1: ◆tC1RcY.rTU 2026/01/06(火) 21:57:12.86 ID:JXWnB0CR0
阿保みたいなギャグですが・・・


どこかの世界、いつかの時間

そこでのさやかはワルプルギスの夜との決戦前夜まで生き延び、経過観察のため入院中の上条にすべてを告白するのであった。
とんでもない無間地獄の始まりとも知らずに・・・

上条「そうだったのか、さやかが僕の腕を治してくれたんだね・・・ そのためにさやかは人間じゃなくなってしまい、永遠に恐ろしい戦いを続けることになってしまった・・・」

さやか「まあ気にしないでよ。私が勝手にやっちゃったことだし」

上条「そうはいかない。どれだけ感謝しても感謝しきれない。心からお礼を言うよ」

  「それにしても僕は無念だよ・・・ さやかが修羅の道に引きずり込まれたのに、さやかのために僕は何もできないなんて・・・ きっと怖くて、辛くて、悔しいんだろうね・・・」

  「明日あたり “悪すぎる夜”が来て、さやかは魔女と戦うんだ」

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2: ◆tC1RcY.rTU 2026/01/06(火) 21:58:22.61 ID:JXWnB0CR0
さやか(ん?)

上条「“悪すぎる夜”なんて、きっと卑劣で、醜悪で、残忍な奴だよ! お願いだよさやか、生き残ってくれ」

さやか「・・・えっと、気持ちはとてもうれしいんだけどちょっといいかな」

上条「どうぞ」

さやか「“悪すぎる夜”じゃなくて、“ワルプルギスの夜”なんだよね」

上条「え」

さやか「だから“ワルプルギスの夜”であって“悪すぎる夜”じゃないんだな。細かいこと言ってごめんね。」

 「とっても悪い魔女だから“悪すぎる夜”ってわけじゃなかったりするんだ」

3: ◆tC1RcY.rTU 2026/01/06(火) 21:59:04.18 ID:JXWnB0CR0

上条「え・・・ ああそっか。こっちこそごめん。何かおかしいとは思ってたんだ、ははは」

さやか「ははは。構わんよ」

上条「でもそうすると、もしかするとだけど、そいつも救いを求めているのかもしれないね」

さやか「え・・・?」

上条「ああごめん。士気を下げるようなこと言ってしまった。でも僕は音楽家なんだ」

  「音楽というのは人の心を安らかにする・・・ それが究極的な音楽家の使命だ」

  「魔法少女のシステムのことは聞いたよ。たかが一つの願い事のために人間性を奪われ、使い捨ての兵隊にされ、しまいには怪物にされてしまう。QBってのはどこまで非道なんだ」

  「QBに騙された悔しさ、戦い続ける虚しさ、明日を生きられるかわからない絶望・・・ いままでの魔法少女たちのそういった負の感情の集合体がその魔女の正体なんだよね」

さやか「それは、うん、そうだね」

4: ◆tC1RcY.rTU 2026/01/06(火) 22:00:42.01 ID:JXWnB0CR0
上条「だからその魔女も八つ当たりして露悪的になっているのかもしれない・・・」

  「心の底では救いを求めつつ、ただ衝動的な暴力を続けるしかできない哀れな存在かも」

  「“悪ぶり過ぎの夜”なんて!」

さやか「え、えっと・・・ どういうことだっけ」

上条「・・・? 悪ぶるというのは自分自身が悪者であるかのように行動することだよ」

  「“悪ぶり過ぎの夜”って名付けた昔の魔法少女も、そいつの深層心理を・・・」

さやか「待って待って、違うの。 “ワルプルギスの夜”!」」

上条 「え?」

さやか「・・・あのさ、こういうこと聞くのはすっごく失礼ってわかるけど、聞くね。気分を害したらごめんね。・・・ひょっとして、聴力に問題があったりする?」


5: ◆tC1RcY.rTU 2026/01/06(火) 22:05:46.74 ID:JXWnB0CR0
上条 「うん・・・ 病室では他の患者さんに迷惑だからイヤホンしてCDきいてたら、音量が大きかったらしくて・・・ それでちょっとぼやけるっていうか・・・」

