0001以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/10(金) 23:43:43.86ID:ijLDA/T10
友達A「やってしまった・・・」

友達A「どうしよう・・・」

友達A「これは絶対怒られる・・・」

友達A「直すのも無理そうだし・・・・」

友達A「・・・・・・」

0002以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/10(金) 23:47:56.80ID:ijLDA/T10
男「・・・何が無理だって?」

友達A「うお」

友達A「いつの間にいたんだ」

男「さっきからだ」

男「それより、それはどういう事かな?」

友達A「いや・・・その・・・・」

0003以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/10(金) 23:50:56.84ID:ijLDA/T10
男「今からする質問に正直に答えたまえ」

友達A「はい・・・」

男「まず、君が持ってるそれはなんだ?」

友達A「・・・本です」

男「なぜそんなにボロボロになっているのか?」

友達A「・・・雨で鞄の中ごと濡れてしまい、その巻き添えを食らったからです」


0008以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/10(金) 23:54:59.64ID:ijLDA/T10
団結力に吹いた


男「じゃあ最後の質問をしようか」

友達A「・・・はい」

男「その本は誰の本かな?」

友達A「・・・・・・」

友達A「男君・・・いや、男様の本です」

男「なるほど」

男「そうか」

0010以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/10(金) 23:58:24.06ID:ijLDA/T10
友達A「まじすいませんでした、男様」

男「せっかく人が貸してやったというのに」

友達A「ホント悪かった」

男「まぁいいよ」

男「どうせ大した価値のある本じゃないし」

友達A「でも・・・この本あまり流通してないんでしょ?」

0011以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 00:03:00.50ID:Egk5E+UG0


男「流通してないって言い方は違うな」

男「流通するほど評価されてない本」

男「というより、この町のことが書かれた個人的な歴史本」

友達A「・・・そうだったんだ」

男「知らなかったのか」

友達A「うん、まったく」

男「じゃあなんで借りたいだなんて」

友達A「いや、お前がいつも肌身離さず持ってるからさ」

友達A「よっぽど面白い本なのかなって」

男「・・・そういえばそうか」


0013以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 00:06:53.39ID:Egk5E+UG0
友達A「お前の鞄の中を勝手に覗いた時も必ず入ってるし」

友達A「朝の自習中とかいつも読んでるし」

友達A「お前ん家に遊び行った時もベッドに置いてあったし」

友達A「お前寝る前もいつも読んでんだろ?」

男「・・・・・・」

男「・・・ああ」

友達A「だから何回読んでも飽きないほどよっぽど面白いのかなって」

男「・・・なるほどね」

0015以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 00:10:40.71ID:Egk5E+UG0


男「人の鞄勝手に盗み見したのは後で追求するとして」

男「まぁ別にこの本が好きってわけでもないんだがな」

友達A「そうなの?」

男「ああ」

男「だけど、この本の中に気になるお話があるんだ」

友達A「気になるお話?」

男「そう」

男「ちょっとその本貸してくれ」

友達A「ヨレヨレだけど、はい」

0017以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 00:13:11.29ID:Egk5E+UG0
男「大分シャリシャリになってるけど・・・まぁ読めるだろう」

ペラペラ

男「ほら、これこれ」

男はページの見開きを見せた

友達A「えっと・・・?」

友達A「“ハク様”・・・?」

男「そ、それそれ」

友達A「・・・・・・」

友達A「もしかしていつもこのページばっか見てるのか?」

男「まぁ、たまには他のページも見るけど」

友達A「・・・・・・」

0018以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 00:18:08.69ID:Egk5E+UG0


友達A「なになに・・・・」

友達A「『その昔、この町にハク様という銅像があった』」

友達A「『ハク様は町外れの森の中の銅像で、人々に常に囲まれ、うやまれてきた』」

友達A「『しかし、ある時を境に人々の足はぷっつり途絶え』」

友達A「『気付けば誰もお供えをする者もいなくなり』」

友達A「『今ではその銅像が存在するのかも不明である』」

男「な!な!今どうなってるか凄い気になるだろ!?」

友達A「・・・・・・」

友達A「・・・いや、全然」

男「・・・そうか」

男「だったら今すぐ本の弁償代と人の鞄を漁った慰謝料を払ってもらおうか」

友達A「うわー、すげえ興味あるわ」

0019以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 00:22:01.24ID:Egk5E+UG0
友達A「まぁでも」

友達A「確かに少し気にはなるね」

男「だろ?だろ?」

男「でもさぁ、この本にはその場所が書いてないんだよなぁ」

友達A「ホントだ」

男「この町狭いから、こういう歴史本書く人もほとんどいないし」

男「だから場所が分からなくてウズウズしてんだよ」

友達A「あっちの意味で?」

男「今日のお前かなり失礼だぞ」

友達A「まじでごめん」

0020以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 00:25:08.37ID:Egk5E+UG0
友達A「じゃあさ」

友達A「おじいちゃんに聞いてこようか?」

男「・・・お前の?」

友達A「うん」

友達A「俺のおじいちゃんこの町に長く住んでっからさ」

友達A「もしかしたら何か知ってるかも」

男「おお!是非お願いしたい!」

友達A「オーケー、じゃあ放課後にまたな」

男「おう」

0021以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 00:29:18.33ID:Egk5E+UG0
放課後


男「おう、お待たせ」

友達A「やっぱお前のクラスはいつも帰りの会長いな」

男「まぁ担任のせいだろ」

友達A「まぁそんでもってどうでもいいな」

友達A「俺のおじいちゃん家結構近いから、このまま直行しようぜ」

男「おう、分かった」

0022以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 00:32:58.93ID:Egk5E+UG0
友達Aのおじいちゃん宅前


友達A「お前はここで待っててくれ」

友達A「すぐ聞いてくっから」

男「ああ、分かった」

コンコン

ガラッ

おじいちゃん「おお、友達Aじゃないか」

おじいちゃん「めずらしいのう、お前から来てくれるなんて」

友達A「ホントはゆっくりしていきたいんだけど、ごめんすぐ行くよ」

おじいちゃん「なんじゃ、残念じゃのう」

友達A「それより、聞きたいことがあるんだ」

おじいちゃん「ん?」

0023以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 00:37:05.24ID:Egk5E+UG0
友達A「ハク様・・・って、知ってる?」

おじいちゃん「・・・・・・」

友達A「この町のどっかの森にいる銅像らしいんだけどさ」

友達A「友達がどうしてもその銅像に会いたいらしいんだよ」

おじいちゃん「・・・・・・」

友達A「なんか知らない?心当たりだけでもいいからさ」

おじいちゃん「・・・・・・」

おじいちゃん「・・・昔よく遊んだ森」

ピシャッ

友達A「・・・え?」

0024以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 00:41:19.88ID:Egk5E+UG0

男「どうだった?」

友達A「・・・昔よく遊んだ森、だって」

男「へ?」

友達A「いや、実は昔よくおじいちゃんとあそこの森に遊びに行ったんだ」

友達A「多分おじいちゃんはそこのこと言ってると思うんだけど・・・」

そう言って友達Aは指を指した

俺は、その指の指す方向を見た

男「あそこの森か」

男「意外と近くだったんだな」

友達A「うん・・・」

男「?」

0025以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 00:43:49.71ID:Egk5E+UG0
男「どうしたんだ?」

友達A「いや、さ・・・・」

友達A「おじいちゃんにハク様の事を聞いた時」

友達A「おじいちゃん、少し様子が変だった・・・」

男「変?」

友達A「うん」

友達A「なんていえば分からないけど、とにかく少し変だった」

男「・・・・・・」

男「・・・まぁきっと機嫌が悪かっただけだよ」

友達A「ならいいんだけど・・・」

0028以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 00:47:12.20ID:Egk5E+UG0
男「あそこの森ならすぐ行ける距離だな」

