｼｬｰｰ

高木さん「待てー！」ｼｬｰｰ

俺「うおっ！高木速えっｗ」

西片「ちょ…わっ！」ﾂﾙｯ ｽﾃﾝ！

すみれ「あは、大丈夫？西片くん」

西片「あ……うん」

ｷｬｯｷｬｯ

すみれ「楽しそうだねー高木ちゃん達」

西片「うん……」

すみれ「私、高木ちゃんが俺くんと付き合うまでてっきり西片くんと付き合ってるのかと思ってたよ」

西片「はは……そんなわけないだろ…」

西片「あんなはしゃいでる高木さん、あんま見たことないや」

すみれ「ね！俺くんといるとずっとあんな感じなんだよ！」

西片「へｰ…………」

すみれ「でも、ここだけの話ね、中学の時は高木ちゃん西片くんのこと好きだったんだよ」

西片「ええっ！？」

すみれ「あ、ナイショね？中学の時は高木ちゃん西片くんのことばっかりで消しゴムにも西片くんの名前書いてたんだよ～」

西片「そ、そうなんだ……」

すみれ「でも今は俺くん一色って感じ。毎日惚気られる私の身にもなってほしいよ～」

西片(……くそっ！)ｼｬｰｰｰｰｰ

すみれ「あっ、ちょっと置いてかないでー」


俺「おお、西片も速え！」

高木さん「西片、運動神経はいいもんねー」

西片「俺くん、勝負だ！！」

俺「……？」

高木さん「……あはっ」

西片「…………！！」

俺「ちょっｗなにそのダル絡み～ｗ！おもれーな西片くん」

高木さん「ね！西片面白いんだよ！」

俺「おい！俺の方が面白いだろ！ｗｗ」

高木さん「どうかな～？」

俺「ちょい！ｗｗｗ」

西片「く……！！」

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俺「じゃあな！西片くん、すみれちゃん！」ﾁﾘﾝﾁﾘｰﾝ

高木さん「ばいばーい！」

すみれ「じゃあねー」

西片(結局、あの後勝負合戦になったけど……オレは俺くんに全勝、高木さんには全敗で……だけど何も変わることなく今日が終わってしまった……)

すみれ「ふふ、あの2人、いつも二人乗りなんだよー」

西片「そうなんだ……」

すみれ「じゃあね西片くん、私はこっちだから」

西片「うん、じゃあね鷹川さん」

ちー「ねーお母さん、こっちのアルバムはなにー？」

元高木さん「あ、それはダメ」

西片「ダメ？」

ちー「みちゃだめー？」

元高木さん「うん、見ないでほしいなー」

西片(きっとお母さんの恥ずかしい写真が入ってるに違いない……！お母さんの弱みを握るチャンスだ……！)

西片「まあいいじゃないか、写真なんて過去のことだし。見よう、ちー。」ﾊﾟﾗ

西片「…………！！」

ちー「あ、これおかーさん？かわいー！この男の人はだれー？」

元高木さん「それは高校の時の友達だよ」

西片(これは……高校の時お母さんと付き合ってた俺くん……！)

ちー「ふーん。おかーさんとこの人の写真しかないよ。おとーさんはー？」

元高木さん「んー？おとうさんとの思い出はこっちのアルバムにいっぱい入ってるでしょー。」

ちー「そっか！」

西片(お母さん……なんでまだこの時のアルバムを……？)

元高木さん「ごめんね。捨て時が見つからなくて……明日にでも捨ててくるよ」ﾎﾞｿｯ

西片「は、はは……昔のことじゃないか……！き、気にしてなんかないさ」

元高木さん「ふーん」

元高木さん「不安になった？」ﾆﾔﾘ

西片「う…！！」

西片(お母さんめぇ…！！さてはいつかオレをからかうために取っといたんだなぁ～！！)

元高木さん「…………」