1: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/24(火) 19:48:52.099 ID:+3pPwwNba.net
村長「このままでは村が滅びてしまう‥‥」
ある最果ての地‥‥不毛の土地があった
そこにはどこまでも続く悠久の谷‥してはさらに谷底奥深くに誰もしらない集落があった
「どうしますじゃ?」
「どうもこうも、もう滅びゆくしかない‥‥」
「こうも作物が育たないのじゃ‥‥」
村長「これも定めか‥‥」
「待ってくれ!!」
「お、おまえは‥‥」
少年「なんでなんですか?このままでは一族は滅びてしまうのに」
少年「それを受け入れろなんて」
村長「どうしようも無いのじゃ、我らは忘れられた罪人」
「もともと滅びゆくのが定めじゃて」
少年「そんな‥‥まだ小さな赤子だっているのに!」
村長「‥‥」
少年「僕は‥‥外界にでてみます」
村長「なんじゃと!?」
少年「きっと外の世界には助かる方法が残っているはずです!!」
「外は危険じゃ」
村長「外界には悪魔のような人間しかいないんだぞ」
少年「どうせ滅びてしまうなら、かけてみようと思います」
村長「そうか‥‥なら止めはせぬ‥このままでも滅ぶ身だ‥」
「少年よ‥‥」
村長「この銃をやろう、使うことはないと思っていたがお主には必要じゃろうて」
ある最果ての地‥‥不毛の土地があった
そこにはどこまでも続く悠久の谷‥してはさらに谷底奥深くに誰もしらない集落があった
「どうしますじゃ?」
「どうもこうも、もう滅びゆくしかない‥‥」
「こうも作物が育たないのじゃ‥‥」
村長「これも定めか‥‥」
「待ってくれ!!」
「お、おまえは‥‥」
少年「なんでなんですか?このままでは一族は滅びてしまうのに」
少年「それを受け入れろなんて」
村長「どうしようも無いのじゃ、我らは忘れられた罪人」
「もともと滅びゆくのが定めじゃて」
少年「そんな‥‥まだ小さな赤子だっているのに!」
村長「‥‥」
少年「僕は‥‥外界にでてみます」
村長「なんじゃと!?」
少年「きっと外の世界には助かる方法が残っているはずです!!」
「外は危険じゃ」
村長「外界には悪魔のような人間しかいないんだぞ」
少年「どうせ滅びてしまうなら、かけてみようと思います」
村長「そうか‥‥なら止めはせぬ‥このままでも滅ぶ身だ‥」
「少年よ‥‥」
村長「この銃をやろう、使うことはないと思っていたがお主には必要じゃろうて」
2: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/24(火) 19:49:44.433 ID:+3pPwwNba.net
「しかしだ、渓をどう上る?」
「数百メートルはあるんだぞ」
少年「大丈夫です‥‥」
村長「ならば村を‥‥まかせた‥‥」
少年「‥‥はい!」
少年は、一夜だけ眠ると日の出る前に旅支度を始めた。不安もあったが、村を救うためではあるが、不思議と外の世界へ出れるという好奇心と探求心の方が勝った。
村の掟で外へ出ることは許されなかったが今日、この時出られるのだ。どれだけこの時を待ちわびたことか‥‥
自然と胸が高鳴っていた。必要な物を鞄に詰め込むと足早に家をでた。空を見上げると双璧に阻まれた狭い空が見える、遠くでは夜が明けているみたいだ。
しかしこの渓谷には陽射しはまだ落ちない。きっと楽じゃないのは知っている、しかし決めたのだ、この断崖絶壁を登ると。
「何度も何度も登り続けていたんだ」
少年は五歳の時から七年に渡り登り続けては降りるということを続けていた、彼を止めていたのはおそらく掟、その一点のみだったのだろう。
「それに今日はこれがある」
手に握られていたのは無骨で片手で扱えるくらいのツルハシだった、今日のために前から用意していたものだろう。少年は少し握り直して手に馴染ませると壁に勢い良く突き刺す。
そして少しの凹凸や裂け目に手や足をかけると少しずつ登っていく、距離にして数メートルでも少年にとっては大きな前進だった。
しかし渓は過酷を極めた半日以上をかけ、中腹あたりにさしかかったとき突然訪れた。
「数百メートルはあるんだぞ」
少年「大丈夫です‥‥」
村長「ならば村を‥‥まかせた‥‥」
少年「‥‥はい!」
少年は、一夜だけ眠ると日の出る前に旅支度を始めた。不安もあったが、村を救うためではあるが、不思議と外の世界へ出れるという好奇心と探求心の方が勝った。
村の掟で外へ出ることは許されなかったが今日、この時出られるのだ。どれだけこの時を待ちわびたことか‥‥
自然と胸が高鳴っていた。必要な物を鞄に詰め込むと足早に家をでた。空を見上げると双璧に阻まれた狭い空が見える、遠くでは夜が明けているみたいだ。
しかしこの渓谷には陽射しはまだ落ちない。きっと楽じゃないのは知っている、しかし決めたのだ、この断崖絶壁を登ると。
「何度も何度も登り続けていたんだ」
