1: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/22(金) 16:26:26.336 ID:4Gt2JiDF0.net
チノ「はぁ…ほんとに無能ですね。こんな能力の低さでよく生きてこれましたね?うちでクビになったらこの後どう生きてくつもりですか?」

俺「うう…」

チノ「まあ雇って貰っているという意識を忘れないでくださいね。わたしがいないと貴方野垂れ死ぬんですから」

俺「…………」

~~~~

チノ「あのくらい言っておかないと俺さんのためになりませんからね。でも頑張ってるから今日はご褒美にケーキを買ってきました」ガチャ

チノ「俺さん、少し休憩しませんか……あれ?いませんね」

9: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/22(金) 16:31:13.997 ID:4Gt2JiDF0.net
チノ「店番任せておいたのに全く…2階ですかね」

チノ「うっ…なんですかこの強い臭い…!?私の部屋から…?」

チノ「俺さん?」ガチャ

喉を掻き切った血塗れの俺「」

チノ「ヒッ…!え?え!?」

部屋一面の壁の文字『ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい』

チノ「あ……ひ…嘘……俺さん……なんで…」へなへな

22: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/22(金) 16:36:23.833 ID:4Gt2JiDF0.net
ココア「チノちゃーん!俺さーん!2人で何して…」ガチャ

チノ「あひ…あ…ぁ…」ジョバー

ココア「ヴェアアアアア!!?なにこれ!ああっ俺さんが!」ダダッ

ココア「どうしたの!?何があったの!?しっかり…!」ゆさゆさ

ココア「うう…もう冷たくなってる…なんで…」

チノ「わ…私は…私は何も…何もしてません…勝手に…俺さんが勝手に…」ガタガタ

29: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/22(金) 16:41:52.379 ID:4Gt2JiDF0.net
ココア「自殺しちゃうなんて、俺さんどうして…チノちゃん何か心当たりは?」

チノ「わ…わかりません」ブルブル

ココア「…きつく当たったりしなかった?俺さん繊細だから、そういうのすごく気にしてたし…」

チノ「しっ…してません!してないって言ってるじゃないですか…!疑うんですか私を!?」

ココア「チ、チノちゃん顔が怖いよ…!うう…とにかく、まず警察を呼ばないと」携帯ポチポチ

チノ「っ!」

バシッ!カラカラ…

ココア「え?チノちゃん…?!」

34: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/22(金) 16:46:53.948 ID:4Gt2JiDF0.net
チノ「ひ…必要ないです。俺さんはただ…理由はわかりませんけど、ただ自殺しちゃっただけです。事件性は、ないです」

ココア「で、でも!こういう時は警察に言わないと…」

チノ「……ですか」

ココア「えっ?」

チノ「私達で…埋葬まで済ませればいいじゃないですか。俺さん目立つの嫌いでしたし、きっと他の人に見られるなんて望んでいません。そうに決まってます。絶対人に見せない方がいいです」

ココア「……」

ココア(チノちゃん、さっきから汗と息遣いが普通じゃないよ…言ってることも、なんだか…)

39: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/22(金) 16:53:42.311 ID:4Gt2JiDF0.net
ココア「チノちゃん!」だきっ

チノ「っ!?」

ココア「私、チノちゃんの味方だよ。大丈夫だよ、何があっても絶対見捨てないから…」ぎゅっ

チノ「な…なんですかこんな時に…」

ココア「……チノちゃんは、どうしたいの?」

チノ「え…」

ココア「今は、細かな事情は聞かない。けど、時間が経てばお客さんも来るし、他にも色んな人が来ちゃう。そうなる前に……」

チノ「……」

ココア「私…まだチノちゃんと一緒にいたいから…チノちゃんが、この事誰にも知られたくないなら…協力するよ」

42: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/22(金) 16:59:30.397 ID:4Gt2JiDF0.net
チノ「コ、ココアさん……そ、そんなこと言ったって、どうしたら…」ちら

血が乾き始めた俺「」

チノ「うっ…!ゔぇえ…」ビチャビチャ

ココア「俺さん…私に相談してくれれば何かできたかもしれないのに…ごめんね」

ココア「…さ、あまり時間がないよ。やるなら早くやろう。チノちゃんしっかり!」

チノ「で…ですから何をすれば…」

ココア「服入れてある大きめの衣装ケースあったよね。ここに持ってきて!私はゴミ袋と新聞紙とガムテープと台車用意するから、急いで!」ダッ

チノ「あ…は、はい…」タタッ

46: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/22(金) 17:06:11.247 ID:4Gt2JiDF0.net
一面新聞紙の入った60キロ前後の衣装ケース「」

ココア「ふう、よし…と。壁の文字は後回しにしよう。チノちゃんそっち側持って、玄関まで下ろすよ」

チノ「はぁ…はぁ…どうしてこんな事に…」グッ

ココア「せーの!」よろよろ

ココア&チノ「「あっ!」」ずるっ

ゴロゴロゴロ、ドガドガドカゴトォォン!!!!

