2: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 14:11:14.89 ID:12TxSClX
侑「ちょっと試してみようかな……」スッ
侑(1で左拳を突き出して)
侑「しゅっ」ヒョロッ
侑(2で右拳を突き出す!)
侑「しゅっ!」ヒョロッ!
侑「……おぉ」
侑(1で左拳を突き出して)
侑「しゅっ」ヒョロッ
侑(2で右拳を突き出す!)
侑「しゅっ!」ヒョロッ!
侑「……おぉ」
3: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 14:13:38.88 ID:12TxSClX
侑「しゅっしゅっ」ヒョッヒョロッ!
侑「しゅっしゅっ!」ヒョッヒョロッ!
侑「しゅっしゅっ!!」ヒョッヒョロッ!
侑「……ふぅ」
侑「結構いい感じなのでは……?」
侑「しゅっしゅっ!」ヒョッヒョロッ!
侑「しゅっしゅっ!!」ヒョッヒョロッ!
侑「……ふぅ」
侑「結構いい感じなのでは……?」
9: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 14:18:19.36 ID:12TxSClX
侑「しゅっしゅっ!」ヒョッヒョロッ!
侑「……うん、いい感じだねこれは」
侑「ボクシングはニュースくらいでしか見たことないけど、これはいい感じだと思う」
侑「しゅっしゅっ」ヒョッヒョロッ!
侑「……なんか楽しくなってきた!」
侑「……うん、いい感じだねこれは」
侑「ボクシングはニュースくらいでしか見たことないけど、これはいい感じだと思う」
侑「しゅっしゅっ」ヒョッヒョロッ!
侑「……なんか楽しくなってきた!」
11: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 14:20:12.09 ID:12TxSClX
~1分後~
侑「ダメだ疲れた」グテー
侑「もう腕が上がらない」
侑「……」
侑「私って体力ないのかな……?」
侑「ダメだ疲れた」グテー
侑「もう腕が上がらない」
侑「……」
侑「私って体力ないのかな……?」
14: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 14:25:05.87 ID:12TxSClX
侑「……いやでも最初のワンツーで仕留めれば体力とか関係ないし」
侑「……」
侑「そうだよ」
侑「ワンツーで確実に相手を仕留めればいいんだ……!」ガタッ
侑「よーし!そうとなったら!」
侑「……明日からまた頑張ろう!」
侑「……」
侑「そうだよ」
侑「ワンツーで確実に相手を仕留めればいいんだ……!」ガタッ
侑「よーし!そうとなったら!」
侑「……明日からまた頑張ろう!」
19: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 14:30:53.58 ID:12TxSClX
~一週間後~
侑(あれから私は毎日左ジャブと右ストレートによるワンツーの練習をするようになっていた)
侑(だんだんとイメージ通りに体が動くようになってきている感じがして楽しい)
侑(ちなみに筋力を上げる為にやろうとした腕立て伏せは初日でギブアップした)
侑(決して一回もできなかったのが理由ではない)
侑(単純に私のスタイルに合っていない、そう判断しただけだ)
侑(あれから私は毎日左ジャブと右ストレートによるワンツーの練習をするようになっていた)
侑(だんだんとイメージ通りに体が動くようになってきている感じがして楽しい)
侑(ちなみに筋力を上げる為にやろうとした腕立て伏せは初日でギブアップした)
侑(決して一回もできなかったのが理由ではない)
侑(単純に私のスタイルに合っていない、そう判断しただけだ)
21: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 14:35:09.08 ID:12TxSClX
侑「しゅっしゅっ!」ヒョッヒョロッ!!
侑「……ふぅ」
侑「……」
侑「そろそろ実戦で試してもいいのでは……?」
侑「……ふぅ」
侑「……」
侑「そろそろ実戦で試してもいいのでは……?」
23: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 14:38:32.77 ID:12TxSClX
侑(実戦、となると路上で喧嘩……)
侑(……いや、もし相手に怪我をさせたのが学校にバレたら停学……最悪退学になるかもしれない)
侑(そんなことになったら同好会の皆にも迷惑がかかってしまう)
侑「……うん、路上で試すのはダメだね」
侑(……いや、もし相手に怪我をさせたのが学校にバレたら停学……最悪退学になるかもしれない)
侑(そんなことになったら同好会の皆にも迷惑がかかってしまう)
侑「……うん、路上で試すのはダメだね」
25: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 14:43:16.78 ID:12TxSClX
侑(ならどうしよう?)
侑(近場のボクシングジムに行ってみるとか……?)
侑(……いや、それでもし「これは凄い!是非我がジムに加入を!」なんて展開になったら同好会に参加する時間がなくなってしまう)
侑(皆に迷惑をかけるわけにはいかないし……)
侑「……ジムに行くのもダメだね」
侑(近場のボクシングジムに行ってみるとか……?)
侑(……いや、それでもし「これは凄い!是非我がジムに加入を!」なんて展開になったら同好会に参加する時間がなくなってしまう)
侑(皆に迷惑をかけるわけにはいかないし……)
侑「……ジムに行くのもダメだね」
29: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 14:48:02.56 ID:12TxSClX
侑(そういえばうちの学校にはボクシング部があったような……!)
侑(……いや、それもジムと同じ展開になるかもしれないしダメそう)
侑(となると……)
侑(……)
侑「……同好会の誰かに協力してもらう、とか?」
侑(……いや、それもジムと同じ展開になるかもしれないしダメそう)
侑(となると……)
侑(……)
侑「……同好会の誰かに協力してもらう、とか?」
31: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 14:52:21.84 ID:12TxSClX
侑(もちろんその場合は本当に当てたりしたらダメだ)
侑(あくまで試したいだけだから……そうだな、寸止めでやらせてもらおう)
侑(先に相手に殴りかかってもらって、こっちがカウンターで返す!みたいな感じがいいかな?)
侑(あとストレートは強くて危ないからあくまでジャブだけにしよう)
侑(皆に怪我をさせるわけにはいかないからね)
侑(あくまで試したいだけだから……そうだな、寸止めでやらせてもらおう)
侑(先に相手に殴りかかってもらって、こっちがカウンターで返す!みたいな感じがいいかな?)
侑(あとストレートは強くて危ないからあくまでジャブだけにしよう)
侑(皆に怪我をさせるわけにはいかないからね)
33: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 14:57:38.90 ID:12TxSClX
侑(内容は大体決まったし、後は誰に協力してもらうかだね)
侑(一番頼みやすいのは歩夢……だけど)
侑(歩夢だと「えぇ!?侑ちゃんを殴る!?そんなことできないよ!」ってなりそう、というか絶対なる)
侑(そもそも歩夢に殴られる想像ができないし……うん、歩夢はナシだね)
侑(一番頼みやすいのは歩夢……だけど)
侑(歩夢だと「えぇ!?侑ちゃんを殴る!?そんなことできないよ!」ってなりそう、というか絶対なる)
侑(そもそも歩夢に殴られる想像ができないし……うん、歩夢はナシだね)
36: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 15:04:48.99 ID:12TxSClX
侑(……消去法でいこう)
侑(まず一年生に頼むのはダメだね)
侑(先輩にそんなこと頼まれてもやりにくいだろうしかわいそう)
侑(次に三年生もダメかな)
侑(後輩からそんなこと頼むの失礼だし)
侑(……決して怖いからとかではないよ)
侑(まず一年生に頼むのはダメだね)
侑(先輩にそんなこと頼まれてもやりにくいだろうしかわいそう)
侑(次に三年生もダメかな)
侑(後輩からそんなこと頼むの失礼だし)
侑(……決して怖いからとかではないよ)
39: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 15:09:03.04 ID:12TxSClX
侑(残りは二年生、か)
侑(せつ菜ちゃんはノリが良さそうだし引き受けてくれそうだけど)
侑(……私より小さいしな、こっちがちょっとやりにくいかも)
侑(となると残るは……)
侑(せつ菜ちゃんはノリが良さそうだし引き受けてくれそうだけど)
侑(……私より小さいしな、こっちがちょっとやりにくいかも)
侑(となると残るは……)
46: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 15:17:33.39 ID:12TxSClX
~翌日、昼休み~
侑「愛ちゃん!」
愛「やっほーゆうゆ!」
侑「ありがとね、わざわざ来てもらって」
愛「いいよいいよ、それで話って?」
侑「うん、実は────」
侑「愛ちゃん!」
愛「やっほーゆうゆ!」
侑「ありがとね、わざわざ来てもらって」
愛「いいよいいよ、それで話って?」
侑「うん、実は────」
49: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 15:22:56.34 ID:12TxSClX
侑「────ってことなんだけど」
侑「愛ちゃんには殴りかかる役をお願いしたくて……」
愛「……なるほどね~」
愛「うん、愛さんでよければいいよ!」
侑「ホントに!?ありがとう!」
侑「愛ちゃんには殴りかかる役をお願いしたくて……」
愛「……なるほどね~」
愛「うん、愛さんでよければいいよ!」
侑「ホントに!?ありがとう!」
52: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 15:30:45.41 ID:12TxSClX
愛「ただし、愛さんからも条件出していい?」
侑「条件?」
愛「うん、もしホントに当たっちゃったら危ないからさ、裸拳じゃなくてグローブをつけた状態でやろうよ」
侑「グローブって、ボクシングのやつ?」
愛「そうそう」
侑「わかった、いいよ!……あ、でも私グローブとか持ってなくて」
愛「それなら大丈夫!愛さんからボクシング部の友達に頼んでみるからさ」
侑「そっか、それなら大丈夫そうだね」
侑「条件?」
愛「うん、もしホントに当たっちゃったら危ないからさ、裸拳じゃなくてグローブをつけた状態でやろうよ」
侑「グローブって、ボクシングのやつ?」
愛「そうそう」
侑「わかった、いいよ!……あ、でも私グローブとか持ってなくて」
愛「それなら大丈夫!愛さんからボクシング部の友達に頼んでみるからさ」
侑「そっか、それなら大丈夫そうだね」
54: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 15:37:33.80 ID:12TxSClX
愛「じゃあグローブつけた状態でやるってことで」
侑「うん!お願いします!」
愛「おーよろしく!」
侑「……にしても愛ちゃん、ボクシング部にも友達いたんだね」
愛「あ~まあね」
侑「ホントに顔が広くて凄いな~さすが部室棟のヒーロー!」
愛「……あはは、じゃあまた放課後にね!」
侑「うん!」
侑(よーしこれでついに試せるぞー!)
侑「しゅっしゅっ!」ヒョッヒョロッ!!
侑「うん!お願いします!」
愛「おーよろしく!」
侑「……にしても愛ちゃん、ボクシング部にも友達いたんだね」
愛「あ~まあね」
侑「ホントに顔が広くて凄いな~さすが部室棟のヒーロー!」
愛「……あはは、じゃあまた放課後にね!」
侑「うん!」
侑(よーしこれでついに試せるぞー!)
侑「しゅっしゅっ!」ヒョッヒョロッ!!
57: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 15:45:22.06 ID:12TxSClX
~放課後、ボクシング部練習場所~
愛「やっほー!」
ボクシング部部長(以下部長)「お、来たね」
愛「や~ごめんね、いきなり連絡して」
部長「愛ならいいよ、むしろ嬉しかったし」
愛「ホント?ならいいんだけどさ」アハハ
侑「おお……!」
侑(ここがボクシング部!)
愛「やっほー!」
ボクシング部部長(以下部長)「お、来たね」
愛「や~ごめんね、いきなり連絡して」
部長「愛ならいいよ、むしろ嬉しかったし」
愛「ホント?ならいいんだけどさ」アハハ
侑「おお……!」
侑(ここがボクシング部!)
61: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 15:50:38.22 ID:12TxSClX
歩夢「……侑ちゃん、本当に大丈夫なの?」
歩夢「私、心配だよ……」ギュッ
侑「はは、そんな心配しなくても平気だって、ちょっと試すだけだし」
歩夢「……怪我だけはしないでね」
侑「わかってるって」
侑(本当は歩夢には内緒にしておくつもりだったんだけど……まあ仕方ないか)
歩夢「私、心配だよ……」ギュッ
侑「はは、そんな心配しなくても平気だって、ちょっと試すだけだし」
歩夢「……怪我だけはしないでね」
侑「わかってるって」
侑(本当は歩夢には内緒にしておくつもりだったんだけど……まあ仕方ないか)
62: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 15:56:46.49 ID:12TxSClX
璃奈「……」
侑(それと、歩夢だけでなく璃奈ちゃんも見に来ている)
侑(どうやら愛ちゃんについてきたらしい)
璃奈「……侑さん」ジッ
侑「ん?」
璃奈「侑さんは、ボクシングの経験あるの?」
侑「え?」
侑(それと、歩夢だけでなく璃奈ちゃんも見に来ている)
侑(どうやら愛ちゃんについてきたらしい)
璃奈「……侑さん」ジッ
侑「ん?」
璃奈「侑さんは、ボクシングの経験あるの?」
侑「え?」
66: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 16:01:36.45 ID:12TxSClX
侑(ボクシングの経験、か)
侑(正直ワンツーの練習しかしてないけど……でもそれもボクシングの技だし)
侑「まあ、かじった程度にはあるかな?」
璃奈「そうなんだ」
璃奈「なら、愛さんと闘っても大丈夫なのかな」ボソッ
侑「え?」
侑(正直ワンツーの練習しかしてないけど……でもそれもボクシングの技だし)
侑「まあ、かじった程度にはあるかな?」
璃奈「そうなんだ」
璃奈「なら、愛さんと闘っても大丈夫なのかな」ボソッ
侑「え?」
73: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 16:09:23.35 ID:12TxSClX
璃奈「……ううん、なんでもない」
侑「そう……?」
歩夢「ちょっと侑ちゃん!」ガシッ
侑「うわっ!」
歩夢「ボクシングなんていつやってたの!?私そんなの知らないよ!?」
侑「いや、まあ隠れて、みたいな……?」アハハ
璃奈「……本当に大丈夫かな」
76: 連投規制入ったのでペースが遅くなりそうです…(しうまい) 2021/01/12(火) 16:17:33.80 ID:12TxSClX
愛「ゆうゆ~!」
侑「!ごめん、私行ってくるね」
歩夢「あっ、ちょっと侑ちゃん!」
侑「話なら後で聞くから~!」
歩夢「も、もう……!」
璃奈「……」
侑「!ごめん、私行ってくるね」
歩夢「あっ、ちょっと侑ちゃん!」
侑「話なら後で聞くから~!」
歩夢「も、もう……!」
璃奈「……」
83: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 16:24:41.74 ID:12TxSClX
愛「はい、貸してもらったグローブだよ」
侑「ありがとう!……あれ?」
侑(イメージしたのと違うような……?)
