0001以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/23(金) 22:15:30.42ID:9/aV7+SgO
はぐれメタル「………」

勇者「俺と同じだな…来るか?」

0002以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/23(金) 22:19:43.46ID:9/aV7+SgO
はぐれメタル「………」

勇者「僕は人間の敵なのにいいのかって?ははっ嫌なら最初から誘わないさ」

はぐれメタル「………」

勇者「気にしすぎだよ。さ、一緒に行こう?」

はぐれメタル「…………コクッ…」

はぐれメタルが仲間に加わった

0004以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/23(金) 22:27:41.47ID:9/aV7+SgO
勇者「これから共に旅するんだから名前は必要だよな」

はぐれメタル「………」

勇者「う~ん………あ、はぐたろうってのはどうだ?」

はぐれメタル「!!!」

勇者「僕は女の子だって?ごめんごめん。それじゃあ……はぐりん、はどうかな?」

0006以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/23(金) 22:34:43.77ID:9/aV7+SgO
はぐれメタル「………」

勇者「あ、あれ?可愛いと思うんだけど…。気に入らなかった?」

はぐれメタル「………プルプル」

勇者「嬉しいって?よかったぁ……気に入らないのかと思ったよ。これからよろしくな。はぐりん」

はぐりん「………///」

0010以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/23(金) 22:43:32.52ID:9/aV7+SgO
勇者「…防御力と素早さは文句無しなんだけどな」

はぐりん「……?」

勇者「よし!命の木の実を使おう!確か袋に10個くらいは…」

はぐりん「…………」

勇者「そんな大事な物を僕に使うなって?…大事な物だからこそ大事な仲間に使うんだよ」

はぐりん「………」

勇者「お礼なんていいよ。…っと発見。ほらっ」

はぐりん「………!!」

勇者「ははは、それ不味いだろ?」

0011以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/23(金) 22:52:41.95ID:9/aV7+SgO
はぐりん「!!!」

勇者「騙してないって。ちょっと反応を見たかっただけ。でも可愛かったぞ?」

はぐりん「!!」

勇者「…ありゃ、誤魔化しきれないか。ほらっ、魔物のエサと一緒に食べるといいよ」

はぐりん「……じ~~…」

勇者「今度は本当に大丈夫だって!」

はぐりん「………もぐもぐ」

勇者「なっ?」

はぐりん「…もぐもぐ……コクッ…」

0019以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/23(金) 23:04:27.27ID:9/aV7+SgO
勇者「…よし、これでさっきよりは体力が増えたな」

はぐりん「……!!!」

勇者「魔物!?クソッ油断した…!はぐりん身を守れ!」

はぐりん「……!」《仁王立ち》

勇者「なっ…!?チィッ…バシルーラぁッ!×3」

0022以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/23(金) 23:13:03.19ID:9/aV7+SgO
勇者「全く……相手が魔法系だからよかったものの、もし痛恨を出す相手だったら死んでたかもしれないんだぞ?なんであんな無茶…」

はぐりん「…………」

勇者「…俺を…守りたかった……?…そっか………でも、もう無茶は駄目だぞ?次からは命大事に、な」

はぐりん「………」

勇者「……ありがとな」

はぐりん「……///」

0025以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/23(金) 23:22:48.43ID:9/aV7+SgO

勇者「バシルーラ!」

勇者「バシルーラ!」

勇者「バシルーラ!」

はぐりん「………」

勇者「…うん?不思議そうな顔してるな?」

はぐりん「………」

勇者「何故倒さないかって?……魔物だから倒すってのは違うと思うんだ。きっと分かり合えるはずなんだよ……俺とはぐりんみたいに」

はぐりん「………」

0027以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/23(金) 23:31:29.27ID:9/aV7+SgO
兵士「勇者殿ぉ~!」

勇者「ん?……あの兵士は…」

はぐりん「?」

兵士「はぁはぁ……やっと見つけましたぞ…王様がお呼びで……!!魔物!?」

はぐりん「びくっ!」

勇者「やめろ。敵じゃない」

兵士「し、しかし…」

勇者「そんなことよりだ。王様が呼んでいるんだな?」

兵士「……はい」

勇者「………はぐりん、しっかり捕まってろよ」

はぐりん「………」

勇者『ルーラ!』

兵士「…………ケッ…化け物が…!」

0028以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/23(金) 23:35:50.78ID:9/aV7+SgO
勇者「…………」

はぐりん「………」

勇者「…元気がない?…そうだな……」

はぐりん「………」

勇者「はぐりん…俺から離れるな。………離れないでくれ…」

はぐりん「……コクッ…」

勇者「………行くか」

0029以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/23(金) 23:40:01.40ID:9/aV7+SgO
「おいあの化け物が帰って来やがったぞ…」

