1: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 15:01:43.966 ID:H4P0kcJ30.net
裁判長「これよりヒミツ裁判を始める!」カンッ!
裁判長「お前は巡行中の国王に襲撃をかけ、暗殺しようとした……これはけしからん」
裁判長「よって、お前は死刑!」
死刑囚「ぐっ……!」
死刑囚(なんなんだ、ヒミツ裁判って……)
死刑囚(しかもよりによって、こんな小娘に裁かれることになるとは……)
裁判長「だが……」
死刑囚「?」
裁判長「私に従うなら、生かしてやってもよいぞ」
死刑囚「ハァ?」
裁判長「お前は巡行中の国王に襲撃をかけ、暗殺しようとした……これはけしからん」
裁判長「よって、お前は死刑!」
死刑囚「ぐっ……!」
死刑囚(なんなんだ、ヒミツ裁判って……)
死刑囚(しかもよりによって、こんな小娘に裁かれることになるとは……)
裁判長「だが……」
死刑囚「?」
裁判長「私に従うなら、生かしてやってもよいぞ」
死刑囚「ハァ?」
3: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 15:05:06.218 ID:H4P0kcJ30.net
裁判長「さぁ、どうする?」
死刑囚「断る!」
死刑囚「俺はこの腐った国に天誅を加えるべく、事件を起こしたんだ!」
死刑囚「お前みたいな国家のイヌに従えるか!」
裁判長「ほぉう、いうではないか。では処刑人!」
処刑人「はい」ザッ
死刑囚(こいつは……俺を捕まえた奴! 改めて見ると強そうだ……)
裁判長「法に照らし、こやつを“一万回切り刻みの刑”に処せ!」
処刑人「かしこまりました」
死刑囚「は!?」
死刑囚「断る!」
死刑囚「俺はこの腐った国に天誅を加えるべく、事件を起こしたんだ!」
死刑囚「お前みたいな国家のイヌに従えるか!」
裁判長「ほぉう、いうではないか。では処刑人!」
処刑人「はい」ザッ
死刑囚(こいつは……俺を捕まえた奴! 改めて見ると強そうだ……)
裁判長「法に照らし、こやつを“一万回切り刻みの刑”に処せ!」
処刑人「かしこまりました」
死刑囚「は!?」
5: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 15:08:15 ID:H4P0kcJ30.net
処刑人「では切り刻みます」
死刑囚「ちょ、ちょっと待ってくれ! 一万回切り刻みなんて刑聞いたことないぞ!」
裁判長「当たり前だ。今私が作ったんだからな」
死刑囚「えええええ!?」
処刑人「お覚悟を」ヒュルルルッ
剣を振り回す処刑人。
死刑囚「ちょっ……」
裁判長「さぁ、どうする?」
死刑囚「従うよ……従います!」
裁判長「…………」ニッコリ
死刑囚(なんつういい笑顔しやがる。つられて笑いそうになっちまった)
死刑囚「ちょ、ちょっと待ってくれ! 一万回切り刻みなんて刑聞いたことないぞ!」
裁判長「当たり前だ。今私が作ったんだからな」
死刑囚「えええええ!?」
処刑人「お覚悟を」ヒュルルルッ
剣を振り回す処刑人。
死刑囚「ちょっ……」
裁判長「さぁ、どうする?」
死刑囚「従うよ……従います!」
裁判長「…………」ニッコリ
死刑囚(なんつういい笑顔しやがる。つられて笑いそうになっちまった)
6: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 15:11:16.490 ID:H4P0kcJ30.net
ある小屋に連れて行かれる。
処刑人「今日からあなたはここで暮らしていただきます」
死刑囚「ここが俺の牢獄ってわけか……」
中に入ると――
死刑囚「!」
女盗賊「あっ、お仲間が増えるっすね!」
詐欺師「へっへっへ……よろしくな」
死刑囚(なんだこいつら……)
処刑人「今日からあなたはここで暮らしていただきます」
死刑囚「ここが俺の牢獄ってわけか……」
中に入ると――
死刑囚「!」
女盗賊「あっ、お仲間が増えるっすね!」
詐欺師「へっへっへ……よろしくな」
死刑囚(なんだこいつら……)
8: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 15:14:29.262 ID:H4P0kcJ30.net
死刑囚「お前たちは?」
女盗賊「あたしは盗賊っす!」
詐欺師「俺はケチな詐欺師さ」
死刑囚(くっ、国のために立ち上がった俺が、こんなクズどもと暮らすことになるとは……)
詐欺師「お前さんは何やらかしたんだよ?」
死刑囚「国王暗殺未遂だ」
詐欺師「暗殺ゥ!? おいおい、やるもんだねえ」
女盗賊「すごいっす! スケールが違うっす!」
死刑囚「ふん、まぁな……」
女盗賊「あたしは盗賊っす!」
詐欺師「俺はケチな詐欺師さ」
死刑囚(くっ、国のために立ち上がった俺が、こんなクズどもと暮らすことになるとは……)
詐欺師「お前さんは何やらかしたんだよ?」
死刑囚「国王暗殺未遂だ」
詐欺師「暗殺ゥ!? おいおい、やるもんだねえ」
女盗賊「すごいっす! スケールが違うっす!」
死刑囚「ふん、まぁな……」
9: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 15:17:29.059 ID:H4P0kcJ30.net
死刑囚「この国の王は、娘を事故で亡くしてから、すっかり変わってしまった」
死刑囚「政治にやる気をなくし、腐った役人を野放しにし、国民の前にもろくに出てこなくなった」
死刑囚「だから珍しく巡行してるとこを狙って、天誅を加えようとしたんだが……」
……
ドカッ! バキッ! ドゴッ!
男『国王ォ、覚悟ォォォォォ!!!』タタタタタッ
国王『あわわわ……ひえええええっ!』
大臣『おいっ! 兵士ども、ワシを守れぇ!』
死刑囚「政治にやる気をなくし、腐った役人を野放しにし、国民の前にもろくに出てこなくなった」
死刑囚「だから珍しく巡行してるとこを狙って、天誅を加えようとしたんだが……」
……
ドカッ! バキッ! ドゴッ!
男『国王ォ、覚悟ォォォォォ!!!』タタタタタッ
国王『あわわわ……ひえええええっ!』
大臣『おいっ! 兵士ども、ワシを守れぇ!』
10: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 15:19:20.403 ID:H4P0kcJ30.net
護衛『そこまでだ……ドブネズミ』
ザシュッ!
男『ぐあっ……!』
……
死刑囚「惜しくも護衛に斬られて失敗、命からがら逃げてるところで……」
詐欺師「捕まって、ここに連れてこられたってわけか」
女盗賊「惜しかったっすね~」
ザシュッ!
男『ぐあっ……!』
……
死刑囚「惜しくも護衛に斬られて失敗、命からがら逃げてるところで……」
詐欺師「捕まって、ここに連れてこられたってわけか」
女盗賊「惜しかったっすね~」
12: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 15:22:17.899 ID:H4P0kcJ30.net
死刑囚「だが、俺は諦めてはいない!」
死刑囚「こうして捕まりはしたが、力をつけたら、いずれまた国王を狙ってやる!」
死刑囚「俺の国を救いたいという熱き心は、未だメラメラと……」
詐欺師「んじゃ、おやすみ」ゴロン
死刑囚「聞けや!」
女盗賊「襲わないで下さいね!」
死刑囚「誰が襲うか!」
死刑囚(くそっ、調子が狂う……)
…………
……
死刑囚「こうして捕まりはしたが、力をつけたら、いずれまた国王を狙ってやる!」
死刑囚「俺の国を救いたいという熱き心は、未だメラメラと……」
詐欺師「んじゃ、おやすみ」ゴロン
死刑囚「聞けや!」
女盗賊「襲わないで下さいね!」
死刑囚「誰が襲うか!」
死刑囚(くそっ、調子が狂う……)
…………
……
14: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 15:26:12.111 ID:H4P0kcJ30.net
次の日――
裁判長「さあ、お前たち起きろー! 朝だぞー!」
詐欺師「おはようさん」
女盗賊「さわやかな朝っすー。鳥さんも鳴いてるっす」
死刑囚「ふぁぁ……」
裁判長「コラ、あくびなどするな!」
死刑囚「俺は朝弱いんだよ……」
裁判長「朝食を済ませたら、さっそく労働に励んでもらうからな」
死刑囚(労働……何やらされるんだ?)
裁判長「さあ、お前たち起きろー! 朝だぞー!」
詐欺師「おはようさん」
女盗賊「さわやかな朝っすー。鳥さんも鳴いてるっす」
死刑囚「ふぁぁ……」
裁判長「コラ、あくびなどするな!」
死刑囚「俺は朝弱いんだよ……」
裁判長「朝食を済ませたら、さっそく労働に励んでもらうからな」
死刑囚(労働……何やらされるんだ?)
15: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 15:29:38.444 ID:H4P0kcJ30.net
― 村の畑 ―
裁判長「他の二人はもう知ってるが、お前たちはこれからこの村でしばらく暮らしていく」
裁判長「だから、村に恩返しせねばならん。今日はこの畑を耕してもらう」
詐欺師「へーい」
女盗賊「はーい!」
死刑囚「なんで俺がこんなことを……」
裁判長「不服か?」
死刑囚「不服だ! 俺は国難に立ち向かった勇士なんだぞ!」
裁判長「一万回……」ボソッ
死刑囚「畑仕事、頑張るぞ!」
裁判長「他の二人はもう知ってるが、お前たちはこれからこの村でしばらく暮らしていく」
裁判長「だから、村に恩返しせねばならん。今日はこの畑を耕してもらう」
詐欺師「へーい」
女盗賊「はーい!」
死刑囚「なんで俺がこんなことを……」
裁判長「不服か?」
死刑囚「不服だ! 俺は国難に立ち向かった勇士なんだぞ!」
裁判長「一万回……」ボソッ
死刑囚「畑仕事、頑張るぞ!」
16: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 15:31:49.073 ID:H4P0kcJ30.net
畑を耕す三人。
女盗賊「よいしょ、よいしょ」ザクッザクッ
死刑囚「ふんっ! ふんっ!」ザクッザクッ
詐欺師「はぁ、はぁ、はぁ……」
死刑囚「! おい、大丈夫か」
詐欺師「長年口八丁で生きてきたから、体力がなくてなぁ……」
死刑囚「ちっ、仕方ない。お前の分もやってやるよ」
詐欺師「悪いなぁ……」
女盗賊「よいしょ、よいしょ」ザクッザクッ
死刑囚「ふんっ! ふんっ!」ザクッザクッ
詐欺師「はぁ、はぁ、はぁ……」
死刑囚「! おい、大丈夫か」
詐欺師「長年口八丁で生きてきたから、体力がなくてなぁ……」
死刑囚「ちっ、仕方ない。お前の分もやってやるよ」
詐欺師「悪いなぁ……」
18: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 15:34:33.467 ID:H4P0kcJ30.net
裁判長「ほぉう、なんだかんだいってちゃんとやってるな、感心感心」
死刑囚「まぁな」
裁判長「しかしなぜ、詐欺師の分までやってるんだ? あまりはりきるとバテてしまうぞ」
死刑囚「え、だってあいつ体調が悪いって……」
裁判長「あやつなら、向こうで元気そうにお茶を飲んでいたが」
~
死刑囚「てめえ、ふざけんなァッ!!!」
詐欺師「これが俺流の自己紹介ってやつさ。今後ともよろしくな」
死刑囚「ぐぬぬ……」
死刑囚「まぁな」
裁判長「しかしなぜ、詐欺師の分までやってるんだ? あまりはりきるとバテてしまうぞ」
死刑囚「え、だってあいつ体調が悪いって……」
裁判長「あやつなら、向こうで元気そうにお茶を飲んでいたが」
~
死刑囚「てめえ、ふざけんなァッ!!!」
詐欺師「これが俺流の自己紹介ってやつさ。今後ともよろしくな」
死刑囚「ぐぬぬ……」
20: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 15:37:30.124 ID:H4P0kcJ30.net
村長「ほっほっほ、おかげでだいぶ畑の状態がよくなったわい」
村人「どうもありがとう」
村娘「ご飯を用意しましたので、召し上がって下さい」
ワイワイ…
女盗賊「働いた後のご飯はおいしいっすねー!」パクパク
死刑囚「ふん……(おかわり欲しい)」モグモグ
詐欺師「へっへっへ、まったくだねえ」ガツガツ
死刑囚「お前はろくに働いてないだろうが!」
村人「どうもありがとう」
村娘「ご飯を用意しましたので、召し上がって下さい」
ワイワイ…
女盗賊「働いた後のご飯はおいしいっすねー!」パクパク
死刑囚「ふん……(おかわり欲しい)」モグモグ
詐欺師「へっへっへ、まったくだねえ」ガツガツ
死刑囚「お前はろくに働いてないだろうが!」
21: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 15:40:24.652 ID:H4P0kcJ30.net
裁判長「昼食は済んだか?」
死刑囚「ああ……午後も畑仕事すればいいのか?」
裁判長「いや、午後は処刑人と剣の訓練をしてもらう」
処刑人「よろしくお願いします」
死刑囚「え……なんで!?」
裁判長「理由はまだ明かせん。だが、お前は私に従うと誓ったはずだな?」
死刑囚「くっ……」
死刑囚「いいだろう! この処刑人を、逆に処刑するぐらいのつもりでやってやる!」
処刑人「ええ、そのぐらいの意気込みでなければ困ります」
死刑囚「…………?」
死刑囚「ああ……午後も畑仕事すればいいのか?」
裁判長「いや、午後は処刑人と剣の訓練をしてもらう」
処刑人「よろしくお願いします」
死刑囚「え……なんで!?」
裁判長「理由はまだ明かせん。だが、お前は私に従うと誓ったはずだな?」
死刑囚「くっ……」
死刑囚「いいだろう! この処刑人を、逆に処刑するぐらいのつもりでやってやる!」
処刑人「ええ、そのぐらいの意気込みでなければ困ります」
死刑囚「…………?」
23: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 15:43:31.591 ID:H4P0kcJ30.net
木の剣で訓練する死刑囚と処刑人。
ガンッ!
死刑囚「ぐっ……!」
処刑人「さあ、どうしました? こんなものですか?」
死刑囚「ふざけんな! 俺は国を変える男……この程度でへばってたまるか!」
ガンッ! ガツンッ!
死刑囚(こいつ……強い!)
死刑囚(俺だって腕に覚えはあるのに……!)
死刑囚(処刑人って、こんな強い必要あるのかよ……!?)
ガンッ!
死刑囚「ぐっ……!」
処刑人「さあ、どうしました? こんなものですか?」
死刑囚「ふざけんな! 俺は国を変える男……この程度でへばってたまるか!」
ガンッ! ガツンッ!
死刑囚(こいつ……強い!)
死刑囚(俺だって腕に覚えはあるのに……!)
死刑囚(処刑人って、こんな強い必要あるのかよ……!?)