ココア「お…落としちゃった…」

リゼ「おい!なんだ今の音は!?」

48: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/22(金) 17:10:49.173 ID:4Gt2JiDF0.net
リゼ「なんだ、これは?随分重たいものが入ってるんだな」

チノ「さ、触らないでください!」ダッ

リゼ「お、おい何を焦ってるんだ…ココアまで…」

ココア「ううん、なんでもないの!ちょっと本の整理してるだけだから…さ、チノちゃん台車に載せよう」

ずしっ

ココア「川まで押してくよ」ヒソヒソ

チノ「うう……」ガチャ

リゼ「外は雨だぞ!どこへ持っていくんだ…」

50: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/22(金) 17:17:44.468 ID:4Gt2JiDF0.net
ザアアアア…

ココア「やっぱり川が増水してる。ごめんね俺さん、こうするしかなかったの。嫌いじゃなかったのに…」

チノ「流すんですか…俺さんを…見つかりますよ、こんなの。ばれます絶対」

ココア「このまま流したら、そうだよ。だから…開けて…んっ!」ゴッゴッゴッ

チノ「なっ、何してるんですか!?どうして俺さんの体を石なんかで…!」

ココア「…俺さんは、この大雨で足を滑らせて川に落ちちゃって…流されて揉まれるうちに、あちこちぶつけて傷ついちゃった。そう見せかけるの」

ココア「このケースと中身も別々に流すよ。まずは俺さんから…足の方持ってチノちゃん」ぐいっ

チノ「う…おえ……」がし

54: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/22(金) 17:21:25.730 ID:4Gt2JiDF0.net
ココア「せぇ、のっ!」ぱっ

ばしゃっ…

ココア「もう見えなくなっちゃった。濁流だもんね…本当にごめんね俺さん…」

チノ「うう…う…なんでこんなことに…ごめんなさい俺さん」ポロポロ

ココア「……チノちゃんが悪いんだよ」

チノ「え…?」

ココア「…ううん、なんでもない。ケースの指紋全部拭いてから、こっちも流しちゃおう。帰ったら油性ペン消せるスプレーで部屋のお掃除。それで、全部、元通りだから」キュッキュッ

56: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/22(金) 17:26:54.681 ID:4Gt2JiDF0.net
リゼ「おかえり、って2人ともずぶ濡れじゃないか!どこ行ってたんだ全く」

ココア「えへへ、ちょっとゴミ捨て場に行ってただけだよ。ね?」

チノ「…ごみ……ごみ、では……」

ココア「チノちゃん?」

チノ「っ…そ、そうです。いらないものをまとめて捨ててきました」

リゼ「そうか…何も今行かなくてもよかったろう。そういえば、今日は俺は来ないのか?」

チノ「!」びくっ

ココア「俺さん今日は体調悪くてお休みだって。早く良くなるといいよね」

65: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/22(金) 17:36:13.191 ID:4Gt2JiDF0.net
風呂「」かぽーん

ココア「はぁ~今日は大変だったね!お風呂であったまって、全部洗い流しちゃお!」ザバァ

チノ「…………」

ココア「も~どうしたのチノちゃん?いつもよりもっと無口になっちゃって」

チノ「ココアさん…平気なんですか?ついさっき、私たちは…俺さんを…」ブルブル

ココア「引きずったらダメだよ。チノちゃんだって、元の楽しい日常に戻りたくて隠そうとしたんでしょ?」

ココア「俺さんチノちゃんのこと気になってたみたいだし。きっと天国で気に病まないで欲しがってると思うよ」

チノ「え…初耳です」

ココア「ヴェ!?気づいてなかったの!?チノちゃんのこと好きじゃなきゃ、あんなに毎日叱られたら嫌になってすぐ辞めちゃったはずだよ」

