0011以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 19:00:42.78ID:X5IQfbcgO
男「はぁ…」
妖怪「……まず驚くところじゃないのぉ?」
男「ああ、いえ…急に現れて素っ頓狂なことを言われて一応驚いてます」
妖怪「あらそう…それで? どっちがいいかしらぁ?」
男「それより、どちら様ですか?」
妖怪「見てわからなぁい?」
男「分かったら俺はエスパーになれますね」
0013以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 19:10:23.78ID:X5IQfbcgO
妖怪「面倒くさいわねぇ。妖怪よ、妖怪」
男「ああ、なるほど。110番より119番ですか」
妖怪「とりあえず持ったままの携帯を置いてくれる?」
男「携帯を知ってるということは、やっぱり異常なだけですか」
妖怪「今時分、妖怪だって携帯くらい知ってるわよぉ」
男「そうですか、それはすみません。お帰りはあちらです」
妖怪「これはどうも」
ガチャ パタン
男「なんだったんだろう…?」
0014以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 19:16:16.29ID:X5IQfbcgO
ピンポーン
男「はーい」
ガチャ
妖怪「酷いじゃないのぉ…」
男「ああ、やっぱりダメですか?」
妖怪「ダメに決まってるわよぉ」
男「これはすみません。では…」
妖怪「あ、ええ」
パタン
男「やれやれ…」
0016以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 19:22:54.04ID:X5IQfbcgO
ピンポーン
男「はーい」
ガチャ
妖怪「話が進まないわぁ…」
男「諦めると思ったんですが…」
妖怪「もぉ、せめて話くらいは聞いてちょうだいよぉ」
男「最初からそうして下さいと言うのはダメですか?」
妖怪「そう言われたら、ノリが悪いと答えるわね」
男「でも、ノリで答えられる選択肢とは思えませんでしたよ?」
妖怪「確かに配慮が足りなかったわぁ」
0018以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 19:29:10.37ID:X5IQfbcgO
男「お茶です」
妖怪「ありがとぉ」
男「あのー、それで、あなたは何という妖怪さんなので?」
妖怪「……何になるのかしらぁ?」
男「聞かれても…」
妖怪「この姿になる前はクモだったわねぇ」
男「クモ…ですか」
妖怪「まだ疑ってるみたいねぇ?」
男「そりゃまぁ…証拠とかないですか?」
0019以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 19:33:39.72ID:X5IQfbcgO
妖怪「証拠ねぇ…糸が吐けるくらいかしらぁ?」
男「おお、それはベターな」
妖怪「悪かったわねぇ」
男「いえ、ではどうぞ」
妖怪「え?」
男「え?」
0022以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 19:38:53.66ID:X5IQfbcgO
妖怪「こっ、ここで吐くのはちょっと…」
男「なんですか? 人でいうゲロみたいなものなんですか?」
妖怪「えっとぉ…生理現象みたいな?」
男「口から生理現象ですか」
妖怪「口は口でも下の…」
男「ああ、それ以上は言わなくて結構です。顔赤いし」
妖怪「ごめんなさぁい…」
0024以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 19:45:19.90ID:X5IQfbcgO
男「まぁ、確かにお尻から糸を出しますしね」
妖怪「えぇ、吐くというのは違ったわぁ」
男「それはそれとして…ふりだしに戻りましたね」
妖怪「どうやったら信じてくれるぅ?」
男「知りませんよ」
妖怪「そんなぁ…」
0025以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 19:52:04.51ID:X5IQfbcgO
妖怪「仕方ないわねぇ…」
男「ん…? そっちは寝室ですよ?」
妖怪「い、糸で巣を作るのよぉ」
男「勝手に話を進めないで下さい」
妖怪「じゃあ、どうすればいいのよぉ!」
男「帰ってくれると助かります」
妖怪「それはイヤ」
男「おっと、これは予想以上に面倒くさい事態のようだ」
0026以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 19:57:15.10ID:X5IQfbcgO
男「なんで俺なんですか?」
妖怪「なにが?」
男「いや、なんで俺のところに来たんですか?」
妖怪「だって、ここで育ったんだもの」
男「え?」
妖怪「ほら、ここに巣があるわよぉ」
男「エアコンの横に…」
0027以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 20:00:52.17ID:X5IQfbcgO
男「あの…本当に妖怪なんですか?」