愛「……ああ、これはパンチンググローブっていって練習用のやつなんだよ」
愛「オンスグローブ……っと、テレビでよく見るようなグローブよりも……ゆうゆにはこっちのがいいかなって思ってね」
侑「へぇ、グローブにも色々種類があるんだね~」
侑(なるほど、マジックテープで固定する感じなんだね)
侑(確かにこれは使いやすいかも!)
侑「ありがとう!……あれ?」
侑(イメージしたのと違うような……?)
愛「……ああ、これはパンチンググローブっていって練習用のやつなんだよ」
愛「オンスグローブ……っと、テレビでよく見るようなグローブよりも……ゆうゆにはこっちのがいいかなって思ってね」
侑「へぇ、グローブにも色々種類があるんだね~」
侑(なるほど、マジックテープで固定する感じなんだね)
侑(確かにこれは使いやすいかも!)
91: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 16:33:20.72 ID:12TxSClX
愛「ちゃんとつけられた?」
侑「うん、大丈夫そう!」
愛「どれどれ……ん、大丈夫そうだね」
侑「ありがと」
侑「……よし、じゃあ早速お願いしてもいいかな?」
愛「んー、そうだなぁ……」
愛「やる前に確認しておきたいことがあるんだけど、いい?」
侑「?いいよ」
愛「ゆうゆって何種類くらい打てるの?」
侑「……種類?」
愛「……あー、パンチの種類の話ね」
愛「何を打てるのかは事前に確認しとかないとさ、今回はスパーリングでも実際の試合でもないんだし」
侑「……なるほど」
侑「うん、大丈夫そう!」
愛「どれどれ……ん、大丈夫そうだね」
侑「ありがと」
侑「……よし、じゃあ早速お願いしてもいいかな?」
愛「んー、そうだなぁ……」
愛「やる前に確認しておきたいことがあるんだけど、いい?」
侑「?いいよ」
愛「ゆうゆって何種類くらい打てるの?」
侑「……種類?」
愛「……あー、パンチの種類の話ね」
愛「何を打てるのかは事前に確認しとかないとさ、今回はスパーリングでも実際の試合でもないんだし」
侑「……なるほど」
95: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 16:39:45.33 ID:12TxSClX
侑(私が練習したのは左ジャブと右ストレートだけだから……)
侑「二種類、かな?」
愛「……ストレートとフックとか?」
侑「あ、いや、ジャブとストレートだけかな」
愛「……そっかそっか」
愛「ふむ……」
侑「愛ちゃん?」
愛「……ゆうゆさ」
侑「なに?」
愛「ジャブとストレート、一回打って見せてもらってもいい?」
侑「え!?」
侑「二種類、かな?」
愛「……ストレートとフックとか?」
侑「あ、いや、ジャブとストレートだけかな」
愛「……そっかそっか」
愛「ふむ……」
侑「愛ちゃん?」
愛「……ゆうゆさ」
侑「なに?」
愛「ジャブとストレート、一回打って見せてもらってもいい?」
侑「え!?」
103: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 16:47:43.74 ID:12TxSClX
侑(愛ちゃんに殴りかかってもらったところで私の高速のジャブを初披露してびっくりしてもらう予定だったんだけど……)
愛「ゆうゆ?」
侑(……仕方ない、ここは予定変更といこう)
侑「わかったよ」
侑「今ここで打って見せればいいんだよね?」
愛「うん、シャドーでいいからさ」
侑「……しゃどー?」
愛「……あー、何もない空間に向かってパンチを打つってことだよ」
侑「なるほど」
侑(それならいつも練習でやってたことだ!)
愛「ゆうゆ?」
侑(……仕方ない、ここは予定変更といこう)
侑「わかったよ」
侑「今ここで打って見せればいいんだよね?」
愛「うん、シャドーでいいからさ」
侑「……しゃどー?」
愛「……あー、何もない空間に向かってパンチを打つってことだよ」
侑「なるほど」
侑(それならいつも練習でやってたことだ!)
112: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 16:59:32.79 ID:12TxSClX
侑「オッケー、なら今からやるね」
愛「うん、何発か連続で打ってみて」
侑「わかった」
侑「ふぅ……」スッ
侑「……」
──────
侑「シュッシュッ!」ビュッブンッ!
侑「シュッシュッッ!!」ビュッブンッ!!
侑「シュッフッッッッ!!!」ビュッブォンッッ!!!
愛「ッッッ!?」
侑「……ふぅ、どうかな?私のジャブとストレートは」キリッ
愛「す、凄いよゆうゆ!!」
歩夢「侑ちゃん凄い!」
璃奈「侑さん凄い」
部長「今すぐボクシング部に入部してくれないか!?」
侑「すみません、私は同好会所属なので……」
部長「そうか、残念だな……凄い才能を発見したと思ったんだけど」
侑「……ですが、愛ちゃんのように助っ人という形でなら試合に参加することもできますよ」
部長「本当か!?それなら今度試合があるんだがそれに是非!」
侑「はは、そしたらまずはスケジュールを確認しないと」
歩夢「侑ちゃん私応援しに行くからね!」
──────
侑(よし!イメージは完璧だ!)
愛「うん、何発か連続で打ってみて」
侑「わかった」
侑「ふぅ……」スッ
侑「……」
──────
侑「シュッシュッ!」ビュッブンッ!
侑「シュッシュッッ!!」ビュッブンッ!!
侑「シュッフッッッッ!!!」ビュッブォンッッ!!!
愛「ッッッ!?」
侑「……ふぅ、どうかな?私のジャブとストレートは」キリッ
愛「す、凄いよゆうゆ!!」
歩夢「侑ちゃん凄い!」
璃奈「侑さん凄い」
部長「今すぐボクシング部に入部してくれないか!?」
侑「すみません、私は同好会所属なので……」
部長「そうか、残念だな……凄い才能を発見したと思ったんだけど」
侑「……ですが、愛ちゃんのように助っ人という形でなら試合に参加することもできますよ」
部長「本当か!?それなら今度試合があるんだがそれに是非!」
侑「はは、そしたらまずはスケジュールを確認しないと」
歩夢「侑ちゃん私応援しに行くからね!」
──────
侑(よし!イメージは完璧だ!)
123: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 17:10:41.69 ID:12TxSClX
侑(後は自分の体で再現するだけ!)
侑「……!!」カッ
侑「しゅっしゅっ」ヒョッヒョロッ
侑「しゅっしゅっ!」ヒョッヒョロッ!
侑「しゅっしゅっっ!!」ヒョッヒョロッ!!
愛「……」
侑「……ふぅ、どうかな?私のストレートとジャブは」キリッ
愛「……なるほどね」
歩夢「……可愛い」
璃奈「……パンチってあんなに可愛く打てるものなんだ、私初めて知った」
侑「……あれ?」
侑「……!!」カッ
侑「しゅっしゅっ」ヒョッヒョロッ
侑「しゅっしゅっ!」ヒョッヒョロッ!
侑「しゅっしゅっっ!!」ヒョッヒョロッ!!
愛「……」
侑「……ふぅ、どうかな?私のストレートとジャブは」キリッ
愛「……なるほどね」
歩夢「……可愛い」
璃奈「……パンチってあんなに可愛く打てるものなんだ、私初めて知った」
侑「……あれ?」
135: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 17:21:36.94 ID:12TxSClX
侑「……えっと、どうだった?私のストレートとジャブ……」
愛「あー……ゆうゆさ、一個聞いてもいい?」
侑「え?うん、いいよ」
愛「その……パンチ打つ練習するときさ、何か参考にしてたものとかってある?」
愛「ほら、実際の試合の映像とか、後は動画サイトによくあるパンチの打ち方講座動画みたいなやつとか、なんでもいいんだけどさ」
侑「……なるほど」
侑「それだったら……」スッ
愛「スマホってことは動画とか?」
侑「ううん、これ」
愛「……これ?」
侑「うん」
愛「……そっか、この漫画の影響だったか」
侑「?」
愛「あー……ゆうゆさ、一個聞いてもいい?」
侑「え?うん、いいよ」
愛「その……パンチ打つ練習するときさ、何か参考にしてたものとかってある?」
愛「ほら、実際の試合の映像とか、後は動画サイトによくあるパンチの打ち方講座動画みたいなやつとか、なんでもいいんだけどさ」
侑「……なるほど」
侑「それだったら……」スッ
愛「スマホってことは動画とか?」
侑「ううん、これ」
愛「……これ?」
侑「うん」
愛「……そっか、この漫画の影響だったか」
侑「?」
136: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 17:28:53.05 ID:12TxSClX
愛「ちなみにこれ、どこまで読んだ?」
侑「え?あー、無料だったの1話だけだから1話だけ読んだよ」
愛「1話だけ、か……それで……」
愛「……ちなみに、どうして練習始めようと思ったの?」
侑「え?えーと、冴えない感じの主人公がいかにもな不良をボクシングのワンツーで返り討ちに!ってとこが凄いな~って思ってさ!これなら私にもできるかなって!」
愛「……なるほどな~そっかぁ~」
侑「?」キョトン
愛「ゆうゆは可愛いなぁ」ナデナデ
侑「……なんで私頭撫でられてるの!?」
侑「え?あー、無料だったの1話だけだから1話だけ読んだよ」
愛「1話だけ、か……それで……」
愛「……ちなみに、どうして練習始めようと思ったの?」
侑「え?えーと、冴えない感じの主人公がいかにもな不良をボクシングのワンツーで返り討ちに!ってとこが凄いな~って思ってさ!これなら私にもできるかなって!」
愛「……なるほどな~そっかぁ~」
侑「?」キョトン
愛「ゆうゆは可愛いなぁ」ナデナデ
侑「……なんで私頭撫でられてるの!?」
145: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 17:38:22.05 ID:12TxSClX
愛「全巻読んでこれならともかく……うん、1話だけならまあ……」ナデナデ
侑「愛ちゃん?あの……」
愛「……ゆうゆさ」
侑「なに?」
愛「愛さんと一緒に、ちょっと練習してみよっか」ニッ
侑「……え?」
部長「こんにちは」
歩夢「!こ、こんにちは!」
璃奈「……こんにちは」ペコッ
部長「君たちも愛の友達?」
璃奈「うん……じゃなくて、はい」
歩夢「そ、そうです」
歩夢「……私は侑ちゃんの付き添いだけど」ボソッ
侑「愛ちゃん?あの……」
愛「……ゆうゆさ」
侑「なに?」
愛「愛さんと一緒に、ちょっと練習してみよっか」ニッ
侑「……え?」
部長「こんにちは」
歩夢「!こ、こんにちは!」
璃奈「……こんにちは」ペコッ
部長「君たちも愛の友達?」
璃奈「うん……じゃなくて、はい」
歩夢「そ、そうです」
歩夢「……私は侑ちゃんの付き添いだけど」ボソッ
151: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 17:49:23.38 ID:12TxSClX
部長「……もしかしてスクールアイドル同好会の人たち?」
璃奈「そう、です」
部長「そうか……」
歩夢「あの、何か……?」
部長「……いや、愛がここに来てくれることはもうないだろうと思っていたからね」
歩夢「え?」
璃奈「……」
部長「愛が色んな部活の助っ人をやっていることは知っているだろう?」
歩夢「えぇ、まぁ……」
部長「そのうちの一つにね、我がボクシング部も入っていたんだよ」
部長「……スクールアイドル同好会に入るまでは、ね」
歩夢「えっ?」
璃奈「そう、です」
部長「そうか……」
歩夢「あの、何か……?」
部長「……いや、愛がここに来てくれることはもうないだろうと思っていたからね」
歩夢「え?」
璃奈「……」
部長「愛が色んな部活の助っ人をやっていることは知っているだろう?」
歩夢「えぇ、まぁ……」
部長「そのうちの一つにね、我がボクシング部も入っていたんだよ」
部長「……スクールアイドル同好会に入るまでは、ね」
歩夢「えっ?」
158: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 18:03:08.61 ID:12TxSClX
歩夢「それって、どういう……」
部長「……アイドルは、顔が命なんだろう?」
歩夢「……!」
部長「アイドル同好会に入るのが決まってすぐだったかな、愛から伝えられたんだ」
部長「申し訳ないけどこれからは助っ人に行けなくなった、とね」
部長「最初はどういうことかと思ったけど、すぐに合点がいったよ」フッ
璃奈「……」
部長「そっちの君は知っていたようだね?愛がボクシングをやっていたことを」
璃奈「……」コクリ
璃奈「一応言うと、ボクシング部だけじゃない」
璃奈「空手部とか、レスリング部とか……色んな武道や格闘技系の部活の助っ人も行ってたみたい」
璃奈「でも、全部スクールアイドルと並行してやるには危ないから行くのやめたって、前に愛さんから聞いた」
歩夢「そんなことが……」
部長「……アイドルは、顔が命なんだろう?」
歩夢「……!」
部長「アイドル同好会に入るのが決まってすぐだったかな、愛から伝えられたんだ」
部長「申し訳ないけどこれからは助っ人に行けなくなった、とね」
部長「最初はどういうことかと思ったけど、すぐに合点がいったよ」フッ
璃奈「……」
部長「そっちの君は知っていたようだね?愛がボクシングをやっていたことを」
璃奈「……」コクリ
璃奈「一応言うと、ボクシング部だけじゃない」
璃奈「空手部とか、レスリング部とか……色んな武道や格闘技系の部活の助っ人も行ってたみたい」
璃奈「でも、全部スクールアイドルと並行してやるには危ないから行くのやめたって、前に愛さんから聞いた」
歩夢「そんなことが……」
163: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 18:17:15.77 ID:12TxSClX
部長「……愛にはボクシングの才能があったんだ」
部長「最初こそ知識経験ともにゼロからのスタートだったが、こちらがやって見せたことを次々に見様見真似で吸収し、理論を後から学ぶことでめきめきと実力を伸ばしていったんだ」
部長「あのまま続けていれば……いや正式にうちに入部してくれればエースとなる日もそう遠くはなかっただろう」
部長「……それだけに、見事に愛を射止めて正式加入させることができた君たちスクールアイドル同好会には……正直嫉妬せざるを得ないよ」