少年は五歳の時から七年に渡り登り続けては降りるということを続けていた、彼を止めていたのはおそらく掟、その一点のみだったのだろう。
「それに今日はこれがある」
手に握られていたのは無骨で片手で扱えるくらいのツルハシだった、今日のために前から用意していたものだろう。少年は少し握り直して手に馴染ませると壁に勢い良く突き刺す。
そして少しの凹凸や裂け目に手や足をかけると少しずつ登っていく、距離にして数メートルでも少年にとっては大きな前進だった。
しかし渓は過酷を極めた半日以上をかけ、中腹あたりにさしかかったとき突然訪れた。
7: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/24(火) 19:50:45.727 ID:+3pPwwNba.net
ビュオオオオオオオオオオオンン
「う、うわぁぁぁぁぁッッ!?」
強烈な突風が吹き抜ける、かつてない衝撃だった
「うわぁ…!」
体が少し浮いたが、すぐにツルハシを打ち直した。あと少し風が吹いていたら奈落の底に真っ逆さまに落ちていただろう。
少年はすぐに察した、今まで登っていたのはせいぜい数十メートルだった、しかし中腹になるとここまで風が強いとは、少年は覚悟してより一層手に力を込めた。
風の吹くときはミノムシのように身を丸め、風が止まると恐る恐る登った。今までの半分の以下の早さでしか登れない、少年は焦りを見せていた。
彼は13にしては逞しい体をしていた、全身を使い7年もの間壁を登り降りを繰り返していたからだ
だが自然は厳しい、思いもよらぬ突風、まだまだ届かぬ頂上
握力はすこぶる落ちて、精神的にも限界は近かった
もうすぐ日も沈む、このままでは更に登るのは難しくなるだろう
それに夜の渓は寒い、この風にさらされ続ければてはかじかみ、ただの一歩すら登ることは叶わなくなるだろう
「たのむ、持ってくれ…僕の体…」
そのときだった、不意に切り裂くような声をあげ何かが近づいてくる
『キィィィイ!』
「なんだ!」
「う、うわぁぁぁぁぁッッ!?」
強烈な突風が吹き抜ける、かつてない衝撃だった
「うわぁ…!」
体が少し浮いたが、すぐにツルハシを打ち直した。あと少し風が吹いていたら奈落の底に真っ逆さまに落ちていただろう。
少年はすぐに察した、今まで登っていたのはせいぜい数十メートルだった、しかし中腹になるとここまで風が強いとは、少年は覚悟してより一層手に力を込めた。
風の吹くときはミノムシのように身を丸め、風が止まると恐る恐る登った。今までの半分の以下の早さでしか登れない、少年は焦りを見せていた。
彼は13にしては逞しい体をしていた、全身を使い7年もの間壁を登り降りを繰り返していたからだ
だが自然は厳しい、思いもよらぬ突風、まだまだ届かぬ頂上
握力はすこぶる落ちて、精神的にも限界は近かった
もうすぐ日も沈む、このままでは更に登るのは難しくなるだろう
それに夜の渓は寒い、この風にさらされ続ければてはかじかみ、ただの一歩すら登ることは叶わなくなるだろう
「たのむ、持ってくれ…僕の体…」
そのときだった、不意に切り裂くような声をあげ何かが近づいてくる
『キィィィイ!』
「なんだ!」
8: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/24(火) 19:51:57.970 ID:+3pPwwNba.net
それは両翼を大きく広げた怪鳥だった、たまに谷底にも死体が落ちてくることがあった。
身の丈は自分と同じくらいあるのだ、怪鳥はすぐ近くを音を立て通り過ぎると旋回てこちらに狙いを定めているようだった
「大変だ、このままじゃ確実に振り落とされてしまう…そうだ!」
少年は鞄を前に回すと中を漁る、手に取ったのは村長に貰った銃だった
「これで、やられる前にやるしかない!」
怪鳥は大きく旋回してこちらへと突撃してきた
「あたれ!」
ズドンッッ!
手に痺れるような振動が伝わり、弾が放たれるが当たらなかった
片手にはピッケル、不安定な態勢、ままならない銃さばき
当たる要素はなかった
「くっ」
少年は考える、怪鳥はすんでまで来ているのだ
「ならば」
少年は再び銃を構えると指ひとつ動かさなかった
ギリギリまで引き付けるしかない、確実に弾が当たるその瞬間まで引き付けるんだ
『キィィィイ!』
怪鳥は大きく風を切りながら一直線にめがけやってくる
少年の手はすこし震えていた、命をかけると言うことに
「まだだ、まだ待つんだ…」
少年は自分に言い聞かせる、頬を一粒の汗が滴るその時、少年は引き金を強く絞った
ズドンッッ!
『ギィエッッ』
身の丈は自分と同じくらいあるのだ、怪鳥はすぐ近くを音を立て通り過ぎると旋回てこちらに狙いを定めているようだった
「大変だ、このままじゃ確実に振り落とされてしまう…そうだ!」
少年は鞄を前に回すと中を漁る、手に取ったのは村長に貰った銃だった
「これで、やられる前にやるしかない!」
怪鳥は大きく旋回してこちらへと突撃してきた
「あたれ!」
ズドンッッ!
