2: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/05(水) 22:16:36 ID:???00
情報科一年A「璃奈ちゃん、土曜日のライブ、すっごくよかったよ!」

璃奈「ありがとう。来てくれて嬉しかった」

情報科一年B「いや~もはや璃奈ちゃんのライブが生き甲斐だよね~」

情報科一年C「本当に楽しかったよ。今回の演出も璃奈ちゃんが考えたの?」

璃奈「そう、今回の演出は自信作」

B「あんなことまでできるなんて、すごいな~憧れちゃうね~」

璃奈「ありがとう。璃奈ちゃんボード『照れ照れ』」

3: 名無しで叶える物語◆Xk2zi59l★ 2025/11/05(水) 22:17:32 ID:???00
注釈草

4: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/05(水) 22:17:44 ID:???00
A「もう、すっかりスクールアイドルだね」

C「そうそう、この間も……」

愛「りなりー! 同好会行こー!」

B「!!」

璃奈「あ、愛さん。うん、今準備する」

愛「あ、ごめんね、お話中だった?」

B「あ……い、いえ! 大丈夫でしゅ!」

A「噛んでるし。……でも、あの、み、宮下先輩! この間のライブ、すっごく格好良かったです!」

愛「え? 観てくれたんだ! ありがとー!」

C「本当に、最っ高でした!」

B「あ、あの! サ! ……サササインください! あ、いや、もしご迷惑ではなかったらなんですけどいえご迷惑にきまっていますねスミマセンスミスマン」

愛「あっはは! 迷惑なわけないじゃん! サインくらいいくらでも書くよ! いつも応援してくれるお礼!」

B「あ……あ……」

愛「はい、一丁上がり!」

璃奈「愛さん、お待たせ。行こう」

愛「オッケー! ……それじゃあみんな次のライブもよろしくねー」

5: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/05(水) 22:18:17 ID:???00
璃奈「愛さん、すごい人気」

愛「いやー、応援してもらうのは嬉しいねー」

璃奈「私ももっと頑張る。璃奈ちゃんボード『やる気マックス』」

愛「いいねー、頑張ろう頑張ろう!」

6: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/05(水) 22:21:46 ID:???00
……

璃奈「暑い……」

A「本当にね。こんな日に外で体育やらなくてもいいのに……」

B「死人が出るよ死人が~」

C「まあ、これでも一応屋外運動禁止基準以下らしいよ」

璃奈「汗でボードが濡れて力が出ない。璃奈ちゃんボード『ふやけた……』」

C「グラウンドの向こう側は……あ、うちの学科の二年生だね」

7: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/05(水) 22:21:58 ID:???00
B「二年生!? 宮下先輩は!?」

璃奈「いたよ、あそこ。さすが愛さん、大活躍している」

A「すっご! 人間にあんな動きできるんだ」

B「はあ……格好良すぎる~」

璃奈「自慢の先輩。璃奈ちゃんボード『えっへん』」

C「部室棟のヒーローは伊達じゃないね」

璃奈「私も愛さんみたいになるために、頑張って走る」

B「よ~し、行くぞ~!」

一同「おー」

8: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/05(水) 22:24:04 ID:???00
……

璃奈「むむむ……」

愛「りなりー、どうしたの?」

璃奈「今やってるゲーム、ボスが強くて倒せない。あと少しなのに」

愛「へー、そうなんだ。りなりーでも倒せないの?」

璃奈「うん、強すぎる。何かギミックがあるのかも」

愛「どれどれ……あ、このゲーム、最近発売されて話題のやつだね。愛さんも気になってたんだ。……あれ、でも結構いい感じじゃない?」

璃奈「ここまでは大丈夫。でも、残り体力が少なくなると……」

愛「うわ! これは強烈だねー」

璃奈「またやられちゃった……」

9: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/05(水) 22:24:38 ID:???00
愛「ねえねえ! 藍さんも一緒にやっていい?」

璃奈「え? 一緒にやってくれるの?」

愛「素人だから役に立つかはわからないけど」

璃奈「そんなことない。一緒にやりたい」

愛「やった! それじゃあ二人でボス退治だ!」

10: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/05(水) 22:25:58 ID:???00
藍さんになってる……

11: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/05(水) 22:26:22 ID:???00
愛「ええと……うわ、当たっちゃった!」