72: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/22(金) 17:51:51.148 ID:4Gt2JiDF0.net
チノ「そんな…俺さん、いつも目を合わせようとしなかったし、私の前でだけ口数少なかったから、てっきり嫌われてるんだと…だから私もきつい言葉を…」

ココア「照れくさかったんだと思うな~。そっか、チノちゃん俺さんの気持ち気づいてなかったんだ…チノちゃん、好きな人の前じゃ逆にきつく当たっちゃうもんね」

チノ「べ、別に…そんなことは…」

ココア「でも、死んじゃってるの見た時にまず隠そうとしてたし。実はあんまり好きじゃなかったのかな?」

チノ「あれは…動転していて…もし他の誰かが倒れてたとしても、たぶん同じことを言いました」

ココア「そっか…やっぱり好きだったんだ。チノちゃんと俺さん、お互いに…」

ココア「…………」

ココア「しょうがないよね」ぼそっ

チノ「……?」

73: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/22(金) 18:00:22.436 ID:4Gt2JiDF0.net
ココア「でも、大丈夫だよチノちゃん。私は何があってもずっと、チノちゃんの味方だからね」ぎゅっ

チノ「ありがとう、ございます……けど…俺さんに申し訳ないです。謝りたいです…」

ココア「その気持ちも、きっと天国の俺さんに届いてるよ。だから大丈夫だよ…」なでなで

チノ「うう…」ポロポロ

ココア「チノちゃんは別に何もしてないんだから。自殺しちゃった俺さんを自然に還しただけだもん。人の多い共同墓地より自然の中の方が気にいるよ、人混み嫌いな俺さんも」

チノ「そういうものなんでしょうか…」

ココア「うん、だから大丈夫。私達は、今まで通り全部元どおり。俺さんが来る前と同じに戻っただけなんだから」なでなで

80: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/22(金) 18:12:01.329 ID:4Gt2JiDF0.net
~10日後~

チノ「俺さん、やっぱり事故死扱いでしたね。新聞にちょこっと載っていました…」

ココア「うふふ、やり方が完璧だったんだね。ハイターッチ!」

チノ「する気になれませんよ……そういえば、ちょっと気になることが。俺さんって左利きでしたよね?」

ココア「え?そうなの?普通に右利きかと思ってたけど」

チノ「コーヒー飲んだりトースト切る時左手でしたから。それなのに、あの時ナイフは右手に持って倒れてました。わざわざ力の入りにくい右手で首を切ったんでしょうか」

ココア「…………」

ココア「…さあ?」

89: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/22(金) 18:22:51.127 ID:4Gt2JiDF0.net
チノ「それと、あのナイフは川で一緒に捨てましたっけ。衣装ケースに入れた覚えがないような…部屋に戻った時にはありませんでしたが」

ココア「うん、私がケースとか新聞紙と一緒に川に捨てたよ。間違いないもん」フンス

チノ「……そうですか」

チノ「…天気もいいですし。気分転換に散歩と買い物にでも行きませんか」

ココア「うん、行く行く!チノちゃんと一緒ならどこでも楽しいよ~」

93: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/22(金) 18:36:27.701 ID:4Gt2JiDF0.net
~夜、自室~

ココア「ん~、今日も楽しかったなぁ。チノちゃんと一緒にいられる時間、最高に幸せだよ!」

ココア「ふふ。俺さんがラビットハウスに来ちゃった時はすごく焦ったけど」引き出しを開ける

薄く血のついたナイフ「」

ココア「もういなくなっちゃったから大丈夫。私とチノちゃんの仲が裂かれるなんてこと、もうありえないよねっ」

ココア「自殺に見せかけるつもりだったけど…結局チノちゃんに押されて事故死になっちゃった。チノちゃんにあんな顔されたら、協力してあげたくなっちゃうもん」