24: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 15:46:07 ID:H4P0kcJ30.net
死刑囚「はぁ、はぁ、はぁ……」
処刑人「荒削りですね。基礎もまるで出来ていない」
処刑人「しかし、国王暗殺一歩手前までいっただけあって、やはりスジはいい」
処刑人「特に突進力に関しては、私すら及ばない天性のものを持っている」
処刑人「あなたを選んだかいがあったというものです」
死刑囚「選んだってのはどういうことだ!」
処刑人「それはまだ話せません。さあ、続きをしましょう」
死刑囚「……望むところだ!」
処刑人「荒削りですね。基礎もまるで出来ていない」
処刑人「しかし、国王暗殺一歩手前までいっただけあって、やはりスジはいい」
処刑人「特に突進力に関しては、私すら及ばない天性のものを持っている」
処刑人「あなたを選んだかいがあったというものです」
死刑囚「選んだってのはどういうことだ!」
処刑人「それはまだ話せません。さあ、続きをしましょう」
死刑囚「……望むところだ!」
26: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 15:49:31.911 ID:H4P0kcJ30.net
― 小屋 ―
死刑囚(やっと一日が終わった……)ボロッ…
女盗賊「お疲れっすー」
詐欺師「へへへ、だいぶしごかれたみたいだな」
死刑囚「……お前たちは何をやらされたんだ?」
女盗賊「あたしは色んな鍵をずっと開けさせられてたっす! 金庫とか宝箱とか」
女盗賊「もちろん、中身はないっすけどねー」
詐欺師「俺は村人たちを作り話で楽しませろって、ずっと話をさせられてたぜ」
詐欺師「おかげでノドがいてえや」
死刑囚「…………」
死刑囚(やっと一日が終わった……)ボロッ…
女盗賊「お疲れっすー」
詐欺師「へへへ、だいぶしごかれたみたいだな」
死刑囚「……お前たちは何をやらされたんだ?」
女盗賊「あたしは色んな鍵をずっと開けさせられてたっす! 金庫とか宝箱とか」
女盗賊「もちろん、中身はないっすけどねー」
詐欺師「俺は村人たちを作り話で楽しませろって、ずっと話をさせられてたぜ」
詐欺師「おかげでノドがいてえや」
死刑囚「…………」
28: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 15:51:04.484 ID:H4P0kcJ30.net
死刑囚「あの裁判長と処刑人は、俺らに何をさせようってんだ?」
詐欺師「さあて、な」
女盗賊「面白いことだったらいいんすけどねー」
詐欺師「いずれにせよ、ただの裁判長と処刑人じゃないことだけは確かだろうな」
死刑囚「…………」
…………
……
詐欺師「さあて、な」
女盗賊「面白いことだったらいいんすけどねー」
詐欺師「いずれにせよ、ただの裁判長と処刑人じゃないことだけは確かだろうな」
死刑囚「…………」
…………
……
30: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 15:55:16.802 ID:H4P0kcJ30.net
次の日――
裁判長「おはよう諸君! さぁ、今日ははりきって水汲みだ!」
裁判長「えいえい、おーっ!」
女盗賊「おーっす!」
詐欺師「へーい」
死刑囚「ふぁぁ……」
裁判長「コラ、あくびするな! 皆の士気に関わる!」
死刑囚「だから朝は弱いんだっての……」ムニャ…
裁判長「おはよう諸君! さぁ、今日ははりきって水汲みだ!」
裁判長「えいえい、おーっ!」
女盗賊「おーっす!」
詐欺師「へーい」
死刑囚「ふぁぁ……」
裁判長「コラ、あくびするな! 皆の士気に関わる!」
死刑囚「だから朝は弱いんだっての……」ムニャ…
33: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 15:57:37.356 ID:H4P0kcJ30.net
女盗賊「わっ!」ヨロッ…
死刑囚「おっと、気をつけろよ」ガシッ
女盗賊「あ、ありがと……っす」
詐欺師「わぁぁぁっ! 俺もコケそうだぁぁぁっ!」ヨロヨロ
死刑囚「二度も騙されねーぞ!」
詐欺師「わぁぁぁぁぁっ!」ヨロヨロ
死刑囚「…………」
死刑囚「ほれ、手を貸してやるよ」
詐欺師「俺のも持ってくれるのか!? ありがとよっ!」ヒョイッ
死刑囚「お、おいっ! くそぉ~……!」
死刑囚「おっと、気をつけろよ」ガシッ
女盗賊「あ、ありがと……っす」
詐欺師「わぁぁぁっ! 俺もコケそうだぁぁぁっ!」ヨロヨロ
死刑囚「二度も騙されねーぞ!」
詐欺師「わぁぁぁぁぁっ!」ヨロヨロ
死刑囚「…………」
死刑囚「ほれ、手を貸してやるよ」
詐欺師「俺のも持ってくれるのか!? ありがとよっ!」ヒョイッ
死刑囚「お、おいっ! くそぉ~……!」
35: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 16:00:17.221 ID:H4P0kcJ30.net
午後――
処刑人「さぁ、かかってきて下さい」
死刑囚「行くぞ……だああああっ!」
ガッ! バキッ! ガツンッ!
ぶつかり合う木剣。
処刑人「はっ!」バシッ!
死刑囚「あぐっ……!」
死刑囚「ま、まだまだ……!」
処刑人「よい気迫です」
処刑人「さぁ、かかってきて下さい」
死刑囚「行くぞ……だああああっ!」
ガッ! バキッ! ガツンッ!
ぶつかり合う木剣。
処刑人「はっ!」バシッ!
死刑囚「あぐっ……!」
死刑囚「ま、まだまだ……!」
処刑人「よい気迫です」
36: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 16:03:19 ID:H4P0kcJ30.net
他の二人も――
女盗賊「う~ん……」グリグリ
女盗賊「なかなか開かないっすねえ……」グリグリ
女盗賊「ここをこう……」カチャッ
女盗賊「開いたっすー! この開いた瞬間の快感がたまらんすねえ……」ハァ…
~
詐欺師「で、その酔っ払いが酒を吐き出したら、そっから酒の魔人が飛び出してきて……」
村人「アッハッハ!」
若者「こりゃ面白いや。よく思いつくな、こんな話」
女盗賊「う~ん……」グリグリ
女盗賊「なかなか開かないっすねえ……」グリグリ
女盗賊「ここをこう……」カチャッ
女盗賊「開いたっすー! この開いた瞬間の快感がたまらんすねえ……」ハァ…
~
詐欺師「で、その酔っ払いが酒を吐き出したら、そっから酒の魔人が飛び出してきて……」
村人「アッハッハ!」
若者「こりゃ面白いや。よく思いつくな、こんな話」
37: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 16:05:10 ID:H4P0kcJ30.net
― 小屋 ―
死刑囚「ううう……体が痛い……」
女盗賊「あたしも、鍵開け飽きたっす……」
詐欺師「俺もノドがいてぇや……」
こうして死刑囚たちは、村の手伝いと謎の特訓を繰り返し、日々を過ごした……。
死刑囚「ううう……体が痛い……」
女盗賊「あたしも、鍵開け飽きたっす……」
詐欺師「俺もノドがいてぇや……」
こうして死刑囚たちは、村の手伝いと謎の特訓を繰り返し、日々を過ごした……。
39: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 16:09:18.358 ID:H4P0kcJ30.net
……
村長「今日もよく働いてくれたのう」
村人「たまにゃ酒でもどうだい?」
死刑囚「いや……俺は一応死刑囚なんで……」
裁判長「別にかまわんぞ」
死刑囚「いいのかよ! 緩すぎねえか、オイ!」
女盗賊「やったーっ! 飲むっすー!」
詐欺師「へへへ、疲れたノドには酒が一番ってね」
村長「今日もよく働いてくれたのう」
村人「たまにゃ酒でもどうだい?」
死刑囚「いや……俺は一応死刑囚なんで……」
裁判長「別にかまわんぞ」
死刑囚「いいのかよ! 緩すぎねえか、オイ!」
女盗賊「やったーっ! 飲むっすー!」
詐欺師「へへへ、疲れたノドには酒が一番ってね」
40: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 16:12:27.061 ID:H4P0kcJ30.net
村人たちと杯を交わす。
死刑囚「いやぁ~、この村はいい村だなぁ~。酒はうめえし、メシもうめえし……」
女盗賊「ホントっすね!」
詐欺師「あんた、朝弱いだけじゃなく、酒にも弱いんだな」
詐欺師「よーっし、ここは酒にまつわるヨタ話を披露すっかぁ!」
ドンチャンドンチャン…
裁判長「なぁ……私もお酒飲みたい」
処刑人「ダメです。ジュースで我慢して下さい」
裁判長「ううう……」
死刑囚「いやぁ~、この村はいい村だなぁ~。酒はうめえし、メシもうめえし……」
女盗賊「ホントっすね!」
詐欺師「あんた、朝弱いだけじゃなく、酒にも弱いんだな」
詐欺師「よーっし、ここは酒にまつわるヨタ話を披露すっかぁ!」
ドンチャンドンチャン…
裁判長「なぁ……私もお酒飲みたい」
処刑人「ダメです。ジュースで我慢して下さい」
裁判長「ううう……」
42: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 16:16:46 ID:H4P0kcJ30.net
……
― 小屋 ―
女盗賊「今日も疲れたっすー」
詐欺師「俺は今日、涙あり笑いありの勇者の大冒険を一日中くっちゃべってたぜ!」
死刑囚「…………」
詐欺師「ん、どしたい?」
死刑囚「そういや聞いてなかったが……」
死刑囚「お前たちは、どういう盗みや詐欺を働いてたんだ? どうやって捕まったんだ?」
詐欺師「お、あまり他人に興味なさそうだったお前さんも、そういうこと聞くようになったか」
死刑囚「うるせえな」
女盗賊「んじゃ、あたしから話すっす!」
― 小屋 ―
女盗賊「今日も疲れたっすー」
詐欺師「俺は今日、涙あり笑いありの勇者の大冒険を一日中くっちゃべってたぜ!」
死刑囚「…………」
詐欺師「ん、どしたい?」
死刑囚「そういや聞いてなかったが……」
死刑囚「お前たちは、どういう盗みや詐欺を働いてたんだ? どうやって捕まったんだ?」
詐欺師「お、あまり他人に興味なさそうだったお前さんも、そういうこと聞くようになったか」
死刑囚「うるせえな」
女盗賊「んじゃ、あたしから話すっす!」
43: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 16:19:51.020 ID:H4P0kcJ30.net
女盗賊「死刑囚さんもいってたけど、この国はお姫様が事故死してからおかしくなったっす」
死刑囚「ああ、巡行中に親衛隊とともに崖から転落……」
詐欺師「まだまだ若かったが、将来を嘱望されてた姫さんだったらしいな」
女盗賊「それからというもの、王様は税を上げたり、各地にひどい役人を送り込んだり……」
女盗賊「一気に暴君になったっす」
死刑囚「そうだ。だからこそ、俺は国王暗殺を決断したんだ」
死刑囚「娘が死んだのはショックだろうが、国民を巻き添えにしていいはずがねえ」
女盗賊「あたしが暮らしてた地方の人も、みんな参っちゃって……」
女盗賊「だからあたしは、みんなが取られ過ぎてる税金を少しでも取り返すため、盗賊になったっす」
死刑囚「いわゆる義賊ってやつか」
死刑囚「ああ、巡行中に親衛隊とともに崖から転落……」
詐欺師「まだまだ若かったが、将来を嘱望されてた姫さんだったらしいな」
女盗賊「それからというもの、王様は税を上げたり、各地にひどい役人を送り込んだり……」
女盗賊「一気に暴君になったっす」
死刑囚「そうだ。だからこそ、俺は国王暗殺を決断したんだ」
死刑囚「娘が死んだのはショックだろうが、国民を巻き添えにしていいはずがねえ」
女盗賊「あたしが暮らしてた地方の人も、みんな参っちゃって……」
女盗賊「だからあたしは、みんなが取られ過ぎてる税金を少しでも取り返すため、盗賊になったっす」
死刑囚「いわゆる義賊ってやつか」
44: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 16:22:26.368 ID:H4P0kcJ30.net
女盗賊「だけど、ある時ドジっちゃって……役場の兵士に追い詰められたんす」
女盗賊「そしたら……あの処刑人さんに……」
死刑囚「捕まって、あのふざけた≪ヒミツ裁判≫にかけられたってわけか」
女盗賊「そうっす! で、許して欲しければ私に従えって……」
死刑囚「ふうん。お前はお前なりに、ちゃんと考えて盗賊やってたんだな」
女盗賊「こりゃ照れるっす」
死刑囚「――詐欺師は?」
詐欺師「俺? 俺はただのツボを魔法のツボだとかいって売ってたら、捕まっちゃって……」
死刑囚「ただのクズじゃねえか!」
女盗賊「重いエピソードを期待しちゃったっす!」
詐欺師「重いエピソード? あるよ、そのツボがものすごく重くてよ……」
死刑囚「もういいよ!」
女盗賊「そしたら……あの処刑人さんに……」
死刑囚「捕まって、あのふざけた≪ヒミツ裁判≫にかけられたってわけか」
女盗賊「そうっす! で、許して欲しければ私に従えって……」
死刑囚「ふうん。お前はお前なりに、ちゃんと考えて盗賊やってたんだな」
女盗賊「こりゃ照れるっす」
死刑囚「――詐欺師は?」
詐欺師「俺? 俺はただのツボを魔法のツボだとかいって売ってたら、捕まっちゃって……」
死刑囚「ただのクズじゃねえか!」
女盗賊「重いエピソードを期待しちゃったっす!」
詐欺師「重いエピソード? あるよ、そのツボがものすごく重くてよ……」
死刑囚「もういいよ!」
45: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 16:25:49.081 ID:H4P0kcJ30.net
詐欺師「ただ、俺はともかく、お前さんたち二人は……」
詐欺師「考えようによっちゃ、“裁判長と処刑人に助けられた”とも取れるな」
死刑囚「助けられた? なんで?」
詐欺師「だって普通に捕まってたら、盗賊の嬢ちゃんは監獄行き、お前さんは即座に死刑だろ」
死刑囚「…………!」
女盗賊「たしかに……」
死刑囚(あいつらが……俺を助けた? 王を殺そうとしたこの俺を?)
死刑囚(いったい何をさせようってんだ……!)
…………
……
詐欺師「考えようによっちゃ、“裁判長と処刑人に助けられた”とも取れるな」
死刑囚「助けられた? なんで?」
詐欺師「だって普通に捕まってたら、盗賊の嬢ちゃんは監獄行き、お前さんは即座に死刑だろ」
死刑囚「…………!」
女盗賊「たしかに……」
死刑囚(あいつらが……俺を助けた? 王を殺そうとしたこの俺を?)
死刑囚(いったい何をさせようってんだ……!)