璃奈「まだ大丈夫。回復するから動かないで」

愛「サンキューりなりー。よし、だんだん慣れてきたぞー」

璃奈「そろそろ発狂する。注意して」

愛「オッケー! ねえ、りなりー、愛さんが敵を引きつけるから、倒すヒントがないか観察してよ」

璃奈「わかった。……愛さん大丈夫?」

愛「うん、何とかやってみるよ」

12: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/05(水) 22:27:41 ID:???00
璃奈「じゃあ発狂ラインまで削るよ」

愛「うわあっ! 来た来た! でも、時間稼ぎくらいなら!」

璃奈「倒すヒント……あの角は弱点っぽい。でも、部位の判定がないから壊せない」

璃奈「あれ、今の……壁の仕掛けから角にエネルギーを供給してた?」

璃奈「なら発狂前に仕掛けを壊せれば、もしかして……」

13: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/05(水) 22:31:58 ID:???00
愛「ああ、ごめーん、やられちゃった!」

璃奈「大丈夫、ありがとう愛さん。おかげで活路が見えた」

愛「え? 本当に? さすがりなりー!」

璃奈「うん、次は勝てそう」

愛「よし、散々苦しめてくれた相手にリベンジだ!」

15: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/05(水) 22:36:36 ID:???00
璃奈「今のうちに壁の仕掛けを壊して……」

愛「おお、なるほどねー」

璃奈「これで体力を減らしても……」

愛「さっきより大人しいね」

璃奈「あとは削り切るだけ」

愛「おりゃおりゃー」

璃奈「……やった、勝った」

愛「やったねりなりー!」

璃奈「うん。璃奈ちゃんボード『十年早いんだよ!』」

璃奈「愛さんのおかげ。ありがとう」

愛「いやいや、りなりーがすごかったんだよ!」

璃奈「でも、私は愛さんと一緒に遊べて嬉しかったから、だからありがとう」

愛「そっか。そういうことなら、どういたしまして! 愛さんも楽しかったよ!」

璃奈「うん、また一緒に遊んで欲しい」

愛「いいよー。りなりーのためなら何だってやっちゃうからね」

16: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/05(水) 22:38:09 ID:???00
……

璃奈「あ、あれは……」

璃奈「あ、愛さ——」

普通科二年D「えー、それホントー?」

愛「ホントなんだってー」

国際交流学科二年E「マジかー。まあ、愛らしいっていうかなんていうか」

音楽科三年F「じゃあさ、それもう一回やって見せてよ」

愛「ええー? まあ、いいけど……あれ、りなりーじゃん。お疲れ、元気?」

璃奈「……あ、うん。元気」

17: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/05(水) 22:40:21 ID:???00
E「お? 誰?」

愛「うん? 同好会の後輩だよ」

F「ああ、いつも話してる後輩ちゃんかー」

D「ええと、演劇が好きな子だっけ?」

璃奈「あ……」

愛「それは違う後輩! りなりーは学科も同じで、コンピュータの扱いが得意な、愛さんのパーフェクト後輩なんだよ!」

18: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/05(水) 22:40:55 ID:???00
璃奈「愛さん……」

D「失礼失礼、そっちの後輩ちゃんか。りなりーちゃん? 愛をよろしくねー」

璃奈「あ……うん」

E「超かわいいじゃん。りなりーちゃん、頑張ってね」

愛「もう、からかわないの。……じゃあ、りなりー、ちょうどいい時間だし同好会行こうか」

璃奈「……でも、いいの?」

愛「いいのいいの。どうせそろそろ迎えに行こうと思ってたところだし!」

F「またねー、りなりーちゃん」

璃奈「うん……また」

20: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/05(水) 22:45:10 ID:???00
璃奈「愛さん、さっきの人たち……」

愛「ん? ああ、色々騒がしくってごめんね」

璃奈「ううん、大丈夫。みんな友達……?」

愛「そうそう、部活の助っ人とか委員会とかで仲良くなってさ」

璃奈「そうなんだ。やっぱり愛さんは人気者」

愛「むしろ愛さんが構ってもらってるって感じだけどねー」

21: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/05(水) 22:46:54 ID:???00
……