妖怪「当然よぉ」
男「……わかりました。とりあえず認めますよ」
妖怪「よかったぁ」
男「それで?」
妖怪「え?」
男「え?じゃなくて、最初の問いの意味は?」
妖怪「そのままだけどぉ?」
0029以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 20:07:22.11ID:X5IQfbcgO
男「えーと…いまいち要領を得ないなぁ」
妖怪「答えるだけじゃないのぉ」
男「だって、何の為に食われる必要があるんですか?」
妖怪「生物として当然の主張よぉ」
男「まぁ、俺が食われるのは分かるとしても、何故に俺が食う側に回るんですか?」
妖怪「弱肉強食って言うじゃなあい?」
男「あー…つまり、縄張り争いってことですか?」
0032以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 20:14:24.44ID:X5IQfbcgO
妖怪「…? 確かに争いねぇ」
男「なら、今すぐ出ていって下さい」
妖怪「イヤよぉ。なんでそんなこと言うのぉ?」
男「ここは俺の家ですから。と言うか、食われるなんてごめんです」
妖怪「じゃあ食べる?」
男「食べません!」
妖怪「ワガママねぇ…」
0034以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 20:17:58.97ID:X5IQfbcgO
妖怪「それより、お腹が空いたわぁ」
男「……っ!?」
妖怪「あら、なんで身構えてるのぉ?」
男「食われないためです」
妖怪「お腹が空いてるのに食べたりしないわよぉ」
男「……よし、頭が混乱してきた」
妖怪「冷蔵庫、失礼するわねぇ?」
0035以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 20:24:07.90ID:X5IQfbcgO
男「当たり前の様に冷蔵庫を漁ってることに突っ込むべきなんだろうか…」
男「それとも、俺を食べずに冷凍食品をチンして食べてることに突っ込むべきか?」
男「それとも、俺の晩飯だと突っ込むべきか…」
妖怪「ごちそう様ぁ」
男「どうしたらいいと思う?」
妖怪「え?」
0036以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 20:32:11.20ID:X5IQfbcgO
妖怪「ふふっ」
男「……」
妖怪「くふ、ぷっ…」
男「……」
妖怪「あははははっ!!」
男(食後はお笑い番組で爆笑か…何がしたいんだ?)
妖怪「あら? ジッと見たりしてどうしたのぉ?」
男「いえ……って、寛ぎすぎでしょ」
妖怪「え? お家で寛ぐのは問題かしらぁ?」
男(自宅宣言…ッ!?)
0037以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 20:39:01.99ID:X5IQfbcgO
妖怪「テレビも終わったし、お風呂入ってくるわぁ」
男「あ、はい…」
男「いやいやいや、はいじゃないだろ、はいじゃ」
男「問題解決してないのに、普通に生活しようとしてるじゃないか…」
男「目的が全くわからない。やっぱり、ただの電波か?」
男「はぁ…これじゃ寝るに寝れない…」
0038以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 20:43:51.30ID:X5IQfbcgO
妖怪「上がったわよぉ?」
男「それは報告しなくていいです」
妖怪「あら、入らないの?」
男「朝風呂派なんで」
妖怪「ふぅん。まぁ、私は問題ないけどぉ」
男「あの…」
妖怪「なあに?」
男「俺はいつ食べられるんですか?」
0040以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 20:50:07.13ID:X5IQfbcgO
妖怪「いつでもいいわよぉ?」
男「なら、とりあえず今日は食べないで下さい」
妖怪「じゃあ明日?」
男「出来ればずっと食べない方向で」
妖怪「それはダメよぉ」
男「どうすればいいのさ…」
妖怪「それより、私が食べる側でいいのぉ?」
男「話聞いてました?」
0043以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 21:03:11.16ID:X5IQfbcgO
男「――…ん」
男「朝、か…」
男「……」
妖怪「すー…すー…」
男「ははっ、夢じゃなかったどうしよう」
妖怪「んぅ…」
0044以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 21:08:50.92ID:X5IQfbcgO
男「食うか食われるか、か…」
男「ぐっすり寝て…」
男「…いやいやいやいや、それは無い! それは無い!」
妖怪「ん…朝からなにをはしゃいでるのよぉ…?」
男「あっ、すみません、起こしました?」
妖怪「いいわよぉ。おはよぉ」
男「お、おはようございます」
0045以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 21:14:36.79ID:X5IQfbcgO
