1: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 18:58:08 ID:???00
~科学室~

四季「メイ、見て。猫になる薬」

メイ「…その口に入れちゃいけない色した液体がか?」

四季「うん。というわけで」ズイッ

メイ「おい、なにがというわけでだ! 飲みも嗅ぎも触れもしないぞ!」

夏美「メイ~、時間がないから早く飲みますの」

メイ「てかなんでお前までいるんだよ!」

夏美「そりゃあ四季の研究助手として薬の効果を余すことなく記録するという責務を…」

メイ「それっぽいこと言ってんじゃねぇ、どうせ再生数稼ぐために乗っただけだろ!?」

2: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 19:00:40 ID:???00
四季「メイ、心配しなくとも一瞬で終わる。味も多分大丈夫だから」グイグイ

メイ「いーやーだーっ! そんなヤバい色の液体絶対飲みたくねーっ!」グイグイ

夏美「強情…四季、このままじゃ手伝い損ですの!」

四季「しかたない…奥の手を使う」

メイ「はぁ? いったいなにを…」

四季「実はこの試験管は特別製。お尻の部分を勢いよくぶつけると、中の液体に強いインパクトを加えられる。つまりこうして机に叩きつけると──」ブンッ

夏美「あっオニヤバ──」サッ

メイ「おいやめっ──!」

 ボンッ!!