…………
……
47: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 16:29:39.023 ID:H4P0kcJ30.net
ある日――
三人が集められる。
裁判長「今日はお前たちに、一仕事してもらいたい」
死刑囚「仕事……?」
裁判長「この一帯の領主は、女癖が悪いことで有名でな」
裁判長「元々評判が悪い男だったのだが、世が乱れてからは特にひどくなった」
裁判長「そしてついに先日、近隣の町から若い娘をムリヤリ連行するという暴挙に出たそうだ」
死刑囚「!」
女盗賊「ええっ!?」
詐欺師「そりゃひでえ。山賊みたいなもんじゃねえか」
三人が集められる。
裁判長「今日はお前たちに、一仕事してもらいたい」
死刑囚「仕事……?」
裁判長「この一帯の領主は、女癖が悪いことで有名でな」
裁判長「元々評判が悪い男だったのだが、世が乱れてからは特にひどくなった」
裁判長「そしてついに先日、近隣の町から若い娘をムリヤリ連行するという暴挙に出たそうだ」
死刑囚「!」
女盗賊「ええっ!?」
詐欺師「そりゃひでえ。山賊みたいなもんじゃねえか」
48: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 16:32:26.854 ID:H4P0kcJ30.net
裁判長「今の荒れた時世、この暴挙を止められる者はいない」
裁判長「ついてはお前たち三人で、この娘たちを救出し……」
裁判長「領主にギャフンといわせてもらいたい!」
死刑囚(ギャフンて)
裁判長「やってもらえるか?」
死刑囚「……ようするに、これは俺らに対する“テスト”ってわけか」
裁判長「そう捉えてもらっても構わぬ」
死刑囚「いいだろう、やってやる。俺は元々そういうクソ野郎が大嫌いだしな」
女盗賊「あたしもやるっす!」
詐欺師「ま、しゃーねーな。囚人の身だしさ」
裁判長「うむ、期待してるぞ」
裁判長「ついてはお前たち三人で、この娘たちを救出し……」
裁判長「領主にギャフンといわせてもらいたい!」
死刑囚(ギャフンて)
裁判長「やってもらえるか?」
死刑囚「……ようするに、これは俺らに対する“テスト”ってわけか」
裁判長「そう捉えてもらっても構わぬ」
死刑囚「いいだろう、やってやる。俺は元々そういうクソ野郎が大嫌いだしな」
女盗賊「あたしもやるっす!」
詐欺師「ま、しゃーねーな。囚人の身だしさ」
裁判長「うむ、期待してるぞ」
49: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 16:35:29.790 ID:H4P0kcJ30.net
さっそく三人は領主の屋敷に向かう。
― 屋敷周辺 ―
死刑囚「ここか……」
女盗賊「おっきいっすね~」
詐欺師「こういうバカでかい屋敷に住んでる連中ってのは、騙しがいあるよな」
死刑囚「よし、行くぞ。さらわれた娘たちをとっとと助けてやろう」
女盗賊「おうっす!」
詐欺師「助けたお礼にイッパツぐらいさせてもらえるかもしれねえしな」ムフッ
死刑囚&女盗賊「…………」ギロッ
詐欺師「じょ、冗談だよ、冗談!」
― 屋敷周辺 ―
死刑囚「ここか……」
女盗賊「おっきいっすね~」
詐欺師「こういうバカでかい屋敷に住んでる連中ってのは、騙しがいあるよな」
死刑囚「よし、行くぞ。さらわれた娘たちをとっとと助けてやろう」
女盗賊「おうっす!」
詐欺師「助けたお礼にイッパツぐらいさせてもらえるかもしれねえしな」ムフッ
死刑囚&女盗賊「…………」ギロッ
詐欺師「じょ、冗談だよ、冗談!」
51: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 16:38:41.593 ID:H4P0kcJ30.net
門番「なんだお前ら?」
詐欺師「へへへ……こちらのご主人様に、ぜひとも極上のいい女を献上しようと」
門番「いい女ァ?」
女盗賊「どうも」ウフッ
門番「これが? とんだイモ娘じゃないか」
女盗賊「む……!」
詐欺師「いや、これがなかなかどうして、“テク”が凄いんでございますよ」
詐欺師「ご覧下さい、この指のしなやかさを! あっという間に“極楽イキ”間違いなし!」
女盗賊「うふ~ん」ワキワキ
門番「おおっ!」ゴクッ
門番「なるほど……この女なら領主様を満足させられるかもな。よし、通れ!」
詐欺師「へへへ……こちらのご主人様に、ぜひとも極上のいい女を献上しようと」
門番「いい女ァ?」
女盗賊「どうも」ウフッ
門番「これが? とんだイモ娘じゃないか」
女盗賊「む……!」
詐欺師「いや、これがなかなかどうして、“テク”が凄いんでございますよ」
詐欺師「ご覧下さい、この指のしなやかさを! あっという間に“極楽イキ”間違いなし!」
女盗賊「うふ~ん」ワキワキ
門番「おおっ!」ゴクッ
門番「なるほど……この女なら領主様を満足させられるかもな。よし、通れ!」
52: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 16:41:19.318 ID:H4P0kcJ30.net
まんまと屋敷に入った三人。
タタタッ…
死刑囚「女が捕われてるとすると、どのへんだ?」
女盗賊「こっちっす!」
死刑囚「なんで分かる?」
女盗賊「盗賊としての……カンっす!」
死刑囚「カンかよ」
詐欺師「ま、人間最後に頼れるのはカンだからな」
タタタタタッ…
タタタッ…
死刑囚「女が捕われてるとすると、どのへんだ?」
女盗賊「こっちっす!」
死刑囚「なんで分かる?」
女盗賊「盗賊としての……カンっす!」
死刑囚「カンかよ」
詐欺師「ま、人間最後に頼れるのはカンだからな」
タタタタタッ…
53: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 16:44:23.230 ID:H4P0kcJ30.net
女盗賊「ここっぽいっすね」
死刑囚(カンってバカにならねえな)
詐欺師「だけど厳重な鍵がかかってるな。開けられるのかい?」
女盗賊「昔のあたしならいざ知らず、今のあたしなら……針金でちょちょいっす!」カチャカチャ
ガチャッ…
あっけなくドアが開く。
死刑囚「やるじゃねえか」
女盗賊「えへへっ、どうもっす」
死刑囚(カンってバカにならねえな)
詐欺師「だけど厳重な鍵がかかってるな。開けられるのかい?」
女盗賊「昔のあたしならいざ知らず、今のあたしなら……針金でちょちょいっす!」カチャカチャ
ガチャッ…
あっけなくドアが開く。
死刑囚「やるじゃねえか」
女盗賊「えへへっ、どうもっす」
54: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 16:47:40.140 ID:H4P0kcJ30.net
捕われた娘たちを逃がす。
「ありがとう!」 「このご恩は忘れません!」 「みんな、逃げよ!」
タタタッ… タタタッ…
女盗賊「いやぁ~、気分爽快っすね。頑固な便秘な片付いた気分」
死刑囚「どういう喩えだ」
詐欺師「命の恩人は俺だからね、俺! 忘れちゃダメだよ~」
死刑囚「ったく、こいつは……」
ところが――
領主「な、なんてことしてくれた……貴様ら!」
領主「せっかく集めた女どもを逃がしおって……お前たち、奴らを捕えろ!」
ワァァァァ…
詐欺師「あーあ、やっぱこうなるのかい」
死刑囚「ふん……ここは俺に任せろ。処刑人との特訓の成果、見せてやる!」チャキッ
「ありがとう!」 「このご恩は忘れません!」 「みんな、逃げよ!」
タタタッ… タタタッ…
女盗賊「いやぁ~、気分爽快っすね。頑固な便秘な片付いた気分」
死刑囚「どういう喩えだ」
詐欺師「命の恩人は俺だからね、俺! 忘れちゃダメだよ~」
死刑囚「ったく、こいつは……」
ところが――
領主「な、なんてことしてくれた……貴様ら!」
領主「せっかく集めた女どもを逃がしおって……お前たち、奴らを捕えろ!」
ワァァァァ…
詐欺師「あーあ、やっぱこうなるのかい」
死刑囚「ふん……ここは俺に任せろ。処刑人との特訓の成果、見せてやる!」チャキッ
55: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 16:49:27.456 ID:H4P0kcJ30.net
死刑囚「はっ!」
ズバッ!
「ぐぎゃっ!」
死刑囚「せやっ!」
ザンッ!
「うああっ……!」
番兵を次々と戦闘不能にしていく。
女盗賊「か……かっこいいっす……!」
詐欺師(こんなに強かったのか……もう騙すのは程々にしとこっと)
ズバッ!
「ぐぎゃっ!」
死刑囚「せやっ!」
ザンッ!
「うああっ……!」
番兵を次々と戦闘不能にしていく。
女盗賊「か……かっこいいっす……!」
詐欺師(こんなに強かったのか……もう騙すのは程々にしとこっと)
57: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 16:53:07 ID:H4P0kcJ30.net
死刑囚「さてと……この色ボケ領主」チャキッ
領主「ひっ……!」
死刑囚「お前みたいなクソ野郎はいっそ死刑にしてやりたいが……」
死刑囚「あいにく俺も死刑囚なんでな。命だけは助けてやる」
領主「へ……?」
死刑囚「だけど、とりあえず、こいつは全裸縛り上げの刑にでもしとくか」
詐欺師「そりゃおもしれえや!」
女盗賊「さんせーっす!」
領主「いやぁぁぁぁぁぁぁ……!」
死刑囚「あ、そこはギャフンで頼む」
領主「ギャフン!」
領主「ひっ……!」
死刑囚「お前みたいなクソ野郎はいっそ死刑にしてやりたいが……」
死刑囚「あいにく俺も死刑囚なんでな。命だけは助けてやる」
領主「へ……?」
死刑囚「だけど、とりあえず、こいつは全裸縛り上げの刑にでもしとくか」
詐欺師「そりゃおもしれえや!」
女盗賊「さんせーっす!」
領主「いやぁぁぁぁぁぁぁ……!」
死刑囚「あ、そこはギャフンで頼む」
領主「ギャフン!」
58: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 16:56:35.557 ID:H4P0kcJ30.net
本当に全裸で縛られた領主。
領主「んーっ! んーっ!」
死刑囚「じゃあな」
女盗賊「反省するっすよ!」
詐欺師「次また悪さしたら……手足切り取って、ミノムシみたいにぶら下げて生きながら牛に食わす」
詐欺師「この国伝統の≪ミノタウロスの刑≫にしてやるぜ」
領主「んううう……」ジョボボボ…
女盗賊「ホントにあるんすか、そんな刑?」ヒソヒソ
詐欺師「今作った」ヒソヒソ
死刑囚(一瞬信じちゃったよ……)
…………
……
領主「んーっ! んーっ!」
死刑囚「じゃあな」
女盗賊「反省するっすよ!」
詐欺師「次また悪さしたら……手足切り取って、ミノムシみたいにぶら下げて生きながら牛に食わす」
詐欺師「この国伝統の≪ミノタウロスの刑≫にしてやるぜ」
領主「んううう……」ジョボボボ…
女盗賊「ホントにあるんすか、そんな刑?」ヒソヒソ
詐欺師「今作った」ヒソヒソ
死刑囚(一瞬信じちゃったよ……)
…………
……
60: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 16:59:39.426 ID:H4P0kcJ30.net
……
裁判長「よくやってくれた。罪なき女たちを助けられたこと、嬉しく思う」
女盗賊「楽勝っす!」
詐欺師「ま、俺がだいたい全部やったけどな」
裁判長「本当か!?」
処刑人「騙されないで下さい」
死刑囚「……で? これで俺らはテスト合格ってわけだ」
死刑囚「そろそろ、あんたの正体と目的を話してもらいたいもんだな」
裁判長「うむ、分かった……話そう」
裁判長「お前たちには、この国を救う手伝いをして欲しい!」
裁判長「よくやってくれた。罪なき女たちを助けられたこと、嬉しく思う」
女盗賊「楽勝っす!」
詐欺師「ま、俺がだいたい全部やったけどな」
裁判長「本当か!?」
処刑人「騙されないで下さい」
死刑囚「……で? これで俺らはテスト合格ってわけだ」
死刑囚「そろそろ、あんたの正体と目的を話してもらいたいもんだな」
裁判長「うむ、分かった……話そう」
裁判長「お前たちには、この国を救う手伝いをして欲しい!」
61: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 17:03:37 ID:H4P0kcJ30.net
女盗賊「国……!」
詐欺師「こりゃまた……一気にスケールでかい話になったねえ」
裁判長「死刑囚よ」
死刑囚「ん?」
裁判長「お前は国王を暗殺し損ねて、今ここにいるが……その時、なにか違和感はなかったか」
死刑囚「違和感……」
死刑囚「そうだな……。あの国王、情けなく悲鳴上げて……仮にも一国の王かと呆れたな」
裁判長「その通り。あれは王ではない」
死刑囚「は?」
裁判長「お前が殺そうとした王……あれは偽者だ」
死刑囚「な、なんだと!?」
詐欺師「こりゃまた……一気にスケールでかい話になったねえ」
裁判長「死刑囚よ」
死刑囚「ん?」
裁判長「お前は国王を暗殺し損ねて、今ここにいるが……その時、なにか違和感はなかったか」
死刑囚「違和感……」
死刑囚「そうだな……。あの国王、情けなく悲鳴上げて……仮にも一国の王かと呆れたな」
裁判長「その通り。あれは王ではない」
死刑囚「は?」
裁判長「お前が殺そうとした王……あれは偽者だ」
死刑囚「な、なんだと!?」
62: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 17:06:33.613 ID:H4P0kcJ30.net
死刑囚「なんで分かるんだよ!?」
裁判長「我々もあの時、王の巡行を見ていたからだ。あれは間違いなく偽者だ」
死刑囚「なるほど……だからしくじって無様に逃げてる俺を捕まえられたわけだ」
死刑囚「って、だからなんで偽者って分かるんだよ! 肉親でもないのに――」
裁判長「私は国王の肉親だ」
死刑囚「……は?」
裁判長「私は王の娘――つまり、姫だ」
死刑囚「な……!」
女盗賊「えええええ!?」
詐欺師「こりゃまいったね」
裁判長「我々もあの時、王の巡行を見ていたからだ。あれは間違いなく偽者だ」
死刑囚「なるほど……だからしくじって無様に逃げてる俺を捕まえられたわけだ」
死刑囚「って、だからなんで偽者って分かるんだよ! 肉親でもないのに――」
裁判長「私は国王の肉親だ」
死刑囚「……は?」
裁判長「私は王の娘――つまり、姫だ」
死刑囚「な……!」
女盗賊「えええええ!?」
詐欺師「こりゃまいったね」
65: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 17:09:29.182 ID:H4P0kcJ30.net
死刑囚「姫は、たしか事故で死んだはずじゃ……!」
女盗賊「そうっす! 大ニュースになったっす! 崖から転落したーって!」
裁判長「そう、私は死んだことになっている」
裁判長「ただし……あれは事故などではない」
裁判長「私は……明確に命を狙われたんだ」
…………
……
女盗賊「そうっす! 大ニュースになったっす! 崖から転落したーって!」
裁判長「そう、私は死んだことになっている」
裁判長「ただし……あれは事故などではない」
裁判長「私は……明確に命を狙われたんだ」
…………
……
66: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 17:12:37.490 ID:H4P0kcJ30.net
およそ一年前、姫は見聞を広めるため、親衛隊と地方を巡っていた。
姫「隊長、次の町へはいつごろ着く?」
親衛隊長「あと一時間といったところでしょうか」
姫「ふむ、そうか」
姫「このあたりは崖道だ。皆の者、くれぐれも通行には気を付けるように」
親衛隊長「かしこまりました、姫様」
ガタゴトガタゴト…
その時だった。
ドドドドド…
姫「隊長、次の町へはいつごろ着く?」
親衛隊長「あと一時間といったところでしょうか」
姫「ふむ、そうか」
姫「このあたりは崖道だ。皆の者、くれぐれも通行には気を付けるように」
親衛隊長「かしこまりました、姫様」
ガタゴトガタゴト…
その時だった。
ドドドドド…
67: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 17:15:20.381 ID:H4P0kcJ30.net
ザンッ! ザシュッ!