先生「今日のプログラミング実習は、資料をもとにアプリケーションを作ってもらいます。基本的なやり方と雛形は資料を参照するように。余裕がある人は仕様の範囲内で自由に機能追加してもいいですよ」

璃奈「本格的な実習。楽しそう」

B「璃奈ちゃん得意だもんね~」

A「私はあまり得意じゃないから、まずは最低限まで頑張んないとなー」

C「分量的にはプラスアルファまで辿り着くのは大変そうだね」

璃奈「うーん、どうやって作ろうか。璃奈ちゃんボード『わくわく』」

22: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/05(水) 22:49:03 ID:???00
A「ふう、何とか形になったか。璃奈ちゃんは、どう?」

璃奈「うん、大体完成した」

C「おお、すごいねー」

璃奈「でも、ここの処理速度がいまいち。何か他にいいアルゴリズムはないかな……」

B「いや~十分だよ~」

C「そこまでできる人もそういないでしょ」

璃奈「うん、確かに時間もないしここまでかな」

23: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/05(水) 22:49:59 ID:???00
先生「はい、それじゃあここまで。各自提出してください。それから、先輩の作った優秀作品を共有に置いておくから、興味がある人はチェックしておくように」

A「よし、終わったー。帰ろ帰ろ」

B「頭使い過ぎた~」

璃奈「私は優秀作品を見てみたいから、先に行ってて」

C「こういうところなんだよね、差がつくのは。でも、私はまた今度にしようかな」

璃奈「うん、また後で」

24: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/05(水) 22:51:04 ID:???00
璃奈「優秀作品、一体どんな……あ、私が苦労したところ、こんなに処理を速くできるんだ……」

璃奈「それに、他にも機能がいくつも。ええと、ソースは……なるほど、こうしたらよかったのか」

璃奈「ん? コメントに製作者の名前が書いてある……」

璃奈「あ、これ……」

26: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/06(木) 20:44:50 ID:???00
……

愛「おっ疲れー」

しずく「あ、愛さんお疲れ様です」

愛「今日はちょっと遅くなっちゃったなー……あれ、りなりーは?」

かすみ「りな子はー、ちょっと具合が悪くて今日は休むそうです」

愛「え、りなりーが?」

栞子「一応大事を取るだけで大したことはないと言っていたそうなのですが……」

愛「そっか、それならいいんだけど、心配だね」

栞子「そうですね。すぐに良くなってくれるといいのですが」

愛「うん、後でお見舞いのメッセージ入れてあげよう。……それじゃあ、愛さんはランニングしてくるね」

しずく「はい、いってらっしゃい」

27: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/06(木) 20:45:46 ID:???00
……

璃奈「……」

愛「あ、いた。りなりー!」

璃奈「愛さん……どうしたの?」

愛「いやあ、ランニングしてたらたまたまりなりーを見かけてさ。具合悪くて帰ったって聞いてたから声かけちゃった。……体調はどう?」

璃奈「うん……大丈夫」

愛「そっか、ならよかった。でも、油断せずにしっかり休んでね」

璃奈「……うん」

愛「……りなりー? ……やっぱり、元気ない?」

璃奈「……大丈夫、心配ない」

愛「でも……」

28: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/06(木) 20:48:07 ID:???00
璃奈「いいから……今は、愛さんに優しくされたくない……」

愛「え……?」

璃奈「ねえ、愛さんは、どうしても上手くできないものって……ある?」

愛「……上手く、できないもの?」

璃奈「……ううん、ごめん何でもない」

愛「りなりー……もしかして愛さん、りなりーに何かしちゃったかな。そうだったら謝るから——」

璃奈「大丈夫、大丈夫だから。……ほら、璃奈ちゃんボード『にっこりん』……だよ」

愛「……りなりー、駄目だよ。璃奈ちゃんボードはさ、りなりーの気持ちを表すためのものでしょ? ……だからさ、本当の気持ちを隠すために使っちゃ駄目だよ」

璃奈「そんなこと……してない」

愛「してるよ! だって……りなりー、ボードの向こうで、泣いてる。アタシには、わかるよ……!」

璃奈「ごめん。でも……お願い、今は来ないで」

愛「あ……」

愛「そんなの……なんで、……そんなこと言われたら、追いかけられないよ。りなりー……」

29: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/06(木) 20:49:16 ID:???00
……