「しかも魔物を引き連れてな…」

「やっぱり魔物の子なのよ…」

「何が勇者だ…親殺しのクセに…!」

「やめろって!お前も殺されるぞ!」

勇者「………」

はぐりん「………」

0032以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/23(金) 23:49:11.69ID:9/aV7+SgO
勇者「王様。お久しぶりでございます」

王「あいさつなどいらぬ。姫の消息は未だ掴めんのか?」

勇者「申し訳ありません」

王「ふんっ…少しも申し訳ないと思ってない顔だの。もうよい下がれ。不愉快だ」

勇者「………」

0037以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/24(土) 00:08:17.39ID:7y141LGVO

勇者「では……」

兵士長「待て」

勇者「…何か?」

兵士長「その袋の中身が気になるんだが?どうも魔物の気配がする。貴様が魔物と一緒にいたとの報告もあるしな」

勇者「……一緒にいてはならないのですか?」

兵士長「…どうやら本当らしいな。仮にも貴様は勇者だ。ここで斬ることは出来ん。……だが」

勇者「………」

はぐりん「………」

0038以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/24(土) 00:15:32.59ID:7y141LGVO
兵士長「魔物は置いていけ。それは人に仇なすモノだ」

勇者「……嫌だ、と言ったら?」

兵士長「………囲め」

兵士達「ハッ!」

勇者「…話をする気もなしか……ラリホーマ!」

兵士長「くっ…離れ……!」

兵士達「……ZZZZ」


0039以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/24(土) 00:19:22.28ID:7y141LGVO
勇者「あなた一人だけですがどうしますか?」

兵士長「おのれ……!」

勇者「………では、ご機嫌よう。行くぞはぐりん」

はぐりん「………」

兵士長「チッ…この悪魔が…!」

勇者「………」

0040以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/24(土) 00:27:08.45ID:7y141LGVO
勇者「あ~~~疲れた!ごめんな。嫌な思いさせて」

はぐりん「プルプル」

勇者「………」

はぐりん「………」

勇者「……気になるか?」

はぐりん「………」

勇者「…そっか。………うし!気を取り直して行くか!」

はぐりん「ピキー!」

0043以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/24(土) 00:33:33.01ID:7y141LGVO
勇者「魔王の城まで後少しか…。ここまで長かったな」

はぐりん「………」

勇者「敵も強くなってきたし、そろそろはぐりんに防具を持たせたいんだが…。この町にあればいいな」

はぐりん「………」

勇者「さくっと防具屋見てくるからこの木の下で待っててくれ。すぐ戻る!」
はぐりん「………」

0045以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/24(土) 00:36:33.00ID:7y141LGVO
「あれってはぐれメタルじゃね?」

「んな訳……うおっ!マジか!」

「親ぶ~ん!はぐれメタルがいますぜぇ~!」

親分「ほう……これは運がいい。野郎共!逃がすんじゃねえぞ!」

はぐりん「……!」

0046以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/24(土) 00:39:07.19ID:7y141LGVO
勇者「防具は人間用しかないからなぁ…」

勇者「………ん?これは…スライムメット?おっさんこれいくら!」

0049以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/24(土) 00:44:39.22ID:7y141LGVO
勇者「はぐりん喜んでくれるかな~♪」

「さっきの一撃は流石でしたね!」

「親分の魔神切りは最高っす!」

親分「ふっ…まあな」

「でも辺なはぐれメタルでしたねぇ。逃げるどころか身を守ってばかりなんて」

勇者(……まさかな)

0052以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/24(土) 00:48:30.69ID:7y141LGVO
勇者「はあはあ…!はぐりん何処だ!はぐりん!返事をしてくれ!はぐり………!?」

はぐりん「………」

勇者「はぐりん!?待ってろ!今魔法を…!」

はぐりん「………」
勇者「ベホマ!……ベホマ!ベホマベホマベホマベホマベホマ………………」

0055以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/24(土) 00:56:00.61ID:7y141LGVO
勇者「ベホ……ゲホッゲホッ!……クソッ…なんで効かないんだよ…!」

はぐりん「………」

勇者「喋らなくていい!直ぐに協会へ…!」

はぐりん「………」

勇者「会えて良かった…?楽しかった…?…………はぐりん…………?」

はぐりん「………」

返事が無い。ただの屍のようだ

勇者「あ……あぁぁ…………」

勇者「うああああああああああアアアアアアアアアアアア!!!!」

0057以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/24(土) 01:00:04.11ID:7y141LGVO
勇者「…ここに親分がいるのか?」

「んだテメエは?さっさと消え……」

勇者「メラゾーマ」

「ぎゃああああ!!」

「なっ…!」

「ひぃぃ!?」

「親分に知らせ…」

勇者「イオナズン…!」

0059以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/24(土) 01:08:51.88ID:7y141LGVO
親分「酒が足りねえぞ酒がぁっ!」