歩夢「……っ」
部長「なんてね、ただの冗談さ」フッ
璃奈「……」
部長「最初こそ知識経験ともにゼロからのスタートだったが、こちらがやって見せたことを次々に見様見真似で吸収し、理論を後から学ぶことでめきめきと実力を伸ばしていったんだ」
部長「あのまま続けていれば……いや正式にうちに入部してくれればエースとなる日もそう遠くはなかっただろう」
部長「……それだけに、見事に愛を射止めて正式加入させることができた君たちスクールアイドル同好会には……正直嫉妬せざるを得ないよ」
歩夢「……っ」
部長「なんてね、ただの冗談さ」フッ
璃奈「……」
167: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 18:28:44.90 ID:12TxSClX
侑「うぁ~疲れた~!」バタッ
愛「なになに?ゆうゆもうギブなの?」
侑「ちょっと休憩させてぇ……」
愛「まだフォーム矯正の途中なんだけどな~」
侑「お、お願いします、少し時間を……」
愛「まあやりすぎは良くないしね!ちょっと休もっか!」
侑「助かったぁ~……」
歩夢「あっ、侑ちゃん休憩に入るみたい」
璃奈「……もう体力残ってなさそう」
歩夢「侑ちゃ~ん大丈夫~?」ダッ
侑「あ、歩夢ぅ……」グッタリ
歩夢「もう、侑ちゃんってば」アハハ
愛「なになに?ゆうゆもうギブなの?」
侑「ちょっと休憩させてぇ……」
愛「まだフォーム矯正の途中なんだけどな~」
侑「お、お願いします、少し時間を……」
愛「まあやりすぎは良くないしね!ちょっと休もっか!」
侑「助かったぁ~……」
歩夢「あっ、侑ちゃん休憩に入るみたい」
璃奈「……もう体力残ってなさそう」
歩夢「侑ちゃ~ん大丈夫~?」ダッ
侑「あ、歩夢ぅ……」グッタリ
歩夢「もう、侑ちゃんってば」アハハ
169: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 18:35:45.19 ID:12TxSClX
愛「いや~、人に教えるってのもなかなか楽しいもんだね~」
璃奈「愛さん、お疲れ様」
愛「おーりなりーお疲れぃ!」
部長「……愛、これからはトレーナーという形で助っ人に来てくれたりしないかい?」
愛「トレーナーか~、それも楽しそうだけど」チラ
歩夢「はい、飲み物」スッ
侑「ありがと~……」
愛「今は一人を育てるだけで手一杯かな~」アハハ
部長「そうか……」フッ
璃奈「愛さん、お疲れ様」
愛「おーりなりーお疲れぃ!」
部長「……愛、これからはトレーナーという形で助っ人に来てくれたりしないかい?」
愛「トレーナーか~、それも楽しそうだけど」チラ
歩夢「はい、飲み物」スッ
侑「ありがと~……」
愛「今は一人を育てるだけで手一杯かな~」アハハ
部長「そうか……」フッ
170: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 18:45:17.69 ID:12TxSClX
~その日の夜、高咲家、侑の部屋~
侑「ぐぁ~もう動けない~」ボフンッ
侑「あ~ベッド最高~……」ゴロゴロ
侑「……」
侑(あの後、愛ちゃんからジャブとストレートのフォームについて徹底的に教えてもらった)
侑(結果的に、私のジャブとストレートはただ棒立ちの状態から順番に腕を突き出してるだけで実戦ではまるで使い物にならないということがよくわかった)
侑(もしそれを知らないままボクシング経験がある愛ちゃんに挑んでいたら……)
侑「うあぁぁぁ~!!!!めっちゃ恥ずかしいぃ~!!!!」ジタバタジタバタ
侑「なんだよ『どうかな?私のストレートとジャブはキリッ』ってさぁ~!!!!」ジタバタジタバタ
侑「うわああああああああ!!!!」ジタバタジタバタ
侑「ぐぁ~もう動けない~」ボフンッ
侑「あ~ベッド最高~……」ゴロゴロ
侑「……」
侑(あの後、愛ちゃんからジャブとストレートのフォームについて徹底的に教えてもらった)
侑(結果的に、私のジャブとストレートはただ棒立ちの状態から順番に腕を突き出してるだけで実戦ではまるで使い物にならないということがよくわかった)
侑(もしそれを知らないままボクシング経験がある愛ちゃんに挑んでいたら……)
侑「うあぁぁぁ~!!!!めっちゃ恥ずかしいぃ~!!!!」ジタバタジタバタ
侑「なんだよ『どうかな?私のストレートとジャブはキリッ』ってさぁ~!!!!」ジタバタジタバタ
侑「うわああああああああ!!!!」ジタバタジタバタ
173: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 18:50:25.01 ID:12TxSClX
夜飯食べてきます!!!!!
あともうちょっとだけ続くので最後までよろしくお願いします!!!!!
あともうちょっとだけ続くので最後までよろしくお願いします!!!!!
190: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 23:05:18.55 ID:12TxSClX
~一ヶ月後、学校の帰り道~
侑(今日は同好会の活動がお休み!ということで)
侑(歩夢とどこかに遊びにでも行こうかな~と思っていたんだけど……)
──────
歩夢「ごめん侑ちゃん!今日はちょっとお母さんと出かける用事があって……!」
歩夢「誘ってくれたのは本当に!本当に嬉しいんだけど……!ごめんね……!」
歩夢「今度!今度また絶対遊びに行こうね!」
歩夢「ね!?」
──────
侑(……といった感じだったので結局一人で過ごすことになってしまった)
侑(その後誰か誘ってもよかったんだけど……)
侑「まあ、たまには一人で過ごす放課後も悪くないよね~」
侑(せっかくだし、普段はあんまり行かないところに行ってみようかな!)
侑(今日は同好会の活動がお休み!ということで)
侑(歩夢とどこかに遊びにでも行こうかな~と思っていたんだけど……)
──────
歩夢「ごめん侑ちゃん!今日はちょっとお母さんと出かける用事があって……!」
歩夢「誘ってくれたのは本当に!本当に嬉しいんだけど……!ごめんね……!」
歩夢「今度!今度また絶対遊びに行こうね!」
歩夢「ね!?」
──────
侑(……といった感じだったので結局一人で過ごすことになってしまった)
侑(その後誰か誘ってもよかったんだけど……)
侑「まあ、たまには一人で過ごす放課後も悪くないよね~」
侑(せっかくだし、普段はあんまり行かないところに行ってみようかな!)
192: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 23:17:04.05 ID:12TxSClX
~ゲームセンター~
侑(というわけでやって来たよゲームセンター!)
侑(前に歩夢と遊びに来たときにお金使いすぎちゃって「ゲームセンターはしばらくダメ!」って言われて以来かな?)
侑(でもクレーンゲームとか欲しいの見つけるとついついやっちゃうんだよなぁ)
侑「とりあえずぐるっと見て回ろっかな~」
侑「……お?あれは」
璃奈「……」スッパンッガチャガチャシュパッ
侑(璃奈ちゃん!)
侑(あれは……格ゲーかな?)
璃奈「……」ガチャガチャパンッシュッガチャガチャ
侑(な、なんかよくわからないけど凄い操作してる……)
侑(……一段落ついてから声をかけよう)
侑(というわけでやって来たよゲームセンター!)
侑(前に歩夢と遊びに来たときにお金使いすぎちゃって「ゲームセンターはしばらくダメ!」って言われて以来かな?)
侑(でもクレーンゲームとか欲しいの見つけるとついついやっちゃうんだよなぁ)
侑「とりあえずぐるっと見て回ろっかな~」
侑「……お?あれは」
璃奈「……」スッパンッガチャガチャシュパッ
侑(璃奈ちゃん!)
侑(あれは……格ゲーかな?)
璃奈「……」ガチャガチャパンッシュッガチャガチャ
侑(な、なんかよくわからないけど凄い操作してる……)
侑(……一段落ついてから声をかけよう)
193: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 23:21:11.98 ID:12TxSClX
~しばらくして~
『YOU WIN !』テレレレー
璃奈「……ふぅ」
侑(おっ、決着着いた感じかな?)
侑「よし……おーい、璃奈ちゃ────」
「っだぁー!!クソがッッ!!」ガンッ
侑「ひっ!?」ビクッ
『YOU WIN !』テレレレー
璃奈「……ふぅ」
侑(おっ、決着着いた感じかな?)
侑「よし……おーい、璃奈ちゃ────」
「っだぁー!!クソがッッ!!」ガンッ
侑「ひっ!?」ビクッ
194: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 23:31:13.17 ID:12TxSClX
侑「な、なに……?」
不良 1「畜生ッんだこれ!?全然勝てねぇじゃねぇか!」
不良 2「はは、お前の操作がクソなだけっしょ」
不良 1「ちげーっつの!アタシはいつも通りだっての!」
不良 3「んじゃ相手が強いだけじゃねーの?」
侑(げ、璃奈ちゃんの対戦相手の人達なんかガラ悪そう……)
侑(早いとこ璃奈ちゃん連れて逃げた方がいいよねこれ……)
不良 1「チッ、やってられっかこんなクソゲーッ!!」ガンッ
璃奈「……ちょっと」
璃奈「ゲームに当たるのは、よくない」
不良 1「……あ?」ギロッ
侑(り、りりり璃奈ちゃん!?)
不良 1「畜生ッんだこれ!?全然勝てねぇじゃねぇか!」
不良 2「はは、お前の操作がクソなだけっしょ」
不良 1「ちげーっつの!アタシはいつも通りだっての!」
不良 3「んじゃ相手が強いだけじゃねーの?」
侑(げ、璃奈ちゃんの対戦相手の人達なんかガラ悪そう……)
侑(早いとこ璃奈ちゃん連れて逃げた方がいいよねこれ……)
不良 1「チッ、やってられっかこんなクソゲーッ!!」ガンッ
璃奈「……ちょっと」
璃奈「ゲームに当たるのは、よくない」
不良 1「……あ?」ギロッ
侑(り、りりり璃奈ちゃん!?)
197: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 23:35:38.75 ID:12TxSClX
不良 1「今、なんか言ったか?」ズカズカ
璃奈「ゲームに当たるのはよくない」
璃奈「そう言った、だけ」
不良 1「あ~?」
璃奈「……」
不良 1「なんだお前、喧嘩売ってんのか?」
璃奈「別に、そんなものは売ってない」
侑(わわ、ちょっとまずいよこれ……!)
璃奈「ゲームに当たるのはよくない」
璃奈「そう言った、だけ」
不良 1「あ~?」
璃奈「……」
不良 1「なんだお前、喧嘩売ってんのか?」
璃奈「別に、そんなものは売ってない」
侑(わわ、ちょっとまずいよこれ……!)
199: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 23:42:57.81 ID:12TxSClX
不良 1「……ん?」ジッ
璃奈「……なに?」
不良 1「へぇ……お前、結構可愛い顔してんじゃん」ジロジロ
璃奈「っ?」ビクッ
不良 2「おーい、んなガキほっといてさ~別のとこ行こ~よ~」
不良 3「アタシカラオケ行きた~い」
不良 1「待って待って~その前にちょいこっち来てよ」
不良 2「あ?なんで?」
不良 1「こいつもさ、カラオケ連れてこーよ」
璃奈「!?」
侑(は!?)
璃奈「……なに?」
不良 1「へぇ……お前、結構可愛い顔してんじゃん」ジロジロ
璃奈「っ?」ビクッ
不良 2「おーい、んなガキほっといてさ~別のとこ行こ~よ~」
不良 3「アタシカラオケ行きた~い」
不良 1「待って待って~その前にちょいこっち来てよ」
不良 2「あ?なんで?」
不良 1「こいつもさ、カラオケ連れてこーよ」
璃奈「!?」
侑(は!?)
205: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/12(火) 23:52:52.10 ID:12TxSClX
璃奈「な、なに言って……」
不良 1「ほら、こいつ結構良くない?」
不良 2「……ふーん、なかなかイイじゃん」
不良 3「てか結構アタシ好みかも」
不良 1「ああ、そういやお前ロリコンだもんな」
不良 3「ばッ!ちげーし!ロリコンじゃねーし!年下が好きなだけだし!」
不良 1「あーうっせうっせ」
不良 2「なんでもいいや、んじゃ行こっか」ガシッ
璃奈「い、いや」ビクッ
不良 1「さっきは怒鳴ったりしてごめんねー?ちょっと機嫌悪かったからさー」ガシッ
璃奈「わ、私、人を待ってて」
不良 3「なに?彼氏?それとも彼女?」
不良 1「なんでもいいよ、とりあえず行こうぜ」グイッ
璃奈「あ、や、やだ……」
侑(……やばい!!!)
不良 1「ほら、こいつ結構良くない?」
不良 2「……ふーん、なかなかイイじゃん」
不良 3「てか結構アタシ好みかも」
不良 1「ああ、そういやお前ロリコンだもんな」
不良 3「ばッ!ちげーし!ロリコンじゃねーし!年下が好きなだけだし!」
不良 1「あーうっせうっせ」
不良 2「なんでもいいや、んじゃ行こっか」ガシッ
璃奈「い、いや」ビクッ
不良 1「さっきは怒鳴ったりしてごめんねー?ちょっと機嫌悪かったからさー」ガシッ
璃奈「わ、私、人を待ってて」
不良 3「なに?彼氏?それとも彼女?」
不良 1「なんでもいいよ、とりあえず行こうぜ」グイッ
璃奈「あ、や、やだ……」
侑(……やばい!!!)
209: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 00:03:21.92 ID:ZDeVWzN0
侑(店員さん呼ぼうかなとか思ってたら璃奈ちゃん連れてかれそうになってるし!!)
侑(てか現在進行形で連れ去られてる!!)
侑(どうしよどうする!?)
侑(ここで割って入る!?でも相手は三人だよ!?)
侑(仮に璃奈ちゃんを上手く取り返せたとしてどこに逃げる!?)
侑(まずいまずいどうし────)
──────
璃奈「あ、や、やだ……」
──────
侑(────!!)
バチンッッ
侑「……ふぅ」ヒリヒリ
侑(何をもたもた考えてるんだ私は)
侑(悠長に後のこと考えてる場合じゃないでしょ)
侑(今は!璃奈ちゃんを助けることだけ考えろッッ!!)
侑(てか現在進行形で連れ去られてる!!)
侑(どうしよどうする!?)
侑(ここで割って入る!?でも相手は三人だよ!?)
侑(仮に璃奈ちゃんを上手く取り返せたとしてどこに逃げる!?)