3: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 19:02:53 ID:???00
 ~~~

きな子「みんななにしてるんすか、千砂都先輩に怒られちゃうっすよ~…!」タッタッ

『おいっ、どうしたらにゃおるんだよこれーっ!?』

『し、知りませんの~っ! 夏美はただ四季の指示に従っていただけ…!』

『にゃあ』

きな子「…なんだか科学室から嫌な騒がしさが聞こえるんすけど…」

 ガラッ

夏美「あ…ど、どうも…」ネコミミ~

メイ「き、きにゃ子…」ネコシッポ~

四季「んにゃ?」ネコムスメ~

きな子「な、な…!」

4: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 19:05:06 ID:???00
きな子「にゃんじゃこりゃ~っ!?!?」

5: 名無しで叶える物語◆hrRNB5S7★ 2025/10/15(水) 19:05:58 ID:???Sd
かわいい

6: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 19:07:44 ID:???00
きな子「はぁ…それで四季ちゃんの薬が爆発して、煙を吸い込んだら猫耳としっぽが生えてしまったと…」

メイ「飲み込みが早くて助かるよ…」

きな子「いや全然飲み込めてはないんすけど…ドッキリとかじゃないんすよね…?」サワサワ

夏美「あぅ、そっちの耳触られると変な感じですの…」

きな子「あっ、よく見たら猫耳の方にも穴があるっす!」

メイ「えっ怖、どうにゃってんだ私たちの体…?」

7: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 19:12:29 ID:???00
四季「……」スリスリ

きな子「ところで、肝心の四季ちゃんはどうなっちゃってるんすか…? まるで本当の猫さんみたい…」

メイ「ああ、試験管叩きつけた本人だからにゃ…薬を吸いすぎたんだろ」ナデナデ

夏美「でも四季じゃなきゃ治し方もわかりませんの。時間が経てばどうにかなるのかも…」

四季「ふん…」トコトコ

きな子「あ、四季ちゃんがどこかに…」

8: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 19:16:15 ID:???00
四季「……」ストン

夏美「椅子に座りましたの」

四季「くぁ…」ノビーッ

メイ「あくびをして…」

四季「……Zzz」スピー

きな子「寝ちゃったっす」

きなメイなつ『…………』

メイ「四季ーっ!? こんにゃ状況で寝るにゃーっ!!」ユサユサ

四季「んな~…」ガクガク

9: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 19:19:04 ID:???00
夏美「あそうだ、そういえばきな子は動物と会話ができますの!」

メイ「はっ、ニャイスにゃつみ! あれだけ猫に近い状態にゃら、逆に猫として会話が…!」

きな子「あ、それで言ったらメイちゃんと夏美ちゃんの考えてることもわかるっすよ! 例えばなでてほしいところとか~…」ナデナデ

メイなつ『ふにゃあ~~~……』ゴロゴロゴロゴロ

メイ「やっとる場合かーっ!」シャーッ

きな子「ひぅ…すまねぇっす、つい…」

夏美「あ、抗えなかった…なんか怖くなってきましたの…」

10: 名無しで叶える物語◆Mirok0cD★ 2025/10/15(水) 19:19:53 ID:???Sd
2期生だいすこ期待

11: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 19:21:54 ID:???00
きな子「えーっと、四季ちゃん?」

四季「んにゃ?」

きな子「四季ちゃん、自分の名前全部言えるっすか?」ナデナデ

四季「にゃ…」フリフリ

メイ「かわいい…」

夏美「え、マジ…?」

きな子「ふんふん、ちゃんと自分のことはわかってるみたいっすね…でもなんだか朦朧としてる感じっす…」

12: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 19:26:06 ID:???00
メイ「──どうだ、にゃにかわかったか?」

きな子「…ダメっすね。簡単な会話はできても、肝心の薬とかの話はよくわからないみたいで…」

メイ「そうか…」

夏美「むぅ、どうしたものか…」

 ガラッ

千砂都「こらきな子ちゃん! ダメだよミイラ取りがミイラになっちゃ──え?」

きな子「ち、千砂都先輩…!」

メイ「にゃんで先輩が…って、そうだ練習!」

夏美「あーっ! すーっかり忘れてましたのー!」

千砂都「いや…え? どういう状況…?」

13: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 19:29:12 ID:???00
四季「にゃ~…」トコトコ

きな子「四季ちゃん…?」

四季「みゃあ~」スリスリ

千砂都「んっ、急にどうしたの四季ちゃん…あ、もしかして…」

四季「んにゃ…」ペロペロ

千砂都「わわっ。えへへ…もう、くすぐったいよぉ」

メイ「こら四季、流石に…!」

14: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 19:30:41 ID:???00
千砂都「いいよいいよ、どうせ薬でヘンになっちゃってるんでしょ? 引っ掻かれるんじゃ困るけど、そういうわけでもなさそうだし…おーよしよし」ナデナデ

四季「にゃむ…」

きな子(ママ…)

メイ(ママだ…)

夏美(ママですの…)

15: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 19:33:36 ID:???00
千砂都「──まぁ大体事情はわかった。叱ろうにもそんな状態じゃどうしようもないね…」

四季「ナ~…」

千砂都「でも四季ちゃんはともかく、他の猫ちゃんたちは練習できそうかな?」

メイ「は、はい! 歌は難しいけど、ダンスにゃら…」

夏美「夏美はどっちも問題ありませんの!」

千砂都「オッケー、じゃあ二人は部室で着替えておいで! きな子ちゃん、四季ちゃんとのコミュニケーション手伝ってくれる?」

きな子「わかりました!」

16: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 19:36:30 ID:???00
~結ヶ丘、屋上~

すみれ「メイってば、ずいぶん可愛い格好してるわね」ナデナデ

かのん「本当、すっごく似合ってるよ!」ナデナデ

メイ「はわわ…しぇんぱいたちににゃでられてる…でも複雑にゃ気持ち…」

冬毬「あ、姉者…その姿は…!」フルフル

夏美「お、お姉ちゃんのことなでようとしちゃダ~メ~っ!」

冬毬「そんなっ!?」

17: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 19:39:08 ID:???00
四季「……」ジーッ

可可「シッキー、完全に猫ちゃんみたいデス…」ヒョイヒョイ

マルガレーテ「不思議ね、人がこうなっちゃうなんて…」

恋「元に戻るのでしょうか…心配ですね…」

四季「にゃっ!」パシッ

可可「…デスが、いつもクールなシッキーにこれだけかまってもらえるのは…これはこれデ…」

恋「確かに…四季さん、私にも…!」

四季「にゃむ」

マルガレーテ「この先輩たちは…」

18: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 19:41:36 ID:???00
 ~~~