手に痺れるような振動が伝わり、弾が放たれるが当たらなかった
片手にはピッケル、不安定な態勢、ままならない銃さばき
当たる要素はなかった
「くっ」
少年は考える、怪鳥はすんでまで来ているのだ
「ならば」
少年は再び銃を構えると指ひとつ動かさなかった
ギリギリまで引き付けるしかない、確実に弾が当たるその瞬間まで引き付けるんだ
『キィィィイ!』
怪鳥は大きく風を切りながら一直線にめがけやってくる
少年の手はすこし震えていた、命をかけると言うことに
「まだだ、まだ待つんだ…」
少年は自分に言い聞かせる、頬を一粒の汗が滴るその時、少年は引き金を強く絞った
ズドンッッ!
『ギィエッッ』
9: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/24(火) 19:55:19.857 ID:+3pPwwNba.net
弾は怪鳥を見事に捉えた、しかし
ドンッッ
「うわぁ!」
怪鳥を引き付けすぎたか、軌道は変えたがそのまま少年のピッケル付近にぶつかり岩肌が崩された。
少年は宙に放り出され、壁から体が大きく離れた
「しまった!もう終わりだ!!」
覚悟をしたその時、大きな音と共に今日一の強い風が突き抜ける
少年は反対側の壁まで軽々と飛ばされ上も下も分からないまま祈る
出来れば左手のピッケルがどこかへ突き刺さってくれと振り回す
しかし、願いはかなわず何かにぶつかった
地面だ、もう地上まで落下したのか
いや、地面にしてはあまりにもはやい、少年は目を開ける
そこは横穴だった
「いったい…」
薄暗い横穴で目を凝らすと拳台の卵がいくつかある
「ここは怪鳥の巣なんだ、絶壁だから横穴を掘って住んでいるんだ…」
少年は心から安堵し、それと同時に目から涙がこぼれ落ちる
恐怖で体も震える、少年はまだまだ子供だ、それに死を覚悟したのだ
助かったのも奇跡としか言いようがない
「よかった、よかった…」
繰り返すように呟いた
気がつくと穴の外は真っ暗になっていた、渓に夜が訪れる
少年はランプを取り出し、なんとか火を灯した
すると急に心細くなる、少年は村長に渡されたひときれのパンと赤い果実を一つ取り出した
ドンッッ
「うわぁ!」
怪鳥を引き付けすぎたか、軌道は変えたがそのまま少年のピッケル付近にぶつかり岩肌が崩された。
少年は宙に放り出され、壁から体が大きく離れた
「しまった!もう終わりだ!!」
覚悟をしたその時、大きな音と共に今日一の強い風が突き抜ける
少年は反対側の壁まで軽々と飛ばされ上も下も分からないまま祈る
出来れば左手のピッケルがどこかへ突き刺さってくれと振り回す
しかし、願いはかなわず何かにぶつかった
地面だ、もう地上まで落下したのか
いや、地面にしてはあまりにもはやい、少年は目を開ける
そこは横穴だった
「いったい…」
薄暗い横穴で目を凝らすと拳台の卵がいくつかある
「ここは怪鳥の巣なんだ、絶壁だから横穴を掘って住んでいるんだ…」
少年は心から安堵し、それと同時に目から涙がこぼれ落ちる
恐怖で体も震える、少年はまだまだ子供だ、それに死を覚悟したのだ
助かったのも奇跡としか言いようがない
「よかった、よかった…」
繰り返すように呟いた
気がつくと穴の外は真っ暗になっていた、渓に夜が訪れる
少年はランプを取り出し、なんとか火を灯した
すると急に心細くなる、少年は村長に渡されたひときれのパンと赤い果実を一つ取り出した
11: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/24(火) 19:58:59.968 ID:+3pPwwNba.net
村に食料はほとんど残されてない、しかしわずかばかりではあるが、なんとか3食分程度の食料をくれたのだ
すこし固くなっているパンを一口頬張り、水筒の水を口に含み柔らかくする
急に帰りたくなる、自分が外界へ行かなくても他に方法があるかもしれない…など希望的観測が頭をよぎる
少年は恐る恐る横穴から谷底を見下ろした
少年は目を疑う
谷底に点々と明かりが見える、火だ、火の光だ
この距離でこんなに見えるほどだ、大きな炎にちがいない
少年はその火の熱気が伝わらなくとも温かくなるのを感じた
「村の皆が送り火を焚いてくれている、声は届かないが思いを届けてくれているんだ」
少年は食事を終えるとしばらくその火をぼんやりと見つめていた
いつの間にか微睡みに落ちていた、体を丸め寒さから身を守りながらしばしの休息を得た
次の日目が覚めると、すぐに薄暗いうちから腰にランプをぶら下げ壁を登り始めた
昨日の今日のですこし体が重い、至るところが筋肉痛だ
しかし、少年はもう振り向かない、一歩、また一歩としっかりと登っていた
村の未来は自分にかかっているのだから
どれくらい時間がたっただろうか、やっと渓を登り切った
疲れきって、もうほとんど体は動かない、指一本動かすのもしんどうだ
すこし固くなっているパンを一口頬張り、水筒の水を口に含み柔らかくする
急に帰りたくなる、自分が外界へ行かなくても他に方法があるかもしれない…など希望的観測が頭をよぎる