親衛隊員A「ぐあっ……!」
親衛隊員B「ぐわあっ!」
集団に奇襲をかけられ、次々と親衛隊が倒される。
姫「みんな……! なんだこいつらは!」
親衛隊長「姫、お下がりください!」
護衛「お美しくなられましたね、姫。まるで蝶々だ」
姫「お前は……! 大臣の側近の……!」
護衛「クックック……死んでもらいますよ、姫」
親衛隊員A「ぐあっ……!」
親衛隊員B「ぐわあっ!」
集団に奇襲をかけられ、次々と親衛隊が倒される。
姫「みんな……! なんだこいつらは!」
親衛隊長「姫、お下がりください!」
護衛「お美しくなられましたね、姫。まるで蝶々だ」
姫「お前は……! 大臣の側近の……!」
護衛「クックック……死んでもらいますよ、姫」
68: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 17:17:31.305 ID:H4P0kcJ30.net
キィンッ! ガキンッ!
護衛「流石に親衛隊を任されるだけのことはある……。だが、この足場でいつまで姫を守れるかな!?」
親衛隊長「くっ……!」
護衛「二人まとめて、地獄に落ちろッ!」
ドゴォッ!
蹴り飛ばされる。
親衛隊長「しまっ……!」
姫「きゃあっ!」
ヒュゥゥゥゥゥ…
ザバン…
護衛「流石に親衛隊を任されるだけのことはある……。だが、この足場でいつまで姫を守れるかな!?」
親衛隊長「くっ……!」
護衛「二人まとめて、地獄に落ちろッ!」
ドゴォッ!
蹴り飛ばされる。
親衛隊長「しまっ……!」
姫「きゃあっ!」
ヒュゥゥゥゥゥ…
ザバン…
70: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 17:21:25.629 ID:H4P0kcJ30.net
……
……
裁判長「だが、私と隊長は奇跡的に助かった……」
裁判長「そして……今の今までこの村のご厚意で生活していたんだ……」
処刑人「この村は、悪政の影響をさほど受けていないのも幸いしました」
死刑囚「隊長? ……そうか、あんたは!」
処刑人「ええ、私がその親衛隊長です」
死刑囚「どうりで強いわけだ……」
女盗賊「悪い奴らっすねえ。あたしがいうのもなんだけど」
詐欺師「姫さんを殺して、王様の偽者なんか用意して、大臣は何を狙ってんだ?」
……
裁判長「だが、私と隊長は奇跡的に助かった……」
裁判長「そして……今の今までこの村のご厚意で生活していたんだ……」
処刑人「この村は、悪政の影響をさほど受けていないのも幸いしました」
死刑囚「隊長? ……そうか、あんたは!」
処刑人「ええ、私がその親衛隊長です」
死刑囚「どうりで強いわけだ……」
女盗賊「悪い奴らっすねえ。あたしがいうのもなんだけど」
詐欺師「姫さんを殺して、王様の偽者なんか用意して、大臣は何を狙ってんだ?」
72: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 17:24:40.678 ID:H4P0kcJ30.net
裁判長「大臣はおそらく、護衛に私を殺させた直後、父上……つまり本物の国王を幽閉したはずだ」
女盗賊「幽閉……って閉じ込めることっすよね」
詐欺師「なんで殺さねんだ? わざわざ偽者だって用意してるのに」
裁判長「大臣は偽者の王を用意しつつ、この一年で国の政治を大いに乱れさせた」
裁判長「狙いは……一ヶ月後の式典のため!」
死刑囚「式典……?」
詐欺師「たしか一ヶ月後は、この王国が建国された日……≪王国記念日≫だっけか」
裁判長「その通り。そこで大臣は、父上に正式に王位を明け渡させるつもりなのだ」
裁判長「“今の心身では王は務まらない”という名目で」
裁判長「この儀式は、とても偽者では務まらん。だから、大臣はまだ父上を生かしているはず」
死刑囚「今の国の状況じゃ、“大臣による乗っ取りだ!”なんて騒ぐ奴も少ないだろうな」
女盗賊「幽閉……って閉じ込めることっすよね」
詐欺師「なんで殺さねんだ? わざわざ偽者だって用意してるのに」
裁判長「大臣は偽者の王を用意しつつ、この一年で国の政治を大いに乱れさせた」
裁判長「狙いは……一ヶ月後の式典のため!」
死刑囚「式典……?」
詐欺師「たしか一ヶ月後は、この王国が建国された日……≪王国記念日≫だっけか」
裁判長「その通り。そこで大臣は、父上に正式に王位を明け渡させるつもりなのだ」
裁判長「“今の心身では王は務まらない”という名目で」
裁判長「この儀式は、とても偽者では務まらん。だから、大臣はまだ父上を生かしているはず」
死刑囚「今の国の状況じゃ、“大臣による乗っ取りだ!”なんて騒ぐ奴も少ないだろうな」
73: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 17:27:58.429 ID:H4P0kcJ30.net
裁判長「私は密かに義勇兵を募り……いくらかの人数を集めることができた」
死刑囚「ちゃんとやることはやってたのか」
裁判長「だが、今の戦力では、大臣が個人で動かせる兵力にも遠く及ばないのが実情だ」
裁判長「それに、私や隊長にできるような正攻法では、あの大臣に通じるとは思えない」
処刑人「そこで、姫はある格言を思い出します」
処刑人「“マンドレイクをもってマンドレイクを制す”」
詐欺師「マンドレイクって……毒かい」
女盗賊「毒には毒をってやつっすね! ……その毒って?」
裁判長「お前たちだ」
女盗賊「あたしたちっすか!? あたしたち毒っすか!? ポイズンっすか!?」
死刑囚「詐欺師、盗賊、暗殺犯……立派な毒だろ」
死刑囚「で、俺たちみたいな罪人を集めて、訓練したってわけか」
死刑囚「ちゃんとやることはやってたのか」
裁判長「だが、今の戦力では、大臣が個人で動かせる兵力にも遠く及ばないのが実情だ」
裁判長「それに、私や隊長にできるような正攻法では、あの大臣に通じるとは思えない」
処刑人「そこで、姫はある格言を思い出します」
処刑人「“マンドレイクをもってマンドレイクを制す”」
詐欺師「マンドレイクって……毒かい」
女盗賊「毒には毒をってやつっすね! ……その毒って?」
裁判長「お前たちだ」
女盗賊「あたしたちっすか!? あたしたち毒っすか!? ポイズンっすか!?」
死刑囚「詐欺師、盗賊、暗殺犯……立派な毒だろ」
死刑囚「で、俺たちみたいな罪人を集めて、訓練したってわけか」
74: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 17:30:47.814 ID:H4P0kcJ30.net
死刑囚「俺らがやるべきことは?」
裁判長「大臣が王位についたら、もはや私たちに打つ手はない」
裁判長「だからこの一ヶ月以内に、私たちは挙兵し、城に攻め込む」
裁判長「当然、大臣は兵を出すだろう。その時、城は手薄になる。そこへ……お前たちに忍び込んでもらう」
裁判長「父上を救出し、大臣の企みを打ち破ってもらいたい!」
三人「…………」
裁判長「どうだ、やってもらえるだろうか?」
裁判長「大臣が王位についたら、もはや私たちに打つ手はない」
裁判長「だからこの一ヶ月以内に、私たちは挙兵し、城に攻め込む」
裁判長「当然、大臣は兵を出すだろう。その時、城は手薄になる。そこへ……お前たちに忍び込んでもらう」
裁判長「父上を救出し、大臣の企みを打ち破ってもらいたい!」
三人「…………」
裁判長「どうだ、やってもらえるだろうか?」
75: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 17:33:42.172 ID:H4P0kcJ30.net
死刑囚「答える前にひとつ聞きたい」
裁判長「?」
死刑囚「どうしてわざわざ裁判長なんてもんに扮したんだ?」
女盗賊「あ、あたしも聞きたかったっす!」
裁判長「もちろん、ちゃんと理由はある」
裁判長「一つは、私の正体を明かすのはリスクがあったから」
裁判長「信頼できると判断するまで、正体を名乗るわけにはいかなかった」
裁判長「もう一つは、罪人と上下関係を作るには、“裁く者と裁かれる者”の関係が一番手っ取り早いと思ったからだ」
死刑囚「なるほどな」
裁判長「だが、一番の理由は……」
三人「理由は?」ゴクッ
裁判長「?」
死刑囚「どうしてわざわざ裁判長なんてもんに扮したんだ?」
女盗賊「あ、あたしも聞きたかったっす!」
裁判長「もちろん、ちゃんと理由はある」
裁判長「一つは、私の正体を明かすのはリスクがあったから」
裁判長「信頼できると判断するまで、正体を名乗るわけにはいかなかった」
裁判長「もう一つは、罪人と上下関係を作るには、“裁く者と裁かれる者”の関係が一番手っ取り早いと思ったからだ」
死刑囚「なるほどな」
裁判長「だが、一番の理由は……」
三人「理由は?」ゴクッ
76: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 17:36:46.332 ID:H4P0kcJ30.net
裁判長「一度、裁判長をやってみたかったから!」
死刑囚「…………」
女盗賊「…………」
詐欺師「…………」
死刑囚「なぁ、こいつ、一発殴っていいか?」
処刑人「一発ぐらいでしたらどうぞ」
裁判長「ちょっ!?」
死刑囚「じゃあ……一発な」ハァ~…
女盗賊「わっ、息かけて……ガチじゃないっすか!」
裁判長「ひいいい……」
死刑囚「…………」
女盗賊「…………」
詐欺師「…………」
死刑囚「なぁ、こいつ、一発殴っていいか?」
処刑人「一発ぐらいでしたらどうぞ」
裁判長「ちょっ!?」
死刑囚「じゃあ……一発な」ハァ~…
女盗賊「わっ、息かけて……ガチじゃないっすか!」
裁判長「ひいいい……」
78: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 17:39:43.114 ID:H4P0kcJ30.net
コツンッ
裁判長「……え」
死刑囚「今ので、今までのことは全部チャラだ」
死刑囚「俺はあんたに従う。元々国を変えたくて、騒動を起こしたんだしな」
裁判長「死刑囚……」
女盗賊「あたしもやるっす!」
詐欺師「俺はパス! ……なんて言える雰囲気じゃねえわな」
死刑囚「決まりだな」
死刑囚「俺たち罪人三名……力を貸すぜ!」
裁判長「……ありがとう」
死刑囚「ただし俺は、この件が終わるまでは、あんたを裁判長と呼ばせてもらう」
裁判長「うむ、かまわんぞ、死刑囚!」
裁判長「……え」
死刑囚「今ので、今までのことは全部チャラだ」
死刑囚「俺はあんたに従う。元々国を変えたくて、騒動を起こしたんだしな」
裁判長「死刑囚……」
女盗賊「あたしもやるっす!」
詐欺師「俺はパス! ……なんて言える雰囲気じゃねえわな」
死刑囚「決まりだな」
死刑囚「俺たち罪人三名……力を貸すぜ!」
裁判長「……ありがとう」
死刑囚「ただし俺は、この件が終わるまでは、あんたを裁判長と呼ばせてもらう」
裁判長「うむ、かまわんぞ、死刑囚!」
79: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 17:43:27.186 ID:H4P0kcJ30.net
……
― 城 ―
大臣「おい……あれに“餌”はやったか?」
護衛「ええ、先ほど」
大臣「まだあれを死なすわけにはいかんからなぁ。式典までは生きてもらわんと」
護衛「閣下がめでたく王になったあかつきには?」
大臣「ワシらが用意した偽者は当然処分するとして……そうよのう」
大臣「殺してしまうもよし、情けをかけ“前王家最後の王”として、飼ってやるのもよいか」
護衛「クックック……」
大臣「ハッハッハ……」
― 城 ―
大臣「おい……あれに“餌”はやったか?」
護衛「ええ、先ほど」
大臣「まだあれを死なすわけにはいかんからなぁ。式典までは生きてもらわんと」
護衛「閣下がめでたく王になったあかつきには?」
大臣「ワシらが用意した偽者は当然処分するとして……そうよのう」
大臣「殺してしまうもよし、情けをかけ“前王家最後の王”として、飼ってやるのもよいか」
護衛「クックック……」
大臣「ハッハッハ……」
80: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 17:45:23 ID:H4P0kcJ30.net
大臣「なにか報告はあるか?」
護衛「特にこれといってありません。順調に王への不満は高まっています、が……」
大臣「が?」
護衛「地方のバカ領主が、近隣の若い娘を集めてハーレムを企んだそうなのですが」
護衛「賊に押し入られて、奪還されたとのことです。だらしのない話ですな」
大臣「…………」
大臣「……気に食わんな」
護衛「は?」
護衛「特にこれといってありません。順調に王への不満は高まっています、が……」
大臣「が?」
護衛「地方のバカ領主が、近隣の若い娘を集めてハーレムを企んだそうなのですが」
護衛「賊に押し入られて、奪還されたとのことです。だらしのない話ですな」
大臣「…………」
大臣「……気に食わんな」
護衛「は?」
81: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 17:48:05 ID:H4P0kcJ30.net
大臣「ワシの手でこの国はずいぶん堕落させたというに」
大臣「未だにそうやって正義感を振りかざす者がいるのが気に食わん」
大臣「もしかすると、ワシの即位の邪魔になることもあり得る……」
護衛「考えすぎでは……」
大臣「いずれにせよ、残り一ヶ月は万全を期さねばならん」
大臣「念のため、一隊を率いて調査してくるのだ」
護衛「かしこまりました」
大臣「未だにそうやって正義感を振りかざす者がいるのが気に食わん」
大臣「もしかすると、ワシの即位の邪魔になることもあり得る……」
護衛「考えすぎでは……」
大臣「いずれにせよ、残り一ヶ月は万全を期さねばならん」
大臣「念のため、一隊を率いて調査してくるのだ」
護衛「かしこまりました」
82: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 17:51:21.094 ID:H4P0kcJ30.net
……
正体を明かした姫たちと、死刑囚らは――
― 村 ―
死刑囚「でぇやぁぁぁっ!」
バシィッ!