千砂都「よしっ、今日の練習はここまで!」

メイ「ふーっ、にゃんとかにゃったぁ…」

夏美「なんとなくいつもと違う気がして慣れませんでしたの…」

すみれ「そりゃあヒトにしっぽが生えるのなんてウン百万年、ウン千万年ぶりだものね」

マルガレーテ「流石に猫のしっぽが生えるのは史上初でしょうけど…」

19: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 19:44:04 ID:???00
きな子「四季ちゃん、そろそろ帰る時間っすよ~」

四季「にゃ」

千砂都「でも、このまま帰しちゃって大丈夫かなぁ」

メイ「本当はちゃんと相談した方がいいだろうけど…今夜は私の家に泊めるよ。もし明日もこの調子だったら…そのときは四季の親御さんにも伝える」

千砂都「そっか…無事に戻ってほしいね」

メイ「変にゃもの作ったって、いつもは絶対に戻るものを作るんだ。今回だって…」

千砂都「…あんまり一人で抱え込んじゃダメだよ?」

メイ「うん…ありがとう、千砂都先輩」

20: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 19:47:50 ID:???00
きな子「そういえば、夏美ちゃんはどうするっすか? 四季ちゃんメイちゃんよりはいいっすけど、猫耳としっぽだけだって十分目立っちゃうっす」

夏美「む、確かに…耳は帽子でどうにかなりますが、しっぽはコートでもなきゃ…まだ全然そんな時期じゃありませんの」

きな子「なら、きな子の家を使ってほしいっす! 冬毬ちゃんもどうっすか? 三人だとちょっと狭いかもだけど…」

冬毬「私もですか? しかし…」

かのん「それならまたウチに来る? マルガレーテちゃんもありあも喜ぶよ!」

マルガレーテ「なに勝手なこと言ってるのよ!?」

恋「では私の家はどうでしょう? 家の広さには自信があります」

可可「ここは間を取って可可の家デス!」

夏美「おお…冬毬が大人気ですの…」

21: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 19:51:00 ID:???00
冬毬「み、みなさん! お誘いいただくのは光栄ですが…その…」

冬毬「私は、姉者と一緒にいたいので…姉者の行くところへお邪魔します!」

夏美「冬毬…!」ジーン

かのん「あーあ、フラレちゃったねマルガレーテちゃん」ポン

マルガレーテ「私はなにも言ってないでしょ!?」

すみれ「ほら、バカなこと言ってないで。早く着替えないと下校時刻過ぎちゃうわよ?」

22: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 19:53:29 ID:???00
~メイの部屋~

メイ「はぁ、風呂に入れるのも一苦労…水を嫌がらにゃかったからまだよかったけど…」

四季「にゃ」

メイ「ん、にゃでてほしいのか? ほら、ここか?」ナデナデ

四季「~♪」

メイ「ははっ、やっぱり猫みたいににゃっても可愛いよ、四季は」

メイ(──でも…もしずっと四季がこのままだったら…明日になっても、来月になっても、年が変わっても、このままだったら…)

メイ「四季…」グスッ

四季「……?」ペロペロ

メイ「…悪い、大丈夫だよ。私は大丈夫だから…」ナデナデ

23: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 19:56:25 ID:???00
~きな子の部屋~

きな子「夏美ちゃん、くし通すと身体が動いて面白いっす~♪」

夏美「はうぅ…妹の前でこんにゃ、はしたにゃいお姉ちゃんになっちゃいますの~……」クネクネ

冬毬「可愛いですよ、姉者」カシャッ

夏美「こんな姿撮っちゃダメ~っ…!」クネクネ

きな子「…ところで、メイちゃんは“にゃ”って言っちゃうっすけど、夏美ちゃんは言わないっすよね」

冬毬「それは私も疑問に思っていました。薬の効果にも個人差があるのでしょうか」

夏美「ああ…それは多分四季の動きを見てメイより早く逃げたからですの。逃げられませんでしたけど…」

きな子「な、なるほど…」

冬毬「流石です、姉者」

24: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 19:58:42 ID:???00
~翌朝、きな子の部屋~