璃奈(……)

璃奈(今日は、愛さんにひどい態度取っちゃった……)

璃奈(愛さんは、何も悪くないのに)

璃奈(明日、謝らなくちゃ……)

璃奈(愛さん、許してくれるかな)

璃奈「?」

璃奈「……あ、お母さん、おかえりなさい。今日は早かったんだね」

璃奈「え、大事な話?」

璃奈「もっと一緒にいられたら嬉しいか? ……それは、うん。嬉しい」

璃奈「……え、それは——」

30: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/06(木) 20:49:58 ID:???00
……

愛(りなりー、大丈夫かな。今日は学校、来られたかな)

愛(元気になって欲しいけど……なんか、りなりーと顔合わせづらいな)

愛(はあ……今日は同好会、サボっちゃおうかなぁ……)

かすみ「愛せんぱーい!」

愛「あれ、……かすみん、どうしたの?」

かすみ「大変なんですよ~! りな子が……りな子が……」

愛「りなりーが? ……何かあった?」

栞子「それが……璃奈さんが、その……転校してしまった、と」

31: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/06(木) 20:50:27 ID:???00
愛「転校!? りなりーが? ……それに、してしまったって?」

栞子「急な話ですが、もう既に転校手続きも終わって、引っ越しも済んでいるそうです」

愛「そんな……それじゃあ、もう虹ヶ咲には来ないってこと? 転校って、どこに?」

かすみ「お母さんの地元に帰ったということらしいんですが……」

栞子「具体的な場所はわからないんです」

かすみ「メッセンジャーも電話も繋がらなくて……ゲームのアカウントもなくなっちゃったんです。愛先輩なら何か知ってるかと思ったんですけど……」

愛「ううん……アタシも、何も知らなかった……」

栞子「そうですか……」

かすみ「りな子……どうしてこんな急に……」

愛「……」

32: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/06(木) 20:51:46 ID:???00
……

愛(りなりーがいなくなっちゃってからもう二週間、本当に何の手がかりもなく日々が過ぎていってる)

愛(元々りなりーなんていなかったみたいに。……でも、そんなこと絶対にないのに)

愛(あーあ、授業も実習もやる気出ないなー)

愛(ん? 学内メール……愛さん以外にも集中を切らしてる人がいるのかな)

愛(差出人は……え? りなりー……?)

33: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/06(木) 20:52:42 ID:???00
From:天王寺璃奈
To:宮下愛

愛さん、突然のメールごめんなさい。
先生に学内のアカウントは月末まで残ると聞いたから、送信タイマーをつけてメールを書くことにしたんだ。(だから、返信してももう私には届かないよ)
愛さんには伝えたいことがたくさんあるから。

34: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/06(木) 20:53:08 ID:???00
突然いなくなってしまってごめんなさい。
私にとっても突然のことで、お別れをいう時間もなかった。
でも、望まないのに無理矢理連れて行かれた、というわけではないので安心して。引っ越したらね、お母さんが家にいる時間が増えるんだ。だから、引っ越しは私が望んだことでもある。

35: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/06(木) 20:54:58 ID:???00
あの日、愛さんに酷いことを言ってしまってごめんなさい。
すぐに謝りたかったけど、勇気が出せないまま、すぐに引越しになって、だからメールでになっちゃうけど、本当にごめんなさい。
愛さんは何でもできて、みんなに人気で、本当に自慢できる先輩で、私の大切な人。
でも、あの日の私は、私にはできないことだけじゃなく、数少ない私が得意だと思っていたことさえも、他の多くのことと同じように、当然のようにできる愛さんを羨ましいと思ってしまった。
そして同時に、自分自身を惨めに思ったんだ。何の取り柄もなく、周りに気を遣わせているだけの、駄目な人間だと。

36: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/06(木) 20:55:59 ID:???00
きっと、愛さんはそんなことないって言ってくれるよね。ありがとう。
私もね、頭でわかってはいるんだ。人と比べても仕方がない。私は私にできることを少しずつ増やして、私にできることを頑張ればいいんだって。
でもね、心はどうしてもアナログだから、きれいに割り切ることができなかった。
一緒にいると、みんなが愛さんを見ている。私だってそう。だからみんなの気持ちがわかるんだ。愛さんは眩しくて、格好良くて、みんなの中心で。そして気づくんだ。一緒にいる私はなんて取るに足らない存在なんだろうって。
愛さんを大好きな気持ちと、隣で比べられるのが怖いという気持ちがぐちゃぐちゃになって、あんな酷い態度をとってしまった。
だから、愛さんは何も悪くない。きっと気にしていたよね。ごめんなさい。