男「なぁ、これから探しに行かないか?」

友達A「これから?」

男「ああ、これから」

友達A「まぁ別にいいけど・・・」

友達A「よっぽど興味があるんだな」

男「当たり前だろ、トイレする時すら持ち込んで読む位だったんだからな」

友達A「あの本、トイレに持ち込んだのかよ・・・」

男「まぁ気にすんな」

男「それより早く行こうぜ、暗くなったら探すの大変だし」

友達A「へいへい」

0029以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 00:52:42.44ID:Egk5E+UG0
>>26ごめん、でもやっぱりホモには・・・


森の中


友達A「懐かしいな」

友達A「昔はよくおじいちゃんとここで遊んだんだ」

男「・・・・・・」

男「こんなところで何して遊ぶんだよ」

友達A「鬼ごっことかかくれんぼとか」

男「・・・2人で?」

友達A「・・・・・・」

友達A「む、昔はそういうのが楽しかったんだよ!」

男「・・・そうか」

0030以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 00:56:03.83ID:Egk5E+UG0
探し始めて数十分


友達A「・・・おい」

友達A「全然銅像らしき物も見あたんねーぞ」

男「まだ数十分しかたってねえじゃねえか」

友達A「お前何時間探す気なんだよ」

男「まぁ、真っ暗になるまでかな」

友達A「・・・冗談じゃない」

友達A「大体、具体的な場所も分からないのに見つけられるかっての!」

男「あ・・・」

友達A「そもそも、いくら狭い町の森だからって探すとなれば大分広いんだよ」

友達A「見つけたら賞金出るわけでもないし・・・」

男「おい・・・友達A・・・」

友達A「んあ?なんだよ」

0031以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 00:57:25.68ID:Egk5E+UG0
男「安心しろ」

男「数時間も捜す必要は無くなったぞ」

友達A「はぁ?どういう意味だ?」

男「ほら、あれ」

友達A「んー・・・・?」



友達A「あ・・・・」

男「あれ・・・だよな?」

0033以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 00:59:52.68ID:Egk5E+UG0



俺たちの目線の先には

木と木に囲まれ、ひっそりと建つ

銅像があった

本に載ってた写真と似ているし

多分あれが“ハク様”と呼ばれる銅像だろう







男「まさか・・・まだあったのか・・・・」

0036以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 01:02:26.95ID:Egk5E+UG0
俺たちは銅像に近寄った

友達A「へぇ・・・これがハク様って奴か・・・」

男「ああ」

男「なんでも、願いを叶えてくれる銅像らしいぞ」

友達A「そうなの?」

男「ああ、そう書いてあった」

友達A「へぇ・・・」

友達A「じゃあ、見つけた俺達にも少しはご利益があったりして」

男「だったら嬉しいな」










ふと、男は気付いた

男「・・・・んん?」

0037以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 01:04:55.32ID:Egk5E+UG0
>>34なんとか一応夕方頃完結させれました。



男「あれ?」

友達A「どした?」

男「銅像の裏に・・・・なんかいねえか?」

友達A「へ?」

男「ちょっと待ってろ」

そう言って男は銅像の裏に回った


男「・・・・・・」

男「・・・・・・」

0038以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 01:06:33.80ID:Egk5E+UG0

俺は驚いた

いや、俺じゃなくてもこれは多分驚くだろう

俺が覗いた銅像の裏には











和服姿の女の子が銅像によっかかっていた

0039以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 01:09:02.61ID:Egk5E+UG0
女の子「・・・・・・」

男「えっと・・・あなたは・・・?」

女の子「!?」

男「え?」

女の子「私が・・・見えるんですか?」

男「??どういう・・・・」

友達A「おい、何かいたのか?」

女の子「!!」

男「あ、いや」

俺は友達Aを銅像の裏に手招きした

男「ほら、女の子がいた」








友達「女の子?どこにいるんだ?」

0040以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 01:11:48.48ID:Egk5E+UG0
男「は?いや目の前にいるだろ・・・」

友達A「え?」

男「いや、だからここにいるだろって!」

友達A「ここにって、どこにだ?」

男「えええ?」

友達A「・・・・・・」

友達A「・・・お前感激のあまり、幽霊が見えちゃったとか言うんじゃないだろうな」

男「いや違うって、ほら!しっかり見ろって!」

女の子「・・・・・・」

男「ほら、お前も黙ってないでなんか言えって!」

0044以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 01:17:28.27ID:Egk5E+UG0
>>41「やってしまった・・・」ってフレーズがあったら多分俺ですあと天使も俺ですごめん

女の子「・・・無駄よ」

男「・・・え?」

女の子「きっと、この人には私は見えてない」

女の子「もっと簡単に言えば」

女の子「私は人間じゃない」

女の子「だから、人間には見えない」

男「・・・意味が分からん」

男「大体、俺には見えてるじゃないか」

男「・・・言っとくが、俺は人間だぞ」

女の子「・・・それは知ってる」

女の子「多分、あなたは少し変わった人間なんだと思う」

男「・・・・・・」

男「・・・だめだ、さっぱり何がなんだか」

女の子「・・・そう」

0045以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 01:20:31.00ID:Egk5E+UG0
女の子「・・・とりあえず今日は帰ったほうがいいと思う」

男「?なんだいきなり?」

女の子「隣の彼がケダモノを見るような目であなたを見ている」

俺はふと隣に目をやった

なるほど、確かに俺はケダモノを見るような目で見られている

男「あ・・・・」

友達A「・・・・・・」

男「・・・あっはははははh!」

男「悪い悪い!」

男「幽霊がいるってお前に思わせようとしたくて!はは!」

友達A「なんだよ~・・・」

友達A「てっきりお前がなんかの発作に見舞われたのかと思ったぜ」

男「悪い悪い」

0046以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 01:23:37.33ID:Egk5E+UG0
男「とりあえずさ、今日はもう帰ろうぜ!」

友達A「ん?もういいのか?」

男「ああ、お前を巻き込んじまって悪かったな」

男「後日、1人でまた来るよ」

友達A「なんだ、別に気にしなくていいのに」

友達A「まぁ、暗くなる前に帰るに越したことは無いな」

男「そうそう、帰ろうぜ」

友達A「オーケー」






そして俺は友達Aには聞こえないように

さりげなく小声で呟いた


男「・・・また来るからな」

女の子「・・・・・・」

0047以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 01:25:36.73ID:Egk5E+UG0



翌日



学校を終え、他の友達と別れた後



俺は



さも当たり前かのように



あの森に向かった

0050以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 01:30:05.00ID:Egk5E+UG0
森の中


男「あれ・・・・この辺だった気がするんだが・・・」

男「・・・ミスったなぁ」

男「場所がすぐ分かるように目印でもしとくんだった」

男「・・・・・・」

男「・・・おっ、あったあった」


俺は昨日と何も変わらない銅像を見つけた

たった一つを除いて









男「なんか上に乗ってる・・・・」

0051以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 01:32:31.23ID:Egk5E+UG0
男「・・・おーい」

女の子「・・・・・・」

男「銅像に乗ったらバチがあたるぞー」

女の子「・・・・・・」

女の子「・・・知ったことか」

男「なんだと・・・」

女の子「というより、バチはまず当たらん」

男「え?」

女の子「だって、これは私の銅像じゃからのう」

男「・・・え?」

0052以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 01:34:28.52ID:Egk5E+UG0
このこむすm・・・女の子は何て言った?


この銅像は私のだから?


銅像を作ったのはこの女の子ってことか?


そんなバカな、こんなナリで銅像職人なんてありえんだろう



じゃあどういう事だ?