少年は恐る恐る横穴から谷底を見下ろした
少年は目を疑う
谷底に点々と明かりが見える、火だ、火の光だ
この距離でこんなに見えるほどだ、大きな炎にちがいない
少年はその火の熱気が伝わらなくとも温かくなるのを感じた
「村の皆が送り火を焚いてくれている、声は届かないが思いを届けてくれているんだ」
少年は食事を終えるとしばらくその火をぼんやりと見つめていた
いつの間にか微睡みに落ちていた、体を丸め寒さから身を守りながらしばしの休息を得た
次の日目が覚めると、すぐに薄暗いうちから腰にランプをぶら下げ壁を登り始めた
昨日の今日のですこし体が重い、至るところが筋肉痛だ
しかし、少年はもう振り向かない、一歩、また一歩としっかりと登っていた
村の未来は自分にかかっているのだから
どれくらい時間がたっただろうか、やっと渓を登り切った
疲れきって、もうほとんど体は動かない、指一本動かすのもしんどうだ
12: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/24(火) 19:59:45.356 ID:+3pPwwNba.net
少年は最後の、ほんとうに最後の力を振り絞り体を地面に投げ出した
ごろごろと転がり、空を見上げた
目の前一面に黄昏が広がっている、初めて見る広い空に、澄みきった朱色に
少年はまた涙を流した
「これが…外のせかいだ…僕は…やりとげたんだ…あの渓を…登ったんだ…」
とめどなく涙は流れ、顔を傾けると、地平線に落ち行く夕陽を見つけ、目が眩む
初めて見る『夕陽』だ、揺らめいている
世界の広さを実感した、壁に阻まれていない空に、大地に、大きな解放感を感じた。
そのまま少年は気を失うように眠った
ガタン、ゴトン
少年は振動で目が覚める
「…?」
目の前には空ではなくテントのホロのようなものが見える
体を持ち上げると、すぐに声が聞こえた
?「目が覚めたかい、ボウズ」
少年「あ、あなたは?それにこれは…?」
商人「私は旅商人さ、記憶でも失ったのかい?これは馬車だよ」
少年「馬車?う、うわぁ!なんですか!?その生き物は!?」
商人「はは、ほんとうに記憶喪失かな、馬を忘れてしまうなんて」
少年「馬…それで、この荷台を引っ張っているんですね…」
商人「ふむ、これは深刻そうだ、君くらいの子供が一人で倒れていたところを見ると…人狩りにでもあったのか…それで親も…」
商人「いや、思い出すことはないな、しばらくは私と旅をするといい、よい町が見つかればそこにすむといいさ」
少年「…いえ、僕は村を救うために渓を登ってきたんです」
商人「たに?渓を登ったってあの風の奈落をかい?」
商人「はは、嘘をいっちゃいけないよ、人の登り降りできる高さじゃない、それにあの渓は怪鳥も棲んでいるし、何より人が棲んでいるとは思えないね」
商人「おそらく記憶が混濁しているんだろうさ」
ごろごろと転がり、空を見上げた
目の前一面に黄昏が広がっている、初めて見る広い空に、澄みきった朱色に
少年はまた涙を流した
「これが…外のせかいだ…僕は…やりとげたんだ…あの渓を…登ったんだ…」
とめどなく涙は流れ、顔を傾けると、地平線に落ち行く夕陽を見つけ、目が眩む
初めて見る『夕陽』だ、揺らめいている
世界の広さを実感した、壁に阻まれていない空に、大地に、大きな解放感を感じた。
そのまま少年は気を失うように眠った
ガタン、ゴトン
少年は振動で目が覚める
「…?」
目の前には空ではなくテントのホロのようなものが見える
体を持ち上げると、すぐに声が聞こえた
?「目が覚めたかい、ボウズ」
少年「あ、あなたは?それにこれは…?」
商人「私は旅商人さ、記憶でも失ったのかい?これは馬車だよ」
少年「馬車?う、うわぁ!なんですか!?その生き物は!?」
商人「はは、ほんとうに記憶喪失かな、馬を忘れてしまうなんて」
少年「馬…それで、この荷台を引っ張っているんですね…」
商人「ふむ、これは深刻そうだ、君くらいの子供が一人で倒れていたところを見ると…人狩りにでもあったのか…それで親も…」
商人「いや、思い出すことはないな、しばらくは私と旅をするといい、よい町が見つかればそこにすむといいさ」
少年「…いえ、僕は村を救うために渓を登ってきたんです」
商人「たに?渓を登ったってあの風の奈落をかい?」
商人「はは、嘘をいっちゃいけないよ、人の登り降りできる高さじゃない、それにあの渓は怪鳥も棲んでいるし、何より人が棲んでいるとは思えないね」
商人「おそらく記憶が混濁しているんだろうさ」
13: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/24(火) 20:00:21.199 ID:+3pPwwNba.net
少年「…本当なんです、死んだ土地にも咲く作物を探しているんです…」
商人「まぁ、あまり記憶を掘り返さないほうがいいかもしれない、それにそっちの方は私も力になれるかもしれない」
少年「ほんとうですか?」
商人「あぁ、旅商人だからね、まずは黄金の種だ…」