侑(まずいまずいどうし────)
──────
璃奈「あ、や、やだ……」
──────
侑(────!!)
バチンッッ
侑「……ふぅ」ヒリヒリ
侑(何をもたもた考えてるんだ私は)
侑(悠長に後のこと考えてる場合じゃないでしょ)
侑(今は!璃奈ちゃんを助けることだけ考えろッッ!!)
213: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 00:19:13.36 ID:ZDeVWzN0
~ゲームセンター前~
不良 3「で、彼氏?それとも彼女?」ズイッ
璃奈「っ」ビクッ
不良 1「どんだけ気になってるんだよ」
不良 2「そういやお前処女のノンケ好きだっけ」
不良 3「ばっ!お前処女でノンケかどうかは大事だろ!」
不良 1「別に非処女でもどっち好きでもいいじゃねーか……」
不良 3「全然違うっての!!」
不良 3「で!どっち!?」ズイッ
璃奈「い、いや……ちが……」
不良 3「どっちなの!?」ズイッ
璃奈「っ……」
侑「おおおおおお!!!」ダダダダダ
ドンッ
不良 3「いっ、て!」
璃奈「!?」
不良 3「で、彼氏?それとも彼女?」ズイッ
璃奈「っ」ビクッ
不良 1「どんだけ気になってるんだよ」
不良 2「そういやお前処女のノンケ好きだっけ」
不良 3「ばっ!お前処女でノンケかどうかは大事だろ!」
不良 1「別に非処女でもどっち好きでもいいじゃねーか……」
不良 3「全然違うっての!!」
不良 3「で!どっち!?」ズイッ
璃奈「い、いや……ちが……」
不良 3「どっちなの!?」ズイッ
璃奈「っ……」
侑「おおおおおお!!!」ダダダダダ
ドンッ
不良 3「いっ、て!」
璃奈「!?」
214: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 00:23:22.68 ID:ZDeVWzN0
侑「璃奈ちゃん!」ガシッ
璃奈「ゆ、侑さ」
侑「逃げるよ!」ダッ
璃奈「っ」ダッ
不良 1「……オイオイオイ」
不良 2「なんだ今の」
不良 3「ばっ!何やってんだ追うぞ!」ダッ
璃奈「ゆ、侑さ」
侑「逃げるよ!」ダッ
璃奈「っ」ダッ
不良 1「……オイオイオイ」
不良 2「なんだ今の」
不良 3「ばっ!何やってんだ追うぞ!」ダッ
216: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 00:34:49.86 ID:ZDeVWzN0
~路地裏~
侑「はぁ……はぁ……」ゼェハァ
璃奈「ふぅ……侑さん大丈夫……?」
侑「はぁ……うん……はぁ……だ、大丈夫……」ゼェハァ
璃奈「……大丈夫じゃなさそう」
侑「いや、だ、大丈夫だけど……」ゼェハァ
侑「ちょっ、ちょっと休ませて……」ゼェハァ
璃奈「……うん」
璃奈「今のうちに、連絡しておく」
侑「だ、誰に……?」ゼェハァ
不良 3「いたーッ!!」
ゆうりな「!」
侑「はぁ……はぁ……」ゼェハァ
璃奈「ふぅ……侑さん大丈夫……?」
侑「はぁ……うん……はぁ……だ、大丈夫……」ゼェハァ
璃奈「……大丈夫じゃなさそう」
侑「いや、だ、大丈夫だけど……」ゼェハァ
侑「ちょっ、ちょっと休ませて……」ゼェハァ
璃奈「……うん」
璃奈「今のうちに、連絡しておく」
侑「だ、誰に……?」ゼェハァ
不良 3「いたーッ!!」
ゆうりな「!」
219: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 00:42:51.81 ID:ZDeVWzN0
不良 3「アタシからは逃げられないよ~?」
侑「や、やばい……」
璃奈「……逆側から逃げよう」クルッ
不良 1「残念!」
不良 2「挟み撃ちってやつだよ~」
璃奈「!」
侑「こ、これはまずいね……」ハハ
侑「や、やばい……」
璃奈「……逆側から逃げよう」クルッ
不良 1「残念!」
不良 2「挟み撃ちってやつだよ~」
璃奈「!」
侑「こ、これはまずいね……」ハハ
221: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 00:54:58.61 ID:ZDeVWzN0
侑(……どうしよう)
侑(片方は一人、もう片方は二人が迫ってきてる)
侑(こっちは二人だけど……)
璃奈「……ゆ、侑さん」ギュッ
侑(……璃奈ちゃんの手、震えてる)
侑(そりゃそうだよ、こんな状況怖いに決まってる)
侑(私だって怖いし、今だって膝の震えを抑えるので精一杯だ)
侑(でも)チラ
璃奈「……」ブルブル
侑(……可愛い後輩の前だもん)
侑(勇気出さなきゃ!!)
侑(片方は一人、もう片方は二人が迫ってきてる)
侑(こっちは二人だけど……)
璃奈「……ゆ、侑さん」ギュッ
侑(……璃奈ちゃんの手、震えてる)
侑(そりゃそうだよ、こんな状況怖いに決まってる)
侑(私だって怖いし、今だって膝の震えを抑えるので精一杯だ)
侑(でも)チラ
璃奈「……」ブルブル
侑(……可愛い後輩の前だもん)
侑(勇気出さなきゃ!!)
226: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 01:03:48.20 ID:ZDeVWzN0
侑「璃奈ちゃん」ボソッ
璃奈「!」
侑「私が合図したら、あっちの一人に向かって全力で走って」ボソボソ
侑「あの人は私がなんとか抑えるから、その横を抜けて逃げて」ボソボソ
璃奈「……侑さんはどうするの?」ボソボソ
侑「……なんとかするよ」
侑「ほら、私ボクシングかじってるし」ハハ
璃奈「でもそれは……」
侑「璃奈ちゃんは助けを呼んで来てくれればいいから、ね?」
侑「お願い」ニコ
璃奈「……わかった」コクリ
璃奈「!」
侑「私が合図したら、あっちの一人に向かって全力で走って」ボソボソ
侑「あの人は私がなんとか抑えるから、その横を抜けて逃げて」ボソボソ
璃奈「……侑さんはどうするの?」ボソボソ
侑「……なんとかするよ」
侑「ほら、私ボクシングかじってるし」ハハ
璃奈「でもそれは……」
侑「璃奈ちゃんは助けを呼んで来てくれればいいから、ね?」
侑「お願い」ニコ
璃奈「……わかった」コクリ
229: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 01:11:45.73 ID:ZDeVWzN0
不良 3「ちょーっと!何こそこそ喋ってんだ~?」
不良 3「おねーさんも混ぜてよ~!」
侑「……今!」ダッ
璃奈「!」ダッ
不良 3「お!?」
侑「おおおおお!!!」ガシッ
不良 3「うわっ!」
璃奈「……っ」タッタッタッ
不良 3「あ、ちょっと!」
侑「ダメ!」グイッ
不良 3「おお?」
不良 3「おねーさんも混ぜてよ~!」
侑「……今!」ダッ
璃奈「!」ダッ
不良 3「お!?」
侑「おおおおお!!!」ガシッ
不良 3「うわっ!」
璃奈「……っ」タッタッタッ
不良 3「あ、ちょっと!」
侑「ダメ!」グイッ
不良 3「おお?」
231: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 01:16:25.47 ID:ZDeVWzN0
侑(よし!璃奈ちゃんは大丈夫そう!)
侑(後は……!)
不良 3「あーもう、また逃げられちゃった」
侑(私がこの人をなんとかすれば……!)
不良 3「……お前さぁ」グイッ
侑「わっ」
不良 3「何してくれちゃってんの?」ギロッ
侑「っ」ビクッ
侑(後は……!)
不良 3「あーもう、また逃げられちゃった」
侑(私がこの人をなんとかすれば……!)
不良 3「……お前さぁ」グイッ
侑「わっ」
不良 3「何してくれちゃってんの?」ギロッ
侑「っ」ビクッ
232: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 01:20:05.07 ID:ZDeVWzN0
侑(や、やば……いざ正面から組み合ってみるとわかるけど)
不良 3「せっかくアタシ好みの子が見つかったってのにさ~」
侑(この人、力強い……!)
侑(それに……)
不良 3「どうやって責任取ってくれんの?」ギロッ
侑(めちゃくちゃ怖い……!!)
不良 3「せっかくアタシ好みの子が見つかったってのにさ~」
侑(この人、力強い……!)
侑(それに……)
不良 3「どうやって責任取ってくれんの?」ギロッ
侑(めちゃくちゃ怖い……!!)
233: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 01:27:36.92 ID:ZDeVWzN0
侑(で、でも怖がってちゃダメだ!)
侑(璃奈ちゃんが助けを呼んでくるまで、どうにか時間を稼がなくちゃ……!)
侑「ぃ……いや」
不良 3「あ?」ズイッ
侑「っ」ビクッ
侑「……っち、が……を……」
不良 3「なに?聞こえないんだけど?」
侑「っ!」
侑「……そ、そっちが……!」
不良 3「あ?」
侑「そっちが、嫌がる璃奈ちゃんを無理やり連れ出したんでしょ……!」ブルブル
侑(璃奈ちゃんが助けを呼んでくるまで、どうにか時間を稼がなくちゃ……!)
侑「ぃ……いや」
不良 3「あ?」ズイッ
侑「っ」ビクッ
侑「……っち、が……を……」
不良 3「なに?聞こえないんだけど?」
侑「っ!」
侑「……そ、そっちが……!」
不良 3「あ?」
侑「そっちが、嫌がる璃奈ちゃんを無理やり連れ出したんでしょ……!」ブルブル
234: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 01:33:06.13 ID:ZDeVWzN0
不良 3「……」ポカン
侑「な、なに……?」ブルブル
不良 3「……ぷっ、はは」
侑「っ?」
不良 3「あはは、はっ、ちょっこいつ見てよっ」
不良 1「ははっ、顔真っ赤じゃん!」ゲラゲラ
不良 2「ちょっと泣いちゃってるじゃん」クスクス
侑「えっ、あ……?」ポロ
侑(嘘、私泣いて……?)
不良 3「はー……なんだよ」
不良 3「お前も、結構可愛い顔してんじゃん」ズイッ
侑「ひっ!?」ビクッ
侑「な、なに……?」ブルブル
不良 3「……ぷっ、はは」
侑「っ?」
不良 3「あはは、はっ、ちょっこいつ見てよっ」
不良 1「ははっ、顔真っ赤じゃん!」ゲラゲラ
不良 2「ちょっと泣いちゃってるじゃん」クスクス
侑「えっ、あ……?」ポロ
侑(嘘、私泣いて……?)
不良 3「はー……なんだよ」
不良 3「お前も、結構可愛い顔してんじゃん」ズイッ
侑「ひっ!?」ビクッ
237: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 01:39:54.60 ID:ZDeVWzN0
侑(な、なに……!?)
不良 1「なになに、そいつもお前のタイプってわけ?」
侑(見た目が不良っぽいから喧嘩になるかどうかの心配をしてたのに……!)
不良 2「お前ツルペタノンケ処女ロリが好きなんじゃないの?その子ちょっと胸大きくない?」
不良 3「ばっ!ちげーよ!確かにどストライクはそれだけど別にそこから少し外れてるくらいなら全然セーフだよ!」
不良 2「ふーん、まあ確かにツインテで雰囲気ロリっぽいけど」
不良 1「お前のストライクゾーンって結構ガバガバだよな」ゲラゲラ
不良 3「るせーっての!」
侑(なんか違う意味での危険を感じるよ……!?)
不良 1「なになに、そいつもお前のタイプってわけ?」
侑(見た目が不良っぽいから喧嘩になるかどうかの心配をしてたのに……!)
不良 2「お前ツルペタノンケ処女ロリが好きなんじゃないの?その子ちょっと胸大きくない?」
不良 3「ばっ!ちげーよ!確かにどストライクはそれだけど別にそこから少し外れてるくらいなら全然セーフだよ!」
不良 2「ふーん、まあ確かにツインテで雰囲気ロリっぽいけど」
不良 1「お前のストライクゾーンって結構ガバガバだよな」ゲラゲラ
不良 3「るせーっての!」
侑(なんか違う意味での危険を感じるよ……!?)
241: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 01:50:21.31 ID:ZDeVWzN0
侑(こ、これは璃奈ちゃんが助けを呼んでくるのを待ってる場合じゃ……!)
不良 3「まあいーや」
不良 3「……ほら、もっとちゃんと顔よく見せてよ」グイッ
侑「ひっ」ビクッ
侑(ダメだ怖いこれは……!)
侑(抵抗、するしかない……ッッ!!)ヒュッ
バチッ
不良 3「ぶっ!?」
不良 3「まあいーや」
不良 3「……ほら、もっとちゃんと顔よく見せてよ」グイッ
侑「ひっ」ビクッ
侑(ダメだ怖いこれは……!)
侑(抵抗、するしかない……ッッ!!)ヒュッ
バチッ
不良 3「ぶっ!?」
242: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 01:54:35.54 ID:ZDeVWzN0
侑「……!」
不良 3「い、って……」
不良 1、2「!」
侑(当たった、左ジャブ……ッ!)
侑(……ここで止まるな!すかさず右ストレートをッ!)ヒュッ
ガクンッ
侑「あ、れ……?」
侑(右肩が、出ない!?)
不良 3「い、って……」
不良 1、2「!」
侑(当たった、左ジャブ……ッ!)
侑(……ここで止まるな!すかさず右ストレートをッ!)ヒュッ
ガクンッ
侑「あ、れ……?」
侑(右肩が、出ない!?)