・・・・聞けば分かるか

0053以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 01:38:16.84ID:Egk5E+UG0
男「・・・どういう事だ?」

女の子「だから、この銅像は私のなの」

女の子「私が上に乗ろうがよっかかっていようが私の自由」

男「・・・俺が聞きたいのはそうじゃない」

女の子「?」

男「なんでこの銅像がお前のなんだってことを聞いてるの」

女の子「そんなの決まってるじゃない、私がこの銅像の守り神だからよ」

男「・・・・は?」

女の子「だから、私がこの銅像の守り神なの」

男「・・・・・・」

0054以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 01:40:05.96ID:Egk5E+UG0
今度はこのクソガk・・・・女の子は何て言った?


私はこの銅像の守り神?


あれか?


この子はそういうのに憧れてるドメスティックガールなのか?


ちょっと今の俺の言い方も少し寒かったが


どういうことなんだろう・・・

0055以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 01:47:09.10ID:Egk5E+UG0
男「守り神・・・?」

女の子「そう、守り神」

男「・・・それは、一体どういう職種なんだい?」

女の子「要は、私は神様なの」

女の子「だから普通の人間には見えない」

男「・・・なるほど」

理解しろ俺

無理やり理解しろ俺

女の子「でもあなたは少し変わってるみたいね」

女の子「私が見えるし喋れるし」

女の子「もしかしたらあなたの興味が強くて、特殊になったのかもね」

男「・・・ななるなるほど」

0056以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 01:49:01.69ID:Egk5E+UG0
その後も俺は色んな事を聞き続けた

といっても同じ内容のループだった気がするが

だが人間不思議なもので

何回も聞かされると、不思議と信じてしまうもので

俺は騙されているんじゃないかという不安を多少残しつつも

俺は少しずつ理解していった・・・

0057以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 01:54:03.22ID:Egk5E+UG0
男「・・・つまりだ」

男「お前はこの銅像の守り神で、神様でもあり」

男「特殊な俺以外の人間には見えない

女の子「はい、よく出来ました」

男「ふぅ・・・・」

女の子「・・・・・・」

女の子「本当は信じたくないんでしょ」

男「当たり前だ」

男「誰がこんなオカルト信じたがるか」

女の子「でも、あなたの友達に見えなかった以上、信じないわけにもいかない」

男「くっ・・・・」

女の子「悔しいでしょ!悔しいでしょ!」


男(すげえ腹立つ・・・・)

0058以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 01:59:35.35ID:Egk5E+UG0
なんか最近SS少ないらしいですね


男「ん?」

女の子「?」

男「ということは」

男「お前はハク様ってことになるのか?」

女の子「そうよ」

男「なんだ、そうなのか」

女の子「・・・にしても、よくそんな名前覚えてるわね」

女の子「その名前を聞いたのは久々だわ」

男「そうなのか」

0059以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 02:02:56.15ID:Egk5E+UG0
男「よし、じゃあ今度からお前の事ハクって呼ぶわ」

女の子「・・・呼び捨て?」

男「変に様とかつけるより、親近感あっていいだろ」

女の子「尊敬は皆無だけどね」

男「そんなことはない、一応尊敬もしてる」

女の子「それフォローになってないわ」

男「そんな事よりさ」

0060以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 02:06:34.53ID:Egk5E+UG0
ここから女の子→ハクで


男「まだ一つ質問があるんだが・・・・」

ハク「何よ?まだ何かあるの?」

男「・・・・・・」

男「・・俺がいつも愛用してる本にさ、ハクの事が書かれてたんだけどさ」

ハク「・・・・・・」

男「そこに、昔は人々によくうやまれていたって書いてあったんだ」

ハク「・・・・・・」

男「でも今じゃほとんど誰もいないよね・・・」

男「それって一体何が・・・・」


女の子「・・・・関係ないでしょ」

男「え?」

0061以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 02:08:40.34ID:Egk5E+UG0
ハク「私に何があろうが、あなたには関係ないでしょ!!」

ハク「いいからもう帰って!!」

男「で、でも・・・」

ハク「私は神様なのよ!?」

ハク「ただの一人間如きが、私のプライベートに立ち入るなんて」

ハク「無作法にも程があるわ!」

男「でも・・・」

ハク「でもも何も無い!さっさと帰って!」



男「・・・・・・」

男「・・・はい」

0062以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 02:11:56.74ID:Egk5E+UG0

あの後、結局俺は森を後にした


俺は、一体何をしてしまったんだろうか

もしかして神様の逆鱗に触れてしまったのだろうか

でもあれは怒っているというより

なんだか悲しんでいるように見えた








俺にはそう、見えたんだ

0063以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 02:18:28.88ID:Egk5E+UG0
翌朝


男「よう、おはよう」

友達A「おう、おはよう」

友達A「昨日はどうだった?」

男「え?」

友達A「昨日1人で行ったんだろ?」

男「あ、ああ」

友達A「なんか変わったことはあったか?」

友達A「まさか今度こそ幽霊が出たとか言うんじゃないだろうな」



男(言うべきか否か・・・・)

0064以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 02:22:37.28ID:Egk5E+UG0
男「・・・・・・」

男「・・・特に何も無かった」

友達A「まぁだろうな」

友達A「銅像が動くわけもないし」

男「まったくだ」

友達A「ははっ」




男(やっぱり言わないでおこう・・・・信じてもらえないだろうしな)

0065以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 02:27:10.16ID:Egk5E+UG0

そして放課後



やはり俺は気付くと、あの森に向かっていた


少し行きづらい気もしたが

あのままってわけにもいかないだろう


なにより、どうしてもあの理由が気になる


今日は、家からぱくってきたお供え物(饅頭×6)も持ってきた


これを餌にすれば、なんとか話してもらえるだろう








そして俺は森に向かった

0066以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 02:32:32.26ID:Egk5E+UG0
森の中


さすがに三回も来ると迷うことはなく

すぐに銅像の場所に行けた

だが・・・・








男「ハク・・・・?」

そこにはハクはいなかった

0067以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 02:38:06.35ID:Egk5E+UG0
男「・・・ハクー?」

男「ハクどこだー?」


銅像の裏にはいない


男「ハクー?」


銅像の上にもいない


男「・・・・・・」

男「・・・ハク?」





どこにも・・・・いない?

0070以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 02:57:01.95ID:Egk5E+UG0
ガンバレ俺、眠気なんかに負けないで


ハクは一体どこに行ってしまったんだ・・・?

ここにはいない

少なくとも俺の視界の範囲内には該当しそうな生物はいない

銅像の守り神なんだから、ここを離れることもまずないと思ってたんだが









まさか・・・・


俺があんなこと言ったから・・・・?

0074以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 04:34:11.60ID:Egk5E+UG0



男「ハク・・・・」

男「ハクー!」










「ププ・・・・」

0075以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 04:35:50.19ID:Egk5E+UG0

男「・・・・・・」

男「・・・なんか今声が聞こえたような」



ドサッ



男「うお!」











「あいたた・・・・」

0076以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 04:40:39.66ID:Egk5E+UG0

男「・・・え?」

ハク「や・・・やぁ、どうも」

男「・・・・・・」

ハク「いやあ、木の上で待ち伏せしてたまでは良かったんじゃが」

ハク「お主の慌てる様を見て、笑い転げて落ちてしまったわ」

男「・・・・・・」

男「・・・木の上でずっと見てたのか」

ハク「それはもう」

ハク「映像に収めたかった位じゃ」







男(・・・・ちくしょう、はめられた)

0077以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 04:44:40.97ID:Egk5E+UG0

ハク「まぁまぁ、悔しがることは無い」

ハク「おかげで私は今すこぶる上機嫌じゃ」

男「くそ・・・なんて神様だ」

ハク「まぁそういきりたつな」


男「・・・・・・」

男「・・・まぁ」

男「機嫌を治してくれたのなら、それでいいや」

0078以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 04:51:03.05ID:Egk5E+UG0