少年は多くの事を商人に聞いた、村の他にも町、更に都市や王都があること、荒野は人狩りと呼ばれる野党が蔓延っていること
通貨や人種もたくさんあること、いろんな動物や、氷の大地の事まで
商人は話上手で話好きだった、一人旅は話相手がいないからかもとの気質か、とめどなく話した、少年は時折頷きながら、未知の話を興味津々に聞くと商人はとても気をよくした
商人「君が良ければ、私の養子にならないか?旅しているともっと楽しい話が聞けるし、商売のいろはも楽しいものだぞ」
少年「とてもうれしいですが、やはり村のためにも作物の種を持ち帰らないと…」
商人「そうかぁ、それはとても残念だ、それに、その谷底の村っても興味があるよ」
少年「いつか、ぜひいらしてください」
商人「生けてたどり着けたらねぇ、はは、普通はいけないよ」
少年「僕はその、黄金の種か肉豆ってのを探してみます」
商人「あぁ、それならきっと死んだ土地にも育つはずだよ、だけどこの辺りではめっきり見ないねぇ、探すのは苦労すると思うよ?」
少年「話が聞けただけでもよかったですよ、ここ二日で世界のことも大分分かりましたし」
商人「はは、まだまだ全然だよ?この世はもっともっと広くて奥深いのさ」
少年「そうなんですね」
ビヒュンッッ
少年の耳元で不意に風を切る音がした
少年「うわっ!」
商人「たいへんだ!!」
少年「な、なんですか!?」
商人「たぶん人狩りだ!!捕まったが最後!殺されるか売り飛ばされて死ぬまで奴隷だぞ!」
少年「なんてことだ…!」
少年が後方をみると馬に乗った男たちが唸りをあげこちらの馬車に近寄って来ている、時折こちらへ銃を発砲をしている
荷馬車も全速力で走ってはいるが、大量の荷物のある分差は縮まってきている
商人「まぁ、あまり記憶を掘り返さないほうがいいかもしれない、それにそっちの方は私も力になれるかもしれない」
少年「ほんとうですか?」
商人「あぁ、旅商人だからね、まずは黄金の種だ…」
少年は多くの事を商人に聞いた、村の他にも町、更に都市や王都があること、荒野は人狩りと呼ばれる野党が蔓延っていること
通貨や人種もたくさんあること、いろんな動物や、氷の大地の事まで
商人は話上手で話好きだった、一人旅は話相手がいないからかもとの気質か、とめどなく話した、少年は時折頷きながら、未知の話を興味津々に聞くと商人はとても気をよくした
商人「君が良ければ、私の養子にならないか?旅しているともっと楽しい話が聞けるし、商売のいろはも楽しいものだぞ」
少年「とてもうれしいですが、やはり村のためにも作物の種を持ち帰らないと…」
商人「そうかぁ、それはとても残念だ、それに、その谷底の村っても興味があるよ」
少年「いつか、ぜひいらしてください」
商人「生けてたどり着けたらねぇ、はは、普通はいけないよ」
少年「僕はその、黄金の種か肉豆ってのを探してみます」
商人「あぁ、それならきっと死んだ土地にも育つはずだよ、だけどこの辺りではめっきり見ないねぇ、探すのは苦労すると思うよ?」
少年「話が聞けただけでもよかったですよ、ここ二日で世界のことも大分分かりましたし」
商人「はは、まだまだ全然だよ?この世はもっともっと広くて奥深いのさ」
少年「そうなんですね」
ビヒュンッッ
少年の耳元で不意に風を切る音がした
少年「うわっ!」
商人「たいへんだ!!」
少年「な、なんですか!?」
商人「たぶん人狩りだ!!捕まったが最後!殺されるか売り飛ばされて死ぬまで奴隷だぞ!」
少年「なんてことだ…!」
少年が後方をみると馬に乗った男たちが唸りをあげこちらの馬車に近寄って来ている、時折こちらへ銃を発砲をしている
荷馬車も全速力で走ってはいるが、大量の荷物のある分差は縮まってきている
15: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/24(火) 20:01:33.677 ID:+3pPwwNba.net
少年「このままじゃ追い付かれる…」
商人「大丈夫!なんとかしてみせる!」
少年「…商人さん、いままでありがとうございました」
商人「な、なにをいっているんだ?」
少年「僕が飛び降りてやつらを引き付けます、そのうちに逃げてください」
商人「バカを言うな!!君をおいていけるか!」
少年「そういうと思いました、しかし、僕の決心を無駄にしないでくださいね」
そういうと少年は銃を取り出し荷馬車から身を乗り出した
少年「僕がもし、死んだら、あの村をどうか助けてください、このままでは僕も商人さんも殺されてしまいますから!!」
商人「ま、まつんだ!!」
そういうと少年は飛び降りた
地面を滑るように着地してなんとか転倒をこらえると、馬車が走り去るのを見届けて安堵した、馬車から蹄鉄の音に描き消されるようにばか野郎と聞こえた
少年は死ぬ気は無かった、冷静に照準を人狩りに向ける
渓で撃ったときと比べれば何倍も狙いやすかった
反対に、やつらは馬に乗っている、あのままなら簡単には撃たれないだろう
少年「ふぅ、いくぞ!!」
ズドンッッ!
弾丸は人狩りを捉え馬から崩れ落ちる
ズドンッッズドンッッ!