245: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 02:01:09.81 ID:ZDeVWzN0
────このとき、私はすっかり忘れていた
不良 3「……ってーな!」
ドンッ
侑「がっ……!」
────右肩を回し込んで打つ右ストレートは
不良 3「優しくしてたらつけあがりやがって!」ブンッ
侑「ひっ」ビクッ
ガッ
侑「っ、あっ」
────肩を掴まれた状態では十分に打てないということを
不良 3「……ってーな!」
ドンッ
侑「がっ……!」
────右肩を回し込んで打つ右ストレートは
不良 3「優しくしてたらつけあがりやがって!」ブンッ
侑「ひっ」ビクッ
ガッ
侑「っ、あっ」
────肩を掴まれた状態では十分に打てないということを
246: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 02:11:46.23 ID:ZDeVWzN0
────なにより、私は左ジャブから右ストレートへ繋げるワンツーしか練習していなかった
不良 3「喧嘩なら買ってやるぞッ!」
ゴッガッ
侑「っ、うっ」
────しかし、今回のように取っ組み合った超近距離状態では
不良 3「オラァッ!」
ドッガッ
侑「っ、ぁ……」
────ワンツーを使用できる場面などなく
不良 3「ラァッ!!」
ガッドッ
侑「がっ……」
────ただただ相手の力に蹂躙される他なかった
不良 3「喧嘩なら買ってやるぞッ!」
ゴッガッ
侑「っ、うっ」
────しかし、今回のように取っ組み合った超近距離状態では
不良 3「オラァッ!」
ドッガッ
侑「っ、ぁ……」
────ワンツーを使用できる場面などなく
不良 3「ラァッ!!」
ガッドッ
侑「がっ……」
────ただただ相手の力に蹂躙される他なかった
248: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 02:18:23.66 ID:ZDeVWzN0
不良 3「ハァ……ハァ……」
侑「う、ぐ……」
不良 3「なんだよ……調子がいいのは最初だけかよ……?」
不良 1「オイオイ、何熱くなってんだよ」
不良 2「可愛い子に手上げていーわけ?」
不良 3「ッるせぇ!こっちは先に一発やられてんだよ!」
不良 1「そりゃお前がヘラヘラ油断してるからだろ~?」
不良 2「そうそう、あれくらいどうにかできなきゃヤれるもんもヤれないって」
不良 3「るせー!」
侑「ぅ……っ……」
侑「う、ぐ……」
不良 3「なんだよ……調子がいいのは最初だけかよ……?」
不良 1「オイオイ、何熱くなってんだよ」
不良 2「可愛い子に手上げていーわけ?」
不良 3「ッるせぇ!こっちは先に一発やられてんだよ!」
不良 1「そりゃお前がヘラヘラ油断してるからだろ~?」
不良 2「そうそう、あれくらいどうにかできなきゃヤれるもんもヤれないって」
不良 3「るせー!」
侑「ぅ……っ……」
253: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 02:27:30.79 ID:ZDeVWzN0
侑(ダメだ……最初の一発しか当たんなかった……!)
侑(後はこの人の力に振り回されながら殴られてばっかで、何もできない……!)
侑(顔は避けてくれてるみたいだけど、それでも体中痛いし……!)
侑(肩を掴まれてる以上、ワンツーを繰り出す隙もない……!)
不良 3「……すっかり大人しくなったな?」
侑「っ」ビクッ
侑(私は、この人には……!)ブルブル
不良 3「なんだよ、一気にまた可愛い感じに戻ったな」ハハ
不良 3「……そんじゃまあ」
不良 3「ここでいっちょ、つまみ食いといっちゃいますか?」ニヤァ
侑(勝てない……ッ!!)
侑(後はこの人の力に振り回されながら殴られてばっかで、何もできない……!)
侑(顔は避けてくれてるみたいだけど、それでも体中痛いし……!)
侑(肩を掴まれてる以上、ワンツーを繰り出す隙もない……!)
不良 3「……すっかり大人しくなったな?」
侑「っ」ビクッ
侑(私は、この人には……!)ブルブル
不良 3「なんだよ、一気にまた可愛い感じに戻ったな」ハハ
不良 3「……そんじゃまあ」
不良 3「ここでいっちょ、つまみ食いといっちゃいますか?」ニヤァ
侑(勝てない……ッ!!)
255: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 02:37:57.71 ID:ZDeVWzN0
不良 1「はあ?お前まさかここでヤる気か?」
不良 2「オイオイオイ、いくら人目が少ないからって……ここ一応外だぞ?」
不良 3「ばっ!お前誰がここで最後までヤるって言ったよ!」
不良 3「あくまでつまみ食いだっての!ちょっとした味見!」
不良 1「はぁ……」
不良 2「最後までヤるときはさ、ちゃんとホテルとかに連れてけよ」
不良 3「わーってるよ!もう!いちいちうるさいな!」
不良 3「……さてと、待たせたちゃったね」ジロッ
侑「ひっ」ビクッ
不良 3「あーあーすっかり怯えてらぁ」ゲラゲラ
不良 3「まあ、そういうの好きなんだけどね」グイッ
侑「や、やっ……!」
不良 2「オイオイオイ、いくら人目が少ないからって……ここ一応外だぞ?」
不良 3「ばっ!お前誰がここで最後までヤるって言ったよ!」
不良 3「あくまでつまみ食いだっての!ちょっとした味見!」
不良 1「はぁ……」
不良 2「最後までヤるときはさ、ちゃんとホテルとかに連れてけよ」
不良 3「わーってるよ!もう!いちいちうるさいな!」
不良 3「……さてと、待たせたちゃったね」ジロッ
侑「ひっ」ビクッ
不良 3「あーあーすっかり怯えてらぁ」ゲラゲラ
不良 3「まあ、そういうの好きなんだけどね」グイッ
侑「や、やっ……!」
256: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 02:46:31.50 ID:ZDeVWzN0
不良 3「ほーら暴れんなって」
侑「やだ……離して……!」
侑(こんな、喧嘩にも負けて……ッ)
不良 3「あー、汗ばんだ感じのイイ匂いするなー」スンスン
侑「やっ、やだ……!」グスッ
侑(どこの誰かもよくわからない人に好きにされて……ッ)
不良 3「なぁ、お前って彼氏とか彼女とかいる?あ、そもそもノンケ?どんな感じ?」スンスン
侑「いやっ……ッ」ポロポロ
侑(意味わかんないこと聞かれて……ッ)
不良 3「うわ、めっちゃ泣いてるじゃん!そういうの興奮すんだけど」ハァハァ
侑「やだ……やめて……」ポロポロ
侑(誰か、誰か……ッ)
侑「助けて……!」
「ゆうゆ!!!!!」
侑「やだ……離して……!」
侑(こんな、喧嘩にも負けて……ッ)
不良 3「あー、汗ばんだ感じのイイ匂いするなー」スンスン
侑「やっ、やだ……!」グスッ
侑(どこの誰かもよくわからない人に好きにされて……ッ)
不良 3「なぁ、お前って彼氏とか彼女とかいる?あ、そもそもノンケ?どんな感じ?」スンスン
侑「いやっ……ッ」ポロポロ
侑(意味わかんないこと聞かれて……ッ)
不良 3「うわ、めっちゃ泣いてるじゃん!そういうの興奮すんだけど」ハァハァ
侑「やだ……やめて……」ポロポロ
侑(誰か、誰か……ッ)
侑「助けて……!」
「ゆうゆ!!!!!」
260: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 02:54:06.85 ID:ZDeVWzN0
~遡ること少し前~
愛「はぁ……はぁ……」タッタッタッ
愛(今日はりなりーと遊ぶんだ~って楽しみにしてたのに……!)
──────
『助けて』
──────
愛(ってメッセージと位置情報がいきなり送られてくるなんて!)
愛「も~どうなってんのさ~!」
愛(りなりー……無事でいてよね……!)
璃奈「愛さん!」タッタッタッ
愛「!」
愛「はぁ……はぁ……」タッタッタッ
愛(今日はりなりーと遊ぶんだ~って楽しみにしてたのに……!)
──────
『助けて』
──────
愛(ってメッセージと位置情報がいきなり送られてくるなんて!)
愛「も~どうなってんのさ~!」
愛(りなりー……無事でいてよね……!)
璃奈「愛さん!」タッタッタッ
愛「!」
261: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 02:58:01.10 ID:ZDeVWzN0
璃奈「よかった、合流でき」
愛「りなりー!」ギュッ
璃奈「わっ」
愛「よかった無事だったんだね!」ギューッ
璃奈「わ、私は大丈夫」
璃奈「それより!」グイッ
愛「お?」
璃奈「侑さんが、侑さんが危ないの……!」
愛「……ゆうゆが?」
愛「りなりー!」ギュッ
璃奈「わっ」
愛「よかった無事だったんだね!」ギューッ
璃奈「わ、私は大丈夫」
璃奈「それより!」グイッ
愛「お?」
璃奈「侑さんが、侑さんが危ないの……!」
愛「……ゆうゆが?」
262: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 03:03:42.04 ID:ZDeVWzN0
璃奈「侑さんが、私の代わりに残って、それで……!」
愛「りなりー」
璃奈「!」
愛「さっき送られてきた場所に、まだゆうゆがいるの?」
璃奈「う、うん」
愛「わかった、りなりーはどっか安全な場所にいて!」ダッ
璃奈「愛さん!わ、私も……!」タッ
愛「っ」ダダダダダ
璃奈「は、速っ……!?」
愛「りなりー」
璃奈「!」
愛「さっき送られてきた場所に、まだゆうゆがいるの?」
璃奈「う、うん」
愛「わかった、りなりーはどっか安全な場所にいて!」ダッ
璃奈「愛さん!わ、私も……!」タッ
愛「っ」ダダダダダ
璃奈「は、速っ……!?」
264: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 03:15:03.71 ID:ZDeVWzN0
愛(ゆうゆ……!りなりーの為に無茶してくれたんだよね……!)
──────
侑「しゅっしゅっ」ヒョッヒョロッ
──────
愛(あんな可愛いパンチしか打てないのに……!)
──────
侑「……ふぅ、どうかな?私のストレートとジャブは」キリッ
──────
愛(自分が強くないこともよくわかってなさそうなのに……!)
──────
侑「……なんで私頭撫でられてるの!?」
──────
愛(ビシッと決めるとき以外はただの可愛い子なのに……!)
──────
侑「ホントに顔が広くて凄いな〜さすが部室棟のヒーロー!」
──────
愛「……ッ!!」
「助けて……!」
愛「!」
愛(この声は……!)
愛「ゆうゆ!!!!!」バッ
──────
侑「しゅっしゅっ」ヒョッヒョロッ
──────
愛(あんな可愛いパンチしか打てないのに……!)
──────
侑「……ふぅ、どうかな?私のストレートとジャブは」キリッ
──────
愛(自分が強くないこともよくわかってなさそうなのに……!)
──────
侑「……なんで私頭撫でられてるの!?」
──────
愛(ビシッと決めるとき以外はただの可愛い子なのに……!)
──────
侑「ホントに顔が広くて凄いな〜さすが部室棟のヒーロー!」
──────
愛「……ッ!!」
「助けて……!」
愛「!」
愛(この声は……!)
愛「ゆうゆ!!!!!」バッ
265: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 03:22:07.41 ID:ZDeVWzN0
────そこには
不良 1「あ?誰だお前」
不良 2「なになに?誰か来ちゃった感じ?」
不良 3「オイオイオイお前らちゃんと見張っとけよ!」
────ガラの悪そうな女が三人と
侑「……あっ」
────アタシのよく知る女の子が
侑「愛、ちゃん……?」ポロポロ
────知らない表情で、ボロボロに涙を流していた
不良 1「あ?誰だお前」
不良 2「なになに?誰か来ちゃった感じ?」
不良 3「オイオイオイお前らちゃんと見張っとけよ!」
────ガラの悪そうな女が三人と
侑「……あっ」
────アタシのよく知る女の子が
侑「愛、ちゃん……?」ポロポロ
────知らない表情で、ボロボロに涙を流していた
266: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 03:30:59.58 ID:ZDeVWzN0
────瞬間、
愛「────ッ」
────プツン、と
愛「────か」
不良 3「あ?なんだって?」
────アタシの中で
愛「ゆうゆ泣かせたの」
愛「お前か?」
────何かが、キレる音がした
愛「────ッ」
────プツン、と
愛「────か」
不良 3「あ?なんだって?」
────アタシの中で
愛「ゆうゆ泣かせたの」
愛「お前か?」
────何かが、キレる音がした
267: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 03:34:28.72 ID:ZDeVWzN0
すみませんが寝るので一旦ここまでです!!!!!
そろそろ終わり近いので起きたらそのまま続き書いて締めたいと思います!!!!!
そろそろ終わり近いので起きたらそのまま続き書いて締めたいと思います!!!!!
286: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 12:28:00.20 ID:ZDeVWzN0
不良 1、2、3「ッ!?」ゾクッッッ
愛「────」ザッザッ
不良 3「……チッ」バッ
侑「っ……?」ヘナヘナ
不良 3「オイ!こっちは今からお楽しみタイムに入ろうとしてるところなんだよ!」ズカズカ
愛「────」ピクッ
不良 3「どこの誰か知らねーけどよ!人様の楽しみを邪魔するんじゃねーよッ!」バッ
侑「ぁ、愛ちゃ……!」
愛「────ッシ!!」ビュッ
バチッッバキッズガンッッッ!!!
不良「ぶふッ!!?」
侑「……!?」
愛「────」ザッザッ
不良 3「……チッ」バッ
侑「っ……?」ヘナヘナ
不良 3「オイ!こっちは今からお楽しみタイムに入ろうとしてるところなんだよ!」ズカズカ
愛「────」ピクッ
不良 3「どこの誰か知らねーけどよ!人様の楽しみを邪魔するんじゃねーよッ!」バッ
侑「ぁ、愛ちゃ……!」
愛「────ッシ!!」ビュッ
バチッッバキッズガンッッッ!!!
不良「ぶふッ!!?」
侑「……!?」
288: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 12:30:07.07 ID:ZDeVWzN0
>>286
すみません以下訂正です
×不良「ぶふッ!!?」
◯不良 3「ぶふッ!!?」
すみません以下訂正です
×不良「ぶふッ!!?」
◯不良 3「ぶふッ!!?」
289: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 12:39:49.29 ID:ZDeVWzN0
────それは一瞬の出来事だった
不良 3「ぅ……ッ」ガクッ
────私を襲ったときと同じように、あの人は愛ちゃんの右肩を抑えようと掴みかかった
不良 3「ぁ……」フラッ
────しかし、それ以上の速度で愛ちゃんは相手の右側に回り込み
不良 3「……」ドサッ
────即座に左ジャブ、右ストレート、右ハイキックのコンボを叩き込んでいたのだった
不良 3「ぅ……ッ」ガクッ
────私を襲ったときと同じように、あの人は愛ちゃんの右肩を抑えようと掴みかかった
不良 3「ぁ……」フラッ
────しかし、それ以上の速度で愛ちゃんは相手の右側に回り込み
不良 3「……」ドサッ
────即座に左ジャブ、右ストレート、右ハイキックのコンボを叩き込んでいたのだった
291: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 12:56:44.49 ID:ZDeVWzN0
不良 3「……っ、ぁ……」ピクピク
愛「……ふぅ」
不良 1「なっ……?」
不良 2「こ、こいつ……!」
不良 1「のやろ……ッ!!」バッ
────後ろに控えていた二人のうち一人が愛ちゃんに向かって走り出す
不良 1「よくもッ!!」ブンッ
────その勢いのまま大振り気味な右フックを繰り出そうとする、が
愛「────フッ!!」ザッ
────それよりも素早く相手の左手側に回り込んだ愛ちゃんの右掌底が
バグンッッ!!