ハク「ところで、お主の持ってるそれはなんじゃ」

男「ん?」

ハク「その右手に持っているものだ」

男「ああ」

男「・・・何だと思う?」

ハク「!!まさか・・・」

ハク「中に調理器具が入ってて、私を料理して食べる気じゃ・・・・」

男「どう考えたらそこまで正解の遠い解答が出来るのか」

ハク「・・・じゃあなんぞ」

男「ふふ・・・・」

男「これはな・・・」

0079以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 04:55:58.31ID:Egk5E+UG0
男「ジャーン!」

ハク「・・・・・・」

ハク「・・・それは?」

男「見て分かんないのか」

男「饅頭だよ饅頭、6個の」

ハク「そう言うことを聞いているのではない」

ハク「それを持ってきた意味を聞いているのだ」

男「意味って」

男「お供え物に決まってんだろ」

ハク「お供え・・・・物・・・・」

0080以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 04:59:01.50ID:Egk5E+UG0
男「・・・まぁ」

男「この前、なんかデリケートな部分に触れちまったみたいだしさ」

男「なんていうか・・・謝罪を兼ねてって事で」


ガシッ


男「!?」

男「おい!いきなり箱を掴むな!」

男「饅頭落ちるだろうが!」

ハク「うるさい!さっさとちょうだい!」

男「分かった!分かったから落ち着け!」

0082以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 05:02:15.47ID:Egk5E+UG0

ハク「ムシャムシャ・・・・モグモグ・・・・」

男「・・・早食いしすぎ」

男「恐らくあと数秒で喉に詰まるな」

ハク「!!」

ハク「ゲホッ、ゲホッ」

男「ほら、予想通り」

男「おいお茶」

キュッキュ

ゴクゴク


男「・・・・・・」

0083以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 05:05:09.69ID:Egk5E+UG0




実に不思議だ



俺は、てっきりハクが「こんな低俗な物食えるか」だの「仕方ないから受け取ってやろう」だの

罵ってくると思っていた


でも、ハクは饅頭を一生懸命食べている

素晴らしい勢いで、とてもおいしそうに












泣きながら

0084以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 05:08:11.61ID:Egk5E+UG0

男「・・・泣けるほどお腹が減ってたのか?」

ハク「モグモグ」

男「それとも、饅頭につらい思い出があるのか?」

男「饅頭で転んで骨折したとか」

ハク「ムシャムシャ」

男「それとも・・・・」

男「この前俺が聞いた事と関係があるのか?」

ハク「!!ゲホッゲホッ」

男「・・・分かりやすいな。はいお茶」

0085以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 05:11:54.34ID:Egk5E+UG0
ハク「ふぅ・・・・」

男「見事に全部食ったな」

男「意外と饅頭は腹に溜まるだろ」

男「・・・ってか、ゴミを散らかすなよ」

男「お前守り神だろーが」

ハク「何を言っておる、ゴミはお前に返した」

男「返されても困る」

ハク「・・・・・・」

男「・・・・・・」

0086以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 05:14:44.33ID:Egk5E+UG0
ハク「・・・なぁ男よ」

男「なんだ」

男「おかわりか?ないぞ」

ハク「違う」

ハク「・・・・・・」

ハク「・・・私は、今凄く幸せじゃ」

男「・・・お腹がいっぱいでか?」

ハク「それもあるじゃろう」

ハク「そして、恐らくそれだけじゃなかろう」

ハク「男よ・・・・」

男「なんだよ改まって」








ハク「ありがとう」

0087以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 05:18:20.98ID:Egk5E+UG0
ハク「・・・・今の私に」

ハク「今の私に話しかけてくれる者も」

ハク「今の私の為に叫んでくれる者も」

ハク「今の私の為にお供えをしてくれる者も」

ハク「・・・・・」

ハク「・・・お主だけじゃ、感謝しておる」


男「今の私、か・・・・」


男「昔の私、はどうだったんだよ」

0089以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 05:21:34.42ID:Egk5E+UG0
ハク「・・・・・・」

ハク「そうじゃな!」

ハク「今の私はさっきの私よりもすこぶる上機嫌じゃ!」

ハク「昔話の一つなり、プライベートなり、何でも話してやろうぞ!」


男「・・・・・・」





男「・・・やっぱり、聞くのはやめるよ」

0090以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 05:24:29.62ID:Egk5E+UG0
ハク「なんでじゃ?せっかく話す気になったというのに」

男「・・・やっぱり俺は思うんだ」

男「忘れた方がいい事って、結構あるんじゃないかなって」

男「いくら今機嫌が良くったって」

男「昔を思い出せば、自然と機嫌が悪くなる気がする」

男「だから・・・・・」

ハク「・・・・・」

ハク「それは少し違うぞよ」

男「違う?」

0092以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 05:27:59.55ID:Egk5E+UG0
ハク「昔はあくまで昔のこと」

ハク「つまり終わったことなのじゃ」

ハク「多少感化されることはあれど」

ハク「今の私が上機嫌であれば、昔の私がどうであろうと」

ハク「私は上機嫌なのじゃ」

男「そう・・・なのか」

ハク「そうじゃ!」

ハク「少なくとも私はそうじゃと思ってる!」

ハク「というわけでさっそく」












昔話を始めましょう

0093以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 05:29:29.25ID:Egk5E+UG0
>>91メモ帳に保存はしてあるけど、まとめてもらったことは無いと思う・・・ごめん






これは昔々のお話です



とある旅人が




森の中で一つの銅像を見つけました


0094以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 05:31:33.79ID:Egk5E+UG0


疲れ果てていた旅人は


ふと銅像によっかかりました


するとどうでしょう



旅人さんの前に、1人の女の子が現れました

0095以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 05:35:31.50ID:Egk5E+UG0

旅人さんは、目の前に突然現れた女の子を見て

ふと、こんなことを思いました

『ああ、この銅像は神様の宿る、神秘の銅像なのだろう』

その後休んで回復した旅人さんは

すぐにその森の近くの町に立ち寄り

ふと、高らかに言ったのです










『みなさん、あそこの森にある銅像は神様の銅像です』

0096以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 05:38:15.23ID:Egk5E+UG0

噂が噂を呼び

噂が噂を誇張し

噂が宣伝になり


気付けばこの銅像は、『何でも願いが叶う神様』として

町の人々に称えられました

0098以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 05:40:36.94ID:Egk5E+UG0
それは若くして亡くなった旅人の死後も

決して衰える事はなく

人々はその銅像にお供え物をし


時には祭り騒ぎを起こし


願いを乞い


祈り続けていたのでした

0099以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 05:42:21.63ID:Egk5E+UG0
しかし、それも長くは続きませんでした


終わりが来たのは


ある日、ある時、銅像の前での


たった一人の些細な発言でした


『・・・・・・・なぁ』



0101以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 05:43:47.37ID:Egk5E+UG0


『俺たちは必死にお供えをし続けた』



『俺達は必死に奉った』



『俺たちは必死に願い、祈った』




『じゃあ・・・・・』








『俺達の思いが叶ったことってあったか?』


0102以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 05:47:03.04ID:Egk5E+UG0
男「・・・じゃあお前」

ハク「・・・そう」

ハク「私は確かに神様」

ハク「けれど・・・」







私には、無かったのよ





願いを、思いを、祈りを、





叶える力が

0103以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 05:50:16.51ID:Egk5E+UG0


『消えろ、死ね、壊れろ、失せろ』


ああ人々の声が聞こえる



『願いが叶うなんて嘘だったのね、騙しやがって、あんなにお供えしたのに』



あ、あ、あ、あ



『もう信じない、この銅像は取り壊そう、俺達の』



やだ、やだ、やだ、やだ



『そうだ俺達の、私達の、僕らの』



やめて、やめて、やめて、やめて

0104以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 05:52:44.48ID:Egk5E+UG0
『・・・・返してよ』




『みんなの意思と時間を返してよ!!!』




わたしのせいじゃない・・・



わたしは・・・・





願うが叶うなんて一言も言ってない!!