次々と撃つ、しばし外れたが何人か倒した
しかしそこまでだった、すぐに弾がきれ近づいてきた人狩りに蹴飛ばされた
そのあとはあっけなく捕らわれた、人狩り達は怒りに任せ怒鳴ったり話したあっていたが、子供は高く売れると、それ以上は暴力もなく殺しもしなかった
そのまま拠点へと少年は運ばれた
大きなテントがいくつにも連なる拠点、薄暗い牢に放り込まれた
まわりの牢にもたくさんの人が捕まっていた、中には死んだ人間もいるようだ
とにかく劣悪な環境が見てとれる
人狩り「クソガキ、すぐに売り払ってやるからな」
そういうと人狩りは鞄を投げて返した
少年「返すのか?」
人狩り「はっ、銃は入れてねぇぞ、あとは小銭にもならねぇ石ころやごみだけだろ、じゃまだから次の飼い主のところにもってけよ、ははは!」
そういうと人狩りはどこへと消えた
商人「大丈夫!なんとかしてみせる!」
少年「…商人さん、いままでありがとうございました」
商人「な、なにをいっているんだ?」
少年「僕が飛び降りてやつらを引き付けます、そのうちに逃げてください」
商人「バカを言うな!!君をおいていけるか!」
少年「そういうと思いました、しかし、僕の決心を無駄にしないでくださいね」
そういうと少年は銃を取り出し荷馬車から身を乗り出した
少年「僕がもし、死んだら、あの村をどうか助けてください、このままでは僕も商人さんも殺されてしまいますから!!」
商人「ま、まつんだ!!」
そういうと少年は飛び降りた
地面を滑るように着地してなんとか転倒をこらえると、馬車が走り去るのを見届けて安堵した、馬車から蹄鉄の音に描き消されるようにばか野郎と聞こえた
少年は死ぬ気は無かった、冷静に照準を人狩りに向ける
渓で撃ったときと比べれば何倍も狙いやすかった
反対に、やつらは馬に乗っている、あのままなら簡単には撃たれないだろう
少年「ふぅ、いくぞ!!」
ズドンッッ!
弾丸は人狩りを捉え馬から崩れ落ちる
ズドンッッズドンッッ!
次々と撃つ、しばし外れたが何人か倒した
しかしそこまでだった、すぐに弾がきれ近づいてきた人狩りに蹴飛ばされた
そのあとはあっけなく捕らわれた、人狩り達は怒りに任せ怒鳴ったり話したあっていたが、子供は高く売れると、それ以上は暴力もなく殺しもしなかった
そのまま拠点へと少年は運ばれた
大きなテントがいくつにも連なる拠点、薄暗い牢に放り込まれた
まわりの牢にもたくさんの人が捕まっていた、中には死んだ人間もいるようだ
とにかく劣悪な環境が見てとれる
人狩り「クソガキ、すぐに売り払ってやるからな」
そういうと人狩りは鞄を投げて返した
少年「返すのか?」
人狩り「はっ、銃は入れてねぇぞ、あとは小銭にもならねぇ石ころやごみだけだろ、じゃまだから次の飼い主のところにもってけよ、ははは!」
そういうと人狩りはどこへと消えた
16: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/24(火) 20:02:39.509 ID:+3pPwwNba.net
少年「ここまでか…ん?」
檻の奥に先客が一人いた、小さな女の子のようだ、どうやら子供用の檻らしい、売り物に『傷』がつかないように檻が分けてあるようだ
少年「きみ、大丈夫か?」
女の子「…」
少年「きみ、歳は?」
女の子「8…」
少年「君みたいな女の子も捕まえるのか…同じ人間なのに…」
少年「村長の言ってたことは当たってた、外の世界は悪魔のような人間もいるんだ、人を人だと思わないような…」
少年「安心して、僕がきっと助けるから…」
女の子「…むりだよ」
少年「いいや、どうにかできるよ、きっと、希望を失くした時が本当の終わりなんだ」
女の子「希望なんてないよ」
少年「どうして?」
女の子「お父さんもお母さんも殺されたんだ、だから生きる意味なんてもう私にはないんだよ」
少年「…そんな」
女の子「このまま死んでしまっても誰も悲しんでくれないもの」
少年「そんなことないよ、少なくとも僕は悲しい」
女の子「あったばかりなのに?」
少年「あぁ、そうだよ」
女の子「信用できないよ…」
少年「じゃあ、僕がもし君を助けられたら生きることを諦めないでくれるか?たとえどんなときでも、絶望にうちひしがれようとだ」
女の子「…」
少年「どうにかならないかな…」
ゴソ
少年「?」
少年の鞄がすこし動いた、少年は不思議そうに鞄を開けてみた
多くはガラクタだが、おくに小石のような堅い丸いものがあった
少年「これは…そうか、あのとき風の奈落の横穴で見つけた怪鳥の卵だ…」
少年「あとで食べようと思ってたけど殻が固すぎて割れなかったんだ」
檻の奥に先客が一人いた、小さな女の子のようだ、どうやら子供用の檻らしい、売り物に『傷』がつかないように檻が分けてあるようだ
少年「きみ、大丈夫か?」
女の子「…」
少年「きみ、歳は?」
女の子「8…」
少年「君みたいな女の子も捕まえるのか…同じ人間なのに…」
少年「村長の言ってたことは当たってた、外の世界は悪魔のような人間もいるんだ、人を人だと思わないような…」