親衛隊長「ぐっ……!」
死刑囚「やった、初めて一本取れた!」
親衛隊長「お見事です。私の教えた剣術と、あなたの突進力が上手く融合されてきたようですね」
死刑囚「ホントか!」
親衛隊長「ええ、これならばきっと――」
村人「大変だーっ!」
正体を明かした姫たちと、死刑囚らは――
― 村 ―
死刑囚「でぇやぁぁぁっ!」
バシィッ!
親衛隊長「ぐっ……!」
死刑囚「やった、初めて一本取れた!」
親衛隊長「お見事です。私の教えた剣術と、あなたの突進力が上手く融合されてきたようですね」
死刑囚「ホントか!」
親衛隊長「ええ、これならばきっと――」
村人「大変だーっ!」
83: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 17:53:31.956 ID:H4P0kcJ30.net
親衛隊長「どうしました?」
村人「この村に……軍隊が向かってきてるんだ。今までこんなこと、一度もなかったのに……」
親衛隊長「なんですって?」
死刑囚「ど、どうするよ!?」
親衛隊長「とにかく、すぐ姫様に知らせましょう」
…………
……
村人「この村に……軍隊が向かってきてるんだ。今までこんなこと、一度もなかったのに……」
親衛隊長「なんですって?」
死刑囚「ど、どうするよ!?」
親衛隊長「とにかく、すぐ姫様に知らせましょう」
…………
……
84: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 17:55:40.634 ID:H4P0kcJ30.net
姫「くっ……まさか、私の生存や計画がバレてしまったのか!?」
親衛隊長「いえ、もしそうなら、もっと大々的に部隊を繰り出すはず」
親衛隊長「≪王国記念日≫も近いので、念のための調査といったところでしょう」
親衛隊長「しかし、上手く切り抜けられねば全てが終わります」
死刑囚「いっそのこと、返り討ちにしたらどうだ?」
親衛隊長「残念ながら、我々では今向かってくる部隊にすら勝てないでしょう」
親衛隊長「とにかく今はやり過ごすしかありません」
姫「分かった……」
親衛隊長「いえ、もしそうなら、もっと大々的に部隊を繰り出すはず」
親衛隊長「≪王国記念日≫も近いので、念のための調査といったところでしょう」
親衛隊長「しかし、上手く切り抜けられねば全てが終わります」
死刑囚「いっそのこと、返り討ちにしたらどうだ?」
親衛隊長「残念ながら、我々では今向かってくる部隊にすら勝てないでしょう」
親衛隊長「とにかく今はやり過ごすしかありません」
姫「分かった……」
85: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 17:58:13.773 ID:H4P0kcJ30.net
村長「姫様たちは隠れていて下され」
村人「あいつらは上手く俺らがごまかすからさ!」
姫「かたじけない……!」
親衛隊長「大臣の兵を率いている護衛は、腕は立ちますが残忍な男です。くれぐれもお気をつけて」
女盗賊「あたしらも隠れるしかないっすね」
死刑囚「だけど、村人たちに“上手くごまかす”なんて出来んのか?」
女盗賊「そこは信じるしかないっすよ!」
死刑囚「まあ、そうだけどよ」
詐欺師「…………」
…………
……
村人「あいつらは上手く俺らがごまかすからさ!」
姫「かたじけない……!」
親衛隊長「大臣の兵を率いている護衛は、腕は立ちますが残忍な男です。くれぐれもお気をつけて」
女盗賊「あたしらも隠れるしかないっすね」
死刑囚「だけど、村人たちに“上手くごまかす”なんて出来んのか?」
女盗賊「そこは信じるしかないっすよ!」
死刑囚「まあ、そうだけどよ」
詐欺師「…………」
…………
……
86: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 18:02:03.136 ID:H4P0kcJ30.net
兵を率いて、護衛が到着する。
護衛「お前が……この村の長か」
村長「はい、そうでございますじゃ。兵士の方々がこんなひなびた村になんのご用で……」
護衛「王の御命令で、この地域を調査して回っている」
護衛「聞けば、この村は最近にわかに活気づいてるらしいな? 収穫量も増えてると聞く」
村長「いえ、そんなことは……のう?」
村人「ええ、いつもと変わりませんよ」
護衛「まぁいい。何か……隠してることはないか?」ギロッ
村長「! か、隠すなど……そんな……」
護衛(カマをかけてみたが、この反応……)
護衛「お前が……この村の長か」
村長「はい、そうでございますじゃ。兵士の方々がこんなひなびた村になんのご用で……」
護衛「王の御命令で、この地域を調査して回っている」
護衛「聞けば、この村は最近にわかに活気づいてるらしいな? 収穫量も増えてると聞く」
村長「いえ、そんなことは……のう?」
村人「ええ、いつもと変わりませんよ」
護衛「まぁいい。何か……隠してることはないか?」ギロッ
村長「! か、隠すなど……そんな……」
護衛(カマをかけてみたが、この反応……)
87: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 18:06:12.605 ID:H4P0kcJ30.net
護衛「この村にはやましいことは何もない、と?」
村長「は、はい……」
バキィッ!
村長「ぶっ!?」
殴り飛ばされる村長。
ザワッ…
護衛「吐けよタヌキ……なに隠してんだ? 吐かないんなら村人を順々に殺していってもいいんだぞ」ガシッ
村長「で、ですから、なにも……!」
護衛「分かった。ならばまず、お前から殺してやる。もう十分長生きしたろ」チャキッ
村長「ううっ……!」
「そ、村長!」 「やめてくれぇっ!」 「いやぁっ!」
村長「は、はい……」
バキィッ!
村長「ぶっ!?」
殴り飛ばされる村長。
ザワッ…
護衛「吐けよタヌキ……なに隠してんだ? 吐かないんなら村人を順々に殺していってもいいんだぞ」ガシッ
村長「で、ですから、なにも……!」
護衛「分かった。ならばまず、お前から殺してやる。もう十分長生きしたろ」チャキッ
村長「ううっ……!」
「そ、村長!」 「やめてくれぇっ!」 「いやぁっ!」
88: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 18:08:30 ID:H4P0kcJ30.net
「そうだ、殺せえぇぇぇぇぇっ!!!」
護衛「な、なんだ?」
村長「え……?」
ザワザワ… ドヨドヨ…
護衛「な、なんだ?」
村長「え……?」
ザワザワ… ドヨドヨ…
90: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 18:11:37.680 ID:H4P0kcJ30.net
詐欺師「兵士さん、こいつらやっちまって下さぁぁぁぁぁい!!!」
護衛「なんだお前は……?」
詐欺師「これは失礼。あっしはこの村に行商に来た、ケチな商人なんですけどね」
詐欺師「こいつらに捕まって、ずっと強制労働させられてたんですよ。見て下さい、このマメ!」サッ
護衛「…………」
詐欺師「ようするに、こいつら無実な人間を捕まえて、勝手に裁いてたんですよ!」
詐欺師「こんなこと許されていいと思いますか!? ……いや、よくないッ!」
詐欺師「あっしはあんたらみたいな国の使いが来るのを待ってたんですよ!」
詐欺師「こんな村、滅ぼしちゃってくださぁぁぁぁぁい!!! レッツ・ジェノサイド!!!」
ザワザワ…
護衛「なんだお前は……?」
詐欺師「これは失礼。あっしはこの村に行商に来た、ケチな商人なんですけどね」
詐欺師「こいつらに捕まって、ずっと強制労働させられてたんですよ。見て下さい、このマメ!」サッ
護衛「…………」
詐欺師「ようするに、こいつら無実な人間を捕まえて、勝手に裁いてたんですよ!」
詐欺師「こんなこと許されていいと思いますか!? ……いや、よくないッ!」
詐欺師「あっしはあんたらみたいな国の使いが来るのを待ってたんですよ!」
詐欺師「こんな村、滅ぼしちゃってくださぁぁぁぁぁい!!! レッツ・ジェノサイド!!!」
ザワザワ…
91: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 18:14:35.339 ID:H4P0kcJ30.net
護衛「なるほど、このマメ……お前のいってることは本当のようだ」
護衛「これが、この村の“隠してたこと”ってわけか」
詐欺師「おっしゃる通りィ! 信じて下さってありがとうございますぅ!」
護衛「ああ、信じてやろう」
護衛「お前が“無実の人間”ってところ以外はな」ガシッ
詐欺師「え……?」
護衛「濁った眼をしてやがる。おおかた、詐欺でもやらかして捕まったんだろ」
護衛「我々はお前のようなウジムシに踊らされるほど甘くはない」
バキィッ!
詐欺師「ぐぴゃっ……!」
護衛「これが、この村の“隠してたこと”ってわけか」
詐欺師「おっしゃる通りィ! 信じて下さってありがとうございますぅ!」
護衛「ああ、信じてやろう」
護衛「お前が“無実の人間”ってところ以外はな」ガシッ
詐欺師「え……?」
護衛「濁った眼をしてやがる。おおかた、詐欺でもやらかして捕まったんだろ」
護衛「我々はお前のようなウジムシに踊らされるほど甘くはない」
バキィッ!
詐欺師「ぐぴゃっ……!」
92: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 18:17:15.591 ID:H4P0kcJ30.net
護衛「ったく閣下も、ビクビクしすぎなんだよ……」
護衛「こんなウジムシのためにクソ田舎まで足を運んだかと思うと……ムカッ腹が立ってきた」
護衛「ウジムシはウジムシらしく、地面に這いつくばってろ!」
詐欺師「ひ、ひええええ……! お許しをぉ……」
ドカッ! バキッ! ガッ! ドゴッ!
ギャァァァァ…
…………
……
護衛「こんなウジムシのためにクソ田舎まで足を運んだかと思うと……ムカッ腹が立ってきた」
護衛「ウジムシはウジムシらしく、地面に這いつくばってろ!」
詐欺師「ひ、ひええええ……! お許しをぉ……」
ドカッ! バキッ! ガッ! ドゴッ!
ギャァァァァ…
…………
……
96: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 18:21:17.709 ID:H4P0kcJ30.net
……
姫「詐欺師の容態は?」
親衛隊長「かなり痛めつけられてますが、かろうじて一命は……」
姫「そうか、よかった……」ホッ
女盗賊「倒れてるの見た時は、死んじゃったと思ったっすよ……」
親衛隊長「彼のファインプレーです。私には村人を救う手立ては思いつきませんでしたし」
親衛隊長「最悪、姫様のことまで明らかになってたかもしれません」
姫「うむ……感謝してもしきれぬ……」
死刑囚「…………」スッ
女盗賊「あ、どこ行くっすか?」
死刑囚「ちょっとな」
姫「詐欺師の容態は?」
親衛隊長「かなり痛めつけられてますが、かろうじて一命は……」
姫「そうか、よかった……」ホッ
女盗賊「倒れてるの見た時は、死んじゃったと思ったっすよ……」
親衛隊長「彼のファインプレーです。私には村人を救う手立ては思いつきませんでしたし」
親衛隊長「最悪、姫様のことまで明らかになってたかもしれません」
姫「うむ……感謝してもしきれぬ……」
死刑囚「…………」スッ
女盗賊「あ、どこ行くっすか?」
死刑囚「ちょっとな」
97: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 18:24:47.159 ID:H4P0kcJ30.net
重傷を負い、ベッドで横たわる詐欺師。
死刑囚「……起きてるか?」
詐欺師「ん? ……ああ、お前さんか」
死刑囚「上手いことやったな」
詐欺師「ああいう奴は……プライド高いから……“殺せ”っていったらやらねえもんなんだ……」
詐欺師「おかげで、こんなハンサムにされちまった、けどな……へへ」
死刑囚「なんでだ?」
詐欺師「?」
死刑囚「お前は姫や村を見捨てたって、いくらでも生きてくことはできるはず」
死刑囚「なのに、どうしてここまで……。殺されてもおかしくなかった」
詐欺師「…………」
死刑囚「……起きてるか?」
詐欺師「ん? ……ああ、お前さんか」
死刑囚「上手いことやったな」
詐欺師「ああいう奴は……プライド高いから……“殺せ”っていったらやらねえもんなんだ……」
詐欺師「おかげで、こんなハンサムにされちまった、けどな……へへ」
死刑囚「なんでだ?」
詐欺師「?」
死刑囚「お前は姫や村を見捨てたって、いくらでも生きてくことはできるはず」
死刑囚「なのに、どうしてここまで……。殺されてもおかしくなかった」
詐欺師「…………」
100: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 18:27:27.943 ID:H4P0kcJ30.net
詐欺師「俺さ、結構裕福な生まれ……なのよね」
死刑囚「?」
詐欺師「だけど、ペテン師に騙されて一家は破産……両親も首くくっちまった……」
詐欺師「残された俺も詐欺師に身をやつし……人を騙して生きてきた」
死刑囚「…………」
詐欺師「でもさ、ここでの生活は本当に楽しかった……」
詐欺師「騙してばっかの俺だけど……これは嘘じゃねえ……」
詐欺師「だから……ちょいと無理しちゃったよ……。らしくねえことしちまった……」
死刑囚「…………」
死刑囚「?」
詐欺師「だけど、ペテン師に騙されて一家は破産……両親も首くくっちまった……」
詐欺師「残された俺も詐欺師に身をやつし……人を騙して生きてきた」
死刑囚「…………」
詐欺師「でもさ、ここでの生活は本当に楽しかった……」
詐欺師「騙してばっかの俺だけど……これは嘘じゃねえ……」
詐欺師「だから……ちょいと無理しちゃったよ……。らしくねえことしちまった……」
死刑囚「…………」
101: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 18:29:17.981 ID:H4P0kcJ30.net
死刑囚「いつだったか、俺はお前をクズだといった」
死刑囚「本当にすまなかった。許して欲しい」ペコッ
詐欺師「よせやい……」
死刑囚「とにかく……ゆっくり寝てくれ。俺たちにはまだ、お前の力が必要なんだ」
詐欺師「ああ……そうさせてもらう……」
死刑囚「…………」
死刑囚「本当にすまなかった。許して欲しい」ペコッ
詐欺師「よせやい……」
死刑囚「とにかく……ゆっくり寝てくれ。俺たちにはまだ、お前の力が必要なんだ」
詐欺師「ああ……そうさせてもらう……」
死刑囚「…………」
102: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 18:32:19.991 ID:H4P0kcJ30.net
……
親衛隊長「はあっ!」バシッ!
死刑囚「もういっちょう! うおおおおおっ!」ダッ
バシッ! ガッ! バシィッ!
死刑囚「ぐっ……まだまだァ!」
女盗賊「お姫様、死刑囚さん気合入ってるっすねえ」
姫「うむ……しかし無茶せねばいいが」
親衛隊長「はあっ!」バシッ!
死刑囚「もういっちょう! うおおおおおっ!」ダッ
バシッ! ガッ! バシィッ!