言ってないのよ・・・・一言も・・・・・

0105以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 05:55:02.27ID:Egk5E+UG0

そうして気付けば

私の周りには

何も残っていなかったのでした

最初からほっといてくれれば

私はこんなことにならなかったのに

そんな事を思っていた頃には














もう、私は人々から忘れ去られていました

0108以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 05:57:19.94ID:Egk5E+UG0
男「・・・・・・」

ハク「どうよ、この迫力とスリルに満ち溢れた話し方」

男「リアルすぎて吐き気がする、ハクだけに」

ハク「死んでくれ」


ハク「さて、これで私の昔話は終わりよ」

ハク「質問か何かでもある?」

0109以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 06:00:00.27ID:Egk5E+UG0



男「じゃあまず一つ目の質問」

ハク「はいどうぞ」

男「その旅人は、お前の姿が見えてたんだよな?」

ハク「そうよ」

男「・・・なんで?」

ハク「さぁ」

男「・・・・・・」

男(質問の意味ねえ・・・・)

0111以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 06:05:19.07ID:Egk5E+UG0


男「じゃあ二つ目」

ハク「はいどうぞ」

男「その旅人は、お前の姿が見えてたんだよね?」

ハク「・・・また旅人の事」

男「じゃあ、その旅人に頼んで伝言してもらえば良かったんじゃないか」

ハク「それがね」

ハク「その旅人さん、病気になっちゃったらしくて」

男「病気?」

ハク「若くして亡くなったって言ったでしょ?」

ハク「原因は病気で、ずっと家から出られないほどだったらしいの」

男「伝言できる状態じゃなくなっちゃったのか・・・」

ハク「そういうことね」

0113以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 06:09:50.26ID:Egk5E+UG0
ハク「質問は以上?」

男「ああ」

ハク「じゃあ次は感想をどうぞ」

男「?」

ハク「感想の一つ位思いついたでしょ」

男「だからさっき言ったろ、吐き気がするハクだけにって」

ハク「よくそれ繰り返して言えるな」

男「まぁ」

男「しいて言うとするならば、だ」

ハク「うん」

0115以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 06:15:11.80ID:Egk5E+UG0
>>112まじすいませんもうしません


男「大変だったなぁって」

ハク「・・・・・・」

ハク「普通ね」

男「・・・本当はお疲れ様って言おうとしたんだけど」

男「まだ終わってないかなって思って」

ハク「終わってない?」

男「うん」

男「だって、まだ当時の人で生きてる人って結構いるんでしょ?」

男「誤解を解かなきゃ」

0116以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 06:19:30.47ID:Egk5E+UG0
ハク「いいわよそんなの」

男「ダメだって」

ハク「なんで?」

男「なんとなく」

ハク「・・・・・・」


ハク「・・・言ったでしょ、私にとっては昔の事でしかないって」

ハク「今の私が幸せなら、私は幸せなんだって」

ハク「昔の私がボコボコにけなされてたって」

ハク「今の私の知ったことじゃないわ」



男「・・・・・・」

男「・・・そう、だよな」

0119以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 06:23:43.89ID:Egk5E+UG0
男「それはそれで正しいんだよね」

ハク「そうそう」


ハク「さぁ、そろそろお開きにしましょ」

ハク「大分暗くなってきちゃったし」

男「・・・気付いたら結構時間経ってるな」

男「じゃあ、また今度」

ハク「・・・今度があるの?」

男「大丈夫、饅頭とお茶は欠かさないから」

ハク「・・・・・・」











そうして俺は帰路についた

0121以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 06:28:47.40ID:Egk5E+UG0


学校


友達A「・・・・・・」

男「どうした」

友達A「・・・またその本読んでるのか」

友達A「しかもそのページ」

男「まぁ気にするな」

友達A「・・・いい加減本物見つけたんだから、せめて別のページ見るとかしろ!」

男「それはやまやまなんだけどね」

男「誰かさんが濡らしちゃったせいでパリパリでページめくりにくくて」

友達A「なるほど、それなら仕方ないなまったく」

0122以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 06:35:24.83ID:Egk5E+UG0

友達A「てかさ」

友達A「お前なんだかんだいって結構あの森に行ってんだろ」

男「そんなことは無いと思うが」

友達A「嘘付け、最近他の奴と帰ってないらしいじゃんか」

友達A「おまけにいつもと様子が変だって言ってたぞ」

男「変?」

友達A「ああ」

友達A「なんかこれからデートにでも行くかのような顔で、一緒に帰るの断ってくるって」

男「うむむ・・・・」

男「まあやっぱりあれなんだよ」

男「まだ本物が見つかった興奮が冷めてないんだよ」

友達A「ならいいけど」

0124以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 06:38:42.18ID:Egk5E+UG0
森の中


男「・・・今度は一体なんだ」

ハク「いやな、こう銅像にぺっとり張り付いてると」

ハク「冷たくて気持ちいいんだよ」

男「・・・そうか」

ハク「それよりお主」

ハク「手に持っているのは・・・まさか・・・!」

男「ああ」

男「例のブツだ」

ハク「・・・怖い言い方をするでない」

0125以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 06:41:32.85ID:Egk5E+UG0
モグモグ

男「毎回同じ饅頭で飽きないのか?」

ハク「何を言うか」

ハク「この曲線のフォルム、色、ツヤ、味、匂い」

ハク「どれをとっても飽きる要素が無い」

男「饅頭のラインに興奮する奴初めて見たわ」

男「それより、そろそろ時間だな」

ハク「?何がじゃ?」

ハク「!!ゲホゲホ」

男「ほらきた」

0126以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 06:44:35.04ID:Egk5E+UG0
朝起きて学校行って森に行って帰る

朝家族と適当に会話して学校で友達と喋って森で神様とだべる

普通の人より少し変わった生活を繰り返していた俺だったが

悪くは無い居心地で

こんな人生も有りかなって思ってたりもした

そんな事ばかりを考えていたから













俺は、崩れゆく何かに気付けなかった。

0128以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 07:00:22.27ID:Egk5E+UG0
自宅


男「おはよう」

母「あら、おはよう」


母「・・・ってどうしたのよ」

男「・・・?」

母「なんか疲れてるように見えるけど」

男「いや、全然疲れてないけど」

母「嘘おっしゃい」

母「最近少し調子が変だとは思っていたけど、今日は余計に体調悪そうよ」

男「う~ん・・・」

0130以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 07:02:29.84ID:Egk5E+UG0
男「俺的には何も異常はないんだが」

母「きっと部活のしすぎで疲れているのよ」

母「今日は休んだら?」

男「部活で疲れたので休みますなんて」

男「さすがに言えないって」

母「でも・・・」

男「大丈夫だって、じゃあ時間無いからもう行くよ」


ガチャンッ


母「・・・大丈夫かしら」

0131以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 07:05:23.06ID:Egk5E+UG0
学校



男「ようおはよう友達A」

友達A「んあ?おう、おはよ・・・・・って」

友達A「どうしたんだお前」

男「?」

友達A「なんかすんごい疲れているように見えるぞ」

男「・・・そんな事ないだろ」

友達A「いやいや、確実にいつもより変だ」

友達A「最近変だなぁとは思ってたけど、今日は余計にひどいぞ」

男「まじかよ」

0133以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 07:09:01.14ID:Egk5E+UG0
男「俺の体が疲れてるだけだろきっと」

友達A「疲れてるってお前最近毎日部活サボって森に行ってんじゃねえか」

友達A「それとも森で部活以上にきつい自主トレでもしてんのか?」

男「それはまずないと思う・・・」

友達A「だろ?やっぱりおかしいよお前」

男「心配のしすぎだって」


キーンコーン カーンコ-ン


男「ほら、授業始まるぞ」

友達A「・・・・・・」

0135以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 07:10:42.32ID:Egk5E+UG0
放課後