さやか「え、えー・・・ 演奏家として致命的じゃんそれ・・・ どうしようQBの奴を〆て願い事を追加しようかな」

さやか「あれ? ひょっとしてCD差し入れた私のせい?」

上条「ああそれは大丈夫、しばらくイヤホンしないでいたら自然治癒するってお医者さんも言ってるから」

さやか「よ、よかった・・・ そういうことなら・・・ おっとメモ用紙&サインペン発見」

   「ここに文字で書いてあげるわ。紙が小さいけど」

   「よっと」【ワルプルギスの夜】カキカキ

さやか「これで3度目の正直っしょ」

6: ◆tC1RcY.rTU 2026/01/06(火) 22:06:16.34 ID:JXWnB0CR0
上条「ありがとう。わかりやすくなったよ」

上条「“クルプルギスの夜“! さやかにもしものことがあったら、僕が差し違えてでも」

さやか「あ、あれー・・・」

上条「さやかの思いを無駄にするようなことを言ってすまない。さやかは僕の音楽を世界中の人に聞いて欲しいって願ってくれたのに」

  「でも僕も一人の男なんだ、愛する女性を害されて、平気ではいられない」

  「これまでと同じ演奏は出来ない・・・ これは僕の演奏を取り戻す戦いでもあって」

さやか「いやそういうことじゃなくて、なんて言ったらいいかな・・・ えっと・・・」

7: ◆tC1RcY.rTU 2026/01/06(火) 22:07:04.36 ID:JXWnB0CR0
さやかのソウルジェムが戦う前から輝きを失いかねないのを感知したほむらが、この世界では親友であるさやかを助けるため、病室にやってきた。


ほむら「貴女はよくやったわ、さやか。私が対応するから少し休んでて」

さやか「転校生~ 助けてよ~」

上条「え、え~っと。どちら様でしょうか」

ほむら「私は暁美ほむら。ここの世界ではさやかの親友だから安心して。」

   「他の世界ではいがみあったり潰しあったり貶したり貶されたりしたけど、過去のことよ。ここにいるさやかと私は親友だから大丈夫」

上条「ああ・・・ さやかの言っていた、やってくる“クルプルギスの夜“をいっしょに待ち構えるという・・・」

  「どうかさやかをよろしくお願いします」

ほむら「よく聞いてね。“クルプルギスの夜“ではなくて“ワルプルギスの夜“よ」

   「KUではなくてWA」

   「メモ用紙が小さいので文字が縦長になってしまい、WAがKUに見えたのね」

上条「あ・・・ ごめん・・・ “ワルプルギスの夜“」

8: ◆tC1RcY.rTU 2026/01/06(火) 22:07:37.93 ID:JXWnB0CR0

さやか「やっとわかってくれたんだね」

ほむら「さやかに責任はないわ。ワルプルギスの夜って呼び方が長すぎるのが悪いのよ」

ほむら「ついでに語源も教えておくわ。こういうのは語源も知っておくと忘れないから」

   「ワルプルギスの夜ってのはドイツや北欧での中世の民間伝承よ。春の祭りの前夜に、魔女たちがドイツのブロッケン山で集会を開くといわれているの。現在でも廃れたわけではないわ。詳しくはググって頂戴」

上条「すいません。病院暮らしが長いのでパソコンとかインターネットとか疎くて・・・」

上条「しかし、よくわかったよ。その魔女が過去の魔法少女たちの怨念や嘆きの集合体であるがため、魔女の集会になぞらえて“ワルプルギスの夜“と呼ばれるわけですね」

ほむら「そういうことね」

さやか「あ、ありがとう。」

ほむら「いいのよ。親友なんですもの。助けるのは当然」

9: ◆tC1RcY.rTU 2026/01/06(火) 22:08:43.67 ID:JXWnB0CR0
上条「それでその・・・ あれこれ聞いて悪いんですが・・・」

ほむら「どうぞ」

上条「この歯車のついた凶悪な魔女はなんて名前なんですか。“ワルプルギスの夜の魔女“でいいんでしょうか?」

ほむら「ほえ?」

さやか「へ・・・?」

上条「え?」

上条「あれ? なんだかまだ僕がおバカな勘違いをしているような雰囲気なんだけど」

さやか「て、手ごわい・・・ 我が想い人は手ごわすぎるよ」

ほむら「えーと んーと とりあえずどのように理解しているのか教えてくれないかしら」

上条「あ、はい。ええと・・・ もうすぐワルプルギスの夜がやってきます。具体的には明日の夜です」

  「明日の夜がワルプルギスの夜に該当し、そのため悪くて凶悪な魔女が襲来します」

  「さやかやほむらは仲間を集めてこの魔女をやっつけます・・・ ああ失礼しました」

  「これは僕が間違っていました」

10: ◆tC1RcY.rTU 2026/01/06(火) 22:09:39.34 ID:JXWnB0CR0

さやか「間違いに気付いてくれた?」

上条 「命を懸けて戦う人を呼び捨てなんて失礼でした。さやかさんやほむらさんは・・・」

さやか「おいー そんなのってないよ・・・」

ほむら「はいストップ。どういう勘違いか完全に理解したわ」

   「ワルプルギスの夜というのは、この出来損ないの歯車人形がやってくる日の夜のことではないのよ」

上条 「えっ」

ほむら「この出来損ないの歯車人形みたいな魔女がワルプルギスの夜なの」

   「私が良かれと思って語源を説明したのも悪かったようね。ワルプルギスの夜ってのは魔女が集会を開く夜だと教えたので、こっちでもそうなんだと思い込んでしまった」

上条「あ・・・ ああ~・・・ もうすぐワルプルギスの夜がやってくるというのは、○月×日の夜(=ワルプルギスの夜)が来るという意味ではなくて、“ワルプルギスの夜“と呼称される魔女がもうすぐやってくる・・・ すいませんでした」