37: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/06(木) 20:56:33 ID:???00
同好会で一緒に過ごしてくれてありがとう。
みんなと、愛さんと過ごした日々は、短かったけど、とても大事で大切な思い出だよ。
こんな私を受け入れてくれて、みんなでいろんなことをして、励まし合って、笑い合って、本当に楽しかった。
愛さんのことを思い出して寂しくなるから、この先もう私はスクールアイドルをやることも、スクールアイドルのステージを観ることをないと思う。でも、いつまでも心の中で愛さんのことを応援しているよ。

38: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/06(木) 20:56:57 ID:???00
長くなり過ぎちゃった。同好会のみんなにもごめんなさいと伝えてくれたら嬉しい。
それじゃあ、愛さん、さようなら。ありがとう。

璃奈

39: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/06(木) 20:59:51 ID:???00
……

かすみ「はあ……」

せつ菜「璃奈さんがいなくなって、愛さんも顔を見せなくなって、何だか部室が静かになってしまいましたね……」

愛「せっつー!!」

せつ菜「わあ! 愛さん!?」

愛「この前言ってた、同好会を部にするやつ、まだ間に合うかな」

せつ菜「え? ええ、特に期限はありませんが……突然どうしたんですか?」

愛「うん、愛さん、ラブライブ!に出るよ!」

40: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/06(木) 21:00:16 ID:???00
かすみ「ええー!? 一体、どうしてですかー?」

愛「もう観ないって言うなら、どうしたって目にせざるを得ないところで、伝えてやることにしたんだ!」

かすみ「ええと……?」

せつ菜「とはいえ、予選申し込み締め切りは……ええと、明日ですよ!?」

愛「うん、だからまだ間に合う。……一緒にイベントやった他校のみんなには悪いけど、今年は愛さんが東京代表になるよ」

せつ菜「何だかわかりませんが、愛さんが燃えている……!? わかりました、すぐに手続きをすませておきます!」

42: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/06(木) 21:09:32 ID:???00
……

璃奈(あ、明日の予習しなきゃ。普通科は色々な科目があって大変。これ以上みんなから遅れないようにしないと)

『……次のニュースです。今年もラブライブ!決勝大会が開催され各地域の代表が、熱いパフォーマンスを繰り広げました』

璃奈(あ、ラブライブ!……スクールアイドルの情報は見ないようにしてたけど、ラブライブ!は普通のニュースでも報道されるんだ。……テレビ消さないと)

『今大会優勝の栄冠に輝いたのは、東京代表虹ヶ咲学園スクールアイドル部の宮下愛さん。ここでは、そのパフォーマンスを全てお見せします』

璃奈(え……あ、愛さん……? 何で……)

『東京代表の宮下愛です。今日はここまで応援してくれたみんな、支えてくれたみんな……そして、遠くに行ってしまった大切な仲間に届くことを願って歌います』

『……聞いてください、『どこにいても君は君』』

璃奈(愛さん……もう観ないって思っていたのに。……こんなの、やっぱり愛さんはずるいよ……)

43: 名無しで叶える物語◆s1YBJ8LQ★ 2025/11/06(木) 21:12:02 ID:???00
……

かすみ「それにしても、本当に優勝しちゃうなんて……」

せつ菜「璃奈さんに、届いたでしょうか」

愛「うん、きっと届いた。多分、ね……」

愛「あ、見て……これ」

かすみ「何ですか? 昨日アップされた動画……?」

せつ菜「あ、愛さんの決勝曲のカバーですね。投稿者は……A.L.A.Nさん、ですか?」

愛「……大丈夫、伝わってるよ。……元気そうじゃん、……ね、りなりー」

かすみ「え? え? どういうことですか?」

愛「別にー。これで何かが変わるわけじゃないけど……それでも、『またね、またね!』……ってこと!」



おわり

引用元: 【ss】璃奈「アナログな心」