男「じゃ、俺例の如く1人で帰るから」


他の友達「あ、ああ・・・・」

他の友達「・・・・・・」

他の友達「・・・なんかあいつ、最近おかしいよな」


0136以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 07:13:28.93ID:Egk5E+UG0


学校 放課後



友達A「すいません、今日部活や済ませてもらっていいですか?」

顧問「珍しいな、お前が部活休むなんて」

友達A「すいません・・・」

顧問「お前は真面目だから信用してるよ気にすんな」

顧問「それより男に顔を出せって言っといてくれ」

友達A「ははっ」

友達A「そう伝えときます」

0137以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 07:17:14.32ID:Egk5E+UG0
学校 校門前



友達A(そういえばそうだ・・・)


友達A(あいつがおかしくなってきたのは)


友達A(あの銅像を見に行った日辺りからだ)


友達A(そして・・・あの時あいつは変なことを言っていた)


0138以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 07:21:24.48ID:Egk5E+UG0

―よく見ろって

―女の子がいた






友達A(・・・そんな事を言っていた)

友達A(あの時俺はてっきり冗談だと思っていたが)

友達A(もしかしたら)



友達A(あいつはあの時、何かに巻き込まれたのかもしれない)








そうして、俺はある場所に向かった

0139以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 07:25:39.71ID:Egk5E+UG0
森の中


ハク「男・・・お主どうしたんじゃ?」

ハク「なんか疲れているように見えるぞよ?」


またか

今日何回目だこれ言われたの


男「・・・もうそれは聞き飽きたよ」

ハク「でも変じゃ!」

ハク「最近少しだるそうに見えたが、今日はひとしきり変・・・」

男「だから、聞き飽きたってば」


ハク「・・・聞き飽きたって事は」

ハク「お主はそれだけおかしな状態になってるって事じゃぞ」


男「・・・・・・」

0140以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 07:30:12.87ID:Egk5E+UG0
ハク「おまけに」

ハク「饅頭とお茶まで忘れおって」


男「・・・あれ?」

男「おかしいな持ってきたと思ったのに」

男「悪いな」


ハク「・・・・・・」

ハク「・・・自覚症状はないんかえ?」

男「まったく無い」

男「だから、信じられない」

ハク「・・・・・・」

男「・・・・・・」

0144以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 08:01:24.87ID:Egk5E+UG0


コンコン


「はい」


友達A「また来たよ、おじいちゃん」

おじいちゃん「おお、また来てくれたんか」

おじいちゃん「・・・じゃがどうした?そんな血相変えて」


友達A「・・・ごめん、今回もゆっくりお茶できそうも無い」

友達A「おじいちゃん」

友達A「いますぐ聞きたい事があるんだ」


おじいちゃん「んん?」

0146以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 08:04:13.65ID:Egk5E+UG0
友達A「単刀直入に言うよ」





友達A「・・・この前の銅像の話なんだ」









おじいちゃん「・・・・・」

0147以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 08:08:09.13ID:Egk5E+UG0
友達A「正確に言えば」

友達A「ハク様のこと」

おじいちゃん「・・・・・・」

友達A「最初に聞いた時のおじいちゃん、少し様子が変だった」

友達A「もしかして・・・なんだけどさ」


友達A「おじいちゃんは何か知ってるんじゃいの?」







おじいちゃん「・・・・・・」

0148以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 08:11:41.47ID:Egk5E+UG0
誤字った・・・すみません・・・



おじいちゃん「・・・・・・」

おじいちゃん「・・・分かったよ」


おじいちゃん「話すよ、あの銅像について」

友達A「!!」

おじいちゃん「ただし」

おじいちゃん「お茶は飲んでいきなさい」

友達A「え・・・」

友達A「でも時間が・・・・」

0150以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 08:13:46.47ID:Egk5E+UG0

おじいちゃん「この話は、立ち話で終わるほど短くないんじゃよ」

おじいちゃん「だから、休憩をかねて話をするよ」

友達A「で・・・・でも・・・・」


おじいちゃん「急いては事をし損じる」

おじいちゃん「昔からの諺だよ」






友達A「・・・分かったよ、おじいちゃん」

0152以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 08:20:30.72ID:Egk5E+UG0
居間


おじいちゃん「そもそも」

おじいちゃん「あの銅像、ハク様は元々」

おじいちゃん「1人の旅人が見つけた銅像なんじゃよ」

友達A「旅人?」

おじいちゃん「ああ、旅人は若くして病に倒れてしまったんじゃが」

おじいちゃん「その旅人が、ワシら町の者にハク様の存在を広めたんじゃ」

友達A「その旅人が・・・」

おじいちゃん「その当時のワシらは今よりずっと貧しくてのぅ」

おじいちゃん「頼れるよりどころを欲していたんじゃろうな」



おじいちゃん「・・・その銅像を、願いの叶えてくれる神様の宿る銅像だと思い込んでしまった」

0154以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 08:23:17.58ID:Egk5E+UG0
友達A「ワシらって・・・まさか・・・・」

おじいちゃん「そう、ワシもその当時いた」

おじいちゃん「まだ若かったがのう」

友達A「おじいちゃんが・・・当事者・・・・」


おじいちゃん「・・・そしてワシらは、ハク様を一生懸命奉った」

おじいちゃん「願いを叶えてくれる神様だと信じて」

0156以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 08:29:18.59ID:Egk5E+UG0
おじいちゃん「当時のワシらは、とにかく何にでもすがった」

おじいちゃん「自分達で打破しようだなんて、誰一人思わなかった」

おじいちゃん「当時のワシらは、恐ろしく愚かだった」


おじいちゃん「そんなある時、ワシらは気付いてしまったんじゃよ」















ハク様の正体に。

0159以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 08:31:44.57ID:Egk5E+UG0



友達A「正体って・・・・」





友達A「ハク様は神様じゃないってこと?」





おじいちゃん「いや、ハク様は確かに神様じゃ」





おじいちゃん「じゃが・・・・・」





おじいちゃん「ただの神様ではなかった・・・・」

0160以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 08:33:25.86ID:Egk5E+UG0
おじいちゃん「ハク様は・・・・・・」



























おじいちゃん「疫病神だったんじゃよ」

0166以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 08:39:28.43ID:Egk5E+UG0



友達A「厄病神・・・・」

おじいちゃん「そう」

おじいちゃん「ハク様は、幸運を運ぶ神様などではなく」

おじいちゃん「それとは正反対の疫病神じゃった」


おじいちゃん「そしてそれが分かった時」

おじいちゃん「ワシらは怒り狂った」

0169以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 08:45:32.46ID:Egk5E+UG0
おじいちゃん「旅人が若くして死んだのも、きっと疫病神の呪いじゃったんじゃろう」

おじいちゃん「ワシらは怒り狂い、ハク様を罵った」




罵倒してけなして蹴り飛ばしてお供え物をぶつけ
うらみつらみを吐き出して願い思い祈り全て投げぶつけて
残酷に冷徹に冷酷に卑小に意地悪に




おじいちゃん「ワシらは全てをぶつけ」





おじいちゃん「そして、離れていった・・・・」

0172以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 08:51:29.23ID:Egk5E+UG0
>>168つ■ 使用済みだけど


おじいちゃん「これで、話すことは全てじゃ」

友達A「・・・・・・」

おじいちゃん「・・・まさか」

おじいちゃん「こんな大事が昔にあったなんて思わなかったかのう?」

友達A「・・・うん」

友達A「まさかこんな事が・・・・」

おじいちゃん「・・・・・・」

おじいちゃん「ただ一つ、確実に言える事は」


おじいちゃん「ワシらは、罪深き生物だということじゃ」

0173以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 08:54:38.04ID:Egk5E+UG0