11: ◆tC1RcY.rTU 2026/01/06(火) 22:10:34.10 ID:JXWnB0CR0

さやか「良いんだよ。考えてみれば病み上がりなんだから頭もよく働かないよ」

上条「本当にごめん。これからさやかさん達は命がけの戦いを強いられるというのに・・・ こんなおバカなことを・・・」

ほむら「もう大丈夫よ。最初は文字数すら間違えていたのに一時間もかからずに正解にたどり着いたのだから」

   「さっきも言ったように悪いのは“ワルプルギスの夜”って名前の魔女よ。二人は自分にできる最善を尽くしただけ。それを馬鹿にするなんて、そんなの私が許さない」

上条 「そう言ってもらうと気が楽になります。お心遣いに感謝します」

さやか「いいってことよ」

ほむら「危なかったわね。もうちょいでソウルジェムが濁り始めるとこだったわ」

さやか「ギリギリセーフってとこだわ。そんじゃ私達は明日の準備とか作戦とかあるから」

上条「僕には何もできませんが応援しています! 頑張ってください!」

12: ◆tC1RcY.rTU 2026/01/06(火) 22:11:15.77 ID:JXWnB0CR0

 そしてワルプルギスの夜がやってきた! しかしなんだかんだで団結した魔法少女たちは決死の抗戦を続けていた! 

マミ「くっ つ、強い!」

杏子「諦めんな!」

ほむら「・・・ん。あのビルの屋上に誰かいるような?」

さやか「・・・恭介だ! 何やってんだあの人!」

マミ「なんかバイオリンもってない? 何か演奏しようっていうの?」

上条「聞くんだ。“ワルプスギルの夜“」

杏子「おいあんた、あぶねーぞ! 避難しろ避難!」

ほむさや「「惜しい! でもちょっと違う!」」

上条「君も元はと言えば人間だったはず・・・ なら信じよう。これが音楽の力だぁ!」

上条 ~♪ ~♯ ~♪

13: ◆tC1RcY.rTU 2026/01/06(火) 22:13:25.66 ID:JXWnB0CR0

 天才児上条の即興は激しくも切ない、勇猛であって雅な、悲しくも優しい音楽であった。
魔法少女たちにとっては勝利への行進曲であり、ワルプルギスの夜にとっては暖かな鎮魂歌であった。
町の人には明日への希望を、QBには感情と善意とを与え、その他の魔女は安らかな眠りへ誘うのであった・・・

 ワルプルギスの夜もその他の魔女も、みんな昇天していった・・・ 残された魔法少女たちはもう魔女になることはない。
肉体に魂が宿り、つまりは人間と呼ばれるべき存在と化したのだった。

QB「今まで命の掛け替えのなさに気が付かなかったなんて、なんと愚かだったんだろう」

 「宇宙延命は他の手段を研究開発するよ。本当に今まですまなかった。お詫びとして願い事を残り100個に増やします。もちろんノーリスクで対価は頂きませんし街も元に戻します」

ほむら「おう。願い事を言うぞ。絶滅しちまえ」

まどか「ほむらちゃん落ち着いて。とりあえず満漢全席を用意してもらって祝賀会開こうよ」

QB 「それくらい無料サービスします。僕たちの罪に比べたらどうってことないです」

14: ◆tC1RcY.rTU 2026/01/06(火) 22:14:26.65 ID:JXWnB0CR0

杏子「よっしゃあ! 激しい運動で腹減ってんだ、食うぞ!」

まどか「ウェヒヒww 中華だけでなくて和食もフレンチもイタリアンもありますぞww」

   「あ、でもやっぱこれがいいや。ドリンクバーのこれ」

さやか「なにそれ。カルピス?」

まどか「ワルプルギスの夜をぶちのめした夜は・・・ カルピス好きすぎる夜! なんてね」

ほむら「・・・・」

QB 「・・・・」

15: ◆tC1RcY.rTU 2026/01/06(火) 22:15:48.81 ID:JXWnB0CR0

マミ「・・・・」

杏子「もぐもぐ もぐもぐもぐ」

さやか「・・・・」イラッ

上条「・・・・フフッ」

さやか「あ、こういうの好きなの?」モトドオリ

上条「え、う、うん。実は嫌いじゃないんだ」

さやか「あっそ。・・・・ねえ、まどか」

さやか「今しがた静かになったのは、まどかの魔導か?」


おしまい

16: ◆tC1RcY.rTU 2026/01/06(火) 22:16:50.81 ID:JXWnB0CR0
さて貶される前にHTML化だぜ

引用元: 【まどマギ】さやか「だから“ワルプルギスの夜”だよ!」上条「え?」