死刑囚「ぐっ……まだまだァ!」
女盗賊「お姫様、死刑囚さん気合入ってるっすねえ」
姫「うむ……しかし無茶せねばいいが」
103: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 18:34:38.216 ID:H4P0kcJ30.net
― 小屋 ―
死刑囚「ううう……」ボロッ…
女盗賊「お疲れっすー。今日も張り切ってたっすねー」
死刑囚「まぁな……」
女盗賊「詐欺師さんに影響されたっすか?」
死刑囚「かもな……。あいつがあんな体張ったんだ。戦い担当の俺だってやらねえと……」
女盗賊「死刑囚さん、変わったっすね」
死刑囚「なにが?」
女盗賊「来た当初はあたしらのこと見下してた感じだったのに、今は全然違うっす!」
死刑囚「…………」
死刑囚「ううう……」ボロッ…
女盗賊「お疲れっすー。今日も張り切ってたっすねー」
死刑囚「まぁな……」
女盗賊「詐欺師さんに影響されたっすか?」
死刑囚「かもな……。あいつがあんな体張ったんだ。戦い担当の俺だってやらねえと……」
女盗賊「死刑囚さん、変わったっすね」
死刑囚「なにが?」
女盗賊「来た当初はあたしらのこと見下してた感じだったのに、今は全然違うっす!」
死刑囚「…………」
104: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 18:37:37.655 ID:H4P0kcJ30.net
女盗賊「というわけで、今日はあたしがサービスっす!」
死刑囚「サービスって?」
女盗賊「マッサージっすよ」
死刑囚「……なんだ」
女盗賊「 なのじゃなく残念でしたね!」
死刑囚「別に期待してねえよ」
女盗賊「だけど死刑囚さんが望むなら……」
死刑囚「?」
女盗賊「いやいやいや、なんでもないっす! さ、鍵開けで培ったテクを見せるっすよ!」グッ
死刑囚「鍵開けとマッサージって互換性ないだろ……うっ!?」
死刑囚「サービスって?」
女盗賊「マッサージっすよ」
死刑囚「……なんだ」
女盗賊「 なのじゃなく残念でしたね!」
死刑囚「別に期待してねえよ」
女盗賊「だけど死刑囚さんが望むなら……」
死刑囚「?」
女盗賊「いやいやいや、なんでもないっす! さ、鍵開けで培ったテクを見せるっすよ!」グッ
死刑囚「鍵開けとマッサージって互換性ないだろ……うっ!?」
105: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 18:39:05.461 ID:H4P0kcJ30.net
「んぎいいいいいいいいっ!」
「うほおおおおおおおおおおおっ!」
「ぎっ、ぎもぢいいっ……!」
姫「な、なんだ!? 小屋の中から……まさか、あの二人……!?」
姫「ううむ……別に禁止しておらんが……しかし……」
親衛隊長「いや、多分違うと思いますよ」
「うほおおおおおおおおおおおっ!」
「ぎっ、ぎもぢいいっ……!」
姫「な、なんだ!? 小屋の中から……まさか、あの二人……!?」
姫「ううむ……別に禁止しておらんが……しかし……」
親衛隊長「いや、多分違うと思いますよ」
107: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 18:42:23.561 ID:H4P0kcJ30.net
それから残りわずかの期間、死刑囚たちは己を鍛え――
親衛隊長「さて、仕上げに入りましょう」
死刑囚「おうっ!」
ガッ! バシッ! カンッ!
女盗賊「ん~……これ開かないっす!」ガチャガチャ
姫「頑張れ! 頑張れ! 諦めるな!」
女盗賊「お姫様、集中できないので、お静かに」シーッ
姫「……すまん」
死刑囚「体、少しはマシになってきたな」
詐欺師「まぁな……村の人もよくしてくれてるしな」
村娘「ご飯お持ちしました!」
詐欺師「ありがとぉ~ん、尻触らせて!」
死刑囚「こいつ……トドメ刺したろか」
親衛隊長「さて、仕上げに入りましょう」
死刑囚「おうっ!」
ガッ! バシッ! カンッ!
女盗賊「ん~……これ開かないっす!」ガチャガチャ
姫「頑張れ! 頑張れ! 諦めるな!」
女盗賊「お姫様、集中できないので、お静かに」シーッ
姫「……すまん」
死刑囚「体、少しはマシになってきたな」
詐欺師「まぁな……村の人もよくしてくれてるしな」
村娘「ご飯お持ちしました!」
詐欺師「ありがとぉ~ん、尻触らせて!」
死刑囚「こいつ……トドメ刺したろか」
108: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 18:45:20.583 ID:H4P0kcJ30.net
作戦決行前夜――
姫「…………」
死刑囚「まだ起きてたのか。裁判長」
姫「おお、死刑囚か」
死刑囚「眠れないのか?」
姫「うむ……。明日で全てが決まる」
姫「もし失敗すれば、私はもちろん、親衛隊長も、集めた義勇兵たちも……」
姫「そして、お前たちも命はないだろう」
姫「…………」
死刑囚「まだ起きてたのか。裁判長」
姫「おお、死刑囚か」
死刑囚「眠れないのか?」
姫「うむ……。明日で全てが決まる」
姫「もし失敗すれば、私はもちろん、親衛隊長も、集めた義勇兵たちも……」
姫「そして、お前たちも命はないだろう」
109: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 18:49:47.651 ID:H4P0kcJ30.net
死刑囚「人を“一万回切り刻みの刑”にしようとした奴の台詞とは思えないな」
姫「あ、あんなのウソに決まってるだろう!」
死刑囚「どうだか」
姫「本当だ! 私がそんな刑を執行するような輩だったら、大臣よりひどい人間になってしまう!」
死刑囚「冗談だよ、冗談」
姫「人の悪い奴だ」
死刑囚「なにせ誰かさんに死刑を宣告された身なもんで」
姫「ぐぬう……」
死刑囚「やるだけやったんだ。あとは神様がどっちに微笑むか……だろうさ」
姫「私は……私たちに微笑ませてみせる。私のために死んだ者たちのためにも……」
死刑囚「頼もしいねえ」
姫「あ、あんなのウソに決まってるだろう!」
死刑囚「どうだか」
姫「本当だ! 私がそんな刑を執行するような輩だったら、大臣よりひどい人間になってしまう!」
死刑囚「冗談だよ、冗談」
姫「人の悪い奴だ」
死刑囚「なにせ誰かさんに死刑を宣告された身なもんで」
姫「ぐぬう……」
死刑囚「やるだけやったんだ。あとは神様がどっちに微笑むか……だろうさ」
姫「私は……私たちに微笑ませてみせる。私のために死んだ者たちのためにも……」
死刑囚「頼もしいねえ」
110: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 18:52:32.705 ID:H4P0kcJ30.net
姫「……死ぬなよ」
死刑囚「ハハ、死刑囚に“死ぬな”っていう裁判長なんているんだな」
姫「一人ぐらいいてもよかろう」
死刑囚「でもたしかに、俺はあんた以外に死刑にされるわけにはいかないからな」
死刑囚「なんとか生き延びてみせる」
姫「ああ……頼むぞ」
「そうっすぅぅぅぅぅ!!!」
二人「!?」ギョッ
死刑囚「ハハ、死刑囚に“死ぬな”っていう裁判長なんているんだな」
姫「一人ぐらいいてもよかろう」
死刑囚「でもたしかに、俺はあんた以外に死刑にされるわけにはいかないからな」
死刑囚「なんとか生き延びてみせる」
姫「ああ……頼むぞ」
「そうっすぅぅぅぅぅ!!!」
二人「!?」ギョッ
111: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 18:54:25.335 ID:H4P0kcJ30.net
女盗賊「大丈夫っす、お姫様! あたしらなら国取り戻せるっす!」
詐欺師「任せとけ。って、詐欺師にいわれても不安にしかならねーわな」
死刑囚「お前たちも起きてたのかよ」
姫「これで明日、みんな寝坊してしまったらたまらんな」
アハハハハ…
親衛隊長「…………」
親衛隊長(いい仲間を持ちましたね、姫様)
…………
……
詐欺師「任せとけ。って、詐欺師にいわれても不安にしかならねーわな」
死刑囚「お前たちも起きてたのかよ」
姫「これで明日、みんな寝坊してしまったらたまらんな」
アハハハハ…
親衛隊長「…………」
親衛隊長(いい仲間を持ちましたね、姫様)
…………
……
113: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 18:59:40.832 ID:H4P0kcJ30.net
翌朝――
義勇兵を率い、姫たちが出陣する。
姫「では参ろう」
姫「私のために集ってくれた義勇兵たちよ、本当にありがとう」
姫「大臣の野望を食い止めるため、どうか力を貸して欲しい!」
親衛隊長「出撃する!」
オーッ!!!
ザッザッザッ…
死刑囚(あの数じゃ……まともに大臣の兵と戦ったらひとたまりもねえだろうな)
死刑囚「俺らも出発するか」
詐欺師「おや? 今日はあくびしねえのかい」
死刑囚「さすがに今日は……気合の入り方が違うぜ」
女盗賊「かっこいいっす!」
義勇兵を率い、姫たちが出陣する。
姫「では参ろう」
姫「私のために集ってくれた義勇兵たちよ、本当にありがとう」
姫「大臣の野望を食い止めるため、どうか力を貸して欲しい!」
親衛隊長「出撃する!」
オーッ!!!
ザッザッザッ…
死刑囚(あの数じゃ……まともに大臣の兵と戦ったらひとたまりもねえだろうな)
死刑囚「俺らも出発するか」
詐欺師「おや? 今日はあくびしねえのかい」
死刑囚「さすがに今日は……気合の入り方が違うぜ」
女盗賊「かっこいいっす!」
114: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 19:02:48 ID:H4P0kcJ30.net
― 城 ―
大臣「……なんだと!? “姫”を名乗る者が兵を率いて、城に押し寄せてると!?」
護衛「ええ、たしかに突き落としたのですが……」
大臣「あの小娘……まさか生きていたとは……」
護衛「もっとも大した数ではありませんがね。兵も明らかに寄せ集めのミジンコに過ぎません」
大臣「しかし、姫が生きていたと分かれば、城の兵隊にも姫につく者が出るかもしれん」
大臣「その姫は“ニセ姫”として扱い、早急に我が手勢だけで叩き潰す!」
大臣「今夜の祝杯は……小娘の頭蓋骨で飲んでやるわ!」
護衛「クックック……ではその酒は私に注がせて下さい」
大臣「うむ……。国がワシのものになればお前が軍団長だ」
大臣「……なんだと!? “姫”を名乗る者が兵を率いて、城に押し寄せてると!?」
護衛「ええ、たしかに突き落としたのですが……」
大臣「あの小娘……まさか生きていたとは……」
護衛「もっとも大した数ではありませんがね。兵も明らかに寄せ集めのミジンコに過ぎません」
大臣「しかし、姫が生きていたと分かれば、城の兵隊にも姫につく者が出るかもしれん」
大臣「その姫は“ニセ姫”として扱い、早急に我が手勢だけで叩き潰す!」
大臣「今夜の祝杯は……小娘の頭蓋骨で飲んでやるわ!」
護衛「クックック……ではその酒は私に注がせて下さい」
大臣「うむ……。国がワシのものになればお前が軍団長だ」
115: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 19:04:31 ID:H4P0kcJ30.net
姫率いる義勇軍――
親衛隊長「姫様、大臣の軍が出てきました」
姫「よし、後は少しでも奴らを城から引き離す」
姫「私は旗を持ち、奴らの標的となる。“姫を狙え”と厳命されてるだろうからな」
親衛隊長「よいか、これから我らは大臣軍と“つかず離れず”の戦を繰り広げる!」
親衛隊長「命をかけた戦いとなる! どうか死力を尽くして欲しい!」
オーッ!!!
親衛隊長「姫様、大臣の軍が出てきました」
姫「よし、後は少しでも奴らを城から引き離す」
姫「私は旗を持ち、奴らの標的となる。“姫を狙え”と厳命されてるだろうからな」
親衛隊長「よいか、これから我らは大臣軍と“つかず離れず”の戦を繰り広げる!」
親衛隊長「命をかけた戦いとなる! どうか死力を尽くして欲しい!」
オーッ!!!
116: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 19:06:43 ID:H4P0kcJ30.net
― 城の裏口 ―
ワァァァァ… ワァァァァ…
女盗賊「城から兵隊が出ていくっす!」
詐欺師「ついに始まったねえ……もう引き返せねえ」
死刑囚「こっちもスタートだ。裏口の鍵を開けてくれ」
女盗賊「分かったっす」カリカリ…
カチャッ
女盗賊「開いたっす!」
死刑囚「よし、行くぞ! まずは国王を助け出す!」
ワァァァァ… ワァァァァ…
女盗賊「城から兵隊が出ていくっす!」
詐欺師「ついに始まったねえ……もう引き返せねえ」
死刑囚「こっちもスタートだ。裏口の鍵を開けてくれ」
女盗賊「分かったっす」カリカリ…
カチャッ
女盗賊「開いたっす!」
死刑囚「よし、行くぞ! まずは国王を助け出す!」
118: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 19:09:49 ID:H4P0kcJ30.net
タタタッ…
死刑囚「こっちであってるのか?」
女盗賊「はい、お姫様からお城のことは詳しく聞いてるっすから!」
女盗賊「ごく一部しか知らない隠し部屋……そこに王様は閉じ込められてるはずっす!」
詐欺師「ま、普通の牢屋に入れとくのは無理だわな」
女盗賊「……あっ!」
兵士A「なんだ、貴様らァ!」
兵士B「ここをどこだと思ってる!」
死刑囚「ちっ、いきなり鉢合わせかよ」
女盗賊「ど、どうするっすか?」
死刑囚「やるしかないだろ!」チャキッ
詐欺師「いや……ちょいと待った」
死刑囚「こっちであってるのか?」
女盗賊「はい、お姫様からお城のことは詳しく聞いてるっすから!」
女盗賊「ごく一部しか知らない隠し部屋……そこに王様は閉じ込められてるはずっす!」
詐欺師「ま、普通の牢屋に入れとくのは無理だわな」
女盗賊「……あっ!」
兵士A「なんだ、貴様らァ!」
兵士B「ここをどこだと思ってる!」
死刑囚「ちっ、いきなり鉢合わせかよ」
女盗賊「ど、どうするっすか?」
死刑囚「やるしかないだろ!」チャキッ
詐欺師「いや……ちょいと待った」
119: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 19:12:15.519 ID:H4P0kcJ30.net
詐欺師「お前さんたち」
兵士A「?」
詐欺師「今……城に敵軍が攻めてきてるのは知ってるだろ?」
兵士A「ああ……亡き姫様を騙った“ニセ姫”が……」
詐欺師「いいや……あの姫は本物さ」
兵士AB「!?」
兵士A「本物だと……バカな!」
兵士B「姫様は事故で……!」
詐欺師「ところが、そうじゃなかった……姫は生きてたんだ!」
兵士AB「…………ッ!」
思わず聞き入ってしまう兵士二人。
兵士A「?」
詐欺師「今……城に敵軍が攻めてきてるのは知ってるだろ?」
兵士A「ああ……亡き姫様を騙った“ニセ姫”が……」
詐欺師「いいや……あの姫は本物さ」
兵士AB「!?」
兵士A「本物だと……バカな!」
兵士B「姫様は事故で……!」
詐欺師「ところが、そうじゃなかった……姫は生きてたんだ!」
兵士AB「…………ッ!」
思わず聞き入ってしまう兵士二人。
121: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 19:16:33.786 ID:H4P0kcJ30.net
詐欺師「今、姫は……この国を取り戻そうとしてる! ……大臣の手から!」
詐欺師「俺たちはその手伝いをする特殊部隊……≪ヒミツ部隊≫なんだ」
兵士A「ヒミツ部隊……!」
兵士B「ちょっと入ってみたい……!」
詐欺師「俺らの味方をしてくれとはいわない……だが、ここはどうか静観してくれないか!」
詐欺師「頼むっ……!」
兵士A「分かった……」
兵士B「兵士の中には、大臣に疑問を感じてる者も多いんだ……行け!」
詐欺師「ありがとう!」ビシッ!