不良 1「がッ!?」
────勢い良く相手のこめかみに叩き込まれた
愛「……ふぅ」
不良 1「なっ……?」
不良 2「こ、こいつ……!」
不良 1「のやろ……ッ!!」バッ
────後ろに控えていた二人のうち一人が愛ちゃんに向かって走り出す
不良 1「よくもッ!!」ブンッ
────その勢いのまま大振り気味な右フックを繰り出そうとする、が
愛「────フッ!!」ザッ
────それよりも素早く相手の左手側に回り込んだ愛ちゃんの右掌底が
バグンッッ!!
不良 1「がッ!?」
────勢い良く相手のこめかみに叩き込まれた
296: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 13:12:26.35 ID:ZDeVWzN0
不良 2「……ざけんなッ!!」ダッ
────残る一人が愛ちゃんに向かって駆け出す
愛「!」
────愛ちゃんはもう一人の相手に向いている為、こちらに背中を向ける形になっている
侑(このまま羽交い締めにでもされたらいくら愛ちゃんでも……!)
侑「っ、後ろ!!」
不良 2「終いだオラァッ!!」バッ
────しかし、相手の手が愛ちゃんに届くよりも早く
愛「────エイヤッッ!!!」グルンッ
────振り返るように繰り出された愛ちゃんの後ろ回し蹴りが
ドガッッッ!!!
不良 2「ぉがッ!?」
────相手の腹部目掛けて、正確に叩き込まれていた
────残る一人が愛ちゃんに向かって駆け出す
愛「!」
────愛ちゃんはもう一人の相手に向いている為、こちらに背中を向ける形になっている
侑(このまま羽交い締めにでもされたらいくら愛ちゃんでも……!)
侑「っ、後ろ!!」
不良 2「終いだオラァッ!!」バッ
────しかし、相手の手が愛ちゃんに届くよりも早く
愛「────エイヤッッ!!!」グルンッ
────振り返るように繰り出された愛ちゃんの後ろ回し蹴りが
ドガッッッ!!!
不良 2「ぉがッ!?」
────相手の腹部目掛けて、正確に叩き込まれていた
298: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 13:22:49.17 ID:ZDeVWzN0
不良 1「こ、の……ッ」
────かろうじて意識があった残り一人が愛ちゃんに再度向かおうとするが
愛「────ッ」ガシッ
不良 1「!」
────即座に愛ちゃんの両手が前屈みになった相手の後頭部に回され
愛「────セイッッ!!」
ドゴッッッ!!
不良 1「ごふッッ!?」
────そのまま強烈な膝蹴りが叩き込まれた
────かろうじて意識があった残り一人が愛ちゃんに再度向かおうとするが
愛「────ッ」ガシッ
不良 1「!」
────即座に愛ちゃんの両手が前屈みになった相手の後頭部に回され
愛「────セイッッ!!」
ドゴッッッ!!
不良 1「ごふッッ!?」
────そのまま強烈な膝蹴りが叩き込まれた
300: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 13:28:30.77 ID:ZDeVWzN0
不良 1「ぅ……」ドサッ
不良 2「ぁ……」ドサッ
愛「────シッ!!」バッ
侑「……すご、い」
侑(なんて……)
侑(なんて綺麗で流れるような動き……ッ!)
不良 2「ぁ……」ドサッ
愛「────シッ!!」バッ
侑「……すご、い」
侑(なんて……)
侑(なんて綺麗で流れるような動き……ッ!)
303: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 13:34:33.18 ID:ZDeVWzN0
愛「……ふぅ」
侑「ぁ、愛ちゃ……」
愛「っ、ゆうゆ────」
「────なんだァ?これは」
ゆうあい「!?」
侑「ぁ、愛ちゃ……」
愛「っ、ゆうゆ────」
「────なんだァ?これは」
ゆうあい「!?」
304: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 13:41:36.28 ID:ZDeVWzN0
「上玉捕まえたって連絡あったからわざわざ車で来てやったってのに……」チッ
侑(な、なに……誰……?)
愛「……」ジッ
不良 2「あ、せ、センパイ……」
先輩 「お?何そんなとこで寝転がってんだお前」
先輩 「……ん?」チラ
愛「……」
先輩 「……お前、どっかで見たことある顔だな」
侑(えっ、愛ちゃんの知り合い……?)
侑(な、なに……誰……?)
愛「……」ジッ
不良 2「あ、せ、センパイ……」
先輩 「お?何そんなとこで寝転がってんだお前」
先輩 「……ん?」チラ
愛「……」
先輩 「……お前、どっかで見たことある顔だな」
侑(えっ、愛ちゃんの知り合い……?)
307: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 13:48:42.74 ID:ZDeVWzN0
先輩 「……思い出した」
先輩 「お前ニジガクのやつだろ、前に試合で見たことあるぜ」
侑「し、試合……?」
先輩 「ん?」ジッ
侑「っ」ビクッ
先輩 「……なんだよ、ちゃんといるじゃねぇか上玉が」ニヤァ
侑「ひっ!?」
先輩 「お前ニジガクのやつだろ、前に試合で見たことあるぜ」
侑「し、試合……?」
先輩 「ん?」ジッ
侑「っ」ビクッ
先輩 「……なんだよ、ちゃんといるじゃねぇか上玉が」ニヤァ
侑「ひっ!?」
311: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 13:58:03.20 ID:ZDeVWzN0
愛「……おい」ザッ
先輩 「ん?あ、その子もしかしてお前の女?」
愛「……は?」
侑(えっ)
先輩 「どーなんだよ?」
愛「……だったら、どーすんの?」
侑(え!)
先輩 「ふっ……」
先輩 「ここでお前をぶっ倒して、その子をアタシのモノにする」スッ
侑「は!?」
愛「……ゆうゆは、渡さないよ」スッ
侑「ちょ……!?」
先輩 「ん?あ、その子もしかしてお前の女?」
愛「……は?」
侑(えっ)
先輩 「どーなんだよ?」
愛「……だったら、どーすんの?」
侑(え!)
先輩 「ふっ……」
先輩 「ここでお前をぶっ倒して、その子をアタシのモノにする」スッ
侑「は!?」
愛「……ゆうゆは、渡さないよ」スッ
侑「ちょ……!?」
315: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 14:09:01.49 ID:ZDeVWzN0
不良 2「く、くくく……バカだなあの女……」
不良 2「いくら喧嘩が強くても、センパイに勝てるわけねーだろッ!」
侑「な、なに……どういうこと……?」
不良 2「あの人はな、ボクシングやってんだよ」
不良 2「今年大学に入ってからは遊んでるみたいだけど、高校では三年間部活でビシバシやってたんだ!」
不良 2「アタシたちみたいなただの不良とは次元が違うんだよ……!」
侑「なっ……」チラ
先輩 「……」
侑(た、確かに体格もしっかりしてそうだし、愛ちゃんよりも背が高い……)
侑(それに構えも隙がなさそうというか、強そう……!)
侑(も、もしさっきの話が本当なら、いくら愛ちゃんでもまずいんじゃ……!)
不良 2「いくら喧嘩が強くても、センパイに勝てるわけねーだろッ!」
侑「な、なに……どういうこと……?」
不良 2「あの人はな、ボクシングやってんだよ」
不良 2「今年大学に入ってからは遊んでるみたいだけど、高校では三年間部活でビシバシやってたんだ!」
不良 2「アタシたちみたいなただの不良とは次元が違うんだよ……!」
侑「なっ……」チラ
先輩 「……」
侑(た、確かに体格もしっかりしてそうだし、愛ちゃんよりも背が高い……)
侑(それに構えも隙がなさそうというか、強そう……!)
侑(も、もしさっきの話が本当なら、いくら愛ちゃんでもまずいんじゃ……!)
318: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 14:17:26.57 ID:ZDeVWzN0
侑「あ、愛ちゃん……!」
愛「ゆうゆ……」チラ
愛「……大丈夫だよ」
愛「ゆうゆのことは、愛さんがちゃんと守るから」
愛「だから、信じて待っててよ」ニカッ
侑「!」ドキッ
先輩 「おーおーなんだよ、堂々と目の前でイチャついてくれるじゃん」
愛「……」スッ
先輩 「……ふん、まあなんでもいいさ」
先輩 「お前をここで倒すってのは変わらないから」
先輩 「よッッ!!」ダッ
愛「!!」バッ
愛「ゆうゆ……」チラ
愛「……大丈夫だよ」
愛「ゆうゆのことは、愛さんがちゃんと守るから」
愛「だから、信じて待っててよ」ニカッ
侑「!」ドキッ
先輩 「おーおーなんだよ、堂々と目の前でイチャついてくれるじゃん」
愛「……」スッ
先輩 「……ふん、まあなんでもいいさ」
先輩 「お前をここで倒すってのは変わらないから」
先輩 「よッッ!!」ダッ
愛「!!」バッ
319: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 14:24:22.90 ID:ZDeVWzN0
先輩 「────フッ!!」シュッッ
ビッガッッ
愛「────ッッ!」
侑「は、速い!!」
侑(確かに、さっきの人達とはまるで動きが違う!)
侑(隙だらけの大振りなパンチを振るうこともなく、小刻みにリズム良く素早く正確に打ち込んでる感じがする……!)
先輩 「ハッ、なんだその程度か!?」シュッッシュッッ
愛「……ッ!」
侑「愛ちゃん……!!」
ビッガッッ
愛「────ッッ!」
侑「は、速い!!」
侑(確かに、さっきの人達とはまるで動きが違う!)
侑(隙だらけの大振りなパンチを振るうこともなく、小刻みにリズム良く素早く正確に打ち込んでる感じがする……!)
先輩 「ハッ、なんだその程度か!?」シュッッシュッッ
愛「……ッ!」
侑「愛ちゃん……!!」
321: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 14:36:08.57 ID:ZDeVWzN0
────おそらく、これが"ボクシングの勝負"であれば愛ちゃんは体格差の関係もあり圧倒的に不利なままだっただろう
────しかし、ここは"リング"ではなく"路上"であり、この勝負は"ルールのあるスポーツ"ではなく"ノールールのストリートファイト"である
────それはつまり
愛「────フッ」クッ
先輩 「ハッ!!」シュッッ
愛「────ッシ!!」
ビシィッ!
先輩 「がッ!?」
侑(……右ローキック!?)
────拳以外の武器の使用が許されている、ということである
────しかし、ここは"リング"ではなく"路上"であり、この勝負は"ルールのあるスポーツ"ではなく"ノールールのストリートファイト"である
────それはつまり
愛「────フッ」クッ
先輩 「ハッ!!」シュッッ
愛「────ッシ!!」
ビシィッ!
先輩 「がッ!?」
侑(……右ローキック!?)
────拳以外の武器の使用が許されている、ということである
322: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 14:41:31.78 ID:ZDeVWzN0
先輩 「こ、の……!」タッ
愛「────!」タタタ
ビシィッ!
先輩 「ッつ!」シュッッ
愛「!」バッ
愛「────」タタタ
先輩 「っの、人の周りをクルクルと逃げやがって!」
侑(なるほど、ローキックを利用して相手の裏へ……!)
愛「────!」タタタ
ビシィッ!
先輩 「ッつ!」シュッッ
愛「!」バッ
愛「────」タタタ
先輩 「っの、人の周りをクルクルと逃げやがって!」
侑(なるほど、ローキックを利用して相手の裏へ……!)
323: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 14:50:59.17 ID:ZDeVWzN0
侑(それも、ただ裏へ回るだけじゃない……!)
侑(一度自分からフェイントを仕掛けて相手のパンチを誘い出し、その隙に正確にローキックを打ち込んでから回ってる!)
侑(これなら相手は愛ちゃんの動きについていくので精一杯で余裕がなくなる……!)
侑「でも……」
不良 2「なにやってんですかセンパイ!」
不良 2「そんなの蹴り入れられる瞬間に殴り返せば終わりじゃないですか!?」
先輩 「……るせぇッ!口挟むな!」
不良 2「ひっ、は、はい……」
侑(……そう、やろうと思えば蹴られる寸前もしくは蹴られる瞬間にパンチを合わせることもできるはず)
侑(それができていないということは────)
ビシィッ!
先輩 「ッッ!!」
愛「────」タタタ
侑(愛ちゃんの蹴りとフェイントのレベルがそれだけ高いということ……ッ!)
侑(一度自分からフェイントを仕掛けて相手のパンチを誘い出し、その隙に正確にローキックを打ち込んでから回ってる!)
侑(これなら相手は愛ちゃんの動きについていくので精一杯で余裕がなくなる……!)
侑「でも……」
不良 2「なにやってんですかセンパイ!」
不良 2「そんなの蹴り入れられる瞬間に殴り返せば終わりじゃないですか!?」
先輩 「……るせぇッ!口挟むな!」
不良 2「ひっ、は、はい……」
侑(……そう、やろうと思えば蹴られる寸前もしくは蹴られる瞬間にパンチを合わせることもできるはず)
侑(それができていないということは────)
ビシィッ!
先輩 「ッッ!!」
愛「────」タタタ
侑(愛ちゃんの蹴りとフェイントのレベルがそれだけ高いということ……ッ!)
326: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 14:58:31.46 ID:ZDeVWzN0
先輩 「はぁ……はぁ……」
先輩 (クソッ左に回るのはわかってるのに追いきれねぇ!)
愛「────フッ」バッ
先輩 「ッシ!」シュッッ
愛「ッ」バッ
ビシィッ!
先輩 「ぐッ!」
先輩 (パンチのフェイントで蹴りに入るモーションが読めない……!)
先輩 (前にボクシング部の試合で見たときとは動き方がまるで違う!)
先輩 (ボクシングならこんな動きはしない!こいつ……!)
愛「フーッ……」
先輩 (……想像以上に強いぞ!!)
先輩 (クソッ左に回るのはわかってるのに追いきれねぇ!)
愛「────フッ」バッ
先輩 「ッシ!」シュッッ
愛「ッ」バッ
ビシィッ!