おじいちゃん「ワシらは、ハク様に謝っても謝りきれない程の罪がある」

おじいちゃん「だが笑ってくれ」

おじいちゃん「臆病に生きてきたワシらは、謝ることすら怖くて出来んのじゃよ」


友達A「・・・・・・」


友達A「・・・それは、しょうがないんじゃないかな」


おじいちゃん「え?」

0175以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 08:57:06.00ID:Egk5E+UG0
友達A「当時の生き方は、それが主流だった」

友達A「もし俺がその場にいたら、俺も多分みんなと同じことをしてた」

友達A「許される罪では無いと思うけれど」


友達A「後悔を持っている限り、一生付き纏う罪でもないと思う」






おじいちゃん「・・・・・・」

おじいちゃん「・・・うっぐ、ひっぐ」

0176以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 08:58:54.90ID:Egk5E+UG0


ふとこの時




俺の脳裏を



何かがかすめた




一瞬すぎて




何かは分からなかったけど

0178以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 09:01:20.00ID:Egk5E+UG0

友達A「おじいちゃん・・・泣かないでよ・・・」

おじいちゃん「・・・すまんのぅ」

おじいちゃん「いい年して情けない」


友達A「・・・涙が出るのは、良い人の証拠だよ」

友達A「きっと」

0179以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 09:04:10.15ID:Egk5E+UG0
シュッ




またしても何かがかすめた




しかし、今度は浮かんで消えたという感じがした



何なんだ一体?




心当たりも特には無いのに

0181以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 09:07:03.13ID:Egk5E+UG0
ドカッ



!!




かすめていた物が、意識の壁に当たった




これでようやく何かが見れる



さぁ、





見せろ

0184以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 09:10:36.53ID:Egk5E+UG0

おじいちゃん「友達A?どうしたんじゃ?」

友達「・・・・え?」

おじいちゃん「なんか急にボーッとしたから心配したぞ」

友達A「・・・・・・」

友達A「ねぇおじいちゃん」

おじいちゃん「?」


友達A「ハク様の容姿ってどんなのか知ってる?」

友達A「銅像の姿以外で」


0187以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 09:13:02.59ID:Egk5E+UG0
>>183厳しいかもすまん



おじいちゃん「ワシは見たことが無いんじゃが」

おじいちゃん「その旅人は見たって言っておった」








おじいちゃん「なんでも、若くて幼い女の子だったそうじゃ」











その言葉を聞いた瞬間、俺は家を飛び出していた。

0189以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 09:17:40.57ID:Egk5E+UG0
>>185いすぎワロタって思ったけど、俺もかっていう



最初に行った時、男は言っていた

『この女の子が見えねーのかよ』

男は森に入り浸りになった

男は、段々やつれていっていた

まるで病気のように








友達A「・・・そうか」

友達A「・・・そういうことだったのか」

0191以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 09:20:43.99ID:Egk5E+UG0

恐らく旅人は、ハク様の姿を見ることが出来た

だから旅人はハク様とより長い時間付き合うことになった

そして旅人は、長く触れ合っているうちに疫病神の呪いを少しずつ受けていった

そして旅人は病気になった

そして最後には・・・・・









友達A「・・・くそったれ」

友達A「今の男と同じじゃねえか」

0192以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 09:23:41.87ID:Egk5E+UG0
俺は走っている

ひたすら走っている


旅人は死んだ

誰にも気付かれずに


だが男は違う

俺は気付いた

そしてまだ間に合うかもしれない


だから俺は走る

全速力で



あの森に

0193以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 09:28:30.25ID:Egk5E+UG0
森の中



男「・・・なぁハク」

ハク「ん?どうしたの?」

男「なんかさ」

ハク「うん」

男「凄く変な感じがするんだ」

ハク「変な感じ?」

男「うん」

ハク「・・・やっぱり体調悪いんじゃ」

男「そうなの・・・かな・・・・・・」

男「・・・・・・・」

0194以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 09:31:41.28ID:Egk5E+UG0
男はよろめいた

そして銅像に寄りかかった

ハク「だ、大丈夫!?」

男「な、なんとか」

ハク「やっぱり家でゆっくりした方がいいよ」

男「気に・・・すんな・・・・・」

男「なんとも・・・ないって・・・」

男「だから・・・」












ゴフッ

ビチャ

0200以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 09:41:43.74ID:Egk5E+UG0
>>195知らないんだぜごめん




そうして彼は





微かな意識を持ちながら






銅像に、血を吐いたのでした

0202以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 09:45:41.70ID:Egk5E+UG0

ハク「男!男しっかりして!」

男「・・・・・ん・・・・ん?」

男「・・・俺は・・・何をしたんだ?・・・」

ハク「いいからもう喋らないで!」

ハク「そこで安静にしてて」

ハク「今助けをよんでく・・・・」






ハク「助けを・・・・」

ハク「・・・・・・・」

0206以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 09:48:25.06ID:Egk5E+UG0

男「・・・無理・・・だ・・ろ・・・」

男「お前の・・姿・・・も声も・・・・」

男「俺・・・・位にし・・か・・・・見えな・・・いんだ・・から」


ハク「・・・・・・」

ハク「・・・うるさいうるさい!!」

ハク「いいから黙って安静にしてなさい!!」

0209以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 09:54:19.70ID:Egk5E+UG0
ハク「いいから見てなさい!!」

ハク「私だって頑張れば人間に声を届けるくらい!!」

男「周・・・りには・・・・誰も・・いな・・・・・・いが・な・・・」

男「ぉ・・まけ・・・・にゴフッ」

ハク「!!男!!」

男「おま・・・けに・・・ハア・・・」

男「もう・・・むrそ・・・うなkがs・・・るr」

ハク「待って!ダメ!それは絶対にだめ!!」

0210以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 09:59:12.91ID:Egk5E+UG0
私は泣き叫んだ

いつまでもいつまでも続くように泣き叫んだ

私は乞いつづけた

どこまでもどこまでも届くように乞いつづけた

私は願った

なによりもなによりも大切な物のために願った



そして私はこう言い続けた












『お願い!!誰か助けて!!!!』

0213以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 10:03:33.38ID:Egk5E+UG0
一度でいい

誰かに届いてこの声

お願いだから

こんな私の些細な願いを聞いて

神様が願い事なんておかしいことだけれど

神様が願い事するなんてって笑われたっていい

だからお願い












届いてこの声

0216以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 10:05:01.12ID:Egk5E+UG0
森の中



間に合ったか間に合っていないかは分からないが

とにかく俺は森に着いた

だが・・・・・





友達A「・・・やべえ」

友達A「・・・銅像の場所もう覚えてねえ」


0218以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 10:08:18.74ID:Egk5E+UG0
森の中でも俺は走った

闇雲に


友達A「くそっ・・・・」

友達A「だめだ分かんねぇ・・・・」


森の中は広い

今の時間に追われる俺にとっては

余計に広く感じる


友達A「はぁ・・・はぁ・・・くそっ!くそっ!」

友達A「どうすりゃあいいんだよ・・・・」

0219以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 10:11:54.70ID:Egk5E+UG0
友達A「どうする・・・・」

友達A「どうするんだ俺は・・・」




・・・・kて





友達A「・・・・ん?」

0221以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 10:14:25.66ID:Egk5E+UG0
今、何か声が聞こえた気がする


・・・・けて』



上手く聞き取れない
俺は耳を澄ます




・・・・助けて』




まだ聞き取れない
俺は全神経を耳に集中させた








『誰か助けて!』

0223以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 10:17:05.66ID:Egk5E+UG0

確かに聞こえた


助けを呼ぶ声が



















若い女の子の声が

0225以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 10:19:21.35ID:Egk5E+UG0

友達A「どっちだ」

友達A「どっちから聞こえた」




ーーーー!


ーーーー!