男「……」
妖怪「どうしたのぉ?」
男「あ、えっと…」
妖怪「あ、そっかぁ。バイトがあったわねぇ」
妖怪「気にしないで行ってきなさぁい」
男「いや、でも…」
妖怪「ふふっ、お留守番くらいできるわよぉ」
男(無邪気すぎて言えない……帰ってきた時に締め出されないかが心配だと…)
0046以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 21:22:12.24ID:X5IQfbcgO
男「どうするかなぁ…」
友「なに悩んでんだ?」
男「別に…」
友「冷たいなぁ。相談くらいなら乗るぜ」
男「……ねぇ、女の人が家に不法侵入してきたらどうする?」
友「は? そりゃ警察呼ぶだろ」
男「ですよねー」
0048以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 21:26:17.53ID:X5IQfbcgO
男「――…ってことがあったんだけど」
友「へぇ」
男「え? 信じるの?」
友「うんうん、信じる。だから病院に行こう? 頭の」
男「優しさという悪意に満ち溢れてるな」
友「だってさぁ、どんな ゲだって話だよ」
男「いや、ホラーだろ」
0050以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 21:32:31.92ID:X5IQfbcgO
友「どこが?」
男「だって、食べるって言われたんだぞ?」
友「お前、大丈夫?」
男「大丈夫じゃないから相談してんでしょ」
友「え、なに? まさか本気で言ってんの?」
男「信じてないならこれ以上…」
友「そうじゃなくて。食われるか食べるかだろ? もうアレしかないだろ」
男「アレ?」
0051以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 21:36:56.05ID:X5IQfbcgO
男(――いやぁ、どうだろう? まさかそんな…)
男(あの人もそのままの意味だって言ってたし…)
ガチャ
男「た、ただいまー」
妖怪「おかえりなさぁい」
男「……」
妖怪「…? どうしたのぉ?」
男「いえ…」
0055以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 21:58:39.85ID:X5IQfbcgO
妖怪「最近はお笑い番組が多いわねぇ」
男「そうですね」
妖怪「嫌いじゃないけど、食傷気味だわぁ」
男「そうですね」
妖怪「……明日は晴れるみたいねぇ?」
男「そうですね」
妖怪「明日は雨だって?」
男「そうですね」
妖怪「ぶははっ、そこは否定しろよ」
男「…え?」
妖怪「え?」
0057以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 22:02:16.10ID:X5IQfbcgO
妖怪「んもぉ、人の話聞いてるぅ?」
男「ああ、すみません。ぼーっとしてました」
妖怪「なにかお悩み?」
男「ええ、主にあなたが悩みです」
妖怪「あらそう? なんでかしら…」
男(この人は……)
0058以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 22:07:02.84ID:X5IQfbcgO
男「あの、聞いてもいいですか?」
妖怪「なぁに?」
男「食べる食べないって、その…」
妖怪「あら、決めたのぉ?」
男「いえ、えっと…」
妖怪「もぉ、ちゃっちゃと言いなさいよぉ」
男「……わかりました。あなたが言ってる食べるとは、アレの比喩ですか?」
妖怪「アレ?」
0059以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 22:13:22.23ID:X5IQfbcgO
男「… です」
妖怪「…? 当然じゃなぁい」
男「そ、そうですか…」
男(出会い頭にそんな大胆なことを言ってたのに、
糸の件で恥ずかしがってたのは何故だろう、何故だろう…)
男「な、なんで俺とそんなことを?」
妖怪「んー、身近なオスだったから?」
男「あー、野生本能?」
0060以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 22:18:49.31ID:X5IQfbcgO
妖怪「もしかして、理解してなかったのぉ?」
男「当たり前でしょ! 自称妖怪に食べるなんて言われたんですから!」
妖怪「妖怪だから人を食べるなんて…非常識ねぇ」
男「どっちがですか!?」
妖怪「まぁいいわぁ。それで、食べるの? それとも食べられる?」
男「どっちもお断りです!」
妖怪「どうしてよぉ?」
0061以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/27(火) 22:21:57.91ID:X5IQfbcgO
男「そりゃ…」
妖怪「なによぉ?」
男「所詮は腹筋スレですから」


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