先輩 「ぐッ!」
先輩 (パンチのフェイントで蹴りに入るモーションが読めない……!)
先輩 (前にボクシング部の試合で見たときとは動き方がまるで違う!)
先輩 (ボクシングならこんな動きはしない!こいつ……!)
愛「フーッ……」
先輩 (……想像以上に強いぞ!!)
330: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 15:11:25.56 ID:ZDeVWzN0
侑(相手の人の動きがだんだん鈍くなってきた……!)
愛「────フッ!」シュッシュッッ
ビッガッッ
先輩 「ぐ、うっ……っの!!」シュッッ
ガクンッ
先輩 「な!?」ヨロッ
愛「────シッ!」
ビシィッ!
先輩 「ぐぁッ!」
侑(軸足である左脚にあれだけダメージを受けてるんだ、もう最初みたいにキレのあるパンチは出せないはず……)
侑(仕掛けるなら……!)
愛「────今だッッッ!!!」ダッ
愛「────フッ!」シュッシュッッ
ビッガッッ
先輩 「ぐ、うっ……っの!!」シュッッ
ガクンッ
先輩 「な!?」ヨロッ
愛「────シッ!」
ビシィッ!
先輩 「ぐぁッ!」
侑(軸足である左脚にあれだけダメージを受けてるんだ、もう最初みたいにキレのあるパンチは出せないはず……)
侑(仕掛けるなら……!)
愛「────今だッッッ!!!」ダッ
333: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 15:27:58.61 ID:ZDeVWzN0
────右足を蹴る感じで勢い良く踏み出し、前足である左足に素早くウェイトを乗せる
愛「────」ダンッ
────荷重移動によって上体が前へ出るのと同時に左拳を相手の顔面へ向けて突き出す
愛「────フッ!」ビュッッ
バチンッッ
先輩 「ぶッ!」
────腕が伸びきる反動を使って素早く戻ると同時に腰を回し、入れ替えるように右拳を相手の顔面へ突き出す
愛「────ッシ!!!」ブオンッッッ
バキィッッ!!!
先輩 「がッッ!!」
愛「────」
先輩 「ぁ……ッ」ヨロッ
ドサッ
────ジャブで相手の動きを止めて、ストレートで仕留める
侑(これが、ホンモノのワンツー……ッッ!!!)ゾワッッッ
愛「────」ダンッ
────荷重移動によって上体が前へ出るのと同時に左拳を相手の顔面へ向けて突き出す
愛「────フッ!」ビュッッ
バチンッッ
先輩 「ぶッ!」
────腕が伸びきる反動を使って素早く戻ると同時に腰を回し、入れ替えるように右拳を相手の顔面へ突き出す
愛「────ッシ!!!」ブオンッッッ
バキィッッ!!!
先輩 「がッッ!!」
愛「────」
先輩 「ぁ……ッ」ヨロッ
ドサッ
────ジャブで相手の動きを止めて、ストレートで仕留める
侑(これが、ホンモノのワンツー……ッッ!!!)ゾワッッッ
335: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 15:35:52.48 ID:ZDeVWzN0
愛「ふぅ……」
先輩 「ぐ……ぅ……」グググ
愛「……まだ、やる?」
先輩 「……ッ」
不良 2「せ、センパイ……!」
先輩 「……」
先輩 「……いや」
先輩 「もう、いいよ……」
先輩 「参った、お前の勝ちだ」ニッ
愛「……そっか」
先輩 「ああ……」チラ
侑「っ」ビクッ
先輩 「……あの子は、お前のモノだ」フッ
侑(!?)
先輩 「ぐ……ぅ……」グググ
愛「……まだ、やる?」
先輩 「……ッ」
不良 2「せ、センパイ……!」
先輩 「……」
先輩 「……いや」
先輩 「もう、いいよ……」
先輩 「参った、お前の勝ちだ」ニッ
愛「……そっか」
先輩 「ああ……」チラ
侑「っ」ビクッ
先輩 「……あの子は、お前のモノだ」フッ
侑(!?)
337: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 15:46:11.59 ID:ZDeVWzN0
愛「……じゃあ、さっさとどっかに行ってくれるかな?」
愛「それと、次またこんなことをしようってんならそのときは────」
愛「────全力で、潰すよ」
不良 2「ひっ」ゾクッッッ
先輩 「……わかった」
侑(あ、愛ちゃん……こんな怖い顔と声出るんだ……)
愛「それと、次またこんなことをしようってんならそのときは────」
愛「────全力で、潰すよ」
不良 2「ひっ」ゾクッッッ
先輩 「……わかった」
侑(あ、愛ちゃん……こんな怖い顔と声出るんだ……)
340: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 16:01:18.30 ID:ZDeVWzN0
~不良 達が去った後~
愛「────さて、と」
愛「ゆうゆ大丈夫?怪我は?」スッ
侑「ぁ……」
愛「ん?」ニッ
────地面にへたり込んでいた私に目線を合わせるようにしゃがんで微笑む愛ちゃん
侑「わ、たし……は……」
────その優しく暖かい笑顔を見て、私は
侑「ぅ……」
────さっきまでの恐怖とか解放された安堵とか色んなモノが込み上げて来てしまって
侑「ぅぁああ……!」ポロポロ
────それら全部が、とめどなく涙として溢れ出す状態になってしまった
愛「────さて、と」
愛「ゆうゆ大丈夫?怪我は?」スッ
侑「ぁ……」
愛「ん?」ニッ
────地面にへたり込んでいた私に目線を合わせるようにしゃがんで微笑む愛ちゃん
侑「わ、たし……は……」
────その優しく暖かい笑顔を見て、私は
侑「ぅ……」
────さっきまでの恐怖とか解放された安堵とか色んなモノが込み上げて来てしまって
侑「ぅぁああ……!」ポロポロ
────それら全部が、とめどなく涙として溢れ出す状態になってしまった
343: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 16:10:02.32 ID:ZDeVWzN0
愛「わ、ゆうゆ!?どしたの!?」
侑「うぁぁぁ……」ポロポロ
愛「ど、どっか痛いの?」
侑「ぜんしんいたいよぉ……でも、そぉじゃなくてっ……」ポロポロ
侑「がんばったけど……やっぱりこわくて……っ」グスッ
侑「でも……あいちゃんたすけにきてくれて……」ヒック
侑「なんか、よくわかんないけどとまらないの……っ」ポロポロ
愛「……そっかそっか」
愛「それなら」ギュッ
侑「!」
愛「ゆうゆが泣き止むまで、愛さんがぎゅってしててあげるからさ」
愛「だから、好きなだけ泣きな?」ニカッ
侑「うぁぁぁ……」ポロポロ
愛「ど、どっか痛いの?」
侑「ぜんしんいたいよぉ……でも、そぉじゃなくてっ……」ポロポロ
侑「がんばったけど……やっぱりこわくて……っ」グスッ
侑「でも……あいちゃんたすけにきてくれて……」ヒック
侑「なんか、よくわかんないけどとまらないの……っ」ポロポロ
愛「……そっかそっか」
愛「それなら」ギュッ
侑「!」
愛「ゆうゆが泣き止むまで、愛さんがぎゅってしててあげるからさ」
愛「だから、好きなだけ泣きな?」ニカッ
347: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 16:14:16.75 ID:ZDeVWzN0
侑「あ゛いちゃん……」グスッ
愛「……よしよし」ポンポン
愛「ゆうゆよく頑張った、えらいぞー!」ナデナデ
侑「う、ぅ……」グスッ
侑「ぅあぁぁ……!」ポロポロ
愛「……ホントに、よくがんばったよ」ナデナデ
璃奈(……完全に、出ていくタイミングを逃した)
愛「……よしよし」ポンポン
愛「ゆうゆよく頑張った、えらいぞー!」ナデナデ
侑「う、ぅ……」グスッ
侑「ぅあぁぁ……!」ポロポロ
愛「……ホントに、よくがんばったよ」ナデナデ
璃奈(……完全に、出ていくタイミングを逃した)
349: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 16:20:28.92 ID:ZDeVWzN0
璃奈「……」チラ
侑「うっ、うっ……」グスッ
愛「よしよし」ナデナデ
璃奈(侑さん、私を助けてくれたときはカッコよかったのに)
璃奈(今は、なんだかちっちゃい子みたい)キュン
璃奈「……?」
璃奈(今のは、なんだろう……?)
璃奈「……」ジッ
侑「うぅ……」ヒクッ
璃奈「……」キュン
璃奈(……侑さんが泣き止んで、落ち着いたら出ていこう)
璃奈(別に、このまま眺めていたいとかではなくて、侑さんに悪いと思うから)
璃奈(ただ、それだけ)
璃奈(……誰に言い訳してるんだろう、私)
侑「うっ、うっ……」グスッ
愛「よしよし」ナデナデ
璃奈(侑さん、私を助けてくれたときはカッコよかったのに)
璃奈(今は、なんだかちっちゃい子みたい)キュン
璃奈「……?」
璃奈(今のは、なんだろう……?)
璃奈「……」ジッ
侑「うぅ……」ヒクッ
璃奈「……」キュン
璃奈(……侑さんが泣き止んで、落ち着いたら出ていこう)
璃奈(別に、このまま眺めていたいとかではなくて、侑さんに悪いと思うから)
璃奈(ただ、それだけ)
璃奈(……誰に言い訳してるんだろう、私)
352: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 16:30:11.60 ID:ZDeVWzN0
~しばらくして~
侑「……はぁ」
愛「落ち着いた?」ナデナデ
侑「……うん、ごめんね、なんか情けないとこ見せちゃって」
愛「いいのいいの、気にしないで」ナデナデ
侑「うん、ありがとう……」
愛「どーいたしまして」ナデナデ
侑「……愛ちゃん」
愛「ん?どした?」ナデナデ
侑「……あの、そろそろ大丈夫かなって」
愛「なにが?」ナデナデ
侑「……でるの」
愛「?」ナデナデ
侑「あ、頭撫でるの!そろそろやめて大丈夫だよ!」
愛「……そっかー」ナデナデ
侑「いや無視しないで!?」
侑「……はぁ」
愛「落ち着いた?」ナデナデ
侑「……うん、ごめんね、なんか情けないとこ見せちゃって」
愛「いいのいいの、気にしないで」ナデナデ
侑「うん、ありがとう……」
愛「どーいたしまして」ナデナデ
侑「……愛ちゃん」
愛「ん?どした?」ナデナデ
侑「……あの、そろそろ大丈夫かなって」
愛「なにが?」ナデナデ
侑「……でるの」
愛「?」ナデナデ
侑「あ、頭撫でるの!そろそろやめて大丈夫だよ!」
愛「……そっかー」ナデナデ
侑「いや無視しないで!?」
354: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 16:38:12.98 ID:ZDeVWzN0
愛「あはは、冗談だって」パッ
侑「ぁ……」
愛「ん?」
侑「ぁいや、撫でられるのは好きだし安心するんだけどね」
侑「同い年の子にやられると、恥ずかしいというかなんというか……」アハハ
愛「……そっかー、でも」ポン
侑「ぇ?」
愛「別に恥ずかしがることないっしょ」ナデナデ
愛「ここには、ゆうゆと愛さんしかいないんだしさ」ニッ
侑「なっ……!」カァァァ
侑「ぁ……」
愛「ん?」
侑「ぁいや、撫でられるのは好きだし安心するんだけどね」
侑「同い年の子にやられると、恥ずかしいというかなんというか……」アハハ
愛「……そっかー、でも」ポン
侑「ぇ?」
愛「別に恥ずかしがることないっしょ」ナデナデ
愛「ここには、ゆうゆと愛さんしかいないんだしさ」ニッ
侑「なっ……!」カァァァ
355: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 16:43:34.74 ID:ZDeVWzN0
愛「はは、ゆうゆの照れ顔ゲット~!」ナデナデ
侑「う、ぐ……」カァァァ
侑「……!」
侑「愛ちゃん、手見せて!」
愛「へ?」
侑「いいから!」グイッ
愛「お、おおう?」スッ
侑「……」ジッ
侑「やっぱり」
侑「めちゃくちゃ腫れてる……!」
侑「う、ぐ……」カァァァ
侑「……!」
侑「愛ちゃん、手見せて!」
愛「へ?」
侑「いいから!」グイッ
愛「お、おおう?」スッ
侑「……」ジッ
侑「やっぱり」
侑「めちゃくちゃ腫れてる……!」
356: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 16:54:21.69 ID:ZDeVWzN0
侑「な、なんで……!」
愛「……まあ、グローブもバンテージもなしに裸拳であれだけ人を殴ればね」
愛「できるだけ痛めないようにしてたつもりだけど、なかなか上手くいかないもんだよね~」ハハ
侑「……っ」
侑「私の、私のせ」
愛「おっと」ピッ
侑「!」
愛「これはさ、私が望んでやったことで出来たんだよ」
愛「だから、ゆうゆが謝ることじゃない」
侑「愛ちゃん……」
愛「……まあ、グローブもバンテージもなしに裸拳であれだけ人を殴ればね」
愛「できるだけ痛めないようにしてたつもりだけど、なかなか上手くいかないもんだよね~」ハハ
侑「……っ」
侑「私の、私のせ」
愛「おっと」ピッ
侑「!」
愛「これはさ、私が望んでやったことで出来たんだよ」
愛「だから、ゆうゆが謝ることじゃない」
侑「愛ちゃん……」
357: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 17:01:40.59 ID:ZDeVWzN0
愛「むしろ名誉のふしょーってやつだよこれは」ハハ
愛「それよりもさ、ゆうゆは怪我大丈夫?」
侑「あ、私は……まあ痛いところあるけど大したものじゃないよ」
愛「……えい」ツン
侑「いたっ!?」ビクッ
愛「……大したことあるじゃんか」クスッ
侑「ぐ、ぐぅ……」
愛「お互いさ、後でちゃんと手当てしないとだね」
侑「……そうだね」クスッ
璃奈「……二人とも」ザッ
ゆうあい「!」
愛「それよりもさ、ゆうゆは怪我大丈夫?」
侑「あ、私は……まあ痛いところあるけど大したものじゃないよ」
愛「……えい」ツン
侑「いたっ!?」ビクッ
愛「……大したことあるじゃんか」クスッ
侑「ぐ、ぐぅ……」
愛「お互いさ、後でちゃんと手当てしないとだね」
侑「……そうだね」クスッ
璃奈「……二人とも」ザッ
ゆうあい「!」
358: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 17:07:48.83 ID:ZDeVWzN0