タタタッ…
死刑囚「……名演だったな」
女盗賊「あたしまでグッときちゃったっす!」
詐欺師「詐欺じゃなくほとんどホントのことだからな。いつもより楽なもんだ」
詐欺師「俺たちはその手伝いをする特殊部隊……≪ヒミツ部隊≫なんだ」
兵士A「ヒミツ部隊……!」
兵士B「ちょっと入ってみたい……!」
詐欺師「俺らの味方をしてくれとはいわない……だが、ここはどうか静観してくれないか!」
詐欺師「頼むっ……!」
兵士A「分かった……」
兵士B「兵士の中には、大臣に疑問を感じてる者も多いんだ……行け!」
詐欺師「ありがとう!」ビシッ!
タタタッ…
死刑囚「……名演だったな」
女盗賊「あたしまでグッときちゃったっす!」
詐欺師「詐欺じゃなくほとんどホントのことだからな。いつもより楽なもんだ」
123: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 19:18:47.842 ID:H4P0kcJ30.net
タタタッ…
「なんだてめえら!」 「侵入者だ!」
兵に出くわしてしまう。
死刑囚「ちっ、またかよ……。さっきみたいに頼むぜ」
詐欺師「俺らは姫様のために働く……」
「姫の手先か!」 「殺してしまえ!」
詐欺師「ゲ、今度の奴らは大臣の直属っぽいな」
死刑囚「さすがに城内にも残してやがったか……だったら俺の出番だ!」
「なんだてめえら!」 「侵入者だ!」
兵に出くわしてしまう。
死刑囚「ちっ、またかよ……。さっきみたいに頼むぜ」
詐欺師「俺らは姫様のために働く……」
「姫の手先か!」 「殺してしまえ!」
詐欺師「ゲ、今度の奴らは大臣の直属っぽいな」
死刑囚「さすがに城内にも残してやがったか……だったら俺の出番だ!」
124: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 19:23:16.544 ID:H4P0kcJ30.net
死刑囚(親衛隊長との特訓の成果……見せてやる!)
死刑囚「でやぁぁぁぁぁっ!」ダッ
ザシュッ! ズバッ! ザンッ!
「ぐあぁっ!」 「ぐおっ……!」 「あぐっ!」
詐欺師「領主ん時より格段に腕上げてらぁ……」
女盗賊「シビれちゃうっす……」
死刑囚「ふん、こんな奴らの5人や10人ぐらい、どうってことないぜ」
ドドドドド…
「いたぞ!」 「こっちだ!」 「逃がすなァ!」
女盗賊「20人ぐらい来たっすけど」
死刑囚「…………」
死刑囚「逃げるぞォ!!!」
死刑囚「でやぁぁぁぁぁっ!」ダッ
ザシュッ! ズバッ! ザンッ!
「ぐあぁっ!」 「ぐおっ……!」 「あぐっ!」
詐欺師「領主ん時より格段に腕上げてらぁ……」
女盗賊「シビれちゃうっす……」
死刑囚「ふん、こんな奴らの5人や10人ぐらい、どうってことないぜ」
ドドドドド…
「いたぞ!」 「こっちだ!」 「逃がすなァ!」
女盗賊「20人ぐらい来たっすけど」
死刑囚「…………」
死刑囚「逃げるぞォ!!!」
125: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 19:26:19.659 ID:H4P0kcJ30.net
タタタタッ…
死刑囚「ヤバイ、行き止まりだ!」
詐欺師「ど、どうしよっか……」
カチャカチャッ
女盗賊「ここの扉を開けたっす! 入るっす!」
死刑囚「ナイス!」
バタンッ!
大臣兵A「……くそっ! 向こうから鍵かけやがった!」ガチャガチャ
大臣兵B「ちょこまかと……!」
死刑囚「ヤバイ、行き止まりだ!」
詐欺師「ど、どうしよっか……」
カチャカチャッ
女盗賊「ここの扉を開けたっす! 入るっす!」
死刑囚「ナイス!」
バタンッ!
大臣兵A「……くそっ! 向こうから鍵かけやがった!」ガチャガチャ
大臣兵B「ちょこまかと……!」
126: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 19:29:12.438 ID:H4P0kcJ30.net
城内を走り回る三人。
タタタッ…
詐欺師「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ……」
死刑囚(女盗賊のおかげで、何とか逃げ回れてるが……このままじゃジリ貧だ)
死刑囚(早く国王のもとにたどり着かないと……!)
大臣兵C「死ねぇっ!」
死刑囚「せやっ!」
ザンッ!
大臣兵C「ぐぎゃっ!」ドサッ…
女盗賊「次はここに入るっす!」ガチャッ
タタタッ…
詐欺師「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ……」
死刑囚(女盗賊のおかげで、何とか逃げ回れてるが……このままじゃジリ貧だ)
死刑囚(早く国王のもとにたどり着かないと……!)
大臣兵C「死ねぇっ!」
死刑囚「せやっ!」
ザンッ!
大臣兵C「ぐぎゃっ!」ドサッ…
女盗賊「次はここに入るっす!」ガチャッ
127: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 19:32:19.643 ID:H4P0kcJ30.net
一方――
ワァァァァァ…
親衛隊長「よし、退け! 少しでも大臣の兵を城から遠ざけるんだ!」
親衛隊長「姫様、もうお下がりください! まもなく本格的に交戦になります!」
姫「だが、私がいなければ、囮にはなるまい!」
姫「兵や死刑囚たちが命を賭しているのだ……私もギリギリまで……!」
親衛隊長「分かりました」
親衛隊長「私は今度こそ、あなたをお守りいたします!」
親衛隊長(しかし……大臣の部隊を率いてるのが、護衛ではないのが気になる……!)
ワァァァァァァ…
ワァァァァァ…
親衛隊長「よし、退け! 少しでも大臣の兵を城から遠ざけるんだ!」
親衛隊長「姫様、もうお下がりください! まもなく本格的に交戦になります!」
姫「だが、私がいなければ、囮にはなるまい!」
姫「兵や死刑囚たちが命を賭しているのだ……私もギリギリまで……!」
親衛隊長「分かりました」
親衛隊長「私は今度こそ、あなたをお守りいたします!」
親衛隊長(しかし……大臣の部隊を率いてるのが、護衛ではないのが気になる……!)
ワァァァァァァ…
128: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 19:35:49.197 ID:H4P0kcJ30.net
タタタッ…
死刑囚「この先か!?」
女盗賊「はいっす! この先に、王様が捕われてるはずっす!」
詐欺師「……っと、誰かいやがるぜ」
死刑囚「大臣の兵士か?」
死刑囚(いや……あれはッ!)
立ちはだかるのは――
護衛「やはり、私が残っていて正解でしたね」
大臣「こ……こいつらは!?」
死刑囚「この先か!?」
女盗賊「はいっす! この先に、王様が捕われてるはずっす!」
詐欺師「……っと、誰かいやがるぜ」
死刑囚「大臣の兵士か?」
死刑囚(いや……あれはッ!)
立ちはだかるのは――
護衛「やはり、私が残っていて正解でしたね」
大臣「こ……こいつらは!?」
130: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 19:38:45.668 ID:H4P0kcJ30.net
死刑囚「護衛……!」
護衛「ん? 見たツラがいるな」
護衛「そっちの奴はあの村にいたウジムシ……。そしてお前は……」
死刑囚「…………」
護衛「思い出した。あの時、国王暗殺に乗り込んできた……ドブネズミか」
死刑囚「記憶力がよろしいこって」
護衛「そうか……お前ら全員姫の手先だったわけか。だとすると、色々と辻褄があう」
護衛「生き延びた姫は、お前らのようなムシケラを集めて、国王救出を狙ってたわけか」
死刑囚「どうでもいいけどよ、ムシなのかネズミなのか統一してくれよ」
護衛「ん? 見たツラがいるな」
護衛「そっちの奴はあの村にいたウジムシ……。そしてお前は……」
死刑囚「…………」
護衛「思い出した。あの時、国王暗殺に乗り込んできた……ドブネズミか」
死刑囚「記憶力がよろしいこって」
護衛「そうか……お前ら全員姫の手先だったわけか。だとすると、色々と辻褄があう」
護衛「生き延びた姫は、お前らのようなムシケラを集めて、国王救出を狙ってたわけか」
死刑囚「どうでもいいけどよ、ムシなのかネズミなのか統一してくれよ」
131: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 19:40:50.486 ID:H4P0kcJ30.net
護衛「だが、ここまでだ」
護衛「ドブネズミに……」
死刑囚「ちっ……」
護衛「死にぞこないのウジムシ」
詐欺師「うっ……」ビクッ
護衛「それと……ナメクジ」
女盗賊「あたしナメクジっすか!?」
護衛「今ここでまとめて駆除してやる」スラッ…
死刑囚「それはこっちの台詞だ……! お前ら黒幕二人……まとめてブッ倒してやる!」
護衛「ドブネズミに……」
死刑囚「ちっ……」
護衛「死にぞこないのウジムシ」
詐欺師「うっ……」ビクッ
護衛「それと……ナメクジ」
女盗賊「あたしナメクジっすか!?」
護衛「今ここでまとめて駆除してやる」スラッ…
死刑囚「それはこっちの台詞だ……! お前ら黒幕二人……まとめてブッ倒してやる!」
132: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 19:44:21 ID:H4P0kcJ30.net
死刑囚「うおおおおおおっ!」
護衛「はあっ!」
ガキンッ! キインッ! ――ザシュッ!
一太刀浴びたのは死刑囚。
死刑囚「うぐ……!」
護衛「…………」ニヤ…
女盗賊「死刑囚さんっ!」
大臣「ハッハッハ、いいぞっ! やれっ! 殺してしまえい!」
護衛「はあっ!」
ガキンッ! キインッ! ――ザシュッ!
一太刀浴びたのは死刑囚。
死刑囚「うぐ……!」
護衛「…………」ニヤ…
女盗賊「死刑囚さんっ!」
大臣「ハッハッハ、いいぞっ! やれっ! 殺してしまえい!」
133: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 19:46:12 ID:H4P0kcJ30.net
死刑囚(こいつはクソ野郎だが、あの親衛隊長を崖下に叩き落とした男!)
死刑囚(つまり……俺より格上!)
ギィンッ!
護衛「せやぁっ!」ブオッ
ドゴォッ!
蹴りが脇腹に命中。
死刑囚「ぐええっ……!(蹴りも一流かよ……!)」ミシメキ…
護衛「はあっ!」ブオッ
ガキィンッ!
死刑囚「ぐうっ!」ググッ…
死刑囚(つまり……俺より格上!)
ギィンッ!
護衛「せやぁっ!」ブオッ
ドゴォッ!
蹴りが脇腹に命中。
死刑囚「ぐええっ……!(蹴りも一流かよ……!)」ミシメキ…
護衛「はあっ!」ブオッ
ガキィンッ!
死刑囚「ぐうっ!」ググッ…
134: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 19:48:37.950 ID:H4P0kcJ30.net
ザシッ……!
死刑囚「うぐうう……!」ヨロッ…
死刑囚「はぁ、はぁ、はぁ……」
護衛「ドブネズミが英雄を気取ったはいいが……ここまでだな」
死刑囚「…………」
死刑囚「そう、俺は昔っから英雄気取りだった……」
死刑囚「ガキの頃から腕っ節だけは強かったから、英雄願望が強くてさ……」
死刑囚「国王を襲撃したあの時も……本当は……国なんかどうでもよかった」
死刑囚「ただ目立ちたくて……“国難に立ち向かった英雄”として、名が残ればそれでよかった」
死刑囚「この三人の中で……一番からっぽなのは……俺なんだ」
護衛「で、懲りずにまた同じことをやってるってわけか」
死刑囚「まぁな……だけど今は少し違う」
死刑囚「うぐうう……!」ヨロッ…
死刑囚「はぁ、はぁ、はぁ……」
護衛「ドブネズミが英雄を気取ったはいいが……ここまでだな」
死刑囚「…………」
死刑囚「そう、俺は昔っから英雄気取りだった……」
死刑囚「ガキの頃から腕っ節だけは強かったから、英雄願望が強くてさ……」
死刑囚「国王を襲撃したあの時も……本当は……国なんかどうでもよかった」
死刑囚「ただ目立ちたくて……“国難に立ち向かった英雄”として、名が残ればそれでよかった」
死刑囚「この三人の中で……一番からっぽなのは……俺なんだ」
護衛「で、懲りずにまた同じことをやってるってわけか」
死刑囚「まぁな……だけど今は少し違う」
135: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 19:52:20.061 ID:H4P0kcJ30.net
死刑囚「今は……あの姫のためなら命を賭けてもいいと思ってる!」
死刑囚「この二人となら……国を変えられるって信じてる!」
女盗賊(死刑囚さん……!)
詐欺師(へっへっへ……)
護衛「ほざけッ! ドブネズミがッ!」ビュオッ
ザシィッ!
死刑囚「ぐおおおおっ……!」ガクッ
死刑囚がついに膝をつく。
護衛(こいつさえ殺せば、残り二匹はゴミ……! これで終わりだッ!)
死刑囚「この二人となら……国を変えられるって信じてる!」
女盗賊(死刑囚さん……!)
詐欺師(へっへっへ……)
護衛「ほざけッ! ドブネズミがッ!」ビュオッ
ザシィッ!
死刑囚「ぐおおおおっ……!」ガクッ
死刑囚がついに膝をつく。
護衛(こいつさえ殺せば、残り二匹はゴミ……! これで終わりだッ!)
136: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 19:55:33.098 ID:H4P0kcJ30.net
死刑囚「かかっ……たな!」ギュオッ
ズバァッ!
護衛「がっ……!?」
反撃が炸裂する。膝をついたのは演技であった。
死刑囚「一回ぐらい、お前を騙してみたかった……仲間がボコられてるんでな」
護衛「ぐうう……! このっ……!」ボタボタ…
護衛「くぉの、ドブネズミがァァァァァッ!!!」ダッ
死刑囚(来るッ!)
ズバァッ!
護衛「がっ……!?」
反撃が炸裂する。膝をついたのは演技であった。
死刑囚「一回ぐらい、お前を騙してみたかった……仲間がボコられてるんでな」
護衛「ぐうう……! このっ……!」ボタボタ…
護衛「くぉの、ドブネズミがァァァァァッ!!!」ダッ
死刑囚(来るッ!)