友達A「・・・・・」

友達A「・・・こっちか!」

0227以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 10:22:27.78ID:Egk5E+UG0
ハク「はぁ・・・はぁ・・・」

男「ハク・・・もういいよ・・・」

ハク「!!」

ハク「男!!少し落ち着いた!!」

男「ああ・・・・」

男「けど多分・・・・次にまた・・・発作が来る・・・」

男「そしたら・・・俺は・・・きっと・・・耐えられない・・・」

ハク「そ・・・そんな・・・」

0231以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 10:26:55.40ID:Egk5E+UG0
やっぱり


私の声なんて届かない

私の願いなんか叶わない

人一人ですら救えない

私はあんなに救ってもらったのに

恩返しも出来ない

私は無力

神様を語るなんておこがましい

人々に罵られていたあの頃に

私は死んでいればよかったのだろうか

0234以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 10:32:01.03ID:Egk5E+UG0
男「そんな事は・・・・ねぇよ・・・」

ハク「・・・え?」

男「どうせ・・・私なんか・・・いなきゃよかったとか・・・」

男「思ってたん・・・・だろ・・・?」

ハク「なんで・・・」

ハク「なんで心が読めるのよ・・・ただの人間のくせに・・・」

男「人間には・・・さ・・・・・」

男「敏感な・・・・心がある・・んだよ・・・・」

ハク「そんなものがあったって・・・・」

ハク「助からないじゃない・・・・」








男「・・・・・・フフッ」

男「・・・そうでも・・・・ないぞ・・」

0236以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 10:35:05.15ID:Egk5E+UG0
男「・・・耳を・・・・澄まして・・・みな・・・」

ハク「?」

ハクは耳を澄ませた





ザッ

ザッザッ




ザッザッザッ







ハク「足音・・・・・?」

男「誰かさんの・・・足音・・・・・」

0238以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 10:39:01.78ID:Egk5E+UG0

足音が近づいてくる・・・・

段々音は大きくなり


次第に今度は影が見えてきた

明らかにこっちに向かってきている








もしかして・・・・








私の声が届いた?

0240以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 10:46:16.17ID:Egk5E+UG0

友達A「・・・・やっと見つけた」

友達A「・・・・・・」

友達A「・・・朝以上に元気がないんじゃないのか?男」

男「だろうな・・・」


私はこの人を知っている

多分今回で会うのは3回目


昔と、初めて来た時と、今



友達A「・・・とりあえず救急車は呼んだ」

友達A「後は、お前の問題だ」


男「そう・・・か・・・」

男「・・・・・」

男「一つ・・・・聞きたい・・・んだが・・・」

0242以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 10:49:49.13ID:Egk5E+UG0

友達A「・・・・なんだよ」


男「・・・・・」

男「・・・よく・・・道・・・・覚えてたな・・・」


友達A「何言ってんだ、覚えてたわけねーだろ」


男「ほう・・・・」

男「じゃあ・・・なんで・・・・ここにこれ・・・たんだ?・・・」


友達A「そんなもん分かってんだろ」









「声がしたからだよ」

0244以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 10:52:31.60ID:Egk5E+UG0

男「声・・・・とな・・・?」


友達A「ああ」

友達A「可愛らしい女の子の声だったぜ」

友達A「ずっと聞いてたかったぐらいだ」


男「ふふっ・・・・そうか・・・い・・・」


男「・・・誰が・・・助けを・・・呼んでくれたんだろうな・・・・」


天使A「さぁな」


0249以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 10:55:32.75ID:Egk5E+UG0

私の声は届いてた・・・・


私の願いは叶えてもらえてた・・・・


私は、救うことが出来たんだ・・・・





私は・・・・

私は・・・・







私は、その場で泣き崩れた

0251以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 10:59:55.74ID:Egk5E+UG0

男「・・・・そう・・・いえば・・・」

男「まだ・・・言って・・・なかった・・・・・」

友達A「何をだ?」


男「お前・・・・じゃねえ・・・・・」

男「空気に・・・向けて・・・だ・・・・」

友達A「ほう、空気に恩でもあるのか」

男「・・・・・さぁ・・な」

男「だが・・・・」










男「ありがとう・・・・・・・」

0253以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 11:05:07.21ID:Egk5E+UG0


その後、男は病院へ搬送された

救急隊員も顔をしかめるほどの重症らしい

なんか臓器がどうとかこうとか

果たしてあいつは生き延びる事が出来るのだろうか

疫病神のご加護なんてものまで付いてて


まったく不幸だねあいつも

けど












手術は成功すると俺は思っている

0256以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 11:10:18.44ID:Egk5E+UG0

後日 病院外来受付


友達A「あのーすいません」

受付「はい?」

友達A「面会をしたいのですが」

受付「ご家族の方ですか?それともお知り合いさんで?」

友達A「友達です」


友達A「男って言うんですけど」

受付「かしこまりました」

0257以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 11:14:06.48ID:Egk5E+UG0

病室


友達A「・・・・・・」

男「おう、久しぶりだな」

友達A「・・・・・・」

男「なんだよ」

友達A「・・・・ププク」

友達A「頭!ツルツル!はははh!」

男「てめぇ、笑うんじゃねえ!」

友達A「悪い悪い・・・・ック」

男「好きでこうなったわけじゃねえっつうの

男「薬の副作用っつうのらしくてよ」

男「おまけに体重も激減だしよ」

男「まったく、イケメンが台無しだぜ」

友達A「まぁ最後の発言には同情できないな」

0259以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 11:16:28.13ID:Egk5E+UG0
友達A「退院はいつ頃なんだ?」

男「さぁな」

男「ただ、しばらくは無理そうだ」


友達A「・・・・そうか」

友達A「それじゃああそこに行くのはしばらく後になりそうだな」


男「あそこ?」

0260以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 11:18:02.30ID:Egk5E+UG0
友達A「決まってんだろ?森だよ森」

男「あー」

男「その件でさ」

男「頼みたいことがあるんだよね・・・」

友達A「?」

0261以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 11:21:45.65ID:Egk5E+UG0
男「お前1人で森に通ってやってくれない?」

友達A「・・・・は?」

男「いや、だから俺が行けない間さ」

男「代わりに行ってくれないかなって思って」


友達A「・・・・・・」

友達A「・・・いっとくが、俺はハク様とやらは見えんぞ」

友達A「てか、そんな事したら俺が呪われるじゃねーか!」


男「いやいや、そうじゃないんだ」

男「これを銅像にお供えしてくれるだけでいい」

0263以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 11:23:40.51ID:Egk5E+UG0
友達A「・・・・これは?」

男「饅頭6個+お茶セット」

友達A「・・・・なんで?」

男「あいつの大好物だからだよ」

友達A「あ、そうなんだ」


男「だからさ、時々でいいからさ、頼むよ、な!」


友達A「・・・・・・」

友達A「・・・分かったよ」

0265以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 11:27:47.42ID:Egk5E+UG0
数日後 森の中



友達A「・・・これをお供えするだけでいいんだよな」


俺は紙袋(饅頭6個+お茶セット)を

銅像の前に置いた


友達A「・・・・・・」

友達A「・・・お辞儀とかしなくていいよな」



友達A「・・・・・・」

友達A「よし、帰ろう」

0266以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 11:30:46.76ID:Egk5E+UG0
友達A「・・・・・・・」

友達A「・・・あのさ」


俺はふと、銅像に話しかけた

血迷ったか俺


友達A「・・・俺には姿を見ることは出来ないし、多分もう声を聞く事も出来ない」

友達A「でも、俺の声は聞こえてるかもしれないから、一応言っておくよ」















友達A「ありがとう」

0268以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/04/11(土) 11:33:20.58ID:Egk5E+UG0





そう言い終えた俺は、帰路につくことにした


銅像を背に帰る時


微かに声がした気がするが


きっと気のせいだろう









俺には、見ることも聞く事も出来ない物なのだから