きな子「なつみちゃん…もふもふ…」ギューッ

冬毬「あねじゃ…」ギューッ

夏美「ぐぇ…悪夢を見た理由が一瞬でわかりましたの…オニ苦しい~…って、あら?」

夏美「な、ない! なくなってますの~っ!」

きな子「ん~…? どうしたんすか夏美ちゃん…あっ!」

冬毬「おはようございます、姉者…おや」

25: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 20:01:06 ID:???00
~メイの部屋~

四季「ん…」モゾ

メイ「四季、起きたか?」

四季「んぅ、メイ…?」

メイ「っ…!? 四季っ!」ダキッ

四季「め、メイ!? 急に…」

メイ「だって、もし四季が戻らなかったらどうしようって…! 心配したんだぞ…!」グスッ

四季「…ごめん、メイ。でも、昨日の夕方からの記憶が全然にゃくて──にゃ?」

26: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 20:03:34 ID:???00
四季「猫耳、しっぽ…にゃるほど、薬はちゃんと機能してたんだ…」

メイ「私と夏美にも生えてたけど、多分あっちも効果は切れてるだろうな」

四季「…薬の効果が確認できたのはよかったけど、目的である猫のメイは見れにゃかった…記憶も飛んでいるし、もう少し改良を…」

メイ「…お前、さては懲りてないな?」

四季「うっ…」

メイ「いいさ、そっちがその気ならこっちにも秘策があるんだからな。昨日夏美から貰った動画はっと…」

四季「動画…?」

27: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 20:06:16 ID:???00
四季『んにゃ…』ペロペロ

千砂都『わわっ。えへへ…もう、くすぐったいよぉ』

メイ『こら四季、流石に…!』

四季「これが、私…!?」フルフル

メイ「ああ。昨日のお前は薬の吸いすぎで完全に可愛らし~い猫ちゃんになってたからな。Liella!のみんなもバッチリ見てたぞ?」

四季「にゃ…にゃあっ…!?」

28: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 20:09:54 ID:???00
~結ヶ丘~

きな子「あっ! メイちゃんも戻ったんすね!」

メイ「おはよ。やっぱり夏美も戻ってるみたいだな」

夏美「ええ、起きたときにはバッチリですの! そういえば四季は?」

メイ「ああ、あいつなら…」スッ

四季「……」ジーッ

冬毬「木の陰に隠れていますね…」

29: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 20:12:20 ID:???00
冬毬「昨日の状態から察するに、もしや四季先輩はまだ耳としっぽが取れていないのでは?」

メイ「よくわかったな。おーい四季、そんなとこ隠れてないで出てこいって!」

四季「…その、おはよう」

夏美「全然目ぇ合わせてくれませんの…」

きな子「四季ちゃん、すっごく恥ずかしがってるっす」

30: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 20:14:45 ID:???00
メイ「でも今だからこそ言えるけどさ、昨日の四季もすげぇ可愛かったよな?」

四季「っ!?」

夏美「たしかに、千砂都先輩に頬ずりしたり…」

きな子「なでたら喜んでくれたり…」

冬毬「先輩方、特に可可先輩にはずいぶん可愛がられていましたね。興味深い光景でした」

四季「~~~っ…!! 言わ、にゃいで…」カァァ

夏美「…もしや四季、昨日のことが気まずいんですの~?」

きな子「大丈夫っすよ! すっごく可愛かったっすから!」

31: 名無しで叶える物語◆ED3QMo5L★ 2025/10/15(水) 20:16:28 ID:???00
四季「…倒れそう…」

メイ「どうだ、少しは私の気持ちがわかったか?」

四季「…今度からはメイにだけ飲ませる方法をしっかり考える…」

メイ「ちゃんと反省しろっ!」ベシッ

おわり。

引用元: 四季「メイ、見て。猫になる薬」【SS】