少年「安心して、僕がきっと助けるから…」
女の子「…むりだよ」
少年「いいや、どうにかできるよ、きっと、希望を失くした時が本当の終わりなんだ」
女の子「希望なんてないよ」
少年「どうして?」
女の子「お父さんもお母さんも殺されたんだ、だから生きる意味なんてもう私にはないんだよ」
少年「…そんな」
女の子「このまま死んでしまっても誰も悲しんでくれないもの」
少年「そんなことないよ、少なくとも僕は悲しい」
女の子「あったばかりなのに?」
少年「あぁ、そうだよ」
女の子「信用できないよ…」
少年「じゃあ、僕がもし君を助けられたら生きることを諦めないでくれるか?たとえどんなときでも、絶望にうちひしがれようとだ」
女の子「…」
少年「どうにかならないかな…」
ゴソ
少年「?」
少年の鞄がすこし動いた、少年は不思議そうに鞄を開けてみた
多くはガラクタだが、おくに小石のような堅い丸いものがあった
少年「これは…そうか、あのとき風の奈落の横穴で見つけた怪鳥の卵だ…」
少年「あとで食べようと思ってたけど殻が固すぎて割れなかったんだ」
17: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/24(火) 20:04:41.659 ID:+3pPwwNba.net
卵は肌身離さず持っていたからか、適度に暖められ孵化する直前になったようだ
少年「きて、卵が孵るよ」
女の子「卵?」
少年「うん」
卵はピキピキと割れなから中からかわいい雛鳥が産まれた
雛鳥「ピイ!」
少年「はは、僕たちを親だと思ってるんだ、きっと」
女の子「…うん」
少年「そうだ、この子の名前…君が決めてよ」
女の子「え…」
少年「なんでもいいからさ」
女の子「うーん、じゃあ、ピースケ」
少年「はは、ピースケか」
女の子「へ、へんかな!?」
少年「いや、とてもいい名前だ、ピースケも気に入ったよね?」
ピースケ「ピィ!!」
少年「うれしそうだ、この子はもう君の新しい家族だよ、だから希望を捨てないでね」
女の子「…助かったらね」
少年「うん、でも大丈夫そうだ、この子すごく賢いよ」
女の子「?」
少年「さっき見ていたんだけど、人狩りは入り口に鍵をかけていった、この檻の鍵だ、見える?」
女の子「うん」
少年「ピースケに取ってきてもらおう」
女の子「そんなこと出来ないよ!」
ピースケ「ピィ!!」
少年「できるってさ」
女の子「本当に?」
少年「まかせたぞ?」
ピースケは中指程の背丈だが、鍵まで力強くまっすぐと進んでいく、しかし高い位置にある鍵を取るのに苦戦している、頑張って羽ばたいてはいるが届くか届かないかの所までしか飛べないみたいだ
少年「きて、卵が孵るよ」
女の子「卵?」
少年「うん」
卵はピキピキと割れなから中からかわいい雛鳥が産まれた
雛鳥「ピイ!」
少年「はは、僕たちを親だと思ってるんだ、きっと」
女の子「…うん」
少年「そうだ、この子の名前…君が決めてよ」
女の子「え…」
少年「なんでもいいからさ」
女の子「うーん、じゃあ、ピースケ」
少年「はは、ピースケか」
女の子「へ、へんかな!?」
少年「いや、とてもいい名前だ、ピースケも気に入ったよね?」
ピースケ「ピィ!!」
少年「うれしそうだ、この子はもう君の新しい家族だよ、だから希望を捨てないでね」
女の子「…助かったらね」
少年「うん、でも大丈夫そうだ、この子すごく賢いよ」
女の子「?」
少年「さっき見ていたんだけど、人狩りは入り口に鍵をかけていった、この檻の鍵だ、見える?」
女の子「うん」
少年「ピースケに取ってきてもらおう」
女の子「そんなこと出来ないよ!」
ピースケ「ピィ!!」
少年「できるってさ」
女の子「本当に?」
少年「まかせたぞ?」
ピースケは中指程の背丈だが、鍵まで力強くまっすぐと進んでいく、しかし高い位置にある鍵を取るのに苦戦している、頑張って羽ばたいてはいるが届くか届かないかの所までしか飛べないみたいだ
19: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/24(火) 20:05:54.275 ID:+3pPwwNba.net
少年「がんばれ!ピースケ!お前ならやれる!」
少年「届くぞ!諦めるな!」
しかしその時足音が近づいてきた、人狩りに違いない、ピースケは鍵に集中していて気づいていない
女の子「ピースケ!もどって!」
少年「ピースケ!」
人狩り「なっ!!なんだ!?」
少年「!」
人狩り「鍵がねぇ…さてはさっきのやつかけ忘れて持っていったな?畜生…ばかなんだからよ」
人狩りは怒ったように立ち去り、樽の隙間から鍵を加えたピースケが出てきた
ピースケ「ピィ!」
少年「よかったぁ、ダメかと思ったよ」
女の子「ふぅぅ…」
少年「あれ?安心した?」
女の子「え?…いや」
少年「さぁ、いこう、外の世界へ、僕らは自由だ」
そういうと少年は手を差し出した
女の子「私、約束守るよ」
少年「約束?」
女の子「希望…もってみる…」