ココア「お陰で私たち、誰にも言えない秘密を2人だけで共有してる。2人だけの特別な関係…」うっとり

ココア「ずっと一緒にいようね、チノちゃん♡」ナイフにキス

99: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/22(金) 18:48:43.896 ID:4Gt2JiDF0.net
~数日後~

ココア「あ~美味しかった!千夜ちゃんお菓子作りの腕上がってない?」

チノ「別に、前からずっと変な味わいです」

ココア「も~チノちゃんってばライバル意識強いんだから!」

チノ「…俺さんも、甘いものが好きでした」

ココア「へ?もう、チノちゃんてばまた俺さんの話して!私と遊んでてもいなくなった俺さんのことばかり…」

チノ「ココアさんですよね」

ココア「えっ?」

チノ「ココアさんですよね、俺さんを殺したの」

101: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/22(金) 18:54:50.267 ID:4Gt2JiDF0.net
ココア「な…!何言ってるのチノちゃん!?そんなわけないでしょー!!」

チノ「…これ」スッ

ココア「えっ…ナイフ!?えっえっ、なんで…なんでチノちゃんが持ってるの!?部屋の引き出しに入れてあるはずなのに…」

チノ「ココアさんの制服のポケットの中に、うっすら血の跡が残ってたんですよ。川に色々捨てる時、ナイフ見た覚えなかったし、私は触ってなかったので、考えられるのは…ココアさんが持ち出したってことだけでした」

チノ「ココアさんの部屋に忍び込んで探したらすぐ見つかりましたよ。引き出しの、私との写真の上に置いてあるとは…」

ココア「う……ど…どうする気、チノちゃん…?」

チノ「…別に、誰かに言う気はありません」

ココア「えっ!?」

103: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/22(金) 19:02:32.459 ID:4Gt2JiDF0.net
チノ「ただ……」

ドスッ

ココア「は……え……?チノ、ちゃ……」ごぽっ

ココア「うぐ…あ…!」どさっ

チノ「俺さんに、謝ってきてください。私を独占したかったんですか?私は俺さんも、ココアさんともずっと一緒にいたいと思っていたのに…」

チノ「あれから何をしても楽しくないんです。ご飯の味も感じません。俺さんに謝りたくて、でも他に方法がなくて」

チノ「一緒に謝りに行きましょう、ココアさん」ザクッ

チノ「う……」ブシュッ、どさり

109: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/22(金) 19:09:33.299 ID:4Gt2JiDF0.net
~半月後、病室~

ココア「…………」

ココア(私だけ生き残っちゃった。傷が浅かったから。でもチノちゃんは、自分で首を切って…助からなかった)

ココア(私はチノちゃんとずっと仲良くしたかっただけなのに…それなのに、どうして)

ココア(チノちゃんがいなくなっちゃったこと、信じられない。ラビットハウスに行けばいつもみたいに居る気がするもん)

ココア(…謝りたいとか、ご飯が美味しくないとか。わたしにも分かったよ…すごく辛いよ)

ココア(だから……)

113: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/22(金) 19:14:10.699 ID:4Gt2JiDF0.net
窓を開ける

ココア「…ふふ。風が気持ちいいなぁ…」

ココア「チノちゃん…俺さん。私も行くから…」

ココア「殺しちゃってごめんね。今度は3人で、仲良く喫茶店でアルバイトしたり、遊びに行ったり、美味しいもの食べたり…みんなで遊ぼっ」たんっ

ココア(ああ落ちてく…怖いなぁ、でももうすぐチノちゃんに会え

ぐしゃっ

~おしまい~

引用元: チノ「またミスですか。貴方の代わりはいくらでもいるんですからね」俺「すみません…」