愛「りなりー!安全なとこにいてって」
璃奈「大丈夫、さっき来たばかりだから」
侑「璃奈ちゃん!よかった無事で!」
璃奈「侑さん……」ジッ
侑「?」
璃奈「……」ギュッ
侑「へ?」
愛「!」
璃奈「ありがとう」ナデナデ
侑「!?ど、どーいたしまして」
璃奈「うん」ナデナデ
璃奈「大丈夫、さっき来たばかりだから」
侑「璃奈ちゃん!よかった無事で!」
璃奈「侑さん……」ジッ
侑「?」
璃奈「……」ギュッ
侑「へ?」
愛「!」
璃奈「ありがとう」ナデナデ
侑「!?ど、どーいたしまして」
璃奈「うん」ナデナデ
359: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 17:16:34.11 ID:ZDeVWzN0
侑「あ、あの璃奈ちゃん?」
璃奈「なに?」ナデナデ
侑「な、なんで頭を撫で続けてるのかなって」
璃奈「……ダメだった?」ナデナデ
侑「いや、その、なんというか……」
璃奈「……侑さん、私の為に頑張ってくれたから」ナデナデ
璃奈「だからこれは、それに対するささやかなお礼」ナデナデ
璃奈「もちろん、今度またちゃんとしたお礼はする」ナデナデ
璃奈「だから、今はこうさせてほしい」ナデナデ
璃奈「ダメ?」ナデナデ
侑「く、くぅ……そこまで言われると……!」
侑(同い年でもあれなのに年下の子、しかも同好会でも一番ちっちゃい璃奈ちゃんにこんなことを……めっちゃ恥ずかしい……!)カァァァ
璃奈(……赤くなってる)
璃奈(かわいいな、侑さん)キュン
愛「あの~愛さんもいるんだけどな~……?」アハハ
璃奈「なに?」ナデナデ
侑「な、なんで頭を撫で続けてるのかなって」
璃奈「……ダメだった?」ナデナデ
侑「いや、その、なんというか……」
璃奈「……侑さん、私の為に頑張ってくれたから」ナデナデ
璃奈「だからこれは、それに対するささやかなお礼」ナデナデ
璃奈「もちろん、今度またちゃんとしたお礼はする」ナデナデ
璃奈「だから、今はこうさせてほしい」ナデナデ
璃奈「ダメ?」ナデナデ
侑「く、くぅ……そこまで言われると……!」
侑(同い年でもあれなのに年下の子、しかも同好会でも一番ちっちゃい璃奈ちゃんにこんなことを……めっちゃ恥ずかしい……!)カァァァ
璃奈(……赤くなってる)
璃奈(かわいいな、侑さん)キュン
愛「あの~愛さんもいるんだけどな~……?」アハハ
361: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 17:41:43.96 ID:ZDeVWzN0
~エピローグ~
侑(あの後、私は璃奈ちゃんが満足するまで頭を撫で続けられた)
侑(よく考えると愛ちゃんにずっと見られてたんだよね……めちゃくちゃ恥ずかしい)
侑(……その後は一人で帰れる状態でもなかったので、お母さんに連絡して迎えに来てもらった)
侑(事情をかいつまんで説明したら無茶はしないでと叱られたけど、それ以上に無事でよかったとめちゃくちゃ心配された)
侑(後日、同好会メンバーにも怪我の理由を説明する必要があったので諸々の事情を伝えた)
侑(やっぱり叱られたしそれ以上に心配させてしまったみたいで……特に歩夢は凄くて、その話をしてから一週間くらいはずっと私にべったりだったっけ)
侑(……正直、歩夢を泣かせてしまったのが今回一番の反省点だったように思う)
侑(路上での喧嘩を自らしようとは絶対に思わないけど、せめていざというときに抵抗する為の手段と体力くらいは最低限身につけておかないとダメだなぁと強く思った)
侑(あの後、私は璃奈ちゃんが満足するまで頭を撫で続けられた)
侑(よく考えると愛ちゃんにずっと見られてたんだよね……めちゃくちゃ恥ずかしい)
侑(……その後は一人で帰れる状態でもなかったので、お母さんに連絡して迎えに来てもらった)
侑(事情をかいつまんで説明したら無茶はしないでと叱られたけど、それ以上に無事でよかったとめちゃくちゃ心配された)
侑(後日、同好会メンバーにも怪我の理由を説明する必要があったので諸々の事情を伝えた)
侑(やっぱり叱られたしそれ以上に心配させてしまったみたいで……特に歩夢は凄くて、その話をしてから一週間くらいはずっと私にべったりだったっけ)
侑(……正直、歩夢を泣かせてしまったのが今回一番の反省点だったように思う)
侑(路上での喧嘩を自らしようとは絶対に思わないけど、せめていざというときに抵抗する為の手段と体力くらいは最低限身につけておかないとダメだなぁと強く思った)
362: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 17:53:34.49 ID:ZDeVWzN0
侑(それと、歩夢以外にも変化があって……)
侑(璃奈ちゃんと話す機会が前よりも増えた)
侑(それと、スキンシップも)
侑(特に椅子に座ってるときとか、私の頭が璃奈ちゃんより低い位置にあるときは高確率で頭を撫でてこようとしたり、後ろからハグしようとしてくる)
侑(ハグはともかく、頭を撫でられるのはやっぱりまだ恥ずかしくて……たまに私の反応を面白がってやってるんじゃないかと思うときもあったりする)
侑(璃奈ちゃんは愛ちゃんともスキンシップが多いけど、そのときはどちらかと言えば甘えるような形のものが多くて、私のときは甘やかすようなものが多い気がする)
侑(一応、私の方が年上なんだけどなぁ……)
侑(……そうそう、愛ちゃんと言えば────)
侑(璃奈ちゃんと話す機会が前よりも増えた)
侑(それと、スキンシップも)
侑(特に椅子に座ってるときとか、私の頭が璃奈ちゃんより低い位置にあるときは高確率で頭を撫でてこようとしたり、後ろからハグしようとしてくる)
侑(ハグはともかく、頭を撫でられるのはやっぱりまだ恥ずかしくて……たまに私の反応を面白がってやってるんじゃないかと思うときもあったりする)
侑(璃奈ちゃんは愛ちゃんともスキンシップが多いけど、そのときはどちらかと言えば甘えるような形のものが多くて、私のときは甘やかすようなものが多い気がする)
侑(一応、私の方が年上なんだけどなぁ……)
侑(……そうそう、愛ちゃんと言えば────)
363: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 18:05:20.40 ID:ZDeVWzN0
~近所の公園~
侑「しゅっしゅっ」ヒュッヒュッッ
パンッパンッ
愛「そうそうその調子!」
侑「しゅっしゅっ!」ヒュッヒュッッ
パパンッ
愛「いいよいいよ!」
侑「……すぅ」スッ
侑「せいっ!」バッ
トンッ
愛「……おっけー形は良くなってきたよ!」
侑「はぁ…はぁ…」
愛「結構やったしちょっと休憩しよっか?」
侑「うっうん……!」
侑「しゅっしゅっ」ヒュッヒュッッ
パンッパンッ
愛「そうそうその調子!」
侑「しゅっしゅっ!」ヒュッヒュッッ
パパンッ
愛「いいよいいよ!」
侑「……すぅ」スッ
侑「せいっ!」バッ
トンッ
愛「……おっけー形は良くなってきたよ!」
侑「はぁ…はぁ…」
愛「結構やったしちょっと休憩しよっか?」
侑「うっうん……!」
368: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 18:32:05.47 ID:ZDeVWzN0
侑(あの一件があってからも、私は体を鍛えるのを続けていた)
侑(むしろあの一件があったからこそ、かな?)
侑(あのとき、愛ちゃんが魅せた技の数々に私は完全にときめいてしまっていた)
侑(かつてせつ菜ちゃんのライブを見たときのような感情に似ていて……でも、一つだけ違うものがあって)
侑(それは、私自身がああいう風に技を出せるようになりたい、というものだった)
侑(この違いが生まれたのがなぜなのかはわからないけど……)
侑(……愛ちゃんという明確な目標ができてからは以前よりはっきりとしたイメージが私の中にあって、最初にワンツーを練習し始めた頃よりもしっかり打ち込めている気がするんだ)
侑(それ以来、今日のように時々愛ちゃんにも付き合ってもらったりしている)
侑(愛ちゃんに見てもらった方が練習も捗るしね!)
侑(むしろあの一件があったからこそ、かな?)
侑(あのとき、愛ちゃんが魅せた技の数々に私は完全にときめいてしまっていた)
侑(かつてせつ菜ちゃんのライブを見たときのような感情に似ていて……でも、一つだけ違うものがあって)
侑(それは、私自身がああいう風に技を出せるようになりたい、というものだった)
侑(この違いが生まれたのがなぜなのかはわからないけど……)
侑(……愛ちゃんという明確な目標ができてからは以前よりはっきりとしたイメージが私の中にあって、最初にワンツーを練習し始めた頃よりもしっかり打ち込めている気がするんだ)
侑(それ以来、今日のように時々愛ちゃんにも付き合ってもらったりしている)
侑(愛ちゃんに見てもらった方が練習も捗るしね!)
369: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 18:38:53.92 ID:ZDeVWzN0
侑「……でも、やっぱり愛ちゃんみたいには上手くいかないな~」
侑「左ジャブ、右ストレートのワンツーはだいぶ良くなってきた気がするんだけど」
侑「やっぱりハイキックは難しいなぁ……なんかトンって置きに行く感じになっちゃってるような……」
愛「まあ最初のうちは誰でもそんなもんだよ!」
愛「パンチとキックじゃ全然違うしね、たくさん練習して慣れればいけるって!」
侑「……そうだね、頑張るよ!」
愛「そうそう、その意気だよ!」ポン
侑「!」ドキッ
侑「左ジャブ、右ストレートのワンツーはだいぶ良くなってきた気がするんだけど」
侑「やっぱりハイキックは難しいなぁ……なんかトンって置きに行く感じになっちゃってるような……」
愛「まあ最初のうちは誰でもそんなもんだよ!」
愛「パンチとキックじゃ全然違うしね、たくさん練習して慣れればいけるって!」
侑「……そうだね、頑張るよ!」
愛「そうそう、その意気だよ!」ポン
侑「!」ドキッ
370: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 18:39:34.18 ID:ZDeVWzN0
愛「でもさぁ、ホントにワンツーは成長したよね~」ナデナデ
侑「そう、かな」ドキドキ
愛「そうだよ!今だから言うけど最初に見せてもらったパンチは『ヒョロッ』って感じだったもん」アハハ
侑「『ヒョロッ』!?それパンチじゃなくない!?」
愛「いやでもホントにそんな感じだったからさ~」ハハ
侑「そ、そんなにダメダメだったかなぁ……」シュン
愛「……んー、そうだなぁ」ナデナデ
侑「そう、かな」ドキドキ
愛「そうだよ!今だから言うけど最初に見せてもらったパンチは『ヒョロッ』って感じだったもん」アハハ
侑「『ヒョロッ』!?それパンチじゃなくない!?」
愛「いやでもホントにそんな感じだったからさ~」ハハ
侑「そ、そんなにダメダメだったかなぁ……」シュン
愛「……んー、そうだなぁ」ナデナデ
371: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 18:48:22.02 ID:ZDeVWzN0
愛「ゆうゆ」スッ
侑「ん、なに?」
愛「もしゆうゆが強くならなくてもさ」
愛「ゆうゆのことは、愛さんがちゃんと守るから」
愛「だから、安心してよ」ニカッ
侑「!」ドキッ
──────
愛「ゆうゆのことは、愛さんがちゃんと守るから」
愛「だから、信じて待っててよ」ニカッ
──────
侑「ま、前にも、同じようなこと言ってたね……」ドキドキ
愛「あれ、そうだっけ?」
侑「……忘れちゃったんだ」
侑「あのとき、結構ときめいたんだけどな」ボソッ
侑「ん、なに?」
愛「もしゆうゆが強くならなくてもさ」
愛「ゆうゆのことは、愛さんがちゃんと守るから」
愛「だから、安心してよ」ニカッ
侑「!」ドキッ
──────
愛「ゆうゆのことは、愛さんがちゃんと守るから」
愛「だから、信じて待っててよ」ニカッ
──────
侑「ま、前にも、同じようなこと言ってたね……」ドキドキ
愛「あれ、そうだっけ?」
侑「……忘れちゃったんだ」
侑「あのとき、結構ときめいたんだけどな」ボソッ
372: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 18:55:37.27 ID:ZDeVWzN0
愛「そうなの?」ズイッ
侑「うわ!き、聞こえてたの!?」
愛「そりゃこの距離なら聞こえるっしょ」ハハ
侑「う、うぅ……」カァァァ
愛「……」
愛「ゆうゆってさ」
侑「な、なに?」
愛「結構、可愛いとこあるよね」ニッ
侑「なぁっ!?」
侑「うわ!き、聞こえてたの!?」
愛「そりゃこの距離なら聞こえるっしょ」ハハ
侑「う、うぅ……」カァァァ
愛「……」
愛「ゆうゆってさ」
侑「な、なに?」
愛「結構、可愛いとこあるよね」ニッ
侑「なぁっ!?」
375: 名無しで叶える物語(しうまい) 2021/01/13(水) 19:08:54.85 ID:ZDeVWzN0
愛「いや歩夢と一緒にいるときとかはカッコよく振る舞おうとしてる感じあったりするからさ」
愛「そういうの見れるの、愛さん的には結構ウレシーかも」ニカッ
侑「な、な……っ!」カァァァ
愛「……なんてね」
愛「さ、十分休んだし練習再開しよっか!」
侑「え!?」
愛「ほら、立って立って!」グイッ
侑「わ、ちょ、ちょっと愛ちゃん!」
愛「もっともっと強くなるんでしょ?」
愛「それなら、もっと頑張らなきゃね!」ニッ
侑「……もちろん!」ニッ
おしまい
愛「そういうの見れるの、愛さん的には結構ウレシーかも」ニカッ
侑「な、な……っ!」カァァァ
愛「……なんてね」
愛「さ、十分休んだし練習再開しよっか!」
侑「え!?」
愛「ほら、立って立って!」グイッ
侑「わ、ちょ、ちょっと愛ちゃん!」
愛「もっともっと強くなるんでしょ?」
愛「それなら、もっと頑張らなきゃね!」ニッ
侑「……もちろん!」ニッ
おしまい


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