勇者「お前が親分だな…」

親分「ああ?……子分共はどうし……ウッッ!!ぐはっ…!」

勇者「お前が……お前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前が」

親分「な…なんだテメエは……?イカレてんじゃ…ぐああああ!!」

勇者「……ギガデイ………?」

はぐりん『………』

勇者「…………………わかったよ」

勇者「………命拾いしたな」

親分「……はぁはぁはぁはぁ…………た、助かった……」

0060以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/24(土) 01:11:59.17ID:7y141LGVO

勇者「魔王を止めれば人と魔物の争いも……」

勇者「…じゃ…行ってくるよ……これ似合うと思うから置いてくな…」

勇者「…………」

0062以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/24(土) 01:20:26.70ID:7y141LGVO
魔物「魔王様!人間が城内へ侵入したようです!」

魔王「構わん。ここへ通せ」

魔物「しかし…!」

魔王「二度言わせるな」

魔物「ハッ…」

姫「魔王様……やはり戦われるのですか…?」

魔王「無論です。人と魔物……ここで決着をつけましょう」

姫「そんな…もう戦いなんて……」

魔王「所詮は相容れぬ間柄……どちらかが滅びるしかないのです…」

姫「…………」

0065以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/24(土) 01:26:09.47ID:7y141LGVO
勇者(おかしいな……魔物の気配はするが一向に出てこない…誘っているのか?)

勇者(………まあいい。体力も魔力も温存できるなら好都合だ。今日で戦いを終わらせる…!)

勇者(…………でも……はぐりんは……いないんだよな………………)

0066以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/24(土) 01:33:14.36ID:7y141LGVO
魔王「ようこそ我が城へ」

勇者「………」

魔王「ここまでの長旅御苦労であった。もう疲れたであろう。休んでいくといい………永遠にな!ベキラゴン!」

勇者「うおおおおおお!!」

姫(どうすれば二人を……)

0070以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/24(土) 01:43:00.45ID:7y141LGVO
魔王「貴様は何故戦う!」

勇者「…!」

魔王「人でありながら人に疎まれ畏れられ!魔物を殺さず!」

勇者「……!」

魔王「戦いの果てに何を望む!」

勇者「……人も…魔物も共に生きれる世界を…!ただそれだけを!俺はああああ!!!」

魔王「ぬおおお……!」

0073以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/24(土) 01:48:01.09ID:7y141LGVO
勇者「これでッ…!」ギィィン!

魔王「………!」

勇者「俺の……勝ちだな…!」

魔王「……フフ…まさか人間に負けるとはな………さあトドメを刺すがいい」

勇者「…………」

0075以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/24(土) 01:51:30.35ID:7y141LGVO
魔王「…情けをかけるつもりか?」

勇者「俺は…俺は…!」

魔王「ふん…ならばこちらから」

姫「魔王様!勇者様!」

勇者「姫!?」

魔王「……!」

0077以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/24(土) 01:56:25.69ID:7y141LGVO
姫「もうよいではありませんか…」

魔王「しかし我々は…」

姫「勇者様は人でありながら魔物を想い…」

勇者「………」

姫「魔王様は魔物でありながら人の未来を憂いていました…」

魔王「………」

姫「人も魔物も分かり合えるのではありませんか…?少なくとも私たちは分かり合えたはずです」

0083以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/24(土) 02:03:40.67ID:7y141LGVO
魔王「だが……生半可な道では…」

姫「私たちの代で出来なければ…」スッ…

勇者「姫……お腹に……?」

姫「次の世代…また次の世代……願えば…きっといつか叶うはずです。だから…!」

魔王「…………我が命……あなたに預けます」

姫「魔王様…!………勇者様は…」

勇者「俺は……」

0087以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/24(土) 02:14:19.01ID:7y141LGVO

勇者「なぁはぐりん……世界はどうなるのかな…」

勇者「俺とはぐりん…姫と魔王……本当はみんな仲良く出来るんだよな…」

勇者「俺がんばるからさ……ずっと見てて………」

勇者(あれ?スライムメットが無くなって…)

「勇者様!」

勇者「!?」

「ふふっこれ僕に似合うかなあ?」

勇者「え…はぐりん……?でもその姿は…?」

はぐりん「勇者様が心配で心配で……気付いたらこの姿になってて。えと、迷惑…かな?」

勇者「そんな……訳……ない……うっ……うぅぅぅ……」

はぐりん「もう…離れませんから……一緒に行きましょう…勇者様」

勇者「…ぐすっ…………ああ!!」

0088以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/24(土) 02:15:53.15ID:7y141LGVO