137: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 19:58:43.378 ID:H4P0kcJ30.net
『特に突進力に関しては、私すら及ばない天性のものを持っている』
死刑囚(ここだッ! ここで俺の突進力を!)ダッ
護衛「ぬっ!?」
死刑囚「うおおおおおおおおッ!!!」
ズドォッ!!!
胸に深々と剣が突き刺さる。
護衛「ご、は……っ!」
護衛「こ、の……ドブネ、ズ……」ゴブッ…
ドサァッ……
死刑囚(ここだッ! ここで俺の突進力を!)ダッ
護衛「ぬっ!?」
死刑囚「うおおおおおおおおッ!!!」
ズドォッ!!!
胸に深々と剣が突き刺さる。
護衛「ご、は……っ!」
護衛「こ、の……ドブネ、ズ……」ゴブッ…
ドサァッ……
138: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 20:01:56.565 ID:H4P0kcJ30.net
死刑囚「…………」ギロッ
大臣「ひっ!」
死刑囚「さぁ~て、どうしてくれようか」
死刑囚「なにしろ、お前は姫を殺そうとして、国民を騙して、国を奪い取ろうとした……」
死刑囚「俺ら三人が合体しても足りないぐらいの極悪人だからなァ!」
大臣「や、やめろっ! ……ワシに近づくなァ!」
大臣「そうだ、護衛の代わりにワシの側近にならんか!? なんなら軍団長のポジションに……」
死刑囚「この……ゲス野郎がッ!!!」
ブオンッ!
剣を振るう。
大臣「ひっ!」
死刑囚「さぁ~て、どうしてくれようか」
死刑囚「なにしろ、お前は姫を殺そうとして、国民を騙して、国を奪い取ろうとした……」
死刑囚「俺ら三人が合体しても足りないぐらいの極悪人だからなァ!」
大臣「や、やめろっ! ……ワシに近づくなァ!」
大臣「そうだ、護衛の代わりにワシの側近にならんか!? なんなら軍団長のポジションに……」
死刑囚「この……ゲス野郎がッ!!!」
ブオンッ!
剣を振るう。
139: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 20:04:17.308 ID:H4P0kcJ30.net
――ピタッ!
死刑囚「なーんて、死刑囚が人を裁いちゃいけねえよな」
大臣「あ、あああ……」
死刑囚「お前はもう終わりだが、これからたっぷりじっくり裁いてもらうことになる」
死刑囚「我らがこわ~い裁判長によ」
大臣「う……うおおおおっ……!」ガクッ
絶望し、うなだれる大臣。
死刑囚「さあ、国王救出だ! 戦いはまだ終わっちゃいねえ!」
詐欺師「おうよ!」
女盗賊「最後の仕上げっす!」
死刑囚「なーんて、死刑囚が人を裁いちゃいけねえよな」
大臣「あ、あああ……」
死刑囚「お前はもう終わりだが、これからたっぷりじっくり裁いてもらうことになる」
死刑囚「我らがこわ~い裁判長によ」
大臣「う……うおおおおっ……!」ガクッ
絶望し、うなだれる大臣。
死刑囚「さあ、国王救出だ! 戦いはまだ終わっちゃいねえ!」
詐欺師「おうよ!」
女盗賊「最後の仕上げっす!」
141: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 20:07:25.817 ID:H4P0kcJ30.net
幽閉された本物の国王――
国王「…………」
ガチャッ
女盗賊「開いたっすー!」
国王「……む」
詐欺師「あれま、すっかりやつれちまって。お気の毒に」
死刑囚「今度こそ本物だな! 偽者じゃねえよな!?」
国王「…………」
ガチャッ
女盗賊「開いたっすー!」
国王「……む」
詐欺師「あれま、すっかりやつれちまって。お気の毒に」
死刑囚「今度こそ本物だな! 偽者じゃねえよな!?」
142: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 20:09:38.315 ID:H4P0kcJ30.net
国王「……君たちは?」
死刑囚「あんたの娘の使いだ!」
国王「なにをいっている……? 娘はもう……」
死刑囚「生きてんだよ!」
国王「娘が……生きてる……?」
死刑囚「詳しい説明は後! あんたにゃ俺らの味方になってもらわんと困る!」
女盗賊「こっからは詐欺師さん、頼むっすよー」
詐欺師「おう、俺の話術で兵士たちを説得しなきゃな! ノドがうずくぜぇ!」
死刑囚「あんたの娘の使いだ!」
国王「なにをいっている……? 娘はもう……」
死刑囚「生きてんだよ!」
国王「娘が……生きてる……?」
死刑囚「詳しい説明は後! あんたにゃ俺らの味方になってもらわんと困る!」
女盗賊「こっからは詐欺師さん、頼むっすよー」
詐欺師「おう、俺の話術で兵士たちを説得しなきゃな! ノドがうずくぜぇ!」
143: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 20:12:33.541 ID:H4P0kcJ30.net
城外の義勇軍と大臣軍の戦いは――
ワアァァァ……! ウオォォォ……!
ザシュッ……!
親衛隊長「ぐっ!」
姫「隊長、大丈夫か!?」
親衛隊長「ええ、しかし……本格的に大臣軍と交戦に入ってしまいました……」
親衛隊長「このままでは……!」
姫「くっ……!」
姫「――ん? あ、あれは……」
ワアァァァ……! ウオォォォ……!
ザシュッ……!
親衛隊長「ぐっ!」
姫「隊長、大丈夫か!?」
親衛隊長「ええ、しかし……本格的に大臣軍と交戦に入ってしまいました……」
親衛隊長「このままでは……!」
姫「くっ……!」
姫「――ん? あ、あれは……」
144: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 20:15:45.556 ID:H4P0kcJ30.net
ドドドドド…
兵士A「姫様たちを助けろーっ!」
兵士B「本物の国王陛下は救出されたぞーっ!」
「大臣の兵を制圧しろーっ!」 「姫様ーっ!」 「よくも騙してくれたなァ!」
ワァァァァ… ワァァァァァ…
ガキィン… キィン… グワァ… キンッ… ザシュッ… ヒエエ…
姫「これは……!?」
姫「城から続々と援軍が……!」
親衛隊長「どうやら、三人が陛下を救出し……城内の兵士たちを味方につけたようですね」
親衛隊長「我らの勝利です……!」
姫(死刑囚、詐欺師、女盗賊……ありがとう)
兵士A「姫様たちを助けろーっ!」
兵士B「本物の国王陛下は救出されたぞーっ!」
「大臣の兵を制圧しろーっ!」 「姫様ーっ!」 「よくも騙してくれたなァ!」
ワァァァァ… ワァァァァァ…
ガキィン… キィン… グワァ… キンッ… ザシュッ… ヒエエ…
姫「これは……!?」
姫「城から続々と援軍が……!」
親衛隊長「どうやら、三人が陛下を救出し……城内の兵士たちを味方につけたようですね」
親衛隊長「我らの勝利です……!」
姫(死刑囚、詐欺師、女盗賊……ありがとう)
145: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 20:19:11.217 ID:H4P0kcJ30.net
国王が救出され、大臣が敗北したことで、大臣の勢力は瞬く間に制圧された。
大臣の企みは、全て明るみに出ることとなった。
≪王国記念日≫式典にて――
国王「国民達よ、このたびは本当に申し訳なかった。いくら謝罪をしても許されるものではない」
国王「余は一刻も早く、生きていた娘とともに、国を立て直すことをここに誓う!」
姫「私も父上と同じ想いです! 国のために力を尽くして参ります!」
ワアァァァァァ……!
この一年で、国内は大いに乱れ、疲弊していたが、人々は王の復帰と姫の生還を歓迎した。
国王は自身の不甲斐なさを深く謝罪し、善政を敷くことを誓うのだった――
大臣の企みは、全て明るみに出ることとなった。
≪王国記念日≫式典にて――
国王「国民達よ、このたびは本当に申し訳なかった。いくら謝罪をしても許されるものではない」
国王「余は一刻も早く、生きていた娘とともに、国を立て直すことをここに誓う!」
姫「私も父上と同じ想いです! 国のために力を尽くして参ります!」
ワアァァァァァ……!
この一年で、国内は大いに乱れ、疲弊していたが、人々は王の復帰と姫の生還を歓迎した。
国王は自身の不甲斐なさを深く謝罪し、善政を敷くことを誓うのだった――
147: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 20:22:41.584 ID:H4P0kcJ30.net
……
親衛隊長「正式に判決が下りました」
親衛隊長「今回の刑の執行は、特別に私めが務めさせて頂きます」
大臣「う、ううう……!」
親衛隊長「お覚悟を」
大臣「し、死にたくない……。助けてくれぇ……」
親衛隊長「お気持ちはお察しします。一連の件で犠牲になった者たちは皆、そう思っていたことでしょう」
親衛隊長「むろん、私の部下たちも……」
親衛隊長「では」チャキッ
大臣「うわぁぁぁぁぁっ……!!!」
…………
……
親衛隊長「正式に判決が下りました」
親衛隊長「今回の刑の執行は、特別に私めが務めさせて頂きます」
大臣「う、ううう……!」
親衛隊長「お覚悟を」
大臣「し、死にたくない……。助けてくれぇ……」
親衛隊長「お気持ちはお察しします。一連の件で犠牲になった者たちは皆、そう思っていたことでしょう」
親衛隊長「むろん、私の部下たちも……」
親衛隊長「では」チャキッ
大臣「うわぁぁぁぁぁっ……!!!」
…………
……
148: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 20:25:47.054 ID:H4P0kcJ30.net
そして――
姫「お前たち、よく来てくれた!」
親衛隊長「お待ちしておりました」
死刑囚「二人とも、正装がバッチリ決まってやがるな。やっぱ住む世界が違うわ」
女盗賊「お姫様、お綺麗っす!」
詐欺師「隊長さんも凛々しいねえ」
死刑囚「んで、俺らになんの用だ?」
姫「国もだいぶ落ち着いたし、お前たちにも正式に褒賞を与えたいと思ってな」
死刑囚「マジで? だいぶ金もらったけどまだくれるのかよ!」
女盗賊「やったっす! ボーナスっす!」
姫「お前たち、よく来てくれた!」
親衛隊長「お待ちしておりました」
死刑囚「二人とも、正装がバッチリ決まってやがるな。やっぱ住む世界が違うわ」
女盗賊「お姫様、お綺麗っす!」
詐欺師「隊長さんも凛々しいねえ」
死刑囚「んで、俺らになんの用だ?」
姫「国もだいぶ落ち着いたし、お前たちにも正式に褒賞を与えたいと思ってな」
死刑囚「マジで? だいぶ金もらったけどまだくれるのかよ!」
女盗賊「やったっす! ボーナスっす!」
149: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 20:28:35.127 ID:H4P0kcJ30.net
姫「ついては正式に官職について、町を治めたり、城勤めをするつもりはないか?」
女盗賊「あたしらがお役人っすか!?」
詐欺師「正直……務まるとは思えねえな」
女盗賊「あたしもっす。堅苦しいのはちょっと」
姫「うむ、そうか……」
親衛隊長「でしたら、親衛隊に入るのはいかがです? 今、義勇軍に参加した者を中心に再編成しているのです」
死刑囚「俺は突撃タイプだから、誰かを守るのは柄じゃねえなぁ」
親衛隊長「それはいえますね」
姫「私としても、お前たちに守られるのは不安だ……」
アッハッハッハッハ…
女盗賊「あたしらがお役人っすか!?」
詐欺師「正直……務まるとは思えねえな」
女盗賊「あたしもっす。堅苦しいのはちょっと」
姫「うむ、そうか……」
親衛隊長「でしたら、親衛隊に入るのはいかがです? 今、義勇軍に参加した者を中心に再編成しているのです」
死刑囚「俺は突撃タイプだから、誰かを守るのは柄じゃねえなぁ」
親衛隊長「それはいえますね」
姫「私としても、お前たちに守られるのは不安だ……」
アッハッハッハッハ…
150: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 20:31:09.759 ID:H4P0kcJ30.net
死刑囚「俺たちは三人とも、立派な罪人だぜ? 肩書きもこのままでいいや、なんか気に入っちまったし」
女盗賊「死刑囚でいいんすか!?」
死刑囚「“執行されぬ永世死刑囚”ってのもイカすだろ?」
詐欺師「英雄になりたかっただけあって、お前さんもだいぶ特殊な感覚の持ち主だな」
姫「しかし……お前たちの能力はあまりにも惜しい。できればこれからも力になって欲しい」
死刑囚「うーん……」
死刑囚「だったらこういうのはどうだ、裁判長……いや、姫様」
姫「え?」
………………
…………
……
女盗賊「死刑囚でいいんすか!?」
死刑囚「“執行されぬ永世死刑囚”ってのもイカすだろ?」
詐欺師「英雄になりたかっただけあって、お前さんもだいぶ特殊な感覚の持ち主だな」
姫「しかし……お前たちの能力はあまりにも惜しい。できればこれからも力になって欲しい」
死刑囚「うーん……」
死刑囚「だったらこういうのはどうだ、裁判長……いや、姫様」
姫「え?」
………………
…………
……
151: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 20:34:38.746 ID:H4P0kcJ30.net
― 城 ―
詐欺師「聞いたか? ニセの国王がどこぞの町で“ニセキング”って芸人としてデビューしたんだってさ!」
女盗賊「マジっすか?」
死刑囚「昔、俺が仕留め損ねた奴か……ったく逞しいねえ」
そこへ姫がやってくる。
姫「お~い、お前たち! お仕事の時間だ!」
死刑囚「お、出番か」
女盗賊「はいっす!」
詐欺師「へーい」
詐欺師「聞いたか? ニセの国王がどこぞの町で“ニセキング”って芸人としてデビューしたんだってさ!」
女盗賊「マジっすか?」
死刑囚「昔、俺が仕留め損ねた奴か……ったく逞しいねえ」
そこへ姫がやってくる。
姫「お~い、お前たち! お仕事の時間だ!」
死刑囚「お、出番か」
女盗賊「はいっす!」
詐欺師「へーい」
152: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/15(土) 20:36:41.013 ID:H4P0kcJ30.net
姫「実は近頃、城下で幻覚作用のあるキノコを販売している輩がいるという……」
姫「こやつらの実態を突き止め、販売ルートを叩き潰して欲しい!」
死刑囚「なかなか斬りがいのある連中じゃねえか」
女盗賊「こないだの窃盗団潰しよりも面白そうっすね」
詐欺師「俺の話術があれば、情報なんざいくらでも集められるってもんさ」
姫「頼むぞ、お前たち!」
死刑囚「おう! クソ野郎は罪人の手で叩き潰す! 姫直属ヒミツ部隊……出動だ!」
~おわり~
姫「こやつらの実態を突き止め、販売ルートを叩き潰して欲しい!」
死刑囚「なかなか斬りがいのある連中じゃねえか」
女盗賊「こないだの窃盗団潰しよりも面白そうっすね」
詐欺師「俺の話術があれば、情報なんざいくらでも集められるってもんさ」
姫「頼むぞ、お前たち!」
死刑囚「おう! クソ野郎は罪人の手で叩き潰す! 姫直属ヒミツ部隊……出動だ!」
~おわり~


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