少年「あぁ、まずはここを抜け出そう!」
ピースケの鍵を取ると二人と一匹は檻を開け抜け出す、ピースケは鞄に入ってもらった、とても疲れたようだ
少年「これ、僕の銃だ…」
女の子「銃なんて撃てるの?」
少年「すこしね」
テント入り口のテーブルに少年の銃とランプ、果物ナイフがあった
それに、すこしの食料と弾丸も貰っておいた
少年「届くぞ!諦めるな!」
しかしその時足音が近づいてきた、人狩りに違いない、ピースケは鍵に集中していて気づいていない
女の子「ピースケ!もどって!」
少年「ピースケ!」
人狩り「なっ!!なんだ!?」
少年「!」
人狩り「鍵がねぇ…さてはさっきのやつかけ忘れて持っていったな?畜生…ばかなんだからよ」
人狩りは怒ったように立ち去り、樽の隙間から鍵を加えたピースケが出てきた
ピースケ「ピィ!」
少年「よかったぁ、ダメかと思ったよ」
女の子「ふぅぅ…」
少年「あれ?安心した?」
女の子「え?…いや」
少年「さぁ、いこう、外の世界へ、僕らは自由だ」
そういうと少年は手を差し出した
女の子「私、約束守るよ」
少年「約束?」
女の子「希望…もってみる…」
少年「あぁ、まずはここを抜け出そう!」
ピースケの鍵を取ると二人と一匹は檻を開け抜け出す、ピースケは鞄に入ってもらった、とても疲れたようだ
少年「これ、僕の銃だ…」
女の子「銃なんて撃てるの?」
少年「すこしね」
テント入り口のテーブルに少年の銃とランプ、果物ナイフがあった
それに、すこしの食料と弾丸も貰っておいた
20: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/24(火) 20:07:01.848 ID:+3pPwwNba.net
少年「まって、しずかに」
女の子「え?」
少年「こっちに!」
少年が物陰に手を引っ張った、するとすぐに人狩りが走ってきた
「てめぇ鍵を失くしやがったな!」
「ちゃんとかけたって言っただろ!!」
「ないっつってんだよバカ!」
「なにぃ!?」
少年「檻のテントまで行かれたらすぐ脱走に気づかれる、早くいこう」
女の子「うん」
少年と女の子は視界を掻い潜りながら、慎重かつ迅速に人さらいの拠点を掻い潜って逃げた
女の子「早く逃げよう!」
少年「まって」
女の子「なにしてるの!」
少年「この一番大きな馬を貰っていこう!」
女の子「乗れるの?」
少年「昨日習ったんだ、たぶん大丈夫、跨がれる?」
女の子「無理だよ!」
少年「じゃあ、ほっ!」
少年は素早く登ると女の子へと手を伸ばした
少年「さぁ、逃げよう!」
女の子「うん!!」
少年「ハイヤー!」
足で蹴ると馬は飛ぶように走り始めた
人狩り「脱走だ~!!」「追え~!!」「コロセー!」
女の子「気づかれたよ!こんな派手に逃げるから!」
少年「大丈夫、一番大きな馬だ、誰も追い付けないよ!」
女の子「信じるよ!!」
女の子「え?」
少年「こっちに!」
少年が物陰に手を引っ張った、するとすぐに人狩りが走ってきた
「てめぇ鍵を失くしやがったな!」
「ちゃんとかけたって言っただろ!!」
「ないっつってんだよバカ!」
「なにぃ!?」
少年「檻のテントまで行かれたらすぐ脱走に気づかれる、早くいこう」
女の子「うん」
少年と女の子は視界を掻い潜りながら、慎重かつ迅速に人さらいの拠点を掻い潜って逃げた
女の子「早く逃げよう!」
少年「まって」
女の子「なにしてるの!」
少年「この一番大きな馬を貰っていこう!」
女の子「乗れるの?」
少年「昨日習ったんだ、たぶん大丈夫、跨がれる?」
女の子「無理だよ!」
少年「じゃあ、ほっ!」
少年は素早く登ると女の子へと手を伸ばした
少年「さぁ、逃げよう!」
女の子「うん!!」
少年「ハイヤー!」
足で蹴ると馬は飛ぶように走り始めた
人狩り「脱走だ~!!」「追え~!!」「コロセー!」
女の子「気づかれたよ!こんな派手に逃げるから!」
少年「大丈夫、一番大きな馬だ、誰も追い付けないよ!」
女の子「信じるよ!!」
21: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/24(火) 20:07:24.272 ID:+3pPwwNba.net
少年達の馬は風のように走り、馬で後を追いかけた人狩りもすぐに見えなくなった
女の子「はやい!はやいね!」
少年「だからいったでしょ、誰も追い付けないよ!」
女の子「うん!!これからも一緒にいてね!」
少年「あぁ、いいよ」
女の子「わたし、希望をみつけたんだから!」
少年「次の町を目指そう!」
女の子「うん!」
1話 完
女の子「はやい!はやいね!」
少年「だからいったでしょ、誰も追い付けないよ!」
女の子「うん!!これからも一緒にいてね!」
少年「あぁ、いいよ」
女の子「わたし、希望をみつけたんだから!」
少年「次の町を目指そう!」
女の子「うん!」
1話 完
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